説明

車両用除加湿装置

【課題】車室内の快適性を向上させる。
【解決手段】制御回路22は、加湿オートモード操作スイッチ26から出力された非操作信号を入力すると、乗員によって加湿オートモード操作スイッチ26が操作されていないと判断し、一定時間毎に、ドレインホース36の入口を開放するように開閉ダンパ18を動作させると共に、ヒータ16及びブロワ12を作動させる。これにより、熱交換器14の吸着材に吸着された臭気がドレインホース36から車室外に排出される。従って、乗員が加湿オートモード操作スイッチ26の操作をしていないときに臭気の排出を実行するので、吸着材に吸着された臭気の車室外への排出がより効率的であり、乗員が加湿オートモード操作スイッチ26の操作をしたときには臭気が抑制された加湿空気を車室内に円滑に送風できる。これにより、車室内の快適性をより向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用除加湿装置に係り、特に、吸着材に吸着された臭気を車室外に排出する構成を備えた車両用除加湿装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用除加湿装置としては、次のものがある(例えば、特許文献1参照)。例えば、特許文献1には、無給水除加湿装置の例が開示されている。この無給水除加湿装置では、しばらく休止させた後に運転を再開させるべく電源を投入すると、一定時間、吸着手段に吸着されていた臭気が車室外に排出される構成とされている。
【特許文献1】特開2001−97038号公報
【特許文献2】特開2006−10307号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、車室内の快適性を考慮すると、電源投入直後に加湿空気を排出させたい場合も想定される。従って、車室内の快適性を向上させるためには改良の余地がある。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、車室内の快適性を向上させることができる車両用除加湿装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の車両用除加湿装置は、空気中の水分を吸着可能な吸着材を有する熱交換手段と、前記熱交換手段を加熱するための加熱手段と、前記熱交換手段と車室内とを連通する加湿流路及び除湿流路と、前記熱交換手段と車室外とを連通する排出流路と、前記熱交換手段を介して前記加湿流路、前記除湿流路及び前記排出流路から吹出される空気流れを形成するための送風手段と、前記熱交換手段と前記加湿流路、前記除湿流路及び前記排出流路のいずれかとが連通された状態に切り替えるための切替手段と、乗員による車室内の加湿の要求の有無を検出するための加湿要求検出手段と、前記加湿要求検出手段の検出結果に基づいて乗員による車室内の加湿の要求がないと判断した場合に、前記熱交換手段と前記排出流路とが連通された状態となるように前記切替手段を制御すると共に、前記加熱手段及び前記送風手段を作動させるための制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
請求項1に記載の車両用除加湿装置では、乗員による車室内の加湿の要求の有無が加湿要求検出手段によって検出され、制御手段によって乗員による車室内の加湿の要求がないと判断された場合には、熱交換手段と排出流路とが連通された状態となるように切替手段が制御されると共に、加熱手段及び送風手段が作動され、吸着材に吸着された臭気が排出流路を通じて車室外に排出される。
【0007】
従って、請求項1に記載の車両用除加湿装置によれば、乗員が車室内の加湿を要求していないときに臭気の排出を実行するので、吸着材に吸着された臭気の車室外への排出がより効率的であり、乗員が車室内の加湿を要求したときには臭気が抑制された加湿空気を車室内に円滑に送風できる。これにより、車室内の快適性をより向上させることができる。
【0008】
請求項2に記載の車両用除加湿装置は、請求項1に記載の車両用除加湿装置において、前記加湿要求検出手段は、乗員による加湿選択操作の有無を検出するための加湿選択操作検出手段とされ、前記制御手段は、前記加湿選択操作検出手段の検出結果に基づいて乗員による加湿選択操作がないと判断した場合に、前記熱交換手段と前記排出流路とが連通された状態となるように前記切替手段を制御すると共に、前記加熱手段及び前記送風手段を作動させることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の車両用除加湿装置では、乗員による加湿選択操作の有無が加湿選択操作検出手段によって検出され、制御手段によって乗員による加湿選択操作がないと判断された場合には、熱交換手段と排出流路とが連通された状態となるように切替手段が制御されると共に、加熱手段及び送風手段が作動され、吸着材に吸着された臭気が排出流路を通じて車室外に排出される。
【0010】
従って、請求項2に記載の車両用除加湿装置によれば、乗員が加湿作動の選択操作をしていないときに臭気の排出を実行するので、吸着材に吸着された臭気の車室外への排出がより効率的であり、乗員が加湿作動の選択操作をしたときには臭気が抑制された加湿空気を車室内に円滑に送風できる。これにより、車室内の快適性をより向上させることができる。
【0011】
請求項3に記載の車両用除加湿装置は、請求項1に記載の車両用除加湿装置において、前記加湿要求検出手段は、乗員による臭気排出選択操作の有無を検出するための臭気排出選択操作検出手段とされ、前記制御手段は、前記臭気排出選択操作検出手段の検出結果に基づいて乗員による臭気排出選択操作があったと判断した場合に、前記熱交換手段と前記排出流路とが連通された状態となるように前記切替手段を制御すると共に、前記加熱手段及び前記送風手段を作動させることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の車両用除加湿装置では、乗員による臭気排出選択操作の有無が臭気排出選択操作検出手段によって検出され、制御手段によって乗員による臭気排出選択操作があったと判断された場合には、熱交換手段と排出流路とが連通された状態となるように切替手段が制御されると共に、加熱手段及び送風手段が作動され、吸着材に吸着された臭気が排出流路を通じて車室外に排出される。
【0013】
従って、請求項3に記載の車両用除加湿装置によれば、乗員が臭気排出作動の選択操作をしたときに臭気の排出を実行するので、吸着材に吸着された臭気の車室外への排出がより効率的であり、乗員が車室内の加湿を要求したときには臭気が抑制された加湿空気を車室内に円滑に送風できる。これにより、車室内の快適性をより向上させることができる。
【0014】
請求項4に記載の車両用除加湿装置は、請求項1に記載の車両用除加湿装置において、前記加湿要求検出手段は、乗員による車両の走行可能状態解除操作の有無を検出するための走行可能状態解除操作検出手段とされ、前記制御手段は、前記走行可能状態解除操作検出手段の検出結果に基づいて乗員による車両の走行可能状態解除操作があったと判断した場合に、前記熱交換手段と前記排出流路とが連通された状態となるように前記切替手段を制御すると共に、前記加熱手段及び前記送風手段を作動させることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の車両用除加湿装置では、乗員による車両の走行可能状態解除操作の有無が走行可能状態解除操作検出手段によって検出され、制御手段によって乗員による車両の走行可能状態解除操作があったと判断された場合には、熱交換手段と排出流路とが連通された状態となるように切替手段が制御されると共に、加熱手段及び送風手段が作動され、吸着材に吸着された臭気が排出流路を通じて車室外に排出される。
【0016】
従って、請求項4に記載の車両用除加湿装置によれば、乗員が車両の走行可能状態解除操作をしたときに臭気の排出を実行するので、吸着材に吸着された臭気の車室外への排出がより効率的であり、乗員が車室内の加湿を要求したときには臭気が抑制された加湿空気を車室内に円滑に送風できる。これにより、車室内の快適性をより向上させることができる。
【0017】
請求項5に記載の車両用除加湿装置は、請求項1に記載の車両用除加湿装置において、前記加湿要求検出手段は、車室内の乗員の存在の有無を検出するための乗員存在検出手段とされ、前記制御手段は、前記乗員存在検出手段の検出結果に基づいて車室内に乗員が存在しないと判断した場合に、前記熱交換手段と前記排出流路とが連通された状態となるように前記切替手段を制御すると共に、前記加熱手段及び前記送風手段を作動させることを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の車両用除加湿装置では、車室内の乗員の存在の有無が乗員存在検出手段によって検出され、制御手段によって車室内に乗員が存在しないと判断された場合には、熱交換手段と排出流路とが連通された状態となるように切替手段が制御されると共に、加熱手段及び送風手段が作動され、吸着材に吸着された臭気が排出流路を通じて車室外に排出される。
【0019】
従って、請求項5に記載の車両用除加湿装置によれば、車室内に乗員が存在しないときに臭気の排出を実行するので、吸着材に吸着された臭気の車室外への排出がより効率的であり、乗員が車室内の加湿を要求したときには臭気が抑制された加湿空気を車室内に円滑に送風できる。これにより、車室内の快適性をより向上させることができる。
【0020】
請求項6に記載の車両用除加湿装置は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の車両用除加湿装置において、前記吸着材に吸着した臭気の濃度を検出するための臭気濃度検出手段を備え、前記制御手段は、前記臭気濃度検出手段の検出結果に基づいて前記吸着材に吸着した臭気の濃度が予め定められた基準値以上であると判断した場合に、前記熱交換手段と前記排出流路とが連通された状態となるように前記切替手段を制御すると共に、前記加熱手段及び前記送風手段を作動させることを特徴とする。
【0021】
請求項6に記載の車両用除加湿装置では、吸着材に吸着した臭気の濃度が臭気濃度検出手段によって検出され、制御手段によって吸着材に吸着した臭気の濃度が予め定められた基準値以上であると判断された場合には、熱交換手段と排出流路とが連通された状態となるように切替手段が制御されると共に、加熱手段及び送風手段が作動され、吸着材に吸着された臭気が排出流路を通じて車室外に排出される。
【0022】
従って、請求項6に記載の車両用除加湿装置によれば、吸着材に吸着した臭気の濃度が予め定められた基準値以上となったときに臭気の排出を実行するので、臭気の車室内への放出をより一層効果的に抑制することができる。
【0023】
請求項7に記載の車両用除加湿装置は、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の車両用除加湿装置において、前記吸着材は、骨格構造に少なくともアルミニウム及びリンを含むゼオライトであることを特徴とする。
【0024】
請求項7に記載の車両用除加湿装置では、骨格構造にアルミニウム(Al)、リン(P)を含むゼオライトが吸着材として用いられているので、水分、臭気の吸着、離脱性能が良好である。
【発明の効果】
【0025】
以上詳述したように、本発明によれば、吸着材に吸着された臭気の車室外への排出がより効率的であり、乗員が車室内の加湿を要求したときには臭気が抑制された加湿空気を車室内に円滑に放出できる。これにより、車室内の快適性をより向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参考に説明する。
【0027】
[第一実施形態]
はじめに、本発明の第一実施形態について説明する。図1には、本発明の第一実施形態に係る車両用除加湿装置の全体構成を示す説明図、図2には、この車両用除加湿装置の電気的な構成を示すブロック図がそれぞれ示されている。
【0028】
これらの図に示されるように、本発明の第一実施形態に係る車両用除加湿装置は、ブロワ12と、空気中の水分を吸着可能な吸着材が塗布された熱交換器14と、ヒータ16と、開閉ダンパ18と、切替ダンパ20と、制御回路22と、マニュアル操作スイッチ24と、加湿オートモード操作スイッチ26とを備えて構成されている。
【0029】
ブロワ12と熱交換器14とは、連通路28によって連通されており、熱交換器14と切替ダンパ20とは、連通路30によって連通されている。切替ダンパ20には、車室内と連通する加湿流路32及び除湿流路34が連結されており、連通路30には、車室外と連通するドレインホース36が連結されている。開閉ダンパ18は、連通路30内に配置され、ドレインホース36の入口を開閉する構成とされている。
【0030】
制御回路22には、入力側にマニュアル操作スイッチ24、加湿オートモード操作スイッチ26が電気的に接続され、出力側にブロワ12、ヒータ16、開閉ダンパ18、切替ダンパ20が電気的に接続されている。
【0031】
そして、上記構成からなる車両用除加湿装置では、制御回路22によって次の如くブロワ12、ヒータ16、開閉ダンパ18、切替ダンパ20の制御が行われて車室内に加湿空気及び除湿空気が送風されると共に熱交換器14の吸着材に吸着された臭気が車室外に排出される。
【0032】
すなわち、乗員によってマニュアル操作スイッチ24が操作されると、マニュアル操作スイッチ24から制御回路22に操作信号が出力される。制御回路22は、マニュアル操作スイッチ24から出力された操作信号を入力すると、乗員によってマニュアル操作スイッチ24が操作されたと判断し、次の如く動作する。
【0033】
つまり、先ず、制御回路22は、連通路30と加湿流路32とが連通された状態となるように切替ダンパ20を切替動作させると共に、ドレインホース36の入口を閉止するように開閉ダンパ18を動作させる。続いて、制御回路22は、ヒータ16及びブロワ12が作動させる。これにより、ブロワ12から送風され熱交換器14に導入された空気は、熱交換器14を通過するときに吸着材から放出された水分を得て加湿空気となり、この加湿空気は、切替ダンパ20から加湿流路32に送られて加湿流路32から車室内(例えば、乗員の顔に向けて)に送風される。
【0034】
一方、制御回路22は、一定時間後に、連通路30と除湿流路34とが連通された状態となるように切替ダンパ20を切替動作させると共にヒータ16を停止させる。これにより、ブロワ12から送風され熱交換器14に導入された空気は、熱交換器14を通過するときに吸着材に水分を吸着されて除湿空気となり、この除湿空気は、切替ダンパ20から除湿流路34に送られて除湿流路34から車室内(例えば、フロントガラスに向けて)に送風される。
【0035】
そして、制御回路22は、上述の加湿作動と除湿作動とを繰り返し行い、車室内に加湿空気と除湿空気とを交互に送風させる。
【0036】
また、乗員によって加湿オートモード操作スイッチ26が操作されると、加湿オートモード操作スイッチ26から制御回路22に操作信号が出力される。制御回路22は、加湿オートモード操作スイッチ26から出力された操作信号を入力すると、予め定められた所定の条件が満たされている間(例えば、車室内の湿度が基準値未満の間など)、上述の加湿作動と除湿作動とを繰り返し行い、車室内に加湿空気と除湿空気とを交互に送風させる。
【0037】
また、乗員によってマニュアル操作スイッチ24及び加湿オートモード操作スイッチ26が操作されていないときには、マニュアル操作スイッチ24及び加湿オートモード操作スイッチ26から制御回路22に非操作信号が出力される。制御回路22は、マニュアル操作スイッチ24及び加湿オートモード操作スイッチ26から出力された非操作信号を入力すると、乗員によってマニュアル操作スイッチ24及び加湿オートモード操作スイッチ26が操作されていないと判断し(つまり、乗員による加湿選択操作がなく、車室内の加湿の要求がないと判断)、この場合には、一定時間毎に、次の如く動作する。
【0038】
つまり、制御回路22は、ドレインホース36の入口を開放するように開閉ダンパ18を動作させると共に、ヒータ16及びブロワ12を作動させる。これにより、ブロワ12から送風され熱交換器14に導入された空気は、熱交換器14を通過するときに吸着材から放出された臭気成分を得て臭気とされ、この臭気は、ドレインホース36から車室外に排出される。
【0039】
従って、本発明の第一実施形態に係る車両用除加湿装置によれば、乗員がマニュアル操作スイッチ24及び加湿オートモード操作スイッチ26の操作をしていないときに臭気の排出を実行するので、吸着材に吸着された臭気の車室外への排出がより効率的であり、乗員がマニュアル操作スイッチ24及び加湿オートモード操作スイッチ26の操作をしたときには臭気が抑制された加湿空気を車室内に円滑に送風できる。これにより、車室内の快適性をより向上させることができる。
【0040】
なお、上記実施形態では、制御回路22が、乗員によってマニュアル操作スイッチ24及び加湿オートモード操作スイッチ26が操作されていないと判断した場合に、一定時間毎に、臭気を車室外に排出するようにしていたが、次のように動作するように構成されていても良い。
【0041】
すなわち、制御回路22は、一定時間毎に、乗員によってマニュアル操作スイッチ24及び加湿オートモード操作スイッチ26が操作されたか否かを判断し、これらが操作されていないと判断する毎に臭気を車室外に排出するように構成されていても良い。
【0042】
ここで、本発明の第一実施形態に係る車両用除加湿装置を構成する吸着材について補足する。本実施形態に要求される特性を満足する吸着材としては、低い温度で水蒸気を容易に吸着し且つ低い温度で容易に脱着し得るゼオライトが挙げられる。斯かるゼオライトとしては、シリカ・アルミナ比が2.5以上のFAU型などのアルミノシリケート類や骨格構造に少なくともAl(アルミニウム)とP(リン)を含むゼオライト、アルミノフォスフェート類が挙げられ、特に、骨格構造に少なくともAlとPを含む結晶性アルミノフォスフェート類が好ましい。吸着材個々の粒子における水蒸気の拡散を高める観点から、吸着材の粒子の大きさ(平均粒径)は、通常は0.1〜300μm、好ましくは0.5〜250μm、更に好ましくは1〜200μm、最も好ましくは2〜100μmとされる。
【0043】
上記のアルミノフォスフェート類(以下、「ALPO類」と適宜略記する。)は、IZA(International Zeolite Association)の定める結晶性アルミノフォスフェートである。結晶性アルミノフォスフェートは、骨格構造を構成する原子がアルミニウム及びリンであり、その一部が他の原子で置換されていても良い。中でも、吸着特性の点から、(I)アルミニウムがヘテロ原子Me1で一部置換されたMe−アルミノフォスフェート(但し、Me1は周期表第三又は第四周期に属し、2A族、7A族、8族、1B族、2B族、3B族(Alを除く)の元素から選ばれる少なくとも一種類の元素)、(II)リンがヘテロ原子Me2で置換されたMe−アルミノフォスフェート(但し、Me2は周期表第三又は第四周期に属する4B族元素)、あるいは、(III)アルミニウムとリンの両方がそれぞれヘテロ原子Me1,Me2で置換されたMe−アルミノフォスフェートが好ましい。
【0044】
Meは、1種でも2種以上含まれていても良い、好ましいMe(Me1,Me2)は、周期表第3、第4周期に属する元素である。Me1は2価の状態でイオン半径が3以上、0.8nm以下であるのが好ましく、更に好ましくは2価、4配位の状態でイオン半径が0.4以上、7nm以下である。上記の中でも、合成の容易さ、吸着特性の点から、Fe、Co、Mg、Znから選ばれる少なくとも一種類の元素であるのが好ましく、特にFeであるのが好ましい。Me2は、周期表第三又は第四周期に属する4B族元素であり、好ましくはSiである。
【0045】
また、上記のアルミノフォスフェート類としては、通常、そのフレームワーク密度(FD)が13T/nm以上で且つ20T/nm以下のものが使用される。フレームワーク密度の下限は、好ましくは13.5T/nm以上であり、更に好ましくは14T/nm以上である。一方、フレームフーク密度の上限は、好ましくは19T/nm以下である。フレームワーク密度が上記の範囲(下限)未満では、構造が不安定となる傾向があり、耐久性が低下する。一方、フレームワーク密度が上記の範囲(上限)を越えると、吸着容量が小さくなり、吸着材としての使用に適さなくなる,
なお、フレームワーク密度(単位:T/nm)とは、単位体積(nm)あたりに存在するT原子(ゼオライト1nm当たりの酸素以外の骨格を構成する元素の数)を意味する。
【0046】
アルミノフォスフェート類の構造としては、IZAが定める構造のコードで示すと、AEI、AEL、AET、AFI、AFN、AFR、AFS、AFT、AFX、ATO、ATS、CHA、ERI、LEV、VFIが挙げられる。中でも、吸着特性、耐久性の点からは、AEI、AEL、AFI、CHA、LEVの構造を備えたものが好ましく、特に、AFI、CHAの構造を備えたものが好ましい。
【0047】
吸着材としては、上記の様なアルミノフォスフェート類の中、SAPO−34、FAPO−5が特に好ましい。また、1種又は2種以上のALPO類を組み合わせて使用することもできる。なお、FAPO及びSAPOは、製造条件は特に限定されないが、通常、アルミニウム源、リン源、必要に応じてSi、Fe等のMe源、およぴ、テンプレートを混合した後、水熱合成して製造される。また、ALPO類は、例えば特公平1−57041、特開2003−183020、特開2004−136269等の公報に記載の公知の合成法を利用して合成することができる。
【0048】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について説明する。図3には、本発明の第二実施形態に係る車両用除加湿装置の電気的な構成を示すブロック図が示されている。なお、本発明の第二実施形態に係る車両用除加湿装置において、以下に説明する構成以外については上述の本発明の第一実施形態に係る車両用除加湿装置と同一であり、この同一の構成については同一の符号を付しその説明を省略する。
【0049】
本発明の第二実施形態に係る車両用除加湿装置では、制御回路22の入力側に臭気排出操作スイッチ38が接続されている。そして、この本発明の第二実施形態に係る車両用除加湿装置では、上述の本発明の第一実施形態に係る車両用除加湿装置に対し、臭気を排出するタイミングが異なる構成とされている。
【0050】
すなわち、乗員によって臭気排出操作スイッチ38が操作されると、臭気排出操作スイッチ38から制御回路22に臭気排出操作信号が出力される。制御回路22は、臭気排出操作スイッチ38から出力された臭気排出操作信号を入力すると、乗員によって臭気排出操作スイッチ38が操作されたと判断し(つまり、乗員による臭気排出選択操作があり、車室内の加湿の要求がないと判断)、上記と同様に、吸着材に吸着された臭気をドレインホース36(図1参照)から車室外に排出させる。
【0051】
従って、本発明の第二実施形態に係る車両用除加湿装置によれば、乗員が臭気排出操作スイッチ38の操作をしたときに臭気の排出を実行するので、吸着材に吸着された臭気の車室外への排出がより効率的であり、乗員がマニュアル操作スイッチ24及び加湿オートモード操作スイッチ26の操作をしたときには臭気が抑制された加湿空気を車室内に円滑に送風できる。これにより、車室内の快適性をより向上させることができる。
【0052】
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態について説明する。図4には、本発明の第三実施形態に係る車両用除加湿装置の電気的な構成を示すブロック図が示されている。なお、本発明の第三実施形態に係る車両用除加湿装置において、以下に説明する構成以外については上述の本発明の第一実施形態に係る車両用除加湿装置と同一であり、この同一の構成については同一の符号を付しその説明を省略する。
【0053】
本発明の第三実施形態に係る車両用除加湿装置では、制御回路22の入力側にイグニッションスイッチ40が接続されている。そして、この本発明の第三実施形態に係る車両用除加湿装置では、上述の本発明の第一実施形態に係る車両用除加湿装置に対し、臭気を排出するタイミングが異なる構成とされている。
【0054】
すなわち、乗員によってイグニッションスイッチ40がスイッチオフされると、イグニッションスイッチ40から制御回路22にスイッチオフ操作信号が出力される。制御回路22は、イグニッションスイッチ40から出力されたスイッチオフ操作信号を入力すると、乗員によってイグニッションスイッチ40がスイッチオフとされていると判断し(つまり、乗員による車両の走行可能状態解除操作があり、車室内の加湿の要求がないと判断)、一定時間毎に、上記と同様に、吸着材に吸着された臭気をドレインホース36(図1参照)から車室外に排出させる。
【0055】
従って、本発明の第三実施形態に係る車両用除加湿装置によれば、乗員によってイグニッションスイッチ40がスイッチオフとされているときに臭気の排出を実行するので、吸着材に吸着された臭気の車室外への排出がより効率的であり、乗員が乗車後にマニュアル操作スイッチ24及び加湿オートモード操作スイッチ26の操作をしたときには臭気が抑制された加湿空気を車室内に円滑に送風できる。これにより、車室内の快適性をより向上させることができる。
【0056】
なお、上記実施形態では、制御回路22が、乗員によってイグニッションスイッチ40がスイッチオフとされていると判断した場合に、一定時間毎に、臭気を車室外に排出するようにしていたが、次のように動作するように構成されていても良い。
【0057】
すなわち、制御回路22は、一定時間毎に、乗員によってイグニッションスイッチ40がスイッチオフとされたか否かを判断し、イグニッションスイッチ40がスイッチオフとされていると判断する毎に臭気を車室外に排出するように構成されていても良い。
【0058】
[第四実施形態]
次に、本発明の第四実施形態について説明する。図5には、本発明の第四実施形態に係る車両用除加湿装置の電気的な構成を示すブロック図が示されている。なお、本発明の第四実施形態に係る車両用除加湿装置において、以下に説明する構成以外については上述の本発明の第一実施形態に係る車両用除加湿装置と同一であり、この同一の構成については同一の符号を付しその説明を省略する。
【0059】
本発明の第四実施形態に係る車両用除加湿装置では、制御回路22の入力側に乗員存在検出センサ42が接続されている。乗員存在検出センサ42は、車両用シートのシートクッションに内蔵された荷重センサや車室内に配置された撮像カメラ等により構成されており、車室内の乗員の存在に応じた信号を制御回路22に出力する構成である。そして、この本発明の第四実施形態に係る車両用除加湿装置では、上述の本発明の第一実施形態に係る車両用除加湿装置に対し、臭気を排出するタイミングが異なる構成とされている。
【0060】
すなわち、車室内に乗員が存在しない場合には、乗員存在検出センサ42から制御回路22に乗員不存在検出信号が出力される。制御回路22は、乗員存在検出センサ42から出力された乗員不存在検出信号を入力すると、車室内に乗員が存在しないと判断し(つまり、車室内の加湿の要求がないと判断)、一定時間毎に、上記と同様に、吸着材に吸着された臭気をドレインホース36(図1参照)から車室外に排出させる。
【0061】
従って、本発明の第四実施形態に係る車両用除加湿装置によれば、車室内に乗員が存在しないときに臭気の排出を実行するので、吸着材に吸着された臭気の車室外への排出がより効率的であり、乗員が乗車後にマニュアル操作スイッチ24及び加湿オートモード操作スイッチ26の操作をしたときには臭気が抑制された加湿空気を車室内に円滑に送風できる。これにより、車室内の快適性をより向上させることができる。
【0062】
なお、上記実施形態では、制御回路22が、車室内に乗員が存在しないと判断した場合に、一定時間毎に、臭気を車室外に排出するようにしていたが、次のように動作するように構成されていても良い。
【0063】
すなわち、制御回路22は、一定時間毎に、車室内の乗員の存在の有無を判断し、車室内に乗員が存在しないと判断する毎に臭気を車室外に排出するように構成されていても良い。
【0064】
[第五実施形態]
次に、本発明の第五実施形態について説明する。図6には、本発明の第五実施形態に係る車両用除加湿装置の電気的な構成を示すブロック図が示されている。なお、本発明の第五実施形態に係る車両用除加湿装置において、以下に説明する構成以外については上述の本発明の第一実施形態に係る車両用除加湿装置と同一であり、この同一の構成については同一の符号を付しその説明を省略する。
【0065】
本発明の第五実施形態に係る車両用除加湿装置では、制御回路22の入力側にマニュアル操作スイッチ24、加湿オートモード操作スイッチ26、臭気濃度検出センサ44が接続されている。臭気濃度検出センサ44は、吸着材に吸着した臭気の濃度に応じた信号を制御回路22に出力する構成である。そして、この本発明の第五実施形態に係る車両用除加湿装置では、次の如く臭気が排出される構成とされている。
【0066】
すなわち、制御回路22は、加湿作動及び除湿作動が行われていない停止状態において、臭気濃度検出センサ44から出力される信号を一定時間毎に入力し、この信号に基づいて吸着材に吸着された臭気の濃度が予め定められた基準値以上であるか否かを判断する。そして、制御回路22は、吸着材に吸着された臭気の濃度が予め定められた基準値以上であると判断した場合には、上記と同様に、吸着材に吸着された臭気をドレインホース36(図1参照)から車室外に排出させる。
【0067】
従って、本発明の第五実施形態に係る車両用除加湿装置によれば、吸着材に吸着した臭気の濃度が予め定められた基準値以上となったときに臭気の排出を実行するので、臭気の車室内への放出をより一層効果的に抑制することができる。
【0068】
なお、本発明の第五実施形態に係る車両用除加湿装置では、上述の本発明の第一実施形態に係る車両用除加湿装置に臭気濃度検出センサ44を追加した構成とされていたが、上述の本発明の第二乃至第四実施形態に係る車両用除加湿装置に臭気濃度検出センサ44を追加した構成とされていても良い。
【0069】
[各実施形態の変形例]
次に、上記各実施形態に係る車両用除加湿装置の変形例について説明する。上記各実施形態において、車両用除加湿装置は次の如く構成されていても良い。
【0070】
(変形例1)
上記各実施形態に係る車両用除加湿装置では、ドレインホース36が熱交換器14と切替ダンパ20とを連通する連通路30に設けられていたが、図7に示されるように、ドレインホース36は、加湿流路32に設けられていても良い。
【0071】
(変形例2)
また、上記各実施形態に係る車両用除加湿装置では、ヒータ16が熱交換器14に一体的に設けられていたが、図8に示される如く構成されていても良い。すなわち、図8に示される変形例において、ヒータ16は、熱交換器14と別体的に設けられてブロワ12と熱交換器14との間に配置されている。そして、ヒータ16は、ブロワ12から送風された空気を加熱して熱交換器14に供給する構成とされ、熱交換器14は、ヒータ16により加熱された空気を得て加熱されて吸着材に吸着した水分を放出する構成とされている。
【0072】
(変形例3)
また、上記各実施形態に係る車両用除加湿装置では、ブロワ12から送風された空気が熱交換器14において加湿空気又は除湿空気とされ、この加湿空気及び除湿空気が切替ダンパ20で案内されて加湿流路32及び除湿流路34からそれぞれ車室内に吹出されるように構成されていたが、図9に示される如く構成されていても良い。
【0073】
すなわち、図9に示される変形例において、除湿流路34は、ブロワ12に一体的に連結されており、加湿流路32は、熱交換器14と連通された連通路30に一体的に連結されている。そして、ブロワ12を吐出作動させることで加湿流路32から加湿空気が吹出される一方で、ブロワ12を吸引作動させることで除湿流路34から除湿空気が吹出される構成とされている。
【0074】
(変形例4)
また、上記各実施形態に係る車両用除加湿装置では、ブロワ12、熱交換器14、ヒータ16が一つずつ設けられ、加湿流路32及び除湿流路34から加湿空気及び除湿空気が交互に(つまり、加湿空気については断続的に)車室内に吹出される構成とされていたが、図10に示される如く構成されていても良い。
【0075】
すなわち、図10に示される変形例では、ブロワ12A,12B、熱交換器14A,14B、ヒータ16A,16Bが設けられている。ブロワ12A,12Bと熱交換器14A,14Bとは、連通路28A,28Bによってそれぞれ連通されており、熱交換器14A,14Bと切替ダンパ20とは、連通路30A,30Bによってそれぞれ連通されている。この連通路30A,30Bには、ドレインホース36A,36Bがそれぞれ連結されると共に、開閉ダンパ18A,18Bがそれぞれ設けられている。
【0076】
そして、この変形例では、一対の熱交換器14A,14Bにおいて加湿空気の生成と除湿空気の生成とを交互に行うと共にこれに応じて切替ダンパ20を切替動作させることにより、加湿流路32及び除湿流路34から車室内へ加湿空気及び除湿空気が連続的に吹出される。
【0077】
また、一方の熱交換器14Aの吸着材に吸着された臭気は一方のドレインホース36Aから車外に排出され、他方の熱交換器14Bの吸着材に吸着された臭気は他方のドレインホース36Bから車外に排出される。
【0078】
(変形例5)
なお、図10に示される変形例では、一方のドレインホース36Aが熱交換器14Aと切替ダンパ20とを連通する連通路30Aに設けられていたが、図11に示されるように、一方のドレインホース36Aは、加湿流路32に設けられていても良い。
【0079】
また、図12に示されるように、切替ダンパ20と加湿流路32及び除湿流路34との間に顕熱交換器46が設けられていても良い。なお、顕熱交換器46は、熱交換器14A,14B内で加熱された加湿空気を冷却し、熱交換器14A,14B内で加熱されなかった除湿空気を加熱するためのもので、例えば、加湿流路32と除湿流路34との間で熱交換が行われるように加湿流路32と除湿流路34とを熱伝導性の良い薄い仕切り板で仕切った構造等により構成されている。
【0080】
また、図10に示される変形例では、加湿流路32と除湿流路34とが同じ側(例えば、車両前後方向前側)に設けられていたが、図13に示されるように、加湿流路32と除湿流路34とが反対側(例えば、車両前後方向前側と後側)に設けられていても良い。
【0081】
なお、この変形例では、一対の切替ダンパ20A,20Bが設けられている。一方の切替ダンパ20Aは、一方のブロワ12Aから送風された空気を一対の熱交換器14A,14Bのうち非加熱側の熱交換器に案内すると共に、一対の熱交換器14A,14Bのうち加熱側の熱交換器から送風された加湿空気を加湿流路32に案内するように切替動作される。
【0082】
また、他方の切替ダンパ20Bは、他方のブロワ12Bから送風された空気を一対の熱交換器14A,14Bのうち加熱側の熱交換器に案内すると共に、一対の熱交換器14A,14Bのうち非加熱側の熱交換器から送風された除湿空気を除湿流路34に案内するように切替動作される。
【0083】
そして、この変形例では、一対の熱交換器14A,14Bにおいて加湿空気の生成と除湿空気の生成とを交互に行うと共にこれに応じて一対の切替ダンパ20A,20Bを切替動作させることにより、加湿流路32及び除湿流路34から車室内へ加湿空気及び除湿空気が連続的に吹出される。
【0084】
また、この変形例では、一方の切替ダンパ20Aと一方の熱交換器14Aとを連通する連通路30Aに、ドレインホース36Aが連結されると共に、開閉ダンパ18Aが設けられており、他方の切替ダンパ20Bと他方の熱交換器14Bとを連通する連通路28Bに、ドレインホース36Bが連結されると共に、開閉ダンパ18Bが設けられている。
【0085】
そして、一方の熱交換器14Aの吸着材に吸着された臭気は一方のドレインホース36Aから車外に排出され、他方の熱交換器14Bの吸着材に吸着された臭気は他方のドレインホース36Bから車外に排出される。
【0086】
(変形例6)
なお、図13に示される変形例では、一方のドレインホース36Aが熱交換器14Aと切替ダンパ20とを連通する連通路30Aに設けられていたが、図14に示されるように、一方のドレインホース36Aは、加湿流路32に設けられていても良い。
【0087】
(変形例7)
また、上記各実施形態に係る車両用除加湿装置において、熱交換器14は、外部から交換可能に構成されていても良い。このように構成されていると、熱交換器14の目詰まりや水分以外の成分を吸着したことによる吸着材の水分吸着能の低下を防止できる。また、車両用除加湿装置を継続して数年使用する場合でも、フィルタ等を別途設ける必要が無く、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の第一実施形態に係る車両用除加湿装置の全体構成を示す説明図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係る車両用除加湿装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第二実施形態に係る車両用除加湿装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第三実施形態に係る車両用除加湿装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第四実施形態に係る車両用除加湿装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第五実施形態に係る車両用除加湿装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図7】本実施形態の変形例を示す図である。
【図8】本実施形態の変形例を示す図である。
【図9】本実施形態の変形例を示す図である。
【図10】本実施形態の変形例を示す図である。
【図11】本実施形態の変形例を示す図である。
【図12】本実施形態の変形例を示す図である。
【図13】本実施形態の変形例を示す図である。
【図14】本実施形態の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0089】
12 ブロワ(送風手段)
14 熱交換器(熱交換手段)
16 ヒータ(加熱手段)
18 開閉ダンパ(切替手段の一部)
20 切替ダンパ(切替手段の一部)
22 制御回路(制御手段)
24 マニュアル操作スイッチ(加湿要求検出手段の一部、加湿選択操作検出手段の一部)
26 加湿オートモード操作スイッチ(加湿要求検出手段の一部、加湿選択操作検出手段の一部))
32 加湿流路
34 除湿流路
36 ドレインホース(排出流路)
38 臭気排出操作スイッチ(加湿要求検出手段、臭気排出選択操作検出手段)
40 イグニッションスイッチ(加湿要求検出手段、走行可能状態解除操作検出手段)
42 乗員存在検出センサ(加湿要求検出手段、乗員存在検出手段)
44 臭気濃度検出センサ(臭気濃度検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気中の水分を吸着可能な吸着材を有する熱交換手段と、
前記熱交換手段を加熱するための加熱手段と、
前記熱交換手段と車室内とを連通する加湿流路及び除湿流路と、
前記熱交換手段と車室外とを連通する排出流路と、
前記熱交換手段を介して前記加湿流路、前記除湿流路及び前記排出流路から吹出される空気流れを形成するための送風手段と、
前記熱交換手段と前記加湿流路、前記除湿流路及び前記排出流路のいずれかとが連通された状態に切り替えるための切替手段と、
乗員による車室内の加湿の要求の有無を検出するための加湿要求検出手段と、
前記加湿要求検出手段の検出結果に基づいて乗員による車室内の加湿の要求がないと判断した場合に、前記熱交換手段と前記排出流路とが連通された状態となるように前記切替手段を制御すると共に、前記加熱手段及び前記送風手段を作動させるための制御手段と、
を備えることを特徴とする車両用除加湿装置。
【請求項2】
前記加湿要求検出手段は、乗員による加湿選択操作の有無を検出するための加湿選択操作検出手段とされ、
前記制御手段は、前記加湿選択操作検出手段の検出結果に基づいて乗員による加湿選択操作がないと判断した場合に、前記熱交換手段と前記排出流路とが連通された状態となるように前記切替手段を制御すると共に、前記加熱手段及び前記送風手段を作動させることを特徴とする請求項1に記載の車両用除加湿装置。
【請求項3】
前記加湿要求検出手段は、乗員による臭気排出選択操作の有無を検出するための臭気排出選択操作検出手段とされ、
前記制御手段は、前記臭気排出選択操作検出手段の検出結果に基づいて乗員による臭気排出選択操作があったと判断した場合に、前記熱交換手段と前記排出流路とが連通された状態となるように前記切替手段を制御すると共に、前記加熱手段及び前記送風手段を作動させることを特徴とする請求項1に記載の車両用除加湿装置。
【請求項4】
前記加湿要求検出手段は、乗員による車両の走行可能状態解除操作の有無を検出するための走行可能状態解除操作検出手段とされ、
前記制御手段は、前記走行可能状態解除操作検出手段の検出結果に基づいて乗員による車両の走行可能状態解除操作があったと判断した場合に、前記熱交換手段と前記排出流路とが連通された状態となるように前記切替手段を制御すると共に、前記加熱手段及び前記送風手段を作動させることを特徴とする請求項1に記載の車両用除加湿装置。
【請求項5】
前記加湿要求検出手段は、車室内の乗員の存在の有無を検出するための乗員存在検出手段とされ、
前記制御手段は、前記乗員存在検出手段の検出結果に基づいて車室内に乗員が存在しないと判断した場合に、前記熱交換手段と前記排出流路とが連通された状態となるように前記切替手段を制御すると共に、前記加熱手段及び前記送風手段を作動させることを特徴とする請求項1に記載の車両用除加湿装置。
【請求項6】
前記吸着材に吸着した臭気の濃度を検出するための臭気濃度検出手段を備え、
前記制御手段は、前記臭気濃度検出手段の検出結果に基づいて前記吸着材に吸着した臭気の濃度が予め定められた基準値以上であると判断した場合に、前記熱交換手段と前記排出流路とが連通された状態となるように前記切替手段を制御すると共に、前記加熱手段及び前記送風手段を作動させることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の車両用除加湿装置。
【請求項7】
前記吸着材は、骨格構造に少なくともアルミニウム及びリンを含むゼオライトであることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の車両用除加湿装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−67157(P2009−67157A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−235908(P2007−235908)
【出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】