農産物の内部品質判定装置
【課題】
農産物の予め定めた計測部位を計測するに適した投光手段と受光手段を複数採用して、例えば農産物の異なる内部品質を効率的に高精度で判定すると共に、各受光手段からの計測信号を単一の処理手段で処理して装置のコストの低減化を図る農産物の内部品質判定装置を提供する。
【解決手段】
搬送手段により一列で搬送される農産物に投光手段により光を照射し、該照射により農産物を透過した光を受光手段により受光し、該受光された光に基づいて農産物の内部品質を判定する農産物の内部品質判定装置において、前記搬送手段で搬送される農産物の異なる部位をそれぞれ独立して計測するために、対となった投光手段及び受光手段を搬送手段の搬送方向に沿って複数配置すると共に、各受光手段からそれぞれ得られた光情報に基づいて単一の処理手段により農産物の内部品質を判定することを特徴とする。
農産物の予め定めた計測部位を計測するに適した投光手段と受光手段を複数採用して、例えば農産物の異なる内部品質を効率的に高精度で判定すると共に、各受光手段からの計測信号を単一の処理手段で処理して装置のコストの低減化を図る農産物の内部品質判定装置を提供する。
【解決手段】
搬送手段により一列で搬送される農産物に投光手段により光を照射し、該照射により農産物を透過した光を受光手段により受光し、該受光された光に基づいて農産物の内部品質を判定する農産物の内部品質判定装置において、前記搬送手段で搬送される農産物の異なる部位をそれぞれ独立して計測するために、対となった投光手段及び受光手段を搬送手段の搬送方向に沿って複数配置すると共に、各受光手段からそれぞれ得られた光情報に基づいて単一の処理手段により農産物の内部品質を判定することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば桃、梨、リンゴ、トマト、みかん等の農産物を選別して包装出荷する選別包装施設(選果場)で好ましく用いられる農産物の内部品質判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、この種の選果場においては、搬送コンベア上を一列で搬送される農産物に対してハロゲンランプやレーザーにより光を照射し、農産物の透過光や反射光を計測して、その内部品質を判定する内部品質判定装置が知られている。従来、このような内部品質判定装置としては、例えば特許文献1に開示されており、この判定装置は、同一搬送ライン上に、投光手段と受光手段が同一配置形態で農産物の異なる部位を計測する第1測定部と第2測定部を設け、この両測定部で計測された吸光度の差によって農産物の内部品質を判定するようにしたものである。
【特許文献1】特開平11−173985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この内部品質判定装置においては、農産物としての西洋梨の略赤道部より下部に照射され下方に透過した光と、西洋梨の略赤道部に照射されて下方に透過した光との吸光度の差によって品質を判定するため、西洋梨の石なし部の有無等の特定一つの内部品質は検出・判定できるものの、例えば西洋梨の上部の果梗回り等の異なる部位の空洞等の障害や、西洋梨の糖度、酸度等の西洋梨の内部品質判定にとって重要となる異なる内部品質を略同時に測定することが困難である。そこで、異なる個々の計測部位や内部品質をそれぞれ計測して判定する内部品質判定装置を搬送ライン上に複数台並設したり、農産物を回転させることで任意角度に設定して計測することも考えられるが、これらの場合は、装置自体の構成が複雑化してコスト高になり易く現実的でない。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、農産物の予め定めた計測部位を計測するに適した投光手段と受光手段を複数採用して、農産物の例えば異なる内部品質であっても効率的に高精度で判定すると共に、各受光手段からの計測信号を単一の処理手段で処理して装置のコストの低減化を図る農産物の内部品質判定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、搬送手段により一列で搬送される農産物に投光手段により光を照射し、該照射により農産物を透過又は反射した光を受光手段により受光し、該受光された光に基づいて農産物の内部品質を判定する農産物の内部品質判定装置において、前記搬送手段で搬送される農産物の異なる部位をそれぞれ独立して計測するために、対となった投光手段及び受光手段を搬送手段の搬送方向に沿って複数配置すると共に、各受光手段からそれぞれ得られた光情報に基づいて単一の処理手段により農産物の内部品質を判定することを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、搬送手段により一列で搬送される農産物に投光手段により光を照射し、該照射により農産物を透過又は反射した光を受光手段により受光し、該受光された光に基づいて農産物の内部品質を判定する農産物の内部品質判定装置において、前記搬送手段で搬送される農産物の異なる部位をそれぞれ独立して計測するために、対となった投光手段及び受光手段を搬送手段の搬送方向に沿って複数配置しその各光経路の中心が農産物内でそれぞれ異なりかつ互いに重ならないように設定すると共に、各受光手段の後段に該各受光手段からの情報を切り換えて前記処理手段に送り込むための情報切換手段を配置し、各受光手段からそれぞれ得られた光情報に基づいて単一の処理手段で農産物の内部品質を判定することを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に記載の発明は、前記農産物が搬送手段により一定間隔で搬送され、前記複数(N)の対となった複数の投光手段と受光手段とが搬送手段の搬送間隔の1/Nピッチずれて配置されていることを特徴とする。また、請求項4に記載の発明は、前記対となって複数配置される投光手段と受光手段が、農産物に対する横−横配置、横−下配置、横−上配置、上−下配置、下−上配置の5つの配置形態のうちの異なる配置形態もしくは同一配置形態の少なくとも2つに設定されることにより、各投光手段と受光手段により形成される光経路が農産物の異なる部位に設定されることを特徴とする。なお、横−横配置とは投光手段と受光手段が必ずしも水平状態となる配置を指すものではなく、農産物を挟んで投光手段と受光手段が斜めの状態になる配置も含む。この場合、受光手段が上方で投光手段が下方の場合も、その逆の場合も含むものとする。さらに、請求項5に記載の発明は、前記情報切換手段が、各受光手段の後段に回転可能に配置され透光部と遮光部が設けられた遮光板を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、搬送手段の搬送方向に沿って対となって複数配置された投光手段及び受光手段から得られたそれぞれの光情報に基づいて、単一の処理手段により農産物の内部品質が判定されるため、例えば農産物の果梗回りを中心とする障害等の内部品質や農産物の略赤道部を中心とする糖度、酸度等の内部品質を計測できて、農産物の異なる内部品質や異なる部位の同一内部品質を効率的に高精度で判定できると共に、これらの異なる部位の内部品質に基づいて、農産物品質を総合的に判定でき、複数の受光手段からの計測信号を単一の処理装置で処理することができて、装置自体の構成を簡略化してそのコストの低減化を図ることができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明によれば、搬送手段の搬送方向に沿って対となって複数配置され、その各光経路の中心が所定に設定された投光手段及び受光手段から得られると共に情報切換手段で切り換えられた各光経路の光情報に基づいて、単一の処理手段により農産物の内部品質が判定されるため、請求項1に記載の発明と同様に、農産物の異なる内部品質や異なる部位の同一内部品質を効率的に高精度で判定できると共に、農産物品質を総合的に判定でき、各受光手段からの計測情報を情報切換手段による切り換えによって単一の処理装置で処理することができて、装置自体の構成を簡略化してそのコストの低減化を図ることができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加え、農産物が搬送手段により一定間隔で搬送され、対となった投光手段と受光手段の複数(N)が搬送手段の搬送間隔の1/Nピッチずれて配置されているため、複数の受光手段で受光した光情報を単一の処理手段により一定間隔の間で順次に処理できて、搬送手段で搬送される農産物の異なる部位の内部品質等を計測するために複数の受光手段を設けても一層効率的に判定することができる。
【0011】
また、請求項4に記載の発明によれば、請求項1ないし3に記載の発明の効果に加え、対となって複数配置される投光手段と受光手段が、農産物に対する横−横配置、横−下配置、横−上配置、上−下配置、下−上配置の5つの配置形態のうちの異なる配置形態もしくは同一配置形態の少なくとも2つに設定されるため、計測・判定される農産物の計測する部位や内部品質に応じて投光手段と受光手段を最適な配置形態で使用できて、農産物の種類に係わらず、当該農産物の内部品質を一層高精度に判定することができる。
【0012】
さらに、請求項5に記載の発明によれば、請求項2ないし4に記載の発明の効果に加え、情報切換手段が、各受光手段の後段に回転可能に配置され透光部と遮光部が設けられた遮光板を備えるため、受光手段を複数設けても一方の受光手段の光が透光部を透過している際に他方の受光手段の光を遮光部で遮光できて、複数の受光手段からの光を択一的に制御手段に確実に伝送でき、農産物の例えば異なる部位の内部品質等をより一層高精度に判定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図8は、本発明に係わる内部品質判定装置の一実施形態を示している。図1において、内部品質判定装置1は、バケット2aを有する搬送コンベア2(搬送手段)の搬送方向イに沿って配置された第1計測部3及び第2計測部4と、この両計測部3、4の各受光器3b、4bの後段に配置された分光器5及び検出装置6と、各検出装置6からバケット2aの1/2ピッチずれて出力される電気信号を交互に切り換える切換装置7(情報切換手段)と、この切換装置7の後段に配置された制御装置8等を有している。
【0014】
前記第1計測部3及び第2計測部4は、対となった投光器3aと受光器3b、投光器4aと受光器4bが搬送コンベア2に対してそれぞれ対向配置されると共に、第1計測部3の投光器3aと受光器3bによる計測時の光経路L1が搬送コンベア2のバケット2aの搬送方向と直交する方向に略中心位置に設定され、第2計測部4の投光器4aと受光器4bによる計測時の光経路L2が搬送コンベア2の前後のバケット2a間に位置、すなわち第1計測部3と第2計測部4における計測位置が搬送コンベア2の搬送間隔の1/2ピッチずれた状態で配置されている。この第1計測部3と第2計測部4の1/2ピッチのずれにより、第1計測部3と第2計測部4の同時計測が禁止、すなわち受光器3b、4bで受光した光情報を後述する処理手段で交互に処理できるようになっている。本実施形態においては、図1に示すように、第2計測部4を、第1計測部3に対してバケット1個分とバケット1/2個分(搬送コンベア2の搬送間隔の1/2ピッチ)ずらした位置に配置しているが、前記第1計測部3と第2計測部4とをバケット1/2個分ずらして近接配置してもよい。また、第1計測部3と第2計測部4との間を、例えばバケット3個分とバケット1/2個分ずらした間隔で配置してもよい。また、図示はしないが、投光器と受光器の対を搬送コンベア2の搬送方向に沿って3つ配置した場合には、各投光器と受光器の対をバケット1/3個分ずらした間隔で配置することもできる。この場合においてもピッチずれした各計測部の間にバケットをN個分配置してもよい。
【0015】
また、第1計測部3は、投光器3aと受光器3bとを搬送コンベア2より上方でリンゴを挟んで対向配置した横−横配置形態で配置されている。投光器3aと受光器3bとを農産物の赤道部より上方に配置して、第1計測部3の光経路L1が図2(a)に示すように、搬送コンベア2のバケット2a上のリンゴW等の農産物の略赤道部より上方の例えば果梗部分を透過するように設定されている。また、第2計測部4は、搬送コンベア2の上方に投光器4aを、搬送コンベア2の下方に受光器4bをリンゴを挟むように対向配置した横−下配置形態で配置されている。このようにバケット2a上の同一農産物Wの異なる部位の品質が第1計測部3と第2計測部4によってそれぞれ計測されるようになっている。第2計測部4の光経路L2は、農産物の側方から照射される光が図2(b)に示すようにバケット2a上の農産物の略赤道部から中央を通り下方に透過されるように設定されている。なお、第2の計測部4の投光器4aは、搬送コンベア2の幅方向両側に複数台(図では2台)配置されて、農産物の例えば両側面から略赤道部に対して光が照射されるようになっている。これにより、横−横配置の第1計測部3で農産物の第1品質に関する情報が計測され、横−下配置の第2計測部4で農産物の第2品質に関する情報が計測されるようになっている。
【0016】
前記制御装置8は、図1に示すように切換装置7で交互に切換えて送り出される電気信号(光情報)から所定の内部品質に係わる光情報を演算する演算手段14と、該演算手段14で演算された情報を判定する判定装置15と、該判定装置15で判定された情報と設定手段17に予め設定された基準値等の情報とを比較して、農産物の総合内部品質を総合判定する総合判定装置16と、この総合判定装置16で得られて判定情報を排出装置19に出力する出力手段18等を有し、これらが例えばマイコン内に構築されている。
【0017】
なお、制御装置8には、その総合判定装置16にCRT、液晶表示器等の表示手段20が接続され、該表示手段20に総合判定装置16で判定された農産物の内部品質に関する情報等が表示されるようになっている。また、制御装置8の出力手段18には、搬送コンベア2に設けられた排出装置19が接続されると共に、搬送コンベア2に設けられた前記クロック信号発信機11が接続されており、これにより、クロック信号発信機11からの信号に同期して総合判定装置16で判定された品質情報に対応した排出装置19が作動するようになっている。
【0018】
次に、このように構成された内部品質判定装置1の動作の一例について説明する。先ず、農産物としての例えばリンゴWは、搬送コンベア2の始端側でバケット2a上に果梗部分が上方に位置する状態で一個ずつ手動もしくは自動で載せられ、搬送コンベア2の下流側に搬送される。この搬送によりバケット2a上のリンゴWが第1計測部3の位置に達すると、該第1計測部3の投光器3aから照射されている光が当該バケット2a上のリンゴWの略赤道部より上方の果梗部分に照射されて、その透過光が受光器3bで受光される。
【0019】
この受光器5で受光された光情報は、分光器5、検出装置6及び切換装置7を介して制御装置8の演算手段14及び判定装置15に入力されて果梗部分の空洞障害の有無等の前記第1品質が判定される。この第1品質が判定されたリンゴWは、その判定情報が、例えば判定装置15でコード化されて総合判定装置16に入力され、該判定装置16内に一時記憶される。なお、この第1計測部3での計測中においては、第2計測部4の位置にバケット2aに載せられたリンゴWは存在せず計測動作を実行しないようになっている。このことは、第2計測部4によるリンゴWの第2品質の計測時についても同様である。
【0020】
そして、第1計測部3で果梗部分の第1品質が計測・判定されてその情報が記憶されたリンゴWが、搬送コンベア2で下流側にさらに搬送されて第2計測部4の位置に達すると、該第2計測部4の例えば2台の投光器4aから照射されている光が当該バケット2a上のリンゴWの略赤道部に照射されて、そのそれぞれの透過光が搬送コンベア2の下方に配置された受光器4bで受光される。この受光器4bで受光された光情報は、第1計測部3と同様に、分光器5、検出装置6及び切換装置7を介して制御装置8に入力されてリンゴWの略赤道部の糖度や酸度等の第2品質が判定され、その判定情報が例えばコード化されて総合判定装置16に一時記憶される。
【0021】
これにより、リンゴWの第1品質と第2品質が共に判定されて、その判定情報がコード化されて総合判定装置16に記憶され、この記憶された情報が、総合判定装置16により設定手段17に記憶してある基準情報と比較されて、当該リンゴWの第1品質と第2品質に基づく総合内部品質が判定される。そして、この総合内部品質が判定されたリンゴWは、その判定結果に基づいて制御装置8の出力手段18からの信号で所定の排出装置19が作動することにより、搬送コンベア2の対応する排出装置19部分に配置した引出コンベア21(図1参照)上に排出されてプールされることになる。
【0022】
つまり、この内部品質判定装置1の場合、搬送コンベア2の搬送方向イに沿って、投光器3a、4aと受光器3b、4bが対となった第1計測部3と第2計測部4を配置し、第1計測部3の横−横配置の光経路L1により、リンゴWの第1品質が計測・判定され、第2計測部4の横−下配置の光経路L2によりリンゴWの前記第1品質とは異なる第2品質が計測・判定される。そして、両計測部3、4を搬送コンベア2の搬送間隔の1/2ピッチずらして配置すると共に、各受光器3b、4bで受光された光情報が搬送コンベア2の搬送速度と同期させた切換装置7の択一的な切換動作により交互に制御装置8に入力されて、リンゴWの異なる部位の第1品質と第2品質とが交互に計測・判定されることになる。また、第1計測部3と第2計測部4とがバケット整数倍の個数分とバケット1/2個分とをずらして設けた配置形態では、第1計測部3で得られた光情報とバケット2aの搬送と同期して第2計測部4に送ることにより、第1計測部3の光情報と第2計測部4の光情報とを合わせて処理することができる。
【0023】
なお、以上の例においては、第1計測部3の光経路L1を横−横配置とし、第2計測部4の光経路L2を横−下配置に設定したが、各計測部3、4の光経路L1、L2を例えば各図3〜図7に示すように設定しても良い。以下、上記実施形態と同一部位には、同一符号を付して説明する。先ず、図3に示す例の光経路は、第1品質を計測・判定する光経路L1を、(a)に示すようにリンゴWの略赤道部より上方の横−横配置とし、第2品質を計測・判定する光経路L2を、(b)に示すようにリンゴWの略赤道部の横−横配置とする。この場合、2つの横−横配置形態を農産物の異なる部位に光経路が設定されるように配置していて、上記実施形態と同様に、第1品質としては果梗部分の空洞障害等に適用され、第2品質としては糖度・酸度等に適用される。
【0024】
また、図4に示す例の光経路は、第1品質を計測・判定する光経路L1を、(a)に示すようにリンゴWの略赤道部より下半分の横−横配置とし、第2品質を計測・判定する光経路L2を、(b)に示すようにリンゴWの略赤道部の横−上配置(図2(b)の横−下配置形態において、受光器4bを農産物の上方に配置した形態)とする。この時、第2計測部4においては、2台の投光器4aから照射される光の直接的な受光器4bへの受光を防止するために、リンゴWと受光器4bとの間に、開口部22aを有する複数の遮光部材22が、その開口部22aを受光器4bと同芯となるように配置されている。そして、この例の場合、第1品質としてはリンゴWの例えば糖度・酸度やリンゴの花落ち部分の内部障害等に適用され、第2品質としてはリンゴWの例えば中心部の糖度・酸度や中心部から果梗部分にかけた空洞障害に適用される。
【0025】
さらに、図5に示す例の光経路は、第1品質を計測・判定する光経路L1を、(a)に示すようにリンゴWの略赤道部の横−上配置とし、第2品質を計測・判定する光経路L2を、(b)に示すようにリンゴWの略赤道部の横−下配置とする。この時、第1計測部3と第2計測部4の各投光器3a、4aは2台ずつ配置され、第1計測部3においては図4に示す例と同様に、遮光部材22が配置される。この例の場合、第1品質としてはリンゴWの例えば中心部から果梗部分にかけた空洞障害に適用され、第2品質としてはリンゴWの例えば糖度・酸度等に適用される。
【0026】
また、図6に示す例の光経路は、第1品質(例えば糖度・酸度)を計測・判定する光経路L1を、(a)に示すようにリンゴWの略赤道部の横−横配置とし、第2品質(例えば空洞等の障害)を計測・判定する光経路L2を、(b)に示すようにリンゴWの下−上配置とする。また、図7に示す例の光経路は、第1品質を計測・判定する光経路L1を、(a)に示すようにリンゴWの略赤道部の横−横配置とし、第2品質を計測・判定する光経路L2を、(b)に示すように、投光器4aの照射方向をリンゴの赤道部から下側に向けて斜め下方に設定して水平時の回り込みを抑え、受光器4bをリンゴWの障害が発生する部位である例えば果梗部分に配置する。
【0027】
なお、これらの例においては、第1計測部3と第2計測部4の光経路の中心が異なり且つ重ならない光経路L1、L2により、バケット2a上のリンゴWの異なる部位の第1品質と第2品質からなる異なる品質をそれぞれ計測・判定したが、例えばリンゴWの異なる部位の同一品質を計測・判定しても良い。この場合、農産物の糖度・酸度の内部品質を第1、第2計測部3、4でそれぞれ異なる部位(光経路)で計測・判定するように、例えば図5に示す横−上、横−下配置形態を用いて、第1計測部3で農産物の赤道部から上方部位を、第2計測部4で下方部位をそれぞれ計測する位置に各投受光器を配置することにより、農産物全体の内部品質を判定することができる。また同様に、農産物の障害が異なる部位に発生していた場合にも確実に計測・判定することができ、リンゴWに要求される最も重要な品質をより高精度に計測・判定できる。各計測部3、4の光経路L1、L2の組み合わせも、図示した各例に限定されず、横−横、横−下、横−上、上−下、下−上配置形態の5つの光経路のうち、異なるかもしくは同一の少なくとも2つのパターンを、計測・判定する品質に応じて適宜に組み合わせることができる。
【0028】
このように、上記実施形態の内部品質判定装置1にあっては、投光器3a、4aと受光器3b、4bを有する第1計測部3と第2計測部4が搬送コンベア2の搬送方向イに沿って配置され、この両計測部3、4から得られたそれぞれの光情報に基づく計測信号を切換装置7により択一的に切り換えて制御装置8に入力し、これを制御装置8で演算や基準値と比較して農産物の内部品質を判定するため、第1計測部3と第2計測部4で農産物の異なる部位の異なる内部品質を計測できる。その結果、農産物の総合的な内部品質を効率的に高精度で判定することができると共に、各投光器3a、4aや受光器3b、4bからの計測信号を一台の制御装置8で処理することができて、内部品質判定装置1の構成を簡略化してそのコストの低減化を図ることができる。
【0029】
特に、農産物が搬送コンベア2により一定間隔で搬送され、第1計測部3の投光器3aと受光器3bと第2計測部4の投光器4aと受光器4bとが、搬送コンベア2の搬送間隔の1/2ピッチずれた状態で配置されているため、第1計測部3(もしくは第2計測部4)の計測中に第2計測部4(もしくは第1計測部3)を確実に非計測状態に設定できて、両計測部3、4による計測が極めて短い間隔で行え、計測作業を一層効率的に行うことができる。
【0030】
さらに、第1計測部3と第2計測部4をそれぞれ構成する対となった投光器3a、4aと受光器3b、4bが、農産物に対する横−横配置、横−下配置、横−上配置、上−下配置、下−上配置の5つの配置形態のうちの、例えば第1計測部3を横−横配置とし第2計測部4を横−下配置としたり、第1計測部3を横−上配置として第2計測部4を横−下配置とする等、2つの異なる配置形態に設定して、各計測部3、4の光経路L1、L2を農産物の異なる部位に設定したり、あるいは、第1計測部3と第2計測部4を共に横−横配置の同一配置形態に設定して各計測部3、4の光経路L1、L2を農産物の異なる部位に設定することができる。
【0031】
その結果、農産物の判定すべき品質に応じて投光器3a、4aと受光器3b、4bとを最適配置形態に設定使用することができて、例えば農産物としてのリンゴWの中心部から果梗部分にかけての空洞障害の有無や、リンゴWの糖度・酸度等の異なる品質を高精度に判定することができる。また、第1計測部3や第2計測部4の投光器3a、4aや受光器3b、4bが横−上配置の場合に、投光器3a、4aの照射光等を遮光する遮光部材22が配置されているため、受光器3b、4bで受光される光情報を農産物を透過した光のみに設定でき、一層高精度な判定が可能となる。これらのことから、農産物の種類に係わらず、当該農産物の総合的な内部品質を一層高精度でかつ効率的に判定することが可能となり、農産物の選果場等に好適に使用することができる。
【0032】
図8は、上記内部品質判定装置の変形例を示しており、以下、上記実施形態と同位部位には同一符号を付して説明する。この変形例の内部品質判定装置1の特徴は、上記実施形態の制御装置8が、共有の演算手段14と判定装置15を有して第1計測部3と第2計測部4からの光情報を交互に演算したり判定するように構成したのに対し、第1計測部3からの光情報を演算及び判定する第1演算手段14a及び第1判定装置15aと、第2計測部4からの光情報を演算及び判定する第2演算手段14b及び第2判定装置15bを別々に設けて、各計測部から得られた光情報を計測部ごとにそれぞれ演算及び判定するように構成した点にある。
【0033】
そして、第1判定装置15aと第2判定装置15bで判定された第1品質に関する判定情報と第2品質に関する判定情報とに基づいて、総合判定装置16により農産物の第1品質と第2品質を合わせた総合的な内部品質を判定するようにしたものである。この例の制御装置8によれば、各判定装置15a、15bに第1品質と第2品質に対応した基準情報を予め記憶させることにより、特に異なる品質を判定する場合において各計測部3、4で計測された光情報から該当する品質を精度良く判定できると共に、各計測部3、4で計測されて判定された各種情報を確実に品質別に保存等できて、各種品質に対する統計的処理が高精度かつ効率的に行えることになる。このように、制御装置8内の構成は、第1計測部3と第2計測部4で計測された2つの光情報を処理して所定の内部品質を判定することが可能な適宜の構成を使用することができる。
【0034】
また、本発明の内部品質判定装置1は、図9に示す構成を採用しても良い。すなわち、この内部品質判定装置1は、バケット2aを有する搬送コンベア2(搬送手段)の搬送方向イに沿って配置された第1計測部3及び第2計測部4と、この両計測部3、4の各受光器3b、4bの後段に配置された切換装置7(情報切換手段)と、この切換装置7の後段に分光器5及び検出装置6を介して配置された制御装置8等で構成されている。
【0035】
なお、上記実施形態おける切換装置7としては、例えば図10及び図11に示すものを使用することもできる。すなわち、この切換装置7は、第1計測部3と第2計測部4の各受光器3b、4bを形成する一対の光ファイバー3b1、4b1の後段に対向配置されモータ10により回転する遮光板9を有し、この遮光板9の外周部には、円周方向に沿って円形の開口からなる透光部9aが等間隔で例えば3個形成されている。また、この遮光板9の透光部9a間には、遮光板9自体により3個の仮想上の遮光部9bが円周方向に等間隔で形成され、この遮光板9が後述するクロック信号発信機11の信号と同期して回転するようになっている。
【0036】
なお、透光部9aの内径は、光ファイバー3b1、4b1の外形と略同一に設定され、この透光部9aに対向して遮光板9の後段には、前記光ファイバー3b1、4b1と分断状態とされた光ファイバー12a、12bが対向配置されている。これにより、遮光板9が回転して、光ファイバー3b1と光ファイバー12a間に透光部9aが位置することで、第1計測部3で計測された光情報が光ファィバー12aを介して分光器6に出力され、光ファイバー4b1と光ファイバー12b間に透光部9aが位置することで、第2計測部4で計測された光情報が光ファイバー12bを介して分光器6に出力されるようになっている。なお、光ファイバー12a、12bは、その出力側が一体化されて分光器6に接続されている。
【0037】
なお、上記各実施形態においては、各計測部3、4の横−下や横−上配置の場合の投光器3a、4aを2台配置し受光器3b、4bを一台配置したが、例えば1台あるいは3台以上の投光器から光を照射し、1台あるいは複数台の受光器で透過光を受光するようにしても良い。第1、第2計測部を、透過光を受光する方式で構成したが、投光器から光を照射し農産物から反射される光を受光器で受光する反射光方式を採用して第1、第2計測部を構成しても良い。また、第1計測部を透過光方式に、第2計測部を反射光方式にそれぞれ構成して良い。このように、農産物の種類等に応じて様々な内部品質を精度良く判定することが可能な適宜の方式を採用して各計測部を構成することにより、農産物の異なる部位の異なる内部品質もしくは同一の内部品質を計測・判定することができる。また、図1、図8に示すように1/2個と1個分(=1.5個分)ずらして配置すること以外に、1/2個分と複数個分のバケット間隔をあけて配置することや、バケットを挟まず1/2ピッチ隣(0.5個分)に配置することもできるし、切換装置7も他の適宜の構成を採用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、搬送手段に対となった投光手段と受光手段とを2つ備えた内部品質判定装置に限らず、例えば3つの以上で同時計測が禁止されるような所定間隔で適宜配置される対となった投光手段と受光手段とを備えた内部品質判定装置にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係わる農産物の内部品質判定装置の一実施形態を示すブロック図
【図2】同その投光手段と受光手段の配置関係を示す図
【図3】同投光手段と受光手段の他の配置関係を示す図
【図4】同投光手段と受光手段のさらに他の配置関係を示す図
【図5】同投光手段と受光手段のさらに他の配置関係を示す図
【図6】同投光手段と受光手段のさらに他の配置関係を示す図
【図7】同投光手段と受光手段のさらに他の配置関係を示す図
【図8】同内部品質判定装置の変形例を示すブロック図
【図9】同内部品質判定装置の変形例を示すブロック図
【図10】同切換装置の構成図
【図11】同その遮光板の正面図
【符号の説明】
【0040】
1・・・内部品質判定装置、2・・・搬送コンベア 2a・・・バケット、3・・・第1計測部、3a・・・投光器、3b・・・受光器、4・・・第2計測部、4a・・・投光器、4b・・・受光器、5・・・分光器、6・・・検出装置、7・・・切換装置、8・・・制御装置、9・・・遮光板、9a・・・透光部、9b・・・遮光部、11・・・クロック信号発信機、12a、12b・・・光ファイバー、14・・・演算手段、15・・・判定手段、16・・・総合判定装置、17・・・設定手段、18・・・出力手段、19・・・排出装置、20・・・表示手段、22・・・遮光部材、L1、L2・・・光経路。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば桃、梨、リンゴ、トマト、みかん等の農産物を選別して包装出荷する選別包装施設(選果場)で好ましく用いられる農産物の内部品質判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、この種の選果場においては、搬送コンベア上を一列で搬送される農産物に対してハロゲンランプやレーザーにより光を照射し、農産物の透過光や反射光を計測して、その内部品質を判定する内部品質判定装置が知られている。従来、このような内部品質判定装置としては、例えば特許文献1に開示されており、この判定装置は、同一搬送ライン上に、投光手段と受光手段が同一配置形態で農産物の異なる部位を計測する第1測定部と第2測定部を設け、この両測定部で計測された吸光度の差によって農産物の内部品質を判定するようにしたものである。
【特許文献1】特開平11−173985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この内部品質判定装置においては、農産物としての西洋梨の略赤道部より下部に照射され下方に透過した光と、西洋梨の略赤道部に照射されて下方に透過した光との吸光度の差によって品質を判定するため、西洋梨の石なし部の有無等の特定一つの内部品質は検出・判定できるものの、例えば西洋梨の上部の果梗回り等の異なる部位の空洞等の障害や、西洋梨の糖度、酸度等の西洋梨の内部品質判定にとって重要となる異なる内部品質を略同時に測定することが困難である。そこで、異なる個々の計測部位や内部品質をそれぞれ計測して判定する内部品質判定装置を搬送ライン上に複数台並設したり、農産物を回転させることで任意角度に設定して計測することも考えられるが、これらの場合は、装置自体の構成が複雑化してコスト高になり易く現実的でない。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、農産物の予め定めた計測部位を計測するに適した投光手段と受光手段を複数採用して、農産物の例えば異なる内部品質であっても効率的に高精度で判定すると共に、各受光手段からの計測信号を単一の処理手段で処理して装置のコストの低減化を図る農産物の内部品質判定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、搬送手段により一列で搬送される農産物に投光手段により光を照射し、該照射により農産物を透過又は反射した光を受光手段により受光し、該受光された光に基づいて農産物の内部品質を判定する農産物の内部品質判定装置において、前記搬送手段で搬送される農産物の異なる部位をそれぞれ独立して計測するために、対となった投光手段及び受光手段を搬送手段の搬送方向に沿って複数配置すると共に、各受光手段からそれぞれ得られた光情報に基づいて単一の処理手段により農産物の内部品質を判定することを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、搬送手段により一列で搬送される農産物に投光手段により光を照射し、該照射により農産物を透過又は反射した光を受光手段により受光し、該受光された光に基づいて農産物の内部品質を判定する農産物の内部品質判定装置において、前記搬送手段で搬送される農産物の異なる部位をそれぞれ独立して計測するために、対となった投光手段及び受光手段を搬送手段の搬送方向に沿って複数配置しその各光経路の中心が農産物内でそれぞれ異なりかつ互いに重ならないように設定すると共に、各受光手段の後段に該各受光手段からの情報を切り換えて前記処理手段に送り込むための情報切換手段を配置し、各受光手段からそれぞれ得られた光情報に基づいて単一の処理手段で農産物の内部品質を判定することを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に記載の発明は、前記農産物が搬送手段により一定間隔で搬送され、前記複数(N)の対となった複数の投光手段と受光手段とが搬送手段の搬送間隔の1/Nピッチずれて配置されていることを特徴とする。また、請求項4に記載の発明は、前記対となって複数配置される投光手段と受光手段が、農産物に対する横−横配置、横−下配置、横−上配置、上−下配置、下−上配置の5つの配置形態のうちの異なる配置形態もしくは同一配置形態の少なくとも2つに設定されることにより、各投光手段と受光手段により形成される光経路が農産物の異なる部位に設定されることを特徴とする。なお、横−横配置とは投光手段と受光手段が必ずしも水平状態となる配置を指すものではなく、農産物を挟んで投光手段と受光手段が斜めの状態になる配置も含む。この場合、受光手段が上方で投光手段が下方の場合も、その逆の場合も含むものとする。さらに、請求項5に記載の発明は、前記情報切換手段が、各受光手段の後段に回転可能に配置され透光部と遮光部が設けられた遮光板を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、搬送手段の搬送方向に沿って対となって複数配置された投光手段及び受光手段から得られたそれぞれの光情報に基づいて、単一の処理手段により農産物の内部品質が判定されるため、例えば農産物の果梗回りを中心とする障害等の内部品質や農産物の略赤道部を中心とする糖度、酸度等の内部品質を計測できて、農産物の異なる内部品質や異なる部位の同一内部品質を効率的に高精度で判定できると共に、これらの異なる部位の内部品質に基づいて、農産物品質を総合的に判定でき、複数の受光手段からの計測信号を単一の処理装置で処理することができて、装置自体の構成を簡略化してそのコストの低減化を図ることができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明によれば、搬送手段の搬送方向に沿って対となって複数配置され、その各光経路の中心が所定に設定された投光手段及び受光手段から得られると共に情報切換手段で切り換えられた各光経路の光情報に基づいて、単一の処理手段により農産物の内部品質が判定されるため、請求項1に記載の発明と同様に、農産物の異なる内部品質や異なる部位の同一内部品質を効率的に高精度で判定できると共に、農産物品質を総合的に判定でき、各受光手段からの計測情報を情報切換手段による切り換えによって単一の処理装置で処理することができて、装置自体の構成を簡略化してそのコストの低減化を図ることができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加え、農産物が搬送手段により一定間隔で搬送され、対となった投光手段と受光手段の複数(N)が搬送手段の搬送間隔の1/Nピッチずれて配置されているため、複数の受光手段で受光した光情報を単一の処理手段により一定間隔の間で順次に処理できて、搬送手段で搬送される農産物の異なる部位の内部品質等を計測するために複数の受光手段を設けても一層効率的に判定することができる。
【0011】
また、請求項4に記載の発明によれば、請求項1ないし3に記載の発明の効果に加え、対となって複数配置される投光手段と受光手段が、農産物に対する横−横配置、横−下配置、横−上配置、上−下配置、下−上配置の5つの配置形態のうちの異なる配置形態もしくは同一配置形態の少なくとも2つに設定されるため、計測・判定される農産物の計測する部位や内部品質に応じて投光手段と受光手段を最適な配置形態で使用できて、農産物の種類に係わらず、当該農産物の内部品質を一層高精度に判定することができる。
【0012】
さらに、請求項5に記載の発明によれば、請求項2ないし4に記載の発明の効果に加え、情報切換手段が、各受光手段の後段に回転可能に配置され透光部と遮光部が設けられた遮光板を備えるため、受光手段を複数設けても一方の受光手段の光が透光部を透過している際に他方の受光手段の光を遮光部で遮光できて、複数の受光手段からの光を択一的に制御手段に確実に伝送でき、農産物の例えば異なる部位の内部品質等をより一層高精度に判定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図8は、本発明に係わる内部品質判定装置の一実施形態を示している。図1において、内部品質判定装置1は、バケット2aを有する搬送コンベア2(搬送手段)の搬送方向イに沿って配置された第1計測部3及び第2計測部4と、この両計測部3、4の各受光器3b、4bの後段に配置された分光器5及び検出装置6と、各検出装置6からバケット2aの1/2ピッチずれて出力される電気信号を交互に切り換える切換装置7(情報切換手段)と、この切換装置7の後段に配置された制御装置8等を有している。
【0014】
前記第1計測部3及び第2計測部4は、対となった投光器3aと受光器3b、投光器4aと受光器4bが搬送コンベア2に対してそれぞれ対向配置されると共に、第1計測部3の投光器3aと受光器3bによる計測時の光経路L1が搬送コンベア2のバケット2aの搬送方向と直交する方向に略中心位置に設定され、第2計測部4の投光器4aと受光器4bによる計測時の光経路L2が搬送コンベア2の前後のバケット2a間に位置、すなわち第1計測部3と第2計測部4における計測位置が搬送コンベア2の搬送間隔の1/2ピッチずれた状態で配置されている。この第1計測部3と第2計測部4の1/2ピッチのずれにより、第1計測部3と第2計測部4の同時計測が禁止、すなわち受光器3b、4bで受光した光情報を後述する処理手段で交互に処理できるようになっている。本実施形態においては、図1に示すように、第2計測部4を、第1計測部3に対してバケット1個分とバケット1/2個分(搬送コンベア2の搬送間隔の1/2ピッチ)ずらした位置に配置しているが、前記第1計測部3と第2計測部4とをバケット1/2個分ずらして近接配置してもよい。また、第1計測部3と第2計測部4との間を、例えばバケット3個分とバケット1/2個分ずらした間隔で配置してもよい。また、図示はしないが、投光器と受光器の対を搬送コンベア2の搬送方向に沿って3つ配置した場合には、各投光器と受光器の対をバケット1/3個分ずらした間隔で配置することもできる。この場合においてもピッチずれした各計測部の間にバケットをN個分配置してもよい。
【0015】
また、第1計測部3は、投光器3aと受光器3bとを搬送コンベア2より上方でリンゴを挟んで対向配置した横−横配置形態で配置されている。投光器3aと受光器3bとを農産物の赤道部より上方に配置して、第1計測部3の光経路L1が図2(a)に示すように、搬送コンベア2のバケット2a上のリンゴW等の農産物の略赤道部より上方の例えば果梗部分を透過するように設定されている。また、第2計測部4は、搬送コンベア2の上方に投光器4aを、搬送コンベア2の下方に受光器4bをリンゴを挟むように対向配置した横−下配置形態で配置されている。このようにバケット2a上の同一農産物Wの異なる部位の品質が第1計測部3と第2計測部4によってそれぞれ計測されるようになっている。第2計測部4の光経路L2は、農産物の側方から照射される光が図2(b)に示すようにバケット2a上の農産物の略赤道部から中央を通り下方に透過されるように設定されている。なお、第2の計測部4の投光器4aは、搬送コンベア2の幅方向両側に複数台(図では2台)配置されて、農産物の例えば両側面から略赤道部に対して光が照射されるようになっている。これにより、横−横配置の第1計測部3で農産物の第1品質に関する情報が計測され、横−下配置の第2計測部4で農産物の第2品質に関する情報が計測されるようになっている。
【0016】
前記制御装置8は、図1に示すように切換装置7で交互に切換えて送り出される電気信号(光情報)から所定の内部品質に係わる光情報を演算する演算手段14と、該演算手段14で演算された情報を判定する判定装置15と、該判定装置15で判定された情報と設定手段17に予め設定された基準値等の情報とを比較して、農産物の総合内部品質を総合判定する総合判定装置16と、この総合判定装置16で得られて判定情報を排出装置19に出力する出力手段18等を有し、これらが例えばマイコン内に構築されている。
【0017】
なお、制御装置8には、その総合判定装置16にCRT、液晶表示器等の表示手段20が接続され、該表示手段20に総合判定装置16で判定された農産物の内部品質に関する情報等が表示されるようになっている。また、制御装置8の出力手段18には、搬送コンベア2に設けられた排出装置19が接続されると共に、搬送コンベア2に設けられた前記クロック信号発信機11が接続されており、これにより、クロック信号発信機11からの信号に同期して総合判定装置16で判定された品質情報に対応した排出装置19が作動するようになっている。
【0018】
次に、このように構成された内部品質判定装置1の動作の一例について説明する。先ず、農産物としての例えばリンゴWは、搬送コンベア2の始端側でバケット2a上に果梗部分が上方に位置する状態で一個ずつ手動もしくは自動で載せられ、搬送コンベア2の下流側に搬送される。この搬送によりバケット2a上のリンゴWが第1計測部3の位置に達すると、該第1計測部3の投光器3aから照射されている光が当該バケット2a上のリンゴWの略赤道部より上方の果梗部分に照射されて、その透過光が受光器3bで受光される。
【0019】
この受光器5で受光された光情報は、分光器5、検出装置6及び切換装置7を介して制御装置8の演算手段14及び判定装置15に入力されて果梗部分の空洞障害の有無等の前記第1品質が判定される。この第1品質が判定されたリンゴWは、その判定情報が、例えば判定装置15でコード化されて総合判定装置16に入力され、該判定装置16内に一時記憶される。なお、この第1計測部3での計測中においては、第2計測部4の位置にバケット2aに載せられたリンゴWは存在せず計測動作を実行しないようになっている。このことは、第2計測部4によるリンゴWの第2品質の計測時についても同様である。
【0020】
そして、第1計測部3で果梗部分の第1品質が計測・判定されてその情報が記憶されたリンゴWが、搬送コンベア2で下流側にさらに搬送されて第2計測部4の位置に達すると、該第2計測部4の例えば2台の投光器4aから照射されている光が当該バケット2a上のリンゴWの略赤道部に照射されて、そのそれぞれの透過光が搬送コンベア2の下方に配置された受光器4bで受光される。この受光器4bで受光された光情報は、第1計測部3と同様に、分光器5、検出装置6及び切換装置7を介して制御装置8に入力されてリンゴWの略赤道部の糖度や酸度等の第2品質が判定され、その判定情報が例えばコード化されて総合判定装置16に一時記憶される。
【0021】
これにより、リンゴWの第1品質と第2品質が共に判定されて、その判定情報がコード化されて総合判定装置16に記憶され、この記憶された情報が、総合判定装置16により設定手段17に記憶してある基準情報と比較されて、当該リンゴWの第1品質と第2品質に基づく総合内部品質が判定される。そして、この総合内部品質が判定されたリンゴWは、その判定結果に基づいて制御装置8の出力手段18からの信号で所定の排出装置19が作動することにより、搬送コンベア2の対応する排出装置19部分に配置した引出コンベア21(図1参照)上に排出されてプールされることになる。
【0022】
つまり、この内部品質判定装置1の場合、搬送コンベア2の搬送方向イに沿って、投光器3a、4aと受光器3b、4bが対となった第1計測部3と第2計測部4を配置し、第1計測部3の横−横配置の光経路L1により、リンゴWの第1品質が計測・判定され、第2計測部4の横−下配置の光経路L2によりリンゴWの前記第1品質とは異なる第2品質が計測・判定される。そして、両計測部3、4を搬送コンベア2の搬送間隔の1/2ピッチずらして配置すると共に、各受光器3b、4bで受光された光情報が搬送コンベア2の搬送速度と同期させた切換装置7の択一的な切換動作により交互に制御装置8に入力されて、リンゴWの異なる部位の第1品質と第2品質とが交互に計測・判定されることになる。また、第1計測部3と第2計測部4とがバケット整数倍の個数分とバケット1/2個分とをずらして設けた配置形態では、第1計測部3で得られた光情報とバケット2aの搬送と同期して第2計測部4に送ることにより、第1計測部3の光情報と第2計測部4の光情報とを合わせて処理することができる。
【0023】
なお、以上の例においては、第1計測部3の光経路L1を横−横配置とし、第2計測部4の光経路L2を横−下配置に設定したが、各計測部3、4の光経路L1、L2を例えば各図3〜図7に示すように設定しても良い。以下、上記実施形態と同一部位には、同一符号を付して説明する。先ず、図3に示す例の光経路は、第1品質を計測・判定する光経路L1を、(a)に示すようにリンゴWの略赤道部より上方の横−横配置とし、第2品質を計測・判定する光経路L2を、(b)に示すようにリンゴWの略赤道部の横−横配置とする。この場合、2つの横−横配置形態を農産物の異なる部位に光経路が設定されるように配置していて、上記実施形態と同様に、第1品質としては果梗部分の空洞障害等に適用され、第2品質としては糖度・酸度等に適用される。
【0024】
また、図4に示す例の光経路は、第1品質を計測・判定する光経路L1を、(a)に示すようにリンゴWの略赤道部より下半分の横−横配置とし、第2品質を計測・判定する光経路L2を、(b)に示すようにリンゴWの略赤道部の横−上配置(図2(b)の横−下配置形態において、受光器4bを農産物の上方に配置した形態)とする。この時、第2計測部4においては、2台の投光器4aから照射される光の直接的な受光器4bへの受光を防止するために、リンゴWと受光器4bとの間に、開口部22aを有する複数の遮光部材22が、その開口部22aを受光器4bと同芯となるように配置されている。そして、この例の場合、第1品質としてはリンゴWの例えば糖度・酸度やリンゴの花落ち部分の内部障害等に適用され、第2品質としてはリンゴWの例えば中心部の糖度・酸度や中心部から果梗部分にかけた空洞障害に適用される。
【0025】
さらに、図5に示す例の光経路は、第1品質を計測・判定する光経路L1を、(a)に示すようにリンゴWの略赤道部の横−上配置とし、第2品質を計測・判定する光経路L2を、(b)に示すようにリンゴWの略赤道部の横−下配置とする。この時、第1計測部3と第2計測部4の各投光器3a、4aは2台ずつ配置され、第1計測部3においては図4に示す例と同様に、遮光部材22が配置される。この例の場合、第1品質としてはリンゴWの例えば中心部から果梗部分にかけた空洞障害に適用され、第2品質としてはリンゴWの例えば糖度・酸度等に適用される。
【0026】
また、図6に示す例の光経路は、第1品質(例えば糖度・酸度)を計測・判定する光経路L1を、(a)に示すようにリンゴWの略赤道部の横−横配置とし、第2品質(例えば空洞等の障害)を計測・判定する光経路L2を、(b)に示すようにリンゴWの下−上配置とする。また、図7に示す例の光経路は、第1品質を計測・判定する光経路L1を、(a)に示すようにリンゴWの略赤道部の横−横配置とし、第2品質を計測・判定する光経路L2を、(b)に示すように、投光器4aの照射方向をリンゴの赤道部から下側に向けて斜め下方に設定して水平時の回り込みを抑え、受光器4bをリンゴWの障害が発生する部位である例えば果梗部分に配置する。
【0027】
なお、これらの例においては、第1計測部3と第2計測部4の光経路の中心が異なり且つ重ならない光経路L1、L2により、バケット2a上のリンゴWの異なる部位の第1品質と第2品質からなる異なる品質をそれぞれ計測・判定したが、例えばリンゴWの異なる部位の同一品質を計測・判定しても良い。この場合、農産物の糖度・酸度の内部品質を第1、第2計測部3、4でそれぞれ異なる部位(光経路)で計測・判定するように、例えば図5に示す横−上、横−下配置形態を用いて、第1計測部3で農産物の赤道部から上方部位を、第2計測部4で下方部位をそれぞれ計測する位置に各投受光器を配置することにより、農産物全体の内部品質を判定することができる。また同様に、農産物の障害が異なる部位に発生していた場合にも確実に計測・判定することができ、リンゴWに要求される最も重要な品質をより高精度に計測・判定できる。各計測部3、4の光経路L1、L2の組み合わせも、図示した各例に限定されず、横−横、横−下、横−上、上−下、下−上配置形態の5つの光経路のうち、異なるかもしくは同一の少なくとも2つのパターンを、計測・判定する品質に応じて適宜に組み合わせることができる。
【0028】
このように、上記実施形態の内部品質判定装置1にあっては、投光器3a、4aと受光器3b、4bを有する第1計測部3と第2計測部4が搬送コンベア2の搬送方向イに沿って配置され、この両計測部3、4から得られたそれぞれの光情報に基づく計測信号を切換装置7により択一的に切り換えて制御装置8に入力し、これを制御装置8で演算や基準値と比較して農産物の内部品質を判定するため、第1計測部3と第2計測部4で農産物の異なる部位の異なる内部品質を計測できる。その結果、農産物の総合的な内部品質を効率的に高精度で判定することができると共に、各投光器3a、4aや受光器3b、4bからの計測信号を一台の制御装置8で処理することができて、内部品質判定装置1の構成を簡略化してそのコストの低減化を図ることができる。
【0029】
特に、農産物が搬送コンベア2により一定間隔で搬送され、第1計測部3の投光器3aと受光器3bと第2計測部4の投光器4aと受光器4bとが、搬送コンベア2の搬送間隔の1/2ピッチずれた状態で配置されているため、第1計測部3(もしくは第2計測部4)の計測中に第2計測部4(もしくは第1計測部3)を確実に非計測状態に設定できて、両計測部3、4による計測が極めて短い間隔で行え、計測作業を一層効率的に行うことができる。
【0030】
さらに、第1計測部3と第2計測部4をそれぞれ構成する対となった投光器3a、4aと受光器3b、4bが、農産物に対する横−横配置、横−下配置、横−上配置、上−下配置、下−上配置の5つの配置形態のうちの、例えば第1計測部3を横−横配置とし第2計測部4を横−下配置としたり、第1計測部3を横−上配置として第2計測部4を横−下配置とする等、2つの異なる配置形態に設定して、各計測部3、4の光経路L1、L2を農産物の異なる部位に設定したり、あるいは、第1計測部3と第2計測部4を共に横−横配置の同一配置形態に設定して各計測部3、4の光経路L1、L2を農産物の異なる部位に設定することができる。
【0031】
その結果、農産物の判定すべき品質に応じて投光器3a、4aと受光器3b、4bとを最適配置形態に設定使用することができて、例えば農産物としてのリンゴWの中心部から果梗部分にかけての空洞障害の有無や、リンゴWの糖度・酸度等の異なる品質を高精度に判定することができる。また、第1計測部3や第2計測部4の投光器3a、4aや受光器3b、4bが横−上配置の場合に、投光器3a、4aの照射光等を遮光する遮光部材22が配置されているため、受光器3b、4bで受光される光情報を農産物を透過した光のみに設定でき、一層高精度な判定が可能となる。これらのことから、農産物の種類に係わらず、当該農産物の総合的な内部品質を一層高精度でかつ効率的に判定することが可能となり、農産物の選果場等に好適に使用することができる。
【0032】
図8は、上記内部品質判定装置の変形例を示しており、以下、上記実施形態と同位部位には同一符号を付して説明する。この変形例の内部品質判定装置1の特徴は、上記実施形態の制御装置8が、共有の演算手段14と判定装置15を有して第1計測部3と第2計測部4からの光情報を交互に演算したり判定するように構成したのに対し、第1計測部3からの光情報を演算及び判定する第1演算手段14a及び第1判定装置15aと、第2計測部4からの光情報を演算及び判定する第2演算手段14b及び第2判定装置15bを別々に設けて、各計測部から得られた光情報を計測部ごとにそれぞれ演算及び判定するように構成した点にある。
【0033】
そして、第1判定装置15aと第2判定装置15bで判定された第1品質に関する判定情報と第2品質に関する判定情報とに基づいて、総合判定装置16により農産物の第1品質と第2品質を合わせた総合的な内部品質を判定するようにしたものである。この例の制御装置8によれば、各判定装置15a、15bに第1品質と第2品質に対応した基準情報を予め記憶させることにより、特に異なる品質を判定する場合において各計測部3、4で計測された光情報から該当する品質を精度良く判定できると共に、各計測部3、4で計測されて判定された各種情報を確実に品質別に保存等できて、各種品質に対する統計的処理が高精度かつ効率的に行えることになる。このように、制御装置8内の構成は、第1計測部3と第2計測部4で計測された2つの光情報を処理して所定の内部品質を判定することが可能な適宜の構成を使用することができる。
【0034】
また、本発明の内部品質判定装置1は、図9に示す構成を採用しても良い。すなわち、この内部品質判定装置1は、バケット2aを有する搬送コンベア2(搬送手段)の搬送方向イに沿って配置された第1計測部3及び第2計測部4と、この両計測部3、4の各受光器3b、4bの後段に配置された切換装置7(情報切換手段)と、この切換装置7の後段に分光器5及び検出装置6を介して配置された制御装置8等で構成されている。
【0035】
なお、上記実施形態おける切換装置7としては、例えば図10及び図11に示すものを使用することもできる。すなわち、この切換装置7は、第1計測部3と第2計測部4の各受光器3b、4bを形成する一対の光ファイバー3b1、4b1の後段に対向配置されモータ10により回転する遮光板9を有し、この遮光板9の外周部には、円周方向に沿って円形の開口からなる透光部9aが等間隔で例えば3個形成されている。また、この遮光板9の透光部9a間には、遮光板9自体により3個の仮想上の遮光部9bが円周方向に等間隔で形成され、この遮光板9が後述するクロック信号発信機11の信号と同期して回転するようになっている。
【0036】
なお、透光部9aの内径は、光ファイバー3b1、4b1の外形と略同一に設定され、この透光部9aに対向して遮光板9の後段には、前記光ファイバー3b1、4b1と分断状態とされた光ファイバー12a、12bが対向配置されている。これにより、遮光板9が回転して、光ファイバー3b1と光ファイバー12a間に透光部9aが位置することで、第1計測部3で計測された光情報が光ファィバー12aを介して分光器6に出力され、光ファイバー4b1と光ファイバー12b間に透光部9aが位置することで、第2計測部4で計測された光情報が光ファイバー12bを介して分光器6に出力されるようになっている。なお、光ファイバー12a、12bは、その出力側が一体化されて分光器6に接続されている。
【0037】
なお、上記各実施形態においては、各計測部3、4の横−下や横−上配置の場合の投光器3a、4aを2台配置し受光器3b、4bを一台配置したが、例えば1台あるいは3台以上の投光器から光を照射し、1台あるいは複数台の受光器で透過光を受光するようにしても良い。第1、第2計測部を、透過光を受光する方式で構成したが、投光器から光を照射し農産物から反射される光を受光器で受光する反射光方式を採用して第1、第2計測部を構成しても良い。また、第1計測部を透過光方式に、第2計測部を反射光方式にそれぞれ構成して良い。このように、農産物の種類等に応じて様々な内部品質を精度良く判定することが可能な適宜の方式を採用して各計測部を構成することにより、農産物の異なる部位の異なる内部品質もしくは同一の内部品質を計測・判定することができる。また、図1、図8に示すように1/2個と1個分(=1.5個分)ずらして配置すること以外に、1/2個分と複数個分のバケット間隔をあけて配置することや、バケットを挟まず1/2ピッチ隣(0.5個分)に配置することもできるし、切換装置7も他の適宜の構成を採用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、搬送手段に対となった投光手段と受光手段とを2つ備えた内部品質判定装置に限らず、例えば3つの以上で同時計測が禁止されるような所定間隔で適宜配置される対となった投光手段と受光手段とを備えた内部品質判定装置にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係わる農産物の内部品質判定装置の一実施形態を示すブロック図
【図2】同その投光手段と受光手段の配置関係を示す図
【図3】同投光手段と受光手段の他の配置関係を示す図
【図4】同投光手段と受光手段のさらに他の配置関係を示す図
【図5】同投光手段と受光手段のさらに他の配置関係を示す図
【図6】同投光手段と受光手段のさらに他の配置関係を示す図
【図7】同投光手段と受光手段のさらに他の配置関係を示す図
【図8】同内部品質判定装置の変形例を示すブロック図
【図9】同内部品質判定装置の変形例を示すブロック図
【図10】同切換装置の構成図
【図11】同その遮光板の正面図
【符号の説明】
【0040】
1・・・内部品質判定装置、2・・・搬送コンベア 2a・・・バケット、3・・・第1計測部、3a・・・投光器、3b・・・受光器、4・・・第2計測部、4a・・・投光器、4b・・・受光器、5・・・分光器、6・・・検出装置、7・・・切換装置、8・・・制御装置、9・・・遮光板、9a・・・透光部、9b・・・遮光部、11・・・クロック信号発信機、12a、12b・・・光ファイバー、14・・・演算手段、15・・・判定手段、16・・・総合判定装置、17・・・設定手段、18・・・出力手段、19・・・排出装置、20・・・表示手段、22・・・遮光部材、L1、L2・・・光経路。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送手段により一列で搬送される農産物に投光手段により光を照射し、該照射により農産物を透過又は反射した光を受光手段により受光し、該受光された光に基づいて農産物の内部品質を判定する農産物の内部品質判定装置において、
前記搬送手段で搬送される農産物の異なる部位をそれぞれ独立して計測するために、対となった投光手段及び受光手段を搬送手段の搬送方向に沿って複数配置すると共に、各受光手段からそれぞれ得られた光情報に基づいて単一の処理手段により農産物の内部品質を判定することを特徴とする農産物の内部品質判定装置。
【請求項2】
搬送手段により一列で搬送される農産物に投光手段により光を照射し、該照射により農産物を透過又は反射した光を受光手段により受光し、該受光された光に基づいて農産物の内部品質を判定する農産物の内部品質判定装置において、
前記搬送手段で搬送される農産物の異なる部位をそれぞれ独立して計測するために、対となった投光手段及び受光手段を搬送手段の搬送方向に沿って複数配置しその各光経路の中心が農産物内でそれぞれ異なりかつ互いに重ならないように設定すると共に、各受光手段の後段に該各受光手段からの情報を切り換えて前記処理手段に送り込むための情報切換手段を配置し、各受光手段からそれぞれ得られた光情報に基づいて単一の処理手段で農産物の内部品質を判定することを特徴とする農産物の内部品質判定装置。
【請求項3】
前記農産物が搬送手段により一定間隔で搬送され、前記複数(N)の対となった投光手段と受光手段が搬送手段の搬送間隔の1/Nピッチずれて配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の農産物の内部品質判定装置。
【請求項4】
前記対となって複数配置される投光手段と受光手段が、農産物に対する横−横配置、横−下配置、横−上配置、上−下配置、下−上配置の5つの配置形態のうちの異なる配置形態もしくは同一配置形態の少なくとも2つに設定されることにより、各投光手段と受光手段により形成される光経路が農産物の異なる部位に設定されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の農産物の内部品質判定装置。
【請求項5】
前記情報切換手段が、各受光手段の後段に回転可能に配置され透光部と遮光部が設けられた遮光板を備えることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の農産物の内部品質判定装置。
【請求項1】
搬送手段により一列で搬送される農産物に投光手段により光を照射し、該照射により農産物を透過又は反射した光を受光手段により受光し、該受光された光に基づいて農産物の内部品質を判定する農産物の内部品質判定装置において、
前記搬送手段で搬送される農産物の異なる部位をそれぞれ独立して計測するために、対となった投光手段及び受光手段を搬送手段の搬送方向に沿って複数配置すると共に、各受光手段からそれぞれ得られた光情報に基づいて単一の処理手段により農産物の内部品質を判定することを特徴とする農産物の内部品質判定装置。
【請求項2】
搬送手段により一列で搬送される農産物に投光手段により光を照射し、該照射により農産物を透過又は反射した光を受光手段により受光し、該受光された光に基づいて農産物の内部品質を判定する農産物の内部品質判定装置において、
前記搬送手段で搬送される農産物の異なる部位をそれぞれ独立して計測するために、対となった投光手段及び受光手段を搬送手段の搬送方向に沿って複数配置しその各光経路の中心が農産物内でそれぞれ異なりかつ互いに重ならないように設定すると共に、各受光手段の後段に該各受光手段からの情報を切り換えて前記処理手段に送り込むための情報切換手段を配置し、各受光手段からそれぞれ得られた光情報に基づいて単一の処理手段で農産物の内部品質を判定することを特徴とする農産物の内部品質判定装置。
【請求項3】
前記農産物が搬送手段により一定間隔で搬送され、前記複数(N)の対となった投光手段と受光手段が搬送手段の搬送間隔の1/Nピッチずれて配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の農産物の内部品質判定装置。
【請求項4】
前記対となって複数配置される投光手段と受光手段が、農産物に対する横−横配置、横−下配置、横−上配置、上−下配置、下−上配置の5つの配置形態のうちの異なる配置形態もしくは同一配置形態の少なくとも2つに設定されることにより、各投光手段と受光手段により形成される光経路が農産物の異なる部位に設定されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の農産物の内部品質判定装置。
【請求項5】
前記情報切換手段が、各受光手段の後段に回転可能に配置され透光部と遮光部が設けられた遮光板を備えることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の農産物の内部品質判定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−200892(P2006−200892A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−378494(P2004−378494)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000137328)株式会社マキ製作所 (48)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000137328)株式会社マキ製作所 (48)
【Fターム(参考)】
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