説明

距離センサ及び距離画像センサ

【課題】高感度化を図ることが可能な距離センサ及び距離画像センサを提供すること。
【解決手段】電荷発生領域は、矩形形状を呈し且つ第1の方向D1に伸びる第1の領域R1内に配置される。信号電荷収集領域は、第1の領域R1の辺R1a,R1b側に設けられ且つ第1の方向D1での位置が互いにずれている複数の第2の領域R2内に配置される。第2の領域R2は、第1の領域R1と重複する部分の縁が第1の方向R1と交差する方向に伸びる2辺R2a,R2bを含む。信号電荷収集領域は、その縁が辺R2a,R2bに沿って伸びる辺FD1a,FD1b,FD2a,FD2bを含む。転送電極は、信号電荷収集領域の辺FD1a,FD1b,FD2a,FD2bに沿って伸びる部分を有する。電荷発生領域は、その縁が第2の領域R2の2辺R2a,R2bに沿って伸びる2辺を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、距離センサ及び距離画像センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のアクティブ型の光測距センサは、LED(Light Emitting Diode)などの投光用の光源から対象物に光を照射し、対象物における反射光を光検出素子で検出することで、対象物までの距離に応じた信号を出力するものとして知られている。PSD(Position Sensitive Detector)などは、対象物までの距離を簡易に測定することができる光三角測量型の光測距センサとして知られているが、近年、より精密な距離測定を行うため、光TOF(Time-Of-Flight)型の光測距センサの開発が期待されている。
【0003】
距離情報と画像情報を同時に、同一チップで取得できるイメージセンサが車載用、工場の自動製造システム用などにおいて求められている。車両前方にイメージセンサを設置すれば、先方車両の検知・認識、歩行者などの検知・認識に使用することが期待される。画像情報とは別に、単一の距離情報又は複数の距離情報からなる距離画像を取得するイメージセンサも期待されている。このような測距センサにはTOF法を用いることが好ましい。
【0004】
TOF法は、投光用の光源から、対象物に向けてパルス光を出射し、対象物で反射されたパルス光を光検出素子で検出することで、パルス光の出射タイミングと検出タイミングの時間差を測定している。この時間差(Δt)は、対象物までの距離dの2倍の距離(2×d)をパルス光が光速(=c)で飛行するのに要する時間であるため、d=(c×Δt)/2が成立する。時間差(Δt)は、光源からの出射パルスと検出パルスの位相差と言い換えることもできる。この位相差を検出すれば、対象物までの距離dを求めることができる。
【0005】
電荷振り分け方式のイメージセンサは、TOF法によって測距を行うための光検出素子として着目されている。すなわち、電荷振り分け方式のイメージセンサでは、例えば、検出パルスの入射に応じてイメージセンサ内において発生するパルス的に発生する電荷を、出射パルスのON期間の間に一方のポテンシャル井戸内に振り分け、OFF期間の間に他方のポテンシャル井戸に振り分ける。この場合、左右に振り分けられた電荷量の比率が、検出パルスと出射パルスの位相差、すなわち、対象物までの距離の2倍の距離をパルス光が光速で飛行するのに要する時間に比例することになる。なお、電荷の振り分け方法としては種々のものが考えられる。
【0006】
特許文献1には、入射光に応じて電荷が発生する電荷発生領域と、空間的に離間して配置され、電荷発生領域からの信号電荷を収集する複数の信号電荷収集領域と、信号電荷収集領域のそれぞれに設けられ、異なる位相の電荷転送信号が与えられる転送電極と、を備えているTOF型の距離センサ(距離画像センサ)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−8537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のような距離センサ(距離画像センサ)においては、対象物が遠距離に位置している場合、対象物で反射された光が弱く、距離検出精度が低下する。また、反射率が低い対象物の距離検出に関しても、対象物で反射された光が弱いため、距離検出精度が低下する。このため、TOF型の距離センサ(距離画像センサ)では、距離検出精度を改善するために、高感度化が望まれている。
【0009】
本発明は、高感度化を図ることが可能な距離センサ及び距離画像センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る距離センサは、入射光に応じて電荷が発生する電荷発生領域と、空間的に離間して配置され、電荷発生領域からの信号電荷を収集する複数の信号電荷収集領域と、信号電荷収集領域のそれぞれに設けられ、異なる位相の電荷転送信号が与えられる転送電極と、を備えており、電荷発生領域は、矩形形状を呈し且つ第1の方向に伸びる第1の領域内に配置され、信号電荷収集領域は、第1の領域の第1の方向に伸びる辺側に設けられ且つ第1の方向での位置が互いにずれている複数の第2の領域内に配置され、第2の領域は、第1の領域と重複する部分を有し且つ第1の領域と重複する部分の縁が第1の方向と交差する方向に伸びる2辺、又は、円弧を含み、信号電荷収集領域は、その縁が第2の領域の縁に含まれる辺に沿って伸びる辺、又は、第2の領域の縁に含まれる円弧に沿って伸びる円弧を含み、転送電極は、第2の領域内における電荷発生領域と信号電荷収集領域との間に位置すると共に、信号電荷収集領域の縁に含まれる辺又は円弧に沿って伸びる部分を有し、電荷発生領域は、その縁が第2の領域の縁に含まれる2辺に沿って伸びる2辺、又は、第2の領域の縁に含まれる円弧に沿って伸びる円弧を含んでいることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る距離センサでは、転送電極が、上記第2の領域内における電荷発生領域と信号電荷収集領域との間に位置していることから、電荷発生領域が配置される第1の領域内に入り込むように配置されることとなる。また、転送電極が、信号電荷収集領域の縁に含まれる辺又は円弧、すなわち第2の領域における第1の領域と重複する部分の縁に含まれる上記辺又は円弧に沿って伸びる部分を有することとなる。このため、本発明では、転送電極が第1の方向に沿って伸びるように第1の領域の外側に配置された構成を採用した距離センサに比して、第1の方向における単位長さ当たりの光利用効率が高くなる。したがって、電荷発生領域の面積を増加させ、高感度化を図ることができる。
【0012】
転送電極が、第2の領域における第1の領域と重複する部分の縁に含まれる上記辺又は円弧に沿って伸びる部分を有することから、転送電極が第1の方向に沿って伸びるように第1の領域の外側に配置された構成を採用した距離センサに比して、その電極長さが長くなり、電極面積が大きくなる。このため、電荷発生領域に発生した電荷が移動し易くなり、電荷の転送効率が向上する。このことからも、距離センサの高感度化を図ることができる。
【0013】
ところで、信号電荷収集領域に転送された電荷(Q)は、信号電荷収集領域の静電容量(Cfd)により、下記関係式で示される電圧変化(ΔV)を発生させる。
ΔV=Q/Cfd
本発明では、信号電荷収集領域の縁が第2の領域の縁に含まれる辺に沿って伸びる辺、又は、第2の領域の縁に含まれる円弧に沿って伸びる円弧を含んでいることから、信号電荷収集領域の面積を低減することが可能となる。信号電荷収集領域の面積が低減されると、信号電荷収集領域の静電容量も低減され、発生する電圧変化が大きくなる。すなわち、電荷電圧変換ゲインが高くなる。このことからも、距離センサの高感度化を図ることができる。
【0014】
複数の信号電荷収集領域が、第1及び第2の信号電荷収集領域を含み、第1の信号電荷収集領域と第2の信号電荷収集領域とが、それぞれ異なる第2の領域に配置され、第1及び第2の信号電荷収集領域の縁が、第2の領域の縁に含まれる2辺に沿って伸びる2辺を含んでおり、転送電極は、各信号電荷収集領域の縁に含まれる2辺に沿って伸びる部分を有している。
【0015】
この場合、転送電極が、各信号電荷収集領域の縁に含まれる2辺に沿って伸びる部分を有していることから、転送電極の電極長さを確実に長くし、電極面積を大きくできる。したがって、距離センサの高感度化をより一層図ることができる。また、信号電荷収集領域の縁が第2の領域の縁に含まれる辺に沿って伸びる2辺を含み且つ転送電極が各信号電荷収集領域の縁に含まれる2辺に沿って伸びる部分を有していることから、各信号電荷収集領域における転送電極に沿う部分の長さが長くなり、信号電荷収集領域の面積をより一層低減することが可能となる。このことからも、距離センサの高感度化をより一層図ることができる。
【0016】
第1の信号電荷収集領域が、第1の領域の第1の方向に伸びる第1の辺側に設けられた第2の領域に配置され、第2の信号電荷収集領域が、第1の領域の第1の方向に伸びる第2の辺側に設けられた第2の領域に配置されていてもよい。
【0017】
空間的に離間して配置され、電荷発生領域からの不要電荷を収集する複数の不要電荷収集領域と、電荷発生領域から不要電荷収集領域への不要電荷の流れの遮断及び開放を選択的に行う不要電荷収集ゲート電極と、を更に備えており、不要電荷収集領域は、第1の信号電荷収集領域が配置された複数の第2の領域の間に位置する第2の領域に配置されると共に、第2の信号電荷収集領域が配置された複数の第2の領域の間に位置する第2の領域に配置されていてもよい。この場合、不要電荷が各信号電荷収集領域に蓄積されるのが抑制される。このため、距離センサでの距離検出精度を向上することができる。
【0018】
第1及び第2の信号電荷収集領域が、第1の領域の第1の方向に伸びる第1の辺側に設けられた第2の領域にそれぞれ配置されていてもよい。
【0019】
電荷発生領域から広がる空乏層と、各信号電荷収集領域から拡がる空乏層とが結合すると、光の入射により生じた電荷が各信号電荷収集領域に直接流れ込み、クロストークが生じる懼れがある。クロストークを抑制するため、各信号電荷収集領域と重複するように、電荷発生領域及び信号電荷収集領域が設けられる半導体基板の導電型と同一の導電型であって、半導体基板の不純物濃度よりも高い不純物濃度を有するウェル領域を設けることが考えられる。この場合、信号電荷収集領域とウェル領域との界面から広がる空乏層の厚みが抑制され、当該空乏層と、電荷発生領域から広がる空乏層とが結合する状態を抑制することができ、クロストークを抑制することができる。
【0020】
ところで、信号電荷収集領域とウェル領域とを形成する際に、それぞれの領域を形成するためのマスクが、例えば第1の領域における第1の辺と第2の辺との対向方向で位置ずれしていると、信号電荷収集領域とウェル領域との相対位置が上記対向方向にずれてしまい、信号電荷収集領域とウェル領域とが重複している領域(以下、単に「重複領域」と称することもある)の上記対向方向での幅にばらつきが生じてしまう。例えば、重複領域の対向方向での幅が広がると、信号電荷収集領域に向うポテンシャルの傾斜に平坦な部分が形成され、電荷の流れに支障が生じる。この場合、第1及び第2の辺側それぞれに信号電荷収集領域が配置されていると、第1の辺側に向うポテンシャルの傾斜と第2の辺側に向うポテンシャルの傾斜とが異なることから、各信号電荷収集領域に生じる蓄積容量に差が生じて、各転送電極に与えられる電荷転送信号に対して感度のずれが生じてしまう。すなわち、電荷を複数の信号電荷収集領域に適切に振り分けることが不可能となってしまう。
【0021】
電荷の振り分け方式の距離センサ(距離画像センサ)では、上述したように、振り分けられた電荷量の比率に基づいてセンサに入射したパルス光の時間遅れを検出する。このため、電荷が各半導体領域に適切に振り分けられていないと、検出する時間遅れに誤差が生じることとなる。
【0022】
第1及び第2の信号電荷収集領域とウェル領域とを形成する際に、それぞれの領域を形成するためのマスクが上記対向方向で位置ずれしている場合、上述したように、第1及び第2の信号電荷収集領域とウェル領域との重複領域の上記対向方向での幅にばらつきが生じてしまう。しかしながら、第1及び第2の信号電荷収集領域が、第1の領域の第1の方向に伸びる第1の辺側に設けられた第2の領域にそれぞれ配置されているので、第1の信号電荷収集領域とウェル領域との重複領域の対向方向での幅が狭くなると、第2の信号電荷収集領域とウェル領域との重複領域の対向方向での幅も狭くなる。逆に、第1の信号電荷収集領域とウェル領域との重複領域の対向方向での幅が広くなると、第2の信号電荷収集領域とウェル領域との重複領域の対向方向での幅も広くなる。したがって、第1の信号電荷収集領域に向かうポテンシャルの傾斜と第2の信号電荷収集領域に向かうポテンシャルの傾斜とが同じとなり、第1及び第2の信号電荷収集領域への電荷の転送に支障が生じることはない。すなわち、第1及び第2の信号電荷収集領域とウェル領域とを形成する際にマスクの位置ずれが生じた場合でも、電荷発生領域に発生した電荷を、第1の信号電荷収集領域と第2の信号電荷収集領域とに適切に振り分けることができる。この結果、第1の信号電荷収集領域に蓄積された電荷量と、第2の信号電荷収集領域に蓄積された電荷量と、がマスクの位置ずれに起因してアンバランスとなるのを抑制することができる。
【0023】
空間的に離間して配置され、電荷発生領域からの不要電荷を収集する複数の不要電荷収集領域と、電荷発生領域から不要電荷収集領域への不要電荷の流れの遮断及び開放を選択的に行う不要電荷収集ゲート電極と、を更に備えており、不要電荷収集領域は、第1の領域の第1の方向に伸びる第2の辺側に設けられた第2の領域にそれぞれ配置されていてもよい。この場合、不要電荷が各信号電荷収集領域に蓄積されるのが抑制される。このため、距離センサでの距離検出精度を向上することができる。
【0024】
第1及び第2の信号電荷収集領域が、第1の領域の第1の方向に伸びる第2の辺側に設けられた第2の領域にそれぞれ配置されていてもよい。
【0025】
空間的に離間して配置され、電荷発生領域からの不要電荷を収集する複数の不要電荷収集領域と、電荷発生領域から不要電荷収集領域への不要電荷の流れの遮断及び開放を選択的に行う不要電荷収集ゲート電極と、を更に備えており、不要電荷収集領域は、第1の領域の第1及び第2の辺側に設けられた第2の領域にそれぞれ配置されていてもよい。この場合、不要電荷が各信号電荷収集領域に蓄積されるのが抑制される。このため、距離センサでの距離検出精度を向上することができる。
【0026】
不要電荷収集領域の縁が、第2の領域の縁に含まれる2辺に沿って伸びる2辺を含み、不要電荷収集ゲート電極が、第2の領域内における電荷発生領域と不要電荷収集領域との間に位置すると共に、不要電荷収集領域の縁に含まれる2辺に沿って伸びていてもよい。この場合、不要電荷の排出を効率よく行なうことができる。
【0027】
複数の信号電荷収集領域が、第1及び第2の信号電荷収集領域を含み、第1の信号電荷収集領域と第2の信号電荷収集領域とが、一つの第2の領域に配置され、第1の信号電荷収集領域の縁が、第2の領域の縁に含まれる2辺のうちの一方の辺に沿って伸びる辺を含み、第2の信号電荷収集領域の縁が、第2の領域の縁に含まれる2辺のうちの他方の辺に沿って伸びる辺を含んでいてもよい。
【0028】
電荷発生領域が、第1の方向に交差する2方向に交互に屈曲した形状を呈していてもよい。また、電荷発生領域が、異なる方向に交互に湾曲した形状を呈していてもよい。これらの場合、第1の領域に配置され且つ縁が第2の領域の縁に含まれる2辺に沿って伸びる2辺、又は、第2の領域の縁に含まれる円弧に沿って伸びる円弧を含んだ電荷発生領域を確実に且つ簡易に実現することができる。
【0029】
本発明に係る距離画像センサは、上記距離センサと、光源と、光源にパルス駆動信号を与える駆動回路と、転送電極に、パルス駆動信号に同期し且つ互いに異なる位相の電荷転送信号をそれぞれ与える制御回路と、信号電荷収集領域から読み出された信号から、対象物までの距離を演算する演算回路と、を備えていることを特徴とする。
【0030】
本発明に係る距離画像センサでは、上記距離センサを備えていることから、高感度化を図ることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、高感度化を図ることが可能な距離センサ及び距離画像センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】測距装置の構成を示す説明図である。
【図2】距離画像センサの断面構成を説明するための図である。
【図3】距離画像センサの概略平面図である。
【図4】距離画像センサの画素の構成を説明するための模式図である。
【図5】図4におけるV−V線に沿った断面構成を示す図である。
【図6】半導体基板の表面近傍におけるポテンシャル分布を示す図である。
【図7】画素の構成を説明するための模式図である。
【図8】比較例としての距離画像センサの画素の構成を説明するための模式図である。
【図9】比較例としての距離画像センサの画素の構成を説明するための模式図である。
【図10】第1の変形例に係る距離画像センサの画素の構成を説明するための模式図である。
【図11】図10におけるXI−XI線に沿った断面構成を示す図である。
【図12】半導体基板の表面近傍におけるポテンシャル分布を示す図である。
【図13】半導体基板の表面近傍におけるポテンシャル分布を示す図である。
【図14】各種信号のタイミングチャートである。
【図15】各種信号の変形例を示すタイミングチャートである。
【図16】第2の変形例に係る距離画像センサの画素の構成を説明するための模式図である。
【図17】図16におけるXVII−XVII線に沿った断面構成を示す図である。
【図18】図16におけるXVIII−XVIII線に沿った断面構成を示す図である。
【図19】第3の変形例に係る距離画像センサの画素の構成を説明するための模式図である。
【図20】図19におけるXX−XX線に沿った断面構成を示す図である。
【図21】図19におけるXXI−XXI線に沿った断面構成を示す図である。
【図22】第4の変形例に係る距離画像センサの画素の構成を説明するための模式図である。
【図23】第5の変形例に係る距離画像センサの画素の構成を説明するための模式図である。
【図24】第6の変形例に係る距離画像センサの画素の構成を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0034】
図1は、測距装置の構成を示す説明図である。
【0035】
この測距装置は、距離画像センサ1と、近赤外光を出射する光源3と、光源3にパルス駆動信号Sを与える駆動回路4と、距離画像センサ1の各画素に含まれる第1及び第2ゲート電極(TX1,TX2:図4参照)に、パルス駆動信号Sに同期した検出用ゲート信号S、Sを与える制御回路2と、距離画像センサ1の第1及び第2半導体領域(FD1,FD2:図4参照)から読み出された距離情報を示す信号d’(m,n)から、歩行者などの対象物Hまでの距離を演算する演算回路5を備えている。距離画像センサ1から対象物Hまでの水平方向Dの距離をdとする。
【0036】
制御回路2は、パルス駆動信号Sを駆動回路4のスイッチ4bに入力している。LED又はレーザダイオードからなる投光用の光源3は、スイッチ4bを介して電源4aに接続されている。したがって、スイッチ4bにパルス駆動信号Sが入力されると、パルス駆動信号Sと同じ波形の駆動電流が光源3に供給され、光源3からは測距用のプローブ光としてのパルス光Lが出力される。
【0037】
パルス光Lが対象物Hに照射されると、対象物Hによってパルス光が反射され、パルス光Lとして、距離画像センサ1に入射して、パルス検出信号Sを出力する。
【0038】
距離画像センサ1は、配線基板10上に固定されており、配線基板10上の配線を介して、距離情報を有する信号d’(m,n)が各画素から出力される。
【0039】
パルス駆動信号Sの波形は、周期Tの方形波であり、ハイレベルを「1」、ローレベルを「0」とすると、その電圧V(t)は以下の式で与えられる。
パルス駆動信号S
V(t)=1(但し、0<t<(T/2)の場合)
V(t)=0(但し、(T/2)<t<Tの場合)
V(t+T)=V(t)
【0040】
検出用ゲート信号S、Sの波形は、周期Tの方形波であり、その電圧V(t)は以下の式で与えられる。
検出用ゲート信号S
V(t)=1(但し、0<t<(T/2)の場合)
V(t)=0(但し、(T/2)<t<Tの場合)
V(t+T)=V(t)
検出用ゲート信号S(=Sの反転):
V(t)=0(但し、0<t<(T/2)の場合)
V(t)=1(但し、(T/2)<t<Tの場合)
V(t+T)=V(t)
【0041】
上記パルス信号S,S、S、Sは、全てパルス周期2×Tを有していることとする。検出用ゲート信号S及びパルス検出信号Sが共に「1」のときに距離画像センサ1内で発生する電荷量をQ1、検出用ゲート信号S及びパルス検出信号Sが共に「1」のときに距離画像センサ1内で発生する電荷量をQ2とする。
【0042】
距離画像センサ1における一方の検出用ゲート信号Sとパルス検出信号Sの位相差は、他方の検出用ゲート信号Sとパルス検出信号Sが「1」の時の重複期間において、距離画像センサ1において発生した電荷量Q2に比例する。すなわち、電荷量Q2は、検出用ゲート信号Sとパルス検出信号Sの論理積が「1」である期間において発生した電荷量である。1画素内において発生する全電荷量をQ1+Q2とし、駆動信号Sの半周期のパルス幅をTとすると、Δt=T×Q2/(Q1+Q2)の期間だけ、駆動信号Sに対してパルス検出信号Sが遅れていることになる。1つのパルス光の飛行時間Δtは、対象物までの距離をd、光速をcとすると、Δt=2d/cで与えられるため、特定の画素からの距離情報を有する信号d’として2つの電荷量(Q1,Q2)が出力されると、演算回路5は、入力された電荷量Q1,Q2と、予め判明している半周期パルス幅Tに基づいて、対象物Hまでの距離d=(c×Δt)/2=c×T×Q2/(2×(Q1+Q2))を演算する。
【0043】
上述のように、電荷量Q1、Q2を分離して読み出せば、演算回路5は、距離dを演算することができる。なお、上述のパルスは繰り返して出射され、その積分値を各電荷量Q1,Q2として出力することができる。
【0044】
電荷量Q1,Q2の全体電荷量に対する比率は、上述の位相差、すなわち、対象物Hまでの距離に対応している。演算回路5は、この位相差に応じて対象物Hまでの距離を演算している。上述のように、位相差に対応する時間差をΔtとすると、距離dは、好適にはd=(c×Δt)/2で与えられるが、適当な補正演算をこれに加えて行ってもよい。例えば、実際の距離と、演算された距離dとが異なる場合、後者を補正する係数βを予め求めておき、出荷後の製品では演算された距離dに係数βを乗じたものを最終的な演算距離dとしてもよい。外気温度を測定しておき、外気温度に応じて光速cが異なる場合には、光速cを補正する演算を行ってから、距離演算を行うこともできる。演算回路に入力された信号と、実際の距離との関係を予めメモリに記憶しておき、ルックアップテーブル方式によって、距離を演算してもよい。センサ構造によっても演算方法は変更することができ、これには従来から知られている演算方法を用いることができる。
【0045】
図2は、距離画像センサの断面構成を説明するための図である。
【0046】
距離画像センサ1は、半導体基板1Aを備えている。半導体基板1Aは、補強用のフレーム部Fと、フレーム部Fよりも薄い薄板部TFを有しており、これらは一体化している。薄板部TFの厚さは、10μm以上100μm以下である。本例のフレーム部Fの厚さは200μm以上1000μm以下である。半導体基板1Aは、全体が薄化されていてもよい。距離画像センサ1には、光入射面1BKからパルス光LDが入射する。距離画像センサ1の光入射面1BKとは逆側の表面1FTは、接着領域ADを介して配線基板10に接続されている。接着領域ADは、バンプ電極などの接着素子を含む領域であり、必要に応じて絶縁性の接着剤やフィラーを有している。
【0047】
図3は、距離画像センサの概略平面図である。
【0048】
距離画像センサ1では、半導体基板1Aが、二次元状に配列した複数の画素P(m,n)からなる撮像領域1Bを有している。各画素P(m,n)からは、上述の距離情報を有する信号d’(m,n)として2つの電荷量(Q1,Q2)が出力される。各画素P(m,n)は微小測距センサとして対象物Hまでの距離に応じた信号d’(m,n)を出力する。したがって、対象物Hからの反射光を、撮像領域1Bに結像すれば、対象物H上の各点までの距離情報の集合体としての対象物の距離画像を得ることができる。一つの画素P(m,n)は、一つの距離センサとして機能する。
【0049】
図4は、距離画像センサの画素の構成を説明するための模式図である。図5は、図4におけるV−V線に沿った断面構成を示す図である。
【0050】
距離画像センサ1は、各画素P(m,n)において、半導体基板1Aに設けられた、フォトゲート電極PGと、それぞれ複数の第1及び第2ゲート電極TX1,TX2(転送電極)と、それぞれ複数の第1及び第2半導体領域FD1,FD2(信号電荷収集領域)と、を備えている。半導体基板1Aは、光入射面1BKと、光入射面1BKとは逆側の表面1FTと、を有している。フォトゲート電極PGは、表面1FT上に絶縁層1Eを介して設けられている。第1及び第2ゲート電極TX1,TX2は、表面1FT上において絶縁層1Eを介してフォトゲート電極PGに隣接して設けられている。第1及び第2半導体領域FD1,FD2は、各ゲート電極TX1,TX2の直下の領域に流れ込む電荷を蓄積する。本例の半導体基板1AはSiからなり、絶縁層1EはSiOからなる。半導体基板1Aは、エピタキシャル層からなることとしてもよい。
【0051】
フォトゲート電極PGは、第1の領域R1内に配置されている。第1の領域R1は、矩形形状を呈し且つ第1の方向D1に伸びている。本実施形態では、フォトゲート電極PGは、第1の方向D1に交差する2方向に交互に屈曲した形状を呈している。半導体基板1Aにおけるフォトゲート電極PGに対応する領域(フォトゲート電極PGの直下の領域)は、入射光に応じて電荷が発生する電荷発生領域(光感応領域)として機能する。フォトゲート電極PGはポリシリコンからなるが、他の材料を用いてもよい。
【0052】
第1及び第2半導体領域FD1,FD2は、それぞれ異なる第2の領域R2内に配置されている。第2の領域R2は、第1の領域R1の第1の方向D1に伸びる2辺R1a,R1b側にそれぞれ複数設けられている。複数の第2の領域R2は、第1の方向D1での位置が互いにずれている。第1の領域R1の各辺R1a,R1b側に配置された第2の領域R2は、第1の方向D1に、所定のピッチで並んでいる。第2の領域R2は、第1の領域R1と重複する部分を有し且つ第1の領域R1と重複する部分の縁が第1の方向と交差する方向に伸びる2辺R2a,R2bを含んでいる。本実施形態では、第2の領域R2は、矩形形状を呈している。第1の方向D1で隣り合う第2の領域R2は、その一部が重複してもよい。
【0053】
フォトゲート電極PGは、その縁が第2の領域R2の縁に含まれる2辺R2a,R2bに沿って伸びる2辺PGa,PGbを含んでいる。すなわち、フォトゲート電極PGは、その縁が2辺PGa,PGbを含むように形成されることで、交互に屈曲した形状を呈することとなる。
【0054】
第1半導体領域FD1は、第1の領域R1の辺R1a側に設けられた第2の領域R2に配置されている。第1半導体領域FD1は、その縁が第2の領域R2の2辺R2a,R2bに沿ってそれぞれ伸びる2辺FD1a,FD1bを含んでいる。本実施形態では、第1半導体領域FD1は、矩形形状を呈している。
【0055】
第2半導体領域FD2は、第1の領域R1の辺R1b側に設けられた第2の領域R2に配置されている。第2半導体領域FD2は、第1半導体領域FD1と同様に、その縁が第2の領域R2の2辺R2a,R2bに沿ってそれぞれ伸びる2辺FD2a,FD2bを含んでいる。本実施形態では、第2半導体領域FD2は、矩形形状を呈している。
【0056】
第1半導体領域FD1と第2半導体領域FD2とは、第1の領域R1の2辺R1a,R1bの対向方向で、空間的に離間して配置されている。すなわち、第1半導体領域FD1と第2半導体領域FD2とは、第1の領域R1の2辺R1a,R1bの対向方向でフォトゲート電極PGを挟むように配置されている。第1及び第2半導体領域FD1,FD2は、必ずしも、第1の領域R1に重複するように配置されている必要はない。
【0057】
第1ゲート電極TX1は、第2の領域R2内におけるフォトゲート電極PGと第1半導体領域FD1との間に位置している。このため、第1ゲート電極TX1は、その一部が第1の領域R1内に入り込むように配置されることとなる。第1ゲート電極TX1は、第1半導体領域FD1の辺FD1a、すなわち第2の領域R2の辺R2a(フォトゲート電極PGの辺PGa)に沿って伸びる部分TX1aと、第1半導体領域FD1の辺FD1b、すなわち第2の領域R2の辺R2b(フォトゲート電極PGの辺PGb)に沿って伸びる部分TX1bと、を有している。第1ゲート電極TX1は、平面視で略V字形状を呈している。
【0058】
第2ゲート電極TX2は、第2の領域R2内におけるフォトゲート電極PGと第2半導体領域FD2との間に位置している。このため、第2ゲート電極TX2は、その一部が第1の領域R1内に入り込むように配置されることとなる。第2ゲート電極TX2は、第2半導体領域FD2の辺FD2a、すなわち第2の領域R2の辺R2a(フォトゲート電極PGの辺PGa)に沿って伸びる部分TX2aと、第2半導体領域FD2の辺FD2b、すなわち第2の領域R2の辺R2b(フォトゲート電極PGの辺PGb)に沿って伸びる部分TX2bと、を有している。第2ゲート電極TX2も、第1ゲート電極TX1と同じく、平面視でV字形状を呈している。
【0059】
第1及び第2ゲート電極TX1,TX2の電極長さ並びに電極面積は、同じに設定されている。第1及び第2ゲート電極TX1,TX2はポリシリコンからなるが、これらは他の材料を用いてもよい。
【0060】
半導体基板1Aは低不純物濃度のp型半導体基板からなり、第1及び第2半導体領域FD1,FD2は高不純物濃度のn型半導体からなるフローティング・ディフュージョン領域である。各半導体領域の厚さ/不純物濃度は以下の通りである。
・半導体基板1A:厚さ10〜1000μm/不純物濃度1×1012〜1015cm−3
・半導体領域FD1及びFD2:厚さ0.1〜1μm/不純物濃度1×1018〜1020cm−3
【0061】
絶縁層1Eには、第1及び第2半導体領域FD1,FD2の表面を露出させるためのコンタクトホールが設けられている。コンタクトホール内には、第1及び第2半導体領域FD1,FD2を外部に接続するための導体11が配置される。図4では、導体11の図示を省略している。
【0062】
半導体基板1Aの光入射面1BKの側には、反射防止膜1Dが設けられている。反射防止膜1Dの材料は、SiOやSiNである。
【0063】
配線基板10には、接着領域AD内のバンプ電極等を通して第1及び第2半導体領域FD1,FD2、第1及び第2ゲート電極TX1,TX2、及びフォトゲート電極PG等にそれぞれ電気的に接続される貫通電極(不図示)が設けられている。配線基板10の貫通電極は配線基板10の裏面に露出している。配線基板10を構成する絶縁基板における接着領域ADとの界面側の表面には、遮光層(不図示)が形成されており、距離画像センサ1を透過した光の配線基板10への入射を抑制している。この測距装置は、距離画像センサ1を配線基板10上にマウントすると、各配線を介して、上記信号をそれぞれの電極に与えることができ、装置が小型化されている。
【0064】
第1及び第2ゲート電極TX1,TX2に、ハイレベルの信号(正電位)を与えると、第1及び第2ゲート電極TX1,TX2の下のポテンシャルがフォトゲート電極PGの下のポテンシャルより高くなる。これにより、負の電荷(電子)は、第1及び第2ゲート電極TX1,TX2の方向に引き込まれ、第1及び第2半導体領域FD1,FD2によって形成されるポテンシャル井戸内に蓄積される。n型の半導体は、正にイオン化したドナーを含んでおり、正のポテンシャルを有し、電子を引き付ける。第1及び第2ゲート電極TX1,TX2に、ローレベルの信号(グランド電位)を与えると、第1及び第2ゲート電極TX1,TX2の下のポテンシャルがフォトゲート電極PGの下のポテンシャルより低くなり、障壁が形成される。したがって、半導体基板1Aで発生した電荷は、第1及び第2半導体領域FD1,FD2内には引き込まれない。
【0065】
距離画像センサ1では、投光用の光の入射に応答して半導体深部で発生した電荷を、光入射面1BKとは逆側の電荷発生位置近傍に設けられたポテンシャル井戸に引き込み、高速で正確な測距が可能としている。
【0066】
半導体基板1Aの光入射面(裏面)1BKから入射した対象物からのパルス光LDは、半導体基板1Aの表面側に設けられたフォトゲート電極PGの直下の領域まで至る。パルス光の入射に伴って半導体基板1A内で発生した電荷は、フォトゲート電極PGの直下の領域から、これに隣接する第1及び第2ゲート電極TX1,TX2の直下の領域に振り分けられる。すなわち、第1及び第2ゲート電極TX1,TX2に光源の駆動信号SPに同期した検出用ゲート信号S,Sを、配線基板10を介して、交互に与えると、フォトゲート電極PGの直下の領域で発生した電荷が、それぞれ第1及び第2ゲート電極TX1,TX2の直下の領域に流れ、これらから第1及び第2半導体領域FD1,FD2に流れ込む。
【0067】
第1半導体領域FD1又は第2半導体領域FD2内に蓄積された電荷量Q1,Q2の全体電荷量(Q1+Q2)に対する比率は、駆動信号SPを光源に与えることによって出射された出射パルス光と、対象物Hによって出射パルス光が反射されることによって戻ってきた検出パルス光の位相差に対応する。
【0068】
第1及び第2ゲート電極TX1,TX2への駆動信号(検出用ゲート信号S,S)の周波数を増加させることで、この電荷の振り分け速度を増加させても、近赤外光の入射に応じて発生した電荷の発生領域は、半導体基板1Aの光入射面1BKよりも、逆側の表面1FTに近いため、多くの電荷はフォトゲート電極PGの直下の領域から第1及び第2半導体領域FD1,FD2に流れ込み、これらの領域から、配線基板10の配線(不図示)を介して、蓄積電荷Q1,Q2を読み出すことができる。
【0069】
距離画像センサ1は、図示は省略するが、半導体基板1Aの電位を基準電位に固定するためのバックゲート半導体領域を備えている。バックゲート半導体領域は、高濃度不純物を含有するp型の半導体領域である。バックゲート半導体領域の代わりに、p型の拡散領域などのp型半導体層を有し、電気的に接続された貫通電極を設けることとしてもよい。
【0070】
図6は、信号電荷の蓄積動作を説明するための、半導体基板1Aの表面1FT近傍におけるポテンシャル分布を示す図である。図6では、下向きがポテンシャルの正方向である。図6において、(a)及び(b)は、図5の横方向の断面の横方向に沿ったポテンシャル分布を示す。
【0071】
光入射時において、フォトゲート電極PGの直下の領域のポテンシャルφPGは、基板電位よりも若干高く設定されている。各図には、第1ゲート電極TX1の直下の領域のポテンシャルφTX1、第2ゲート電極TX2の直下の領域のポテンシャルφTX2、第1半導体領域FD1のポテンシャルφFD1、及び、第2半導体領域FD2のポテンシャルφFD2が示されている。
【0072】
検出用ゲート信号Sの高電位が、第1ゲート電極TX1に入力されると、図6(a)に示されるように、フォトゲート電極PGの直下で発生した電荷は、ポテンシャル勾配にしたがって、第1ゲート電極TX1の直下の領域を介して、第1半導体領域FD1のポテンシャル井戸内に蓄積される。第1半導体領域FD1のポテンシャル井戸内には電荷量Q1が蓄積されることとなる。
【0073】
検出用ゲート信号Sに続いて、検出用ゲート信号Sの高電位が、第2ゲート電極TX2に入力されると、図6(b)に示されるように、フォトゲート電極PGの直下で発生した電荷は、ポテンシャル勾配にしたがって、第2ゲート電極TX2の直下の領域を介して、第2半導体領域FD2のポテンシャル井戸内に蓄積される。第2半導体領域FD2のポテンシャル井戸内には電荷量Q2が蓄積されることとなる。
【0074】
図7は、画素の構成を説明するための模式図である。
【0075】
第1ゲート電極TX1には、検出用ゲート信号Sが与えられる。第2ゲート電極TX2には、検出用ゲート信号Sが与えられる。すなわち、第1ゲート電極TX1と、第2ゲート電極TX2とには、異なる位相の電荷転送信号が与えられる。
【0076】
フォトゲート電極PGの直下の光感応領域において発生した電荷は、第1ゲート電極TX1にハイレベルの検出用ゲート信号Sが与えられている場合には、第1半導体領域FD1によって構成されるポテンシャル井戸に信号電荷として流れ込む。第1半導体領域FD1に蓄積された信号電荷は、蓄積された電荷量Qに対応した出力(Vout1)として第1半導体領域FD1から読み出される。フォトゲート電極PGの直下の光感応領域において発生した電荷は、第2ゲート電極TX2にハイレベルの検出用ゲート信号Sが与えられている場合には、第2半導体領域FD2によって構成されるポテンシャル井戸に信号電荷として流れ込む。第2半導体領域FD2に蓄積された信号電荷は、蓄積された電荷量Qに対応した出力(Vout2)として第2半導体領域FD2から読み出される。これらの出力(Vout1,Vout2)が、上述した信号d’(m,n)に相当する。
【0077】
以上のように、本実施形態では、第1及び第2ゲート電極TX1,TX2が、第1の領域R1内に入り込むように配置されている。また、第1及び第2ゲート電極TX1,TX2が、対応する半導体領域FD1,FD2の辺FD1a,FD2a、すなわち第2の領域R2の辺R2a(フォトゲート電極PGの辺PGa)に沿って伸びる部分TX1a,TX2aと、対応する半導体領域FD1,FD2の辺FD1b,FD2b、すなわち第2の領域R2の辺R2b(フォトゲート電極PGの辺PGb)に沿って伸びる部分TX1b,TX2bと、を有している。
【0078】
このため、図8に示された、第1及び第2ゲート電極101,102が第1の方向D1に沿って伸びるように第1の領域R1の外側に配置された画素構成を備える距離画像センサに比して、第1の方向D1における単位長さ当たりの光利用効率が高くなる。すなわち、フォトゲート電極PGの面積を同じとした場合、距離画像センサ1が、図8に示された距離画像センサよりも開口率が高い。したがって、距離画像センサ1では、フォトゲート電極PGの直下の領域(電荷発生領域)の面積を増加させ、高感度化を図ることができる。図8に示された距離画像センサでは、フォトゲート電極100は、第1の方向D1を長辺方向とする長方形状を呈している。
【0079】
第1及び第2ゲート電極TX1,TX2それぞれが、上述した二つの部分TX1a,TX2a,TX1b,TX2bを有することから、図8に示された距離画像センサに比して、その電極長さが長くなり、電極面積が大きくなる。このため、フォトゲート電極PGの直下の領域に発生した電荷が移動し易くなり、電荷の転送効率が向上する。このことからも、距離画像センサ1の高感度化を図ることができる。また、図8に示された距離画像センサにおける各ゲート電極101,102の長さを距離画像センサ1における各ゲート電極TX1,TX2と同じに設定する場合、各ゲート電極101,102の長さが第1の方向D1に長くなるため、図9に示されるように、デッドスペースDSが増加してしまう。
【0080】
第1及び第2半導体領域FD1,FD2に転送されて、蓄積された電荷(電荷量Q1,Q2)は、第1及び第2半導体領域FD1,FD2の静電容量(Cfd)により、下記関係式で示される電圧変化(ΔV)をそれぞれ発生させる。
ΔV=Q1/Cfd
ΔV=Q2/Cfd
第1及び第2半導体領域FD1,FD2は、その縁が2辺FD1a,FD2a,FD1b,FD2bを含んでいることから、各半導体領域FD1,FD2におけるゲート電極TX1,TX2に沿う部分の長さが長くなり、第1及び第2半導体領域FD1,FD2の面積を低減することが可能となる。第1及び第2半導体領域FD1,FD2の面積が低減されると、第1及び第2半導体領域FD1,FD2の静電容量(Cfd)も低減され、発生する電圧変化(ΔV)が大きくなる。すなわち、電荷電圧変換ゲインが高くなる。このことからも、距離画像センサ1の高感度化を図ることができる。
【0081】
本実施形態では、第1半導体領域FD1と第2半導体領域FD2とが、第1の方向D1に対して斜めに対向して配置されている。このため、フォトゲート電極PGの第1半導体領域FD1と第2半導体領域FD2との対向方向での幅を、フォトゲート電極100の第1の方向D1に直交する方向での幅と同じに設定することにより、図8に示された距離画像センサと同等の転送時間で、電荷を確実に転送することが可能となる。この場合、距離画像センサ1では、図8に示された距離画像センサに比して、各画素P(m,n)の第1の方向D1に直交する方向での幅を狭く設定することが可能となり、狭ピッチ化を実現することができる。
【0082】
本実施形態では、フォトゲート電極PGが、第1の方向D1に交差する2方向に交互に屈曲した形状を呈している。これにより、フォトゲート電極PGの直下の領域である電荷発生領域も第1の方向D1に交差する2方向に交互に屈曲した形状を呈することとなる。これにより、第1の領域R1に配置され且つその縁が第2の領域R2の縁に含まれる2辺R2a,R2bに沿って伸びる2辺を含んだ電荷発生領域を確実に且つ簡易に実現することができる。
【0083】
続いて、図10〜図14を参照して、距離画像センサ1の画素P(m,n)の構成に関する第1の変形例を説明する。図10は、第1の変形例に係る距離画像センサの画素の構成を説明するための模式図である。図11は、図10におけるXI−XI線に沿った断面構成を示す図である。
【0084】
第1の変形例に係る距離画像センサ1の画素P(m,n)は、図4及び図5に示された画素P(m,n)に対して、不要電荷収集領域と不要電荷収集ゲート電極とを備えている点で相違する。第1の変形例に係る距離画像センサ1は、各画素P(m,n)において、半導体基板1Aに設けられた、フォトゲート電極PGと、それぞれ複数の第1及び第2ゲート電極TX1,TX2と、それぞれ複数の第1及び第2半導体領域FD1,FD2と、複数の第3半導体領域FD3(不要電荷収集領域)と、複数の第3ゲート電極TX3(不要電荷収集ゲート電極)と、を備えている。
【0085】
第3半導体領域FD3は、第1及び第2半導体領域FD1,FD2が配置された第2の領域R2とは異なる第2の領域R2内に配置されている。具体的には、第3半導体領域FD3は、第1の領域R1の辺R1a側において、第1半導体領域FD1が配置された複数の第2の領域R2の間、もしくは第1半導体領域FD1が配置された第2の領域R2の隣、に位置する第2の領域R2に配置されている。また、第3半導体領域FD3は、第1の領域R1の辺R1b側において、第2半導体領域FD2が配置された複数の第2の領域R2の間、もしくは第1半導体領域FD1が配置された第2の領域R2の隣、に位置する第2の領域R2にも配置されている。第3半導体領域FD3は、第1及び第2半導体領域FD1,FD2とは、空間的に離間して配置されている。
【0086】
第3半導体領域FD3は、その縁が第2の領域R2の2辺R2a,R2bに沿ってそれぞれ伸びる2辺FD3a,FD3bを含んでいる。本変形例では、第3半導体領域FD3は、矩形形状を呈している。第3半導体領域FD3は、必ずしも、第1の領域R1に重複するように配置されている必要はない。第3半導体領域FD3は、第1及び第2半導体領域FD1,FD2と同じく、高不純物濃度のn型半導体からなるフローティング・ディフュージョン領域である。第3半導体領域FD3の厚さ/不純物濃度は以下の通りである。
・半導体領域FD3:厚さ0.1〜1μm/不純物濃度1×1018〜1020cm−3
【0087】
第3ゲート電極TX3は、第2の領域R2内におけるフォトゲート電極PGと第3半導体領域FD3との間に位置している。このため、第3ゲート電極TX3は、その一部が第1の領域R1内に入り込むように配置されることとなる。第3ゲート電極TX3は、第3半導体領域FD3の辺FD3a、すなわち第2の領域R2の辺R2a(フォトゲート電極PGの辺PGa)に沿って伸びる部分TX3aと、第3半導体領域FD3の辺FD3b、すなわち第2の領域R2の辺R2b(フォトゲート電極PGの辺PGb)に沿って伸びる部分TX3bと、を有している。第3ゲート電極TX3は、平面視でV字形状を呈している。
【0088】
第1〜第3ゲート電極TX1,TX2,TX3の電極長さ並びに電極面積は、同じに設定されている。第3ゲート電極TX3は、第1及び第2ゲート電極TX1,TX2と同じく、ポリシリコンからなるが、他の材料を用いてもよい。
【0089】
絶縁層1Eには、第3半導体領域FD3の表面を露出させるためのコンタクトホールが設けられている。コンタクトホール内には、第3半導体領域FD3を外部に接続するための導体11が配置される。図10では、導体11の図示を省略している。
【0090】
第3半導体領域FD3は、半導体基板1Aにおけるフォトゲート電極PGの直下の領域で発生した不要電荷を収集する。フォトゲート電極PGの直下の領域で発生した電荷のうち一部の電荷が、不要電荷として、フォトゲート電極PG及び第3ゲート電極TX3に印加される電圧により形成されるポテンシャル勾配にしたがって、第3ゲート電極TX3の方向に走行する。
【0091】
第3ゲート電極TX3に、ハイレベルの信号(正電位)を与えると、第3ゲート電極TX3によるゲートの下のポテンシャルが半導体基板1Aにおけるフォトゲート電極PGの下の部分のポテンシャルより高くなる。これにより、負の電荷(電子)は、第3ゲート電極TX3の方向に引き込まれ、第3半導体領域FD3によって形成されるポテンシャル井戸内に蓄積される。第3ゲート電極TX3に、ローレベルの信号(上記正電位よりも低い電位、例えばグランド電位)を与えると、第3ゲート電極TX3によるゲートの下のポテンシャルが半導体基板1Aにおけるフォトゲート電極PGの下の部分のポテンシャルより高くなり、障壁が形成される。したがって、半導体基板1Aで発生した電荷は、第3半導体領域FD3内には引き込まれない。
【0092】
図12は、信号電荷の蓄積動作を説明するための、半導体基板1Aの表面1FT近傍におけるポテンシャル分布を示す図である。図13は、不要電荷の排出動作を説明するための、半導体基板1Aの表面1FT近傍におけるポテンシャル分布を示す図である。図12及び図13では、下向きがポテンシャルの正方向である。図12において、(a)及び(b)は、図5の横方向の断面の横方向に沿ったポテンシャル分布を示し、(c)は、図11の横方向の断面の横方向に沿ったポテンシャル分布を示す。図13において、(a)は、図5の横方向の断面の横方向に沿ったポテンシャル分布を示し、(b)は、図11の横方向の断面の横方向に沿ったポテンシャル分布を示す。
【0093】
図12及び図13には、第1ゲート電極TX1の直下の領域のポテンシャルφTX1、第2ゲート電極TX2の直下の領域のポテンシャルφTX2、第3ゲート電極TX3の直下の領域のポテンシャルφTX3、フォトゲート電極PGの直下の領域のポテンシャルφPG、第1半導体領域FD1のポテンシャルφFD1、第2半導体領域FD2のポテンシャルφFD2、第3半導体領域FD3のポテンシャルφOFDが示されている。
【0094】
フォトゲート電極PGの直下の領域のポテンシャルφPGは、無バイアス時における隣接する第1〜第3ゲート電極TX1〜TX3の直下の領域のポテンシャル(φTX1,φTX2,φTX3)を基準電位とすると、この基準電位よりも高く設定されている。フォトゲート電極PGの直下の領域のポテンシャルφPGはポテンシャルφTX1,φTX2,φTX3よりも高くなり、この領域のポテンシャル分布は図面の下向きに窪んだ形状となる。
【0095】
図12を参照して、信号電荷の蓄積動作を説明する。
【0096】
第1ゲート電極TX1に印加される電荷転送信号の位相が0度のとき、第1ゲート電極TX1には正の電位が与えられ、第2ゲート電極TX2には、逆相の電位、すなわち位相が180度の電位(グランド電位)が与えられる。この場合、図12(a)に示されるように、フォトゲート電極PGの直下で発生した電荷は、第1ゲート電極TX1の直下の半導体のポテンシャルφTX1が下がることにより、第1半導体領域FD1のポテンシャル井戸内に流れ込む。
【0097】
一方、第2ゲート電極TX2の直下の半導体のポテンシャルφTX2は下がらず、第2半導体領域FD2のポテンシャル井戸内には、電荷は流れ込まない。これにより、信号電荷が第1半導体領域FD1のポテンシャル井戸に収集されて、蓄積される。第1及び第2半導体領域FD1,FD2では、n型の不純物が添加されているため、正方向にポテンシャルが窪んでいる。
【0098】
第2ゲート電極TX2に印加される電荷転送信号の位相が0度のとき、第2ゲート電極TX2には正の電位が与えられ、第1ゲート電極TX1には、逆相の電位、すなわち位相が180度の電位(グランド電位)が与えられる。この場合、図12(b)に示されるように、フォトゲート電極PGの直下で発生した電荷は、第2ゲート電極TX2の直下の半導体のポテンシャルφTX2が下がることにより、第2半導体領域FD2のポテンシャル井戸内に流れ込む。一方、第1ゲート電極TX1の直下の領域のポテンシャルφTX1は下がらず、第1半導体領域FD1のポテンシャル井戸内には、電荷は流れ込まない。これにより、信号電荷が第2半導体領域FD2のポテンシャル井戸に収集されて、蓄積される。
【0099】
第1及び第2ゲート電極TX1,TX2に位相が180度ずれた電荷転送信号が印加されている間、第3ゲート電極TX3にはグランド電位が与えられている。このため、図12(c)に示されるように、第3ゲート電極TX3の直下の半導体のポテンシャルφTX3は下がらず、第3半導体領域FD3のポテンシャル井戸内には、電荷は流れ込まない。
【0100】
以上により、信号電荷が第1及び第2半導体領域FD1,FD2のポテンシャル井戸に収集されて、蓄積される。第1及び第2半導体領域FD1,FD2のポテンシャル井戸に蓄積された信号電荷は、外部に読み出される。
【0101】
図13を参照して、不要電荷の排出動作を説明する。
【0102】
第1及び第2ゲート電極TX1,TX2には、グランド電位が与えられている。このため、図13(a)に示されるように、第1及び第2ゲート電極TX1,TX2直下の領域のポテンシャルφTX1,φTX2は下がらず、第1及び第2半導体領域FD1,FD2のポテンシャル井戸内には、電荷は流れ込まない。一方、第3ゲート電極TX3には正の電位が与えられる。この場合、図13(b)に示されるように、フォトゲート電極PGの直下で発生した電荷は、第3ゲート電極TX3の直下の半導体のポテンシャルφTX3が下がることにより、第3半導体領域FD3のポテンシャル井戸内に流れ込む。以上により、不要電荷が第3半導体領域FD3のポテンシャル井戸に収集される。第3半導体領域FD3のポテンシャル井戸に収集された不要電荷も、外部に排出される。
【0103】
図14は、実際の各種信号のタイミングチャートである。
【0104】
1フレームの期間Tは、信号電荷を蓄積する期間(蓄積期間)Taccと、信号電荷を読み出す期間(読み出し期間)Troと、からなる。1つの画素に着目すると、蓄積期間Taccにおいて、パルス駆動信号S複数のパルスに同期した駆動信号が光源に印加され、これに同期して、検出用ゲート信号S,Sが互いに逆位相で第1及び第2ゲート電極TX1,TX2に印加される。なお、距離測定に先立って、リセット信号resetが第1及び第2半導体領域FD1,FD2に印加され、内部に蓄積された電荷が外部に排出される。本例では、リセット信号resetが一瞬ONし、続いてOFFした後、複数の駆動振動パルスが逐次印加され、更に、これに同期して電荷転送が逐次的に行われ、第1及び第2半導体領域FD1,FD2内に信号電荷が積算して蓄積される。
【0105】
その後、読み出し期間Troにおいて、第1及び第2半導体領域FD1,FD2内に蓄積された信号電荷が読み出される。このとき、第3ゲート電極TX3に印加される電荷転送信号SがONして、第3ゲート電極TX3に正の電位が与えられ、不要電荷が第3半導体領域FD3のポテンシャル井戸に収集される。
【0106】
図15は、各種信号の変形例を示すタイミングチャートである。
【0107】
図15に示された変形例では、駆動信号Sに関し、上述の実施形態に比して、デューティ比(単位周期に対するONの割合)が小さく設定されている。これにより、光源のON時の駆動パワーが増加し、S/N比がより一層向上する。本変形例では、駆動信号Sの一つのパルス毎に、第1〜第3ゲート電極TX1〜TX3の一つのパルスをそれぞれ発生させている。これにより、光源の駆動パワーを増加させた場合でも、不要電荷を排出して、距離検出精度を向上することができる。
【0108】
第1の変形例においては、不要電荷が第1及び第2半導体領域FD1,FD2に蓄積されるのが抑制される。このため、距離画像センサ1での距離検出精度を向上することができる。もちろん、第1の変形例においても、上述したように、距離画像センサ1の高感度化を図ることができる。
【0109】
第1の変形例では、第3半導体領域FD3は、その縁が第2の領域R2の2辺R2a,R2bに沿ってそれぞれ伸びる2辺FD3a,FD3bを含んでいる。第3ゲート電極TX3は、第2の領域R2内におけるフォトゲート電極PGと第3半導体領域FD3との間に位置し、第2の領域R2の辺R2aに沿って伸びる部分TX3aと、第2の領域R2の辺R2bに沿って伸びる部分TX3bと、を有している。これにより、不要電荷の排出を効率よく行なうことができる。
【0110】
続いて、図16〜図18を参照して、距離画像センサ1の画素P(m,n)の構成に関する第2の変形例を説明する。図16は、第2の変形例に係る距離画像センサの画素の構成を説明するための模式図である。図17は、図16におけるXVII−XVII線に沿った断面構成を示す図である。図18は、図16におけるXVIII−XVIII線に沿った断面構成を示す図である。
【0111】
第2の変形例に係る距離画像センサ1の画素P(m,n)は、第1の変形例に対して、第1〜第3半導体領域FD1,FD2,FD3及び第1〜第3ゲート電極TX1,TX2,TX3の位置の点で相違する。第2の変形例に係る距離画像センサ1も、各画素P(m,n)において、半導体基板1Aに設けられた、フォトゲート電極PGと、それぞれ複数の第1及び第2ゲート電極TX1,TX2と、それぞれ複数の第1及び第2半導体領域FD1,FD2と、複数の第3半導体領域FD3と、複数の第3ゲート電極TX3と、を備えている。
【0112】
第1及び第2半導体領域FD1,FD2は、第1の領域R1の辺R1b側に設けられた第2の領域R2に配置されている。第1及び第2半導体領域FD1,FD2は、第1の方向D1に沿って、空間的に離間し且つ交互に配置されている。第3半導体領域FD3は、第1の領域R1の辺R1a側に設けられた第2の領域R2に配置されている。
【0113】
第1〜第3半導体領域FD1,FD2,FD3は、p型のウェル領域Wと重複し且つ第1の領域R1側とは反対側の部分がウェル領域Wに囲まれるようにそれぞれ形成されている。第1〜第3半導体領域FD1,FD2,FD3の周辺は、基板、第1及び第2ゲート電極TX1,TX2直下の不純物濃度よりも、さらに高濃度のウェル領域Wで囲まれているので、各半導体領域FD1,FD2,FD3からの空乏層の広がりを抑えるとともに、リーク電流の低減を図り、更に、クロストークや迷光による不要電荷の捕獲を低減することができる。ウェル領域Wは、フォトゲート電極PGへの電圧の印加によって広がった空乏層と、第1〜第3半導体領域FD1,FD2,FD3から広がる空乏層との結合を抑制している。
【0114】
ウェル領域の厚さ/不純物濃度は以下の通りである。
・ウェル領域W:厚さ0.5〜5μm/不純物濃度1×1016〜1018cm−3
【0115】
第2の変形例においても、上述したように、距離画像センサ1の高感度化を図ることができると共に、距離画像センサ1での距離検出精度を向上することができる。
【0116】
第1〜第3半導体領域FD1,FD2,FD3とウェル領域Wとを形成する際に、それぞれの領域を形成するためのマスクが第1の領域R1の2辺R1a,R1bの対向方向(第1の方向D1に直交する方向)で位置ずれしている場合、第1及び第2半導体領域FD1,FD2とウェル領域Wとの重複領域の上記対向方向での幅にばらつきが生じてしまう。例えば、第1及び第2半導体領域FD1,FD2とウェル領域Wとが重複している領域の上記対向方向での幅が広がると、ポテンシャルのバリア(障壁)が形成され、電荷の流れに支障が生じる。
【0117】
第1及び第2半導体領域FD1,FD2が、第1の領域R1の辺R1b側に設けられた第2の領域R2にそれぞれ配置されているので、第1半導体領域FD1とウェル領域Wとの重複領域の上記対向方向での幅が狭くなると、第2半導体領域FD2とウェル領域Wとの重複領域の上記対向方向での幅も狭くなる。逆に、第1半導体領域FD1とウェル領域Wとの重複領域の上記対向方向での幅が広くなると、第2半導体領域FD2とウェル領域Wとの重複領域の対向方向での幅も広くなる。したがって、第1半導体領域FD1に向かうポテンシャルの傾斜と第2半導体領域FD2に向かうポテンシャルの傾斜とが同じとなり、第1及び第2半導体領域FD1,FD2への電荷の転送に支障が生じることはない。すなわち、第1及び第2半導体領域FD1,FD2とウェル領域Wとを形成する際にマスクの位置ずれが生じた場合でも、フォトゲート電極PGの直下の領域に発生した電荷を、第1半導体領域FD1と第2半導体領域FD2とに適切に振り分けることができる。この結果、第1半導体領域FD1に蓄積された電荷量Q1と、第2半導体領域FD2に蓄積された電荷量Q2と、がマスクの位置ずれに起因してアンバランスとなるのを抑制することができる。したがって、第2の変形例に係る距離画像センサ1によれば、距離の検出精度が低下するのを抑制することができる。
【0118】
続いて、図19〜図21を参照して、距離画像センサ1の画素P(m,n)の構成に関する第3の変形例を説明する。図19は、第3の変形例に係る距離画像センサの画素の構成を説明するための模式図である。図20は、図19におけるXX−XX線に沿った断面構成を示す図である。図21は、図19におけるXXI−XXI線に沿った断面構成を示す図である。
【0119】
第3の変形例に係る距離画像センサ1の画素P(m,n)は、第1及び第2の変形例に対して、第1〜第3半導体領域FD1,FD2,FD3及び第1〜第3ゲート電極TX1,TX2,TX3の位置の点で相違する。第3の変形例に係る距離画像センサ1も、各画素P(m,n)において、半導体基板1Aに設けられた、フォトゲート電極PGと、それぞれ複数の第1及び第2ゲート電極TX1,TX2と、それぞれ複数の第1及び第2半導体領域FD1,FD2と、複数の第3半導体領域FD3と、複数の第3ゲート電極TX3と、を備えている。
【0120】
第1及び第2半導体領域FD1,FD2は、第1の領域R1の辺R1a側に設けられた第2の領域R2と第1の領域R1の辺R1b側に設けられた第2の領域R2とに配置されている。第1及び第2半導体領域FD1,FD2は、辺R1a側及び辺R1b側それぞれにおいて、第1の方向D1に沿って、空間的に離間し且つ交互に配置されている。
【0121】
第3半導体領域FD3も、第1の領域R1の辺R1a側に設けられた第2の領域R2と第1の領域R1の辺R1b側に設けられた第2の領域R2とにそれぞれ配置されている。具体的には、第3半導体領域FD3は、第1の方向D1に見て、辺R1a側又は辺R1b側において第1の方向D1に隣り合う第1及び第2半導体領域FD1,FD2が配置された二つの第2の領域R2の間に位置すると共に、当該二つの第2の領域R2それぞれに第1の方向D1に交差する方向で対向する第2の領域R2に配置されている。図19において、第1〜第3半導体領域FD1,FD2,FD3は、上から第1半導体領域FD1、第2半導体領域FD2、第3半導体領域FD3の順に配置されており、辺R1a側では、第1〜第3半導体領域FD1,FD2,FD3は、第3半導体領域FD3、第1半導体領域FD1、第2半導体領域FD2、第3半導体領域FD3の順に配置されている。また、辺R1b側では、第1〜第3半導体領域FD1,FD2,FD3は、第1半導体領域FD1、第2半導体領域FD2、第3半導体領域FD3、第1半導体領域FD1の順に配置されている。
【0122】
第1〜第3半導体領域FD1,FD2,FD3は、p型のウェル領域Wと重複し且つ第1の領域R1側とは反対側の部分がウェル領域Wに囲まれるようにそれぞれ形成されている。したがって、各半導体領域FD1,FD2,FD3からの空乏層の広がりを抑えるとともに、リーク電流の低減を図り、更に、クロストークや迷光による不要電荷の捕獲を低減することができる。ウェル領域Wは、フォトゲート電極PGへの電圧の印加によって広がった空乏層と、第1〜第3半導体領域FD1,FD2,FD3から広がる空乏層との結合を抑制している。
【0123】
第3の変形例においても、上述したように、距離画像センサ1の高感度化を図ることができると共に、距離画像センサ1での距離検出精度を向上することができる。
【0124】
第3の変形例では、第1及び第2半導体領域FD1,FD2が、第1の領域R1の辺R1a側及び辺R1b側それぞれに設けられた異なる第2の領域R2に配置されている。このため、第1及び第2半導体領域FD1,FD2とウェル領域Wとを形成する際にマスクの位置ずれが生じた場合でも、上述したように、フォトゲート電極PGの直下の領域に発生した電荷を、第1半導体領域FD1と第2半導体領域FD2とに適切に振り分けることができる。この結果、第3の変形例に係る距離画像センサ1においても、距離の検出精度が低下するのを抑制することができる。
【0125】
続いて、図22を参照して、距離画像センサ1の画素P(m,n)の構成に関する第4の変形例を説明する。図22は、第4の変形例に係る距離画像センサの画素の構成を説明するための模式図である。
【0126】
第4の変形例に係る距離画像センサ1の画素P(m,n)は、図4及び図5に示された画素P(m,n)に対して、第2の領域R2、第1及び第2半導体領域FD1,FD2、並びに第1及び第2ゲート電極TX1,TX2の形状の点で相違する。第4の変形例に係る距離画像センサ1も、各画素P(m,n)において、半導体基板1Aに設けられた、フォトゲート電極PGと、それぞれ複数の第1及び第2ゲート電極TX1,TX2と、それぞれ複数の第1及び第2半導体領域FD1,FD2と、を備えている。
【0127】
第2の領域R2は、2辺R2a,R2bをそれぞれ斜辺とする台形形状を呈している。第2の領域R2は、2辺R2a,R2bを含む三角形形状や多角形形状を呈していてもよい。第1半導体領域FD1は、2辺FD1a,FD1bをそれぞれ斜辺とする台形形状を呈している。第2半導体領域FD2も、2辺FD2a,FD2bをそれぞれ斜辺とする台形形状を呈している。第1及び第2半導体領域FD1,FD2も、2辺FD1a,FD2a,FD1b,FD2bを含む三角形形状や多角形形状を呈していてもよい。第1ゲート電極TX1は、二つの部分TX1a,TX1bと、二つの部分TX1a,TX1bを連結する部分TX1cと、を有している。第2ゲート電極TX2も、二つの部分TX2a,TX2bと、二つの部分TX2a,TX2bを連結する部分TX2cと、を有している。
【0128】
第4の変形例においても、上述したように、距離画像センサ1の高感度化を図ることができる。
【0129】
続いて、図23を参照して、距離画像センサ1の画素P(m,n)の構成に関する第5の変形例を説明する。図23は、第5の変形例に係る距離画像センサの画素の構成を説明するための模式図である。
【0130】
第5の変形例に係る距離画像センサ1の画素P(m,n)は、図4及び図5に示された画素P(m,n)に対して、第2の領域R2、第1及び第2半導体領域FD1,FD2、並びに第1及び第2ゲート電極TX1,TX2の形状の点で相違する。第5の変形例に係る距離画像センサ1も、各画素P(m,n)において、半導体基板1Aに設けられた、フォトゲート電極PGと、それぞれ複数の第1及び第2ゲート電極TX1,TX2と、それぞれ複数の第1及び第2半導体領域FD1,FD2と、を備えている。
【0131】
第2の領域R2は、2辺R2a,R2bを含む三角形形状を呈している。第1半導体領域FD1は、辺FD1aを含む三角形形状を呈している。第2半導体領域FD2も、辺FD2bを含む三角形形状を呈している。第1半導体領域FD1と第2半導体領域FD2とは、一つの第2の領域R2内に配置されている。
【0132】
第1ゲート電極TX1は、一つの部分TX1aを有している。すなわち、第1ゲート電極TX1は、第2の領域R2内におけるフォトゲート電極PGと第1半導体領域FD1との間に位置すると共に、フォトゲート電極PGの一つの辺PGaに沿って伸びている。第2ゲート電極TX2も、一つの部分TX2bを有している。すなわち、第2ゲート電極TX2は、第2の領域R2内におけるフォトゲート電極PGと第2半導体領域FD2との間に位置すると共に、フォトゲート電極PGの一つの辺PGbに沿って伸びている。
【0133】
第5の変形例においても、上述したように、距離画像センサ1の高感度化を図ることができる。
【0134】
続いて、図24を参照して、距離画像センサ1の画素P(m,n)の構成に関する第6の変形例を説明する。図24は、第6の変形例に係る距離画像センサの画素の構成を説明するための模式図である。
【0135】
第6の変形例に係る距離画像センサ1の画素P(m,n)は、図4及び図5に示された画素P(m,n)に対して、第2の領域R2、第1及び第2半導体領域FD1,FD2、並びに第1及び第2ゲート電極TX1,TX2の形状の点で相違する。第6の変形例に係る距離画像センサ1も、各画素P(m,n)において、半導体基板1Aに設けられた、フォトゲート電極PGと、それぞれ複数の第1及び第2ゲート電極TX1,TX2と、それぞれ複数の第1及び第2半導体領域FD1,FD2と、を備えている。
【0136】
第2の領域R2は、第1の領域R1と重複する部分の縁が円弧R2cを含んでいる。フォトゲート電極PGは、その縁が第2の領域R2の縁に円弧R2cに沿って円弧PGcを含んでいる。すなわち、フォトゲート電極PGは、その縁が円弧PGcを含むように形成されることで、異なる方向に交互に湾曲した形状を呈することとなる。
【0137】
第1半導体領域FD1は、その縁が第2の領域R2の円弧R2cに沿って伸びる円弧FD1cを含んでいる。第2半導体領域FD2も、第1半導体領域FD1と同様に、その縁が第2の領域R2の円弧R2cに沿って伸びる円弧FD2cを含んでいる。本実施形態では、第1及び第2半導体領域FD1,FD2は、円形形状を呈している。
【0138】
第1ゲート電極TX1は、第1半導体領域FD1の円弧FD1c、すなわち第2の領域R2の円弧R2c(フォトゲート電極PGの円弧PGc)に沿って伸びる部分TX1cを有している。第2ゲート電極TX2は、第2半導体領域FD2の円弧FD2c、すなわち第2の領域R2の円弧R2c(フォトゲート電極PGの円弧PGc)に沿って伸びる部分TX2cを有している。第1及び第2ゲート電極TX1,TX2は、平面視で略C字形状を呈している。
【0139】
第6の変形例においても、上述したように、距離画像センサ1の高感度化を図ることができる。
【0140】
第6の変形例では、フォトゲート電極PGが、異なる方向に交互に湾曲した形状を呈している。これにより、フォトゲート電極PGの直下の領域である電荷発生領域も異なる方向に交互に湾曲した形状を呈することとなる。これにより、第1の領域R1に配置され且つその縁が第2の領域R2の縁に含まれる円弧R2cに沿って伸びる円弧を含んだ電荷発生領域を確実に且つ簡易に実現することができる。
【0141】
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0142】
入射光に応じて電荷が発生する電荷発生領域をフォトダイオード(例えば、埋め込み型のフォトダイオード等)により構成してもよい。第2の領域R2の第1の方向D1での数は、上述した実施形態及び各変形例に示された数に限られない。距離画像センサ1は、表面照射型の距離画像センサであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0143】
本発明は、工場の製造ラインにおける製品モニタや車両等に搭載される距離センサ及び距離画像センサに利用できる。
【符号の説明】
【0144】
1…距離画像センサ、1A…半導体基板、D1…第1の方向、FD1…第1半導体領域、FD1a,FD1b…辺、FD1c…円弧、FD2…第2半導体領域、FD2a,FD2b…辺、FD2c…円弧、FD3…第3半導体領域、FD3a,FD3b…辺、PG…フォトゲート電極、PGa,PGb…辺、PGc…円弧、R1…第1の領域、R1a,R1b…辺、R2…第2の領域、R2a,R2b…辺、R2c…円弧、TX1…第1ゲート電極、TX1a,TX1b,TX1c…部分、TX2…第2ゲート電極、TX2a,TX2b,TX1c…部分、TX3 第3ゲート電極、TX3a,TX3b…部分、W…ウェル領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射光に応じて電荷が発生する電荷発生領域と、
空間的に離間して配置され、前記電荷発生領域からの信号電荷を収集する複数の信号電荷収集領域と、
前記信号電荷収集領域のそれぞれに設けられ、異なる位相の電荷転送信号が与えられる転送電極と、を備えており、
前記電荷発生領域は、矩形形状を呈し且つ第1の方向に伸びる第1の領域内に配置され、
前記信号電荷収集領域は、前記第1の領域の前記第1の方向に伸びる辺側に設けられ且つ前記第1の方向での位置が互いにずれている複数の第2の領域内に配置され、
前記第2の領域は、前記第1の領域と重複する部分を有し且つ前記第1の領域と重複する前記部分の縁が前記第1の方向と交差する方向に伸びる2辺、又は、円弧を含み、
前記信号電荷収集領域は、その縁が前記第2の領域の前記縁に含まれる前記辺に沿って伸びる辺、又は、前記第2の領域の前記縁に含まれる前記円弧に沿って伸びる円弧を含み、
前記転送電極は、前記第2の領域内における前記電荷発生領域と前記信号電荷収集領域との間に位置すると共に、前記信号電荷収集領域の前記縁に含まれる前記辺又は前記円弧に沿って伸びる部分を有し、
前記電荷発生領域は、その縁が前記第2の領域の前記縁に含まれる前記2辺に沿って伸びる2辺、又は、前記第2の領域の前記縁に含まれる前記円弧に沿って伸びる円弧を含んでいることを特徴とする距離センサ。
【請求項2】
前記複数の信号電荷収集領域が、第1及び第2の信号電荷収集領域を含み、
前記第1の信号電荷収集領域と前記第2の信号電荷収集領域とが、それぞれ異なる前記第2の領域に配置され、
前記第1及び第2の信号電荷収集領域の前記縁が、前記第2の領域の前記縁に含まれる前記2辺に沿って伸びる2辺を含んでおり、
前記転送電極は、各前記信号電荷収集領域の前記縁に含まれる前記2辺に沿って伸びる部分を有していることを特徴とする請求項1に記載の距離センサ。
【請求項3】
前記第1の信号電荷収集領域が、前記第1の領域の前記第1の方向に伸びる第1の辺側に設けられた前記第2の領域に配置され、
前記第2の信号電荷収集領域が、前記第1の領域の前記第1の方向に伸びる前記第2の辺側に設けられた前記第2の領域に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の距離センサ。
【請求項4】
空間的に離間して配置され、前記電荷発生領域からの不要電荷を収集する複数の不要電荷収集領域と、
前記電荷発生領域から前記不要電荷収集領域への不要電荷の流れの遮断及び開放を選択的に行う不要電荷収集ゲート電極と、を更に備えており、
前記不要電荷収集領域は、前記第1の信号電荷収集領域が配置された前記複数の第2の領域の間に位置する前記第2の領域に配置されると共に、前記第2の信号電荷収集領域が配置された前記複数の第2の領域の間に位置する前記第2の領域に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の距離センサ。
【請求項5】
前記第1及び第2の信号電荷収集領域が、前記第1の領域の前記第1の方向に伸びる第1の辺側に設けられた前記第2の領域にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項2に記載の距離センサ。
【請求項6】
空間的に離間して配置され、前記電荷発生領域からの不要電荷を収集する複数の不要電荷収集領域と、
前記電荷発生領域から前記不要電荷収集領域への不要電荷の流れの遮断及び開放を選択的に行う不要電荷収集ゲート電極と、を更に備えており、
前記不要電荷収集領域は、前記第1の領域の前記第1の方向に伸びる第2の辺側に設けられた前記第2の領域にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項5に記載の距離センサ。
【請求項7】
前記第1及び第2の信号電荷収集領域が、前記第1の領域の前記第1の方向に伸びる第2の辺側に設けられた前記第2の領域にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項5に記載の距離センサ。
【請求項8】
空間的に離間して配置され、前記電荷発生領域からの不要電荷を収集する複数の不要電荷収集領域と、
前記電荷発生領域から前記不要電荷収集領域への不要電荷の流れの遮断及び開放を選択的に行う不要電荷収集ゲート電極と、を更に備えており、
前記不要電荷収集領域は、前記第1の領域の前記第1及び第2の辺側に設けられた前記第2の領域にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項7に記載の距離センサ。
【請求項9】
前記不要電荷収集領域の縁が、前記第2の領域の前記縁に含まれる前記2辺に沿って伸びる2辺を含み、
前記不要電荷収集ゲート電極が、前記第2の領域内における前記電荷発生領域と前記不要電荷収集領域との間に位置すると共に、前記不要電荷収集領域の前記縁に含まれる前記2辺に沿って伸びていることを特徴とする請求項4、6、又は8に記載の距離センサ。
【請求項10】
前記複数の信号電荷収集領域が、第1及び第2の信号電荷収集領域を含み、
前記第1の信号電荷収集領域と前記第2の信号電荷収集領域とが、一つの前記第2の領域に配置され、
前記第1の信号電荷収集領域の前記縁が、前記第2の領域の前記縁に含まれる前記2辺のうちの一方の辺に沿って伸びる辺を含み、
前記第2の信号電荷収集領域の前記縁が、前記第2の領域の前記縁に含まれる前記2辺のうちの他方の辺に沿って伸びる辺を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の距離センサ。
【請求項11】
前記電荷発生領域が、前記第1の方向に交差する2方向に交互に屈曲した形状を呈していることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の距離センサ。
【請求項12】
前記電荷発生領域が、異なる方向に交互に湾曲した形状を呈していることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の距離センサ。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の距離センサと、
光源と、
前記光源にパルス駆動信号を与える駆動回路と、
前記転送電極に、前記パルス駆動信号に同期し且つ互いに異なる位相の電荷転送信号をそれぞれ与える制御回路と、
前記信号電荷収集領域から読み出された信号から、対象物までの距離を演算する演算回路と、を備えていることを特徴とする距離画像センサ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate


【公開番号】特開2012−83213(P2012−83213A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−229776(P2010−229776)
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【出願人】(000236436)浜松ホトニクス株式会社 (1,479)
【Fターム(参考)】