説明

車両構造

【課題】本発明は、荷重伝達体の強度を確保した状態で、その荷重伝達体の軽量化を図ることを目的とする。
【解決手段】本発明に係る車両構造は、車両の左右の座席に車幅方向に延びるように設けられたシートロッドと、車両フロアに設けられ、前記左右の座席のシートロッド間に配置される荷重伝達体10とを備え、車両側方からの衝突荷重を一方の座席のシートロッドを介して荷重伝達体10で受け、その荷重伝達体10から他方の座席のシートロッドを介して衝突部位と反対側の車両側壁に伝達する構成の車両構造であって、荷重伝達体10は、車両フロアFに固定される台座部20と、その台座部20上に設置されて、シートロッドが当接可能に構成された荷重受け部30とを備え、台座部20は樹脂により成形され、荷重受け部30は補強材が混入された樹脂により成形されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の左右の座席に車幅方向に延びるように設けられたシートロッドと、車両フロアに設けられ、前記左右の座席のシートロッド間に配置される荷重伝達体とを備え、車両側方からの衝突荷重を一方の座席のシートロッドを介して前記荷重伝達体で受け、その荷重伝達体から他方の座席のシートロッドを介して衝突部位と反対側の車両側壁に伝達する構成の車両構造に関する。
【背景技術】
【0002】
これに関する車両構造が特許文献1に記載されている。
前記車両構造によると、図8に示すように、運転席101と助手席102との間に荷重伝達体として働く高剛性のコンソールボックス103が配置されている。コンソールボックス103は、上部開放型の容器と、その容器の開口を塞ぐ蓋部とを備えており、前記蓋部が前記容器の開口周縁に嵌合可能に構成されている。これにより、蓋部が閉じられたときにコンソールボックス103が一個の箱状になり、衝突荷重に対する強度が高くなる。即ち、図8に示すように、車両左方向からの衝突荷重を助手席102のシートロッド102rを介してコンソールボックス103で受け、そのコンソールボックス103から運転席101のシートロッド101rを介してボディ右側のセンターピラーCp等に伝達することが可能になる。
しかし、コンソールボックス103としての機能を考慮すると、前記容器の内部空間内に補強壁や支持材等を設けることはできないため、強度の向上には限界がある。このため、前記側突荷重を効率的に運転席101のシートロッド101r、ボディ右側のセンターピラーCp等に伝達するのが難しい。また、上記構成で強度を向上させるには、容器や蓋部の肉厚寸法を必要以上に増加させる必要があるため、経済的でなく重量も増加する。
【0003】
上記問題を解決するため、図9、図10に示すように、コンソールボックス103とは別に荷重伝達体としてフロアボックス110を設ける技術が知られている。この車両構造では、フロアFの中央の盛り上がり部Faに覆い被さる状態で鋼板製のフロアボックス110が取付けられている。
フロアボックス110は、シートロッド101r,102rからの衝突荷重を受けるボックス本体部112と、フロアボックス110を盛り上がり部Faに固定する台座部114とから構成されている。ボックス本体部112は、盛り上がり部Faの上面から運転席101、助手席102のシートロッド101r,102rと同等の高さ、もしくはそれ以上の高さに達する高さ寸法で形成されており、その内部に断面V字形に折り返してなる補強板(図示省略)が取付けられている。
また、台座部114は、盛り上がり部Faの上面、左右の側壁を覆えるように台形状に曲げ成形されており、前記ボックス本体部112と一体化されている。そして、台座部114が盛り上がり部Faの上面、左右の側壁にボルト止めされることで、フロアボックス110はフロアFに固定される。
上記構成により、フロアボックス110の強度を希望する強度にまで向上させることが可能になる。
【0004】
【特許文献1】特開2001−151022号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したフロアボックス110の場合、強度を向上させるためには鋼板の厚み寸法を大きくする必要がある。ここで、フロアボックス110において強度が必要とされるのは、運転席101、助手席102のシートロッド101r,102rが衝突するボックス本体部112の上部である。しかし、前記フロアボックス110は、ボックス本体部112から台座部114までが一部材であるため、フロアボックス110の強度を向上させる際にボックス本体112から台座部114まで全体の鋼板の厚み寸法を大きくする必要がある。このため、フロアボックス110の強度を向上させることで、フロアボックス110の重量が大きくなる。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、荷重伝達体の強度を確保した状態で、その荷重伝達体の軽量化を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題は、各請求項の発明によって解決される。
請求項1の発明は、車両の左右の座席に車幅方向に延びるように設けられたシートロッドと、車両フロアに設けられ、前記左右の座席のシートロッド間に配置される荷重伝達体とを備え、車両側方からの衝突荷重を一方の座席のシートロッドを介して前記荷重伝達体で受け、その荷重伝達体から他方の座席のシートロッドを介して衝突部位と反対側の車両側壁に伝達する構成の車両構造であって、前記荷重伝達体は、前記車両フロアに固定される台座部と、その台座部上に設置されて、前記シートロッドが当接可能に構成された荷重受け部とを備え、前記台座部は樹脂により成形され、前記荷重受け部は補強材が混入された樹脂により成形されていることを特徴とする。
【0008】
本発明によると、荷重伝達体は車両フロアに固定される台座部と、シートロッドが当接可能な荷重受け部とから構成されている。このため、荷重の伝達に必要な荷重受け部の強度を確保した状態で、台座部の強度を低下させることが可能になる。即ち、強度の低下分だけ台座部を軽量化することが可能になる。
また、台座部は樹脂により成形され、荷重受け部は補強材が混入された樹脂により成形されている。このため、例えば、鋼板等で荷重受け部、台座部を成形する場合と比較して、荷重伝達体を大幅に軽量化できる。
【0009】
請求項2の発明によると、荷重受け部の左右両端は、前記台座部の左右両端よりも車幅方向に張り出していることを特徴とする。
即ち、荷重受け部の幅寸法を最大にした状態で、台座部の幅寸法を必要最小限に設定することができるため、荷重伝達体を効率的に軽量化できる。
【0010】
請求項3の発明によると、前記台座部及び前記荷重受け部は、コンソールボックスの外側壁の内側で、そのコンソールボックスの品物収納部の下側に設置されていることを特徴とする。
このため、荷重伝達体が室内において露出することがなく、室内の見栄えが低下しない。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、荷重伝達体の強度を確保した状態で、その荷重伝達体の軽量化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
[実施形態1]
以下、図1から図8に基づいて本発明の実施形態1に係る車両構造について説明する。ここで、図1は本実施形態に係る車両構造で使用される荷重伝達体の側面図、図2は荷重伝達体の背面図、図3は荷重伝達体の斜視図である。図4、図5は荷重伝達体の荷重受け部の斜視図、縦断面図であり、図6、図7は荷重伝達体の台座部の斜視図、平断面図である。
なお、図中の前後左右及び上下は車両の前後左右及び上下に対応している。
【0013】
<車両構造の概要>
本実施形態に係る車両構造は、車両側方からの衝突荷重を一方の座席(例えば、図8の助手席2)のシートロッド2rを介して荷重伝達体10で受け、その荷重伝達体10から他方の座席(運転席1)のシートロッド1rを介して衝突部位と反対側の車両側壁に伝達するための構造である。
運転席1のシートロッド1rは、運転席1のシートクッション1cの内部に収納されて、車幅方向に延びるように配置されている。同様に、助手席2のシートロッド2rは、助手席2のシートクッション2cの内部に収納されて、前記運転席1のシートロッド1rと同じ高さ位置で車幅方向に延びるように配置されている。
荷重伝達体10は、図1、図2に示すように、コンソールボックス3の外側壁3k内で、品物収納部3sの下側に配置されており、運転席1のシートロッド1rと助手席2のシートロッド2rとに車幅方向から挟まれている。
【0014】
<荷重伝達体10について>
荷重伝達体10は、一方の座席(例えば、助手席2)のシートロッド2rから受けた衝突荷重を他方の座席(例えば、運転席1)のシートロッド1rに伝達するための部材である。荷重伝達体10は、その荷重伝達体10を車両フロアFの盛り上がり部Faに固定する取付け金具12と、台座部20と、その台座部20上に設置されて前記衝突荷重を受ける荷重受け部30とから構成されている。
取付け金具12は、図2、図3等に示すように、車両フロアFにおける盛り上がり部Faの左右の上角部に固定される金具であり、二枚が一組で使用される。左右の取付け金具12は左右対称であり、上板部12uと傾斜側板部12kとから断面略へ字形に形成されている。そして、取付け金具12の上板部12uに荷重伝達体10の固定用ボルトB1(図2参照)が通されるボルト孔12hが前後二箇所に形成されている。また、取付け金具12の傾斜側板部12kには、その取付け金具12を車両フロアFの盛り上がり部Faに固定するためのボルトB2が通されるボルト孔12xが前後二箇所に形成されている。
【0015】
<荷重伝達体10の台座部20について>
荷重伝達体10の台座部20は、後記する荷重受け部30を運転席1のシートロッド1r、及び助手席2のシートロッド2rと等しい高さに保持する台座である。台座部20は、図6、図7に示すように、前後左右の側壁からなる角筒部21と、その角筒部21の上側開口を塞ぐ角形上板部22とを備え、下方が開放された箱形に形成されている。そして、角筒部21の左右側壁の下端に、前記取付け金具12の上板部12uに重ねられるフランジ部24が設けられている。フランジ部24と角筒部21の側壁との間には、前端と後端の位置にリブ23rが設けられており、中央部にリブ状突起23tが形成されている。そして、前記フランジ部24において、前後のリブ23rとリブ状突起23tとの間に、図3に示すように、取付け金具12の上板部12uのボルト孔12hに重なるボルト孔24hが形成されている。
ここで、前記車両フロアFの盛り上がり部Faは、図1に示すように、車両の前側が高くなるように傾斜しているため、その盛り上がり部Faに固定された取付け金具12の上板部12uも前側が高くなるように傾斜している。このため、台座部20の角筒部21は、取付け金具12の上板部12uの傾斜に合わせて前傾の状態で形成されている。これにより、台座部20のフランジ部24が取付け金具12の上板部12uに固定された状態で、その台座部20の角形上板部22はほぼ水平になる。
【0016】
台座部20の角筒部21の内部は、図7の平断面図に示すように、車幅方向に延びる前後仕切り壁26によって車両前後方向に複数に仕切られている。また、前記角筒部21の内部は、中央において車両前後方向に延びる左右仕切り壁27によって、車幅方向に二分割されている。これにより、台座部20の捻じれ強度や座屈強度が向上する。
台座部20の角形上板部22には、後記する荷重受け部30をボルト止めするためのナット28が四隅に埋め込まれている。さらに、角形上板部22の中央部の前後には、左右仕切り壁27と前後仕切り壁26との交差位置近傍に、荷重受け部30の位置決め突起39が嵌合される位置決め凹部29が形成されている。
台座部20は、樹脂の射出成形品であり、樹脂材料としては、例えば、ポリカーボネイト(PC)樹脂とポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂とを混合したものが使用される。このように、台座部20は樹脂の射出成形品であるため、複雑な形状であっても容易に成形できるようになる。
【0017】
<荷重伝達体10の荷重受け部30について>
荷重伝達体10の荷重受け部30は、車両が側方から衝突されたときに運転席1、及び助手席2のシートロッド1r,2rの端部がコンソールボックス3の外側壁3k等を介して衝突する部分である。荷重受け部30は、図2に示すように、台座部20よりも幅広に形成されて、その左右両端が台座部20の左右両端よりも車幅方向に張り出している。このため、運転席1、及び助手席2のシートロッド1r,2rと荷重受け部30との間隔を極力小さくできる。
荷重受け部30は、図4、図5に示すように、シートロッド1r,2rが衝突する左右の側壁部31と、左右の側壁部31を連結する壁材で、車幅方向に延びる断面略U字波形の仕切り壁部33とを備えている。即ち、前記仕切り壁部33により左右の側壁部31間の空間が多数の空間に仕切られている。
側壁部31は、前後に長い略角形の厚板状に形成されており、図5等に示すように、その側壁部31の前部下角が切除されている。即ち、側壁部31の前部の下面は前側で徐々に高くなるような傾斜面となっている。
【0018】
仕切り壁部33は、図5に示すように、前側から順番に設けられた下向きの第1U字部331、上向きの第2U字部332、下向きの第3U字部333、上向きの第4U字部334、下向きの第5U字部335、上向きの第6U字部336とから構成されている。
第1U字部331は、幅狭で、高さ寸法が側壁部31の高さ寸法の約1/2に設定されており、その第1U字部331の上端位置が側壁部31の上端位置に合わせられている。そして、第1U字部331の下端位置が側壁部31の傾斜面の位置に合わせられている。第2U字部332は、下向きの第1U字部331と連続するように構成されており、第1U字部331とほぼ等しい幅寸法、高さ寸法に設定されている。第3U字部333は、上向きの第2U字部332と連続するように構成されており、第1、第2U字部331,332の約2倍の幅寸法を備えている。そして、前記第3U字部333の上壁部333uの位置が側壁部31の上部位置に合わせられている。第3U字部333の上壁部333uには、図4に示すように、左右方向における端部にコンソールボックス3の品物収納部3sの固定用ボルト(図示省略)が螺合されるナット34が埋め込まれている。
【0019】
第4U字部334は、下向きの第3U字部333と連続するように構成されており、第3U字部333とほぼ等しい幅寸法を備えている。そして、第4U字部334の下壁部334dの位置が側壁部31の下端位置に合わせられている。また、第4U字部334の下壁部334dには、図5に示すように、左右方向における中央位置に位置決め突起39が下方に突出形成されている。位置決め突起39は、台座部20の角形上板部22に形成された位置決め凹部29と嵌合する突起であり、大径の頭部39hとピン部39pとから構成されている。そして、位置決め突起39のピン部39pが断面十文字状に形成されている(図4参照)。
また、第4U字部334の下壁部334dには、位置決め突起39が台座部20の位置決め凹部29と嵌合した状態で、台座部20の角形上板部22のナット28と重なる位置にボルト孔(図示省略)が形成されている。
第5U字部335は、上向きの第4U字部334と連続するように構成されており、第4U字部334より若干幅狭に形成されている。そして、前記第5U字部335の上壁部335uの位置が側壁部31の上部位置に合わせられている。
【0020】
第6U字部336は、下向きの第5U字部335と連続するように構成されており、第4U字部334とほぼ等しい形状に成形されている。即ち、第6U字部336の下壁部336dの位置が側壁部31の下端位置に合わせられており、その下壁部336dに位置決め突起39とボルト孔(図示省略)とが形成されている。また、第6U字部336には後部上端位置に後端フランジ部336fが設けられており、その後端フランジ部336fが側壁部31の後部上端位置に合わせられている。そして、第6U字部336の後端フランジ部336fの左右方向における端部に、図4に示すように、コンソールボックス3の品物収納部3sの固定用ボルトが螺合されるナット34が埋め込まれている。
荷重受け部30は、樹脂の射出成形品であり、樹脂材料としては、例えば、ポリプロピレン(PP)樹脂にガラス繊維を混合したものが使用される。このように、荷重受け部30は樹脂の射出成形品であるため、複雑な形状であっても容易に成形できるようになる。また、ポリプロピレン(PP)樹脂にガラス繊維が混合されているため、荷重受け部30の強度は台座部20の強度よりも高くなる。なお、樹脂材料としては、ポリプロピレン(PP)樹脂に炭素繊維を混合したもの、あるいはナイロンにガラス繊維を混合したもの等を使用することも可能である。
即ち、前記ガラス繊維、炭素繊維等が本発明の補強材に相当する。
【0021】
<荷重伝達体10の組立て方法について>
先ず、荷重伝達体10の左右の取付け金具12が車両フロアFの盛り上がり部Faにボルト止めされる。次に、取付け金具12の上板部12uのボルト孔12hに台座部20のフランジ部24のボルト孔24hが重ねられ、台座部20が取付け金具12にボルト止めされる。これにより、台座部20は、角形上板部22が水平になるように車両フロアFに固定される。
次に、台座部20の角形上板部22に形成された位置決め凹部29に荷重受け部30の位置決め突起39が挿入されるとともに、角形上板部22の四隅のナット28に荷重受け部30の下壁部334d,336dのボルト孔(図示省略)が合わせられる。そして、前記ナット28、前記ボルト孔を利用して荷重受け部30が台座部20にボルト止めされる(図3参照)。次に、コンソールボックス3の品物収納部3sのボルト孔(図示省略)が荷重受け部30の上壁部333u及び後端フランジ部336fに設けられたナット34に合わせられ、品物収納部3sが荷重受け部30にボルト止めされる。そして、最後に荷重伝達体10及び品物収納部3sがコンソールボックス3の外側壁3kに覆われる。
【0022】
<車両構造の働きについて>
上記した車両構造によると、図2、図8に示すように、車両左方向から衝突荷重Sを受けると、その衝突荷重Sにより左側センターピラーCpが車室内に押し込まれて助手席2を運転席1側に押圧する。これにより、前記衝突荷重Sが助手席2のシートロッド2rを介して荷重伝達体10の荷重受け部30に伝達される。そして、前記衝突荷重Sが荷重受け部30から運転席1のシートロッド1rに伝わり、そのシートロッド1rにより右側センターピラーCpに伝達される。ここで、荷重受け部30は、左右の側壁部31が車幅方向に延びる断面略U字波形の仕切り壁部33によって支えられる構成で、それらの側壁部31間の空間が仕切り壁部33によって多数の空間に仕切られている。さらに、荷重受け部30は、ポリプロピレン(PP)樹脂にガラス繊維を混合した材料により形成されている。このため、前記荷重受け部30は座屈強度が高く、前記衝突荷重Sを効率的に運転席1のシートロッド1r、右側センターピラーCpに伝達できるようになる。即ち、右側センターピラーCpが運転席1のシートロッド1rにより伝達された衝突荷重Sを受けて車室外方向に変形する。
このように、車両左方向からの衝突荷重Sが左側センターピラーCpを変形させるだけではなく右側センターピラーCpも変形させるため、左側センターピラーCpの変形量が少なくなり、左側センターピラーCpの車室内への入り込み量を抑えることができる。
【0023】
<本実施形態に係る車両構造の長所について>
本実施形態に係る車両構造によると、荷重伝達体10は車両フロアFに固定される台座部20と、シートロッド1r,2rが当接可能な荷重受け部30とから構成されている。このため、荷重の伝達に必要な荷重受け部30の強度を確保した状態で、台座部20の強度を低下させることが可能になる。即ち、強度の低下分だけ台座部20を軽量化することが可能になる。
また、台座部20は樹脂により成形され、荷重受け部30は補強材(ガラス繊維等)が混入された樹脂により成形されている。このため、例えば、鋼板等で荷重受け部、台座部を成形する場合と比較して、荷重伝達体10を大幅に軽量化できる。
また、荷重受け部30の幅寸法を最大にした状態で、台座部20の幅寸法を必要最小限に設定することができるため、荷重伝達体10を効率的に軽量化できる。
さらに、台座部20及び荷重受け部30は、コンソールボックス3の外側壁3kの内側で、そのコンソールボックス3の品物収納部3sの下側に設置されているため、荷重伝達体10が車室内において露出することがなく、室内の見栄えが低下しない。
【0024】
<変更例>
ここで、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、荷重受け部30を左右の側壁部31と断面略U字波形の仕切り壁部33とから構成する例を示した。しかし、断面略U字波形の仕切り壁部33の代わりに、仕切り壁部をハニカム構造状に形成することも可能である。
また、荷重受け部30と台座部20とをボルト止めする例を示したが、荷重受け部と台座部と嵌め合いにより連結する構成も可能である。
また、台座部20をPC樹脂、PBT樹脂により形成する例を示したが、PP樹脂にガラス繊維を混入した材料を使用して肉厚寸法を小さくすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態1に係る車両構造で使用される荷重伝達体の側面図である。
【図2】前記荷重伝達体の背面図である。
【図3】前記荷重伝達体の斜視図である。
【図4】前記荷重伝達体の荷重受け部の斜視図である。
【図5】前記荷重伝達体の荷重受け部の縦断面図である。
【図6】前記荷重伝達体の台座部の斜視図である。
【図7】前記荷重伝達体の台座部の平断面図である。
【図8】車両構造の働きを表す模式背面図である。
【図9】従来の車両構造を表す模式背面図である。
【図10】従来の車両構造を表す斜視図である。
【符号の説明】
【0026】
F・・・・・車両フロア
1・・・・・運転席
1r・・・・シートロッド
2・・・・・助手席
2r・・・・シートロッド
3・・・・・コンソールボックス
3s・・・・品物収納部
3k・・・・外側壁
10・・・・荷重伝達体
20・・・・台座部
30・・・・荷重受け部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の左右の座席に車幅方向に延びるように設けられたシートロッドと、車両フロアに設けられ、前記左右の座席のシートロッド間に配置される荷重伝達体とを備え、車両側方からの衝突荷重を一方の座席のシートロッドを介して前記荷重伝達体で受け、その荷重伝達体から他方の座席のシートロッドを介して衝突部位と反対側の車両側壁に伝達する構成の車両構造であって、
前記荷重伝達体は、前記車両フロアに固定される台座部と、その台座部上に設置されて、前記シートロッドが当接可能に構成された荷重受け部とを備え、
前記台座部は樹脂により成形され、前記荷重受け部は補強材が混入された樹脂により成形されていることを特徴とする車両構造。
【請求項2】
請求項1に記載された車両構造であって、
前記荷重受け部の左右両端は、前記台座部の左右両端よりも車幅方向に張り出していることを特徴とする車両構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2のいずれかに記載された車両構造であって、
前記台座部及び前記荷重受け部は、コンソールボックスの外側壁の内側で、そのコンソールボックスの品物収納部の下側に設置されていることを特徴とする車両構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−126332(P2009−126332A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−303007(P2007−303007)
【出願日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(000110321)トヨタ車体株式会社 (1,272)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】