説明

車両用電気機器の冷却ユニットの搭載方法及び車載用電気機器の冷却ユニット

【課題】限られたスペースに配置される冷却ダクトの圧力損失を抑制する。
【解決手段】ケーシング12にDC−DCコンバータ23を配置する工程と、DC−DCコンバータ23に第1のダクト51の空気入口端51aを接続してケーシングアセンブリ40とする工程と、ケーシングアセンブリ40を車両に搭載する工程と、冷却ファン56と第2のダクト55とをブラケット58に一体に取り付けて冷却ファンアセンブリ59とする工程と、冷却ファンアセンブリ59を第1のダクト51に向ってケーシング21の側面に沿った方向にスライドさせて第1のダクト51と第2のダクト55を接続して冷却ユニット50を車両に搭載する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用電気機器の冷却ユニットの車両への搭載方法及び車載用電気機器の冷却ユニットの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンとモータとを組み合わせて車両を駆動するハイブリッド車両やモータによって車両を駆動する電気自動車などの電動車両では、車両に充放電可能な二次電池を搭載し、二次電池の出力でモータまたはモータジェネレータなどを駆動している。二次電池は構造上、モータまたはモータジェネレータの駆動用電力よりも低圧の電圧のものとし、この低圧電圧をモータまたはモータジェネレータ駆動用の高圧電圧に昇圧して車両を駆動している。また、モータジェネレータによって発電された高圧の電力を降圧して二次電池に充電するようにしている。この様に、二次電池の電圧をモータまたはモータジェネレータの駆動用電圧に変換したり、逆にモータジェネレータの発電電力の電圧を二次電池の充電用に変換したりする装置としてDC−DCコンバータが用いられている。二次電池、DC−DCコンバータは動作中に発熱することから、これらの機器が動作している間は、二次電池やDC−DCコンバータを冷却することが必要となる。
【0003】
一方、二次電池、DC−DCコンバータは電気機器であることから、冷却用の空気は水滴を含まないことが必要となるので、冷却用は車室内の空気を二次電池やDC−DCコンバータに循環させる方法が多い。この場合、二次電池やDC−DCコンバータを冷却して温度が上昇した空気か乗員に不快感を与えないように、二次電池やDC−DCコンバータを冷却した後の冷却空気の車室内への排出ダクトの排出口を複数の位置に分散配置する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、特許文献2には、二次電池を冷却した後の空気を用いてDC−DCコンバータを冷却する場合DC−DCコンバータの発熱部位に対してバランスよく冷却空気を流すことができるようなダクトの形状が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−223523号公報
【特許文献2】特開2007−276668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、二次電池やDC−DCコンバータの冷却空気を流すダクトは、大きくすると圧力損失が低下して冷却特性が向上する反面、特許文献1、2に記載されているように、限られた空間にダクトを配置しようとすると、ダクトの形状をいくつもの折れ曲がり部分を含む複雑なものにしたり、配置の関係から一部でダクトの外形寸法を小さくしたりする必要がある。この様に、ダクトの折れ曲がり部分が増えたり、流路断面積が小さくなったりする部分があると圧力損失が増加し、冷却効率が低下するという問題があった。
【0007】
また、二次電池やDC−DCコンバータは特許文献1,2に記載されているように、車室内のセンターコンソールのように、組み立てスペースの取れる位置に配置される場合以外に、車両後部に配置される場合もある。この場合、後輪のタイヤハウスがあることから、二次電池やDC−DCコンバータ、冷却ダクト等の配置スペースはさらに限られたものとなり、ダクトの圧力損失が増加してしまうという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、限られたスペースに配置される冷却ダクトの圧力損失を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の車両用電気機器の冷却ユニットの搭載方法は、筐体に車両用の電気機器を配置する工程と、電気機器に第1のダクトの一端を接続すると共に第1のダクトの他端が筐体の側面に沿って筐体の上面又は下面に沿った方向に直線状に延びるように第1のダクトを筐体に取り付けて筐体アセンブリとする工程と、電気機器と第1のダクトとが取り付けられた筐体アセンブリを車両に搭載する工程と、冷却ファンと、一端が冷却ファンに接続され、他端の外形が第1のダクトの他端の内形と略同一で直線状に延びる第2のダクトと、をブラケットに一体に取り付けて冷却ファンアセンブリとする工程と、車両に搭載された筐体アセンブリの第1のダクトの他端と冷却ファンアセンブリの第2のダクトの他端とを同軸に配置し、冷却ファンアセンブリを第1のダクトに向って筐体の側面に沿った方向にスライドさせて第1のダクトの他端に第2のダクトの他端を嵌めこんで第1のダクトと第2のダクトとを接続する工程と、を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の冷却ユニットの搭載方法において、筐体は内部に車両駆動用の二次電池を収納し、車両は車両幅方向に一対のタイヤハウスを備え、筐体アセンブリを車両に搭載する工程は、第1のダクトの他端が筐体の側面とタイヤハウスとの間で車両の前後方向に延びるように筐体アセンブリをタイヤハウスの間に搭載し、第2のダクトを接続する工程は、冷却ファンアセンブリの第2のダクトの他端を筐体の側面とタイヤハウスとの間に落とし込んだ後、冷却ファンアセンブリを車両の前後方向にスライドさせること、としても好適である。
【0011】
本発明の車両用電気機器の冷却ユニットは、車両用の電気機器と共に筐体に取り付けられる冷却ユニットであって、筐体に取り付けられる冷却ファンと、一端が電気機器に接続され、他端が筐体の側面に沿って筐体の上面又は下面に沿った方向に直線状に延びる第1のダクトと、一端が冷却ファンに接続され、他端が第1のダクトの他端と同軸方向に直線状に延びて第1のダクトの他端に嵌め込まれる第2のダクトと、を有することを特徴とする。
【0012】
本発明の冷却ユニットにおいて、筐体は、車両駆動用の二次電池を収納し、車両の幅方向に一対のタイヤハウスの間に搭載され、第1のダクトの他端と第2のダクトの他端との接続部分は、筐体の側面とタイヤハウスとの間に配置されていること、としても好適である。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、限られたスペースに配置される冷却ダクトの圧力損失を抑制することが出来るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態における車両用電気機器の冷却ユニットが搭載された車両を示す説明図である。
【図2】本発明の実施形態における車両用電気機器の冷却ユニットが搭載された車両の部分平面図である。
【図3】本発明の実施形態における車両用電気機器と冷却ユニットとが取り付けられた二次電池のケーシングの斜視図である。
【図4】本発明の実施形態における車両用電気機器と冷却ユニットのケーシングアセンブリを示す説明図である。
【図5】本発明の実施形態における車両用電気機器と冷却ユニットの冷却ファンアセンブリを示す説明図である。
【図6】本発明の実施形態における車両用電気機器と冷却ユニットのケーシングアセンブリに冷却ファンアセンブリを組み付ける工程を示す説明図である。
【図7】従来技術における車両用電気機器と冷却ユニットとが取り付けられた二次電池のケーシングの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態の冷却ユニット50は、車両10の後部に配置されたラゲージスペース13の中に搭載された蓄電装置20の側面に取り付けられている。そして、ラゲージスペース13から吸い込んだ空気で蓄電装置20に取り付けられている電気機器であるDC−DCコンバータを冷却した後、その空気を車外に排出するよう構成されている。
【0016】
図2に示すように、内部に車両駆動用の二次電池22が収納されている蓄電装置20のケーシング21は略直方体で、車両10の後部車輪15のタイヤハウス14の間に搭載されている。冷却ユニット50は、冷却ファン56と、DC−DCコンバータ23の空気出口25に接続される第1のダクト51と、第1のダクト51と冷却ファン56とを接続する第2のダクト55と、冷却ファン56に接続され、空気を車外に導く第3のダクト57とを含んでいる。第2のダクト55と、冷却ファン56と、第3のダクト57とは共通のブラケット58に一体に取り付けられており、冷却ファンアセンブリ59を構成し、冷却ファンアセンブリ59はボルト32、ナット31によってケーシング21の取り付けラグ30に取り付けられている。そして、ケーシング21とタイヤハウス14との車両10の幅方向の間隔はDとなっている。
【0017】
冷却ファン56を駆動すると、冷却空気はDC−DCコンバータ23の空気入口24からDC−DCコンバータ23の中に吸い込まれ、DC−DCコンバータ23を構成するスイッチング素子などを冷却した後、空気出口25から第1のダクト51に流出する。第1のダクト51に流出した冷却空気は、第1のダクト51から第2のダクト55を通って冷却ファン56に吸い込まれる。冷却ファン56で加圧された空気は第3のダクト57に流出し、第3のダクトの空気出口端57bから車外に排出される。
【0018】
図3に示すように、DC−DCコンバータ23は、直方体形状で、1つの側面に空気入口24が設けられ、他の1つの側面に空気出口25が設けられ、下部に設けられた4つのフランジ26の各孔がケーシング21の取り付け面27に設けられた固定ボルト28に嵌まり込み、固定ボルト28にねじ込まれたナット29によってケーシング21に固定されている。第1のダクト51は矩形断面のダクトで、DC−DCコンバータ23の空気出口25に接続され一端である空気入口端51aからケーシング21の側面に沿って下方向に折れ曲がった後、ケーシング21の側面に沿った面内で図1に示す車両10の後方に向かってL字形に折れ曲がり、ケーシング21の上面又は下面に沿って直線状に他端である空気出口端51bまで延びている。第1のダクト51の空気出口端51bの近傍はその上流側のダクトよりも各辺の長さが長くなり、第2のダクト55の空気入口端55aが嵌まり込めるような接続部分51cとなっている。
【0019】
第2のダクト55は、第1のダクト51の水平部分と同様の大きさの矩形ダクトであり、他端である空気入口端55aは第1のダクト51の接続部分51cに嵌まり込んで第1のダクト51の空気出口端51bと同軸に第1のダクト51に接続されている。第2のダクト55は空気入口端55aから空気出口端55bに向かって山形に折れ曲がっている。折れ曲がり角度は、図2に示すように、タイヤハウス14の形状に沿った角度となっている。そして、一端である空気出口端55bは冷却ファン56のケーシングに接続されている。
【0020】
図2、図3に示すように、第2のダクト55と、冷却ファン56と、第3のダクト57とが取り付けられている共通のブラケット58は、溝形形状で、ケーシング21に設けられた取り付けラグ30に取り付けられる上側の上フランジ65と下側の下フランジ67とは、台形状となっており、冷却ファン56、第2のダクト55が取り付けられるウェブ66の面がケーシング21の側面に対して傾斜するよう構成されている。傾斜角度は、図2に示すように、隣接するタイヤハウス14の形状に沿ったものとなっている。第2のダクト55、冷却ファン56の各取り付け脚61,62はボルト63によってブラケット58のウェブ66の面に取り付けられている。第3のダクト57は冷却ファン56に取り付けられている。
【0021】
以上のように構成されたDC−DCコンバータ23の冷却ユニット50の車両への搭載方法について説明する。図4に示すように、内部に二次電池22を収納したケーシング21を準備する。ケーシング21は略直方体形状で、その下部に二次電池22が搭載され、その上部にDC−DCコンバータ23が取り付けられる取り付け面27が設けられている。取り付け面27は、ケーシング21の上面よりも一段低くなった面であり、その表面にはDC−DCコンバータ23や第1のダクト51を固定するための固定ボルト28が取り付けられている。また、ケーシング21には、インバータ等が搭載されていても良い。
【0022】
次に、DC―DCコンバータ23のフランジ26の孔の位置を固定ボルト28の位置に合わせて、図4に示す矢印のようにDC−DCコンバータ23を取り付け面27の上にセットし、図4の奥側の2本のナット29を取り付ける。次に、図4に示す矢印のように、第1のダクト51の空気入口端51aをDC−DCコンバータの空気出口25の外側にはめ込み、DC−DCコンバータ23の空気出口25と第1のダクト51の空気入口端51aとを接続する。また、図4に示す矢印のように、第1のダクト51の空気入口端51a側に設けられた取り付けアーム54の孔の位置をケーシング21の取り付け面27の図4に示す手前側の2本のボルトに合わせて、アーム54をDC−DCコンバータ23のフランジ26の上に重ね合わせる。そして、アーム54の上からナット29を取り付け、DC−DCコンバータ23を固定すると共に、第1のダクト51をケーシング21に固定する。ケーシング21にDC−DCコンバータ23と、第1のダクト51を取り付けると、ケーシングアセンブリ40となる。
【0023】
次にケーシングアセンブリ40を図1、図2に示したように車両10の後方のタイヤハウス14の間にセットする。この際、ケーシング21のDC−DCコンバータ23の取り付けられている方を車両10の車室11に向け、第1のダクト51がケーシング21とタイヤハウス14との間に入るようにセットして、図示しない固定ボルト、ナット等によってケーシングを車両10に固定する。
【0024】
図5に示すように、別途、冷却ファンアセンブリ59を組み立てる。まず、第3のダクト57を冷却ファン56の側面に設けられている吐出口に接続する。これは、嵌めこみ式で接続しても良いし、第3のダクト57と冷却ファン56とにフランジを設け、そのフランジをボルトで締め付けて接続するようにしても良い。冷却ファン56と第3のダクト57との接続が出来たら、冷却ファン56をブラケット58に取り付ける。冷却ファン56の取り付けは、溝型のブラケット58のウェブ66の面のねじ孔64に取り付け脚62の孔を合わせ、ボルト63を締め付けて取り付ける。次に、第2のダクト55の空気出口端55bを冷却ファン56の空気吸い込み口に取り付ける。これは、嵌めこみで合ってもよいし、第2のダクト55と冷却ファン56にフランジを設けておき、そのフランジをボルトで締めて接続するようにしても良い。そして、第2のダクト55の取り付け脚61の孔をブラケット58のねじ孔64に合わせて、ボルト63を締めて第2のダクト55をブラケット58に固定する。図5では図示していないが、第3のダクト57に取り付け脚61が設けられている場合には、第2のダクト55と同様にブラケット58に固定する。この様にして、冷却ファン56、第2のダクト55、第3のダクト57が共通のブラケット58に固定され、冷却ファンアセンブリ59が組み立てられる。
【0025】
図6に示すように、冷却ファンアセンブリ59の組み立てが終わったら、冷却ファンアセンブリ59をケーシング21に取り付けると共に第1のダクト51の空気出口端51bと第2のダクト55の空気入口端55aとを接続する。まず、図2に示すように第2のダクト55がケーシング21とタイヤハウス14との間に入るように冷却ファンアセンブリ59を落とし込み、ケーシング21に設けられている取り付けラグ30に固定されているボルト32に冷却ファンアセンブリ59のブラケット58の長孔68を通す。取り付けラグ30はケーシング21の上面と、下側とに配置されているので、それぞれのボルト32にそれぞれの長孔68を通すようにする。そして、ブラケット58の上フランジ65と下フランジ67とをそれぞれ取り付けラグ30の上に載せ、冷却ファンアセンブリ59の重量をケーシング21にかけるようにする。このように、各ラグ30に取り付けられたボルト32に各長孔68を通すと、第2のダクト55の空気入口端55aは、第1のダクト51の空気出口端51bと略同軸で、ケーシング21の側面に沿って略水平な方向となる。
【0026】
そして、冷却ファンアセンブリ59をケーシング21の側面に沿った方向に水平にスライドさせ、第2のダクト55の空気入口端55aを第1のダクト51の接続部分51cの中にはめ込む。図5、図6に示すように、第2のダクト55の空気入口端55aの近傍の外面にはクッション材としてのスポンジ60が取り付けられているので、第2のダクト55の空気入口端55aが第1のダクト51の接続部分51cの内部に入り込むと各ダクト51,55間の隙間から空気が漏れないようになる。
【0027】
第2のダクト55が第1のダクト51に接続されたら、ナット31をボルト32に取り付け、ブラケット58をケーシング21に固定する。
【0028】
次に、従来技術の蓄電装置20の構造と組み立て方法について図7を参照しながら説明する。図1から図6を参照して説明した実施形態と同様の部分には同様の符号を付して説明は省略する。図7に示すように、従来技術では、第1のダクト51は、DC−DCコンバータ23の空気出口25の接続部分からケーシング21の側面に沿って下側に向って折れ曲がり、その後、ケーシング21の側面に沿って、空気出口端51bが垂直上方となるように略U字形に折れ曲がっている。一方、第2のダクト55は、その空気入口端55aが垂直下方で、冷却ファン56に向って第1のダクト51と逆方向に略U字形に折れ曲がって冷却ファン56に接続されている。そして、冷却ファンアセンブリ59をケーシング21に取り付ける際には、冷却ファンアセンブリ59を上方向から落とし込み、ブラケット58の孔をボルト32に合わせると共に、第2のダクト55の空気入口端55aを第1のダクト51の接続部分51cに上方向から落とし込んで接続して組み立てる。
【0029】
この様に従来技術の蓄電装置20においては、冷却ユニット50は冷却ファンアセンブリ59を上から落とし込むことによってケーシング21への取り付けと第1、第2のダクト51,55の接続とを行うようにしていたので、組み立ては簡単であるものの、第1のダクト51と第2のダクト55との形状が折れ曲がりの多い形状となってしまい、圧力損失が大きいという問題があった。さらに、第1のダクト51と第2のダクト55との接続部分51cは前後の折れ曲がり部分のスペースを確保する必要上、車両の前後方向に大きくすることが出来ない上、ケーシング21と図2に示すタイヤハウス14との間隔Dが小さいことから各ダクト51,55の車両幅方向の長さを大きくすることもできない。このため、接続部分51c近傍の流路が狭くなり、さらに圧力損失が大きくなってしまうという問題があった。
【0030】
一方、図1から図6を参照して説明した本実施形態では、第1のダクト51と第2のダクト55との折れ曲がりが少なく、圧力損失を低減することが出来るという効果を奏する。また、本実施形態では、第1のダクト51と第2のダクト55とタイヤハウス14との間隔Dが小さい場合でも必要に応じて第1のダクト51と第2のダクト55の上下方向の寸法を大きくして流路断面積を大きくすることができるので、間隔Dが小さい場合でも圧力損失を低減することが出来る。さらに、本実施形態では、冷却ファンアセンブリ59の荷重を一端ケーシング21に預けてから冷却ファンアセンブリ59を車両前後方向にスライドして第1のダクト51と第2のダクト55とを接続するようにしていることから、組み立て作業者が冷却ファンアセンブリ59全体の重量を支えたまま、冷却ファンアセンブリ59を横に動かす必要がなく、略上方向からの組み付け姿勢で作業することが出来、従来技術と同様の組み立て性とすることが出来る。
【0031】
以上説明した本実施形態では、ブラケット58は、1つの溝型形状として説明したが、ケーシング21に取り付けられるような形状であれば、平板に複数の取りつけアームが設けられたものとしても良い。
【符号の説明】
【0032】
10 車両、11 車室、13 ラゲージスペース、14 タイヤハウス、15 後部車輪、20 蓄電装置、21 ケーシング、22 二次電池、23 DC―DCコンバータ、24 空気入口、25 空気出口、26 フランジ、27 取り付け面、28 固定ボルト、29,31 ナット、30 取り付けラグ、32,63 ボルト、40 ケーシングアセンブリ、50 冷却ユニット、51 第1のダクト、51a,55a 空気入口端、51b,55b,57b 空気出口端、51c 接続部分、54 取り付けアーム、55 第2のダクト、56 冷却ファン、57 第3のダクト、58 ブラケット、59 冷却ファンアセンブリ、60 スポンジ、61,62 取り付け脚、64 ねじ孔、65 上フランジ、66 ウェブ、67 下フランジ、68 長孔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用電気機器の冷却ユニットの搭載方法であって、
筐体に車両用の電気機器を配置する工程と、
電気機器に第1のダクトの一端を接続すると共に第1のダクトの他端が筐体の側面に沿って筐体の上面又は下面に沿った方向に直線状に延びるように第1のダクトを筐体に取り付けて筐体アセンブリとする工程と、
電気機器と第1のダクトとが取り付けられた筐体アセンブリを車両に搭載する工程と、
冷却ファンと、一端が冷却ファンに接続され、他端の外形が第1のダクトの他端の内形と略同一で直線状に延びる第2のダクトと、をブラケットに一体に取り付けて冷却ファンアセンブリとする工程と、
車両に搭載された筐体アセンブリの第1のダクトの他端と冷却ファンアセンブリの第2のダクトの他端とを同軸に配置し、冷却ファンアセンブリを第1のダクトに向って筐体の側面に沿った方向にスライドさせて第1のダクトの他端に第2のダクトの他端を嵌めこんで第1のダクトと第2のダクトとを接続する工程と、
を有することを特徴とする冷却ユニットの搭載方法。
【請求項2】
請求項1に記載の冷却ユニットの搭載方法であって、
筐体は内部に車両駆動用の二次電池を収納し、車両は車両幅方向に一対のタイヤハウスを備え、
筐体アセンブリを車両に搭載する工程は、第1のダクトの他端が筐体の側面とタイヤハウスとの間で車両の前後方向に延びるように筐体アセンブリをタイヤハウスの間に搭載し、
第2のダクトを接続する工程は、冷却ファンアセンブリの第2のダクトの他端を筐体の側面とタイヤハウスとの間に落とし込んだ後、冷却ファンアセンブリを車両の前後方向にスライドさせること、
を特徴とする冷却ユニットの搭載方法。
【請求項3】
車両用の電気機器と共に筐体に取り付けられる車両用電気機器の冷却ユニットであって、
筐体に取り付けられる冷却ファンと、
一端が電気機器に接続され、他端が筐体の側面に沿って筐体の上面又は下面に沿った方向に直線状に延びる第1のダクトと、
一端が冷却ファンに接続され、他端が第1のダクトの他端と同軸方向に直線状に延びて第1のダクトの他端に嵌め込まれる第2のダクトと、
を有することを特徴とする冷却ユニット。
【請求項4】
請求項3に記載の冷却ユニットであって、
筐体は、車両駆動用の二次電池を収納し、車両の幅方向に一対のタイヤハウスの間に搭載され、
第1のダクトの他端と第2のダクトの他端との接続部分は、筐体の側面とタイヤハウスとの間に配置されていること、
を特徴とする冷却ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−20552(P2011−20552A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−166933(P2009−166933)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】