説明

負荷駆動装置

【課題】負荷を駆動するための定電流のばらつきを低減することができる負荷駆動装置を提供する。
【解決手段】シャント抵抗20の一端側をオペアンプ34の反転入力端子に接続し、シャント抵抗20の他端側を基準電源32を介してオペアンプ34の非反転入力端子に接続する。シャント抵抗20に流れる電流は、駆動回路30内の第1スイッチング素子35を介して負荷10であるIGBTのゲートに流れるようになっている。これにより、基準電源32の基準電圧の値をVrefとし、シャント抵抗20の抵抗値をRoutとし、負荷10に流れる定電流の値をIcとすると、Vref=Rout×Icとなるようにオペアンプ34が第1スイッチング素子35のゲートをフィードバック制御する。これにより、シャント抵抗20に流れる電流の大きさが一定に制御され、ひいては負荷10に流す定電流のばらつきが低減される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定電流で負荷を駆動する負荷駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、負荷としてのスイッチング素子のゲートを定電流で駆動するゲート駆動回路が、例えば特許文献1で提案されている。具体的に、特許文献1では、電源に第1の抵抗と第2の抵抗とが直列に接続され、第1の抵抗と第2の抵抗との間がPNP型トランジスタのベースに接続されている。また、第2の抵抗にMOSトランジスタが接続されている。さらに、PNP型トランジスタのコレクタが第3の抵抗を介して電源に接続され、エミッタがスイッチング素子のゲートに接続されたゲート駆動回路が提案されている。
【0003】
このような回路では、MOSトランジスタのオンによってPNP型トランジスタがオンするので、電源から第3の抵抗およびPNP型トランジスタを介して定電流がスイッチング素子のゲートに流れ込む。これにより、スイッチング素子がオンする。
【0004】
なお、上記では負荷としてスイッチング素子について説明したが、負荷はスイッチング素子に限らず、容量負荷や抵抗負荷でも同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−11049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の技術では、PNP型トランジスタの増幅率やVfの温度特性が原因となって負荷であるスイッチング素子に流れ込む定電流の値がばらつくため、定電流精度の確保が困難であるという問題がある。
【0007】
また、定電流として大電流が必要な負荷や小電流で済む負荷等の様々な負荷に対してゲート駆動回路を共通使用する場合、各負荷の定電流値に対応する必要がある。このため、最大電流が流れる負荷の定電流値に合わせて、PNP型トランジスタのサイズ・許容損失を満足する放熱構造を採用するゲート駆動回路を設計する必要がある。したがって、小電流で済む負荷にゲート駆動回路を接続する場合は、最大の定電流で設計されたゲート駆動回路を使用することになるため、コストが高くなってしまう問題がある。
【0008】
このように、特許文献1では、定電流精度が低いという課題と、定電流の大小に対応するために大電流の定電流に合わせた回路設計をする必要があるという課題とがあった。
【0009】
なお、上記特許文献1では、比較的高速なオペアンプによる定電流回路であっても、指令値に対する定電流の応答特性はそれほど高速ではないとの記載があるが、オペアンプは専用設計とすることで、十分応答可能なオペアンプを構成することは可能であると考える。
【0010】
本発明は上記点に鑑み、負荷を駆動するための定電流のばらつきを低減することができる負荷駆動装置を提供することを第1の目的とする。また、負荷に流す様々な定電流値にそれぞれ対応することができる負荷駆動装置を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、負荷(10)に定電流を流すことによって負荷(10)を駆動する負荷駆動装置であって、負荷(10)に流れる定電流に対応する電流が流れるシャント抵抗(20)と、シャント抵抗(20)の一端側が接続されると共に、シャント抵抗(20)に流れる電流に対応する定電流を負荷(10)に流すことで負荷(10)を駆動する駆動回路(30)と、を備えている。
【0012】
そして、駆動回路(30)は、基準電圧を発生させる基準電源(32)を有し、基準電源(32)の基準電圧に対応する第1電圧とシャント抵抗(20)の一端側に対応する第2電圧とが等しくなるようにシャント抵抗(20)に流れる電流の大きさをフィードバック制御することで、負荷(10)に流す定電流の大きさを調整することを特徴とする。
【0013】
これによると、シャント抵抗(20)に流れる電流の大きさが一定となるように駆動回路(30)によってシャント抵抗(20)に流れる電流の大きさをフィードバック制御しているので、駆動回路(30)によって負荷(10)に流す定電流の大きさも一定となる。したがって、負荷(10)に流す定電流のばらつきを低減することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明では、駆動回路(30)は、第1電圧と第2電圧とが印加されるオペアンプ(34)と、オペアンプ(34)の出力によってスイッチングされる第1スイッチング素子(35)と、を備えている。
【0015】
そして、オペアンプ(34)は、第1電圧と第2電圧とが等しくなるように、第1スイッチング素子(35)を駆動することにより、シャント抵抗(20)に流れる電流の大きさを一定に制御することを特徴とする。
【0016】
請求項3に記載の発明では、負荷(10)に接続される第2スイッチング素子(50)を備えている。また、シャント抵抗(20)は、駆動回路(30)および第2スイッチング素子(50)に接続され、シャント抵抗(20)に流れる電流が第2スイッチング素子(50)を介して負荷(10)に定電流として流れるようになっている。
【0017】
そして、駆動回路(30)は、第1電圧と第2電圧とが等しくなるように第2スイッチング素子(50)を駆動することにより、シャント抵抗(20)に流れる電流の大きさをフィードバック制御することで、負荷(10)に流す定電流の大きさを調整することを特徴とする。
【0018】
これによると、負荷(10)に流す定電流を第2スイッチング素子(50)の電流能力によって決めることができるので、負荷(10)に流す定電流値に対応した電流能力を有する第1スイッチング素子(35)を予め駆動回路(30)に備える必要がない。したがって、負荷(10)に流す様々な定電流値に対しても第2スイッチング素子(50)を追加することにより駆動回路(30)を対応させることができる。
【0019】
特に、第1スイッチング素子(35)に対して第2スイッチング素子(50)をダーリントン接続した場合、既に負荷駆動装置に備えられた駆動回路(30)に対して第2スイッチング素子(50)を追加するだけで良いので、駆動回路(30)を大電流の定電流を流す負荷(10)に合わせた設計を行う必要が無く、コストを低減することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明では、負荷(10)に接続されると共に、第1スイッチング素子(35)よりも電流能力が高い第2スイッチング素子(50)を備えている。シャント抵抗(20)の一端側は、駆動回路(30)および第2スイッチング素子(50)に接続され、シャント抵抗(20)に流れる電流が第2スイッチング素子(50)を介して負荷(10)に定電流として流れるようになっている。
【0021】
また、第2スイッチング素子(50)は、第1スイッチング素子(35)によって駆動され、第1スイッチング素子(35)に流れる電流が当該第2スイッチング素子(50)に流れる電流に足し合わされるように第1スイッチング素子(35)にダーリントン接続されている。
【0022】
そして、駆動回路(30)は、第1電圧と第2電圧とが等しくなるように第1スイッチング素子(35)を駆動することで第2スイッチング素子(50)を駆動することにより、シャント抵抗(20)に流れる電流の大きさをフィードバック制御し、負荷(10)に流す定電流の大きさを調整することを特徴とする。
【0023】
これによると、駆動回路(30)の第1スイッチング素子(35)に対して当該第1スイッチング素子(35)よりも電流能力が高い第2スイッチング素子(50)をダーリントン接続しているので、負荷(10)に流す定電流値に対応した電流能力を有する第1スイッチング素子(35)を予め駆動回路(30)に備える必要がない。すなわち、既に負荷駆動装置に備えられた駆動回路(30)を元に、第2スイッチング素子(50)を追加するだけで負荷(10)に対して大きな定電流を流すことができる。このように、負荷(10)に流す様々な定電流値、特に第1スイッチング素子(35)では対応できない定電流値に対しても対応することができる。
【0024】
また、第1スイッチング素子(35)に流れる電流を第2スイッチング素子(50)に足し合わせているので、負荷(10)に流れる定電流において第1スイッチング素子(35)に流れる電流分の誤差をキャンセルすることができる。したがって、負荷(10)に流す定電流の精度を向上させることができる。
【0025】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1実施形態に係る負荷駆動装置を示した回路図である。
【図2】負荷をオフからオンにする際の負荷のゲート電圧およびゲートに流れる定電流Icの各動作波形を示した図である。
【図3】第1実施形態において、負荷に流す定電流を大きくした場合の負荷駆動装置を示した回路図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る負荷駆動装置を示した回路図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る負荷駆動装置を示した回路図である。
【図6】本発明の第4実施形態に係る負荷駆動装置を示した回路図である。
【図7】本発明の第5実施形態に係る負荷駆動装置を示した回路図である。
【図8】本発明の第6実施形態に係る負荷駆動装置を示した回路図である。
【図9】第6実施形態において、負荷に流す定電流を大きくした場合の負荷駆動装置を示した回路図である。
【図10】本発明の第7実施形態に係る負荷駆動装置を示した回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0028】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。本実施形態で示される負荷駆動装置は、例えばIGBT、パワーMOSFET、容量負荷、抵抗負荷等の負荷を定電流で駆動するために用いられる装置である。
【0029】
図1は、本実施形態に係る負荷駆動装置を負荷に接続した回路図である。本実施形態では、負荷10としてIGBTが採用されている。このIGBTにモータ等のさらなる負荷が接続されており、この負荷はIGBTによって駆動される。
【0030】
負荷駆動装置は、負荷10に定電流(図1のIc)を流すことによって負荷10を駆動するものであり、シャント抵抗20(図1のRout)と駆動回路30とを備えて構成されている。
【0031】
シャント抵抗20は、負荷10に流れる定電流に対応する電流が流れるセンシング用の抵抗である。シャント抵抗20の一端側は駆動回路30に接続され、他端側は電源40に接続されている。
【0032】
駆動回路30は、シャント抵抗20に流れる電流に対応する定電流を負荷10に流すことで負荷10を駆動する回路である。駆動回路30は、例えばICチップとして構成されている。なお、これは駆動回路30の全体が一つの半導体チップであることを限定するものではない。駆動回路30は負荷10を駆動する回路の機能を有するものであり、駆動回路30を半導体チップの組み合わせで実現しても構わない。
【0033】
そして、駆動回路30は、第1〜第5端子31a〜31eと、基準電源32(図1のVref)と、第1抵抗33(図1のR1)と、オペアンプ34(図1のOP)と、第1スイッチング素子35(図1のQ1)と、を備えている。なお、第1〜第5端子31a〜31eは、ICチップの各端子である。
【0034】
基準電源32は基準電圧を発生させるものである。基準電源32の正極側は駆動回路30の第1端子31aに接続されている。この第1端子31aには電源40およびシャント抵抗20の他端側も接続されている。一方、基準電源32の負極側はオペアンプ34の非反転入力端子に接続されている。
【0035】
第1抵抗33は第1スイッチング素子35をオフさせるためのゲートプルアップ抵抗である。この第1抵抗33の一端側は基準電源32の正極側に接続され、他端側はオペアンプ34の出力端子に接続されている。なお、第1抵抗33はオペアンプ34に含められていても良い。
【0036】
オペアンプ34は、基準電圧に基づいてシャント抵抗20に流れる電流をフィードバック制御することで、負荷10に流す定電流の大きさを調整する役割を果たすものである。オペアンプ34は、外部から第2端子31bを介して駆動回路30に入力される制御信号に基づいて制御されるようになっている。この制御信号によって負荷10の動作が制御される。
【0037】
また、オペアンプ34の非反転入力端子(+)は基準電源32の負極側に接続されている。これにより、オペアンプ34の非反転入力端子には基準電圧に対応する第1電圧が印加される。この第1電圧は、電源40の電源電圧から基準電圧が差し引かれた電圧に相当する。一方、オペアンプ34の反転入力端子(−)は第3端子31cに接続されている。この第3端子31cにはシャント抵抗20の一端側も接続されている。これにより、オペアンプ34の反転入力端子にはシャント抵抗20の一端側の第2電圧が印加される。この第2電圧は、電源40の電源電圧からシャント抵抗20の電圧降下分が差し引かれた電圧に相当する。
【0038】
第1スイッチング素子35は、オペアンプ34の出力によってスイッチングされる素子である。本実施形態では、第1スイッチング素子35としてPch型のパワーMOSFETが用いられている。そして、第1スイッチング素子35のゲートはオペアンプ34の出力端子に接続され、ソースは駆動回路30の第4端子31dに接続されている。この第4端子31dにはシャント抵抗20の一端側も接続されている。さらに、第1スイッチング素子35のドレインは駆動回路30の第5端子31eに接続されている。この第5端子31eには負荷10であるIGBTのゲートも接続されている。
【0039】
以上が、本実施形態に係る負荷駆動装置の回路構成である。次に、図1に示される負荷駆動装置の作動について、図2を参照して説明する。図2は、負荷10をオフからオンにする際の負荷10のゲート電圧およびゲートに流れる定電流(Ic)の各動作波形を示した図である。
【0040】
まず、時点T1で外部から制御信号が駆動回路30に入力されると、オペアンプ34が第1スイッチング素子35をオンする。これにより、電源40、シャント抵抗20、第1スイッチング素子35、負荷10という経路が形成される。そして、負荷10のゲートに定電流Icが流れる。
【0041】
負荷10に定電流Icが流れると、このIcの大きさに応じた傾きで負荷10のゲート電圧が上昇する。そして、時点T2でゲート電圧が負荷10の閾値電圧(Vt)に達すると、負荷10がオンし、ゲート電圧は時点T3でミラー電圧(図2のVmiror)に達する。ミラー電圧は、負荷10であるIGBTの増幅率等の特性によって決まる電圧であり、時点T3から時点T4までのミラー期間で一定になる。
【0042】
ミラー期間が終わると、ゲート電圧は再び上昇する。そして、時点T5になると、駆動トランジスタである第1スイッチング素子35のフルオンによって第1スイッチング素子35のドレイン−ソース間の電圧が小さくなるため、定電流Icが減少する。この後、時点T6でゲート電圧は電源40の電源電圧に達し、IGBTはフルオン状態となる。一方、定電流Icはほとんど流れなくなる。このようにして、負荷10がオンされる。
【0043】
上記の時点T1から時点T6までの期間では、駆動回路30が負荷10に対して定電流Icを流す動作を行っている。すなわち、駆動回路30は、基準電源32の基準電圧に対応する第1電圧とシャント抵抗20の一端側に対応する第2電圧とが等しくなるようにシャント抵抗20に流れる電流の大きさをフィードバック制御している。
【0044】
具体的には、駆動回路30のオペアンプ34が第1電圧と第2電圧とが等しくなるように第1スイッチング素子35を駆動することにより、シャント抵抗20に流れる電流の大きさを一定に制御している。これは、基準電源32の基準電圧の値をVrefとし、シャント抵抗20の抵抗値をRoutとし、定電流の値をIcとすると、Ic=Vref/Routとして表されるので、Vref=Rout×Icとなるようにオペアンプ34が第1スイッチング素子35のゲートを制御することと同じである。
【0045】
定電流Icが不安定になるとゲート電圧の傾きが変化してしまうため、負荷10のオンに遅れが生じる場合や、ゲート電圧が何度も閾値電圧を超える場合等、負荷10の制御が不安定となる。しかしながら、上記のように、シャント抵抗20に流れる電流の大きさをフィードバック制御して、時点T1から時点T6までの期間において定電流Icの大きさを一定にしているので、時点T1から時点T3までの期間や時点T4から時点T5までの期間におけるゲート電圧の傾きを一定にすることができる。このため、ゲート電圧の傾きを一定に維持することができ、負荷10を安定して制御することができる。
【0046】
以上説明したように、本実施形態では、シャント抵抗20に流れる電流の大きさが一定となるように駆動回路30によってシャント抵抗20に流れる電流の大きさをフィードバック制御していることが特徴となっている。これにより、駆動回路30によって負荷10に流す定電流の大きさを一定にすることができるので、負荷10に流す定電流のばらつきを低減することができる。
【0047】
また、駆動回路30にオペアンプ34を備え、このオペアンプ34を用いてフィードバック制御を行っている。このように、オペアンプ34をフィードバック制御のための専用設計として用いているので、実際には十分応答可能なオペアンプ34を構成することができる。
【0048】
上記の構成において、第1スイッチング素子35の電流能力は、負荷駆動装置に接続される負荷10の最大電流を考慮した回路設計にする必要はない。
【0049】
ここで、「電流能力」とは、第1スイッチング素子35等のトランジスタに流すことのできる電流の大きさである。したがって、「電流能力が高い」とは、トランジスタに流すことができる電流量が大きいことを意味している。
【0050】
そして、本実施形態のように、負荷10としてIGBTを採用した場合はIGBTのサイズによってゲート容量が大きく変わる。したがって、サージとSW損失の関係を保つためには、負荷駆動装置の定電流値をIGBTのサイズに合わせる必要がある。このように、負荷駆動装置にはIGBTのサイズの変更に耐えうる定電流の自由度が求められる。
【0051】
しかしながら、図1に示される負荷駆動装置は、負荷駆動装置に接続される負荷10の最大電流を考慮した回路設計になっていなくても、負荷10の定電流値の変更に対応することができる。すなわち、図1に示されるシャント抵抗20および駆動回路30をベースとし、ICチップである駆動回路30に別のスイッチング素子を追加することにより対応する。
【0052】
具体的に、図3を参照して説明する。図3は、負荷10に流す定電流を図1に示される負荷10よりも大きくした場合の負荷駆動装置に負荷10を接続した回路図である。この図に示されるように、負荷駆動装置は図1に示される回路に対してさらに第2スイッチング素子50(図3のQ2)と第2抵抗60(図3のR2)とを備えている。
【0053】
シャント抵抗20の一端側は、駆動回路30および第2スイッチング素子50に接続される。この第2スイッチング素子50は、駆動回路30によってスイッチングされる素子である。本実施形態では、第2スイッチング素子50としてPch型のパワーMOSFETが用いられている。
【0054】
第2スイッチング素子50のゲートは第4端子31dに接続されている。つまり、第2スイッチング素子50のゲートは第1スイッチング素子35のソースに接続されている。また、第2スイッチング素子50のソースはシャント抵抗20の一端側に接続されている。さらに、第2スイッチング素子50のドレインは負荷10に接続されている。このように、第2スイッチング素子50は第1スイッチング素子35に対してダーリントン接続されている。また、第2スイッチング素子50は負荷10に接続されるため、駆動回路30の第5端子31eはグランド等の基準電位に接続される。なお、図3や図3以降の各図では基準電位の一例としてグランドを示している。もちろん、基準電位はグランドに限らず、グランド以外の電位を基準とした構成になっていても良い。
【0055】
上記の第2スイッチング素子50は、駆動回路30よりも電流能力が高い素子である。言い換えると、第2スイッチング素子50は第1スイッチング素子35よりも電流能力が高い素子である。また、第2スイッチング素子50はICチップである駆動回路30とは異なる半導体チップに形成されている。
【0056】
第1スイッチング素子35の電流能力や放熱性はICチップである駆動回路30のICチップサイズによって決まるため、ICチップを製造してしまうと第1スイッチング素子35の電流能力を高くすることはできないが、第1スイッチング素子35よりもチップサイズが大きい第2スイッチング素子50を駆動回路30に接続することで負荷10に流す定電流の値を大きくすることができる。
【0057】
第2抵抗60は、一端側が第2スイッチング素子50のゲートに接続され、他端側が第2スイッチング素子50のソースに接続されている。
【0058】
一方、駆動回路30の作動は、第2スイッチング素子50が接続されていない場合と同じである。すなわち、制御信号に従ってオペアンプ34が第1スイッチング素子35をオンすると、第2抵抗60に電流が流れるので、第2スイッチング素子50のゲート−ソース間電圧が下がり、第2スイッチング素子50がオンする。これにより、電源40、シャント抵抗20、第2スイッチング素子50、負荷10という経路が形成されるので、シャント抵抗20に流れる電流が第2スイッチング素子50を介して負荷10に定電流として流れる。
【0059】
このように、負荷10に定電流Icを流す際、駆動回路30は、第1電圧と第2電圧とが等しくなるように第2スイッチング素子50を駆動する。すなわち、駆動回路30は、第1電圧と第2電圧とが等しくなるように第1スイッチング素子35を駆動することで第2スイッチング素子50を駆動することにより、シャント抵抗20に流れる電流の大きさをフィードバック制御することで、負荷10に流す定電流の大きさを調整する。
【0060】
このようにして駆動回路30により調整された定電流は図2に示される波形と同じ波形となり、負荷10のゲート電圧の波形も図2に示される波形と同じになる。ここで、図1に示される負荷駆動装置における定電流と図3に示される負荷駆動装置における定電流との違いはその大きさである。
【0061】
そして、負荷10であるIGBTのサイズによってゲート容量が大きく変わっているが、負荷駆動装置への第2スイッチング素子50の追加によって定電流値をIGBTのサイズに合わせているのでサージとSW損失の関係も保たれている。
【0062】
以上説明したように、本実施形態では、駆動回路30に備えられた第1スイッチング素子35では負荷10の定電流値に対応できないような大きな定電流を流す場合、駆動回路30に第2スイッチング素子50を新たに接続することが特徴となっている。
【0063】
このように、第2スイッチング素子50の追加により、第2スイッチング素子50の電流能力によって負荷10に大きな定電流を流すことができる。このため、想定される最大の定電流値に対応できる第1スイッチング素子35を予め駆動回路30に備える必要がない。したがって、負荷10に流す様々な定電流値に対して、第2スイッチング素子50の追加または削除により駆動回路30を様々な負荷10に対応させることができる。
【0064】
すなわち、図1に示されるベースとなる負荷駆動装置において、第2スイッチング素子50の追加で負荷10の定電流値に対応できるので、ベースとなる負荷駆動装置の能力を予め最大に設計する必要が無い。言い換えれば、図3に示される負荷駆動装置から第2スイッチング素子50および第2抵抗60を削除すれば、小さい定電流に対応した負荷駆動装置としてそのまま使用することができる。このため、低コストの負荷駆動装置を実現することができる。
【0065】
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について説明する。上記第1実施形態では、負荷駆動装置に第2スイッチング素子50を追加した場合、電源40、シャント抵抗20、第2抵抗60、第1スイッチング素子35、基準電位という経路が形成される。このため、第1スイッチング素子35に流れる電流は基準電位に捨てられるので、負荷10に供給される定電流値に誤差が生じるという問題がある。これは、第1スイッチング素子35に流れる電流をIQ1とし、第2スイッチング素子50に流れる電流をIQ2とすると、定電流IcはIc=IQ2=(Vref/Rout)−IQ1として表される。そこで、本実施形態では、第1スイッチング素子35に流れる電流の誤差を解消したことが特徴となっている。
【0066】
図4は、本実施形態に係る負荷駆動装置を負荷10に接続した回路図である。この図に示されるように、第2スイッチング素子50は、第1スイッチング素子35に流れる電流が当該第2スイッチング素子50に流れる電流に足し合わされるように第1スイッチング素子35にダーリントン接続されている。
【0067】
具体的には、第5端子31eが第2スイッチング素子50のドレインおよび負荷10に接続されている。第1スイッチング素子35のドレインが第2スイッチング素子50のドレインに接続されているので、第1スイッチング素子35に流れる電流は第2スイッチング素子50に流れる電流に足し合わされて定電流として負荷10に供給される。定電流IcはIc=IQ1+IQ2=Vref/Routとして表される。
【0068】
これにより、シャント抵抗20を流れる電流が第2抵抗60側に誤差分として流れるが、第2スイッチング素子50に流れる電流と再び合流するので、負荷10に流れる定電流において第2抵抗60を介して第1スイッチング素子35に流れる電流分の誤差をキャンセルすることができる。したがって、負荷10に流す定電流の精度を向上させることができる。
【0069】
(第3実施形態)
本実施形態では、第1、第2実施形態と異なる部分について説明する。上記第1、第2実施形態では、ゲートプルアップ抵抗として第1スイッチング素子35のゲートに第1抵抗33を接続していたが、本実施形態では定電流源を用いていることが特徴となっている。
【0070】
図5は、本実施形態に係る負荷駆動装置を負荷10に接続した回路図である。図5(a)に示されるように、基準電源32の正極側とオペアンプ34の出力端子および第1スイッチング素子35のゲートとの間に定電流源36が接続されている。定電流源36に流れる電流は基準電源32の正極側からオペアンプ34の出力端子および第1スイッチング素子35のゲート側に流れるように設定されている。なお、第1抵抗33と同様に、定電流源36はオペアンプ34に内蔵されていても良い。
【0071】
第1スイッチング素子35のゲートに第1抵抗33が接続されていた場合、第1スイッチング素子35のゲート電圧の上昇はCRの時定数で決まる。このため、ゲート電圧のオーバーシュートの発生やノイズの増大の問題が生じる。しかしながら、本実施形態のように定電流源36を用いることで、第1スイッチング素子35のゲートに一定の電流を流すことができるので、ゲート電圧を一定の傾きで上昇させることができる。したがって、ゲート電圧のオーバーシュートの発生やノイズの増大を抑制することができる。
【0072】
第1抵抗33を定電流源36とする回路形態は、図5(b)に示されるように、駆動回路30に第2スイッチング素子50を増設した負荷駆動装置に採用することができる。もちろん、図5(b)に示されるように、第2スイッチング素子50に流れる電流に第1スイッチング素子35に流れる電流を足し合わせる負荷駆動装置にも採用することができる。
【0073】
(第4実施形態)
本実施形態では、第1〜第3実施形態と異なる部分について説明する。上記第1、第2実施形態では、第1スイッチング素子35および第2スイッチング素子50としてPch型のパワーMOSFETが用いられていたが、本実施形態ではPNP型のバイポーラトランジスタを使用することが特徴となっている。
【0074】
図6は、本実施形態に係る負荷駆動装置を負荷10に接続した回路図である。図6(a)に示されるように、駆動回路30には第1スイッチング素子35としてPNP型のバイポーラトランジスタが採用されている。そして、第1スイッチング素子35のベースがオペアンプ34の出力端子に接続され、エミッタが第4端子31dに接続され、コレクタが第5端子31eに接続されている。
【0075】
そして、駆動回路30に第2スイッチング素子50を増設した負荷駆動装置においては、図6(b)に示されるように、第2スイッチング素子50としてPNP型のバイポーラトランジスタを採用することができる。第2スイッチング素子50のベースが第4端子31dに接続され、エミッタがシャント抵抗20の一端側に接続され、コレクタが負荷10に接続されている。この場合、第1スイッチング素子35もPNP型のバイポーラトランジスタである。
【0076】
さらに、第2スイッチング素子50に流れる電流に第1スイッチング素子35に流れる電流を足し合わせる負荷駆動装置においても、図6(c)に示されるように、第1スイッチング素子35および第2スイッチング素子50としてそれぞれPNP型のバイポーラトランジスタを採用することができる。
【0077】
以上のように、負荷駆動装置において第1スイッチング素子35および第2スイッチング素子50としてそれぞれPNP型のバイポーラトランジスタを採用することで、第1スイッチング素子35および第2スイッチング素子50のコストを削減することができる。
【0078】
(第5実施形態)
本実施形態では、第1〜第4実施形態と異なる部分について説明する。本実施形態では、第3実施形態で示された定電流源36と第4実施形態で示されたPNP型のバイポーラトランジスタを採用したことが特徴となっている。
【0079】
図7は、本実施形態に係る負荷駆動装置を負荷10に接続した回路図である。図7(a)に示されるように、図6(a)の負荷駆動装置においてベースプルアップ抵抗を定電流源36に置き換えることができる。同様に、図7(b)および図7(c)に示されるように、図6(b)および図6(c)の負荷駆動装置のベースプルアップ抵抗をそれぞれ定電流源36に置き換えることができる。
【0080】
(第6実施形態)
本実施形態では、第1〜第5実施形態と異なる部分について説明する。上記各実施形態では、負荷10であるIGBTのゲートに向かって定電流を流していたが、本実施形態では逆方向に定電流を流すことが特徴となっている。
【0081】
上述のように、負荷10としてIGBTを採用した場合、負荷駆動装置が定電流をIGBTのゲートに流すという動作はIGBTをオンする動作であり、本実施形態のように逆方向に定電流を流すという動作はIGBTをオフする動作である。すなわち、本実施形態に係る負荷駆動装置は、負荷10であるIGBTをオフする装置である。
【0082】
図8は、本実施形態に係る負荷駆動装置を負荷10に接続した回路図である。図8に示される負荷駆動装置の構成は、第1実施形態で示された構成と同じであるが、極性が逆になっている。
【0083】
まず、駆動回路30は電源40によって動作するように、電源40が第1端子31aに接続されている。オペアンプ34の非反転入力端子は基準電源32の正極側に接続され、基準電源32の負極側は基準電位に接続されている。また、オペアンプ34の非反転入力端子は第3端子31cを介してシャント抵抗20の一端側に接続されている。シャント抵抗20の他端側は基準電位に接続されている。
【0084】
第1抵抗33の一端側は基準電位に接続され、他端側はオペアンプ34の出力端子に接続されている。
【0085】
本実施形態では、第1スイッチング素子35としてNch型のパワーMOSFETが用いられている。このため、第1スイッチング素子35のゲートはオペアンプ34の出力端子に接続され、ソースは駆動回路30の第4端子31dを介してシャント抵抗20の一端側に接続されている。さらに、第1スイッチング素子35のドレインは駆動回路30の第5端子31eを介して負荷10に接続されている。
【0086】
なお、外部から第1端子31aを介してオペアンプ34に制御信号が入力される点は第1実施形態と同じである。
【0087】
以上のような構成において、負荷10がフルオン状態の場合に負荷10をオフさせるとする。このため、外部から制御信号が駆動回路30に入力されると、オペアンプ34が第1スイッチング素子35をオンする。これにより、負荷10、第1スイッチング素子35、シャント抵抗20、基準電位という経路が形成される。そして、負荷10のゲートから定電流Icが流れ出る。
【0088】
負荷10から定電流Icが流れ出ると、このIcの大きさに応じた傾きで負荷10のゲート電圧が下降する。図2で示されたIcの波形は正方向の電流であるとすると、負荷10から流れ出る定電流は負方向の電流となる。そして、ゲート電圧はミラー期間で一定のミラー電圧となり、その後にゲート電圧が負荷10の閾値電圧(Vt)に達すると負荷10がオフする。
【0089】
このように、負荷10から定電流が流れ出る場合においても、駆動回路30は、基準電源32の基準電圧に対応する第1電圧とシャント抵抗20の一端側に対応する第2電圧とが等しくなるようにシャント抵抗20に流れる電流の大きさをフィードバック制御している。本実施形態では、第1電圧は基準電圧に相当し、第2電圧はシャント抵抗20の一端側の電圧に相当する。したがって、定電流の値をIcとすると、Ic=Vref/Routとして表されるので、Vref=Rout×Icとなるようにオペアンプ34が第1スイッチング素子35のゲートを制御することは第1実施形態と同じである。
【0090】
以上説明したように、IGBTである負荷10をオフさせるように負荷駆動装置を構成することもできる。負荷10がIGBTの場合、図1で示された負荷駆動装置と図8で示された負荷駆動装置をそれぞれ負荷10に接続して負荷10をオン/オフ制御することとなる。もちろん、負荷10の種類によっては、本実施形態で示された図8の負荷駆動装置を単独で使用しても良い。
【0091】
また、図8で示される負荷駆動装置において負荷10の定電流値に対応するために、第1実施形態と同様にICチップである駆動回路30に第2スイッチング素子50が形成されたチップを接続することもできる。この回路図を図9に示す。
【0092】
図9に示されるように、負荷駆動装置は図8に示される回路に対してさらに第2スイッチング素子50と第2抵抗60とを備えている。そして、シャント抵抗20の一端側は、駆動回路30(第3端子31c)および第2スイッチング素子50に接続される。本実施形態では、第2スイッチング素子50としてNch型のパワーMOSFETが用いられている。
【0093】
第2スイッチング素子50のゲートは第4端子31dに接続され、この第4端子31dを介して第1スイッチング素子35のソースに電気的に接続されている。また、第2スイッチング素子50のソースはシャント抵抗20の一端側に接続されている。さらに、第2スイッチング素子50のドレインは負荷10に接続されている。すなわち、第2スイッチング素子50は第1スイッチング素子35に対してダーリントン接続されている。
【0094】
第2抵抗60は、一端側が第2スイッチング素子50のゲートに接続され、他端側が第2スイッチング素子50のソースに接続されている。
【0095】
これにより、負荷駆動装置の電流能力は第2スイッチング素子50によって向上する。そして、図9に示される駆動回路30の作動は、第2スイッチング素子50が接続されていない図8の場合と同じである。
【0096】
具体的には、制御信号に従ってオペアンプ34が第1スイッチング素子35をオンすると、電源40から第1スイッチング素子35を介して第2スイッチング素子50のゲートに電流が流れるので、第2スイッチング素子50のゲート電圧が上がり、第2スイッチング素子50がオンする。これにより、負荷10、第2スイッチング素子50、シャント抵抗20、基準電位という経路が形成されるので、シャント抵抗20に流れる電流がフィードバック制御されて負荷10のゲートから定電流が流れ出る。
【0097】
すなわち、駆動回路30は、第1電圧と第2電圧とが等しくなるように第1スイッチング素子35を駆動することで第2スイッチング素子50を駆動することにより、シャント抵抗20に流れる電流の大きさをフィードバック制御することで、負荷10に流す定電流の大きさを調整する。
【0098】
以上のように、第2スイッチング素子50の追加により、第2スイッチング素子50の電流能力によって負荷10に大きな定電流を流すことができる。
【0099】
(第7実施形態)
本実施形態では、第6実施形態と異なる部分について説明する。本実施形態では、第2実施形態と同様に、第1スイッチング素子35に流れる電流の誤差を解消したことが特徴となっている。
【0100】
図10は、本実施形態に係る負荷駆動装置を負荷10に接続した回路図である。この図に示されるように、第5端子31eが第2スイッチング素子50のドレインおよび負荷10に接続されている。これにより、シャント抵抗20を流れる電流には負荷10から第1スイッチング素子35を介して流れた電流と第2スイッチング素子50を介して流れた電流とが合流するので、負荷10に流れる定電流において第1スイッチング素子35に流れる電流分の誤差をキャンセルすることができる。したがって、負荷10に流す定電流の精度を向上させることができる。
【0101】
(他の実施形態)
上記各実施形態で示された負荷駆動装置の構成は一例であり、上記で示した構成に限定されることなく、本発明の特徴を含んだ他の構成とすることもできる。例えば、第6および第7実施形態で示された負荷駆動装置において、各スイッチング素子35、50や第1抵抗33等を第3〜第5実施形態で示された各素子に置き換えても良い。なお、図8〜図10に示される構成において第1抵抗33を定電流源36に置き換える場合は基準電位に電流が流れるように定電流源36をオペアンプ34および第1スイッチング素子35に接続する。
【0102】
特に、第2スイッチング素子50を追加した場合では上記各実施形態で採用された各素子の様々な組み合わせを採用することができる。
【0103】
例えば、第1スイッチング素子35をパワーMOSFETとし、第2スイッチング素子50をバイポーラトランジスタとしても良い。この場合、第1抵抗33を定電流源36に置き換えても良い。もちろん、図4や図10等に示されるように第1スイッチング素子35に流れる電流と第2スイッチング素子50に流れる電流が合流するように各スイッチング素子35、50を接続しても良い。
【0104】
一方、第1スイッチング素子35をバイポーラトランジスタとし、第2スイッチング素子50をパワーMOSFETとしても良い。この場合についても、第1抵抗33を定電流源36に置き換えても良い。もちろん、第1スイッチング素子35に流れる電流と第2スイッチング素子50に流れる電流が合流するように各スイッチング素子35、50を接続しても良い。
【0105】
第1スイッチング素子35や第2スイッチング素子50としてMOSFETを採用した場合には高速駆動が可能であり、バイポーラトランジスタを採用した場合は低コストを実現できる。
【0106】
そして、図1〜図7に示されるオン駆動用の負荷駆動装置と図8〜図10に示されるオフ駆動用の負荷駆動装置との組み合わせでIGBT等の負荷10を駆動しても良いが、いずれか一方と他のスイッチング素子とでIGBTを駆動させても良い。例えば、オン駆動用の負荷駆動装置とオフ駆動用のMOSFETとで負荷10であるIGBTをオン/オフ駆動することができる。逆に、オン駆動用のMOSFETとオフ駆動用の負荷駆動装置とで負荷10であるIGBTをオン/オフ駆動しても良い。このように、負荷駆動装置の用途は負荷10の種類によって適宜決定すれば良い。
【符号の説明】
【0107】
10 負荷
20 シャント抵抗
30 駆動回路
32 基準電源
34 オペアンプ
35 第1スイッチング素子
50 第2スイッチング素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷(10)に定電流を流すことによって前記負荷(10)を駆動する負荷駆動装置であって、
前記負荷(10)に流れる定電流に対応する電流が流れるシャント抵抗(20)と、
前記シャント抵抗(20)の一端側が接続されると共に、前記シャント抵抗(20)に流れる電流に対応する定電流を前記負荷(10)に流すことで前記負荷(10)を駆動する駆動回路(30)と、を備え、
前記駆動回路(30)は、基準電圧を発生させる基準電源(32)を有し、前記基準電源(32)の基準電圧に対応する第1電圧と前記シャント抵抗(20)の一端側に対応する第2電圧とが等しくなるように前記シャント抵抗(20)に流れる電流の大きさをフィードバック制御することで、前記負荷(10)に流す定電流の大きさを調整することを特徴とする負荷駆動装置。
【請求項2】
前記駆動回路(30)は、前記第1電圧と前記第2電圧とが印加されるオペアンプ(34)と、前記オペアンプ(34)の出力によってスイッチングされる第1スイッチング素子(35)と、を備え、
前記オペアンプ(34)は、前記第1電圧と前記第2電圧とが等しくなるように、前記第1スイッチング素子(35)を駆動することにより、前記シャント抵抗(20)に流れる電流の大きさを一定に制御することを特徴とする請求項1に記載の負荷駆動装置。
【請求項3】
前記負荷(10)に接続される第2スイッチング素子(50)を備えており、
前記シャント抵抗(20)は、前記駆動回路(30)および前記第2スイッチング素子(50)に接続され、前記シャント抵抗(20)に流れる電流が前記第2スイッチング素子(50)を介して前記負荷(10)に定電流として流れるようになっており、
前記駆動回路(30)は、前記第1電圧と前記第2電圧とが等しくなるように前記第2スイッチング素子(50)を駆動することにより、前記シャント抵抗(20)に流れる電流の大きさをフィードバック制御することで、前記負荷(10)に流す定電流の大きさを調整することを特徴とする請求項1または2に記載の負荷駆動装置。
【請求項4】
前記負荷(10)に接続されると共に、前記第1スイッチング素子(35)よりも電流能力が高い第2スイッチング素子(50)を備え、
前記シャント抵抗(20)の一端側は、前記駆動回路(30)および前記第2スイッチング素子(50)に接続され、前記シャント抵抗(20)に流れる電流が前記第2スイッチング素子(50)を介して前記負荷(10)に定電流として流れるようになっており、
前記第2スイッチング素子(50)は、前記第1スイッチング素子(35)によって駆動され、前記第1スイッチング素子(35)に流れる電流が当該第2スイッチング素子(50)に流れる電流に足し合わされるように前記第1スイッチング素子(35)にダーリントン接続されており、
前記駆動回路(30)は、前記第1電圧と前記第2電圧とが等しくなるように前記第1スイッチング素子(35)を駆動することで前記第2スイッチング素子(50)を駆動することにより、前記シャント抵抗(20)に流れる電流の大きさをフィードバック制御し、前記負荷(10)に流す定電流の大きさを調整することを特徴とする請求項2に記載の負荷駆動装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−114587(P2012−114587A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−260401(P2010−260401)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】