説明

車両用空調システム

【課題】車両用空調システムにおいてヒートポンプの不具合を防止しながら暖房運転のエネルギー効率を向上させる。
【解決手段】本発明の車両用空調システムは、車室外から導入される外気を、コンデンサによって加熱して車室内へと導入するとともに、車室内から排出される内気を、エバポレータによって熱を回収して車室外へと排出しており、車室内温度が所定温度より低いときには(S11)、コンプレッサの作動を停止させる(S15)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンなどの熱源を持たない電気自動車や燃料電池車などに搭載可能な車両用空調システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用空調システムとして、コンプレッサ、コンデンサ、リキッドタンク、エバポレータなどによって構成されるヒートポンプを利用して、冷媒の流路を切り換えることで冷房運転及び暖房運転を行うことができるものが知られている。
【0003】
また、暖房時に換気のために車室外へ排出される空気をエバポレータにおける冷媒の蒸発に用いることによって排出空気が持つ熱エネルギーを回収する技術が特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2002−98430公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、外気温が例えば−20℃以下となるような極低温状態においては、冷媒の密度が低下するのでコンプレッサの上流側の圧力がほぼ負圧となり、冷媒流量を確保することが困難となる。これにより、冷媒とともに循環しているコンプレッサ潤滑用のオイルがコンプレッサに戻りにくくなるので、コンプレッサの潤滑が不足して最悪の場合破損する可能性がある。また、冷媒の循環流路の一部が負圧となることにより、循環流路内に水分や空気が侵入して循環流路が腐食するなどの問題が生じる可能性がある。
【0005】
また、外気温が極低温時はヒートポンプの作動を停止してヒータなどによって暖房性能を確保することも考えられるが、ヒータなどによる暖房だけではエネルギー効率が低下する上、暖房能力が不足する場合もある。
【0006】
本発明は、車両用空調システムにおいてヒートポンプの不具合を防止しながら暖房運転のエネルギー効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、第1の冷媒の循環経路中に、第1の冷媒を圧縮するコンプレッサと、第1の冷媒の熱を放熱させるコンデンサと、第1の冷媒を膨張させる膨張手段と、第1の冷媒に吸熱させるエバポレータとを順に備える車両用空調システムにおいて、車室外から導入される外気を、コンデンサによって加熱して車室内へと導入する外気導入手段と、車室内から排出される内気を、エバポレータによって熱を回収して車室外へと排出する内気排出手段と、車室内温度が所定温度より低いとき、コンプレッサの作動を停止させるコンプレッサ停止手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、外気導入手段によって車室内へと導入される外気を加熱する第1のヒータを備え、車室内温度が所定温度より低いとき、第1のヒータによって外気を加熱することを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、車室内温度が所定温度以上であるとき、コンプレッサを作動させ、暖房能力が不足する分を第1のヒータによって補うことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、車室内の空気の露点温度を算出する露点温度算出手段と、エバポレータの温度が露点温度近傍であって露点温度より高い温度となるようにコンプレッサの出力を制御するコンプレッサ制御手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、除湿暖房が必要か否かを判定する除湿暖房判定手段と、除湿暖房が必要と判定されたとき、内気排出手段によって熱を回収した後の空気の一部を車室内へ戻す排出空気還流手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、コンデンサから放熱される熱を吸熱する第2の冷媒の循環経路中に、第2の冷媒を循環させるポンプと、第2の冷媒を加熱する第2のヒータと、第2の冷媒の熱を放熱させるヒータコアとを備え、外気導入手段は、車室外から導入される外気を、ヒータコアによって加熱して車室内へと導入し、車室内温度が所定温度以上であるとき、第2の冷媒の温度が第1の冷媒の温度より低くなるように第2のヒータの出力を制御するヒータ制御手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、ヒートポンプを作動させるか否かを車室内の温度によって判定するので、外気温度が極低温の場合でも車室内温度が所定温度より高ければヒートポンプを作動させることができ、コンプレッサの不具合を防止しながら暖房性能を向上させることができる。また、ヒートポンプの作動する領域が拡大することにより暖房効率を向上させることができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、車室内温度が所定温度より低いときは第1のヒータによって外気を加熱することができるので、ヒートポンプの作動を停止しているときであっても暖房を行うことができ、極低温時であっても暖房能力を確保することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、ヒートポンプを作動させているときは暖房能力の不足分を第1のヒータによって補うので、成績係数の高いヒートポンプを優先的に使用することができ、効率のよい暖房を行うことができる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、車室内の露点温度を算出し、エバポレータの温度が露点温度近傍で露点温度より高くなるようにコンプレッサの出力を制御するので、エバポレータの霜付きを防止することができる。よって、除霜運転を行う必要がないので、暖房が中断されることがなく、安定した連続作動を行うことができる。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、除湿暖房が必要であるか否かを判定し、必要であるときは内気排出手段によって熱を回収した後の空気の一部を車室内へ戻すので、エバポレータにおいて除湿された空気によって車室内の相対湿度が低下し、窓曇りを防止することができる。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、第2の冷媒の温度が第1の冷媒の温度より低くなるように第2のヒータの出力を制御するので、冷却水温度が上昇しすぎて冷媒温度との差が小さくなることにより、冷却水と冷媒との熱交換効率が低下することを防止できる。よって、電気ヒータよりヒートポンプを優先的に作動させることができ、暖房効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下では図面等を参照して本発明の実施の形態について詳しく説明する。
【0020】
(第1実施形態)
図1は本実施形態における車両用空調システムのシステム構成図である。車両用空調システムは、冷媒としてのR134aが充填される循環経路1中に、コンプレッサ2、コンデンサ3、リキッドタンク4、膨張弁5及びエバポレータ6を順に備えてヒートポンプを構成する。
【0021】
コンプレッサ2は、吸入した比較的低温低圧の冷媒を圧縮して高温高圧の冷媒として吐出する。
【0022】
コンデンサ3は、コンプレッサ2から圧送された冷媒とコンデンサ3を通過する流体との間で熱交換させ、コンデンサ3を通過する流体を加熱するとともに、冷媒温度を下げて凝縮させる。
【0023】
リキッドタンク4は、凝縮した冷媒を気液分離して、液相の冷媒のみを膨張弁5へ送出する。
【0024】
膨張弁5は、リキッドタンク4から送出された液相の冷媒を膨張(減圧)させて低温低圧の冷媒としてエバポレータ6へと送出する。
【0025】
エバポレータ6は、膨張弁5から送出された冷媒とエバポレータ6を通過する空気とを熱交換させ、エバポレータ6を通過する空気から吸熱する。
【0026】
図2は、本実施形態における車両用空調システムの空調ダクト20の構成を示す概略構成図である。
【0027】
空調ダクト20内の一部は仕切り板21によって平行する2つの流路22、23に分離される。一方の流路22にはブロアファン24、コンデンサ3及び電気ヒータ26が設けられ、ブロアファン24によって車室外から導入された空気を、コンデンサ3及び電気ヒータ26の少なくともいずれか一方によって加熱して車室内へと送風する。また、他方の流路23にはブロアファン25及びエバポレータ6が設けられ、換気のために車室内から導入された空気からエバポレータ6によって熱を回収して、冷却された空気を車室外へと排出する。
【0028】
すなわち、車室外の冷気をコンデンサ3及び電気ヒータ26の少なくとも一方によって加熱して車室内へと導入して車室内を暖房するとともに、換気のために車室内から車室外へと排出される比較的高温の空気からエバポレータ6によって吸熱する。
【0029】
次に本実施形態における車両用空調システムの制御について図3のフローチャートを用いて説明する。なお、以下の制御は微少時間ごとに繰り返し行われる。
【0030】
ステップS11では、車室内の温度が所定温度より高いか否かを判定する。車室内温度が所定温度より高ければステップS12へ進み、ヒートポンプを作動させ、車室内の温度が所定温度以下であればステップS15へ進み、ヒートポンプを停止させ、電気ヒータのみで暖房を行う。ここで、ステップS12では、ヒートポンプを作動させるが、暖房能力が不足する場合には電気ヒータ26をさらに作動させて暖房能力を補う。またステップS15では、要求される暖房能力にかかわらずヒートポンプの作動は停止させる。なお、所定温度は、ヒートポンプの冷媒の密度が低くなりすぎてコンプレッサ2の上流側が負圧になるおそれがある温度であり、例えば−20℃に設定される。
【0031】
ステップS13では、車室内の露点温度を算出する。車室内の露点温度は車室内の温度及び相対湿度に基づいて図4に示す湿り空気線図を参照して算出する。例えば車室内の温度が20℃であって、相対湿度が20%である点Aの状態から温度を低下させていき、相対湿度が100%となる点Bにおける温度である−3℃が露点温度となる。
【0032】
ステップS14では、エバポレータ6の温度が露点温度近傍で、かつ露点温度より高くなるようにコンプレッサ2の出力を制御する。すなわち、コンプレッサ2の出力が高いほどエバポレータ6の温度が低下するので、エバポレータ6の温度が露点温度より少しだけ高い温度となるようにコンプレッサ2の出力を制御する。
【0033】
以上のように本実施形態では、ヒートポンプを作動させるか否かを車室内の温度によって判定するので、外気温度が極低温の場合でも車室内温度が所定温度より高ければヒートポンプを作動させることができ、コンプレッサ2の不具合を防止しながら暖房性能を向上させることができる。また、従来ヒートポンプを作動させていなかった極低温下でも車室内温度によってはヒートポンプを作動させることができるので、ヒートポンプの作動する領域が拡大することにより暖房効率を向上させることができる。
【0034】
また、車室内の露点温度を算出し、エバポレータ6の温度が露点温度近傍で、かつ露点温度より高くなるようにコンプレッサ2の出力を制御するので、エバポレータ6の霜付きを防止することができる。これにより、除霜運転を行う必要がないので、暖房が中断されることがなく、安定した連続作動を行うことができる。
【0035】
(第2実施形態)
本実施形態では車両用空調システムの構成は第1実施形態と同一であり、その制御内容が異なる。本実施形態における車両用空調システムの制御について図5のフローチャートを用いて説明する。なお、以下の制御は微少時間ごとに繰り返し行われる。
【0036】
ステップS21、S22、S25は第1実施形態のステップS11、S12、S15とそれぞれ同一であり、車室内温度が所定温度より高いか否かを判定して、車室内温度が所定温度より高ければヒートポンプを作動させ、所定温度以下であればヒートポンプの作動を停止して電気ヒータ26のみで暖房を行う。
【0037】
ステップS23では、除湿暖房が必要であるか否かを判定する。除湿暖房が必要であると判定されるとステップS24へ進み、必要ないと判定されると処理を終了する。除湿暖房が必要であるか否かは、車室内空気の露点温度を算出してフロントガラスに窓曇りが発生するか否かによって判定する。すなわち、車室内の温度と相対湿度に基づいて図4の湿り空気線図を参照することで車室内空気の露点温度を算出し、外気温度とほぼ等しいフロントガラスの温度が車室内空気の露点温度以下であるとき、窓曇りが発生すると判定する。
【0038】
このようにして除湿暖房が必要と判断されると、ステップS24において、エバポレータ6を通過後の空気を一部車室内へ戻す。エバポレータ6を通過後の空気は、図6に示すように、仕切り板21の下流端に設けられるミックスドア27を開けることで、流路23を流れるエバポレータ6通過後の除湿された空気の一部を流路22を流れる空気と混合させ、車室内へと戻される。
【0039】
以上のように本実施形態では、第1実施形態と同様に、ヒートポンプを作動させるか否かを車室内の温度によって判定するので、外気温度が極低温の場合でも車室内温度が所定温度より高ければヒートポンプを作動させることができ、コンプレッサ2の不具合を防止しながら暖房性能を向上させることができる。また、ヒートポンプの作動する領域が拡大することにより暖房効率を向上させることができる。
【0040】
また、除湿暖房が必要であるときはエバポレータ6を通過後の空気を一部車室内へと戻すので、エバポレータ6において除湿された空気によって車室内の相対湿度が低下し、窓曇りを防止することができる。なお、除湿暖房が必要になるのは外気温度が15℃程度であり、コンプレッサ2の負荷が低いときであるので、コンプレッサ2の出力、すなわち暖房性能には余力があり、エバポレータ6において除湿した後の低温の空気を車室内へ導入しても、窓曇りを防止しながら暖房性能を確実に確保することができる。
【0041】
(第3実施形態)
本実施形態では、車両用空調システムの構成及び制御が第1実施形態とは異なる。図7は本実施形態における車両用空調システムのシステム構成図である。
【0042】
ヒートポンプについては第1実施形態と同一の構成であり、コンデンサ3は、冷却水によって冷却される水冷式となる。すなわち、コンデンサ3において冷媒と冷却水との間で熱交換が行われ、冷却水は冷媒によって加熱される。
【0043】
コンデンサ3において冷媒を冷却する冷却水の循環経路30には、ポンプ31、コンデンサ3、電気ヒータ32及びヒータコア33が順に接続される。
【0044】
ポンプ31は、冷却水を循環経路30内に循環させるために吸入した冷却水を加圧して圧送する。
【0045】
電気ヒータ32は、コンデンサ3の下流側に設けられ、通電することで発熱して冷却水を加熱する。
【0046】
ヒータコア33は、冷却水とヒータコア33を通過する空気とを熱交換させることで、ヒータコア33を通過する空気を加熱する。
【0047】
車両用空調システムは以上のように構成され、電気ヒータ32をオンにしてコンデンサ3によって加熱された冷却水をさらに加熱する。これにより高温となった冷却水がヒータコア33を流れることでヒータコア33を通過する空気が加熱され、車室内に温風を取り入れることができる。
【0048】
図8は、本実施形態における車両用空調システムの空調ダクト20の構成を示す概略構成図である。空調ダクト20の構成は第1実施形態と同様であるが、本実施形態の空調ダクト20には図2のコンデンサ3の代わりにヒータコア33が設けられる。これにより、ブロアファン24によって車室外から導入された空気を、ヒータコア33によって加熱して車室内へと送風する。また、第1及び第2実施形態において使用した電気ヒータ26は本実施形態では設けられておらず、ヒータの作動が必要な場合には冷却水の循環経路30中に設けられる電気ヒータ32を作動させる。
【0049】
次に本実施形態における車両用空調システムの制御について図9のフローチャートを用いて説明する。なお、以下の制御は微少時間ごとに繰り返し行われる。
【0050】
ステップS31、S32、S36は第1実施形態のステップS11、S12、S15とそれぞれ同一であり、車室内温度が所定温度より高いか否かを判定して、車室内温度が所定温度より高ければヒートポンプを作動させ、所定温度以下であればヒートポンプの作動を停止して電気ヒータ32のみで暖房を行う。
【0051】
ステップS33では、冷媒温度から冷却水温度を減算した値が所定値より小さいか否かを判定する。所定値より小さければステップS35へ進んで電気ヒータ32を停止し、所定値以上であればステップS34へ進んで電気ヒータ32を作動させる。所定値は、コンデンサ3における冷媒と冷却水との熱交換効率を維持するのに必要な冷媒と冷却水との温度差の最低値に設定される。
【0052】
冷媒温度から冷却水温度を減算した値が所定値より小さい場合とは、電気ヒータ32の作動によって冷却水の温度が上昇して冷媒温度との差が小さくなった場合であり、これ以上温度差が小さくなると冷却水と冷媒との間の熱交換効率が低下するので、電気ヒータ32の作動を停止させ熱交換効率の低下を防止する。すなわち、上記制御によって冷媒温度が冷却水温度より常に所定値以上高くなるように電気ヒータ32の作動を制御している。
【0053】
以上のように本実施形態では、第1実施形態と同様に、ヒートポンプを作動させるか否かを車室内の温度によって判定するので、外気温度が極低温の場合でも車室内温度が所定温度より高ければヒートポンプを作動させることができ、コンプレッサ2の不具合を防止しながら暖房性能を向上させることができる。また、ヒートポンプの作動する領域が拡大することにより暖房効率を向上させることができる。
【0054】
また、冷媒温度から冷却水温度を減算した値が所定値未満となったとき、電気ヒータ32を停止するので、冷却水温度が上昇しすぎて冷媒温度との差が小さくなることにより、冷却水と冷媒との熱交換効率が低下することを防止できる。さらに、電気ヒータ32よりヒートポンプを優先的に作動させることができ、暖房効率を向上させることができる。
【0055】
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能である。
【0056】
例えば、第1〜第3実施形態ではヒータとして電気ヒータ26、32を使用しているが、燃焼式ヒータなどを用いても同様の作用効果を得ることができる。
【0057】
また、流路22には外気を導入しているが、車室内の空気を一部導入してもよい。これにより、暖房効率をさらに向上させることができる。
【0058】
さらに、第3実施形態では冷媒温度から冷却水温度を減算した値が所定値以上となるように電気ヒータ32の作動及び停止を切り換えているが、これに代えて、又はこれと併せてヒートポンプのコンプレッサ2の出力を制御してもよい。
【0059】
さらに、第1〜第3実施形態を適宜組み合わせて暖房運転を行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】第1実施形態における車両用空調システムの構成を示すシステム構成図である。
【図2】第1実施形態における空調ダクトの構成を示す構成図である。
【図3】第1実施形態における車両用空調システムの制御を示すフローチャートである。
【図4】湿り空気線図である。
【図5】第2実施形態における車両用空調システムの制御を示すフローチャートである。
【図6】第2実施形態における空調ダクトの構成を示す構成図である。
【図7】第3実施形態における車両用空調システムの構成を示すシステム構成図である。
【図8】第3実施形態における空調ダクトの構成を示す構成図である。
【図9】第3実施形態における車両用空調システムの制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0061】
1 循環経路
2 コンプレッサ
3 コンデンサ
4 リキッドタンク
5 膨張弁
6 エバポレータ
20 空調ダクト
21 仕切り板
22、23 流路
24、25 ブロアファン
26 電気ヒータ
27 ミックスドア
30 循環経路
31 ポンプ
32 電気ヒータ
33 ヒータコア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の冷媒の循環経路(1)中に、前記第1の冷媒を圧縮するコンプレッサ(2)と、前記第1の冷媒の熱を放熱させるコンデンサ(3)と、前記第1の冷媒を膨張させる膨張手段(5)と、前記第1の冷媒に吸熱させるエバポレータ(6)とを順に備える車両用空調システムにおいて、
車室外から導入される外気を、前記コンデンサ(3)によって加熱して車室内へと導入する外気導入手段(22、24)と、
車室内から排出される内気を、前記エバポレータ(6)によって熱を回収して車室外へと排出する内気排出手段(23、25)と、
車室内温度が所定温度より低いとき、前記コンプレッサ(2)の作動を停止させるコンプレッサ停止手段とを備えることを特徴とする車両用空調システム。
【請求項2】
前記外気導入手段(22、24)によって車室内へと導入される外気を加熱する第1のヒータ(26)を備え、
車室内温度が所定温度より低いとき、前記第1のヒータ(26)によって外気を加熱することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調システム。
【請求項3】
車室内温度が所定温度以上であるとき、前記コンプレッサ(2)を作動させ、暖房能力が不足する分を前記第1のヒータ(26)によって補うことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用空調システム。
【請求項4】
車室内の空気の露点温度を算出する露点温度算出手段と、
前記エバポレータ(6)の温度が前記露点温度近傍であって前記露点温度より高い温度となるように前記コンプレッサ(2)の出力を制御するコンプレッサ制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の車両用空調システム。
【請求項5】
除湿暖房が必要か否かを判定する除湿暖房判定手段と、
除湿暖房が必要と判定されたとき、前記内気排出手段(23、25)によって熱を回収した後の空気の一部を車室内へ戻す排出空気還流手段(27)と、
を備えることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の車両用空調システム。
【請求項6】
前記コンデンサ(3)から放熱される熱を吸熱する第2の冷媒の循環経路(30)中に、前記第2の冷媒を循環させるポンプ(31)と、前記第2の冷媒を加熱する第2のヒータ(32)と、前記第2の冷媒の熱を放熱させるヒータコア(33)とを備え、
前記外気導入手段(22、24)は、車室外から導入される外気を、前記ヒータコア(33)によって加熱して車室内へと導入し、
車室内温度が所定温度以上であるとき、前記第2の冷媒の温度が前記第1の冷媒の温度より低くなるように前記第2のヒータ(32)の出力を制御するヒータ制御手段を備えることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の車両用空調システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2008−290523(P2008−290523A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−136638(P2007−136638)
【出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】