説明

車両用バッテリユニット

【課題】 車両の衝突時にバッテリユニットに設けられたコネクタが破損しないように保護する。
【解決手段】 フレーム24,32Lで補強したトレー11の床面に支持したバッテリから延びるケーブル79の端部に接続されたコネクタ80を、フレーム24,32Lの交差部に設けたコネクタ取付部材78に取り付けたので、強度が高く破壊し難いフレーム24,32Lの交差部によって車両の衝突時にコネクタ取付部材78が破壊することを防止し、ひいてはコネクタ80の損傷を防止することができる。またトレー11を補強するフレーム24,32Lがバッテリを冷却する冷媒を流す閉断面のダクトD4,Dbを構成するので、特別のダクトを設ける必要がなくなって部品点数の削減および構造の簡素化を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレームで補強したバッテリ搭載部材の床面にバッテリを支持した車両用バッテリユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
車体のフロアパネルの下面に吊下支持した有底角状のバッテリケースの内部にバッテリを収納し、バッテリケースの前部左下部を斜めにカットして形成したスラント部にバッテリに接続されたコネクタを配置したものが、下記特許文献1により公知である。
【0003】
また複数のユニットセルの集合よりなるカートリッジを複数個積み重ねて冷媒循環部材の上面に載置するとともに、積み重ねられたカートリッジを上ハウジング部材、前ハウジング部材および後ハウジング部材で覆い、前ハウジング部材および後ハウジング部材に電気接続部材(コネクタ)を一体に形成したものが、下記特許文献2により公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−138753号公報
【特許文献2】特表2008−533691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、複数のバッテリセルの集合体で構成されるバッテリユニットを備える電気自動車やハイブリッド自動車では、メンテンナンス等を行うためにバッテリユニットを車体に対して着脱する必要があるため、バッテリユニット側の電源ケーブルと車体側の電源ケーブルとを結合・分離するためのコネクタが設けられている。このコネクタには大きな電圧が加わるため、車両の衝突時にコネクタが破損しないように保護を図ることが必要であるが、上記特許文献1、2に記載された発明はコネクタの破損を防止するための特別な考慮はなされていない。
【0006】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、車両の衝突時にバッテリユニットに設けられたコネクタが破損しないように保護することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、フレームで補強したバッテリ搭載部材の床面にバッテリを支持した車両用バッテリユニットにおいて、前記バッテリから延びるケーブルの端部に接続されたコネクタを、前記フレームの交差部に設けたコネクタ取付部材に取り付けたことを特徴とする車両用バッテリユニットが提案される。
【0008】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記フレームは、前記バッテリを冷却する冷媒を流す閉断面のダクトを構成することを特徴とする車両用バッテリユニットが提案される。
【0009】
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記フレームおよび前記コネクタ取付部材の上面にシール部材を介して結合されて前記バッテリを覆うバッテリカバーを備え、前記コネクタ取付部材の上面の高さは前記フレームの上面からなだらかに上昇することを特徴とする車両用バッテリユニットが提案される。
【0010】
また請求項4に記載された発明によれば、請求項3の構成に加えて、前記コネクタ取付部材に対する前記バッテリカバーの結合は、前記コネクタ取付部材に設けたナットに前記バッテリカバーを貫通するボルトを螺合することで行われ、前記ナットは、前記コネクタ取付部材の上面と前記バッテリカバーの下面との間に挟まれて前記シール部材の潰れ代を規制するフランジ部を有することを特徴とする車両用バッテリユニットが提案される。
【0011】
また請求項5に記載された発明によれば、請求項4の構成に加えて、前記バッテリカバーの端縁あるいは前記コネクタ取付部材の端縁は、前記シール部材の端縁を覆うように折り曲げられた折曲部を有することを特徴とする車両用バッテリユニットが提案される。
【0012】
尚、実施の形態のトレー11は本発明のバッテリ搭載部材に対応し、実施の形態の第4縦フレーム部材24および第2横フレーム部材32Lは本発明のフレームに対応し、実施の形態の外側フランジ65aは本発明のフランジ部に対応し、実施の形態の雄コネクタ80は本発明のコネクタに対応し、実施の形態の第1〜第6バッテリ群B1〜B6は本発明のバッテリに対応し、実施の形態の第4ダクトD4、第5ダクトD5およびバイパスダクトDbは本発明のダクトに対応する。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の構成によれば、フレームで補強したバッテリ搭載部材の床面に支持したバッテリから延びるケーブルの端部に接続されたコネクタを、フレームの交差部に設けたコネクタ取付部材に取り付けたので、強度が高く破壊し難いフレームの交差部によって車両の衝突時にコネクタ取付部材が破壊することを防止し、ひいてはコネクタの損傷を防止することができる。
【0014】
また請求項2の構成によれば、バッテリ搭載部材を補強するフレームがバッテリを冷却する冷媒を流す閉断面のダクトを構成するので、特別のダクトを設ける必要がなくなって部品点数の削減および構造の簡素化を図ることができる。
【0015】
また請求項3の構成によれば、フレームおよびコネクタ取付部材の上面にシール部材を介して結合されるバッテリカバーによりバッテリを覆うときに、コネクタ取付部材の上面の高さはフレームの上面からなだらかに上昇するので、コネクタ取付部材にコネクタを収納するのに充分な空間を確保しながら、コネクタ取付部材の上面とバッテリカバーとの間に挟まれたシール部材に加わる締結力が急変するのを防止してシール性を確保することができる。
【0016】
また請求項4の構成によれば、コネクタ取付部材に設けたナットにバッテリカバーを貫通するボルトを螺合することでコネクタ取付部材にバッテリカバーを結合する際に、ナットに設けられたフランジ部がコネクタ取付部材の上面とバッテリカバーの下面との間に挟まれてシール部材の潰れ代を規制するので、前記ボルトの締め過ぎによるシール部材の損傷を未然に防止することができる。
【0017】
また請求項5の構成によれば、バッテリカバーの端縁あるいはコネクタ取付部材の端縁を折り曲げた折曲部でシール部材の端縁を覆うので、飛散した水等がバッテリユニットに掛かっても、その水を折曲部で遮ってシール部材に付着しないようにして防水性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】電気自動車のバッテリユニットの斜視図。
【図2】図1からバッテリモジュールを取り外した状態を示す図。
【図3】図2の3方向矢視図。
【図4】図3の4A−4A線断面図および4B−4B線断面図。
【図5】図3の5−5線断面図。
【図6】図2の6部拡大図。
【図7】バッテリモジュール支持台および電源スイッチ支持台の斜視図。
【図8】図2の8−8線断面図。
【図9】図6の9−9線拡大断面図。
【図10】図1の10方向矢視図。
【図11】図10の11方向矢視図。
【図12】冷却用空気の流通経路を説明する模式図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図1〜図12に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0020】
図1〜図3に示すように、電気自動車の走行用動力源であるモータ・ジェネレータに電力を供給するバッテリユニットは、平板状のトレー11と、トレー11の床面に載置された複数のバッテリモジュール12…とを備える。各バッテリモジュール12の形状は直方体であり、その内部に電気的に直列に接続された複数のバッテリセル13…(図2参照)が収納される。バッテリモジュール12の長手方向両端面には、それをトレー11に固定するための各2個のブラケット12a,12aが突設される。
【0021】
トレー11の前部に設けた取付ブラケット14を車体のクロスメンバ15に結合し、トレー11の左後部に設けた2個の取付ブラケット16L,17Lを左側のサイドフレーム18Lに結合し、トレー11の右後部に設けた2個の取付ブラケット16R,17Rを右側のサイドフレーム18Rに結合することで、バッテリユニットが車体に吊り下げ支持される。トレー11の後端部には、左右の冷却ファン72,72を有するファンユニット19が設けられており、このファンユニット19で吸引した外気がトレー11の内部を流れるときに、その床面に載置したバッテリモジュール12…との間で熱交換して該バッテリモジュール12…を冷却する。
【0022】
トレー11は、車体前後方向に沿って相互に平行に延びる第1縦フレーム部材21、第2縦フレーム部材22、第3縦フレーム部材23および第4縦フレーム部材24を備える。第1縦フレーム部材21は車幅方向右側に配置され、第2縦フレーム部材22は車幅方向左側に配置され、第3縦フレーム部材23は第1縦フレーム部材21の車幅方向内側に配置され、第4縦フレーム部材24は第2縦フレーム部材22の車幅方向内側に配置される。
【0023】
トレー11は、前記第1〜第4縦フレーム部材21〜24の後方において車体前後方向に沿って相互に平行に延びる第5縦フレーム部材25、第6縦フレーム部材26および第7縦フレーム部材27を備える。第5縦フレーム部材25は車幅方向右側に配置され、第6縦フレーム部材26は車幅方向左側に配置され、第7縦フレーム部材27は車体中央に配置される。第5縦フレーム部材25の車幅方向外側には第8縦フレーム部材28が平行に接続され、第7縦フレーム部材27の車幅方向外側には第9縦フレーム部材29が平行に接続される。
【0024】
第3、第4縦フレーム部材23,24の前端間に車幅方向に延びる第1横フレーム部材31が接続される。第1、第2縦フレーム部材21,22の前端間に3分割されて車幅方向に延びる第2横フレーム部材32L,32M,32Rが接続される。左側および中央の第2横フレーム部材32L,32Mの間に第4縦フレーム部材24が挟まれ、中央および右側の第2横フレーム部材32M,32Rの間に第3縦フレーム部材23が挟まれる。第1、第2縦フレーム部材21,22の前後方向中間部間に3分割されて車幅方向に延びる第3横フレーム部材33L,33M,33Rが接続される。左側および中央の第3横フレーム部材33L,33Mの間に第4縦フレーム部材24が挟まれ、中央および右側の第3横フレーム部材33M,33Rの間に第3縦フレーム部材23が挟まれる。
【0025】
第1〜第4縦フレーム部材21〜24の後端に車幅方向に延びる第4横フレーム部材34が接続される。第4横フレーム部材34には第5〜第7縦フレーム部材25〜27の前端が接続され、第5〜第7縦フレーム部材25〜27の後端には2分割されて車幅方向に延びる第5横フレーム部材35L,35Rが接続される。
【0026】
第8縦フレーム部材28および第9縦フレーム部材29の前端にそれぞれバッテリモジュール支持台41の入口側脚部42iおよび出口側脚部42oが立設されており、入口側脚部42iおよび出口側脚部42oの上端間に車幅方向に延びる矩形板状の熱交換パネル43が架設される。
【0027】
前記取付ブラケット14は第1横フレーム部材31の前面に固定され、前記取付ブラケット16L,16Rはそれぞれ第1、第2縦フレーム部材21,22の外面に固定され、前記取付ブラケット17L,17Rはそれぞれ第8、第9縦フレーム部材28,29の上面に固定される。
【0028】
次に、トレー11の内部を流れる冷媒としての空気の流路を説明する。空気の流路の全体的な構成は、図12に模式的に示される。
【0029】
図3および図12に示すように、第1縦フレーム部材21、第2縦フレーム部材22、第5縦フレーム部材25および第6縦フレーム部材26は、全て同一の断面形状を有する押し出し材で構成される。図4(A)に示すように、第1縦フレーム部材21の断面は「L」字形状であって、上側の中空フレームFと、下側の第1ダクトD1とが一体に形成される。これと同一の断面形状を有する第2縦フレーム部材22、第5縦フレーム部材25および第6縦フレーム部材26は、中空フレームFの下方に、それぞれ第2ダクトD2、第8ダクトD8および第9ダクトD9を備える。また第9縦フレーム部材29の内部には第11ダクトD11が形成される。
【0030】
図3および図12に示すように、第3縦フレーム部材23、第4縦フレーム部材24および第7縦フレーム部材27は、全て同一の断面形状を有する押し出し材で構成される。図4(B)に示すように、第3縦フレーム部材23の断面は「凸」字形状であって、上側に中空フレームFと、その下側に車幅方向の連設された一対の第3ダクトD3,D3とが一体に形成される。これと同一の断面形状を有する第4縦フレーム部材24は、中空フレームFの下方に、車幅方向左側の第4ダクトD4と車幅方向右側の第5ダクトD5とを一体に備える。これと同一の断面形状を有する第7縦フレーム部材27は、中空フレームFの下方に左右一対の第7ダクトD7,D7を一体に備える。
【0031】
図3、図5および図12に示すように、第1横フレーム部材31、第2横フレーム部材32L,32M,32R、第4横フレーム部材34および第5横フレーム部材35L,35Rは、全て「口」字状断面を有する押し出し材で構成される。左側の第2横フレーム部材32LがバイパスダクトDb(図6参照)を構成しており、バイパスダクトDbの左端は第2ダクトD2の前端に接続されるとともに、バイパスダクトDbの右端は第4縦フレーム部材24の上面を覆う流路形成部材44を介して第5ダクトD5の上面の開口24d(図6参照)に接続される。
【0032】
尚、流路形成部材44と第4ダクトD4との間に発泡材などの断熱材を設けても良く、その断熱材には上面の開口24dからバイパスダクトDbに向かって延びる凹凸などの整流機能を付与しても良い。これにより、第4ダクトD4を流れる低温の空気とバイパスダクトDbに排出される高温の空気との間の熱交換を防止することができる。
【0033】
また第4横フレーム部材34の内部は第6ダクトD6を構成し、そこに第1、第2ダクトD1,D2の後端、第5ダクトD5の後端、第8、第9ダクトD8,D9の前端および第11ダクトD11の前端が接続される。尚、中央の第2横フレーム部材32Mおよび右側の第2横フレーム部材32R、第3横フレーム部材33L,33M,33Rおよび第5横フレーム部材35L,35Rは空気の流路としては機能しない。
【0034】
第1ダクトD1の後端、第8ダクトD8の前端および第6ダクトD6の右端が第8縦フレーム部材28の前部の第1集合部A(図12参照)において集合し、第2ダクトD2の後端、第9ダクトD9の前端、第11ダクトD11の前端および第6ダクトD6の左端が第9縦フレーム部材29の前部の第2集合部B(図12参照)において集合する。図2および図3に示すように、第1集合部Aの上方の開口29aにバッテリモジュール支持台41の入口側脚部42iが接続され、第2集合部Bの上方の開口28aにバッテリモジュール支持台41の出口側脚部42oが接続される。入口側脚部42iおよび出口側脚部42oの上端間に車幅方向に延びる矩形板状の熱交換パネル43が架設されており、熱交換パネル43の内部には第10ダクトD10…が形成される。
【0035】
第3縦フレーム部材23の一対の第3ダクトD3,D3の前端に吸入口23a,23aが形成され、第4縦フレーム部材24の第4ダクトD4の前端に吸入口24aが形成され、第7縦フレーム部材27の一対の第7ダクトD7,D7の後端に吸入口27a,27a(図10および図12参照)が形成される。
【0036】
第3縦フレーム部材23および第1縦フレーム部材21が2枚の熱交換パネル45,45で接続され、第4縦フレーム部材24および第2縦フレーム部材22が2枚の熱交換パネル45,45で接続され、第3縦フレーム部材23および第4縦フレーム部材24が3枚の熱交換パネル45…で接続され、第7縦フレーム部材27および第5縦フレーム部材25が熱交換パネル45で接続され、第7縦フレーム部材27および第6縦フレーム部材26が熱交換パネル45で接続される。
【0037】
図5に示すように、各熱交換パネル45の内部に、空気の流れ方向に沿って延びる多数の隔壁45a…によって多数の連結ダクトDc…が形成される。第1〜第7縦フレーム部材21〜27の側面には多数の連通孔21b…〜27b…が形成されており、これら第1〜第7縦フレーム部材21〜27の内部空間が連通孔21b…〜27b…を介して連結ダクトDc…の内部空間に連通する。
【0038】
図1および図4に示すように、各熱交換パネル45の上面に、2個あるいは4個のバッテリモジュール12…が支持され、各バッテリモジュール12の4個のブラケット12a…がボルト46…およびナット47…で第1〜第7縦フレーム部材21〜27および第1、第2横フレーム部材31,32Mに固定される。このとき、図4および図5に示すように、バッテリモジュール12の下面と熱交換パネル45の上面との間に伝熱性が高いシリコンシート48が挟まれるとともに、熱交換パネル45の上面に相互に平行に延びる多数の空気抜き溝45b…が形成される。
【0039】
図1および図12に示すように、第1、第3縦フレーム部材21,23間に配置された8個のバッテリモジュール12…は第1バッテリ群B1を構成し、第2、第4縦フレーム部材22,24間に配置された8個のバッテリモジュール12…は第2バッテリ群B2を構成し、第3、第4縦フレーム部材23,24間に配置された10個のバッテリモジュール12…は第3バッテリ群B3を構成し、第5、第7縦フレーム部材25,27間に配置された3個のバッテリモジュール12…は第4バッテリ群B4を構成し、第6、第7縦フレーム部材26,27間に配置された3個のバッテリモジュール12…は第5バッテリ群B5を構成し、バッテリモジュール支持台41上に配置された2個のバッテリモジュール12,12は第6バッテリ群B6を構成する。
【0040】
図2、図7および図8に示すように、バッテリモジュール支持台41は、中空に構成された入口側脚部42iおよび出口側脚部42oと、入口側脚部42iおよび出口側脚部42o間に架設された板状の熱交換パネル43とを備える。入口側脚部42iは、第8縦フレーム部材28の前部上面に形成された開口28a(図3参照)を覆うようにボルト49…で固定され、また出口側脚部42oは、第9縦フレーム部材29の前部上面に形成された開口29a(図3参照)を覆うようにボルト50…で固定される。熱交換パネル43の内部には、空気の流れ方向に延びる複数の隔壁43a…によって複数の第10ダクトD10…が区画される。熱交換パネル43の上面には空気抜き溝43b…が形成されており、その上面にシリコンシート48を挟んで、第6バッテリ群B6を構成する2個のバッテリモジュール12,12が載置される。
【0041】
バッテリモジュール支持台41の後方に屈曲した金属パイプで構成された電源スイッチ支持台51が設けられる。電源スイッチ支持台51は、電源スイッチ52を支持する矩形状の支持枠51aと、その左右後端から下方に延びる左右一対の支持脚51b,51cとを備える。支持枠51aの前縁に設けた複数のブラケット51d…がボルト53…で熱交換パネル43の後縁に固定され、左側の支持脚51bの下端に設けた取付ブラケット51eがボルト54で第9縦フレーム部材29の上面に固定され、右側の支持脚51cの下端に設けた取付ブラケット51fがボルト55で第8縦フレーム部材28の上面に固定される。尚、取付ブラケット51fは、バッテリモジュール12を保持するボルト46にバッテリモジュール12と共締めにより固定されても良い。
【0042】
下向きに直線状に延びる左側の支持脚51bの下端の取付ブラケット51eは、車体後方に向けて直角に屈曲する。一方、車体前方に向けて湾曲しながら下向きに延びる右側の支持脚51cの下端の取付ブラケット51fは、車体前方に向けて直角に屈曲する。
【0043】
図10および図11に示すように、トレ−11の後端部に第1〜第6バッテリ群B1〜B6に冷却媒体としての空気を供給するためのファンユニット19が設けられる。
【0044】
ファンユニット19を支持するファンユニット支持フレーム71はパイプ材を屈曲して構成されるもので、トレー11の後部上面に下端を固定された4本の脚部71a…と、前側の2本の脚部71a,71aの上端間を車幅方向に接続する前部横フレーム71bと、後側の2本の脚部71a,71aの上端間を車幅方向に接続する後部横フレーム71cと、前後方向に延びて前部横フレーム71bおよび後部横フレーム71cを接続する左縦フレーム71d、中央縦フレーム71eおよび右縦フレーム71fとを備える。このファンユニット支持フレーム71は、第4バッテリ群B4および第5バッテリ群B5の後端の2個のバッテリモジュール12,12の上部を架橋するように配置される。
【0045】
ファンユニット支持フレーム71には、シロッコファンよりなる左右一対の冷却ファン72,72が支持される。各冷却ファン72は、上面に吸入口73aを備えて側面に排出口73bを備えたケーシング73と、ケーシング73の内部で回転するロータ74と、ロータ74を回転駆動する電動モータ(不図示)とで構成される。
【0046】
左側の冷却ファン72のケーシング73の外周部には3個の取付ブラケット73c…が設けられており、それらの取付ブラケット73c…はファンユニット支持フレーム71の前部横フレーム71b、後部横フレーム71cおよび中央縦フレーム71eに設けた取付ブラケット71g…に、それぞれゴムブッシュマウント75…を介して弾性支持される。同様に、右側の冷却ファン72のケーシング73の外周部には3個の取付ブラケット73c…が設けられており、それらの取付ブラケット73c…はファンユニット支持フレーム71の前部横フレーム71b、後部横フレーム71cおよび右縦フレーム71fに設けた取付ブラケット71g…に、それぞれゴムブッシュマウント75…を介して弾性支持される。
【0047】
左右の冷却ファン72,72は同一形状であるが、その取付角度を異ならせることで、車体中心線よりも左側に位置する左側の冷却ファン72の排出口73bは左斜め後方を指向し、車体中心線よりも右側に位置する右側の冷却ファン72の排出口73bは右斜め後方を指向する。
【0048】
左右の冷却ファン72,72の上部を覆うように、サージタンクの機能を有するファンボックス76がファンユニット支持フレーム71に支持される。即ち、ファンボックス76の前部および後部にそれぞれ設けた取付ブラケット76a,76aが、ファンユニット支持フレーム71の前部横フレーム71bおよび後部横フレーム71cに設けた取付ブラケット71h,71hに、それぞれゴムブッシュマウント77,77を介して弾性支持される。
【0049】
ファンボックス76の左端から斜め下向きに延びる吸入ダクト部76bの下端が、第9フレーム29の後部上面に形成した開口29cに接続される。またファンボックス76の下面に形成した2個の開口(不図示)が左右の冷却ファン72,72の上面の吸入口73a,73aに接続される。
【0050】
バッテリユニットの上面はフロアパネル67で覆われており、ファンボックス76は冷却ファン72,72とフロアパネル67との間を遮るように配置される。
【0051】
図1および図6に示すように、第4縦フレーム部材24および左側の第2横フレーム部材32Lが交差する部分の左前方に、前壁78aおよび側壁78bをL字状に組み合わせたコネクタ取付部材78が固定される。コネクタ取付部材78の前壁78aおよび側壁78bは第4縦フレーム部材24および左側の第2横フレーム部材32Lと協働して四角形の強固な枠部を構成し、その内部に配置されて第1〜第6バッテリ群B1〜B6にケーブル79,79を介して連なる雄コネクタ80,80が、前記コネクタ取付部材78の前壁78aを前方に貫通するように固定される。雄コネクタ80,80には、ケーブル81,81を介してモータ・ジェネレータに連なる雌コネクタ82,82が着脱自在に結合される。
【0052】
雄コネクタ80,80を収納する空間を確保すべく、コネクタ取付部材78の前壁78aの頂面aは第4縦フレーム部材24および左側の第2横フレーム部材32Lの上面よりも高くなっており、従って前壁78aには頂面aに向かって上り傾斜する第1傾斜面bが形成され、側壁78bには頂面aに向かって上り傾斜する第2傾斜面cが形成される。
【0053】
図6および図9に示すように、コネクタ取付部材78を含むトレー1の外周部上面にはシール部材83を介してバッテリカバー63のフランジ63aが載置され、ボルト64…およびナット65…で固定される。コネクタ取付部材78に予め固定されるナット65の形状は特殊なものであり、コネクタ取付部材78の上壁の外面および内面を挟持する外側フランジ65aおよび内側フランジ65bと、雌ねじが形成された雌ねじ部65cとを備える。外側フランジ65aの厚さはシール部材83の自由状態での厚さよりも若干薄くなっており、かつシール部材83には外側フランジ65aの外周に嵌合する円形の開口83aが形成される。
【0054】
またコネクタ取付部材78の前壁78aおよび側壁78bの上面を覆うバッテリカバー63のフランジ63aには、下向きに折り曲げられた折曲部63b,63bが形成される。折曲部63b,63bはコネクタ取付部材78の前壁78aの前面から露出するシール部材83の端縁と、側壁78bの左側面から露出するシール部材83の端縁とを覆うように下向きに垂下する。
【0055】
以上のように構成されたバッテリユニットの下面は、アンダーカバー66によって覆われる。
【0056】
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
【0057】
車両の走行用の駆動源であるモータ・ジェネレータを駆動・回生すると、その電源であるバッテリモジュール12…が発熱するため、トレー11の内部を流れる空気(外気)によってバッテリモジュール12…を冷却することで耐久性を確保する必要がある。バッテリセル13…やバッテリモジュール12…は冷却用の外気に直接接触せず、第1〜第7ダクトD1〜D7を流れる外気によって間接的に冷却されるので、外気に含まれる塵や水分でバッテリセル13…やバッテリモジュール12…が汚れることがない。
【0058】
空気の流通経路の下流端にあるファンユニット19を駆動すると、図12に示すように、第3、第4縦フレーム部材23,24の前端の吸入口23a,23a;24aから空気が吸入される。第3縦フレーム部材23の右側の吸入口23aから第3ダクトD3内に吸入された空気は、第3ダクトD3の右側面から第1バッテリ群B1の下方の熱交換パネル45,45の連結ダクトDcに流入し、そこを流れる間に熱交換して第1バッテリ群B1を冷却した後、第1縦フレーム部材21の第1ダクトD1に流入して後方の第1集合部Aに集合する。
【0059】
第4縦フレーム部材24の吸入口24aから第4ダクトD4内に吸入された空気は、第4ダクトD4の左側面から第2バッテリ群B2の下方の熱交換パネル45,45の連結ダクトDcに流入し、そこを流れる間に熱交換して第2バッテリ群B2を冷却した後、第2縦フレーム部材22の第2ダクトD2に流入して後方の第2集合部Bに集合する。
【0060】
第3縦フレーム部材23の左側の吸入口23aから第3ダクトD3内に吸入された空気は、第3ダクトD3の左側面から第3バッテリ群B3の下方の熱交換パネル45…の連結ダクトDcに流入し、そこを流れる間に熱交換して第3バッテリ群B3を冷却した後、第4縦フレーム部材24の第5ダクトD5に流入して前後に分流する。第5ダクトD5の空気の一部は第5ダクトD5の上面の開口24dおよび流路形成部材44の内部を通過して左側の第2横フレーム部材32Lの内部のバイパスダクトDbに流入し、そこから第2縦フレーム部材22の第2ダクトD2の前端に流入して後方の第1集合部Aに集合する。また第5ダクトD5の空気の残部は後方に流れて第4横フレーム部材34の第6ダクトD6に流入し、そこで左右に分流して第1集合部Aおよび第2集合部Bに集合する。
【0061】
第7縦フレーム部材27の後端の吸入口27a,27a(図10および図12参照)から第7ダクトD7,D7内に吸入された空気は、右側の第7ダクトD7の右側面から第4バッテリ群B4の下方の熱交換パネル45の連結ダクトDcに流入し、そこを流れる間に熱交換して第4バッテリ群B4を冷却した後、第5縦フレーム部材25の第8ダクトD8に流入して前方に流れ、第1集合部Aに集合するとともに、左側の第7ダクトD7の左側面から第5バッテリ群B5の下方の熱交換パネル45の連結ダクトDcに流入し、そこを流れる間に熱交換して第5バッテリ群B5を冷却した後、第6縦フレーム部材26の第9ダクトD9に流入して前方に流れ、第2集合部Bに集合する。
【0062】
第1集合部Aに集合した空気は第8縦フレーム部材28の上面の開口28aを通過し、入口側脚部42iの内部を上方に流れて熱交換パネル43の内部の第10ダクトD10…に流入し、そこを流れる間に熱交換して第6バッテリ群B6を冷却した後、出口側脚部42oの内部を下向きに流れて第9縦フレーム部材29の上面の開口29aを通過し、第2集合部Bに集合する。熱交換パネル43の内部の第10ダクトD10…を流れる空気は既に第1、第5バッテリ群B1〜B5との間で熱交換してある程度温度上昇しているが、その第10ダクトD10…には第1集合部Aに集合した全ての空気が流れるため、充分な流量の空気で第6バッテリ群B6の冷却性能を確保することができる。
【0063】
そして第9縦フレーム部材29の第2集合部Bに集合した熱交換後の空気は、第9縦フレーム部材29の開口29cから吸入ダクト部76bを経てファンボックス76に吸入された後、左右の冷却ファン72,72のロータ74,74によってケーシング73の吸入口73a,73aから吸い込まれ、ケーシング73,73の排出口73b,73bから排出される。このとき、左右の冷却ファン72,72を上から見ると、2個の排出口73b,73bの軸線は車体中心線の左右において後方側が左右方向外側に開くように配置されるので、2個の排出口73b,73bから排出された熱交換後の温度上昇した空気が、車体中心線上に前後方向の軸線を有して配置された第7縦フレーム部材27の吸入口27a,27aに吸い込まれ難くし、第4、第5バッテリ群B4,B5の冷却性能を確保することができる。
【0064】
またファンボックス76がフロアパネル67と冷却ファン72,72との間に配置されるので、冷却ファン72,72が発生した騒音をファンボックス76およびフロアパネル67で遮ることで、その騒音が車室に伝達され難くして静粛性を高めることができる。しかもファンユニット支持フレーム71に対する冷却ファン72,72の接続部にゴムブッシュマウント75…を配置し、かつファンユニット支持フレーム71に対するファンボックス76の接続部にゴムブッシュマウント77,77を配置したので、冷却ファン72,72に発生する振動や騒音をゴムブッシュマウント75…;77,77で吸収してトレー11から車室に伝わり難くすることで、車室の静粛性を更に高めることができる。
【0065】
バッテリモジュール12と熱交換パネル45との間に挟まれたシリコンシート48はバッテリモジュール12および熱交換パネル45よりも柔らかいため、バッテリモジュール12の重量で変形してバッテリモジュール12および熱交換パネル45の両方に密着し、バッテリモジュール12から熱交換パネル45への熱交換効率を高める機能を発揮する。また熱交換パネル45の上面には相互に平行に延びる多数の空気抜き溝45b…が形成されており、この空気抜き溝45b…により、熱交換パネル45とシリコンシート48との間に空気が挟まれて熱交換効率が低下するのを防止することができる。
【0066】
バッテリモジュール支持台41の熱交換パネル43およびバッテリモジュール12,12間に挟まれたシリコンシート48の作用効果と、バッテリモジュール支持台41の熱交換パネル43の上面の空気抜き溝43b…の作用効果とは、上述したものと同じである。
【0067】
ところで、第3縦フレーム部材23に相互に接するように形成された一対の第3ダクトD3,D3の内部を流れる空気は共に熱交換前の低温のものであるが、第4縦フレーム部材24に相互に接するように形成された第4ダクトD4および第5ダクトD5のうち、第4ダクトD4には熱交換前の低温の空気が流れ、第5ダクトD5には熱交換後の高温の空気が流れるため、温度差のある空気間で熱交換が行われて第2バッテリ群B2のバッテリモジュール12…の冷却効果が低下する可能性がある。
【0068】
しかしながら本実施の形態によれば、第5ダクトD5がバイパスダクトDbを介して第2ダクトD2に連通しているため、熱交換後の高温の空気が第5ダクトD5の内部に滞在する時間を短縮して第4ダクトD4内の低温の空気との間で熱交換し難くすることで、第4ダクトD4内の空気の温度上昇を最小限に抑えて第2バッテリ群B2の冷却効果の低下を最小限に抑えることができる。
【0069】
またバッテリモジュール支持台41は入口側脚部42iおよび出口側脚部42oによって支持された熱交換パネル43の上面に重量の大きい2個のバッテリモジュール12…を載置しているため、車両が急発進、急制動あるいは急旋回したときにバッテリモジュール12…に作用する慣性力によってバッテリモジュール支持台41を倒そうとするモーメントが発生する。特に、入口側脚部42iおよび出口側脚部42oは車幅方向に離間して配置されており、かつ前後方向の幅も小さいため、車両が急発進、急制動したときにバッテリモジュール支持台41が前後方向に倒れ易くなる。
【0070】
しかしながら本実施の形態によれば、バッテリモジュール支持台41の後部に電源スイッチ支持台51が接続されているので、この電源スイッチ支持台51でバッテリモジュール支持台41の倒れ剛性を高めて急発進時および急制動時の安定性を高めることができる。特に、電源スイッチ支持台51は。その左側の支持脚51bの取付ブラケット51eが車体後方に延び、その右側の支持脚51cが車体前方に屈曲するとともに取付ブラケット51fが車体前方に延びるので、電源スイッチ支持台51自体の前後方向の倒れ剛性を高め、ひいてはバッテリモジュール支持台41の前後方向の倒れ剛性を高めることができる。しかも電源スイッチ支持台51を利用してバッテリモジュール支持台41の倒れ剛性を高めるので、特別の補強部材が不要になって部品点数やコストの削減が可能になる。
【0071】
また下層の第4、第5バッテリ群B4,B5の上方に配置されて上面に上層の第6バッテリ群B6を支持するバッテリモジュール支持台41の熱交換パネル43が中空に構成されており、その内部の第10ダクトD10…を流通する空気により上層の第6バッテリ群B6が冷却されるので、熱交換パネル43に第6バッテリ群B6の支持および第6バッテリ群B6の冷却の二つの機能を持たせることで、部品点数の削減および構造の簡素化を図ることができる。
【0072】
しかも熱交換パネル43の内部が空気の流通方向に延びる複数の隔壁43a…によって複数の第10ダクトD10…に分割されているので、第6バッテリ群B6の重量によって熱交換パネル43が潰れるのを防止して空気の流路を確保することができるだけでなく、熱交換パネル43の内部を流れる空気を隔壁43a…で整流して流通抵抗を低減することができる。尚、第1〜第5バッテリ群B1〜B5を支持する熱交換パネル45…も、上述した第6バッテリ群B6を支持する熱交換パネル43と同様に、その隔壁45a…によって上記作用効果を達成することができる。
【0073】
ところで、トレー11に搭載した第1〜第6バッテリ群B1〜B6からの電力をモータ・ジェネレータに供給するケーブル79,79の先端に設けた雄コネクタ80,80はトレー11に固定されているため、車両の衝突によってトレー11が破壊されると、高電圧が加わる雄コネクタ80,80も同時に損傷する可能性がある。これを防止するために、本実施の形態では、第4縦フレーム部材24および第2横フレーム部材32Lの交差部に縦壁78aおよび横壁78bをL字状に組み合わせたコネクタ取付部材78を結合し、第4縦フレーム部材24、第2横フレーム部材32Lおよびコネクタ取付部材78によって囲まれた四角形の強固な枠部の内部に雄コネクタ80,80を配置したので、強度が高く破壊し難い第4縦フレーム部材24および第2横フレーム部材32Lによって車両の衝突時にコネクタ取付部材78が破壊することを防止し、ひいては雄コネクタ80,80の損傷を防止することができる。
【0074】
しかも、バッテリ搭載部材78を補強する第4縦フレーム部材24および第2横フレーム部材32Lが第1〜第3および第6バッテリ群B1〜B3,B6を冷却する空気を流す閉断面の第4ダクトD4、第5ダクトD5およびバイパスダクトDbを構成するので、特別のダクトを設ける必要がなくなって部品点数の削減および構造の簡素化を図ることができる。
【0075】
またコネクタ取付部材78を含むトレー11の上面にシール部材83を介して結合されたバッテリカバー63により第1〜第6バッテリ群B1〜B6を覆うときに、コネクタ取付部材78の上面は第4縦フレーム部材24および第2横フレーム部材32Lの上面から第1、第2傾斜面b,cによってコネクタ取付部材78の頂面aへとなだらかに上昇するので、コネクタ取付部材78の内側に雄コネクタ80,80を収納するのに充分な空間を確保しながら、コネクタ取付部材78の上面とバッテリカバー63との間に挟まれたシール部材83に加わる締結力が急変するのを防止してシール性を確保することができる。
【0076】
更に、コネクタ取付部材78に設けたナット65…にバッテリカバー63を貫通するボルト64…を螺合することでコネクタ取付部材78にバッテリカバー63を結合する際に、ナット65…に設けられた外側フランジ部65a…がコネクタ取付部材78の上面とバッテリカバー63の下面との間に挟まれてシール部材83の潰れ代を規制するので、前記ボルト64…の締め過ぎによるシール部材83の損傷を未然に防止することができる。
【0077】
更にまた、バッテリカバー63の端縁を折り曲げた折曲部63b,63bでコネクタ取付部材78の上面のシール部材83の端縁を覆うので、飛散した水等がバッテリユニットに掛かっても、その水を折曲部63b,63bで遮ってシール部材83に付着しないようにして防水性を高めることができる。
【0078】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0079】
例えば、実施の形態ではシール部材83に水が付着するのを防止する折曲部63b,63bをバッテリカバー63側に設けているが、それをコネクタ取付部材78側に設けても良い。
【0080】
また実施の形態ではコネクタ取付部材78をフレーム24,32Lと一体に形成しているが、それを別体に形成しても良い。
【0081】
また実施の形態では第1〜第6バッテリ群B1〜B6をバッテリモジュール12…の集合で構成しているが、それらをバッテリセル13…の集合で構成しても良い。
【符号の説明】
【0082】
11 トレー(バッテリ搭載部材)
24 第4縦フレーム部材(フレーム)
32L 第2横フレーム部材(フレーム)
63 バッテリカバー
63b 折曲部
64 ボルト
65 ナット
65a 外側フランジ(フランジ部)
78 コネクタ取付部材
79 ケーブル
80 雄コネクタ(コネクタ)
83 シール部材
B1〜B6 第1〜第6バッテリ群(バッテリ)
D4 第4ダクト(ダクト)
D5 第5ダクト(ダクト)
Db バイパスダクト(ダクト)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームで補強したバッテリ搭載部材の床面にバッテリを支持した車両用バッテリユニットにおいて、
前記バッテリから延びるケーブルの端部に接続されたコネクタを、前記フレームの交差部に設けたコネクタ取付部材に取り付けたことを特徴とする車両用バッテリユニット。
【請求項2】
前記フレームは、前記バッテリを冷却する冷媒を流す閉断面のダクトを構成することを特徴とする、請求項1に記載の車両用バッテリユニット。
【請求項3】
前記フレームおよび前記コネクタ取付部材の上面にシール部材を介して結合されて前記バッテリを覆うバッテリカバーを備え、前記コネクタ取付部材の上面の高さは前記フレームの上面からなだらかに上昇することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の車両用バッテリユニット。
【請求項4】
前記コネクタ取付部材に対する前記バッテリカバーの結合は、前記コネクタ取付部材に設けたナットに前記バッテリカバーを貫通するボルトを螺合することで行われ、前記ナットは、前記コネクタ取付部材の上面と前記バッテリカバーの下面との間に挟まれて前記シール部材の潰れ代を規制するフランジ部を有することを特徴とする、請求項3に記載の車両用バッテリユニット。
【請求項5】
前記バッテリカバーの端縁あるいは前記コネクタ取付部材の端縁は、前記シール部材の端縁を覆うように折り曲げられた折曲部を有することを特徴とする、請求項3または請求項4に記載の車両用バッテリユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−111465(P2012−111465A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264653(P2010−264653)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】