説明

車両の走行情報記録装置

【課題】機能の信頼性を高めた車両の異常記録装置を提供する。
【解決手段】車両の動力源を能動状態とする毎に、カメラやマイクなどの走行情報取得部、取得情報の記録部、関連部の電気接続状態等をチェックし、結果をアナウンスまたは表示する。車両の動力源が能動状態でなくなっても車両と外部の相対移動が検知されない状態が所定時間以上継続するまでは走行情報取得部および取得情報の記録部の機能を維持する。走行情報の圧縮データを、例えば車両前部および後部などに設けられた複数の記録部にそれぞれFIFO記録する。複数の記録部の少なくとも一方の記憶容量を大きくし、車両外部に送信するデータを保持する。車両外部に送信したデータ実績の統計処理に基づく「優良運転者証明」を受信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライブレコーダ等の車両の走行情報記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、事故発生時の前後の車外の情報および車両状況情報をメモリに蓄えることによって事故の直前までの記録を証拠として残すドライブレコーダが、自動車事故を未然に防止する有効な手段として普及し始めている。そして種々のドライブレコーダが提案されている。例えば特許文献1において、アンテナを介して事故前後の記録データを送信することにより、事故後のデータの上書きを防止することなどが提案されている。
【特許文献1】特開2006−306153号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ドライブレコーダに関してはその実用において種々検討すべき課題は多い。
【0004】
本発明の課題は、上記に鑑み、機能の信頼性を高めた車両の走行情報記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を達成するため本発明は、車両の走行情報取得部と、取得した走行情報を記録する記録部と、車両を走行可能状態と走行不能状態との間で切換える切換え部と、切換え部が車両を走行可能状態とする毎に記録部による走行情報の記録が可能かどうかをチェックするチェック部と、チェック部のチェック結果を報知する報知部とを有する車両の走行情報記録装置を提供する。
【0006】
本発明の車両の走行情報記録装置は交通事故発生時の証拠として有用である。しかしながら事故は本来起こってはならないことであり、安全運転者にとっては実際何年も何事も起こらない可能性が高い。このこと自体は喜ばしいことであるが、一方で走行情報記録装置を活用する機会が長期間一度もないことにもなり、万一の時に機能することの保証がない。本発明は、上記のように構成することにより、日常的に機能が正常であることが確認でき、万一の場合に情報が記録されないような事態を未然に防止できる。
【0007】
本発明の詳細な特徴によれば、車両を走行させるエンジンやモータ等の動力源を有し、切換え部はこの動力源を能動状態とするかどうかを切換えるものであって、能動状態の具体例は、ガソリンエンジン車の場合のイグニションのオン状態、ハイブリッド車や電気自動車の場合の走行準備スイッチのオン状態などである。
【0008】
本発明の他の詳細な特徴によれば、チェック部は走行情報取得部の機能をチェックする。また、他の詳細な特徴によれば、チェック部は記録部の機能をチェックする。さらに、他の詳細な特徴によれば、チェック部は記録部による走行情報の記録を可能とするための電気的接続関係をチェックする。
【0009】
本発明の他の特徴によれば、チェックの対象となる取得部は、車両外部の画像情報を取得するカメラ部を有する。また、本発明の他の特徴によれば、チェックの対象となる取得部は、車両外部の音情報を取得するマイク部を有する。
【0010】
本発明の他の特徴によれば、報知部はアナウンス手段を有する。また、他の詳細な特徴によれば報知部は表示手段を有する。これらの報知部により、車両を運転する毎に走行情報記録装置のチェック結果が報知されるので、運転者は安心して運転を開始することができる。
【0011】
本発明の他の特徴によれば、車両の走行情報取得部と、取得した走行情報を記録する記録部と、車両を自力走行可能とするか自力走行不能とするかを切換える切換え部と、切換え部が車両を走行不能としても取得部および記録部の機能を維持する制御部とを有する車両の走行情報記録装置が提供される。
【0012】
車両の事故は、必ずしもその車両が自力走行可能状態にあるときだけ生じるとは限らない。例えば、その車両自身のエンジンやモータのスイッチが切られて自力走行不能状態であったとしても、惰性で走行したりパーキング操作忘れにより坂道を下降して走行したりすることが考えられ、また、自身は停止していても他車が衝突してくる事故等も考えられる。上記本発明の特徴は、このような事態においても取得部および記録部の機能を維持し、走行情報記録装置による異常事態の記録を可能とするものである。
【0013】
上記本発明の詳細な特徴によれば、車両と外部の相対移動を検知する検知部を有し、制御部は検知部の検知結果に基づき取得部および記録部の機能を維持する。これによって自車が惰性走行や坂道降下している場合、または、自身は停止しているが、周囲に走行している車両があって事故の可能性がある場合に取得部および記録部の機能を維持することができる。
【0014】
なお、上記本発明のさらに詳細な特徴によれば、制御部は、検知部により車両と外部の相対移動が所定時間検知されない時に取得部および前記記録部の機能の維持を終了し、意味のない機能の維持を防止する。また、上記本発明の他の詳細な特徴によれば、計時手段を有し、制御部は、この計時手段に基づいて取得部および記録部の機能の維持を制御する。これによって機能が長時間無意味に維持されることを防止する。
【0015】
本発明の他の特徴によれば、車両の走行情報取得部と、車両の異なる位置に複数設けられるとともに取得部が取得した同じ走行情報を記録する複数の記録部を有する車両の走行情報記録装置が提供される。これら複数の記録部は、例えば第一の記録部を車両前部に設けるとともに、第二の記録部を車両後部に設ける等により、事故により万一その一方が破壊されても他方が生き残ることを期待している。
【0016】
上記本発明の具体的特徴によれば、取得部が取得した走行情報を圧縮する圧縮部を有し、複数の記録部は圧縮部が圧縮する同じ走行情報をそれぞれ記録する。また他の具体的特徴によれば、複数の記録部は同じ情報を記録するための同じ記録容量を有する。さらに他の具体的特徴によれば、複数の記録部は互いに異なる記録容量を有する。
【0017】
複数の記録部の容量が異なるよう構成する場合、走行情報記録装置は走行情報を車両外部に送信する通信部を有し、この通信部は複数の記録部のうち記録容量の大きい方の記録部が記録する走行情報を車両外部に送信する。記録部は基本的には先入れ先出しで記憶内容を新しいものに置き換えていくが、そのうち一方の記録容量を上記のように大きくすることにより、外部への通信が可能となるまで外部へ送信すべき情報を保持しておくことができる。
【0018】
本発明の他の特徴によれば、車両の走行情報取得部と、取得した走行情報を記録する記録部と、記記録部の情報を車両外部に送信するとともに送信情報に基づく統計情報を車両外部から受信する通信部とを有する車両の走行情報記録装置が提供される。これによって記録部は車両外部に情報の保管を依存するとともに、その処理に基づく統計情報の提供を受けることによって走行に活用することができる。
【0019】
上記本発明の詳細な特徴によれば、統計情報は所定期間における車両の走行状況の証明情報である。これによって、車両は所定期間にわたって実績を積み上げた走行状況を証明することができ、例えば
これを交差点での取り締まりにおける軽微な違反行為の情状酌量要素として活用することができれば安全運転の実績を重ねていくことへのインセンティブが高まり、交通事故を未然に防止する効果が期待できる。
【0020】
上記本発明の他の特徴によれば、通信部は車両外部による認証に基づき記録部の情報を車両外部に送信する。個々の車両の走行記録はプライバシーに関わるので、その保護のために厳重な認証を行うことは車両外部への情報送信の重要な前提となる。また、その情報に基づく統計情報の信頼性を高める上でも、認証に基づく車両外部への情報送信の意義は大きい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係るドライブレコーダシステムの第1実施例を示すブロック図である。本実施例のドライブレコーダシステムは、事故前後の情報を記録するドライブレコーダを備えたガソリンエンジン車または電気自動車またはガソリンエンジンとモーターを併用するいわゆるハイブリッドタ車のいずれかである車両2を中心とするものであるが、さらに信号機4、および給油/給電スタンド6と共同するシステムを構成している。
【0022】
車両2は、車両全体を制御するコンピュータからなる車両制御部8を有し、車両の運転者による操作部10の操作に応じて、車両機能部12を制御する。この車両制御部8の機能は記憶部14に格納されたソフトウエアによって実行される。記憶部14は、さらに両全体の制御に必要な種々のデータを一時的に格納する。また、車両制御部8は、表示部16を制御し、操作部10の操作に必要なGUI表示を行うとともに制御結果の表示を行う。なお、車両制御部8は時計部18を有し、種々の機能においてこの時計部8の時刻情報が利用される。また、後述のようにこの時計部18の時刻は外部の時刻情報により適宜正しい時刻に自動修正される。
【0023】
GPS部20は、GPSシステムに基づいて衛星および最寄の放送局より車両2の絶対位置情報である緯度、経度、および高度の情報を得て車両制御部8に送る。カーナビゲーション機能部22は、車両制御部8経由で得られるGPS部20からの絶対位置情報を処理し、地図上での車両2の位置を表示部16に表示する。車両2は、さらに車両近距離通信部24を備えており、後述のように、信号機4および給油/給電スタンド6に接近したとき、これらとの間で電波または光により情報の授受を行う。
【0024】
次にドライブレコーダに関する構成を、必要に応じ上記の構成とも関連づけて説明する。カメラ26およびマイク28には、車両が運行状態にあるとき常時車両前方等の画像および周囲の音が入力される。なお、運行状態とは実際に走行している場合だけでなく信号待ちで一時停車している状態など、車両の走行に伴って交通事故が発生する可能性のある状態全てを含む。この状況にあるかどうかをチェックするためにカメラ26で撮影された画像に基づく画像処理によって動体の有無が検知され、エンジンを停止しても、その後画像中に動体が検知されていない状態が所定時間続くことが確認されない限りカメラ26およびマイク28への画像および音の入力が継続される。
【0025】
車両制御部8は20秒程度の容量の不揮発性バッファメモリを備えており、カメラ26およびマイク28から入力された画像および音の情報を先入れ先出し(FIFO)で記憶する。つまり最新20秒の情報が常時上書き記憶され続ける。そして、加速度検知部30が衝突などによる大きな加速度変化を検知したときまたは操作部10により手動操作があったとき、カメラ26およびマイク28が破壊されずに情報入力が継続していれば、その時点からさらに10秒程度のバッファメモリへの記憶を続ける。これによってバッファメモリには、加速度変化の検知または手動操作の時点の前後それぞれ10秒程度の画像および音情報が最終的に保持される。この前後10秒程度の画像および音情報は、車両制御部8によって所定の処理が行われた後、デジタル圧縮動画情報として車両の異なる部分に設けられた第一記録部32および第二記録部34にそれぞれ記録されるよう構成する。第一記録部32および第二記録部34はそれぞれ不揮発メモリで構成され、事故等によってこれらの記憶部への給電が断たれても記録が保持される。第一記録部32および第二記録部34はそれぞれデジタル圧縮動画情報10件分の容量を持っており、FIFOで上書きされていく。
【0026】
第一記録部32は、例えば車両前部に設けられるとともに、第二記録部34は、例えば車両後部に設けられ、これらに同じ情報を記録するよう構成することによって、事故により万一その一方が破壊されても他方が生き残って記録可能となることを期待している。また、記録済みの情報についても、少なくとも一方には残ることを期待している。なお、ドライブレコーダ機能の大半が破壊された場合でも、不揮発性バッファメモリさえ無事ならば、事故前20秒程度の記録が残されることになる。
【0027】
ここで、第一記録部32および第二記録部34に画像及び音情報をそれぞれ記録する際に車両制御部8によって行われる処理について説明する。この処理は、通常の音声つきデジタル圧縮動画情報を作成する処理に加え、この音声つきデジタル圧縮動画情報の改ざんやすり替えを防止して証拠力を高めるとともに、証拠としての情報をより豊富にするための処理を含んでいる。
【0028】
信号機4は、証拠情報を豊富にするための構成であって、信号機制御部36は赤・青・黄の信号灯38を制御している。そして、信号機近距離通信部40は交差する道路のどちら向きの信号灯が今どの色であるかの情報を信号機4近辺に発信している。この信号機近距離通信部40は、信号機システム通信部42から得られる車両情報通信システムからの渋滞情報などを信号機4近辺に発信するための構成を兼用したものである。従って、これらの情報は信号機4のある交差点近辺に車両2が存在すれば車両近距離通信部24によって受信され、車両制御部8に送られる。これによって車両2が交差点を通過中または信号待ち停車中に加速度変化の検知または手動操作があったときには、車両2の進行方向の信号灯38の状態が情報として取得できる。このようにして、カメラ26の画角の限界やカメラ26と信号灯38の同期が原因で信号灯38の状態がカメラ26の画像からは得られない場合であっても、加速度変化の検知または手動操作(以下その代表的な場合として「事故発生」と称する)に至るまでの信号灯38の状況を把握することができるようになる。方位検知部44は、事故発生の直前に車が向いていた方向を検出するもので、上記の信号機4からの情報との組合せで事故発生時に車両2に信号無視があったかどうかの証拠を提供するものである。
【0029】
車両制御部8は、速度計46の速度情報を受け、これを不揮発性バッファメモリにおける20秒程度分の容量にFIFOで順次上書き記録していく。これによって、事故発生時の速度と制限速度との関係および事故発生前20秒程度の間のブレーキ操作履歴などを把握することが可能となる。このような事故発生時の速度情報やブレーキ操作履歴は、上記の事故発生時の進行方向の信号灯情報、時計18からの事故発生時刻情報、ならびにGPS部20からの事故発生地点情報とともに電子透かし処理部48に送られ、電子透かしデータとして扱われる。なお、ブレーキなどの操作情報は、上記のように速度情報から間接的に把握できる他、操作部10から直接車両操作部8に送ることもできるので、これらの操作情履歴も不揮発性バッファメモリにFIFOで順次上書き記録することもできる。
【0030】
電子透かし処理部48にはバッファメモリに一時記憶されている事故発生前後それぞれ10秒程度の画像および音情報が送られ、上記の速度情報、ブレーキ操作履歴、信号灯情報、時刻情報、地点情報よりなる電子透かしデータが埋め込まれる。なお、この埋め込みの際には、記憶部14に保持されている電子透かし処理キー情報が設定されて用いられる。このようにして電子透かし処理キー情報を用いて電子透かしデータが埋め込まれた画像および音情報は、車両制御部8に戻されてデジタル圧縮され、それぞれ第一記録部32および第二記録部34に送られる。以上のように、事故発生前後それぞれ10秒程度の画像および音情報には電子透かし処理キー情報を用いて事故発生に関連する電子透かし情報が埋め込まれているので、画像情報および音情報を改ざんすることは困難となる。また、電子透かし情報自体もこれらを抽出することによって事故発生時点の証拠情報が豊富になる。
【0031】
以上、ドライブレコーダ機能については、その制御が車両制御部8で行われるよう説明したが、全ての機能を車両制御部8に負担させる代わりに、ドライブレコーダ機能を担当する専用の制御部を別に設け、機能を分担させてもよい。この場合も、ドライブレコーダ専用制御部は車両制御部8と連携し、全体として上記に説明したような機能を実行する。
【0032】
また、万一の事故が起こったときにドライブレコーダに情報が記録されていないことを防ぎ、記録の信頼性を高めるため、上記のドライブレコーダ機能を達成する構成部分は車両2の所有者にはアクセスできない部分に納められており、車検等の際に資格のある者だけがアクセスできる。またカメラ26やマイク28と車両制御部8を結ぶケーブル等も車両2の所有者には見えない部分に納められる。ドライブレコーダ機能を車両2に後から追加する場合であっても、その取り付けは資格のある者に限られ、ケーブル等も車両2の所有者が勝手に取り外すことができないよう設置される。さらに、誤ってこれらのケーブルが切断される等してドライブレコーダ機能が損なわれたときには、車外表示部50がこれを車両2の外部に表示し、この表示が警察に発見されたときには交通違反となる。
【0033】
一方で、車両2を始動させる毎にドライブレコーダ機能の初期チェックが行われ、正常である旨の表示を表示部16に行う。これに代えてアナウンスによりチェック結果が正常である旨を通知するようにしてもよく、また両者を併用してもよい。この目的のため、車両2にはスピーカが表示部16の一部として設けられる。従って、以下のアナウンスに関する説明の際は、表示部16を「スピーカ16」と読み替えて理解するものとする。交通事故は本来起こってはならないことであり、安全運転者にとっては実際、何年も何事も起こらない可能性が高い。この間、ドライブレコーダが働く機会は一度もないことになるが、上記のように構成することにより、日常的に機能が正常であることが確認でき、万一の場合に情報が記録されないような事態を未然に防止できる。
【0034】
給油/給電スタンド6は、給油または給電のためにスタンドに立ち寄った車両との交信を行うためのスタンド近距離通信部52を備えている。スタンド制御部54はスタンドシステム通信部56から車両2のID情報及び車両2に適用すべき最新の電子透かし処理キー情報を取得している。この最新の電子透かし処理キー情報はスタンド近距離通信部52と車両近距離通信部24の交信により車両2に伝えられ、車両制御部8経由で記憶部14に送られて旧い電子透かし処理キー情報を更新する。このような電子透かし処理キー情報の更新はドライブレコーダによる画像および音情報の改ざんやすり替えを防止するためのものであり、各車両の電子透かし処理キー情報の更新履歴はそれぞれドライブレコーダ管理センターに個別に登録されているので、万一電子透かし処理キー情報が漏洩したとしても、期限切れの電子透かし処理キーで作成したデジタル画像情報は真正の記録とは認められない。なお、この電子透かし処理キー情報の更新は信号機4から頻繁に行うよう構成してもよい。
【0035】
給油/給電部58は、給油/給電部ライン60を介して車両2の給油/給電部口62に給油/給電を行う。このとき、車両2が電気自動車またはハイブリッド車であった場合は、給油/給電部ライン60を介した電力線通信(PLC)により、電子透かし処理キー情報をスタンド制御部54から車両制御部8に伝達することができる。
【0036】
なお、上記のように本発明の第1実施例におけるドライブレコーダ情報は車両2の所有者自身が変更することができないものであるが、所有者がパスワードを入力することにより、車両制御部8のカードスロットに挿入したメモリカードにコピーして取り出しするのは自由である。従ってこのようにして取り出したデータを自身の携帯電話やパソコンで見ることは可能である。
【0037】
また、図1では、車両2が給油/給電スタンド6との近距離通信によって電子透かし処理キー情報の更新を行う場合を図示しているが、このような電子透かし処理キー情報の更新はこのような場合に限るものではない。例えば、「給油/給電スタンド6」を「道路通行料自動徴収システム(ETC)6」と読替えるとともにその内部構成52、54および56における「スタンド」を「ETC」に読替えれば、ETC6を通過する毎に電子透かし処理キー情報の更新を行う形でも本発明が実施できることが理解できる。この場合、車両2における車両近距離通信部24とETC6におけるETC近距離通信部52が電子透かし処理キー情報の交信にも兼用されることになる。
【0038】
なお、上記のETC6のように車両2との契約関係に基づいて近距離通信を行うよう構成され、個人情報管理がしっかりと行われているようなシステムの近距離通信部を兼用する場合は、さらに次のような情報交信を行うことも可能である。つまり、第一記録部32または第二記録部34に何らかのドライブレコーダ情報が記録されている場合にはこれが自動的に車両近距離通信部24からETC近距離通信部52に自動送信され、これがさらにETCシステム通信部56からETCの管理センターに転送されるよう構成することができる。但し、このような転送を自動的に行うかどうかは予め運転者の同意を得ることを条件とし、同意すれば高速道路料金を割り引く等のインセンティブをつける。これによって、運転者の同意の下にひき逃げや当て逃げの証拠がETCの管理センターに蓄積されることになるので、運転者の安全運転への自覚を高めることも可能となる。
【0039】
図2は、図1の第1実施例における車両2の車両制御部8の機能を示す基本フローチャートである。このフローは車両2が走行可能状態になることによってスタートする。具体的には、ガソリンエンジン車の場合はイグニションのオン、ハイブリッド車や電気自動車では走行準備スイッチのオンによって走行可能状態となり、フローがスタートする。なお、走行可能状態とは実際に走行している状態も含む。フローがスタートすると、まずステップS2でドライブレコーダ機能を含む車両機能を初期チェックする。この処理は、チェック結果の表示またはアナウンスによる通知を含む。
【0040】
次いでステップS4でカメラ26およびマイク28からの情報に基づき画像と音の記録が行われる。また、ステップS6では、その時点におけるGPS部20からのGPS情報、速度計46からの速度情報、方位検知部44からの進行方向情報、時計18からの時刻情報および操作部10よりの操作情報をそれぞれ取得してステップS8に至る。
【0041】
ステップS8では、車両近距離通信部24に信号機灯4からの信号灯情報が着信しているかどうかのチェックが行われる。そして車両が交差点に差しかかっていて信号灯情報の着信がある場合にはステップS10に進み、信号灯情報を取得してステップS12に移行する。なお、信号機4は車両2にとっての進行方向およびこれに直行する方向の両者についてそれぞれ信号灯38がどのような状態にあるかの情報を発信しており、ステップS10では、車両近距離通信部24により、これらの情報をすべてそのまま取得する。一方、車両が交差点に差しかかっていないか、または交差点にさしかかっていているが信号機に信号灯情報発信機能がなく、この結果信号等情報の着信がない場合には、ステップS8から直接ステップS12に移行する。
【0042】
ステップS12では、ステップS4、ステップS6およびステップS10で得られる情報を車両制御部8内の不揮発性バッファメモリにおける20秒程度分の容量にFIFOで上書き記録する。その詳細は後述する。ステップS12においてその時点で得られた情報の記録が終わるとステップS14に移行し、車両近距離通信部24による通信相手が通信可能距離範囲に存在して近距離通信が可能かどうかのチェックが行われる。なお、ステップS14では、電力線通信(PLC)により通信が可能かどうかも併せてチェックしている。この場合の通信相手とは、例えば給油/給電スタンド6またはETC6であるが、信号機4についても信号灯情報受信以外の通信が可能であれば、この場合の通信相手に該当する。
【0043】
ステップS14で近距離通信または電力線通信が可能と判断されたときはステップS16に進み、近距離通信または電力線通信による情報交信処理を行ってステップS18に移行する。この場合のステップS16での情報交信処理の内容は、具体的には電子透かし処理キー情報の更新情報の受信であるが、この他、既に述べたように第一記録部32または第二記録部34に記録されているドライブレコーダ情報の送信もステップS16での情報交信処理に該当する。これらの詳細は後述する。なお、ステップS14で近距離通信または電力線通信のいずれも可能ではないと判断されれば直接ステップS18に移行する。
【0044】
ステップS18では、操作部10による手動操作または加速度検知部30による所定以上の加速度変化検知があったかどうかのチェックが行われる。ここで、所定以上の加速度変化とは正面衝突のような同一方向での急減速、衝突による進行方向の変化等の車両走行中の加速度変化が含まれるが、車両2自身が停止中であったとしても他車両に衝突された場合の衝撃なども含まれる。
【0045】
ステップS18で手動操作または所定以上の加速度変化が検出されたときはステップS20に進み、記憶部14から車両2として最新の電子透かし処理キーを読出す。そしてステップS22で種々の電子透かしデータを電子透かし処理キーに基づいて動画の画像/音情報に埋め込む電子透かし処理を行う。そしてステップS24に進み、電子透かしが埋め込まれた画像/音情報を圧縮し、第一記録部32および第二記録部34に記録する処理を行い、ステップ26に移行する。なお、ステップS18で手動操作および所定以上の加速度変化のいずれも検出されないときは直接ステップS26に移行する。上記のステップS22およびステップS24の詳細については、それぞれ後述する。
【0046】
ステップS26では車両2が走行可能状態であるかどうかチェックし、該当すればステップS4に戻る。一方、イグニションのオフまたは走行準備スイッチのオフによって走行準備状態でなくなっているときはステップS28に進み、カメラ26で取得される画像に基づいて画像中に動体が含まれているどうかの検知を行う。そして動体が検知されれば、ステップS4に戻る。動体が検知されるということは、自分の動力はオフになっているが車両2が惰性または坂道下降によって走行している状態にあるか、または、車両2自身は停止しているが周囲を車両が走行していて車両2が道路の中にあることを意味し、車両2はまだ安全な状態にはないからである。
【0047】
一方、ステップ28で動体が検出されない場合はステップ30に進み、動体を検出しない状態が所定時間以上続いているかどうかをチェックする。そしてまだ所定時間に達していない場合はステップ4に戻る。事故直後の場合や、車両2が道路中に停止しているがたまたま周囲を車両が走行していない場合は、動体が検出されないことがあるからである。以上のようにして、ステップ26からステップ30のいずれかからステップ4に戻ったときには、ステップ4の画像/音記録からの処理が行われ、以下、ステップ30で所定時間以上動体が無検知で車両2が安全な場所に停止していると看做されるまではステップS4からステップS30が繰り返される。そして、画像/音情報ならびに所定情報の取得、およびそのFIFO記録が継続され、その間所定以上の加速度が検知される毎に電子透かしが埋め込まれた画像/音情報の圧縮データの記録が行われていく。一方、ステップS30で所定時間以上動体が無検知であることが検知されるとステップS32に進み、動画/音記録および諸情報取得を停止してフローを終了する。
【0048】
図3は、図2のステップS22における電子透かし処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS42で記憶部14から車両2のIDデータを読み出す。このIDは後述のように、電子透かしデータとして使用されるとともに、現在車両2に適用されている電子透かし処理キーのバージョンを特定するデータとしても利用される。つまり、どのバージョンの電子透かし処理キーが現在車両2に適用されているかはドライブレコーダ管理センターに個別に登録されているので、読み出した車両2のIDを付加することにより、登録された真正の電子透かし処理キーによって電子透かしが埋め込まれた画像/音情報の圧縮データであることの証とすることができる。
【0049】
次いで、ステップS44では、図2のステップS20で読み出された電子透かし処理キーが電子透かし処理部48に設定される。次にステップS46では、加速度変化検知後に車両制御部8の不揮発性バッファメモリが破壊されず無事に残っているかどうかのチェックが行われる。そして無事ならばステップS48に進み、加速度変化検知時のGPS情報および時刻情報がバッファメモリから抽出される。さらにステップS50では、加速度変化検知時の進行方向情報をバッファメモリから抽出してステップS52に進む。
【0050】
ステップS52では、バッファメモリ中に信号灯情報が存在するかどうかチェックする。信号灯情報があるということは加速度変化検知時点近辺に車両2が交差点近辺にあったことを意味するのでステップS54に進み、加速度変化検知時までの信号灯情報を抽出する。そしてステップS56では、ステップS50で抽出された進行方向情報を参照して加速度変化検知時までの進行方向の信号灯情報を選別してステップS58に移行する。一方、ステップS52でバッファメモリ中に信号灯情報が存在しないと判断されたときは直接ステップS58に移行する。
【0051】
ステップS58では、加速度変化検知時までのバッファメモリ内の全速度情報履歴が取り出され、ステップS60でこれらをもとにブレーキ操作の様子を分析してステップS62に進む。以上のようにステップS56およびステップS58の時点で取り出すバッファメモリのデータとしては加速度検知時点前20秒のデータが利用できる。これに対し、画像および音情報については、カメラ26およびマイク28の機能が無事であるかぎり加速度変化検知後もFIFO記録が継続されるので、加速度検知時点前20秒から10秒のデータは加速度検知後10秒のデータで上書きされて消失する。
【0052】
ステップS62では、加速度変化検知後にカメラ26およびマイク28の機能が破壊されず無事に残っているかどうかのチェックが行われる。そして、いずれか一方でも無事ならばステップS64に進む。カメラ26およびマイク28の機能のいずれか一方でも無事ならば加速度変化検知後でも少なくともそのいずれかから情報が送り続けられているのでバッファメモリへのFIFO記録が継続されている。そこでステップS64では加速度変化検知後に設定されている所定時間(10秒程度)の録画および録音が終了したかどうかチェックして終了を待つ。そして所定時間が経過し、録画および録音が終了するとステップS66に進む。一方、ステップS62で、カメラ26およびマイク28の機能がいずれも破壊され、もはや加速度変化検知後の情報を送りえない状態であることが検知されたときは、直ちにステップS66に移行する。この場合は画像および音情報についてもバッファメモリ内の情報は加速度変化検知前20秒のデータとなる。
【0053】
ステップS66では、ステップS42、ステップS48、ステップS56およびステップS60で得られた諸情報を埋め込むべき電子透かしデータに変換する。そして、ステップS68で、バッファメモリ内の全ての画像情報および音情報を取り出してステップS70に移行する。ステップS70では、ステップS66およびステップS68で得られた情報に基づき、ステップS44での設定に従って、電子透かしデータの画像および音情報への埋め込み処理を行ってこれが完了するとフローを終了する。なお、ステップS46においてバッファメモリが破壊されていることが検知された場合は、直ちにフローを終了する。
【0054】
図4は、図2のステップS12におけるバッファメモリFIFO記録処理による記録のタイムチャートである。時間軸は図の左から右に流れて現在に至っている。時計18からは車両制御部8の不揮発性バッファメモリに記憶される各情報にタイムスタンプとして貼り付けるための時刻情報72が刻々出力される。また、カメラ26からは画像情報74が、マイク28からは音情報76がそれぞれ刻々出力される。不揮発性バッファメモリは20秒間の記憶容量を持っており、現在を基準として示した画像/音FIFO容量78は20秒前から現在までの画像と音を連続して記憶している。また、15秒前を基準として示した画像/音FIFO容量80は35秒前から15秒前までの画像と音を連続して記憶していたことになる。
【0055】
つまり、15秒前を基準として示した画像/音FIFO容量80から出発して考えると、15秒前から現在までに順次入力される新しい画像情報74および音情報76が、35秒前から20秒前までの画像情報74および音情報76を刻々古いものから順に置き換えていく。この結果、現在を基準として示した画像/音FIFO容量78では、画像/音FIFO容量80の時点で記憶されていた35秒前から20秒前までの画像情報74および音情報76が捨てられ、15秒前から現在までの画像情報74および音情報76に置き換わっている。
【0056】
図4におけるドライプレコードは、方位検知部44からの進行方向情報82からわかるように、南に向いていた車両が時刻t4の時点で西に向きを変えたものである。この様子は、GPS情報84からより詳細にわかり、南下移動してきた車両がほぼ15秒の時点で一時停止し、再発進して回転した後、西行移動となっている。これは、後述するように、信号で一時停車して右折待ちをした後、発信して右折したことに対応する。なお、図4では簡単のためGPS情報84を概略で示したが、実際には緯度、軽度、高度等の数値で車両の位置情報が示される。上記の車両状況を速度計46からの速度情報86で見ると、定速走行していた車両が一時減速して再加速し、その後減速して停止して再発進して加速している。なお、図4では簡単のため速度情報86を概略で示したが、実際には時速等の数値で情報が示される。以上の進行方向情報82、GPS情報84および速度情報86は、それぞれ連続して刻々不揮発バッファメモリに入力され、画像情報74および音情報76と同様にして時刻情報が貼り付けられてFIFOで最新の20秒間の情報に順次置き換わっていく。
【0057】
画像情報74は、車両制御部8で刻々画像処理され、カメラ26で撮像される進行方向画像から信号灯画像が抽出されないかどうかチェックする。このチェックは信号灯の光強度が画像の中で一際強いことを手がかりの一つとして行われる。図4の信号画像抽出情報88では、進行方向に信号灯があることを示す画像信号画像抽出信号Dが得られている。このようにして信号画像が抽出されると車両近距離通信部24において信号灯からの電波を受信するための感度が上げられる。
【0058】
一方、GPS情報84は、地図情報の中に信号灯の位置情報を持っており、その地図内の車両位置もわかるので、両者の情報より車両の進行方向の所定範囲内にある信号位置を抽出する。図4の信号位置抽出情報90では信号位置抽出信号S1およびS2がそれぞれ対応する時間帯において得られている。このようにしてGPS情報84において信号位置が抽出された場合においても、車両近距離通信部24において信号灯からの電波を受信するための感度が上げられる。
【0059】
図4の92、94、96および98は、車両近距離通信部24が受信できた信号灯情報であり、それぞれ東行車両用、西行車両用、南行車両用および北行車両用の信号がどの色で点灯しているかを示している。例えば、時刻t1とt2の間の時間帯で受信できた信号灯情報において、東西方向は赤、南北方向は青である。車両は南下移動しているので進行方向は青であり、この信号は定速で通過している。なお、この信号の存在はGPS情報84から抽出した信号位置抽出信号S1によって予め検知されており、信号灯情報受信前に、受信感度が上げられている。なお、この領域においては画像情報からは信号画像が抽出されていない。
【0060】
一方、時刻t3とt5の間の時間帯で受信できた信号灯情報では、t3時点で東西方向は赤、南北方向は青である。しかし、車両はこの信号のある交差点を右折するため、減速して停止し、時差信号制御によって北行信号98が黄から赤に変わった結果、対向車線の流れが止まったのを見て南行信号が青の状態で右折している。なお、この信号灯の存在はGPS情報84から抽出した信号位置抽出信号S2によって予め検知されており、さらに画像情報88から抽出した信号画像抽出信号Dによっても信号灯の存在が予め検知されており、この場合は信号画像抽出信号Dの方が早いので、これによって信号灯情報受信前に、受信感度が上げられている。
【0061】
ウインカ操作情報100における右折信号およびブレーキ操作情報102におけるブレーキ信号B1およびB2は、それぞれ車両を右折させるに際して行われた操作履歴を示す。このように、図4の履歴では、車両がt1からt2の時間帯において正規に交差点を通過し、t3からt5の時間帯において正規に右折を行ったことがわかる。なお、信号灯情報は東西南北すべて受信されるのでこれだけでは正規な通行かどうかがわからないが、進行方向情報82との組合せによりその判断が可能となる。
【0062】
以上の信号画像抽出情報88、信号位置抽出情報90、信号灯情報92、94、96および98、ウインカ操作情報100、およびブレーキ捜査情報102は、ある状況が生じたときのみ存在する情報であり、連続して刻々発生するものではない。従ってこれらの情報は、同種の情報がユニットとして発生した時点で一番古いユニットのものが消去されるごとくFIFOで発生した不揮発バッファメモリに記録される。なお、これらの情報にも時刻情報が貼り付けられる。具体的に言うと、例えば、不揮発バッファメモリに記憶されたt1からt2の一つのユニットの信号灯情報は、例えばt3からt5の一つのユニットの信号灯情報が発生したとき、ユニット単位でまとめて新しいものに置き換わっていく。これによって、これらの情報のための記憶領域に意味のない情報が記憶されることを防止する。
【0063】
図5は、図2のステップS12におけるバッファメモリFIFO記録処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートするとステップS82で各情報への時刻情報貼付けの準備が行われる。そしてステップS84、S86、S88およびS90において、それぞれ連続的に発生する情報である画像/音情報、速度情報、進行方向情報およびGPS情報がリアルタイムのFIFOで不揮発バッファメモリに記憶される。
【0064】
次いで、ステップS92では最新のGPS情報の分析が行われ、車両位置の進行方向所定距離以内に信号灯位置が抽出されるかどうかチェックする。GPS信号位置が抽出されなければステップS96に進み、最新の画像情報の分析が行われ、車両位置の進行方向に信号灯の画像が抽出されるかどうかチェックする。そして信号灯画像が抽出されるとステップS100に移行する。また、ステップS94でGPS信号位置が検出されたときは直接ステップS100に移行する。ステップS100では車両近距離通信部24が信号灯情報を受信中かどうかチェックし、受信中でなければステップS102に進んで近距離通信部の受信感度をアップさせ、ステップS104に移行する。なお、ステップS98で信号灯画像抽出がなければ、ステップS94およびステップS98のいずれでも信号灯の予備検出ができなかったことを意味するので、感度アップをせずにステップS104に移行する。またステップS100で信号灯情報を受信中のときは、既に感度アップが行われた結果であるかまたは感度アップをするまでもなく信号灯情報が受信できていることを意味するので、この場合も感度アップをせずにステップS104に移行する。
【0065】
ステップS104では、信号灯情報が受信されるかどうかチェックし、受信されていればステップS106に進み、受信した信号灯情報をユニット単位のFIFOで不揮発バッファメモリに記憶し、ステップS108に移行する。なお、ステップS104で信号灯情報が得られなかった時は直接ステップS108に移行する。
【0066】
ステップS108では、ウインカ操作やブレーキ操作などの操作情報が検出されるかどうかチェックし、検出があればステップS110に進み、検出した操作情報毎にそれぞれユニット単位のFIFOで不揮発バッファメモリに記憶してフローを終了する。なお、ステップS108で操作情報が得られなかった時は直ちにフローを終了する。
【0067】
図6は、図2のステップS24における圧縮記録処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートするとステップS122で、車両制御部の不揮発バッファメモリが破壊されずに無事かどうかのチェックが行われる。そして無事であればステップS124に進み、第一記録部32が破壊されずに無事かどうかのチェックが行われる。そして無事であればステップS126に進み、第一記録部32への情報転送を許可状態としてステップS128に移行する。一方、ステップS124で第一記録部32が無事でなかったときはステップS130に進み、異常状態にあることを報知する信号を出力してステップS128へ移行する。このとき当然ながら第一記録部への情報転送は許可されない。
【0068】
ステップS128では、第二記録部34が破壊されずに無事かどうかのチェックが行われる。そして無事であればステップS132に進み、第二記録部34への情報転送を許可状態としてステップS134に移行する。一方、ステップS128で第一記録部32が無事でなかったときはステップS136に進み、異常状態にあることを報知する信号を出力してステップS134へ移行する。このとき当然ながら第二記録部34への情報転送は許可されない。
【0069】
ステップS134では、上記の経過を経て、第一記録部32および第二記録部34の少なくとも一方への転送が許可状態となっているかどうかチェックする。そして許可状態が確認できればステップS136に進んで、電子透かし処理済みのデータを圧縮処理する。次いで、ステップS138で第一記録部32への転送が許可されているかどうかチェックし、許可されていればステップS140に進む。ステップS140では、ステップS136で圧縮処理されたデータをデータ単位のFIFOで第一記録部32に記録し、ステップS142に移行する。なお、ステップS138で第一記録部32への転送許可が検出できない時は直接ステップS142に移行する。
【0070】
ステップS142では、第二記録部34への転送が許可されているかどうかチェックし、許可されていればステップS144に進む。ステップS144では、ステップS136で圧縮処理されたデータをデータ単位のFIFOで第二記録部34に記録し、フローを終了する。なお、ステップS142で第二記録部34への転送許可が検出できない時は直ちにフローを終了する。また、ステップS122で不揮発バッファメモリが破壊されて無事でないときは、以後の機能は無意味なので、直ちにフローを終了する。さらに、ステップS134で第一記録部32および第二記録部34のいずれも転送許可状態でないことが検出されたときも、データ圧縮処理以後の処理は無意味なので直ちにフローを終了する。
【0071】
図7は、図2のステップS2における初期機能チェック処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS152で通常車両機能のチェックを行う。次いでステップS154に進み、ドライブレコーダ関連部をつなぐ情報ラインが断線していないかどうかチェックする。そして断線がなければステップS156以下のドライブレコーダ関連各部の種々のチェックに入る。すなわち、ステップS156のGPS部チェック、ステップS158の近距離通信部チェック、ステップS160の操作部チェック、ステップS162の速度計チェック、ステップS164の方位検知部チェック、ステップS166の加速度検知部チェック、ステップS168のカメラおよびマイクのチェックなどの情報取得部分のチェックが順次行われる。
【0072】
さらに、ステップS170では不揮発バッファメモリのチェックを行って、上記種々の情報取得部分からの情報を正しくFIFOで蓄積できるかどうか確認する。さらに、ステップS172では車外表示部172をチェックし車両外部との連携が取れるかどうか確認する。また、ステップS174の電子透かし処理部チェック、ステップS176の第一記憶部チェックおよびステップS178の第二記憶部チェック近距離通信部チェックを行って、事故発生時等の動作を確認し、ステップS180に移行する。
【0073】
ステップS180では、以上のチェックの結果が全て正常であるかどうかチェックし、正常ならばステップS182に進んで正常である旨のアナウンスおよび表示を行ってフローを終了する。これによって、日常的に機能が正常であることが確認でき、万一の場合にドライブレコーダが機能しないような事態を未然に防止できる。一方、ステップS180で何らかの異常が発見された時はステップS184に進み、該当する異常状況をアナウンスするとともにその表示を行い、フローを終了する。なお、ステップS154で断線が発見されたときは以後のチェックが正しく行われる保証がないので直ちにステップS184に移行し、断線のアナウンスと表示を行ってフローを終了する。
【0074】
図8は、図2のステップS16における情報交信処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、まずステップS192において、車両2と給油/給電スタンド6またはETC6との間で車両IDの認証を行い、OKであることを確認してステップS194に進む。ステップS194では、記憶部14に保持されている電子透かし処理キーのバージョンチェックを行いステップS196で更新の必要な新規の電子透かしキーが給油/給電スタンド6またはETC6側にあるかどうかチェックする。
【0075】
ステップS196で更新すべき新規の電子透かしキーがあることが確認されるとステップS198に進み、その新電子透かし処理キーを給油/給電スタンド6またはETC6から受信する。次いでステップS200で、記憶部14の電子透かし処理キーを受信した新電子透かし処理キーに更新する。そしてステップS202で電子透かし処理キー更新済の報告を給油/給電スタンド6またはETC6に送信してステップS204に移行する。一方ステップS196で更新すべき新規の電子透かしキーがあることが確認されない場合は、直接ステップS204に移行する。
【0076】
ステップ204では、第一記録部32または第二記録部34のドライブレコーダ情報を送信して蓄積管理してもらうための情報保管契約をETCの管理センター等を締結しているかどうかチェックする。そして、ステップS204においてこのような契約情報が記憶部14に記憶されていることが確認されるとステップS206に進み、未送信の圧縮データが第一記録部32または第二記録部34にあるかどうかチェックする。そして該当するデータがあればステップS208に進み、これをETC6等に送信してフローを終了する。なおステップS204で情報保管契約が確認できない場合、またはステップS206で未送信の圧縮データがない場合は直ちにフローを終了する。さらに、ステップS192において車両IDの認証ができない場合も直ちにフローを終了する。
【0077】
図9は、本発明の実施の形態に係るドライブレコーダシステムの第2実施例における車両制御部8の機能を示す基本フローチャートである。第2実施例は基本的には図1の第1実施例と共通の構成であるが、第1実施例における第一記録部32がデジタル圧縮動画情報10件分の容量であるのに対し、第2実施例における第一記録部32の記録容量は、デジタル圧縮動画情報10件分のFIFO容量に加え、信号灯情報を含むデジタル圧縮動画情報1000件分の累積記録容量を持っている。第二記録部34については、第2実施例でもデジタル圧縮動画情報10件分のFIFO容量のみでよいが、これをより容量の大きいもので構成することは任意である。
【0078】
図9のフローは基本的には図2のフローと共通であり、同一のステップには同一ステップ番号を付して説明を省略する。図9のフローが図2のフローと異なる部分は太字で示したステップであり、これらを概説すると、図2では、ステップS18で手動操作または所定以上の加速度が検出されてからステップS22の電子透かし処理およびステップS24の圧縮記録処理に入っているのに対し、図9では、得られた情報をステップS210でバッファに入力した後、直ちにステップS212の電子透かし処理キー読出し以下の処理に入り、常時第一記録部32および第二記録部34に圧縮データを転送する。これによって複数の記録部によって不揮発バッファメモリの情報が常時バックアップされることになり、事故等の際に、車両制御部8の不揮発バッファメモリ、第一記録部32および第二記録部34のいずれかが破壊を免れて残る確立が高まる。また、信号灯情報を含むデジタル圧縮動画情報が累積記録されるので、車両2の交差点通過履歴が1000件分残される。この交差点通過履歴の処理については後述する。
【0079】
以下、図9において図2と異なるステップを具体的に説明する。上記のようにステップS210ではバッファメモリに得られた情報を入力するが、図2のステップS12が20秒間の容量を持つ不揮発性メモリへのFIFO記録処理であったのに対し、ステップS210は後の処理のために得られたデータを一旦バッファメモリに入力する処理となっている。なお、ステップS210においてはさらに図5のステップS94からステップS102におけるような信号灯受信のための近距離通信部感度調節が行われる。次いで、ステップS212で電子透かし処理キーを読出し、ステップS214ではこの処理キーに基づいて種々の電子透かしデータを動画の画像/音情報に埋め込む電子透かし処理を行う。さらにステップS216に進み、電子透かしが埋め込まれた画像/音情報を圧縮し、第一記録部32および第二記録部34に記録する処理を行い、ステップ218に移行する。
【0080】
ステップS218では、車両近距離通信部24による通信相手が通信可能距離範囲に存在して近距離通信が可能かどうかのチェックが行われる。なお、ステップS218でも、電力線通信(PLC)により通信が可能かどうか併せてチェックしている。この場合の通信相手とは、例えば給油/給電スタンド6またはETC6であるが、信号機4についても信号灯情報受信以外の通信が可能であれば、この場合の通信相手に該当する。
【0081】
ステップS218で近距離通信または電力線通信が可能と判断されたときはステップS220に進み、近距離通信または電力線通信による情報交信処理を行ってステップS222に移行する。この場合のステップS220での情報交信処理の内容は、電子透かし処理キー情報の更新情報の受信および第一記録部32に記録されているドライブレコーダ情報の送信である。これらの詳細は後述する。なお、ステップS218で近距離通信または電力線通信のいずれも可能ではないと判断されれば直接ステップS222に移行する。
【0082】
ステップS222では、加速度検知部30による所定以上の加速度変化検知があったかどうかのチェックが行われる。ここで、所定以上の加速度変化とは、図2のステップS18と同様、正面衝突のような同一方向での急減速、衝突による進行方向の変化等の車両走行中の加速度変化、および車両2自身が停止中の際の他車両の衝突衝撃などが含まれる。ステップS222で所定以上の加速度変化が検出されないときはステップS26に進む。ステップS26以下については図2と同様であるので説明は省略する。一方、ステップS222で所定以上の加速度変化が検出されたときはステップS224に移行し、第一記録部32および第二記録部34の更新を停止してフローを終了する。
【0083】
図10は、図9のステップS216における圧縮記録処理の詳細を示すフローチャートである。図10のフローは太字で示したステップを除き、基本的には図6のフローと共通である。従って同一のステップには同一ステップ番号を付して説明を省略する。図10のフローでは、ステップS138で第一記録部32への転送が許可状態になっていることが検出されてステップS140でデータ単位のFIFO記録を行った後ステップS232で、記録したデータに信号灯情報が含まれているかどうかチェックする。
【0084】
ステップS138においてデータに信号灯情報が含まれていることが検出されたときは、ステップS234に進み、第一記録部32における1000件分の累積記録容量部分にこの信号灯情報を含むデジタル圧縮動画データを累積記録し、ステップS142に進む。このように、信号灯情報を含むデジタル圧縮動画データについてはそのデータの記録後10件以上の新しいデータが到来してもFIFOで破棄されず、1000件の容量が満杯にならないかぎり、累積記録して保存される。なお、ステップS138において第一記録部への転送が許可状態になっていることの検出ができないときは直接ステップS142に至る。ステップS142以下の動作は図6と共通なので説明を省略する。
【0085】
図11は、図9のステップS220における情報交換処理の詳細を示すフローチャートである。図11のフローは太字で示したステップを除き、基本的には図8のフローと共通である。従って同一のステップには同一ステップ番号を付して説明を省略する。図11のフローでは、ステップS208で未送信圧縮データの送信を行った後ステップS242に進み、送信データステップS208で送信したデータが信号長情報を含むデータであったかどうかチェックする。そして該当すればステップS244に進み、送信済みデータを第一記録部32における1000件分の累積記録容量部分から消去してステップS246に移行する。第一記録部32の累積記録部分はFIFOによる古いデータの破棄は行わないので、このようにして送信済後においてデータを消去し、容量を空ける。一方ステップS242において信号灯情報を含むデータの送信が検出されなければ直接ステップS246に進む。また、図11では、ステップS206で未送信圧縮データがない場合でもフローを終了せずステップS246に進む。
【0086】
ステップS208において車両2から送信される交差点通過履歴データは、ETC近距離通信部52に自動送信され、これがさらにETCシステム通信部56からETCの管理センターに転送される。ETCの管理センターでは、契約者の長年の交差点通過データを分析し、所定期間内における所定レベル以上の順法通過実績が確認できるとその期間についての「優良運転者証明」を発行する。ステップS246ではこのような「優良運転者証明」がETCの管理センターに準備されているかどうかチェックし、該当すればステップS248に進んで「優良運転者証明」を受信してフローを終了する。この「優良運転者証明」は車両2の記憶部14に保存され、交差点での取り締まりにおける軽微な違反行為の情状酌量要素となる。従って、常々交差点の順法通行の実績を重ねていくことへのインセンティブが高まり、交通事故を未然に防止する効果が期待できる。一方、ステップS246で、まだ実績がなく「優良運転者証明」が発行される状況に至っていないことが確認されると、直ちにフローを終了する。
【0087】
図12は、図9のステップS214における電子透かし処理の詳細を示すフローチャートである。このフローは、基本的には図3のフローと同様のものであるが、処理の対象がFIFO記録されている20秒間の走行データではなく、処理の最小単位としてバッファに入力されている走行データである。フローがスタートすると、ステップS252で記憶部14から車両2のIDデータを読み出す。
【0088】
次いで、ステップS254では、図9のステップS212で読み出された電子透かし処理キーが電子透かし処理部48に設定される。次にステップS256では、車両制御部8の不揮発性バッファメモリが無事かどうかのチェックが行われる。事故などによってバッファメモリが破壊されていれば以後の処理は意味がないからである。ステップS256でバッファメモリが無事であることが確認されるとステップS258に進み、バッファメモリ内のGPS情報および時刻情報が読み出される。さらにステップS260では、バッファメモリ内の進行方向情報を読み出してステップS262に進む。
【0089】
ステップS262では、バッファメモリ中に信号灯情報が存在するかどうかチェックする。信号灯情報があるということは処理対象データ取得時に車両2が交差点近辺にあったことを意味するのでステップS264に進み、バッファメモリ内の信号灯情報を抽出する。そしてステップS266では、ステップS260で読み出された各時刻の進行方向情報を参照して各時刻における進行方向の信号灯情報を選別してステップS268に移行する。一方、ステップS262でバッファメモリ中に信号灯情報が存在しないと判断されたときは直接ステップS268に移行する。
【0090】
ステップS268では、バッファメモリ内の速度情報が読み出されるとともに、ステップS270ではブレーキ操作情報等の操作情報を読み出す。次いでステップS272では、ステップS252、ステップS258、ステップS260、ステップS266、ステップS268およびステップS270で得られた諸情報にステップS258で得られた時刻情報を付加して埋め込むべき電子透かしデータに変換する。そして、ステップS274で、バッファメモリ内の画像情報および音情報を読み出して取り出してステップS276に移行する。ステップS276では、ステップS272およびステップS274で得られた情報に基づき、ステップS254での設定に従って、画像および音情報への電子透かしデータ埋め込み処理を行ってこれが完了するとフローを終了する。なお、ステップS256においてバッファメモリが無事であることが検知されない場合は、直ちにフローを終了する。
【0091】
なお、上記第1実施例と第2実施例は、ハード的には第一記録部32の記録容量が異なっているだけなので、必ずしも両者を別々の車両として構成する必要はない。たとえば第一記録部32の記録容量が大きい第2実施例をベースにして第1実施例の機能も可能なよう構成し、第1実施例の機能を「イベント記録モード」、第2実施例における機能を「連続記録モード」として一台の車両において両モードを任意に選択可能とすることも可能である。
【0092】
本発明の種々の特長の実施は、上記のような実施例に限るものではない。例えば図3のステップSステップS56又はステップ図12のステップS266では、車両の進行方向情報に基づき、各方向の信号灯情報の中から進行方向の信号灯情報を選別している。しかしながらこれに換えて、例えば図5のバッファメモリFIFO記録処理の段階において、ステップS104において信号灯情報されたことが検出された段階でステップS88で記録されている進行方向情報に基づいて進行方向の信号灯情報の選別を済ませ、ステップS106では、選別された進行方向の信号灯情報をユニット単位でFIFO記録するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明に係るドライブレコーダシステムの第1実施例を示すブロック図である。
【図2】図1の第1実施例における車両制御部の機能を示す基本フローチャートである。
【図3】図2のステップS22の詳細を示すフローチャートである。
【図4】図2のステップS12のFIFO記録処理による記録のタイムチャートである
【図5】図2のステップS12の詳細を示すフローチャートである。
【図6】図2のステップS24の詳細を示すフローチャートである。
【図7】図2のステップS2の詳細を示すフローチャートである。
【図8】図2のステップS16の詳細を示すフローチャートである。
【図9】本発明に係るドライブレコーダシステムの第2実施例における車両制御部の機能を示す基本フローチャートである。
【図10】図9のステップS216の詳細を示すフローチャートである。
【図11】図9のステップS220の詳細を示すフローチャートである。
【図12】図9のステップS214における電子透かし処理の詳細を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0094】
10、18、20、24、26、28、44、46 走行情報取得部
32、34 記録部
10 切換え部
8 チェック部
16、50 報知部
12 動力源
16 アナウンス手段
16 表示手段
26 カメラ部
28 マイク部
8 制御部
24、62 通信部
8、26 検知部
8 圧縮部
4、6 車両外部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行情報取得部と、前記走行情報取得部が取得する走行情報を記録する記録部と、車両を走行可能状態と走行不能状態との間で切換える切換え部と、前記切換え部が車両を走行可能状態とする毎に前記記録部による走行情報の記録が可能かどうかをチェックするチェック部と、前記チェック部のチェック結果を報知する報知部とを有することを特徴とする車両の走行情報記録装置。
【請求項2】
車両を走行させる動力源を有し、前記切換え部は前記動力源を能動状態とするかどうかを切換えることを特徴とする請求項1記載の車両の走行情報記録装置。
【請求項3】
前記チェック部は前記走行情報取得部の機能をチェックすることを特徴とする請求項1または2記載の車両の走行情報記録装置。
【請求項4】
前記チェック部は前記記録部の機能をチェックすることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車両の走行情報記録装置。
【請求項5】
前記チェック部は前記記録部による走行情報の記録を可能とするための電気的接続関係をチェックすることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の車両の走行情報記録装置。
【請求項6】
前記報知部はアナウンス手段を有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の車両の走行情報記録装置。
【請求項7】
前記報知部は表示手段を有することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の車両の走行情報記録装置。
【請求項8】
前記取得部は、車両外部の画像情報を取得するカメラ部を有することを特長とする請求項1から7のいずれかに記載の車両の走行情報記録装置。
【請求項9】
前記取得部は、車両外部の音情報を取得するマイク部を有することを特長とする請求項1から8のいずれかに記載の車両の走行情報記録装置。
【請求項10】
前記切換え部が車両を走行不能状態としても、前記取得部および前記記録部の機能を維持する制御部を有することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の車両の走行情報記録装置。
【請求項11】
前記記録部は車両の異なる位置に複数設けられるとともに、前記取得部が取得した同じ情報を前記複数の記録部に記録することを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の車両の走行情報記録装置。
【請求項12】
前記記録部の情報を車両外部に送信するとともに、送信情報に基づく統計情報を車両外部から受信する通信部を有することを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の車両の走行情報記録装置。
【請求項13】
車両の走行情報取得部と、前記走行情報取得部が取得する走行情報を記録する記録部と、車両を自力走行可能状態とするか自力走行不能状態とするかを切換える切換え部と、前記切換え部が車両を自力走行不能としても前記取得部および前記記録部の機能を維持する制御部とを有することを特徴とする車両の走行情報記録装置。
【請求項14】
車両と外部の相対移動を検知する検知部を有し、前記制御部は前記検知部の検知結果に基づき前記取得部および前期記録部の機能の維持を制御することを特徴とする請求項13記載の車両の走行情報記録装置。
【請求項15】
前記制御部は、前記検知部により車両と外部の相対移動が所定時間検知されない時に前記取得部および前記記録部の機能の維持を終了することを特徴とする請求項14記載の車両の走行情報記録装置。
【請求項16】
計時手段を有し、前記制御部は、前記計時手段に基づいて前記取得部および前期記録部の機能の維持を制御することを特徴とする請求項13から15のいずれかに記載の車両の走行情報記録装置。
【請求項17】
車両の走行情報取得部と、車両の異なる位置に複数設けられるとともに前記取得部が取得した同じ走行情報を記録する複数の記録部を有することを特徴とする車両の走行情報記録装置。
【請求項18】
前記取得部が取得した走行情報を圧縮する圧縮部を有し、前記複数の記録部は前記圧縮部が圧縮する同じ走行情報をそれぞれ記録することを特徴とする請求項17記載の車両の走行情報記録装置。
【請求項19】
前記複数の記録部は同じ記録容量を有することを特徴とする請求項17または18記載の車両の走行情報記録装置。
【請求項20】
前記複数の記録部は互いに異なる記録容量を有することを特徴とする請求項17または18記載の車両の走行情報記録装置。
【請求項21】
走行情報を車両外部に送信する通信部を有し、前記通信部は複数の記録部のうち記録容量の大きい方の記録部が記録する走行情報を車両外部に送信することを特徴とする請求項20記載の車両の走行情報記録装置。
【請求項22】
車両の走行情報取得部と、前記走行情報取得部が取得する走行情報を記録する記録部と、前記記録部の情報を車両外部に送信するとともに送信情報に基づく統計情報を車両外部から受信する通信部とを有することを特徴とする車両の走行情報記録装置。
【請求項23】
前記統計情報は所定期間における車両の走行状況の証明情報であることを特徴とする請求項22記載の車両の走行情報記録装置。
【請求項24】
前記通信部は車両外部による認証に基づき前記記録部の情報を車両外部に送信することを特徴とする請求項22または23記載の車両の走行情報記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−102601(P2010−102601A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−275073(P2008−275073)
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】