説明

透明導電膜およびその製造方法

【課題】導電性が高い透明導電膜を提供する。
【解決手段】Ga、TiおよびOから実質的になる透明導電膜。GaおよびTiの合計量(モル)に対し、Tiの量(モル)が0.02以上0.98以下である前記の透明導電膜。Ga、TiおよびOから実質的になる焼結体。GaおよびTiの合計量(モル)に対し、Tiの量(モル)が0.02以上0.98以下である前記の焼結体。チタンを含有する粉末と、ガリウムを含有する粉末とを混合して得られる混合物を成形して成形体を得、該成形体を焼結することにより得られる前記の焼結体。前記の焼結体をターゲットとして、パルス・レーザー蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法およびEB蒸着法から選ばれる方法により成膜する透明導電膜の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明導電膜およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
透明導電膜は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等のディスプレイの電極、太陽電池の電極、窓ガラスの熱線反射膜、帯電防止膜などに用いられている。
【0003】
従来の透明導電膜として、SnO2を含有するGa23ターゲットを用いて得られる膜が、特許文献1に具体的に記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−93243号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の透明導電膜は、導電性が十分ではない。本発明の目的は、導電性が高い透明導電膜を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ね、本発明に至った。
すなわち本発明は、下記の<1>〜<11>の発明を提供するものである。
<1>Ga、TiおよびOから実質的になる透明導電膜。
<2>GaおよびTiの合計量(モル)に対し、Tiの量(モル)が0.02以上0.98以下である前記<1>記載の透明導電膜。
<3>Ga、TiおよびOから実質的になる焼結体。
<4>GaおよびTiの合計量(モル)に対し、Tiの量(モル)が0.02以上0.98以下である前記<3>記載の焼結体。
<5>チタンを含有する粉末と、ガリウムを含有する粉末とを混合して得られる混合物を成形して成形体を得、該成形体を焼結することにより得られる前記<3>記載の焼結体。
<6>チタンを含有する粉末が、金属チタン粉末および酸化チタン粉末である前記<5>記載の焼結体。
<7>GaおよびTiの合計量(モル)に対し、Tiの量(モル)が0.02以上0.98以下である前記<5>または<6>記載の焼結体。
<8>チタンを含有する粉末と、ガリウムを含有する粉末とを混合して得られる混合物を成形して成形体を得、該成形体を焼結する前記<3>記載の焼結体の製造方法。
<9>チタンを含有する粉末が、金属チタン粉末および酸化チタン粉末である前記<8>記載の焼結体の製造方法。
<10>前記<3>〜<7>のいずれかに記載の焼結体または前記<8>もしくは<9>記載の製造方法により得られた焼結体をターゲットとして、パルス・レーザー蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法およびEB蒸着法から選ばれる方法により成膜する透明導電膜の製造方法。
<11>成膜時の雰囲気の酸素分圧が1Pa未満である前記<10>記載の透明導電膜の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、導電性が高く、かつ透明である透明導電膜を提供する。該透明導電膜は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、プラズマディスプレイ等のディスプレイの電極、太陽電池の電極、窓ガラスの熱線反射膜、帯電防止膜などに好適に用いられ、本発明は、工業的に極めて有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に本発明について詳しく説明する。
【0009】
本発明は、Ga、TiおよびOから実質的になる透明導電膜を提供する。該透明導電膜は、導電性が高く、かつ透明である。
【0010】
導電性がより高い膜とする意味で、本発明の透明導電膜は、GaおよびTiの合計量(モル)に対し、Tiの量(モル)が0.02以上0.98以下であることが好ましく、より好ましくは、0.10以上0.95以下である。
【0011】
また、本発明の透明導電膜は、効果を損なわない範囲で、ドーパント元素を有していてもよい。ドーパント元素としては、Sn、Ge、Si、Zr、Hf、V、Nb、Ta、As、Sb、Bi、Cr、Mo、Wを挙げることができる。ドーパント元素は、本発明の透明導電膜を構成する元素であるGaおよび/またはTiの一部を置換して用いる。置換割合は、通常Gaおよび/またはTiの量(モル)に対して、通常1%未満程度である。
【0012】
次に、本発明の透明導電膜の製造方法について説明する。
本発明の透明導電膜は、次のようにして製造される。すなわち、Ga、TiおよびOから実質的になる焼結体をターゲットとして、パルス・レーザー蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法およびEB蒸着法から選ばれる方法により成膜することにより製造される。該焼結体は、GaおよびTiの合計量(モル)に対し、Tiの量(モル)が0.02以上0.98以下であることが好ましく、より好ましくは、0.10以上0.95以下である。
【0013】
本発明における焼結体は、次のようにして製造される。すなわち、チタンを含有する粉末と、ガリウムを含有する粉末とを混合して得られる混合物を成形して成形体を得、該成形体を焼結することにより得ることができる。酸化チタン粉末および酸化ガリウム粉末を混合して得られる混合物を、成形して得られる成形体を焼結することにより得られる焼結体であることが好ましい。
【0014】
チタンを含有する粉末としては、金属チタン粉末、酸化チタン粉末を挙げることができ、これらを混合して、金属チタン粉末および酸化チタン粉末として用いることが好ましい。また、これらの粉末におけるチタンの純度としては、該粉末に含有される全金属元素に対してチタン元素の純度が99重量%以上であることが好ましい。
【0015】
ガリウムを含有する粉末としては、金属ガリウム粉末、酸化ガリウム粉末を挙げることができる。また、これらの粉末におけるガリウムの純度としては、該粉末に含有される全金属元素に対してガリウム元素が99重量%以上であることが好ましい。
【0016】
混合物は、GaおよびTiの合計量(モル)に対し、Tiの量(モル)が0.02以上0.98以下の範囲となるように、上記のチタンを含有する粉末およびガリウムを含有する粉末を秤量し、混合して得られる。
【0017】
上記の混合は、乾式混合法、湿式混合法のいずれによってもよい。混合装置としては、例えばボールミル、振動ミル、アトライター、ダイノーミル、ダイナミックミル等の装置が挙げられる。また、混合して得られる混合物について加熱乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等の方法により乾燥を行ってもよいし、粉砕を行ってもよい。
【0018】
上記混合物の成形は、一軸プレス、冷間静水圧プレス(CIP)等により行うことができる。また、一軸プレス後に冷間静水圧プレス(CIP)を行うなど両者を組み合わせてもよい。成形圧は、通常100〜3000kg/cm2の範囲である。成形して得られる成形体の形状は、通常、円板状または四角板状である。この成形の際に、混合物は、本発明の効果を損なわない範囲で、バインダー、分散剤、離型剤等を含有していてもよい。
【0019】
焼結は、上記成形体を窒素等の不活性ガス雰囲気中に静置し、最高到達温度が900℃以上1700℃以下の範囲の焼結温度で、0.5〜100時間保持して行う。不活性ガス雰囲気は、酸素を実質的に含有しない不活性ガスを焼結炉内に導入して得ることできる。不活性ガスとしては、純度99.995%以上のN2ガスボンベまたはArガスボンベから得られるガスを挙げることができる。ここで、酸素を実質的に存在しないとは、酸素を含有するガスが故意に導入されていないという意味であり、上記のN2ガスボンベ、Arガスボンベに不純物として混入している酸素を除外するようなものではない。焼結炉としては、電気炉、ガス炉等、通常工業的に用いられる炉を用いることができる。また焼結により得られる焼結体について、切断や研削等の加工を行うことによりその寸法を調整してもよい。なお、加工は、成形体について行ってもよい。また、上記の成形、焼結の代わりに、ホットプレス、熱間等圧プレス(HIP)を用いて、成形および焼結を同時に行ってもよい。
【0020】
上記成形の前に、前記混合物を上記焼結温度より低い温度で保持することによる仮焼を行い、粉砕して得られる仮焼物について、成形、焼結を行ってもよい。また、この仮焼物の成形の際に、仮焼物は、本発明の効果を損なわない範囲で、バインダー、分散剤、離型剤等を含有してもよい。
【0021】
上記により得られる焼結体をターゲットとして用いて成膜することにより、基板等の対象物表面に本発明の透明導電膜を製造することができる。成膜方法としては、パルス・レーザー蒸着法(レーザーアブレーション法)、スパッタリング法、イオンプレーティング法、EB蒸着法を挙げることができる。通常、成膜はチャンバー内で行い、成膜時の酸素分圧を1Pa未満とすることが好ましい。また、成膜時の対象物の温度は、通常、室温(25℃)〜1500℃、好ましくは室温(25℃)〜1100℃に設定する。成膜装置の汎用性の観点から、上記の成膜方法の中でも、パルス・レーザー蒸着法またはスパッタリング法が好ましい。
【0022】
パルス・レーザー蒸着法により成膜するときは、チャンバー内の雰囲気圧力を10-3Pa以下とするか、または、酸素などのガスをチャンバー内に導入して行う。酸素ガスをチャンバー内に導入するときの酸素分圧は、1Pa未満であることが好ましい。
【0023】
スパッタリング法により成膜するときは、チャンバー内の雰囲気圧力を0.1〜10Pa程度として、酸素ガスを0〜10体積%含有するアルゴンガスをチャンバー内に導入して行う。このときの酸素分圧は、1Pa未満であることが好ましい。
【0024】
基板としては、ガラス、石英ガラス、プラスチック等の基板を用いることができる。本発明における透明導電膜を透明電極として用いる場合には、基板は透明であることが好ましい。また、基板は結晶性基板であってもよい。ガラス基板は、大面積のものでも安価に入手できる点で好適であるが、軟化点が高くないので、500℃以上に加熱して成膜する場合に適してはいない。結晶性基板である石英ガラスは、軟化点が高く1200℃程度まで、加熱して成膜することができる。結晶性基板としては、石英ガラスの他に、Al23(サファイア)、MgO、YSZ(Y23−ZrO2)、CaF2、SrTiO3等の基板を挙げることができる。
【0025】
EB蒸着法を用いる場合には、上記焼結体を用いてもよいし、構成元素毎に蒸発セルを準備して、これらを用いて、基板に照射することによってもよい。透明導電膜の組成は、照射量を調整して制御することができる。
【0026】
また、本発明の透明導電膜は、ターゲットを用いることなしに対象物表面に成膜することもできる。ターゲットを用いない方法としては、CVD法、MO-CVD法、噴霧熱分解法、ゾルゲル法を挙げることができる。CVD法またはMOCVD法により成膜する場合には、構成元素毎にガスラインを準備して、ガスをチャンバー内に流入させればよい。透明導電膜の組成は、流入量を調整して制御することができる。
【実施例】
【0027】
以下、本発明について、実施例を用いて、より具体的に説明する。
【0028】
実施例1
酸化チタン粉末(TiO2、和光純薬製、特級)、金属チタン粉末(Ti、株式会社高純度化学製、純度99.99%)および酸化ガリウム粉末(Ga23、多摩化学製)をモル比でTiO2:Ti:Ga23=1:1:1(Ti:Gaのモル比は1:1である。)となるように秤量し混合した。得られた混合物について、金型を用いて一軸プレスにより500kg/cm2の圧力で円板状に成形した後、冷間静水圧プレスにより1800kg/cm2の圧力で加圧して成形体を得た。得られた成形体を窒素ガス雰囲気中において常圧で1400℃で48時間保持して焼結し、焼結体を得た。該焼結体を加工し、20mmφのターゲットとして、パルス・レーザー蒸着装置(誠南工業株式会社製PS−2000)内に設置した。基板としてサファイア基板を用い、パルス・レーザー蒸着装置内で、ターゲットに対向させて設置し、ヒーターによって800℃に加熱した。KrFエキシマレーザー光(ラムダ・フィジクス(株)社製レーザー発光装置 Comex205型)をターゲットに照射し、サファイア基板上に透明導電膜を成膜させ、透明導電膜1を得た。この成膜時のパルス・レーザー蒸着の条件は、成膜時間60分間、圧力10-3Pa、基板温度800℃、レーザーの出力150mJ、パルス周波数20Hzとした。
【0029】
透明導電膜1について、JIS R 1637に準拠した4探針法による測定方法(装置としては三菱化学製Loresta−APを使用した。)により、表面抵抗(シート抵抗)を測定した結果、5.2×102Ω/□であった。集束イオンビーム(FIB)装置を用いて加工した膜の断面をTEM観察により求めた膜厚は50nmであった。図1に透明導電膜1の断面のTEM写真を示す。上記の表面抵抗の値と膜厚の値を用いて、式(1)により透明導電膜1の抵抗率を求めたところ、2.6×10-3Ωcmと低く、透明導電膜1は、導電性が高い膜であることがわかった。
抵抗率(Ωcm)=表面抵抗(Ω/□)×膜厚(cm) (1)
また、透明導電膜1を成膜したサファイア基板について、光透過率を可視分光光度計(大塚電子株式会社、MCPD-1000)を用いて、JIS R 1635に規定された方法により測定したところ、透明導電膜1を成膜したサファイア基板の380nm〜780nmの波長における光透過率は60%であった。また、サファイア基板の380nm〜780nmの波長における平均の光透過率は87%であった。
【0030】
実施例2
パルス・レーザー蒸着の条件を、成膜時間30分間、圧力10-3Pa、基板温度800℃、レーザーの出力150mJ、パルス周波数20Hzとした以外は、実施例1と同様にして、透明導電膜2を得た。
【0031】
透明導電膜2について、実施例1と同様にして、表面抵抗を測定したところ、4.75×103Ω/□であった。実施例1と同様にして求めた膜厚は、25nmであった。表面抵抗と膜厚から求めた透明導電膜2の抵抗率は1.2×10-2Ωcmと低く、透明導電膜2は、導電性が高い膜であることがわかった。また、透明導電膜2を成膜したサファイア基板の光透過率を実施例1と同様にして求めたところ80%であった。
【0032】
実施例3
実施例1と同様にして得られた焼結体を50mmφのターゲットとしてスパッタ装置(キャンノンアネルバエンジニアリング株式会社製E−200S)内に設置した。基板としてサファイア基板を用い、スパッタ装置内で、ターゲットに対向させて設置し、ランプヒーターによって800℃に加熱した。スパッタの条件を、スパッタ成膜時間55分間、Ar雰囲気圧力0.5Pa、基板温度800℃、RFスパッタで投入電力50Wとし、サファイア基板上に透明導電膜を成膜させ、透明導電膜3を得た。
【0033】
透明導電膜3について、実施例1と同様にして、表面抵抗を測定したところ、8.9×102Ω/□であった。触針式膜厚計で測定した透明導電膜3の膜厚は約100nmであった。表面抵抗と膜厚から求めた透明導電膜3の抵抗率は8.9×10-3Ωcmと低く、透明導電膜3は、導電性が高い膜であることがわかった。また、透明導電膜3を成膜したサファイア基板の光透過率を実施例1と同様にして求めたところ25%であった。
【0034】
実施例4
酸化チタン粉末(TiO2、和光純薬製、特級)、酸化ガリウム粉末(Ga23、多摩化学製)をモル比でTiO2:Ga23=2:1(Ti:Gaのモル比は1:1である。)となるように秤量し混合した。得られた混合物について、金型を用いて一軸プレスにより500kg/cm2の圧力で円板状に成形した後、冷間静水圧プレスにより1800kg/cm2の圧力で加圧して成形体を得た。得られた成形体を窒素ガス雰囲気中において常圧で1400℃で3時間保持して焼結し、焼結体を得た。該焼結体をターゲットとしてスパッタ装置(キャンノンアネルバエンジニアリング株式会社製E−200S)内に設置した。基板としてサファイア基板を用い、スパッタ装置内で、ターゲットに対向させて設置し、ランプヒーターによって800℃に加熱した。スパッタの条件を、スパッタ成膜時間50分間、Ar雰囲気圧力0.5Pa、基板温度800℃、RFスパッタで投入電力50Wとし、サファイア基板上に透明導電膜を成膜させ、透明導電膜4を得た。
【0035】
透明導電膜4について、実施例1と同様にして、表面抵抗を測定したところ、1.4×103Ω/□であった。触針式膜厚計で測定した透明導電膜4の膜厚は約100nmであった。表面抵抗と膜厚から求めた透明導電膜4の抵抗率は1.4×10-2Ωcmと低く、透明導電膜4は、導電性が高い膜であることがわかった。また、透明導電膜4を成膜したサファイア基板の光透過率を実施例1と同様にして求めたところ60%であった。
【0036】
比較例1
酸化ガリウム粉末(Ga23、多摩化学製)、酸化スズ粉末(SnO2、○○製、○特級)をモル比でGa23:SnO2=47.5:5(Ga:Snのモル比は95:5である。)となるように秤量し混合した。得られた混合物について、金型を用いて一軸プレスにより500kg/cm2の圧力で円板状に成形した後、冷間静水圧プレスにより1800kg/cm2の圧力で加圧して成形体を得た。得られた成形体を酸素ガス雰囲気中において常圧で1600℃で3時間保持して焼結し、焼結体を得た。該焼結体を加工し、φ20mmのターゲットとして、パルス・レーザー蒸着装置(誠南工業株式会社製PS−2000)内に設置した。基板としてサファイア基板を用い、パルス・レーザー蒸着装置内で、ターゲットに対向させて設置し、ヒーターによって800℃に加熱した。KrFエキシマレーザー光(ラムダ・フィジクス(株)社製レーザー発光装置 Comex205型)をターゲットに照射し、サファイア基板上に膜を成膜させ、膜5を得た。この成膜時のパルス・レーザー蒸着の条件は、成膜時間60分間、圧力10Pa、基板温度800℃、レーザーの出力150mJ、パルス周波数20Hzとした。
【0037】
膜5について、実施例1と同様にして、表面抵抗を測定したところ、3.27×1012Ω/□であった。触針式膜厚計で測定した膜5の膜厚は約150nmであった。表面抵抗と膜厚から求めた膜5の抵抗率は4.9×107Ωcmと高かった。また、膜5を成膜したサファイア基板の光透過率を実施例1と同様にして求めたところ86.6%であった。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】透明導電膜1の断面のTEM写真。
【図2】サファイア基板のX線回折図形。
【図3】サファイア基板に成膜した透明導電膜1のX線回折図形。
【図4】サファイア基板に成膜した膜5のX線回折図形。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Ga、TiおよびOから実質的になる透明導電膜。
【請求項2】
GaおよびTiの合計量(モル)に対し、Tiの量(モル)が0.02以上0.98以下である請求項1記載の透明導電膜。
【請求項3】
Ga、TiおよびOから実質的になる焼結体。
【請求項4】
GaおよびTiの合計量(モル)に対し、Tiの量(モル)が0.02以上0.98以下である請求項3記載の焼結体。
【請求項5】
チタンを含有する粉末と、ガリウムを含有する粉末とを混合して得られる混合物を成形して成形体を得、該成形体を焼結することにより得られる請求項3記載の焼結体。
【請求項6】
チタンを含有する粉末が、金属チタン粉末および酸化チタン粉末である請求項5記載の焼結体。
【請求項7】
GaおよびTiの合計量(モル)に対し、Tiの量(モル)が0.02以上0.98以下である請求項5または6記載の焼結体。
【請求項8】
チタンを含有する粉末と、ガリウムを含有する粉末とを混合して得られる混合物を成形して成形体を得、該成形体を焼結する請求項3記載の焼結体の製造方法。
【請求項9】
チタンを含有する粉末が、金属チタン粉末および酸化チタン粉末である請求項8記載の焼結体の製造方法。
【請求項10】
請求項3〜7のいずれかに記載の焼結体または請求項8もしくは9記載の製造方法により得られた焼結体をターゲットとして、パルス・レーザー蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法およびEB蒸着法から選ばれる方法により成膜する透明導電膜の製造方法。
【請求項11】
成膜時の雰囲気の酸素分圧が1Pa未満である請求項10記載の透明導電膜の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−52913(P2008−52913A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−225056(P2006−225056)
【出願日】平成18年8月22日(2006.8.22)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】