説明

車両間隔検出システム、車両間隔検出方法及び車両間隔検出プログラム

【課題】料金所内に前後車両が接近して入ってきたとき、前後車両の撮像画像から通信可否を判定する。
【解決手段】前方車両の前部画像を撮影する車両撮影手段11と、撮影された画像などから車両を検出する車両検出手段21と、撮影された前方車両の前部画像に映るフロントガラス底辺の画像位置に基づき前記無線受信器から前記前方車両のフロントガラス底辺までの水平距離の他、フレームレートとガラス底辺画像の変化から速度を求める距離演算手段22と、前方車両の車両サイズ(車両長さ,後部高さ)を取得する車両サイズ取得手段23と、前方車両の速度と水平距離+車両長さとを用いて、前後車両の車間距離を推定し、後続車両でのDSRC通信による料金収受データの受信不可(隠れ)を判定する隠れ発生有無判定手段24とを備えた車両間隔検出システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、車両間隔検出システム、車両間隔検出方法及び車両間隔検出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
高速道路等の有料道路の料金所では、専用ゲートとなるETCガントリに無線受信器を備えたETC(Electronic Toll Collection Systemkの略称であって、以下、自動料金収受システムと呼ぶ)が設置される。
【0003】
自動料金収受システムの無線受信器は、ETCガントリを通過する際の車両のETC車載器からDSRC(狭域)通信にて送られてくる料金収受に関するデータ(以下、料金収受用データと呼ぶ)を受信し、後に車両管理者等の預金口座から道路利用料金を自動的に収受する。
【0004】
この場合、自動料金収受システムは、縦列方向に連なる各車両から送られてくる料金収受用データを狭域通信により比較的狭い受信エリア内で受信する必要があることから、前後の車両は常に一定の車間距離を維持しながらETCガントリを通過することが望ましい。
【0005】
仮に、前後の車両が一定の車間距離よりも詰まった状態となった場合、自動料金収受システムの無線受信器が後続の車両と通信できず料金収受ができないとか、自動料金収受システムとの間でスムーズな連携が取れずに出口ゲートが開かない等の事故を招きかねない。
【0006】
特に、荷台の高い例えば小型・中型・大型貨物車の後に後続車両が接近したとき、無線受信器が先行する小型・中型・大型貨物車の最後部の高さの影響を受け、後続車両のETC車載器から発する電波が完全に遮られ、料金収受用データが受信できない場合がある。
【0007】
そこで、従来の自動料金収受システムでは、接近状態でも正確に把握する必要から、料金所に設定された道路の片側にレーザ光を用いたレーザ装置を利用している。レーザ装置は、走行する車両の横方向に向けてレーザ光を照射し、その反射信号の時間や反射信号のレベルなどから前後車両の間隔を検出し、予め定める規定値(一定の車間距離)以下であれば、自動料金収受システムに通知する構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−014706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、以上のような自動料金収受システムに設けられたレーザ装置は、各種の距離を正確に測ることができるが、各車両の車高、長さ、前後車両の間隔等のうち一つの情報しか取得することができない。よって、各測定対象となる距離を測定するには、測定対象ごとに個別にレーザ装置等を設置しなくてはならず、コスト的にも高価となり、それら情報を統合処理しなければならず、また同期処理等も複雑になる。
【0010】
そこで、本車両間隔検出システム、車両間隔検出方法及び車両間隔検出プログラムは、料金所内に前後車両が接近して入ってきたとき、前後車両の撮影画像から通信可否を判定する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、発明の実施形態によれば、料金所内に進入してくる前後車両が接近しているとき、自動料金収受システムの無線受信器が後続車両のETC車載器とDSRC通信で料金収受に関するデータを受信できるか否かを判定するために前記前後車両の車間距離を推定する車両間隔検出システムであって、前記料金所内に進入してくる前方車両および後続車両の前部画像を撮影する車両撮影手段と、前記料金所内に進入してくる前記前方および後続車両を検出する車両検出手段と、前記車両撮影手段で撮影された前方車両の前部画像に映るフロントガラス底辺の画像位置に基づき前記無線受信器から前記前方車両のフロントガラス底辺までの水平距離を求め、また、フレームレートと前記フロントガラス底辺の画像位置変化とから前記前方車両の速度を求める距離・速度演算手段と、前記前方車両の車両サイズ(車両長さ,後部高さ)を取得する車両サイズ取得手段と、前記前方車両の速度と前記距離・速度演算手段で求めた水平距離および前記取得された車両長さから得られる前記無線受信器からの該前方車両後部までの水平距離とを用いて、前記前後車両の車間距離を推定し、前記後続車両でのDSRC通信による料金収受に関するデータの受信不可(隠れ)を判定する隠れ発生有無判定手段とを備えた構成である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】有料道路料金所に設置される自動料金収受システムの料金収受を支援する一実施の形態に係る車両間隔検出システムの概略構成図。
【図2】車両を検出する際に参照する簡略的な車両前部参照パターンの例を示す図。
【図3】車両撮影手段で撮影された車両前部画像に基づき、無線受信器から前方車両までの距離を算出するための距離演算用テーブルの一例を示すデータ配列例図。
【図4】車両サイズ管理テーブルの一例を示すデータ配列例図。
【図5】実施の形態に係る車両間隔検出システムの動作及び車両間隔検出方法による処理の流れの一例を説明するフロー図。
【図6】自動料金収受システムの無線受信器からの基準距離D0に車両のフロントガラス底辺が到達したとき、車両撮影手段で撮影された車両前部画像に表れるフロントガラス底辺画像の位置を説明する図。
【図7】自動料金収受システムの無線受信器における後続車両のETC車載器からDSRC通信で料金収受に関するデータを受信できるか否か(隠れ発生)を判定するための説明図。
【図8】前方車両の後部高さによって後続車両のフロントガラスが一部隠れている状態を表すイメージ図。
【図9】隠れ発生の有無を判定するために利用される簡略的な隠れ発生判定用テーブルのデータ配列例図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は有料道路料金所の自動料金収受システムに接続される車両間隔検出システムの一実施形態を示す構成図である。
【0014】
同図において、1は無線受信器(図示せず)を備えた自動料金収受システムであって、
有料道路2の料金所に設置される例えばETCガントリ3に取付けられる。なお、ETCガントリ3は、図示のようにアーチ状の形状に限るものではなく、各種形状の支持体,例えば逆L字状の支持体であっても構わない。
【0015】
有料道路料金所には、各種の前方車両4及び後続車両4´(小型車,普通乗用車,小型普通貨物車,中型・大型貨物車)が進入してくるが、ETCガントリ3を通過する際、縦列方向に連なる複数の車両のうち、前方車両4に搭載されるETC車載器(図示せず)から順次に自動料金収受システム1に向けて料金収受用データが送信される。
【0016】
自動料金収受システム1の無線受信器は、前方車両4が所定の受信可能領域に入ったとき、DSRC(狭域)通信にて料金収受用データを受信し、車両管理者への通行料金の自動請求が可能となる。
【0017】
車両間隔検出システム10は、撮影カメラ等を備えた車両撮影手段11と、CPU等で構成される車両間隔検出処理部12と、データベース13と、データバッフアメモリ14と、後続車両4´が受信不可能な状態になる程度に前方車両4の背後に接近したときに警報を発する警報発生部15とを含む構成である。
【0018】
さらに、車両間隔検出システム10は、必要に応じて車両間隔検出プログラムを記憶し、あるいはネットワーク上のサーバから車両間隔検出プログラムを取り込んで記憶するプログラムメモリ16を含む場合もある。
【0019】
車両撮影手段11は、自動料金収受システム1と同じくETCガントリ3に設置されるか、或いは図示するようにETCガントリ3よりも上流側に設置され、車両4がETCガントリ3に近づいてきたとき、フロントガラスを含む車両前部画像が撮影視野内に入るような画角をもって車両前部を撮影する。撮影視野内にフロントガラスを含めるのは、各種車両はフロントガラスに特徴がある場合が多く、そのフロントガラスの形状から車種の特定が行えるからである。後述するように、車種が特定できれば、車高、車両長さがわかる。
【0020】
車両撮影手段11は、予め定められるフレームレートに従って、縦列方向に連なる車両4のうち、先行する前方車両4の前部画像を撮影し、その撮影された車両前部画像データを車両間隔検出処理部12に順次送信する。後続車両4´も同様に前部画像を撮影する。
【0021】
なお、車両撮影手段11の設置位置、車両撮影手段11の設置位置から無線受信器の設置点までの水平距離は必要に応じて、固定値としてデータベース13に格納されている(図6参照)。
【0022】
車両間隔検出処理部12は、機能的には、例えば車両撮影手段11で撮影された車両前部画像データから前方車両4のみ、または前方車両4および後続車両4´を検出する車両検出手段21と、予め定める無線受信器からの基準距離に車両4前部または後続車両4´が到達したときのフロントガラス底辺の画像位置と実際に車両撮影手段11で撮影された車両前部画像データ上に映る車両フロントガラス底辺の画像位置から、無線受信器の設置位置から車両前部までの距離を演算する距離演算手段22と、車両4の前部画像データ(ライト、ナンバープレート、フロントグリル形状(ラジエータ形状等))から車種名,前方車両の長さ、前方車両の後部高さ等の車両サイズを得る車両サイズ取得手段23と、隠れ発生有無判定手段24と、警報出力手段25とを有する。
【0023】
隠れ発生有無判定手段24は、車両サイズ取得手段23で取得された前方車両の車両サイズ、特に前方車両4の後部高さ、後続車両のフロントガラス底辺位置及び無線受信器の設置高さ等の関係から、前後車両4,4´の車間距離を推定し、無線受信器が前方車両4の後部高さによって後続車両4´から発生する料金収受データが受信不可となるかを判定する機能を有する。
【0024】
警報出力手段25は、後続車両4´が前方車両4の後部高さによって受信不可(隠れ発生)と判定されたとき、後続車両4´に対して警報発生部15から警報メッセージを出力する機能を有する。警報出力により、実際に走行中の車両に知らせてもよいし、システムの管理者に知らせてもよい。
【0025】
データベース13には、車両前部参照パターン31、距離演算用テーブル32、車両サイズ管理テーブル33、警報メッセージデータ34及び隠れ発生判定用テーブル35等が格納されている。
【0026】
車両前部参照パターン31は、車両検出手段21で車両4と検出するために必要なパターンである(図2参照)。
【0027】
距離演算用テーブル32は、小型普通貨物車,中型・大型貨物車等の車両4,4´のフロントガラス底辺がほぼ車両前面部に等しいことに鑑み、車両撮影手段11で撮影された車両前部画像データ中の車両フロントガラス底辺の画像位置に基づき、無線受信器(ETCガントリ3)の設置位置から前方車両4までの距離を求める際に使用するテーブルである(図3参照)。
【0028】
車両サイズ管理テーブル33は、車両のサイズを管理するテーブルである(図4参照)。一定期間ごとに削除,追加等の更新を行う。また、車両前部パターンに関する学習機能を備え、例えば撮影された車両の前部画像データ中の社名マーク、各社の特徴的前部デザイン、部品配置等をルール化し、例えば撮影された車両の前部画像データの社名マーク、前部特徴デザイン、部品配置に基づき、会社別に分けて当該車両の前部画像データを新規な車両前部パターンとして順次追加し、後にオペレータにより車種名、車両サイズを追加的に書き込むことにより、大規模なパターンマッチング用の車両サイズ管理テーブル33を作成してもよい。
【0029】
警報メッセージデータ34は、例えば「車両の隠れ発生」、「十分な車間距離を確保して下さい」、「車両の接近をやめて下さい」等のメッセージデータである。
【0030】
隠れ発生判定用テーブル35は、隠れ発生に関する複数のデータの関係を規定するテーブルである(図9参照)。
【0031】
データバッフアメモリ14には処理途中の必要な画像やデータが保存される。
【0032】
次に、以上のように構成された車両間隔検出システムの動作及び車両間隔検出方法の一実施形態について、図5を参照して説明する。
【0033】
先ず、車両間隔検出システムが動作すると、車両間隔検出処理部12が車両撮影手段11に起動指令を送信する。ここで、車両撮影手段11は、予め定めるフレームレートに従って料金所に入ってくる前方車両4の少なくともフロントガラス底辺を含むライト,ナンバープレート、フロントグリル等の車両前部を撮影し、その撮影された車両前部画像データを送信するか、或いは外部からの車両前部画像データの取り込みを待つ。
【0034】
このとき、車両間隔検出処理部12は車両検出手段21を実行する。この車両検出手段21は、データバッフアメモリ14などに格納される不要なデータを消去する初期化処理を実行した後(S1)、車両撮影手段11から送信されてくる車両前部画像データを取り込み、或いは車両撮影手段11に一時的に格納されている車両前部画像データを直接取り込んで、例えばデータバッフアメモリ14に格納した後(S2)、当該車両前部画像データのもとにパターンマッチング法または背景差分法を用いて、車両進入有りかを判定する(S3)。
【0035】
パターンマッチング法は、撮影された車両前部画像データの中に図2(a)〜(c)の少なくとも1つの車両前部参照パターン31と一致するか、類似度が所定のしきいを超えるとき、車両進入有りと検出する。例えば図2(a)では車両前部画像データの中にラジエータ4a及びライト4bが存在するとき、或いは図2(b)のように車両前部画像データの中にライト4b及びナンバープレート4cが存在するとき、車両進入有りと検出する。
【0036】
背景差分法では、前々回・前回フレーム画像データの中に固定的な背景画像だけが映っているが、今回画像にて車両相当の前部画像が映ったとき、車両進入有りと検出する。なお、ステップS1〜S3の処理は、車両間隔検出方法における車両検出ステップに相当する。
【0037】
引き続き、車両間隔検出処理部12は、車両前部画像データの映っているフロントガラス底辺の画像位置と図3に示す距離演算用テーブル32のデータから、無線受信器(ETCガントリ3)設置位置から前方車両4先頭までの距離を求める距離演算手段22を実行する。
【0038】
距離演算手段22の動作を説明する前に、図3に示す距離演算用テーブル32と図6の関係について説明する。
【0039】
小型普通貨物車,中型・大型貨物車等の車両4のフロントガラス4d底辺が地面からほぼ同じ高さであり、かつ、車両4のほぼ先頭部位にあることに鑑み、車両4のフロントガラス底辺が無線受信器の狭域通信による受信中央ラインに達したとき、無線受信器(ETCガントリ3)設置位置からフロントガラス底辺位置(車両先頭)までの距離をD0としたとき、当該フロントガラス底辺画像が車両撮影手段11で撮影される車両前部画像データの上下中央部に存在するような傾斜角度で該車両撮影手段11を設置する。このとき、車両4のフロントガラス4d底辺から無線受信器までの高さがH0であるとすれば、これら距離D0,高さH0から受信角度θ0が求まる。
【0040】
以上のような条件のもとに、前方車両4が図示矢印(イ)方向に走行しているとき、車両撮影手段11がフレームレートに従って前方車両4の前部を複数回にわたって撮影したとき、フロントガラス底辺の画像位置が車両前部画像データの上側から下側に変化していくものとする。
【0041】
そこで、距離演算手段22としては、車両撮影手段11で撮影される車両前部画像データの中の予め定めるフロントガラス底辺画像位置または車両撮影手段11で撮影される車両前部画像データの上下中央部から最も近い画素位置にフロントガラス底辺画像が映っているとき、前方車両4が受信エリア内に入ったと判断し(S4)、無線受信器(ETCガントリ3)設置位置からフロントガラス底辺位置(車両先頭)までの距離D0´を求める(S5)。
【0042】
すなわち、距離演算手段22は、車両撮影手段11で撮影される車両前部画像データの上下中央部とフロントガラス底辺画像の映っている画像位置とのずれ画素数に予め定める画素換算距離ΔD(図3参照)を掛け、画像中央部からガラス底辺画像の上下位置に応じてプラス、またはマイナスし、下記式(1)により距離D0´を計算できる。
【0043】
D0´=D0±(ずれ画素数×ΔD) ……(1)
なお、小型普通貨物車,中型・大型貨物車等の車両4のフロントガラス4d底辺位置が車両4の完全な先頭部位で無いことから、式(1)に予め定め距離補正値をプラスしてもよい。
【0044】
そして、以上のように距離D0´が求まり、かつ、車両4のフロントガラス4d底辺から無線受信器までの高さH0が分れば、これら距離D0´,高さH0から受信角度θを容易に求めることができる。
【0045】
さらに、2つのフレームの車両前部画像データの中のガラス底辺画像の移動変化と、移動した画素数とに基づき、画素換算距離ΔDとフレームレートを用いて、車両4の走行速度Vを求めた後、該当車両の距離D0´、走行速度Vをデータバッファメモリ14に記憶する。
【0046】
なお、画素換算距離ΔDは、必ずしも1つではなく、画像中央部から離れるに従って画素による換算距離が異なってくるので、正確に距離を求める場合には予め複数画素ごとに異なる画素換算距離を設定してもよい。
【0047】
なお、ステップS4〜S5の処理は、車両間隔検出方法における車両距離・速度演算ステップに相当する。
【0048】
引き続き、車両間隔検出処理部12は車両サイズ取得手段23を実行する。車両サイズ取得手段23は、既に撮影された社名マークを含む車両前部画像データ(ライト、ナンバープレート、フロントグリル形状(ラジエータ形状等))に基づき、既にデータベース13に格納される図4に示す車両サイズ管理テーブル33を参照し、車両前部画像データと車両サイズ管理テーブル33の車両前部パターンとの一致(S6)またはパターンマッチングにより類似度が予め定めるしきい値を超えたとき(S7)、その車両前部パターンに対応する車種名を特定し、当該車種名に対応する車両サイズ(車両長さ,後部高さなど)を取得するS8)。ステップS6,S7の何れにも該当しない場合、対象車両外(例えば小型車、普通乗用車その他の車両)と判断し、以後の処理を実行しない。
【0049】
その結果、車種名に対応する車両サイズ(車両長さ,後部高さなど)を取得することにより、下式によって無線受信器(ETCガントリ3)設置位置から前方車両4後部までの水平距離Dを求めることができる。
【0050】
D=D0+(ずれ画素数×ΔD)+車両長さ ……(2)
そして、車種名に対応付けて、ここで得られた水平距離D、後部高さ、前述した車両速度、車両後部高さから無線受信器までの高さ等の必要データをデータバッフアメモリ14に格納する(S9)。なお、小型普通貨物車,中型・大型貨物車等の車両4のフロントガラス4d底辺位置が車両4の完全な先頭部位で無いこともあるので、予め車種名によってフロントガラス4d底辺位置から先頭部位まで距離補正値を対応差付けておけば、式(2)車両長さから距離補正値をマイナスすることで、正確な車両長さとすることができる。
【0051】
これらステップS6〜S9の処理は、車両間隔検出方法における車両サイズ取得ステップに相当する。
【0052】
さらに、車両間隔検出処理部12は隠れ発生有無判定手段24を実行する。
【0053】
前述したように、荷台の高い例えば小型・中型・大型貨物車4の後に後続車両4´が接近したとき、無線受信器が先行する小型・中型・大型貨物車4の後部高さの影響を受け、後続車両4´のETC車載器との間の電波が完全に遮られ、料金収受用データが受信できなくなる。
【0054】
そこで、隠れ発生有無判定手段24は、後続車両4´のフロントガラス4d底辺から前方車両4の後部までの距離(車間距離)dをS1〜S3と同様に検出する(S10)。
【0055】
隠れ発生有無判定手段24は、前述したように前方車両4の速度V0を求め、かつ、前方車両4の長さDを取得しているので、データバッフアメモリ14から速度V0,前方車両4の後部までの距離Dを読み出し、さらに、前方車両4の検出された時刻をT0、次以降のフレームの車両撮影画像から後続車両4´の検出された時刻をT1とすると、前後車両4−4´の推定車間距離dは、下式(3)から求めることができる。
【0056】
d=V0・(T1−T0)−D<ε ……(3)
但し、しきい値εは後述する図7の位置関係によって定められるが、実験・経験等から決定してもよい。
【0057】
さらに、車両間隔検出処理部12としては、上記式(3)で求められた推定車間距離dが後続車両4´のETC車載器が前方車両4の最後部高さの影響を受け、自動料金収受システム1側無線受信器との通信が阻害される可能性について検討する。
【0058】
一般に、ETCガントリ3に設置する車両撮影手段11の俯角を浅くすれば、フロントガラス4dが映った車両前部画像データのフレーム数は増加するが、反面、前後車両4,4´間の距離が接近したとき、車両撮影手段11において後続車両4´のフロントガラス4d´が一部隠れて見えなくなるなどの現象が生じる。
【0059】
そこで、ETCガントリ3に無線受信器と同様に車両撮影手段11を設置したと仮定し、車両撮影手段11の視野角を無線受信器の受信範囲相当に設定し、後続車両4´のフロントガラス4d´が隠れる条件について、図7を参照して説明する。
【0060】
図7に示すように、車両撮影手段11は、当該車両撮影手段11の俯角をθ、視野角をθ´とすれば、フロントガラス4d´がθ±(θ´/2)の範囲内にあれば、被写体であるフロントガラス4d´を撮影できる。
【0061】
そこで、後続車両4´のフロントガラス4d´(S)と前方車両4後部との距離dを変化させたとき、以下式(4)に示す条件下で隠れが発生する。図8は後続車両4´のフロントガラス4d´(S)が前方車両4後部高さによって隠れている状態を示している。
【0062】
Θ=tan-1{(H−Hs)/d}>θ+(θ´/2) ……(4)
上式において、θ:車両撮影手段11の俯角、θ´:車両撮影手段11の視野角、S:フロントガラス4d´、d:フロントガラス4d´(S)と前方車両4後部との距離、H:前方車両4の後部高さ、Hs:地面からフロントガラス4d´(S)までの高さ、Θ:dと(H−Hs)とからなる角度である。
【0063】
そのため、フロントガラス4d´(S)の隠れが発生する境界条件は、
tan-1{(H−Hs)/d}=θ+(θ´/2) ……(5)
となる。
【0064】
そこで、隠れ発生有無判定手段24は、式(4)に基づき、tan-1{(H−Hs)/d}>θ+(θ´/2)であるか否か、つまり後続車両4´が前方車両2の後部によって隠れるか否かを判定する(S11)。
【0065】
ちなみに、具体例を挙げて隠れ発生有無について説明する。今、θ=45°、θ´=20°となるように画角を設定したとすると、一般車ではHs=1000mm、バスの高さH=3000mmとした場合、dとΘは図9に示す関係となる。
【0066】
従って、予めデータベース13に図9に示すような複数の隠れ発生判定用テーブル35を容易し、θ=45°、θ´=20°及び車両サイズから隠れ発生有無を判定してもよい。
【0067】
なお、ステップS10〜S11の処理は、車両間隔検出方法における隠れ発生有無判定ステップに相当する。
【0068】
さらに、ステップS11にて、後続車両4´における隠れ発生と判定されたとき、警報出力手段25を実行する。ここでは、後続車両4´における隠れ発生と判定されたとき、データバッファメモリ14に格納されている車両前部画像データ、車種名に対応付けて、距離、後部高さ、前述した車両速度、車両後部高さ、推定車間距離dや隠れ発生有りのデータを例えばデータベース13に保存蓄積するか、さらに自動料金収受システム1に対応するデータベース(図示せず)に保存する(S12)。
【0069】
引き続き、車両間隔検出処理部12は、隠れ発生有りの判定に基づき、データベース13から音声警報メッセージデータ34を読み出し、後続車両4´に向けて警報発生部15から音声警報メッセージデータ34を発生する(S13)。ステップS12,S13の処理は、車両間隔検出方法における警報出力ステップに相当する。
【0070】
しかる後、継続処理(S14)であれば、ステップS1に戻って前方車両4に関係する取得データを消去し、後続車両4´で取得された必要なデータなどを前方車両4として置き換え更新し、一連の処理を繰り返し実行する。
【0071】
従って、以上のような実施の形態によれば、前後車両が接近して料金所を通過する際、特に前方車両となる小型普通貨物自動車や中型・大型貨物、大型バス等の後部高さによって、後続車両のETC車載器から発する電波が遮られ、料金収受に関するデータを受信できない状態となるが、このようなときに前後車両の車間距離を推定し、この車間距離推定値のもとに、前方車両の後部高さ、フロントガラス底辺高さ位置及び無線受信器の受信エリア等を考慮し、データ受信不可(隠れ発生)を判定するので、後方車両4´に対して前方車両への接近状態に対する警報メッセージを発生し、注意を喚起することができる。
【0072】
また、データ受信不可(隠れ発生)を判定したとき、例えば車両ナンバー等を含んで前部画像や必要なデータを保存蓄積することにより、後に必要な料金請求対策を講じることができる。
【0073】
なお、車両間隔検出処理部12としてコンピュータを用いた場合、図5に示す動作の流れをプログラムメモリ16に車両間隔検出プログラムとして格納し、当該コンピュータに読み込ませるようにすれば、車両検出手段21〜警報出力手段25と同様の機能を実現させることができ、車両間隔検出システムで得られる同様の効果を奏することができる。
【0074】
(その他の実施形態)
(1) 上記実施の形態では、車両撮影手段11で撮影された車両前部画像データからパターンマッチングまたは背景差分法に基づいて車両の有無を検出したが、車両前部画像データに頼らず、レーザセンサ、ラインセンサ及び距離センサのいずれかを料金所入口近傍に設置し、車両の通過から車両を検出するようにしてもよい。
【0075】
レーザセンサは、例えばレーザ光を照射し、進入してくる車両側から反射してくるレーザ光を検出し、車両側面までの距離を算出することで、料金所への車両進入有りを検出できる。ラインセンサは、料金所の一方路肩に配置された投光手段と対峙するように配置された受光手段であって、車両の通過による遮光により車両の通過を検出できる。
【0076】
(2) 上記実施の形態では、車両撮影手段11で撮影された車両前部画像データのもとに、車両サイズ管理テーブル33を参照し、車両サイズ(車両長さ,後部高さ)を取得しているが、例えばレーダ装置から電波を発射し、走行する前方車両から反射してくる反射波から車両サイズ(車両長さ,後部高さ)を取得することもできる。
【0077】
(3) また、予め車両のナンバープレートのナンバー「1:普通貨物車」、「2:大型乗用バス」、「4:軽・小型・中型・大型貨物車」、「8:特殊用途自動車」と車両サイズ(車両長さ、車両後部高さ)との関係をテーブル化し、車両撮影手段11で撮影された車両前部画像データの中の車両ナンバーから車両長さ、車両後部高さを取り出してもよい。
【0078】
(4) さらに、車両速度は、フレームレートと撮影された車両前部画像データの中の例えばフロントガラス底辺の画像変化の画素数(画素換算距離)とから速度を求めたが、例えば速度取締り用のレーダーセンサを設置し、レーダの反射波から車両速度を測定するとか、あるいは前後車両の前方側設置または後方側設置のレーダ装置を用いて、前後車両の車間距離を取得することも可能である。
【0079】
(5) さらに、無線受信器を備えた自動料金収受システム1の設置位置よりも手前の料金所の一方路肩側に車両撮影手段11を設置し、車両撮影手段11の前を通過する前後車両4,4´の車間距離を複数のフレームの動画像から測定し、無線受信器が後続車両4´から送信される料金収受データの受信不可を判定してもよい。
【0080】
(6) さらに、他の実施の形態としては、種々の測定センサと可能な限り組み合わせて実施することが可能であり、その場合には組み合わせによる効果が得られる。さらに、上記各実施の形態には種々の上位,下位段階の発明が含まれており、開示された複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得るものである。例えば問題点を解決するための手段に記載される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されうることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
【符号の説明】
【0081】
1…無線受信器を備えた自動料金収受システム、2…有料道路、3…ETCガントリ、4…前方車両、4´…後続車両、10…車両間隔検出システム、11…車両撮影手段、12…車両間隔検出処理部、13…データベース、14…データバッフアメモリ、15…警報発生部、16…プログラムメモリ、21…車両検出手段、22…距離演算手段、23…車両サイズ取得手段、24…隠れ発生有無判定手段、25…警報出力手段、31…簡略的な車両前部参照パターン、32…距離演算用テーブル、33…車両サイズ管理テーブル、34…警報メッセージデータ、35…隠れ発生判定用テーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
料金所内に進入してくる前後車両が接近しているとき、自動料金収受システムの無線受信器が後続車両のETC車載器とDSRC通信で料金収受に関するデータを受信できるか否かを判定するために前記前後車両の車間距離を推定する車両間隔検出システムであって、
前記料金所内に進入してくる前方車両および後続車両の前部画像を撮影する車両撮影手段と、
前記料金所内に進入してくる前記前方および後続車両を検出する車両検出手段と、
前記車両撮影手段で撮影された前方車両の前部画像に映るフロントガラス底辺の画像位置に基づき前記無線受信器から前記前方車両のフロントガラス底辺までの水平距離を求め、また、フレームレートと前記フロントガラス底辺の画像位置変化とから前記前方車両の速度を求める距離・速度演算手段と、
前記前方車両の車両サイズ(車両長さ,後部高さ)を取得する車両サイズ取得手段と、
前記前方車両の速度と前記距離・速度演算手段で求めた水平距離および前記取得された車両長さから得られる前記無線受信器からの該前方車両後部までの水平距離とを用いて、前記前後車両の車間距離を推定し、前記後続車両でのDSRC通信による料金収受に関するデータの受信不可(隠れ)を判定する隠れ発生有無判定手段と
を備えたことを特徴とする車両間隔検出システム。
【請求項2】
請求項1に記載の車両間隔検出システムにおいて、
前記車両検出手段は、前記車両撮影手段で撮影された前方車両の少なくともライト,ナンバープレート、フロントグリル等を含む前部画像と予め記憶されるライト,ナンバープレート、フロントグリルの1種類以上を含む車両前部参照パターンとのパターンマッチング、またはフレームレートごとに前記車両撮影手段で撮影される前記前方車両の前回・今回の画像変化から車両であることを検出することを特徴とする車両間隔検出システム。
【請求項3】
請求項1に記載の車両間隔検出システムにおいて、
前記車両検出手段は、料金所入り側近傍にレーザセンサ、ラインセンサ、距離センサのいずれか1種類のセンサが設置され、検出対象の通過状態から車両であることを検出することを特徴とする車両間隔検出システム。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の車両間隔検出システムにおいて、
前記距離演算手段は、予め定める前記無線受信器の設置位置からの基準距離に前記前方車両のフロントガラス底辺部分が到達したとき、前記撮影された前方車両の前部画像の上下中心部に前記フロントガラス底辺の画像が映るように前記車両撮影手段が設けられ、実際に当該車両撮影手段で撮影された前記前部画像の中にフロントガラス底辺の画像が前記上下中心部から変化しているとき、変化した画素数に応じた換算距離を前記基準距離に加・減算し、前記無線受信器の設置位置から前記前方車両までの水平距離を求めることを特徴とする車両間隔検出システム。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の車両間隔検出システムにおいて、
前記車両サイズ取得手段は、予め複数の車種名に対応する車両の前部パターンデータ及び車両サイズが記憶され、前記車両撮影手段で撮影された前記前方車両の前部画像に基づいて前記各車両の前部パターンデータを参照し、特定の車種名の車両サイズ(車両長さ,後部高さ)を取得することを特徴とする車両間隔検出システム。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の車両間隔検出システムにおいて、
前記車両サイズ取得手段は、レーダ装置から電波を発射し、走行する前方車両から反射してくる反射波から車両サイズ(車両長さ,後部高さ)を取得することを特徴とする車両間隔検出システム。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載の車両間隔検出システムにおいて、
前記前後車両の車間距離の推定値dは、前記速度V0、前記無線受信器から後続車両後部までの距離D、前方車両検出時刻をTO、後続車両の検出時刻をT1とすると、
d=V0・(T1−T0)−Dなる演算式から求めることを特徴とする車両間隔検出システム。
【請求項8】
請求項1,請求項2,請求項5ないし請求項7の何れか一項に記載の車両間隔検出システムにおいて、
前記前後車両の車間距離の推定値と前記前方車両の後部高さと後続車両のフロントガラス高さを用いて所定の演算式により、前記無線受信器が前記後続車両から送信する料金収受に関するデータのDSRC通信による受信不可(隠れ)を判定することを特徴とする車両間隔検出システム。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8の何れか一項に記載の車両間隔検出システムにおいて、
前記料金所内の適宜な個所に設置される警報発生部と、
前記隠れ発生有無判定手段で受信不可と判定されたとき、各種の取得データのうち所要のデータを蓄積すると共に、前記後続車両に対して接近していることの警報メッセージを前記警報発生部から発生する警報出力手段と
をさらに設けたことを特徴とする車両間隔検出システム。
【請求項10】
料金所内に進入してくる前後車両が接近しているとき、自動料金収受システムの無線受信器が後続車両のETC車載器とDSRC通信で料金収受に関するデータを受信できるか否かを判定するために前記前後車両の車間距離を推定する車両間隔検出方法であって、
前記料金所内に進入してくる前方車両および後続車両を検出する車両検出ステップと、
前記料金所内に進入してくる前方車両の撮影された車両前部画像に映るフロントガラス底辺の画像位置から前記無線受信器から当該前方車両のフロントガラス底辺までの水平距離と、フレームレートと前記フロントガラス底辺の画像位置変化とから前記前方車両の速度を求める距離・速度演算ステップと、
前記前方車両の車両サイズ(車両長さ,後部高さ)を取得する車両サイズ取得ステップと、
前記前方車両の速度と前記距離・速度演算ステップで求めた水平距離および前記取得された車両長さから得られる前記無線受信器からの該前方車両後部までの水平距離とを用いて、前記前後車両の車間距離を推定し、前記後続車両でのDSRC通信による料金収受に関するデータの受信不可(隠れ)を判定する隠れ発生有無判定ステップと、
受信不可と判定されたとき、前記後続車両に警報発生部から警報メッセージを発生する警報出力ステップと
を有することを特徴とする車両間隔検出方法。
【請求項11】
少なくとも車両前部参照パターン、各車種名に対して車両前部パターン及び車両サイズデータ(車両長さ、後部高さ)を対応付けた車両サイズ管理テーブル、警報メッセージデータを格納する記憶部を備えたコンピュータによって、前記料金所内に進入してくる前後車両が接近しているとき、自動料金収受システムの無線受信器が後続車両のETC車載器とDSRC通信で料金収受に関するデータを受信できるか否かを判定するための前記前後車両の車間距離を推定する車両間隔検出プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記料金所内に設置される撮影カメラで撮影された車両前部画像と前記車両前部参照パターンとのパターンマッチングまたは複数の車両前部画像に基づく背景差分処理によって前部車両および後続車両を検出する車両検出機能と、前記車両前部画像に映るフロントガラス底辺の画像位置から前記無線受信器から当該前方車両のフロントガラス底辺までの水平距離、また、フレームレートと前記フロントガラス底辺の画像位置変化とから前記前方車両の速度を求める距離・速度演算機能と、前記撮影カメラで撮影された前記前方車両の前部画像に基づいて前記車両サイズ管理テーブルの車両前部パターンを参照し、特定の車種名の車両サイズ(車両長さ,後部高さ)を取得する車両サイズ取得機能と、前記前方車両の速度と前記距離・速度演算手段で求めた水平距離および前記取得された車両長さから得られる前記無線受信器からの該前方車両後部までの水平距離とを用いて、前記前後車両の車間距離を推定し、前記後続車両でのDSRC通信による料金収受に関するデータの受信不可(隠れ)を判定する隠れ発生有無判定機能と、受信不可と判定されたとき、前記後続車両が接近していることの前記警報メッセージデータを警報発生部から発生する警報出力機能とを実現させるための車両間隔検出プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−21883(P2012−21883A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−160010(P2010−160010)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】