説明

迷子探索プログラムおよび迷子探索方法

【課題】施設内を移動する迷子の現在地を遠方からでも目視で把握できるようにし、迷子の発見を容易にする。
【解決手段】施設内において、迷子の探索者が親機2aを携帯し、迷子が子機2bを携帯している。位置情報取得手段1cは、施設内に設置された受信装置3a,3b,3cを通じて子機2bの識別情報を取得する。迷子情報入力手段1dは、端末装置5から親機2aの識別情報が入力されると、親機2aの識別情報に対応する子機2bの識別情報を特定する。そして、発光情報出力手段1eは、子機2bの識別情報を受信した受信装置を判定し、判定した受信装置から所定範囲内に設置された発光装置に対して発光要求を出力し、発光させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は迷子探索プログラムおよび迷子探索方法に関し、特に施設内を移動する迷子を探索する迷子探索プログラムおよび迷子探索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ハードウェアの小型化に伴い、小型の情報発信装置を備える機器を携帯させることで人の移動状況を管理することが行われている。識別情報を発信する発信装置を携帯機器に搭載し、所定の位置に設置された受信装置と発信装置とが無線通信を行うようにする。受信装置が取得した識別情報は、ネットワークを介してコンピュータへ送信され集中管理される。これにより、携帯機器を携帯した人が通過した地点の情報がコンピュータに蓄積される。
【0003】
このような人の移動状況を管理するシステムの応用として、施設内の迷子を発見する迷子探索システムが知られている。あらかじめ子供などに発信装置を搭載した携帯機器を携帯させておく。携帯機器を携帯した人が施設内で迷子になった場合、携帯機器の識別情報を指定することで、その識別情報を取得した受信装置の位置から迷子の現在地を把握することができる(例えば、特許文献1参照)。このようなシステムを用いることで、迷子を探索する者は、施設内に設置された端末装置などを使用して迷子の現在地を容易に把握することができる。また、GPS(Global Positioning System)を使用して迷子の現在地を緯度経度情報として把握する場合に比べ、携帯機器をより小型化しシステムを簡素化することができるという利点がある。
【0004】
一方、発光要求を受信することで発光する発光装置を携帯機器に搭載し、携帯機器の識別情報を指定して迷子の発光装置を発光させ、迷子を目視で発見しやすくするシステムも知られている(例えば、特許文献2参照)。このようなシステムを用いることで、探索者は迷子と所定の距離以内に近づくと、目視により迷子を容易に発見することができる。
【特許文献1】特開2003−346254号公報
【特許文献2】特開2003−252410号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1記載の技術では迷子が一箇所に留まらずに移動する場合に迷子を発見することが容易でないという問題がある。探索者が迷子の現在地を把握した後に迷子がその場所から移動した場合、探索者は向かった先で迷子がいないことを知り、その周辺を探索するか再び迷子の現在地をシステムを用いて調べる必要がある。そして、特許文献2記載の技術をさらに用いても、探索者は迷子と十分近い距離に近づかなければ携帯機器の発光を目視で確認することができないという問題がある。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、施設内を移動する迷子の現在地を遠方からでも目視で容易に把握できるようにする迷子探索プログラムおよび迷子探索方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では上記問題を解決するために、図1に示すような迷子探索プログラムが提供される。本発明に係る迷子探索プログラムは、迷子が携帯する子機から識別情報を取得して迷子の現在地を特定し、迷子の現在地の近傍に設置された発光装置を発光させるものである。この迷子探索プログラムを実行するコンピュータ1は、携帯機情報記憶手段1a、施設情報記憶手段1b、位置情報取得手段1c、迷子情報入力手段1dおよび発光情報出力手段1eを有する。携帯機情報記憶手段1aは、施設内を移動する1以上の第1の移動者が携帯する親機2a,・・・を個々に識別する第1の識別情報と、1以上の第2の移動者が携帯する子機2b,・・・を個々に識別する第2の識別情報とを対応付けて記憶する。施設情報記憶手段1bは、施設内に設置された、所定範囲内にある子機2b,・・・の発信回路から発信された第2の識別情報を受信する複数の受信装置3a,3b,3cを個々に識別する受信装置識別情報と、個々の受信装置3a,3b,3cに対応付けて施設内に設置された、発光要求の受信に基づき発光する複数の発光装置4a,4b,4cを個々に識別する発光装置識別情報とを関連付けて記憶する。位置情報取得手段1cは、複数の受信装置3a,3b,3cから、受信装置3a,3b,3cが受信した第2の識別情報を取得する。迷子情報入力手段1dは、施設内に設置された端末装置5から親機2a,・・・を識別する第1の識別情報が入力されると、携帯機情報記憶手段1aを参照し、入力された第1の識別情報に対応する第2の識別情報を特定する。発光情報出力手段1eは、施設情報記憶手段1bを参照し、位置情報取得手段1cで取得した第2の識別情報の内、迷子情報入力手段1dにより特定された第2の識別情報を受信した受信装置を識別する受信装置識別情報に対応する発光装置識別情報を取得し、発光装置識別情報に対応する発光装置に対して発光要求を出力する。
【0008】
このような迷子探索プログラムをコンピュータ1で実行させた場合、位置情報取得手段1cにより、受信装置3a,3b,3cが受信した子機2b,・・・を識別する第2の識別情報が取得される。親機2a,・・・を識別する第1の識別情報が入力されると、迷子情報入力手段1dにより、入力された第1の識別情報に対応する第2の識別情報が特定される。そして、発光情報出力手段1eにより、特定された第2の識別情報を受信した受信装置が判定され、判定された受信装置に対応する発光装置に対して発光要求が出力される。
【0009】
また、上記課題を解決するために、施設内を移動する迷子を探索する迷子探索方法において、位置情報取得手段が、前記施設内に設置された、所定範囲内にある、該施設内を移動する1以上の第2の移動者が携帯する子機の発信回路から発信された該子機を個々に識別する第2の識別情報を受信する複数の受信装置から、該受信装置が受信した前記第2の識別情報を取得し、迷子情報入力手段が、前記施設内に設置された端末装置から、前記施設内を移動する1以上の第1の移動者が携帯する親機を識別する第1の識別情報が入力されると、該親機を識別する第1の識別情報と前記子機を識別する第2の識別情報とを対応付けて記憶する携帯機情報記憶手段を参照して、入力された該第1の識別情報に対応する第2の識別情報を特定し、発光情報出力手段が、複数の前記受信装置を個々に識別する受信装置識別情報と、個々の該受信装置に対応付けて該施設内に設置された、発光要求の受信に基づき発光する複数の発光装置を個々に識別する発光装置識別情報とを関連付けて記憶する施設情報記憶手段を参照して、前記位置情報取得手段で取得した第2の識別情報の内、前記迷子情報入力手段により特定された第2の識別情報を受信した受信装置を識別する受信装置識別情報に対応する発光装置識別情報を取得し、該発光装置識別情報に対応する発光装置に対して発光要求を出力する、ことを特徴とする迷子探索方法が提供される。
【0010】
このような迷子探索方法によれば、受信装置3a,3b,3cが受信した子機2b,・・・を識別する第2の識別情報が取得される。親機2a,・・・を識別する第1の識別情報が入力されると、入力された第1の識別情報に対応する第2の識別情報が特定される。そして、特定された第2の識別情報を受信した受信装置が判定され、判定された受信装置に対応する発光装置に対して発光要求が出力される。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、施設内に設置された受信装置と個々の受信装置に対応付けて設置された発光装置との情報を保持し、子機の識別情報を取得した受信装置に対応する発光装置を発光させることとした。これにより、迷子が施設内を移動する場合でも、探索者は遠方から目視で迷子の位置を確認することができ、迷子を容易に発見することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。まず、本発明の概要について説明し、その後、実施の形態の具体的な内容を説明する。
図1は、実施の形態に適用される発明を示す原理図である。
【0013】
施設内を移動する第1の移動者は、第1の識別情報を備える親機2aを携帯している。施設内を移動する第2の移動者は、第2の識別情報を発信する発信回路を備える子機2bを携帯している。例えば、第2の移動者が子供であり、第1の移動者が第2の移動者の親である場合、第1の移動者は施設内に入る際に第2の移動者に子機2bを携帯させておく。
【0014】
施設内には、所定範囲内にある発信回路から発信された第2の識別情報を受信する複数の受信装置3a,3b,3cが設置されている。さらに、個々の受信装置3a,3b,3cに対応付けて、発光要求を受信すると発光する発光装置4a,4b,4cが設置されている。受信装置3a,3b,3cの設置間隔および受信装置3a,3b,3cが第2の識別情報を受信できる範囲は、迷子の発見しやすさなどを考慮してあらかじめ調整しておく。
【0015】
コンピュータ1は、受信装置3a,3b,3cおよび発光装置4a,4b,4cとネットワークを介して接続されている。さらに、コンピュータ1には施設内に設置された端末装置5が接続されている。コンピュータ1は、携帯機情報記憶手段1a、施設情報記憶手段1b、位置情報取得手段1c、迷子情報入力手段1dおよび発光情報出力手段1eを有する。
【0016】
携帯機情報記憶手段1aには、親機2aの第1の識別情報と子機2bの第2の識別情報とが対応付けられてあらかじめ記憶されている。施設情報記憶手段1bには、受信装置3a,3b,3cそれぞれの受信装置識別情報と、受信装置3a,3b,3cそれぞれに対応する発光装置4a,4b,4cの発光装置識別情報とが関連付けられてあらかじめ記憶されている。
【0017】
位置情報取得手段1cは、受信装置3a,3b,3cから、受信装置3a,3b,3cが受信した第2の識別情報を取得する。ここで、子機2bを携帯した第2の移動者が施設内で迷子になると、親機2aを携帯した第1の移動者は第2の移動者を探索するため、親機2aの第1の識別情報を端末装置5を使用して入力する。迷子情報入力手段1dは、端末装置5から親機2aの第1の識別情報を受け取ると、携帯機情報記憶手段1aを参照し、入力された親機2aの第1の識別情報に対応する第2の識別情報を特定する。
【0018】
発光情報出力手段1eは、施設情報記憶手段1bを参照し、位置情報取得手段1cが取得した第2の識別情報の内、迷子情報入力手段1dにより特定された第2の識別情報を受信した受信装置3a,3b,3cの受信装置識別情報に対応する発光装置識別情報を取得する。そして、取得した発光装置識別情報で識別される発光装置に対して発光要求を出力する。発光要求を受信した発光装置は発光する。
【0019】
例えば、子機2bが受信装置3bの第2の識別情報を受信できる範囲内にある場合、コンピュータ1によって第2の移動者の現在地が受信装置3bの設置位置付近であると判定される。そして、コンピュータ1から発光装置4bに対して発光要求が出力され、発光装置4bが発光する。
【0020】
このようなコンピュータ1によれば、位置情報取得手段1cにより、受信装置3a,3b,3cが受信した子機2bの第2の識別情報が取得される。親機2aの第1の識別情報が入力されると、迷子情報入力手段1dにより、入力された第1の識別情報に対応する第2の識別情報が特定される。そして、発光情報出力手段1eにより、特定された第2の識別情報を受信した受信装置が判定され、判定された受信装置に対応する発光装置に対して発光要求が出力される。
【0021】
これにより、迷子である第2の移動者を探索する第1の移動者は、発光装置4a,4b,4cの発光を手掛かりに、遠方からでも目視で第2の移動者の位置を確認することができる。したがって、例えば、第1の移動者が端末装置5を使用して第2の移動者の現在地を把握した後、その場所へ向かう間に第2の移動者が移動した場合でも、第1の移動者は向かった先の周辺にある発光装置4a,4b,4cの発光を確認することで、第2の移動者を容易に発見することができる。
【0022】
以下、本発明の第1の実施の形態を具体的に説明する。
図2は、第1の実施の形態の迷子探索システムの構成を示す図である。本実施の形態の迷子探索システムは、ショッピングセンター内で迷子になった人を探索するためのシステムである。
【0023】
ショッピングセンター内には複数の店舗がテナントとして入居しており、各店舗は1つのフロア内で1つ以上の連続するブロックを占有している。ショッピングセンターの各ブロックには、それぞれ1つの受信装置と1つの発光装置とが設置されている。
【0024】
具体的には、1階には、受信装置31と発光装置41、受信装置32と発光装置42、受信装置33と発光装置43、受信装置34と発光装置44、および、受信装置35と発光装置45が、それぞれ組となって異なるブロックに設置されている。また、2階には、受信装置36と発光装置46、受信装置37と発光装置47、受信装置38と発光装置48、および、受信装置39と発光装置49が、それぞれ組となって異なるブロックに設置されている。
【0025】
受信装置31〜39は、それぞれのブロック内で発信された電波を受信することができるように受信可能範囲が調整されている。また、発光装置41〜49は、同一フロア内の1ブロック離れた場所からでも見えるように位置および高さが調整されている。受信装置31〜39および発光装置41〜49は、それぞれ管理サーバ100と接続されている。また、各フロアに1台ずつ設置された端末装置51,52は、管理サーバ100と接続されている。
【0026】
複数の利用者からなる利用者グループがショッピングセンターを訪れた場合、利用者グループはまずサービスカウンタ60で親機21,・・・と子機22,・・・とを借りることができる。子機22,・・・は、ショッピングセンター内で迷子になるおそれがある利用者に携帯させる。親機21,・・・は、子機22,・・・を携帯する利用者が迷子になった場合にその利用者を探索する別の利用者が携帯する。
【0027】
例えば、子供とその親がショッピングセンターを訪れた場合、親が親機21,・・・を携帯すると共に、子供に子機22,・・・を携帯させることが考えられる。また、お年寄りとその同伴者がショッピングセンターを訪れた場合、同伴者が親機21,・・・を携帯すると共に、お年寄りに子機22,・・・を携帯させることが考えられる。
【0028】
ここで、親機21,・・・の構成および機能は同様であるため、以下、代表して親機21について説明する。同様に、子機22,・・・の構成および機能は同様であるため、以下、代表して子機22について説明する。
【0029】
親機21には、ICタグ21aが組み込まれている。ICタグ21aは、親機21を一意に識別可能な識別番号を記憶している。ICタグ21aに記憶された識別番号は、端末装置51,52と接触させることで、端末装置51,52が読み取ることができる。一方、子機22には、ICタグ22aが組み込まれている。ICタグ22aは、子機22を一意に識別可能な識別番号を記憶している。ICタグ22aに記憶された識別番号は、ICタグ22aによって電波により常時発信される。
【0030】
受信装置31〜39は、電波を受信することができる範囲内に識別番号を発信しているICタグ22aがあると、ICタグ22aからの電波を受信して識別番号を取得する。例えば、図2に示すフロアマップで1階左上のブロックに子機22の利用者が入ると、ICタグ22aが発信した識別番号を受信装置31が取得する。受信装置31〜39は、識別番号を取得すると、取得した識別番号を管理サーバ100へ送信する。管理サーバ100は、子機22の識別番号を送信した受信装置を特定することで、子機22の利用者が現在いるブロックを常時把握することができる。
【0031】
ここで、子機22の利用者が迷子になった場合、親機21の利用者は、端末装置51,52を使用して迷子を探索することができる。親機21の利用者は、端末装置51,52にICタグ21aを接触させる。端末装置51,52は、ICタグ21aから親機21の識別番号を読み取り、読み取った識別番号を管理サーバ100へ送信する。管理サーバ100は、受信した親機21の識別番号から、親機21と組になっている子機22の識別番号を特定し、子機22の利用者が現在いるブロックを判定する。
【0032】
そして、管理サーバ100は、迷子の現在地と判定したブロックに設置された発光装置に対して発光要求を送信する。これにより、発光要求を受信した発光装置が発光する。また、管理サーバ100は、識別番号が入力された端末装置に対して、迷子の現在地と判定したブロックを表示する地図情報を送信する。これにより、識別番号が入力された端末装置に迷子の現在地が表示される。
【0033】
例えば、子機22の識別番号が受信装置31により受信され、管理サーバ100へ送信されているとする。ここで、親機21の利用者がICタグ21aを端末装置51に接触させると、管理サーバ100は、子機22の識別番号を受信した受信装置31が設置されたブロックを迷子の現在地と判定する。そして、管理サーバ100は、発光装置41を発光させると共に、迷子がいるブロックを示したフロアマップを端末装置51に表示させる。
【0034】
一方、管理サーバ100は、親機21の利用者が端末装置51,52を使用して迷子の位置を把握した後も、子機22の利用者の現在地を継続的に監視する。これにより、親機21の利用者が迷子のいる位置に向かっている間に迷子が移動した場合でも、移動後のブロックの発光装置を発光させることができる。
【0035】
そして、親機21の利用者が迷子である子機22の利用者を発見した場合、親機21の利用者は、端末装置51,52を使用して迷子の登録を解除する。親機21の利用者は、登録解除の指定をして端末装置51,52にICタグ21aを接触させる。端末装置51,52は、ICタグ21aから親機21の識別番号を読み取り、読み取った識別番号を管理サーバ100へ送信する。管理サーバ100は、親機21と組になっている子機22の迷子の指定を取り消す。これにより、子機22の利用者が現在いるブロックの発光装置の発光が停止する。
【0036】
なお、ここでは1つの親機21に対して1つの子機22を対応付ける場合について説明したが、1つの親機に対して複数の子機を対応付けてもよい。例えば、1人の親と2人の子供とが利用者グループを構成する場合、親が携帯する1つの親機に対して、それぞれの子供が携帯する2つの子機を対応付ける場合が考えられる。
【0037】
次に、管理サーバ100のハードウェア構成について説明する。
図3は、管理サーバのハードウェア構成を示す図である。管理サーバ100は、CPU(Central Processing Unit)101によって装置全体が制御されている。CPU101には、バス107を介してRAM(Random Access Memory)102、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)103、グラフィック処理装置104、入力インタフェース105および通信インタフェース106が接続されている。
【0038】
RAM102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)プログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に必要な各種データが格納される。HDD103には、OSプログラムやアプリケーションプログラムが格納される。グラフィック処理装置104には、モニタ11が接続されている。
【0039】
グラフィック処理装置104は、CPU101からの命令に従って、画像をモニタ11の画面に表示させる。入力インタフェース105には、キーボード12とマウス13とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード12やマウス13から送られてくる信号を、バス107を介してCPU101に送信する。通信インタフェース106は、ネットワーク10に接続されている。
【0040】
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。
次に、管理サーバ100のプログラムモジュールの構成について説明する。
【0041】
図4は、第1の実施の形態の管理サーバの機能を示すブロック図である。管理サーバ100は、携帯機情報記憶部110、施設情報記憶部120、位置情報記憶部130、位置情報取得部140、迷子情報入力部145、発光位置判定部150、発光位置変更部155、発光情報出力部160および地図情報出力部165を有する。位置情報取得部140は、受信装置31〜39と接続されている。迷子情報入力部145は、端末装置51,52と接続されている。発光情報出力部160は、発光装置41〜49それぞれと接続されている。地図情報出力部165は、端末装置51,52と接続されている。
【0042】
携帯機情報記憶部110には、親機21,・・・の識別番号と、その親機と組になっている子機22,・・・の識別番号との対応関係を示す携帯機情報が格納されている。携帯機情報は、あらかじめ管理サーバ100の管理者によって登録される。携帯機情報の登録は、モニタ11、キーボード12、マウス13を使用して行う。なお、親機21,・・・と子機22,・・・との組をあらかじめ決めておくのではなく、利用者への貸し出し時に決めてもよい。この場合、サービスカウンタ60の担当者が、貸し出し時に携帯機情報を携帯機情報記憶部110に登録する。
【0043】
施設情報記憶部120には、受信装置31〜39および発光装置41〜49の設置位置を示す施設情報が格納されている。位置情報記憶部130には、子機22,・・・の識別番号ごとに、その識別番号を受信した受信装置を識別する情報が格納されている。また、位置情報記憶部130には、子機22,・・・の利用者が現在迷子に指定されているか否かの情報も格納されている。
【0044】
位置情報取得部140は、受信装置31〜39から識別番号を取得すると、取得した識別番号とその識別番号を送信した受信装置を識別する情報とを位置情報記憶部130に格納する。また、位置情報取得部140は、取得した識別番号によって特定される子機22,・・・の利用者が迷子に指定されている場合、迷子の移動に合わせて発光させる発光装置41〜49を変更するため、発光位置変更部に迷子が移動した旨の通知を行う。
【0045】
迷子情報入力部145は、端末装置51,52から識別番号を含む迷子登録要求が入力されると、携帯機情報記憶部110を参照して、入力された識別番号と組になっている子機の識別番号を抽出する。そして、迷子情報入力部145は、抽出した識別番号によって特定される子機22,・・・の利用者が迷子である旨の情報を位置情報記憶部130に格納すると共に、その識別番号を受信した受信装置を特定する。
【0046】
同様に、端末装置51,52から識別番号を含む迷子解除要求が入力されると、迷子情報入力部145は、入力された識別番号と組になっている子機の識別番号を抽出する。そして、迷子情報入力部145は、抽出した識別番号によって特定される子機22,・・・の利用者が迷子でない旨の情報を位置情報記憶部130に格納すると共に、その識別番号を受信した受信装置を特定する。
【0047】
発光位置判定部150は、施設情報記憶部120を参照し、迷子情報入力部145で特定された受信装置の設置位置から、迷子が現在いるブロックを判定する。そして、発光位置判定部150は、判定したブロック内に設置された発光装置を特定する。
【0048】
発光位置変更部155は、施設情報記憶部120を参照し、迷子の移動前に識別番号を受信した受信装置の設置位置から移動前のブロックを判定すると共に、移動後に識別番号を受信した受信装置の設置位置から移動後のブロックを判定する。そして、発光位置変更部155は、移動前と移動後のブロック内に設置された発光装置をそれぞれ特定する。
【0049】
発光情報出力部160は、迷子登録要求に基づいて発光位置判定部150で発光装置が特定されると、特定された発光装置に対して発光要求を送信する。また、迷子解除要求に基づいて発光位置判定部150で発光装置が特定されると、発光情報出力部160は、特定された発光装置に対して発光解除要求を送信する。一方、発光位置変更部155で移動先と移動元の発光装置がそれぞれ特定されると、発光情報出力部160は、特定された移動先の発光装置に対して発光要求を送信すると共に、特定された移動元の発光装置に対して発光解除要求を送信する。
【0050】
地図情報出力部165は、発光位置判定部150で迷子が現在いるブロックが判定されると、親機21,・・・の識別番号が入力された端末装置に対して、判定されたブロックを示す地図情報を送信する。
【0051】
携帯機情報記憶部110は、携帯機情報の一覧を表す携帯機情報テーブル110aを有している。
図5は、携帯機情報テーブルのデータ構造例を示す図である。
【0052】
携帯機情報テーブル110aには、携帯機情報が1つの親機21,・・・と1つの子機22,・・・との組ごとに関連付けられテーブル化されて格納されている。携帯機情報テーブル110aには、親機識別番号を示すフィールド111および子機識別番号を示すフィールド112が設けられている。各フィールドの横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、携帯機情報を構成する。
【0053】
フィールド111には、親機21,・・・を一意に識別するための識別番号が設定される。フィールド112には、子機22,・・・を一意に識別するための識別番号が設定される。例えば、親機21の識別番号“1101”と、子機22の識別番号“2101”とが、1つの携帯機情報としてあらかじめ登録される。
【0054】
施設情報記憶部120は、施設情報の一覧を表す施設情報テーブル120aを有している。
図6は、施設情報テーブルのデータ構造例を示す図である。
【0055】
施設情報テーブル120aには、施設情報がショッピングセンター内のブロックごとに関連付けられテーブル化されて格納されている。施設情報テーブル120aには、ブロック位置を示すフィールド121、店舗名を示すフィールド122、受信装置IDを示すフィールド123および発光装置IDを示すフィールド124が設けられている。各フィールドの横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、施設情報を構成する。
【0056】
フィールド121には、ショッピングセンター内でのブロックの相対位置を示す値が設定される。ブロック位置は、フロアの階数、フロア内でのX軸方向の座標値およびフロア内でのY軸方向の座標値によって一意に識別される。例えば、図2に示したフロアマップにおいて、各フロアの左上を基準点とし、横方向をX軸、縦方向をY軸とする。この場合、受信装置31および発光装置41が設置されているブロックは、“1F−1−1”という値で特定できる。同様に、受信装置32および発光装置42が設置されているブロックは、“1F−1−2”という値で特定できる。受信装置33および発光装置43が設置されているブロックは、“1F−2−1”という値で特定できる。
【0057】
フィールド122には、フィールド121に設定されるブロック位置を占有している店舗の店舗名が設定される。フィールド123には、ブロック内に設置された受信装置31〜39を一意に識別する受信装置IDが設定される。フィールド124には、ブロック内に設置された発光装置41〜49を一意に識別する発光装置IDが設定される。
【0058】
施設情報テーブル120aに格納される施設情報は、あらかじめ管理サーバ100の管理者によって登録される。例えば、ブロック位置“1F−1−1”について、店舗名が“A食料品店”、受信装置IDが“P101”(受信装置31の受信装置ID)、発光装置IDが“L101”(発光装置41の発光装置ID)という情報を登録しておく。
【0059】
位置情報記憶部130は、位置情報の一覧を表す位置情報テーブル130aを有している。
図7は、位置情報テーブルのデータ構造例を示す図である。
【0060】
位置情報テーブル130aには、子機22,・・・の利用者の状態を示す位置情報が識別番号ごとに関連付けられテーブル化されて格納されている。位置情報テーブル130aには、識別番号を示すフィールド131、受信装置IDを示すフィールド132および迷子フラグを示すフィールド133が設けられている。各フィールドの横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、位置情報を構成する。
【0061】
フィールド131には、子機22,・・・の識別番号が設定される。フィールド132には、識別番号を受信した受信装置の受信装置IDうち、フィールド131に設定される識別番号ごとに最新の受信装置IDが設定される。フィールド133には、フィールド131に設定される識別番号により特定される子機22,・・・の利用者が、現在迷子であるか否かを示す値が設定される。迷子である場合には“1”が、迷子でない場合には“0”が設定される。
【0062】
位置情報テーブル130aに格納される位置情報は、位置情報取得部140および迷子情報入力部145によって追加または更新される。なお、位置情報取得部140は、位置情報テーブル130aに格納された位置情報のうち、最後に更新された時間から所定の時間以上経過した位置情報を自動的に削除することが好ましい。これは、所定の時間以上識別番号を発信していない子機22,・・・の利用者は、ショッピングセンターから離れていると考えられるからである。この場合、管理サーバ100の管理者は、位置情報を削除する時間間隔をあらかじめ位置情報取得部140に登録しておく。
【0063】
次に、以上のような構成およびデータ構造のシステムにおいて実行される処理の詳細を説明する。
図8は、第1の実施の形態の位置情報取得処理の手順を示すフローチャートである。以下、図8に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0064】
[ステップS11]位置情報取得部140は、識別番号と受信装置IDとの組を受信したか否かを判断する。受信した場合には、処理がステップS12に進められる。受信していない場合には、位置情報取得部140によってステップS11の処理が繰り返され、受信するのを待つ。
【0065】
[ステップS12]位置情報取得部140は、位置情報記憶部130に格納された位置情報テーブル130aから、ステップS11で受信した識別番号と同一の識別番号を有する位置情報の取得を試みる。
【0066】
[ステップS13]位置情報取得部140は、ステップS12で位置情報の取得に成功したか否かを判断する。位置情報の取得に成功した場合には、処理がステップS14に進められる。位置情報の取得に失敗した場合には、処理がステップS15に進められる。
【0067】
[ステップS14]位置情報取得部140は、ステップS12で位置情報テーブル130aから取得した位置情報の受信装置IDを、ステップS11で受信した受信装置IDに変更し、位置情報テーブル130aを更新する。
【0068】
[ステップS15]位置情報取得部140は、ステップS11で受信した識別番号および受信装置IDからなる位置情報を位置情報テーブル130aに新たに追加する。ここで、迷子フラグは初期値として“0”を設定しておく。
【0069】
[ステップS16]位置情報取得部140は、ステップS14で、迷子フラグが“1”である位置情報の受信装置IDを変更したか否かを判断する。すなわち、ステップS11で受信した受信装置IDと、ステップS12で取得した位置情報の受信装置IDとが異なり、かつ、ステップS12で取得した位置情報の迷子フラグが“1”であるか否かを判断する。上記条件に当てはまる場合には、処理がステップS17へ進められる。上記条件に当てはまらない場合には、位置情報取得処理が終了する。
【0070】
[ステップS17]位置情報取得部140は、変更後の受信装置IDと変更前の受信装置IDとを、発光位置変更部155へ通知する。
このようにして、位置情報取得部140は、識別番号と受信装置IDとの組を受信すると、位置情報記憶部130に格納された位置情報テーブル130aを更新する。これにより、位置情報テーブル130aが最新の位置情報を反映した状態に維持される。さらに、迷子フラグが“1”の位置情報の受信装置IDが変更された場合、すなわち、迷子がショッピングセンター内のブロック間を移動した場合には、発光位置変更部155へその旨が通知される。
【0071】
次に、端末装置51,52から迷子登録要求を受けた迷子情報入力部145が行う処理について説明する。
図9は、第1の実施の形態の迷子登録処理の手順を示すフローチャートである。以下、図9に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0072】
[ステップS21]迷子情報入力部145は、親機21,・・・の識別番号を含む迷子登録要求が入力されたか否かを判断する。入力された場合には、処理がステップS22に進められる。入力されていない場合には、迷子情報入力部145によってステップS21の処理が繰り返され、迷子登録要求が入力されるのを待つ。
【0073】
[ステップS22]迷子情報入力部145は、携帯機情報記憶部110に格納された携帯機情報テーブル110aを検索し、ステップS21で入力された識別番号を親機識別番号にもつ携帯機情報を取得して、その携帯機情報の子機識別番号を抽出する。
【0074】
[ステップS23]迷子情報入力部145は、位置情報記憶部130に格納された位置情報テーブル130aを検索し、ステップS22で取得した子機識別番号と同一の識別番号を含む位置情報の取得を試みる。そして、迷子情報入力部145は、位置情報の取得に成功したか否かを判断する。位置情報の取得に成功した場合には、処理がステップS24に進められる。位置情報の取得に失敗した場合には、処理がステップS25に進められる。
【0075】
[ステップS24]迷子情報入力部145は、ステップS23で取得した位置情報の迷子フラグを“1”に変更し、位置情報テーブル130aを更新する。
[ステップS25]迷子情報入力部145は、ステップS21の識別番号の入力に使用された端末装置に対して、子機22,・・・が発見できない旨の警告を示す情報を送信する。これは、子機22,・・・の利用者がショッピングセンターを離れていると考えられるからである。
【0076】
[ステップS26]迷子情報入力部145は、ステップS23で取得した位置情報の受信装置IDを抽出する。そして、迷子情報入力部145は、発光位置判定部150に対して、抽出した受信装置IDを含む発光処理通知を行う。
【0077】
このようにして、迷子情報入力部145は、端末装置51,52から識別番号を含む迷子登録要求が入力されると、入力された識別番号と組になっている子機識別番号を特定する。これにより、子機識別番号で特定される子機の利用者が迷子であると判定される。
【0078】
例えば、親機21の識別番号“1101”が端末装置51から入力されると、迷子情報入力部145は、入力された識別番号に対応する子機識別番号“2101”を特定する。そして、迷子情報入力部145は、位置情報テーブル130aから“2101”を識別番号にもつ位置情報を取得し、取得した位置情報の迷子フラグを“1”に設定する。
【0079】
次に、迷子登録要求に基づいて迷子情報入力部145で迷子が特定された後に行われる、発光位置判定処理について説明する。
図10は、発光位置判定処理の手順を示すフローチャートである。以下、図10に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0080】
[ステップS31]発光位置判定部150は、迷子情報入力部145から受信装置IDを含む発光処理通知を受け取ると、施設情報記憶部120に格納された施設情報テーブル120aを検索し、受け取った受信装置IDをもつ施設情報を取得する。
【0081】
[ステップS32]発光位置判定部150は、ステップS31で取得した施設情報の発光装置IDを抽出する。そして、発光位置判定部150は、発光情報出力部160に対して、抽出した発光装置IDを含む発光通知を行う。通知を受け取った発光情報出力部160は、受け取った発光装置IDにより特定される発光装置に対して、発光要求を出力する。
【0082】
[ステップS33]発光位置判定部150は、ステップS31で取得した施設情報のブロック位置を抽出する。そして、発光位置判定部150は、地図情報出力部165に対して、抽出したブロック位置を通知する。通知を受け取った地図情報出力部165は、迷子情報入力部145の入力に使用された端末装置に対して、受け取ったブロック位置により特定されるブロックに迷子がいる旨の情報を出力する。
【0083】
このようにして、発光位置判定部150は、受信装置IDにより特定される受信装置が設置されているブロックを特定する。そして、発光情報出力部160は、特定されたブロック内に設置されている発光装置を発光させる。また、地図情報出力部165は、特定されたブロック内に迷子がいる旨を端末装置51,52に表示する。
【0084】
例えば、子機22の利用者が受信装置31が設置されたブロック内におり、端末装置51から識別番号が入力されたとする。この場合、発光位置判定部150は、受け取った受信装置ID“P101”から、迷子の現在地がブロック位置“1F−1−1”によって特定されるブロックであると判定する。そして、発光情報出力部160は、発光装置ID“L101”により特定される発光装置41を発光させる。また、地図情報出力部165は、端末装置51にブロック位置“1F−1−1”によって特定されるブロックに迷子がいる旨の表示を行う。
【0085】
次に、位置情報取得部140で迷子の移動が検出された後に行われる、発光位置変更処理について説明する。
図11は、発光位置変更処理の手順を示すフローチャートである。以下、図11に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0086】
[ステップS41]発光位置変更部155は、位置情報取得部140から変更前の受信装置IDと変更後の受信装置IDとを受け取ると、施設情報記憶部120に格納された施設情報テーブル120aを検索し、移動前に対応する施設情報と移動後に対応する施設情報とをそれぞれ取得する。
【0087】
[ステップS42]発光位置変更部155は、ステップS41で取得した移動後に対応する施設情報の発光装置IDを抽出する。そして、発光位置変更部155は、発光情報出力部160に対して、抽出した発光装置IDを含む発光通知を行う。発光通知を受け取った発光情報出力部160は、受け取った発光装置IDにより特定される発光装置に対して、発光要求を出力する。
【0088】
[ステップS43]発光位置変更部155は、ステップS41で取得した移動前に対応する施設情報の発光装置IDを抽出する。そして、発光位置変更部155は、発光情報出力部160に対して、抽出した発光装置IDを含む発光解除通知を行う。発光解除通知を受け取った発光情報出力部160は、受け取った発光装置IDにより特定される発光装置に対して、発光解除要求を出力する。
【0089】
このようにして、発光位置変更部155は、変更前の受信装置IDにより特定される受信装置が設置されているブロックと、変更後の受信装置IDにより特定される受信装置が設置されているブロックとを特定する。そして、発光情報出力部160は、特定された移動後のブロック内に設置されている発光装置を発光させると共に、特定された移動前のブロック内に設置されている発光装置の発光を停止する。
【0090】
例えば、迷子が受信装置31が設置されたブロックから受信装置32が設置されたブロックに移動したとする。この場合、移動前の受信装置ID“P101”と移動後の受信装置ID“P102”とを受け取った発光位置変更部155は、ブロック位置“1F−1−1”によって特定されるブロックを移動前のブロックと判定すると共に、ブロック位置“1F−1−2”によって特定されるブロックを移動後のブロックと判定する。そして、発光情報出力部160は、発光装置ID“L102”により特定される発光装置42を発光させる。また、発光情報出力部160は、発光装置ID“L101”により特定される発光装置41の発光を停止する。
【0091】
次に、迷子情報入力部145が端末装置51,52から迷子解除要求を受けた後に行われる、迷子解除処理について説明する。
図12は、第1の実施の形態の迷子解除処理の手順を示すフローチャートである。以下、図12に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0092】
[ステップS51]迷子情報入力部145は、親機21,・・・の識別番号を含む迷子解除要求が入力されたか否かを判断する。入力された場合には、処理がステップS52に進められる。入力されていない場合には、迷子情報入力部145によってステップS51の処理が繰り返され、迷子解除要求が入力されるのを待つ。
【0093】
[ステップS52]迷子情報入力部145は、携帯機情報記憶部110に格納された携帯機情報テーブル110aを検索し、ステップS51で入力された識別番号を親機識別番号にもつ携帯機情報を取得して、その携帯機情報の子機識別番号を抽出する。
【0094】
[ステップS53]迷子情報入力部145は、位置情報記憶部130に格納された位置情報テーブル130aを検索し、ステップS52で取得した子機識別番号と同一の識別番号を含む位置情報を取得する。そして、迷子情報入力部145は、取得した位置情報の迷子フラグを“0”に変更し、位置情報テーブル130aを更新する。その後、迷子情報入力部145は、発光位置判定部150に対して、取得した位置情報の受信装置IDを含む解除処理通知を行う。
【0095】
[ステップS54]発光位置判定部150は、迷子情報入力部145から受信装置IDを含む解除処理通知を受け取ると、施設情報記憶部120に格納された施設情報テーブル120aを検索し、受け取った受信装置IDをもつ施設情報を取得する。
【0096】
[ステップS55]発光位置判定部150は、ステップS54で取得した施設情報の発光装置IDを抽出する。そして、発光位置判定部150は、発光情報出力部160に対して、抽出した発光装置IDを含む発光解除通知を行う。通知を受け取った発光情報出力部160は、受け取った発光装置IDにより特定される発光装置に対して、発光解除要求を出力する。
【0097】
このようにして、迷子情報入力部145は、端末装置51,52から識別番号を含む迷子解除要求が入力されると、入力された識別番号と組になっている子機識別番号を特定する。これにより、子機識別番号で特定される子機の利用者が迷子でなくなったと判定される。そして、発光位置判定部150は、特定された子機の利用者が現在いるブロックを特定する。発光情報出力部160は、特定されたブロック内に設置されている発光装置の発光を停止させる。
【0098】
このような迷子探索システムを用いることで、探索者はショッピングセンター内に設置された端末装置51,52を使用して、迷子が現在いるブロックを確認することができる。そして、確認したブロックへ向かう探索者は、ブロック内に設置された発光装置41〜49の発光により遠方からでも容易に迷子の位置を把握できる。ここで、探索者が迷子を迎えに行く間に迷子がブロック間を移動した場合でも、発光装置41〜49の発光が適切に切り替わることで、探索者は容易に移動後の迷子の位置を把握できる。
【0099】
なお、本実施の形態では、親機21のICタグ21aとして接触型ICタグを用いたが、非接触型ICタグを用いてもよい。また、子機22のICタグ22aは、ICタグが自発的に電波にのせて識別番号を発信するもの(アクティブタグ)でも、受信装置31〜39からの電波に反応して識別番号を発信するもの(パッシブタグ)でもよい。
【0100】
次に、本発明の第2の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。前述の第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については説明を省略する。第2の実施の形態は、ショッピングセンター内で同一時刻に複数の迷子が発生した場合でも、それぞれの迷子を発光装置の発光により区別できるように、迷子ごとに異なる発光方法を採用するようにしたものである。
【0101】
図13は、第2の実施の形態の迷子探索システムの構成を示す図である。
ショッピングセンターの各ブロックには、それぞれ1つの受信装置31〜39と1つの発光装置41a〜49aとが設置されている。受信装置31〜39の機能は、第1の実施の形態のものと同一である。発光装置41a〜49aは、あらかじめ規定された複数の色の中から1つの色を選択して発光することができる。発光する色は、発光装置41a〜49aが受信する発光要求で示される色に従う。受信装置31〜39および発光装置41a〜49aは、それぞれ管理サーバ200と接続されている。
【0102】
また、各フロアに1台ずつ設置された端末装置51,52は、管理サーバ200と接続されている。さらに、ショッピングセンター内の全域に対して電波を発信可能な発信装置70が、管理サーバ200と接続されている。なお、1つの発信装置70でショッピングセンター内の全域をカバーできない場合には、複数の発信装置をショッピングセンター内に所定の間隔で設置してもよい。
【0103】
ショッピングセンターを訪れた利用者グループは、サービスカウンタ60で親機23,・・・と子機22,・・・とを借りることができる。子機22,・・・は、ショッピングセンター内で迷子になるおそれがある利用者に携帯させる。親機23,・・・は、子機22,・・・を携帯する利用者が迷子になった場合にその利用者を探索する別の利用者が携帯する。子機22,・・・の構成および機能は、第1の実施の形態のものと同一である。親機23,・・・の構成および機能は同様であるため、以下、代表して親機23について説明する。
【0104】
親機23には、ICタグ23aと発光回路23bとが組み込まれている。ICタグ23aは、親機23を一意に識別可能な識別番号を記憶している。ICタグ23aの機能は、第1の実施の形態のICタグ21aの機能と同一である。発光回路23bは、電波を受信することができるアンテナを備えている。発光回路23bは、親機23の識別番号を含む発光要求を電波により受信すると、受信した発光要求で示される色で発光する。発光回路23bが発光可能な色は、発光装置41a〜49aが発光可能な色と同一である。発光回路23bに対する発光要求は、親機23の識別番号を指定して発信装置70から発信される。
【0105】
ここで、子機22の利用者が迷子になった場合、管理サーバ200は、子機22の利用者に1つの色を割り当てる。そして、管理サーバ200は、子機22の利用者がいるブロックの発光装置を割り当てた色で発光させると共に、それと同色で親機23の発光回路23bを発光させる。管理サーバ200が迷子ごとに異なる色を割り当てることで、同一時刻に複数の迷子が発生した場合でも、親機23の利用者は他の迷子と区別して子機22の利用者を探索することができる。
【0106】
ただし、発光装置41a〜49aと発光回路23bとが発光可能な色の数には上限があることから、発光可能な色の上限数を超えて迷子が発生した場合には、管理サーバ200は迷子に対して新たな色を割り当てることができない。そこで、あらかじめ用意した色がすべて使用されている状態で新たに迷子が発生したときは、その迷子のいるブロックから最も離れた位置の発光装置で発光している色をその迷子に割り当てる。これにより、一定数の色で、複数の迷子を区別できるようになる。
【0107】
また、迷子がブロック間を移動した結果、同一色が割り当てられた迷子が互いに近接する場合が考えられる。この場合は、移動した迷子に対して色を割り当て直すことで、一定範囲内にある複数の発光装置で同一色が発光することを回避する。このとき、親機23の発光回路23bが発光する色も変えることで、親機23の利用者は探すべき発光装置41a〜49aの色が変わったことを知る。
【0108】
例えば、子機22の利用者が受信装置31が設置されたブロックにいるものとする。親機23の利用者がICタグ23aを端末装置51に接触させると、管理サーバ200は子機22の利用者に対して色を1つ割り当てる。ここで、用意されたすべての色が使用中であると、例えば、発光装置41aと異なるフロアにある発光装置46aで発光している色(例えば、赤色)を、子機22の利用者に割り当てる。これにより、発光装置41aと発光回路23bとが赤色で発光する。
【0109】
その後、子機22の利用者が2階に移動し、受信装置37が設置されたブロックに行ったとする。この場合、発光装置46aと47aとが共に赤色で発光することになるため、例えば、発光装置47aと異なるフロアにある発光装置42aで発光している色(例えば、青色)を、子機22の利用者に割り当て直す。これにより、発光装置47aと発光回路23bの発光が青色に変わる。
【0110】
次に、管理サーバ200のプログラムモジュールの構成について説明する。
図14は、第2の実施の形態の管理サーバの機能を示すブロック図である。管理サーバ200は、携帯機情報記憶部210、施設情報記憶部220、発光情報記憶部230、位置情報記憶部240、位置情報取得部250、迷子情報入力部255、発光方法判定部260、発光方法変更部265、発光情報出力部270および地図情報出力部275を有する。位置情報取得部250は、受信装置31〜39と接続されている。迷子情報入力部255は、端末装置51,52と接続されている。発光情報出力部270は、発光装置41a〜49aおよび発信装置70とそれぞれ接続されている。地図情報出力部275は、端末装置51,52と接続されている。
【0111】
ここで、携帯機情報記憶部210、施設情報記憶部220および位置情報記憶部240の機能および構成は、図4に示した第1の実施の形態の同名の要素の機能および構成と同一である。携帯機情報記憶部210には、図5に示した第1の実施の形態の携帯機情報テーブル110aと同一のデータ構造を有する携帯機情報テーブル210aが格納されているものとする。施設情報記憶部220には、図6に示した第1の実施の形態の施設情報テーブル120aと同一のデータ構造を有する施設情報テーブル220aが格納されているものとする。位置情報記憶部240には、図7に示した第1の実施の形態の位置情報テーブル130aと同一のデータ構造を有する位置情報テーブル240aが格納されているものとする。
【0112】
発光情報記憶部230には、発光装置41a〜49aと発光回路23bとが発光可能な色を示す色情報と、発光可能な色の迷子への割り当て状況を示す色割当情報とが格納されている。
【0113】
位置情報取得部250の基本的機能は、図4に示した第1の実施の形態の位置情報取得部140と同様である。ただし、迷子の移動を検出した場合に、発光方法変更部265に対して行う通知に含まれる情報が第1の実施の形態のものと異なる。迷子情報入力部255の基本的機能は、図4に示した第1の実施の形態の迷子情報入力部145と同様である。ただし、発光方法判定部260に対して行う通知に含まれる情報が第1の実施の形態のものと異なる。
【0114】
発光方法判定部260は、施設情報記憶部220を参照し、迷子情報入力部255で特定された受信装置の設置位置から、迷子が現在いるブロックを判定する。そして、発光方法判定部260は、発光情報記憶部230を参照し、未割り当ての色がある場合にはその色をその迷子に新たに割り当てる。一方、未割り当ての色がない場合には、判定したブロックから最も離れたブロック内の発光装置が発光している色を、その迷子に割り当てる。その後、発光方法判定部260は、判定したブロック内の発光装置を特定する。
【0115】
発光方法変更部265は、施設情報記憶部220を参照し、迷子の移動前に識別番号を受信した受信装置の設置位置から移動前のブロックを判定すると共に、移動後に識別番号を受信した受信装置の設置位置から移動後のブロックを判定する。そして、発光方法変更部265は、その迷子に割り当てられた色が移動後のブロックと隣接するブロックの範囲内で使用されていない場合には、その色を続けて使用する。一方、移動後のブロックと隣接するブロックの範囲内で使用されている場合には、その迷子に色を割り当て直す。その後、発光方法変更部265は、移動前と移動後のブロック内に設置された発光装置をそれぞれ特定する。
【0116】
発光情報出力部270は、発光方法判定部260で発光装置が特定されると、特定された発光装置に対して、発光方法判定部260で割り当てられた色の情報を含む発光要求を送信する。また、発光情報出力部270は、迷子情報入力部255で入力された親機23,・・・の識別番号をさらに含む発光要求を、発信装置70へ送信する。これにより、発信装置70は、ショッピングセンター内全域に発光要求を発信する。一方、発光情報出力部270は、発光方法変更部265で移動先と移動元の発光装置が特定されると、特定された移動先の発光装置に対して発光方法変更部265で割り当てられた色の情報を含む発光要求を送信する。また、移動元の発光装置に対して発光解除要求を送信する。
【0117】
地図情報出力部275の機能は、図4に示した第1の実施の形態の地図情報出力部165の機能と同一である。
発光情報記憶部230は、色情報の一覧を示す色情報テーブル230aと、色割当情報の一覧を示す色割当情報テーブル230bとを有している。
【0118】
図15は、色情報テーブルと色割当情報テーブルとのデータ構造例を示す図である。
色情報テーブル230aには、色情報がテーブル化されて格納されている。色情報テーブル230aには、色名を示すフィールド231および色IDを示すフィールド232が設けられている。各フィールドの横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、色情報を構成する。フィールド231には、発光装置41a〜49aおよび発光回路23bが発光可能な色の色名が設定される。フィールド232には、フィールド232に設定される色名の色を一意に識別可能な色IDが設定される。
【0119】
色情報テーブル230aに格納される色情報は、あらかじめ管理サーバ200の管理者によって登録される。例えば、発光装置41a〜49aおよび発光回路23bが赤色を発光可能であれば、色名が“赤”、色IDが“#100”という情報を登録しておく。
【0120】
色割当情報テーブル230bには、色割当情報がテーブル化されて格納されている。色割当情報テーブル230bには、識別番号を示すフィールド233、色IDを示すフィールド234およびブロック位置を示すフィールド235が設けられている。各フィールドの横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、色割当情報を構成する。フィールド233には、迷子が携帯している子機22,・・・の識別番号が設定される。フィールド234には、迷子ごとに、迷子に割り当てた色を示す色IDが設定される。フィールド235には、迷子ごとに、迷子が現在いるブロックを示すブロック位置が設定される。
【0121】
色割当情報テーブル230bに格納される色割当情報は、発光方法変更部265によって追加および更新が行われる。例えば、発光方法変更部265によって、識別番号が“2102”、色IDが“#001”、ブロック位置が“1F−1−2”という情報が登録される。これは、迷子が識別番号“2102”で特定される子機を携帯して受信装置32が設置されたブロックにおり、発光装置42aが青色で発光していることを意味する。色割当情報の追加および更新の処理については、後に詳細に説明する。
【0122】
次に、以上のような構成およびデータ構造のシステムにおいて実行される処理の詳細を説明する。
図16は、第2の実施の形態の位置情報取得処理の手順を示すフローチャートである。ただし、ステップS11からステップS16までの処理は、図8に示した第1の実施の形態の位置情報取得処理のものと同様であるため、説明を省略する。第2の実施の形態の位置情報取得処理では、ステップS17に代え、以下のステップS17aが実行される。
【0123】
[ステップS17a]位置情報取得部250は、変更後の受信装置ID、変更前の受信装置IDおよびステップS11で受信した識別番号を、発光方法変更部265へ通知する。
【0124】
このようにして、位置情報取得部250は、識別番号と受信装置IDとの組を受信すると、位置情報記憶部240に格納された位置情報テーブル240aを更新する。これにより、位置情報テーブル240aが最新の位置情報を反映した状態に維持される。さらに、迷子フラグが“1”の位置情報の受信装置IDが変更された場合、すなわち、迷子がショッピングセンター内のブロック間を移動した場合には、発光方法変更部265へその旨が通知される。
【0125】
次に、端末装置51,52から入力を受けた迷子情報入力部245が行う処理について説明する。
図17は、第2の実施の形態の迷子登録処理の手順を示すフローチャートである。ただし、ステップS21からステップS25までの処理は、図9に示した第1の実施の形態の迷子登録処理のものと同様であるため、説明を省略する。第2の実施の形態の迷子登録処理では、ステップS26に代えて、以下のステップS26aが実行される。
【0126】
[ステップS26a]迷子情報入力部255は、ステップS23で取得した位置情報の受信装置IDを抽出する。そして、迷子情報入力部255は、発光方法判定部260に対して、抽出した受信装置IDとステップS22で抽出した識別番号とを通知する。
【0127】
このようにして、迷子情報入力部255は、端末装置51,52から識別番号が入力されると、入力された識別番号と組になっている子機識別番号を特定する。これにより、子機識別番号で特定される子機22,・・・の利用者が迷子であると判定される。
【0128】
次に、迷子情報入力部255で迷子が特定された後に行われる、発光方法判定処理について説明する。
図18は、発光方法判定処理の手順を示すフローチャートである。以下、図18に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0129】
[ステップS61]発光方法判定部260は、迷子情報入力部255から受信装置IDと識別番号とを含む通知を受け取ると、施設情報記憶部220に格納された施設情報テーブル220aを検索し、受け取った受信装置IDと同一の受信装置IDをもつ施設情報を取得する。
【0130】
[ステップS62]発光方法判定部260は、発光情報記憶部230に格納された色情報テーブル230aと色割当情報テーブル230bとから、未割り当ての色が存在するか否かを判断する。未割り当ての色の有無は、色情報テーブル230aに格納された色情報ごとに、その色情報の色IDと同一の色IDをもつ色割当情報が色割当情報テーブル230bに存在するか否かに基づいて判断する。未割り当ての色が存在する場合には、処理がステップS63に進められる。未割り当ての色が存在しない場合には、処理がステップS64に進められる。
【0131】
[ステップS63]発光方法判定部260は、ステップS62で判明した未割り当ての色の中から1つの色を、迷子を探索するための色として選択する。
[ステップS64]発光方法判定部260は、色割当情報テーブル230bに格納されたすべての色割当情報について、その色割当情報中のブロック位置と、ステップS61で取得した施設情報中のブロック位置との間の距離を計算する。すなわち、迷子が現在いるブロックと、発光装置41a〜49aのうち現在発光している発光装置があるブロックとの間の距離をそれぞれ計算する。ここで、ブロック間の距離は、フロア間距離とフロア内距離とから構成される。フロア間距離は両フロアの階数の差から求める。例えば、両フロアが同一階数であれば、フロア間距離は“0”である。また、両フロアが1階と2階であれば、フロア間距離は“1”である。一方、フロア内距離は、ブロック位置のX軸方向の差とY軸方向の差との和によって求める。例えば、両ブロック位置が“1−1”と“1−2”であれば、フロア内距離は“1”である。同様に、両ブロック位置が“1−1”と“2−1”であれば、フロア内距離は“1”である。両ブロック位置が“1−1”と“2−2”であれば、フロア内距離は“2”である。
【0132】
[ステップS65]発光方法判定部260は、色割当情報テーブル230bに格納されたすべての色割当情報を、色IDごとに分類する。そして、発光方法判定部260は、分類したそれぞれのグループごとに、ステップS64で計算したブロック間距離が最も小さい色割当情報を判定する。ここで、ブロック間距離の大小関係は、フロア間距離の大小関係を優先して判断する。したがって、発光方法判定部260は、まずフロア間距離が最も小さい色割当情報を抽出し、抽出された色割当情報が複数ある場合には、その中からフロア内距離が最も小さい色割当情報を抽出する。
【0133】
[ステップS66]発光方法判定部260は、ステップS65で色IDごとに判定したブロック間距離に基づいて、ブロック間距離が最も大きい色IDを選択する。ブロック間距離の大小関係の判断方法は、ステップS65の判断方法と同様である。具体的には、発光方法判定部260は、まずフロア間距離が最も大きい色IDを抽出し、抽出された色IDが複数ある場合には、その中からフロア内距離が最も大きい色IDを抽出する。そして、発光方法判定部260は、抽出した色IDの中から1つの色IDを、迷子を探索するための色として選択する。
【0134】
[ステップS67]発光方法判定部260は、位置情報取得部250から受け取った識別番号、ステップS63またはステップS66で選択した色の色ID、および、ステップS61で取得した施設情報のブロック位置に基づき、色割当情報を作成する。そして、発光方法判定部260は、作成した色割当情報を色割当情報テーブル230bに追加する。
【0135】
[ステップS68]発光方法判定部260は、発光情報出力部270に対して、ステップS61で取得した施設情報の発光装置IDと、ステップS63またはステップS66で選択した色の情報とを含む発光通知を行う。通知を受け取った発光情報出力部270は、受け取った発光装置IDにより特定される発光装置に対して、受け取った色の情報を含む発光要求を出力する。また、発光方法判定部260は、携帯機情報記憶部210に格納された携帯機情報テーブル210aを検索し、位置情報取得部250から受け取った識別番号に対応する親機識別番号を取得する。発光方法判定部260は、発光情報出力部270に対して、取得した親機識別番号とステップS63またはステップS66で選択した色の情報とを含む発光通知を行う。通知を受け取った発光情報出力部270は、発信装置70に対して、受け取った親機識別番号と色の情報とを含む発光要求を出力する。
【0136】
[ステップS69]発光方法判定部260は、地図情報出力部275に対して、ステップS61で取得した施設情報のブロック位置を通知する。通知を受けた地図情報出力部275は、迷子情報入力部255への入力に使用された端末装置に対して、受け取ったブロック位置により特定されるブロックに迷子がいる旨の情報を出力する。
【0137】
このようにして、発光方法判定部260は、受信装置IDにより特定される受信装置が設置されているブロックを特定すると共に、迷子に新たに色を割り当てる。そして、発光情報出力部270は、特定されたブロック内に設置されている発光装置を割り当てられた色で発光させると共に、親機の発光回路も発光装置と同色で発光させる。また、地図情報出力部275は、特定されたブロック内に迷子がいる旨を端末装置に表示する。
【0138】
例えば、子機22の利用者が受信装置31が設置されたブロック内におり、端末装置51から識別番号が入力されたとする。この場合、発光方法判定部260は、受け取った受信装置ID“P101”から、迷子の現在地がブロック位置“1F−1−1”によって特定されるブロックであると判定する。次に、発光方法判定部260は、未割り当ての色の有無を調べ、未割り当ての色がない場合には、例えばブロック位置“2F−1−1”内の発光装置46aが発光している赤色を割り当てる。そして、発光情報出力部270は、発光装置ID“L101”により特定される発光装置41aを赤色で発光させると共に、親機23の発光回路23bも赤色で発光させる。また、地図情報出力部275は、端末装置51にブロック位置“1F−1−1”によって特定されるブロックに迷子がいる旨の表示を行う。
【0139】
次に、位置情報取得部250で迷子の移動が検出された後に行われる、発光方法変更処理について説明する。
図19は、発光方法変更処理の手順を示すフローチャートである。以下、図19に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0140】
[ステップS71]発光方法変更部265は、位置情報取得部250から変更前の受信装置ID、変更後の受信装置IDおよび識別情報を受け取ると、施設情報記憶部220に格納された施設情報テーブル220aを検索し、移動前に対応する施設情報と移動後に対応する施設情報とをそれぞれ取得する。
【0141】
[ステップS72]発光方法変更部265は、発光情報記憶部230に格納された色割当情報テーブル230bを検索し、位置情報取得部250から受け取った識別番号をもつ色割当情報を取得する。
【0142】
[ステップS73]発光方法変更部265は、色割当情報テーブル230bを検索し、迷子の移動後のブロックから所定の範囲内に、移動前に割り当てられていた色と同色で発光する発光装置が存在するか否かを判断する。具体的には、ステップS72で取得した色割当情報の色IDと同一の色IDをもち、かつ、ステップS71で取得した移動後に対応する施設情報のブロック位置と所定の距離以内のブロック位置をもつ色割当情報が、色割当情報テーブル230bに存在するか否かを判断する。ブロック間の距離の計算方法は、発光方法判定処理のステップS64での計算方法と同様である。存在する場合には、処理がステップS74に進められる。存在しない場合には、処理がステップS77に進められる。
【0143】
[ステップS74]発光方法変更部265は、色割当情報テーブル230bに格納されたすべての色割当情報について、その色割当情報中のブロック位置と、ステップS71で取得した施設情報中のブロック位置と間の距離を計算する。ブロック間の距離の計算方法は、発光方法判定処理のステップS64での計算方法と同様である。
【0144】
[ステップS75]発光方法変更部265は、色割当情報テーブル230bに格納されたすべての色割当情報を、色IDごとに分類する。そして、発光方法変更部265は、分類したそれぞれのグループごとに、ステップS74で計算したブロック間距離が最も小さい色割当情報を判定する。ブロック間距離の大小関係の判断方法は、発光方法判定処理のステップS65での比較方法と同様である。
【0145】
[ステップS76]発光方法変更部265は、ステップS75で色IDごとに判定したブロック間距離に基づいて、ブロック間距離が最も大きい色IDを選択する。ブロック間距離の大小関係の判断方法は、ステップS75の判断方法と同様である。そして、発光方法変更部265は、抽出した色IDの中から1つの色IDを、再割り当ての色として選択する。
【0146】
[ステップS77]発光方法変更部265は、ステップS72で取得した色割当情報のブロック位置を、ステップS71で取得した移動後に対応する施設情報のブロック位置に変更する。また、ステップS76で再割り当ての色が選択された場合には、発光方法変更部265は、ステップS72で取得した色割当情報の色IDを、ステップS76で割り当てた色の色IDに変更する。そして、発光方法変更部265は、変更を加えた色割当情報に基づいて色割当情報テーブル230bを更新する。
【0147】
[ステップS78]発光方法変更部265は、発光情報出力部270に対して、ステップS71で取得した移動後に対応する施設情報の発光装置IDと、ステップS77で更新した色IDにより特定される色の情報とを含む発光通知を行う。通知を受け取った発光情報出力部270は、受け取った発光装置IDにより特定される発光装置に対して、受け取った色の情報を含む発光要求を出力する。また、発光方法判定部260は、携帯機情報記憶部210に格納された携帯機情報テーブル210aを検索し、位置情報取得部250から受け取った識別番号に対応する親機識別番号を取得する。発光方法変更部265は、発光情報出力部270に対して、取得した親機識別番号とステップS77で更新した色IDにより特定される色の情報とを含む発光通知を行う。通知を受け取った発光情報出力部270は、発信装置70に対して、受け取った親機識別番号と色の情報とを含む発光要求を出力する。
【0148】
[ステップS79]発光方法変更部265は、発光情報出力部270に対して、ステップS71で取得した移動前に対応する施設情報の発光意装置IDを含む発光解除通知を行う。通知を受け取った発光情報出力部270は、受け取った発光装置IDにより特定される発光装置に対して、発光解除要求を出力する。
【0149】
このようにして、発光方法変更部265は、変更前の受信装置IDにより特定される受信装置が設置されているブロックと、変更後の受信装置IDにより特定される受信装置が設置されているブロックとを特定する。また、発光方法変更部265は、一定の範囲内で複数の発光装置が同一色で発光することを避けるため、必要に応じて色を割り当て直す。
そして、発光情報出力部270は、特定された移動後のブロック内に設置されている発光装置を割り当てられた色で発光させると共に、親機の発光回路も発光装置と同一色では発行させる。また、特定された移動前のブロック内に設置されている発光装置の発光を停止する。
【0150】
例えば、迷子が受信装置31が設置されたブロックから受信装置37が設置されたブロックに移動したとする。このとき、発光装置46aが発光している色とその迷子に割り当てられている色とが同一色である場合、発光方法変更部265は、その迷子を捜すための色を割り当て直す。例えば、発光装置42aが発光している色を割り当てる。そして、発光情報出力部270は、発光装置ID“L202”により特定される発光装置47aを割り当てられた色で発光させると共に、親機23の発光回路23bが発光する色を発光装置47aと同じ色に切り替える。また、発光情報出力部270は、発光装置ID“L101”により特定される発光装置41aの発光を停止する。
【0151】
次に、迷子情報入力部255が端末装置51,52から迷子解除要求を受けた後に行われる、迷子解除処理について説明する。
図20は、第2の実施の形態の迷子解除処理の手順を示すフローチャートである。以下、図20に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0152】
[ステップS81]迷子情報入力部255は、親機21,・・・の識別番号を含む迷子解除要求が入力されたか否かを判断する。入力された場合には、処理がステップS82に進められる。入力されていない場合には、迷子情報入力部255によってステップS81の処理が繰り返され、迷子解除要求が入力されるのを待つ。
【0153】
[ステップS82]迷子情報入力部255は、携帯機情報記憶部210に格納された携帯機情報テーブル210aを検索し、ステップS81で入力された識別番号を親機識別番号にもつ携帯機情報を取得して、その携帯機情報の子機識別番号を抽出する。
【0154】
[ステップS83]迷子情報入力部255は、位置情報記憶部240に格納された位置情報テーブル240aを検索し、ステップS82で取得した子機識別番号と同一の識別番号を含む位置情報を取得する。そして、迷子情報入力部255は、取得した位置情報の迷子フラグを“0”に変更し、位置情報テーブル240aを更新する。その後、迷子情報入力部255は、発光方法判定部260に対して、取得した位置情報の受信装置IDと識別識番号とを含む解除処理通知を行う。
【0155】
[ステップS84]発光方法判定部260は、迷子情報入力部255から受信装置IDと識別番号とを含む解除処理通知を受け取ると、施設情報記憶部220に格納された施設情報テーブル220aを検索し、受け取った受信装置IDをもつ施設情報を取得する。
【0156】
[ステップS85]発光方法判定部260は、発光情報記憶部230に格納された色割当情報テーブル230bから、迷子情報入力部255から受け取った識別番号をもつ色割当情報を削除する。
【0157】
[ステップS86]発光方法判定部260は、ステップS84で取得した施設情報の発光装置IDを抽出する。そして、発光方法判定部260は、発光情報出力部270に対して、抽出した発光装置IDを含む発光解除通知を行う。通知を受け取った発光情報出力部270は、受け取った発光装置IDにより特定される発光装置に対して、発光解除要求を出力する。
【0158】
このようにして、迷子情報入力部255は、端末装置51,52から識別番号を含む迷子解除要求が入力されると、入力された識別番号と組になっている子機識別番号を特定する。これにより、子機識別番号で特定される子機の利用者が迷子でなくなったと判定される。そして、発光方法判定部260は、特定された子機の利用者への色の割り当てを解除すると共に、その利用者が現在いるブロックを特定する。発光情報出力部270は、特定されたブロック内に設置されている発光装置の発光を停止させる。
【0159】
このような迷子探索システムを用いることで、第1の実施の形態で示した迷子探索システムを用いた場合と同様の効果を得られる。さらに、本実施の形態で示した迷子探索システム用いることで、同一時刻に複数の迷子が発生した場合でも、探索者は発光装置41a〜49aが発光する色を手掛かりに、他の迷子と区別して探索対象を把握することができる。また、用意されたすべての色が使用中であっても、迷子の位置から最も遠い位置で使用されている色を割り当てることで、一定数の色で多数の迷子を区別することができる。さらに、迷子が移動することで同一色が割り当てられた迷子が互いに近接したときは、色の再割り当てを行うことでこの問題を解決する。このとき、探索者は親機23,・・・の発光回路が発光する色の変化により、探索の手掛かりとすべき色が変わったことを知る。
【0160】
なお、本実施の形態では、複数の迷子を区別する方法として色を用いたが、これに代えて視覚的に確認可能な任意の表示方法を用いることができる。例えば、発光装置として電光掲示板を使用し、電光掲示板に表示する文字、形状、模様などを変化させることで、迷子を区別することも可能である。
【0161】
また、本実施の形態では親機にのみ発光回路を組み込んだが、同様に子機にも発光回路を組み込み、発光装置および親機の発光回路と同じ色で発光させることもできる。これにより、探索者の到着前にショッピングセンターの従業員などが迷子を保護している場合に、探索者が迷子の同伴者であることを客観的に確認することができる。
【0162】
さらに、探索者と迷子との距離に応じて発光方法を変化させてもよい。例えば、探索者と迷子との距離が所定の距離以内になると、発光装置を点滅発光させることが考えられる。これにより、探索者はより確実に発光装置の発光を見つけることができる。一方、本実施の形態では端末装置を操作することで迷子の指定の解除を行うこととしたが、探索者と迷子とが所定の距離よりも近づいた場合に、自動的に迷子解除処理が実行されるようにしてもよい。
【0163】
以上、本発明の迷子探索プログラムを、図示の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や工程が付加されていてもよい。
【0164】
また、本発明は、前述した実施の形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、管理サーバ100,200が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどが挙げられる。磁気記録装置としては、例えば、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどが挙げられる。光ディスクとしては、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などが挙げられる。光磁気記録媒体としては、例えば、MO(Magneto-Optical disk)などが挙げられる。
【0165】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0166】
迷子探索プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0167】
以上説明した実施の形態の主な技術的特徴は、以下の付記の通りである。
(付記1) 施設内を移動する迷子を探索する迷子探索プログラムにおいて、
コンピュータを、
前記施設内を移動する1以上の第1の移動者が携帯する親機を個々に識別する第1の識別情報と、1以上の第2の移動者が携帯する子機を個々に識別する第2の識別情報とを対応付けて記憶する携帯機情報記憶手段、
前記施設内に設置された、所定範囲内にある前記子機の発信回路から発信された前記第2の識別情報を受信する複数の受信装置を個々に識別する受信装置識別情報と、個々の該受信装置に対応付けて該施設内に設置された、発光要求の受信に基づき発光する複数の発光装置を個々に識別する発光装置識別情報とを関連付けて記憶する施設情報記憶手段、
複数の前記受信装置から、該受信装置が受信した前記第2の識別情報を取得する位置情報取得手段、
前記施設内に設置された端末装置から前記親機を識別する前記第1の識別情報が入力されると、前記携帯機情報記憶手段を参照し、入力された該第1の識別情報に対応する第2の識別情報を特定する迷子情報入力手段、
前記施設情報記憶手段を参照し、前記位置情報取得手段で取得した第2の識別情報の内、前記迷子情報入力手段により特定された第2の識別情報を受信した受信装置を識別する受信装置識別情報に対応する発光装置識別情報を取得し、該発光装置識別情報に対応する発光装置に対して発光要求を出力する発光情報出力手段、
として機能させることを特徴とする迷子探索プログラム。
【0168】
(付記2) 前記位置情報取得手段は、前記複数の受信装置から、個々の該受信装置が受信した前記第2の識別情報を継続的に取得し、
前記発光情報出力手段は、前記施設情報記憶手段を参照し、前記位置情報取得手段で継続的に取得する第2の識別情報の内、前記迷子情報入力手段により特定された第2の識別情報を受信した受信装置の変化に応じ、該受信装置を識別する受信装置識別情報に対応する発光装置識別情報を取得し、該発光装置識別情報に対応する発光装置に対して前記発光要求を出力する、
ことを特徴とする付記1記載の迷子探索プログラム。
【0169】
(付記3) コンピュータを、さらに、
前記発光装置が発光可能な複数の発光方法の情報を記憶する発光情報記憶手段、
として機能させ、
前記発光情報出力手段は、前記発光情報記憶手段を参照し、複数の発光方法から、前記迷子情報入力手段により特定された第2の識別情報を発信する子機を識別するための発光方法の情報を特定して前記発光要求に設定する、
ことを特徴とする付記1記載の迷子探索プログラム。
【0170】
(付記4) 前記発光情報記憶手段は、前記発光情報出力手段により設定された、前記迷子情報入力手段により特定された第2の識別情報を発信する子機を識別するための発光方法の情報を割当済情報として記憶し、
前記発光情報出力手段は、前記発光情報記憶手段を参照し、複数の発光方法から、割当済情報として記憶されていない発光方法の情報を、前記迷子情報入力手段により特定された第2の識別情報を発信する子機を識別するための発光方法の情報として特定して前記発光要求に設定すると共に、該設定した発光方法の情報を割当済情報として前記発光情報記憶手段に格納する、
ことを特徴とする付記3記載の迷子探索プログラム。
【0171】
(付記5) 前記発光情報記憶手段は、前記発光方法と対応付けて、該発光方法に従って発光している発光装置の設置位置の情報を記憶し、
前記発光情報出力手段は、すべての発光方法が割当済情報として前記発光情報記憶手段に記憶されている場合、前記第2の識別情報を受信した受信装置の設置位置から最も離れた位置で発光している発光装置の発光方法を、前記迷子情報入力手段により特定された第2の識別情報を発信する子機を識別するための発光方法の情報として特定する、
ことを特徴とする付記4記載の迷子探索プログラム。
【0172】
(付記6) 前記位置情報取得手段は、前記複数の受信装置から、個々の該受信装置が受信した前記第2の識別情報を継続的に取得し、
前記発光情報出力手段は、前記位置情報取得手段で継続的に取得する第2の識別情報の内、前記迷子情報入力手段により特定された第2の識別情報を受信した受信装置の変化を認識し、変化後の受信装置に対応する前記発光装置の設置位置から所定の範囲内に、該第2の識別情報を発信する子機を識別するための発光方法と同一の発光方法に従って発光している発光装置が存在する場合、該発光方法と異なる発光方法の情報を、該子機を識別するための新たな発光方法の情報として特定すると共に、前記施設情報記憶手段を参照し、変化後の該受信装置を識別する受信装置識別情報に対応する発光装置識別情報を取得し、該発光装置識別情報に対応する発光装置に対して、特定した該発光方法の情報を設定した前記発光要求を出力する、
ことを特徴とする付記5記載の迷子探索プログラム。
【0173】
(付記7) 施設内を移動する迷子を探索する迷子探索装置において、
前記施設内を移動する1以上の第1の移動者が携帯する親機を個々に識別する第1の識別情報と、1以上の第2の移動者が携帯する子機を個々に識別する第2の識別情報とを対応付けて記憶する携帯機情報記憶手段と、
前記施設内に設置された、所定範囲内にある前記子機の発信回路から発信された前記第2の識別情報を受信する複数の受信装置を個々に識別する受信装置識別情報と、個々の該受信装置に対応付けて該施設内に設置された、発光要求の受信に基づき発光する複数の発光装置を個々に識別する発光装置識別情報とを関連付けて記憶する施設情報記憶手段と、
複数の前記受信装置から、該受信装置が受信した前記第2の識別情報を取得する位置情報取得手段と、
前記施設内に設置された端末装置から前記親機を識別する前記第1の識別情報が入力されると、前記携帯機情報記憶手段を参照し、入力された該第1の識別情報に対応する第2の識別情報を特定する迷子情報入力手段と、
前記施設情報記憶手段を参照し、前記位置情報取得手段で取得した第2の識別情報の内、前記迷子情報入力手段により特定された第2の識別情報を受信した受信装置を識別する受信装置識別情報に対応する発光装置識別情報を取得し、該発光装置識別情報に対応する発光装置に対して発光要求を出力する発光情報出力手段と、
を有することを特徴とする迷子探索装置。
【0174】
(付記8) 施設内を移動する迷子を探索する迷子探索方法において、
位置情報取得手段が、前記施設内に設置された、所定範囲内にある、該施設内を移動する1以上の第2の移動者が携帯する子機の発信回路から発信された該子機を個々に識別する第2の識別情報を受信する複数の受信装置から、該受信装置が受信した前記第2の識別情報を取得し、
迷子情報入力手段が、前記施設内に設置された端末装置から、前記施設内を移動する1以上の第1の移動者が携帯する親機を識別する第1の識別情報が入力されると、該親機を識別する第1の識別情報と前記子機を識別する第2の識別情報とを対応付けて記憶する携帯機情報記憶手段を参照して、入力された該第1の識別情報に対応する第2の識別情報を特定し、
発光情報出力手段が、複数の前記受信装置を個々に識別する受信装置識別情報と、個々の該受信装置に対応付けて該施設内に設置された、発光要求の受信に基づき発光する複数の発光装置を個々に識別する発光装置識別情報とを関連付けて記憶する施設情報記憶手段を参照して、前記位置情報取得手段で取得した第2の識別情報の内、前記迷子情報入力手段により特定された第2の識別情報を受信した受信装置を識別する受信装置識別情報に対応する発光装置識別情報を取得し、該発光装置識別情報に対応する発光装置に対して発光要求を出力する、
ことを特徴とする迷子探索方法。
【図面の簡単な説明】
【0175】
【図1】実施の形態に適用される発明を示す原理図である。
【図2】第1の実施の形態の迷子探索システムの構成を示す図である。
【図3】管理サーバのハードウェア構成を示す図である。
【図4】第1の実施の形態の管理サーバの機能を示すブロック図である。
【図5】携帯機情報テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図6】施設情報テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図7】位置情報テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図8】第1の実施の形態の位置情報取得処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】第1の実施の形態の迷子登録処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】発光位置判定処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】発光位置変更処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】第1の実施の形態の迷子解除処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】第2の実施の形態の迷子探索システムの構成を示す図である。
【図14】第2の実施の形態の管理サーバの機能を示すブロック図である。
【図15】色情報テーブルと色割当情報テーブルとのデータ構造例を示す図である。
【図16】第2の実施の形態の位置情報取得処理の手順を示すフローチャートである。
【図17】第2の実施の形態の迷子登録処理の手順を示すフローチャートである。
【図18】発光方法判定処理の手順を示すフローチャートである。
【図19】発光方法変更処理の手順を示すフローチャートである。
【図20】第2の実施の形態の迷子解除処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0176】
1 コンピュータ
1a 携帯機情報記憶手段
1b 施設情報記憶手段
1c 位置情報取得手段
1d 迷子情報入力手段
1e 発光情報出力手段
2a 親機
2b 子機
3a,3b,3c 受信装置
4a,4b,4c 発光装置
5 端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設内を移動する迷子を探索する迷子探索プログラムにおいて、
コンピュータを、
前記施設内を移動する1以上の第1の移動者が携帯する親機を個々に識別する第1の識別情報と、1以上の第2の移動者が携帯する子機を個々に識別する第2の識別情報とを対応付けて記憶する携帯機情報記憶手段、
前記施設内に設置された、所定範囲内にある前記子機の発信回路から発信された前記第2の識別情報を受信する複数の受信装置を個々に識別する受信装置識別情報と、個々の該受信装置に対応付けて該施設内に設置された、発光要求の受信に基づき発光する複数の発光装置を個々に識別する発光装置識別情報とを関連付けて記憶する施設情報記憶手段、
複数の前記受信装置から、該受信装置が受信した前記第2の識別情報を取得する位置情報取得手段、
前記施設内に設置された端末装置から前記親機を識別する前記第1の識別情報が入力されると、前記携帯機情報記憶手段を参照し、入力された該第1の識別情報に対応する第2の識別情報を特定する迷子情報入力手段、
前記施設情報記憶手段を参照し、前記位置情報取得手段で取得した第2の識別情報の内、前記迷子情報入力手段により特定された第2の識別情報を受信した受信装置を識別する受信装置識別情報に対応する発光装置識別情報を取得し、該発光装置識別情報に対応する発光装置に対して発光要求を出力する発光情報出力手段、
として機能させることを特徴とする迷子探索プログラム。
【請求項2】
前記位置情報取得手段は、前記複数の受信装置から、個々の該受信装置が受信した前記第2の識別情報を継続的に取得し、
前記発光情報出力手段は、前記施設情報記憶手段を参照し、前記位置情報取得手段で継続的に取得する第2の識別情報の内、前記迷子情報入力手段により特定された第2の識別情報を受信した受信装置の変化に応じ、該受信装置を識別する受信装置識別情報に対応する発光装置識別情報を取得し、該発光装置識別情報に対応する発光装置に対して前記発光要求を出力する、
ことを特徴とする請求項1記載の迷子探索プログラム。
【請求項3】
コンピュータを、さらに、
前記発光装置が発光可能な複数の発光方法の情報を記憶する発光情報記憶手段、
として機能させ、
前記発光情報出力手段は、前記発光情報記憶手段を参照し、複数の発光方法から、前記迷子情報入力手段により特定された第2の識別情報を発信する子機を識別するための発光方法の情報を特定して前記発光要求に設定する、
ことを特徴とする請求項1記載の迷子探索プログラム。
【請求項4】
前記発光情報記憶手段は、前記発光情報出力手段により設定された、前記迷子情報入力手段により特定された第2の識別情報を発信する子機を識別するための発光方法の情報を割当済情報として記憶し、
前記発光情報出力手段は、前記発光情報記憶手段を参照し、複数の発光方法から、割当済情報として記憶されていない発光方法の情報を、前記迷子情報入力手段により特定された第2の識別情報を発信する子機を識別するための発光方法の情報として特定して前記発光要求に設定すると共に、該設定した発光方法の情報を割当済情報として前記発光情報記憶手段に格納する、
ことを特徴とする請求項3記載の迷子探索プログラム。
【請求項5】
施設内を移動する迷子を探索する迷子探索方法において、
位置情報取得手段が、前記施設内に設置された、所定範囲内にある、該施設内を移動する1以上の第2の移動者が携帯する子機の発信回路から発信された該子機を個々に識別する第2の識別情報を受信する複数の受信装置から、該受信装置が受信した前記第2の識別情報を取得し、
迷子情報入力手段が、前記施設内に設置された端末装置から、前記施設内を移動する1以上の第1の移動者が携帯する親機を識別する第1の識別情報が入力されると、該親機を識別する第1の識別情報と前記子機を識別する第2の識別情報とを対応付けて記憶する携帯機情報記憶手段を参照して、入力された該第1の識別情報に対応する第2の識別情報を特定し、
発光情報出力手段が、複数の前記受信装置を個々に識別する受信装置識別情報と、個々の該受信装置に対応付けて該施設内に設置された、発光要求の受信に基づき発光する複数の発光装置を個々に識別する発光装置識別情報とを関連付けて記憶する施設情報記憶手段を参照して、前記位置情報取得手段で取得した第2の識別情報の内、前記迷子情報入力手段により特定された第2の識別情報を受信した受信装置を識別する受信装置識別情報に対応する発光装置識別情報を取得し、該発光装置識別情報に対応する発光装置に対して発光要求を出力する、
ことを特徴とする迷子探索方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2007−241529(P2007−241529A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−61191(P2006−61191)
【出願日】平成18年3月7日(2006.3.7)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】