説明

設置角度調整装置、設置角度調整方法及び設置角度調整プログラム

【課題】 画像形成装置本体が使用されていない電源遮断時に、操作パネルを邪魔にならない位置に設置することができると共に、電源投入時に任意の位置(基準位置または任意の位置)に角度調整を簡単に行うことができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 操作ボタンと操作ボタンを支持する回転可能な操作パネルを備える設置角度調整装置であって、操作パネルの設置角度を変更する旨の信号を入力する入力手段と、前記入力手段により前記操作パネルが有する回転可能な部材に連結された動力を駆動する動力駆動手段と、電源遮断時や電源投入時などの状況に応じて操作パネルの設置角度を設定する設定手段と、を備える。操作部には、操作部を回転させる方向に押すスイッチなどの入力手段、回転軸41、モータ30、減速機構31、ラッチ機構32、位置検出プレート33、フォトインタラプタ34、操作パネル4が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設置角度調整装置、設置角度調整方法及び設置角度調整プログラムに関し、特に、機器が使用されていない電源遮断時に、操作パネルを邪魔にならない位置に設置することができると共に、電源投入時に任意の位置(基準位置または任意の位置)に角度調整を簡単に行うことができ、調整された角度に再現性を持たせることが可能な設置角度調整装置、設置角度調整方法及び設置角度調整プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、オフィス等では電子写真式複写装置、ファクシミリ、プリンタ、プロッタ、印刷装置等の画像形成装置が急速に普及している。画像形成装置の操作にあたって、さまざまな入力を行う操作ボタンは、ハード的なスイッチや、タッチパネルを用いたソフトキーなどで構成され、動作状態や機器からの指示の表示にはLEDなどの表示装置やLCDなどによるディスプレイが用いられておりこれらの入出力装置がまとめられて操作パネル等の操作部を構成している。これら操作部を操作するときに操作者の身長差による操作上の不具合や、照明や外光のディスプレイへの映り込みによって表示が見えなくなるなどの不都合が発生することがあった。
【0003】
これらの問題点を解決するため、操作部や、ディスプレイの設置角度を変更する機構が提案されている(例えば、特許文献1、2、3参照)。このような操作パネルの角度を変更可能とする技術では、操作パネルが装置本体から飛び出し、飛び出した部分において、角度調整可能とされているものが多く見られる。また、回転させる軸等の部材に摩擦による負荷をかける手段や、ラチェット機構による継止手段等により実現していた。
【特許文献1】特開2003−345087号公報
【特許文献2】特開2003−337506号公報
【特許文献3】特開2004−287453号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記装置本体から操作パネルが飛び出している画像形成装置では、電源OFF時等も操作パネルの位置は変わらず、装置より飛び出したままの状態となっている。安全面やスペースの有効活用(荷物を運ぶ際等)の面からも、機器を使用していない時には、操作パネルが邪魔な位置にないことが望ましい。また、上記回転させる軸等の継止手段は、操作力が大きかったり、継止力が小さくボタンを操作する際に回転してしまったりするような不具合が有った。特に、車椅子を使用している人や、子供、老齢者などにとっては、操作力が大きいことや、ラチェット機構を外しながら回転角を調整するなどの複雑な操作を要することは非常に大きな障害になっていた。
【0005】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、係る不具合を解決することを前提とし、機器が使用されていない電源遮断時に、操作パネルを邪魔にならない位置に設置することができると共に、電源投入時に任意の位置(基準位置または任意の位置)に角度調整を簡単に行うことができる画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、操作ボタンと操作ボタンを支持する回転可能な操作パネルを備える設置角度調整装置であって、前記操作パネルの設置角度を変更する旨の信号を入力する入力手段と、前記入力手段により前記操作パネルが有する回転可能な部材に連結された動力を駆動する動力駆動手段と、電源遮断時や電源投入時などの状況に応じて前記操作パネルの設置角度を設定する設定手段と、を備える設置角度調整装置である。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の装置において、前記設定手段は、電源を遮断した時に、前記操作パネルの傾斜角度を最大チルト位置(邪魔にならない位置)に設置し、その後、装置本体の電源を遮断することを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の装置において、前記設定手段は、電源を投入した時に、前記操作パネルをチルト動作させて、基準位置に設置することを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の装置において、前記設定手段は、電源を投入した時に、予め設定した任意の位置に設置することを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の装置において、前記予め設定した任意の位置は、電源遮断前に記憶している位置であることを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の装置において、前記入力手段は、前記操作パネルの上面と下面に配置され、操作する方向に操作パネルを回転し設置角度を変更することを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の装置において、1以上の停止位置を位置センサで検知する停止位置検知手段と、前記入力信号を検知する入力信号検知手段と、次の停止位置の位置センサが、前記操作パネルの設置角度が停止位置に到達したことを検知する到達検知手段と、前記入力信号検知手段により、入力信号を検知したとき、前記停止位置へ到達したことを検知するまで電動機を駆動する電動機駆動手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項8記載の発明は、操作ボタンと操作ボタンを支持する回転可能な操作パネルを備える設置角度調整方法であって、前記操作パネルの設置角度を変更する旨の信号を入力する入力工程と、前記入力手段により前記操作パネルが有する回転可能な部材に連結された動力を駆動する動力駆動工程と、電源遮断時や電源投入時などの状況に応じて前記操作パネルの設置角度を設定する設定工程と、を備える設置角度調整方法である。
【0014】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の方法において、前記設定工程は、電源を遮断した時に、前記操作パネルの傾斜角度を最大チルト位置(邪魔にならない位置)に設置し、その後、装置本体の電源を遮断することを特徴とする。
【0015】
請求項10記載の発明は、請求項8又は9に記載の方法において、前記設定工程は、電源を投入した時に、前記操作パネルをチルト動作させて、基準位置に設置することを特徴とする。
【0016】
請求項11記載の発明は、請求項8から11のいずれか1項に記載の方法において、前記設定工程は、電源を投入した時に、予め設定した任意の位置に設置することを特徴とする。
【0017】
請求項12記載の発明は、請求項11記載の方法において、前記予め設定した任意の位置は、電源遮断前に記憶している位置であることを特徴とする。
【0018】
請求項13記載の発明は、請求項8から12のいずれか1項に記載の方法において、前記入力工程は、前記操作パネルの上面と下面に配置され、操作する方向に操作パネルを回転し設置角度を変更することを特徴とする。
【0019】
請求項14記載の発明は、請求項8から13のいずれか1項に記載の方法において、1以上の停止位置を位置センサで検知する停止位置検知工程と、前記入力信号を検知する入力信号検知工程と、次の停止位置の位置センサが、前記操作パネルの設置角度が停止位置に到達したことを検知する到達検知工程と、前記入力信号検知手段により、入力信号を検知したとき、前記停止位置へ到達したことを検知するまで電動機を駆動する電動機駆動工程と、を備えることを特徴とする。
【0020】
請求項15記載の発明は、電源の遮断要求を検出する処理と、操作パネルの設置角を検知する処理と、前記操作パネルの設定角が最大チルト角に設定されているか否かを検出する処理と、前記操作パネルの設定角が最大チルト角に設定されていると判断したときは直ちに電源の遮断指示し、操作パネルの設定角が最大チルト角に設定されていないと判断したときはチルト指示を発信する処理と、前記操作パネルが最大チルト位置に達したときにチルト動作を停止させ、電源の遮断支持を発信する処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする設置角度調整プログラムである。
【0021】
請求項16記載の発明は、請求項15記載のプログラムにおいて、前記操作パネルの設定角を記憶部に記憶する処理と、前記操作パネルが最大チルト位置に達したときにチルト動作を停止させ、電源の遮断支持を発信する処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0022】
請求項17記載の発明は、電源の投入を検出する処理と、操作パネルの設置角を検知する処理と、電源の投入を検出したときに、前記操作パネルの設定角が最小チルト角に設定されるまでチルト指示を発信し、操作パネルが最小チルト位置に達したときにチルト動作を停止させる処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする設置角度調整プログラムである。
【0023】
請求項18記載の発明は、請求項17記載のプログラムにおいて、前記操作パネルの基準位置情報を記憶部から読み出す処理と、前記操作パネルの設置角と基準位置情報に基づく設置角を比較する処理と、電源の投入を検出したときに、操作パネルの基準位置情報を記憶部から読み出す処理と、前記読み出した基準位置情報と操作パネルの設置角とを比較し、操作パネルの設定角が基準位置情報に基づく設置角に達するまでにチルト動作指示を発信する処理と、前記操作パネルの設定角が基準位置情報に基づく設置角に達したときにチルト動作を停止させる処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0024】
請求項19記載の発明は、請求項17又は18記載のプログラムにおいて、電源遮断前の操作パネルの設置位置情報を基準位置情報として記憶部から読み出す処理と、前記操作パネルの設置角と前記読み出した基準位置情報に基づく設置角を比較する処理と、電源の投入を検出したときに、操作パネルの基準位置情報を記憶部から読み出す処理と、前記読み出した基準位置情報と操作パネルの設置角とを比較し、操作パネルの設定角が基準位置情報に基づく設置角に達するまでにチルト動作指示を発信する処理と、前記操作パネルの設定角が基準位置情報に基づく設置角に達したときにチルト動作を停止させる処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、電源遮断時や電源投入時等の状況に応じて、操作パネルの設置角度を設定することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に、本発明の実施形態に係る設置角度調整装置を、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種種の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0027】
図1は、本発明の実施形態に係る画像処理装置の概観図である。図1に示すように、画像処理装置本体の構成として、図中上方に位置する原稿をスキャナ部に送るADF1、コピーする原稿を読み取るスキャナ5及びコピーした画像を出力するプリンタ6(本体に内蔵されているため図中では視認できない)、用紙トレイ7、操作部(操作パネル)4、排紙トレイ2及びコピーを帳合するためのソーター3から構成されている。
【0028】
図2は、本発明の実施形態に係る画像処理装置の基本的な制御ブロック図である。図中上方に操作部を構成する制御ブロック、下方に画像処理装置本体を構成する制御ブロックを示している。操作部は、LCD8、表示制御部9、タッチパネル10、入力制御部11、ハードキー12、キーマトリクス13、LED14、LEDマトリクス15、操作制御部16、記憶部17から構成される。さまざまな入力を行う操作ボタンは、ハード的なスイッチ(ハードキー)や、タッチパネルを用いたソフトキーなどで構成される。動作状態や機器からの指示の表示にはLEDなどの表示装置やLCDなどによるディスプレイが用いられる。操作制御部16は、上述の各制御部を統括して制御を行う。また、それと同時に、記憶部17若しくは本体側の制御部19と通信を行い、入力情報や表示データの受け渡しを行う。画像処理装置本体は、画像処理部18、本体制御部19、記憶部20、通信制御部21、ADF駆動部22、ADF1、スキャナ駆動部24、スキャナ5、プリンタ駆動部26、プリンタ6、ソーター駆動部28、ソーター3から構成される。記憶部20は、本体制御部19が実行するシーケンス制御のプログラムや、操作部からの入力信号を解釈するためのファイルなどを記憶する。その他、図示しないが、スキャナ等で読み込んだ画像データに対して、UCRや、輪郭強調、拡大・縮小などの画像処理を行う画像処理部、LANやFAXなどを利用した画像通信のための通信制御部を構成している場合もある。
【0029】
図3に、本発明の実施形態に係る操作部の概観図を示す。図中左は操作部の正面図、図中右は操作部の右側面図である。図4は、本発明の実施形態に係る減速機構の側面図である。本実施形態に係る操作部には、操作部を回転させる方向に押すスイッチ(チルトSW35、チルトSW36)などの入力手段、回転軸41(図4)、モータ30、減速機構31、ラッチ機構32、位置検出プレート33、フォトインタラプタ34、操作パネル4が設けられている。
【0030】
操作者が操作部を下に傾けたいとするときは、操作部上面に設置されているスイッチ(チルトSW35)を下方に押す。これにより下方向への操作指示として検知し、検出信号を発生する。逆に上に傾けたいとする場合は、操作部下面に設置されているスイッチ(チルトSW36)を押し上げるように操作すると、逆方向の操作指示として検知し、逆方向への回転指示の信号を発生する。かかる信号を用いて、モータを回転させ、操作者が意図する方向への回転動作が実行される。
【0031】
上記実施形態によって、操作者は操作部の下向きの揺動及び上向きの揺動をそれぞれ同じ感覚で行うことが可能となる。また、操作部を意図した位置で停止させることが可能となり、操作部の位置決め精度が向上される。
【0032】
ここで、操作部の回転軸41は減速機構31を介してモータ接続されているため、操作部の角度維持のための力は、減速機構によって維持されており、モータを駆動しない限り、操作部を操作者が押しても容易に回転することはない。減速機構31と操作部の回転軸間にラッチ機構32を付加し、モータ駆動時はラッチを開放し、モータ停止時にはラッチにて保持するように構成すれば、なお保持が確実になる。また、減速機構31にギア40を用いたときは、ギア40のバックラッシュによるガタが生じるが、前術のようなラッチ機構32を用いることにより操作パネルに生ずるガタをなくすこともできる。
【0033】
ここで用いられるラッチ機構とは、図6に示すようなトルクヒンジが知られている。軸受け46と回転軸が固定され、ハウジング48が本体に固定されるように構成し、板バネ47により回転軸41とハウジング48の間に摩擦力による保持力が発生する仕組みになっている。
【0034】
図8は、本発明の実施形態に係る操作部の制御ブロック図である。LCD8からLEDマトリクス15まで及び操作制御部16、記憶部17は、上記図2の操作部と同様である。その他、入力部60、61位置センサ62、基準位置検出センサ63、モータ駆動部64、過負荷検知部65、モータ66から構成される。入力手段60、61の入力を検知すると操作制御部16がいずれの入力手段からの出力かを判断し、モータ駆動信号とモータの回転方向の指示信号をモータ駆動部64に出力する。出力信号の形態は、図9に示す。
【0035】
また、操作パネルの回転軸は、モータから減速機構を介して接続されており、モータと減速機構の慣性が大きくなり、押圧が解除されても操作パネルの回転がすぐには停止しないため、回転が行き過ぎる不具合が有る。したがって、押圧が解除されたときに回転機構にブレーキなどの停止装置を付加すると速やかに停止させることができる。ブレーキの方法としては、電磁ブレーキ、モータに逆相の電圧を与えることによる逆回転ブレーキ等が考えられる。
【0036】
図10に、モータに逆転ブレーキをかける際の制御波形を示す。その他には、モータ端子間を短絡することによってもブレーキをかけられることが可能であり、図10に示すブレーキのタイミングでモータ端子を短絡しても同様な効果が得られる。
【0037】
図7は、本発明に係る電磁ブレーキの概略図である。ヨーク51、アーマチュア52、コイル53、ピン・スプリング54、ポール55、ハブ56、ディスク57、プレート58から構成されている。ヨーク51とアーマチュア52により磁気回路を構成し、ヨーク51内部にコイル53を設け、コイル53に通電すると形成される磁気回路においてアーマチュア52をヨーク51に磁気力にて吸引して沿う方の摩擦力でブレーキをかける構造である。ここで、ヨーク51を本体に固定し、アーマチュア52を回転軸に固定すると、コイル53に通電したときに摩擦ブレーキをかけることができる。誘電しないときは、アーマチュア52は回転軸と一体になり自由に回転することができる。
【0038】
図11は、本発明に係る電磁ブレーキを用いるときの操作部制御ブロック図である。図12に電磁ブレーキを使用した際の電動機停止時のブレーキ印加波形を示す。LCD8からLEDマトリクス15、操作制御部16、記憶部17、入力部60から位置センサ62、モータ駆動部64、過負荷検知部65、モータ30は、上記図8と同様である。本実施形態では、この他、電磁ブレーキ71及びこれを駆動するブレーキ駆動部70から構成される。ブレーキ駆動部70は、操作制御部16に制御される。
【0039】
ブレーキの駆動は、モータ30を停止した直後に通電し、モータ30を駆動する直前に開放する。このとき、モータ30を停止した直後の一定時間は定格通電(短時間であれば定格以上の通電も可能)とし、一定時間後にブレーキへの通電を減少させる用に制御する。これは、アーマチュア52がヨーク51に引き付けられているときはアーマチュア52、ヨーク51間のエアギャップが小さくなり磁気抵抗が減少するため、吸引力が大きなり、定格までの通電をしなくても十分な摩擦力が得られ、消費電力を落とし、電磁ブレーキの発熱を抑制する効果がある。
【0040】
本発明に係る他の実施形態として、操作部の停止角度を、任意の位置ではなく何段階かの停止位置で停止させる形態も考え得る。その対応として、操作部の回転軸に固定された停止位置マークを位置センサ62で読み取り停止させる。
【0041】
図3に示すように、操作パネル4を支持する回転軸41に円弧状の位置検出プレート33を設けている。この位置検出プレート33の円周には図5に示すように、略長方形状となるスリット(開口部)45が所定間隔毎に形成されている。この間隔は等間隔でも良いが、必要に応じて異なる間隔で設けても良い。位置検出プレート33は、回転軸41に固定されており、回転軸41の回転に伴い回転(遥動)する。図3に示すように側面コ字状に形成されたフォトインタラプタ34が前記位置検出プレート33を挟むように配設されている。そして、フォトインタラプタ34の図示しない発光部及び受光部によって位置検出プレート33のスリット45を検出するようになっている。従って、前記フォトインタラプタ34によって位置検出プレート33のスリット45を所定位置から検出してカウントすることにより、操作パネル4の揺動角を検出することができるようになっている。かかる位置検出プレート33とフォトインタラプタ34の位置関係を図13に示す。フォトインタラプタ34の検出位置が位置検出プレート34のスリット開口部に合わせてあり回転に従い順次口部を検知し、傾斜角を検知するようになっている。
【0042】
図13は、水平時の位置を示し(最も上方に回転した位置=初期位置)、チルト動作をするときに、図示している方向に回転する。回転位置は初期位置からのスリット検出個数を計数することにより回転位置を認識することができる。また、基準位置検出センサ63を設けることにより、より確実に回転位置を認識できる。図14は、予めセットされているプリセット角度のイメージ図である。
【0043】
上記実施形態により、特定の操作を実施した後に、装置の電源をON/OFFすることができる。また、調整された角度に再現性を持たせることができる。
【0044】
図15は、本発明の実施形態に係る画像形成装置において、外部電源、リレーを用いることにより、装置PSUへの電源供給/遮断を容易に制御する際のブロック構成図である。AC80、リレー81、本体PSU82、排他83、メインSW84、リレー制御用PSU(DC電源等)85から構成されている。Power ON若しくはPower OFF検知用の信号を検知した際の動作は、図16乃至19を用いて説明する。
【0045】
〈電源ON時〉
図16に本発明の実施形態に係る電源ON時の動作を示すフローチャート、図17に本発明の実施形態に係る電源ON時の動作を示すタイミングチャートを示す。Power ON信号を検知すると(ステップS100)、前回設置位置情報が記録されているか確認する(ステップS101)。記録されている場合は(ステップS101/Yes)、モータを制御し、上方向へ回転させる(ステップS102)。位置センサ62で位置を検知し、基準位置を検知した際は(ステップS103/Yes)、モータを停止する(ステップS106)。この制御を図17のタイミングチャートで見ると、センサ62が基準位置を検知すると、モータを停止させる制御が行われることが図中aにて示されている。基準位置を検知出来ない際は(ステップS103/No)、ステップS102に戻り、モータを制御し、基準位置を探す。一方、前回設置位置情報が記憶されていない場合は(ステップS101/No)、モータを制御し上方向へ回転しながら(ステップS104)、前回設置時の位置センサの場合は(ステップS105/Yes)、モータを停止する(ステップS106)。一方、前回設置時の位置センサでない場合は(ステップS105/No)、ステップS104に戻る。
【0046】
上記実施形態により、装置の電源ON時に、操作パネルを所定の位置に設置するため、従来の操作性を維持することができる。
【0047】
〈電源OFF時〉
図18に本発明の実施形態に係る電源OFF時の動作を示すフローチャート、図19に本発明の実施形態に係る電源OFF時の動作を示すタイミングチャートを示す。
Power OFF信号を検知すると(ステップS200)、モータを停止する(ステップS201)。次に、モータを制御し、下方向へ回転する(ステップS202)。位置センサ66(操作パネルが邪魔にならない位置)を検知した際は(ステップS203/Yes)、モータを停止し(ステップS204)、Power OFFする。この制御を図19のタイミングチャートで見ると、Power SW/Power OFFが検知されると、モータが駆動し、位置66を検知すると、モータが停止する(図19中a参照)。モータが停止すると、リレーOFF/AC OFF信号が停止する(図19中b参照)。
【0048】
上記実施形態により、装置の電源OFF時に、操作パネルを邪魔にならない位置に設置できるため、特定の操作を実施した後に、装置の電源をON/OFFし、安全性向上やスペースの有効活用ができる(荷物を運ぶ際等)。
【0049】
また、上記実施形態により、利用者は操作部の下向きの揺動及び上向きの揺動をそれぞれ同じ感覚で行うことが可能となり、容易に任意の位置を設定することができる。
【0050】
上記実施形態は、複写機、プリンタなどのOA機器および電子機器の操作パネルの回転角調整機構に利用することができる。
【0051】
尚、各図のフローチャートに示す処理を実行するためのプログラムは本発明によるプログラムを構成する。このようなプログラムを、前述した各実施形態とは異なる構成のシステム等で用い、そこのCPUで上記プログラムを実行させることにより、本発明と実質的に同じ効果を得ることができる。
【0052】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種種変更可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態に係る画像処理装置の概観図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像処理装置の基本的な制御ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る操作部の概観図である。
【図4】本発明の実施形態に係る減速機構の側面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る位置検出プレートの概観図である。
【図6】本発明の実施形態に係るトルクヒンジの断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る電磁ブレーキの概略図である。
【図8】本発明の実施形態に係る操作部の制御ブロック図である。
【図9】本発明の実施形態に係る制御信号のタイミングチャートである。
【図10】本発明の実施形態に係るモータに逆転ブレーキをかける際の制御信号のタイミングチャートである。
【図11】本発明の実施形態に係る電磁ブレーキを用いる際の操作部の制御ブロック図である。
【図12】本発明の実施形態に係る電磁ブレーキを使用した際の電動機停止時のブレーキ印加波形図である。
【図13】本発明の実施形態に係る位置検出プレート33とフォトインタラプタ34の位置関係を示す図である。
【図14】本発明の実施形態に係る操作部の傾斜角のプリセット画面を示す図である。
【図15】本発明の実施形態に係る画像形成装置において、外部電源、リレーを用いることにより、装置PSUへの電源供給/遮断を容易に制御する際のブロック構成図である。
【図16】本発明の実施形態に係る電源ON時の動作を示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施形態に係る電源ON時の動作を示すタイミングチャートである。
【図18】本発明の実施形態に係る電源OFF時の動作を示すフローチャートである。
【図19】本発明の実施形態に係る電源OFF時の動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0054】
1 ADF
2 排紙トレイ
3 ソーター
4 操作パネル
5 スキャナ
6 プリンタ
7 用紙トレイ
8 LCD
9 表示制御部
16、19 制御部
30 モータ
31 減速機構
32 ラッチ機構
33 位置検出プレート
34 フォトインタラプタ
35、36 チルトSW
40 ギア
41 回転軸
45 スリット
48 ハウジング
51 ヨーク
52 アーマチュア
53 コイル
60、61 入力部
62、66 位置センサ
63 基準位置センサ
64 モータ駆動部
70 ブレーキ駆動部
72 検出位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作ボタンと、操作ボタンを支持する回転可能な操作パネルを備える設置角度調整装置であって、
前記操作パネルの設置角度を変更する旨の信号を入力する入力手段と、
前記入力手段により前記操作パネルが有する回転可能な部材に連結された動力を駆動する動力駆動手段と、
電源遮断時や電源投入時などの状況に応じて前記操作パネルの設置角度を設定する設定手段と、を備える設置角度調整装置。
【請求項2】
前記設定手段は、電源を遮断した時に、前記操作パネルの傾斜角度を最大チルト位置(邪魔にならない位置)に設置し、その後、装置本体の電源を遮断することを特徴とする請求項1記載の設置角度調整装置。
【請求項3】
前記設定手段は、電源を投入した時に、前記操作パネルをチルト動作させて、基準位置に設置することを特徴とする請求項1又は2に記載の設置角度調整装置。
【請求項4】
前記設定手段は、電源を投入した時に、予め設定した任意の位置に設置することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の設置角度調整装置。
【請求項5】
前記予め設定した任意の位置は、電源遮断前に記憶している位置であることを特徴とする請求項4記載の設置角度調整装置。
【請求項6】
前記入力手段は、前記操作パネルの上面と下面に配置され、操作する方向に操作パネルを回転し設置角度を変更することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の設置角度調整装置。
【請求項7】
1以上の停止位置を位置センサで検知する停止位置検知手段と、
前記入力信号を検知する入力信号検知手段と、
次の停止位置の位置センサが、前記操作パネルの設置角度が停止位置に到達したことを検知する到達検知手段と、
前記入力信号検知手段により、入力信号を検知したとき、前記停止位置へ到達したことを検知するまで電動機を駆動する電動機駆動手段と、を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の設置角度調整装置。
【請求項8】
操作ボタンと操作ボタンを支持する回転可能な操作パネルを備える設置角度調整方法であって、
前記操作パネルの設置角度を変更する旨の信号を入力する入力工程と、
前記入力手段により前記操作パネルが有する回転可能な部材に連結された動力を駆動する動力駆動工程と、
電源遮断時や電源投入時などの状況に応じて前記操作パネルの設置角度を設定する設定工程と、を備える設置角度調整方法。
【請求項9】
前記設定工程は、電源を遮断した時に、前記操作パネルの傾斜角度を最大チルト位置(邪魔にならない位置)に設置し、その後、装置本体の電源を遮断することを特徴とする請求項8記載の設置角度調整方法。
【請求項10】
前記設定工程は、電源を投入した時に、前記操作パネルをチルト動作させて、基準位置に設置することを特徴とする請求項8又は9に記載の設置角度調整方法。
【請求項11】
前記設定工程は、電源を投入した時に、予め設定した任意の位置に設置することを特徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載の設置角度調整方法。
【請求項12】
前記予め設定した任意の位置は、電源遮断前に記憶している位置であることを特徴とする請求項11記載の設置角度調整方法。
【請求項13】
前記入力工程は、前記操作パネルの上面と下面に配置され、操作する方向に操作パネルを回転し設置角度を変更することを特徴とする請求項8から12のいずれか1項に記載の設置角度調整方法。
【請求項14】
1以上の停止位置を位置センサで検知する停止位置検知工程と、
前記入力信号を検知する入力信号検知工程と、
次の停止位置の位置センサが、前記操作パネルの設置角度が停止位置に到達したことを検知する到達検知工程と、
前記入力信号検知手段により、入力信号を検知したとき、前記停止位置へ到達したことを検知するまで電動機を駆動する電動機駆動工程と、を備えることを特徴とする請求項8から13のいずれか1項に記載の設置角度調整方法。
【請求項15】
電源の遮断要求を検出する処理と、
操作パネルの設置角を検知する処理と、
前記操作パネルの設定角が最大チルト角に設定されているか否かを検出する処理と、
前記操作パネルの設定角が最大チルト角に設定されていると判断したときは直ちに電源の遮断指示し、操作パネルの設定角が最大チルト角に設定されていないと判断したときはチルト指示を発信する処理と、
前記操作パネルが最大チルト位置に達したときにチルト動作を停止させ、電源の遮断支持を発信する処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする設置角度調整プログラム。
【請求項16】
前記操作パネルの設定角を記憶部に記憶する処理と、
前記操作パネルが最大チルト位置に達したときにチルト動作を停止させ、電源の遮断支持を発信する処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項15記載の設置角度調整プログラム。
【請求項17】
電源の投入を検出する処理と、
操作パネルの設置角を検知する処理と、
電源の投入を検出したときに、前記操作パネルの設定角が最小チルト角に設定されるまでチルト指示を発信し、操作パネルが最小チルト位置に達したときにチルト動作を停止させる処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする設置角度調整プログラム。
【請求項18】
前記操作パネルの基準位置情報を記憶部から読み出す処理と、
前記操作パネルの設置角と基準位置情報に基づく設置角を比較する処理と、
電源の投入を検出したときに、操作パネルの基準位置情報を記憶部から読み出す処理と、
前記読み出した基準位置情報と操作パネルの設置角とを比較し、操作パネルの設定角が基準位置情報に基づく設置角に達するまでにチルト動作指示を発信する処理と、
前記操作パネルの設定角が基準位置情報に基づく設置角に達したときにチルト動作を停止させる処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項17記載の設置角度調整プログラム。
【請求項19】
電源遮断前の操作パネルの設置位置情報を基準位置情報として記憶部から読み出す処理と、
前記操作パネルの設置角と前記読み出した基準位置情報に基づく設置角を比較する処理と、
電源の投入を検出したときに、操作パネルの基準位置情報を記憶部から読み出す処理と、
前記読み出した基準位置情報と操作パネルの設置角とを比較し、操作パネルの設定角が基準位置情報に基づく設置角に達するまでにチルト動作指示を発信する処理と、
前記操作パネルの設定角が基準位置情報に基づく設置角に達したときにチルト動作を停止させる処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項17又は18記載の設置角度調整プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−81248(P2007−81248A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−269215(P2005−269215)
【出願日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】