説明

通信システム、基地局及びポリシ決定装置並びに通信方法及び通信プログラム

【課題】通信帯域を効率的に利用することができる通信システムを提供すること。
【解決手段】基地局20は、端末10と通信を行うとともにその通信品質を計測してポリシ決定装置50へ送信する。ポリシ決定装置50は、受信した通信品質に基づいて端末10へ割り当てるべき通信帯域を含む通信品質ポリシを決定する。ゲートウェイ40は、ポリシ決定装置50から受信したポリシ情報を守った通信が実現されるように、パケットフィルタによるシェーピング等の制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信システム、方法及びプログラムに関し、特に効率的なQoS(Quality of Service)の実現が可能な通信システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、3Gモバイルネットワーク(非特許文献1)やALL−IPネットワーク等の次世代SAE(System Architecture Evolution)が注目されている。これらのネットワークでは、高度な品質管理機能が必須であり、ベアラレベルのQoSが実施される。
【0003】
図6は従来の移動通信システムの構成、図7は従来の移動通信システムの動作のシーケンス図、図8は従来の移動通信システムのQoS制御のフローチャートを示す。
【0004】
図6を参照すると、従来の移動通信システムは、端末110、基地局120、基地局制御装置130、ゲートウェイ140、ポリシ決定装置150を備える。
【0005】
端末110は移動端末であり、基地局120、基地局制御装置130及びゲートウェイ140を経由して、インターネットに存在する相手端末(非図示)と通信を行う。
【0006】
基地局120は、モバイル網のエッジ部に設置され、端末110と直接通信を行う装置であり、データ処理部121及び通信品質計測部122を備える。データ処理部121は、データの転送処理、すなわち、端末110から受信したデータの基地局制御装置130への送信、及び、基地局制御装置130から受信したデータの端末110への送信を行う。通信品質計測部122は、端末110と基地局120の間の無線区間において時々刻々と変化する通信品質をフレーム/ビット誤り率などによって計測する。
【0007】
基地局制御装置130は、端末110が接続する基地局120を制御する装置である。
【0008】
ゲートウェイ140は、基地局制御装置130をインターネット60へ接続するとともにQoSポリシを実施するPEP(Policy Enforcement Point、ポリシ実行点)であって、データ処理部141、ポリシ管理部142及びポリシ実施部143を備える。データ処理部141は、データの転送処理、すなわち、基地局制御装置130から受信したデータのインターネット60への送信、及び、インターネット60から受信したデータの基地局制御装置130への送信を行う。ポリシ管理部142は、ポリシ決定装置150からQoSを実施するためのポリシ情報を受信して保持する。ポリシ実施部143は、ポリシ決定装置150から受信したポリシ情報を守った通信が実現されるように、データ処理部141と協働して、パケットフィルタによるシェーピング等の制御を行う。
【0009】
ポリシ決定装置150は、ユーザへ割り当てるQoSポリシを決定するPDP(Policy Decision Point、ポリシ決定点)であり、ポリシ制御部151及びポリシ送信部152を有する。ポリシ制御部151は、ユーザから要求されたQoSとシステム装置内の空きリソースや通信相手の能力情報を比較して割り当てるQoSポリシを決定する。ポリシ送信部152は、ポリシ制御部151で決定されたQoSポリシを保持し、PEPであるゲートウェイ140へ送信する。
【0010】
図7のシーケンス図を参照して、従来の移動通信システムの動作を説明する。端末110の電源がオンされると、アタッチ要求信号が送信され、認証処理が行われた後に、基地局制御装置130、ゲートウェイ140及びポリシ決定装置150の間においてデフォルト通信ベアラによる通信が確立され、基地局120がアタッチ応答信号を受信した後に、無線ベアラ確立処理が行われ、アタッチ処理が完了する。その後、通信相手端末と通信セッションが確立され、データ通信が開始される。
【0011】
図8のフローチャートを参照して、従来の移動通信システムの動作を説明する。呼接続処理中のベアラ確立処理を実施する際に、そのベアラに割り当てられるQoSが決定される。ポリシ決定装置150は、まず帯域保証が必要か否かを判別し(ステップS111)、帯域保証の要求がない場合(ステップS111のNo)、非保証型QoSポリシを決定して割り当てる(ステップS114)。一方、帯域保証要求がある場合(ステップS111のYes)には、要求された(必要な)通信帯域が空いているかを確認し(ステップS112)、空き帯域がある場合(ステップS112のYes)には、必要な帯域を割り当てたQoSポリシを決定して割り当てを行う(ステップS114)。空き帯域がない場合(ステップS112のNo)には、呼接続NG(ステップS113)となり、再接続処理が必要となる。
【0012】
なお、特許文献1において、無線基地局と無線端末局との間で通信されるデータ量及びサービス内容の監視及び集計の結果を示すトラフィック情報に基づいてQoSポリシを変更する装置が開示されている。
【0013】
【特許文献1】特開2007−180889号公報
【非特許文献1】3GPP TS23.401 V1.1.0(http://www.3gpp.org/ftp/Specs/achive/23_series/23.401/23401−110.zip
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
以下の分析は、本発明者によってなされたものである。上述の従来の移動通信システムにおいては、特にユーザの通信品質(特に無線通信品質)は考慮せずに、要求される帯域のシステム側の空き状態に従ってQoSポリシを割り当てている。しかし、実際の通信環境においては、無線通信品質が悪い場合、ユーザに割り当てられた帯域分のデータ通信は不可能な状態であるにも関わらず、帯域は割り当てられたままとなり、帯域を浪費してしまっている。その結果、帯域の利用効率が悪化し、呼接続においてNGを誘発してしまうという問題がある。
【0015】
また、特許文献1に開示されたQoSポリシを変更する装置においても、無線通信品質を考慮することなく、トラフィック情報のみに基づいてQoSポリシを変更しているため、無駄な通信帯域の割り当てが発生しうる。
【0016】
そこで、通信帯域を効率的に利用することができる通信システムを提供することが課題となる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1の視点に係る通信システムは、第1及び第2のノードを備えた通信システムであって、
前記第1のノードは、端末と通信を行うとともにその通信品質を計測して前記第2のノードへ送信するように構成され、
前記第2のノードは、受信した通信品質に基づいて前記端末へ割り当てるべき通信帯域を含む通信品質ポリシを決定するように構成されたことを特徴とする。
【0018】
本発明の第2の視点に係る基地局は、端末と基地局制御装置間のデータ送受信処理を行うように構成されたデータ処理部と、
端末と自身との間で通信品質を計測するように構成された通信品質計測部と、
その計測結果をポリシ決定装置へ送信するように構成された通信品質管理部と、を備えたことを特徴とする。
【0019】
本発明の第3の視点に係るポリシ決定装置は、基地局から送信される通信品質を受信して保持するように構成された通信品質管理部と、
前記通信品質に応じて端末へ割り当てる通信品質ポリシを決定するポリシ制御部と、
決定した通信品質ポリシをゲートウェイへ送信するポリシ送信部と、を備えたことを特徴とする。
【0020】
本発明の第4の視点に係る通信方法は、端末と通信を行うとともにその通信品質を計測する工程と、
その通信品質に基づいて前記端末へ割り当てる通信帯域を含む通信品質ポリシを決定する工程と、を含むことを特徴とする。
【0021】
本発明の第5の視点に係る通信プログラムは、端末と通信を行って計測された通信品質と所定の閾値とを比較し、その結果に応じて帯域保証型クラス又は帯域非保証型クラスのいずれかを前記端末へ割り当てる処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0022】
本発明の第6の視点に係る通信プログラムは、端末と通信を行って計測された通信品質と所定の閾値とを比較し、通信帯域の割り当てが可能な場合には、前記通信品質に応じて割り当てる通信帯域を変化させる処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0023】
第1の展開形態の通信システムは、前記第2のノードが、前記通信品質ポリシの決定において、前記通信品質と所定の閾値とを比較し、その結果に応じて帯域保証型クラス又は帯域非保証型クラスのいずれかを前記端末へ割り当てるように構成されてもよい。
【0024】
第2の展開形態の通信システムは、前記第2のノードが、前記通信品質ポリシの決定において、前記通信品質と所定の閾値とを比較し、通信帯域の割り当てが可能な場合には、前記通信品質に応じて割り当てる通信帯域を変化させるように構成されてもよい。
【0025】
第3の展開形態の通信システムは、前記第1のノードを設けた基地局と、前記第2のノードを設けたポリシ決定装置とを備えることが好ましい。
【0026】
第4の展開形態の通信システムは、前記第1のノードが、端末と基地局制御装置間のデータ送受信を行うように構成されたデータ処理部と、
端末と自身との間の通信品質を計測するように構成された通信品質計測部と、
その計測結果をポリシ決定装置へ送信するように構成された通信品質送信部と、を備えてもよい。
【0027】
第5の展開形態の通信システムは、前記第2のノードが、前記基地局から送信される通信品質を受信して保持するように構成された通信品質管理部と、
前記通信品質に応じて前記端末へ割り当てる通信品質ポリシを決定するように構成されたポリシ制御部と、
決定した通信品質ポリシをゲートウェイへ送信するポリシ送信部と、を備えてもよい。
【0028】
第6の展開形態の通信方法は、前記通信品質ポリシ決定工程において、前記通信品質と所定の閾値とを比較し、その結果に応じて帯域保証型クラス又は帯域非保証型クラスのいずれかを前記端末へ割り当ててもよい。
【0029】
第7の展開形態の通信方法は、前記通信品質ポリシ決定工程において、前記通信品質と所定の閾値とを比較し、通信帯域の割り当てが可能な場合には、前記通信品質に応じて割り当てる通信帯域を変化させてもよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、時々刻々と変動する端末の通信状況に応じて、通信帯域を端末へ割り当てることによって、通信帯域という有限なリソースを効率良く利用することができる。したがって、通信システムにおいて収容することのできるユーザ数(キャパシティ)を増加させ、通信帯域不足に伴う呼接続のNGの頻度を削減し、ユーザに快適な通信環境を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明の実施形態に係る通信システムは、端末と直接通信を行い、その区間の通信品質を計測する第1のノードと、第1のノードで計測した通信品質情報を受信し、それに基づいて端末へ割り当てる通信帯域、すなわち、QoSポリシを決定する第2のノードを含む通信システムであって、第1のノードで計測した通信品質情報に応じたQoS割り当てを動的に実施することによって、割り当てられた通信帯域が使用されずに無駄となる状態を回避し、通信帯域を効率的に利用することができる。
【0032】
ここで、本発明の実施形態に係る通信システムを移動通信システムに適用した場合、第1のノードは基地局、第2のノードはポリシ決定装置にそれぞれ対応する。
【0033】
また、本発明の基地局は、端末と基地局制御装置間を接続し、その通信データの送受信を行い、端末と基地局間の通信品質を計測し、その計測結果をポリシ決定装置へ送信するように構成され、端末と基地局制御装置間のデータ転送を行うデータ処理部と、端末と基地局間の通信品質を計測する通信品質計測部と、前記通信品質計測部で計測された通信品質結果を保持し、ポリシ決定装置へ送信する通信品質送信部と、を備える。
【0034】
さらに、本発明のポリシ決定装置は、基地局から受信した通信品質情報に基づいて、通信帯域の割り当てに無駄がないように、時間的にダイナミックにQoSポリシを切り替える機能を有するポリシ決定装置であって、基地局から送信された通信品質情報を受信し、保持する通信品質管理部と、その通信品質情報に基づいて効率的なQoSポリシ決定を行うポリシ制御部と、決定したQoSポリシをPEPであるゲートウェイへ送信するポリシ送信部と、を備える。
【実施例1】
【0035】
次に、本発明の実施例について図面を参照して詳細に説明する。図1を参照すると、本発明の第1の実施例に係る移動通信システムは、端末10、基地局20、基地局制御装置30、ゲートウェイ40及びポリシ決定装置50を備える。
【0036】
端末10は、移動端末であり、基地局20、基地局制御装置30及びゲートウェイ40を経由して、インターネット60に存在する相手端末(図示せず)と通信を行う。
【0037】
基地局20は、端末10と基地局制御装置30を接続する装置であり、実際のデータ通信処理を行うデータ処理部21と、端末10と基地局20間の通信品質を計測する通信品質計測部22と、計測した通信品質結果をポリシ決定装置50へ送信する通信品質送信部23と、を備える。
【0038】
基地局制御装置30は、基地局20を制御する装置であり、基地局20とゲートウェイ40間を接続する装置である。
【0039】
ゲートウェイ40は、基地局制御装置30をインターネット60へ接続し、ポリシ決定装置50から受信したQoSポリシに従った通信が実現されるように、パケットフィルタ等によって通信環境を制御する。すなわち、ゲートウェイ40は、QoSポリシを実施するPEPであって、データ処理部41、ポリシ管理部42及びポリシ実施部43を備える。データ処理部41は、データの転送処理、すなわち、基地局制御装置30から受信したデータのインターネット60への送信、及び、インターネット60から受信したデータの基地局制御装置30への送信を行う。ポリシ管理部42は、ポリシ決定装置50からQoSを実施するためのポリシ情報を受信して保持する。ポリシ実施部43は、ポリシ決定装置50から受信したポリシ情報を守った通信が実現されるように、データ処理部41と協働して、パケットフィルタによるシェーピング等の制御を行う。
【0040】
ポリシ決定装置50は、基地局20から受信した通信品質情報に基づき、通信帯域消費に無駄がないようにQoSポリシを時間的にダイナミックに決定する装置であり、基地局20から送信された通信品質情報を受信し、保持する通信品質管理部53と、その通信品質情報に基づいてQoSポリシを決定するポリシ制御部51と、決定したQoSポリシをゲートウェイ40へ送信するポリシ送信部52と、を備える。
【0041】
図2を参照すると、端末10の電源をオンした後、アタッチ処理、認証処理、位置登録処理を完了し、実際に通信相手とのデータ通信を実施している状態において、通信品質計測部22は、端末10と基地局20間の通信品質をフレーム誤り率やビット誤り率に基づいて計測する。
【0042】
通信品質計測部22で計測された通信品質情報は、通信品質送信部23において保持され、基地局制御装置30及びゲートウェイ40を経由してポリシ決定装置50へ送信される。
【0043】
基地局20から送信された通信品質情報は、ポリシ決定装置50の通信品質管理部53において受信され、保持される。
【0044】
ポリシ制御部51は、受信した通信品質情報に基づいて、通信可能な帯域と割り当てた帯域とを比較し、効率的な割り当てが行われているかを判定し、必要に応じてQoSポリシの変更を行う。変更を行った場合、ポリシ送信部52は、変更後のポリシをゲートウェイ40へ送信する。
【0045】
ゲートウェイ40のポリシ管理部42は、変更後のポリシを受信し、その変更をポリシ実施部43へ反映し、適用ポリシを変更し、ダイナミックなQoSポリシ制御が実現される。
【0046】
図3を参照すると、ポリシ制御部51は、帯域保証要求があるか否かを判定し(ステップS11)、帯域保証要求がない場合(ステップS11のNo)には、ポリシを決定し(ステップS14)、呼接続を完了する。
【0047】
帯域保証要求がある場合(ステップS11のYes)には、空き帯域があるか否かを判定し(ステップS12)、空き帯域がない場合(ステップS12のNo)は、呼接続はNGとなり(ステップS13)、再接続の試みがなされる。
【0048】
一方、空き帯域がある場合(ステップS12のYes)、その空き帯域を割り当てたQoSポリシを決定し(ステップS15)、呼接続を完了する(ステップS16)。
【0049】
呼接続完了(ステップS16)の後、適当な周期で、定期的に通信品質を計測し(ステップS17)、その通信品質結果と割り当てている通信帯域とを比較し、両者が極端に離れておらず、妥当な通信帯域が割り当てられているか否かを判定し(ステップS18)、妥当な値が割り当てられている場合(ステップS18のYes)には、ポリシ変更は行わず、呼接続を終了するか否かを判定する(ステップS20)。呼接続を終了しない場合(ステップS20のNo)には、周期的な通信品質計測処理(ステップS17)へ戻って、上記の処理を繰り返す。呼接続を終了する場合(ステップS20のYes)には、呼処理を終了する。
【0050】
一方、妥当な値が割り当てられていない場合(ステップS18でNo)、最適な値を定義し、ポリシ変更および更新(アップデート)処理を行う(ステップS19)。その後、呼接続を終了するか否かを判定し(ステップS20)、呼接続を終了しない場合(ステップS20のNo)には、周期的な通信品質計測処理(ステップS17)へ戻り、上記の処理を繰り返す。呼接続を終了する場合(ステップS20のYes)には、呼処理を終了する。
【0051】
図4を参照すると、前記のポリシ変更処理(ステップS19)において、実際の通信品質と予め設定された所定の閾値を比較し(ステップS31)、通信品質が所定閾値よりも良好な場合(ステップS31のYes)、帯域保証型QoSクラスを割り当て(ステップS32)、その品質に応じて通信帯域の値を設定し(ステップS34)、ポリシ変更および変更反映処理を行う。
【0052】
一方、通信品質が所定閾値よりも劣悪な場合(ステップS31のNo)、帯域非保証QoSクラスを割り当て(ステップS33)、ポリシ変更および変更反映処理を終了する。
【0053】
本実施例に係る移動通信システムによって、通信品質が劣悪な環境に端末が多数存在する場合において、実際には通信することができない端末へ通信帯域が無駄に割り当てられることを回避することができ、余った通信帯域を良好な通信環境に存在する端末へ割り当てることができる。したがって、本実施例に係る移動通信システムによって、通信帯域の効率的な運用が可能となり、収容可能なユーザ数を増加させることができるとともに、ユーザに対して良好な通信環境を提供することもできる。
【実施例2】
【0054】
次に、本発明の第2の実施例について図面を参照して説明する。図5を参照すると、ポリシ変更処理(図3のステップS19)において、通信品質と所定閾値とを比較(ステップS41)し、通信品質が良好な場合(ステップS41のYes)には、帯域保証型QoSを割り当てた(ステップS42)後、通信品質に応じて通信帯域を設定せずに、固定的な通信帯域(例えば、要求された通信帯域)を割り当てる処理を行い、ポリシ変更処理を完了する。
【0055】
一方、通信品質が所定閾値よりも劣悪な場合(ステップS41のNo)、帯域非保証QoSクラスを割り当て(ステップS43)、ポリシ変更処理を終了する。以上述べた以外の構成と動作は第1の実施例と同じである。
【0056】
本実施例によれば、割り当てる通信帯域を少ない候補の中から設定すれば良く、ポリシ決定装置50やポリシ実施部43の装置構成が簡易化でき、かつ変更処理負荷の軽減に伴い、処理の高速化ができる効果が期待できる。
【0057】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明は以上の実施例に限定されず、その他各種の付加変更が可能である。また、端末10、基地局20、基地局制御装置30、ゲートウェイ40、ポリシ決定装置50は、それぞれの機能をハードウェアとして実現することは勿論、コンピュータとプログラムによって実現することもできる。プログラムは、磁気ディスクや半導体メモリ等のコンピュータ可読記録媒体に記録されて提供され、コンピュータの立ち上げ時などにコンピュータに読み取られ、そのコンピュータの動作を制御することにより、前述の各実施例における端末10、基地局20、基地局制御装置30、ゲートウェイ40、ポリシ決定装置50の処理をコンピュータに行わせる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の第1の実施例に係る移動通信システムのブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係る移動通信システムにおける通信処理シーケンスを示す図である。
【図3】本発明の第1の実施例における呼接続処理例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施例におけるポリシ変更処理例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施例におけるポリシ変更処理例を示すフローチャートである。
【図6】従来の移動通信システムのブロック図である。
【図7】従来の移動通信システムにおける通信処理シーケンスを示す図である。
【図8】従来の移動通信システムにおける呼接続処理例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
10、110 端末
20、120 基地局
21、121 データ処理部
22、122 通信品質計測部
23 通信品質送信部
30、130 基地局制御装置
40、140 ゲートウェイ
41、141 データ処理部
42、142 ポリシ管理部
43、143 ポリシ実施部
50、150 ポリシ決定装置
51、151 ポリシ制御部
52、152 ポリシ送信部
53 通信品質管理部
60 インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2のノードを備えた通信システムであって、
前記第1のノードは、端末と通信を行うとともにその通信品質を計測して前記第2のノードへ送信するように構成され、
前記第2のノードは、受信した通信品質に基づいて前記端末へ割り当てるべき通信帯域を含む通信品質ポリシを決定するように構成されたことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記第2のノードは、前記通信品質ポリシの決定において、前記通信品質と所定の閾値とを比較し、その結果に応じて帯域保証型クラス又は帯域非保証型クラスのいずれかを前記端末へ割り当てるように構成されたことを特徴とする、請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記第2のノードは、前記通信品質ポリシの決定において、前記通信品質と所定の閾値とを比較し、通信帯域の割り当てが可能な場合には、前記通信品質に応じて割り当てる通信帯域を変化させるように構成されたことを特徴とする、請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】
前記第1のノードを設けた基地局と、前記第2のノードを設けたポリシ決定装置とを備えたことを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか一に記載の通信システム。
【請求項5】
前記第1のノードは、端末と基地局制御装置間のデータ送受信を行うように構成されたデータ処理部と、
端末と自身との間の通信品質を計測するように構成された通信品質計測部と、
その計測結果をポリシ決定装置へ送信するように構成された通信品質送信部と、を備えたことを特徴とする、請求項4記載の通信システム。
【請求項6】
前記第2のノードは、前記基地局から送信される通信品質を受信して保持するように構成された通信品質管理部と、
前記通信品質に応じて前記端末へ割り当てる通信品質ポリシを決定するように構成されたポリシ制御部と、
決定した通信品質ポリシをゲートウェイへ送信するポリシ送信部と、を備えたことを特徴とする、請求項4又は5に記載の通信システム。
【請求項7】
端末と基地局制御装置間のデータ送受信処理を行うように構成されたデータ処理部と、
端末と自身との間で通信品質を計測するように構成された通信品質計測部と、
その計測結果をポリシ決定装置へ送信するように構成された通信品質管理部と、を備えたことを特徴とする基地局。
【請求項8】
基地局から送信される通信品質を受信して保持するように構成された通信品質管理部と、
前記通信品質に応じて端末へ割り当てる通信品質ポリシを決定するポリシ制御部と、
決定した通信品質ポリシをゲートウェイへ送信するポリシ送信部と、を備えたことを特徴とするポリシ決定装置。
【請求項9】
端末と通信を行うとともにその通信品質を計測する工程と、
その通信品質に基づいて前記端末へ割り当てる通信帯域を含む通信品質ポリシを決定する工程と、を含むことを特徴とする通信方法。
【請求項10】
前記通信品質ポリシ決定工程において、前記通信品質と所定の閾値とを比較し、その結果に応じて帯域保証型クラス又は帯域非保証型クラスのいずれかを前記端末へ割り当てることを特徴とする、請求項9に記載の通信方法。
【請求項11】
前記通信品質ポリシ決定工程において、前記通信品質と所定の閾値とを比較し、通信帯域の割り当てが可能な場合には、前記通信品質に応じて割り当てる通信帯域を変化させることを特徴とする、請求項9に記載の通信方法。
【請求項12】
端末と通信を行って計測された通信品質と所定の閾値とを比較し、その結果に応じて帯域保証型クラス又は帯域非保証型クラスのいずれかを前記端末へ割り当てる処理をコンピュータに実行させることを特徴とする通信プログラム。
【請求項13】
端末と通信を行って計測された通信品質と所定の閾値とを比較し、通信帯域の割り当てが可能な場合には、前記通信品質に応じて割り当てる通信帯域を変化させる処理をコンピュータに実行させることを特徴とする通信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−124323(P2009−124323A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−294570(P2007−294570)
【出願日】平成19年11月13日(2007.11.13)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】