軸方向テーパ付き成型面上でタイヤコンポーネントを形成する方法及び装置
本発明は、軸方向テーパ付き成型面上でタイヤコンポーネントを形成する方法及び装置を含む。特定の実施形態では、かかる方法は、機械的システムを用意するステップを有し、かかる機械的システムは、複数個の切断部材及び材料を軸方向テーパ付き成型面に移送する張り付け面を有し、軸方向テーパ付き成型面は、この軸方向テーパ付き成型面の回転軸線に沿って半径方向に変化する回転面を有する。特定の実施形態は、機械的システムを通る並進経路に沿って材料シートを並進させるステップ及び並進ステップ中に複数個の切断部材のうちの1つ又は2つ以上によってシートから材料ストリップを切り取るステップを更に含むのが良い。特定の実施形態は、材料ストリップを張り付け面から軸方向テーパ付き成型面に機械的に移送するステップを更に含むのが良く、軸方向テーパ付き成型面は、並進ステップ中に回転軸線回りに回転する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、軸方向に(即ち、側方に)テーパした(即ち、半径方向に変化する)回転面上で物品を形成する方法及び装置に関する。特定の実施形態では、本発明は、材料ストリップを生じさせ、かかる材料ストリップを軸方向テーパ付き回転面、例えば切頭円錐形表面、円錐形表面又はトーラスの一部分(即ち、トロイドの表面)に張り付けてタイヤコンポーネントを形成する方法及び装置に関し、この場合、かかる表面は、軸方向に延びた状態で半径方向に変化して「軸方向テーパ付き表面」を形成する。テーパ(即ち、半径方向の変化)は、直線状であっても良く、非直線状であっても良い。例えば、軸方向テーパ付き成型面は、タイヤのサイドウォール部分又はタイヤカーカスを形成し、かかる表面は、具体的に言えば、帯形又は切頭円錐形のものであるのが良い。
【背景技術】
【0002】
タイヤ用物品(又はタイヤコンポーネント)を有するバンド、例えばタイヤトレッドバンドを形成する種々のプロセスが存在する。かかるプロセスは、材料のストリップを実質的に円筒形の成型面、例えばタイヤカーカスに巻き付けて円筒形バンド又は巻き物品を成型する巻回プロセスを含む。例えば、トレッドバンドをタイヤカーカスの円筒形表面に巻き付ける場合がある。「実質的に円筒形の」という表現は、筒体の軸方向に延びる外面が直線状の又は僅かに弧状の経路を辿って軸方向に延びていることを意味するものと定義される。しかしながら、かかるプロセスは、材料のストリップを非円筒形又は軸方向テーパ付き表面、例えば切頭円錐形又は帯形表面に適正且つ正確に張り付けることができず、かかる表面は、タイヤサイドウォール部分を形成する場合がある。1つの課題は、軸方向テーパ付き表面の表面速度がその表面幅にわたって変化し、これに対し、円筒形表面の表面速度がその幅にわたって実質的に一定であるということにある。したがって、材料を円筒形表面から非円筒形表面に移送する際、特に高い速度又は速さで移送する際に問題が生じる。さらに、材料は、円筒形表面と非円筒形表面との間で移送されているときには表面速度の差に起因して伸び、それどころか動く。したがって、軸方向テーパ付き表面へのストリップの張り付け、例えばタイヤカーカスのサイドウォール部分へのサイドウォール材料の張り付けを良好に容易にするプロセスを提供することが望ましい場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
先行技術では、実質的に円筒形の表面に沿って1本又は2本以上のストリップを組み立てて巻回プロセス中に所望の異形材を形成する場合がある。各ストリップの張り付けは、当初、ストリップをドラム状に手動で配置するステップ、ストリップを所望に応じてドラムに巻き付けるステップ及び次に十分な量のストリップが張り付けられると、ストリップを供給源から切断するステップを含む。次のストリップを張り付けることができ、このためには、一般に、かかるストリップをドラムに手動で取り付ける必要がある。また、第2のストリップの張り付けにあたり、供給源の交換が必要な場合がある。プロセス全体は、不連続の非効率的なプロセスとなり、タイヤコンポーネントバンドを次のストリップで成型する場合に中断が生じる。したがって、不必要な中断又は遅延を生じさせないで次のストリップを形成し、自動的に張り付けることができる連続プロセスを提供することが望ましいといえる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、物品を軸方向テーパ付き表面(回転表面)、例えばタイヤのサイドウォール部分又はタイヤカーカスの回りに物品を形成する方法及び装置を含む。したがって、本発明は、軸方向テーパ付き成型面上でタイヤコンポーネントを形成する方法及び装置を含む。特定の実施形態では、かかる方法は、機械的システムを用意するステップを有し、かかる機械的システムは、複数個の切断部材及び材料を軸方向テーパ付き成型面に移送する張り付け面を有し、軸方向テーパ付き成型面は、この軸方向テーパ付き成型面の回転軸線に沿って半径方向に変化する回転面を有する。特定の実施形態は、機械的システム中の並進経路に沿って材料シートを並進させるステップ及び並進ステップ中に複数個の切断部材のうちの1つ又は2つ以上によってシートから材料ストリップを切り取るステップを更に含むのが良い。特定の実施形態は、材料ストリップを張り付け面から軸方向テーパ付き成型面に機械的に移送するステップを更に含むのが良く、軸方向テーパ付き成型面は、並進ステップ中に回転軸線回りに回転する。他のステップは、シートを閉ループ経路回りに機械的に並進させるステップを含み、経路は、シート生成装置から延びて投入材料として使用可能にシート生成装置に戻る。
【0005】
本発明の特定の実施形態は、軸方向テーパ付き成型面回りにタイヤコンポーネントを形成する機械的システムを含む。かかるシステムの特定の実施形態は、切断組立体を有し、切断組立体は、材料のシートが機械的システム中を並進しているときにシートから材料のストリップを切り取る複数個の切断部材を含み、更に、シートが機械的システム中を並進しているときにゴム材料のストリップを成型面に移送する張り付け面を有し、軸方向テーパ付き成型面は、この成型面の回転軸線に沿って半径方向に変化する回転面を有する。
【0006】
本発明の上記目的、特徴及び利点並びに他の目的、特徴及び利点は、添付の図面に示されているように本発明の特定の実施形態についての以下の詳細な説明から明らかになろう。なお、図中、同一の参照符号は、本発明の同一の部分を示している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態に従ってタイヤカーカスに沿って軸方向テーパ付き表面回りにタイヤコンポーネントを形成するシステムの側面図であり、このシステムが、シート生成装置、ローラ組立体、切断組立体、ストリップアプリケータ組立体及び回収組立体を含む状態を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に従って図1に示されたタイヤコンポーネント形成システムの正面図であり、1つの回収組立体の数本のベルトが回収組立体の下に位置するコンポーネントを良好に示すために取り除かれ、シートが第2の回収組立体に沿って並進している状態で示されている図である。
【図3】本発明の実施形態に従って図1に示されたタイヤコンポーネント形成システムの部分平面図であり、タイヤカーカスと関連したシート生成装置及びローラ組立体を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に従って図1に示されているシステムの引張り組立体の斜視図であり、図示の矢印がシート21の並進方向を示している図である。
【図5】本発明の実施形態に従って図1に示されたシステムのストリップ切り取り及びアプリケータ組立体の正面又は端面側の斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に従って図1に示されたシステムのストリップ切り取り及びアプリケータ組立体の正面又は端面図である。
【図7】本発明の実施形態に従ってタイヤカーカスと関連してして示されている図1のシステムのストリップ切り取り及びアプリケータ組立体の平面図である。
【図8】本発明の実施形態に従って図1に示されたストリップ切り取り及びアプリケータ組立体のニップ及びアプリケータドラムの平面図である。
【図9】本発明の実施形態に従って図1に示されたシステムのアプリケータドラム及び戻しローラの側面図である。
【図10】本発明の実施形態に従って図1のシステムを通って並進可能な材料のシートの平面図であり、ストリップが形成されて除去されたシート中に形成された切断経路を示す図であり、右側に向いた矢印がシート21の移動方向を示している図である。
【図11】本発明の実施形態に従って材料のストリップをタイヤカーカスの軸方向テーパ付き表面(即ち、サイドウォール部分)に張り付けるアプリケータ組立体の平面図であり、シート21に沿って示された矢印がシート21の並進方向を示し、タイヤ102に沿って示されている矢印がタイヤの回転方向を示す図である。
【図12】本発明の実施形態に従って図1に示されたシステムの戻し組立体を上から見た部分斜視図であり、回収組立体の数本のベルトが回収組立体の下に位置するコンポーネントを良好に示すために取り外されている状態を示す図である。
【図13】本発明の実施形態に従って図1に示されたシステムに使用されるプログラマブルロジックコントローラの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の特定の実施形態は、材料を軸方向テーパ付き(即ち、半径方向に可変の)回転面回りに周方向に張り付けて物品、例えばタイヤコンポーネントを形成するための方法及び装置(即ち、機械又はシステム)を提供する。軸方向テーパ付き表面は、軸方向に延びた状態で半径方向に変化する。換言すると、軸方向テーパ付き表面は、表面の回転軸線に沿って半径方向に変化する表面であり、かかる表面は、例えば、任意の円錐形若しくは切頭円錐形表面、トーラス(即ち、トロイドの表面)、回転楕円面、円形放物面、双曲面又は帯(本明細書において用いられる意味合いにおいて、帯(zone)は、2つの平行な平面相互間に位置した球の一部分を表わす幾何学的用語(この場合「球帯(zone of sphere)」ともいう)であり、かかる一部分は、結果として、非直線状軸方向テーパを有し、これとは対照的に、切頭円錐形表面は、直線状軸方向テーパを有する)を含むのが良い。軸方向テーパ付き表面の軸方向テーパ(即ち、半径方向変化)は直線状であっても良く、非直線状であっても良いことが推定される。物品が張り付けられる軸方向テーパ付き回転面を軸方向テーパ付き成型面と称する。
【0009】
図1〜図3及び図11を全体として参照すると、本明細書において開示する方法の特定の実施形態を実施するシステム10が全体的に示されている。システム10は、本明細書において説明する方法の任意の実施形態又は変形例を実施するために使用可能なシステムのたった1つの例である。図示のように、システム10は、一般に、材料のシート21を提供し、この材料シートは、システム10中を並進して最終的に軸方向テーパ付き成型面100上で物品14を形成する。シート21は、切断部材42によって切断されてストリップ41が生じ、その後、ストリップは、ストリップ張り付け面64により成型面100に張り付けられる。ストリップ41は、成型面100に張り付けられて物品14を形成し、この物品は、一般に、軸方向テーパ付き表面を備えた非円筒形バンド又はリングを形成する。物品14は、1本又は2本以上のストリップ41から形成された材料の1つ又は2つ以上の巻き層から成るのが良い。
【0010】
軸方向テーパ付き成型面100は、上述したように任意の軸方向テーパ付き回転面から成るのが良い。図1〜図3を参照すると、テーパ付き成型面100は、全体として帯形表面であるタイヤサイドウォール部分である。幅を有する材料、例えばストリップ41を任意の軸方向テーパ付き表面に移送する際、移送される材料は、裂け、剪断状態になり、歪み、伸び、座屈し、捩れ又は軸方向テーパ付き表面に張り付け不良状態になる場合がある。これは、軸方向テーパ付き表面が全体としてその回転軸線回りに一定速度で回転しているときに軸方向テーパ付き表面に沿う表面速度が軸方向に(側方に)変化しているからである。表面(即ち、成型面100)とその回転軸線との間の半径方向距離は軸方向に(即ち、表面の側方幅に沿って)変化しているので結果としてこのように表面速度に変化が生じる。したがって、材料が軸方向テーパ付き表面とほぼ同じ速度で供給されない場合、材料と軸方向テーパ付き表面の速度差は、ストリップ41の物理的寸法及び状態並びに軸方向テーパ付き成型面100へのその張り付け具合に悪影響を及ぼす場合がある。
【0011】
軸方向テーパ付き成型面100へのストリップ41の張り付けと関連している場合のある悪影響を軽減し又はなくそうとして、軸方向テーパ付き張り付け面64が例えば図1〜図3及び図11に示されているようにストリップ41を表面100に移送する。張り付け面64は、成型面100に関して上述したように軸方向テーパ付き表面である。図示のように、張り付け面64は、ストリップ41を成型面100に成型面100の表面速度とほぼ同じ表面速度で移送するアプリケータドラム62と関連している。
【0012】
次に、本発明についてシステム10を参照して詳細に説明する。図1及び図2を参照すると、物品14を軸方向テーパ付き成型面100上で形成するシステム10の一実施形態が示されている。図示の実施形態では、システム10は、シート生成装置20、切断組立体40、ストリップアプリケータ組立体60、回収組立体70及びプログラマブルロジックコントローラ90(図13参照)を更に有する。システム10は、生成装置20と切断組立体40との間におけるシート21の並進及び/又は引張りを制御するローラ(移送又は引張り)組立体30を更に有している。図1の実施形態では、成型面100は、回転可能なドラム104に取り付けられるタイヤカーカス102のサイドウォール部分を構成する。また、図1には、例えばタイヤ102に沿って互いに反対側のサイドウォールコンポーネントを形成するよう同時に作動する2つのシステム10が示されている。任意の用途において、1つ又は2つ以上のシステム10を用いると、ストリップ41を1つ又は2つ以上の標的物体に沿って互いに異なる場所に張り付けることができ、ストリップ41の各々は、同種又は異種材料で形成される。
【0013】
システム10は、材料のシート21を形成する手段を有するのが良い。図1を参照すると、シート21を形成する手段は、シート生成装置20と呼ばれている。シート生成装置20は、投入材料12を物品14を形成するためのシート21に変換する。シート21は、任意の材料、例えば任意のポリマー、プラスチック又はエラストマーで形成可能である。多くの種類の材料又は複合材も又使用できる。投入材料12を受け入れる入口22が設けられており、投入材料12は、新たな材料12a及び/又は先に使用された(再生利用)材料12bから成るのが良い。図示のように、先に使用された材料を回収組立体70によって自動的に戻し、他の用途では、再生利用材料を手動で又は他のプロセスにより戻すのが良い。
【0014】
図1に示されている実施形態では、生成装置20は、カレンダ(又は圧延カレンダ)を有し、カレンダは、投入材料12をシート21に変換するために任意所望の数量のカレンダーロール24を利用するのが良い。例えば、図示の生成装置20は、3つのニップ25を形成するよう4つのカレンダーロール24を利用している。シート21は、当該技術分野における任意公知の手段によって任意所望の幅及び厚さに従って寸法決め可能である。例えば、幅をサイドカッタにより制御することができ、厚さをニップのサイズを変化させることによって制御することができ、ニップは、材料を通過させる隣り合うロール相互間に形成された隙間である。追加の操作が望ましくない場合、次のロールの各対(存在している場合)のニップの幅を広げて追加の加工を回避することができる。シート21の断面寸法も又、シート21が生成装置20及び/又はシステム10を通って移動しているときにシート21の並進速度及び/又は張力を調整することにより調整可能であると共に/或いは制御可能である。他の用途では、生成装置20は、カレンダに代えて又はこれと組み合わせて使用可能な押出し機又は任意他の公知のシート21の形成手段から成っていても良い。押出し機は、投入材料12を加熱し、これを任意所望の断面形状を備えたダイ(即ち、ポート)中に例えばスクリューにより押し込む。さらに別の用途では、シート21は、シート生成装置20を用いないであらかじめ形成され又は違ったやり方でシステム10に供給されても良い。
【0015】
上述したように、シート21は、任意所望の幅及び厚さに従って寸法決め可能である。さらに、シート21は、システム10中をナビゲートしながらシート21の裂けを阻止するよう最小限の厚さを維持することが望ましい。当然のことながら、最小厚さは、シート21を形成する材料の性質及び/又はシート21の動作条件に基づいて様々であって良い。代表的な乗用車用タイヤ用途に関し、シート21の厚さは、0.5〜1.5ミリメートル(mm)である。耐引裂き性を一段と向上させるため、シート21は、例えばシート21の側方側部に沿って特定の厚さ増大領域を有するのが良い。さらに、生成装置20は、システム10がシート生成の際の遅延から再開したときのシート21の裂けを阻止するようシート21の断面厚さに断続的な増大をもたらすのが良い。
【0016】
図1〜図4を参照すると、シート生成装置20を出ると、シート21は、ローラ組立体30を通る並進経路に沿って長さ方向に移動する。ローラ組立体30は、シート21を任意所望の経路を辿って切断システム40及び/又はアプリケータ組立体60の方に差し向け、かかるローラ組立体は又、シート21の張力及び寸法を制御することができる。ローラ組立体30は、その意図した目的を達成するために所望通りに配置された(差し向けられると共に位置決めされた)任意形式及び任意数量のローラを有するのが良い。図示のように、シート21の並進経路を変更するための移行ローラ32が設けられている。移行ローラ32をシート21の上流側並進方向に対して角度をなして位置決めすることにより、シート21がローラ32回りに回転するときにシート21の並進方向が変化する。並進ローラ32の次に、シート21を切断組立体40及び/又はアプリケータ組立体60の方に差し向けるためのローラ34,38が位置決めされている。ローラ34,38は、シート21がシート21をその並進経路に沿って協働して拘束するためにかかるローラを通る交互の経路に沿って並進するよう配置されている。したがって、シート21は、ローラ34と切断ドラム52との間で引き伸ばし可能である(シートをぴんと張ることが可能である)。図示のシステムでは、ローラ32,34,38は、円筒形の形をしており、シート21は、各かかるローラの回転軸線に対して垂直に並進する。他の構成例では、所望に応じてローラの他の形式、数量及び/又は組み合わせを用いることができる。例えば、任意のローラ32,34,38は、非円筒形又は軸方向にテーパしていても良く、或いは、使用されなくても良く、これらローラの各々は、シート21の並進経路及び/又は引張り具合を更に変更することができる。さらに、他の構成例では、システム10は、ローラ組立体30を備えていなくても良く、それにより、生成装置20は、シート21を切断組立体40及び/又はアプリケータ組立体60に直接供給する。
【0017】
シート21の並進及び/又は引張りを助けるためにローラ組立体30のどのローラをも駆動することができる(又は駆動解除することができる)。図4に示されているように、ローラ34は、モータ36により駆動され、このローラは、シート21を組立体30中に押し込む。特定の場合、モータ36の回転速度は、シート21を引き伸ばし又は圧縮することがないよう生成装置20の速度と同期される。他の場合、シート21に沿う速度差を生じさせることによりシート21に沿って張力を発生させるために1つ又は2つ以上の被動ローラを用いるのが良い。ローラ組立体30と生成装置20、切断組立体ドラム52及び/又はアプリケータドラム62相互間の速度差を作ることによってもシート21を引っ張ることができる。
【0018】
図1及び図2を全体として参照し、特に図5〜図7及び図10を参照すると、システム10は、切断組立体40を有している。切断組立体40は、シート21からストリップ41を形成し、その後、ストリップは、成型面100に張り付けられて物品14が形成される。具体的に説明すると、切断組立体40は、ストリップ41をシート21から形成するために複数個の切断部材42を利用する。各切断部材42は、シート21を切断し又は違ったやり方で切り裂くための切れ刃43を有している。切断部材42は、一般に、シート21の長さ及び切断ドラム52の切断面50の幅に沿って互いに間隔を置いて配置されている。図示のように、切断部材42は、アイドラーホイール(遊び車)と同様に働く自由(独立した非駆動型)回転ナイフ又はディスクであり、並進中のシート21及び/又は切断面52と関連している。さらに、他の用途では、回転ナイフは、任意公知の手段、例えばモータにより独立して駆動可能である。回転ナイフが示されているが、切断部材42は、シート21を切り裂く任意他の装置又は手段又は違ったやり方で当業者に知られているストリップ41を形成する任意他の装置又は手段、例えば任意他の非回転型ナイフ、ブレード又はエッジから成っていても良い。
【0019】
図5を参照すると、切断部材42は、シート21又は切断面50の幅全体に沿って又はその一部に沿って側方に、或いは切断ドラム52に対して軸方向に並進する。並進は、並進部材44によって達成され、これら並進部材の各々は、当業者に知られている任意の並進手段、例えば、直線アクチュエータ、サーボモータ又は空気圧若しくは油圧シリンダから成っていて良い。並進部材44は又、軌道又はレールに沿って作動しても良い。並進は、直線状であっても非直線状であっても良い。図示の用途では、並進部材44は各々、切断部材42を並進軸線45に沿って並進させる。各切断部材42は又、シート21に係合したりこれから離脱したりする目的で延長部材47によってシート21に対して上下に延長することができるのが良い。延長部材47は、任意の延長手段、例えば、サーボ、ソレノイド又は任意の空気圧若しくは油圧シリンダから成っていて良い。最後に、各切断部材42は又、シート21の幅に沿って斜めの又は横方向切れ目を入れるのを容易にする目的で、全体として矢印48で示されているようにシート21を通って延びる軸線に沿って回動し又は回転することができるのが良い。かかる回転は、当業者に知られている任意の手段によって達成でき、かかる手段は、例えば、直線アクチュエータ又は電磁ソレノイドから成るのが良い。コントローラ90(図13に示されてる)は、一般に、切断部材42の作動及び運動並びにこれら運動のうちの任意のものを制御する。コントローラ90は、単軸又は多軸運動コントローラと協働して切断部材42の作動及び運動を同期させると共に協調させることができる。
【0020】
図1〜図3及び図5〜図7を参照すると、切断面50は、切断ドラム52に沿って形成された軸方向にテーパした表面(張り付け面64と関連して上述してある)である。図9を参照すると、表面50の軸方向テーパは、全体として角度θ50により表わされている。テーパ角θ50は、任意所望の角度であって良い。例えば、特定の用途では、テーパ角θ50は、約23°である。他の用途では、切断面50は、円筒形であっても良く、或いは、実質的に平ら又は平面状であって良いことが想定される。
【0021】
切断面50とシート21との間の一時的な密着を促進し、例えば、シート21及びストリップ41の正確な位置決めを維持することが望ましい場合がある。適正な密着性は、取り出し組立体70によるストリップ41の取り出しを阻止するのに十分である(即ち、十分に高い)一方で、ストリップ41の取り出し及び成型面100へのストリップ41の移送を可能にする(即ち、これを可能にするほど低い)。密着性の向上は、実質的に滑らかな切断面50を提供することにより達成でき、かかる切断面は、例えば、クロムで被覆されるのが良く且つ/或いはバフ磨きされ又は研磨されるのが良い。密着性は又、切断面50の温度を制御する(加熱又は冷却によって)と共に/或いは例えばローラ54によりシート21を切断面50に押し付ける(圧力をシート21に加える)ことによっても向上可能である。温度及び圧力の程度の制御は、シート21の構成材料で決まる。図5〜図7に示されているように、ローラ54は、一般に、切断ドラム52と歯車関係をなして(ほぼ同一の表面速度で)動作するよう設計されると共に差し向けられており、図示の構成では、ローラ54の外面は、切断ドラム52の軸方向テーパ付き表面と関連して働くよう設計された軸方向テーパ付き表面である。ローラ54の少なくとも外面は、シート21に沿って所望の、しかも一様な圧力を提供することを目的として、応従性又は柔軟性材料、例えばシリコーンで作られるのが良い。当然のことながら、密着は、各ストリップ41が最終的には取り外されて成型面100への張り付けのために移送されるので一時的である。
図1を参照すると、切断ドラム52を駆動し、従って、シート21を切断組立体40中に押し込み、そしてこれを通って送ると共に/或いはシート21の寸法を制御するためにモータ56が設けられるのが良い。モータ56は、切断部材42の作動を協調させてストリップ41を切断面50に沿って並進しているシート21から切断する目的で、コントローラ90(図13に示されてる)によって制御されるのが良い。
【0022】
図10を参照すると、切断部材42は、並進中のシート21内に1本又は2本以上のストリップ41を形成する。図示の用途では、1対の切断部材42が1組の交差経路58又は周囲を切り取ってストリップ41を形成する。他の用途では、複数個の切断部材42がシート21に沿って2つ又は3つ以上のストリップ41を同時に切り取る(切断形成する)ことができる。経路58は、ストリップ41を包囲し、かかる経路は、前縁58a、後縁58b及び1つ又は2つ以上の側縁58cを有するのが良い。各々がストリップ41の開始部及び終了部をそれぞれ形成する前縁58a及び後縁58bは又、例えば三角形又は4つの側部を持つダイヤモンド形のストリップ41を形成する場合のように側縁58cが内方にテーパして後縁58b又は別の側縁58cと交差する場合、側縁58cとして働くことができる(又は、前縁も後縁も存在しない場合がある)。さらに、図示のように、1対の切断部材42a,42bが互いに協働して働く場合、かかる切断部材の対は、シート21の長さに沿って互い違いの配列状態に配置され、それにより、対応の切断経路42a,42bは、例えば図10に示されているように各ストリップ41の開始部及び/又は終了部のところで交差することができる。経路58の或る特定の部分、例えば前縁58a及び/又は後縁58bを切断するために1つ又は2つ以上の追加の切断部材42を設けるのが良い。切断部材42は、任意形状のストリップ41を形成することができ、かかるストリップとしては、例えば図10に示されているように一定幅のストリップ41又は可変幅のストリップ41が挙げられる。可変幅ストリップ41は、例えば図10に示されているように段付きであっても良く(階段状であっても良く)、或いは、直線状にテーパしていても良く又は異形であっても良い。段付き構成例では、段部相互間のストリップ41の各長さ(即ち、段部長さ)は、成型面100の周囲を実質的に表わし又はこれに沿って延びるのが良い。他の用途では、ストリップ41は、かかるストリップ周りに周囲を切り込むことなく、例えば、ストリップ41がシート21の側部に沿って形成される場合に形成されても良い。1つ又は2つ以上の切断部材42は又、物品14からの取り込み空気の除去を容易にするようストリップ41の形成中又は形成後に空気放出スリットを切断形成することができる。
【0023】
例えば図10に示されているように、側方切れ目を入れる際、各切断部材42a,42bは、その切れ刃43を図10に示されているようにシート21の並進方向又は中心線に対して所望のゼロではない角度まで(又は並進軸線45に対して垂直ではない角度まで)回転させることができる。他の場合、側方切れ目を入れる際、切断部材42はどれも回転することがない。前縁58a及び後縁58bは、例えば図10の後縁58bに関して示されているように単一切断部材42により又は全体が図10の前縁58aによって示されているように2つ又は3つ以上の部材によって形成できることが想定される。図10に示されているように、1対の切断部材42a,42bは、ストリップ41を形成するのに必要な全ての切れ目を形成することができる。他の用途では、他の変形例又はストリップ41を形成する他の手段が存在する場合がある。
【0024】
図1及び図2を参照すると、1本又は2本以上のストリップ41の形成に続き、シート21の残りの部分は、生成装置20による再使用のために回収組立体70に差し向けられる。システム10を通って自動的にナビゲートする連続シート21を維持するため、1つ又は2つ以上の連続セグメント26がシート21からの1本又は2本以上のストリップ41の取り出し後にシート21に残る。各連続セグメント26は、シート21の先行する部分及び後続の部分に取り付けられたままの状態にある。図10に示されているように、例えば、1対のセグメント26がシート21の側方側部に沿って延びている。他の場合、セグメント26は、シート21内の中間(内側)(シート21の側方側部相互間)を含むシート21内の任意の場所のところに位置するのが良い。シート21の一体性及び連続性を維持するため、各セグメント26の断面形状は、かかるセグメント26の裂けを阻止するのに十分なサイズのものである。例えば、シート21の厚さが0.5〜1.5mmの場合、全てのセグメント26(即ち、シート21の並進方向(即ち、走行方向)に垂直な横方向平面に沿う)の幅の合計は、少なくとも20mmである。別の例として、シート21の厚さが0.5〜1.5mmの場合、各かかるセグメント26の幅は、少なくとも5mmである。当然のことながら、セグメント26のサイズは、シート21の構成材料に従って様々な場合がある(というのは、種々のシート材料は、互いに異なる引裂き特性を有するからである)。セグメント26又はかかるセグメントの一部分は、裂けに一段と抵抗するよう追加の塊り又は厚さを更に有するのが良い。
【0025】
図1〜図3、図5〜図8及び図11を全体として参照すると、システム10は、コンポーネント14を形成するために1本又は2本以上の連続ストリップ41を成型面100に張り付けるアプリケータ組立体60を更に有している。アプリケータ組立体60は、張り付け面64を有し、この張り付け面は、1本又は2本以上のストリップ41を軸方向テーパ付き成型面100に同時に移送するアプリケータドラム62と関連している。上述すると共に図示したように、張り付け面64は、軸方向テーパ付き表面である。図8及び図9を特に参照すると、アプリケータドラム62の張り付け面64は、その回転軸線に対して全体として角度θ64で表わされたテーパを有している。テーパ角度θ64は、任意所望の角度であって良い。例えば、特定の用途では、テーパ角θ64は、約23°である。他の構成例では、張り付け面64は、円筒形の表面であっても良く、この円筒形の表面では、その回転軸線を軸方向テーパ付き成型面100と平行に位置合わせする必要のある場合がある。図示のように、特定の構成例では、アプリケータドラム62及び張り付け面64は、切断ドラム52及び切断面50としてそれぞれ働くことができ、又この逆の場合が成り立つ。
【0026】
上述したように、軸方向テーパ付き成型面100は、任意の物体又は成型ドラムと関連するのが良い任意の所望の表面であって良い。例えば、図1及び図2を参照すると、成型面100は、当初、回転可能なドラム104に取り付けられるタイヤカーカス102のサイドウォール部分であるのが良い。他の例では、成型面100は、成型ドラム104の一部分を形成するのが良い。ストリップ41をいったん成型面に張り付けると、次のストリップ41のための成型面は、先に張り付けられたストリップ41の少なくとも一部分を含むのが良い。
【0027】
作用を説明すると、一実施形態によれば、張り付け面64(並びにアプリケータドラム62)は、初期位置(ホームポジション)から成型面100への移送又は係合位置まで並進し、かかる移送又は係合位置は、全体として図11に例示的に示されている。張り付け面64は、係合位置にあるとき、ストリップ41を成型面100に接触させる。張り付け面64は、係合位置にある状態を続けることができ、コンポーネント14の直径がストリップ41の多くの回転又は層につれて増大すると、引っ込み又は後退するのが良い。他の用途では、張り付け面64は、当初、ストリップ41を成型面100に接触させ、次に、張り付け位置に引っ込み、それにより、張り付け中のストリップが引張り状態になり又はかかるストリップを成型面100に強制的に張り付けるために引き伸ばされる。
【0028】
物品14の外径がストリップ41の多数の回転又は層につれて増大すると、成型面100(コンポーネント14の外面)の回転速度が増大する。したがって、成型面100(又は成型ドラム104)の回転速度を減少させることができると共に/或いは張り付け面64(又は成型ドラム62)の速度を増大させることができ、それによりコンポーネント14の直径の増大を補償することができる。物品14がいったん完成すると、張り付け面64は、並進して所望の位置、例えばホームポジションに戻ることができ、それによりタイヤ102及び/又は物品14の次の取り扱い及びシステム10からのタイヤ102及び/又は物品14の次の搬送を容易にするのに適した隙間を提供することができる。張り付けプロセス中に並進する張り付け面64に代えて又はこれに加えて、成型面100は、張り付け面64と成型面50との間の相対並進を達成するよう並進可能であることが想定される。
【0029】
任意のストリップ41の適正な移送及び張り付けを達成するため、ストリップ41を所望の圧力で張り付けてストリップ41と成型面100との間の適正な密着を促進するのが良い。十分な圧力は、張り付け面64と成型面100の相対位置を変化させることにより達成できる。加うるに、ローラ(図示せず)を用いて初期張り付け後にストリップ41が成型面に張り付けられているときに圧力をストリップ41に加えるのが良い。ストリップを圧力により張り付けることによっても、物品14内に取り込まれる空気が減少するので硬化製品中の密着性を促進することができる。高すぎる圧力を加えると、ストリップ41は、物品14内でブリッジ状態になって物品14内に取り込まれた空気のポケットを形成する場合がある。取り込まれた空気を一層減少させようとして、張り付け面64及び成型面100のうちの一方は、弧状であり又は非直線状である軸方向テーパ付き経路を辿って延びるのが良く、それにより、接触の強化又は圧力の増大により側方又は外方に広がる対向した表面相互間の中央に位置する初期接触点を提供することができる。
【0030】
物品14内の取り込み空気の除去を一段と容易にするため、ストリップ41(又はシート21)の表面は、空気がコンポーネント14の内側部分からその外縁部に流れることができるようにするための表面特徴部で模様付けされるのが良い。かかる表面特徴部は、例えば、溝、リブ又は空気を物品14の外部に差し向けることができる他の隆起若しくは凹み特徴部から成るのが良い。表面特徴部をストリップ41に沿って又はストリップ形成に先立ってシート21に沿って形成するのが良い。表面特徴部を表面模様付きローラ、例えばローラ54又はシステム10内の任意他のローラで形成するのが良く、かかるローラとしては、カレンダーロール24が挙げられる。表面模様付きローラは、テキスチャ形成特徴部を有し、かかるテキスチャ形成特徴部は、全体として例示として図9に示されたローラ54の表面に沿う軸方向に直線状に延びても良く、或いは、ローラ54の回転軸線に対して他の角度をなして延びても良い。テキスチャ形成特徴部は、ポジ(ローラ表面から外方に延びている)であっても良く、ネガ(ローラ表面中に延びる)であっても良い。変形例として、テキスチャ形成特徴部をプロセスの他のステップ中、例えば、シート生成装置20によるシート生成の終わり又はシートの生成中に施しても良い。ストリップ41は、取り込み空気を放出する別の手段となるスリット又は孔を更に有するのが良い。
【0031】
各切断及び張り付け面50,64及びシート21及び/又は任意のストリップ41相互間の密着を促進するため、アプリケータドラム62は温度制御されるのが良い(即ち、加熱され又は冷却されるのが良い)。特定の場合、アプリケータドラム62は、シート21及び/又は任意のストリップ41の温度よりも低い少なくとも10℃の温度状態に維持される。他の実施形態では、アプリケータドラム62は、約70℃に維持される。さらに、他の温度及び他の温度差をシート21の物理的寸法形状及び材料特性に応じて維持するのが良い。さらに、上述したように、密着性の向上は、表面64が模様付き(粗い)表面である場合であれ滑らかな表面である場合であれ、可能である。滑らかな表面は、クロムメッキ又はホットクロム処理表面であるのが良い。さらに、上述のアプリケータドラム62と関連して説明した温度制御及び条件並びに表面条件及び処理も又、切断ドラム52により利用でき、それにより張り付け面50とシート21の密着性が向上する。
【0032】
図1、図2及び図12を参照すると、回収組立体70は、切断組立体40及び/又はアプリケータ組立体60を通って並進した後のシート21を受け取り、回収したシート21を投入材料としての再使用のため、例えばシート21の連続形成のために生成装置20に並進させて戻す。回収組立体70は、シート21からのストリップ41の切断及び取り出し後に生じたスクラップ(即ち、シート21の未使用又は残りの部分)の100%を再生利用することができる。シート21を生成装置20に戻すことにより、シート21は、システム10内で閉ループ並進経路に沿って移動する。連続閉ループ経路により、シート21は、手作業による介在なしに、所望に応じて自動的に始動し、停止し、そして再始動する。回収組立体70は、かかるシート21が切断組立体40により切断されたにせよそうでないにせよいずれにせよ、シート21を処理することができる。
【0033】
回収組立体70は、主要構成要素として、シート21を生成装置20まで並進させる1つ又は2つ以上のコンベヤを有する。図1、図2及び図12に示された構成例では、回収組立体70は、第1のコンベヤ72及び第2のコンベヤ80を有する。軸方向テーパ付き表面、例えば切断面50又は張り付け面64からシート21を受け取ると、第1のコンベヤ72は、表面速度変化型コンベヤであり、このことは、コンベヤの並進速度(即ち、表面速度)がその幅全体にわたって側方に(即ち、軸方向に)変化することを意味している。シート21が部分的に互いに異なる速度又は速さで軸方向テーパ付き表面を出るので、表面速度変化型コンベヤは、シート21を種々の速度で受け入れたり並進させたりすることができる。したがって、回収組立体70に入っているときのシート21の裂け又はバックアップ(即ち、堆積)を減少させるため、第1のコンベヤ72の表面は、シート21が任意の切断及び/又は張り付け組立体40,60を出るときにシート21の同一又はほぼ同一の速度で並進するのが良い。
【0034】
特に図12を参照すると、特定の実施形態では、表面速度変化型の第1のコンベヤ72は、軸方向テーパ付きローラ73を有し、このローラは、例えば、形状が円錐形又は切頭円錐形であるのが良い。図9に示されているように、ローラ73のテーパは、角度θ73で表わされている。テーパ角度θ73は、任意所望の角度であって良い。例えば、特定の用途では、テーパ角度θ73は、約5.4°である。特定の実施形態では、ベルト79を受け入れる目的で複数本の溝74がローラ73の長さに沿って設けられている。ベルト79は、種々の速度で並進する目的で、第1のコンベヤ72の長さに沿って溝74内に配置されている。ローラ73は、当該技術分野において知られている任意のベルトであって良いベルト79を駆動するよう動力化されており、かかるベルトは、例えば、Vベルト、フラットベルト、丸ベルト及び切欠き付きベルトであるのが良い。ベルト79は、一般に、コンベヤローラ73と第1のコンベヤ72の幅全体にわたって延びる個々のプーリ76の配列体との間に延びる。各プーリ76についてばね‐ブロック又は他の調節手段を設けるのが良く、その結果、各プーリ76は、条件及び荷重の変化に合わせて調節可能であると共に対応のベルト79に沿う張力を増減するよう調節可能である。回転部材78の1つ又は2つ以上の配列体がベルト79の並進経路の任意所望の変化を容易にするようコンベヤローラ73とプーリ76の配列体との間で第1のコンベヤ72の幅全体にわたって延びるのが良い。回転部材78は、例えば、複数個の独立プーリ又はローラ73に類似したテーパ付きローラを有するのが良いことが想定される。他の構成例では、ローラ73は、テーパがついていなくても良く又は円筒形であっても良いことが想定される。他の実施例では、表面速度変化型コンベヤ72は、表面速度が側方又は軸方向に可変である又はシート21を可変速度で並進させることができる任意他のコンベヤ設計例又は並進手段を有するのが良い。
【0035】
図1を参照すると、シート21は第1のコンベヤ72を離れるときにシート21を受け取るために第2のコンベヤ80は第1のコンベヤ72の遠位側端部の下に位置決めされている。第2のコンベヤ80は、入力12bとしてシート生成装置20への再導入のために回収シート21を移送する。第2のコンベヤ80は、任意公知のコンベヤであって良い。例えば、第2のコンベヤ80は、複数個のテーパがついていない又は円筒形のローラ82を有するのが良く、これらローラのうちの1つ又は2つ以上は、回収シート21を並進させるよう動力化されている。かかる例示のコンベヤは、複数個のローラ82回りで動作する1本又は2本以上のコンベヤベルト84を有するのが良い(そうでなくても良い)。別の例として、第2のコンベヤ80は、第1のコンベヤ72に類似した表面速度変化型コンベヤであるのが良い。図示の実施形態に示されている構成に代えて、回収組立体70内に単一コンベヤを用いても良く又はシート21を生成装置20に戻すために所望に応じて任意の複数個のコンベヤを用いても良いことが想定される。
【0036】
生成装置20は、毎分ゼロ(0)メートル(m/分)から50m/分以上までの範囲にある種々の速度でシート21を生じさせることができるのが良い。これにより、システム10は、シート21をバンド形成中に迅速に製作し、そして所望の際にシート生成を遅くし又は一時的に止めることができる。通常知られているように、エラストマー材料の過剰加工及び再熱は、流動性、スコーチ及び他の材料特性にマイナスの影響を及ぼす。したがって、ストリップ41が製作されていないとき又はこれとは異なりバンド形成プロセス中に遅延が存在する場合、システム10及び/又は生成装置20を一時的にアイドルモードにするのが良く又は一時的に停止させて投入材料の不必要な再加工を減少させ、それによりその寿命を延ばすのが良い。アイドルモードにあるとき、シート21は、並進することができ、生成装置20は、アイドル速度で作動することができる。アイドル速度は、任意所望の速度であって良く、かかる速度は、例えば、2m/分であるのが良い。物品14を形成することが望ましい場合、システム10は、製作モードで作動するのが良く、この場合、ストリップ41は、所望の速度、例えば最高約50m/分の速度で形成されて張り付けられる。システム10は又、動作可能又は準備モードで又はアイドル速度よりも高く且つ製造速度よりも低い速度、例えば、20m/分で作動することができる。モード相互間の切り替え時に、速度は、速度の急変に起因して生じる場合のあるシート21の裂けを阻止しようとしてゆっくりと又は方法論的に増減するのが良い。
【0037】
図13を参照すると、システム10は、プログラマブルロジックコントローラ90又はプログラムされた指令を実行することができるプロセッサを備えた他の装置、例えばパーソナルコンピュータ又はメインフレームコンピュータを有するのが良い。システム10は、ユーザインターフェイス98を更に有するのが良い。コントローラ90は、一般に、入力及び/又は指令を受け取ってシステム10及びその各組立体の作動を制御し、かかる作動は、シート21の生成及びシステム10を通るシート21の並進、ストリップ41の切り取り及び張り付け並びにシート21の回収及び再生のための回収シート21の操作を含む。コントローラ90は、論理プロセッサ92(これは、マイクロプロセッサであるのが良い)、記憶装置93、例えばRAM(読み取り書き込み記憶装置)、ROM(読み取り専用記憶装置)、PROM(プログラマブル読み取り専用記憶装置)及びシステム10と通信するための少なくとも1つの入力/出力(I/O)ケーブル94を有するのが良い。さらに、コントローラ90は、I/Oケーブルコネクタ96を備えたI/Oカードを収容するI/Oスロット95を有するのが良い。オペレータは、ユーザインターフェイス98を利用してコントローラ90及びシステム10への入力を提供すると共に/或いはコントローラ90及びシステム10の作動を制御し又は指令することができ、かかる作動は、シート21の形成及び並進と関連した各ステップ及び方法の実施、シート21からのストリップ41の切り取り及び巻きコンポーネント14を組み立てるための成型面へのストリップ41の張り付けを含む。ユーザインターフェイス98とコントローラ90は、I/Oケーブル96を介して互いに情報のやりとりをすることができる。また、ワイヤレス通信がコントローラ90、ユーザインターフェイス98及びシステム10相互間に存在するのが良いことが想定される。一般的に言って、コントローラ90は、任意公知の図式言語又はテキスト言語によりプログラム可能である。プログラムされた指令、データ、入力及び出力は、記憶装置93に記憶されるのが良く、記憶装置93は、プロセッサ92に対してアクセス可能である。記憶装置93は、市販の公知の記憶機構、例えばハードディスクドライブ、光記憶装置、フラッシュメモリ等から成るのが良い。プロセッサ92は、プログラムされた指令を実行し、かかるプロセッサは、指令及びシステム10を制御したり本明細書において説明した方法及び作動を実施するのに有用な計算及び/又は測定を実施することができる。記憶装置93は又、入力、出力及び他の情報、例えば、任意のドラム52,62,104、成型面100及び/又は切断部材42の幾何学的形状及び配置場所並びにシート21の並進及び形成のための所望の速度を記憶する。上述したように、コントローラ90は、並進部材44、延長部材47及び/又は回転部材48により切断部材42の作動を協調させるよう軸運動コントローラと情報のやりとりをすることができる状態にあるのが良い。さらに、コントローラ90は、切断ドラム52、アプリケータドラム62、成型面100及び/又は成型ドラム104の各々と情報のやりとりをする状態にあるのが良く、従って、コントローラは、各かかるドラムの回転中、各かかるドラムの回転位置を突き止めることができる。
【0038】
上述の装置(即ちシステム又は機械)は、物品を軸方向テーパ付き成型面上で形成する特定の実施形態としての方法を実施する。かかる方法の特定の実施形態は、機械的システム、例えば上述のシステム10及びその任意の変形例を用意するステップを含むのが良い。システムは、複数個の切断部材を有するのが良い。切断部材は、回転ナイフの形態をしていても良く又はストリップを形成するようシートを切断し、切り裂き又は穴開けすることができる任意他の器具若しくは装置又は切断組立体40と関連して上述した任意他の部材の形態をしていても良い。システムは、材料を軸方向テーパ付き成型面に移送する張り付け面を更に有するのが良く、軸方向テーパ付き表面は、この表面の回転軸線に沿って半径方向に変化する回転面から成る。成型面は、軸方向テーパ付き表面であり、特定の場合には、切頭円錐形表面を形成する。さらに別の場合、軸方向テーパ付き成型面は、タイヤの表面であり、物品は、タイヤコンポーネントである。システムの特定の実施形態では、張り付け面は、軸方向テーパ付き表面でもある。張り付け面は、切頭円錐形表面、帯形表面又はトーラスの一部分を形成することができる。他の変形例では、成型面及び/又は張り付け面は、任意他の軸方向テーパ付き表面、例えば回転楕円面、円形放物面、双曲面又はシステム10と関連して上述した任意他の表面を形成しても良い。いずれの表面であっても、かかる表面は、シート及び/又は任意のストリップを所望に応じてかかる表面上に維持するための向上した密着性を提供するようになっているのが良い。密着性が向上した表面は、任意公知の手段によって達成でき、かかる手段としては、張り付け面64及び成型面100を参照して上述した手段又は任意他のローラ若しくはドラムが挙げられる。
【0039】
かかる方法の特定の実施形態は、材料のシートを機械的システム中の並進経路に沿って並進させるステップを更に有するのが良い。特定の場合、並進経路に沿う並進ステップは、ローラ組立体、切断組立体及び/又はアプリケータ組立体を通る並進ステップを含む。かかる経路に沿う並進は、シート生成装置からの並進ステップ及び/又はシート生成装置に戻るために回収組立体に沿う並進ステップを更に含むのが良い。経路に沿う並進は又、システム10を参照して上述したように起こるのが良い。
【0040】
かかる方法の特定の実施形態は、並進ステップ中、複数個の切断部材のうちの1つ又は2つ以上によりシートから材料のストリップを切り取るステップを有するのが良い。特定の場合、切り取りステップは、複数個の切断部材のうちの1つ又は2つ以上により1つ又は2つ以上の側方に延びる切断経路を材料シートに切り込んでストリップの前縁を形成するステップと、前縁から延びる1つ又は2つ以上の側部切断経路を切り込んでストリップの幅を形成するステップと、側部経路から1つ又は2つ以上の側方に延びる切断経路を切り込んでストリップの後縁を形成するステップとを含む。シートは又、任意他の仕方で、例えば、切断組立体40と関連して上述した任意の仕方で切断可能である。
【0041】
かかる方法の特定の実施形態は、材料ストリップを張り付け面から軸方向テーパ付き成型面に機械的に移送するステップを更に有するのが良く、軸方向テーパ付き成型面は、並進ステップ中、回転軸線回りに回転する。換言すると、張り付け面は、ストリップを回転中の張り付け面に張り付け又は移送する。特定の場合、材料ストリップを機械的に移送するステップは、成型面及び張り付け面のうちの少なくとも一方を他方に向かって並進させることによりストリップを成型面に加圧接触させるステップを含む。或る特定の場合、張り付け面は、ストリップを軸方向テーパ付き成型面に加圧接触させた状態に保ちながら軸方向テーパ付き成型面から引っ込む。加圧接触の維持に代えて、張り付け面は、材料ストリップを引張り状態にするために(ストリップが張り付け面から成型面に移送されているとき)、軸方向テーパ付き成型面から引っ込んでも良い。ストリップを成型面に張り付ける他の方法、例えば、アプリケータ組立体60と関連して上述した方法を採用することができる。
【0042】
かかる方法の特定の実施形態は、投入材料をシート生成装置中に導入するステップと、シート生成装置により材料シートを形成するステップとを更に有するのが良い。シート生成装置は、材料のシートを形成する任意の手段、例えば、カレンダ又は押出し機から成るのが良い。投入材料は、任意の材料、例えば、ポリマー若しくはエラストマー又は上述した任意の材料であって良い。特定の場合、かかる方法は、シートを閉ループ経路回りに機械的に並進させるステップを有するのが良いことが推定され、この閉ループ経路は、シート生成装置から延び、そして投入材料として再使用可能にシート生成装置に戻る。したがって、投入材料は、新たな材料及び/又は先に使用したシート(再生利用される材料)から成るのが良い。新たな材料は、必要に応じて再生利用材料と一緒に追加されるのが良い。使用済みシートは、かかる方法の特定の実施形態では、ストリップをシートから切り取った後にシートの残りの部分を速度変化型表面を備えたコンベヤにより回収するステップを実施することによって得られる。特定の場合、表面速度変化型コンベヤは、テーパ付きローラに沿って軸方向に位置決めされた複数個の独立ベルトから成る。回収組立体70と関連して上述した他のコンベヤは、これら方法及び他の方法に使用可能である。
【0043】
閉ループ経路に沿って作動する場合、連続シートの形成及び並進速度を変化させることが可能である。したがって、例えば任意のストリップの形成又は張り付けが終了すると、シートの並進を減速させ又は停止させるのが良く、それにより再加工される材料を少なくすることができ、それにより、かかる材料に対してシート生成装置により実施される作業が少ない場合にシート材料の寿命が延びる場合がある。したがって、かかる方法は、1本又は2本以上のストリップを機械的に張り付け又は移送するステップの実施中にシートを第1の速度で並進させ、1本又は2本以上のストリップを張り付け又は移送するステップを実施していない場合にはシートを第2の速度で並進させるステップを更に有するのが良く、第2の速度は、第1の速度よりも低い。或る特定の場合、第1の速度は、毎分50メートル以上であるのが良く、第2の速度は、毎分2メートル以下であるのが良い。第2の速度は、毎分0メートルであっても良く、それにより一時的な休止又は中断が得られる。シート生成及び並進中における一時的休止又は中断の持続時間は、材料が劣化し又は変化し始める前に作業及び/又は熱への材料の曝露を制限するよう使用されている生成装置の特定の構成及びタイプに応じて制限されるのが良い。物品が完全に形成されると、完成した物品が取り出されて別の物品の次の組み立てのために別の成型面が戻されている間、遅延が存在するのが良い。したがって、かかる方法は、タイヤコンポーネントを形成した後に1本又は2本以上のストリップを形成するステップを終了させるステップを更に有するのが良く、その間、シートは、閉ループ経路回りに並進し続けている。次に、かかる方法の特定のステップを繰り返すことにより新たな物品を成型面上に形成するのが良い。
【0044】
本発明をその特定の実施形態に関して説明したが、かかる説明は、例示であって、本発明を限定するものではないことは理解されるべきである。したがって、本発明の範囲及び内容は、特許請求の範囲の記載にのみ基づいて定められるべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、軸方向に(即ち、側方に)テーパした(即ち、半径方向に変化する)回転面上で物品を形成する方法及び装置に関する。特定の実施形態では、本発明は、材料ストリップを生じさせ、かかる材料ストリップを軸方向テーパ付き回転面、例えば切頭円錐形表面、円錐形表面又はトーラスの一部分(即ち、トロイドの表面)に張り付けてタイヤコンポーネントを形成する方法及び装置に関し、この場合、かかる表面は、軸方向に延びた状態で半径方向に変化して「軸方向テーパ付き表面」を形成する。テーパ(即ち、半径方向の変化)は、直線状であっても良く、非直線状であっても良い。例えば、軸方向テーパ付き成型面は、タイヤのサイドウォール部分又はタイヤカーカスを形成し、かかる表面は、具体的に言えば、帯形又は切頭円錐形のものであるのが良い。
【背景技術】
【0002】
タイヤ用物品(又はタイヤコンポーネント)を有するバンド、例えばタイヤトレッドバンドを形成する種々のプロセスが存在する。かかるプロセスは、材料のストリップを実質的に円筒形の成型面、例えばタイヤカーカスに巻き付けて円筒形バンド又は巻き物品を成型する巻回プロセスを含む。例えば、トレッドバンドをタイヤカーカスの円筒形表面に巻き付ける場合がある。「実質的に円筒形の」という表現は、筒体の軸方向に延びる外面が直線状の又は僅かに弧状の経路を辿って軸方向に延びていることを意味するものと定義される。しかしながら、かかるプロセスは、材料のストリップを非円筒形又は軸方向テーパ付き表面、例えば切頭円錐形又は帯形表面に適正且つ正確に張り付けることができず、かかる表面は、タイヤサイドウォール部分を形成する場合がある。1つの課題は、軸方向テーパ付き表面の表面速度がその表面幅にわたって変化し、これに対し、円筒形表面の表面速度がその幅にわたって実質的に一定であるということにある。したがって、材料を円筒形表面から非円筒形表面に移送する際、特に高い速度又は速さで移送する際に問題が生じる。さらに、材料は、円筒形表面と非円筒形表面との間で移送されているときには表面速度の差に起因して伸び、それどころか動く。したがって、軸方向テーパ付き表面へのストリップの張り付け、例えばタイヤカーカスのサイドウォール部分へのサイドウォール材料の張り付けを良好に容易にするプロセスを提供することが望ましい場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
先行技術では、実質的に円筒形の表面に沿って1本又は2本以上のストリップを組み立てて巻回プロセス中に所望の異形材を形成する場合がある。各ストリップの張り付けは、当初、ストリップをドラム状に手動で配置するステップ、ストリップを所望に応じてドラムに巻き付けるステップ及び次に十分な量のストリップが張り付けられると、ストリップを供給源から切断するステップを含む。次のストリップを張り付けることができ、このためには、一般に、かかるストリップをドラムに手動で取り付ける必要がある。また、第2のストリップの張り付けにあたり、供給源の交換が必要な場合がある。プロセス全体は、不連続の非効率的なプロセスとなり、タイヤコンポーネントバンドを次のストリップで成型する場合に中断が生じる。したがって、不必要な中断又は遅延を生じさせないで次のストリップを形成し、自動的に張り付けることができる連続プロセスを提供することが望ましいといえる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、物品を軸方向テーパ付き表面(回転表面)、例えばタイヤのサイドウォール部分又はタイヤカーカスの回りに物品を形成する方法及び装置を含む。したがって、本発明は、軸方向テーパ付き成型面上でタイヤコンポーネントを形成する方法及び装置を含む。特定の実施形態では、かかる方法は、機械的システムを用意するステップを有し、かかる機械的システムは、複数個の切断部材及び材料を軸方向テーパ付き成型面に移送する張り付け面を有し、軸方向テーパ付き成型面は、この軸方向テーパ付き成型面の回転軸線に沿って半径方向に変化する回転面を有する。特定の実施形態は、機械的システム中の並進経路に沿って材料シートを並進させるステップ及び並進ステップ中に複数個の切断部材のうちの1つ又は2つ以上によってシートから材料ストリップを切り取るステップを更に含むのが良い。特定の実施形態は、材料ストリップを張り付け面から軸方向テーパ付き成型面に機械的に移送するステップを更に含むのが良く、軸方向テーパ付き成型面は、並進ステップ中に回転軸線回りに回転する。他のステップは、シートを閉ループ経路回りに機械的に並進させるステップを含み、経路は、シート生成装置から延びて投入材料として使用可能にシート生成装置に戻る。
【0005】
本発明の特定の実施形態は、軸方向テーパ付き成型面回りにタイヤコンポーネントを形成する機械的システムを含む。かかるシステムの特定の実施形態は、切断組立体を有し、切断組立体は、材料のシートが機械的システム中を並進しているときにシートから材料のストリップを切り取る複数個の切断部材を含み、更に、シートが機械的システム中を並進しているときにゴム材料のストリップを成型面に移送する張り付け面を有し、軸方向テーパ付き成型面は、この成型面の回転軸線に沿って半径方向に変化する回転面を有する。
【0006】
本発明の上記目的、特徴及び利点並びに他の目的、特徴及び利点は、添付の図面に示されているように本発明の特定の実施形態についての以下の詳細な説明から明らかになろう。なお、図中、同一の参照符号は、本発明の同一の部分を示している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態に従ってタイヤカーカスに沿って軸方向テーパ付き表面回りにタイヤコンポーネントを形成するシステムの側面図であり、このシステムが、シート生成装置、ローラ組立体、切断組立体、ストリップアプリケータ組立体及び回収組立体を含む状態を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に従って図1に示されたタイヤコンポーネント形成システムの正面図であり、1つの回収組立体の数本のベルトが回収組立体の下に位置するコンポーネントを良好に示すために取り除かれ、シートが第2の回収組立体に沿って並進している状態で示されている図である。
【図3】本発明の実施形態に従って図1に示されたタイヤコンポーネント形成システムの部分平面図であり、タイヤカーカスと関連したシート生成装置及びローラ組立体を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に従って図1に示されているシステムの引張り組立体の斜視図であり、図示の矢印がシート21の並進方向を示している図である。
【図5】本発明の実施形態に従って図1に示されたシステムのストリップ切り取り及びアプリケータ組立体の正面又は端面側の斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に従って図1に示されたシステムのストリップ切り取り及びアプリケータ組立体の正面又は端面図である。
【図7】本発明の実施形態に従ってタイヤカーカスと関連してして示されている図1のシステムのストリップ切り取り及びアプリケータ組立体の平面図である。
【図8】本発明の実施形態に従って図1に示されたストリップ切り取り及びアプリケータ組立体のニップ及びアプリケータドラムの平面図である。
【図9】本発明の実施形態に従って図1に示されたシステムのアプリケータドラム及び戻しローラの側面図である。
【図10】本発明の実施形態に従って図1のシステムを通って並進可能な材料のシートの平面図であり、ストリップが形成されて除去されたシート中に形成された切断経路を示す図であり、右側に向いた矢印がシート21の移動方向を示している図である。
【図11】本発明の実施形態に従って材料のストリップをタイヤカーカスの軸方向テーパ付き表面(即ち、サイドウォール部分)に張り付けるアプリケータ組立体の平面図であり、シート21に沿って示された矢印がシート21の並進方向を示し、タイヤ102に沿って示されている矢印がタイヤの回転方向を示す図である。
【図12】本発明の実施形態に従って図1に示されたシステムの戻し組立体を上から見た部分斜視図であり、回収組立体の数本のベルトが回収組立体の下に位置するコンポーネントを良好に示すために取り外されている状態を示す図である。
【図13】本発明の実施形態に従って図1に示されたシステムに使用されるプログラマブルロジックコントローラの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の特定の実施形態は、材料を軸方向テーパ付き(即ち、半径方向に可変の)回転面回りに周方向に張り付けて物品、例えばタイヤコンポーネントを形成するための方法及び装置(即ち、機械又はシステム)を提供する。軸方向テーパ付き表面は、軸方向に延びた状態で半径方向に変化する。換言すると、軸方向テーパ付き表面は、表面の回転軸線に沿って半径方向に変化する表面であり、かかる表面は、例えば、任意の円錐形若しくは切頭円錐形表面、トーラス(即ち、トロイドの表面)、回転楕円面、円形放物面、双曲面又は帯(本明細書において用いられる意味合いにおいて、帯(zone)は、2つの平行な平面相互間に位置した球の一部分を表わす幾何学的用語(この場合「球帯(zone of sphere)」ともいう)であり、かかる一部分は、結果として、非直線状軸方向テーパを有し、これとは対照的に、切頭円錐形表面は、直線状軸方向テーパを有する)を含むのが良い。軸方向テーパ付き表面の軸方向テーパ(即ち、半径方向変化)は直線状であっても良く、非直線状であっても良いことが推定される。物品が張り付けられる軸方向テーパ付き回転面を軸方向テーパ付き成型面と称する。
【0009】
図1〜図3及び図11を全体として参照すると、本明細書において開示する方法の特定の実施形態を実施するシステム10が全体的に示されている。システム10は、本明細書において説明する方法の任意の実施形態又は変形例を実施するために使用可能なシステムのたった1つの例である。図示のように、システム10は、一般に、材料のシート21を提供し、この材料シートは、システム10中を並進して最終的に軸方向テーパ付き成型面100上で物品14を形成する。シート21は、切断部材42によって切断されてストリップ41が生じ、その後、ストリップは、ストリップ張り付け面64により成型面100に張り付けられる。ストリップ41は、成型面100に張り付けられて物品14を形成し、この物品は、一般に、軸方向テーパ付き表面を備えた非円筒形バンド又はリングを形成する。物品14は、1本又は2本以上のストリップ41から形成された材料の1つ又は2つ以上の巻き層から成るのが良い。
【0010】
軸方向テーパ付き成型面100は、上述したように任意の軸方向テーパ付き回転面から成るのが良い。図1〜図3を参照すると、テーパ付き成型面100は、全体として帯形表面であるタイヤサイドウォール部分である。幅を有する材料、例えばストリップ41を任意の軸方向テーパ付き表面に移送する際、移送される材料は、裂け、剪断状態になり、歪み、伸び、座屈し、捩れ又は軸方向テーパ付き表面に張り付け不良状態になる場合がある。これは、軸方向テーパ付き表面が全体としてその回転軸線回りに一定速度で回転しているときに軸方向テーパ付き表面に沿う表面速度が軸方向に(側方に)変化しているからである。表面(即ち、成型面100)とその回転軸線との間の半径方向距離は軸方向に(即ち、表面の側方幅に沿って)変化しているので結果としてこのように表面速度に変化が生じる。したがって、材料が軸方向テーパ付き表面とほぼ同じ速度で供給されない場合、材料と軸方向テーパ付き表面の速度差は、ストリップ41の物理的寸法及び状態並びに軸方向テーパ付き成型面100へのその張り付け具合に悪影響を及ぼす場合がある。
【0011】
軸方向テーパ付き成型面100へのストリップ41の張り付けと関連している場合のある悪影響を軽減し又はなくそうとして、軸方向テーパ付き張り付け面64が例えば図1〜図3及び図11に示されているようにストリップ41を表面100に移送する。張り付け面64は、成型面100に関して上述したように軸方向テーパ付き表面である。図示のように、張り付け面64は、ストリップ41を成型面100に成型面100の表面速度とほぼ同じ表面速度で移送するアプリケータドラム62と関連している。
【0012】
次に、本発明についてシステム10を参照して詳細に説明する。図1及び図2を参照すると、物品14を軸方向テーパ付き成型面100上で形成するシステム10の一実施形態が示されている。図示の実施形態では、システム10は、シート生成装置20、切断組立体40、ストリップアプリケータ組立体60、回収組立体70及びプログラマブルロジックコントローラ90(図13参照)を更に有する。システム10は、生成装置20と切断組立体40との間におけるシート21の並進及び/又は引張りを制御するローラ(移送又は引張り)組立体30を更に有している。図1の実施形態では、成型面100は、回転可能なドラム104に取り付けられるタイヤカーカス102のサイドウォール部分を構成する。また、図1には、例えばタイヤ102に沿って互いに反対側のサイドウォールコンポーネントを形成するよう同時に作動する2つのシステム10が示されている。任意の用途において、1つ又は2つ以上のシステム10を用いると、ストリップ41を1つ又は2つ以上の標的物体に沿って互いに異なる場所に張り付けることができ、ストリップ41の各々は、同種又は異種材料で形成される。
【0013】
システム10は、材料のシート21を形成する手段を有するのが良い。図1を参照すると、シート21を形成する手段は、シート生成装置20と呼ばれている。シート生成装置20は、投入材料12を物品14を形成するためのシート21に変換する。シート21は、任意の材料、例えば任意のポリマー、プラスチック又はエラストマーで形成可能である。多くの種類の材料又は複合材も又使用できる。投入材料12を受け入れる入口22が設けられており、投入材料12は、新たな材料12a及び/又は先に使用された(再生利用)材料12bから成るのが良い。図示のように、先に使用された材料を回収組立体70によって自動的に戻し、他の用途では、再生利用材料を手動で又は他のプロセスにより戻すのが良い。
【0014】
図1に示されている実施形態では、生成装置20は、カレンダ(又は圧延カレンダ)を有し、カレンダは、投入材料12をシート21に変換するために任意所望の数量のカレンダーロール24を利用するのが良い。例えば、図示の生成装置20は、3つのニップ25を形成するよう4つのカレンダーロール24を利用している。シート21は、当該技術分野における任意公知の手段によって任意所望の幅及び厚さに従って寸法決め可能である。例えば、幅をサイドカッタにより制御することができ、厚さをニップのサイズを変化させることによって制御することができ、ニップは、材料を通過させる隣り合うロール相互間に形成された隙間である。追加の操作が望ましくない場合、次のロールの各対(存在している場合)のニップの幅を広げて追加の加工を回避することができる。シート21の断面寸法も又、シート21が生成装置20及び/又はシステム10を通って移動しているときにシート21の並進速度及び/又は張力を調整することにより調整可能であると共に/或いは制御可能である。他の用途では、生成装置20は、カレンダに代えて又はこれと組み合わせて使用可能な押出し機又は任意他の公知のシート21の形成手段から成っていても良い。押出し機は、投入材料12を加熱し、これを任意所望の断面形状を備えたダイ(即ち、ポート)中に例えばスクリューにより押し込む。さらに別の用途では、シート21は、シート生成装置20を用いないであらかじめ形成され又は違ったやり方でシステム10に供給されても良い。
【0015】
上述したように、シート21は、任意所望の幅及び厚さに従って寸法決め可能である。さらに、シート21は、システム10中をナビゲートしながらシート21の裂けを阻止するよう最小限の厚さを維持することが望ましい。当然のことながら、最小厚さは、シート21を形成する材料の性質及び/又はシート21の動作条件に基づいて様々であって良い。代表的な乗用車用タイヤ用途に関し、シート21の厚さは、0.5〜1.5ミリメートル(mm)である。耐引裂き性を一段と向上させるため、シート21は、例えばシート21の側方側部に沿って特定の厚さ増大領域を有するのが良い。さらに、生成装置20は、システム10がシート生成の際の遅延から再開したときのシート21の裂けを阻止するようシート21の断面厚さに断続的な増大をもたらすのが良い。
【0016】
図1〜図4を参照すると、シート生成装置20を出ると、シート21は、ローラ組立体30を通る並進経路に沿って長さ方向に移動する。ローラ組立体30は、シート21を任意所望の経路を辿って切断システム40及び/又はアプリケータ組立体60の方に差し向け、かかるローラ組立体は又、シート21の張力及び寸法を制御することができる。ローラ組立体30は、その意図した目的を達成するために所望通りに配置された(差し向けられると共に位置決めされた)任意形式及び任意数量のローラを有するのが良い。図示のように、シート21の並進経路を変更するための移行ローラ32が設けられている。移行ローラ32をシート21の上流側並進方向に対して角度をなして位置決めすることにより、シート21がローラ32回りに回転するときにシート21の並進方向が変化する。並進ローラ32の次に、シート21を切断組立体40及び/又はアプリケータ組立体60の方に差し向けるためのローラ34,38が位置決めされている。ローラ34,38は、シート21がシート21をその並進経路に沿って協働して拘束するためにかかるローラを通る交互の経路に沿って並進するよう配置されている。したがって、シート21は、ローラ34と切断ドラム52との間で引き伸ばし可能である(シートをぴんと張ることが可能である)。図示のシステムでは、ローラ32,34,38は、円筒形の形をしており、シート21は、各かかるローラの回転軸線に対して垂直に並進する。他の構成例では、所望に応じてローラの他の形式、数量及び/又は組み合わせを用いることができる。例えば、任意のローラ32,34,38は、非円筒形又は軸方向にテーパしていても良く、或いは、使用されなくても良く、これらローラの各々は、シート21の並進経路及び/又は引張り具合を更に変更することができる。さらに、他の構成例では、システム10は、ローラ組立体30を備えていなくても良く、それにより、生成装置20は、シート21を切断組立体40及び/又はアプリケータ組立体60に直接供給する。
【0017】
シート21の並進及び/又は引張りを助けるためにローラ組立体30のどのローラをも駆動することができる(又は駆動解除することができる)。図4に示されているように、ローラ34は、モータ36により駆動され、このローラは、シート21を組立体30中に押し込む。特定の場合、モータ36の回転速度は、シート21を引き伸ばし又は圧縮することがないよう生成装置20の速度と同期される。他の場合、シート21に沿う速度差を生じさせることによりシート21に沿って張力を発生させるために1つ又は2つ以上の被動ローラを用いるのが良い。ローラ組立体30と生成装置20、切断組立体ドラム52及び/又はアプリケータドラム62相互間の速度差を作ることによってもシート21を引っ張ることができる。
【0018】
図1及び図2を全体として参照し、特に図5〜図7及び図10を参照すると、システム10は、切断組立体40を有している。切断組立体40は、シート21からストリップ41を形成し、その後、ストリップは、成型面100に張り付けられて物品14が形成される。具体的に説明すると、切断組立体40は、ストリップ41をシート21から形成するために複数個の切断部材42を利用する。各切断部材42は、シート21を切断し又は違ったやり方で切り裂くための切れ刃43を有している。切断部材42は、一般に、シート21の長さ及び切断ドラム52の切断面50の幅に沿って互いに間隔を置いて配置されている。図示のように、切断部材42は、アイドラーホイール(遊び車)と同様に働く自由(独立した非駆動型)回転ナイフ又はディスクであり、並進中のシート21及び/又は切断面52と関連している。さらに、他の用途では、回転ナイフは、任意公知の手段、例えばモータにより独立して駆動可能である。回転ナイフが示されているが、切断部材42は、シート21を切り裂く任意他の装置又は手段又は違ったやり方で当業者に知られているストリップ41を形成する任意他の装置又は手段、例えば任意他の非回転型ナイフ、ブレード又はエッジから成っていても良い。
【0019】
図5を参照すると、切断部材42は、シート21又は切断面50の幅全体に沿って又はその一部に沿って側方に、或いは切断ドラム52に対して軸方向に並進する。並進は、並進部材44によって達成され、これら並進部材の各々は、当業者に知られている任意の並進手段、例えば、直線アクチュエータ、サーボモータ又は空気圧若しくは油圧シリンダから成っていて良い。並進部材44は又、軌道又はレールに沿って作動しても良い。並進は、直線状であっても非直線状であっても良い。図示の用途では、並進部材44は各々、切断部材42を並進軸線45に沿って並進させる。各切断部材42は又、シート21に係合したりこれから離脱したりする目的で延長部材47によってシート21に対して上下に延長することができるのが良い。延長部材47は、任意の延長手段、例えば、サーボ、ソレノイド又は任意の空気圧若しくは油圧シリンダから成っていて良い。最後に、各切断部材42は又、シート21の幅に沿って斜めの又は横方向切れ目を入れるのを容易にする目的で、全体として矢印48で示されているようにシート21を通って延びる軸線に沿って回動し又は回転することができるのが良い。かかる回転は、当業者に知られている任意の手段によって達成でき、かかる手段は、例えば、直線アクチュエータ又は電磁ソレノイドから成るのが良い。コントローラ90(図13に示されてる)は、一般に、切断部材42の作動及び運動並びにこれら運動のうちの任意のものを制御する。コントローラ90は、単軸又は多軸運動コントローラと協働して切断部材42の作動及び運動を同期させると共に協調させることができる。
【0020】
図1〜図3及び図5〜図7を参照すると、切断面50は、切断ドラム52に沿って形成された軸方向にテーパした表面(張り付け面64と関連して上述してある)である。図9を参照すると、表面50の軸方向テーパは、全体として角度θ50により表わされている。テーパ角θ50は、任意所望の角度であって良い。例えば、特定の用途では、テーパ角θ50は、約23°である。他の用途では、切断面50は、円筒形であっても良く、或いは、実質的に平ら又は平面状であって良いことが想定される。
【0021】
切断面50とシート21との間の一時的な密着を促進し、例えば、シート21及びストリップ41の正確な位置決めを維持することが望ましい場合がある。適正な密着性は、取り出し組立体70によるストリップ41の取り出しを阻止するのに十分である(即ち、十分に高い)一方で、ストリップ41の取り出し及び成型面100へのストリップ41の移送を可能にする(即ち、これを可能にするほど低い)。密着性の向上は、実質的に滑らかな切断面50を提供することにより達成でき、かかる切断面は、例えば、クロムで被覆されるのが良く且つ/或いはバフ磨きされ又は研磨されるのが良い。密着性は又、切断面50の温度を制御する(加熱又は冷却によって)と共に/或いは例えばローラ54によりシート21を切断面50に押し付ける(圧力をシート21に加える)ことによっても向上可能である。温度及び圧力の程度の制御は、シート21の構成材料で決まる。図5〜図7に示されているように、ローラ54は、一般に、切断ドラム52と歯車関係をなして(ほぼ同一の表面速度で)動作するよう設計されると共に差し向けられており、図示の構成では、ローラ54の外面は、切断ドラム52の軸方向テーパ付き表面と関連して働くよう設計された軸方向テーパ付き表面である。ローラ54の少なくとも外面は、シート21に沿って所望の、しかも一様な圧力を提供することを目的として、応従性又は柔軟性材料、例えばシリコーンで作られるのが良い。当然のことながら、密着は、各ストリップ41が最終的には取り外されて成型面100への張り付けのために移送されるので一時的である。
図1を参照すると、切断ドラム52を駆動し、従って、シート21を切断組立体40中に押し込み、そしてこれを通って送ると共に/或いはシート21の寸法を制御するためにモータ56が設けられるのが良い。モータ56は、切断部材42の作動を協調させてストリップ41を切断面50に沿って並進しているシート21から切断する目的で、コントローラ90(図13に示されてる)によって制御されるのが良い。
【0022】
図10を参照すると、切断部材42は、並進中のシート21内に1本又は2本以上のストリップ41を形成する。図示の用途では、1対の切断部材42が1組の交差経路58又は周囲を切り取ってストリップ41を形成する。他の用途では、複数個の切断部材42がシート21に沿って2つ又は3つ以上のストリップ41を同時に切り取る(切断形成する)ことができる。経路58は、ストリップ41を包囲し、かかる経路は、前縁58a、後縁58b及び1つ又は2つ以上の側縁58cを有するのが良い。各々がストリップ41の開始部及び終了部をそれぞれ形成する前縁58a及び後縁58bは又、例えば三角形又は4つの側部を持つダイヤモンド形のストリップ41を形成する場合のように側縁58cが内方にテーパして後縁58b又は別の側縁58cと交差する場合、側縁58cとして働くことができる(又は、前縁も後縁も存在しない場合がある)。さらに、図示のように、1対の切断部材42a,42bが互いに協働して働く場合、かかる切断部材の対は、シート21の長さに沿って互い違いの配列状態に配置され、それにより、対応の切断経路42a,42bは、例えば図10に示されているように各ストリップ41の開始部及び/又は終了部のところで交差することができる。経路58の或る特定の部分、例えば前縁58a及び/又は後縁58bを切断するために1つ又は2つ以上の追加の切断部材42を設けるのが良い。切断部材42は、任意形状のストリップ41を形成することができ、かかるストリップとしては、例えば図10に示されているように一定幅のストリップ41又は可変幅のストリップ41が挙げられる。可変幅ストリップ41は、例えば図10に示されているように段付きであっても良く(階段状であっても良く)、或いは、直線状にテーパしていても良く又は異形であっても良い。段付き構成例では、段部相互間のストリップ41の各長さ(即ち、段部長さ)は、成型面100の周囲を実質的に表わし又はこれに沿って延びるのが良い。他の用途では、ストリップ41は、かかるストリップ周りに周囲を切り込むことなく、例えば、ストリップ41がシート21の側部に沿って形成される場合に形成されても良い。1つ又は2つ以上の切断部材42は又、物品14からの取り込み空気の除去を容易にするようストリップ41の形成中又は形成後に空気放出スリットを切断形成することができる。
【0023】
例えば図10に示されているように、側方切れ目を入れる際、各切断部材42a,42bは、その切れ刃43を図10に示されているようにシート21の並進方向又は中心線に対して所望のゼロではない角度まで(又は並進軸線45に対して垂直ではない角度まで)回転させることができる。他の場合、側方切れ目を入れる際、切断部材42はどれも回転することがない。前縁58a及び後縁58bは、例えば図10の後縁58bに関して示されているように単一切断部材42により又は全体が図10の前縁58aによって示されているように2つ又は3つ以上の部材によって形成できることが想定される。図10に示されているように、1対の切断部材42a,42bは、ストリップ41を形成するのに必要な全ての切れ目を形成することができる。他の用途では、他の変形例又はストリップ41を形成する他の手段が存在する場合がある。
【0024】
図1及び図2を参照すると、1本又は2本以上のストリップ41の形成に続き、シート21の残りの部分は、生成装置20による再使用のために回収組立体70に差し向けられる。システム10を通って自動的にナビゲートする連続シート21を維持するため、1つ又は2つ以上の連続セグメント26がシート21からの1本又は2本以上のストリップ41の取り出し後にシート21に残る。各連続セグメント26は、シート21の先行する部分及び後続の部分に取り付けられたままの状態にある。図10に示されているように、例えば、1対のセグメント26がシート21の側方側部に沿って延びている。他の場合、セグメント26は、シート21内の中間(内側)(シート21の側方側部相互間)を含むシート21内の任意の場所のところに位置するのが良い。シート21の一体性及び連続性を維持するため、各セグメント26の断面形状は、かかるセグメント26の裂けを阻止するのに十分なサイズのものである。例えば、シート21の厚さが0.5〜1.5mmの場合、全てのセグメント26(即ち、シート21の並進方向(即ち、走行方向)に垂直な横方向平面に沿う)の幅の合計は、少なくとも20mmである。別の例として、シート21の厚さが0.5〜1.5mmの場合、各かかるセグメント26の幅は、少なくとも5mmである。当然のことながら、セグメント26のサイズは、シート21の構成材料に従って様々な場合がある(というのは、種々のシート材料は、互いに異なる引裂き特性を有するからである)。セグメント26又はかかるセグメントの一部分は、裂けに一段と抵抗するよう追加の塊り又は厚さを更に有するのが良い。
【0025】
図1〜図3、図5〜図8及び図11を全体として参照すると、システム10は、コンポーネント14を形成するために1本又は2本以上の連続ストリップ41を成型面100に張り付けるアプリケータ組立体60を更に有している。アプリケータ組立体60は、張り付け面64を有し、この張り付け面は、1本又は2本以上のストリップ41を軸方向テーパ付き成型面100に同時に移送するアプリケータドラム62と関連している。上述すると共に図示したように、張り付け面64は、軸方向テーパ付き表面である。図8及び図9を特に参照すると、アプリケータドラム62の張り付け面64は、その回転軸線に対して全体として角度θ64で表わされたテーパを有している。テーパ角度θ64は、任意所望の角度であって良い。例えば、特定の用途では、テーパ角θ64は、約23°である。他の構成例では、張り付け面64は、円筒形の表面であっても良く、この円筒形の表面では、その回転軸線を軸方向テーパ付き成型面100と平行に位置合わせする必要のある場合がある。図示のように、特定の構成例では、アプリケータドラム62及び張り付け面64は、切断ドラム52及び切断面50としてそれぞれ働くことができ、又この逆の場合が成り立つ。
【0026】
上述したように、軸方向テーパ付き成型面100は、任意の物体又は成型ドラムと関連するのが良い任意の所望の表面であって良い。例えば、図1及び図2を参照すると、成型面100は、当初、回転可能なドラム104に取り付けられるタイヤカーカス102のサイドウォール部分であるのが良い。他の例では、成型面100は、成型ドラム104の一部分を形成するのが良い。ストリップ41をいったん成型面に張り付けると、次のストリップ41のための成型面は、先に張り付けられたストリップ41の少なくとも一部分を含むのが良い。
【0027】
作用を説明すると、一実施形態によれば、張り付け面64(並びにアプリケータドラム62)は、初期位置(ホームポジション)から成型面100への移送又は係合位置まで並進し、かかる移送又は係合位置は、全体として図11に例示的に示されている。張り付け面64は、係合位置にあるとき、ストリップ41を成型面100に接触させる。張り付け面64は、係合位置にある状態を続けることができ、コンポーネント14の直径がストリップ41の多くの回転又は層につれて増大すると、引っ込み又は後退するのが良い。他の用途では、張り付け面64は、当初、ストリップ41を成型面100に接触させ、次に、張り付け位置に引っ込み、それにより、張り付け中のストリップが引張り状態になり又はかかるストリップを成型面100に強制的に張り付けるために引き伸ばされる。
【0028】
物品14の外径がストリップ41の多数の回転又は層につれて増大すると、成型面100(コンポーネント14の外面)の回転速度が増大する。したがって、成型面100(又は成型ドラム104)の回転速度を減少させることができると共に/或いは張り付け面64(又は成型ドラム62)の速度を増大させることができ、それによりコンポーネント14の直径の増大を補償することができる。物品14がいったん完成すると、張り付け面64は、並進して所望の位置、例えばホームポジションに戻ることができ、それによりタイヤ102及び/又は物品14の次の取り扱い及びシステム10からのタイヤ102及び/又は物品14の次の搬送を容易にするのに適した隙間を提供することができる。張り付けプロセス中に並進する張り付け面64に代えて又はこれに加えて、成型面100は、張り付け面64と成型面50との間の相対並進を達成するよう並進可能であることが想定される。
【0029】
任意のストリップ41の適正な移送及び張り付けを達成するため、ストリップ41を所望の圧力で張り付けてストリップ41と成型面100との間の適正な密着を促進するのが良い。十分な圧力は、張り付け面64と成型面100の相対位置を変化させることにより達成できる。加うるに、ローラ(図示せず)を用いて初期張り付け後にストリップ41が成型面に張り付けられているときに圧力をストリップ41に加えるのが良い。ストリップを圧力により張り付けることによっても、物品14内に取り込まれる空気が減少するので硬化製品中の密着性を促進することができる。高すぎる圧力を加えると、ストリップ41は、物品14内でブリッジ状態になって物品14内に取り込まれた空気のポケットを形成する場合がある。取り込まれた空気を一層減少させようとして、張り付け面64及び成型面100のうちの一方は、弧状であり又は非直線状である軸方向テーパ付き経路を辿って延びるのが良く、それにより、接触の強化又は圧力の増大により側方又は外方に広がる対向した表面相互間の中央に位置する初期接触点を提供することができる。
【0030】
物品14内の取り込み空気の除去を一段と容易にするため、ストリップ41(又はシート21)の表面は、空気がコンポーネント14の内側部分からその外縁部に流れることができるようにするための表面特徴部で模様付けされるのが良い。かかる表面特徴部は、例えば、溝、リブ又は空気を物品14の外部に差し向けることができる他の隆起若しくは凹み特徴部から成るのが良い。表面特徴部をストリップ41に沿って又はストリップ形成に先立ってシート21に沿って形成するのが良い。表面特徴部を表面模様付きローラ、例えばローラ54又はシステム10内の任意他のローラで形成するのが良く、かかるローラとしては、カレンダーロール24が挙げられる。表面模様付きローラは、テキスチャ形成特徴部を有し、かかるテキスチャ形成特徴部は、全体として例示として図9に示されたローラ54の表面に沿う軸方向に直線状に延びても良く、或いは、ローラ54の回転軸線に対して他の角度をなして延びても良い。テキスチャ形成特徴部は、ポジ(ローラ表面から外方に延びている)であっても良く、ネガ(ローラ表面中に延びる)であっても良い。変形例として、テキスチャ形成特徴部をプロセスの他のステップ中、例えば、シート生成装置20によるシート生成の終わり又はシートの生成中に施しても良い。ストリップ41は、取り込み空気を放出する別の手段となるスリット又は孔を更に有するのが良い。
【0031】
各切断及び張り付け面50,64及びシート21及び/又は任意のストリップ41相互間の密着を促進するため、アプリケータドラム62は温度制御されるのが良い(即ち、加熱され又は冷却されるのが良い)。特定の場合、アプリケータドラム62は、シート21及び/又は任意のストリップ41の温度よりも低い少なくとも10℃の温度状態に維持される。他の実施形態では、アプリケータドラム62は、約70℃に維持される。さらに、他の温度及び他の温度差をシート21の物理的寸法形状及び材料特性に応じて維持するのが良い。さらに、上述したように、密着性の向上は、表面64が模様付き(粗い)表面である場合であれ滑らかな表面である場合であれ、可能である。滑らかな表面は、クロムメッキ又はホットクロム処理表面であるのが良い。さらに、上述のアプリケータドラム62と関連して説明した温度制御及び条件並びに表面条件及び処理も又、切断ドラム52により利用でき、それにより張り付け面50とシート21の密着性が向上する。
【0032】
図1、図2及び図12を参照すると、回収組立体70は、切断組立体40及び/又はアプリケータ組立体60を通って並進した後のシート21を受け取り、回収したシート21を投入材料としての再使用のため、例えばシート21の連続形成のために生成装置20に並進させて戻す。回収組立体70は、シート21からのストリップ41の切断及び取り出し後に生じたスクラップ(即ち、シート21の未使用又は残りの部分)の100%を再生利用することができる。シート21を生成装置20に戻すことにより、シート21は、システム10内で閉ループ並進経路に沿って移動する。連続閉ループ経路により、シート21は、手作業による介在なしに、所望に応じて自動的に始動し、停止し、そして再始動する。回収組立体70は、かかるシート21が切断組立体40により切断されたにせよそうでないにせよいずれにせよ、シート21を処理することができる。
【0033】
回収組立体70は、主要構成要素として、シート21を生成装置20まで並進させる1つ又は2つ以上のコンベヤを有する。図1、図2及び図12に示された構成例では、回収組立体70は、第1のコンベヤ72及び第2のコンベヤ80を有する。軸方向テーパ付き表面、例えば切断面50又は張り付け面64からシート21を受け取ると、第1のコンベヤ72は、表面速度変化型コンベヤであり、このことは、コンベヤの並進速度(即ち、表面速度)がその幅全体にわたって側方に(即ち、軸方向に)変化することを意味している。シート21が部分的に互いに異なる速度又は速さで軸方向テーパ付き表面を出るので、表面速度変化型コンベヤは、シート21を種々の速度で受け入れたり並進させたりすることができる。したがって、回収組立体70に入っているときのシート21の裂け又はバックアップ(即ち、堆積)を減少させるため、第1のコンベヤ72の表面は、シート21が任意の切断及び/又は張り付け組立体40,60を出るときにシート21の同一又はほぼ同一の速度で並進するのが良い。
【0034】
特に図12を参照すると、特定の実施形態では、表面速度変化型の第1のコンベヤ72は、軸方向テーパ付きローラ73を有し、このローラは、例えば、形状が円錐形又は切頭円錐形であるのが良い。図9に示されているように、ローラ73のテーパは、角度θ73で表わされている。テーパ角度θ73は、任意所望の角度であって良い。例えば、特定の用途では、テーパ角度θ73は、約5.4°である。特定の実施形態では、ベルト79を受け入れる目的で複数本の溝74がローラ73の長さに沿って設けられている。ベルト79は、種々の速度で並進する目的で、第1のコンベヤ72の長さに沿って溝74内に配置されている。ローラ73は、当該技術分野において知られている任意のベルトであって良いベルト79を駆動するよう動力化されており、かかるベルトは、例えば、Vベルト、フラットベルト、丸ベルト及び切欠き付きベルトであるのが良い。ベルト79は、一般に、コンベヤローラ73と第1のコンベヤ72の幅全体にわたって延びる個々のプーリ76の配列体との間に延びる。各プーリ76についてばね‐ブロック又は他の調節手段を設けるのが良く、その結果、各プーリ76は、条件及び荷重の変化に合わせて調節可能であると共に対応のベルト79に沿う張力を増減するよう調節可能である。回転部材78の1つ又は2つ以上の配列体がベルト79の並進経路の任意所望の変化を容易にするようコンベヤローラ73とプーリ76の配列体との間で第1のコンベヤ72の幅全体にわたって延びるのが良い。回転部材78は、例えば、複数個の独立プーリ又はローラ73に類似したテーパ付きローラを有するのが良いことが想定される。他の構成例では、ローラ73は、テーパがついていなくても良く又は円筒形であっても良いことが想定される。他の実施例では、表面速度変化型コンベヤ72は、表面速度が側方又は軸方向に可変である又はシート21を可変速度で並進させることができる任意他のコンベヤ設計例又は並進手段を有するのが良い。
【0035】
図1を参照すると、シート21は第1のコンベヤ72を離れるときにシート21を受け取るために第2のコンベヤ80は第1のコンベヤ72の遠位側端部の下に位置決めされている。第2のコンベヤ80は、入力12bとしてシート生成装置20への再導入のために回収シート21を移送する。第2のコンベヤ80は、任意公知のコンベヤであって良い。例えば、第2のコンベヤ80は、複数個のテーパがついていない又は円筒形のローラ82を有するのが良く、これらローラのうちの1つ又は2つ以上は、回収シート21を並進させるよう動力化されている。かかる例示のコンベヤは、複数個のローラ82回りで動作する1本又は2本以上のコンベヤベルト84を有するのが良い(そうでなくても良い)。別の例として、第2のコンベヤ80は、第1のコンベヤ72に類似した表面速度変化型コンベヤであるのが良い。図示の実施形態に示されている構成に代えて、回収組立体70内に単一コンベヤを用いても良く又はシート21を生成装置20に戻すために所望に応じて任意の複数個のコンベヤを用いても良いことが想定される。
【0036】
生成装置20は、毎分ゼロ(0)メートル(m/分)から50m/分以上までの範囲にある種々の速度でシート21を生じさせることができるのが良い。これにより、システム10は、シート21をバンド形成中に迅速に製作し、そして所望の際にシート生成を遅くし又は一時的に止めることができる。通常知られているように、エラストマー材料の過剰加工及び再熱は、流動性、スコーチ及び他の材料特性にマイナスの影響を及ぼす。したがって、ストリップ41が製作されていないとき又はこれとは異なりバンド形成プロセス中に遅延が存在する場合、システム10及び/又は生成装置20を一時的にアイドルモードにするのが良く又は一時的に停止させて投入材料の不必要な再加工を減少させ、それによりその寿命を延ばすのが良い。アイドルモードにあるとき、シート21は、並進することができ、生成装置20は、アイドル速度で作動することができる。アイドル速度は、任意所望の速度であって良く、かかる速度は、例えば、2m/分であるのが良い。物品14を形成することが望ましい場合、システム10は、製作モードで作動するのが良く、この場合、ストリップ41は、所望の速度、例えば最高約50m/分の速度で形成されて張り付けられる。システム10は又、動作可能又は準備モードで又はアイドル速度よりも高く且つ製造速度よりも低い速度、例えば、20m/分で作動することができる。モード相互間の切り替え時に、速度は、速度の急変に起因して生じる場合のあるシート21の裂けを阻止しようとしてゆっくりと又は方法論的に増減するのが良い。
【0037】
図13を参照すると、システム10は、プログラマブルロジックコントローラ90又はプログラムされた指令を実行することができるプロセッサを備えた他の装置、例えばパーソナルコンピュータ又はメインフレームコンピュータを有するのが良い。システム10は、ユーザインターフェイス98を更に有するのが良い。コントローラ90は、一般に、入力及び/又は指令を受け取ってシステム10及びその各組立体の作動を制御し、かかる作動は、シート21の生成及びシステム10を通るシート21の並進、ストリップ41の切り取り及び張り付け並びにシート21の回収及び再生のための回収シート21の操作を含む。コントローラ90は、論理プロセッサ92(これは、マイクロプロセッサであるのが良い)、記憶装置93、例えばRAM(読み取り書き込み記憶装置)、ROM(読み取り専用記憶装置)、PROM(プログラマブル読み取り専用記憶装置)及びシステム10と通信するための少なくとも1つの入力/出力(I/O)ケーブル94を有するのが良い。さらに、コントローラ90は、I/Oケーブルコネクタ96を備えたI/Oカードを収容するI/Oスロット95を有するのが良い。オペレータは、ユーザインターフェイス98を利用してコントローラ90及びシステム10への入力を提供すると共に/或いはコントローラ90及びシステム10の作動を制御し又は指令することができ、かかる作動は、シート21の形成及び並進と関連した各ステップ及び方法の実施、シート21からのストリップ41の切り取り及び巻きコンポーネント14を組み立てるための成型面へのストリップ41の張り付けを含む。ユーザインターフェイス98とコントローラ90は、I/Oケーブル96を介して互いに情報のやりとりをすることができる。また、ワイヤレス通信がコントローラ90、ユーザインターフェイス98及びシステム10相互間に存在するのが良いことが想定される。一般的に言って、コントローラ90は、任意公知の図式言語又はテキスト言語によりプログラム可能である。プログラムされた指令、データ、入力及び出力は、記憶装置93に記憶されるのが良く、記憶装置93は、プロセッサ92に対してアクセス可能である。記憶装置93は、市販の公知の記憶機構、例えばハードディスクドライブ、光記憶装置、フラッシュメモリ等から成るのが良い。プロセッサ92は、プログラムされた指令を実行し、かかるプロセッサは、指令及びシステム10を制御したり本明細書において説明した方法及び作動を実施するのに有用な計算及び/又は測定を実施することができる。記憶装置93は又、入力、出力及び他の情報、例えば、任意のドラム52,62,104、成型面100及び/又は切断部材42の幾何学的形状及び配置場所並びにシート21の並進及び形成のための所望の速度を記憶する。上述したように、コントローラ90は、並進部材44、延長部材47及び/又は回転部材48により切断部材42の作動を協調させるよう軸運動コントローラと情報のやりとりをすることができる状態にあるのが良い。さらに、コントローラ90は、切断ドラム52、アプリケータドラム62、成型面100及び/又は成型ドラム104の各々と情報のやりとりをする状態にあるのが良く、従って、コントローラは、各かかるドラムの回転中、各かかるドラムの回転位置を突き止めることができる。
【0038】
上述の装置(即ちシステム又は機械)は、物品を軸方向テーパ付き成型面上で形成する特定の実施形態としての方法を実施する。かかる方法の特定の実施形態は、機械的システム、例えば上述のシステム10及びその任意の変形例を用意するステップを含むのが良い。システムは、複数個の切断部材を有するのが良い。切断部材は、回転ナイフの形態をしていても良く又はストリップを形成するようシートを切断し、切り裂き又は穴開けすることができる任意他の器具若しくは装置又は切断組立体40と関連して上述した任意他の部材の形態をしていても良い。システムは、材料を軸方向テーパ付き成型面に移送する張り付け面を更に有するのが良く、軸方向テーパ付き表面は、この表面の回転軸線に沿って半径方向に変化する回転面から成る。成型面は、軸方向テーパ付き表面であり、特定の場合には、切頭円錐形表面を形成する。さらに別の場合、軸方向テーパ付き成型面は、タイヤの表面であり、物品は、タイヤコンポーネントである。システムの特定の実施形態では、張り付け面は、軸方向テーパ付き表面でもある。張り付け面は、切頭円錐形表面、帯形表面又はトーラスの一部分を形成することができる。他の変形例では、成型面及び/又は張り付け面は、任意他の軸方向テーパ付き表面、例えば回転楕円面、円形放物面、双曲面又はシステム10と関連して上述した任意他の表面を形成しても良い。いずれの表面であっても、かかる表面は、シート及び/又は任意のストリップを所望に応じてかかる表面上に維持するための向上した密着性を提供するようになっているのが良い。密着性が向上した表面は、任意公知の手段によって達成でき、かかる手段としては、張り付け面64及び成型面100を参照して上述した手段又は任意他のローラ若しくはドラムが挙げられる。
【0039】
かかる方法の特定の実施形態は、材料のシートを機械的システム中の並進経路に沿って並進させるステップを更に有するのが良い。特定の場合、並進経路に沿う並進ステップは、ローラ組立体、切断組立体及び/又はアプリケータ組立体を通る並進ステップを含む。かかる経路に沿う並進は、シート生成装置からの並進ステップ及び/又はシート生成装置に戻るために回収組立体に沿う並進ステップを更に含むのが良い。経路に沿う並進は又、システム10を参照して上述したように起こるのが良い。
【0040】
かかる方法の特定の実施形態は、並進ステップ中、複数個の切断部材のうちの1つ又は2つ以上によりシートから材料のストリップを切り取るステップを有するのが良い。特定の場合、切り取りステップは、複数個の切断部材のうちの1つ又は2つ以上により1つ又は2つ以上の側方に延びる切断経路を材料シートに切り込んでストリップの前縁を形成するステップと、前縁から延びる1つ又は2つ以上の側部切断経路を切り込んでストリップの幅を形成するステップと、側部経路から1つ又は2つ以上の側方に延びる切断経路を切り込んでストリップの後縁を形成するステップとを含む。シートは又、任意他の仕方で、例えば、切断組立体40と関連して上述した任意の仕方で切断可能である。
【0041】
かかる方法の特定の実施形態は、材料ストリップを張り付け面から軸方向テーパ付き成型面に機械的に移送するステップを更に有するのが良く、軸方向テーパ付き成型面は、並進ステップ中、回転軸線回りに回転する。換言すると、張り付け面は、ストリップを回転中の張り付け面に張り付け又は移送する。特定の場合、材料ストリップを機械的に移送するステップは、成型面及び張り付け面のうちの少なくとも一方を他方に向かって並進させることによりストリップを成型面に加圧接触させるステップを含む。或る特定の場合、張り付け面は、ストリップを軸方向テーパ付き成型面に加圧接触させた状態に保ちながら軸方向テーパ付き成型面から引っ込む。加圧接触の維持に代えて、張り付け面は、材料ストリップを引張り状態にするために(ストリップが張り付け面から成型面に移送されているとき)、軸方向テーパ付き成型面から引っ込んでも良い。ストリップを成型面に張り付ける他の方法、例えば、アプリケータ組立体60と関連して上述した方法を採用することができる。
【0042】
かかる方法の特定の実施形態は、投入材料をシート生成装置中に導入するステップと、シート生成装置により材料シートを形成するステップとを更に有するのが良い。シート生成装置は、材料のシートを形成する任意の手段、例えば、カレンダ又は押出し機から成るのが良い。投入材料は、任意の材料、例えば、ポリマー若しくはエラストマー又は上述した任意の材料であって良い。特定の場合、かかる方法は、シートを閉ループ経路回りに機械的に並進させるステップを有するのが良いことが推定され、この閉ループ経路は、シート生成装置から延び、そして投入材料として再使用可能にシート生成装置に戻る。したがって、投入材料は、新たな材料及び/又は先に使用したシート(再生利用される材料)から成るのが良い。新たな材料は、必要に応じて再生利用材料と一緒に追加されるのが良い。使用済みシートは、かかる方法の特定の実施形態では、ストリップをシートから切り取った後にシートの残りの部分を速度変化型表面を備えたコンベヤにより回収するステップを実施することによって得られる。特定の場合、表面速度変化型コンベヤは、テーパ付きローラに沿って軸方向に位置決めされた複数個の独立ベルトから成る。回収組立体70と関連して上述した他のコンベヤは、これら方法及び他の方法に使用可能である。
【0043】
閉ループ経路に沿って作動する場合、連続シートの形成及び並進速度を変化させることが可能である。したがって、例えば任意のストリップの形成又は張り付けが終了すると、シートの並進を減速させ又は停止させるのが良く、それにより再加工される材料を少なくすることができ、それにより、かかる材料に対してシート生成装置により実施される作業が少ない場合にシート材料の寿命が延びる場合がある。したがって、かかる方法は、1本又は2本以上のストリップを機械的に張り付け又は移送するステップの実施中にシートを第1の速度で並進させ、1本又は2本以上のストリップを張り付け又は移送するステップを実施していない場合にはシートを第2の速度で並進させるステップを更に有するのが良く、第2の速度は、第1の速度よりも低い。或る特定の場合、第1の速度は、毎分50メートル以上であるのが良く、第2の速度は、毎分2メートル以下であるのが良い。第2の速度は、毎分0メートルであっても良く、それにより一時的な休止又は中断が得られる。シート生成及び並進中における一時的休止又は中断の持続時間は、材料が劣化し又は変化し始める前に作業及び/又は熱への材料の曝露を制限するよう使用されている生成装置の特定の構成及びタイプに応じて制限されるのが良い。物品が完全に形成されると、完成した物品が取り出されて別の物品の次の組み立てのために別の成型面が戻されている間、遅延が存在するのが良い。したがって、かかる方法は、タイヤコンポーネントを形成した後に1本又は2本以上のストリップを形成するステップを終了させるステップを更に有するのが良く、その間、シートは、閉ループ経路回りに並進し続けている。次に、かかる方法の特定のステップを繰り返すことにより新たな物品を成型面上に形成するのが良い。
【0044】
本発明をその特定の実施形態に関して説明したが、かかる説明は、例示であって、本発明を限定するものではないことは理解されるべきである。したがって、本発明の範囲及び内容は、特許請求の範囲の記載にのみ基づいて定められるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向テーパ付き成型面上でタイヤコンポーネントを形成する方法であって、前記方法は、
機械的システムを用意するステップを有し、前記機械的システムは、複数個の切断部材及び材料を前記軸方向テーパ付き成型面に移送する張り付け面を有し、前記軸方向テーパ付き成型面は、該成型面の回転軸線に沿って半径方向に変化する回転面を有し、
前記機械的システム中の並進経路に沿って材料のシートを並進させるステップを有し、
前記並進ステップ中、前記複数個の切断部材のうちの1つ又は2つ以上により前記シートから材料のストリップを切り取るステップを有し、
前記材料のストリップを前記張り付け面から前記軸方向テーパ付き成型面に機械的に移送するステップを有し、前記軸方向テーパ付き成型面は、前記並進ステップ中、回転軸線回りに回転する、方法。
【請求項2】
前記軸方向テーパ付き成型面は、タイヤのサイドウォール部分である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記軸方向テーパ付き成型面は、切頭円錐形表面を形成する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記張り付け面は、軸方向テーパ付き表面である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記張り付け面は、切頭円錐形表面、帯形表面、又はトーラスの一部分である、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記材料のストリップを機械的に移送する前記ステップは、前記成型面及び前記張り付け面のうちの少なくとも一方を他方に向かって並進させることにより前記ストリップを前記成型面に加圧接触させるステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記張り付け面は、前記ストリップを前記軸方向テーパ付き成型面に加圧接触させた状態に保ちながら前記軸方向テーパ付き成型面から引っ込む、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記張り付け面は、前記材料のストリップを引張り状態にするために前記軸方向テーパ付き成型面から引っ込む、請求項6記載の方法。
【請求項9】
前記ストリップは、前記タイヤコンポーネント内に位置決めされた空気の除去を容易にするための表面特徴部を有する、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記切り取りステップの各々は、前記複数個の切断部材のうちの1つ又は2つ以上により1つ又は2つ以上の側方に延びる切断経路を前記材料シートに切り込んで前記ストリップの前縁を形成するステップと、
前記前縁から延びる1つ又は2つ以上の側部切断経路を切り込んで前記ストリップの幅を形成するステップと、
前記側部経路から1つ又は2つ以上の側方に延びる切断経路を切り込んで前記ストリップの後縁を形成するステップとを含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
投入材料をシート生成装置中に導入するステップと、
前記シート生成装置により前記材料シートを形成するステップとを更に有する、請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記シートを閉ループ経路回りに機械的に並進させるステップを更に有し、該閉ループ経路は、前記シート生成装置から延び、そして投入材料として再使用可能に前記シート生成装置に戻る、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記ストリップを前記シートから切り取った後に前記シートの残りの部分を速度変化型表面を備えたコンベヤにより回収するステップを更に有する、請求項1又は12記載の方法。
【請求項14】
軸方向テーパ付き成型面回りにタイヤコンポーネントを形成する機械的システムであって、前記システムは、
切断組立体を有し、前記切断組立体は、シートが前記機械的システム中を並進しているときに前記シートから材料のストリップを切り取る複数個の切断部材を含み、
前記シートが前記機械的システム中を並進しているときにゴム材料のストリップを前記成型面に移送する張り付け面を有し、前記軸方向テーパ付き成型面は、該成型面の回転軸線に沿って半径方向に変化する回転面を有する、システム。
【請求項15】
前記軸方向テーパ付き成型面は、タイヤのサイドウォール部分である、請求項14記載の装置。
【請求項16】
前記軸方向テーパ付き成型面は、切頭円錐形表面を形成する、請求項14記載の装置。
【請求項17】
前記張り付け面は、軸方向テーパ付き表面である、請求項14記載の装置。
【請求項18】
前記張り付け面は、切頭円錐形表面、帯形表面、又はトーラスの一部分である、請求項17記載の装置。
【請求項19】
シート生成装置を更に有し、前記シート生成装置は、前記シートを投入材料から形成する、請求項14記載のシステム。
【請求項20】
前記シート生成装置は、2つ又は3つ以上のカレンダーロールを含む、請求項19記載のシステム。
【請求項21】
前記シートは、閉ループ経路を辿って前記機械的システム中を並進することができ、前記経路は、前記シート生成装置から延びて前記シート生成装置に戻る、請求項20記載のシステム。
【請求項22】
第2のシステムが第2の材料のシートからの第2の材料のストリップを第2の軸方向テーパ付き成型面に張り付け、両方の前記成型面は、同一物体の一部分を形成している、請求項14又は15記載のシステム。
【請求項23】
前記シート生成装置と前記切断組立体との間に位置決めされた並進ローラを更に有し、前記並進ローラは、前記シート生成装置と前記切断組立体との間に延びる前記シートの前記並進経路を変更する、請求項19記載のシステム。
【請求項24】
前記シート及び前記シート生成装置と作動可能な連絡関係をなすシート回収組立体を更に有し、前記回収組立体は、前記ストリップを前記シートから切り取った後に前記シートを前記シート生成装置によって投入材料としての再使用可能に前記シート生成装置に回収並進させる、請求項19記載のシステム。
【請求項25】
前記回収組立体は、速度変化型表面を備えたコンベヤを含み、前記コンベヤは、前記シートの並進経路に沿ってテーパ付きアプリケータドラムの次に位置決めされていて、前記シートの回収部分が前記テーパ付きアプリケータドラムから表面速度変化型コンベヤに並進するようになっている、請求項24記載のシステム。
【請求項26】
前記表面速度変化型コンベヤは、テーパ付きローラに沿って軸方向に位置決めされた複数本の独立ベルトを有する、請求項25記載のシステム。
【請求項27】
1本又は2本以上のベルトの各々は、独立プーリ回りにも延びている、請求項26記載のシステム。
【請求項1】
軸方向テーパ付き成型面上でタイヤコンポーネントを形成する方法であって、前記方法は、
機械的システムを用意するステップを有し、前記機械的システムは、複数個の切断部材及び材料を前記軸方向テーパ付き成型面に移送する張り付け面を有し、前記軸方向テーパ付き成型面は、該成型面の回転軸線に沿って半径方向に変化する回転面を有し、
前記機械的システム中の並進経路に沿って材料のシートを並進させるステップを有し、
前記並進ステップ中、前記複数個の切断部材のうちの1つ又は2つ以上により前記シートから材料のストリップを切り取るステップを有し、
前記材料のストリップを前記張り付け面から前記軸方向テーパ付き成型面に機械的に移送するステップを有し、前記軸方向テーパ付き成型面は、前記並進ステップ中、回転軸線回りに回転する、方法。
【請求項2】
前記軸方向テーパ付き成型面は、タイヤのサイドウォール部分である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記軸方向テーパ付き成型面は、切頭円錐形表面を形成する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記張り付け面は、軸方向テーパ付き表面である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記張り付け面は、切頭円錐形表面、帯形表面、又はトーラスの一部分である、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記材料のストリップを機械的に移送する前記ステップは、前記成型面及び前記張り付け面のうちの少なくとも一方を他方に向かって並進させることにより前記ストリップを前記成型面に加圧接触させるステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記張り付け面は、前記ストリップを前記軸方向テーパ付き成型面に加圧接触させた状態に保ちながら前記軸方向テーパ付き成型面から引っ込む、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記張り付け面は、前記材料のストリップを引張り状態にするために前記軸方向テーパ付き成型面から引っ込む、請求項6記載の方法。
【請求項9】
前記ストリップは、前記タイヤコンポーネント内に位置決めされた空気の除去を容易にするための表面特徴部を有する、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記切り取りステップの各々は、前記複数個の切断部材のうちの1つ又は2つ以上により1つ又は2つ以上の側方に延びる切断経路を前記材料シートに切り込んで前記ストリップの前縁を形成するステップと、
前記前縁から延びる1つ又は2つ以上の側部切断経路を切り込んで前記ストリップの幅を形成するステップと、
前記側部経路から1つ又は2つ以上の側方に延びる切断経路を切り込んで前記ストリップの後縁を形成するステップとを含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
投入材料をシート生成装置中に導入するステップと、
前記シート生成装置により前記材料シートを形成するステップとを更に有する、請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記シートを閉ループ経路回りに機械的に並進させるステップを更に有し、該閉ループ経路は、前記シート生成装置から延び、そして投入材料として再使用可能に前記シート生成装置に戻る、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記ストリップを前記シートから切り取った後に前記シートの残りの部分を速度変化型表面を備えたコンベヤにより回収するステップを更に有する、請求項1又は12記載の方法。
【請求項14】
軸方向テーパ付き成型面回りにタイヤコンポーネントを形成する機械的システムであって、前記システムは、
切断組立体を有し、前記切断組立体は、シートが前記機械的システム中を並進しているときに前記シートから材料のストリップを切り取る複数個の切断部材を含み、
前記シートが前記機械的システム中を並進しているときにゴム材料のストリップを前記成型面に移送する張り付け面を有し、前記軸方向テーパ付き成型面は、該成型面の回転軸線に沿って半径方向に変化する回転面を有する、システム。
【請求項15】
前記軸方向テーパ付き成型面は、タイヤのサイドウォール部分である、請求項14記載の装置。
【請求項16】
前記軸方向テーパ付き成型面は、切頭円錐形表面を形成する、請求項14記載の装置。
【請求項17】
前記張り付け面は、軸方向テーパ付き表面である、請求項14記載の装置。
【請求項18】
前記張り付け面は、切頭円錐形表面、帯形表面、又はトーラスの一部分である、請求項17記載の装置。
【請求項19】
シート生成装置を更に有し、前記シート生成装置は、前記シートを投入材料から形成する、請求項14記載のシステム。
【請求項20】
前記シート生成装置は、2つ又は3つ以上のカレンダーロールを含む、請求項19記載のシステム。
【請求項21】
前記シートは、閉ループ経路を辿って前記機械的システム中を並進することができ、前記経路は、前記シート生成装置から延びて前記シート生成装置に戻る、請求項20記載のシステム。
【請求項22】
第2のシステムが第2の材料のシートからの第2の材料のストリップを第2の軸方向テーパ付き成型面に張り付け、両方の前記成型面は、同一物体の一部分を形成している、請求項14又は15記載のシステム。
【請求項23】
前記シート生成装置と前記切断組立体との間に位置決めされた並進ローラを更に有し、前記並進ローラは、前記シート生成装置と前記切断組立体との間に延びる前記シートの前記並進経路を変更する、請求項19記載のシステム。
【請求項24】
前記シート及び前記シート生成装置と作動可能な連絡関係をなすシート回収組立体を更に有し、前記回収組立体は、前記ストリップを前記シートから切り取った後に前記シートを前記シート生成装置によって投入材料としての再使用可能に前記シート生成装置に回収並進させる、請求項19記載のシステム。
【請求項25】
前記回収組立体は、速度変化型表面を備えたコンベヤを含み、前記コンベヤは、前記シートの並進経路に沿ってテーパ付きアプリケータドラムの次に位置決めされていて、前記シートの回収部分が前記テーパ付きアプリケータドラムから表面速度変化型コンベヤに並進するようになっている、請求項24記載のシステム。
【請求項26】
前記表面速度変化型コンベヤは、テーパ付きローラに沿って軸方向に位置決めされた複数本の独立ベルトを有する、請求項25記載のシステム。
【請求項27】
1本又は2本以上のベルトの各々は、独立プーリ回りにも延びている、請求項26記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2012−510392(P2012−510392A)
【公表日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539490(P2011−539490)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【国際出願番号】PCT/US2008/085732
【国際公開番号】WO2010/065042
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(508032479)ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニム (499)
【出願人】(599093568)ソシエテ ド テクノロジー ミシュラン (552)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【国際出願番号】PCT/US2008/085732
【国際公開番号】WO2010/065042
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(508032479)ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニム (499)
【出願人】(599093568)ソシエテ ド テクノロジー ミシュラン (552)
【Fターム(参考)】
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