説明

車載機制御システム

【課題】他車両(他車両に搭載された車両側ユニット)から送信された要求信号に応答することを抑制し、携帯機の電池消耗を抑制することができる車載機制御システムを提供すること。
【解決手段】車両側ユニットは、携帯機200に対して所定時間毎にWAKEを送信し、このWAKEに応答して携帯機200からACKを受信すると、予め設定された車両側ユニットに固有な送信間隔でChallengeを送信する。一方、携帯機200は、電池から電源供給されて動作するものであり、WAKEを受信すると、ACKを送信するとともに、車両側ユニットに固有な送信間隔に応じて、Challengeが送信されるタイミングでChallengeを受信可能状態とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが携行可能な携帯機と、車両に搭載されるものであり携帯機と無線にて通信可能な車両側ユニットとを備え、車両側ユニットが、携帯機との双方向通信により取得したIDコードの照合を行い、その照合結果に基づいて、車載機を制御する車載機制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車載機制御システムの一例として、特許文献1に開示された車両用遠隔施解錠制御装置があった。
【0003】
この車両用遠隔施解錠制御装置は、携帯機により車両のドアロックを遠隔施解錠する際に、自車両の携帯機が、自車両の要求信号の送信有効範囲(以下、検知エリアとも称する)と、他車両の要求信号の送信有効範囲の重複範囲に存在している場合の相互干渉を回避するためのものである。具体的には、車両に搭載されている制御装置が、要求信号の送信毎に間欠送信間隔Tiを変化させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−113608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の車両用遠隔施解錠制御装置においては、要求信号の送信毎に間欠送信間隔Tiを変化させるものに過ぎない。従って、携帯機は、自車両からの要求信号よりも先に、他車両からの要求信号に応答して応答信号を送信し続ける可能性がある。よって、本来不要な応答信号を送信する事になり、携帯機の電池消耗が増大するという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、他車両(他車両に搭載された車両側ユニット)から送信された要求信号に応答することを抑制し、携帯機の電池消耗を抑制することができる車載機制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1に記載の車載機制御システムは、ユーザが携行可能な携帯機と、車両に搭載された車両側ユニットとを備え、車両側ユニットから車両周辺の所定範囲に送信される要求信号に応答して、携帯機が応答信号を送信する双方向通信を複数回行い、車両側ユニットが、携帯機から受信した応答信号に含まれる識別コードを予め登録してある登録コードと照合し、その照合が成立したとの照合結果が得られたことを条件として、車載機の制御を行なうものであって、
車両側ユニットは、
携帯機に対して要求信号を送信する車両側送信手段と、
携帯機からの応答信号を受信する車両側受信手段と、
車両側受信手段にて応答信号を受信すると、車両側送信手段に対して、予め設定された車両側ユニットに固有な送信間隔で要求信号を送信することを指示する車両側制御手段と、
携帯機は、電池から電源供給されて動作するものであり、
車両側ユニットからの要求信号を受信する携帯機側受信手段と、
車両側ユニットに対して応答信号を送信する携帯機側送信手段と、
車両側ユニットにおける送信間隔を記憶しておく携帯機側記憶手段と、
携帯機側受信手段にて要求信号を受信すると、携帯機側送信手段に対して応答信号の送信を指示するとともに、携帯機側記憶手段に記憶された送信間隔に応じて、携帯機側受信手段に対して次の要求信号が送信されるタイミングで受信可能状態となるように指示する携帯機側制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
このように、車両側ユニットは、応答信号を受信すると、予め設定された車両側ユニットに固有な送信間隔で要求信号を送信する。また、携帯機は、要求信号を受信すると、車両側ユニットに固有な送信間隔で要求信号が送信されるタイミングで受信可能状態とする。よって、携帯機は、自車両の車両側ユニットから送信された要求信号のみを受信することができる。従って、複数の車両に搭載された車両側ユニットにおける検知エリアが重複した領域に携帯機があった場合でも、他車両に搭載された車両側ユニットから送信された要求信号の受信を低減できる。つまり、他車両に搭載された車両側ユニットから送信された要求信号を一度は受信したとしても、それ以降に他車両に搭載された車両側ユニットから送信された要求信号を受信することを低減できる。よって、他車両に搭載された車両側ユニットから送信された要求信号に応答して応答信号を送信することを低減できるので、携帯機の電池消耗を抑制することができる。
【0009】
具体的には、請求項2に示すように、車両側送信手段は、要求信号として、所定時間毎に携帯機の起動を要求する起動要求信号を送信するものであり、
携帯機側制御手段は、車両側送信手段からの起動要求信号を受信待ちしている場合は低消費電力モードであるスリープ状態であり、携帯機側制御手段にて起動要求信号を受信すると起動してアクティブ状態に移行して、携帯機側送信手段に対して、応答信号として起動したことを示す起動応答信号の送信を指示するとともに、携帯機側記憶手段に記憶された送信間隔に応じて、携帯機側受信手段に対して要求信号が送信されるタイミングで受信可能状態となるように指示し、
車両側制御手段は、車両側受信手段にて起動応答信号を受信すると、車両側送信手段に対して、予め設定された車両側ユニットの固有の送信間隔で、要求信号として識別コードを含む応答信号の送信を要求する識別コード要求信号を送信することを指示し、
携帯機側送信手段は、識別コード要求信号が送信されるタイミングで携帯機側受信手段にて受信した識別コード要求信号に応答して、車両側ユニットに対して識別コードを含む前記応答信号を送信するようにしてもよい。
【0010】
また、このように、携帯機は、車両側送信手段からの起動要求信号を受信待ちしている場合は低消費電力モードであるスリープ状態であり、携帯機側制御手段にて起動要求信号を受信すると起動することによって、より一層電池消耗を抑制することができる。
【0011】
また、車載機としては、例えば、車両ドアの施錠及び開錠を行う車両ドアロック手段を採用することができる。この場合、請求項3に示すように、車両側ユニットは、車両ドアの施錠及び開錠を行う車両ドアロック手段を車載機として制御する車両ドアロック制御手段を備えるものであり、
車両ドアロック制御手段は、車両側受信手段にて受信した応答信号に含まれる識別コードを予め登録してある登録コードと照合し、その照合が成立したとの照合結果が得られたことを条件として、車両ドアロック手段を開錠制御するようにしてもよい。
【0012】
このようにすることによって、携帯機と車両側ユニットとの双方向通信によって、車両ドアを開錠することができる。
【0013】
また、請求項4に示すように、車両側ユニットは、ユーザが車両に対して所定の動作を行ったことを検出する動作検出手段と、動作検出手段にてユーザが車両に対して所定の動作を行ったことが検出された動作時刻を取得する動作時刻取得手段と、動作時刻取得手段にて取得した動作時刻に基づいて送信間隔を設定するとともに、設定した送信間隔を携帯機に送信する設定手段と、を備えるようにしてもよい。
【0014】
複数の車両において、ユーザが車両に対して動作を行う時刻は異なる場合が多い。よって、請求項4に示すように、動作時刻に基づいて送信間隔を設定することによって、他車両に搭載された車両側ユニットと異なる送信間隔を設定することができる。また、設定した送信間隔を携帯機に送信することで、携帯機では、この送信間隔を知ることができる。
【0015】
また、請求項5設定手段は、動作時刻取得手段にて取得した動作時刻と、車両側ユニットが搭載されている車両に固有な情報とに基づいて送信間隔を設定するようにしてもよい。車両に固有の情報に関しても、他車両と同じになることはない。よって、このように動作時刻と車両に固有な情報とに基づいて送信間隔を設定することによって、送信間隔が他車両に搭載された車両側ユニットと一致することをより一層低減することができる。
【0016】
なお、上述のユーザが車両に対して行う所定の動作としては、例えば、車両からの降車、車両への乗車、車載機(エアコンやカーナビゲーション装置やイグニッションスイッチなど)などの操作をあげることができる。
【0017】
よって、例えば、請求項6に示すように、車両側ユニットは、動作検出手段として、ユーザが車両から降車したことを検出する降車検出手段と、動作時刻取得手段として、降車検出手段にてユーザが車両から降車したことが検出された降車時刻(動作時刻としての降車時刻)を取得する降車時刻取得手段と、を備え、設定手段は、降車時刻取得手段にて取得した降車時刻に基づいて送信間隔を設定するとともに、設定した送信間隔を携帯機に送信するようにしてもよい。
【0018】
複数の車両において、ユーザが車両から降車する時刻は異なる場合が多い。よって、請求項6に示すように、降車時刻に基づいて送信間隔を設定することによって、他車両に搭載された車両側ユニットと異なる送信間隔を設定することができる。また、設定した送信間隔を携帯機に送信することで、携帯機では、この送信間隔を知ることができる。
【0019】
また、請求項7に示すように、車両側ユニットは、動作検出手段として、ユーザが車両に乗車したことを検出する乗車検出手段と、動作時刻取得手段として、乗車検出手段にてユーザが車両に乗車したことが検出された乗車時刻(動作時刻としての乗車時刻)を取得する乗車時刻取得手段と、を備え、設定手段は、乗車時刻取得手段にて取得した乗車時刻に基づいて送信間隔を設定するとともに、設定した送信間隔を携帯機に送信するようにしてもよい。
【0020】
複数の車両において、ユーザが車両に乗車する時刻は異なる場合が多い。よって、請求項7に示すように、乗車時刻に基づいて送信間隔を設定することによって、他車両に搭載された車両側ユニットと異なる送信間隔を設定することができる。また、設定した送信間隔を携帯機に送信することで、携帯機では、この送信間隔を知ることができる。
【0021】
また、請求項8に示すように、車両側ユニットは、動作検出手段として、ユーザが車両に搭載された車載機に対して操作を行ったことを検出する操作検出手段と、動作時刻取得手段として、操作検出手段にてユーザが車載機に対して操作を行ったことが検出された操作時刻(動作時刻としての操作時刻)を取得する操作時刻取得手段と、を備え、設定手段は、操作時刻取得手段にて取得した操作時刻に基づいて送信間隔を設定するとともに、設定した送信間隔を携帯機に送信するようにしてもよい。
【0022】
複数の車両において、ユーザが車両に搭載された車載機に対して操作を行う時刻は異なる場合が多い。よって、請求項8に示すように、操作時刻に基づいて送信間隔を設定することによって、他車両に搭載された車両側ユニットと異なる送信間隔を設定することができる。また、設定した送信間隔を携帯機に送信することで、携帯機では、この送信間隔を知ることができる。
【0023】
また、請求項9に示すように、送信間隔は、車両側ユニットが搭載されている車両に固有な情報に基づいて予め設定されるとともに、携帯機側記憶手段に記憶されるようにしてもよい。上述のように、車両に固有の情報は、他車両と同じになることはない。よって、他車両に搭載された車両側ユニットと異なる固有の送信間隔を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態における車載機制御システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態における車載機制御システムの処理動作を示すタイムチャートである。
【図3】本発明の実施形態における車載機制御システムを搭載した車両が複数台並んで駐車されている場合のイメージ図である。
【図4】比較例における車載機制御システムの処理動作を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
【0026】
図1に示すように、車載機制御システムは、ユーザが携行可能な携帯機200と、車両100に搭載された車両側ユニットとを備える。また、車載機制御システムは、車両側ユニットから車両100周辺の所定範囲に送信されるリクエスト信号(本発明の要求信号に相当する)に応答して、携帯機200がレスポンス信号(本発明の応答信号に相当する)を送信する双方向通信(より詳細には、双方向暗号通信)を複数回行い、車両側ユニットが、携帯機200から受信した応答信号に含まれる識別コードを予め登録してある登録コードと照合し、その照合が成立したとの照合結果が得られたことを条件として、車載機の制御を行なう。
【0027】
車両100には、車両側ユニットと車載機とが搭載されている。具体的には、車室外送信機101、車室内送信機102、受信機103、タッチセンサー104、照合ECU(Electronic Control Unit)105、ボデーECU(Electronic Control Unit)106、ドアロックモーター107、ロックスイッチ108、ドアロックポジションセンサー109、カーテシスイッチ110、ドアミラーモーター(サイドミラーモーター)111、シートモーター112、ドアミラーランプ113、エアコンECU(Electronic ControlUnit)114などが搭載されている。
【0028】
なお、本実施形態においては、車両側ユニットは、車両100に搭載された車載バッテリー(図示省略)から電源供給されて動作するものであり、車室外送信機101、受信機103、照合ECU105、ボデーECU106などを含むものである。また、車載機は、ドアロックモーター107、ドアミラーモーター111、シートモーター112、ドアミラーランプ113、エアコンECU114などを含むものである。なお、本実施形態においては、ドアロックモーター107、ドアミラーモーター111、シートモーター112、ドアミラーランプ113、エアコンECU114を採用して説明するが、本発明これに限定されるものではない。これらの車載機の少なくとも一つがあれば目的は達成できる。さらに、後ほど説明するが、これらの車載機のほかにカーオーディオシステム(カーステレオ)なども採用することができる。
【0029】
この車載機は、ウェルカム機能を実施するものである。ウェルカム機能とは、車両が乗車前のユーザを迎える機能である。例えば、ユーザによる車両の利用を補助する機能、又はユーザを楽しませるためのおもてなし動作を行う機能などを含むものである。
【0030】
車室外送信機101は、車両100の各ドアに設けられる。車室内送信機102は、車室内に設けられる。これらの車室外送信機101及び車室内送信機102は、照合ECU105からの送信指示信号に基づいてリクエスト信号を発信する。例えば、車室外送信機101及び車室内送信機102は、図示は省略するがLF(lowfrequency)アンテナを有しており、このLFアンテナを介して携帯機200側の受信部210にLF帯(例えば「134KHz」近傍)の電波にてリクエスト信号を送信する。なお、この車室外送信機101を用いた携帯機200との双方向通信に関しては、後ほど詳しく説明する。
【0031】
車室外送信機101のリクエスト信号の到達距離は、例えば数メートル程度に設定される。車両100が、各車両ドアがロック(施錠)された状態で駐車されている時には、そのリクエスト信号の到達距離に応じた検知エリアが所定時間毎に車両の各車両ドアの周囲に形成され、携帯機200を保持するユーザが車両から遠ざかったことや、車両に接近したことを検知できるようにしている。換言すると、車室外送信機101は、所定時間毎にリクエスト信号を送信する。
【0032】
なお、携帯機と車両側ユニットとの双方向通信によって、車両ドアのロック(施錠)、アンロック(開錠)を行う場合、車室外送信機101のリクエスト信号の到達距離は、例えば0.8〜1.5メートル程度で十分である。しかしながら、本実施形態における車載機制御システムにおいては、上述のウェルカム機能を実行するために数メートルに設定される。つまり、ウェルカム機能は、後ほど詳しく説明するが、エアコンの温度調整なども行うことがある。よって、車室外送信機101のリクエスト信号の到達距離が1メートル程度では、ウェルカム機能の効果が十分に発揮できない可能性がある。従って、本実施形態のように、本発明の車載機制御システムにおいては、車室外送信機101のリクエスト信号の到達距離を数メートルに設定すると好ましい。
【0033】
また、車室内送信機102による検知エリアは、車室内をカバーするように設定され、携帯機200が車室内にあるか否かを検知する。車室内送信機102による検知エリアは、例えば主に前席をカバーする検知エリアを有する前席用車室内送信機と、主に後席をカバーする検知エリアを有する後席用車室内送信機と、トランク等の荷室をカバーする検知エリアを有する荷室用送信機とから構成しても良い。この場合、前席用車室内送信機、後席用車室内送信機及び荷室用送信機の各々の通信エリアを組み合わせた合算通信エリアが、車室内全体をカバーすることになる。
【0034】
受信機103は、車両100の車室内に設けられ、携帯機200から送信されるレスポンス信号を受信する。つまり、受信機103は、例えば、UHF帯(例えば300MHz〜3GHz)の電波にて携帯機200から送信されてくるレスポンス信号をUHFアンテナ(図示省略)で受信する。受信機103が受信したレスポンス信号は、照合ECU105に出力される。
【0035】
照合ECU105及びボデーECU106は、周知のコンピュータとして構成されており、内部にはCPU、記憶装置(例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM(EPROM、EEPROM等))、I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどが備えられている。照合ECU105及びボデーECU106は、CPUがRAMの一時記憶機能を利用しつつ、ROMに記憶されているプログラムを実行することにより、各種演算処理を行い、後ほど説明する制御を実行する。
【0036】
また、照合ECU105の記憶装置には、予め設定されたリクエスト信号の送信間隔を示す値が記憶されている。この送信間隔は、携帯機200から送信されたレスポンス信号を受信した場合における、前回のリクエスト信号を送信してから次のリクエスト信号を送信する間隔である。また、この送信間隔は、車両側ユニットに固有な値が設定される。さらに、この送信間隔は、照合ECU105が設定する。
【0037】
具体的には、照合ECU105は、ユーザが車両から降車したことを検出する(降車検出手段)。例えば、車両内の複数の座席に設けられた着座センサ(図示省略)からの信号に基づいて、いずれの着座センサからもユーザが着座していることを示す検出結果が出力されなくなった場合に、ユーザが車両から降車したと検出する。さらに、照合ECU105は、自身の内部又は外部に設けられた時計(図示省略)から、ユーザが車両から降車したと検出された降車時刻を取得する(降車時刻取得手段)。つまり、照合ECU105は、ユーザが車両から降車したと検出したことが検出されると、降車時刻として時計から時刻を取得する。なお、照合ECU105は、この降車時刻をRAMなどに一時的に記憶する。そして、照合ECU105は、取得した降車時刻に基づいて送信間隔を設定する(設定手段)。例えば、降車時刻に所定の定数を乗算するなどして、降車時刻に基づいて送信間隔を設定する。また、本実施形態における車載機制御システムは、携帯機200も送信間隔を把握しておく必要がある。よって、照合ECU105は、設定した送信間隔を携帯機200に送信する(設定手段)。照合ECU105は、例えば、ユーザが降車したときに行う、携帯機200との双方向通信にて照合OKが得られた場合に、この送信間隔を携帯機200に送信する。なお、着座センサは、運転席の座席のみに設けるようにしてもよいし、全ての座席に設けるようにしてもよい。
【0038】
複数の車両において、ユーザが車両から降車する時刻は異なる場合が多い。よって、このように、降車時刻に基づいて送信間隔を設定することによって、他車両に搭載された車両側ユニットと異なる送信間隔を設定することができる。また、設定した送信間隔を携帯機200に送信することで、携帯機200では、この送信間隔を知ることができる。
【0039】
なお、照合ECU105は、降車時刻と、車両側ユニットが搭載されている車両に固有な情報(例えば車体番号や、車両毎に割り振られた車両IDなど)とに基づいて送信間隔を設定するようにしてもよい。車両に固有の情報に関しても、他車両と同じになることはない。よって、このように降車時刻と車両に固有な情報とに基づいて送信間隔を設定することによって、送信間隔が他車両に搭載された車両側ユニットと一致することをより一層低減することができる。
【0040】
なお、本実施形態においては、照合ECU105が送信間隔を設定する例を採用するが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ディーラや工場などで設定してもよい。つまり、製造時などに送信間隔を示す値を照合ECU105の記憶装置に書き込むようにしてもよい。この場合、照合ECU105が搭載されている車両に固有な情報(例えば車体番号や、車両毎に割り振られた車両IDなど)に基づいて送信間隔を設定して、照合ECU105の記憶装置に書き込む。車体番号などの車両に固有の情報は、他車両と同じになることはない。このようにすることによって、他車両に搭載された車両側ユニットと異なる固有の送信間隔を設定することができる。
【0041】
さらに、送信間隔は、他車両に搭載された車両側ユニットと異なる固有の値であれば採用することができるので、ユーザが車両から降車した時刻以外にも、ユーザが車両に対して所定の動作を行った時刻に基づいて設定するようにしてもよい。複数の車両において、ユーザが車両に対して動作を行う時刻は異なる場合が多い。よって、このように、ユーザが車両に対して所定の動作を行った時刻に基づいて送信間隔を設定することによって、他車両に搭載された車両側ユニットと異なる送信間隔を設定することができる。また、この場合であっても、設定した送信間隔を携帯機200に送信することで、携帯機200では、この送信間隔を知ることができる。
【0042】
なお、ユーザが車両に対して行う所定の動作としては、上述の車両からの降車以外にも、例えば、車両への乗車や、車載機(エアコンやカーナビゲーション装置(図示省略)やイグニッションスイッチ(図示省略)など)などの操作をあげることができる。
【0043】
このように、ユーザが、車両に乗車する時刻は、複数の車両において異なる場合が多い。また、ユーザが、エアコンに対してオン、オフや温度調整などの操作を行った時刻(すなわち、オン、オフ、温度調整などの操作を行うタイミング)は、複数の車両において異なる場合が多い。また、ユーザが、ナビゲーション装置に対してオン、オフや目的地設定などの操作を行った時刻(すなわち、オン、オフ、目的地設定などの操作を行うタイミング)は、複数の車両において異なる場合が多い。さらに、ユーザが、イグニッションスイッチに対してIG(イグニッション)オフからACC(アクセサリー)、オフからIGオンなどの操作を行った時刻(すなわち、IGオフからACC、オフからIGオンなどの操作を行うタイミング)は、複数の車両において異なる場合が多い。換言すると、ユーザがイグニッションスイッチを操作することによって生じた電源遷移の時刻は、複数の車両において異なる場合が多い。
【0044】
具体的には、照合ECU105は、ユーザが車載機に対して所定の動作(操作)を行ったことを検出する(動作検出手段、操作検出手段)。
【0045】
例えば、照合ECU105は、車両内の複数の座席に設けられた着座センサ(図示省略)からの信号に基づいて、いずれからの着座センサからユーザが着座していることを示す検出結果を示す信号が出力された場合(つまり、この信号を取得した場合)、ユーザが車両に対して所定の動作をしたと(ユーザが乗車したと)検出する(乗車検出手段)。なお、着座センサは、運転席の座席のみに設けるようにしてもよいし、全ての座席に設けるようにしてもよい。
【0046】
また、照合ECU105は、車載機(エアコンECU114やカーナビゲーション装置など)からユーザによって操作がなされたことを示す信号が出力された場合(つまり、この信号を取得した場合)、ユーザが車両(車載機)に対して所定の動作(操作)をしたと検出する(操作検出手段)。なお、この場合、ユーザが、車載機(エアコンECU114やカーナビゲーション装置など)に対して上述のような操作を行うと、車載機は、ユーザによって操作がなされたことを示す信号を照合ECU105に出力する。
【0047】
また、照合ECU105は、ユーザによるイグニッションスイッチの操作に基づく電源遷移があると、ユーザがイグニッションスイッチ(車載機)に対して所定の動作(操作)をしたと検出する(操作検出手段)。
【0048】
そして、照合ECU105は、自身の内部又は外部に設けられた時計(図示省略)から、ユーザが車両(車載機)に対して所定の動作(操作)を行ったことが検出された動作時刻を取得する(動作時刻取得手段、乗車時刻取得手段、操作時刻取得手段)。つまり、照合ECU105は、ユーザが車両(車載機)に対して所定の動作(操作)を行ったことが検出されると、動作時刻(乗車時刻、操作時刻)として時計から時刻を取得する。なお、照合ECU105は、この動作時刻(乗車時刻、操作時刻)をRAMなどに一時的に記憶する。そして、照合ECU105は、取得した動作時刻(乗車時刻、操作時刻)に基づいて送信間隔を設定する(設定手段)。例えば、動作時刻(乗車時刻、操作時刻)に所定の定数を乗算するなどして、動作時刻(乗車時刻、操作時刻)に基づいて送信間隔を設定する。
【0049】
なお、車載機に対する操作は、乗車時において複数回行われることもある。よって、乗車して最初に車載機を操作した時刻を採用して、この時刻に基づいて送信間隔を設定するようにしてもよい。
【0050】
また、照合ECU105は、携帯機200が正規のものであるか否か、つまり、自車両用の携帯機200であるか否かを判定するために、受信機103で受信したレスポンス信号に含まれる識別コードが予め登録されている登録コードと一致等、所定の関係を満足するかの照合を行う。そして、照合ECU105は、所定の関係を満足するとの照合結果(照合OK)が得られた場合、ドアロックモーター107、ドアミラーモーター111、シートモーター112、ドアミラーランプ113、エアコンECU114などの車載機の制御を行うべく、制御信号をボデーECU106に出力する。なお、この登録コードは、照合ECU105の記憶装置に予め記憶しておく。
【0051】
一方、ボデーECU106は、照合ECU105から制御信号が入力された場合、その制御信号に応じて、ドアロックモーター107(車両ドアロック手段)、ドアミラーモーター111、シートモーター112、ドアミラーランプ113、エアコンECU114などの車載機に対して制御信号(駆動信号)を出力することで車載機を駆動制御する。
【0052】
なお、車両の各車両ドアに設けられたドアハンドルは、車室外送信機101のアンテナとしての役割を備えている。このドアハンドルには、タッチセンサー104が設けられている。タッチセンサー104は、携帯機200の保持者(ユーザ)が、ドアハンドルに触れてドアハンドルに対して操作を行ったことを検出することが可能である。タッチセンサー104は、ユーザによって触られると、その旨を示す検出結果を照合ECU105に出力する。また、ドアハンドルには、プッシュスイッチとして構成されたロックスイッチ108も設けられている。
【0053】
ドアロックモーター107(車両ドアロック手段)は、ボデーECU106から駆動信号(ロック信号またはアンロック信号)が送信されたとき、そのロック信号またはアンロック信号に応じて正転/逆転することによって各車両ドアをロック、またはアンロックする。
【0054】
ドアロックポジションセンサー109は、車両ドアのドアロック状態を検出する(ロック状態検出手段)。つまり、ドアロックポジションセンサー109は、車両ドアがロックされているか、アンロックされているかを検出して、その検出結果をボデーECU106に出力する。ボデーECU106は、この検出結果を照合ECU105に出力する。
【0055】
カーテシスイッチ110は、車両ドアが閉じているか、開いているかを検出して、その検出結果をボデーECU106に出力する。ボデーECU106は、この検出結果を照合ECU105に出力する。
【0056】
ドアミラーモーター111は、車両100の外部に設けられた車体外後写鏡(ドアミラー又はサイドミラー)を回転させるものである。このドアミラーモーター111は、ボデーECU106からの制御信号(駆動信号)に応じてドアミラーの格納位置(例えば、車両100の駐車時のドアミラー位置(角度))から展開位置(すなわち、所定の後方視認位置であり、例えば、車両100の走行時のドアミラー位置(角度))、又は、展開位置(展開角度)から格納位置(格納角度)に回転させる。
【0057】
この所定の後方視認位置とは、ユーザの好みに応じたドアミラーの位置(角度)を示すものである。よって、格納位置から所定の後方視認位置、又は、所定の後方視認位置から格納位置に回転させるためのドアミラーモーター111の回転量は、ユーザの好みに応じたドアミラーの位置によって予め設定されるものである。そして、ボデーECU106は、この回転量を示す値をメモリ(図示省略)などの記憶部に予め記憶しておく。よって、ボデーECU106は、ドアミラーモーター111を制御する際には、この回転量を示す値に応じて制御する。
【0058】
なお、ボデーECU106は、照合ECU105からの制御信号が入力された場合以外にも、ドアミラーが展開位置から格納位置、又は格納位置から展開位置となるようにドアミラーモーター111を回転させる(駆動制御する)ようにしてもよい。例えば、ドアロックポジションセンサー109によって車両ドアのロックが検出されると自動的にドアミラーが展開位置から格納位置となるようにドアミラーモーター111を回転させ、ドアロックポジションセンサー109によって車両ドアのアンロックが検出されると自動的にドアミラーが格納位置から展開位置となるようにドアミラーモーター111を回転させるようにしてもよい。また、ACCオフでドアミラーが展開位置から格納位置となるようにドアミラーモーター111を回転させ、ACCオンでドアミラーが格納位置から展開位置となるようにドアミラーモーター111を回転させるようにしてもよい。
【0059】
シートモーター112は、車両100の車室内に設けられた座席(例えば、運転席の座席、シート)を車両100の前後方向にスライド(移動)させるものである。具体的には、座席は、車両100の床上に固定して設けられたスライドレール上を所定のスライド可能範囲内で前後方向にスライド可能に構成されている。
【0060】
このシートモーター112は、ボデーECU106からの制御信号(駆動信号)に応じて座席をユーザの好みの位置にスライド(移動)させる。よって、座席をユーザの好みの位置までのスライドさせるためのシートモーター112の回転量は、ユーザの好みに応じた座席の位置によって予め設定されるものである。そして、ボデーECU106は、この回転量を示す値をメモリ(図示省略)などの記憶部に予め記憶しておく。よって、ボデーECU106は、シートモーター112を駆動制御する際には、この回転量を示す値に応じて制御する。つまり、座席の前後方向のスライドは、ボデーECU106からの制御信号に基づき電動で行われる。
【0061】
なお、ボデーECU106は、照合ECU105からの制御信号が入力された場合以外にも、座席をスライドさせるためにシートモーター112を回転させる(駆動制御する)ようにしてもよい。例えば、ボデーECU106は、車室内に設けられユーザによって操作されるシートスライド用スイッチ(図示省略)から制御信号が入力された場合にシートモーター112を回転させる(駆動制御する)ようにしてもよい。この場合、ボデーECU106は、シートスライド用スイッチ(図示省略)から制御信号が入力されている間は、シートモーター112を継続的に回転させる(駆動制御する)ようにする。
【0062】
ドアミラーランプ113は、車両100の車体外後写鏡(ドアミラー又はサイドミラー)に設けられるものである。このドアミラーランプ113は、ボデーECU106からの制御信号に応じて点灯するものである。ドアミラーランプ113の点灯状態(色や点滅間隔など)は、ユーザの好みに応じて予め設定(例えば、複数の点灯状態から選択)することができる。そして、ボデーECU106は、この点灯状態を示す値をメモリ(図示省略)などの記憶部に予め記憶しておく。よって、ボデーECU106は、ドアミラーランプ113を点灯制御する際には、この点灯状態を示す値に応じて制御する。
【0063】
なお、本実施形態においては、照明装置の一例として、ドアミラーランプ113を採用しているが、本発明はこれに限定されるものではない。照明装置は、前照灯、室内灯、ウィンカーなどを採用することもできる。また、ユーザが、好みに応じて、どの照明装置(一つ又は複数)を点灯させるか、又は、点灯させる複数の照明装置の組み合わせを予め設定できるようにしてもよい。
【0064】
エアコンECU114(空調制御装置)は、車両100の車室内の空調環境を調整するものである。このエアコンECU114は、ボデーECU106からの制御信号に応じて動作するものである。エアコンECU114による空調状態(始動、動作期間、温度、風量など)は、ユーザの好みに応じて予め設定することができる。そして、ボデーECU106は、この空調状態を示す値をメモリ(図示省略)などの記憶部に予め記憶しておく。よって、ボデーECU106は、エアコンECU114を駆動制御する際には、この空調状態を示す値に応じて制御する。
【0065】
なお、車載機としては、カーオーディオシステム(カーステレオ)や、車外への音波発生装置(ホーン、ブザー)などを採用することができる。このカーオーディオシステムや音波発生装置は、ボデーECU106からの制御信号に応じて音楽を再生するものである。カーオーディオシステムや音波発生装置の再生状態(再生する楽曲や音量など)は、ユーザの好みに応じて予め設定することができる。そして、この再生状態を示す値をメモリ(図示省略)などの記憶部に予め記憶しておく。よって、ボデーECU106は、カーオーディオシステムや音波発生装置を駆動制御する際には、この再生状態を示す値に応じて制御する。
【0066】
次に、携帯機200に関して説明する。携帯機200は、内部に電池(図示省略)が設けられており、この電池から電源供給されて動作する。携帯機200は、図1に示すように、受信部210、送信部220、CPU230、記憶部240などを備える。受信部210は、車両100側の車室外送信機101及び車室内送信機102から送信されるリクエスト信号を受信するものである。例えば、受信部210は、LFアンテナを有しており、このLFアンテナを介して、車両100側の車室外送信機101及び車室内送信機102からLF帯(例えば「30〜300[kHz]」)の電波にて送信されてくるリクエスト信号を受信する。
【0067】
送信部220は、車両100側の受信機103に信号(レスポンス信号)を送信するものである。例えば、送信部220は、UHF(Ultra High Frequency)アンテナを有しており、このUHFアンテナを介して車両100側の受信機103にUHF帯(例えば「300MHz〜3GHz」)の電波にてレスポンス信号を送信する。
【0068】
CPU230は、記憶部240に記憶されているプログラムを実行することにより、各種演算処理を行い、受信部210に対して所定の間隔(レスポンス信号(ACK)を送信してからの間隔)で受信可能状態(リクエスト信号(Challenge)を受信できる状態)となるように指示したり、送信部220に対してレスポンス信号の送信を指示したりなどする。記憶部240には、CPU230が実行するプログラムや、車両側ユニットの送信間隔(送信間隔を示す値)や、識別コードなどが記憶されている。
【0069】
なお、CPU230は、記憶部240に記憶された送信間隔に応じて受信部210に対して次のリクエスト信号(Challenge)が送信されるタイミングで受信可能状態となるように指示する際には、リクエスト信号(WAKE)を受信してレスポンス信号(ACK)を送信するまでの処理時間を送信間隔(図2のTD[s])から減算した時間(図2のTDx[s])で受信可能状態となるように指示する。従って、記憶部240には、送信間隔として、リクエスト信号(WAKE)を受信してレスポンス信号(ACK)を送信するまでの処理時間を送信間隔から減算した時間(この時間を示す値)を記憶しておくようにしてもよい。
【0070】
ここで、図2,3に基づいて、車載機制御システムの処理動作について説明する。なお、ここでは、図3に示すように、同じ車載機制御システムを搭載した車両A〜車両Dが隣り合って駐車しており、各車両100A〜100Dの検知エリアが重複する領域が存在する例を採用する。また、図2に示すように、車両100A〜100Dに搭載された車両側ユニットにおける各送信間隔(各車両側ユニットに固有の値)は、TA[s]〜TD[s]である。そして、携帯機200は、車両100D用の携帯機である。また、図2においては、車両100A〜100Dが送信する信号のうち、細い方がWAKEであり、太い方がChallengeである。一方、携帯機200が送信する信号のうち、細い方がACKであり、太い方がResponseである。
【0071】
なお、車室外送信機101のリクエスト信号の到達距離が1メートル程度であれば、隣り合う2台の車両に搭載された車両側ユニットによる検知エリアが重複する程度である。しかしながら、本実施形態のように、リクエスト信号の到達距離が数メートルの場合、図3に示すように、隣り合う4台(すなわち、3台以上)の車両に搭載された車両側ユニットによる検知エリアが重複することもありうる。
【0072】
まず、各車両100A〜100Dにおける車両側ユニットは、図2に示すように、車室外送信機101から、リクエスト信号として、携帯機200(CPU230)の起動を要求するWAKE(ウェイクアップ信号、起動要求信号)を所定時間毎に送信する(車両側送信手段)。つまり、照合ECU105は、車室外送信機101に対して、WAKEを所定時間毎に送信するように指示する(車両側制御手段)。これによって各車両100A〜100Dにおける車室外送信機101は、照合ECU105からの送信指示信号に基づいてWAKEを所定時間毎に送信する(車両側送信手段)。
【0073】
なお、各車両100A〜100Dにおける車両側ユニットは、一度レスポンス信号(ACK)を受信するまでは同じ間隔でWAKEを送信する。しかしながら、照合ECU105は、車両100が駐車中であり、且つ、全ての車両ドアがロックされているときに所定時間毎にWAKEを送信するように指示する。よって、車両100A〜100Dによって、最初にWAKEを送信するタイミングは異なる。図2の例では、車両100A、車両100B、車両100C、車両100Dの順番に、車両側ユニット(車室外送信機101)からWAKEが送信される。
【0074】
携帯機200では、電池の消耗を抑制するため、通常(WAKEを受信待ちしている場合であり、つまり、車両側ユニットとの双方向通信を行なっていない場合、換言すると、車両側ユニットからWAKEを受信して双方向通信を開始するまで)はCPU230が低消費電力モードであるスリープ状態にある(携帯機側制御手段)。CPU230は、スリープ状態のとき、WAKEを受信すると(携帯機側受信手段)、ウェイクアップ(起動)しアクティブ状態に移行する(携帯機側制御手段)。
【0075】
そして、CPU230は、受信部210にてWAKEを受信すると(携帯機側受信手段)、送信部220に対して、レスポンス信号として、起動したことを示すレスポンス信号(ACK、起動応答信号)の送信を指示する(携帯機側制御手段)。これによって、送信部220は、ACKを送信する(携帯機側送信手段)。
【0076】
さらに、CPU230は、受信部210にてWAKEを受信すると、記憶部240(携帯機側記憶手段)に記憶された送信間隔に応じて、受信部210に対して、リクエスト信号(Challenge)が送信されるタイミングで受信可能状態となるように指示する(携帯機側制御手段)。これによって、受信部210は、リクエスト信号が送信されるタイミングで受信可能状態となり、このタイミングで送信されたリクエスト信号のみを受信する(携帯機側受信手段)。
【0077】
例えば、図2におけるタイミングt1に示すように、車両100Aの車両側ユニット(車室外送信機101)のみからWAKEが送信された場合、携帯機200は、車両100Aの車両側ユニット(車室外送信機101)から送信されたWAKEに応答して、ACKを送信するとともに、ACKを送信してからTDx[s]後に受信可能状態とする。よって、ACKを送信してからTDx[s]後までの間は、WAKEやChallengeは受信できない。
【0078】
同様に、図2におけるタイミングt2に示すように、車両100Bの車両側ユニット(車室外送信機101)のみからWAKEが送信された場合、携帯機200は、車両100Bの車両側ユニット(車室外送信機101)から送信されたWAKEに応答して、ACKを送信するとともに、ACKを送信してからTDx[s]後に受信可能状態とする。よって、ACKを送信してからTDx[s]後までの間は、WAKEやChallengeは受信できない。
【0079】
同様に、図2におけるタイミングt3に示すように、車両100Cの車両側ユニット(車室外送信機101)のみからWAKEが送信された場合、携帯機200は、車両100Cの車両側ユニット(車室外送信機101)から送信されたWAKEに応答して、ACKを送信するとともに、ACKを送信してからTDx[s]後に受信可能状態とする。よって、ACKを送信してからTDx[s]後までの間は、WAKEやChallengeは受信できない。
【0080】
同様に、図2におけるタイミングt4に示すように、車両100Dの車両側ユニット(車室外送信機101)のみからWAKEが送信された場合、携帯機200は、車両100Dの車両側ユニット(車室外送信機101)から送信されたWAKEに応答して、ACKを送信するとともに、ACKを送信してからTDx[s]後に受信可能状態とする。よって、ACKを送信してからTDx[s]後までの間は、WAKEやChallengeは受信できない。
【0081】
一方、携帯機200からのACKを受信した車両側ユニットは、図2に示すように、車室外送信機101から、リクエスト信号として、識別コードを含む応答信号の送信を要求するChallenge(識別コード要求信号)を車両側ユニットの固有の送信間隔で送信する(車両側送信手段)。つまり、照合ECU105は、車室外送信機101に対して、車両側ユニットに固有な送信間隔でChallengeを送信するように指示する(車両側制御手段)。そして、ACKを受信した車両側ユニットにおける車室外送信機101は、照合ECU105からの送信指示信号に基づいてChallengeをその送信間隔で送信する(車両側送信手段)。
【0082】
例えば、図2においては、車両100Aは、タイミングt1で送信したWAKEに応答して携帯機200から送信されたACKを受信すると、WAKEを送信してから送信間隔TA[s]後にChallengeを送信する。
【0083】
同様に、図2においては、車両100Bは、タイミングt2で送信したWAKEに応答して携帯機200から送信されたACKを受信すると、WAKEを送信してから送信間隔TB[s]後にChallengeを送信する。
【0084】
同様に、図2においては、車両100Cは、タイミングt3で送信したWAKEに応答して携帯機200から送信されたACKを受信すると、WAKEを送信してから送信間隔TC[s]後にChallengeを送信する。
【0085】
同様に、図2においては、車両100Dは、タイミングt4で送信したWAKEに応答して携帯機200から送信されたACKを受信すると、WAKEを送信してから送信間隔TD[s]後にChallengeを送信する。
【0086】
なお、この車両側ユニットに固有の送信間隔は、ここでは、WAKEを送信してからChallengeを送信するまでの間隔を採用しているが、本発明はこれに限定されるものではない。車両側ユニットに固有の送信間隔であれば採用することができ、ACKを受信してからChallengeを送信するまでの間隔でもよい。
【0087】
そして、携帯機200のCPU230は、ACKを送信してからTDx[s]後に、受信部210にてChallengeを受信すると、Challengeに応答して、Response(識別コードを含むレスポンス信号)を送信する。つまり、CPU230は、送信部220に対して、Responseの送信を指示する(携帯機側制御手段)。これによって、送信部220は、Responseを送信する(携帯機側送信手段)。
【0088】
例えば、図2の例では、携帯機200のCPU230は、図2のタイミングt4でACKを送信してからTDx[s]後に、受信部210にてChallengeを受信すると、これに応答して、タイミングt5でResponseを送信する。
【0089】
このように、車両側ユニットは、携帯機200に対して所定時間毎にWAKEを送信し、このWAKEに応答して携帯機200からACKを受信すると、予め設定された車両側ユニットに固有な送信間隔でChallengeを送信する。一方、携帯機200は、電池から電源供給されて動作するものであり、WAKEを受信すると、ACKを送信するとともに、車両側ユニットに固有な送信間隔に応じて、Challengeが送信されるタイミングでChallengeを受信可能状態とする。つまり、携帯機200は、車両側ユニットがChallengeを送信するタイミング、携帯機200のChallengeを受信するタイミングが一致した場合にのみ、Challengeを受信できるとともに、Responseを送信することができる。
【0090】
このような車両側ユニットと携帯機200との双方向通信を通じて、車両側ユニットは、通信相手となった携帯機200の識別コードを取得することができる。そして、照合ECU105は、携帯機200から送信されるResponseに含まれる識別コードが予め登録されている登録コードと一致等、所定の関係を満足するかの照合を行う(照合手段)。
【0091】
そして、照合ECU105は、上述のように、所定の関係を満足するとの照合結果(照合OK)が得られた場合、車載機の制御を行うべく、制御信号をボデーECU106に出力する。一方、ボデーECU106は、照合ECU105から制御信号が入力された場合、その制御信号に応じて車載機を駆動制御する。
【0092】
例えば、車両ドアが閉じており、かつ、ロック(施錠)された状態で照合OKを示す照合結果が得られた場合、照合ECU105は、各車両ドアのドアハンドルに設けられたタッチセンサー104に通電して、ユーザによるドアハンドルの操作を検知可能にする。そして、照合ECU105は、タッチセンサー104により、ユーザの操作が検知されると、ボデーECU106を介してドアロックモーター107(車両ドアロック手段)にアンロック(開錠)指示を出力して、各車両ドアをアンロック(開錠)する(車両ドアロック制御手段)。
【0093】
逆に、照合ECU105は、車両ドアがロックされていない状態で照合OKを示す照合結果が得られ、かつユーザによりロックスイッチ108(後述する)が操作されたことが検知されると、ボデーECU106を介してドアロックモーター107にロック指示を出力して各車両ドアをロック(施錠)する(車両ドアロック制御手段)。
【0094】
このとき、ボデーECU106は、例えば、各車両ドアのロック・アンロック状態を制御するための駆動信号(ロック信号、アンロック信号)を各車両ドアに設けられたドアロックモーター107に出力する。ドアロックモーター107は、ボデーECU106からロック信号またはアンロック信号が送信されたとき、そのロック信号またはアンロック信号に応じて正転/逆転することによって各車両ドアをロック、またはアンロックする。
【0095】
このようにすることによって、携帯機200と車両側ユニットとの双方向通信によって、車両ドアを開錠することができる。
【0096】
また、車載機としてドアミラーモーター111を採用する場合、照合ECU105は、照合OKを示す照合結果が得られると、ドアミラーモーター111を駆動制御してドアミラーを回転させる。より具体的には、照合ECU105は、照合OKを示す照合結果が得られると、ドアミラーを格納位置から展開位置に回転することを指示する制御信号をボデーECU106に出力する。そして、ボデーECU106は、この制御信号が入力された場合、その制御信号に応じて、ドアミラーモーター111に対して制御信号(駆動信号)を出力することで、ドアミラーが格納位置から展開位置に回転するようにドアミラーモーター111を駆動制御する。
【0097】
このようにすることによって、携帯機200を持った正規のユーザが車両100に近づいた場合などに、車両100のドアミラーを回転(すなわち、格納位置から展開位置に回転)させることができる。つまり、車両が正規のユーザを迎える機能を実行することができる。
【0098】
また、車載機としてシートモーター112を採用する場合、照合ECU105は、照合OKを示す照合結果が得られると、シートモーター112を駆動制御して座席を移動させる。より具体的には、照合ECU105は、照合OKを示す照合結果が得られると、予め設定された位置(正規のユーザの好みの位置)まで座席をスライドすることを指示する制御信号をボデーECU106に出力する。そして、ボデーECU106は、この制御信号が入力された場合、その制御信号に応じて、シートモーター112に対して制御信号(駆動信号)を出力することで、予め設定された位置まで座席をスライドするようにシートモーター112を駆動制御する。
【0099】
このようにすることによって、携帯機200を持った正規のユーザが車両100に近づいた場合などに、車両100の座性を移動させることができる。つまり、車両100が正規のユーザを迎えていることを示すウェルカム機能を実行することができる。
【0100】
また、車載機としてドアミラーランプ113を採用する場合、照合ECU105は、照合OKを示す照合結果が得られると、ドアミラーランプ113を点灯制御する。より具体的には、照合ECU105は、照合OKを示す照合結果が得られると、予め設定された点灯状態(例えば、正規のユーザの好みの点灯状態)で点灯することを指示する制御信号をボデーECU106に出力する。そして、ボデーECU106は、この制御信号が入力された場合、その制御信号に応じて、ドアミラーランプ113に対して制御信号を出力することで、予め設定された点灯状態で点灯するようにドアミラーランプ113を点灯制御する。
【0101】
このようにすることによって、携帯機200を持った正規のユーザが車両100に近づいた場合などに、車両100のドアミラーランプ113を点灯させることができる。つまり、車両100が正規のユーザを迎えていることを示すウェルカム機能を実行することができる。
【0102】
また、車載機としてエアコンECU114を採用する場合、照合ECU105は、照合OKを示す照合結果が得られると、エアコンECU114を動作させる。より具体的には、照合ECU105は、照合OKを示す照合結果が得られると、予め設定された空調状態(正規のユーザの好みの空調状態)で動作することを指示する制御信号をボデーECU106に出力する。そして、ボデーECU106は、この制御信号が入力された場合、その制御信号に応じて、エアコンECU114に対して制御信号を出力することで、予め設定された空調状態で動作するようにエアコンECU114を駆動制御する。
【0103】
このようにすることによって、携帯機200を持った正規のユーザが車両100に近づいた場合などに、エアコンECU114(空調)を動作させることができる。つまり、車両100が正規のユーザを迎えていることを示すウェルカム機能を実行することができる。
【0104】
このように、車両側ユニットは、ACK(レスポンス信号)を受信すると、予め設定された車両側ユニットに固有な送信間隔でChallenge(リクエスト信号)を送信する。また、携帯機200は、WAKE(リクエスト信号)を受信すると、車両側ユニットに固有な送信間隔で要求信号が送信されるタイミングで受信可能状態とする。よって、携帯機200は、自車両の車両側ユニットから送信されたChallenge(リクエスト信号)のみを受信することができる。従って、複数の車両(ここでは、車両100A〜100D)に搭載された車両側ユニットにおける検知エリアが重複した領域に携帯機200があった場合でも、他車両(ここでは、車両100A〜100C)に搭載された車両側ユニットから送信されたChallenge(リクエスト信号)の受信を低減できる。つまり、他車両に搭載された車両側ユニットから送信されたWAKE(リクエスト信号)を一度は受信したとしても、それ以降に他車両に搭載された車両側ユニットから送信されたChallenge(リクエスト信号)を受信することを低減できる。よって、他車両に搭載された車両側ユニットから送信された要求信号に応答してResponse(レスポンス信号)を送信することを低減できるので、携帯機200の電池消耗を抑制することができる。
【0105】
さらに、複数の車両(ここでは、車両100A〜100D)に搭載された車両側ユニットにおける検知エリアが重複した領域に携帯機200があった場合でも、携帯機200の検知遅れを抑制することもできる。
【0106】
例えば、図4に、比較例の車載機制御システムでのタイムチャートを示す。この図4に示すタイムチャートは、比較例における車載機制御システムを搭載した車両が図3のように、複数台(ここでは4台)隣り合って駐車しており、検知エリアが重複した領域に携帯機200がある場合のものである。
【0107】
この比較例の車載機制御システムは、携帯機200が他車両に搭載された車両側ユニットとの双方向通信を行なってしまい、自車両との双方向通信ができず、結果として、車載機を制御できないという問題を解決するためのものである。この車載機制御システムにおける処理動作は、携帯機200が他車両に搭載された車両側ユニットから送信されているリクエスト信号の干渉(放射されている電波の干渉)を受けている場合は、携帯機200に干渉を与えている側の車両側ユニットによるリクエスト信号を一定時間止めるものである。
【0108】
つまり、図4のタイミングt1のように、車両100D用の携帯機200と他車両100Aの車両側ユニットとが双方向通信を開始してしまった場合、この車両側ユニットは、一定回数(ここでは3回)照合不成立となると、電波の放射(リクエスト信号の送信)を一定時間停止する。この時点で、携帯機200と他車両100Aの車両側ユニットとが双方向通信を行なうことが一定時間は防止できる。
【0109】
その後、図4のタイミングt2のように、車両100D用の携帯機200と他車両100Bの車両側ユニットとが双方向通信を開始してしまった場合、この車両側ユニットは、一定回数(ここでは3回)照合不成立となると、電波の放射(リクエスト信号の送信)を一定時間停止する。この時点で、携帯機200と車両100Bの車両側ユニットとが双方向通信を行なうことを一定時間抑制できる。なお、リクエスト信号の送信を停止する期間によっては、この時点で、携帯機200と車両100Aの車両側ユニット及び車両100Bの車両側ユニットとが双方向通信を行なうことを一定時間抑制できる。
【0110】
その後、図4のタイミングt3のように、車両100D用の携帯機200と他車両100Cの車両側ユニットとが双方向通信を開始してしまった場合、この車両側ユニットは、一定回数(ここでは3回)照合不成立となると、電波の放射(リクエスト信号の送信)を一定時間停止する。この時点で、携帯機200と車両100Cの車両側ユニットとが双方向通信を行なうことを一定時間抑制できる。なお、リクエスト信号の送信を停止する期間によっては、この時点で、携帯機200と車両100Aの車両側ユニット、及び携帯機200と車両100Bの車両側ユニット、及び携帯機200と車両100Cの車両側ユニットとが双方向通信を行なうことを一定時間抑制できる。
【0111】
そして、図4のタイミングt4のように、車両100Aの車両側ユニット、車両100Bの車両側ユニット、車両100Cの車両側ユニットによるリクエスト信号の送信が停止されている場合、車両100D用の携帯機200と車両100Dの車両側ユニットとが双方向通信をできる状態になる。つまり、タイミングt1からタイミングt4まで、携帯機200の検知遅れが生じることになる。
【0112】
この比較例の場合、車室外送信機101のリクエスト信号の到達距離が1メートル程度であれば、隣り合う2台の車両に搭載された車両側ユニットによる検知エリアが重複する程度である。よって、隣り合う2台の車両に搭載された車両側ユニットによる検知エリアが重複する領域に携帯機200があったとしても、携帯機200の検知遅れが顕著になりにくい。
【0113】
これに対して、図3のように、隣り合う4台(すなわち、3台以上)の車両に搭載された車両側ユニットによる検知エリアが重複する領域に携帯機があった場合、携帯機200の検知遅れが顕著になる可能性がある。
【0114】
しかしながら、本実施形態における車載機制御システムにおいては、上述のように、携帯機200は、他車両に搭載された車両側ユニットから送信されたWAKE(リクエスト信号)を一度は受信したとしても、それ以降に他車両に搭載された車両側ユニットから送信されたChallenge(リクエスト信号)を受信することを低減できる。よって、複数の車両(ここでは、車両100A〜100D)に搭載された車両側ユニットにおける検知エリアが重複した領域に携帯機200があった場合でも、携帯機200の検知遅れを抑制することもできる。
【0115】
なお、本実施の形態においては、WAKEとChallengeの2つの要求信号、及び、各要求信号に対応する(すなわち、各要求信号に応答して送信する)ACKとResponseの2つの応答信号を採用して説明したが、本発明これに限定されるものではない。3つ以上の要求信号と、各要求信号に対応する3つ以上の応答信号とを採用することもできる。例えば、車両側ユニットは、要求信号として、WAKE、ビークルコード、キーコード、Challengeを採用してもよい。この場合、携帯機200は、WAKEに応答してACKを送信し、受信したビークルコードが携帯機200の記憶部240に記憶されているビークルコードと一致した場合にACKを送信し、受信したキーコードが携帯機200の記憶部240に記憶されているキーコードと一致した場合にACKを送信し、Challengeに応答してResponseを送信する。
【0116】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において(すなわち、本発明の技術的範囲に属する限り)、種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0117】
101 車室外送信機、102 車室内送信機、103 受信機、104 タッチセンサー、105 照合ECU、106 ボデーECU、107 ドアロックモーター、108 ロックスイッチ、109 ドアロックポジションセンサー、110 カーテシスイッチ、111 ドアミラーモーター、112 シートモーター、113 ドアミラーランプ、114 エアコンECU、100 車両、200 携帯機、210 受信部、220 送信部、230 CPU、240 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが携行可能な携帯機と、車両に搭載された車両側ユニットとを備え、前記車両側ユニットから車両周辺の所定範囲に送信される要求信号に応答して、前記携帯機が応答信号を送信する双方向通信を複数回行い、前記車両側ユニットが、前記携帯機から受信した応答信号に含まれる識別コードを予め登録してある登録コードと照合し、その照合が成立したとの照合結果が得られたことを条件として、車載機の制御を行なう車載機制御システムであって、
前記車両側ユニットは、
前記携帯機に対して前記要求信号を送信する車両側送信手段と、
前記携帯機からの前記応答信号を受信する車両側受信手段と、
前記車両側受信手段にて前記応答信号を受信すると、前記車両側送信手段に対して、予め設定された前記車両側ユニットに固有な送信間隔で前記要求信号を送信することを指示する車両側制御手段と、
前記携帯機は、電池から電源供給されて動作するものであり、
前記車両側ユニットからの前記要求信号を受信する携帯機側受信手段と、
前記車両側ユニットに対して前記応答信号を送信する携帯機側送信手段と、
前記車両側ユニットにおける前記送信間隔を記憶しておく携帯機側記憶手段と、
前記携帯機側受信手段にて前記要求信号を受信すると、前記携帯機側送信手段に対して前記応答信号の送信を指示するとともに、前記携帯機側記憶手段に記憶された前記送信間隔に応じて、前記携帯機側受信手段に対して次の前記要求信号が送信されるタイミングで受信可能状態となるように指示する携帯機側制御手段と、を備えることを特徴とする車載機制御システム。
【請求項2】
前記車両側送信手段は、前記要求信号として、所定時間毎に前記携帯機の起動を要求する起動要求信号を送信するものであり、
前記携帯機側制御手段は、前記車両側送信手段からの前記起動要求信号を受信待ちしている場合は低消費電力モードであるスリープ状態であり、前記携帯機側制御手段にて前記起動要求信号を受信すると起動してアクティブ状態に移行して、前記携帯機側送信手段に対して、前記応答信号として起動したことを示す起動応答信号の送信を指示するとともに、前記携帯機側記憶手段に記憶された前記送信間隔に応じて、前記携帯機側受信手段に対して前記要求信号が送信されるタイミングで受信可能状態となるように指示し、
前記車両側制御手段は、前記車両側受信手段にて前記起動応答信号を受信すると、前記車両側送信手段に対して、予め設定された前記車両側ユニットの固有の前記送信間隔で、前記要求信号として前記識別コードを含む前記応答信号の送信を要求する識別コード要求信号を送信することを指示し、
前記携帯機側送信手段は、前記識別コード要求信号が送信されるタイミングで前記携帯機側受信手段にて受信した当該識別コード要求信号に応答して、前記車両側ユニットに対して識別コードを含む前記応答信号を送信することを特徴とする請求項1に記載の車載機制御システム。
【請求項3】
前記車両側ユニットは、車両ドアの施錠及び開錠を行う車両ドアロック手段を前記車載機として制御する車両ドアロック制御手段を備えるものであり、
前記車両ドアロック制御手段は、前記車両側受信手段にて受信した前記応答信号に含まれる識別コードを予め登録してある登録コードと照合し、その照合が成立したとの照合結果が得られたことを条件として、前記車両ドアロック手段を開錠制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の車載機制御システム。
【請求項4】
前記車両側ユニットは、
ユーザが車両に対して所定の動作を行ったことを検出する動作検出手段と、
前記動作検出手段にてユーザが車両に対して所定の動作を行ったことが検出された動作時刻を取得する動作時刻取得手段と、
前記動作時刻取得手段にて取得した動作時刻に基づいて前記送信間隔を設定するとともに、設定した前記送信間隔を前記携帯機に送信する設定手段と、を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車載機制御システム。
【請求項5】
前記設定手段は、前記動作時刻取得手段にて取得した動作時刻と、前記車両側ユニットが搭載されている車両に固有な情報とに基づいて前記送信間隔を設定することを特徴とする請求項4に記載の車載機制御システム。
【請求項6】
前記車両側ユニットは、
前記動作検出手段として、ユーザが車両から降車したことを検出する降車検出手段と、
前記動作時刻取得手段として、前記降車検出手段にてユーザが車両から降車したことが検出された降車時刻を取得する降車時刻取得手段と、を備え、
前記設定手段は、前記降車時刻取得手段にて取得した降車時刻に基づいて前記送信間隔を設定するとともに、設定した前記送信間隔を前記携帯機に送信することを特徴とする請求項4又は5に記載の車載機制御システム。
【請求項7】
前記車両側ユニットは、
前記動作検出手段として、ユーザが車両に乗車したことを検出する乗車検出手段と、
前記動作時刻取得手段として、前記乗車検出手段にてユーザが車両に乗車したことが検出された乗車時刻を取得する乗車時刻取得手段と、を備え、
前記設定手段は、前記乗車時刻取得手段にて取得した乗車時刻に基づいて前記送信間隔を設定するとともに、設定した前記送信間隔を前記携帯機に送信することを特徴とする請求項4又は5に記載の車載機制御システム。
【請求項8】
前記車両側ユニットは、
前記動作検出手段として、ユーザが車両に搭載された車載機に対して操作を行ったことを検出する操作検出手段と、
前記動作時刻取得手段として、前記操作検出手段にてユーザが前記車載機に対して操作を行ったことが検出された操作時刻を取得する操作時刻取得手段と、を備え、
前記設定手段は、前記操作時刻取得手段にて取得した操作時刻に基づいて前記送信間隔を設定するとともに、設定した前記送信間隔を前記携帯機に送信することを特徴とする請求項4又は5に記載の車載機制御システム。
【請求項9】
前記送信間隔は、前記車両側ユニットが搭載されている車両に固有な情報に基づいて予め設定されるとともに、前記携帯機側記憶手段に記憶されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車載機制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−144865(P2012−144865A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2318(P2011−2318)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】