説明

車両周辺監視装置、車両周辺監視方法、車両周辺監視プログラム

【課題】車載の赤外線撮像装置を通じて得られた画像において、歩行者等の対象物とその背景にある建造物等とを識別し、当該対象物の存在を高精度で検知することができる装置等を提供する。
【解決手段】赤外線カメラ102により撮像された赤外線画像を、異なる輝度範囲を対象とするA/D変換結果としての第1および第2グレースケール画像が生成される。温度センサ108の出力に基づく測定外気温度Tに基づき、第1および該第2グレースケール画像のうち1つが選択される。さらに、選択グレースケール画像が2値化処理することにより2値化画像が生成され、当該2値化画像から対象物が抽出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されている赤外線撮像装置を通じて得られた画像を用いて車両の周辺を監視する装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
車載の赤外線カメラにより撮像された車両周辺の画像に基づき、当該車両と接触する可能性がある歩行者等、対象物の存在を設定するための技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−6096号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、赤外線画像がA/D変換されることにより得られるグレースケール画像において歩行者の輝度と、歩行者の背景にある建造物の輝度とが近接または重複するため、当該歩行者の存在を認識することが困難となる場合がある。
【0004】
そこで、本発明は、車載の赤外線撮像装置を通じて得られた画像において、歩行者等の対象物とその背景にある建造物等とを識別し、当該対象物の存在を高精度で検知することができる装置等を提供することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための第1発明の車両周辺監視装置は、車両に搭載されている赤外線撮像装置を通じて得られた画像を用いて車両の周辺を監視する装置であって、前記赤外線撮像装置により撮像された赤外線画像を、第1輝度範囲を対象としてA/D変換することにより第1グレースケール画像を生成し、前記赤外線撮像装置により撮像された赤外線画像を、該第1輝度範囲の一部である第2輝度範囲を対象としてA/D変換することにより第2グレースケール画像を生成し、かつ、前記車両に搭載されている温度測定装置による測定温度に基づき、該第1および該第2グレースケール画像のうち1つを選択する第1処理部と、該第1処理部により選択されたグレースケール画像を2値化処理することにより2値化画像を生成し、該2値化画像から対象物を抽出する第2処理部とを備えていることを特徴とする。
【0006】
第1発明の車両周辺監視装置によれば、外気温度または車外温度の高低に応じて人間等の対象物および建造物等のその他の物体のそれぞれの表面温度および輝度が変動するという事情に鑑みて、適当なグレースケール画像が選択されうる。したがって、当該選択グレースケール画像が2値化処理されることにより、外気温度の高低の影響を軽減または排除しながら対象物およびこれ以外の物体を識別する観点から適当な2値化画像が選択される。これにより、当該2値化画像から対象物が高精度で抽出されうる。
【0007】
また、第2発明の車両周辺監視装置は、第1発明の車両周辺監視装置において、前記第1処理部が、前記輝度範囲の下限値よりも高く設定されている前記第2輝度範囲を対象としてA/D変換することにより前記第2グレースケール画像を生成し、前記温度測定装置による測定温度が所定温度以上であることを要件として該第2グレースケール画像を選択することを特徴とする。
【0008】
第2発明の車両周辺監視装置によれば、外気温度に鑑みて対象物およびその他の物体のそれぞれの輝度範囲が重なって両者の識別が困難となるような状況において、対象輝度範囲の下限値が高いA/D変換処理結果としての第2グレースケール画像が選択される。したがって、この状況において第2グレースケール画像が2値化処理されることにより、外気温度の高低の影響を軽減または排除しながら対象物およびこれ以外の物体を識別する観点から適当な2値化画像が生成される。これにより、当該2値化画像から対象物が高精度で抽出されうる。
【0009】
さらに、第3発明の車両周辺監視装置は、第1発明の車両周辺監視装置において、前記第1処理部が、前記温度測定装置による測定温度が高くなるほど、前記第2輝度範囲の下限値を連続的または断続的に高くなるように設定することを特徴とする。
【0010】
第3発明の車両周辺監視装置によれば、外気温度の高低に鑑みて適当な第2輝度範囲が可変的に設定されうる。これにより、温度の影響を軽減または排除しながら対象物およびこれ以外の物体を識別する観点から適当なA/D変換結果としてのグレースケール画像が得られる。そして、グレースケール画像が2値化されることにより、当該2値化画像における対象物の認識精度の向上を図ることができる。
【0011】
また、第4発明の車両周辺監視装置は、第1発明の車両周辺監視装置において、前記第1処理部が前記車両に搭載されている画像表示装置に前記第1グレースケール画像を定常的に表示させることを特徴とする。
【0012】
第4発明の車両周辺監視装置によれば、第1グレースケール画像が車載の画像表示装置に定常的に表示される。すなわち、第1および第2スケール画像が切り替え表示されない。また、第2輝度範囲の変更にともなって変動する第2グレースケール画像は表示されない。このため、画像表示装置が視野にある運転手等の車両の乗員に、当該画像切り替え等によって違和感を覚えさせる事態が回避されうる。
【0013】
さらに、第5発明の車両周辺監視装置は、第1発明の車両周辺監視装置において、前記車両と前記対象物抽出処理部により抽出された前記対象物との接触可能性の高低を判定する接触可能性判定処理部と、該接触可能性判定処理部により該接触可能性が高いと判定されたことを要件として、該対象物の存在を強調する画像を前記車両に搭載されている画像表示装置に表示させる第2画像表示処理部とを備えていることを特徴とする。
【0014】
第5発明の車両周辺監視装置によれば、前記のように外気温度が考慮されて対象物が高精度で抽出されるので、車両と対象物との接触可能性の高低が高精度で判定され、当該判定結果に基づいて対象物の存在が適宜強調される。これにより、対象物の存在を乗員に確実に認識させ、車両の減速や進行方向調節等、車両と対象物との接触回避のために必要な処置を運転手にとらせることができる。
【0015】
前記課題を解決するための第6発明は、車両に搭載されている赤外線撮像装置を通じて得られた画像を用いて車両の周辺を監視する方法であって、第1発明の車両周辺監視装置と同様の処理を実行することを特徴とする。
【0016】
第6発明の方法によれば、外気温度の高低の影響を軽減または排除しながら対象物およびこれ以外の物体を識別する観点から適当な2値化画像が選択される。これにより、当該2値化画像から対象物が高精度で抽出されうる。
【0017】
前記課題を解決するための第7発明のプログラムは、車両に搭載されているコンピュータを、該車両に搭載されている赤外線撮像装置を通じて得られた画像を用いて車両の周辺を監視する、第1発明の車両周辺監視装置として機能させることを特徴とする。
【0018】
第7発明のプログラムによれば、外気温度の高低の影響を軽減または排除しながら対象物およびこれ以外の物体を識別する観点から適当な2値化画像が選択されるように車載コンピュータを機能させることができる。これにより、当該2値化画像から対象物が高精度で抽出されうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の車両周辺監視装置等の実施形態について図面を用いて説明する。
【0020】
図1に示されている車両1には、車両周辺監視装置10と、車両1の前方部において車幅方向中央部にほぼ対称に配置された一対の赤外線カメラ(撮像装置)102と、フロントウィンドウにおいて運転者の視界を妨げないように配置されたHUD110とが搭載されている。また、図2に示されているように車両1には、ヨーレートセンサ104、速度センサ106、温度センサ108等の種々のセンサが搭載されている。
【0021】
車両周辺監視装置10は車載の赤外線カメラ102により得られた画像に基づいて車両の周辺を監視する装置である。車両周辺監視装置10は、車両1に搭載されたハードウェアとしてのECUまたはコンピュータ(CPU,ROM,RAM,I/O等により構成されている。)と、メモリに格納され、当該コンピュータに諸機能を付与するソフトウェアとしての本発明の車両周辺監視プログラムとにより構成されている。なお、車両周辺監視プログラムは最初から車載コンピュータのメモリ(ROM)に格納されていてもよい。図示しないが、車載コンピュータからのリクエストがあったとき等の任意のタイミングでこのプログラムの一部または全部がサーバからネットワークや衛星を介して当該車載コンピュータに配信または放送され、そのメモリ(RAM)等に格納されてもよい。車両周辺監視装置10は一のECUにより構成されていてもよいが、分散制御システムを構成する複数のECUにより構成されていてもよい。
【0022】
車両周辺監視装置10は図2に示されているように、第1処理部11と、第2処理部12と、第3処理部13とを備えている。
【0023】
第1処理部11は赤外線カメラ102により撮像された赤外線画像を、第1輝度範囲を対象としてA/D変換することにより第1グレースケール画像を生成する。また、第1処理部11は赤外線カメラ102により撮像された赤外線画像を、第1輝度範囲の一部である第2輝度範囲を対象としてA/D変換することにより第2グレースケール画像を生成する。さらに、第1処理部11は温度センサ108の出力による測定温度に基づき、当該第1および該第2グレースケール画像のうち1つを選択する。また、第1処理部11はHUD110に第1グレースケール画像を定常的に表示させる。
【0024】
第2処理部12は第1処理部11により選択されたグレースケール画像を2値化処理することにより2値化画像を生成する。また、第2処理部12は当該2値化画像から対象物を抽出する。
【0025】
第3処理部13は車両1と第2処理部12により抽出された対象物との接触可能性の高低を判定する。また、第3処理部13は当該接触可能性が高いと判定されたことを要件として、当該対象物の存在を強調する画像をHUD110に表示させる。
【0026】
前記構成の車両1および車両周辺監視装置10の機能について説明する。
【0027】
一対の赤外線カメラ102により撮像された、図5に示されているような部分を含む赤外線画像が第1処理部11に入力される(図3/S002)。図5において破線は歩行者の輪郭を表している。これに応じて、第1処理部11が赤外線画像を、当該画像を構成する1ライン(横方向の画素ライン)ごとに図4(a)に示されているような第1輝度範囲(=輝度信号の電圧範囲により特定される。)を対象としてA/D変換することにより第1グレースケール画像を生成する(図3/S004)。第1グレースケール画像はHUD110に定常的に表示される。また、第1処理部11が赤外線画像を、当該画像を構成する1ラインごとに図4(b)に示されているように第1輝度範囲よりも下限値(基底レベル)が高い第2輝度範囲を対象としてA/D変換することで第2グレースケール画像を生成する(図3/S006)。
【0028】
さらに、第1処理部11は温度センサ108の出力に基づき、外気温度Tを測定する(図3/S008)。また、第1処理部11は測定外気温度Tが所定温度T0未満か否かを判定する(図3/S010)。
【0029】
そして、第1処理部11は測定外気温度Tが所定温度T0未満であると判定した場合(図3/S010‥YES)、第1および第2グレースケール画像のうち第1グレースケール画像を選択する(図3/S012)。一方、第1処理部11は測定外気温度Tが所定温度T0以上であると判定した場合(図3/S010‥NO)、第1および第2グレースケール画像のうち第2グレースケール画像を選択する(図3/S014)。
【0030】
続いて、第2処理部12は第1処理部11により選択されたグレースケール画像を2値化処理することにより2値化画像を生成する(図3/S016)。また、第2処理部12は2値化画像から対象物を抽出する(図3/S018)。対象物の抽出方法については前記特許文献1等に説明されているのでここでは説明を省略する。
【0031】
次に、第3処理部13が第2処理部12により抽出された対象物の実空間位置を一対の赤外線カメラ102の視差を利用して逐次測定する(図3/S020)。実空間位置とは、図1に示されているように一対の赤外線カメラ102の取り付け位置の中点を原点Oとし、水平方向、鉛直方向および前後方向をそれぞれX、YおよびZ軸とする座標系における位置を意味する。この際、ヨーレートセンサ104および速度センサ106のそれぞれの出力に基づき、車両1の回頭による画像における位置ずれが補正される。回頭補正された実空間における測定位置はメモリに格納される。実空間位置の測定方法および回頭角補正方法はたとえば前記特許文献1において説明されているので本願明細書では説明を省略する。
【0032】
また、第3処理部13は車両1と対象物との接触可能性の高低を判定する(図3/S022)。具体的には、人間であると識別された対象物の時系列的な測定位置がメモリから読み取られ、当該読み取りデータに基づいて車両1を基準とした対象物の相対速度(大きさおよび向きを含む。)vsが算出される。そして、当該相対速度vsに鑑みて対象物が車両1の前方に設定された所定領域に侵入してくることが予測される場合、この対象物と車両1とが接触する可能性が高いと判定される。当該所定領域の設定方法については前記特許文献1に一例が詳説されているので説明を省略する。
【0033】
そして、第3処理部13は車両1と対象物とが接触する可能性が高いと判定した場合(図3/S022‥YES)、たとえば対象物を囲む橙色のフレーム等、当該対象物の存在を強調するための画像をHUD110に表示させる(図3/S024)。この際、「ピッピッピッ」等の音声がスピーカ(図示略)から出力されてもよい。一方、第3処理部13は車両1と対象物とが接触する可能性が低いと判定された場合(図3/S022‥NO)、前記のような処理を省略する。その後、前述した一連の処理が繰り返される。
【0034】
前記機能を発揮する本発明の車両周辺監視装置10によれば、外気温度Tの高低に応じて人間等の対象物および建造物等のその他の物体のそれぞれの表面温度および輝度が変動するという事情に鑑みて、適当なグレースケール画像が選択されうる。たとえば外気温度Tが比較的高いため、第1グレースケール画像が2値化処理されることにより、図6(a)に示されているような2値化画像が生成されるような場合を考える。この場合、図7(a)に示されているように2値化画像における輝度ヒストグラムにおいて、対象物Qに該当する輝度分布(斜線部分)と、背景にある建造物に該当する輝度分布(一点鎖線部分)とが重複している。このため、図6(a)に破線で示されている対象物(歩行者)Qを表す、斜線で示されている高輝度領域の形状特性(頭部および肩の相対位置関係など)が不明確となり、当該対象物Qが抽出されない。
【0035】
一方、第2グレースケール画像が2値化処理されることにより、図6(b)に示されているような2値化画像が生成される。この場合、図7(b)に示されているように2値化画像における輝度ヒストグラムにおいて、対象物Qに該当する輝度分布(斜線部分)と、背景にある建造物に該当する輝度分布(一点鎖線部分)とが部分的に分離されている。これは、図7(a)に示されているように、第1A/D変換処理の対象となる第1輝度範囲でのA/D変換の場合、対象物Qに該当する輝度値と背景にある建造物等に該当する輝度値とが近接している場合に、本来は異なる輝度値であっても同一の輝度値であるとみなされてしまうことがあるが、第2A/D変換処理の対象となる第2輝度範囲の下限値が、第1A/D変換処理の対象となる第1輝度範囲の下限値よりも高く設定されていることにより、図7(b)に示されているように本来異なる輝度値を異なる輝度値として分離できるため、対象物Qとその他の物体との識別が図られるからである(図4(a)(b)参照)。このため、図6(b)に破線で示されている対象物(歩行者)Qを表す、破線で示されている対象物Qの高輝度領域の形状特性が明確になるので、当該対象物Qが確実に抽出されうる。
【0036】
したがって、当該選択グレースケール画像が2値化処理されることにより、外気温度Tの高低の影響を軽減または排除しながら対象物およびこれ以外の物体を識別する観点から適当な2値化画像が選択される。これにより、当該2値化画像から対象物が高精度で抽出されうる。
【0037】
また、第1グレースケール画像が車載のHUD110に定常的に表示される。すなわち、第1および第2スケール画像が切り替え表示されない。また、第2輝度範囲の変更にともなって変動する第2グレースケール画像は表示されない。このため、HUD110が視野にある運転手等の車両の乗員に、当該画像切り替え等によって違和感を覚えさせる事態が回避されうる。
【0038】
さらに、前記のように外気温度Tが考慮されて対象物が高精度で抽出されるので、車両1と対象物との接触可能性の高低が高精度で判定され、さらには当該判定結果に応じて対象物を強調する画像がHUD110に表示される(図3/S022,S024参照)。これにより、対象物の存在を乗員に確実に認識させ、車両の減速や進行方向調節等、車両と対象物との接触回避のために必要な処置を運転手にとらせることができる。
【0039】
なお、前記実施形態では車両1に一対の赤外線カメラ102が搭載され、当該一対の赤外線カメラ102を通じて赤外線画像が撮像され、当該一対の赤外線カメラ102の視差を利用して対象物の実空間位置が測定された。他の実施形態として車両1に1つの赤外線カメラ102とレーダや超音波式の測距システムとが搭載され、当該1つの赤外線カメラ102を通じて赤外線画像が撮像され、当該測距システムにより対象物の実空間位置または車両1からの距離が測定されてもよい。
【0040】
第1処理部11が、測定外気温度Tが所定温度T0を超えて高くなるほど、第2輝度範囲の下限値(基底レベル)を連続的または断続的に高くなるように設定してもよい。これにより、外気温度の高低に鑑みて適当な第2輝度範囲が可変的に設定されうる。また、温度の影響を軽減または排除しながら対象物およびこれ以外の物体を識別する観点から適当なA/D変換結果としてのグレースケール画像が得られる。そして、グレースケール画像が2値化されることにより、当該2値化画像における対象物の認識精度の向上を図ることができる。
【0041】
前記実施形態では車両1と対象物との接触可能性の評価に基づきこの対象物の存在を示す画像がHUD110に表示されたが、他の実施形態として当該接触可能性の評価に基づき、車両1の挙動またはステアリングシステムやブレーキシステム等の車載機器の動作が制御されてもよい。当該構成の車両周辺監視装置10によれば、車両1と前記のように高精度で識別された対象物との接触可能性に基づいて車載機器が制御され、これにより車両1と対象物との接触を回避する観点から、車両1の減速や操舵等、その挙動が適当に制御されうる。
【0042】
前記実施形態では2つのグレースケール画像が生成され、測定外気温度Tに応じてそのうち1つのグレースケール画像が選択されたが(図3/S004,S006,S010参照)、他の実施形態として3つ以上のグレースケール画像が生成され、測定外気温度Tに応じてそのうち1つのグレースケール画像が選択されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の車両周辺監視装置の構成説明図
【図2】本発明の車両周辺監視装置の構成説明図
【図3】本発明の車両周辺監視装置の機能説明図
【図4】本発明の車両周辺監視装置の機能説明図
【図5】本発明の車両周辺監視装置の機能説明図
【図6】本発明の車両周辺監視装置の機能説明図
【図7】本発明の車両周辺監視装置の機能説明図
【符号の説明】
【0044】
1‥車両、10‥車両周辺監視装置、110‥第1処理部、12‥第2処理部、13‥第3処理部、102‥赤外線カメラ(撮像装置)、108‥温度センサ、110‥HUD(画像表示装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されている赤外線撮像装置を通じて得られた画像を用いて車両の周辺を監視する装置であって、
前記赤外線撮像装置により撮像された赤外線画像を、第1輝度範囲を対象としてA/D変換することにより第1グレースケール画像を生成し、前記赤外線撮像装置により撮像された赤外線画像を、該第1輝度範囲の一部である第2輝度範囲を対象としてA/D変換することにより第2グレースケール画像を生成し、かつ、前記車両に搭載されている温度測定装置による測定温度に基づき、該第1および該第2グレースケール画像のうち1つを選択する第1処理部と、
該第1処理部により選択されたグレースケール画像を2値化処理することにより2値化画像を生成し、該2値化画像から対象物を抽出する第2処理部とを備えていることを特徴とする車両周辺監視装置。
【請求項2】
請求項1記載の車両周辺監視装置において、
前記第1処理部が、前記輝度範囲の下限値よりも高く設定されている前記第2輝度範囲を対象としてA/D変換することにより前記第2グレースケール画像を生成し、前記温度測定装置による測定温度が所定温度以上であることを要件として該第2グレースケール画像を選択することを特徴とする車両周辺監視装置。
【請求項3】
請求項1記載の車両周辺監視装置において、
前記第1処理部が、前記温度測定装置による測定温度が高くなるほど、前記第2輝度範囲の下限値を連続的または断続的に高くなるように設定することを特徴とする車両周辺監視装置。
【請求項4】
請求項1記載の車両周辺監視装置において、
前記第1処理部が前記車両に搭載されている画像表示装置に前記第1グレースケール画像を定常的に表示させることを特徴とする車両周辺監視装置。
【請求項5】
請求項1記載の車両周辺監視装置において、
前記車両と前記対象物抽出処理部により抽出された前記対象物との接触可能性の高低を判定し、該接触可能性が高いと判定されたことを要件として、該対象物の存在を強調する画像を前記車両に搭載されている画像表示装置に表示させる第3処理部とを備えていることを特徴とする車両周辺監視装置。
【請求項6】
車両に搭載されている赤外線撮像装置を通じて得られた画像を用いて車両の周辺を監視する方法であって、
前記赤外線撮像装置により撮像された赤外線画像を、第1輝度範囲を対象としてA/D変換することにより第1グレースケール画像を生成し、前記赤外線撮像装置により撮像された赤外線画像を、該第1輝度範囲の一部である第2輝度範囲を対象としてA/D変換することにより第2グレースケール画像を生成し、前記車両に搭載されている温度測定装置による測定温度に基づき、該第1および該第2グレースケール画像のうち1つを選択する第1処理と、
該画像選択処理において選択されたグレースケール画像を2値化処理することにより2値化画像を生成し、該2値化画像から対象物を抽出する第2処理とを実行することを特徴とする車両周辺監視方法。
【請求項7】
車両に搭載されているコンピュータを、該車両に搭載されている赤外線撮像装置を通じて得られた画像を用いて車両の周辺を監視する装置として機能させるプログラムであって、
前記赤外線撮像装置により撮像された赤外線画像を、第1輝度範囲を対象としてA/D変換することにより第1グレースケール画像を生成し、前記赤外線撮像装置により撮像された赤外線画像を、該第1輝度範囲の一部である第2輝度範囲を対象としてA/D変換することにより第2グレースケール画像を生成し、かつ、前記車両に搭載されている温度測定装置による測定温度に基づき、該第1および該第2グレースケール画像のうち1つを選択する第1処理部と、
該第1処理部により選択されたグレースケール画像を2値化処理することにより2値化画像を生成し、該2値化画像から対象物を抽出する第2処理部とを備えている前記装置として前記コンピュータを機能させることを特徴とする車両周辺監視プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−257398(P2008−257398A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−97685(P2007−97685)
【出願日】平成19年4月3日(2007.4.3)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】