説明

送信装置および送信方法、受信装置および受信方法、並びにプログラム

【課題】受信側において視聴可能なデジタル放送の選局情報のみを認識することができるようにする。
【解決手段】通信部79は、デジタル放送を受信する受信装置に、デジタル放送のコンテンツの利用条件としてのライセンス有効期限、および、コンテンツに施されているスクランブルを解除するためのスクランブル鍵を含む視聴ライセンスと、デジタル放送の選局に関する情報である選局情報とを送信する。本発明は、例えば、デジタル放送を受信する受信端末と通信を行うサーバに適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置および送信方法、受信装置および受信方法、並びにプログラムに関し、特に、受信側において視聴可能なデジタル放送の選局情報のみを認識することができるようにした送信装置および送信方法、受信装置および受信方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、UHF(Ultra High Frequency)帯において地上波デジタル放送が実施されている。地上波デジタル放送の物理チャンネルは13セグメントに分割され、そのうちの1セグメント分の帯域で携帯端末向け放送(以下、ワンセグ放送という)が行われる。そして、残りの12セグメント分の帯域で、テレビジョン受像機などの固定端末向け放送が行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
地上波デジタル放送には、UHF帯の13乃至52チャンネルのうち、各地域で実際に地上波デジタル放送が行われているチャンネル以外の空きチャンネルが多く存在する。そのため、この空きチャンネルを有効利用する方法が検討されている。
【0004】
空きチャンネルを有効利用する有力な方法としては、空きチャンネルで多チャンネルコミュニティ放送を行う方法がある。なお、多チャンネルコミュニティ放送とは、限定された地域で複数の論理チャンネルを利用して多面的に行われる1セグメント単位の放送である。以下では、多チャンネルコミュニティ放送を単にコミュニティ放送という。
【0005】
ところで、固定端末向けの地上波デジタル放送では、CAS(Conditional Access System)方式を用いて受信制限を行うことが可能である。一方で、ワンセグ放送ではCAS方式は使用されていないが、受信制限が必要になった場合には、固定端末向け放送と同様のCAS方式を採用することが想定される。そこで、以下では、このような場合について説明する。
【0006】
図1は、ワンセグ放送のCAS方式について説明する図である。
【0007】
図1に示すように、受信制限されるワンセグ放送のNIT(Network Information Table)は、このワンセグ放送のネットワークID(NID)、周波数(Frequency)を表すチューニング情報、放送サービスのサービスリストなどにより構成される。なお、ネットワークIDは、ネットワークに固有のIDである。サービスリストは、放送サービスのサービスID(ServiceID)とサービスタイプ(ServiceType)などにより構成される。サービスIDは、放送サービスに固有のIDであり、サービスタイプは、放送サービスのタイプ(テレビジョン放送、ラジオ放送など)である。
【0008】
ワンセグ放送を受信する受信端末は、このNITからサービスIDを取得し、そのサービスIDに対応するPMT(Program Map Table)を取得する。図1に示すように、PMTには、サービスID、PCR_PID、そのサービスIDに対応するワンセグ放送の放送サービスを構成するES(Elementary Stream)のES情報、その放送サービスのCAS情報であるワンセグCAS情報などにより構成される。
【0009】
PCR_PIDは、PCR(Program Clock Reference)のパケットに固有のID(以下、パケットIDという)である。また、ES情報は、ESのパケットIDであるES_PID、ESのタイプであるES_typeなどにより構成される。ワンセグCAS情報は、CAS方式、そのCAS方式で用いられるスクランブル鍵に関する情報としての、スクランブル鍵が暗号化されたものを含むECM(Entitlement Control Message)パケットのパケットIDであるECM_PIDなどにより構成される。なお、暗号化されたスクランブル鍵を復号するための鍵は、EMM(Entitlement Management Message)パケットに含まれる。
【0010】
EMMパケットは、暗号化されて地上波デジタル放送に含まれる。EMMパケットは、受信端末のユーザが受信制限される放送を受信するための登録(以下、受信登録という)を行うことで発行されるIC(Integrated Circuit)カード等に含まれる鍵を用いて復号することにより、取得することができる。
【0011】
従って、受信端末のユーザは、まず、受信登録を行い、EMMパケットの暗号化を解除するための鍵を含むICカード等を取得する。そして、ユーザは、そのICカードを用いて受信端末にEMMパケットを取得させる。受信端末は、そのEMMパケットに含まれる鍵でECMに含まれる暗号化されたスクランブル鍵のスクランブルを解除し、その結果得られるスクランブル鍵を用いて、PMTに含まれるES情報に対応するワンセグ放送のESのスクランブルを解除する。その結果、受信制限されるワンセグ放送の映像や音声を再生することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2007−329847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
以上のように、従来のCAS方式では、受信制限される地上波デジタル放送の周波数などがNITに記述されるため、受信制限のある地上波デジタル放送に対応していない受信端末において、視聴不可能な受信制限のある地上波デジタル放送が認識されてしまう。
【0014】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、受信側において視聴可能なデジタル放送の選局情報のみを認識することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第1の側面の送信装置は、デジタル放送を受信する受信装置に、前記デジタル放送のコンテンツの利用条件を含むライセンスと、前記デジタル放送の選局に関する情報である選局情報とを送信する送信手段を備える送信装置である。
【0016】
本発明の第1の側面の送信方法は、送信装置が、デジタル放送を受信する受信装置に、前記デジタル放送のコンテンツの利用条件を含むライセンスと、前記デジタル放送の選局に関する情報である選局情報とを送信する送信ステップを含む送信方法である。
【0017】
本発明の第1の側面のプログラムは、コンピュータに、デジタル放送を受信する受信装置に、前記デジタル放送のコンテンツの利用条件を含むライセンスと、前記デジタル放送の選局に関する情報である選局情報とを送信する送信ステップを含む処理を実行させるプログラムである。
【0018】
本発明の第1の側面においては、デジタル放送を受信する受信装置に、デジタル放送のコンテンツの利用条件を含むライセンスと、デジタル放送の選局に関する情報である選局情報とが送信される。
【0019】
本発明の第2の側面の受信装置は、デジタル放送のコンテンツの利用条件を含むライセンスと、前記デジタル放送の選局に関する情報である選局情報とを受信する受信手段と、前記選局情報に基づいて前記デジタル放送を選局する選局手段と、前記ライセンスに基づいて前記デジタル放送の前記コンテンツを再生する再生手段とを備える受信装置である。
【0020】
本発明の第2の側面の受信方法は、受信装置が、デジタル放送のコンテンツの利用条件を含むライセンスと、前記デジタル放送の選局に関する情報である選局情報とを受信する受信ステップと、前記選局情報に基づいて前記デジタル放送を選局する選局ステップと、前記ライセンスに基づいて前記デジタル放送の前記コンテンツを再生する再生ステップとを含む受信方法である。
【0021】
本発明の第2の側面のプログラムは、コンピュータに、デジタル放送のコンテンツの利用条件を含むライセンスと、前記デジタル放送の選局に関する情報である選局情報の受信を制御する受信制御ステップと、前記選局情報に基づいて前記デジタル放送の選局を制御する選局制御ステップと、前記ライセンスに基づいて前記デジタル放送の前記コンテンツを再生する再生ステップとを含む処理を実行させるプログラムである。
【0022】
本発明の第2の側面においては、デジタル放送のコンテンツの利用条件を含むライセンスと、デジタル放送の選局に関する情報である選局情報とが受信され、その選局情報に基づいてデジタル放送が選局され、ライセンスに基づいてデジタル放送のコンテンツが再生される。
【発明の効果】
【0023】
以上のように、本発明によれば、受信側において視聴可能なデジタル放送の選局情報のみを認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】ワンセグ放送のCAS方式について説明する図である。
【図2】本発明を適用した送受信システムの第1実施の形態の構成例を示す図である。
【図3】ライセンス方式について説明する図である。
【図4】図2の受信端末の詳細構成例を示すブロック図である。
【図5】図2のサーバの詳細構成例を示すブロック図である。
【図6】送受信システムにおける視聴ライセンス取得処理を説明するフローチャートである。
【図7】視聴ライセンスの構成例を示す図である。
【図8】視聴ライセンスに含まれるスクランブル鍵について説明する図である。
【図9】受信端末による有料のコミュニティ放送の再生方法について説明する図である。
【図10】コミュニティCAS情報の配置例を示す図である。
【図11】有料コミュニティ放送の選局処理を説明するフローチャートである。
【図12】本発明を適用した送受信システムの第2実施の形態の構成例を示す図である。
【図13】図12の受信端末の詳細構成例を示すブロック図である。
【図14】図12のリーダライタの詳細構成例を示すブロック図である。
【図15】パーソナルコンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<第1実施の形態>
[送受信システムの第1実施の形態の構成例]
図2は、本発明を適用した送受信システムの第1実施の形態の構成例を示す図である。
【0026】
図2の送受信システム30は、地上波放送局31、コミュニティ放送局32、受信端末33、ネットワーク34、およびサーバ35により構成される。
【0027】
地上波放送局31は、地上波デジタル放送波で無料のワンセグ放送を含む地上波デジタル放送を行う。コミュニティ放送局32は、地上波デジタル放送波の空きチャンネルの中央セグメントで、サービスエリアAでのみ受信可能な有料のコミュニティ放送を行う。この有料のコミュニティ放送は、所定のCAS方式であるライセンス方式で受信制限される。
【0028】
受信端末33は、地上波デジタル放送波の中央セグメントで送信される無料のワンセグ放送または有料のコミュニティ放送を受信可能な携帯端末である。従って、図2に示すように、受信端末33を所持したユーザがサービスエリアAにいる場合、受信端末33は、無料のワンセグ放送とコミュニティ放送局32による有料のコミュニティ放送を受信することができる。
【0029】
また、受信端末33は、ネットワーク34を介してサーバ35と無線通信を行う。例えば、受信端末33としてWi-Fiとして認定される端末が用いられる場合、受信端末33は、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.11に準拠した無線通信をサーバ35と行う。なお、受信端末33は、携帯電話網をネットワーク34としてサーバ35と無線通信を行ってもよい。
【0030】
受信端末33は、サーバ35と無線通信を行うことにより、サーバ35から有料のコミュニティ放送のビデオデータやオーディオデータであるコンテンツに施されたスクランブルを解除するためのスクランブル鍵などを取得する。
【0031】
サーバ35は、ネットワーク34を介して受信端末33と無線通信を行い、受信端末33の認証を行う。また、サーバ35は、正当な受信端末33に、コミュニティ放送局32により放送される有料のコミュニティ放送のスクランブル鍵を、ネットワーク34を介して送信する。さらに、サーバ35は、受信端末33に送信したスクランブル鍵に対応する有料のコミュニティ放送についての課金処理を受信端末33に対して行う。
【0032】
[ライセンス方式の説明]
図3は、ライセンス方式について説明する図である。
【0033】
図3に示すように、ライセンス方式では、受信端末33が、サーバ35との無線通信により、有料のコミュニティ放送を再生するために必要なスクランブル鍵などの情報を含む視聴ライセンスを購入し、取得する。そして、受信端末33は、視聴ライセンスを用いて有料のコミュニティ放送を再生する。
【0034】
[受信端末の詳細構成例]
図4は、図2の受信端末33の詳細構成例を示すブロック図である。
【0035】
図4の受信端末33は、アンテナ51、チューナ52、デスクランブラ53、デマルチプレクサ54、ビデオデコーダ55、選択部56、表示部57、オーディオデコーダ58、スピーカ59、ブラウザ60、無線通信インタフェース61、CAS処理部62、記憶部63、および制御部64により構成される。
【0036】
チューナ52は、制御部64から供給されるチューニング情報に基づいて選局を行い、地上波デジタル放送波の中央セグメントのTS(Transport Stream)を順に、アンテナ51を介して受信する。即ち、チューナ52は、地上波デジタル放送波の中央セグメントのTSをスキャンする。
【0037】
チューナ52は、制御部64から供給されるチューニング情報に基づいて選局を行い、所定の論理チャンネルのワンセグ放送のTSを、アンテナ51を介して地上波放送局31から受信する。また、チューナ52は、CAS処理部62から供給されるチューニング情報に基づいて選局を行い、所定の論理チャンネルのコミュニティ放送のTSを、アンテナ51を介してコミュニティ放送局32から受信する。チューナ52は、受信されたTSをデスクランブラ53に供給する。
【0038】
デスクランブラ53は、チューナ52から供給されるTSに施されたスクランブルを、CAS処理部62から供給されるスクランブル鍵を用いて解除し、デマルチプレクサ54に供給する。
【0039】
デマルチプレクサ54は、デスクランブラ53から供給されるTSを、ビデオデータ、オーディオデータ、放送においてブラウザを用いた表示を行うための情報(以下、表示制御情報という)、PSI(Program Specific Information)の各情報等に分離する。デマルチプレクサ54は、ビデオデータをビデオデコーダ55に供給し、オーディオデータをオーディオデコーダ58に供給する。また、デマルチプレクサ54は、表示制御情報をブラウザ60に供給し、PSIの各情報等を制御部64およびCAS処理部62に供給する。
【0040】
ビデオデコーダ55は、制御部64の制御にしたがって、デマルチプレクサ54から供給されるビデオデータを、地上波放送局31またはコミュニティ放送局32におけるエンコードに対応する方式でデコードし、選択部56に供給する。
【0041】
選択部56は、制御部64の制御にしたがって、ビデオデコーダ55から供給されるビデオデータまたはブラウザ60から供給されるビデオデータを選択し、表示部57に供給する。表示部57は、選択部56から供給されるビデオデータに基づいて、ワンセグ放送またはコミュニティ放送の画像などを表示する。
【0042】
オーディオデコーダ58は、制御部64の制御にしたがって、デマルチプレクサ54から供給されるオーディオデータを、地上波放送局31またはコミュニティ放送局32におけるエンコードに対応する方式でデコードし、スピーカ59に供給する。スピーカ59は、オーディオデコーダ58から供給されるオーディオデータに対応する音声を、ワンセグ放送またはコミュニティ放送の音声として出力する。
【0043】
ブラウザ60は、デマルチプレクサ54から供給される表示制御情報を解釈して、ビデオデータを生成し、選択部56に供給する。
【0044】
無線通信インタフェース61は、ネットワーク34を介してサーバ35と無線通信を行う。例えば、無線通信インタフェース61は、CAS処理部62から供給される、受信端末33に付与された受信端末に固有のIDである端末IDを、ネットワーク34を介してサーバ35に送信する。また、無線通信インタフェース61は、サーバ35による端末IDを用いた認証処理の結果送信されてくる視聴ライセンスを、ネットワーク34を介して受信し、CAS処理部62に供給する。
【0045】
CAS処理部62は、記憶部63に記憶されている受信端末33の端末IDを、無線通信インタフェース61に供給する。また、CAS処理部62は、無線通信インタフェース61から供給される視聴ライセンスを、記憶部63に供給して記憶させる。
【0046】
さらに、CAS処理部62は、視聴ライセンスに含まれるチューニング情報をチューナ52に供給し、スクランブル鍵をデスクランブラ53に供給する。CAS処理部62は、視聴ライセンスに含まれる、有料のコミュニティ放送の選局に関する情報である選局情報のうちのチューニング情報、サービスID、サービス名、サービスタイプなどを、記憶部63の選局情報のテーブルである選局テーブルに登録する。
【0047】
記憶部63は、端末ID、視聴ライセンス、選局テーブルなどを記憶する。
【0048】
制御部64は、地上波デジタル放送波の各物理チャンネルの中央セグメントのチューニング情報を順にチューナ52に供給する。制御部64は、これによりデマルチプレクサ54から供給されるワンセグ放送のNITに含まれるチューニング情報、サービスID、およびサービスタイプ、SDT(Service Description Table)に含まれるサービス名などを記憶部の選局テーブルに登録する。
【0049】
また、制御部64は、ユーザからの指令に応じて、記憶部63に記憶されている選局テーブルに登録されているサービス名をブラウザ60に供給し、そのサービス名を表示部57に表示させる。ユーザは、表示部57に表示されたサービス名を見て、視聴対象とする放送サービスのサービス名を選択指示する。制御部64は、この選択指示に基づいて、選局テーブルから視聴対象のサービス名に対応するチューニング情報を読み出し、チューナ52に供給する。
【0050】
さらに、制御部64は、デマルチプレクサ54から供給されるPSIの各情報に基づいて、ビデオデコーダ55、選択部56、オーディオデコーダ58、およびブラウザ60を制御する。具体的には、制御部64は、例えば、ビデオデコーダ55から出力されるビデオデータとオーディオデコーダ58から出力されるオーディオデータの同期をとるように、ビデオデコーダ55とオーディオデコーダ58を制御する。
【0051】
[サーバの詳細構成例]
図5は、図2のサーバ35の詳細構成例を示すブロック図である。
【0052】
図5のサーバ35において、CPU(Central Processing Unit)71,ROM(Read Only Memory)72,RAM(Random Access Memory)73は、バス74により相互に接続されている。
【0053】
バス74には、さらに、入出力インタフェース75が接続されている。入出力インタフェース75には、入力部76、出力部77、記憶部78、通信部79、およびドライブ80が接続されている。
【0054】
入力部76は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部77は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記憶部78は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部79は、ネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ80は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア81を駆動する。
【0055】
以上のように構成されるサーバ35では、CPU71が、例えば、記憶部78に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース75およびバス74を介して、RAM73にロードして実行することにより、各種の処理が行われる。
【0056】
具体的には、CPU71は、通信部79によりネットワーク34を介して受信端末33から受信された端末IDに基づいて、受信端末33に対する認証処理を行う。また、CPU71は、その認証処理の結果に応じて、記憶部78に記憶されている、コミュニティ放送局32により送信される有料のコミュニティ放送の視聴ライセンスを、通信部79を制御して受信端末33に送信する。さらに、CPU71は、視聴ライセンスを受信した受信端末33に対して、その視聴ライセンスに対応する有料のコミュニティ放送についての課金処理を行う。
【0057】
なお、CPU71が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア81に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0058】
また、サーバ35では、プログラムは、リムーバブルメディア81をドライブ80に装着することにより、入出力インタフェース75を介して、記憶部78にインストールすることができる。さらに、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部79で受信し、記憶部78にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM72や記憶部78に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0059】
[送受信システムによる視聴ライセンス取得処理の説明]
図6は、送受信システム30における視聴ライセンス取得処理を説明するフローチャートである。
【0060】
図6のステップS21において、受信端末33のCAS処理部62(図4)は、記憶部63に記憶されている端末IDを無線通信インタフェース61に供給することにより、その端末IDを、ネットワーク34を介してサーバ35に送信する。
【0061】
ステップS11において、サーバ35の通信部79(図5)は、受信端末33から送信されてくる端末IDを、ネットワーク34を介して受信し、CPU71に供給する。ステップS12において、CPU71は、通信部79から供給される端末IDに基づいて、その端末IDに対応する受信端末33が、有料のコミュニティ放送を提供可能な正当な受信端末であるかどうかを判定する認証処理を行う。
【0062】
受信端末33が正当な受信端末であると判定された場合、ステップS13において、CPU71は、記憶部78から視聴ライセンスを読み出し、通信部79を制御して、その視聴ライセンスを受信端末33に送信する。一方、受信端末33が正当な受信端末ではないと判定された場合、処理は終了する。
【0063】
ステップS22において、受信端末33の無線通信インタフェース61は、サーバ35から送信されてくる視聴ライセンスを受信し、CAS処理部62に供給する。ステップS23において、CAS処理部62は、視聴ライセンスの受信の完了通知を無線通信インタフェース61に供給することにより、その完了通知をサーバ35に送信する。
【0064】
ステップS14において、サーバ35の通信部79は、受信端末33から送信されてくる完了通知を受信し、CPU71に供給する。ステップS15において、CPU71は、受信端末33に対して、ステップS13で送信された視聴ライセンスに対応する有料のコミュニティ放送についての課金処理を行う。そして処理は終了する。
【0065】
以上のように、送受信システム30では、サーバ35がスクランブル鍵を含む視聴ライセンスを受信端末33に送信するので、受信端末33は、スクランブル鍵を即座に取得することができる。
【0066】
また、送受信システム30において、ライセンス方式のために必要なサーバ35の機能は、認証機能、視聴ライセンスの送信機能、および課金機能だけであるため、サーバ35を低コストで実現することができる。
【0067】
[視聴ライセンスの説明]
図7は、視聴ライセンスの構成例を示す図である。
【0068】
図7の視聴ライセンスは、視聴ライセンスに固有のIDであるライセンスID、視聴ライセンスの利用条件としての有効期限であるライセンス有効期限、スクランブル鍵、および選局情報により構成される。
【0069】
選局情報には、視聴ライセンスに対応する有料のコミュニティ放送の、ネットワークID、TSに固有のIDであるTSID、有料サービスリストなどにより構成される。有料サービスリストは、サービスID、サービスタイプ、サービス名、チューニング周波数、およびPMTのパケットIDにより構成される。
【0070】
図8は、視聴ライセンスに含まれるスクランブル鍵について説明する図である。
【0071】
視聴ライセンスに含まれるスクランブル鍵は、図8Aに示すように、有料のコミュニティ放送の1つの放送サービスに対して1つ設定されてもよいし、図8Bに示すように、複数の放送サービスに対して1つ設定されてもよい。スクランブル鍵が1つの放送サービスに対して1つ設定される場合には、1つの放送サービス単位で課金処理が行われ、複数の放送サービスに対して1つ設定される場合には、複数の放送サービス単位で課金処理が行われる。
【0072】
また、スクランブル鍵は、有料のコミュニティ放送の時間単位、日単位、または月単位の放送サービスに対して設定されるようにしてもよい。この場合、時間単位、日単位、または月単位で課金処理が行われる。
【0073】
[有料のコミュニティ放送の再生方法の説明]
図9は、受信端末33による有料のコミュニティ放送の再生方法について説明する図である。
【0074】
図9に示すように、有料のコミュニティ放送のNITには、ネットワークID、チューニング情報などが記述され、サービスリストは記述されない。従って、受信端末33は、地上波デジタル放送波を受信しただけでは、有料のコミュニティ放送のサービスIDを認識できず、そのコミュニティ放送のPMTを認識することができない。
【0075】
一方、受信端末33はサーバ35と無線通信を行い、視聴ライセンスを取得することにより、有料のコミュニティ放送の選局情報を認識することができる。即ち、受信端末33では、視聴可能な無料のワンセグ放送と有料のコミュニティ放送の選局情報が認識される。
【0076】
また、視聴ライセンスの選局情報にはPMTのパケットIDが含まれているため、有料のコミュニティ放送のPMTを認識することができる。このPMTには、サービスID、PCRのパケットID、そのサービスIDに対応する有料のコミュニティ放送の放送サービスを構成するESのES情報、その放送サービスのCAS情報であるコミュニティCAS情報などが含まれる。コミュニティCAS情報は、CAS方式、このCAS方式で用いられるスクランブル鍵に関する情報としての、視聴ライセンスのライセンスIDなどにより構成される。
【0077】
受信端末33は、PMTを認識すると、そのPMTに含まれるES情報に基づいて有料のコミュニティ放送の放送サービスのESを取得し、PMTに含まれるライセンスIDに対応するスクランブル鍵で、そのESのスクランブルを解除する。その結果、有料のコミュニティ放送の映像や音声が再生される。
【0078】
以上のように、有料のコミュニティ放送のNITにはサービスリストが記述されないので、有料のコミュニティ放送を受信しただけでは、有料のコミュニティ放送を再生することができない。従って、視聴ライセンスを取得していない不正な受信端末が有料のコミュニティ放送を再生することを防止することができる。
【0079】
また、有料のコミュニティ放送のNITは、ワンセグ放送のNITに対してサービスリストが記述されない点を除いて同様に構成される。従って、有料のコミュニティ放送に対応しない既存の受信端末は、本発明の地上波デジタル放送波を受信した場合、有料のコミュニティ放送を再生できないだけで、誤動作を起こさない。即ち、有料のコミュニティ放送に対応しない既存の受信端末では、視聴可能な無料のワンセグ放送の選局情報のみが認識される。
【0080】
[コミュニティCAS情報の配置例]
図10は、コミュニティCAS情報の配置例を示す図である。
【0081】
図10に示すように、コミュニティCAS情報は、例えば、PMTに配置される限定受信記述子に記述される。限定受信記述子には、CAS方式ID(CA_system_id)、CAS方式パケットID(CA_PID)、プライベートデータ領域(Private_data)などが配置される。
【0082】
CAS方式IDは、CAS方式に固有のIDである。CAS方式パケットIDとしては、CAS方式が従来のCAS方式である場合、即ち限定受信記述子にワンセグCAS情報が記述される場合に、そのCAS方式で用いられるスクランブル鍵に関する情報として、ECMのパケットID(ECM_PID)が記述される。CAS方式がライセンス方式である場合、即ち限定受信記述子にコミュニティCAS情報が記述される場合には、CAS方式パケットIDとしては何も記述されない。プライベートデータ領域には、CAS方式がライセンス方式である場合に、ライセンスID(License_id)が記述される。
【0083】
以上のように、限定受信記述子にはCAS方式IDが配置されるので、送受信システム30では、従来のCAS方式とライセンス方式を同時に運用することもできる。
【0084】
また、CAS方式がライセンス方式である場合には、限定受信記述子のCAS方式パケットIDに何も記述されず、プライベートデータ領域にライセンスIDが記述される。従って、CAS方式がライセンス方式であることによる、地上波デジタル放送波の有意な帯域消費はない。
【0085】
[受信端末による有料コミュニティ放送の選局処理の説明]
図11は、受信端末33による有料コミュニティ放送の選局処理を説明するフローチャートである。この選局処理は、例えば、ユーザが表示部57に表示されたサービス名を見て、視聴対象とする有料のコミュニティ放送のサービス名を選択指示したときに開始される。
【0086】
図11のステップS31において、制御部64は、ユーザにより選択指示されたサービス名に対応して選局テーブルに登録されているチューニング情報を、視聴対象のチューニング情報として記憶部63から読み出し、チューナ52に供給する。
【0087】
ステップS32において、チューナ52は、制御部64から供給されるチューニング情報が示す周波数に基づいて、視聴対象である有料のコミュニティ放送を選局する。これにより、視聴対象のTSのデスクランブラ53を介したデマルチプレクサ54への供給が開始される。
【0088】
ステップS33において、デマルチプレクサ54は、チューナ52からデスクランブラ53を介して供給されるTSを分離し、PMTを抽出する。デマルチプレクサ54は、そのPMTをCAS処理部62および制御部64に供給する。
【0089】
ステップS34において、CAS処理部62は、記憶部63に記憶されている視聴ライセンスの選局情報に含まれるPMTのパケットIDに基づいて、デマルチプレクサ54から供給されるPMTから視聴対象のPMTを取得し、解析する。
【0090】
ステップS35において、CAS処理部62は、視聴対象のPMTの限定受信記述子に記述されているCAS方式はライセンス方式であるかどうかを判定する。ステップS35でCAS方式はライセンス方式であると判定された場合、処理はステップS36に進む。
【0091】
ステップS36において、CAS処理部62は、視聴対象のPMTのプライベートデータ領域に記述されているライセンスIDに基づいて、そのライセンスIDに対応する視聴ライセンスに含まれるスクランブル鍵を記憶部63から読み出す。そして、CAS処理部62は、そのスクランブル鍵と、視聴対象のPMTに記述されているESのパケットIDとをデスクランブラ53に供給し、処理をステップS38に進める。
【0092】
一方、ステップS35でCAS方式はライセンス方式ではないと判定された場合、ステップS37において、CAS処理部62は、そのCAS方式に対応する処理を行い、スクランブル鍵を取得する。そして、CAS処理部62は、そのスクランブル鍵と、視聴対象のPMTに記述されているESのパケットIDとをデスクランブラ53に供給し、処理をステップS38に進める。
【0093】
ステップS38において、デスクランブラ53は、CAS処理部62から供給されるスクランブル鍵を用いて、CAS処理部62から供給されるパケットIDに対応するESのスクランブルを解除する。これにより、視聴対象のTSのビデオデータおよびオーディオデータに施されているスクランブルが解除される。スクランブルが解除されたTSはデマルチプレクサ54に供給される。
【0094】
ステップS39において、デマルチプレクサ54は、デスクランブラ53から供給されるTSを、ビデオデータ、オーディオデータ、表示制御情報、PSIの各情報等に分離する。デマルチプレクサ54は、ビデオデータをビデオデコーダ55に供給し、オーディオデータをオーディオデコーダ58に供給する。また、デマルチプレクサ54は、表示制御情報をブラウザ60に供給し、PSIの各情報等を制御部64およびCAS処理部62に供給する。
【0095】
ステップS40において、ビデオデコーダ55は、制御部64の制御にしたがって、デマルチプレクサ54から供給されるビデオデータを、コミュニティ放送局32におけるエンコードに対応する方式でデコードし、選択部56に供給する。
【0096】
ステップS41において、オーディオデコーダ58は、制御部64の制御にしたがって、デマルチプレクサ54から供給されるオーディオデータを、コミュニティ放送局32におけるエンコードに対応する方式でデコードし、スピーカ59に供給する。
【0097】
ステップS42において、ブラウザ60は、デマルチプレクサ54から供給される表示制御情報を解釈して、ビデオデータを生成し、選択部56に供給する。
【0098】
ステップS43において、選択部56は、制御部64の制御にしたがって、ビデオデコーダ55から供給されるビデオデータまたはブラウザ60から供給されるビデオデータを選択し、表示部57に供給する。
【0099】
ステップS44において、表示部57は、選択部56から供給されるビデオデータに基づいて、視聴対象の有料のコミュニティ放送の画像を表示する。
【0100】
ステップS45において、スピーカ59は、オーディオデコーダ58から供給されるオーディオデータに対応する音声を、視聴対象の有料のコミュニティ放送の音声として出力する。そして処理は終了する。
【0101】
以上のように、送受信システム30において、ライセンス方式のために新たに必要な受信端末33の機能は、基本的に、CAS処理部62の機能だけである。従って、ライセンス方式のための受信端末33の開発コストを低く抑えることができる。また、CAS処理部62の機能を、他の機能を実現するCPU等で実現する場合、ライセンス方式のために新たなハードウエアを追加する必要がない。
【0102】
<第2実施の形態>
[送受信システムの第2実施の形態の構成例]
図12は、本発明を適用した送受信システムの第2実施の形態の構成例を示す図である。
【0103】
図12に示す構成のうち、図2の構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0104】
図12の送受信システム100の構成は、主に、受信端末33、サーバ35の代わりに受信端末101、リーダライタ102が設けられている点が図2の構成と異なる。送受信システム100では、受信端末101が有する非接触型IC(Integrated Circuit)チップを利用して視聴ライセンスがやり取りされる。
【0105】
受信端末101は、受信端末33と同様に、地上波デジタル放送波の中央セグメントで送信される無料のワンセグ放送または有料のコミュニティ放送を受信可能な携帯端末である。また、受信端末101は、非接触型ICチップを内蔵している。受信端末101では、非接触型ICチップが電磁波を利用して非接触でリーダライタ102とデータの送受信を行うことにより、リーダライタ102から視聴ライセンスを取得する。
【0106】
リーダライタ102は、電磁波を利用して受信端末101とデータの送受信を行い、受信端末101の認証を行う。また、リーダライタ102は、正当な受信端末101に、コミュニティ放送局32により放送される有料のコミュニティ放送のスクランブル鍵を、電磁波を利用して送信する。さらに、リーダライタ102は、受信端末101に送信したスクランブル鍵に対応する有料のコミュニティ放送についての課金処理を受信端末101に対して行う。
【0107】
以上のように構成される送受信システム100としては、例えば、リーダライタ102をゴルフトーナメント会場の入場口に設置し、コミュニティ放送局32が特定の有名選手のラウンドを追いかける有料のコミュニティ放送を送信するものが考えられる。この場合、入場者は、入場口において受信端末101をリーダライタ102と通信可能な範囲に近づけることにより、入場料とともに、特定の有名選手のラウンドを追いかける有料のコミュニティ放送の受信料を支払い、そのコミュニティ放送を視聴することができる。なお、コミュニティ放送局32は、有料のコミュニティ放送とともに、ゴルフトーナメントのハイライトシーンを追いかける無料のコミュニティ放送を送信するようにしてもよい。
【0108】
[受信端末の詳細構成例]
図13は、図12の受信端末101の詳細構成例を示すブロック図である。
【0109】
図13に示す構成のうち、図4の構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0110】
図13の受信端末101の構成は、主に、無線通信インタフェース61の代わりに非接触型ICチップ111が設けられている点が図4の構成と異なる。
【0111】
非接触型ICチップ111は、電磁波を利用してリーダライタ102とデータの送受信を行う。例えば、非接触型ICチップ111は、CAS処理部62から供給される、受信端末33の端末IDを所定の変調方式で変調し、電磁波を利用してリーダライタ102に送信する。また、非接触型ICチップ111は、リーダライタ102による端末IDを用いた認証処理の結果電磁波を利用して送信されてくる視聴ライセンスを受信して、リーダライタ102の変調方式に対応する復調方式で復調する。そして、非接触型ICチップ111は、復調の結果得られる視聴ライセンスをCAS処理部62に供給する。
【0112】
[リーダライタの詳細構成例]
図14は、図12のリーダライタ102の詳細構成例を示すブロック図である。
【0113】
図14のリーダライタ102は、アンテナ151、アナログフロントエンド部152、制御部153、ROM154、RAM155、記録部156、およびドライブ162により構成される。
【0114】
アンテナ151は、アナログフロントエンド部152から供給された視聴ライセンスを、電磁波を利用して受信端末101に送信する。また、アンテナ151は、受信端末101から送信されてきた電磁波を受信し、アナログフロントエンド部152に供給する。
【0115】
アナログフロントエンド部152は、所定の周波数のクロック信号を基に、搬送波を生成する。アナログフロントエンド部152は、搬送波に基づいて、制御部153から供給された視聴ライセンスを所定の方式で変調し、アンテナ151に供給する。また、アナログフロントエンド部152は、アンテナ151から供給された電磁波を、受信端末101の非接触型ICチップ111の変調方式に対応する復調方式により復調し、その結果得られる端末IDを制御部153に供給する。
【0116】
制御部153は、記憶部156に記憶されているプログラムを、RAM155にロードして実行することにより、各種の処理を実行する。具体的には、制御部153は、アナログフロントエンド部152から供給される端末IDに基づいて認証処理を行う。また、制御部153は、その認証処理の結果に応じて、記憶部156に記憶されている、コミュニティ放送局32により送信される有料のコミュニティ放送の視聴ライセンスを、アナログフロントエンド部152に供給する。さらに、制御部153は、視聴ライセンスを受信した受信端末101に対して、その視聴ライセンスに対応する有料のコミュニティ放送についての課金処理を行う。
【0117】
なお、制御部153が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア171に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0118】
また、リーダライタ102では、プログラムは、リムーバブルメディア171をドライブ162に装着することにより、記憶部156にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM154や記憶部156に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0119】
なお、送受信システム100における処理は、視聴ライセンスがリーダライタ102により提供される点を除いて送受信システム30における処理と同様であるため、その処理の詳細な説明は省略する。
【0120】
上述した送受信システム30(100)では、コミュニティ放送に対してライセンス方式を用いた受信制限が行われたが、ワンセグ放送に対してライセンス方式を用いた受信制限が行われるようにしてもよい。さらに、コミュニティ放送やワンセグ放送の一部にのみ受信制限が行われるようにしてもよい。
【0121】
また、上述した受信端末33の一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
【0122】
図15は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するパーソナルコンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。
【0123】
パーソナルコンピュータ200において、CPU(Central Processing Unit)201,ROM(Read Only Memory)202,RAM(Random Access Memory)203は、バス204により相互に接続されている。
【0124】
バス204には、さらに、入出力インタフェース205が接続されている。入出力インタフェース205には、入力部206、出力部207、記憶部208、通信部209、及びドライブ210が接続されている。
【0125】
入力部206は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部207は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記憶部208は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部209は、ネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ210は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア211を駆動する。
【0126】
以上のように構成されるパーソナルコンピュータ200では、CPU201が、例えば、記憶部208に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース205及びバス204を介して、RAM203にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0127】
パーソナルコンピュータ200(CPU201)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア211に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0128】
パーソナルコンピュータ200では、プログラムは、リムーバブルメディア211をドライブ210に装着することにより、入出力インタフェース205を介して、記憶部208にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部209で受信し、記憶部208にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM202や記憶部208に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0129】
なお、本明細書において、プログラム記録媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0130】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0131】
本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0132】
30 送受信システム, 33 受信端末, 35 サーバ, 52 チューナ, 53 デスクランブラ, 61 無線通信インタフェース, 71 CPU, 79 通信部, 100 送受信システム, 101 受信端末, 102 リーダライタ, 111 非接触型ICチップ, 151 アンテナ, 153 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル放送を受信する受信装置に、前記デジタル放送のコンテンツの利用条件を含むライセンスと、前記デジタル放送の選局に関する情報である選局情報とを送信する送信手段
を備える送信装置。
【請求項2】
前記ライセンスは、前記コンテンツに施されているスクランブルを解除するための鍵を含む
請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
送信装置が、
デジタル放送を受信する受信装置に、前記デジタル放送のコンテンツの利用条件を含むライセンスと、前記デジタル放送の選局に関する情報である選局情報とを送信する送信ステップ
を含む送信方法。
【請求項4】
コンピュータに、
デジタル放送を受信する受信装置に、前記デジタル放送のコンテンツの利用条件を含むライセンスと、前記デジタル放送の選局に関する情報である選局情報とを送信する送信ステップ
を含む処理を実行させるプログラム。
【請求項5】
デジタル放送のコンテンツの利用条件を含むライセンスと、前記デジタル放送の選局に関する情報である選局情報とを受信する受信手段と、
前記選局情報に基づいて前記デジタル放送を選局する選局手段と、
前記ライセンスに基づいて前記デジタル放送の前記コンテンツを再生する再生手段と
を備える受信装置。
【請求項6】
前記ライセンスは、前記コンテンツに施されているスクランブルを解除するための鍵を含む
請求項5に記載の受信装置。
【請求項7】
受信装置が、
デジタル放送のコンテンツの利用条件を含むライセンスと、前記デジタル放送の選局に関する情報である選局情報とを受信する受信ステップと、
前記選局情報に基づいて前記デジタル放送を選局する選局ステップと、
前記ライセンスに基づいて前記デジタル放送の前記コンテンツを再生する再生ステップと
を含む受信方法。
【請求項8】
コンピュータに、
デジタル放送のコンテンツの利用条件を含むライセンスと、前記デジタル放送の選局に関する情報である選局情報の受信を制御する受信制御ステップと、
前記選局情報に基づいて前記デジタル放送の選局を制御する選局制御ステップと、
前記ライセンスに基づいて前記デジタル放送の前記コンテンツを再生する再生ステップと
を含む処理を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−268091(P2010−268091A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−116097(P2009−116097)
【出願日】平成21年5月13日(2009.5.13)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】