説明

車両の側部車体構造

【課題】 開口部が設けられた車体構成部材の強度の低下を抑制できる車両の側部車体構造を提供する。
【解決手段】 本発明の車両の側部車体構造は、開口部6が形成されたフロントピラーインナ4とフロントピラーインナ4に対向するフロントピラーアウタ5とを有し、開口部6を車幅方向内側へ向けるようにして車両の側部に配置され、かつ車両上下方向に延びる中空状のフロントピラー2と、フロントピラー2の開口部6に挿入されてフロントピラーインナ4とフロントピラーアウタ5とを結合する補強部材11と、を備える。補強部材11は、厚さ方向を車両上下方向に向けてフロントピラーインナ4とフロントピラーアウタ5とを結ぶように延びる横壁部16を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部が形成された中空状の車体構成部材に適用される車両の側部車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
フロントピラー等の中空状の車体構成部材に開口部を設け、その開口部にワイヤハーネスを導入して車体構成部材内で配線を行うことや、開口部にコネクタ、リレー、ヒューズ等の配線部品を格納することが従来から行われている。例えば、車室側に開口するフロントピラーの開口部にコネクタボックスを嵌め込み、このコネクタボックス内でドア側のワイヤハーネスと車両本体側のワイヤーハーネスとを引き回しつつそれぞれのコネクタを互いに結合して固定するものがある(特許文献1)。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2が存在する。
【0003】
【特許文献1】特開平11−263175号公報
【特許文献2】特開2000−315664号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
中空状の車体構成部材に開口部が形成された構造の場合、開口部が設けられた部位の機械的強度が低下する。このような車体構成部材に衝突荷重が作用すると、開口部が設けられた部位に応力が集中し塑性変形し易くなるおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、開口部が設けられた車体構成部材の強度の低下を抑制できる車両の側部車体構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の車両の側部車体構造は、開口部が形成された第1の側壁部と前記第1の側壁部に対向する第2の側壁部とを有し、前記開口部を車幅方向へ向けるようにして車両の側部に配置され、かつ車両上下方向に延びる中空状の車体構成部材と、前記車体構成部材の前記開口部に挿入されて前記第1の側壁部と前記第2の側壁部とを結合する補強部材と、を備え、前記補強部材は、厚さ方向を車両上下方向に向けて前記第1の側壁部と前記第2の側壁部とを結ぶように延びる横壁部を有していることにより、上述した課題を解決する(請求項1)。
【0007】
この発明によれば、横壁部が開口部に挿入された状態で第1の側壁部と第2の側壁部とが補強部材にて結合される。このため、車体構成部材に車両前後方向から衝撃荷重が作用した場合であっても、その衝撃荷重の入力に対して横壁部が充分な抗力を発生させることができる。従って、開口部 の形成による車体構成部材の強度低下を補強部材によって抑制することができる。なお、開口部は車幅方向内側に向けられていてもよいし、車幅方向外側に向けられていてもよい。
【0008】
本発明の車両の側部車体構造において、前記補強部材は、車両上下方向に並ぶ二つの前記横壁部を有するとともに、各横壁部から前記開口部の縁の少なくとも一部に沿うようにして前記開口部の外側に延びる取付け部と、各横壁部の車幅方向の端部を互いに結び、車両上下方向に延びる上下壁部と、を有し、前記取付け部が前記第1の側壁部に結合されるとともに、前記上下壁部が前記第2の側壁部に結合されてもよい(請求項2)。この場合、横壁部が車両上下方向に二つ並んでいるので、車体構成部材の強度低下の抑制効果が更に向上する。そして、二つの横壁部のそれぞれから開口部の縁に沿うようにして取付け部が延びて第1の側壁部に結合されるとともに、二つの横壁部を互いに結ぶ上下壁部が第2の側壁部に結合されるので、補強部材による第1の側壁部と第2の側壁部との結合がより強固なものとなる。
【0009】
本発明の車両の側部車体構造において、前記補強部材は、前記横壁部を含みかつ前記開口部に挿入可能な筒状壁部と、前記筒状壁部から前記開口部の縁に沿うようにして前記開口部の外側に延びるフランジ部と、前記筒状壁部の車幅方向の端部を閉塞する底壁部と、を有し、前記フランジ部が前記第1の側壁部に結合されるとともに、前記底壁部が前記第2の側壁部に結合されてもよい(請求項3)。この態様によれば、筒状壁部が車体構成部材を貫くように位置するので車体構成部材の曲げ剛性が高くなり、しかもフランジ部によって開口部の縁が補強されるので、開口部の変形が抑制されて車体構成部材の機械的強度が向上する。この態様においては、補強部材が前記筒状壁部の空間を車両上下方向に仕切るように延びる補強壁部を有してもよい(請求項4)。この場合、補強壁部が車両前後方向からの衝突荷重に対して充分な抗力を発生させることができるので、車体構成部材の強度低下の抑制効果が更に向上する。なお、補強壁部の数に制限はなく複数個設けてもよい。
【0010】
本発明の車体構成部材は、開口部が形成されるとともに、車両の側部に配置され、かつ車両上下方向に延びる中空状の部材であれば如何なる態様でもよい。例えば車両のセンターピラーでもよいし、フロントピラーでもよい(請求項5)。フロントピラーは、車両の前方衝突により前輪が後退し、前輪を介して衝撃荷重が入力される特有の問題がある。このため、開口部の形成によるフロントピラーの強度低下を可能な限り抑制することが望ましい。従って、フロントピラーに本発明の構造を適用することが有効である。
【0011】
本発明の車両の側部車体構造において、前記補強部材は、所定のコネクタの保持及びその解除が可能なコネクタ保持機構を有していてもよい(請求項6)。この態様によれば補強部材を周知のコネクタボックスとして機能させることができる。従って、開口部を補強部材にて補強した上でコネクタボックスを取付ける形態と比べ、部品点数を増加させることなく開口部を効果的に利用できる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明によれば、厚さ方向を車両上下方向に向けて第1の側壁部と第2の側壁部とを結ぶように延びる横壁部が車体構成部材の開口部に挿入された状態で、これらの側壁部が補強部材にて結合される。従って、車体構成部材に車両前後方向から衝撃荷重が作用した場合であっても、その衝撃荷重の入力に対して横壁部が充分な抗力を発生させることができ、開口部の形成による車体構成部材の強度低下を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(第1の実施形態)
図1〜図3は本発明の実施形態を示し、図1は側部車体構造の要部を車室側から示した分解斜視図、図2は図1の補強部材を取付けた状態でのI-I線断面図、図3は図2のA部の部分拡大図である。これらの図においてFRは車両前方を、UPは車両上方を、INは車幅方向内側をそれぞれ示す(その他の図についても同じ)。
【0014】
図1に示すように、車両の側部には車両前後方向に延びるロッカー3の前端部から車両上下方向に延びるようにしてフロントピラー(車体構成部材)2が設けられている。フロントピラー2は車幅方向内側のフロントピラーインナ(第1の側壁部)4と外側のフロントピラーアウタ(第2の側壁部)5とが対向するようにして接合されて中空状に構成されている。フロントピラーインナ4の下部には開口部6が形成され、この開口部6に補強部材11が挿入されてフロントピラーインナ4とフロントピラーアウタ5にそれぞれ結合される。フロントピラーアウタ5はその内面に取付けられたフロントピラーアウタリインホースメント5aを有している(図2参照)。
【0015】
図1及び図2に示すように、補強部材11は断面矩形状で開口部6に挿入可能な筒状壁部12と、筒状壁部12の車幅方向の一端部から開口部6の縁6aに沿うようにして開口部6の外側に延びるフランジ部13と、筒状壁部12の車幅方向の他端部を閉塞する底壁部14と、を有した箱状体である。補強部材11は鋼板等の金属板がプレス加工されて構成されている。補強部材11の材質及び加工方法は種々のものを採用できる。例えば金属材料の鋳造で形成してもよいし、樹脂材料の射出成形で形成してもよい。
【0016】
補強部材11の筒状壁部12は、厚さ方向が車両上下方向に向けられてフロントピラーインナ4とフロントピラーアウタ5とを結ぶように延びる一対の横壁部16,16と、横壁部16,16を連結する側壁部17,17とを含んでいる。フランジ部13の外縁は開口部6よりも大きく構成されていて、補強部材11を開口部6に挿入したときにフランジ部13とフロントピラーインナ4とが突き当たる。なお、開口部6の縁6aにフランジ部13を受け入れることができる窪みを形成し、フランジ部13がフロントピラーインナ4に突き当たったときにこれらの表面の高さが揃うように構成してもよい。
【0017】
フランジ部13の四隅及び左右にはそれぞれ一つずつ合計6個のボルト孔18…18が形成され、底壁部14の中央には左右並んだ状態で2個のボルト孔19,19が形成されている。一方、フロントピラーインナ4にはフランジ部13のボルト孔18に対応する位置に6個のボルト孔8…8が形成され、フロントピラーアウタリインホースメント5aには底壁部14のボルト孔19に対応する位置に2個のボルト孔9,9が形成されている(図2及び図3参照)。補強部材11は開口部6に挿入された状態でフランジ部13とフロントピラーインナ4とがボルト孔19,9に挿入されたボルト70とナット71で結合され、底壁部14とフロントピラーアウタリインホースメント5aとがボルト孔18,8に挿入されたボルト70とナット71にて結合される。これによって、フロントピラーインナ4とフロントピラーアウタ5とが補強部材11にて結合される。補強部材11とフロントピラー2との結合手段には特に制限がなく、リベット等の締結手段や、溶接、ろう付け、接着等の接合手段でも構わない。結合箇所も任意に定めることができ、接合手段を用いる場合にはスポット溶接のように部分的に接合してもよいし、シーム溶接のように全周を接合してもよい。
【0018】
以上の側部車体構造によれば、図4に示すように、車両の前方衝突により前輪10が後退し、衝突荷重Fが前輪10を介してフロントピラー2に入力された場合でも、補強部材11が設けられているので開口部6の形成によるフロントピラー2の強度低下が抑制される。より具体的には、筒状壁部12の横壁部16,16のそれぞれが前輪10からの入力に対して充分な抗力Nを発生させ、また側壁部17,17がフロントピラー2を貫くように位置するのでフロントピラー2の曲げ剛性が高くなる。しかも、フランジ部13によって開口部6の縁6aが補強されるので、開口部6の変形が抑制されてフロントピラー2の機械的強度が向上する。
【0019】
更に筒状壁部12と底壁部14とで形成される空間S1をワイヤーハーネスの終端部に設けられたコネクタ、ヒューズ等の各種部品を収納する空間として利用できる。なお、図示を省略したが、車両ドア側のワイヤーハーネスと、車室側のワイヤーハーネスとを結線する際には、補強部材11の側壁部17に貫通孔を設け、この貫通孔にドア側のワイヤーハーネスを通し、補強部材11の空間S1内を利用してドア側のワイヤーハーネスと車両側のワイヤハーネスとをコネクタで結合することもできる。
【0020】
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態について説明する。この形態は補強部材の構成のみが第1の実施形態と相違する。図5に示す補強部材21も第1の実施形態と同様に、フロントピラー2の開口部6に挿入された状態でフロントピラーインナ4とフロントピラーアウタ5とを結合する。補強部材21は車両上下方向に並ぶ一対の横壁部26,26と、各横壁部26の車幅方向の一端部から開口部6の縁6aの上辺に沿うようにして開口部6の外側に延びる取付け部23,23と、各横壁部26の車幅方向の他端部を互いに結び、車両上下方向に延びる上下壁部24と、を有している。各取付け部26には二つずつ合計4個のボルト孔28,28が形成され、上下壁部24にはその中央に並ぶ二つのボルト孔29,29が形成されている。図5の形態においても、補強部材21が開口部6に挿入された状態で、取付け部26がフロントピラーインナ4に、上下壁部24がフロントピラーアウタ5に、それぞれ不図示のボルト及びナットを介して結合される。図5に示す補強部材21は鋼板等の金属板のプレス加工により形成されたものであるが、例えば金属材料の鋳造で形成してもよいし、樹脂材料の射出成形で形成してもよい。
【0021】
この実施形態の側部車体構造によれば、簡素な構成で第1の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。即ち、横壁部26,26のそれぞれが前輪10を介して入力される衝突荷重に対して充分な抗力を発生させ、また横壁部26の車両前後方向の端部26a,26aがフロントピラー2を貫くように位置するのでフロントピラー2の曲げ剛性が高くなり、開口部6の形成によるフロントピラー2の強度低下が抑制される。
【0022】
(第3の実施形態)
次に第3の実施形態について説明する。この形態は補強部材の構成のみが第1の実施形態と相違し、図6(a)及び(b)に示す補強部材31も第1の実施形態と同様に、フロントピラーの開口部6に挿入された状態でフロントピラーインナ4とフロントピラーアウタ5とを結合する。補強部材31は樹脂材料の射出成形で形成されたものであるが、材料及び加工方法に制限はなく、例えば金属材料の鋳造で形成してもよい。図6補強部材31は断面矩形状でフロントピラーインナ4の開口部6に挿入可能な筒状壁部32と、筒状壁部32から開口部6の縁6aに沿うようにして開口部6の外側に延びるフランジ部33と、筒状壁部32の車幅方向の端部を閉塞する底壁部34とを有した箱状体である。そして、筒状壁部32の空間S2を車両上下方向に仕切るように延びる二つの補強壁部35,35が設けられている。
【0023】
補強部材31の筒状壁部32は車両前後方向及び車幅方向に延びる一対の横壁部36,36と、横壁部36,36を連結する側壁部37,37とを含んでいる。各補強壁部35は横壁部と平行に並び、側壁部37及び底壁部34のそれぞれと結合している。フランジ部33の四隅及び左右のそれぞれには一つずつ合計6個のボルト孔38…38が形成され、底壁部34には二つの補強壁部35に挟まれた位置に二つのボルト孔39,39が形成されている。図6に示す形態においても、補強部材31が開口部6に挿入された状態で、フランジ部33がフロントピラーインナ4に、底壁部34がフロントピラーアウタ5に、それぞれ不図示のボルト及びナットを介して結合される。
【0024】
この実施形態の側部車体構造によれば、各補強壁部35が前輪10を介して入力される衝突荷重に対して充分な抗力を発生させることができるので、開口部6の形成によるフロントピラー2の強度低下の抑制効果が第1の実施形態の場合よりも更に向上する。
【0025】
(第4の実施形態)
次に第4の実施形態について説明する。この実施形態は第1〜第3のいずれかの形態と組み合わされて実施されるもので、ワイヤーハーネスの終端部に設けられた所定のコネクタを補強部材で保持可能に構成したものである。なお、以下の説明では、便宜上、第1の実施形態に係る補強部材11に関する符号を使用して説明するが、他の補強部材への本実施形態の適用を排除するものではない。図7(a)に示すように、コネクタ保持機構40は図8(a)に示すコネクタ42の底面に設けられた係合部43と互いに嵌り合うように形成された爪状片44を有している。この図から明らかなように、爪状片44は、横壁部16を一辺44aが繋がった状態で所定の形状に打ち抜いて、その一辺44aで折り曲げるように立ち上げて構成したものである。なお、爪状片44はろう付け等の接合手段によって横壁部16に設けてもよい。図8(a)のコネクタ42の係合部43を爪状片44に差し込むことにより、補強部材11にコネクタ42を保持させることができる。これにより、部品点数を増大させることなく、補強部材11をいわゆるコネクタボックスとして機能させることができる。なお、コネクタ保持機構40は横壁部16の他、側壁部17に設けてもよいし、第3の実施形態の補強壁部35に設けることもできる。
【0026】
この実施形態のコネクタ保持機構40は保持すべきコネクタの形状に応じて適宜に構成すればよい。例えば、図8(b)に示すように、コネクタ45が爪状片46を有している場合には、コネクタ保持機構40として、図7(b)に示すように、コネクタ46の爪状片46が嵌るような係合部47を横壁部16に設けてもよい。この場合、係合部47はろう付け等の接合手段で横壁部16に設けてもよいし、図7(a)の爪状片44のように、横壁部16を打ち抜いて構成してもよい。なお、図7(b)のコネクタ保持機構40も側壁部17に設けてもよいし、第3の実施形態の補強壁部35に設けてもよい。
【0027】
本発明は以上の実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の形態で実施できる。図2では、補強部材1がフロントピラーアウタリインホースメント5aに結合しているが、これをフロントピラーアウタ5に直接結合してもよい。また、図5及び図6においては、補強部材21、31がフロントピラーアウタ5と結合しているが、フロントピラーアウタリインホースメント5aがある場合、補強部材21、31をフロントピラーアウタリインホースメント5aに結合してもよいし、フロントピラーアウタ5に結合してもよい。図示は省略したが、フロントピラーアウタに開口部を形成し、この開口部に補強部材を挿入し、フロントピラーアウタとフロントピラーインナとを結合する形態で本発明を実施してもよい。この場合、フロントピラーアウタが本発明の第1の側壁部に、フロントピラーインナが本発明の第2の側壁部にそれぞれ相当する。
【0028】
また、図9に示すように、フロントピラー2を貫くようにフロントピラーインナ4とフロントピラーアウタ5の両者に開口部60を設け、この開口部60、60に補強部材51を挿入した状態でフロントピラーインナ4とフロントピラーアウタ5とを補強部材51にて結合してもよい。この場合、フロントピラーインナ4側、及びフロントピラーアウタ5側の両方にフランジ部53,53を設けるとよい。フロントピラーアウタ5がフロントピラーアウタリインホースメントを有している場合には、補強部材51をフロントピラーアウタリインホースメント5aに結合してもよい。
【0029】
以上説明した補強部材の横壁部の表面は平坦であってもよいし、例えば、図10(a)に示すように、車両前後方向に延びるリブ65を設けてもよいし、図10(b)に示すように、車両前後方向に延びるビード66を設けてもよい。リブ65やビード66等の補強加工を補強部材の横壁部に施した場合には、重量を殆ど増加させずに横壁部の強度を向上させることができる。
【0030】
以上の説明では、本発明の側部車体構造をフロントピラーに適用した形態を例示したが、本発明の適用対象はフロントピラーに限定されるものではなく、開口部が設けられて車両上下方向に延びる中空状の車体構成部材であれば、例えばセンターピラー等の車体構成部材に本発明を適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】側部車体構造の要部を車室側から示した分解斜視図。
【図2】図1の補強部材を取付けた状態でのI−I線断面図。
【図3】図2のA部の部分拡大図。
【図4】側部車体構造の作用効果を説明する説明図。
【図5】第2の実施形態に係る補強部材を示した斜視図。
【図6】第3の実施形態に係る補強部材を示し、(a)は補強部材の斜視図、(b)は補強部材の正面図である。
【図7】第4の実施形態に係るコネクタ保持機構を示し、(a)は爪状片が設けられた形態を示した斜視図、(b)は係合部が設けられた形態を示した斜視図である。
【図8】図7に示したコネクタ保持機構に保持されるコネクタを例示したもので、(a)は図7(a)に保持されるコネクタを示した斜視図、(b)は図7(b)に保持されるコネクタを示した斜視図である。
【図9】本発明の他の実施形態を示した断面図。
【図10】横壁部の補強加工の形態を例示し、(a)はリブを設けた形態を示した断面図、(b)はビードを設けた形態を示した断面図である。
【符号の説明】
【0032】
2 フロントピラー(車体構成部材)
4 フロントピラーインナ(第1の側壁部)
5 フロントピラーアウタ(第2の側壁部)
6、60 開口部
6a 縁
11、21、31、51 補強部材
16、26、36 横壁部
12、32 筒状壁部
13、33 フランジ部
14、34 底壁部
23 取付け部
24 上下壁部
35 補強壁部
40 コネクタ保持機構
42、45 コネクタ(所定のコネクタ)
S2 筒状壁部の空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部が形成された第1の側壁部と前記第1の側壁部に対向する第2の側壁部とを有し、前記開口部を車幅方向へ向けるようにして車両の側部に配置され、かつ車両上下方向に延びる中空状の車体構成部材と、前記車体構成部材の前記開口部に挿入されて前記第1の側壁部と前記第2の側壁部とを結合する補強部材と、を備え、
前記補強部材は、厚さ方向を車両上下方向に向けて前記第1の側壁部と前記第2の側壁部とを結ぶように延びる横壁部を有していることを特徴とする車両の側部車体構造。
【請求項2】
前記補強部材は、車両上下方向に並ぶ二つの前記横壁部を有するとともに、各横壁部から前記開口部の縁の少なくとも一部に沿うようにして前記開口部の外側に延びる取付け部と、各横壁部の車幅方向の端部を互いに結び、車両上下方向に延びる上下壁部と、を有し、前記取付け部が前記第1の側壁部に結合されるとともに、前記上下壁部が前記第2の側壁部に結合されることを特徴とする請求項1に記載の車両の側部車体構造。
【請求項3】
前記補強部材は、前記横壁部を含みかつ前記開口部に挿入可能な筒状壁部と、前記筒状壁部から前記開口部の縁に沿うようにして前記開口部の外側に延びるフランジ部と、前記筒状壁部の車幅方向の端部を閉塞する底壁部と、を有し、前記フランジ部が前記第1の側壁部に結合されるとともに、前記底壁部が前記第2の側壁部に結合されることを特徴とする請求項1に記載の車両の側部車体構造。
【請求項4】
前記補強部材は、前記筒状壁部の空間を車両上下方向に仕切るように延びる補強壁部を有することを特徴とする請求項3に記載の車両の側部車体構造。
【請求項5】
前記車体構成部材が車両のフロントピラーとして設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両の側部車体構造。
【請求項6】
前記補強部材は、所定のコネクタの保持及びその解除が可能なコネクタ保持機構を有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両の側部車体構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−1515(P2007−1515A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−186299(P2005−186299)
【出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】