説明

車両におけるパーキングブレーキレバーの配置構造及び操作レバーの配置構造

【課題】パーキングブレーキレバーのロック状態の認識をし易くでき、かつ、パーキングブレーキレバーのハンドルバーにおける収まりも良くすることのできるパーキングブレーキレバーの配置構造を提供する。
【解決手段】パーキングブレーキレバー28を、パーキングブレーキキャリパをロック解除状態とするロック解除位置でレフトハンドルバー20の後方に隣接するハンドル後方アーム部66と、パーキングブレーキキャリパをロック解除状態とするロック解除位置でレフトハンドルバー20の上方に隣接するハンドル上方アーム部67とで構成し、パーキングブレーキレバー28の回動軸44を、ハンドル後方アーム部66においてレフトハンドルバー20の軸方向と略平行に設け、パーキングブレーキレバー28を上方向に引き上げることでパーキングブレーキキャリパをロック状態に操作可能にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗り型車両等の車両におけるパーキングブレーキレバーの配置構造及び操作レバーの配置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動二輪車のハンドルバーの左側にブラケットを固着し、クラッチレバー及びパーキングブレーキレバーを前記ブラケットにそれぞれの軸を平行にさせた状態で軸支した構造が開示されている。
【0003】
特許文献1のような構造では、パーキングブレーキレバーの操作時に右手でハンドルバーを把持しつつ、左手でパーキングブレーキレバーをクラッチレバー側に回転させればパーキングブレーキレバーがロックされるため、パーキングブレーキレバーの操作が行い易い。さらには、車両発進時にパーキングブレーキがロック状態のままであっても、クラッチレバーの操作の際にパーキングブレーキレバーがクラッチレバーの回動を規制する位置にくるため、パーキングブレーキレバーのロック状態の認識もし易い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−1511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記の特許文献1に係る構造では、ハンドルバーにクラッチレバーが配置され、車両発進時のクラッチ操作の際に運転者の手がパーキングブレーキレバーに触れるため、パーキングレバーのロック状態の認識をし易いのであるが、ハンドルバーにクラッチレバーの無い車両の場合には、クラッチ操作のような運転者の車両発進前の操作に伴ってパーキングブレーキレバーのロック状態を運転者に気付かせることは期待できない。そのため、ハンドルバーにクラッチレバーの無い車両においてハンドルバーにパーキングブレーキレバーを配置する場合は、パーキングブレーキレバーのロック状態をより認識し易くさせる構造が望まれる。
【0006】
また、特許文献1に係る構造では、パーキングブレーキレバーをロック解除状態とした場合に、パーキングブレーキレバーがハンドルバーの前方においてハンドルバーに沿った状態で延出するように位置するが、このような配置であると、パーキングブレーキレバーが外観上目立ち、ハンドルバーにおいて収まり良く配置されているとは言い難い。
【0007】
このようなパーキングブレーキレバーについての操作状態の分かり易さや配置に係る問題は、パーキングブレーキレバーに限らず、各種操作レバーに一般に言えるものである。
【0008】
本発明は係る実情に鑑みてなされたものであり、操作性に優れ、クラッチレバーの無い車両のハンドルバーの周辺にパーキングブレーキレバーを配置する際にもパーキングブレーキレバーのロック状態の認識をし易くでき、かつ、パーキングブレーキレバーのハンドルバーにおける収まりも良くすることのできる、車両におけるパーキングブレーキレバーの配置構造の提供を目的とする。また、本発明は、車両のハンドルバーへ、パーキングレバーに限られない操作レバーを収まり良く配置でき、操作状態で分かり易くすることのできる操作レバーの配置構造の提供も目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題の解決手段として、請求項1に記載の発明は、車両(例えば実施の形態における自動二輪車1)の前輪(例えば実施の形態における前輪3)を操舵するためのハンドルバー(例えば実施の形態におけるレフトハンドルバー20またはライトハンドルバー19)と、車両の車輪(例えば実施の形態における後輪4)をロック状態またはロック解除状態とする制動装置(例えば実施の形態におけるパーキングブレーキキャリパ14)と、前記制動装置に一端を連結されるケーブル(例えば実施の形態におけるパーキングブレーキケーブル16)と、前記ケーブルの他端が接続されるとともに前記制動装置をロック状態またはロック解除状態に操作可能なパーキングブレーキレバー(例えば実施の形態におけるパーキングブレーキレバー28)と、前記ハンドルバーに取り付けられるとともに前記パーキングブレーキレバーを回動自在に軸支するホルダー部材(例えば実施の形態におけるホルダー部材27)と、を備える車両におけるパーキングブレーキレバーの配置構造において、前記パーキングブレーキレバーは、前記制動装置をロック解除状態とするロック解除位置で前記ハンドルバーの前方または後方に隣接するハンドル縦アーム部(例えば実施の形態におけるハンドル後方アーム部66)と、前記制動装置をロック解除状態とするロック解除位置で前記ハンドルバーの上方に隣接するハンドル上方アーム部(例えば実施の形態におけるハンドル上方アーム部67)とを有し、前記パーキングブレーキレバーの回動軸(例えば実施の形態における回動軸44)は、前記ハンドル縦アーム部において前記ハンドルバーの軸方向と略平行に設けられ、前記パーキングブレーキレバーは、上方向に引き上げられることで前記制動装置をロック状態に操作可能にされることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記ハンドル上方アーム部に、前記ロック解除位置で、前記ハンドルバーの前方または後方において前記ハンドルバーの上端よりも下方へ垂れ下がる垂れ下がり部(例えば実施の形態における前下がり部91)が設けられることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、前記ホルダー部材は、前記ハンドルバーを割締めする二つの半体(例えば実施の形態におけるホルダー本体33と割締め半体34)を含み、前記ハンドル上方アーム部は、前記ロック解除位置で、前記ホルダー部材の割締め部分を上方から覆うように幅方向に延出して形成されることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、前記ハンドル上方アーム部の下面に、前記ロック解除位置で、前記ホルダー部材の割締め部分の上部と当接する弾性部材(例えば実施の形態におけるラバー体96)が設けられることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、前記ハンドル縦アーム部の下部に、前記ハンドルバー側へ向けて後方または前方に延出する延出部(例えば実施の形態における前方延出部68)が設けられ、前記パーキングブレーキレバーの回動軸が前記延出部に設けられることを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、前記車両に、前記制動装置のロック状態を表示するインジケータ(例えば実施の形態におけるインジケータ26A)と、前記インジケータを表示または非表示にするインジケーションスイッチ(例えば実施の形態におけるインジケーションスイッチ80)とが備えられ、該インジケーションスイッチは、前記ホルダー部材において前記パーキングブレーキレバーの回動軸と隣接して配置されており、前記ハンドル縦アーム部の前記延出部に、前記パーキングブレーキレバーの回動軸から前記ハンドルバー側へ向けて後方または前方にさらに延出する延出アーム部(例えば実施の形態における前方延出アーム部75)が設けられ、前記延出アーム部に、前記ケーブルの他端が接続されるとともに、前記延出アーム部の先端が、前記パーキングブレーキレバーの回動により、前記インジケーションスイッチから当接または離反するように配置されることを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、前記ハンドルバーに車両の灯火器を操作するためのスイッチボックス(例えば実施の形態におけるスイッチボックス25)が取り付けられ、前記パーキングブレーキレバーは、前記スイッチボックスに隣接して配置されることを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載の発明は、前記パーキングブレーキレバーは、前記ハンドル上方アーム部を前記ハンドル縦アーム部の上部に回動可能に組み立てることで構成され、前記ハンドル上方アーム部と前記ハンドル縦アーム部は、前記パーキングブレーキレバーの引き上げ方向に付勢される付勢バネ部材(例えば実施の形態におけるスプリング95)を介して組み立てられることを特徴とする。
【0017】
請求項9に記載の発明は、前記ハンドル縦アーム部に、前記ハンドル上方アーム部と一定の間隔を持つとともに前記ハンドル上方アーム部に沿って延出される付勢バネ部材座部(例えば実施の形態におけるスプリング座部84)が設けられ、前記ハンドル上方アーム部に、前記付勢バネ部材座部に向き合うように形成されるとともに前記付勢バネ部材が収容される付勢バネ部材収容凹部(例えば実施の形態におけるスプリング収容環状凹部93)が設けられ、前記ハンドル上方アーム部と前記ハンドル縦アーム部は、ピン部材(例えば実施の形態における連結シャフト87)で互いに連結されることで回動可能とされ、前記ハンドル上方アーム部には、前記ピン部材を挟んで前記付勢バネ部材と反対側に、前記ハンドル縦アーム部の上部に沿い、この上部と当接して前記ハンドル上方アーム部の回動を規制するストッパ部(例えば実施の形態における収容部89)が設けられることを特徴とする。
【0018】
請求項10に記載の発明は、前記パーキングブレーキレバーは、前記ハンドル上方アーム部が車両の前方に沿って真直ぐ前方に向くように軸支されることを特徴とする。
【0019】
請求項11に記載の発明は、車両(例えば実施の形態における自動二輪車1)の前輪(例えば実施の形態における前輪3)を操舵するためのハンドルバー(例えば実施の形態におけるレフトハンドルバー20またはライトハンドルバー19)と、操作状態または非操作状態とで位置の異なる可動部品(例えば実施の形態におけるパーキングブレーキキャリパ14)と、前記可動部品に一端を連結されるケーブル(例えば実施の形態におけるパーキングブレーキケーブル16)と、前記ケーブルの他端が接続されるとともに前記可動部品を操作状態または非操作状態に操作可能な操作レバー(例えば実施の形態におけるパーキングブレーキレバー28)と、前記ハンドルバーに取り付けられるとともに前記操作レバーを回動自在に軸支するホルダー部材(例えば実施の形態におけるホルダー部材27)と、を備える車両における操作レバーの配置構造において、前記操作レバーは、前記可動部品を非操作状態とする非操作位置で前記ハンドルバーの前方または後方に隣接するハンドル縦アーム部(例えば実施の形態におけるハンドル後方アーム部66)と、前記可動部品を非操作状態とする非操作位置で前記ハンドルバーの上方に隣接するハンドル上方アーム部(例えば実施の形態におけるハンドル上方アーム部67)とを有し、前記操作レバーの回動軸(例えば実施の形態における回動軸44)は、前記ハンドル縦アーム部において前記ハンドルバーの軸方向と略平行に設けられ、前記操作レバーは、上方向に引き上げられることで前記可動部品を操作状態に操作可能にされることを特徴とする。
【0020】
請求項12に記載の発明は、ハンドルバー(例えば実施の形態におけるレフトハンドルバー20またはライトハンドルバー19)の軸方向から見て略L字状の操作レバーの配置構造において、前記操作レバーの一方のアーム部に把持部(例えば実施の形態におけるハンドル上方アーム部67)を設けるとともに、他方のアーム部(例えば実施の形態におけるハンドル後方アーム部66)の先端に前記ハンドルバーに回動自在に軸支される軸支部を設け、前記把持部と前記軸支部との間に前記ハンドルバーを配置するように前記操作レバーを取り付けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に記載の発明によれば、パーキングブレーキレバーを上方向に回動させることで、制動装置をロック状態にできるためパーキングブレーキレバーの操作性を良好にでき、かつ、制動装置をロック解除状態とするパーキングブレーキレバーのロック解除位置で、パーキングブレーキレバーがハンドルバーにまとわるように配置されるため、パーキングブレーキレバーの車両における収まりも良くすることができる。
さらに、制動装置のロック状態では、パーキングブレーキレバーが収まりよく配置されるロック解除位置と比較して、パーキングブレーキレバーが上に突出する位置にくるため、ロック状態をより分かり易くすることができる。
【0022】
請求項2に記載の発明によれば、パーキングブレーキレバーの長さを確保して操作し易くすることができ、パーキングブレーキレバーがロック解除位置でハンドルバーに、よりまとわりつくように設けられるため、パーキングブレーキレバーの車両における収まりを一層良くできる。
【0023】
請求項3に記載の発明によれば、パーキングブレーキレバーの幅をホルダー部材の上方で広くすることで操作性を高められ、パーキングブレーキレバーとホルダー部材とを上下方向に重ねて配置させることで、両部品を幅方向にコンパクトに配置することが可能となる。
さらに、ホルダー部材の割締め部分をパーキングブレーキレバーで覆うことで、パーキングブレーキレバーのロック解除位置時の外観性と収まり感を高めることも可能となる。
【0024】
請求項4に記載の発明によれば、パーキングブレーキレバーのロック解除位置でのストッパを、ホルダー部材と当接してなすことができ、かつ弾性部材を介することでパーキングブレーキレバーやホルダー部材を保護することができる。
【0025】
請求項5に記載の発明によれば、パーキングブレーキレバーの回動軸をハンドルバーよりも下方に設けることで、サイズが大きくなりがちなパーキングブレーキレバーの回動軸を極力目立たなくさせることできる。
また、ハンドルバーの後方に燃料タンクが設けられる車両において、パーキングブレーキレバーのハンドル縦アーム部をハンドルバーの後方に配置した場合には、回動軸がハンドルバー側の前方に配置されるため、ハンドルバーを転舵した際の燃料タンクとホルダー部材との干渉を回避し易くすることができる。
【0026】
請求項6に記載の発明によれば、パーキングブレーキレバーのケーブルを接続するためのハンドル縦アーム部の下部から延出する延出アーム部の形状をカムとして利用し、インジケーションスイッチをオンまたはオフにすることが可能であり、インジケーションスイッチを可及的コンパクトに配置することが可能となる。
【0027】
請求項7に記載の発明によれば、スイッチボックスに隣接してパーキングブレーキレバーを配置することで、よりパーキングブレーキレバーの収まり感を高めることが可能となる。
【0028】
請求項8に記載の発明によれば、引き上げ式のパーキングブレーキレバーに誤って上から物や運転者の手等が載る場合にも、ハンドル上方アーム部が下に回動して、付勢バネ部材により荷重を受けることができるため、ハンドル縦アーム部の上部からレバー回動軸側に大きな荷重がかかることを回避できる。
【0029】
請求項9に記載の発明によれば、簡易かつコンパクトな構成で、付勢バネ部材を外観されにくく設けることが可能となる。
【0030】
請求項10に記載の発明によれば、パーキングブレーキレバーが車両前後方向に沿うため、より操作し易くなる。
【0031】
請求項11,12に記載の発明によれば、パーキングブレーキレバーに限らず各種操作レバーについても、ハンドルバーに収まり良く、かつ、操作状態の位置でわかり易い操作レバーにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施形態に係る自動二輪車の左側側面図である。
【図2】図1の矢印Aから見た矢視図である。
【図3】ハンドルバーの部分拡大図である。
【図4】ハンドルバーの部分拡大図である。
【図5】自動二輪車の前側側部を拡大して示した図である。
【図6】パーキングブレーキレバー装置を車体内側からハンドルバーの軸方向に見た側面図である。
【図7】パーキングブレーキレバー装置の縦断面図である。
【図8】パーキングブレーキレバー装置の組付け説明用分解斜視図である。
【図9】パーキングブレーキレバー装置の組付け説明用分解斜視図である。
【図10】パーキングブレーキレバー装置のホルダー部材を示した図である。
【図11】図3に係る断面図であり、(a)はa−a線、(b)はb−b線に沿う断面図である。
【図12】図3のc−c線に沿う断面図である。
【図13】パーキングブレーキレバー装置の第一ラチェット部材をパーキングブレーキレバー側から見た図である。
【図14】パーキングブレーキレバー装置の第二ラチェット部材を第一ラチェット部材側から見た図である。
【図15】パーキングブレーキレバー装置のパーキングブレーキレバーを構成するハンドル後方アーム部を示した図である。
【図16】パーキングブレーキレバー装置のパーキングブレーキレバーを構成するハンドル上方アーム部を示した図である。
【図17】パーキングブレーキレバー装置をロック状態とするための操作を説明するための図である。
【図18】パーキングブレーキレバー装置をロック解除状態とするための操作を説明するための図である。
【図19】本実施形態の変形例を示した図であり、パーキングブレーキレバー装置を車体内側からハンドルバーの軸方向に見た側面図である。
【図20】本実施形態の変形例を示した図であり、パーキングブレーキレバー装置が取り付けられたハンドルバーの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。先ず、図1〜図4を用いてパーキングブレーキレバー装置が搭載された車両の一例である自動二輪車1の概略構成を説明する。なお、以下の説明で用いる図面においては、車両の前方を示す矢印Fr、車両の上方を示す矢印UP、車両の左方を示す矢印LHを適所に示し、自動二輪車1の説明にあたり適宜これらの方向を用いるものとする。
【0034】
自動二輪車1は、図示しない車体フレームの前後方向略中央にDCT(dual clutch transmission)を内蔵するエンジン2を搭載し、エンジン2の前方に前輪3を配置するとともに、エンジン2の後方に後輪4を配置している。
【0035】
前輪3は車両の操舵系を構成する左右一対のフロントフォーク5,5に回動可能に支持され、フロントフォーク5,5の上部には前輪3を操舵可能とする前輪操舵装置6が設けられている。
【0036】
前輪操舵装置6の前方は車体の側部前方側から車体の前部を覆うフロントカウル7に覆われ、このフロントカウル7にはヘッドライト、サイドミラー、各種計器類の表示パネル等が一体に設けられている。また、前輪操舵装置6の後方には燃料タンク8が設けられ、この燃料タンク8の後方には乗員が着座するシート9が設けられている。
【0037】
一方、後輪4はエンジン2の後方から延出したスイングアーム10の後部に回動可能に支持され、後輪4の軸部11の周囲には後輪4と一体に回転するブレーキディスク12が設けられている。ブレーキディスク12は両側面を挟み込まれることで後輪4の回動を規制するもので、スイングアーム10の後端部にはブレーキディスク12を挟み込み可能なリヤブレーキキャリパ13及びパーキングブレーキキャリパ14が設けられている。
【0038】
走行用ブレーキとしてのリヤブレーキキャリパ13には図示しないブレーキホースの一端が接続され、このブレーキホースの他端はリヤブレーキペダル(フットブレーキ)を備えたリヤマスタシリンダに接続されている。一方、パーキングブレーキキャリパ14にはパーキングブレーキケーブル16の一端が接続され、パーキングブレーキケーブル16の他端は前輪操舵装置6まで延出されて前輪操舵装置6に取り付けられたパーキングブレーキレバー装置15に接続されている。
【0039】
図2に拡大して示すように、本実施形態で前輪操舵装置6は、車両の幅方向に延びるトップブリッジ18の両側端部から左右のフロントフォーク5,5の上端部を貫通させて、右のフロントフォークの上端部にライトハンドルバー19を固定するとともに、左のフロントフォークの上端部にレフトハンドルバー20を固定することで構成されている。
なお、図2において符号26はフロントカウル7に一体に取り付けられたスピードメータを含むとともに、各種インジケータを表示可能なコンビネーションパネルを示し、符号26Aはパーキングブレーキレバー装置15の操作に応じて点灯するインジケータを示している。
【0040】
ライトハンドルバー19は右側のフロントフォーク5の上端部に一端を固定されて車両右側に延出し、レフトハンドルバー20は左側のフロントフォーク5の上端部に固定されて車両左側に延出している。
【0041】
ライトハンドルバー19の先端部には、ライトハンドルバー19に沿って車両右側に延出するアクセルグリップ21を取り付けられるとともに、ライトハンドルバー19の先端部からアクセルグリップ21の前方に延びるフロントブレーキレバー22が揺動可能に支持されている。また、ライトハンドルバー19においてアクセルグリップ21の幅方向内側には、フロントブレーキのブレーキオイル用のリザーバータンク23が設けられている。
【0042】
一方、レフトハンドルバー20の先端部には、図3〜図5にも示されるようにレフトハンドルバー20に沿って車両左側に延出するグリップ24が装着されるとともに、レフトハンドルバー20においてグリップ24の幅方向内側には、シフトアップスイッチ、シフトダウンスイッチ、ハザードスイッチ、ヘッドライト等の灯火器の切り替えスイッチ、ホーン等の各種操作スイッチを有するスイッチボックス25が設けられている。ここで、自動二輪車1はDCT内蔵のエンジン2を採用しているため自動変速がなされ、変速にクラッチ操作の必要がなくレフトハンドルバー20にクラッチレバーは設けられていない。
【0043】
そして、レフトハンドルバー20においてスイッチボックス25と幅方向内側で隣接する位置にパーキングブレーキレバー装置15が取り付けられている。
【0044】
パーキングブレーキレバー装置15は、図6,図7に示すようにレフトハンドルバー20に固定されるホルダー部材27と、ホルダー部材27に回動可能に支持されるパーキングブレーキレバー28とを有し、図8,図9に示すようにホルダー部材27とパーキングブレーキレバー28との間にパーキングブレーキレバー28の回動に対するラチェット機構をなす第一ラチェット部材30、第二ラチェット部材31、解除ボタン32等を介在させて構成されている。
なお、以下の説明ではパーキングブレーキレバー装置15がレフトハンドルバー20に取り付けられた状態を想定して、パーキングブレーキレバー装置15の構成を説明するにあたり適宜車両の方向を用いて行うものとする。
【0045】
先ず、ホルダー部材27はアルミ合金製であり、図6〜図9に示すように、パーキングブレーキレバー28を回動可能に支持するホルダー本体33と、ホルダー本体33をレフトハンドルバー20に固定する割締め半体34(図6,図7参照)と、ホルダー本体33の側部に取り付けられるホルダーカバー35とで構成されている。
【0046】
ホルダー本体33及びホルダーカバー35は、図6,図7に示すようにレフトハンドルバー20の下方において前後方向に延びる側面視で横長形状に形成され、ホルダー本体33の後方上部には、図10(a)に示すように、この後方上部から上方へ突出し、レフトハンドルバー20の周面に沿った弧状の割締め部36が形成されている。
【0047】
割締め部36の内周面はレフトハンドルバー20と当接する当接面36Bが設定され、割締め部36の上部は、レフトハンドルバー20の上方において前方に向き、その端面に上部締結孔37を形成されるとともに、割締め部36の上部の直下に位置するホルダー本体33の後方上部には下部締結孔38が形成されている。
【0048】
上部締結孔37及び下部締結孔38には割締め半体34が固定されるようになっており、割締め半体34は、図10(a)に示すように、レフトハンドルバー20の前方において上下方向に延びる側面視で縦長形状に形成されるとともに、その上下方向略中央にはレフトハンドルバー20と当接する当接面34Bが設定されている。さらに、割締め半体34の上部及び下部には、上記上部締結孔37及び下部締結孔38と重ね合わされる上部貫通孔41及び下部貫通孔42が形成されている。
【0049】
そして、図11(a)に参照されるように、上部貫通孔41及び下部貫通孔42にボルト39,40が挿通され、これらボルト39,40が上部締結孔37及び下部締結孔38に螺合されることで、割締め半体34がレフトハンドルバー20を挟んでホルダー本体33に固定される。そして、これにより、ホルダー本体33がレフトハンドルバー20に固定されるようになっている。
【0050】
なお、割締め半体34は、図10(b)に示すように側方に張り出す張り出し部34Aが一体に形成され、この張り出し部34Aの上下方向の高さは、割締め半体34の上部貫通孔41の形成位置よりも低く設定されており、図12に示す図3のc−c線から見た断面図(図11(a)のa−a線よりも幅方向内側の断面)に参照されるようにレフトハンドルバー20の軸方向に沿って延びて、その内部は中空状に形成されている。なお、図10(b)は、図10(a)に示されたホルダー本体33を前方(FR)から見た図である。
【0051】
また、図11(a)に示すように、割締め部36の内周面の上下方向略中央には、レフトハンドルバー20側へ突出する円筒状の小突起片43が形成され、この小突起片43は、レフトハンドルバー20に形成された係合孔20Aに係合されている。これら小突起片43及び係合孔20Aは、レフトハンドルバー20に対するホルダー本体33の軸方向および周方向の位置決めを容易に行い得るようにするためのものである。また、図7や図10(a)に示すように、ホルダー本体33の下部締結孔38の上方には、パーキングブレーキレバー28側へ突出するストッパリブ33Eが形成されている。このストッパリブ33Eはパーキングブレーキレバー28の回動を規制するものであるが、これについての詳細は後述する。
【0052】
次に、ホルダー本体33において、割締め部36の下方には、図8,図9,図10に示すように、ホルダー本体33の側面から突出しパーキングブレーキレバー28側へと延びる、換言すれば、レフトハンドルバー20の軸方向に沿って延びる、鉄製の中空円筒状の回動軸44が鋳込みによって設けられている。
【0053】
回動軸44はパーキングブレーキレバー28を支持するためのものであって、回動軸44の基端(根元)側には、図8に示すように回動軸44の軸方向に沿って延びる長孔46が形成されるとともに、回動軸44の先端側の周面には、回動軸44の周方向に沿って溝73が形成されている。長孔46には図8,図9に参照される第一ラチェット部材30及び解除ボタン32を結合するための連結シャフト47が挿通されるようになっており、溝73には図7に参照されるパーキングブレーキレバー28の位置決め及び抜けを防止するC型クリップ74が係合されるようになっている。ここで、図8,図9において、L2は連結シャフト47の組みつけ方向を示す組みつけ線を示しており、また、図8,図9においては図示都合上、C型クリップ74の記載を省略している。また、ホルダー本体33前面下部には、図10(b)に示すように長孔46を露出させる窓部33Cが形成されており、この窓部33Cから組みつけ線L2に沿って連結シャフト47が長孔46に挿通されるようになっている。そして、この窓部33Cには、組みつけ後に、図11(a)に示すようにキャップ33Dが取り付けられるようになっている。
【0054】
回動軸44の周囲のホルダー本体33には、図10(a)に示すようにホルダー本体33のパーキングブレーキレバー28を支持する側の側面からホルダー本体33の外側面へとへこむ第一ラチェット収容凹部45が形成されている。ラチェット収容凹部45は後述する第一ラチェット部材30を収容するものである。ラチェット収容凹部45には、該ラチェット収容凹部45の底部から突出する凸部45Bが形成され、凸部45Bは回動軸44の周面から第一ラチェット収容凹部45の縁部をつなぐように延びており、回動軸44の周方向において一定間隔ごとに複数形成(具体的には四つ)形成されている。このような凸部45Bを形成することで、パーキングブレーキレバー28を軸支するホルダー本体33の強度及び剛性の確保が図られている。
【0055】
さらに、第一ラチェット収容凹部45の上部及び下部は回動軸44の径方向外側に向けてそれぞれ上方および下方に延出するように形成されており、第一ラチェット収容凹部45の上部及び下部には、第一ラチェット収容凹部45と連なって拡がる略コの字型の外周凹部45Aが形成されている。
【0056】
また、ホルダー本体33における回動軸44前方には、図10(a)に示すようにホルダー本体33の側面を貫通するスイッチ取り付け孔81が形成され、スイッチ取り付け孔81には図7に示すようにインジケーションスイッチ80がねじ止めされている。このインジケーションスイッチ80は、回動軸44側に突出するボタン80A(図7参照)を有し、このボタン80Aは進退可能に構成され、インジケーションスイッチ80ではボタン80Aが押圧されたか否かを検出可能に構成されている。そして、回動軸44とインジケーションスイッチ80との間のホルダー本体33の側面には、パーキングブレーキレバー28側へ突出する円筒状の可動片支持部82が形成され、可動片支持部82にはインジケーションスイッチ80の後方において上下方向に延び、その下部でボタン80Aと当接するとともに、可動片支持部82を中心に揺動可能とされる板バネ状の可動片83(図7参照)が支持されている。
【0057】
また、ホルダー本体33における回動軸44の下方には、図7,図10(a)に示すように、パーキングブレーキケーブル16のインナーケーブル16Aをホルダー本体33内に引き入れる開口33Aが形成されるとともに、インナーケーブル16Aのケーブルアウタ16Bをホルダー本体33に固定するケーブル固定部33Bが形成されている。
【0058】
そして、上記のようなホルダー部材27におけるホルダー本体33の回動軸44には、先ず、図8,図9,図13に参照される第一ラチェット部材30が挿通されるようになっている。なお、図8,図9において、L1は第一ラチェット部材の組みつけ方向を示す組みつけ線を示しており、この組みつけ線は、後述する第二ラチェット部材31及び解除ボタン32の組みつけ方向も示すものである。
【0059】
第一ラチェット部材30は耐クリープ性の高いポリアセタール(POM)製で、図13に示すように円板状に形成され、その中心には組みつけ線L1に沿って回動軸44が挿通される貫通孔48が形成されている。また、第一ラチェット部材30には、図8,図9にも示すように回動軸44の軸方向と直交する方向に延びて、第一ラチェット部材30を貫通する連結用貫通孔49が形成されている。連結用貫通孔49に連結シャフト47が挿通されることで、第一ラチェット部材30は、図11(b)に示すように回動軸44に連結されており、上述したように連結シャフト47は、図8に参照されるホルダー本体33に形成された窓部33Cから組みつけ線L2に沿って長孔46に挿通される。そして連結シャフト47によって回動軸44に連結された第一ラチェット部材30は、長孔46の長手方向の範囲内で回動軸44の軸方向における移動を許容された状態になる。なお、詳しくは、連結シャフト47は第一ラチェット部材30とともに解除ボタン32を回動軸44に連結させ、第一ラチェット部材30と解除ボタン32とを一体に移動させことを許容するが、この詳細は後述する。
【0060】
そして、図8,図9に参照されるように第一ラチェット部材30の外形はホルダー本体33に形成された第一ラチェット収容凹部45の形状と略同一形状となっており、回動軸44に挿通された第一ラチェット部材30は、第一ラチェット収容凹部45に嵌め込まれるようにして収容されるようになっている。ここで、第一ラチェット部材30において、ホルダー本体33側側面の貫通孔48周囲には、図9に示すようにホルダー本体33の反対側にへこむ凹部50Bが形成されており、この凹部50Bによりホルダー本体33側に形成された凸部45Bを逃げている。凹部50Bは貫通孔48の周囲に形成されており、貫通孔48の周方向において一定間隔ごとに複数形成(具体的には四つ)形成され、その形成間隔は凸部45Bと同様とされている。
【0061】
そして、凹部50Bの貫通孔48の周方向における幅は、凸部45Bの回動軸44の周方向における幅よりもやや幅広に設定され、凹部50Bと凸部45Bとは隙間をもった状態で係合されているため、第一ラチェット部材30の長孔46の長手方向の範囲内における回動軸44の軸方向に沿った移動はスムースに行われる。
【0062】
また、第一ラチェット部材30の上部及び下部には、図9に示すように貫通孔48の径方向外側に向けて延出した径方向突出部50A,50Aが形成されている。径方向突出部50A,50Aはホルダー本体33に形成された外周凹部45Aに係合されており、第一ラチェット部材30は回動軸44の周方向における回動を規制されるようになっている。
【0063】
また、径方向突出部50A,50Aには、図8,図9に示される付勢部材としてのスプリング51,52を係合するためのスプリング係合凹部53,54(図9参照)が形成され、スプリング係合凹部53,54にはスプリング51,52が係合されている。これらスプリング51,52は第一ラチェット部材30とホルダー本体33との間に縮設されており、第一ラチェット部材30は、パーキングブレーキレバー28側へ常時付勢されるようになっている。なお、図10(a)に示すように第一ラチェット部材30において外周凹部45Aには、上記スプリング51,52の座面となるスプリング受け凹部55,56が形成されている。また、図13に示すように第一ラチェット部材30の上部及び下部に形成された径方向突出部50A,50Aは、裏面を間違って組付けないように、一方の形状が他方と異なるように形成されている。
【0064】
そして、第一ラチェット部材30のパーキングブレーキレバー28側の側面における貫通孔48の周囲には、図8,図13に示すように、パーキングブレーキレバー28側へ突出する第一ラチェット歯部61が形成されている。
【0065】
第一ラチェット歯部61は、回動軸44の軸方向から見て扇状に形成され、その軸方向側端面は平坦に形成されている。また、第一ラチェット歯部61は、貫通孔48の径方向外側の同心円上において一定の間隔を隔てて(具体的には90度ごとに)四つ形成され、隣接する第一ラチェット歯部61の間には、図13に示すような谷部62が形成されている。なお、谷部62の回動軸44に対する周幅は40°である。
【0066】
そして、次に、ホルダー本体33において回動軸44には、上記のような第一ラチェット部材30に隣接して、図8,図9に参照されるように、第二ラチェット部材31を一体に取り付けたパーキングブレーキレバー28が挿通される。
【0067】
先ず、パーキングブレーキレバー28は、図6に示すように、ホルダー本体33に一端を回動可能に支持され、レフトハンドルバー20の後方において上下方向に向けて延出するハンドル後方アーム部66と、ハンドル後方アーム部66の上部に一端を取り付けられ、レフトハンドルバー20の上方において前方へ向けて延出するハンドル上方アーム部67とで構成されている。すなわち、パーキングブレーキレバー28はレフトハンドルバー20にまとわるように配置されている。
【0068】
ハンドル後方アーム部66は、図7,図15に示すように、レフトハンドルバー20の後方で上下に延びるアーム本体部66Aを有し、アーム本体部66Aの上部側にはホルダー本体33側へ延びてホルダー本体33の割締め部36を前方から覆う前方カバー部66B(図15(a))が形成され、アーム本体部66Aの下部側にはレフトハンドルバー20の下方において前方に向けて延びる前方延出部68が形成されている。前方カバー部66Bの割締め部36側の面には、図15(b)に示すように、突状のストッパ凸部72が設けられている。このストッパ凸部72はホルダー本体33の割締め部36の外面に当接するものである。
【0069】
前方延出部68には回動軸44を挿通させる回動軸挿通孔69が形成され、この前方延出部68の第一ラチェット部材30側において回動軸挿通孔69の周囲には、図9,図15(a)に示すように、前方延出部68の側面からへこむ第二ラチェット収容凹部70が形成されている。
【0070】
第二ラチェット収容凹部70の底面には、回動軸挿通孔69の縁部から図9に示すようにホルダー本体33側に突出する環状の軸受け突出部69Aが形成されており、軸受け突出部69Aによりパーキングブレーキレバー28の回動軸44への支持剛性が高められている。そして、この軸受け突出部69Aの周囲には、第二ラチェット収容凹部70の底部から突出するレバー側歯部70Bが形成されている。レバー側歯部70Bは軸受け突出部69Aの周面から第二ラチェット収容凹部70の縁部をつなぐように延びており、回動軸44の周方向において一定間隔ごとに複数(具体的には四つ)形成されている。レバー側歯部70Bの先端は軸受け突出部60Aの先端面と面一に連なっており、隣接するレバー側歯部70Bの間にはレバー側谷部70Cが形成されている。また、上方側に位置するレバー側歯部70Bの一方には側面からくぼむ位置決め凹部70Aが形成されている。
【0071】
そして、ハンドル後方アーム部66は、第二ラチェット収容凹部70に第二ラチェット部材31を収容することで、第二ラチェット部材31を一体に取り付けている。
【0072】
第二ラチェット部材31は耐クリープ性の高いポリアセタール(POM)製で、図14に示すように円板状に形成され、その中心には回動軸44を挿通するための貫通孔63が形成されている。そして、第二ラチェット部材31における貫通孔63の周囲のパーキングブレーキレバー28側の側面には図8に参照されるように、パーキングブレーキレバー28側へ突出するレバー係合歯部64が形成されている。
【0073】
レバー係合歯部64は、図8に参照されるように回動軸44の軸方向から見て扇状に形成され、貫通孔63の径方向外側の同心円上において一定の間隔を隔てて(具体的には90度ごとに)四つ形成されている。そして、レバー係合歯部64の貫通孔63の周方向における幅は、レバー側谷部70Cの回動軸挿通孔69の周方向における幅と略同一に設定されるとともに、レバー係合歯部64の径方向内側はハンドル後方アーム部66に形成された軸受け突出部69Aを避けるように除かれている。このようなレバー係合歯部64をレバー側谷部70Cに収容することで、ハンドル後方アーム部66は第二ラチェット部材31を一体に取り付けており、第二ラチェット部材31のパーキングブレーキレバー28側の側面において上方側には、図8に示すように隣接するレバー係合歯部64の間に位置決め凹部70Aに係合される小突起片65が形成されている。
【0074】
そして、第二ラチェット部材31の第一ラチェット部材30側の側面において貫通孔63の周囲には、図9,図14に示すように、第一ラチェット部材30側へ突出する第二ラチェット歯部71が形成されている。
【0075】
第二ラチェット歯部71は、回動軸44の軸方向から見た場合に扇状に形成され、その軸方側端面は平坦に形成されており、貫通孔63の径方向外側の同心円上において一定の間隔を隔てて(具体的には90度ごとに)四つ形成されている。さらに、第二ラチェット歯部71の貫通孔63の周方向における幅(周幅)は、上記第一ラチェット歯部61との間に形成される谷部62の貫通孔48の周方向における幅(周幅)よりも幅狭に設定されている。具体的には、図14に示す第二ラチェット歯部71の両端部が貫通孔63の中心となす角度βが30°であり、図13に示す谷部62の両端部が貫通孔48の中心となす角度αが40°であって、約10度小さくなっている。
【0076】
そして、上記のような第二ラチェット部材31を一体に取り付けたハンドル後方アーム部66は、第二ラチェット部材31の第二ラチェット歯部71の先端の平面部を、第一ラチェット部材30の第一ラチェット歯部61の先端の平面部に押し当て、スプリング51,52によって付勢された第一ラチェット部材30をホルダー本体33側に後退させるようにして挿通されている。
【0077】
そして、このようにハンドル後方アーム部66が第一ラチェット部材30をホルダー本体33側に後退させる位置を保持するために、回動軸44に形成された溝73には上記C型クリップ74(図7参照)が係合されている。
【0078】
ここで、ハンドル後方アーム部66がストッパ凸部72をレフトハンドルバー20に当接させた状態、すなわち、ハンドル後方アーム部66が図6に示すように起立した状態では、第二ラチェット歯部71の先端の平面部が第一ラチェット歯部61の先端の平面部上を摺動可能になるようになっている。また、図7において二点鎖線で示したパーキングブレーキレバー28はパーキングブレーキレバー28が後上方に回動された回動状態Loを示すが、この回動状態Loとなるようにハンドル後方アーム部66を回動し、第二ラチェット部材31の第二ラチェット歯部71の先端の平面部が第一ラチェット部材30の第一ラチェット歯部61の先端の平面部から離間して、第一ラチェット部材30の谷部62に対向した際には、第一ラチェット部材30がスプリング51,52の付勢力により第二ラチェット部材31側へ突出して、第二ラチェット歯部71が谷部62に係合するようになっている。
【0079】
また、先では第二ラチェット歯部71の周方向における幅を、第一ラチェット部材30に形成された谷部62の周方向における幅よりも小さく設定することを説明したが、これは、第二ラチェット歯部71と谷部62との係合を、第一ラチェット部材30、第二ラチェット部材31のそれぞれの歯部側面の擦れ合いをできるだけなくすことで、隙間を持たせてスムースに行わせるためである。したがって、第二ラチェット歯部71と谷部62とのスムースな係合が可能となるのであれば、本実施の形態で設定した角度である10度に限らず適宜角度を変更しても構わないが、第二ラチェット歯部71の周方向における幅を、第一ラチェット部材30に形成された谷部62の周方向における幅よりも5度以上小さくするのが好ましい。
【0080】
そして、回動軸44に挿通されたハンドル後方アーム部66において前方延出部68の前部には、図7,図15(a)に示すように回動軸挿通孔69から前方に向けて延出する前方延出アーム部75が形成されている。
【0081】
前方延出アーム部75には、パーキングブレーキケーブル16との連結のためのケーブル連結孔76が形成され、ケーブル連結孔76には、ホルダー本体33の開口33Aから進入するパーキングブレーキケーブル16のインナーケーブル16Aが結合されている。したがって、図7に示す回動状態Loとなるように回動軸44に軸支されたハンドル後方アーム部66を後方に向けて回動した場合には、インナーケーブル16Aが引っ張られてパーキングブレーキキャリパ14がブレーキディスク12を挟み込み、この状態で第二ラチェット歯部71が谷部62に係合してパーキングブレーキレバー装置15のロック状態が保持されるようになっている。すなわち、回動状態Loではパーキングブレーキレバー装置15がロック状態となる。
【0082】
また、前方延出アーム部75は、前方に向けて比較的先細りに形成されており、図7に示すように、その先端には上記インジケーションスイッチ80のボタン80Aと当接可能なスイッチ当接部77が設定されている。そして、スイッチ当接部77は、ハンドル後方アーム部66が上記のようにレフトハンドルバー20の後方において起立した状態では、ホルダー本体33に設けられた可動片83を介してボタン80Aと接触し、また、ハンドル後方アーム部66が後方に向けて回動された状態では、可動片83から離間して、ボタン80Aと当接しない状態となるように配置されている。したがって、インジケーションスイッチ80は、パーキングブレーキレバー装置15が回動されたか否かを検出可能に構成され、インジケーションスイッチ80の検出結果を基に、パーキングブレーキレバー装置15がロック状態またはロック解除状態であるか否かがコンビネーションパネル26のインジケータ26Aに表示されるようになっている。さらに、前方延出アーム部75の前方側上部には、図7に示すように、ホルダー本体33に形成されたストッパリブ33Eと当接する当接面75Aが設定されており、この当接面75Aがストッパリブ33Eに当接することでパーキングブレーキレバー28の回動量が規制されるようになっている。
【0083】
一方、図15(a)を参照して、ハンドル後方アーム部66のアーム本体部66Aの上部には、レフトハンドルバー20の上方において前方に向けて延びる、換言すれば、ハンドル上方アーム部67の延び方向に沿って延びる板状のスプリング座部84が形成されている。また、ハンドル後方アーム部66においてアーム本体部66Aの上部には、スプリング座部84よりも上方へ延び、かつ、図7に参照されるように前方に向けて緩やかに湾曲するアーム連結部85が形成されている。そして、アーム連結部85の先端側にはシャフト挿通孔86(図15(a))が形成され、このシャフト挿通孔86に連結シャフト87が挿通されることでハンドル後方アーム部66にハンドル上方アーム部67が揺動可能に連結している。
【0084】
ハンドル上方アーム部67は運転者がパーキングブレーキレバー装置15を操作する際に把持する部位となるものであって、図6,図7に示すように、ハンドル後方アーム部66の上部から前方に向けて略真直ぐに延びており、その前端には、ここから緩やかに下方に向けて垂れ下がる前下がり部91が形成されている。
【0085】
この前下がり部91は、その前端部でレフトハンドルバー20の下方に至っており、パーキングブレーキレバー装置15を前方側から見た場合に、レフトハンドルバー20を覆うようにして隠すようになっている。
【0086】
ハンドル上方アーム部67はガラス繊維粉末入りのポリプロピレン(PP)製で、図16(b)に示すようにその幅寸法が比較的広く形成され、図3,図4に示すようにパーキングブレーキレバー装置15を上方から見た場合に、ホルダー部材27等を覆うのに十分な幅寸法を設定されている。また、ここで符号91Aは前下がり部91に形成された、指かけ用の指かけ用穴部を示している。
【0087】
そして、ハンドル上方アーム部67の内側は適所凹状に形成され、先ずハンドル後方アーム部66との連結側には、図7,図16(b)に示すように、ハンドル後方アーム部66のアーム連結部85を覆うとともに、その後方側内面をアーム連結部85の後面に沿わせた収容部89が形成されている。
【0088】
収容部89には、図16(a)に示すように、その両側方を貫通するシャフト挿通孔90が形成されており、ハンドル上方アーム部67は、アーム連結部85を収容部89で覆った状態で(図11参照)、シャフト挿通孔90に上記連結シャフト87を挿通されることで、ハンドル後方アーム部66に対して回動可能に連結されている。ここで、ハンドル上方アーム部67はハンドル後方アーム部66に対して前下方へ回動自在に支持されるが、収容部89のハンドル後方アーム部66側内面がアーム連結部85の後面に当接するため、収容部89がストッパとして機能し、ハンドル上方アーム部67の後上方の回動は規制されるようになっている。
【0089】
また、図16(b)に示すようにハンドル上方アーム部67の内側において割締め部36側には、割締め部36及び割締め半体34を収容するホルダー上部収容凹部92が形成されている。このホルダー上部収容凹部92は、図6または図7に示すようにハンドル後方アーム部66が後上方へ回動されていない状態で、割締め部36及び割締め半体34を覆うようにハンドル上方アーム部67の長手方向に沿って形成されている。
【0090】
また、ハンドル上方アーム部67の内側においてホルダーカバー35側には、環状にくぼむスプリング収容環状凹部93が形成されるとともに、スプリング収容環状凹部93の前方側にはラバー収容凹部94が形成されている。スプリング収容環状凹部93は、図7に示すように、収容部89と連結シャフト87を挟んで反対側において、ハンドル後方アーム部66に形成されたスプリング座部84と向かい合うようにして形成され、スプリング収容環状凹部93の端面とスプリング座部84との間にはある程度の隙間が設定されている。
【0091】
そして、スプリング収容環状凹部93には、図7,図12に示すようにスプリング収容環状凹部93の深さよりも高さが高く設定されたスプリング95が挿入され、このスプリング95は縮んだ状態でハンドル後方アーム部66に形成されたスプリング座部84に当接されている。これにより、ハンドル上方アーム部67は上方に付勢されることになるが、上記収容部89のハンドル後方アーム部66側内面がストッパとしてアーム連結部85の後面に当接するため回動が規制されるようになっている。
【0092】
また、ラバー収容凹部94には、頭部がラバー収容凹部94の内径よりも大きく設定された樹脂材料からなるラバー体96が挿入され、このラバー体96は、図7や図12に示すように、割締め半体34の張り出し部34Aの上部に当接されている。
【0093】
さて、次に解除ボタン32について説明する。ホルダー本体33において回動軸44の中空内部には、図8,図9に参照されるように、解除ボタン32が挿通されている。
【0094】
解除ボタン32は、図8,図9に示すように一端を回動軸44の円筒内部に挿通される連結軸57と、連結軸57の他端に結合されるボタン本体58とで構成されている。
【0095】
連結軸57は、回動軸内で、回動軸44の長孔46の長手方向の範囲内において軸方向に移動可能となっており、その一端側には連結シャフト47(図7等参照)が挿通される連結孔59が形成され、この連結孔59には上記連結シャフト47が挿通されている。なお、連結軸57に対する連結シャフト47の組みつけについては、図8に参照されるホルダー本体33に形成された窓部33Cから組みつけ線L2に沿って連結シャフト47を挿通し、この連結シャフト47を連結孔59とともに長孔46に挿通することでなされる。そして、ここで連結軸57は第一ラチェット部材30とも結合されるため、パーキングブレーキレバー28側へ付勢された第一ラチェット部材30を、スプリング51,52の付勢力に抗して、回動軸44に軸方向に沿ってホルダー本体33側へ押圧できるようになっている。
【0096】
また、ボタン本体58は、連結軸57の軸方向においてある程度の厚み(高さ)を設定され、ボタン本体58の連結軸57側の所定領域にはボタン本体58の先端側と異なる着色が施され、図8に示すような着色部60が設けられている。
【0097】
そして、ホルダーカバー35は、ホルダー本体33との間で、第一ラチェット部材30、第二ラチェット部材31と一体となったパーキングブレーキレバー28を挟むようにしてホルダー本体33に取り付けられている。
【0098】
ホルダーカバー35は、ホルダー本体33の横長形状に沿う、同様の横長形状に形成され、図8に示すように解除ボタン32のボタン本体58の位置及び形状に沿った解除ボタン開口部97が形成されている。また、ホルダーカバー35において解除ボタン開口部97の後方下部には、ホルダー本体33側に延びるレバー下方カバー部98が形成されている。さらに、図6に示すように解除ボタン開口部97の上方のホルダーカバー35側面上部には、組立て時におけるパーキングブレーキケーブル16の遊び調整のための目印となるホルダー側遊び調整用目印線部99が設けられている。ホルダー側遊び調整用目印線部99はハンドル後方アーム部66の回動方向における所定の角度の範囲を二本の線で規定しており、これに対して、ハンドル後方アーム部66のホルダーカバー35の上方に位置する部位にはレバー側遊び調整用目印部100が形成されている。これにより、パーキングブレーキレバー装置15の組みつけの際には、ハンドル後方アーム部66を回動させることで、レバー側遊び調整用目印部100をホルダー側遊び調整用目印線部99で規定される範囲と比較できるようになっており、遊びの調整を良好に行えるようになっている。いる。
【0099】
そして、上記解除ボタン開口部97は、図6に示すように、解除ボタン32のボタン本体58を挿通させて外部に臨ませており、また、解除ボタン32のボタン本体58の着色部60は、第一ラチェット部材30の谷部62が第二ラチェット部材31の第二ラチェット歯部71を係合させた際は、解除ボタン開口部97から露出するようになっている(図4参照)。
【0100】
次に、上述のようにして構成されたパーキングブレーキレバー装置15の操作方法、及び、パーキングブレーキレバー装置15のロック状態及びロック解除状態における動作を、図2〜図5も参照しつつ図17,図18を用いて説明する。図17,図18はパーキングブレーキレバー装置15の模式的な縦断面を示している。
【0101】
先ず、図2に参照されるように、本実施形態では、運転者は右手Rでライトハンドルバー19のアクセルグリップ21を把持し、左手Lでレフトハンドルバー20のグリップ24を把持できるようになっており、この状態から図3に示すようにパーキングブレーキレバー装置15を左手Lで適宜操作できるようになっている。また、パーキングブレーキレバー装置15は、上述の構成からも明らかなようにレフトハンドルバー20にまとわるように取り付けられ、図5に示す回転矢印B方向、すなわち、レフトハンドルバー20の周方向において回動操作が可能となっている。
【0102】
ここで、図3では、パーキングブレーキレバー28のハンドル上方アーム部67がレフトハンドルバー20の軸方向に対して、前側かつ垂直な方向に向けて略真直ぐに延びる状態が示され、この状態ではパーキングブレーキキャリパ14がブレーキディスク12を挟み込んでいないロック解除状態にある。ここで、このロック解除状態に対応するパーキングブレーキレバー装置15のハンドル上方アーム部67が略真直ぐ延びる状態を「ロック解除位置」と呼ぶものとし、このロック解除位置では、パーキングブレーキレバー28がレフトハンドルバー20にまとわるように配置されるため、パーキングブレーキレバー28の車両における収まりが良くなっている。また、レフトハンドルバー20の前方においてレフトハンドルバー20の上端よりも下方へ垂れ下がる前下がり部91を設け、パーキングブレーキレバー28のハンドル上方アーム部67の長さが確保されているため、ハンドル上方アーム部67の引き上げ操作をし易くすることができ、パーキングブレーキレバー28がロック解除位置でレフトハンドルバー20によりまとわりつくように設けられるため、パーキングブレーキレバー装置15の車両における収まりが一層良くなっている。
【0103】
また、ハンドル後方アーム部66の下部には、レフトハンドルバー20側へ向けて前方に延出する前方延出部68が設けられ、パーキングブレーキレバー28の回動軸44が前方延出部68に挿通されているため、パーキングブレーキレバー28の回動軸44をレフトハンドルバー20よりも下方に設けることで、サイズが大きくなりがちなパーキングブレーキレバー28の回動軸44を極力目立たなくさせることできる。さらに、ハンドル上方アーム部67とハンドル後方アーム部66とは引き上げ方向に付勢されたスプリング95を介して組み立てられているため、ハンドル上方アーム部67に誤って上から物や運転者の手等が載る場合にも、ハンドル上方アーム部67が下に回動して、スプリング95により荷重を受けることができるため、ハンドル後方アーム部66の上部から回動軸44側に大きな荷重がかかることを回避できる。
【0104】
以下、図17を用いて、上記ロック解除位置からパーキングブレーキレバー28を回動した際のパーキングブレーキレバー装置15及びラチェット機構の動作を説明する。
【0105】
先ず、図17(a)においては、パーキングブレーキレバー装置15のロック解除状態が示されている。本状態では、第二ラチェット部材31の第二ラチェット歯部71の先端の平面部が、第一ラチェット部材30の第一ラチェット歯部61の先端の平面部を押し当てた擦れ合う状態となっており、第二ラチェット歯部71の先端の平面部が、パーキングブレーキレバー28の回動に伴い第一ラチェット歯部61の先端の平面部上を摺動可能になっている。
【0106】
次に、図17(b)においては、パーキングブレーキレバー28が回動された状態を示しており、第二ラチェット部材31の第二ラチェット歯部71の先端の平面部が第一ラチェット部材30の第一ラチェット歯部61の先端の平面部を摺動して、第二ラチェット歯部71が第一ラチェット歯部61から次第に離間していく様子が示されている。
【0107】
続いて、図17(c)においては、第二ラチェット歯部71が第一ラチェット歯部61から完全に離間し、第二ラチェット歯部71が第一ラチェット部材30の谷部62に対向した状態が示されている。本状態では、第一ラチェット部材30とホルダー本体33との間に縮められて介装されたスプリング51,52が伸びることになる。そして、本状態では、図6に示すようにハンドル後方アーム部66のストッパ凸部72はレフトハンドルバー20から離間され、ハンドル上方アーム部67は傾斜した状態になっている。
【0108】
そして、図17(d)においては、スプリング51,52が伸び、第一ラチェット部材30を回動軸44の軸方向に沿ってパーキングブレーキレバー28側へ移動させた状態が示されている。本状態では、隣接する第一ラチェット歯部61の間の谷部62に第二ラチェット歯部71が係合され、第一ラチェット歯部61と第二ラチェット歯部71が噛み合う状態となる。そのため、パーキングブレーキレバー28を回動させようとすると、第二ラチェット歯部71と第一ラチェット歯部61との噛み合いによって第一ラチェット部材30も回動しようとするが、第一ラチェット部材30と径方向突出部50Aとホルダー本体33の外周凹部45Aとが係合しているため、第一ラチェット部材30は回動できず、パーキングブレーキレバー28も前後への回動が規制される状態となる。したがって、図7に示すようにパーキングブレーキレバー28は後上方に回動されたポップアップ状態で前後への回動を規制され、パーキングブレーキケーブル16を引っ張った状態で保持されるため、パーキングブレーキキャリパ14がブレーキディスク12を挟み込んだ状態が保持されてパーキングブレーキレバー装置15のロック状態が維持されることになる。
【0109】
また、図17(d)の状態では、解除ボタン32も回動軸44の軸方向に沿って移動することになり、この場合、解除ボタン32はホルダーカバー35の解除ボタン開口部97からボタン本体58を突出させることになる。そして、この場合には、ボタン本体58に設けられた着色部60が、図4に示すように解除ボタン開口部97から突出して外部に露出され、運転者にパーキングブレーキレバー装置15の操作状態の認識を促すようにすることができる。
【0110】
そして、次に図4では、パーキングブレーキレバー28が回動操作されて、ハンドル上方アーム部67が後上方に回動されたポップアップ状態が示され、この状態ではパーキングブレーキキャリパ14がブレーキディスク12を挟み込んでいるロック状態にある。ここで、このロック状態に対応するパーキングブレーキレバー装置15が回動操作された状態を「ロック状態位置」と呼ぶものとし、このロック状態位置にあっては、運転者が誤ってパーキングブレーキレバー28を前下方に押しても、ラチェット機構によってパーキングブレーキレバー28が回動軸44を軸にして回動することはない。また、ハンドル上方アーム部67に誤って上から物や運転者の手等が載る場合に、ハンドル上方アーム部67が下に回動して、スプリング95により荷重を受けることができるため、ハンドル後方アーム部66の上部から回動軸44側に大きな荷重がかかることを回避できる。そして、パーキングブレーキレバー28が収まりよく配置されるロック解除位置と比較して、パーキングブレーキレバー28が上に突出する位置にくるため、ロック状態をより分かり易くすることができる。
【0111】
以下、図18を用いて、ロック状態位置からパーキングブレーキレバー28を上記ロック解除位置に操作する際の、パーキングブレーキレバー装置15及びラチェット機構の動作を説明する。
【0112】
先ず、図18(a)には、図17(d)に示したホルダーカバー35の解除ボタン開口部97から突出した解除ボタン32を、ホルダー本体33側へ押圧した状態が示されている。本状態では、第一ラチェット部材30が回動軸44に沿ってホルダー本体33側へ移動して、第二ラチェット歯部71と谷部62との係合状態が解除されている。そして、本状態では、パーキングブレーキレバー28の回動が許容される。ここで、第二ラチェット歯部71の周方向幅β(図14参照)が、第一ラチェット部材30の谷部62の周方向幅α(図13参照)よりも小さいため、パーキングブレーキレバー28はこの周方向幅の差だけ後方へ回動可能である。パーキングブレーキレバー28を解除する際、パーキングブレーキレバー28を後方へ回動しながら解除ボタン32を押せば、第一ラチェット部材30、第二ラチェット部材31の歯部側面の擦れ合いのない状態で解除ボタン32を動かせるため解除操作を楽にすることができる。なお、パーキングブレーキレバー28の解除時には、ハンドル上方アーム部67下面のラバー体96と割締め半体34の張り出し部34Aとが、ハンドル後方アーム部66のストッパ凸部72と割締め部36よりも先に当接するようになっており、パーキングブレーキレバー28とホルダー本体33との打音が抑えられ、ストッパ凸部72とホルダー本体33(割締め部36)との当接の衝撃が緩和される。また、ストッパ凸部72と割締め部36とが当接した際には、樹脂製のストッパ凸部72およびアルミ製の割締め部36から摩耗粉が生じる可能性があるが、ストッパ凸部72は外観上視認されにくい場所に形成されるため粉ふきが目立たないようにされている。
【0113】
そして、図18(b)には、図18(a)に示した状態からパーキングブレーキレバー28を回動させて、第二ラチェット歯部71の先端の平面部を、第一ラチェット部材30の第一ラチェット歯部61の先端の平面部に当接させた状態が示されている。本状態では、再び、第二ラチェット歯部71の先端の平面部が、第一ラチェット部材30の第一ラチェット歯部61の先端の平面部を押し当てた状態となり、パーキングブレーキレバー28の回動が許容されるとともに、パーキングブレーキレバー28の回動に伴い第二ラチェット歯部71の先端の平面部が第一ラチェット歯部61の先端の平面部上を摺動可能な状態になる。
【0114】
以上に説明したように本実施形態では、パーキングブレーキレバー装置15においてホルダー部材27に回動可能に支持されたパーキングブレーキレバー28を、パーキングブレーキキャリパ14をロック解除状態とするロック解除位置でレフトハンドルバー20の後方に隣接するハンドル後方アーム部66と、パーキングブレーキキャリパ14をロック解除状態とするロック解除位置でレフトハンドルバー20の上方に隣接するハンドル上方アーム部67とで構成し、パーキングブレーキレバー28の回動軸44を、ハンドル後方アーム部66においてレフトハンドルバー20の軸方向と略平行に設け、パーキングブレーキレバー28を上方向に引き上げることでパーキングブレーキキャリパ14をロック状態に操作可能にしている。
【0115】
したがって、パーキングブレーキレバー28を上方向に回動させることで、パーキングブレーキキャリパ14をロック状態にできるため操作性が良好であり、かつ、パーキングブレーキキャリパ14をロック解除状態とするパーキングブレーキレバー28のロック解除位置で、パーキングブレーキレバー28がハンドルバーにまとわるように配置されるため、パーキングブレーキレバー装置15の車両における収まりも良くすることができる。さらに、パーキングブレーキキャリパ14のロック状態では、パーキングブレーキレバー28が収まりよく配置されるロック解除位置と比較して、パーキングブレーキレバー28が上に突出する位置にくるため、ロック状態をより分かり易くすることができる。
【0116】
また、ハンドル上方アーム部67に、ロック解除位置で、レフトハンドルバー20の前方においてレフトハンドルバー20の上端よりも下方へ垂れ下がる前下がり部91を設けたため、パーキングブレーキレバー28のハンドル上方アーム部67の長さを確保して操作し易くすることができ、パーキングブレーキレバー28がロック解除位置でレフトハンドルバー20によりまとわりつくように設けられるため、パーキングブレーキレバー装置15の車両における収まりを一層良くできる。
【0117】
また、ホルダー部材27を、レフトハンドルバー20を割締めする二つの半体であるホルダー本体33と割締め半体34とで構成し、ハンドル上方アーム部67を、ロック解除位置で、ホルダー部材27の割締め部分、具体的には割締め部36及び割締め半体34を上方から覆うように幅方向に延出して形成している。したがって、パーキングブレーキレバー28のハンドル上方アーム部67の幅をホルダー部材27の上方で広くすることで操作性を高められ、パーキングブレーキレバー28とホルダー部材27とを上下方向に重ねて配置させることで、両部品を幅方向にコンパクトに配置することが可能となる。さらに、ホルダー部材27の割締め部分をパーキングブレーキレバー28のハンドル上方アーム部67で覆うことで、パーキングブレーキレバー装置15のロック解除位置時の外観性と収まり感を高めることも可能となる。
【0118】
さらに、ハンドル上方アーム部67の下面に、ロック解除位置で、ホルダー部材27の割締め部分の上部、具体的には割締め半体34の張り出し部34Aと当接するラバー体96が設けたため、パーキングブレーキレバー28のロック解除位置でのストッパを、ホルダー部材27と当接してなすことができ、かつラバー体96を介することでパーキングブレーキレバー28やホルダー部材27を保護することができる。
【0119】
また、ハンドル後方アーム部66の下部に、レフトハンドルバー20側へ向けて前方に延出する前方延出部68を設け、パーキングブレーキレバー28の回動軸44を前方延出部68に挿通させている。したがって、パーキングブレーキレバー28の回動軸44をレフトハンドルバー20よりも下方に設けることで、サイズが大きくなりがちなパーキングブレーキレバー本体の回動軸44を極力目立たなくさせることできる。また、前方延出部68を設けることで、パーキングブレーキレバー28の回動軸44がレフトハンドルバー20側である前方に配置されるため、図2に二点鎖線で示すレフトハンドルバー20のフル操舵位置Sに操舵された場合に、前輪操舵装置6を転舵した際の燃料タンク8とホルダー部材27との干渉を回避し易くすることができる。
【0120】
そして、パーキングブレーキキャリパ14のロック状態を表示するコンビネーションパネル26のインジケータを表示または非表示にするインジケーションスイッチ80を、ホルダー部材27においてパーキングブレーキレバー28の回動軸と隣接して配置し、ハンドル後方アーム部67の前方延出部68に、レフトハンドルバー20側へ向けて前方にさらに延出する前方延出アーム部75を設け、この前方延出アーム部75に、パーキングブレーキケーブル16を接続するとともに、前方延出アーム部75の先端が、パーキングブレーキレバー28の回動により、インジケーションスイッチ80から当接または離反するように配置している。したがって、パーキングブレーキケーブル16を接続するためのハンドル後方アーム部66の下部から延出する前方延出アーム部75の形状をカムとして利用して、インジケーションスイッチ80をオンまたはオフにすることが可能であり、インジケーションスイッチ80を可及的コンパクトに配置することが可能となる。
【0121】
また、レフトハンドルバー20に車両の灯火器を操作するためのスイッチボックス25を取り付け、パーキングブレーキレバー装置15を、スイッチボックス25に隣接して配置しているため、スイッチボックス25に隣接してパーキングブレーキレバー装置15を配置することで、よりパーキングブレーキレバー装置15の収まり感を高めることが可能となる。
【0122】
また、パーキングブレーキレバー28を、ハンドル上方アーム部67をハンドル後方アーム部66の上部に回動可能に組み立てることで構成し、ハンドル上方アーム部67とハンドル後方アーム部66を、パーキングブレーキレバー28の引き上げ方向に付勢されるスプリング95を介して組み立てている。したがって、引き上げ式のパーキングブレーキレバー28のハンドル上方アーム部67に誤って上から物や運転者の手等が載る場合にも、ハンドル上方アーム部67が下に回動して、スプリング95により衝撃を弾性的に吸収できるため、ハンドル後方アーム部66に大きな荷重がかかることを回避できる。
【0123】
また、ハンドル後方アーム部66に、ハンドル上方アーム部67と一定の間隔を持つとともにハンドル上方アーム部67に沿って延出するスプリング座部84を設け、ハンドル上方アーム部67に、スプリング座部84に向き合うように形成されるとともにスプリング95が収容されるスプリング収容環状凹部93を設け、ハンドル上方アーム部67とハンドル後方アーム部66を連結シャフト87で連結して回動可能とし、ハンドル上方アーム部67において、連結シャフト87を挟んでスプリング95と反対側の部位に、ハンドル後方アーム部66の上部に沿い、この上部と当接してハンドル上方アーム部67の回動を規制する収容部89を設けている。したがって、簡易かつコンパクトな構成で、スプリング95を外観されにくく設けることが可能となる。
【0124】
なお、本実施形態では、パーキングブレーキレバー28のハンドル後方アーム部66をレフトハンドルバー20の後方に隣接するように配置したが、図19に示すようにレフトハンドルバー20の前方に隣接するようにパーキングブレーキレバー28を配置しても良く、この場合も、操作性を良好とできるとともに、車両における収まりも良くでき、また、パーキングブレーキレバー装置15のロック状態も分かり易くできる。また、本実施形態ではパーキングブレーキレバー28と第二ラチェット部材31とは別体であったが、パーキングブレーキレバー28と第二ラチェット部材31をアルミ合金製等で一体に形成しても良い。また、本実施形態では、パーキングブレーキレバー装置15を、所謂セパレートタイプの前輪操舵装置6のレフトハンドルバー20に設けたが、左右に一体に延びるバーハンドルにおいても本発明に係るパーキングブレーキレバー装置15は好適に用いることができ、このようなバーハンドルの中央部、すなわち車幅方向中央部近辺にパーキングブレーキ装置を設けても良い。
【0125】
また、図20には上記実施形態の変形例として、上記レフトハンドルバー20と形状の異なるレフトハンドルバー20’が示されている。この例では、レフトハンドルバー20’において、非操舵時に車幅方向と平行とされるパーキングブレーキレバー取付け部200が形成され、このパーキングブレーキレバー取付け部200にパーキングブレーキレバー装置15が取り付けてある。そして、パーキングブレーキレバー装置15は、レフトハンドルバー20’の非操舵時に、パーキングブレーキレバー28のハンドル上方アーム部67が車両の前方に沿って真直ぐ前方に向くように取り付けられている。したがって、パーキングブレーキレバー28を操作する際にハンドル上方アーム部67を車両前後方向に沿わすようにできるため、より操作し易くできる。
【0126】
また、上記実施形態では本発明をパーキングブレーキレバーに適用した例を説明したが、本発明はパーキングブレーキレバーに限らず、車両における各種操作レバーに適用できるものである。本発明を適用可能な各種操作レバーとしては、デコンプレバーやチョークレバー等が考えられる。
【符号の説明】
【0127】
1 自動二輪車(車両)
4 後輪(車輪)
6 前輪操舵装置
14 パーキングブレーキキャリパ(制動装置)
16 パーキングブレーキケーブル(ケーブル)
19 レフトハンドルバー(ハンドルバー)
20 ライドハンドルバー(ハンドルバー)
25 スイッチボックス
26A インジケータ
27 ホルダー部材
28 パーキングブレーキレバー(パーキングブレーキレバー)
33 ホルダー本体(ホルダー部材、半体)
34 割締め半体(半体)
44 回動軸
66 ハンドル後方アーム部(ハンドル縦アーム部)
67 ハンドル上方アーム部
68 前方延出部(延出部)
75 前方延出アーム部(延出アーム部)
80 インジケーションスイッチ
84 スプリング座部(付勢バネ部材座部)
87 連結シャフト(ピン部材)
89 収容部(ストッパ部)
91 前下がり部(垂れ下がり部)
93 スプリング収容環状凹部(付勢バネ部材収容凹部)
95 スプリング(付勢バネ部材)
96 ラバー体(弾性部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の前輪を操舵するためのハンドルバーと、車両の車輪をロック状態またはロック解除状態とする制動装置と、前記制動装置に一端を連結されるケーブルと、前記ケーブルの他端が接続されるとともに前記制動装置をロック状態またはロック解除状態に操作可能なパーキングブレーキレバーと、前記ハンドルバーに取り付けられるとともに前記パーキングブレーキレバーを回動自在に軸支するホルダー部材と、を備える車両におけるパーキングブレーキレバーの配置構造において、
前記パーキングブレーキレバーは、前記制動装置をロック解除状態とするロック解除位置で前記ハンドルバーの前方または後方に隣接するハンドル縦アーム部と、前記制動装置をロック解除状態とするロック解除位置で前記ハンドルバーの上方に隣接するハンドル上方アーム部とを有し、
前記パーキングブレーキレバーの回動軸は、前記ハンドル縦アーム部において前記ハンドルバーの軸方向と略平行に設けられ、前記パーキングブレーキレバーは、上方向に引き上げられることで前記制動装置をロック状態に操作可能にされることを特徴とするパーキングブレーキレバーの配置構造。
【請求項2】
前記ハンドル上方アーム部に、前記ロック解除位置で、前記ハンドルバーの前方または後方において前記ハンドルバーの上端よりも下方へ垂れ下がる垂れ下がり部が設けられることを特徴とする請求項1に記載のパーキングブレーキレバーの配置構造。
【請求項3】
前記ホルダー部材は、前記ハンドルバーを割締めする二つの半体を含み、
前記ハンドル上方アーム部は、前記ロック解除位置で、前記ホルダー部材の割締め部分を上方から覆うように幅方向に延出して形成されることを特徴とする請求項1に記載のパーキングブレーキレバーの配置構造。
【請求項4】
前記ハンドル上方アーム部の下面に、前記ロック解除位置で、前記ホルダー部材の割締め部分の上部と当接する弾性部材が設けられることを特徴とする請求項3に記載のパーキングブレーキレバーの配置構造。
【請求項5】
前記ハンドル縦アーム部の下部に、前記ハンドルバー側へ向けて後方または前方に延出する延出部が設けられ、
前記パーキングブレーキレバーの回動軸が前記延出部に設けられることを特徴とする請求項1に記載のパーキングブレーキレバーの配置構造。
【請求項6】
前記車両に、前記制動装置のロック状態を表示するインジケータと、前記インジケータを表示または非表示にするインジケーションスイッチとが備えられ、該インジケーションスイッチは、前記ホルダー部材において前記パーキングブレーキレバーの回動軸と隣接して配置されており、
前記ハンドル縦アーム部の前記延出部に、前記パーキングブレーキレバーの回動軸から前記ハンドルバー側へ向けて後方または前方にさらに延出する延出アーム部が設けられ、
前記延出アーム部に、前記ケーブルの他端が接続されるとともに、前記延出アーム部の先端が、前記パーキングブレーキレバーの回動により、前記インジケーションスイッチから当接または離反するように配置されることを特徴とする請求項5に記載のパーキングブレーキレバーの配置構造。
【請求項7】
前記ハンドルバーに車両の灯火器を操作するためのスイッチボックスが取り付けられ、前記パーキングブレーキレバーは、前記スイッチボックスに隣接して配置されることを特徴とする請求項1に記載のパーキングブレーキレバーの配置構造。
【請求項8】
前記パーキングブレーキレバーは、前記ハンドル上方アーム部を前記ハンドル縦アーム部の上部に回動可能に組み立てることで構成され、
前記ハンドル上方アーム部と前記ハンドル縦アーム部は、前記パーキングブレーキレバーの引き上げ方向に付勢される付勢バネ部材を介して組み立てられることを特徴とする請求項1に記載のパーキングブレーキレバーの配置構造。
【請求項9】
前記ハンドル縦アーム部に、前記ハンドル上方アーム部と一定の間隔を持つとともに前記ハンドル上方アーム部に沿って延出される付勢バネ部材座部が設けられ、
前記ハンドル上方アーム部に、前記付勢バネ部材座部に向き合うように形成されるとともに前記付勢バネ部材が収容される付勢バネ部材収容凹部が設けられ、
前記ハンドル上方アーム部と前記ハンドル縦アーム部は、ピン部材で互いに連結されることで回動可能とされ、
前記ハンドル上方アーム部には、前記ピン部材を挟んで前記付勢バネ部材と反対側に、前記ハンドル縦アーム部の上部に沿い、この上部と当接して前記ハンドル上方アーム部の回動を規制するストッパ部が設けられることを特徴とする請求項8に記載のパーキングブレーキレバーの配置構造。
【請求項10】
前記パーキングブレーキレバーは、前記ハンドル上方アーム部が車両の前方に沿って真直ぐ前方に向くように軸支されることを特徴とする請求項1に記載のパーキングブレーキレバー配置構造。
【請求項11】
車両の前輪を操舵するためのハンドルバーと、操作状態または非操作状態とで位置の異なる可動部品と、前記可動部品に一端を連結されるケーブルと、前記ケーブルの他端が接続されるとともに前記可動部品を操作状態または非操作状態に操作可能な操作レバーと、前記ハンドルバーに取り付けられるとともに前記操作レバーを回動自在に軸支するホルダー部材と、を備える車両における操作レバーの配置構造において、
前記操作レバーは、前記可動部品を非操作状態とする非操作位置で前記ハンドルバーの前方または後方に隣接するハンドル縦アーム部と、前記可動部品を非操作状態とする非操作位置で前記ハンドルバーの上方に隣接するハンドル上方アーム部とを有し、
前記操作レバーの回動軸は、前記ハンドル縦アーム部において前記ハンドルバーの軸方向と略平行に設けられ、前記操作レバーは、上方向に引き上げられることで前記可動部品を操作状態に操作可能にされることを特徴とする操作レバーの配置構造。
【請求項12】
ハンドルバーの軸方向から見て略L字状の操作レバーの配置構造において、
前記操作レバーの一方のアーム部に把持部を設けるとともに、他方のアーム部の先端に前記ハンドルバーに回動自在に軸支される軸支部を設け、前記把持部と前記軸支部との間に前記ハンドルバーを配置するように前記操作レバーを取り付けたことを特徴とする操作レバーの配置構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−54113(P2011−54113A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−204914(P2009−204914)
【出願日】平成21年9月4日(2009.9.4)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】