説明

車間距離制御装置

【課題】より安全性の高いACC走行時の車線変更を実現する。
【解決手段】隣接車線を走行する車両の間を目標スペースとして車線変更する際、隣接車線における先行車両22との車間距離と後続車両23との車間距離とが等しくなるよう車速を制御し、車線変更後は、先行車両22との車間距離をACC設定車間距離に戻す際、後続車両23との車間距離が基準車間距離Lbase以下のときは、減速度を限定した上で先行車両22との車間距離がACC設定車間距離Laccとなるような車速を決定することで、より安全性の高いACC走行時の車線変更を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車線変更時の車間距離制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両走行制御装置の従来技術として、自車両の車線に先行車両が無い場合には定速走行を行い、自車両の車線に先行車両がある場合には先行車両との車間距離を予め設定した値に保つACC(Adaptive Cruse Controler:定速走行及び車間距離制御装置)が知られている。
【0003】
ACC走行中において隣接する車線を走行中の2台の車両の間に車線変更する際、先行車両や後続車両への衝突または進路妨害を防ぐ手段として、2台の車両の内より速い車両の車速を基準として自車両の車速を加減速させてから車線変更する装置(特許文献2参照)や、予め設定した車線変更時の先行車両との設定車間距離を取る際、後続車両との車間距離と相対速度も考慮し、先行車両との設定車間距離を取るように減速すると追突する可能性があるときには、自車両の運転手に対して警告を与える装置(特許文献1参照)等がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007‐186141号公報
【特許文献2】特開2002‐279599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような装置では、車線変更後に再度通常のACC走行に移行するまでの動作に何の制約も設けられていない。
【0006】
そのため、車線変更直後、先行車両との車間距離がACC走行時の設定車間距離に比べて短い場合、通常のACC走行に移行し、ACC走行時の設定車間距離にまで伸ばそうとすると、自車両が急激に減速してしまう可能性があり、後続車両の車速によっては衝突危険性が高まる場合も想定される。
【0007】
そこで本発明は上述の問題点を解消し、より安全性の高いACC走行時の車線変更時の動作を実現することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する第1の発明に係る車間距離制御装置は、
先行車両が無い場合には定速走行を行い、前記先行車両がある場合には前記先行車両との車間距離を予め設定した設定車間距離に保つように制御する車間距離制御装置において、
車線変更直後、前記先行車両との車間距離が前記設定車間距離よりも短い場合、
後続車両との車間距離が所定値以下のときは、減速度を限定する機能を設ける車線変更判断部と、
前記車線変更判断部で決定した前記減速度を実現するために、エンジン部、ブレーキ部及びトランスミッション部に動作指令を出す車両制御部を備えることを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決する第2の発明に係る車間距離制御装置は、
上記第1の発明に係る車間距離制御装置において、
前記車線変更判断部は、
車線変更前において、運転者に車線変更の意図がある旨の情報が入力されると、前記先行車両との車間距離及び前記後続車両との車間距離が、それぞれ車線変更の可否を判断する際に基準となる車線変更判断距離以上か否かを判断し、前記車線変更判断距離以上であれば、車線変更するための適切な加減速を決定する機能を設けることを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決する第3の発明に係る車間距離制御装置は、
上記第1または第2の発明に係る車間距離制御装置において、
車線変更前において、前記車線変更判断部が、前記先行車両との車間距離または前記後続車両との車間距離の内どちらか一方でも、車線変更の可否を判断する際に基準となる車線変更判断距離未満であると判断した場合に、警報により車線変更の先送りを前記運転者に促す情報提供部を備えることを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決する第4の発明に係る車間距離制御装置は、
上記第1乃至第3いずれか1つの発明に係る車間距離制御装置において、
前記車線変更判断部は、
車線変更中において、前記先行車両との車間距離と前記後続車両との車間距離が等しくなるように車速を決定する機能を設けることを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決する第5の発明に係る車間距離制御装置は、
上記第1乃至第4いずれか1つの発明に係る車間距離制御装置において、
前記自車両前方全体の状況を確認する車両前方監視部と、
前記自車両後側方及び後方の状況を監視する車両後側方監視部と、
前記運転者の車線変更の意図を、方向指示器操作部の操作及びハンドル部の角度から検出する運転操作検出部と、
前記車両前方監視部及び前記車両後側方監視部から入力した情報を基に、隣接車線の中で最も前記自車両から近い前方にある車両を前記先行車両として認識し、隣接車線の中で最も前記自車両から近い後側方にある車両を前記後続車両として認識し、前記先行車両及び前記後続車両の前記自車両に対する車間距離と相対速度をそれぞれ算出し、さらに、車線変更後まで前記先行車両及び前記後続車両の前記自車両に対する車間距離と相対速度をそれぞれ繰り返し算出し続ける他車両情報算出部と、
前記他車両情報算出部で算出した情報を記憶及び更新する他車両情報記憶部とを備え、
前記車線変更判断部は、前記他車両情報算出部、前記他車両情報記憶部及び前記運転操作検出部から入力した情報を基に作動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
上記第1の発明に係る車間距離制御装置によれば、車線変更後、先行車両と自車両との車間距離を設定車間距離まで広げるために減速する際、後続車両と自車両との車間距離が基準車間距離以下である場合、減速度を制限することで、先行車両及び後続車両との衝突危険性を低減することが可能となる。
【0014】
上記第2の発明に係る車間距離制御装置によれば、車線変更前に、予め車線変更が可能か否かを判断し、可能であれば車線変更するための適切な加減速を決定することで、スムーズな車線変更及び合流を実現することができる。
【0015】
上記第3の発明に係る車間距離制御装置によれば、車線変更前に、予め車線変更が可能か否かを判断し、可能でなければ警報により車線変更の先送りを運転者に促すことで、車線変更時の先行車両及び後続車両との衝突危険性を低減することができる。
【0016】
上記第4の発明に係る車間距離制御装置によれば、車線変更時に、先行車両との車間距離と後続車両との車間距離が等しくなるように加減速を制御することで、よりスムーズな車線変更や合流を実現できる。
【0017】
上記第5の発明に係る車間距離制御装置によれば、他車両情報算出部、他車両情報記憶部及び運転操作設定部から入力した情報を基に、車線変更判断部において、車線変更時と車線変更後における適切な加減速をそれぞれ決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例1に係る車間距離制御装置の構成図である。
【図2】本発明の実施例1に係る車間距離制御装置による車線変更を示した概略図である。(a)は前方をセンサで監視している状態、(b)は後側方をセンサで監視している状態、(c)は車線変更直後の先行車両との車間距離と後続車両との車間距離が等しい状態、(d)は車線変更後、先行車両との車間距離をACC設定車間距離に合わせた状態を示している。
【図3】本発明の実施例1に係る車間距離制御のフローチャートである。
【図4】本発明の実施例1に係る車間距離制御装置の車線変更判断距離と自車両に対する各車両の相対速度の関係を示すグラフである。(a)は先行車両について、(b)は後続車両についてのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る車間距離制御装置を実施例にて図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0020】
本発明の実施例1に係る装置について図1及び図2を用いて説明する。本装置は、ACC設定操作部1、車両前方監視部2、車両後側方監視部3、運転操作検出部4、他車両情報算出部5、他車両情報記憶部6、車線変更判断部7、情報提供部9及び車両制御部10を備える。また、他車両情報算出部5、他車両情報記憶部6及び車線変更判断部7は、ECU(Electronic Controlled Unit:電子制御装置)8内に設けられている。
【0021】
上述のACC設定操作部1は、運転者が、ACC走行中における先行車両との設定車間距離(以下、ACC設定車間距離と記載)を設定し、さらに、ACC走行のONとOFFの切り替えを行う。
【0022】
上述の車両前方監視部2は、ACC設定操作部1にてACC走行をONとした場合、図2(a)の前方監視範囲21aのように、センサにより自車両21前方の状況を監視し、当該情報を他車両情報算出部5へ出力する。
【0023】
上述の車両後側方監視部3は、ACC設定操作部1にてACC走行をONとした場合、通常のACC走行から車線変更終了後までの期間は、図2(b)の後側方監視範囲21bのように自車両21の後側方の状況をセンサにより監視し、車線変更終了直後から先行車両22との車間距離がACC設定車間距離となるまでの期間は、図2(d)の後方監視範囲21bのように自車両21の後方の状況をセンサにより監視し、当該情報を他車両情報算出部5へ出力する。
【0024】
上述の運転操作検出部4は、運転者の車線変更の意図を方向指示器操作部の操作及びハンドル部の角度から検出し、当該検出情報を他車両情報算出部5及び車線変更判断部7へ出力する。
【0025】
上述の他車両情報算出部5は、運転者に車線変更の意図がある旨の情報が運転操作検出部4より入力されると、車両前方監視部2及び車両後側方監視部3から入力した情報を基に、隣接車線を走行する車両の台数を算出し、隣接車線の中で最も自車両21から近い前方にある車両を先行車両22として認識し、隣接車線の中で最も自車両21から近い後側方にある車両を後続車両23として認識し、先行車両22及び後続車両23の自車両21に対する相対位置と相対速度をそれぞれ算出し、さらに、車線変更後まで先行車両22及び後続車両23の自車両21に対する相対位置と相対速度をそれぞれ繰り返し算出し続ける。
【0026】
上述の他車両情報記憶部6は、他車両情報算出部5で算出した各車両の情報を記憶及び更新する。
【0027】
上述の車線変更判断部7は、車線変更前において、運転者に車線変更の意図がある旨の情報が運転操作検出部4より入力されると、先行車両22との車間距離及び後続車両23との車間距離が、車線変更の可否を判断する際に基準となる車線変更判断距離L以上か否かを判断し、車線変更判断距離L以上であれば車線変更するための適切な加減速を決定し、当該判断結果を車両制御部10へ出力し、車線変更判断距離L未満であれば、当該判断結果は情報提供部9へ出力する。
【0028】
尚、上述の車線変更するための適切な加減速の値とは、図2(c)のように、先行車両22と自車両21との車間距離と、後続車両23と自車両21との車間距離が等しくなる値である。このように設定することで、先行車両22または後続車両23のどちらか一方と自車両21との車間距離が短くなることがなくなり、よりスムーズに車線変更することが可能となる。
【0029】
ここで車線変更判断距離Lについて図4を用いて説明する。図4は、車線変更の可否を判断する際に基準とする車線変更判断距離Lと、自車両21に対する各車両の相対速度Vrelの関係を示したグラフであり、(a)は先行車両22について、(b)は後続車両23についてのグラフである((b)は縦軸の向きが上下逆となっているが、これは後続車両23に関するグラフであることを示している)。グラフ内のACC設定車間距離Laccは運転者により設定され、基準車間距離Lbaseは車線変更判断部7に予め設定されている。
【0030】
図4(a)における車線変更判断距離Lは、自車両21に対する先行車両22の相対速度Vrelが規定値以下ではACC設定車間距離Laccと同値で一定となり、相対速度Vrelが規定値より大きくなると相対速度Vrelの増加と共に減少していき、相対速度Vrelが0以上の値、即ち先行車両22が自車両21と同じまたは自車両21より速くなると、基準車間距離Lbaseで一定の値となる。
【0031】
図4(b)における車線変更判断距離Lは、自車両21に対する後続車両23の相対速度Vrelが0以下の値、即ち後続車両23が自車両21と同じまたは自車両21よりも遅いときは、基準車間距離Lbaseと同値で一定となり、相対速度Vrelが0より大きな値、即ち後続車両23が自車両21よりも速くなると、相対速度Vrelの増加と共に増大していき、相対速度Vrelが規定値以上になるとACC設定車間距離Laccと同値で一定となる。
【0032】
さらに、車線変更直後においては、先行車両22との車間距離がACC設定車間距離Laccよりも短い場合、後続車両23との車間距離が基準車間距離Lbase以下のときは、減速度を限定しながら先行車両22との車間距離がACC設定車間距離Laccとなるよう制御し、後続車両23との車間距離が基準車間距離Lbase以上のときは、減速度の限定をせずにACC設定車間距離Laccとなるよう制御する機能を設ける(図2(d)参照)。
【0033】
上述のECU8は、車両の各制御を行う機能全般が設けられているが、本発明に関する機能としては、他車両情報算出部5、他車両情報記憶部6及び車線変更判断部7を設ける。
【0034】
上述の情報提供部9は、車線変更前において、車線変更判断部7が、先行車両22との車間距離または後続車両23との車間距離の内どちらか一方でも車線変更判断距離L未満であると判断した場合に、警報により車線変更の先送りを運転者に促す。
【0035】
上述の車両制御部10は、エンジン部11、ブレーキ部12及びトランスミッション部13に動作指令を出すことで、車線変更判断部7で決定した加減速を実現する。
【0036】
以下、本装置の動作を図3のフローチャートを用いて説明する。
【0037】
ステップS1では、ACC設定操作部1にて運転者がACC走行をONとしたか否かを判断する。ONである場合はステップS2へ移行し、OFFである場合には本装置は起動しない。
【0038】
ステップS2では、車両前方監視部2と車両後側方監視部3によって、図2(a)(b)のように自車両21の前方と後側方を監視する。
【0039】
ステップS3では、隣接車線を走行する車両が存在するか否かを判断する。存在する場合はステップS4へ移行し、存在しない場合はステップS1へ移行する。
【0040】
ステップS4では、他車両情報算出部5により、隣接車線を走行する車両の台数、各車両と自車両21との車間距離及び相対速度を算出する。
【0041】
ステップS5では、他車両情報記憶部6により、他車両情報算出部5で算出された車間距離と相対速度を記憶及び更新する。
【0042】
ステップS6では、他車両情報算出部5により、隣接車線において自車両21から最も近い前方車両と後側方車両を、それぞれ先行車両22と後続車両23に設定する。
【0043】
ステップS7では、運転操作検出部4により、運転者が車線変更を行おうとしているか否かを判断する。車線変更を行おうとしている場合はステップS8へ移行し、そうでない場合はステップS1へ移行する。
【0044】
ステップS8では、車線変更判断部7により、先行車両22と自車両21、後続車両23と自車両21のそれぞれの車間距離が、図4における車線変更判断距離L以上か否かを判断する。車線変更判断距離L以上であればステップS10へ、車線変更判断距離L以上でなければステップS9へ移行する。
【0045】
ステップS9では、情報提供部9により、一定時間警報を発して車線変更の先送りを推奨し、ステップS11へ移行する。
【0046】
ステップS10では、車線変更開始から車線変更終了まで、車両制御部10からエンジン部11、ブレーキ部12及びトランスミッション部13へ動作指令を出し、図2(c)のように、先行車両22と自車両21の車間距離と、後続車両23と自車両21の車間距離とが等しくなるよう車線変更判断部7が決定した車速に制御する。
【0047】
ステップS11では、車線変更判断部7により、先行車両22と自車両21との車間距離がACC設定車間距離Lacc以下か否かを判断する。ACC設定車間距離Lacc以下ならステップS12へ、ACC設定車間距離Lacc以下でないならステップS15へ移行する。
【0048】
ステップS12では、車線変更判断部7により、後続車両23と自車両21との車間距離が基準車間距離Lbase以下か否かを判断する。基準車間距離Lbase以下ならステップS13へ、基準車間距離Lbase以下でないならステップS14へ移行する。
【0049】
このとき車両後側方監視部3、図2(d)の後方監視範囲21bのように、自車両21の後側方ではなく後方を監視することで、後続車両23の監視を可能とする。
【0050】
ステップS13では、車線変更判断部7により、後続車両23の相対速度Vrelが所定値以下にならないように、自車両21の減速度を予め設定してある値Abase以下に限定する。
【0051】
ステップS14では、先行車両22との車間距離がACC設定車間距離Laccと等しくなるよう車速制御を行う。
【0052】
ステップS15では、通常のACC走行制御へ移行する。
【0053】
ステップS16では、ACC設定操作部1にて運転者がACC走行をOFFとしたか否かを判断する。OFFであれば本装置の動作は終了し、ONのままであればステップS2へ移行する。
【0054】
このように、本装置では、隣接車線を走行する車両の間を目標スペースとして車線変更する際、先行車両22との車間距離が後続車両23との車間距離と等しくなるよう車速を制御し、車線変更後は先行車両22との車間距離がACC設定車間距離Laccとなるように車速を制御することで、スムーズな車線変更を実現する。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は車線変更時の車間距離制御装置として好適である。
【符号の説明】
【0056】
1 ACC設定操作部
2 車両前方監視部
3 車両後側方監視部
4 運転操作検出部
5 他車両情報算出部
6 他車両情報記憶部
7 車線変更判断部
8 ECU
9 情報提供部
10 車両制御部
11 エンジン部
12 ブレーキ部
13 トランスミッション部
21 自車両
21a 前方監視範囲
21b 後側方(または後方)監視範囲
22 先行車両(隣接車線の中で最も自車両に近い前方車両)
23 後続車両(隣接車線の中で最も自車両に近い後側方車両)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先行車両が無い場合には定速走行を行い、前記先行車両がある場合には前記先行車両との車間距離を予め設定した設定車間距離に保つように制御する車間距離制御装置において、
車線変更直後、前記先行車両との車間距離が前記設定車間距離よりも短い場合、
後続車両との車間距離が所定値以下のときは、減速度を限定する機能を設ける車線変更判断部と、
前記車線変更判断部で決定した前記減速度を実現するために、エンジン部、ブレーキ部及びトランスミッション部に動作指令を出す車両制御部を備えることを特徴とする車間距離制御装置。
【請求項2】
前記車線変更判断部は、
車線変更前において、運転者に車線変更の意図がある旨の情報が入力されると、前記先行車両との車間距離及び前記後続車両との車間距離が、それぞれ車線変更の可否を判断する際に基準となる車線変更判断距離以上か否かを判断し、前記車線変更判断距離以上であれば、車線変更するための適切な加減速を決定する機能を設けることを特徴とする請求項1に記載の車間距離制御装置。
【請求項3】
車線変更前において、前記車線変更判断部が、前記先行車両との車間距離または前記後続車両との車間距離の内どちらか一方でも、車線変更の可否を判断する際に基準となる車線変更判断距離未満であると判断した場合に、警報により車線変更の先送りを前記運転者に促す情報提供部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の車間距離制御装置。
【請求項4】
前記車線変更判断部は、
車線変更中において、前記先行車両との車間距離と前記後続車両との車間距離が等しくなるように車速を決定する機能を設けることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の車間距離制御装置。
【請求項5】
前記自車両前方全体の状況を確認する車両前方監視部と、
前記自車両後側方及び後方の状況を監視する車両後側方監視部と、
前記運転者の車線変更の意図を、方向指示器操作部の操作及びハンドル部の角度から検出する運転操作検出部と、
前記車両前方監視部及び前記車両後側方監視部から入力した情報を基に、隣接車線の中で最も前記自車両から近い前方にある車両を前記先行車両として認識し、隣接車線の中で最も前記自車両から近い後側方にある車両を前記後続車両として認識し、前記先行車両及び前記後続車両の前記自車両に対する車間距離と相対速度をそれぞれ算出し、さらに、車線変更後まで前記先行車両及び前記後続車両の前記自車両に対する車間距離と相対速度をそれぞれ繰り返し算出し続ける他車両情報算出部と、
前記他車両情報算出部で算出した情報を記憶及び更新する他車両情報記憶部とを備え、
前記車線変更判断部は、前記他車両情報算出部、前記他車両情報記憶部及び前記運転操作検出部から入力した情報を基に作動することを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載の車間距離制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−107431(P2013−107431A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252322(P2011−252322)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】