説明

認証装置、認証方法およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】被認証者にとっても利便性を高めることのできる認証装置、認証方法およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体を低コストで提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の認証装置は、情報処理装置に対して当該情報処理装置の機能を操作するための所定の入力情報を入力可能な周辺機器に設けられた、ユーザの生体認証情報を取得する生体認証情報取得部と、生体認証情報取得部により取得された生体認証情報に基づいて、ユーザを認証する認証部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証装置、認証方法およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、指紋や声紋、虹彩や鼓膜の血管分布を、個人認証手段として用いるものがあった。例えば、セキュリティ用途では、出入り口のドアの近傍に設けられた認証装置に指を押し当て、この認証装置で指紋を検出し、予め登録された指紋に合致すると認証された場合にのみ、ドアを開錠するのである。また、声紋や虹彩等を用いる場合も、同様に、認証装置に対して発声、あるいは目を対向させ、検出された声紋や虹彩のパターンが予め登録されたものである場合に、ドアが開錠されたりするようになっている。
このような指紋や声紋、虹彩等は、同じパターンを有する者は数万人以上に一人といったオーダーであるため、個人認証を行うための手段として優れた一面を有しており、近年、上記したようなセキュリティ用途をはじめとして、広い分野で用いられつつある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】MacGregor P,Welford R,“Veincheck Lends AHand For High Security”,E0968 Sensor Review,vol.12, No.3, 1992, page.19-23,EN
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の認証装置を用いて個人認証を行う場合には、認証を受ける被認証者は、認証装置の検出部に対し、指を押し当てたり、目を対向させたり、発声したり、認証を受けるための特別な動作を行わなければならないという問題があり、利便性に向上の余地がある。
また、指紋や虹彩のパターンは非常に微細であり、認証精度を高めるためには高い解像度でのパターン検出を行う必要がある。このため、認証装置におけるパターンの検出部にコストがかかり、これもシステムの低コスト化の妨げとなっている。
【0005】
ところで、近年、例えば被認証者の手の甲の静脈パターンを検出し、これを用いて認証を行うことも検討されている(非特許文献1)。静脈パターンは、指紋や虹彩のパターンに比較すれば粗いため、認証装置では、大幅に低い解像度でのパターン検出が可能となる。しかし、このように手の甲の静脈パターンを用いる場合であっても、被認証者は、認証を受けるには、認証装置の検出部に対して手の甲を対向させるという特別な動作を行わなければならないということに変わりはなく、上記問題の有効な解決策とはなり得ない。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、被認証者にとっても利便性を高めることのできる認証装置、認証方法およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体を低コストで提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的のもと、本発明のユーザインターフェースは、ユーザが当該ユーザインターフェースを使用する際に自然にとる位置、すなわちユーザインターフェースに対するホームポジションをとったときに、識別情報取得部がユーザの識別情報を取得し、この識別情報を識別情報出力部が出力することを特徴としている。ここで、ユーザインターフェースとしては、例えばパーソナルコンピュータにおけるキーボード、マウス、ジョイスティック、自動車におけるハンドル、シフトレバー等が挙げられる。また、ユーザが当該ユーザインターフェースを使用する際に自然にとる位置、つまりユーザインターフェースに対するホームポジションの例としては、キーボードに文字を入力する際に指を基本的な位置に置くこと、マウスを操作する際にマウスのグリップ部分を手の平で覆うこと、自動車を運転する際にハンドルやシフトレバーを握ること、などが挙げられる。このように、本発明では、ユーザがユーザインターフェースに対するホームポジションをとったときにユーザの識別情報が取得されるため、ユーザは特別な動作を行う必要がない。
ユーザインターフェースとしてはこの他に、マウスを操作する際に手首が対向するマウスパッド、ドアを開閉操作するときに触れるドアノブ、カバンを持つときに触れる取っ手、携帯電話等の携帯型情報端末を使用する際に保持する携帯型情報端末の背面も、本発明ではユーザインターフェースとして含めることができる。
【0007】
本発明のユーザインターフェースにおいて、識別情報取得部は、例えば血管配置パターンを赤外線等で読みとれば、ユーザと接触状態にある場合のみならず、ユーザと非接触の状態であっても識別情報を取得することができる。つまり、ユーザの身体の一部が識別情報取得部に接触していなくとも、近接していれば識別情報が取得されるため、ユーザが識別情報取得部に身体の一部、例えば手の平等を押圧させたりする必要は何ら生じない。
また、識別情報取得部は、ユーザの血管配置パターンを検出し、当該血管配置パターンを識別情報として取得することができる。血管パターンの検出には、磁界を発生し、この磁界中を通る血液の流れを検出する手法、超音波ビームによる検出手法等を用いることができる。さらに、赤外線発光部で赤外線を発光し、その反射光を反射光検出部で検出することによって、ユーザの静脈の配置パターンを識別情報として検出することもできる。ここで、動脈と静脈では酸素含有量が異なるため赤外線の吸収率が異なり、これによって静脈の配置パターンを検出することができるのである。
なお、識別情報出力部によって出力される識別情報としては、検出した血管配置パターン、静脈の配置パターンをそのまま、あるいは一部のみを出力し、外部で認証処理を行うこともできるが、ユーザインターフェース自体で、検出した血管配置パターン、静脈の配置パターンに基づいて認証を行い、その認証の可否を出力することも可能である。
【0008】
さらに本発明は、識別情報取得部と認証部と認証結果出力部とを備える認証装置を提供する。本発明における認証装置は、被認証者の操作対象、例えばキーボード、マウス等のユーザインターフェースに設けられる。そして、識別情報取得部は、被認証者が操作対象を操作する際に被認証者の手首または手の平が対向する位置、つまり、被認証者の動作を考慮した位置に設けられていることを特徴としている。より具体的には、識別情報取得部は被認証者が操作対象を操作する際に、被認証者の識別情報を取得し、この識別情報に基づいて認証部が認証を行い、次いで認証結果出力部が認証部における認証結果を出力するのである。これにより、被認証者は認証を受けるための特別な動作を要求されることなく、無意識のうちに認証を受けることができる。
また、識別情報取得部は、被認証者に赤外線を照射し、その反射光に基づいて被認証者の静脈の配置パターンを識別情報として取得することができる。さらに、本発明の認証装置において、予め登録された被認証者の登録情報が格納された登録情報格納部と、識別情報取得部で取得された識別情報と登録情報格納部に格納された登録情報を照合する情報照合部とをさらに備え、認証結果出力部が、情報照合部での照合結果を認証結果として出力することもできる。
【0009】
さらに発明は、ユーザの静脈の配置パターンを識別情報として取得し、この識別情報に基づいてなされた認証結果に基づき、ユーザ毎に特定の処理を行うことを特徴とするデバイスを提供する。ここで、デバイスとしては、例えばパーソナルコンピュータ等の入力装置、自動車、自転車、オートバイ等の移動体、あるいはドア、等が広く包含される。本発明のデバイスにおいて、識別情報取得手段は、ユーザの操作を受け付ける操作手段に設けられている。周知の通り、パーソナルコンピュータ等の入力装置における操作手段としてはキーボード、マウス、ジョイスティックなど、自動車等の移動体における操作手段としてはハンドル、シフトレバーなどが挙げられる。また、処理手段が行う特定の処理は、デバイスの種類によって様々なものが考えられる。例えば、デバイスがパーソナルコンピュータである場合には、アクセス制限の他、ユーザ毎に入力設定の変更、画面設定の変更等を特定の処理として行うことができる。
【0010】
さらに本発明の携帯型情報端末は、外部からの入力を受け付ける操作部を有しており、この操作部の背面に赤外線発光部を設けることを特徴としている。より詳しくは、赤外線発光部は、当該携帯型情報端末を保持する被認証者の身体所定部位、例えば被認証者の手に向けて赤外線を発光し、反射光検出部は赤外線発光部から発光された赤外線の被認証者からの反射光を検出する。次いで、イメージ取得部は反射光検出部で検出された反射光に基づき、被認証者の赤外線吸収率の違いによるイメージを取得し、情報出力部がイメージ取得部で取得されたイメージに基づく情報を出力するのである。本発明の携帯型情報端末では赤外線発光部を操作部の背面に設けているため、被認証者に認証を受けるための特別の動作を要求することなく、被認証者のイメージ情報を取得することができる。なぜなら、被認証者は通常、自らの手の平に携帯型情報端末を保持した状態で操作を行うため、被認証者の手の平が操作部の背面に接触または近接するのが常であるからである。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明によれば、システムの簡素化を図るとともに被認証者にとっても利便性を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】静脈パターンの例を示す図である。
【図2】静脈血の吸収スペクトルと静脈検出に用いる近赤外光の帯域を示す図である。
【図3】認証デバイスの構成を示す図である。
【図4】静脈パターン検出部の構成を示す図である。
【図5】キーボードに認証デバイスを設ける場合の静脈パターン検出部の配置を示す図である。
【図6】認証デバイスにおいて静脈パターンを検出する流れを示す図である。
【図7】マウスに認証デバイスを設ける場合の静脈パターン検出部の配置を示す図である。
【図8】マウスパッドに認証デバイスを設ける場合の静脈パターン検出部の配置を示す図である。
【図9】自動車のハンドルに認証デバイスを設ける場合の静脈パターン検出部の配置を示す図である。
【図10】自動車のシフトレバーに認証デバイスを設ける場合であって、手の平部分の静脈パターンを検出するような位置に静脈パターン検出部を配置した状態を示す図である。
【図11】手首部分の静脈パターンを検出するような位置に静脈パターン検出部を配置した状態を示す図である。
【図12】ドアノブに認証デバイスを設ける場合の静脈パターン検出部の配置を示す図である。
【図13】携帯電話に認証デバイスを設ける場合の静脈パターン検出部の配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面に示す本実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
本実施の形態では、被認証者(ユーザ)の静脈パターン(血管配置パターン、静脈配置パターン)による認証を行い、コンピュータ端末へのアクセス制限等を行う認証システムを例に挙げる。
はじめに、図1および図2を用いて、被認証者の静脈パターンによる認証が可能である理由を説明する。
図1は、人体の腕の内側(手の平側)における静脈パターンの例を示すものである。この図1の(a)〜(c)に示すように、静脈パターンは個人毎に千差万別である。しかも、指紋は人体の一部にしか存在しないのに対し、静脈パターンは人体の至るところに存在している。また、静脈パターンは経年変化がほとんど見受けられないため、従来技術で挙げた手の甲の静脈パターンと同様、個人認証に用いることが可能である。
【0014】
なお、人体の腕の内側(手の平側)における静脈パターンが個人毎に千差万別であるのと同様に、人体の手の平における静脈パターンや人体の指先における静脈パターンも個人毎に千差万別である。よって、人体の腕の内側(手の平側)における静脈パターンのみならず、人体の手の平における静脈パターンや人体の指先における静脈パターンについても個人認証に用いることが可能である。
【0015】
図2は静脈血の吸収スペクトルと静脈検出に用いる近赤外光の帯域を示したものである。図2に示したように、本実施の形態では、波長が750〜950ナノメータ(nm)の範囲で光学的に静脈パターンを撮影することを提案する。750〜950ナノメータ(nm)の範囲では、ヘモグロビン以外に大きな吸収帯を持つ生体物質は存在しないため、静脈のみを撮影することが可能となる。ここで、波長が750〜950ナノメータ(nm)の範囲で光学的に人体の腕の内側(手の平側)の静脈パターンを撮影した例を示すと、上述の図1のようになる。
【0016】
次に、認証デバイス(認証装置)10における静脈パターン検出に関わる構成を図3を用いて説明する。
図3に示すように、認証デバイス10は、被認証者(ユーザ)20の認証デバイス10への近接もしくは接触を検出するセンサ11、予め登録された静脈パターンのデータ(被認証者の登録情報)が格納された登録データ格納部(登録情報格納部)12、被認証者20の静脈パターンを検出する静脈パターン検出部(識別情報取得部、識別情報取得手段、イメージ情報取得部)13、静脈パターン検出部13で検出された静脈パターンを解析し、登録データ格納部12に格納された静脈パターンと照合して認証判定を行う認証判定部(認証部、情報照合部、認証手段)14、認証判定部14での認証判定結果を送出する結果送出部(識別情報出力部、認証結果出力部、イメージ情報出力部)15、とを備える。なお、センサ11としては、人の近接による静電容量の変化を利用した近接スイッチ、光の反射や光電スイッチを利用した近接スイッチ等、従来より用いられているものを使用することができる。
【0017】
ところで、登録データ格納部12には、予め所定の被認証者20の静脈パターンのデータが登録されている。この登録は、事前に被認証者20が自らの身体の所定の位置、例えば後述する各適用例のように、手の平や手首等を静脈パターン検出部13に対向させることによって、静脈パターン検出部13に自らの静脈パターンを検出させ、さらに登録のための所定の操作を行うことによって、検出されたデータを登録データ格納部12に格納させることで行われる。
【0018】
静脈パターン検出部13は、赤外線を発光する発光部(赤外線発光部)16と、発光部16から発光された赤外線が被認証者20で反射したときの反射光を検出するため、1次元のCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)等を用いたラインセンサからなる反射光検出部17とを有している。
ここで、発光部16は、例えば図4に示すように、複数の発光ランプ16aを並べることによってライン状に形成することができる。また、反射光検出部17は、図4に示したように、発光部16の両側に一対が配置されるようにすることができる。
静脈パターン検出部13による静脈パターンの検出は、被認証者20の身体所定部位が静脈パターン検出部13に接触している場合に限らず、近接している場合、つまり、被認証者20が静脈パターン検出部13に非接触の場合であっても可能である。これは、静脈パターンによる認証は、指紋認証のように微細な凹凸を検出する必要がなく、静脈パターンをイメージとして取り込むことが可能であることに基づく。よって、静脈パターンを反射光検出部17が検出する場合には、指紋の微細な凹凸を検出する際の解像度よりも低い解像度での検出が可能である。
【0019】
上記のような構成を有する認証デバイス10は、被認証者20の操作対象に設けられる。そして、後述するように、認証デバイス10、より具体的には静脈パターン検出部13を、被認証者20の操作対象においてどのような位置に配置するかが、本発明においては極めて重要である。以下、上記のような構成の適用例として、被認証者20の操作対象がユーザインターフェースである場合(適用例1〜6)、操作対象がドアノブである場合(適用例7)、操作対象が携帯電話である場合(適用例8)について説明する。
【0020】
(適用例1)
図5は、キーボード(ユーザインターフェース、操作対象、操作手段)30における静脈パターン検出部13の配置を示したものである。ここで、周知のように、キーボード30はパーソナルコンピュータ(デバイス)の一部を構成する。すなわち、パーソナルコンピュータは、本体、モニタ等の他、入力装置としてのキーボード30を備えたもので、本適用例ではキーボード30に認証デバイス10を設ける例を示す。
キーボード30に認証デバイス10を設ける場合には、図5(a)に示すように、被認証者20の手首近傍の静脈パターンを検出する。
図5(b)に示すように、キーボード30は、複数のキー31と、外枠32とを有している。外枠32には、静脈パターン検出部13が設けられている。静脈パターン検出部13は外枠32の全周に設ける必要はなく、被認証者20の静脈パターンを効果的に取得できる位置に設ければよい。つまり、被認証者20が10本の指を使ってキーボード30に文字入力をする際には、通常、いわゆるホームポジションと呼ばれる位置に指を置く。ここで、キーボード30に対するホームポジションとは、キーボード30を見ずに入力を行う「タッチタイピング」の際に、指を置く基本の手、腕の位置のことをいい、具体的には、QWERTY配列のキーボードでは、左手の小指から順に「A」、「S」、「D」、「F」、右手の人差し指から順に「J」、「K」、「L」、「;」に置いた状態がホームポジションである。このホームポジションは、被認証者20がキーボード30を使用する際に自然にとる位置であり、このホームポジションと認証を関連付けることによって、被認証者20に認証のためのみの操作を強いる必要がなくなる。つまり、被認証者20がホームポジションをとった状態で、被認証者20の手首近傍と対向するような位置に静脈パターン検出部13を設けることにより、被認証者20の静脈パターンを効果的に取得することができる。
【0021】
図5(b)に示したキーボード30を被認証者20が使用する場合、被認証者20の指がホームポジションに置かれると、静脈パターン検出部13は、被認証者20の手首近傍に対向することとなる。すなわち、図1中の符号(イ)で囲んだ範囲に、静脈パターン検出部13が対向する。この状態で、静脈パターン検出部13の発光部16で赤外線を発光すると、図1中の符号(ロ)、(ハ)で示すライン状の部分での反射光が、反射光検出部17によって検出される。これにより、符号(ロ)、(ハ)に示す部分で、静脈が存在する位置のパターンが検出できるのである。
【0022】
図6は、上記認証デバイス10において静脈パターンを検出する流れを示している。この処理は、認証デバイス10に被認証者20が接触もしくは近接した際に行われるものである。
まず、センサ11は、認証デバイス10に被認証者20が接触もしくは近接したか否かを常時(所定時間毎でも可)監視している。ここで、被認証者20が認証デバイス10に接触もしくは近接したことをセンサ11が検出したとする(ステップS101)。すると、これを受けて、発光部16から被認証者20の手首(または手の平)近傍に所定の出力レベルの赤外線が発光される(ステップS102)。なお、発光部16の発光のタイミング、発光レベルの調整は、認証判定部14によって制御される。
【0023】
ステップS102において被認証者20に発光された赤外線が、被認証者20の一部で反射されると、この反射光を反射光検出部17が検出する。反射光検出部17は、反射光を検出すると、図1に示した符号(ロ)、(ハ)の部分における被認証者20の静脈パターンのイメージを取り込む(ステップS103)。
ステップS103において、被認証者20の静脈パターンのイメージが取り込まれると、このデータは認証判定部14に送られ、続くステップS104に進む。認証判定部14では、得られた静脈パターンのイメージから、所定のロジックに基づき、静脈パターンの特徴を抽出する。つまり、被認証者20の赤外線が照射された部分の皮下組織の違いによる反射光の違い(赤外線の吸収率の違い)を光学的に解析する処理を行うのである(ステップS104)。
【0024】
続いて、特徴を抽出した静脈パターンと、登録データ格納部12に格納された静脈パターンを照合し(ステップS105)、双方が一致するか否かが判定される(ステップS106)。双方が一致すれば、認証がなされたと判定され(ステップS107)、ステップS108に進む。
【0025】
一方、特徴を抽出した静脈パターンと、登録データ格納部12に格納された静脈パターンが一致しなければ、ステップS109において認証不可として判定された後、ステップS108に進む。しかる後、結果送出部15は、認証判定部14での認証判定結果(照合結果)、すなわち認証不可という結果を適宜タイミングで出力する(ステップS108)。この出力は、例えば、パーソナルコンピュータ本体やモニタにて音声または文字で出力される。これにより、被認証者20は自らが認証不可と判定された旨を容易に認識することができる。
【0026】
ステップS107において認証がなされたと判定された場合には、しかる後、結果送出部15は、認証判定部14での認証判定結果を適宜タイミングで出力する(ステップS108)。
なお、ステップS108における出力は、例えばデバイス側の操作部、例えば、キーボード30、マウス等を被認証者20が操作した場合に行ってもよい。ここで、上述の通り、図5に示したキーボード30はパーソナルコンピュータ、ノートパソコン等の一部であるから、この場合には、認証判定結果はデバイス側、例えばパーソナルコンピュータの制御部等に適宜タイミングで出力される。ここで、この認証判定結果に応じて、例えばパーソナルコンピュータ等への被認証者20のアクセスを許可するのみならず、パーソナルコンピュータ等の設定を被認証者20に合わせた仕様とすることもできる。つまり、認証判定結果が送出されるデバイス(例えば、パーソナルコンピュータ、ノートパソコン、PDA)側の入力設定等をパーソナライズするために認証判定結果を用いることができる。例えば、認証がなされた被認証者20が日本語入力をする人であれば、パーソナルコンピュータ側の入力設定が自動的に日本語入力用に設定されるようにすることができる。また、例えば家族でパーソナルコンピュータを共用している場合であって、被認証者20が子供であると判定された場合には、パーソナルコンピュータ側の画面設定や入力設定が子供用のものに切り替わるようにしてもよい。このような被認証者20に応じた特定の処理は、例えばデバイス側のCPUに行わせることができる。
【0027】
なお、認証成立後、センサ11がある規定時間を超えて被認証者20の接触または近接を検出しない場合には、認証判定部14においてこれを検出し、結果送出部15では、判定結果のデータを消去するようになっている。これにより、認証がリセットされるのである。例えば、認証成立後、ユーザがパーソナルコンピュータを起動させた状態のまま長時間席を外したり、パーソナルコンピュータの電源をOFFにするのを忘れたまま外出してしまうようなこともあり得るが、この場合において引き続き認証可と判断されるのでは、セキュリティ上好ましくないためである。
【0028】
以上、上記認証デバイス10における静脈パターンを検出する流れを説明したが、この流れについては以下の適用例についても同様である。
【0029】
(適用例2)
図7は、マウス(ユーザインターフェース、操作対象、操作手段)40における静脈パターン検出部13の配置を示したものである。ここで、周知のように、マウス40はパーソナルコンピュータ(デバイス)の一部を構成する。すなわち、パーソナルコンピュータは、本体、モニタ等の他、入力装置としてのマウス40を備えたもので、本適用例ではマウス40に認証デバイス10を設ける例を示す。
マウス40に認証デバイス10を設ける場合には、図7(a)に示すように、被認証者20の手の平近傍の静脈パターンを検出する。これは、被認証者20がマウス40を操作する際には、通常、被認証者20はマウス40のグリップ部分41を手の平で覆うような動作をする。つまり、この動作を行ったときの手の位置が、マウス40に対する被認証者20のホームポジションである。よって、適用例2では、マウス40のグリップ部分41に静脈パターン検出部13を配置している。
なお、被認証者20が手の平を若干丸めたようにしてグリップ部分41に手の平を置き、手の平にくぼみができるような場合であっても、静脈パターンに基づく認証は可能である。この場合には、例えば登録データ格納部12に格納されている被認証者20の静脈パターンに所定の変換処理を加え、手の平にくぼみができた状態での静脈パターンを生成し、実際に撮影された静脈パターンとの照合を行うようにすればよい。
【0030】
(適用例3)
図8は、マウスパッド(ユーザインターフェース、操作対象、操作手段)50における静脈パターン検出部13の配置を示したものである。ここで、周知のように、マウスパッド50はパーソナルコンピュータの一部であるマウス40とともに用いられるものであり、本実施の形態においてはマウスパッド50もパーソナルコンピュータの一部、つまりデバイスの一部として扱うものとする。
マウスパッド50に認証デバイス10を設ける場合には、図8(a)に示すように、被認証者20の手首近傍の静脈パターンを検出する。図8(b)に示すように、被認証者20は通常、手首を軸として手の平に包含されているマウス40をマウスパッド50上で操作するため、被認証者20の手首近傍がマウスパッド50に接触または近接することになる。つまり、この動作を行ったときの手の位置が、マウスパッド50に対する被認証者20のホームポジションである。よって、適用例3では、マウスパッド50の一部に静脈パターン検出部13を配置している。
マウスパッド50に認証デバイス10を設ける場合の認証判定結果の送出は、例えばマウスパッド50に設けられた静脈パターン検出部13をパーソナルコンピュータの本体に接続することにより行うことができる。
【0031】
(適用例4)
図9は、自動車のハンドル(ユーザインターフェース、操作対象、操作手段)60における静脈パターン検出部13の配置を示したものである。自動車のハンドル60を認証デバイス10として使用する場合には、図9(a)に示すように、被認証者20の手の平近傍の静脈パターンを検出する。ここで、周知のように、自動車(デバイス)には運転席に自動車の操作手段としてハンドル60が備えられており、ハンドル60は自動車の一部を構成する。そして、被認証者20が運転席に座った場合には、図9(b)に示すように、被認証者20から見てハンドル60の右端部分61aおよび左端部分61bを、被認証者20は通常握ることとなる。つまり、この動作を行ったときの手の位置が、ハンドル60に対する被認証者20のホームポジションである。よって、適用例4では、ハンドル60の右端部分61aおよび左端部分61bに静脈パターン検出部13を配置している。
【0032】
認証判定部14での認証判定結果の用途例としては、以下のようなものが挙げられる。
例えば、ハンドル60における認証判定結果を自動車のエンジン制御系統に送出することで、登録データ格納部12に登録されていない被認証者20によるエンジン始動を拒否したり、クラクションを鳴らすことができる。よって、自動車の盗難防止を効果的に防止することができる。
また、例えば、複数の被認証者20の静脈パターンが登録データ格納部12に登録されている場合において、認証判定結果に基づき各被認証者20の予め登録された体型に応じて運転席のシートの配置・高さを変更させるようにしてもよい。
さらに、例えば、自動車の所有者の子供の静脈パターンを登録データ格納部12に登録しておき、子供の静脈パターンが認証された場合には、自動的に自動車のクラクションが鳴るようにしてもよい。
【0033】
(適用例5)
図10は、自動車のシフトレバー(ユーザインターフェース、操作対象、操作手段)70における静脈パターン検出部13の配置を示したものである。自動車のシフトレバー70に認証デバイス10を設ける場合には、図10(a)に示すように、被認証者20の手の平近傍の静脈パターンを検出する。ここで、周知のように、自動車(デバイス)には運転席近傍に自動車の操作手段としてシフトレバー70が備えられており、シフトレバー70は自動車の一部を構成する。図10に示したようなシフトレバー70を操作する際には、被認証者20は必然的にシフトレバー70のノブ部分の上面71を覆うように手の平を置くこととなる。つまり、この動作を行ったときの手の位置が、シフトレバー70に対する被認証者20のホームポジションである。よって、適用例5では、シフトレバー70のノブ部分上面71に静脈パターン検出部13を配置している。
認証判定部14での認証判定結果の用途としては、上述の適用例4と同様なものが考えられる。
【0034】
(適用例6)
自動車のシフトレバー70に認証デバイス10を設ける場合において、静脈パターン検出部13をシフトレバー70のノブ部分上面71に配置した例を適用例4では示したが、図11に示すような配置としてもよい。
つまり、自動車のシフトレバー70に認証デバイス10を設ける場合には、図11(a)に示すように、被認証者20の手首近傍の静脈パターンを検出することもできる。
上述の通り、被認証者20がシフトレバー70を操作する際には、被認証者20は必然的にシフトレバー70のノブ部分の上面71を覆うように手の平を置くこととなるが、このホームポジションがとられた際には、図11(b)に示すように、被認証者20の手首はシフトレバー70の軸部72と斜めに対向することとなる。よって、適用例6では、図11(c)に示すように、シフトレバー70の軸部72の一部に静脈パターン検出部13を配置している。ここで、静脈パターン検出部13を構成する発光部16からは、被認証者20がシフトレバー70に対してのホームポジションをとった際に、被認証者20の手首に赤外線が照射されるよう、軸部72に対して所定の角度をなして斜めに赤外線が照射される。
認証判定部14での認証判定結果の用途としては、上述の適用例4と同様なものが考えられる。
【0035】
(適用例7)
図12は、ドアノブ(ユーザインターフェース、操作対象、操作手段)80における静脈パターン検出部13の配置を示したものである。ここで、周知のように、ドアノブ80はドア(デバイス)81の構成要素である。
ドアノブ80に認証デバイス10を設ける場合には、図12(a)に示すように、被認証者20の手の平近傍の静脈パターンを検出する。被認証者20がドアを開閉する際には、被認証者20は必然的にドアノブ80を手の平で覆うこととなる。つまり、この動作を行ったときの手の位置が、ドアノブ80に対する被認証者20のホームポジションである。よって、適用例7では、ドアノブ80の一部に静脈パターン検出部13を配置している。
認証判定部14による認証判定結果は、例えばセキュリティ用に用いることができ、認証判定結果が認証可である場合にのみドアを開錠するようにすれば、登録者以外の建物内部への侵入を阻止することができる。また、認証判定結果が認証不可である場合にはドアの開錠は行わないようにするとともに例えば警報機が鳴るようにしてもよい。
【0036】
(適用例8)
図13は、携帯電話(ユーザインターフェース、操作対象、携帯型情報端末)90における静脈パターン検出部13の配置を示したものである。
携帯電話90に認証デバイス10を設ける場合には、図13(a)に示すように、被認証者20の手の平近傍の静脈パターンを検出する。被認証者20が携帯電話90の操作を行う場合には、図13(b)、(c)に示すように、操作部91(操作手段)の背面92にて携帯電話90を保持する。つまり、この動作を行ったときの手の位置が、携帯電話90に対する被認証者20のホームポジションである。よって、適用例8では、携帯電話90の背面92の一部に静脈パターン検出部13を配置している。
ここで、携帯電話90に指紋認証検出部を設けるとすれば、携帯電話90の操作部91に直交する面(携帯電話90の側面)に検出部を設けることが考えられる。ところが、携帯電話90の持ち方は人によって多種多様であり、被認証者20が携帯電話90を操作する際に被認証者20の指が携帯電話90の側面に接触するとは限らず、被認証者20は認証のためのみの操作を行う必要があった。これに対し、本実施の形態のように、被認証者20のホームポジションを考慮して静脈パターン検出部13を配置することにより、認証のためのみの操作を被認証者20に強いる必要がなくなる。
【0037】
認証判定部14での認証判定結果の用途例としては、以下のようなものが挙げられる。
例えば、認証判定部14による認証判定結果が認証可である場合にのみ携帯電話90を使用することができるようにすれば、携帯電話90を紛失した際に他人による悪用を防止することができる。
また、例えば複数人で携帯電話90を共用しており、複数の被認証者20の静脈パターンが登録データ格納部12に登録されている場合であっても、電子決済等の処理については特定の者のみが行えるような制限を設けるようにしてもよい。
以上、適用例8として、携帯電話90に認証デバイス10を設ける場合の静脈パターン検出部13の配置を示したが、家庭内の電話についても同様な位置、つまり、被認証者20が受話器を保持した際に被認証者20の手の平が対向するような位置に静脈パターン検出部13を設けることができる。また、電子手帳やPDAに認証デバイス10を設ける場合についても、被認証者20がこれらを操作する際には電子手帳やPDAの操作面の背面に被認証者20の手の平が接触または近接するようなホームポジションをとる。よって、電子手帳やPDAに認証デバイス10を設ける場合についても、デバイスの操作面の背面に手の平の静脈パターンを検出する静脈パターン検出部13を設けることが有効である。
【0038】
上述したような認証デバイス10および認証デバイス10を適用した各種のユーザインターフェース等では、静脈パターン検出部13において、被認証者20の手の平近傍また手首近傍の静脈パターンを検出することによって、認証を行う構成とした。これにより、指紋や虹彩を用いた場合と同様の個人認証を行うことが可能となる。しかも、静脈パターンは指紋や虹彩等のパターンに比べれば大幅に粗いので、認証判定部14で照合処理を行うのに要求されるパターン解像度が低くて済み、また赤外線の発光部16と反射光検出部17で構成される静脈パターン検出部13も、従来技術における指紋検出部よりも構造も簡易であるため、認証デバイス10の低コスト化を図ることができる。
しかも、静脈パターン検出部13の配置は、被認証者20が認証デバイス10が設けられているユーザインターフェース等を使用する際に自然にとる位置、換言すればユーザインターフェースに対するホームポジションに基づき設定されている。これにより被認証者20は、認証を受けるためだけに特別な動作を行うことなく、無意識のうちに静脈パターンの検出を受けることができる。よって、被認証者20にとっての利便性が大幅に向上するのである。
【0039】
また、上記の実施の形態では、手の平近傍の静脈パターンまたは手首近傍の静脈パターンを検出する例を示したが、静脈パターンはこれらに限られるものでなく、ユーザインターフェースに対する被認証者20のホームポジションによっては、例えば指先の静脈パターンを検出するようにしてもよい。指先の静脈パターンを検出するという発想は、一見、指紋による認証と類似するように見えるが、指先の静脈パターンを検出する場合には認証判定部14で照合処理を行うのに要求されるパターン解像度が低くて済み、従来技術における指紋検出部よりも構造も簡易であるため、認証デバイス10の低コスト化を図ることができるという効果を奏する。しかも、指先が認証デバイス10に必ずしも密着していなくとも、指先が認証デバイス10に近接していれば指先の静脈パターンを検出することは可能であるため、指紋認証よりも高い認証精度が期待できる。
【0040】
なお、上記の実施の形態では、静脈パターン検出部13を、ライン状の発光部16とその両側の反射光検出部17とで構成するようにしたが、これに限るものではなく、例えば、これらをドットマトリクス状に配置する等、他の構成とすることも可能である。
また、上記の実施の形態では操作対象としてキーボード30、マウス40等を挙げたが、本発明における操作対象はこれらに限定されるものではなく、カバンや机の引出を操作対象としてもよい。例えば、カバンの取っ手に静脈パターン検出部13を設け、手の平近傍の静脈パターンを検出するようにしてもよい。また、机の引出の取っ手部分に静脈パターン検出部13を設け、指先の静脈パターンを検出するようにしてもよい。そして、認証判定部14での認証判定結果を、カバンや引出の開閉、ロック解除に用いることによってセキュリティ等の用途に用いることができる。
【0041】
なお、上記の実施の形態では、静脈パターンの検出手段として赤外線を用いる構成としたが、これに限るものではなく、適宜他の手段を用いることもできる。
例えば、ユーザインターフェースや操作対象の一部に複数の静電容量検出素子をドットマトリクス状に配置して設け、血流による静電容量変化から血管分布を検出することもできる。
また、ユーザインターフェースや操作対象の一部に超音波ビーム照射手段を設け、この超音波ビーム照射手段から被認証者20の腕の内側に照射された超音波ビームが、移動反射体である血球により反射される反射波を検出手段で検出する構成としても良い。この場合、反射波の周波数(受信周波数)が、超音波ビーム照射手段における超音波ビームの送信周波数に比べ、ドップラ効果によって血球の移動速度に応じて偏移するので、これに基づいて得られる血液の流速分布から血管の分布パターンが得られる。
【0042】
さらに、図4に示した発光部16の発光ランプ16aに代えて複数の磁気ヘッドを磁界発生手段として設け、この磁気ヘッドによって発光部16が連続する方向に沿った磁界を発生させ、その近傍に生じる電圧や電流等の電気的な変化を検出する検出手段を設ける構成とすることも可能である。すなわち、磁界発生手段で磁界を与えると、この磁界に直交する方向に荷電粒子を多く含む血液が通過したときに、誘導起電力が生じる。ここで、磁界の磁束密度をB、血管径をd、血液の流速をv、誘導起電力eは、
e=Bdv
となる。
ここで、磁束密度B、血管径dの値を一定にし、誘導起電力eを検出すれば、血液の流速vを測定できる。このように検出できる血液の流速分布から、血管の存在を特定することができ、血管の分布パターンを得ることができるのである。
なお、測定した流速vを基に、血液の流量Qが、
Q=π×(d/2)2×v
で求められる。ここで、磁場を発生させる励磁方法には、直流式と交流式があるが、誘導起電力eが微弱であり、また直流式には雑音や増幅器のドリフト等の問題があるため、正弦波や方形波を用いる交流式を用いるのが好ましい。
【0043】
なお、上記の実施の形態の認証デバイス10では、手首近傍の静脈パターン、手の平近傍の静脈パターンのいずれかを検出するような構成としたが、これらを組み合わせて使用することももちろん可能である。例えば、図10および図11に示した自動車のシフトレバー70において、ノブ部分の上面71には手の平近傍の静脈パターンを検出する静脈パターン検出部13を、シフトレバー70の軸部72には手首近傍の静脈パターンを検出する静脈パターン検出部13をそれぞれ設けるようにしてもよい。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成への変更、上記実施の形態で挙げた構成の組み替え、一部の省略等が可能である。
【符号の説明】
【0044】
10…認証デバイス(認証装置)、11…センサ、12…登録データ格納部(登録情報格納部)、13…静脈パターン検出部(識別情報取得部、識別情報取得手段、イメージ情報取得部)、14…認証判定部(認証部、情報照合部、認証手段)、15…結果送出部(識別情報出力部、認証結果出力部、イメージ情報出力部)、16…発光部(赤外線発光部)、17…反射光検出部、20…被認証者(ユーザ)、30…キーボード(ユーザインターフェース、操作対象、操作手段)、40…マウス(ユーザインターフェース、操作対象、操作手段)、50…マウスパッド(ユーザインターフェース、操作対象、操作手段)、60…ハンドル(ユーザインターフェース、操作対象、操作手段)、70…シフトレバー(ユーザインターフェース、操作対象、操作手段)、80…ドアノブ(ユーザインターフェース、操作対象、操作手段)、90…携帯電話(ユーザインターフェース、操作対象、携帯型情報端末)、91…操作部(操作手段)、92…背面


【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置に対して当該情報処理装置の機能を操作するための所定の入力情報を入力可能な周辺機器に設けられた、ユーザの生体認証情報を取得する生体認証情報取得部と、
前記生体認証情報取得部により取得された前記生体認証情報に基づいて、前記ユーザを認証する認証部と、
を備える、認証装置。
【請求項2】
前記周辺機器はマウスである、請求項1に記載の認証装置。
【請求項3】
前記生体認証情報取得部は、ユーザが前記マウスを操作するときに前記ユーザの生体の一部と対向するグリップ部分に設けられる、請求項2に記載の認証装置。
【請求項4】
前記生体認証情報取得部は、ユーザの手の平の静脈の配置パターンを前記生体認証情報として取得する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の認証装置。
【請求項5】
前記認証部による認証結果に基づいて、前記情報処理装置の動作を制御する動作制御部をさらに備え、
前記動作制御部は、前記認証部による認証結果に応じて、ユーザ毎に設定されている前記情報処理装置の環境設定情報を利用して前記情報処理装置の動作を制御する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の認証装置。
【請求項6】
ユーザの近接または接触を検知するユーザ検知部をさらに備え、
前記ユーザ検知部により前記ユーザの近接または接触が検知されたとき、前記生体認証情報取得部は、前記生体認証情報の取得を開始する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の認証装置。
【請求項7】
前記ユーザ検知部は、静電容量を検出し、検出した静電容量の変化に基づいて前記ユーザの近接または接触を検知する、請求項6に記載の認証装置。
【請求項8】
前記動作制御部は、前記ユーザの認証が成立してから所定の規定時間が経過するまでの間、前記ユーザ検知部によりユーザの近接または接触が検知されないとき、前記認証部による認証結果をリセットする、請求項6または7に記載の認証装置。
【請求項9】
前記認証部は、前記情報処理装置に設けられる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の認証装置。
【請求項10】
情報処理装置に対して当該情報処理装置の機能を操作するための所定の入力情報を入力可能な周辺機器に設けられた生体認証情報取得部により、ユーザの生体認証情報を取得するステップと、
前記生体認証情報取得部により取得された前記生体認証情報に基づいて、前記ユーザを認証するステップと、
を含む、認証方法。
【請求項11】
コンピュータに、
情報処理装置に対して当該情報処理装置の機能を操作するための所定の入力情報を入力可能な周辺機器に設けられた、ユーザの生体認証情報を取得する生体認証情報取得部に対して、前記生体認証情報を取得させる生体認証情報取得制御手段と、
前記生体認証情報取得部により取得された前記生体認証情報に基づいて、前記ユーザを認証する認証手段と、
を備える、認証処理装置として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−152903(P2010−152903A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−16574(P2010−16574)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【分割の表示】特願2001−275722(P2001−275722)の分割
【原出願日】平成13年9月11日(2001.9.11)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】