説明

認証装置およびセキュリティシステム

【課題】扉が施錠するまでの間に不審者に侵入された場合に通報を行うセキュリティシステムを安価に構築できるようにすることを目的とする。
【解決手段】利用者は入室するために認証端末装置200のカードリーダ201にIDを読み取らせ、所定時間内に部屋内の出側認証端末装置210の指紋読取装置211に指紋情報を読み取らせる。第1の認証部110は、読取ID201aを入力した場合、読取ID201aを登録ID191と照合し、認証許可するか判定する。第1の認証部110が認証許可した場合、解錠部130は電気錠221を解錠し、タイマー部140はタイマーをセットする。第2の認証部120は、読取指紋情報211aを入力した場合、読取指紋情報211aを登録指紋情報192と照合し、認証許可するか判定する。第2の認証部120により認証許可される前にタイムアウトした場合、報知部150はセンター装置230に警報通知151を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、不正入室を検出する認証装置およびセキュリティシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、脅迫などの不正な状況に置かれている場合の入室時に認証端末装置に特別な操作を行うことで通報できるようにする方法が開示されている。
【0003】
しかし、入室するために認証端末装置に正規の操作をして扉を解錠し、開けられた扉が閉じて施錠するまでの間に不審者に侵入された場合、通報することはできない。これは、複数人の入室を検出して通報する共連れ検知のシステムで防ぐことが可能である。但し、入室人数を検出するためにカメラが必要であるため、共連れ検知システムは高価である。
【特許文献1】特開平6−17565号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、例えば、扉が施錠するまでの間に不審者に侵入された場合に通報を行うセキュリティシステムを安価に構築できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の認証装置は、電気錠により施錠された部屋への入室を承認する認証装置であり、前記部屋の外側に設けられる第1の認証端末装置に所定の第1のデータが入力されたかCPUを用いて判定する第1の認証部と、前記第1の認証部により所定の第1のデータが入力されたと判定された場合、前記電気錠を解錠する解錠部と、前記解錠部により前記電気錠が解錠されてからの所定時間の経過をCPUを用いて検出するタイマー部と、前記部屋の内側に設けられる第2の認証端末装置に所定の第2のデータが入力されたかCPUを用いて判定する第2の認証部と、前記第2の認証部により所定の第2のデータが入力されたと判定される前に前記タイマー部により所定時間の経過が検出された場合、入室の非承認を所定の装置を用いて報知する報知部とを備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、例えば、扉が閉じて施錠するまでの間に不審者に侵入された場合でも通報を行うことができる。また、カメラおよび共連れ検知システムが不要なため、セキュリティシステムを安価に構築できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
実施の形態1.
電気錠により施錠された部屋(建物)への入室(入館)を承認する認証装置およびセキュリティシステムについて説明する。
【0008】
図1は、実施の形態1におけるセキュリティシステム900の構成図である。
実施の形態1におけるセキュリティシステム900の構成について、図1に基づいて以下に説明する。
【0009】
セキュリティシステム900は、コントローラ100(認証装置)、入側認証端末装置200(第1の認証端末装置)、出側認証端末装置210(第2の認証端末装置)、ドア220およびセンター装置230(報知装置)を有する。
コントローラ100は、入側認証端末装置200、出側認証端末装置210およびセンター装置230と通信ケーブルや通信回線を介して接続する。
【0010】
部屋のドア220は、電気錠221により施錠される。
【0011】
入側認証端末装置200は、カードリーダ201を備え、部屋の外側のドア脇に設置される。
カードリーダ201は、特定の人を識別するID(識別データの一例)が予め記録されているIDカードからIDを読み取る装置である。例えば、カードリーダ201は、RFID(Radio Frequency Identification)の通信方式により、IDカードからIDを読み取る。
入側認証端末装置200は、カードリーダ201により読み取られたID(以下、「読取ID201a」という)をコントローラ100に出力する。
【0012】
出側認証端末装置210は、指紋読取装置211を備え、部屋の内側のドア脇に設置される。
指紋読取装置211は、利用者の指から指紋情報(識別データの一例)を読み取る装置である。
出側認証端末装置210は、指紋読取装置211により読み取られた指紋情報(以下、「読取指紋情報211a」という)をコントローラ100に出力する。
指紋読取装置211は利用者から生体情報を読み取る装置の一例である。出側認証端末装置210は、指紋読取装置211の代わりに、利用者の顔画像を撮像する装置や眼から虹彩情報を読み取る装置などを備えても構わない。
【0013】
コントローラ100は、第1の認証部110、第2の認証部120、解錠部130、タイマー部140、報知部150および認証装置記憶部190を備える。
コントローラ100は、入側認証端末装置200から出力された読取ID201aと出側認証端末装置210から出力された読取指紋情報211aとに基づいて、利用者の入室を承認するか否かを決定する。第1の認証部110により読取ID201aに基づいて「認証許可」されてから所定の時間内に第2の認証部120により読取指紋情報211aに基づいて「認証許可」された場合、コントローラ100は利用者の入室を承認する。第1の認証部110により読取ID201aに基づいて「認証許可」されてから所定の時間内に第2の認証部120により読取指紋情報211aに基づいて「認証許可」されなかった場合、コントローラ100は利用者の入室を承認しない(非承認)。
【0014】
第1の認証部110は、入側認証端末装置200から出力された読取ID201aを登録ID191(所定の第1のデータ)と照合して第1の認証処理を行う。
以下、読取ID201aと一致する登録ID191が有る場合の第1の認証処理の結果を「認証許可」、読取ID201aと一致する登録ID191が無い場合の第1の認証処理の結果を「認証不許可」とする。
【0015】
第2の認証部120は、出側認証端末装置210から出力された読取指紋情報211aを登録指紋情報192(所定の第2のデータ)と照合して第2の認証処理を行う。
以下、読取指紋情報211aと一致する登録指紋情報192が有る場合の第2の認証処理の結果を「認証許可」、読取指紋情報211aと一致する登録指紋情報192が無い場合の第2の認証処理の結果を「認証不許可」とする。
【0016】
解錠部130は、第1の認証処理の結果が「認証許可」の場合、ドア220の電気錠221を解錠する。
解錠部130は、第1の認証処理の結果が「認証不許可」の場合、ドア220の電気錠221を解錠しない。
【0017】
タイマー部140は、解錠部130により電気錠221が解錠されてから所定時間の経過を検出する。
【0018】
報知部150は、第2の認証処理の結果が「認証許可」になる前にタイマー部140により所定時間の経過が検出された場合、利用者の入室を非承認とし、不正入室が起きたことを通知する警報通知151をセンター装置230に送信する。
報知部150は、タイマー部140により所定時間の経過が検出される前に第2の認証処理の結果が「認証許可」になった場合、利用者の入室を承認し、警報通知151をセンター装置230に送信しない。
【0019】
認証装置記憶部190は、コントローラ100で使用されるデータ(例えば、登録ID191、登録指紋情報192、タイムアウト値193)を記憶媒体を用いて記憶する。
登録ID191は、入室を認められた者に割り当てられたIDであり、認証装置記憶部190に予め登録(記憶)される。
登録指紋情報192は、入室を認められた者から取得された指紋情報であり、認証装置記憶部190に予め登録される。
タイムアウト値193は、タイマー部140により検出される所定時間を示し、認証装置記憶部190に予め記憶される。
【0020】
センター装置230は、管理者が駐在する管理センターに設置される。
センター装置230は、コントローラ100から警報通知151が送信された場合、警報通知151を出力装置(例えば、ディスプレイ、スピーカー、プリンタ)に出力して管理者に不正入室を知らせる。
【0021】
コントローラ100は、CPU(中央処理装置)、ROM、RAMを備える(図示省略)。CPUは、バスを介してROM、RAMと接続され、これらを制御する。
ROMやRAMには、実施の形態において「〜部」として説明する機能を実行するプログラム、「〜部」で使用されるデータが記憶される。
実施の形態において「〜部」として説明するものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」として説明するものは、ハードウェア、プログラム、ハードウェアとプログラムとの組み合わせのいずれで実現されても構わない。
プログラムはCPUにより読み出され、CPUにより実行される。プログラムは、「〜部」としてコンピュータを機能させるものであり、「〜部」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【0022】
図2は、実施の形態1におけるコントローラ100の認証方法を示すフローチャートである。
実施の形態1におけるコントローラ100の認証方法について、図2に基づいて以下に説明する。
コントローラ100の各「〜部」は、以下の処理をCPUを用いて実行する。
【0023】
コントローラ100の認証方法を説明する前に、利用者の動作について説明する。
利用者は、入室の承認を受けるために、入室前に部屋外で第1の認証(ID認証)により認証許可を受け、入室後の所定時間内に部屋内で第2の認証(指紋認証)により認証許可を受ける。
利用者は、第1の認証(ID認証)を受けるために、ドア220の脇に設置されている入側認証端末装置200のカードリーダ201にIDカードを近づけて、入側認証端末装置200にIDを入力する。カードリーダ201はIDカードからIDを読み取り、入側認証端末装置200はカードリーダ201により読み取ったID(読取ID201a)をコントローラ100に出力する。コントローラ100の第1の認証部110は入側認証端末装置200から出力された読取ID201aを入力する。
利用者は、第2の認証(指紋認証)を受けるために、部屋内に設置されている出側認証端末装置210の指紋読取装置211に指をセットして、出側認証端末装置210に指紋情報を入力する。指紋読取装置211は指から指紋情報を読み取り、出側認証端末装置210は指紋読取装置211により読み取った指紋情報(読取指紋情報211a)をコントローラ100に出力する。コントローラ100の第2の認証部120は出側認証端末装置210から出力された読取指紋情報211aを入力する。
【0024】
コントローラ100の認証方法の概要について説明する。
第1の認証部110は、読取ID201aを入力した場合(S110)、読取ID201aを登録ID191と照合し(S111)、認証許可するか判定する(S112)。
第1の認証部110が認証許可した場合、解錠部130は電気錠221を解錠し(S120)、タイマー部140はタイマーをセットする(S130)。
第2の認証部120は、読取指紋情報211aを入力した場合(S140)、読取指紋情報211aを登録指紋情報192と照合し(S141)、認証許可するか判定する(S142)。
第2の認証部120により認証許可される前にタイムアウトした場合(S150)、報知部150はセンター装置230に警報通知151を送信する(S151)。
【0025】
次に、各処理(S110〜S151)の詳細について説明する。
【0026】
利用者は、第1の認証(S110〜S112)を受けるために、ドア220の脇に設置されている入側認証端末装置200のカードリーダ201にIDカードを近づけて、入側認証端末装置200にIDを入力する。カードリーダ201はIDカードからIDを読み取り、入側認証端末装置200はカードリーダ201により読み取ったID(201a)をコントローラ100に出力する。コントローラ100の第1の認証部110は入側認証端末装置200から出力された読取ID201aを入力する。
【0027】
<S110>
第1の認証部110は、読取ID201aの入力を待つ。
読取ID201aを入力した場合(YES)、処理はS111に進む。
【0028】
<S111>
S110において読取ID201aを入力した場合(YES)、第1の認証部110は、入力した読取ID201aを各登録ID191と照合する。登録ID191は、入室が認められている人毎に認証装置記憶部190に予め記憶されている。
S111の後、処理はS112に進む。
【0029】
<S112>
S111において読取ID201aを登録ID191と照合した後、第1の認証部110は、照合結果に基づいて、読取ID201aと一致する登録ID191が有るか否かを判定する。
読取ID201aと一致する登録ID191が有る場合、第1の認証の結果は「認証許可」であり、読取ID201aと一致する登録ID191が無い場合、第1の認証の結果は「認証不許可」である。
第1の認証の結果が「認証不許可」の場合、第1の認証部110は入側認証端末装置200に「認証不許可」の表示を命令し、命令を受けた入側認証端末装置200はディスプレイ(図示省略)に「認証不許可」になったことを表示して利用者にIDの再入力を促す。
第1の認証の結果が「認証許可」の場合(YES)、処理はS120に進み、第1の認証の結果が「認証不許可」の場合(NO)、処理はS110に戻る。
【0030】
<S120>
S112において第1の認証の結果が「認証許可」の場合(YES)、解錠部130は、ドア220の電気錠221を制御して解錠する。
電気錠221が解錠されることにより、利用者はドア220から入室することができる。
S120の後、処理はS130に進む。
【0031】
<S130>
S120において電気錠221が解錠された後、タイマー部140は、所定時間の経過を検出するタイマーをセットする。タイマーにより検出される所定時間(3分、10分など)は、タイムアウト値193として認証装置記憶部190に予め記憶されている。
S130の後、処理はS140に進む。
【0032】
利用者は、第2の認証(指紋認証)(S140〜S142)を受けるために、部屋内に設置されている出側認証端末装置210の指紋読取装置211に指をセットして、出側認証端末装置210に指紋情報を入力する。指紋読取装置211は指から指紋情報を読み取り、出側認証端末装置210は指紋読取装置211により読み取った指紋情報(読取指紋情報211a)をコントローラ100に出力する。コントローラ100の第2の認証部120は出側認証端末装置210から出力された読取指紋情報211aを入力する。
【0033】
<S140>
第2の認証部120は、読取指紋情報211aを入力したか判定する。
読取指紋情報211aを入力した場合(YES)、処理はS141に進み、読取指紋情報211aを入力していない場合(NO)、処理はS150に進む。
【0034】
<S141>
S140において読取指紋情報211aを入力した場合(YES)、第2の認証部120は、入力した読取指紋情報211aを登録指紋情報192と照合し、読取指紋情報211aと一致する登録指紋情報192を検索する。登録指紋情報192は、入室が認められている人毎に認証装置記憶部190に予め記憶されている。
S141の後、処理はS142に進む。
【0035】
<S142>
S141において読取指紋情報211aを登録指紋情報192と照合した後、第2の認証部120は、照合結果に基づいて、読取指紋情報211aと一致する登録指紋情報192が有るか否かを判定する。
読取指紋情報211aと一致する登録指紋情報192が有る場合、第2の認証の結果は「認証許可」であり、読取指紋情報211aと一致する登録ID191が無い場合、第2の認証の結果は「認証不許可」である。
第2の認証の結果が「認証不許可」の場合、第2の認証部120は出側認証端末装置210に「認証不許可」の表示を命令し、命令を受けた出側認証端末装置210はディスプレイ(図示省略)に「認証不許可」になったことを表示して利用者に指紋情報の再入力を促す。
第2の認証の結果が「認証許可」の場合(YES)、処理は終了し、第2の認証の結果が「認証不許可」の場合(NO)、処理はS150に進む。
【0036】
<S150>
S140において読取指紋情報211aを入力していない場合(NO)またはS142において第2の認証の結果が「認証不許可」の場合(NO)、タイマー部140は、S130においてセットしたタイマーがタイムアウトしたか判定する。タイムアウトは、電気錠221が解錠されてから所定時間が経過したことを意味する。
タイムアウトした場合(YES)、処理はS151に進み、タイムアウトしていない場合(NO)、処理はS140に戻る。
【0037】
<S151>
S150においてタイムアウトした場合(YES)、報知部150は、S120での電気錠221の解錠を不正入室と判断し、不正入室があったことを通知する警報通知151をセンター装置230に送信する。
不正入室とは、何らかの理由により、入室している人が入室の承認を受けていないこと(入室の非承認)を意味する。
センター装置230は、報知部150から警報通知151を受信した場合、警報通知151を出力装置(例えば、ディスプレイ、スピーカー、プリンタ)に出力して不正入室を管理者に知らせる。
また、報知部150は、警報器(図示省略)を鳴動させて不正入室があったことを報知しても構わない。
S151の後、処理は終了する。
【0038】
S110〜S151により、コントローラ100は、利用者の入室を管理すると共に不正入室を検出して通報することができる。
【0039】
実施の形態1では、以下のようなセキュリティシステム900について説明した。
扉の入側と出側に認証端末を設置し、入側認証端末で認証後、一定時間内に出側認証端末で認証を行わないと正常な操作と判断せず警報を通知する。
セキュリティシステム900は、以下のような不審者対策効果を奏する。
1)利用者は、入室時に不審者に気付いた場合、出側認証端末で認証を行わないことで警報を通知することができる。
2)入側認証端末の認証方法がカード認証である場合、不審者は、カードを拾ったり盗んだりして不正取得すれば入室が可能となる。しかし、セキュリティシステム900は、出側認証端末の認証方法が指紋、顔認証などの生体認証であることにより、不審者を出側で認証NGとし、警報を通知することができる。
3)利用者は、入側で認証を強要された場合、入側認証端末で認証後に出側の認証を行わないことで警報を通知することができる。
セキュリティシステム900は、以下のように正確な入室を判断できる。
4)利用者の認証端末操作を正常な操作(第1の認証許可+一定時間内の第2の認証許可)と判断した後で入室を正常なものとして扱うことで、より正確に入室を判断できる。
5)入側認証端末にRFIDを使用して複雑な認証操作を行うことなく利用者を自動判別することで、利用者に通行を簡易かつ確実に行わせることができる。
【0040】
セキュリティシステム900は、以下の特徴を有する。
入側認証端末装置200に入力されるデータ(ID)と出側認証端末装置210に入力されるデータ(指紋情報)とが異なる種類のデータである。
これにより、異なる複数の認証処理が行われ、セキュリティ性が高まる。例えば、不正に取得されたIDカードが用いられID認証が認証許可になっても、指紋認証では認証不許可となるため、不正入室を通報することができる。
【0041】
入側認証端末装置200に入力されるデータ(ID)は、出側認証端末装置210に入力されるデータ(指紋情報)より入力に要する時間が短い種類のデータである。
また、入側認証端末装置200に入力されるデータは、出側認証端末装置210に入力されるデータより一致判定(照合)に要する時間が短い種類のデータである。
これにより、利用者の入室を円滑にし、利便性の低下を抑えると共に利用者の安全性を高めることができる。例えば、利用者が入側認証端末装置200で認証を受けている間に不審者に襲われる、ということを防ぐことができる。
【0042】
出側認証端末装置210に入力される識別データ(指紋情報)は、識別データの入力者と識別データにより識別される特定者との一致を保証する信頼度が入側認証端末装置200に入力される識別データ(ID)より高い種類のデータである。
これにより、入室の承認結果の信頼度が高まり、セキュリティ性が向上する。
【0043】
入側認証端末装置200に入力されるデータと出側認証端末装置210に入力されるデータとの組み合わせは、IDと指紋情報との組み合わせに限らない。例えば、IDとパスワードとの組み合わせ、指紋情報と虹彩情報との組み合わせ、第1パスワード(数字のみ)と第2パスワード(英数字+記号)との組み合わせでも構わない。
【0044】
実施の形態2.
認証端末装置に特定の操作がされた場合に通報を行う形態について説明する。
以下、実施の形態1と異なる事項について主に説明し、説明を省略する事項は実施の形態1と同様であるものとする。
【0045】
実施の形態2におけるセキュリティシステム900の構成は、実施の形態1と同じである。
【0046】
図3は、実施の形態2におけるコントローラ100の認証方法を示すフローチャートである。
実施の形態2におけるコントローラ100の認証方法について、図3に基づいて以下に説明する。
【0047】
図3に示すフローチャートは、実施の形態1のフローチャート(図2参照)にS160およびS161が加わったものである。
以下、S160およびS161について説明する。
【0048】
<S160>
S120において電気錠221が解錠されると共にS130においてタイマーがセットされた後、第2の認証部120は、出側認証端末装置210に特定の操作がされたか判定する。
特定の操作として、特定のボタン(図示省略)の押下、特定指の指紋情報の入力などが挙げられる。
例えば、出側認証端末装置210は特定のボタンが押下された場合に第2の認証部120へ特定の操作を通知し、第2の認証部120は出側認証端末装置210から通知を受けた場合に特定の操作がされたと判定する。
また例えば、利用者は、第2の認証(指紋認証)の認証許可を受けたい場合、人差し指を指紋読取装置211にセットし、通報したい場合、中指を指紋読取装置211にセットする。認証装置記憶部190には人差し指の登録指紋情報192と中指の登録指紋情報192とが予め記憶され、第2の認証部120は読取指紋情報211aが中指の登録指紋情報192と一致した場合に特定の操作がされたと判定する。
特定の操作がされた場合(YES)、処理はS161に進み、特定の操作がされていない場合(NO)、処理はS140に進む。
【0049】
<S161>
S160において特定の操作がされた場合(YES)、報知部150は、S151と同じく、警報通知151をセンター装置230に送信する。
S161の後、処理は終了する。
【0050】
実施の形態2により、セキュリティ性をさらに向上させることができる。
例えば、利用者は、入側と出側との両方の認証を強要された場合、出側認証端末装置210に特別な操作を行うことで警報を通知することができる。
【0051】
第2の認証部120と同様、第1の認証部110は、入側認証端末装置200に特定の操作がされた場合に警報通知151をセンター装置230に送信しても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】実施の形態1におけるセキュリティシステム900の構成図。
【図2】実施の形態1におけるコントローラ100の認証方法を示すフローチャート。
【図3】実施の形態2におけるコントローラ100の認証方法を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0053】
100 コントローラ、110 第1の認証部、120 第2の認証部、130 解錠部、140 タイマー部、150 報知部、151 警報通知、190 認証装置記憶部、191 登録ID、192 登録指紋情報、193 タイムアウト値、200 入側認証端末装置、201 カードリーダ、201a 読取ID、210 出側認証端末装置、211 指紋読取装置、211a 読取指紋情報、220 ドア、221 電気錠、230 センター装置、900 セキュリティシステム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気錠により施錠された部屋への入室を承認する認証装置であり、
前記部屋の外側に設けられる第1の認証端末装置に所定の第1のデータが入力されたかCPUを用いて判定する第1の認証部と、
前記部屋の内側に設けられる第2の認証端末装置に所定の第2のデータが入力されたかCPUを用いて判定する第2の認証部と、
前記第1の認証部により所定の第1のデータが入力されたと判定された場合、前記電気錠を解錠する解錠部と、
前記第1の認証部により所定の第1のデータが入力されたと判定されてから所定の時間内に前記第2の認証部により所定の第2のデータが入力されたと判定されなかった場合、入室の非承認を所定の装置を用いて報知する報知部と
を備えたことを特徴とする認証装置。
【請求項2】
前記第1の認証端末装置に入力されるデータと前記第2の認証端末装置に入力されるデータとが異なる種類のデータである
ことを特徴とする請求項1記載の認証装置。
【請求項3】
前記第1の認証端末装置に入力されるデータは、前記第2の認証端末装置に入力されるデータより入力に要する時間が短い種類のデータである
ことを特徴とする請求項1〜請求項2いずれかに記載の認証装置。
【請求項4】
前記第1の認証部は、前記第1の認証端末装置に入力されたデータが前記所定の第1のデータと一致するか判定し、
前記第2の認証部は、前記第2の認証端末装置に入力されたデータを前記所定の第2のデータと一致するか判定し、
前記第1の認証端末装置に入力されるデータは、前記第2の認証端末装置に入力されるデータより一致判定に要する時間が短い種類のデータである
ことを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかに記載の認証装置。
【請求項5】
前記第1の認証端末装置と前記第2の認証端末装置とには特定者を識別する識別データが入力され、
前記第2の認証端末装置に入力される識別データは、識別データの入力者と入力される識別データにより識別される特定者との一致を保証する信頼度が前記第1の認証端末装置に入力される識別データより高い種類のデータである
ことを特徴とする請求項1〜請求項4いずれかに記載の認証装置。
【請求項6】
前記第1の認証端末装置は、利用者を識別するIDが記録されているIDカードから前記IDをデータとして読み取るカードリーダを備え、
前記第1の認証部は、前記カードリーダにより読み取られたIDが前記所定の第1のデータと一致するか判定する
ことを特徴とする請求項1〜請求項5いずれかに記載の認証装置。
【請求項7】
前記第2の認証端末装置は、利用者から生体情報をデータとして読み取る生体情報読取装置を備え、
前記第2の認証部は、前記生体情報読取装置により読み取られた生体情報が前記所定の第2のデータと一致するか判定する
ことを特徴とする請求項1〜請求項6いずれかに記載の認証装置。
【請求項8】
前記第2の認証部は、前記第2の認証端末装置に特定の操作が行われたか判定し、
前記報知部は、前記第2の認証部により特定の操作が行われたと判定された場合、入室の非承認を所定の装置を用いて報知する
ことを特徴とする請求項1〜請求項7いずれかに記載の認証装置。
【請求項9】
請求項1〜請求項8いずれかに記載の認証装置と、
前記解錠部により解錠される電気錠と、
前記報知部による報知に用いられる報知装置と
を備えたことを特徴とするセキュリティシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−112002(P2010−112002A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−282992(P2008−282992)
【出願日】平成20年11月4日(2008.11.4)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】