説明

車載器,出力可否判定方法,道路通信システムおよびプログラム

【課題】自車向けでない交通情報等を出力させない車載器,出力可否判定方法,道路通信システムおよびプログラムを提供する。
【解決手段】道路を走行する車両に搭載され、道路側に設置された路側無線装置100からの情報を受信する通信処理部、通信処理部で受信した情報を出力する情報出力部、を有する発話型車載器200(車載器)であって、道路に設けられた方向識別手段257から検出した方向情報と、受信した情報に含まれる方向情報とが一致するか否かによって受信した情報が車両の進行方向と同一方向または異なる方向に対して提供されるべき情報であるか否かを判定し、受信した情報を出力するか否かを決定する制御部、を有する発話型車載器200(車載器)とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載器,出力可否判定方法,道路通信システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
DSRC(Dedicated Short Range Communication:以下「DSRC」という)という狭域通信方式を用いて交通事故や交通渋滞等の道路交通問題を解決する新しい交通システムである、高度道路交通システム(Intelligent Transport Systems:以下「ITS」という)が着想され具現化されつつある。このITSでは、道路側に設置された路側無線装置が、車両に搭載された車載器に対してブロードキャストしている。車載器は、路側無線装置から受信した交通情報を所定のタイミングで音声や静止画、テキストデータ等で車両の搭乗者に報知する。ところで、ITSで使用される路側無線装置は、車載器に対して道路の上下線別に異なる情報を提供することが検討されている。このような上下線別に異なる情報を提供する場合に、路側無線装置から送信された上り車線用の交通情報が、電波漏洩や乱反射等が原因で下り車線を走行中の車両に搭載された車載器が受信して、当該交通情報を出力してしまう可能性がある。このような問題を解決する技術として、路側無線装置から送信された電波の漏洩や乱反射等を抑制し得る電波吸収体を有料道路の料金所に設けて解消し得る技術が知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−237719号公報(図1等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に開示された技術は、高速道路の料金所に設けられるETCシステムにおける路側無線装置に用いられるものであり、料金所内に電波吸収体を設置すればよいため、特に費用や設置場所を考慮する必要がない。しかし、ITSで使用される路側無線装置においては、路側無線装置ごとに料金所がある訳でもなく、電波吸収体を設置するための場所が必ずしも確保することができない。また、その電波吸収体を設置するための設備費用や場所の確保を各路側無線装置に対して行なうことは、費用と時間が膨大に掛かるため、現実的ではない。そこで、ITSにおいても、路側無線装置から送信された電波の漏洩や乱反射等により発生する自車向けでない交通情報等を出力させない新たな技術を提供する必要がある。
【0004】
本発明は、上述した課題を鑑みてなされたものであり、自車向けでない交通情報等を出力させない車載器,出力可否判定方法,道路通信システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【0005】
本発明は、上述した課題を鑑みてなされたものであり、自車向けでない交通情報等を出力させない車載器,出力可否判定方法,道路通信システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述した目的を達成するために、道路を走行する車両に搭載され、道路側に設置された路側無線装置からの情報を受信する通信処理部、通信処理部で受信した情報を出力する情報出力部、を有する車載器であって、道路に設けられた方向識別手段から検出した方向情報と、受信した情報に含まれる方向情報とが一致するか否かによって受信した情報が車両の進行方向と同一方向または異なる方向に対して提供されるべき情報であるか否かを判定し、受信した情報を出力するか否かを決定する制御部、を有する車載器であることを特徴とする。
【0007】
また他の発明は、上述した発明に加えて、制御部は、道路に設けられた方向識別手段から方向情報を検出できる方向情報検出部、方向情報を記録する方向情報記憶部、受信した情報に含まれる方向情報と、方向情報記憶部に記録された方向情報とが一致するか否かによって受信した情報が車両の進行方向と同一方向または異なる方向に対して提供されるべき情報であるか否かを判定し、出力するか否かを決定する出力可否判定部、を有する車載器であることを特徴とする。
【0008】
更に他の発明は、上述した発明に加えて、方向識別手段は、道路の走行方向を区別する方向情報および/または道路を特定する情報のデータを含んでおり、方向識別手段からその方向情報および/または前記道路を特定する情報のデータを読み取ることで、道路の走行方向を検出する車載器であることを特徴とする。
【0009】
更に他の発明は、上述した発明に加えて、方向識別手段の有無,形状,色彩,または方向識別手段の道路上での設けられた間隔もしくは設けられた位置から、道路の走行方向を検出する車載器であることを特徴とする。
【0010】
更に他の発明は、上述した発明に加えて、方向識別手段は、道路の種別を特定する情報を含んでおり、方向識別手段から道路の種別を特定する情報を読み取ることで、道路の種別を検出するを特徴とする。
【0011】
更に他の発明は、上述した発明に加えて、方向識別手段を検出してから所定時間新たな方向識別手段を検出できないときは、受信した情報に方向情報が含まれているか否かに関わらず、受信した情報を出力する車載器であることを特徴とする。
【0012】
更に他の発明は、上述した発明に加えて、方向情報検出部は、方向識別手段を検出してから所定時間新たな方向識別手段を検出できないときは、方向情報記憶部によって記録された方向情報を削除する車載器であることを特徴とする。
【0013】
更に他の発明は、上述した発明に加えて、車載器は、GPS装置または車速センサから車両の位置情報を取得できない発話型車載器であることを特徴とする。
【0014】
更に他の発明は、道路を走行する車両に搭載され、道路側に設置された路側無線装置からの情報を受信する通信処理部、通信処理部で受信した情報を出力する情報出力部、を有する車載器に用いられる出力可否判定方法であって、道路に設けられた方向識別手段から方向情報を検出するステップと、受信した情報に含まれる方向情報とが一致するか否かにより受信した情報が車両の進行方向と同一方向または異なる方向に対して提供されるべき情報であるか否かを判定するステップと、判定結果により受信した情報を出力するか否かを決定するステップと、を有することを特徴とする出力可否判定方法であることを特徴とする。
【0015】
更に他の発明は、車両に搭載された車載器と、車載器に方向情報を含む情報を送信する路側無線装置と、この路側無線装置に方向情報を含む情報を送信する情報提供サーバと、道路に設けられた方向識別手段と、を有する道路通信システムであって、車載器は、路側無線装置からの情報を受信する通信処理部、通信処理部で受信した情報を出力する情報出力部、方向識別手段から方向情報を検出できる方向情報検出部、方向情報を記録する方向情報記憶部、受信した情報に含まれる方向情報と、方向情報記憶部に記録された方向情報とが一致するか否かによって受信した情報が車両の進行方向と同一方向または異なる方向に対して提供されるべき情報であるか否かを判定し、受信した情報を出力するか否かを決定する出力可否判定部、を有する道路通信システムであることを特徴とする。
【0016】
更に他の発明は、コンピュータを上述した車載器のいずれかひとつとして機能させるプログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、自車向けでない交通情報等を出力させない車載器,出力可否判定方法,道路通信システムおよびプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について道路通信システムを例に説明する。なお、本発明の実施の形態では、車両に搭載される車載器のうち音声情報を再生する発話型車載器を例として説明するが、ナビゲーション装置と適宜接続されることを想定されている車載器においても利用できる。なお、ナビゲーション装置が、加速度センサや車速パルスを備えていないポータブル型の簡易ナビゲーション装置の場合も、本発明を利用することができる。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態に係る道路通信システムの全体構成図である。この道路通信システムは、図1に示すように、道路、駐車場など車両が通行する場所の近傍に設置された路側無線装置100と、車両に搭載され、路側無線装置100との間でDSRCによる狭域通信をおこない、ドライバー等に送信すべき災害情報、交通情報、安全運転支援情報等の音声情報を提供する発話型車載器200と、道路に設けられた方向識別手段257と、路側無線装置100に対して上記情報を供給する情報提供サーバ300と、を有している。なお、方向識別手段257の説明については後述する。
【0020】
図1に示す各路側無線装置100は、いわゆる電波ビーコン(beacon)や光ビーコンを利用して、指向性のある特定の通信エリア内で高速道路等を走行する車両に搭載された発話型車載器200とDSRCによる狭域通信を行なう。各路側無線装置100は、送信対象の音声情報および再生制御情報を情報提供サーバ300から受信して、記憶する。なお、情報提供サーバ300と各路側無線装置100は、後述するITS通信網NW2(図3参照)を介して接続されている。
【0021】
(道路通信システム全体構成の説明)
図2は、図1の道路通信システムにおける主要のハードウェアである路側無線装置100、発話型車載器200および情報提供サーバ300の関係とDSRCによる通信処理の概要を示した図である。路側に設置された路側無線装置100は、情報提供サーバ300から提供される複数の音声情報を、通信エリア内を通過する車両に搭載されている発話型車載器200に対して繰り返し同報通信(ブロードキャスト)する。
【0022】
路側無線装置100は、発話型車載器200に順次音声情報を同報通信するために、情報更新部101、サイクリック部102、分割送信部103および通信処理部104を備えている。
【0023】
情報更新部101は、情報提供サーバ300から提供される複数の音声情報を路側無線装置100が保有する音声情報リストに追加・更新する機能である。たとえば、図2に示すように情報提供サーバ300から複数のコンテンツ更新情報I〜Iの提供があると、現在提供している音声情報リストLと比較して更新すべき音声情報の有無を確認する。そして、当該音声情報が存在しない場合および当該コンテンツ更新情報に更新するべき場合にはそれらの音声情報を追加・更新処理を行なう。
【0024】
サイクリック部102は、路側無線装置100の保有している音声情報リストLから送信するべき音声情報を選択して分割送信部103に通知する機能である。たとえば、図2に示すように路側無線装置100の保有している音声情報リストLに音声情報N1〜Nがあるとする。サイクリック部102は、これらの音声情報から音声情報N1を送信するべき音声情報として選択し、分割送信部103へ通知する。原則としてサイクリック部102は、音声情報リストLの保有する音声情報N1〜Nを先頭からシーケンシャルに処理する。
【0025】
分割送信部103は、サイクリック部102から通知された音声情報を所定単位に分割した分割情報を作成する。そして、分割送信部103は、この分割情報のヘッダ情報に分割ヘッダ情報を新たに付加し、特定の通信エリア内へ同報通信を行なうための送信情報を作成する。たとえば、分割送信部103は、サイクリック部102により選択された音声情報N1を分割情報M〜Mとして分割し、それぞれの分割情報のヘッダ情報に分割ヘッダ情報H〜Hを追加する。その後、通信処理部104は、分割ヘッダ情報が付加された分割情報を順番に無線信号や光信号に変換して送信する。
【0026】
続いて路側無線装置100から送信された情報を受信した発話型車載器200の動作について説明する。発話型車載器200は、図2に示すように通信処理部201、分割情報組立部202、再生制御部203、音声情報再生部204とを備えている。
【0027】
通信処理部201は、路側無線装置100から送信された分割情報を受信する機能を備える。分割情報組立部202は、通信処理部201によって受信した分割情報M〜Mに付加されている分割ヘッダ情報H〜Hにもとづいて、もとの情報N1として順次再構成する機能を備える。再生制御部203は、受信した音声情報の出力順序を制御する機能を備える。音声情報再生部204は、再生制御部203の制御により音声情報を再生する機能を備える。
【0028】
(路側無線装置のハードウェア構成と各部の動作についての説明)
続いて、図3を参照しながら路側無線装置100のハードウェア構成と各部の動作について説明する。図3は、図1の道路通信システムにおいて道路側に設置された路側無線装置100のハードウェア構成を示す図である。路側無線装置100のハードウェアは、上述した無線通信部104に加え、通信制御部111、記憶装置112、制御部113、ROM(Read Only Memory)114、RAM(Randam Access Memory)115、およびシステムバス116から構成される。
【0029】
無線通信部104は、上述したように情報更新機能、サイクリック機能、分割送信機能を備える。また、無線通信部104は、これらの機能を用いて電波信号、光信号等の無線信号により通過車両に設置された発話型車載器200との間で情報提供サーバ300より提供された交通情報を交信する。
【0030】
通信制御部111は、情報提供サーバ300から送信される音声情報を含む情報(図示せず)を受信する。記憶装置112は、情報提供サーバ300から受信した交通情報や、自装置固有の交通情報等を格納する機能を備える。制御部113は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサから構成され、路側無線装置100全体の動作を制御する。特に、制御部113は、記憶装置112に格納されている交通情報を、無線通信部104から送信し、無線通信部104を介して取得した情報を記憶装置112に格納する機能を備える。また、制御部113は、記憶装置112に格納されている自機が取得した交通情報を、通信制御部111及びITS通信網NW2を介して情報提供サーバ300に送信し、情報提供サーバ300から通信制御部111を介して取得した情報を記憶装置112に格納する機能を備える。
【0031】
ROM114は、この路側無線装置100全体の動作制御に必要なOS(Operating System)や各種の情報を記憶する機能を備える。RAM115は、制御部113のワークエリア(演算処理用領域)として機能する。システムバス116は、上記各部の間で命令や情報を転送するための伝送経路として機能する。
【0032】
(発話型車載器のハードウェア構成と各部の動作についての説明)
続いて主に図4を参照しながら発話型車載器200のハードウェア構成と各部の動作について説明する。図4は、図1の道路通信システムにおいて各車両に搭載された発話型車載器200の構成を示す図である。発話型車載器200は、車両が走行している位置情報を検出できる手段や、路側無線装置100の位置情報などを一切用いない簡易な発話型車載器である。また、一般的なカーナビゲーションの機能も有していない。また、路側無線装置100から送信された交通情報をはじめとした様々な画像情報などを表示する機能もなく、路側無線装置100から送信された音声情報のみを専ら通知する機能を備える。
【0033】
発話型車載器200(車載器)は、図4に示すように通信処理部211、音声情報再生部212、操作部214、I/O(Input/Output)装置215、記憶装置216、制御部217、ROM218、RAM219およびシステムバス220、を備えている。
【0034】
通信処理部211は、図2で示された通信処理部201と分割情報組立部202の各機能等を含むもので、DSRCモジュール211aを含む。
【0035】
DSRCモジュール211aは、路側無線装置100との間でアンテナ(図示せず)を介してDSRC方式により通信を行なう。DSRCモジュール211aは、上述した分割情報組立部202の機能を実行するもので、具体的には、分割送信された情報を組み立てて再構成した上で情報処理を行なう。
【0036】
音声情報再生部212は、制御部217から入力されたディジタルオーディオ信号をD/Aコンバータ(図示せず)でアナログオーディオ信号に変換して、スピーカ(図示せず)に出力する。
【0037】
操作部214は、タッチパネル式入力装置などから構成され、ユーザーによる指示入力に基づいて指示入力信号を生成して、制御部217に入力する。I/O装置215は受信した音声情報を読み出して制御部217に入力する。記憶装置216は、HDD(Hard Disk Drive)を含み、各種設定情報などを記憶する。なお、記憶装置216は、メモリカードなどの他のメモリを備えていてもよい。
【0038】
制御部217は、CPU(Central Processing Unit)から構成され、発話型車載器200全体の動作を制御する。具体的には、制御部217は、通信処理部211、音声情報再生部212、操作部214、I/O装置215、記憶装置216、ROM218、RAM219、およびシステムバス220の全てに演算命令や制御命令をして動作を制御する。例えば、制御部217は、DSRCモジュール211aを介して路側無線装置100からの交通情報を受信し、受信した交通情報に含まれている再生タイミング制御情報(パラメータ)に基づいて、これを音声再生する。
【0039】
ROM218には、発話型車載器200全体の動作制御に必要なOSのプログラムや各種の情報が記録される。RAM219は、情報やプログラムを一時的に記憶するためのもので、通信処理部211により取得された音声情報等が保持される。また、制御部217は、RAM219をワークメモリ(演算処理用領域)として使用する。システムバス220は、上記各部を相互に接続し、命令や情報を転送するための伝送経路である。
【0040】
発話型車載器200は、機能的に図5に示すように分けることができる。図5は、図1に示された発話型車載器200の機能のうち本発明に関係する機能を説明するための図である。発話型車載器200の制御部217は、情報取得部251と、発話可否判定部252(出力可否判定部)と、情報再生部253(情報出力部)と、方向情報検出部255と、方向情報記憶部256と、を備えるように構成される。なお、情報取得部251、発話可否判定部252、情報再生部253、方向情報検出部255、方向情報記憶部256のこれら各部は、制御部217のみにより構成されるのではなく、制御部217と通信処理部211、音声情報再生部212、記憶装置216等とが協働して動作することにより構成される。
【0041】
情報取得部251は、再生すべき1つまたは複数の音声情報を含む情報Dを路側無線装置100から取得する機能を備えている。なお、たとえば情報Dは、以下の表1のような情報項目を含んでいるものである。以下、表1を参照しながら各情報項目について上から順番に説明する。
【0042】
交通情報種別とは、交通情報の種類を示す情報である。たとえば、地震等の自然災害を知らせる災害情報、前方での合流を注意する安全運転支援情報、渋滞等を伝える一般交通情報などがある。路側無線装置IDとは、路側無線装置100が一意に識別されるIDのことである。道路種別とは、道路の種別を示す情報である。たとえば、高速道路、一般道路、有料道路、一般国道、主要地方道などがある。車線種別とは、その道路の車線を区別するための情報である。なお、以下の表1では上下線を示す情報と環状線(内回り、外回り)を示す情報項目がそれぞれ存在するが必ずしも両方の情報が存在しなくてもよい。方位情報とは、その道路を走行する車両の進行方向を示す方向情報(以下、「方向情報」という)である。たとえば、東・西・南・北の4方位や8方位、16方位の情報で示される。この方向情報は、たとえば交通情報種別が災害情報である場合には、道路を走行しているすべてのドライバーへ通知することが必要と考えられるため、一般的に含まれないが、安全運転支援情報や一般交通情報については、特定の車線を走行しているドライバーに通知する必要があるため、一般的に含まれるものである。路線番号とは、その道路を一意に識別できる番号である。これらの情報は続いて説明するテキスト情報、静止画像、音声情報(以下、これらの情報を「コンテンツ情報」いう)の出力可否や優先順位等を決定する属性を示す情報(以下、これらの情報を「属性情報」という)である。そして、コンテンツ情報には災害情報,安全運転支援情報,一般交通情報,商業用の多目的情報などの内容をそれぞれ含んだ情報が含まれている。なお、音声情報は、たとえば、TTS(Text−to−Speech)形式の音声情報で提供される。これらのコンテンツ情報は、単一もしくは複数の交通情報が含まれることがある。また、属性情報もコンテンツ情報によっては付加されたり、付加されなかったりする。
【表1】

【0043】
情報取得部251は、通信処理部211により受信した音声情報を含む情報Dの分割情報を再構成した上でデコードして、あるいは、記憶装置216に記憶された情報を所定のタイミングで読み出して取得する機能を備えている。
【0044】
発話可否判定部252(出力可否判定部)は、情報取得部251により取得した音声情報を発話するか否かを判定する機能を備えている。発話可否判定部252は、発話可否を判定するにあたって受信した情報Dに含まれている方向情報と、後述する方向情報記憶部256に記録されている方向情報とを比較して判定する。
【0045】
情報再生部253(情報出力部)は、図2に示された音声情報再生部204や図4に示された音声情報再生部212に対応する機能であり、音声情報を再生する機能を備えている。情報再生部253は、音声情報を再生するに際し、発話可否判定部252の判定結果に基づいて再生する機能を備えている。また、情報再生部253は、後述する方向情報検出部255からの割り込み処理により音声情報の再生を停止させるようにしてもよい。また、情報再生部253は、再生するべき音声情報が複数ある場合にはそれぞれの優先度により再生順序を制御するようにしてもよい。たとえば、災害情報、安全運転支援情報、一般交通情報といった3種類の音声情報があった場合に、災害情報→安全運転支援情報→一般交通情報の順に優先順位を予め設定しておいて、この設定に基づいて再生順序を制御することにより実現できる。
【0046】
方向情報検出部255は、自車の進行している方向情報を方向識別手段257から検出する機能と、検出した方向情報を方向情報記憶部256に通知する機能と、を備えている。
【0047】
方向情報記憶部256は、発話型車載器200が搭載されている車両の方向情報を記録する機能を備えている。また、方向情報記憶部256は、方向情報検出部255から通知された方向情報を記録する機能を備えている。
【0048】
(情報提供サーバのハードウェア構成と各部の動作についての説明)
続いて情報提供サーバ300のハードウェア構成と各部の動作について図6を参照しながら説明する。図6は、図1に示された情報提供サーバ300の構成例を示す図である。情報提供サーバ300は、路側無線装置100別に交通情報等の情報を生成し、配信する装置であり、入力部301、表示部302、通信制御部303,304、記憶装置305、制御部306、ROM307、RAM308およびシステムバス309から構成される。
【0049】
入力部301は、キーボード、マウス、入力インタフェース等の一つまたは複数を備え、種々の情報や指示を入力する。表示部302は、表示装置などから構成され、情報、メッセージなどを表示する。
【0050】
第1の通信制御部303は、電話回線、インターネット等の一般通信網NW1を介して外部装置と交信し、種々の情報を取得する。第2の通信制御部304は、ITS通信網NW2を介して複数の路側無線装置100に接続され、各路側無線装置100に交通情報を送信する。また、第2の通信制御部304は、ITS通信網NW2を介して、路側無線装置100が発話型車載器200との交信などにより得た情報を収集する。
【0051】
記憶装置305は、ハードディスク装置等を備え、種々の交通情報を格納する。また、記憶装置305は、各路側無線装置100の位置、アドレス等と共にその近傍の地理情報を記憶する。
【0052】
制御部306は、プロセッサ等から構成され、情報提供サーバ300全体の動作を制御する。また、制御部306は、記憶装置305に格納されている各種情報に基づいて、各路側無線装置100に、その路側無線装置100近傍から配信する情報を作成し、第2の通信制御部304及びITS通信網NW2を介して各路側無線装置100に供給する。
【0053】
ROM307には、この情報提供サーバ300全体の動作制御に必要なOS(Operating System)や各種の情報を記憶する。RAM308は、制御部306のワークエリアとして機能する。システムバス309は、上記各部の間で命令や情報を転送するための伝送経路である。
【0054】
(発話型車載器の第1の発話可否判定処理についての説明)
本発明の実施の形態に係る発話型車載器200が行なう第1の発話可否判定処理について具体的に説明する。図7は、図1の道路通信システムにおける道路に設けられた磁気テープ257A、257Bの構成例を示す図である。磁気テープ257A,257Bは、車両の各走行車線の中央に間隔をあけて直線的に設定されている。このため、車両が車線を走行するとき車両の底と地面を介してまたは直接的に対向することになる。
【0055】
磁気テープ257A,257Bは、粉末状の磁性体を接着剤と共にフィルム上に塗布した帯状磁気記録媒体で、磁化の変化により方向情報が記録されているものである。磁気テープ257Aには、道路の車線情報である「上り線」であるという方向情報が記録されている。一方、磁気テープ257Bには、道路の車線情報である「下り線」であるという方向情報が記録されている。磁気テープ257A,257Bは、方向情報検出部255である磁気センサ(図示せず)によりこれらに記録されている方向情報が読み取られる。
【0056】
具体的に、方向情報の記憶処理について説明する。図8は、図1に示された発話型車載器200が行なう車両の進行する方向情報を記録する処理を示した図である。図8に示すように発話型車載器200は、電源が投下されると(START)、磁気テープ257A,257Bを検出したか否かの判定を行なう(ステップS050)。発話型車載器200は、磁気テープ257A,257Bを検出できない場合(No)は、検出できるまでステップS050の判定を繰り返す。発話型車載器200は、磁気テープ257A,257Bを検出した場合(Yes)は、検出した磁気テープ257A,257Bから磁気情報を読み取り、上り車線用のテープであるか否かの判定を行なう(ステップS051)。なお、上り車線用のテープであるか否かは、磁気テープ257A,257Bに記録されている方向情報を読み取って判断する。発話型車載器200は、磁気テープ257Aを読み取った結果、上り車線用のテープであると判定した場合(Yes)には、「上り車線」を走行中であることを方向情報記憶部256に記録する(ステップS054)。発話型車載器200は、上り車線用のテープでないと判定した場合(No)には、更に下り車線用のテープであるか否かを判定する(ステップS052)。発話型車載器200は、下り車線用のテープでないと判定した(No)場合には、ステップS050の判定処理に戻る。発話型車載器200は、磁気テープ257Bを読み取った結果、下り車線用のテープであると判定した場合(Yes)には、「下り車線」を走行中であることを方向情報記憶部256に記録する(ステップS053)。
【0057】
このようにして検出した車両の進行方向を示す方向情報をもとに、以下の第1の発話可否判定処理を行なう。図9は、図1に示された発話型車載器200が行なう第1の発話可否判定処理のフローチャートである。なお、この第1の発話可否判定処理のフローチャート中、図8に示したステップS050〜ステップS054までの一部または全ての処理が同時に行なわれている。
【0058】
発話型車載器200は、電源が投下されると(START)、上り車線用の磁気テープ257Aを検出したか否かの判定を行なう(ステップS001)。発話型車載器200は、上り車線用の磁気テープ257Aを検出した場合(Yes)には、上述したステップS050,S051,S054の処理が行なわれた後に、路側無線装置100から情報を受信したか否かの判定を行なう(ステップS002)。なお、発話型車載器200は、路側無線装置100から情報を受信しない場合(No)は、受信するまでステップS002の判定処理を繰り返す。発話型車載器200は、路側無線装置100から受信した情報に上下線の区別がある方向情報が含まれているか否かの判定をする(ステップS003)。発話型車載器200は、路側無線装置100から受信した情報に上下線の区別がある方向情報が含まれている場合(Yes)には、更に受信した情報が上り車線用の情報であるか否か判定する(ステップS004)。発話型車載器200は、受信した情報が上り車線用の情報である場合(Yes)には、受信した情報を音声として出力する(ステップS005)。発話型車載器200は、受信した情報が上り車線用の情報でない場合(No)は、受信した情報を出力しない(ステップS006)。なお、発話型車載器200は、上り車線用の磁気テープ257Aを検出しなかった場合(ステップS001においてNo)には、下り車線用の磁気テープ257Bを検出したか否かの判定(ステップS010)に移行し、以下、ステップS002〜S005の判定と同様にステップS011〜ステップS013を行なうため、詳細な説明は割愛する。
【0059】
このような第1の発話可否判定処理を行なうことで、自車向けの音声情報か否かの判断ができる。また、この構成を採用すると、発話型車載器200が、仮に路側無線装置100から車両の進行方向と異なる方向に対して提供される音声情報を受信した場合に、車両の位置情報や路側無線装置100の位置情報を用いなくとも、誤った交通情報等を出力することがない。したがって、ドライバーが誤った交通情報等を聞いて運転に支障をきたすといった危険性が低減する。なお、上述したステップS004やステップS013において方向情報と一致しない情報を短時間に連続して受け取った場合には、「逆走している可能性があります」などの注意喚起を促すメッセージを発話する処理を加えて、逆走を検出してドライバーに警告するようにしてもよい。
【0060】
続いて、路側無線装置100から複数種類の情報を受信した場合の第2の発話可否判定処理について説明する。図10および図11は、図1に示された発話型車載器200が行なう第2の発話可否判定処理のフローチャートである。
【0061】
本発明の実施の形態に係る道路通信システムでは、一つの路側無線装置100から複数種類の情報(地震等の災害情報、突発的な事故や合流時の注意喚起等の安全運転支援情報、ハイウェイラジオのような一般的な交通情報)が同時に送信されてくる場合がある。災害情報は、道路を走行しているドライバー全てに通知する必要があるため、一般的には上下線などの区別が設定されていないため、方向情報が含まれない。しかし、安全運転支援情報、一般交通情報は、車両が走行する方向によって、区別して通知する必要があるため、上下線などの方向情報が含まれている可能性がある。したがって、これらの情報を複数種類受信した場合の発話優先制御は、災害情報、安全運転支援情報、一般交通情報の順とすることが妥当である。以下に、図10および図11を参照しながら第2の発話可否判定処理について説明する。
【0062】
発話型車載器200は、電源が投下されると(START)、路側無線装置100から情報を受信したか否かの判定を行なう(ステップS020)。なお、発話型車載器200は、路側無線装置100から情報を受信しない場合(No)は、ステップS020の判定処理を繰り返す。発話型車載器200は、路側無線装置100から情報を受信した場合(Yes)には、受信した情報の中に災害情報が含まれるか否かの判定を行なう(ステップS021)。発話型車載器200は、受信した情報の中に災害情報が含まれる場合(Yes)には、受信した情報のうち災害情報を音声として出力する(ステップS022)。発話型車載器200は、受信した情報の中に災害情報が含まれない場合(No)およびステップS022の発話処理の後に、受信した情報の中に安全運転支援情報が含まれるか否かの判定処理を行なう(ステップS023)。発話型車載器200は、受信した情報の中に安全運転支援情報が含まれる場合(Yes)には、更に上下線情報が含まれているか否かの判定を行なう(ステップS024)。発話型車載器200は、受信した情報に上下線情報が含まれていた場合(Yes)には、その上下線情報と方向情報記憶部256に記録された上下線情報とが一致するか否かを判定する(ステップS025)。発話型車載器200は、その上下線情報と方向情報記憶部256に記録された上下線情報と一致しない場合(No)には、その安全運転支援情報を音声として出力しない(ステップS026)。発話型車載器200は、その上下線情報と方向情報記憶部256に記録された上下線情報と一致する場合(Yes)にはその安全運転支援情報を音声として出力する(ステップS027)。発話型車載器200は、受信した情報の中に安全運転支援情報が含まれない場合(S023でNo)、またはステップS026、ステップS027のいずれかの処理が終了した場合に、受信した情報に一般交通情報が含まれるか否かの判定を行なう(ステップS028)。そして、発話型車載器200は、受信した情報に一般交通情報が含まれる場合(Yes)には、上述したステップS024〜S027の制御処理と同様に図11に示すステップS030〜S033までの処理を行なう。なお、受信した情報に一般交通情報が含まれない場合(No)と、ステップS032、ステップS033のいずれかの処理が終了した場合には、発話可否判定処理を終了する(ステップS028でNoの場合はステップS029で終了、ステップS032、ステップS033の処理完了後の場合はステップS034で終了)。
【0063】
このような第2の発話可否判定処理を行なうことで、複数種類の音声情報を受信した場合でも、自車向けの音声情報か否かの判断をしつつ、ドライバーにとって優先順位の高い音声情報から優先的に発話することが可能となり、安全運転上、好ましい発話型車載器200となる。
【0064】
(発話型車載器の第3の発話可否判定処理についての説明)
続いて、本発明の実施の形態に係る発話型車載器200が行なう第3の発話可否判定処理について具体的に説明する。第1の発話可否判定処理は、高速道路のように道路の方向情報が上下線の2つである場合を想定していたが、以下に説明する第3の発話可否判定処理は、受信した情報の中に含まれる方向情報が複数ある場合を想定したものである。また、上述した本発明の実施の形態に係る方向情報検出部255と方向識別手段257は、磁気センサと磁気テープを用いていたが、本実施の形態では、磁気マーカセンサと磁気マーカを用いるものである。なお、第3の発話可否判定処理において方向識別手段257を磁気テープとしても勿論よい。
【0065】
図12は、図1に示された発話型車載器200が行なう第3の発話可否判定処理のフローチャートである。図13は、車両の断面図であり、車両底部に設けられた磁気マーカセンサ255aと、道路に設けられた磁気マーカ257aの構成例を示す図である。
【0066】
磁気マーカセンサ255aは、NdFeB系の永久磁石等により構成され、車両の底部に設けられている。磁気マーカ257aは、道路に所定間隔ごとにそれぞれ設けられている。磁気マーカ257aには、道路の上下線などの走行方向情報やその車線が向いている方位である東西南北を示す16方位情報といった方向情報が記録されている。磁気マーカセンサ255aは、非接触で磁気マーカ257aから自車の進行方向を示す方向情報を読み取って検出することができる。磁気マーカセンサ255aは、上述したように検出した方向情報を方向情報記憶部256に記録する。なお、上述した所定間隔とは、たとえば、高速道路であれば500m〜1km毎としてもよいし、2km〜5km毎としてもよい。また、PA(パーキングエリア)やSA(サービスエリア)などの出入り口付近に磁気マーカ257aを設けてもよい。また、一般道であれば、磁気マーカ257aを進行方向が変わる可能性がある交差点やT字路など分岐点付近に設けてもよい。このようにして検出した方向情報をもとに、以下の第3の発話可否判定処理を行なう。
【0067】
発話型車載器200は、路側無線装置100から音声情報を含む情報Dを受信する(START)。発話型車載器200は、音声情報に関連付けられた方向情報が含まれているか否かの判定をする(ステップS100)。発話型車載器200は、音声情報に関連付けられた方向情報が含まれている場合(Yes)には、方向情報記憶部256に方向情報が記録されているか否かの判定をする(ステップS101)。発話型車載器200は、方向情報記憶部256に方向情報が記録されている場合(Yes)には、その記録されている方向情報と受信した音声情報に関連付けられた方向情報が一致するか否かの判定をする(ステップS102)。発話型車載器200は、方向情報記憶部256に記録されている方向情報と一致しない場合(No)には、その音声情報を出力しない(ステップS103)。なお、発話型車載器200は、音声情報に関連付けられた方向情報が含まれていない場合(ステップS100でNo)、方向情報記憶部256に方向情報が記録されていない場合(ステップS101でNo)、方向情報記憶部256に記録された方向情報と音声情報に関連付けられた方向情報が一致した場合(ステップS102でYes)は、そのまま音声として出力させる(ステップS104)。なお、方向情報記憶部256に記録される方向情報の初期値については何も記録しないで、発話型車載器200が電源投下されてからはじめて出力した音声情報に関連付けられた方向情報を記録してもよい。
【0068】
(方向情報検出部の方向情報検出処理の説明)
続いて、本発明の実施の形態に係る発話型車載器200が行なう方向情報を検出する処理について具体的に説明する。図14は、図1に示された発話型車載器200が行なう方向情報を検出する処理のフローチャートである。この方向情報検出処理は、方向識別手段257を随時検出して、自車の方向情報を方向情報記憶部256に記録するまたは更新することで、自車向けの音声情報か否かの判定の根拠となる方向情報の正当性を維持している。
【0069】
発話型車載器200は、発話型車載器200の電源(図示せず)が投入されると開始し(START)、道路に設けられた方向識別手段257を検出したか否かの判定を行なう(ステップS105)。発話型車載器200は、道路に設けられた方向識別手段257を検出できない場合(No)には、方向識別手段257を検出するまでステップS105を繰り返す。発話型車載器200は、道路に設けられた方向識別手段257を検出した場合(Yes)は、検出した方向識別手段257に記録されている磁気情報を読み取って方向情報を特定できたか否かの判定を行なう(ステップS106)。発話型車載器200は、道路に設けられた方向識別手段257によって方向情報を特定できない場合(No)には、ステップS105に戻り、再び方向識別手段257の検出判定を行なう。発話型車載器200は、道路に設けられた方向識別手段257によって方向情報を特定できた場合(Yes)には、方向情報記憶部256に記録されている方向情報の更新を行なう(ステップS107)。
【0070】
このような判定制御処理をすることで、上述した第3の発話可否判定処理の有する効果に加えて、受信した情報に含まれる方向情報が複数ある場合(たとえば16方位で設定されていた場合)でも、方向情報記憶部256に記録されている方向情報と音声情報に関連付けられた方向情報の一致を判定するのみで、自車向けの音声情報か否かの判断ができる。
【0071】
(方向情報に対する制御処理についての説明)
続いて図15を参照しながら、図1に示された発話型車載器200が行なう方向情報に対する制御処理について具体的に説明する。図15は、図1に示された発話型車載器200が一度発話した後の発話判定処理に使用する方向情報に対する制御処理のフローチャートである。この制御処理は、一度記録された方向情報が長時間車両の進行方向として記録されてしまうことによる弊害を解消するための制御処理である。
【0072】
発話型車載器200は、発話処理が完了すると(START)、所定時間のタイムカウントを行なう(ステップS112)。そして、発話型車載器200は、前回の発話処理が完了してから所定時間以内に新しい情報を受信したか否かを判定する(ステップS113)。発話型車載器200は、所定時間以内に新しい情報を受信した場合(No)には、その時点でタイムカウントをゼロクリアする(ステップS114)。そして、発話型車載器200は、新しい情報を受信した場合(No)には、同時に図12で示されたステップS100の判定処理を行なう(ステップS114)。
【0073】
発話型車載器200は、所定時間以内に新しい情報を受信しない場合(No)には、方向情報記憶部256に方向情報が記録されているか否かの判定をする(ステップS115)。発話型車載器200は、方向情報記憶部256に方向情報が記録されていない場合(No)には、何も処理をしない(ステップS116)。発話型車載器200は、方向情報記憶部256に方向情報が記録されている場合(Yes)には、方向情報記憶部256に記録されている方向情報を削除する(ステップS117)。なお、ここでいう所定時間とはたとえば高速道路であれば4分〜5分としてもよいし、10分〜20分としてもよい。また、ドライバー側から所定時間を設定できる仕様としてもよい。
【0074】
このような方向情報に対する制御処理を行なうことで、上述した第3の発話判定処理の効果に加えて、一度記録された方向情報が長時間車両の進行方向として記録されてしまうと、異なる方向に走行した場合に、逆走と誤って判定されるという不具合が解消できる。
【0075】
続いて、本発明の実施の形態に係る第4の発話可否判定処理について説明する。この第4の発話可否判定処理は、道路の上下線情報と路線番号が予め記録された方向識別手段257を方向情報検出部255が検出して、方向情報記憶部256に記録して、自車向けの音声情報であるか否かを判定する処理である。ここで、路線番号とは道路を一意に識別するための情報(道路を特定する情報)を含むもので、たとえば「国道20号線」,「首都高速道路10号線」などである。なお、当該道路の上下線情報と路線番号が方向情報記憶部256に何も記録されていない場合には、受信した情報をそのまま音声として出力する。
【0076】
まず、本発明の実施の形態に係る第4の発話可否判定処理に用いられる方向情報に対する制御処理について説明する。この制御処理は、予め道路の上下線情報および路線番号が記録された方向識別手段257を検出して自車の方向情報として取得する処理と、自車の方向情報として取得する処理から所定時間の経過もしくは所定の事象が発生するまでは、その自車の方向情報を保持する処理と、を有する制御処理である。ここで所定時間とは、たとえば、高速道路であるならば渋滞を考慮して3分間としてもよいが、交通状況により様々な値を設定してもよい。また、所定の事象とは、たとえば、車両の各種センサから車両の走行した距離を取得して200mを超えた場合,自車のブレーキやウィンカ信号の有無を検出した場合,ハンドルの所定の操作を検出した場合などの車両の走行方向が変化する可能性の高い事象が所定の事象として挙げられる。以下に、この制御処理について、図16を参照しながら具体的に説明する。図16は、図1に示された発話型車載器200が行なう第4の発話可否判定処理に用いられる方向情報に対する制御処理のフローチャートである。
【0077】
発話型車載器200は、電源がONまたは第4の発話可否判定処理を開始するボタンなどが押下されると(START)、方向情報検出部255が方向識別手段257を検出したか否かの判定を行なう(ステップS120)。発話型車載器200は、方向情報検出部255が方向識別手段257を検出しない(No)場合には、検出されるまでステップS120の判定処理を続ける。発話型車載器200は、方向情報検出部255が方向識別手段257を検出した(Yes)場合には、検出した方向識別手段257に記録されている当該道路の上下線情報および路線番号を方向情報記憶部256に記憶する(ステップS121)。そして、発話型車載器200は、ステップS121が完了した時点から上述した所定時間のタイムカウントを開始する(ステップS122)。そして、発話型車載器200は、ステップS122の所定時間のタイムカウントを開始した後に新しい方向識別手段257を検出していないか否かの判定を行なう(ステップS123)。発話型車載器200は、ステップS122の所定時間のタイムカウントを開始した後に新しい方向識別手段257を検出した(Yes)場合には、ステップS121の処理に移行する。発話型車載器200は、ステップS122の所定時間のタイムカウントを開始した後に新しい方向識別手段257を検出していない場合(No)には、更に上述した所定の事象が発生していないか否かの判定を行なう(ステップS124)。発話型車載器200は、上述した所定の事象が発生した(No)場合には、方向情報記憶部256に記録された上下線情報および路線番号を削除し(ステップS125)、ステップS120へ移行する。発話型車載器200は、上述した所定の事象が発生していない(Yes)場合には、更に上述した所定時間を経過していないか否かの判定を行なう(ステップS126)。発話型車載器200は、上述した所定時間が経過した(No)場合には、方向情報記憶部256に記録された上下線情報および路線番号を削除し(ステップS125)、ステップS120へ移行する。発話型車載器200は、上述した所定時間が経過していない(Yes)場合には再びステップS123の判定処理へ移行する。なお、ステップS123,ステップS124,ステップS126の各判定処理は、時系列的な処理フローとして説明したが、それぞれの判定処理を並列的に行なってもよい。
【0078】
また、この制御処理は、発話型車載器200の電源がOFFまたは第4の発話可否判定処理を停止するボタンなどが押下されると、強制的に終了し、停止するようにしてもよい。また、電源がOFFまたは第4の発話可否判定処理を停止するボタンなどが押下され場合に、方向情報記憶部256に記録されている道路の上下線情報および路線番号を削除(クリア)する設定としてもよいし、次回発話型車載器200が再び起動した時または第4の発話可否判定処理が開始するボタンが再び押下されるまで道路の上下線情報および路線番号を保持する設定としてもよい。
【0079】
続いて、上述した自車の方向情報に対する制御処理と並行して行なわれる処理である、本発明の実施の形態に係る第4の発話可否判定処理について説明する。図17は、図1に示された発話型車載器200が行なう第4の発話可否判定処理を示すフローチャートである。
【0080】
発話型車載器200は、電源がONまたは第4の発話可否判定処理を開始するボタンなどが押下されると(START)、路側無線装置100から音声情報を受信したか否かの判定を行なう(ステップS130)。発話型車載器200は、路側無線装置100から音声情報を受信しない(No)場合には、路側無線装置100から音声情報を受信するまで、ステップS130を繰り返す。発話型車載器200は、路側無線装置100から音声情報を受信した(Yes)場合には、方向情報記憶部256に自車の走行方向を示す方向情報として上述した道路の上下線情報および路線番号が記録されているか否かを判定する(ステップS131)。発話型車載器200は、方向情報記憶部256に道路の上下線情報および路線番号が記録されていない(No)場合には、受信した音声情報を出力する(ステップS132)。発話型車載器200は、方向情報記憶部256に道路の上下線情報および路線番号が記録されている(Yes)場合には、その記録されている上下線情報および路線番号と受信した音声情報に付加されている上下線情報および路線番号とが、一致するか否かの判定を行なう(ステップS133)。発話型車載器200は、方向情報記憶部256に記録されている上下線情報と路線番号と受信した音声情報に付加されている上下線情報および路線番号とが、一致しない(No)場合には、音声として出力せず(ステップS134)、一致する(Yes)場合には音声として出力する(ステップS135)。
【0081】
このような制御処理と発話可否判定処理を並列して行なうことで、上述した第3の発話判定処理の効果に加えて、車両の走行方向が変化する可能性が高いタイミングで適切に自車の走行する方向情報を方向情報記憶部256に記録または維持しながら、受信した音声情報の発話可否判定を行なうことができる。
【0082】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない限り種々変更実施できる。たとえば、上述した道路通信システムでは、方向識別手段257として磁気テープや磁気マーカを用いて説明したが、方向識別手段257を電動コイル,記録媒体,白線,LEDなどとしてもよい。
【0083】
また、上述した道路通信システムでは、方向識別手段257として磁気テープや磁気マーカに記録された方向情報を読み取ることで方向情報を検出しているが、2次元コードが刻印された方向識別手段257を道路に設けて、その2次元コードから方向情報を読み取って検出してもよい。また、方向識別手段257に方向情報が含まれない場合、たとえば方向識別手段257の有無,形状,色彩,輝度,方向識別手段257の道路上の設けられた間隔(配列も含む)や設けられた位置を、道路の走行方向ごとにパターン情報として予め定めておき、そのパターン情報を発話型車載器200の記憶装置216に記録しておき、その方向識別手段257のパターン情報の相違を読み取ることでその自車の進行方向を示す方向情報(走行方向)を検出することとしてもよい。なお、方向識別手段257を識別できるこれらの上述したパターン情報を、路側無線装置100から発話型車載器200に送信して、発話型車載器200の方向情報検出部255が判別できるようにしてもよい。たとえば、上述した例のうち方向識別手段257の有無によって上下線を判定させる場合には、上り車線のみに方向識別手段257を設けて、下り車線には何も設けないという情報を、路側無線装置100から発話型車載器200へ送信しておき、方向情報検出部255において方向識別手段257を検出できれば、上り車線を走行していると判定し、何も検出できなければ下り車線を走行していると判定させるようにしてもよい。ただし、この場合には、道路に方向識別手段257を所定間隔で設けて、所定時間内に方向識別手段を検出できるか否かで、上下線の判定をすることが好ましい。
【0084】
方向識別手段257に方向情報(走行方向)を含まない場合における例について図18を参照しながら、以下に説明する。図18は、図5に示された方向識別手段257の他の構成例を示す図であり、(A)は方向識別手段257の色彩,形状が異なる構成例を示す図であり、(B)は方向識別手段257の設けられた位置,設けられた間隔が異なる構成例を示す図である。
【0085】
方向情報検出部255には、走行支援道路システム(Automated Highway Syatem:以下「AHS」という)に用いられている道路センサを使用する。具体的には、道路センサである可視画像式道路センサ、ミリ波式道路センサなどを車両に搭載させる。
【0086】
ここで可視画像式道路センサとは、CCTV(Closed Circuit TeleVision system)カメラによる映像を、背景差分方式やフレーム差分方式などの画像処理方式で対象物を抽出するセンサである。図18(A)に示すように方向識別手段257の形状や色彩が異なる方向識別手段257bと方向識別手段257cとを進行方向の異なる道路ごとに設けておく。そして、予めその道路ごとに検出される方向識別手段257b、257cの形状や色彩を方向情報記憶部256にそれぞれ記録しておき、可視画像式道路センサ(図示せず)で抽出された方向識別手段257bまたは257cの形状や色彩とを比較して道路の方向情報(走行方向)を検出することができる。なお、上述した方向識別手段257b、257cに道路種別を予め記録しておき、方向情報検出部255で方向識別手段257b、257cを読み取ることにより、道路の方向情報だけでなく、道路種別を検出することができるようにしてもよい。
【0087】
また、ミリ波式道路センサとは、76GHz帯のミリ波を使用し、FW−CW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式により対象物にミリ波を照射して返ってくる反射波のタイムラグに基づいて対象物の位置を検出するセンサである。たとえば、図18(B)に示すように方向識別手段257d、257eのように設けた位置や設けた間隔(配列も含む)が道路ごとに異なるように設けておく。そして、予めその道路ごとにより検出される方向識別手段257d、257eの設けた位置や設けた間隔を方向情報記憶部256にそれぞれ記録しておき、ミリ波式道路センサ(図示せず)で検出した方向識別手段257d、257eの設けた位置情報やその設けた間隔情報から算出できる間隔や配列とを比較して、道路の方向情報(走行方向)を検出することができる。なお、上述した方向識別手段257d、257eに道路種別を予め記録しておき、方向情報検出部255で方向識別手段257d、257eを読み取ることにより、道路の方向情報だけでなく、道路種別を検出することができるようにしてもよい。
【0088】
また、上述した方向識別手段257を複数組み合わせて、道路の方向情報(走行方向)を判別してもよいし、道路が上下線のみであれば、上り線のみに上述した方向識別手段257を設けて、その有無を検出することによって上下線を判別してもよい。更に、上述した方向識別手段257を、道路の走行方向だけでなく、車線別に判別できるように道路に設けて、その車線別に識別できるパターン情報を路側無線装置100から送信して、発話型車載器200側で車線種別を検出できるようにしてもよい。なお、ここで用いる車線種別には上述した上下線、内回り、外回りといった情報のほか、左レーンや右レーンといった道路情報も含まれている。
【0089】
また、上述した第4の発話可否判定処理において方向識別手段257に道路の走行方向を示す方向情報と道路の種別を特定する情報の一つである路線番号を予め記録させておいたが、路線番号以外の道路の種別を特定する情報(たとえば一般道、国道等)を方向識別手段257に予め記録させておき、発話型車載器200の方向情報検出部255で検出するようにしてもよい。
【0090】
また、本発明の実施の形態に係る発話可否判定処理において、上述した方向識別手段257に方向情報を記録、もしくは車両の走行方向を識別できるようにして、発話型車載器200側でそれらの発話可否判定処理を行なっているが、方向情報に代えて、第4の発話可否判定処理で示した道路を特定する情報を予め記録、もしくは車両の走行方向を識別できるようにしておき、路側無線装置100から受信した情報に含まれる道路を特定する情報(例えば道路種別、路線番号)と比較して発話型車載器200側で発話可否判定処理を行なって音声を出力するか否かを判定するようにしてもよい。
【0091】
また、上述した道路通信システムで受信する情報に含まれる音声情報は、路側無線装置100から分割されて送信されてくることを前提として説明したが、分割されていない情報が発話型車載器200に送信されてもよい。また、上述した道路通信システムは、高速道路に適用すると好ましいものであるが、全ての道路に適用することができる。また、上述した道路通信システムは、通信方式としてDSRCという狭域通信システムを例として説明したが、広域通信方式にも適用することができる。また、上述した道路通信システムでは、GPS機能を有しない発話型車載器200を例示したが、ナビゲーション機能やGPS機能を有するITS車載器にも本発明を適用できる。また、情報再生部253(情報出力部)を有する発話型車載器200を例示したが、発話型車載器200をカーオーディオ等に接続して、カーオーディオ等の音声再生部を利用して、路側無線装置100から受信した音声情報を出力してもよい。
【0092】
また、上述した道路通信システムでは、情報提供サーバ300を有するシステムとしたが、路側無線装置100に蓄えられるまたは送信される情報が、他のサーバからではなくCD、DVDなどの記憶媒体から受け取ったり、放送網を通じて送信したりしてもよい。
【0093】
また、上述した道路通信システムでは、情報受信手段としては車両に搭載されている発話型車載器200を例にして説明したが、携帯可能なパーソナルコンピュータなどの通信端末や携帯電話を車載して動作させるようにしてもよい。さらに上述の実施の形態では、路側無線装置100や発話型車載器200などの機能を特定のハードウェアを指定して機能別手段として行なわせているが、全ての機能手段または一部の機能手段をプログラムからなるソフトウェアで処理・実行させるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、全ての道路通信システムに適用することができる。本発明は、特に車載器,出力可否判定方法,道路通信システムおよびプログラムにおいて利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の実施の形態に係る道路通信システムの全体構成図である。
【図2】図1の道路通信システムにおける主要のハードウェアである路側無線装置、発話型車載器および情報提供サーバの関係とDSRCによる通信処理の概要を示した図である。
【図3】図1の道路通信システムにおいて道路側に設置された路側無線装置のハードウェア構成を示す図である。
【図4】図1の道路通信システムにおいて車両に搭載された車載器の構成を示す図である。
【図5】図1に示された発話型車載器の機能のうち本発明に関係する機能を説明するための図である。
【図6】図1に示された情報提供サーバの構成例を示す図である。
【図7】図1の道路通信システムにおける道路に設けられた磁気テープの構成例を示す図である。
【図8】図1に示された発話型車載器が行なう車両の進行する方向情報を記録する処理を示した図である。
【図9】図1に示された発話型車載器が行なう第1の発話可否判定処理のフローチャートである。
【図10】図1に示された発話型車載器が行なう第2の発話可否処理のフローチャートである。
【図11】図1に示された発話型車載器が行なう第2の発話可否処理のフローチャートである。
【図12】図1に示された発話型車載器が行なう第3の発話可否判定処理のフローチャートである。
【図13】車両の断面図であり、車両底部に設けられた磁気マーカセンサと、道路に設けられた磁気マーカの構成例を示す図である。
【図14】図1に示された発話型車載器が行なう方向情報を検出する処理のフローチャートである。
【図15】図1に示された発話型車載器が一度発話した後の発話判定処理に使用する方向情報に対する制御処理のフローチャートである。
【図16】図1に示された発話型車載器が行なう第4の発話可否判定処理に用いられる方向情報に対する制御処理のフローチャートである。
【図17】図1に示された発話型車載器が行なう第4の発話可否判定処理を示すフローチャートである。
【図18】図5に示された方向識別手段の他の構成例を示す図であり、(A)は方向識別手段の色彩,形状が異なる構成例を示す図であり、(B)は方向識別手段の設けられた位置,設けられた間隔が異なる構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0096】
100 路側無線装置、200 発話型車載器(車載器)、211 通信処理部、
217 制御部、252 発話可否判定部(出力可否判定部)、
253 音声再生部(情報再生部)、255,255a 方向情報検出部、
256 方向情報記憶部、
257,257A,257B,257a〜e 磁気テープ、磁気マーカ(方向識別手段)、
300 情報提供サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路を走行する車両に搭載され、上記道路側に設置された路側無線装置からの情報を受信する通信処理部、上記通信処理部で受信した情報を出力する情報出力部、を有する車載器であって、上記道路に設けられた方向識別手段から検出した方向情報と、受信した情報に含まれる方向情報とが一致するか否かによって上記受信した情報が上記車両の進行方向と同一方向または異なる方向に対して提供されるべき情報であるか否かを判定し、受信した情報を出力するか否かを決定する制御部、を有することを特徴とする車載器。
【請求項2】
前記制御部は、前記道路に設けられた方向識別手段から方向情報を検出できる方向情報検出部、上記方向情報を記録する方向情報記憶部、受信した情報に含まれる方向情報と、上記方向情報記憶部に記録された方向情報とが一致するか否かによって上記受信した情報が車両の進行方向と同一方向または異なる方向に対して提供されるべき情報であるか否かを判定し、出力するか否かを決定する出力可否判定部、を有することを特徴とする請求項1記載の車載器。
【請求項3】
前記方向識別手段は、前記道路の走行方向を区別する方向情報のデータを含んでおり、前記方向識別手段からその方向情報のデータを読み取ることで、前記道路の走行方向を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の車載器。
【請求項4】
前記方向識別手段の有無,形状,色彩,または前記方向識別手段の前記道路上に設けられた間隔もしくは設けられた位置から、前記道路の走行方向を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の車載器。
【請求項5】
前記方向識別手段は、前記道路の種別を特定する情報を含んでおり、前記方向識別手段から前記道路の種別を特定する情報を読み取ることで、前記道路の種別を検出することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車載器。
【請求項6】
前記方向識別手段を検出してから所定時間新たな前記方向識別手段を検出できないときは、前記受信した情報に方向情報が含まれているか否かに関わらず、受信した情報を出力することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の車載器。
【請求項7】
前記方向情報検出部は、前記方向識別手段を検出してから所定時間新たな前記方向識別手段を検出できないときは、前記方向情報記憶部に記録された方向情報を削除することを特徴とする請求項2に記載の車載器。
【請求項8】
前記車載器は、GPS装置または車速センサから前記車両の位置情報を取得できない発話型車載器であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の車載器。
【請求項9】
道路を走行する車両に搭載され、上記道路側に設置された路側無線装置からの情報を受信する通信処理部、上記通信処理部で受信した情報を出力する情報出力部、を有する車載器に用いられる出力可否判定方法であって、
上記道路に設けられた方向識別手段から方向情報を検出するステップと、受信した情報に含まれる方向情報とが一致するか否かにより上記受信した情報が上記車両の進行方向と同一方向または異なる方向に対して提供されるべき情報であるか否かを判定するステップと、
上記判定結果により受信した情報を出力するか否かを決定するステップと、
を有することを特徴とする出力可否判定方法。
【請求項10】
車両に搭載された車載器と、上記車載器に方向情報を含む情報を送信する路側無線装置と、この路側無線装置に方向情報を含む情報を送信する情報提供サーバと、上記道路に設けられた方向識別手段と、を有する道路通信システムであって、
上記車載器は、
上記路側無線装置からの情報を受信する通信処理部、
上記通信処理部で受信した情報を出力する情報出力部、
上記方向識別手段から方向情報を検出できる方向情報検出部、
上記方向情報を記録する方向情報記憶部、
受信した情報に含まれる方向情報と、上記方向情報記憶部に記録された方向情報とが一致するか否かによって上記受信した情報が車両の進行方向と同一方向または異なる方向に対して提供されるべき情報であるか否かを判定し、
受信した情報を出力するか否かを決定する出力可否判定部、
を有することを特徴とする道路通信システム。
【請求項11】
コンピュータを請求項1から請求項8のいずれか1項に記載した車載器として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−163382(P2009−163382A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−340640(P2007−340640)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】