説明

車載装置及び情報配信システム

【課題】車載装置が搭載されている車両がユーザの生活圏内に存在するか否かに応じて、配信する情報の提供方法を変更することを可能とした、車載装置及び情報配信システムを提供することを目的とする。
【解決手段】車両の現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段(108)と、車載装置を使用するユーザの生活圏情報を設定する生活圏情報設定手段(102)と、生活圏情報に基づいて特定の地域を示す特定地域情報を設定する地域情報設定手段(101)と、現在位置情報及び特定地域情報をセンタに送信する送信手段(104)と、送信手段によって送信された現在位置情報と特定地域情報とが比較され、比較結果が一致したか否かに応じて提示方法が設定されたコンテンツ情報をセンタから受信する受信手段(104)と、受信手段により受信されたコンテンツ情報を表示する表示手段(103)を有することを特徴とする車載装置(100)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置及び情報配信システムに関し、特に車載装置が搭載される車両の現在位置情報に応じたコンテンツ情報の配信を受ける車載装置及びそのような車載装置を含む情報配信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
インターネットを利用し、予め定められた消費者のいる位置から所定の半径距離にある情報のみを、消費者に配信する地域限定Webサーバによる情報配信システム及び情報配信方法が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、ユーザが予め個人情報を好み保存サーバに保存し、保存された個人情報に基づいて情報提供サイトにおいて検索を行い、検索結果をユーザ端末に配信することによって、ユーザの個人情報に絞った情報を提供できるシステムが知られている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−281440号公報
【特許文献2】特開2006−309496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車載装置に対して情報の配信を行う場合、車載装置が搭載される車両が利用される状況(近所の買い物、通勤、旅行、観光等)に応じて、ユーザが必要とする情報は大きく異なる。例えば、現在位置が自宅周辺の場合は、普段よく移動している地域のため、その周辺の観光情報よりも、バーゲン情報等のような更新頻度の高い、旬で生活に密着した情報を欲し。逆に、現在位置が自宅周辺では無い場合は、普段あまり出かけない生活圏外のため、観光情報を欲する状況にある場合が多い。しかしながら、ユーザが現在の車両の利用状況をいちいち操作部を用いて入力するのでは操作が煩雑となるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、車載装置が搭載されている車両がユーザの生活圏内に存在するか否かに応じて、配信する情報の提供方法を設定することを可能とした、車載装置及び情報配信システムを提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、車両の使用状況の蓄積データから、現在、車載装置が搭載されている車両がユーザの生活圏内に存在するか否かに応じて、配信する情報の提供方法を設定することを可能とした、車載装置及び情報配信システムを提供することを目的とする。
【0008】
さらに、本発明は、車載装置が搭載された車両の利用状況に応じて、最適な地域情報の配信を可能とした、車載装置及び情報配信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る車載装置は、車載装置を搭載した車両の現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段と、車載装置を使用するユーザの生活圏情報を設定する生活圏情報設定手段と、生活圏情報設定手段により設定された生活圏情報に基づいて特定の地域を示す特定地域情報を設定する地域情報設定手段と、現在位置情報取得手段により取得された現在位置情報及び地域情報設定手段によって設定された特定地域情報をセンタに送信する送信手段と、送信手段によって送信された現在位置情報と特定地域情報とが比較され、比較結果が一致したか否かに応じて提示方法が設定されたコンテンツ情報をセンタから受信する受信手段と、受信手段により受信されたコンテンツ情報を表示する表示手段を有することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る情報配信システムは、車載装置を搭載した車両の現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段と、車載装置を使用するユーザの生活圏情報を設定する生活圏情報設定手段と、生活圏情報設定手段により設定された生活圏情報に基づいて特定の地域を示す特定地域情報を設定する地域情報設定手段と、現在位置情報取得手段により取得された現在位置情報及び前記地域情報設定手段によって設定された特定地域情報をセンタに送信する送信手段と、センタから配信される前記コンテンツ情報を受信する受信手段と、を有する車載装置と、車載装置から現在位置情報及び特定地域情報を受信するセンタ受信手段と、センタ受信手段により受信された現在位置情報及び特定地域情報を比較する比較手段と、比較手段により比較された比較結果に基づいて車載装置に配信するコンテンツ情報の提示方法を設定する提示方法変更手段と、提示方法変更手段によって設定された提示方法でコンテンツ情報を車載装置に配信する配信手段を有するセンタと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、車載装置側で取得される現在位置情報及び特定地域情報に基づいて、センタ側で車載装置が搭載される車両の状況を推定し、推定された状況に合致した地域情報を選択して車載装置に配信するので、常に状況に適した情報の配信を受けることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】情報配信を実施するための全体システム概略構成図である。
【図2】地域情報配信における処理フローの一例を示す図である。
【図3】地域情報配信における表示画面の移り替りを示す図である。
【図4】選択情報の一例を示す図である。
【図5】出典元情報の配信における処理フローの一例を示す図(1)である。
【図6】出典元情報の配信における処理フローの一例を示す図(2)である。
【図7】出典元情報の配信における処理フローの一例を示す図(3)である。
【図8】出典元情報の配信における表示画面の移り替りを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る車載装置及び情報配信システムを図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ。また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を付加した形態で実施することも可能である。
【0014】
図1は、車載装置への地域情報配信を実施するための全体システム概略構成図である。
【0015】
車載装置100は車両(図示せず)に搭載された機器であって、インターネット接続プロバイダ200を介してインターネット400に接続することができ、Web上のセンタ500にアクセス可能に構成されている。また、センタ500は、複数のコンテンツプロバイダ300から入手した地域関連情報等を内部データベースに記録し、車載装置100に対して配信できるように構成されている。
【0016】
車載装置100は、制御部101、操作ボタン、タッチパネル及び/又はリモコン等を含む操作部102、薄型液晶ディスプレイ等によって構成される表示部103、インターネット接続プロバイダ200を介してインターネットに接続してセンタ500との間でデータの送受信を行うための送受信部104、スピーカ等から構成される音声出力部105、マイク等から構成される音声入力部106、VICS(Vehicle Information and Communication System)情報受信部107、GPS情報受信部108、ジャイロセンサ109、車速パルス受信部110、車両のシートに配置されて乗員がシートに着座しているか否かを検出するシートセンサ111、車両に備えられたエンジン始動用のキーシリンダと電気的に一体に構成されているアクセサリスイッチ(ACCスイッチ)112、ナビゲーションの為等に利用される地図情報を記録するためのハードディスク、DVD又はCD等の記録媒体から構成される地図情報記憶部120、地域関連情報等を含むコンテンツ情報を記録するためのハードディスク等の記録媒体から構成されるコンテンツ情報記録部130、GPS情報受信部108で受信した緯度・経度情報からなる現在位置情報を定期的に記録するGPS情報記録部140等から構成されている。
【0017】
制御部101は、CPU、RAM、ROM、I/O、バス等から構成され、予め記憶されたプログラムに従い、各種検出機能によって車載装置100が搭載される車両の状況データ等を取得してセンタ500へ送信し、センタ500から情報の配信を受けて、受信した情報を表示部103に表示する。
【0018】
また、制御部101は、予め記憶されたプログラムに従い、地図情報記憶部120に記憶された地図情報、VICS情報受信部107が受信した渋滞情報、交通規制情報及び気象情報等を含む車両の走行に関連する走行関連情報、GPS情報受信部108が受信した車両の現在位置情報及び現在日時情報、ジャイロセンサ109から取得した車両の進行方向情報、及び車速パルス受信部110が受信した車速パルス等を用い、操作部102、表示部103、音声出力部105及び音声入力部106を利用してナビゲーション動作を行う。さらに、操作部102を操作することによって、ユーザは、任意に、生活圏情報(自宅の位置情報等)を車載装置100に設定することが可能である。
【0019】
インターネット接続プロバイダ200は、複数の基地局201と接続された移動通信網202を有しており、移動通信網202と接続されたゲートウエイ203を介してインターネットへの接続サービスを提供する。
【0020】
コンテンツプロバイダ300は、インターネット400のWeb上に接続可能に配置されており、各々が地域関連情報を提供し、センタ500によってその内容が検索可能に構成されている。
【0021】
センタ(又はセンタサーバ)500は、管理部501、インターネット400と接続するためのルータ502、ユーザプロファイル情報を記録するためのユーザプロファイル情報記録部503、地域関連情報を含むコンテンツ情報を記録するためのコンテンツ情報記録部504、選択履歴情報を記録するためのコンテンツ選択履歴情報505等を有し、それぞれがLAN507により相互にテータの送受信を行えるように構成されている。
【0022】
管理部501は、パーソナルコンピュータ等より構成され、CPU,RAM、ROM、キーボード及びマウス等を含む操作部、液晶ディスプレイ等を含む表示部、ハードディスク等のデータ記録部等を含んで構成されている。管理部501は、車載装置100から車載装置100が搭載される車両の状況データ等を受信して、状況データに応じた地域情報を車載装置100へ配信する。また、センタ500は、所定のタイミングで、インターネット400を介して複数のコンテンツプロバイダ300のWebサイトにアクセスし、各種地域関連情報を取得して、コンテンツ情報記録部504に予め蓄積する。さらに、センタ500は、各車載装置100に対応したユーザプロファイルを作成してユーザプロファイル情報記録部503に記録するとともに、車載装置100との通信のたびに取得した各種情報についても同記録部503に追加的に記録する。
【0023】
以下、図2及び3を用いて、車載装置100への地域関連情報の配信について説明する。
【0024】
図2は、車載装置とセンタにおける処理フローの一例を示す図である。また、図3は、車載装置100の表示部103に表示される配信情報に関する表示画面の移り替りを示す図である。
【0025】
図2に示す処理フローは、車載装置100側では制御部101が予め記録されたプログラムに従って車載装置100に含まれる各要素と協働して実行し、センタ500側では管理部501が予め記録されたプログラムに従ってセンタ500に含まれる各要素と協働して実行するものとする。また、図2に示す処理フローが実行される際には、車載装置100側では不図示の電源から車載装置100の各要素に対して適切な電力が供給され動作可能な状態となっており、センタ500側においても不図示の電源からセンタ500の各要素に対して適切な電力が供給され動作可能な状態となっているものとする。
【0026】
最初に、車載装置100の制御部101は、ACCスイッチ112がONされたか否かを検出し(S10)、ACCスイッチ112がONされた場合には、状況データとしての同乗者情報を取得する(S11)。同乗者情報は、本例の場合、シートセンサ111からの検出出力を言い、シートセンサ111からの検出出力を受信した場合に、制御部101が同乗者が存在すると判断する。しかしながら、シートに荷物を置く場合もあるので、シートベルトが利用されたことを検出するシートベルトセンサ(不図示)を利用又は兼用して、同乗者の有無を判断するようにしても良い。
【0027】
次に、制御部101は、車両の現在位置情報(緯度、経度情報)をGPS情報受信部108から取得し(S12)、現在位置情報及び設定された生活圏情報に基づいて、特定地域情報としてのエリア情報を作成する。エリア情報とは、車両が生活圏内に存在するか否かを示すデータであって、例えば、予め登録された自宅の位置を中心として半径3キロ以内の地域を生活圏内エリア、その他を生活圏外エリアと定めることができる。この場合、生活圏内エリアとは、例えば、ユーザの自宅付近の地域のことを示し、生活圏外エリアとは、例えばユーザの自宅付近外の地域を示す。
【0028】
なお、制御部101が生活圏内外のエリアを定める上記条件は一例であって、他の基準を定めることも可能である。例えば、車両を止めた地点が、スーパーやデパートの駐車場であり、所定時間以上経過している場合は、その場所を中心とした領域をユーザの生活圏内であると判断し、エリア情報を更新するように制御することも可能である。また、日常の車両の使用状況を監視し、特定の場所(スーパー、デパート、又は会社等)に、毎日又は毎週に渡って何度も行く場合、その特定の場所を中心とした領域をユーザの生活圏内であると判断し、エリア情報を更新するように制御することも可能である。なお、車両の使用状況の監視は、目的地設定での緯度・経度情報及び車両の現在位置の緯度・経度情報等を定期的に取得して、GPS情報記録部140に記録し、緯度・経度情報を統計的に処理することによって、ユーザの生活圏を定め、それに応じてエリア情報を変更更新・設定することも可能である。
【0029】
次に、制御部101は、送受信部104を制御してセンタ500への通信プロトコルを開始し、S12で作成したエリア情報、S12で取得した現在位置情報及びS11で取得した同乗者情報をセンタ500へ送信する(S13)。
【0030】
センタ500の管理部501は、エリア情報、現在位置情報及び同乗者情報を取得すると(S30)、現在位置情報に基づいて地域情報をコンテンツ情報記録部504から検索して取得し、エリア情報と現在位置情報とを比較し、現在位置情報がエリア情報と一致すると(エリア情報内に現在位置情報が含まれると)、該当車両は生活圏内に存在すると判断する(S31)。なお、ユーザが、自宅付近(自宅の所在地を中心とした所定距離範囲内)と、自宅から離れた会社付近(会社の所在地を中心とした所定距離範囲内)を頻繁に移動し、自宅から会社までの経路は固定している場合等には、自宅付近と会社付近の両者、又は自宅付近、会社付近及び自宅と会社との経路を、生活圏内と見なし、その領域をエリア情報として登録することも可能である。また、エリア情報と現在位置情報が完全に一致しなくても、所定のグレーゾーンを設け、その範囲内であれば、現在位置情報がエリア情報と一致したと判断するようにしても良い。
【0031】
次に、管理部501は、車載装置100が生活圏内にある場合には、取得した地域情報の中から、季節情報(例えば、そのエリア付近のバーゲン情報、夏祭り情報等)を選択し(S32)、車載装置100が生活圏外にある場合には、取得した地域情報の中から、観光情報(例えば、名所旧跡情報、歴史的建造物情報等)を選択する(S33)。ここで、季節情報とは、地域情報が特定している地域に密着した情報で、短い周期やリアルタイムで更新され、ユーザの生活に役立つ情報である。一方、観光情報は、一般の生活には必要とされない情報であり、情報の更新も季節情報と比較して頻繁に行われず、イベントが発生した場合等に更新が行われるような情報である。
【0032】
次に、管理部501は、選択された地域情報(季節情報又は観光情報)を、同乗者情報及びコンテンツ選択履歴記録部505に記録された選択履歴情報に基づいて、並び替え(S34)、並び替えられた地域情報を車載装置100へ配信する(S35)。なお、現在位置情報に応じた地域情報(季節情報又は観光情報)が存在しない場合には、地域情報を車載装置100側へは配信しない。また、車両が生活圏内に存在するか否かによって、季節情報及び観光情報の何れか一方のみを選択して(並び替えを行わずに)配信するように提示方法を設定し、配信するデータ量を最小限にするようにしても良い。
【0033】
車載装置100の制御部101では、地域情報を取得し(S14)、コンテンツ情報記録部130に記録した後、地域情報を取得したことを表示部103に表示する(S15)。
【0034】
図3の表示画面例10は、地図表示11を利用してナビゲーション動作を実行中に、地域情報を受信した場合の表示例を示している。表示画面例10では、地域情報を取得したことが領域12に表示されている。操作部102を利用して、領域13を選択することによって、詳細な地域情報が表示画面例20に示すように表示される。表示画面例20の例では、車両が生活圏外に存在したため、観光情報が送信された例を示している。表示された情報コンテンツの内の一つにカーソル21を合わせ、「決定」キー23を選択することによって、選択された情報コンテンツの詳細を、表示画面例30に示す様に、表示部103に表示させることが可能となる。なお、「戻る」キー22を選択することにより、表示画面例20から表示画面例10へ遷移する。
【0035】
表示画面例30において、操作部102を利用して、「地図」キー33を選択することによって、表示画面例40に示す様に、選択された情報コンテンツの地図情報(観光地付近の地図情報)41を、表示部103に表示させることが可能となる。なお、「戻る」キー32を選択することにより、表示画面例30から表示画面例20へ遷移する。
【0036】
表示画面例40において、操作部102を利用して、「目的地設定」キー43を選択することによって、表示画面例50に示す様に、選択した観光地をナビゲーションを行うための目的地に設定することが可能となる。なお、確認のため、表示画面例50に示すように、選択された観光地が目的地として(52)に設定されたことを示す地図表示51を行うことが好ましい。なお、「戻る」キー42を選択することにより、表示画面例40から表示画面例30へ遷移し、「現在位置」キー53を選択することにより、従来のナビゲーション画面である表示画面例10へ遷移する。
【0037】
また、制御部101は、表示画面例20においてユーザがカーソル21を移動させることによって情報コンテンツを選択した選択情報を取得し(S16)、取得した選択情報及びS11で取得した同乗者情報をセンタ500へ送信して(S17)、一連の処理を終了する。制御部101は、所定のタイミングで、繰り返し、図2に示す車載装置100側の処理フローを実行する。
【0038】
センタ500の管理部501は、選択情報及び同乗者情報を取得すると(S36)、取得した選択情報を同乗者情報とリンクさせてコンテンツ選択履歴記録部505に記録して(S37)、一例の処理を終了する。取得された選択情報及び同乗者情報は、送信元の車載装置100に関する情報(車載装置ID等)及びS35で送信された地域情報とリンクしてコンテンツ選択履歴記録部505に記録される。
【0039】
S37で記録された情報は、S34で情報コンテンツの並び替えを行う場合に利用される。すなわち、同乗者がいる場合といない場合において、もっとも選択される頻度が高かった情報コンテンツが、並び順の上になるように選択される。
【0040】
図4は、選択情報の一例を示す図である。
【0041】
同乗者がいる場合と、いない場合では、生活圏内での行動であっても、必要とする情報が異なる場合がある。例えば、同乗者がいる場合、生活圏内であっても、何処かのイベントに参加しようとしている可能性が高い。逆に、生活圏外であっても、同乗者がいる場合と、いない場合とで、同様のことが言える場合がある。
【0042】
図4(a)は、同乗者がいない場合に、今までに季節情報に含まれる情報コンテンツ毎に選択された回数の一例を示し、図4(b)は、同乗者がいる場合に、いままでに季節情報に含まれる情報コンテンツ毎に選択された回数の一例を示している。車両が生活圏内に存在する場合、季節情報が車載装置100に送信されるが、例えば、同乗者がいない旨の同乗者情報をS30で受信した場合には、管理部501は、図4(a)に示すように、情報コンテンツを頻度順に並び変える様に提示方法を設定して、S35において車載装置100へ配信する。また、管理部501は、同乗者がいる旨の同乗者情報をS30で受信した場合には、図4(b)に示すように、情報コンテンツを頻度順に並び変えて、S35において車載装置100へ配信する。このように、同乗者の有無によって配信情報を並び替えるのは、同乗者の有無に応じて目的地や走行の目的等が決定される傾向があるからであり、同乗者情報を用いて配信情報の並べ替えを行うことによって、よりユーザの嗜好にあった情報コンテンツを並び順の上位にランク付けることが可能となる。即ち、過去の車両を使用した状況のデータから、ユーザがどういった場合に、どのような情報を欲するのかを推定し、ユーザに情報を提示することが可能となる。
【0043】
ところで、上記の例では、常に同乗者情報を利用したが、必ずしも同乗者情報を用いなくても良い。
【0044】
以下、図5〜図8を用いて、車載装置100への地域に特化した雑誌等に基づく出典元情報の配信について説明する。
【0045】
図5〜図7は、車載装置とセンタにおける処理フローの一例を示す図である。また、図8は、車載装置100の表示部103に表示される配信情報に関する表示画面の移り替りを示す図である。
【0046】
図5〜図7に示す処理フローは、車載装置100側では制御部101が予め記録されたプログラムに従って車載装置100に含まれる各要素と協働して実行し、センタ500側では管理部501が予め記録されたプログラムに従ってセンタ500に含まれる各要素と協働して実行するものとする。また、図5〜図7に示す処理フローが実行される際には、車載装置100側では不図示の電源から車載装置100の各要素に対して適切な電力が供給され動作可能な状態となっており、センタ500側においても不図示の電源からセンタ500の各要素に対して適切な電力が供給され動作可能な状態となっているものとする。
【0047】
最初に、図5を用いて出典元リストの配信について説明する。車載装置100の制御部101は、現在位置情報をGPS情報受信部108から取得する(S40)。次に、制御部101は、送受信部104を制御してセンタ500への通信プロトコルを開始し、S40で取得した現在位置情報及び出典元リスト要求をセンタ500へ送信する(S41)。
【0048】
センタ500の管理部501は、現在位置情報および出典元リスト要求を受信すると(S50)、現在位置情報に基づいた地域関連情報としての出典元リストをコンテンツ情報記録部504から取得し(S51)、取得した出典元リストの情報コンテンツをコンテンツ選択履歴記録部505に記録された履歴情報に基づいて並べ替える様に提示方法を設定して(S52)、処理済みの出典元リストを車載装置100へ送信する(S53)。
【0049】
出典元リストは、例えば、北海道、東北、北陸、関東、東海、関西、山陽、山陰、四国、九州等といった範囲毎、または各都道府県毎、特に情報量が多い、東京及び大阪等では各市町村毎に、予め用意され、コンテンツ情報記録部504に記録されている。これらの出典元は、地域情報の更新頻度が高く、また、生活圏内外の両方の情報が充実しているという特徴がある。管理部501は、S50で受信した車載装置100が搭載される車両の現在位置情報に対応する特定の出典元リストを取得する。
【0050】
制御部101は、出典元リストを受信すると(S42)、コンテンツ情報記録部130に記録した上で、表示部103にその内容を表示する(S43)。出典元リストの内容は、例えば、図8の画面表示例60に示されるように、「○○カレンダー」、「△なび(関東)」、「□□Papper(渋谷)」、「□□Papper(新宿)」、「☆☆Waker」といった情報コンテンツから構成される。
【0051】
図8の表示画面例60の例では、操作部102を利用して、表示された情報コンテンツの内の一つにカーソル61を合わせ、「決定」キー63を選択することによって、選択された出典元の特集リストを、表示画面例70に示す様に、表示部103に表示させることが可能となる。なお、「戻る」キー62を選択することにより、表示画面例60から出典元リストを表示する前の標準画面やナビゲーション用の地図表示画面(図3の表示画面例10参照)へ遷移する。
【0052】
制御部101は、出典元リストの項目をユーザがカーソル61を移動させることによって選択した選択情報を取得し(S44)、選択情報をセンタ500へ送信して(S45)、出典元リストの表示・選択に関する一連の動作を終了する。
【0053】
管理部501では、選択情報を取得すると(S54)、コンテンツ選択履歴記録部505に記録し(S55)、出典元リストの配信に関する一連の動作を終了する。コンテンツ選択履歴記録部505に記録された選択情報は、S52における出典元リストの並び替えに利用される。すなわち、同じ車載装置100における同じ地域の出典元リストに関して(提示方法が設定されて)選択された情報コンテンツの頻度に応じて、次回の出典元リストの項目が並び替えられて、車載装置100へ配信されることとなる。
【0054】
次に、図6を用いて特集リストの配信について説明する。車載装置100の制御部101は、ユーザによって、操作部102を用いて選択された出典元リストの項目を取得する(S60)。次に、制御部101は、送受信部104を制御してセンタ500への通信プロトコルを開始し、S60で取得した出典元リストの項目及び特集リスト要求をセンタ500へ送信する(S61)。なお、これらのステップ(S60及びS61)は、図5における選択情報の取得(S44)及び選択情報の送信(S45)と重複する部分があるので、同じ処理ステップとして実現するようにしても良い。
【0055】
センタ500の管理部501は、出典元項目及び特集リスト要求を受信すると(S70)、出典項目に応じた特集リストをコンテンツ情報記録部504から取得し(S71)、取得した特集リストの情報コンテンツをコンテンツ選択履歴記録部505に記録された履歴情報に基づいて並べ替え(S72)、処理済みの特集リストを車載装置100へ送信する(S73)。
【0056】
制御部101は、特集リストを受信すると(S62)、コンテンツ情報記録部130に記録した上で、表示部103にその内容を表示する(S63)。特集リストの内容は、例えば、図8の表示画面例70に示されるように、「夏のご馳走“○○”」、「リゾート気分で△△」、「新規掲載店舗」といった情報コンテンツから構成される。
【0057】
表示画面例70の例では、操作部102を利用して、表示された情報コンテンツの内の一つにカーソル71を合わせ、「決定」キー73を選択することによって、選択された特集に対応する施設リストを、表示画面例80に示す様に、表示部103に表示させることが可能となる。なお、「戻る」キー72を選択することにより、表示画面例70から表示画面例60へ遷移する。
【0058】
制御部101は、特集リストの項目をユーザがカーソル71を移動することにより選択した選択情報を取得し(S64)、選択情報をセンタ500へ送信して(S65)、特集リストの表示・選択に関する一連の動作を終了する。
【0059】
管理部501では、選択情報を取得すると(S74)、コンテンツ選択履歴記録部505に記録し(S75)、特集リストの配信に関する一連の動作を終了する。コンテンツ選択履歴記録部505に記録された選択情報は、S72における特集リストの並び替えに利用される。すなわち、同じ車載装置100における同じ特集リストに関して選択された情報コンテンツの頻度に応じて、次回の特集リストの項目が並び替えられて、車載装置100へ配信されることとなる。
【0060】
次に、図7を用いて施設リストの配信について説明する。車載装置100の制御部101は、ユーザによって、操作部102を用いて選択された特集リストの項目を取得する(S80)。次に、制御部101は、送受信部104を制御してセンタ500への通信プロトコルを開始し、S80で取得した特集リストの項目及び施設リスト要求をセンタ500へ送信する(S81)。なお、これらのステップ(S80及びS81)は、図6における選択情報の取得(S64)及び選択情報の送信(S65)と重複する部分があるので、同じ処理ステップとして実現するようにしても良い。
【0061】
センタ500の管理部501は、特集リストの項目及び施設リスト要求を受信すると(S90)、特集リストの項目に応じた施設リストをコンテンツ情報記録部504から取得し(S91)、取得した施設リストの情報コンテンツをコンテンツ選択履歴記録部505に記録された履歴情報に基づいて並べ替え(S92)、処理済みの施設リストを車載装置100へ送信する(S93)。
【0062】
制御部101は、施設リストを受信すると(S82)、コンテンツ情報記録部130に記録した上で、表示部103にその内容を表示する(S83)。施設リストの内容は、例えば、図8の表示画面例80に示されるように、「○○○本店」、「△△△店」、「□□□店」といった情報コンテンツから構成される。
【0063】
表示画面例80の例では、操作部102を利用して、表示された情報コンテンツの内の一つにカーソル81を合わせ、「決定」キー83を選択することによって、選択された施設の詳細情報の特集を、表示画面例90に示す様に、表示部103に表示させることが可能となる。なお、「戻る」キー82を選択することにより、表示画面例80から表示画面例70へ遷移する。
【0064】
制御部101は、施設リストの項目をユーザがカーソル81を移動させることによって選択した選択情報を取得し(S84)、選択情報をセンタ500へ送信して(S85)、施設リストの表示・選択に関する一連の動作を終了する。
【0065】
管理部501では、選択情報を取得すると(S94)、コンテンツ選択履歴記録部505に記録し(S95)、施設リストの配信に関する一連の動作を終了する。コンテンツ選択履歴記録部505に記録された選択情報は、S92における特集リストの並び替えに利用される。すなわち、同じ車載装置100における同じ施設リストに関して選択された情報コンテンツの頻度に応じて、次回の施設リストの項目が並び替えられて、車載装置100へ配信されることとなる。
【0066】
車載装置100側において、表示部103に表示した施設の詳細情報(図8の表示画面例90参照)において、「戻る」キー92を選択することにより、表示画面例90から表示画面例80へ遷移する。また、「地図」キー93を選択すれば、表示画面例95へ遷移して、施設周辺の地図96が表示され、「目的地設定」キー97を選択することによって、選択された施設を目的地に設定してナビゲーション動作を行うように設定することができる。なお、表示画面例95において、「戻る」キー98を選択することによって、表示画面例95から表示画面例90に遷移する。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、車載装置における地域情報及び/又は出典元情報の配信のみ可能な情報配信装置として構成されることも可能であるが、ナビゲーション装置、地上波デジタルTV、CD/DVD/ブルーレイディスクプレーヤ等に組み込む形で実施されても良い。
【符号の説明】
【0068】
100 車載装置
101 制御部
103 表示部
130 コンテンツ情報記録部
500 センタ
501 管理部
503 ユーザプロファイル情報記録部
504 コンテンツ情報記録部
505 コンテンツ選択履歴記録部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信によりセンタからコンテンツ情報を取得する車載装置であって、
前記車載装置を搭載した車両の現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段と、
前記車載装置を使用するユーザの生活圏情報を設定する生活圏情報設定手段と、
前記生活圏情報設定手段により設定された生活圏情報に基づいて、特定の地域を示す特定地域情報を設定する地域情報設定手段と、
前記現在位置情報取得手段により取得された前記現在位置情報及び前記地域情報設定手段によって設定された前記特定地域情報をセンタに送信する送信手段と、
前記送信手段によって送信された前記現在位置情報と前記特定地域情報とが比較され、比較結果が一致したか否かに応じて提示方法が設定されたコンテンツ情報をセンタから受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記コンテンツ情報を表示する表示手段と、
を有することを特徴とする車載装置。
【請求項2】
前記地域情報設定手段は、前記現在位置情報取得手段により定期的に取得された現在位置情報に基づいて生活圏内か否かを判断する、ことを特徴とする請求項1に記載の車載装置。
【請求項3】
前記車載装置を搭載した車両に同乗者が存在するか否かを判断する同乗者判断手段を更に有し、
前記送信手段は、前記同乗者判断手段により判断された同乗者有無情報を送信し、
前記受信手段は、前記同乗者有無情報に基づいて提示方法がさらに変更された前記コンテンツ情報を受信する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車載装置。
【請求項4】
前記受信手段は、前記送信手段によって送信された前記現在位置情報と前記特定地域情報とが比較され、比較結果が一致したか否かに応じて並び替えられた前記コンテンツ情報を受信する、ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の車載装置。
【請求項5】
通信によりコンテンツ情報を車載装置に配信する情報配信システムであって、
前記車載装置は、
前記車載装置を搭載した車両の現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段と、
前記車載装置を使用するユーザの生活圏情報を設定する生活圏情報設定手段と、
前記生活圏情報設定手段により設定された生活圏情報に基づいて、特定の地域を示す特定地域情報を設定する地域情報設定手段と、
前記現在位置情報取得手段により取得された前記現在位置情報及び前記地域情報設定手段によって設定された前記特定地域情報をセンタに送信する送信手段と、
前記センタから配信される前記コンテンツ情報を受信する受信手段と、を有し、
前記センタは、
前記車載装置から前記現在位置情報及び前記特定地域情報を受信するセンタ受信手段と、
前記センタ受信手段により受信された前記現在位置情報及び前記特定地域情報を比較する比較手段と、
前記比較手段により比較された比較結果に基づいて、前記車載装置に配信するコンテンツ情報の提示方法を設定する提示方法変更手段と、
前記提示方法変更手段によって設定された提示方法で前記コンテンツ情報を前記車載装置に配信する配信手段と、を有する、
ことを特徴とする情報配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−22756(P2011−22756A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−166700(P2009−166700)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(502324066)株式会社デンソーアイティーラボラトリ (332)
【Fターム(参考)】