車両用温度調整装置
【課題】 視認性並びに操作性を損なうことなく配置の自由度を高めたスイッチ
を提供することを課題とする。
【解決手段】 スイッチ25は、複数の第1・第2押しボタン31,32を備えた操作部材27と、操作部材27によって作動する複数の第1・第2スイッチ部33,34を備えるスイッチ部材35と、スイッチ部材35からの信号により作動する複数の第1〜第6発光ダイオード88,89,91〜94からなる発光部材36と、発光部材36の光を透過する表示部材28と、操作部材27、スイッチ部材35、発光部材36及び表示部材28を組み付けるケース部材37とから構成した。単独のケース部材に操作部材及び表示部材を収めた1個のスイッチとなり、一般的なスイッチとほぼ同等のスペースに操作部材と表示部材を取付けることができる。
を提供することを課題とする。
【解決手段】 スイッチ25は、複数の第1・第2押しボタン31,32を備えた操作部材27と、操作部材27によって作動する複数の第1・第2スイッチ部33,34を備えるスイッチ部材35と、スイッチ部材35からの信号により作動する複数の第1〜第6発光ダイオード88,89,91〜94からなる発光部材36と、発光部材36の光を透過する表示部材28と、操作部材27、スイッチ部材35、発光部材36及び表示部材28を組み付けるケース部材37とから構成した。単独のケース部材に操作部材及び表示部材を収めた1個のスイッチとなり、一般的なスイッチとほぼ同等のスペースに操作部材と表示部材を取付けることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室の温度または車両シートの温度を調節するスイッチを備えた車両用温度調整装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車室の温度または車両シートの温度を調節するスイッチを備えた空調機が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平9−115376号公報(第4頁、図2、第5頁、図1)
【0003】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図11(a),(b)は、従来の技術の基本構成を説明する図であり、従来の車両用空調機の操作装置201は、多数の実装スイッチ202や発光ダイオード203やLCDパネル204を実装するプリント基板205と、実装スイッチ202に対応する位置にチップLED206を実装するフレキシプルプリント基板207と、操作パネル208を備えるスイッチノブ209を備え、操作パネル208を個別のチップLED206で照明し、操作パネル208の視認性を高めることができる。
【0004】
ここでは、特許文献1の操作装置201は、車室の温度を調整するのに用いるが、操作装置201と同様の操作装置で運転座席(ドライバシート)の温度を調整することも可能である。例えば、操作装置201と同様の操作装置を車両のインストルメントパネルに設け、ドライバシートの温冷をスイッチノブ209で選択し、ロータリノブ211(プリント基板205の回転ボリューム212含む)で温度を設定したり、ロータリノブ211を右に回すことで温風を選択するとともに温度を設定し、逆に、左に回すことで冷風を選択するとともに温度を設定することで、視認性を高めたシート温度調節装置を得ることができる。
【0005】
しかし、特許文献1の空調機の操作装置201では、スイッチノブ209やロータリノブ211やLCDパネル204やこれらに関係するプリント基板205を備える必要があり、操作装置201は大きくなり、配置の自由度は低くなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、視認性並びに操作性を損なうことなく配置の自由度を高めた車両用温度調整装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、車両に備えたヒーター装置及び送風装置によって車室の温度または車両シートの温度を調節するスイッチを備えた車両用温度調整装置において、スイッチは、複数のボタンを備えた操作部材と、操作部材によって作動するスイッチ部材と、スイッチ部材からの信号により作動する発光部材と、発光部材の光を透過する表示部材と、操作部材、スイッチ部材、発光部材及び表示部材を組み付けるケース部材とから構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明では、スイッチは、複数のボタンを備えた操作部材と、操作部材によって作動するスイッチ部材と、スイッチ部材からの信号により作動する発光部材と、発光部材の光を透過する表示部材と、操作部材、スイッチ部材、発光部材及び表示部材を組み付けるケース部材とから構成したので、単独のケース部材に操作部材、スイッチ部材、発光部材及び表示部材を収めた1個のスイッチとなり、一般的なスイッチとほぼ同等のスペースに操作部材と表示部材を取付けることができ、視認性並びに操作性を損なうことなく配置の自由度を高めることができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。「左」、「右」は運転者から見た方向に従う。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は、本発明の車両用温度調整装置を用いた運転席の斜視図である。
運転席11は、車両シートとしてのドライバシート12と、ドライバシート12の前方に配置したインストルメントパネル13及びステアリングホイール14を備える。11aは車室を示す。
【0010】
ドライバシート(車両シート)12は、スライド装置15にシートクッション16を載せ、シートクッション16にリクライニング装置17を介してシートバック18を取付けたもので、シート温度調節装置21を備える。
【0011】
シート温度調節装置21は、ドライバシート12の温度を所望の温度に調節するものでシートクッション16及びシートバック18に設けたヒーター装置22,22と送風装置23,23と、温度を設定するとともにシートクション16の左側部24に配置した車両用温度調整装置21aを備える。
車両用温度調整装置21aは、スイッチ25を備える。
【0012】
スイッチ25は、温風の風量若しくは冷風の風量を設定する操作部材27と、操作部27で設定した状態を表示する表示部材としてのインジケ一夕28を有する。
【0013】
なお、スイッチ25をドライバシート12の左側部24に配置したが、車両シートのどの位置に配置してもよい。
また、スイッチ25を車両シート以外に配置してもよい。例えば、運転者前方に配置されたインストルメントパネル13、運転席11と助手席の間に備えられたセンターコンソール13a、運転席11あるいは助手席の側方に配置されたドア13b、シー卜座面等ドライバー席の近傍など、操作者の手の届く範囲に搭載してもよい。
スイッチ25は運転者または助手席に乗車した乗員によって操作される。
【0014】
図2は、本発明の車両用温度調整装置のスイッチを用いたシート温度調節装置のブロック図である。
シート温度調節装置21は、ドライバシート12(図1参照)を暖めるヒーター装置22と空気をファン等によって吹き出すための送風装置23と、これらのヒーター装置22と送風装置23を制御する制御装置29と、を備える。
【0015】
次にスイッチ25を具体的に説明する。
図3は、本発明の車両用温度調整装置が備えるスイッチの斜視図であり、スイッチ25は、具体的には、指Fで操作する第1押しボタン31及び第2押しボタン32を備えた操作部材27と、第1・第2押しボタン31,32の操作に基づいてそれぞれ動作する第1スイッチ33及び第2スイッチ34を備えたスイッチ部材35と、第1・第2スイッチ部33,34の情報に基づくとともに予め設定した条件に基づいて点灯又は消灯する発光部材36と、発光部材36の光を透過する表示部材(インジケ一夕)28と、これらの表示部材(インジケータ)28、操作部材27、スイッチ部材35及び発光部材36を一体的に組付けるケース部材37と、を備え、スイッチ部材35の情報に基づいて発光部材36を点灯又は消灯する制御装置29に接続する。
【0016】
つまり、スイッチ25は、操作部材27及び表示部材(インジケ一夕)28を単独のケース部材37に収めた1個のスイッチであると同時に、表示部材(インジケ一夕)28を内蔵したスイッチでもある。41はケース部材37に一体に成形してシートクッションのフレーム(図に示していない)側に取付けるフランジ部を示す。
【0017】
操作部材27は、第1押しボタン31及び第2押しボタン32を直動(矢印a1の方向)させるもので、第1押しボタン31側を温風ボタンとし、第2押しボタン32側を冷風ボタンとする。42はシート温度調節装置21の操作部材27を示すマークである。なお、マークのデザインは任意である。
【0018】
インジケータ28は、6個の第1〜第6インジケータ43〜48を有し、第1〜第3インジケータ43〜45は、例えば、温風の風量を示し、第1インジケータ43が照光すると風量は「弱」、第2インジケータ44が照光すると風量は「中」、第3インジケータ45が照光すると風量は「強」である。
【0019】
一方、第4〜第6インジケータ46〜48は、例えば、冷風の風量を示し、第4インジケータ46が照光すると風量は「弱」、第5インジケータ47が照光すると風量は「中」、第6インジケータ48が照光すると風量は「強」であることを示す。
なお、6個の第1〜第6インジケータ43〜48の色は任意であり、例えば、第1〜第3インジケータ43〜45に赤色を採用し、第4〜第6インジケータ46〜48に青色を採用する。
【0020】
例えば、温風を選択した場合、操作部材27の第1押しボタン(温風ボタン)31を1回だけ押すと第1インジケータ43が照光する。第1インジケータ43が照光した状態で第2押しボタン(冷風ボタン)32を押すと、第1インジケータ43の明かりは消えると同時に温風は止まる。具体的には後述する。
【0021】
図4は、図3の4−4線断面図であり、スイッチ25の操作部材27側の断面を示す。 スイッチ25は、既に説明した操作部材27、スイッチ部材35、ケース部材37と、ケース部材37に収めてスイッチ部材35を取付けた第1基板49と、スイッチ部材35を接続した第2基板51と、第2基板51に接続するとともに第1基板49に取付けた発光ダイオード52とを備える。
発光ダイオード52は、夜間など暗いときに車両の前照灯を点灯させると、制御装置29によって前照灯と同時に点灯する。
【0022】
ケース部材37は、第2基板51を収納可能に下部ケース本体53を成形し、下部ケース本体53に嵌合可能でかつ、操作部材27並びにスイッチ部材35を収納可能に上部ケース本体54を成形し、上部ケース本体54の上部に開口部55を成形し、上部ケース本体54の側部及び中央にガイド部56,56(中央のガイド部56を示していない。)を成形し、開口部55にパネル57を一体的に成形し、パネル57の表面にマスク58を取付けたものである。
【0023】
上・下部ケース本体54,53の材質は、発光ダイオード52の光L1を透過しない樹脂材料を用いた。
パネル57の材質は、発光ダイオード52の光L1を透過する樹脂材料を用いた。
なお、上部ケース本体54とパネル57とを2色成形法で成形した。
【0024】
第1スイッチ33は、ラバー製のラバーケース61と、ラバーケース61に収めた可動接点(図に示していない)とを備え、指を離すとラバーケース61の弾性により第1押しボタン31を戻す(矢印a2の方向)とともに、可動接点を復帰させて、初期状態に戻る。
第2スイッチ34は、第1スイッチ33と同じものである。
【0025】
第1押しボタン31は、上部ケース本体54の側部のガイド部56と中央のガイド部にスライド(矢印a3の方向)可能にスライド部材62を嵌合するとともに、スライド部材62の下端63を第1スイッチ33に接触させ、スライド部材62の上端に略V字状の屈折部65を成形し、屈折部65にレンズ部材66を取付け、レンズ部材66にノブ部材67を取付けたものである。
【0026】
レンズ部材66には、レンズ部68を成形し、レンズ部68によって発光ダイオード52の光L1がマーク42(図3参照)を透過する。
第2押しボタン32は、第1押しボタン31のレンズ部68を除いて、第1押しボタン31と同様である。
【0027】
図5は、図3の5−5線断面図であり、スイッチ25のインジケ一夕28側の断面を示す。
インジケ一夕(表示部材)28は、具体的には、既に述べた上部ケース本体54のパネル57に第1〜第6インジケータ43〜48を設定し、上部ケース本体54に導光ブロック71を取付け、導光ブロック71の下方でかつ第1基板49に発光部材36を取付け、発光部材36に接続してケース部材37に第3基板72を収めたものである。
【0028】
導光ブロック71は、操作部材、スイッチ部及び発光ダイオード52(図4参照)を一括して仕切る仕切り側部73を成形し、仕切り側部73に連ねて第1側部74並びに第2側部75を成形するとともに、第1〜第5隔壁76〜79,81を成形することでパネル57に第1〜第6インジケータ43〜48を形成しかつ発光部材36の光L2・・・(・・・は複数を示す。以下同様。)が通過する第1〜第6空間82〜87を形成したものである。
【0029】
発光部材36は、第1基板49に取付けるとともに第3基板72に接続し、第1〜第6空間82〜87の下端に配置した第1〜第6発光ダイオード88,89,91〜94であり、第1〜第6インジケータ43〜48からのそれぞれの透過光となる光L2・・・を電装部38の情報に基づいて発する。
【0030】
マスク58は、発光ダイオード52(図4参照)の光及び第1〜第6発光ダイオード88,89,91〜94の光L2を透過しない遮光シート(フイルムを含める。)と光L2を透過する透過シートを備え、遮光シートには、第1〜第6インジケータ43〜48に対応する6個の開口を透過可能に形成するとともに、マーク42(図3参照)などの図を透過可能に形成した。
【0031】
次にシート温度調節装置21に採用したスイッチ25の作動を説明する。
図6は、本発明の車両用温度調整装置が備えるスイッチの表示を説明する図であり、スイッチの表示と車両シートが備えるヒーター装置並びに送風装置との関係を示す。横軸をスイッチ25の表示とし、縦軸の左をヒーター温度、縦軸の右をブロア風量とした。横軸のS、H1〜H3、C1〜C3は第1〜第6インジケータ43〜48の照光(点灯)の状態を示す。Sはスイッチ25をオフ、H1〜H3は暖めるとき、C1〜C3は冷やすときの状態である。「|」は消灯、「/」は赤色点灯の点灯、「\」は青色点灯の点灯を示す。
【0032】
まず、スイッチ25のインジケータ28が消灯している時(Sの状態)はオフとなっている。つまり、シート温度調節装置21が作動していない状態ではインジケータ28は全て消灯している。
そこで運転者あるいは助手席に乗車した乗員がスイッチ25の2つの第1・第2押しボタン31,32(操作部材27)のいずれかを押すとシート温度調節装置21が作動する。ボタンを押すとその信号が制御装置29(図2参照)に送信され、制御装置ではその送信された信号を受け、あらかじめ設定されたプログラムによってヒー夕一装置22(図2参照)または送風装置23(図2参照)を作動させる。
【0033】
制御装置29(図2参照)は、2つの第1・第2押しボタン31,32のうちどちらかが何回押されたかをカウントする。制御装置はスイッチ(図4の第1・第2スイッチ部33,34)が押されたカウント値からインジケータ28を点灯させると共にあらかじめ設定されたプログラムによってヒーター装置または送風装置を作動させる。
【0034】
ここで、インジケータ28が消灯しているSの状態から例えば、運転者が1回、温度を下げる方向の第2押しボタン32を押した場合、第2スイッチ34からの信号が制御装置に送信され、下から3つ目の第4インジケータ46を点灯させる(C1の状態)と共に、制御プログラムによって制御装置は第一段階(風量弱)の信号を送風装置に送信し、送風装置を作動して弱の風量を発生させる。
【0035】
さらに運転者が1回、温度を下げる方向の第2押しボタン32を押した場合、第2スイッチ34からの信号が制御装置に送信され、下から3つ目の第4インジケータ46と下から2つ目の第5インジケータ47を点灯させる(C2の状態)と共に、制御プログラムによって制御装置は第二段階(風量中)の信号を送風装置に送信し、送風装置を作動して中の風量を発生させる。
【0036】
さらに運転者が1回、温度を下げる方向の第2押しボタン32を押した場合、第2スイッチ34からの信号が制御装置に送信され、下から3つ目の第4インジケータ46と下から2つ目の第5インジケータ47と一番下の第6インジケータ48を点灯させる(C3の状態)と共に、制御プログラムによって制御装置は第三段階(風量強)の信号を送風装置に送信し、送風装置を作動して強の風量を発生させる。
【0037】
そこで運転者が温度を上げる方向の第1押しボタン31を押した場合、第1スイッチ33からの信号が制御装置に送信され、下から3つ目の第4インジケータ46と下から2つ目の第5インジケータ47を点灯させる(C2の状態)と共に、制御プログラムによって制御装置は第二段階(風量中)の信号を送風装置に送信し、送風装置を作動して中の風量を発生させる。
【0038】
さらに、運転者が温度を上げる方向の第1押しボタン31を押した場合、第1スイッチ33からの信号が制御装置に送信され、下から3つ目の第4インジケータ46を点灯させると共に、制御プログラムによって制御装置は第一段階(風量弱)の信号を送風装置に送信し、送風装置を作動して弱の風量を発生させる。
【0039】
さらに、運転者が温度を上げる方向の第1押しボタン31を押した場合、第1スイッチ33からの信号が制御装置に送信され、全ての第1〜第6インジケータ43〜48を消灯させる(Sの状態)と共に、制御プログラムによって送風装置の作動を止める。
【0040】
全ての第1〜第6インジケータ43〜48が消灯しているSの状態からドライバシート(車両シート)12(図1参照)の温度を上げる方向の第1押しボタン31を押した場合については、送風装置の変わりにヒーター装置22(図2参照)が作動する状態である。 第1押しボタン31を押すと、第1〜第3インジケータ43〜45が逐次点灯する。
【0041】
このように、スイッチ25は、複数の第1・第2押しボタン31,32を備えた操作部材27と、操作部材27によって作動する複数の第1・第2スイッチ部33,34を備えるスイッチ部材35と、スイッチ部材35からの信号により作動する複数の第1〜第6発光ダイオード88,89,91〜94からなる発光部材36と、発光部材36の光を透過する表示部材28と、操作部材27、スイッチ部材35、発光部材36及び表示部材28を組み付けるケース部材37とから構成したので、単独のケース部材37に操作部材27及び表示部(インジケ一夕)28を収めた1個のスイッチとなり、一般的なスイッチとほぼ同等のスペースに取付けることができ、視認性並びに操作性を損なうことなく配置の自由度を高めることができる。
【0042】
また、図4及び図5に示した第1基板49に第1スイッチ33、第2スイッチ34、発光ダイオード52および第1〜第6発光ダイオード88,89,91〜94を一体的にまとめて接続したので、小型化を図ることができ、ケース部材37に収納することができる。
【0043】
さらに、単独のケース部材37に表示部材(インジケータ)28、操作部材27、スイッチ部材35及び発光部材36を収めた1個のスイッチとなり、操作部材27と表示部材(インジケ一夕)28との2つのものを一般的なスイッチを1個取付ける時間とほぼ同じ時間で取付けることができる。
【0044】
次に、スイッチ25の別の実施の形態を示す。
図7は、図4の断面に対応する別の実施の形態図である。上記図3〜図5に示す実施の形態と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。
【0045】
別の実施の形態のスイッチ25Bは、操作部材27Bと、スイッチ部材35Bと、発光ダイオード52と、レンズ部材98と、第2基板51と、ケース部材37Bと、を備える。
ここで、操作部材27Bの一部と表示部材(インジケ一夕)28B(図8参照)の一部を一体にかつキャップ状に成形したものをシーソー部材101と呼称する。
【0046】
シーソー部材101は、具体的には、キャップ状の内層本体102を成形し、内層本体102の中央に開口部103を成形し、開口部103の縁に凸部104,105をロッド106,106に当接可能に成形し、内層本体102に一体的に外層本体107を成形し、外層本体107の中央に支点部108を成形し、外層本体107の表面にマスク58Bを取付けたもので、支点部108の下端を中心に、実線で示す自由位置の状態から矢印a4の方向若しくは矢印a5の方向に所定の角度だけ動き、二点鎖線で示す動作限度位置まで動作可能である。
内層本体102の材質は、発光ダイオード52の光L1を透過しない樹脂材料を用いた。
外層本体107の材質は、発光ダイオード52の光L1を透過する樹脂材料を用いた。 なお、内層本体102と外層本体107とを2色成形法で成形した。
【0047】
操作部材27Bは、第1・第2押しボタンに相当しかつ外層本体107に形成した第1・第2ノブ部111,112と、第1・第2ノブ部111,112に当接するロッド106,106と、ロッド106,106に掛けた弾性部材113,113と、からなる。
弾性部材113は、例えば、圧縮ばねであり、ロッド106を介してシーソー部材101(第1・第2ノブ部111,112を含む。)を実線で示す自由位置に復帰させる。
【0048】
ロッド106は、円柱状の本体114を形成し、本体114の一端にシーソー部材101の凸部104若しくは凸部105に当接するとともに弾性部材113を掛ける鍔状の掛止部115を形成したもので、本体114の他端でスイッチ部材35Bを押す。
なお、操作部材27B(操作部材27を含む。)の構成は任意であり、例えば、トグル方式を用いてもよい。
【0049】
スイッチ部材35Bは、第1スイッチ33B及び第2スイッチ34Bを備え、第1スイッチ33Bは、ケース部材61Bと、ケース部材61Bに収めた可動ばね(図に示していない)並びに接点(図に示していない)を備え、指を離すと弾性部材113が第1ノブ部111を戻すとほぼ同時に可動ばねが接点を復帰させて、初期状態に戻る。
第2スイッチ34Bは、第1スイッチ33Bと同じものである。
レンズ部材98は、レンズ部116に支点部108を受ける凸部117を形成したもの
で、発光ダイオード52の光L1を外層本体107に矢印a6のように導く。
【0050】
ケース部材37Bは、下部ケース本体53と下部ケース本体53に嵌合する上部ケース本体54Bとからなり、上部ケース本体54Bは、中央に発光ダイオード52を収めるように形成した収納凹部118と、収納凹部118に連ねかつ発光ダイオード52の光L1を通過させるように形成した孔119と、孔119に連ねかつレンズ部材98を取付けるように形成した凹状のレンズ嵌合部121と、端側にロッド106をスライドさせるように開けたスライド孔122,122と、スライド孔122の外方に弾性部材113を掛止するように形成した環状の掛止溝123,123とを有する。
上部ケース本体54Bの材質は、発光ダイオード52の光L1を透過しない樹脂材料を用いた。
【0051】
図8は、図5の断面に対応する別の実施の形態図である。上記図3〜図5に示す実施の形態と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。
スイッチ25Bはまた、表示部材(インジケ一夕)28Bと、発光部材36と、第3基板72を備える。
シーソー部材101はさらに、内層本体102の開口部103(図7参照)の隣に、発光源36の光L2・・・を表示部材(インジケ一夕)28Bまで通過させるための仕切り部124・・・及び孔125・・・を成形し、孔125・・・に一体的に充填した光通過部126・・・を外層本体107に連ねて形成したものである。
【0052】
上部ケース本体54Bはまた、発光ダイオード52(図7参照)を収める収納凹部118(図7参照)の隣に仕切り部127・・・及び空間128・・・を成形し、仕切り部127・・・の上端をシーソー部材101の仕切り部124・・・並びに光通過部126・・・の下端に被さるようにしたものである。
仕切り部127・・・及び空間128・・・は共に、発光部材36の第1〜第6発光ダイオード88,89,91〜94の光L2・・・を個別にインジケータ28Bまで導くとともに、光漏れを防止する。
【0053】
ここで、表示部材(インジケ一夕)28Bの構成を主体に説明すると、インジケータ28Bは、第1〜第6インジケータ43〜48と、シーソー部材101に成形した仕切り部124・・・と、孔125・・・と、光通過部126・・・と、仕切り部127・・・及び空間128・・・と、からなる。
なお、図3〜図8に示したそれぞれの部品を組合わせてもよく、例えば、スイッチ部35Bとスイッチ部材35を入れ替えることも可能で、その際には関連するものの形態を対応させる。
【0054】
このように、別の実施の形態のスイッチ25Bでは、単独のケース部材37Bに操作部27B及び表示部材(インジケ一夕)28Bを収めた1個のスイッチとなり、車両用温度調整装置21aと同じ効果を発揮することができる。
例えば、一般的なスイッチとほぼ同等のスペースに取付けることができ、視認性並びに操作性を損なうことなく配置の自由度を高めることができる。
【0055】
次に、スイッチ25を車室内空調装置に適用した場合について説明する。
図9は、本発明の車両用温度調整装置を用いた車室内空調装置のブロック図である。
車室内空調装置131は、車室11a(図1参照)内の温度を調節するもので、車両用温度調整装置21aと、暖房を行うヒーター装置132と、冷房を行う冷房装置133と、それぞれの装置132,133で暖められたあるいは冷やされた空気をファン等によって吹き出すための送風装置134と、ヒーター装置132と冷房装置133と送風装置134を制御する制御装置29とを備える。ヒーター装置132の熱源は任意である。
車両用温度調整装置21aは、スイッチ25を備える。
【0056】
図10は、本発明の車両用温度調整装置が備えるスイッチの表示とヒーター装置、冷房装置、送風装置との関係を説明する図である。図6に示す内容と同様の内容については、同一符号を付し説明を省略する。
横軸をスイッチ25の表示とし、縦軸の左をヒーター装置の作動、冷房装置の作動とし、縦軸の右をブロア風量とした。
【0057】
まず、スイッチ25のインジケータ28が消灯している時(Sの状態)はオフとなっている。つまり、車室内空調装置が作動していない状態ではインジケータ28は全て消灯している。
【0058】
そこで運転者あるいは助手席に乗車した乗員がスイッチ25の2つの第1・第2押しボタン31,32(操作部材27)のいずれかを押すと車室内空調装置が作動する。ボタンを押すとその信号が制御装置29(図2参照)に送信され、制御装置ではその送信された信号を受け、あらかじめ設定されたプログラムによってヒーター装置132(図9参照)と冷房装置133(図9参照)と送風装置134(図9参照)を個別に作動させる。
【0059】
制御装置29(図2参照)は、2つの第1・第2押しボタン31,32のうちどちらかが何回押されたかをカウントする。制御装置はスイッチ(図4の第1・第2スイッチ部33,34)が押されたカウント値からインジケー夕28を点灯させると共にあらかじめ設定されたプログラムによってヒーター装置と冷房装置と送風装置を個別に作動させる。
【0060】
ここでインジケータ28が消灯しているSの状態から例えば、運転者が1回、温度を下げる方向の第2押しボタン32を押した場合、第2スイッチ34からの信号が制御装置に送信され、下から3つ目の第4インジケータ46を点灯させる(C1の状態)と共に、制御プログラムによって制御装置は送風装置134が第一段階(風量弱)で、冷房装置133の作動が第一段階(弱)の信号をそれぞれの装置133,134に送信し、それぞれの装置133,134が作動する。
【0061】
さらに、運転者が1回温度を下げる方向の第2押しボタン32を押した場合、第2スイッチ34からの信号が制御装置に送信され、下から3つ目の第4インジケータ46と下から2つ目の第5インジケータ47を点灯させる(C2の状態)と共に、制御プログラムによって制御装置は送風装置が第二段階(風量中)で、冷房装置の作動が第二段階(中)の信号をそれぞれの装置133,134に送信し、それぞれの装置133,134が作動する。
【0062】
さらに運転者が1回、温度を下げる方向の第2押しボタン32を押した場合、第2スイッチ34からの信号が制御装置に送信され、下から3つ目の第4インジケータ46と下から2つ目の第5インジケータ47と一番下の第6インジケータ48を点灯させる(C3の状態)と共に、制御プログラムによって制御装置は送風装置が第三段階(風量強)で、冷房装置が第三段階(強)の信号をそれぞれの装置133,134に送信し、それぞれの装置133,134が作動する。
【0063】
そこで運転者が温度を上げる方向の第1押しボタン31を押した場合、第1スイッチ33からの信号が制御装置に送信され、下から3つ目の第4インジケータ46と下から2つ目の第5インジケータ47を点灯させる(C2の状態)と共に、制御プログラムによって制御装置は送風装置が第二段階(風量中)で、冷房装置の作動が第二段階(中)の信号をそれぞれの装置133,134に送信し、それぞれの装置133,134が作動する。
【0064】
さらに、運転者が温度を上げる方向の第1押しボタン31を押した場合、第1スイッチ33からの信号が制御装置に送信され、下から3つ目の第4インジケータ46を点灯させると共に、制御プログラムによって制御装置は送風装置が第一段階(風量弱)で、冷房装置の作動が第一段階(弱)の信号をそれぞれの装置133,134に送信し、それぞれの装置133,134が作動する。
【0065】
さらに、運転者が温度を上げる方向の第1押しボタン31を押した場合、第1スイッチ33からの信号が制御装置に送信され、全ての第1〜第6インジケータ43〜48を消灯させると共に、制御プログラムによって送風装置、冷房装置の作動を止める。
【0066】
全ての第1〜第6インジケータ43〜48が消灯しているSの状態から温度を上げる方向の第1押しボタン31を押した場合については、冷房装置133からヒーター装置132に切り替り、ヒーター装置が作動する状態である。
第1押しボタン31を押すと、第1〜第3インジケータ43〜45が逐次点灯する。
【0067】
尚、本発明の車両用温度調整装置は、実施の形態ではドライバシートに適用したが、ドライバシート以外の車両シートにも適用可能であり、一般の車両のシートに適用することは差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明の車両用温度調整装置は、車両シートのシート温度調節装置に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の車両用温度調整装置を用いた運転席の斜視図
【図2】本発明の車両用温度調整装置のスイッチを用いたシート温度調節装置のブロック図
【図3】本発明の車両用温度調整装置が備えるスイッチの斜視図
【図4】図3の4−4線断面図
【図5】図3の5−5線断面図
【図6】本発明の車両用温度調整装置が備えるスイッチの表示を説明する図
【図7】図4の断面に対応する別の実施の形態図
【図8】図5の断面に対応する別の実施の形態図
【図9】本発明の車両用温度調整装置を用いた車室内空調装置のブロック図
【図10】本発明の車両用温度調整装置が備えるスイッチの表示とヒーター装置、冷房装置、送風装置との関係を説明する図
【図11】従来の技術の基本構成を説明する図
【符号の説明】
【0070】
11a…車両、12…車両シート(ドライバシート)、21a…車両用温度調整装置、22…ヒーター装置、23…送風装置、25…スイッチ、27…操作部材、28…表示部材、31…第1押しボタン、32…第2押しボタン、33…第1スイッチ、34…第2スイッチ、35…スイッチ部材、36…発光部材、37…ケース部材。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室の温度または車両シートの温度を調節するスイッチを備えた車両用温度調整装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車室の温度または車両シートの温度を調節するスイッチを備えた空調機が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平9−115376号公報(第4頁、図2、第5頁、図1)
【0003】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図11(a),(b)は、従来の技術の基本構成を説明する図であり、従来の車両用空調機の操作装置201は、多数の実装スイッチ202や発光ダイオード203やLCDパネル204を実装するプリント基板205と、実装スイッチ202に対応する位置にチップLED206を実装するフレキシプルプリント基板207と、操作パネル208を備えるスイッチノブ209を備え、操作パネル208を個別のチップLED206で照明し、操作パネル208の視認性を高めることができる。
【0004】
ここでは、特許文献1の操作装置201は、車室の温度を調整するのに用いるが、操作装置201と同様の操作装置で運転座席(ドライバシート)の温度を調整することも可能である。例えば、操作装置201と同様の操作装置を車両のインストルメントパネルに設け、ドライバシートの温冷をスイッチノブ209で選択し、ロータリノブ211(プリント基板205の回転ボリューム212含む)で温度を設定したり、ロータリノブ211を右に回すことで温風を選択するとともに温度を設定し、逆に、左に回すことで冷風を選択するとともに温度を設定することで、視認性を高めたシート温度調節装置を得ることができる。
【0005】
しかし、特許文献1の空調機の操作装置201では、スイッチノブ209やロータリノブ211やLCDパネル204やこれらに関係するプリント基板205を備える必要があり、操作装置201は大きくなり、配置の自由度は低くなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、視認性並びに操作性を損なうことなく配置の自由度を高めた車両用温度調整装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、車両に備えたヒーター装置及び送風装置によって車室の温度または車両シートの温度を調節するスイッチを備えた車両用温度調整装置において、スイッチは、複数のボタンを備えた操作部材と、操作部材によって作動するスイッチ部材と、スイッチ部材からの信号により作動する発光部材と、発光部材の光を透過する表示部材と、操作部材、スイッチ部材、発光部材及び表示部材を組み付けるケース部材とから構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明では、スイッチは、複数のボタンを備えた操作部材と、操作部材によって作動するスイッチ部材と、スイッチ部材からの信号により作動する発光部材と、発光部材の光を透過する表示部材と、操作部材、スイッチ部材、発光部材及び表示部材を組み付けるケース部材とから構成したので、単独のケース部材に操作部材、スイッチ部材、発光部材及び表示部材を収めた1個のスイッチとなり、一般的なスイッチとほぼ同等のスペースに操作部材と表示部材を取付けることができ、視認性並びに操作性を損なうことなく配置の自由度を高めることができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。「左」、「右」は運転者から見た方向に従う。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は、本発明の車両用温度調整装置を用いた運転席の斜視図である。
運転席11は、車両シートとしてのドライバシート12と、ドライバシート12の前方に配置したインストルメントパネル13及びステアリングホイール14を備える。11aは車室を示す。
【0010】
ドライバシート(車両シート)12は、スライド装置15にシートクッション16を載せ、シートクッション16にリクライニング装置17を介してシートバック18を取付けたもので、シート温度調節装置21を備える。
【0011】
シート温度調節装置21は、ドライバシート12の温度を所望の温度に調節するものでシートクッション16及びシートバック18に設けたヒーター装置22,22と送風装置23,23と、温度を設定するとともにシートクション16の左側部24に配置した車両用温度調整装置21aを備える。
車両用温度調整装置21aは、スイッチ25を備える。
【0012】
スイッチ25は、温風の風量若しくは冷風の風量を設定する操作部材27と、操作部27で設定した状態を表示する表示部材としてのインジケ一夕28を有する。
【0013】
なお、スイッチ25をドライバシート12の左側部24に配置したが、車両シートのどの位置に配置してもよい。
また、スイッチ25を車両シート以外に配置してもよい。例えば、運転者前方に配置されたインストルメントパネル13、運転席11と助手席の間に備えられたセンターコンソール13a、運転席11あるいは助手席の側方に配置されたドア13b、シー卜座面等ドライバー席の近傍など、操作者の手の届く範囲に搭載してもよい。
スイッチ25は運転者または助手席に乗車した乗員によって操作される。
【0014】
図2は、本発明の車両用温度調整装置のスイッチを用いたシート温度調節装置のブロック図である。
シート温度調節装置21は、ドライバシート12(図1参照)を暖めるヒーター装置22と空気をファン等によって吹き出すための送風装置23と、これらのヒーター装置22と送風装置23を制御する制御装置29と、を備える。
【0015】
次にスイッチ25を具体的に説明する。
図3は、本発明の車両用温度調整装置が備えるスイッチの斜視図であり、スイッチ25は、具体的には、指Fで操作する第1押しボタン31及び第2押しボタン32を備えた操作部材27と、第1・第2押しボタン31,32の操作に基づいてそれぞれ動作する第1スイッチ33及び第2スイッチ34を備えたスイッチ部材35と、第1・第2スイッチ部33,34の情報に基づくとともに予め設定した条件に基づいて点灯又は消灯する発光部材36と、発光部材36の光を透過する表示部材(インジケ一夕)28と、これらの表示部材(インジケータ)28、操作部材27、スイッチ部材35及び発光部材36を一体的に組付けるケース部材37と、を備え、スイッチ部材35の情報に基づいて発光部材36を点灯又は消灯する制御装置29に接続する。
【0016】
つまり、スイッチ25は、操作部材27及び表示部材(インジケ一夕)28を単独のケース部材37に収めた1個のスイッチであると同時に、表示部材(インジケ一夕)28を内蔵したスイッチでもある。41はケース部材37に一体に成形してシートクッションのフレーム(図に示していない)側に取付けるフランジ部を示す。
【0017】
操作部材27は、第1押しボタン31及び第2押しボタン32を直動(矢印a1の方向)させるもので、第1押しボタン31側を温風ボタンとし、第2押しボタン32側を冷風ボタンとする。42はシート温度調節装置21の操作部材27を示すマークである。なお、マークのデザインは任意である。
【0018】
インジケータ28は、6個の第1〜第6インジケータ43〜48を有し、第1〜第3インジケータ43〜45は、例えば、温風の風量を示し、第1インジケータ43が照光すると風量は「弱」、第2インジケータ44が照光すると風量は「中」、第3インジケータ45が照光すると風量は「強」である。
【0019】
一方、第4〜第6インジケータ46〜48は、例えば、冷風の風量を示し、第4インジケータ46が照光すると風量は「弱」、第5インジケータ47が照光すると風量は「中」、第6インジケータ48が照光すると風量は「強」であることを示す。
なお、6個の第1〜第6インジケータ43〜48の色は任意であり、例えば、第1〜第3インジケータ43〜45に赤色を採用し、第4〜第6インジケータ46〜48に青色を採用する。
【0020】
例えば、温風を選択した場合、操作部材27の第1押しボタン(温風ボタン)31を1回だけ押すと第1インジケータ43が照光する。第1インジケータ43が照光した状態で第2押しボタン(冷風ボタン)32を押すと、第1インジケータ43の明かりは消えると同時に温風は止まる。具体的には後述する。
【0021】
図4は、図3の4−4線断面図であり、スイッチ25の操作部材27側の断面を示す。 スイッチ25は、既に説明した操作部材27、スイッチ部材35、ケース部材37と、ケース部材37に収めてスイッチ部材35を取付けた第1基板49と、スイッチ部材35を接続した第2基板51と、第2基板51に接続するとともに第1基板49に取付けた発光ダイオード52とを備える。
発光ダイオード52は、夜間など暗いときに車両の前照灯を点灯させると、制御装置29によって前照灯と同時に点灯する。
【0022】
ケース部材37は、第2基板51を収納可能に下部ケース本体53を成形し、下部ケース本体53に嵌合可能でかつ、操作部材27並びにスイッチ部材35を収納可能に上部ケース本体54を成形し、上部ケース本体54の上部に開口部55を成形し、上部ケース本体54の側部及び中央にガイド部56,56(中央のガイド部56を示していない。)を成形し、開口部55にパネル57を一体的に成形し、パネル57の表面にマスク58を取付けたものである。
【0023】
上・下部ケース本体54,53の材質は、発光ダイオード52の光L1を透過しない樹脂材料を用いた。
パネル57の材質は、発光ダイオード52の光L1を透過する樹脂材料を用いた。
なお、上部ケース本体54とパネル57とを2色成形法で成形した。
【0024】
第1スイッチ33は、ラバー製のラバーケース61と、ラバーケース61に収めた可動接点(図に示していない)とを備え、指を離すとラバーケース61の弾性により第1押しボタン31を戻す(矢印a2の方向)とともに、可動接点を復帰させて、初期状態に戻る。
第2スイッチ34は、第1スイッチ33と同じものである。
【0025】
第1押しボタン31は、上部ケース本体54の側部のガイド部56と中央のガイド部にスライド(矢印a3の方向)可能にスライド部材62を嵌合するとともに、スライド部材62の下端63を第1スイッチ33に接触させ、スライド部材62の上端に略V字状の屈折部65を成形し、屈折部65にレンズ部材66を取付け、レンズ部材66にノブ部材67を取付けたものである。
【0026】
レンズ部材66には、レンズ部68を成形し、レンズ部68によって発光ダイオード52の光L1がマーク42(図3参照)を透過する。
第2押しボタン32は、第1押しボタン31のレンズ部68を除いて、第1押しボタン31と同様である。
【0027】
図5は、図3の5−5線断面図であり、スイッチ25のインジケ一夕28側の断面を示す。
インジケ一夕(表示部材)28は、具体的には、既に述べた上部ケース本体54のパネル57に第1〜第6インジケータ43〜48を設定し、上部ケース本体54に導光ブロック71を取付け、導光ブロック71の下方でかつ第1基板49に発光部材36を取付け、発光部材36に接続してケース部材37に第3基板72を収めたものである。
【0028】
導光ブロック71は、操作部材、スイッチ部及び発光ダイオード52(図4参照)を一括して仕切る仕切り側部73を成形し、仕切り側部73に連ねて第1側部74並びに第2側部75を成形するとともに、第1〜第5隔壁76〜79,81を成形することでパネル57に第1〜第6インジケータ43〜48を形成しかつ発光部材36の光L2・・・(・・・は複数を示す。以下同様。)が通過する第1〜第6空間82〜87を形成したものである。
【0029】
発光部材36は、第1基板49に取付けるとともに第3基板72に接続し、第1〜第6空間82〜87の下端に配置した第1〜第6発光ダイオード88,89,91〜94であり、第1〜第6インジケータ43〜48からのそれぞれの透過光となる光L2・・・を電装部38の情報に基づいて発する。
【0030】
マスク58は、発光ダイオード52(図4参照)の光及び第1〜第6発光ダイオード88,89,91〜94の光L2を透過しない遮光シート(フイルムを含める。)と光L2を透過する透過シートを備え、遮光シートには、第1〜第6インジケータ43〜48に対応する6個の開口を透過可能に形成するとともに、マーク42(図3参照)などの図を透過可能に形成した。
【0031】
次にシート温度調節装置21に採用したスイッチ25の作動を説明する。
図6は、本発明の車両用温度調整装置が備えるスイッチの表示を説明する図であり、スイッチの表示と車両シートが備えるヒーター装置並びに送風装置との関係を示す。横軸をスイッチ25の表示とし、縦軸の左をヒーター温度、縦軸の右をブロア風量とした。横軸のS、H1〜H3、C1〜C3は第1〜第6インジケータ43〜48の照光(点灯)の状態を示す。Sはスイッチ25をオフ、H1〜H3は暖めるとき、C1〜C3は冷やすときの状態である。「|」は消灯、「/」は赤色点灯の点灯、「\」は青色点灯の点灯を示す。
【0032】
まず、スイッチ25のインジケータ28が消灯している時(Sの状態)はオフとなっている。つまり、シート温度調節装置21が作動していない状態ではインジケータ28は全て消灯している。
そこで運転者あるいは助手席に乗車した乗員がスイッチ25の2つの第1・第2押しボタン31,32(操作部材27)のいずれかを押すとシート温度調節装置21が作動する。ボタンを押すとその信号が制御装置29(図2参照)に送信され、制御装置ではその送信された信号を受け、あらかじめ設定されたプログラムによってヒー夕一装置22(図2参照)または送風装置23(図2参照)を作動させる。
【0033】
制御装置29(図2参照)は、2つの第1・第2押しボタン31,32のうちどちらかが何回押されたかをカウントする。制御装置はスイッチ(図4の第1・第2スイッチ部33,34)が押されたカウント値からインジケータ28を点灯させると共にあらかじめ設定されたプログラムによってヒーター装置または送風装置を作動させる。
【0034】
ここで、インジケータ28が消灯しているSの状態から例えば、運転者が1回、温度を下げる方向の第2押しボタン32を押した場合、第2スイッチ34からの信号が制御装置に送信され、下から3つ目の第4インジケータ46を点灯させる(C1の状態)と共に、制御プログラムによって制御装置は第一段階(風量弱)の信号を送風装置に送信し、送風装置を作動して弱の風量を発生させる。
【0035】
さらに運転者が1回、温度を下げる方向の第2押しボタン32を押した場合、第2スイッチ34からの信号が制御装置に送信され、下から3つ目の第4インジケータ46と下から2つ目の第5インジケータ47を点灯させる(C2の状態)と共に、制御プログラムによって制御装置は第二段階(風量中)の信号を送風装置に送信し、送風装置を作動して中の風量を発生させる。
【0036】
さらに運転者が1回、温度を下げる方向の第2押しボタン32を押した場合、第2スイッチ34からの信号が制御装置に送信され、下から3つ目の第4インジケータ46と下から2つ目の第5インジケータ47と一番下の第6インジケータ48を点灯させる(C3の状態)と共に、制御プログラムによって制御装置は第三段階(風量強)の信号を送風装置に送信し、送風装置を作動して強の風量を発生させる。
【0037】
そこで運転者が温度を上げる方向の第1押しボタン31を押した場合、第1スイッチ33からの信号が制御装置に送信され、下から3つ目の第4インジケータ46と下から2つ目の第5インジケータ47を点灯させる(C2の状態)と共に、制御プログラムによって制御装置は第二段階(風量中)の信号を送風装置に送信し、送風装置を作動して中の風量を発生させる。
【0038】
さらに、運転者が温度を上げる方向の第1押しボタン31を押した場合、第1スイッチ33からの信号が制御装置に送信され、下から3つ目の第4インジケータ46を点灯させると共に、制御プログラムによって制御装置は第一段階(風量弱)の信号を送風装置に送信し、送風装置を作動して弱の風量を発生させる。
【0039】
さらに、運転者が温度を上げる方向の第1押しボタン31を押した場合、第1スイッチ33からの信号が制御装置に送信され、全ての第1〜第6インジケータ43〜48を消灯させる(Sの状態)と共に、制御プログラムによって送風装置の作動を止める。
【0040】
全ての第1〜第6インジケータ43〜48が消灯しているSの状態からドライバシート(車両シート)12(図1参照)の温度を上げる方向の第1押しボタン31を押した場合については、送風装置の変わりにヒーター装置22(図2参照)が作動する状態である。 第1押しボタン31を押すと、第1〜第3インジケータ43〜45が逐次点灯する。
【0041】
このように、スイッチ25は、複数の第1・第2押しボタン31,32を備えた操作部材27と、操作部材27によって作動する複数の第1・第2スイッチ部33,34を備えるスイッチ部材35と、スイッチ部材35からの信号により作動する複数の第1〜第6発光ダイオード88,89,91〜94からなる発光部材36と、発光部材36の光を透過する表示部材28と、操作部材27、スイッチ部材35、発光部材36及び表示部材28を組み付けるケース部材37とから構成したので、単独のケース部材37に操作部材27及び表示部(インジケ一夕)28を収めた1個のスイッチとなり、一般的なスイッチとほぼ同等のスペースに取付けることができ、視認性並びに操作性を損なうことなく配置の自由度を高めることができる。
【0042】
また、図4及び図5に示した第1基板49に第1スイッチ33、第2スイッチ34、発光ダイオード52および第1〜第6発光ダイオード88,89,91〜94を一体的にまとめて接続したので、小型化を図ることができ、ケース部材37に収納することができる。
【0043】
さらに、単独のケース部材37に表示部材(インジケータ)28、操作部材27、スイッチ部材35及び発光部材36を収めた1個のスイッチとなり、操作部材27と表示部材(インジケ一夕)28との2つのものを一般的なスイッチを1個取付ける時間とほぼ同じ時間で取付けることができる。
【0044】
次に、スイッチ25の別の実施の形態を示す。
図7は、図4の断面に対応する別の実施の形態図である。上記図3〜図5に示す実施の形態と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。
【0045】
別の実施の形態のスイッチ25Bは、操作部材27Bと、スイッチ部材35Bと、発光ダイオード52と、レンズ部材98と、第2基板51と、ケース部材37Bと、を備える。
ここで、操作部材27Bの一部と表示部材(インジケ一夕)28B(図8参照)の一部を一体にかつキャップ状に成形したものをシーソー部材101と呼称する。
【0046】
シーソー部材101は、具体的には、キャップ状の内層本体102を成形し、内層本体102の中央に開口部103を成形し、開口部103の縁に凸部104,105をロッド106,106に当接可能に成形し、内層本体102に一体的に外層本体107を成形し、外層本体107の中央に支点部108を成形し、外層本体107の表面にマスク58Bを取付けたもので、支点部108の下端を中心に、実線で示す自由位置の状態から矢印a4の方向若しくは矢印a5の方向に所定の角度だけ動き、二点鎖線で示す動作限度位置まで動作可能である。
内層本体102の材質は、発光ダイオード52の光L1を透過しない樹脂材料を用いた。
外層本体107の材質は、発光ダイオード52の光L1を透過する樹脂材料を用いた。 なお、内層本体102と外層本体107とを2色成形法で成形した。
【0047】
操作部材27Bは、第1・第2押しボタンに相当しかつ外層本体107に形成した第1・第2ノブ部111,112と、第1・第2ノブ部111,112に当接するロッド106,106と、ロッド106,106に掛けた弾性部材113,113と、からなる。
弾性部材113は、例えば、圧縮ばねであり、ロッド106を介してシーソー部材101(第1・第2ノブ部111,112を含む。)を実線で示す自由位置に復帰させる。
【0048】
ロッド106は、円柱状の本体114を形成し、本体114の一端にシーソー部材101の凸部104若しくは凸部105に当接するとともに弾性部材113を掛ける鍔状の掛止部115を形成したもので、本体114の他端でスイッチ部材35Bを押す。
なお、操作部材27B(操作部材27を含む。)の構成は任意であり、例えば、トグル方式を用いてもよい。
【0049】
スイッチ部材35Bは、第1スイッチ33B及び第2スイッチ34Bを備え、第1スイッチ33Bは、ケース部材61Bと、ケース部材61Bに収めた可動ばね(図に示していない)並びに接点(図に示していない)を備え、指を離すと弾性部材113が第1ノブ部111を戻すとほぼ同時に可動ばねが接点を復帰させて、初期状態に戻る。
第2スイッチ34Bは、第1スイッチ33Bと同じものである。
レンズ部材98は、レンズ部116に支点部108を受ける凸部117を形成したもの
で、発光ダイオード52の光L1を外層本体107に矢印a6のように導く。
【0050】
ケース部材37Bは、下部ケース本体53と下部ケース本体53に嵌合する上部ケース本体54Bとからなり、上部ケース本体54Bは、中央に発光ダイオード52を収めるように形成した収納凹部118と、収納凹部118に連ねかつ発光ダイオード52の光L1を通過させるように形成した孔119と、孔119に連ねかつレンズ部材98を取付けるように形成した凹状のレンズ嵌合部121と、端側にロッド106をスライドさせるように開けたスライド孔122,122と、スライド孔122の外方に弾性部材113を掛止するように形成した環状の掛止溝123,123とを有する。
上部ケース本体54Bの材質は、発光ダイオード52の光L1を透過しない樹脂材料を用いた。
【0051】
図8は、図5の断面に対応する別の実施の形態図である。上記図3〜図5に示す実施の形態と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。
スイッチ25Bはまた、表示部材(インジケ一夕)28Bと、発光部材36と、第3基板72を備える。
シーソー部材101はさらに、内層本体102の開口部103(図7参照)の隣に、発光源36の光L2・・・を表示部材(インジケ一夕)28Bまで通過させるための仕切り部124・・・及び孔125・・・を成形し、孔125・・・に一体的に充填した光通過部126・・・を外層本体107に連ねて形成したものである。
【0052】
上部ケース本体54Bはまた、発光ダイオード52(図7参照)を収める収納凹部118(図7参照)の隣に仕切り部127・・・及び空間128・・・を成形し、仕切り部127・・・の上端をシーソー部材101の仕切り部124・・・並びに光通過部126・・・の下端に被さるようにしたものである。
仕切り部127・・・及び空間128・・・は共に、発光部材36の第1〜第6発光ダイオード88,89,91〜94の光L2・・・を個別にインジケータ28Bまで導くとともに、光漏れを防止する。
【0053】
ここで、表示部材(インジケ一夕)28Bの構成を主体に説明すると、インジケータ28Bは、第1〜第6インジケータ43〜48と、シーソー部材101に成形した仕切り部124・・・と、孔125・・・と、光通過部126・・・と、仕切り部127・・・及び空間128・・・と、からなる。
なお、図3〜図8に示したそれぞれの部品を組合わせてもよく、例えば、スイッチ部35Bとスイッチ部材35を入れ替えることも可能で、その際には関連するものの形態を対応させる。
【0054】
このように、別の実施の形態のスイッチ25Bでは、単独のケース部材37Bに操作部27B及び表示部材(インジケ一夕)28Bを収めた1個のスイッチとなり、車両用温度調整装置21aと同じ効果を発揮することができる。
例えば、一般的なスイッチとほぼ同等のスペースに取付けることができ、視認性並びに操作性を損なうことなく配置の自由度を高めることができる。
【0055】
次に、スイッチ25を車室内空調装置に適用した場合について説明する。
図9は、本発明の車両用温度調整装置を用いた車室内空調装置のブロック図である。
車室内空調装置131は、車室11a(図1参照)内の温度を調節するもので、車両用温度調整装置21aと、暖房を行うヒーター装置132と、冷房を行う冷房装置133と、それぞれの装置132,133で暖められたあるいは冷やされた空気をファン等によって吹き出すための送風装置134と、ヒーター装置132と冷房装置133と送風装置134を制御する制御装置29とを備える。ヒーター装置132の熱源は任意である。
車両用温度調整装置21aは、スイッチ25を備える。
【0056】
図10は、本発明の車両用温度調整装置が備えるスイッチの表示とヒーター装置、冷房装置、送風装置との関係を説明する図である。図6に示す内容と同様の内容については、同一符号を付し説明を省略する。
横軸をスイッチ25の表示とし、縦軸の左をヒーター装置の作動、冷房装置の作動とし、縦軸の右をブロア風量とした。
【0057】
まず、スイッチ25のインジケータ28が消灯している時(Sの状態)はオフとなっている。つまり、車室内空調装置が作動していない状態ではインジケータ28は全て消灯している。
【0058】
そこで運転者あるいは助手席に乗車した乗員がスイッチ25の2つの第1・第2押しボタン31,32(操作部材27)のいずれかを押すと車室内空調装置が作動する。ボタンを押すとその信号が制御装置29(図2参照)に送信され、制御装置ではその送信された信号を受け、あらかじめ設定されたプログラムによってヒーター装置132(図9参照)と冷房装置133(図9参照)と送風装置134(図9参照)を個別に作動させる。
【0059】
制御装置29(図2参照)は、2つの第1・第2押しボタン31,32のうちどちらかが何回押されたかをカウントする。制御装置はスイッチ(図4の第1・第2スイッチ部33,34)が押されたカウント値からインジケー夕28を点灯させると共にあらかじめ設定されたプログラムによってヒーター装置と冷房装置と送風装置を個別に作動させる。
【0060】
ここでインジケータ28が消灯しているSの状態から例えば、運転者が1回、温度を下げる方向の第2押しボタン32を押した場合、第2スイッチ34からの信号が制御装置に送信され、下から3つ目の第4インジケータ46を点灯させる(C1の状態)と共に、制御プログラムによって制御装置は送風装置134が第一段階(風量弱)で、冷房装置133の作動が第一段階(弱)の信号をそれぞれの装置133,134に送信し、それぞれの装置133,134が作動する。
【0061】
さらに、運転者が1回温度を下げる方向の第2押しボタン32を押した場合、第2スイッチ34からの信号が制御装置に送信され、下から3つ目の第4インジケータ46と下から2つ目の第5インジケータ47を点灯させる(C2の状態)と共に、制御プログラムによって制御装置は送風装置が第二段階(風量中)で、冷房装置の作動が第二段階(中)の信号をそれぞれの装置133,134に送信し、それぞれの装置133,134が作動する。
【0062】
さらに運転者が1回、温度を下げる方向の第2押しボタン32を押した場合、第2スイッチ34からの信号が制御装置に送信され、下から3つ目の第4インジケータ46と下から2つ目の第5インジケータ47と一番下の第6インジケータ48を点灯させる(C3の状態)と共に、制御プログラムによって制御装置は送風装置が第三段階(風量強)で、冷房装置が第三段階(強)の信号をそれぞれの装置133,134に送信し、それぞれの装置133,134が作動する。
【0063】
そこで運転者が温度を上げる方向の第1押しボタン31を押した場合、第1スイッチ33からの信号が制御装置に送信され、下から3つ目の第4インジケータ46と下から2つ目の第5インジケータ47を点灯させる(C2の状態)と共に、制御プログラムによって制御装置は送風装置が第二段階(風量中)で、冷房装置の作動が第二段階(中)の信号をそれぞれの装置133,134に送信し、それぞれの装置133,134が作動する。
【0064】
さらに、運転者が温度を上げる方向の第1押しボタン31を押した場合、第1スイッチ33からの信号が制御装置に送信され、下から3つ目の第4インジケータ46を点灯させると共に、制御プログラムによって制御装置は送風装置が第一段階(風量弱)で、冷房装置の作動が第一段階(弱)の信号をそれぞれの装置133,134に送信し、それぞれの装置133,134が作動する。
【0065】
さらに、運転者が温度を上げる方向の第1押しボタン31を押した場合、第1スイッチ33からの信号が制御装置に送信され、全ての第1〜第6インジケータ43〜48を消灯させると共に、制御プログラムによって送風装置、冷房装置の作動を止める。
【0066】
全ての第1〜第6インジケータ43〜48が消灯しているSの状態から温度を上げる方向の第1押しボタン31を押した場合については、冷房装置133からヒーター装置132に切り替り、ヒーター装置が作動する状態である。
第1押しボタン31を押すと、第1〜第3インジケータ43〜45が逐次点灯する。
【0067】
尚、本発明の車両用温度調整装置は、実施の形態ではドライバシートに適用したが、ドライバシート以外の車両シートにも適用可能であり、一般の車両のシートに適用することは差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明の車両用温度調整装置は、車両シートのシート温度調節装置に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の車両用温度調整装置を用いた運転席の斜視図
【図2】本発明の車両用温度調整装置のスイッチを用いたシート温度調節装置のブロック図
【図3】本発明の車両用温度調整装置が備えるスイッチの斜視図
【図4】図3の4−4線断面図
【図5】図3の5−5線断面図
【図6】本発明の車両用温度調整装置が備えるスイッチの表示を説明する図
【図7】図4の断面に対応する別の実施の形態図
【図8】図5の断面に対応する別の実施の形態図
【図9】本発明の車両用温度調整装置を用いた車室内空調装置のブロック図
【図10】本発明の車両用温度調整装置が備えるスイッチの表示とヒーター装置、冷房装置、送風装置との関係を説明する図
【図11】従来の技術の基本構成を説明する図
【符号の説明】
【0070】
11a…車両、12…車両シート(ドライバシート)、21a…車両用温度調整装置、22…ヒーター装置、23…送風装置、25…スイッチ、27…操作部材、28…表示部材、31…第1押しボタン、32…第2押しボタン、33…第1スイッチ、34…第2スイッチ、35…スイッチ部材、36…発光部材、37…ケース部材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に備えたヒーター装置及び送風装置によって車室の温度または車両シートの温度を調節するスイッチを備えた車両用温度調整装置において、
前記スイッチは、複数のボタンを備えた操作部材と、操作部材によって作動するスイッチ部材と、スイッチ部材からの信号により作動する発光部材と、発光部材の光を透過する表示部材と、操作部材、スイッチ部材、発光部材及び表示部材を組み付けるケース部材とから構成されたことを特徴とする車両用温度調整装置。
【請求項1】
車両に備えたヒーター装置及び送風装置によって車室の温度または車両シートの温度を調節するスイッチを備えた車両用温度調整装置において、
前記スイッチは、複数のボタンを備えた操作部材と、操作部材によって作動するスイッチ部材と、スイッチ部材からの信号により作動する発光部材と、発光部材の光を透過する表示部材と、操作部材、スイッチ部材、発光部材及び表示部材を組み付けるケース部材とから構成されたことを特徴とする車両用温度調整装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−49011(P2006−49011A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−226003(P2004−226003)
【出願日】平成16年8月2日(2004.8.2)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月2日(2004.8.2)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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