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車載情報システム、車載装置、情報端末
説明

車載情報システム、車載装置、情報端末

【課題】情報端末において車両からの情報が必要なときにその情報を確実に取得しつつ、車両と情報端末との間で通信される情報量を低減する。
【解決手段】携帯端末2は、制御部20により車両情報が必要であるか否かを判定し、車両情報が必要であると判定したときには、インタフェース部25により要求データを車載装置1へ送信して車両情報の要求を行う。車載装置1は、携帯端末2からの要求に応じて、制御部10により車両から車両情報を収集し、携帯端末2へ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されて使用される車載情報システムと、その車載情報システムにおいて用いられる車載装置および情報端末とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、GPS(Global Positioning System)信号を受信して現在位置を検出し、現在位置付近の地図を表示することで車両のルート案内を行う携帯電話の地図表示方法が知られている(特許文献1参照)。また、携帯電話の画面に表示された情報を携帯電話から車載装置に送信し、その情報を車載装置のディスプレイにおいて表示する技術も知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−57503号公報
【特許文献2】特開2003−244343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された地図表示方法において特許文献2に記載された技術を適用することにより、携帯電話のような携帯型の情報端末から車載装置へ現在位置付近の地図画像を送信し、車載装置において表示することができる。しかし、このようにすると、たとえばトンネル内などのように現在位置においてGPS信号を受信できない場合には、現在位置を正しく検出することができないため、情報端末において現在位置を検出するために必要な情報を車両から取得する必要がある。一方、こうした情報を常時車両から情報端末へ送信すると、車両と情報端末との間で通信される情報量が過大となり、通信遅れなどに起因する処理能力の低下などを生じるおそれがある。こうした状況に鑑みて、情報端末において車両からの情報が必要なときにその情報を確実に取得しつつ、車両と情報端末との間で通信される情報量を低減することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による車載情報システムは、携帯型の情報端末と車載装置とを有し、情報端末は、車両から出力される車両情報が必要であるか否かを判定する判定手段と、判定手段により車両情報が必要であると判定されたときに、車載装置へ車両情報を要求する要求手段と、要求手段による要求に応じて車載装置から送信される車両情報を受信する車両情報受信手段とを備え、車載装置は、情報端末から車両情報を要求されたときに、車両情報を収集する車両情報収集手段と、車両情報収集手段により収集された車両情報を情報端末へ送信する車両情報送信手段とを備えるものである。
本発明による車載装置は、携帯型の情報端末と接続され、情報端末からの要求に応じて、車両から出力される車両情報を収集する車両情報収集手段と、車両情報収集手段により収集された車両情報を情報端末へ送信する車両情報送信手段とを備えるものである。
本発明による携帯型の情報端末は、車載装置と接続され、車両から出力される車両情報が必要であるか否かを判定する判定手段と、判定手段により車両情報が必要であると判定されたときに、車載装置へ車両情報を要求する要求手段と、要求手段による要求に応じて車載装置から送信される車両情報を受信する車両情報受信手段とを備えるものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、情報端末において車両からの情報が必要なときにその情報を確実に取得しつつ、車両と情報端末との間で通信される情報量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態による車載情報システムの構成を示す図である。
【図2】車載装置および携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図3】車載装置および携帯端末における情報の流れを示す図である。
【図4】車載装置および携帯端末における情報の流れを示す図である。
【図5】車載装置における処理のフローチャートである。
【図6】第1の実施の形態による携帯端末における処理のフローチャートである。
【図7】第2の実施の形態による携帯端末における処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
−第1の実施の形態−
図1は、本発明の一実施の形態による車載情報システムの構成を示す図である。図1に示す車載情報システムは、車両に搭載されて使用されるものであり、車載装置1と携帯端末2がUSB(Universal Serial Bus)ケーブル3を介して互いに接続されることによって実現される。車載装置1は、車両内に固定されており、たとえば車両のインストルメントパネル内などに設置されている。携帯端末2は、ユーザが持ち運び可能な携帯型の情報端末であり、たとえば携帯電話やスマートフォンなどである。
【0009】
車載装置1には、表示部11と、操作スイッチ12a、12b、12c、12dおよび12eとが設けられている。表示部11は、各種の画像を表示可能な表示モニタであり、たとえば液晶ディスプレイによって構成される。操作スイッチ12a〜12eは、ユーザの入力操作を検出するためのスイッチ類であり、車載装置1が実行中の処理に応じて様々な機能が割り当てられる。ユーザは、操作スイッチ12a〜12eのうち任意のスイッチを操作することで、所望の機能を車載装置1に実行させることができる。なお、図1では操作スイッチ12aを左右に回転可能なダイヤル式のスイッチとし、操作スイッチ12b〜12eを押圧可能なボタン式のスイッチとした例を示しているが、各操作スイッチの配置、構造、数などはこの例に限定されない。また、表示部11をタッチパネル式の表示モニタとし、操作スイッチの一部または全部を省略してもよい。
【0010】
携帯端末2には、表示部21が設けられている。表示部21は、各種の画像を表示可能なタッチパネル式の表示モニタであり、たとえばタッチ位置を検出するタッチセンサと液晶ディスプレイとを組み合わせて構成される。ユーザは、表示部21に表示される画像の内容に応じて、表示部21上で任意の位置を指等でタッチすることで、所望の機能を携帯端末2に実行させることができる。なお、ここでは表示部21をタッチパネル式の表示モニタとした例を説明したが、タッチパネル式ではない通常の表示モニタとしてもよい。その場合、携帯端末2が実行する処理の内容に応じた各種の操作スイッチを携帯端末2に設けることが好ましい。あるいは、表示部21をタッチパネル式の表示モニタとし、さらに所定の操作に対応する操作スイッチを携帯端末2に設けてもよい。
【0011】
図2は、車載装置1および携帯端末2の構成を示すブロック図である。図2に示すように車載装置1は、制御部10、表示部11、操作部12、音声出力部13、メモリ部14およびインタフェース部15を有する。一方、携帯端末2は、制御部20、表示部21、操作部22、音声出力部23、メモリ部24、インタフェース部25、無線通信部26およびGPS(Global Positioning System)受信部27を有する。
【0012】
車載装置1において、制御部10は、マイクロプロセッサや各種周辺回路、RAM、ROM等によって構成されており、メモリ部14に記録されている制御プログラムに基づいて各種の処理を実行する。この制御部10が行う処理により、各種の画像表示処理や音声出力処理などが実行される。
【0013】
さらに制御部10は、携帯端末2からの要求に応じて、車両から出力される車両情報を収集し、携帯端末2へ出力する。この車両情報には、携帯端末2において車両の現在位置を検出するための情報として、車速、ヨーレート、GPS信号などの情報が含まれる。車速は車両の速度に関する情報であり、たとえば車両に搭載された車速センサから出力される車速パルスに基づいて算出される。ヨーレートは車両の向きに関する情報であり、車両のヨー方向の回転速度を表している。このヨーレートは、たとえば車両の各車輪に設置された車速センサからそれぞれ出力される車速パルスや、車両に搭載されたヨーレートセンサからの出力に基づいて算出される。GPS信号は車両の現在位置に関する情報であり、車両に設置された不図示のGPS受信装置により受信されたGPS信号の内容を表している。すなわち、車載装置1は、制御部10の処理により、車両の速度、車両の向き、および車両の現在位置のいずれか少なくとも一つに関する情報を車両情報として収集する。なお、これらの車両情報は、たとえば車両内に設けられた通信ネットワークである不図示のCAN(Controller Area Network)を経由して収集される。
【0014】
表示部11は、図1を用いて前述したように、液晶ディスプレイ等によって構成される表示モニタである。操作部12は、ユーザの入力操作を検出するためのスイッチであり、たとえば図1に示した操作スイッチ12a〜12eによって実現される。なお、前述のように表示部11をタッチパネル式の表示モニタとすることで、表示部11と操作部12を一体化された構成としてもよい。操作部12に対して行われたユーザの入力操作内容は制御部10へ出力され、制御部10が行う処理に反映される。
【0015】
音声出力部13は、アンプ、スピーカ等を有しており、制御部10の制御によって各種の音声を出力することができる。たとえば、携帯端末2または不図示の記録媒体から読み出された音楽データを再生した音楽や、車両を目的地まで誘導するための誘導音声などが音声出力部13から出力される。
【0016】
メモリ部14は、不揮発性のデータ格納装置であり、たとえばHDD(ハードディスクドライブ)やフラッシュメモリ等によって実現される。メモリ部14には、たとえば制御部10において用いられる前述の制御プログラムなど、各種のデータが記憶されている。メモリ部14におけるデータの読み出しおよび書き込みは、制御部10の制御により必要に応じて行われる。
【0017】
インタフェース部15は、制御部10の制御により、USBケーブル3を介して携帯端末2との間で情報の送受信を行う際に必要なインタフェース処理を行う。たとえば、制御部10から出力された情報を所定の信号形式に変換して携帯端末2へ送信したり、携帯端末2から所定の信号形式で出力された情報を受信して制御部10へ出力したりする。インタフェース部15によるインタフェース処理は、USBで規定された通信規格に従って行われる。
【0018】
一方、携帯端末2において、制御部20は、車載装置1の制御部10と同様にマイクロプロセッサや各種周辺回路、RAM、ROM等によって構成されており、メモリ部24に記録されている制御プログラムに基づいて各種の処理を実行する。
【0019】
表示部21は、前述したようなタッチパネル式の表示モニタである。操作部22は、ユーザの入力操作を検出するための部分である。なお、図2では表示部21と操作部22を別々の構成として示しているが、実際には、操作部22はタッチパネル式の表示部21と一体化された構造を有している。あるいは、前述のように操作スイッチを携帯端末2に設けた場合は、その操作スイッチが操作部22に対応する。操作部22に対して行われたユーザの入力操作内容は制御部20へ出力され、制御部20が行う処理に反映される。
【0020】
音声出力部23は、アンプ、スピーカ等を有しており、制御部20の制御によって各種の音声を出力することができる。たとえば、携帯端末2を用いて通話を行ったときには、通話相手の音声が音声出力部23から出力される。
【0021】
メモリ部24は、車載装置1のメモリ部14と同様の不揮発性のデータ格納装置であり、制御部20の処理において利用するための各種のデータが記憶されている。このメモリ部24には、ユーザが予め入手した様々なアプリケーションプログラム(以下、単にアプリケーションと称する)が記憶されている。ユーザは、メモリ部24に記憶された各種アプリケーションの中からいずれかを選択して制御部20に実行させることにより、様々な機能を携帯端末2において実現することができる。
【0022】
インタフェース部25は、車載装置1のインタフェース部15と同様に、USBで規定された通信規格に基づいたインタフェース処理を行う。すなわち、車載装置1と携帯端末2との間の通信は、インタフェース部15とインタフェース部25とがUSBケーブル3を介して互いに接続された状態で行われる。
【0023】
無線通信部26は、不図示の無線通信回線網を介して携帯端末2を他の携帯端末やサーバに接続するための無線通信を行う。携帯端末2は、無線通信部26が行う無線通信により、他の携帯端末との間で通話を行ったり、サーバから任意のアプリケーションをダウンロードしたりすることができる。なお、無線通信部26が行う無線通信では、たとえば携帯電話回線網や、無線LANを介したインターネット回線網などを無線通信回線網として利用することができる。
【0024】
GPS受信部27は、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信して制御部20へ出力する。GPS信号には、携帯端末2の現在位置と現在時刻を求めるための情報として、そのGPS信号を送信したGPS衛星の位置と送信時刻に関する情報が含まれている。したがって、所定数以上のGPS衛星からGPS信号を受信することにより、これらの情報に基づいて現在位置と現在時刻を制御部20において算出することができる。
【0025】
次に、本車載情報システムにおいて行われるナビゲーション処理について説明する。本車載情報システムは、車載装置1と携帯端末2とが接続された状態で、携帯端末2においてナビゲーション用のアプリケーションを実行することにより、車両を目的地まで誘導するためのナビゲーション処理を行うことができる。このナビゲーション処理では、携帯端末2において現在位置付近の地図を描画した地図画像を作成し、その地図画像を携帯端末2から車載装置1へ送信する。これにより、車載装置1の表示部11において現在位置付近の地図画像を表示できるようにする。また、出発地から目的地までの推奨経路を携帯端末2において予め探索しておき、車両が推奨経路上の誘導地点に近づくと、その誘導地点における車両の進行方向に応じた誘導音声を出力するための情報を携帯端末2から車載装置1へ送信する。これにより、車載装置1の音声出力部13から誘導音声を出力できるようにする。
【0026】
なお、携帯端末2がナビゲーション用のアプリケーションを実行するために必要な地図データ等の各種データは、携帯端末2のメモリ部24において予め記憶されたものを使用してもよい。あるいは、メモリ部24には必要最小限のデータのみを記憶しておき、携帯端末2がナビゲーション用のアプリケーションを実行したときには、無線通信部26を用いて所定のサーバに接続し、必要なデータをその都度取得するようにしてもよい。
【0027】
上記のナビゲーション処理において、携帯端末2は、GPS受信部27によりGPS信号が正常に受信されているときには、そのGPS信号に基づいて現在位置の検出を行う。一方、GPS信号を正常に受信できない場合は、前述のような車両情報を車載装置1に対して要求する。この要求に応じて車載装置1により、車速、ヨーレート、GPS信号などの車両情報が収集されて車載装置1から携帯端末2へ送信されると、携帯端末2は、その車両情報に基づいて現在位置の検出を行う。
【0028】
たとえば、車載装置1から車両情報として車速とヨーレートが送信された場合、携帯端末2は、最後に受信したGPS信号に基づく位置を基準として、そこからの車両の移動距離および移動方向を車速とヨーレートに基づいて算出し、その算出結果から現在位置を推定する。また、車載装置1から車両情報としてGPS信号が送信された場合、そのGPS信号に基づいて現在位置を算出する。こうして現在位置を推定または算出することにより、車両情報に基づいて現在位置の検出を行うことができる。これらの検出方法を組み合わせて用いてもよい。
【0029】
なお、車両における携帯端末2の搭載位置とGPS受信装置の設置位置とは必ずしも同じではなく、通常は異なっている。また、GPS信号に対する受信感度も、携帯端末2とGPS受信装置とでは必ずしも同一ではない。したがって、車両の周囲環境によっては、携帯端末2のGPS受信部27ではGPS信号を受信できないが、車両のGPS受信装置ではGPS信号を受信できる場合があり得る。このような場合は、GPS受信部27においてはGPS信号を受信できず、車載装置1から車両情報としてGPS信号が送信されることになる。
【0030】
図3は、以上説明したようなナビゲーション処理において携帯端末2から車載装置1へ車両情報を要求する際の車載装置1および携帯端末2における情報の流れを示す図である。図3において、符号31、32および33は、車両情報の収集および送信に関わる車載装置1の各機能を示しており、符号34、35および36は、車両情報の要求に関わる携帯端末2の各機能を示している。
【0031】
符号31に示す機能は、携帯端末2からの車両情報の要求を受け付けるために車載装置1において実行されるアプリケーションプログラムを表している。なお、このアプリケーションプログラム31は、携帯端末2において実行される前述のアプリケーションとは異なるものである。
【0032】
符合32に示す機能は、車載装置1がUSB通信を行うために使用するドライバソフトウェアの一部であるHID(Human Interface Device)ドライバを表している。周知のように、USBでは接続される機器の機能に応じて分類された様々なクラスが定義されており、各クラスごとに共通のドライバソフトウェアが提供されている。HIDドライバ32は、そのうちHIDクラスについて提供されているドライバソフトウェアである。なお、HIDクラスは、キーボードやマウスなどの入力装置との接続において主に利用されるクラスである。
【0033】
符号33に示す機能は、車載装置1から携帯端末2への情報の送信、および携帯端末2から車載装置1へ送信される情報の受信を、USBで規定された通信規格に従って実行するUSBホストを表している。
【0034】
符号34に示す機能は、携帯端末2から車載装置1への情報の送信、および車載装置1から携帯端末2へ送信される情報の受信を、USBで規定された通信規格に従って実行するUSBデバイスを表している。
【0035】
符合35に示す機能は、携帯端末2がUSB通信を行うために使用するHIDドライバを表している。
【0036】
符号36に示す機能は、携帯端末2において実行されるアプリケーションプログラム、すなわち前述したナビゲーション用のアプリケーションを表している。
【0037】
なお、車載装置1において、上記の各機能のうちアプリケーションプログラム31およびHIDドライバ32は、制御部10において実現される。一方、USBホスト33は、インタフェース部15において実現される。同様に、携帯端末2において、アプリケーションプログラム36およびHIDドライバ35は、制御部20において実現される。一方、USBデバイス34は、インタフェース部25において実現される。
【0038】
車載装置1と携帯端末2においてアプリケーション31、36がそれぞれ実行されている状態で車載装置1と携帯端末2とが接続されると、図3において(1)に示すように、HIDドライバ32からUSBホスト33に対してインタラプト(IN)の設定が行われる。このインタラプト(IN)の設定が行われると、USBホスト33は所定の周期ごとにポーリングを行うように設定される。
【0039】
インタラプト(IN)の設定が行われたUSBホスト33は、USBデバイス34に対して、(2)、(6)に示すようにトークンパケット(IN)を所定周期ごとに送信してポーリングを行う。トークンパケット(IN)は、USBで規定された通信モードのうちの一つであるインタラプト転送モードにおいて、情報の受信側から送信側へ送信すべき情報の有無を確認するために用いられるものである。これにより、USBホスト33からUSBデバイス34に対して、車両情報の要求が存在するか否かの問い合わせが所定周期ごとに行われる。
【0040】
USBホスト33からトークンパケット(IN)を受信すると、USBデバイス34は、インタフェース部25内に設けられているバッファメモリを参照する。その結果、バッファメモリ内に送信すべき情報が蓄積されていない場合は、(3)に示すように、情報がないことを表す「NAK」をUSBホスト33へ返信する。
【0041】
携帯端末2において、GPS信号受信部27によりGPS信号が正常に受信できない場合、アプリケーション36はHIDドライバ35に対して、車両情報要求を(4)に示すように出力する。この車両情報要求を受けると、HIDドライバ35は(5)に示すように、インタフェース部25内のバッファメモリに対して、車両情報要求に応じた要求データの設定を行う。この要求データには、車両情報として要求するデータの内容などが示されている。
【0042】
こうして要求データがバッファメモリにおいて設定されている状態で、(6)に示すようにUSBホスト33からトークンパケット(IN)が送信されると、USBデバイス34は、インタフェース部25内に設けられているバッファメモリを参照する。そして(7)に示すように、バッファメモリ内の要求データを所定データサイズのパケットに分割し、各要求データパケットをUSBホスト33へ返信する。このときUSBデバイス34は、USBのインタラプト転送を利用して要求データパケットの送信を行う。
【0043】
USBホスト33は、USBデバイス34から要求データパケットを受信すると、その要求データパケットを(8)に示すようにHIDドライバ32へ出力する。さらに(9)に示すように、要求データパケットを正常に受信したことを表す「ACK」をUSBデバイス34へ返信する。
【0044】
HIDドライバ32は、USBホスト33から出力された要求データパケットを(10)に示すようにアプリケーション31へ出力する。この要求データパケットに基づいて、車載装置1はアプリケーション31により、携帯端末2から車両情報の要求があったことを認識する。
【0045】
図4は、図3に示したようにして携帯端末2から車載装置1へ車両情報の要求が行われた場合に、車載装置1から携帯端末2へ車両情報を送信する際の車載装置1および携帯端末2における情報の流れを示す図である。なお、図4において符号31〜36は、図3と同一の各機能をそれぞれ表している。
【0046】
車載装置1から携帯端末2へ車両情報を送信するとき、車載装置1と携帯端末2は、図3で説明したインタラプト転送モードとは別の通信モードであるコントロール転送モードを使用する。コントロール転送モードでは、最初にセットアップステージと呼ばれる通信手順が行われ、続いて、データステージと呼ばれる通信手順が行われる。
【0047】
セットアップステージにおいて、車載装置1のHIDドライバ32は(11)に示すように、携帯端末2のHIDドライバ35に対して、コントロール転送に必要な設定を携帯端末2において行うためのセットアップトークンを送信する。このセットアップトークンを受信すると、HIDドライバ35はHIDドライバ32に対して、(12)に示すように「ACK」を返信する。なお、HIDドライバ32とHIDドライバ35との間におけるセットアップトークンの送信および「ACK」の返信は、車載装置1のUSBホスト33および携帯端末2のUSBデバイス34を介して行われる。
【0048】
データステージにおいて、車載装置1のアプリケーション31はHID32に対して、(13)に示すように車両情報データを出力する。アプリケーション31から車両情報データが出力されると、HID32は、その車両情報データを(14)に示すようにUSBホスト33へ出力する。
【0049】
HID32から車両情報データが出力されると、USBホスト33は(15)に示すように、USBデバイス34に対してトークンパケット(OUT)を出力し、続いて車両情報データを出力する。このとき車両情報データは、所定データサイズのバケットに分割されて送信される。
【0050】
USBデバイス34は、USBホスト33から車両情報データを受信すると、その車両情報データをバッファメモリに対して書き込む。HID35は、バッファメモリに書き込まれた車両情報データを読み出し、(16)に示すようにアプリケーション36へ出力する。USBホスト33から送信された全ての車両情報データを受信してバッファに書き込んだら、USBデバイス34は(17)に示すように、車両情報データを正常に受信したことを表す「ACK」をUSBホスト33へ返信する。アプリケーション36は、HID35から出力された車両情報データに基づいて、前述したような方法により現在位置の検出を行う。
【0051】
以上説明したような流れに従って車載装置1と携帯端末2の間で情報が送受信されることにより、携帯端末2においてGPS信号を正常に受信できないときには、携帯端末2から車載装置1に対して車両情報の要求が行われる。この要求に応じて、車載装置1において車両情報が収集され、携帯端末2へ送信される。そして、携帯端末2において車両情報が受信され、車両情報に基づいて現在位置が検出される。
【0052】
なお、車載装置1から携帯端末2への車両情報の送信は、たとえば1秒などの所定周期ごとに行われる。したがって、車両から車速やヨーレートが出力される周期よりも車両情報の送信周期の方が長い場合は、これらの情報については、各送信周期間に収集された情報の値をそれぞれ積算することにより車両の移動距離および移動方向を算出し、その算出結果を車両情報として車載装置1から携帯端末2へ送信してもよい。なお、情報の積算や移動距離および移動方向の算出は、車載装置1において行ってもよいし、車両側で行ってもよい。一方、車両情報のうちGPS信号については、車両からの出力周期および車両情報の送信周期に関わらず、各送信周期で得られた最新の値を車載装置1から携帯端末2へ送信することが好ましい。
【0053】
車載装置1および携帯端末2における上記のような処理のフローチャートを図5および6に示す。図5は、車載装置1における処理のフローチャートを示しており、図6は、携帯端末2における処理のフローチャートを示している。
【0054】
最初に図5のフローチャートについて説明する。図5のフローチャートに示す処理は、車載装置1において、制御部10およびインタフェース部15により実行されるものである。
【0055】
ステップS10において、制御部10は、携帯端末2が接続されているか否かを判定する。図1に示したように、車載装置1と携帯端末2がUSBケーブル3を介して接続されている場合は、次のステップS20へ進む。
【0056】
ステップS20において、制御部10は、ステップS10で接続されていると判定された携帯端末2においてナビゲーション用のアプリケーションを実行中であるか否かを判定する。ナビゲーション用のアプリケーションが携帯端末2により実行されている場合はステップS30へ進み、実行されていない場合はステップS10へ戻る。
【0057】
ステップS30において、制御部10は、HIDドライバ32により、インタフェース部15のUSBホスト33に対して、図3で説明したようなインタラプト(IN)の設定を行う。
【0058】
ステップS40において、インタフェース部15は、USBホスト33により、前回ポーリングを行ってから所定周期が経過したか否かを判定する。前回のポーリングから所定周期が経過していれば、次のステップS50へ進む。
【0059】
ステップS50において、インタフェース部15は、USBホスト33により、携帯端末2のUSBデバイス34に対してポーリングを行う。ここでは、図3で説明したようにUSBホスト33からUSBデバイス34へトークンパケット(IN)を送信することによりポーリングを行い、車両情報の要求が存在するか否かを携帯端末2へ問い合わせる。
【0060】
ステップS60において、インタフェース部15は、USBホスト33により、ステップS50で行ったポーリングに応答して携帯端末2のUSBデバイス34から要求データパケットが送信されたか否かを判定する。USBデバイス34から要求データパケットが送信された場合は、次のステップS70へ進む。一方、USBデバイス34から要求データパケットが送信されずに「NAK」が返信された場合は、ステップS40へ戻って次のポーリング周期まで待機する。
【0061】
ステップS70において、制御部10は、前述のような車両情報を車両から収集する。このとき収集する車両情報の内容は、USBデバイス34から送信された要求データパケットに基づいて決定される。
【0062】
ステップS80において、制御部10は、HIDドライバ32により、携帯端末2のHIDドライバ35に対して、図4で説明したようなセットアップトークンを送信する。
【0063】
ステップS90において、制御部10は、ステップS70で収集した車両情報データを携帯端末2へ送信する。このとき図4で説明したように、制御部10においてアプリケーション31により出力された車両情報データがHID32とUSBホスト33へ順次出力される。そして、インタフェース部15において、USBホスト33により、トークンパケット(OUT)と車両情報データが携帯端末2のUSBデバイス34へ送信される。ここでは前述のように、USBのコントロール転送を用いて各車両情報データパケットの送信を行う。
【0064】
ステップS100において、制御部10は、ナビゲーション処理を終了するか否かを判定する。車載装置1と携帯端末2との接続が解除された場合や、携帯端末2においてナビゲーション用のアプリケーションが実行されなくなった場合などは、ナビゲーション処理を終了すると判定して図5のフローチャートを終える。一方、こうした状況に該当しない場合はナビゲーション処理を終了しないと判定し、ステップS40へ戻って次のポーリング周期まで待機する。
【0065】
次に図6のフローチャートについて説明する。図6のフローチャートに示す処理は、携帯端末2においてナビゲーション用のアプリケーションを実行したときに、制御部20およびインタフェース部25により実行される。
【0066】
ステップS110において、制御部20は、車載装置1が接続されているか否かを判定する。図1に示したように、車載装置1と携帯端末2がUSBケーブル3を介して接続されている場合は、次のステップS120へ進む。
【0067】
ステップS120において、制御部20は、車両情報が必要であるか否かを判定する。ここでは、GPS受信部27によりGPS信号が正常に受信されないときには車両情報が必要であると判定し、正常に受信されるときには車両情報が不要であると判定する。なお、GPS受信部27によりGPS信号が正常に受信されるかどうかは、GPS受信部27におけるGPS信号の受信強度や、各GPS衛星の配置から求められる精度などに基づいて判断することができる。あるいは、たとえばトンネル内などのようにGPS信号の受信が困難となる地点を車両が走行しているか否かを地図データ等から判断することにより、GPS信号が正常に受信されるかどうかを判断してもよい。ステップS120において車両情報が必要であると判定した場合はステップS130へ進み、不要であると判定した場合はステップS150へ進む。
【0068】
ステップS130において、制御部20は、携帯端末2に対して車両情報を要求するための車両情報要求を出力する。ここでは図3で説明したように、アプリケーション36からHIDドライバ35に対して車両情報要求を出力する。
【0069】
ステップS140において、制御部20は、HIDドライバ35により、ステップS130でアプリケーション36から出力された車両情報要求に基づいて要求データを決定し、その要求データをインタフェース部25内の送信用バッファメモリに対して設定する。ここでは図3で説明したように、車両情報要求に応じた要求データをHIDドライバ35によりバッファメモリ内に蓄積する。ステップS140を実行したらステップS160へ進む。
【0070】
ステップS150において、制御部20は、GPS受信部27により受信されたGPS信号に基づいて現在位置を検出する。これにより、GPS信号が正常に受信されたときには、そのGPS信号に基づいて、携帯端末2の現在位置、すなわち車両の現在位置が検出される。
【0071】
ステップS160において、インタフェース部25は、USBデバイス34により、車載装置1からのポーリングの有無を判定する。車載装置1のインタフェース部15において図5のステップS50が実行され、USBホスト33からUSBデバイス34に対してトークンパケット(IN)が送信されることによりポーリングが行われた場合は、次のステップS170へ進む。一方、USBホスト33からUSBデバイス34に対してトークンパケット(IN)が送信されておらず、ポーリングが行われていない場合は、ステップS120へ戻る。
【0072】
ステップS170において、インタフェース部25は、USBデバイス34により、要求データが送信用バッファメモリにおいて設定されているか否かを判定する。前述のステップS130により車両情報要求が出力され、その車両情報要求に応じた要求データがステップS140においてバッファメモリに設定されている場合は、ステップS180へ進む。一方、ステップS130およびS140が実行されておらず、要求データがバッファメモリに設定されていない場合は、ステップS220へ進む。
【0073】
ステップS180において、インタフェース部25は、USBデバイス34により、バッファメモリに設定されている要求データをパケット単位でUSBホスト33へ送信する。ここでは前述のように、USBのインタラプト転送を用いて各要求データパケットの送信を行う。これにより、携帯端末2において車両情報が必要であると判断したときには、携帯端末2から車載装置1へ車両情報の要求を行う。全ての要求データパケットを送信したら、ステップS190へ進む。
【0074】
ステップS190において、制御部20は、HIDドライバ35により、車載装置1からセットアップトークンが送信されたか否かを判定する。車載装置1の制御部10においてHIDドライバ32により図5のステップS80が実行されてセットアップトークンが送信された場合は、そのセットアップトークンに応じた送信設定を行った後、次のステップS200へ進む。
【0075】
ステップS200において、制御部20は、車載装置1の制御部10において図5のステップS90が実行されることにより車載装置1から送信される車両情報データを受信する。このとき図4で説明したように、インタフェース部25において、USBデバイス34により、車載装置1のUSBホスト33から送信された車両情報データがバッファメモリに蓄積される。そして、HID35により、バッファメモリ内の車両情報データが読み出され、アプリケーション36に対して出力される。
【0076】
ステップS210において、制御部20は、ステップS200で受信した車両情報データに基づいて現在位置を検出する。ここでは前述のように、車載装置1から車両情報として送信された車速とヨーレートに基づいて車両の移動距離および移動方向を算出したり、車両情報として送信されたGPS信号に基づく現在位置を算出したりすることで、現在位置の検出を行う。これにより、GPS信号が正常に受信されないときには、車載装置1から送信された車両情報に基づいて、携帯端末2の現在位置、すなわち車両の現在位置が検出される。ステップS210を実行したら、ステップS230へ進む。
【0077】
ステップS220において、インタフェース部25は、USBデバイス34により、携帯端末2から車載装置1に対して車両情報の要求がないことを表す「NAK」をUSBホスト33へ返信する。ステップS220を実行したら、ステップS230へ進む。
【0078】
ステップS230において、制御部20は、ナビゲーション処理を終了するか否かを判定する。ここでは図5のステップS100と同様に、車載装置1と携帯端末2との接続が解除された場合や、ナビゲーション用のアプリケーションを終了するための所定の操作がユーザによって行われた場合などに、ナビゲーション処理を終了すると判定して図6のフローチャートを終える。一方、こうした状況に該当しない場合はナビゲーション処理を終了しないと判定してステップS120へ戻り、前述のような処理を繰り返す。
【0079】
以上説明した第1の実施の形態によれば、次の作用効果を奏する。
【0080】
(1)携帯端末2は、制御部20の処理により、車両情報が必要であるか否かを判定する(ステップS120)。この判定の結果、車両情報が必要であると判定されたときに、車両情報要求を出力し(ステップS130)、その車両情報要求に応じた要求データをバッファメモリに設定して(ステップS140)、インタフェース部25により車載装置1へ送信する(ステップS180)。これにより、車載装置1へ車両情報を要求する。そして、この要求に応じて車載装置1から送信される車両情報を受信する(ステップS200)。一方、車載装置1は、制御部10の処理により、携帯端末2から車両情報を要求されたときに、車両から車両情報を収集し(ステップS70)、収集した車両情報を携帯端末2へ送信する(ステップS90)。このようにしたので、携帯端末2において車両からの情報が必要なときにその情報を確実に取得しつつ、車両と情報端末との間で通信される情報量を低減することができる。
【0081】
(2)携帯端末2の制御部20は、ステップS120において、GPS受信部27によりGPS信号が正常に受信されないときに、車両情報が必要であると判定する。一方、車載装置1の制御部10は、携帯端末2から車両情報を要求されると、ステップS70において、車両の速度に関する車速と、車両の向きに関するヨーレートと、車両の現在位置に関するGPS信号とのいずれか少なくとも一つの情報を車両情報として収集する。このようにしたので、携帯端末2においてGPS信号が正常に受信されないときであっても、車載装置1により収集された車両情報に基づいて携帯端末2により現在位置を検出することができる。
【0082】
(3)携帯端末2は、制御部20の処理により、GPS受信部27によってGPS信号が正常に受信されたときには、当該GPS信号に基づいて現在位置を検出する(ステップS150)。一方、GPS受信部27によってGPS信号が正常に受信されないときには、ステップS90において車載装置1から送信され、ステップS200において受信した車両情報に基づいて、現在位置を検出する(ステップS210)。このようにしたので、携帯端末2において、GPS信号の受信状況に応じて最適な方法で現在位置を検出することができる。
【0083】
−第2の実施の形態−
以上説明した第1の実施の形態では、携帯端末2によりGPS信号が正常に受信できないときに、車載装置1から出力される車両情報に基づいて、現在位置を携帯端末2において検出する車載情報システムの例について説明した。これに対して、以下に説明する第2の実施の形態では、車両が所定の分岐点付近を走行しているときに、車載装置1から出力される車両情報に基づいて、車両が分岐点を通過後に走行する道路を携帯端末2において特定する車載情報システムの例について説明する。
【0084】
なお、本実施形態による車載情報システムの構成は、図1に示したものと同一である。また、本実施形態による車載情報システムにおいて、車載装置1および携帯端末2の構成は図2に示したものと同一である。さらに、携帯端末2から車載装置1へ車両情報を要求する際の情報の流れと、車載装置1から携帯端末2へ車両情報を送信する際の情報の流れとは、図3、4にそれぞれ示したものと同一である。
【0085】
本実施形態において、携帯端末2は、第1の実施の形態で説明したのと同様にナビゲーション処理を行う。このナビゲーション処理において、携帯端末2は、現在位置と地図データにおける道路の位置とを比較することによりマップマッチング処理を行い、車両の走行道路を特定する。こうして車両の走行道路を特定することで、車両の誘導を確実に行うようにしている。
【0086】
ここで、一般的にマップマッチング処理では、たとえば狭角分岐点などを車両が通過すると、分岐後の複数の道路のうちいずれの道路を車両が走行しているかを判別しづらい場合があることが知られている。狭角分岐点とは、分岐角度が比較的狭い分岐点のことであり、たとえば高速道路等におけるY字型の分岐点などが該当する。
【0087】
そこで、本実施形態による車載情報システムでは、狭角分岐点など所定の分岐点に車両が近づいたときに、携帯端末2から車載装置1に対して、道路標示線(道路上の白線)の認識結果を車両情報として要求する。車両には、車両前方の路面を撮影できるように設置されたカメラと、このカメラによる撮影画像に基づいて車両の前方における道路標示線の位置および種類を認識する画像認識装置とが搭載されている。携帯端末2から車載装置1へ車両情報の要求があると、車載装置1は、画像認識装置による道路標示線の認識結果を取得し、車両情報として携帯端末2へ送信する。
【0088】
車載装置1から送信された車両情報を受信したら、携帯端末2は、その車両情報が表す道路標示線の認識結果に基づいて、分岐点の手前における車両の走行車線を判断する。たとえば、右側に存在する道路標示線が実線であり、左側に存在する道路標示線が点線である場合は、車両が右側の走行車線を走行していると判断することができる。また、これとは反対に、右側に存在する道路標示線が点線であり、左側に存在する道路標示線が実線である場合は、車両が左側の走行車線を走行していると判断することができる。ここで、分岐点の手前において走行車線が2つ存在し、各走行車線の間には道路標示線が点線状に示されているものとする。
【0089】
以上説明したようにして分岐点の手前における車両の走行車線を判断することで、携帯端末2は、車両が分岐点を通過後にいずれの道路を走行するかを判断することができる。すなわち、右側の走行車線を車両が走行していると判断した場合、分岐点の通過後に車両が走行する道路は、分岐点から右側に分岐する道路であると判断できる。反対に、左側の走行車線を車両が走行していると判断した場合、分岐点の通過後に車両が走行する道路は、分岐点から左側に分岐する道路であると判断できる。このようにして、車両が分岐点を通過後に走行する道路を携帯端末2において特定し、その結果をマップマッチングに反映させるようにする。
【0090】
なお、上記では分岐点の手前において走行車線が2つ存在する場合を説明したが、走行車線が3つ以上存在する場合においても同様にして、車両が分岐点を通過後に走行する道路を特定することができる。すなわち、携帯端末2から車載装置1へ車両情報の要求を行う対象とする各分岐点について、その分岐点の手前における車線数の情報と、各車線がそれぞれ分岐後のどの道路に対応しているかを示す情報とを予め地図データ内に記録しておくことで、車両が各分岐点を通過後に走行する道路を携帯端末2により車両情報に基づいて特定することができる。
【0091】
あるいは、車両情報が表す道路標示線の認識結果に基づいて、車両前方の道路標示線の中で最も太い破線状の道路標示線の位置を検出し、その検出結果から分岐点通過後の車両の走行道路を特定してもよい。一般的に狭角分岐点の手前では、分岐後の各道路にそれぞれつながる車線の間に太い破線状の道路標示線が描かれており、この道路標示線によって分岐を表している。したがって、こうした道路標示線が車両の左右いずれに存在するかを車両情報に基づいて判断することにより、車両が各分岐点を通過後に走行する道路を携帯端末2において特定することができる。
【0092】
本実施形態による車載情報システムの携帯端末2において実行される処理のフローチャートを図7に示す。図7において、図6のフローチャートと同一の処理を実行する処理ステップについては、共通のステップ番号を付している。以下の説明では、図6と共通のステップ番号が付された処理ステップの内容については、特に必要が無い限りその説明を省略する。なお、車載装置1において実行される処理のフローチャートは、図5で説明した第1の実施の形態によるものと同一であるため、ここでは説明しない。
【0093】
ステップS121において、制御部20は、車両情報が必要であるか否かを判定する。ここでは図6のステップS120の場合とは異なり、狭角分岐点のような特定の分岐点と車両との位置関係に基づいて、車両情報が必要であるか否かを判定する。こうした判定の対象とする分岐点(対象分岐点)は、予め地図データにおいて指定しておくこととしてもよいし、あるいは分岐角度から判断してもよい。対象分岐点から所定距離以内に車両が近づいたら、車両情報が必要であると判定してステップS130へ進む。一方、対象分岐点から所定距離以内に車両が近づいていなければ、車両情報が不要であると判定してステップS160へ進む。
【0094】
ステップS211において、制御部20は、ステップS200で受信した車両情報データに基づいて、対象分岐点を通過後の車両の走行道路を特定する。ここでは前述のような方法により、対象分岐点の手前における車両の走行車線を判断し、その判断結果に基づいて対象分岐点を通過後の車両の走行道路を特定する。なお、このときステップS200において、車両の走行車線に関する情報、すなわち前述のような画像認識装置による道路標示線の認識結果を示す情報を、車両情報データとして車載装置1から受信しているものとする。ステップS211を実行したら、ステップS230へ進む。
【0095】
以上説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態において(1)で説明した作用効果に加えて、次の(4)のような作用効果を奏する。
【0096】
(4)携帯端末2の制御部20は、車両が所定の分岐点付近を走行しているときに、車両情報が必要であると判定する(ステップS121)。一方、車載装置1の制御部10は、携帯端末2から車両情報を要求されると、ステップS70において、車両の走行車線に関する情報、すなわち車両の前方を撮影した画像に基づく道路標示線の検出結果を表す情報を車両情報として収集し、ステップS90において携帯端末2へ送信する。携帯端末2の制御部20は、こうして車載装置1から送信されてステップS200において受信した車両情報に基づいて、車両が分岐点を通過後に走行する道路を特定する(ステップS211)。このようにしたので、マップマッチング処理が困難な分岐点を車両が通過した場合であっても、分岐点通過後の車両の走行道路を携帯端末2において確実に特定することができる。
【0097】
なお、以上説明した第2の実施の形態では、車両に搭載されたカメラにより車両の前方を撮影し、その撮影画像に基づく道路標示線の検出結果を車両情報として車載装置1により収集することで、携帯端末2において車両の走行車線を特定することとした。しかし、車両の後方を撮影した撮影画像を用いても、同様にして車両の走行車線を特定することができる。さらに、車両の後方を撮影した撮影画像を用いる場合は、分岐点の通過後においても車両の走行車線を特定することが可能となる。すなわち、車載装置1では、車両の前方または後方のいずれか少なくとも一方を撮影した画像に基づく道路標示線の検出結果を表す情報を車両情報として収集することができる。
【0098】
また、以上説明した第2の実施の形態において、画像認識装置による道路標示線の認識結果の信頼度を示す情報を車両情報にさらに含めて、車載装置1から携帯端末2へ送信してもよい。このようにすれば、車両情報の内容をどの程度重視するかを適切に判断した上で、分岐点通過後の車両の走行道路を携帯端末2において特定することができる。
【0099】
本発明では、第1の実施の形態で説明した車載情報システムと、第2の実施の形態で説明した車載情報システムとを、それぞれ単独で採用してもよいし、組み合わせて採用してもよい。すなわち、車載装置1は、車両の速度、車両の向き、車両の現在位置、および車両の走行車線のいずれか少なくとも一つに関する情報を車両情報として収集し、携帯端末2へ送信することができる。また、携帯端末2は、これらの車両情報に基づいて、現在位置を検出したり、分岐点通過後の車両の走行道路を特定したりすることができる。
【0100】
上記の各実施の形態で説明した以外の車両情報を車載装置1により収集し、携帯端末2へ送信してもよい。車両において収集可能であり、かつ携帯端末2が実行する処理において状況に応じて必要なものである限り、どのような情報を車両情報として収集し送信してもよい。
【0101】
以上説明した各実施の形態では、USBケーブル3を介して車載装置1と携帯端末2を互いに接続し、USB通信により車載装置1から携帯端末2へ車両情報を送信する例を説明したが、他の通信方式を用いても本発明は実現可能である。たとえば、ブルートゥース(登録商標)、ワイヤレスUSB等の無線通信や、USB以外の有線通信などを用いることができる。携帯端末2からの要求に応じて収集された車両情報を車載装置1から携帯端末2へ送信可能なものである限り、どのような通信方式を採用してもよい。
【0102】
以上説明した各実施の形態や各種の変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。また、上記各実施の形態と変形例とを任意に組み合わせて用いてもよい。
【符号の説明】
【0103】
1:車載装置、2:携帯端末、3:USBケーブル、10:制御部、11:表示部、
12:操作部、13:音声出力部、14:メモリ部、15:インタフェース部、
20:制御部、21:表示部、22:操作部、23:音声出力部、24:メモリ部、
25:インタフェース部、26:無線通信部、27:GPS受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型の情報端末と車載装置とを有する車載情報システムであって、
前記情報端末は、
車両から出力される車両情報が必要であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記車両情報が必要であると判定されたときに、前記車載装置へ前記車両情報を要求する要求手段と、
前記要求手段による要求に応じて前記車載装置から送信される前記車両情報を受信する車両情報受信手段とを備え、
前記車載装置は、
前記情報端末から前記車両情報を要求されたときに、前記車両情報を収集する車両情報収集手段と、
前記車両情報収集手段により収集された前記車両情報を前記情報端末へ送信する車両情報送信手段とを備えることを特徴とする車載情報システム。
【請求項2】
請求項1に記載の車載情報システムにおいて、
前記情報端末は、GPS信号を受信するGPS信号受信手段をさらに備え、
前記判定手段は、前記GPS信号受信手段により前記GPS信号が正常に受信されないときに、前記車両情報が必要であると判定し、
前記車両情報収集手段は、前記車両の速度、前記車両の向き、および前記車両の現在位置のいずれか少なくとも一つに関する情報を前記車両情報として収集することを特徴とする車載情報システム。
【請求項3】
請求項2に記載の車載情報システムにおいて、
前記情報端末は、現在位置を検出する位置検出手段をさらに備え、
前記位置検出手段は、
前記GPS信号受信手段により前記GPS信号が正常に受信されたときには、当該GPS信号に基づいて前記現在位置を検出し、
前記GPS信号受信手段により前記GPS信号が正常に受信されないときには、前記車載装置から送信されて前記車両情報受信手段により受信された前記車両情報に基づいて、前記現在位置を検出することを特徴とする車載情報システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車載情報システムにおいて、
前記判定手段は、前記車両が所定の分岐点付近を走行しているときに、前記車両情報が必要であると判定し、
前記車両情報収集手段は、前記車両の走行車線に関する情報を前記車両情報として収集し、
前記情報端末は、前記車載装置から送信されて前記車両情報受信手段により受信された前記車両情報に基づいて、前記車両が前記分岐点を通過後に走行する道路を特定することを特徴とする車載情報システム。
【請求項5】
請求項4に記載の車載情報システムにおいて、
前記車両情報収集手段は、前記車両の前方または後方のいずれか少なくとも一方を撮影した画像に基づく道路標示線の検出結果を表す情報を前記車両情報として収集することを特徴とする車載情報システム。
【請求項6】
携帯型の情報端末と接続される車載装置であって、
前記情報端末からの要求に応じて、車両から出力される車両情報を収集する車両情報収集手段と、
前記車両情報収集手段により収集された前記車両情報を前記情報端末へ送信する車両情報送信手段とを備えることを特徴とする車載装置。
【請求項7】
請求項6に記載の車載装置において、
前記車両情報収集手段は、前記車両の速度、前記車両の向き、前記車両の現在位置、および前記車両の走行車線のいずれか少なくとも一つに関する情報を前記車両情報として収集することを特徴とする車載装置。
【請求項8】
車載装置と接続される携帯型の情報端末であって、
車両から出力される車両情報が必要であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記車両情報が必要であると判定されたときに、前記車載装置へ前記車両情報を要求する要求手段と、
前記要求手段による要求に応じて前記車載装置から送信される前記車両情報を受信する車両情報受信手段とを備えることを特徴とする情報端末。
【請求項9】
請求項8に記載の情報端末において、
GPS信号を受信するGPS信号受信手段と、
現在位置を検出する位置検出手段とをさらに備え、
前記判定手段は、前記GPS信号受信手段により前記GPS信号が正常に受信されないときに、前記車両情報が必要であると判定し、
前記車両情報受信手段は、前記車載装置から、前記車両情報として送信される前記車両の速度、前記車両の向き、および前記車両の現在位置のいずれか少なくとも一つに関する情報を受信し、
前記位置検出手段は、
前記GPS信号受信手段により前記GPS信号が正常に受信されたときには、当該GPS信号に基づいて前記現在位置を検出し、
前記GPS信号受信手段により前記GPS信号が正常に受信されないときには、前記車載装置から送信されて前記車両情報受信手段により受信された前記車両情報に基づいて、前記現在位置を検出することを特徴とする情報端末。
【請求項10】
請求項8または9に記載の情報端末において、
前記判定手段は、前記車両が所定の分岐点付近を走行しているときに、前記車両情報が必要であると判定し、
前記車両情報受信手段は、前記車載装置から、前記車両情報として送信される前記車両の走行車線に関する情報を受信し、
前記車載装置から送信されて前記車両情報受信手段により受信された前記車両情報に基づいて、前記車両が前記分岐点を通過後に走行する道路を特定することを特徴とする情報端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−65245(P2012−65245A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209332(P2010−209332)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】