説明

車両の廃熱回収装置

【課題】始動時における暖房能力の向上を図るとともに、ランキンサイクルによるエネルギー回収効率を向上させる。
【解決手段】エンジン1の冷却水循環路10の空調用ヒータ17の上流側に、冷却水を蓄熱するヒートストレージ16を備えるとともに、エンジン1の排気と循環路を還流する作動流体との間で熱交換する第1の熱交換器32と、ヒートストレージ16の上流側から導入した冷却水と作動流体との間で熱交換する第2の熱交換器33とを備えたランキンサイクルシステム30と、ヒートストレージ16の冷却水の入口を開閉する第1の開閉弁18及び第2の開閉弁19と、ヒートストレージ16の冷却水の出口を開閉する第3の開閉弁20と、を備え、エンジン停止時またはエンジン始動時において、第1の開閉弁18及び第2の開閉弁19を閉作動させるとともに第3の開閉弁20を開作動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両の廃熱回収装置に係り、詳しくはランキンサイクルシステムを備えたエンジンの廃熱回収技術に関する。
【背景技術】
【0002】
燃費向上を目的として、エンジンの廃熱を利用するランキンサイクルシステムを搭載した車両が提案されている。
ランキンサイクルシステムは、Ra134等の作動流体を循環する循環路に、熱交換器、膨脹器を介装して構成されており、例えばエンジンの排気の熱エネルギーを熱交換器にて回収し、膨脹器にて動力に変換するシステムである。そして、この動力により例えば発電機を駆動することで、今まで廃棄していたエネルギーを有効活用することが可能となっている。
【0003】
更に、膨脹器通過後の作動流体によってエンジンの冷却水を暖めることによって、膨脹器通過後の作動流体に残存する熱エネルギーを有効活用するシステムも開発されている。当該システムは、例えばランキンサイクルの膨脹器の後段に、空調用ヒータへ供給される冷却水との間で熱交換する熱交換器を備えている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−42618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のようにランキンサイクルシステムにおける廃熱をエンジン冷却水の加熱に利用したとしても、例えば冬季においてエンジン停止時やエンジン始動時のように排気温度が十分に上昇していない場合には、ランキンサイクルシステムから廃熱を供給してもエンジン冷却水を十分に加熱することができず、暖房能力を確保することが困難である。
【0006】
また、夏期においては空調用ヒータが不要となる場合が多いので、上記のようにランキンサイクルシステムの廃熱によって冷却水を積極的に加熱させる必要性が低下し、むしろエンジン稼働時にランキンサイクルシステムを有効活用して動力としてエネルギーをより多く回収することが望まれる。
【0007】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、始動時における暖房能力の向上を図るとともに、ランキンサイクルによるエネルギー回収効率を向上させる車両の廃熱回収装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、エンジンの冷却水循環路の空調用ヒータの上流側に設けられ、冷却水を蓄熱する蓄熱手段と、エンジンの排気と循環路を還流する作動流体との間で熱交換する排気熱交換器と、蓄熱手段の上流側から導入した冷却水と作動流体との間で熱交換する冷却水熱交換器とを備え、作動流体を介して前記エンジンの排気及び冷却水の熱を回収し動力に変換するランキンサイクル手段と、蓄熱手段の冷却水の入口を開閉する入口開閉弁と、蓄熱手段の冷却水の出口を開閉する出口開閉弁と、エンジン停止時またはエンジン始動時において、入口開閉弁が閉作動するとともに出口開閉弁が開作動するように、入口開閉弁及び出口開閉弁を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1において、蓄熱手段における蓄熱量を検出する蓄熱量検出手段を設け、制御手段は、蓄熱量検出手段により検出した蓄熱量が所定値以上である場合には入口開閉弁を閉作動するよう制御することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2において、エンジンは、吸気通路に還流する排気を冷却する水冷式のEGRクーラを備え、冷却水熱交換器は、エンジンを通過した冷却水及びEGRクーラを冷却した冷却水の夫々と前記作動流体との間で熱交換することを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかにおいて、制御手段は、空調用ヒータの停止時には、出口開閉弁を閉作動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように請求項1の発明の車両の廃熱回収装置によれば、排気熱交換器により排気の熱を回収するとともに、冷却水熱交換器により冷却水の熱を夫々回収可能であるので、いずれの熱源からでも独立してランキンサイクル手段によって熱エネルギーを回収することができる。したがって、ランキンサイクル手段を効率的に活用することができ、エンジンの廃熱の回収率を向上させることができる。
【0012】
また、蓄熱手段により冷却水の熱エネルギーを蓄えることができるので、エンジン始動時またはエンジン停止時に出口開閉弁が開作動することで、蓄熱手段に蓄えた熱エネルギーにより空調用ヒータを作動することができる。
特に、エンジン始動時においては、入口開閉弁が閉作動されることで、冷却水の蓄熱手段への流入が阻止されるので、低温の冷却水が蓄熱手段に流入することが防止され、蓄熱手段の温度低下を抑制することができる。したがって、エンジン始動時における空調用ヒータの性能を向上させることができる。
【0013】
請求項2の発明の車両の廃熱回収装置によれば、蓄熱手段における蓄熱量が所定値以上である場合に、冷却水は蓄熱手段に流入しないので、その分冷却水熱交換器への冷却水への流入量が増加する。したがって、ランキンサイクル手段による熱回収率を向上させることができる。
【0014】
請求項3の発明の車両の廃熱回収装置によれば、冷却水熱交換器は、エンジン本体を通過した冷却水及びEGRクーラを冷却した冷却水のいずれにおいても作動流体と熱交換できるので、エンジンの廃熱をより効率的に回収することができる。
【0015】
請求項4の発明の車両の廃熱回収装置によれば、空調用ヒータの停止時には、出口開閉弁を閉作動させることで、蓄熱手段からヒータへの冷却水の流入が防止されるので、蓄熱手段からの熱エネルギーの無駄な流出を防止することができ、廃熱の回収率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の廃熱回収装置の実施形態の構成図である。
【図2】エンジン運転時における各開閉弁の制御要領を示すフローチャートである。
【図3】エンジン停止時における各開閉弁の制御要領を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の廃熱回収装置の一実施形態を説明する。本発明の廃熱回収装置は、車両走行用のエンジン(以下、エンジン1という)の廃熱を回収し、動力に変換できるシステムである。
図1は本実施形態の廃熱回収装置の構成図である。
【0018】
図1に示すように、本実施形態に係るエンジン1には、ターボチャージャ2が備えられている。ターボチャージャ2は、エンジン1の吸気通路3に介装されたコンプレッサ4と排気通路5に介装されたタービン6とにより構成されている。コンプレッサ4の下流側の吸気通路3には、コンプレッサ4によって圧縮され高温化した吸気を冷却するインタークーラ7が備えられている。
【0019】
また、エンジン1には、排気通路5から排気の一部を吸気通路3に還流するEGR流路8が備えられている。EGR流路8には、その効果を向上させるために、還流する排気を冷却するEGRクーラ9が備えられている。EGRクーラ9は、エンジン1の冷却水を用いて、還流する排気の冷却を行う。
図中破線で示すエンジン1の冷却水循環路10は、メイン冷却水路11、ヒータ用冷却水路12、及びEGR用冷却水路13を備えて構成されている。メイン冷却水路11は、ラジエータ14とエンジン1本体内との間を循環する流路である。ラジエータ14の下流側のメイン冷却水路11には、冷却水を循環させるためにポンプ15が備えられている。
【0020】
ヒータ用冷却水路12は、エンジン1本体からラジエータ14に向かうメイン冷却水路11から分岐して、ヒートストレージ16、空調用ヒータ17を順番に通過し、ラジエータ14に戻るように構成されている。ヒートストレージ16は、例えば断熱材によって覆われた冷却水の貯留タンクであって、流入する高温の冷却水の熱エネルギーを貯留する機能を有する。空調用ヒータ17は、車室内や車両のフロントガラスに向けて供給する空気を暖める機能を有する。
【0021】
EGR用冷却水路13は、ポンプ15の下流側で分岐してEGRクーラ9を通過し、ヒートストレージ16に接続する。
ヒートストレージ16の冷却水入口には、ヒータ用冷却水路12を開閉する第1の開閉弁18と、EGR用冷却水路13を開閉する第2の開閉弁19が設けられている。なお、第1の開閉弁18及び第2の開閉弁19は、本発明の入口開閉弁に該当する。ヒートストトレージ16と空調用ヒータ17との間には、ヒータ用冷却水路12を開閉する第3の開閉弁20(出口開閉弁)が設けられている。
【0022】
車両には、ランキンサイクルシステム30が搭載されている。ランキンサイクルシステム30は、Ra134等の作動流体が循環する循環路31と、第1の熱交換器32(排気熱交換器)、第2の熱交換器33(冷却水熱交換器)、膨張器34、凝縮器35及びポンプ36とを備えて構成されている。循環路31には、第2の熱交換器33、第1の熱交換器32、膨張器34、凝縮器35及びポンプ36の順番に介装されている。
【0023】
第1の熱交換器32は、エンジン1の排気を熱源として作動流体を加熱する機能を有する。第2の熱交換器33は、第1の開閉弁18の上流からエンジン本体通過後の冷却水を導入するとともに、第2の開閉弁19の上流からEGRクーラ9通過後の冷却水を導入し、これらの暖められた冷却水を熱源として作動流体を加熱する機能を有する。そして、第1の熱交換器32及び第2の第2の熱交換器33は、全体として作動流体を気化させる機能を有する。
【0024】
膨脹器34は、具体的には気化された作動流体によって駆動されるタービンであって、作動流体の熱エネルギーを動力(回転力)に変換する。凝縮器35は、膨脹器34通過後の作動流体を液化する機能を有する。ポンプ36は、凝縮器35通過後の作動流体を第1の熱交換器32に圧送する機能を有する。
【0025】
ランキンサイクルシステム30は、ポンプ36を駆動して循環路内で作動流体が循環することで、排気熱や冷却水の熱を動力として回収することが可能となる。膨脹器34により例えば発電機を駆動することで動力を電気エネルギーとして利用したり、エンジン1の補助駆動力として利用したりすることができ、これによりエンジン1の負荷を低減させて燃費を向上させることが可能となる。
【0026】
ヒートストレージ16には、ヒートストレージ16の温度、具体的には貯留された冷却水の温度を検出するヒートストレージ温度センサ40(蓄熱量検出手段)が設けられている。ヒートストレージ温度センサ40は、ヒートストレージ16における蓄熱量を検出する本発明の蓄熱量検出手段に該当する。
また、エンジン1の排気通路5には、排気温度センサ41が設けられている。更に、排気通路5から第1の熱交換器32への排気の導入路42には、当該導入路42を開閉する第4の開閉弁45が設けられている。
【0027】
ECU50は、エンジン1の運転制御をはじめとして総合的な制御を行うための制御装置であり、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)及び中央演算処理装置(CPU)等を含んで構成される。
更に、本実施形態のECU50は、ヒートストレージ温度センサ40、排気温度センサ41、暖房スイッチの操作状況及びエンジン1の運転状況に基づいて、第1の開閉弁18、第2の開閉弁19、第3の開閉弁20、第4の開閉弁45、及びポンプ36を作動制御する。
【0028】
ECU50は、エンジン運転時には、ポンプ36を駆動制御する。したがって、エンジン運転時には、ランキンサイクルシステム30により排気、エンジン冷却水及びEGRクーラ冷却水の廃熱からエネルギーが回収される。
図2、3は、ECU50における、第1の開閉弁18、第2の開閉弁19、第3の開閉弁20及び第4の開閉弁45の作動制御要領を示すフローチャートであり、図2はエンジン運転時、図3はエンジン停止時を示す。
【0029】
図2に示す制御は、エンジン始動時に制御を開始し、エンジン運転中は実行を続ける。
まず、ステップS10では、エンジン始動初期条件として、第1の開閉弁18、第2の開閉弁19、及び第3の開閉弁20を閉作動させる。そして、ステップS20に進む。
【0030】
ステップS20では、ヒートストレージ温度センサ40からヒートストレージ16の温度THSを入力し、当該温度THSが所定温度T1より低いか否かを判別する。所定温度T1は、空調用ヒータ17を十分に作動可能な熱エネルギーを貯留しているか否かを判別可能な閾値に設定すればよい。ヒートストレージ16の温度THSが所定温度T1より低い場合には、ステップS30に進む。
【0031】
ステップS30では、第1の開閉弁18及び第2の開閉弁19を閉作動させる。そして、ステップS40に進む。
ステップS40では、ヒートストレージ温度センサ40から入力したヒートストレージ16内の温度THSが所定温度T1より高いか否かを判別する。ヒートストレージ16内の温度THSが所定温度T1より高い場合には、ステップS50に進む。ヒートストレージ16内の温度THSが所定温度T1以下である場合には、ステップS30に戻る。
【0032】
ステップS50では、暖房が開始されるか否かを判別する。具体的にはヒータスイッチがONになっているか否か、あるいは車両の空調装置における作動制御信号により判断すればよい。暖房が開始される場合には、ステップS60に進む。
ステップS60では、第3の開閉弁20を開作動させる。そして、ステップS20に戻る。
【0033】
ステップS50において暖房が開始されないと判定された場合には、ステップS70に進む。
ステップS70では、第3の開閉弁20を閉作動させる。そして、ステップS20に戻る。
ステップS20において、ヒートストレージ16の温度THSが所定温度T1以上であると判定された場合には、ステップS80に進む。
【0034】
ステップS80では、第1の開閉弁18及び第2の開閉弁19を開作動させる。そして、ステップS90に進む。
ステップS90では、熱回収を開始するか否かを判別する。具体的には、排気温度センサ41により検出した排気温度Teが所定温度T2以上であるか否かを判別する。所定温度T2は、第1の熱交換器32により排気から熱を回収可能か否かを判別可能となる閾値に設定すればよい。熱回収を開始する、即ち排気温度Teが所定温度T2以上である場合には、ステップS100に進む。
【0035】
ステップS100では、第4の開閉弁45を開作動させ、排気を第1の熱交換器32に導入する。そして、ステップS50に進む。
ステップS90において、熱回収を開始しない、即ち排気温度Teが所定温度T2未満であると判定した場合には、ステップS110に進む。
ステップS110では、第4の開閉弁45を閉作動させる。そして、ステップS50に進む。
【0036】
次に、図3を用いて、エンジン停止時における各開閉弁18、19、20の制御要領を説明する。
図3に示す制御は、エンジン停止時に制御を開始する。
始めに、ステップS200では、エンジン停止初期条件として、第1の開閉弁18及び第2の開閉弁19を閉作動させる。そして、ステップS210に進む。
【0037】
ステップS210では、前述のステップS50のように、暖房を開始するか否かを判別する。暖房を開始する場合には、ステップS220に進む。
ステップS220では、第3の開閉弁20を開作動させる。そして、ステップS210に戻る。
【0038】
ステップS210において暖房が必要でないと判定された場合には、ステップS230に進む。
ステップS230では、第3の開閉弁20を閉作動させる。そして、ステップS210に戻る。
【0039】
以上のように制御することで、本実施形態では、エンジン始動直後に第1の開閉弁18、第2の開閉弁19及び第3の開閉弁20が閉作動される。そして、ヒートストレージ16の温度THSが所定温度T1より低い場合には、第1の開閉弁18及び第2の開閉弁19を開作動させる。エンジン1の運転時間経過に伴って冷却水温度が上昇することで、ヒートストレージ16の温度THSも上昇する。そして、ヒートストレージ16の温度THSが所定温度T1より大きくなってから、暖房が必要である場合には第3の開閉弁20が開作動する。これにより、ヒートストレージ16に貯留している冷却水の熱エネルギーを利用して空調用ヒータ17を作動させることが可能となる。暖房が不要な場合には、第3の開閉弁20が閉作動するので、空調用ヒータ17に不要な熱供給が行われず、ヒートストレージ16の貯熱性を確保することができる。
【0040】
エンジン停止時には、第1の開閉弁18及び第2の開閉弁19が閉作動され、暖房が必要な場合には第3の開閉弁20が開作動するので、ヒートストレージ16に貯留している冷却水の熱エネルギーを利用して空調用ヒータ17を作動させることが可能となる。
【0041】
したがって、停車時に例えばアイドリングストップしてもヒートストレージ16を用いて空調用ヒータ17を作動させることが可能なので、空調用ヒータ17のためにエンジン1を作動させる必要がなく、燃費を向上させることができる。
ランキンサイクルシステム30は、排気の熱を利用した第1の熱交換器32と冷却水の熱を利用した第2の熱交換器33を備えており、いずれの熱源を使用しても作動可能である。したがって、ランキンサイクルを効率的に作動させることができる。
【0042】
また、本実施形態では、エンジン運転時において、ヒートストレージ16の温度THSが所定温度T1以上である場合には、第1の開閉弁18及び第2の開閉弁19が閉作動し、エンジン1本体及びEGRクーラ9から空調用ヒータ17への冷却水の流入が阻止されるので、第2の熱交換器33に導かれる冷却水が増加する。よって、ヒートストレージ16に十分に蓄熱され、空調用ヒータ17の作動が確保される場合では、必要以上にヒートストレージ16に熱エネルギーを供給して廃棄されることなく、ランキンサイクルシステム30に導かれるので、廃熱の回収率を向上させることができる。
【0043】
更に、ヒートストレージ16の温度が所定温度T1以上である場合には、第3の開閉弁20を閉じ、ヒートストレージ16の熱を利用してエンジン1の吸気を暖めるように構成するとよい。このように構成すれば、冷態始動時に吸気温度を向上させることができ、暖気時間を短縮させることができる。
【符号の説明】
【0044】
1 エンジン
9 EGRクーラ
10 冷却水循環路
16 ヒートストレージ(蓄熱手段)
32 第1の熱交換器(排気熱交換器)
33 第2の熱交換器(冷却水熱交換器)
30 ランキンサイクルシステム
18 第1の開閉弁(入口開閉弁)
19 第2の開閉弁(入口開閉弁)
20 第3の開閉弁(出口開閉弁)
40 ヒートストレージ温度センサ(蓄熱量検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの冷却水循環路の空調用ヒータの上流側に設けられ、冷却水を蓄熱する蓄熱手段と、
前記エンジンの排気と循環路を還流する作動流体との間で熱交換する排気熱交換器と、
前記蓄熱手段の上流側から導入した冷却水と前記作動流体との間で熱交換する冷却水熱交換器とを備え、前記作動流体を介して前記エンジンの排気及び冷却水の熱を回収し動力に変換するランキンサイクル手段と、
前記蓄熱手段の冷却水の入口を開閉する入口開閉弁と、
前記蓄熱手段の冷却水の出口を開閉する出口開閉弁と、
エンジン停止時またはエンジン始動時において、前記入口開閉弁が閉作動するとともに前記出口開閉弁が開作動するように、前記入口開閉弁及び出口開閉弁を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする車両の廃熱回収装置。
【請求項2】
前記蓄熱手段における蓄熱量を検出する蓄熱量検出手段を設け、
前記制御手段は、前記蓄熱量検出手段により検出した蓄熱量が所定値以上である場合には前記入口開閉弁を閉作動するよう制御することを特徴とする請求項1に記載の車両の廃熱回収装置。
【請求項3】
前記エンジンは、吸気通路に還流する排気を冷却する水冷式のEGRクーラを備え、
前記冷却水熱交換器は、前記エンジンを通過した冷却水及び前記EGRクーラを通過した冷却水の夫々と前記作動流体との間で熱交換することを特徴とする請求項1または2に記載の車両の廃熱回収装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記空調用ヒータの停止時には、前記出口開閉弁を閉作動させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両の廃熱回収装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−52662(P2011−52662A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−204644(P2009−204644)
【出願日】平成21年9月4日(2009.9.4)
【出願人】(303002158)三菱ふそうトラック・バス株式会社 (1,037)
【Fターム(参考)】