通信システム、通信制御装置、通信方法及び移動機
【課題】より利便性の高い通信接続を可能にする。
【解決手段】移動機10の通信中に、残通信量に基づいて移動機10の通信継続が不可であるものとしてSGSN20の通信可否判断部216によって判断された場合、残通信量が残っているAPNのAPN情報を接続先情報抽出部201が抽出し、抽出したAPN情報を移動機に通知する。移動機10の接続先情報取得部104は、残通信量が残っているAPN情報を取得する。そして、次回の通信開始時に、残通信量が残っているAPN情報をSGSN20へ送信して通信を行う。このように、移動機10側において残通信量の残っているAPN情報を把握し、残通信量が残っているAPN情報に基づいて通信を行うことができるので、より利便性の高い通信接続を行うことができる。
【解決手段】移動機10の通信中に、残通信量に基づいて移動機10の通信継続が不可であるものとしてSGSN20の通信可否判断部216によって判断された場合、残通信量が残っているAPNのAPN情報を接続先情報抽出部201が抽出し、抽出したAPN情報を移動機に通知する。移動機10の接続先情報取得部104は、残通信量が残っているAPN情報を取得する。そして、次回の通信開始時に、残通信量が残っているAPN情報をSGSN20へ送信して通信を行う。このように、移動機10側において残通信量の残っているAPN情報を把握し、残通信量が残っているAPN情報に基づいて通信を行うことができるので、より利便性の高い通信接続を行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動機の通信を制御する通信システム、この通信システムで用いられる通信制御装置及び移動機、移動機の通信を制御する通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、GPRS(General Packet Radio Service)を用いて移動機間でデータ通信を行う通信システムがある。このような通信システムにおいては、異なるネットワーク間を接続するGGSN(Gateway GPRS Support Node)や、GGSNの下位に配置された、複数のSGSN(Service GPRS Support Node)等が設けられており、移動機は、SGSN及びGGSNを介して接続先となるネットワークに接続している。また、予め通信の利用料金を支払い、支払った料金の範囲内で移動機の通信を可能とする、所謂、プリペイド式の移動機を用いた通信サービスがある。GPRSを用いた通信システムにプリペイド式の移動機を適用したものとして、例えば、特許文献1に記載されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−204323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、GPRSを用いた通信システムにおいて、プリペイド式の移動機の通信の制御を行う場合、移動機が通信網に接続する際のAPN(Access Point Name)毎に、移動機が通信可能な残通信量を管理することが考えられる。このAPN毎の残通信量の管理は、移動機以外の装置によって行われており、移動機のユーザ(移動機の加入者)がAPN毎の残通信量を知らないことがある。この場合、通信残量が残っているAPNがあるにもかかわらず、移動機のユーザがそのAPNを通じた通信を行うことができないなど、利便性に欠けるといった問題がある。
【0005】
そこで本発明は、より利便性の高い通信接続を行うことができる通信システム、通信制御装置、通信方法及び移動機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため本発明は、通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、接続先情報に基づいて移動機の通信を制御する通信制御装置と、接続先情報が示す接続先を通じて移動機が通信可能な残通信量を、移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報に対応付けて記憶する残通信量記憶装置とを含んで構成された通信システムであって、通信制御装置は、移動機から、識別情報及び接続先情報を取得する識別情報取得手段と、識別情報取得手段で取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、識別情報及び接続先情報に対応する移動機の残通信量を取得する残通信量取得手段と、移動機が通信を開始してからの通信量を計測する通信量計測手段と、残通信量取得手段で取得された残通信量と、通信量計測手段で計測された通信量とに基づいて、移動機が通信可能な残通信量を算出する残通信量算出手段と、残通信量算出手段によって算出された残通信量に基づいて、移動機の通信の継続可否を判断する通信可否判断手段と、通信可否判断手段によって移動機の通信の継続が不可であるものと判断された場合、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出手段と、接続先情報抽出手段で抽出された接続先情報を、移動機に通知する接続先情報通知手段とを備え、移動機は、接続先情報通知手段から通知された接続先情報を取得する接続先情報取得手段と、接続先情報取得手段によって取得された接続先情報を、通信網への通信接続の開始時に通信制御装置へ送信する接続先情報送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、接続先情報に基づいて移動機の通信を制御する通信制御装置であって、移動機から、移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報、及び接続先情報を取得する識別情報取得手段と、識別情報取得手段で取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、接続先情報が示す接続先を通じて移動機が通信可能な残通信量を取得する残通信量取得手段と、移動機が通信を開始してからの通信量を計測する通信量計測手段と、残通信量取得手段で取得された残通信量と、通信量計測手段で計測された通信量とに基づいて、移動機が通信可能な残通信量を算出する残通信量算出手段と、残通信量算出手段によって算出された残通信量に基づいて、移動機の通信の継続可否を判断する通信可否判断手段と、通信可否判断手段によって移動機の通信の継続が不可であるものと判断された場合、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出手段と、接続先情報抽出手段で抽出された接続先情報を、移動機に通知する接続先情報通知手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、接続先情報に基づいて移動機の通信を制御する通信制御装置と、接続先情報が示す接続先を通じて移動機が通信可能な残通信量を、移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報に対応付けて記憶する残通信量記憶装置とを含んで構成された通信システムで実行される通信方法であって、通信制御装置が、移動機から識別情報及び接続先情報を取得する識別情報取得ステップと、通信制御装置が、識別情報取得ステップで取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、識別情報及び接続先情報に対応する移動機の残通信量を取得する残通信量取得ステップと、通信制御装置が、移動機が通信を開始してからの通信量を計測する通信量計測ステップと、通信制御装置が、残通信量取得ステップで取得された残通信量と、通信量計測ステップで計測された通信量とに基づいて、移動機が通信可能な残通信量を算出する残通信量算出ステップと、通信制御装置が、残通信量算出ステップで算出された残通信量に基づいて、移動機の通信の継続可否を判断する通信可否判断ステップと、通信可否判断ステップにおいて移動機の通信の継続が不可であるものと判断された場合、通信制御装置が、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出ステップと、通信制御装置が、接続先情報抽出ステップで抽出された接続先情報を、移動機に通知する接続先情報通知ステップと、移動機が、接続先情報通知ステップにおいて通知された接続先情報を取得する接続先情報取得ステップと、移動機が、接続先情報取得ステップで取得された接続先情報を、通信網への通信接続の開始時に通信制御装置へ送信する接続先情報送信ステップと、を有することを特徴とする。
【0009】
これらの発明にあっては、移動機の通信中に、残通信量に基づいて移動機の通信継続が不可であるものと判断された場合、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出し、抽出した接続先情報を移動機に通知する。移動機は、残通信量が残っている接続先の情報を取得し、通信開始時に、残通信量が残っている接続先情報を通信制御装置へ送信して通信を行う。このように、移動機側において残通信量の残っている接続先情報を把握し、残通信量が残っている接続先情報に基づいて通信を行うことができるので、より利便性の高い通信接続を行うことができる。
【0010】
また、接続先情報抽出手段は、接続先情報を複数抽出し、接続先情報通知手段は、接続先情報抽出手段によって抽出された複数の接続先情報を、移動機に通知し、移動機は、接続先情報取得手段によって取得された複数の接続先情報の中から、所定条件を満たす接続先情報を選択する接続先情報選択手段を更に備え、接続先情報送信手段は、接続先情報選択手段によって選択された接続先情報を通信制御装置へ送信することが好ましい。この場合には、複数の接続先情報の中から所定条件を満たす接続先情報に基づいて通信を行うことができるので、より好適な接続先情報に基づいた通信接続を行うことができる。
【0011】
また、移動機は、複数の接続先情報と、各接続先情報が示す接続先へ接続する際の優先順位とを対応付けて記憶する優先順位記憶手段を更に備え、接続先情報選択手段は、優先順位記憶手段に記憶された優先順位に基づいて、接続先情報取得手段によって取得された複数の接続先情報の中で最も優先順位が高い接続先情報を選択することが好ましい。この場合には、予め接続先情報ごとに対応付けられた優先順位に基づいて、複数の接続先情報の中から容易に接続先情報を選択することができる。
【0012】
また、接続先情報通知手段は、接続先情報抽出手段によって抽出された複数の接続先情報に優先順位を付加して、移動機に通知し、接続先情報選択手段は、接続先情報に付加された優先順位に基づいて接続先情報を選択することが好ましい。この場合には、接続先情報選択手段は、接続先情報通知手段から通知された優先順に基づいて、接続先情報を選択することができる。
【0013】
また、接続先情報通知手段は、接続先情報抽出手段によって抽出された複数の接続先情報のぞれぞれに、各接続先情報に対応する残通信量を付加して、移動機に通知し、接続先情報選択手段は、接続先情報に付加された残通信量に基づいて接続先情報を選択することが好ましい。この場合には、接続先情報選択手段は、残通信量に基づいた接続先情報の選択が可能となる。
【0014】
また、接続先情報選択手段は、複数の接続先情報の中から接続先情報を選択する際に、移動機において通信を起動したアプリケーションプログラム又は移動機のユーザによって接続先情報を選択させることが好ましい。この場合には、通信を起動したアプリケーションプログラム又は移動機のユーザが接続先情報を選択することができるようになり、利便性が向上する。
【0015】
また、本発明は、通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、接続先情報に基づいて移動機の通信を制御する通信制御装置と、接続先情報が示す接続先を通じて移動機が通信可能な残通信量を、移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報に対応付けて記憶する残通信量記憶装置とを含んで構成された通信システムであって、通信制御装置は、通信接続の開始要求を行った移動機から、識別情報及び接続先情報を取得する識別情報取得手段と、識別情報取得手段で取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、識別情報及び接続先情報に対応する移動機の残通信量を取得する残通信量取得手段と、残通信量取得手段によって取得された残通信量に基づいて、移動機の通信接続の可否を判断する通信可否判断手段と、通信可否判断手段によって移動機の通信接続が不可であるものと判断された場合、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出手段と、接続先情報抽出手段で抽出された接続先情報に基づいて、移動機の通信接続を行う通信接続手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、接続先情報に基づいて移動機の通信を制御する通信制御装置であって、通信接続の開始要求を行った移動機から、移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報及び接続先情報を取得する識別情報取得手段と、識別情報取得手段で取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、接続先情報が示す接続先を通じて移動機が通信可能な残通信量を取得する残通信量取得手段と、残通信量取得手段によって取得された残通信量に基づいて、移動機の通信接続の可否を判断する通信可否判断手段と、通信可否判断手段によって移動機の通信接続が不可であるものと判断された場合、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出手段と、接続先情報抽出手段で抽出された接続先情報に基づいて、移動機の通信接続を行う通信接続手段と、を備えることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、接続先情報に基づいて移動機の通信を制御する通信制御装置と、接続先情報が示す接続先を通じて移動機が通信可能な残通信量を、移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報に対応付けて記憶する残通信量記憶装置とを含んで構成された通信システムで実行される通信方法であって、通信制御装置が、通信接続の開始要求を行った移動機から、識別情報及び接続先情報を取得する識別情報取得ステップと、通信制御装置が、識別情報取得ステップで取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、識別情報及び接続先情報に対応する移動機の残通信量を取得する残通信量取得ステップと、通信制御装置が、残通信量取得ステップで取得された残通信量に基づいて、移動機の通信接続の可否を判断する通信可否判断ステップと、通信可否判断ステップにおいて移動機の通信接続が不可であるものと判断された場合、通信制御装置が、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出ステップと、通信制御装置が、接続先情報抽出ステップで抽出された接続先情報に基づいて、移動機の通信接続を行う通信接続ステップと、を有することを特徴とする。
【0018】
これらの発明にあっては、移動機の通信開始時に、残通信量に基づいて移動機の通信継続が不可であるものと判断された場合、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出し、抽出した接続先情報に基づいて移動機の通信接続を行う。これにより、残通信量がない場合には、残通信量が残っている接続先情報に基づいて移動機の通信の接続が行われるため、移動機のユーザが残通信量が残っている接続先情報に基づいた通信接続に切り替える操作が不要となり、より利便性の高い通信接続を行うことができる。
【0019】
また、通信制御装置は、接続先情報抽出手段で抽出された接続先情報が示す接続先へ接続してよいか否かを移動機のユーザに問い合わせる問い合わせ手段を更に備え、通信接続手段は、問い合わせ手段による問い合わせ結果に基づいて、問い合わせを行った接続先へ移動機を接続することが好ましい。この場合には、問い合わせ結果に基づいて通信接続を行うことにより、ユーザの意思を反映した通信接続を行うことができる。
【0020】
また、通信制御装置は、通信接続手段によって移動機が接続された接続先を示す接続先情報を、移動機に通知する接続結果通知手段を更に備えることが好ましい。この場合には、移動機が接続された接続先情報が移動機に通知されるため、移動機のユーザは接続先を知ることができる。
【0021】
また、本発明は、通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、接続先情報に基づいて移動機の通信を制御する通信制御装置と、接続先情報が示す接続先を通じて移動機が通信可能な残通信量を、移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報に対応付けて記憶する残通信量記憶装置とを含んで構成された通信システムであって、通信制御装置は、移動機から、識別情報及び接続先情報を取得する識別情報取得手段と、識別情報取得手段で取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、識別情報及び接続先情報に対応する移動機の残通信量を取得する残通信量取得手段と、移動機が通信を開始してからの通信量を計測する通信量計測手段と、残通信量取得手段で取得された残通信量と、通信量計測手段で計測された通信量とに基づいて、移動機が通信可能な残通信量を算出する残通信量算出手段と、残通信量算出手段によって算出された残通信量に基づいて、移動機の通信の継続可否を判断する通信可否判断手段と、通信可否判断手段によって移動機の通信の継続が不可であるものと判断された場合、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出手段と、接続先情報抽出手段で抽出された接続先情報に基づいて、移動機の通信の制御を行う通信制御装置側再接続手段と、を備えることを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、接続先情報に基づいて移動機の通信を制御する通信制御装置であって、移動機から、移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報、及び接続先情報を取得する識別情報取得手段と、識別情報取得手段で取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、接続先情報が示す接続先を通じて移動機が通信可能な残通信量を取得する残通信量取得手段と、移動機が通信を開始してからの通信量を計測する通信量計測手段と、残通信量取得手段で取得された残通信量と、通信量計測手段で計測された通信量とに基づいて、移動機が通信可能な残通信量を算出する残通信量算出手段と、残通信量算出手段によって算出された残通信量に基づいて、移動機の通信の継続可否を判断する通信可否判断手段と、通信可否判断手段によって移動機の通信の継続が不可であるものと判断された場合、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出手段と、接続先情報抽出手段で抽出された接続先情報に基づいて、移動機の通信の制御を行う通信制御装置側再接続手段と、を備えることを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、接続先情報に基づいて移動機の通信を制御する通信制御装置と、接続先情報が示す接続先を通じて移動機が通信可能な残通信量を、移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報に対応付けて記憶する残通信量記憶装置とを含んで構成された通信システムで実行される通信方法であって、通信制御装置が、移動機から識別情報及び接続先情報を取得する識別情報取得ステップと、通信制御装置が、識別情報取得ステップで取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、識別情報及び接続先情報に対応する移動機の残通信量を取得する残通信量取得ステップと、通信制御装置が、移動機が通信を開始してからの通信量を計測する通信量計測ステップと、通信制御装置が、残通信量取得ステップで取得された残通信量と、通信量計測ステップで計測された通信量とに基づいて、移動機が通信可能な残通信量を算出する残通信量算出ステップと、通信制御装置が、残通信量算出ステップで算出された残通信量に基づいて、移動機の通信の継続可否を判断する通信可否判断ステップと、通信可否判断ステップで移動機の通信の継続が不可であるものと判断された場合、通信制御装置が、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出ステップと、通信制御装置が、接続先情報抽出ステップで抽出された接続先情報に基づいて、移動機の通信の制御を行う通信制御装置側再接続ステップと、を有することを特徴とする。
【0024】
これらの発明にあっては、移動機の通信中に、残通信量に基づいて移動機の通信継続が不可であるものと判断された場合、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出し、抽出した接続先情報に基づいて移動機の通信の制御を行う。このように、残通信量が無くなった場合には、残通信量が残っている接続先情報に基づいて通信の制御を行うことができるので、より利便性の高い通信接続を行うことができる。
【0025】
また、通信制御装置は、接続先情報抽出手段で抽出された接続先情報を移動機に通知する再接続情報通知手段を更に備え、移動機は、再接続情報通知手段から通知された接続先情報に基づいて通信接続を行う移動機側再接続手段を更に備えることが好ましい。この場合、移動機は、通信制御装置から通知された接続先情報に基づいて通信接続を行うことができる。
【0026】
また、本発明に係る移動機として、上述の通信システムで用いられる移動機とすることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、より利便性の高い通信接続を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第一〜第三の実施形態に係る通信システムの概略構成図である。
【図2】料金管理データの具体例を示す図である。
【図3】第一の実施形態に係るSGSNの詳細構成を示す図である。
【図4】第一の実施形態に係るSGSNのハードウェア構成を示す図である。
【図5】第一の実施形態に係る移動機の詳細構成を示す図である。
【図6】第一の実施形態に係る移動機及びSGSNで行われる処理の流れを示すシーケンス図である。
【図7】第二の実施形態に係るSGSNの詳細構成を示す図である。
【図8】第二の実施形態に係るSGSNで行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】第三の実施形態に係るSGSNの詳細構成を示す図である。
【図10】第三の実施形態に係る移動機の詳細構成を示す図である。
【図11】第三の実施形態に係る移動機、SGSN及びGGSNで行われる処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る通信システム、通信制御装置、通信方法及び移動機を適用した通信システムの好適な一実施形態について説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0030】
[第一の実施形態]
図1は、第一の実施形態に係る通信システムの概略構成図である。図1に示すように、通信システム1は、GPRSを用いた通信システムであり、プリペイド式の移動機10、SGSN(通信制御装置)20、GGSN30、サービス制御装置40、及びネットワーク50を含んで構成される。
【0031】
移動機10は、移動可能な通信端末であり、SGSN20及びGGSN30を介して、通信先となるネットワーク50との通信を行う。また、移動機10は、プリペイド式の通信端末であり、予め支払った料金の範囲内でパケット通信を行うものである。また、移動機10は、通信の開始時に、SGSN20に対して、移動機10を利用する加入者の識別情報(具体的には、SIMカードの識別情報)と、通信網に接続する際のAPN(接続先)を識別可能なAPN情報(接続先情報)とを送信する。移動機10における処理の詳細について、詳しくは後述する。
【0032】
SGSN20は、自身が管理する所定エリア内に在圏する移動機10と無線通信を行い、移動機10とGGSN30とを接続するものである。SGSN20は、通常、通信エリア内に複数存在している。またSGSN20は、サービス制御装置40から取得した料金管理データに基づいて、移動機10の通信の制御を行う。SGSN20における料金管理データに基づいた通信制御について、詳しくは後述する。
【0033】
GGSN30は、インターネット等の他のデータ通信網とのゲートウェイ機能を有するノードである。GGSN30は、通常、通信網内に複数存在している。
【0034】
サービス制御装置40は、移動機10に対してプリペイド式の通信接続サービスを提供するための料金管理データを記憶する。この料金管理データは、具体的には、移動機10を利用する加入者の識別情報と、移動機10を通信網に接続する際のAPNを識別可能なAPN情報と、当該APNを通じて通信接続可能な残通信量とが対応付けられている。ここで、図2に、料金管理データの具体例を示す。図2に示すように、料金管理データは、一の加入者識別情報に対して、複数のAPN情報及び残通信量が対応付けられている。例えば、識別情報「A001」の加入者に対しては、APN情報「APN_#1,APN_#2,APN_#3」と残通信量「10,0,20」とがそれぞれ対応付けられている。
【0035】
また、サービス制御装置40は、SGSN20から受信した残通信量に基づいて料金管理データを更新したり、移動機10のユーザから料金の支払いがあった等の場合に料金管理データの更新を行ったりする。なお、サービス制御装置40としては、HLR(Home Location Register)を用いることができる。
【0036】
次に、SGSN20の詳細について説明する。図3は、図1に示すSGSNの詳細構成図である。図3に示すようにSGSN20は、通信制御部200、接続先情報抽出部(接続先情報抽出手段)201、及び接続先情報通知部(接続先情報通知手段)202を含んで構成される。また、通信制御部200は、識別情報取得部(識別情報取得手段)211、料金管理データ取得部(残通信量取得手段)212、料金管理データ記憶部(残通信量記憶装置)213、通信量計測部(通信量計測手段)214、残通信量算出部(残通信量算出手段)215、通信可否判断部(通信可否判断手段)216及び通信接続部217を含んで構成される。
【0037】
識別情報取得部211は、通信接続の開始要求を行った移動機10の接続要求の信号から、移動機10の加入者の識別情報、及び通信接続の際に使用するAPNのAPN情報を取得する。
【0038】
料金管理データ取得部212は、移動機10が位置登録を行ったときに、サービス制御装置40が記憶する料金管理データの中から、移動機10の加入者の識別情報に対応付けられたAPN情報と、当該APN情報に対応付けられた残通信量とを取得する。また、料金管理データ取得部212は、所謂、ハンドオーバー時に、移動機10の移動元の所定エリアの通信を管理するSGSNから、移動機10の加入者の識別情報に対応付けられたAPN情報と、当該APN情報に対応付けられた残通信量とを取得する。取得されたこれらの情報は、移動機10の加入者の識別情報と、APN情報と、残通信量とを対応付けて料金管理データ記憶部213が記憶する。
【0039】
また、料金管理データ取得部212は、移動機10が通信接続の開始要求を行ったときに、料金管理データ記憶部213から、識別情報取得部211で取得された識別情報及びAPN情報に基づいて、識別情報及びAPN情報に対応する移動機10の残通信量を取得する。
【0040】
通信量計測部214は、移動機10が通信を開始してからの通信量を計測する。
【0041】
残通信量算出部215は、移動機10が通信接続の開始要求を行ったときに料金管理データ取得部212で取得された残通信量と、通信量計測部214で計測された通信量とに基づいて、移動機10が通信可能な残通信量を算出する。この残通信量は、通信可能な残通信時間、又は残データ量として表すことができる。
【0042】
通信可否判断部216は、残通信量算出部215によって算出された残通信量に基づいて、移動機10の通信の継続可否を判断する。具体的には、残通信量算出部215によって算出された残通信量が0になった場合(所定値以下になった場合でもよい)に、移動機10の通信の継続が不可であるものとして判断する。
【0043】
通信接続部217は、移動機10の通信接続を行うものであり、通信可否判断部216によって通信継続が可能であるものと判断された場合、通信接続を継続する。一方、通信接続部217は、通信可否判断部216によって通信の継続が不可であるものと判断された場合、通信を切断する。
【0044】
接続先情報抽出部201は、通信可否判断部216によって通信継続が不可であるものと判断された場合、料金管理データ記憶部213から、移動機10に対応付けられ、且つ残通信量が残っているAPN情報を抽出する。なお、接続先情報抽出部201は、残通信量が残っているAPN情報が複数ある場合、複数のAPN情報を全て抽出することができる。
【0045】
接続先情報通知部202は、接続先情報抽出部201で抽出されたAPN情報を、移動機10に通知する。この通知と共に、接続先情報通知部202は、通信の切断信号を移動機10に通知する。この通知方法として、例えば、切断信号(Deactivation信号)にAPN情報を含めて通知することができる。また、予め移動機10とSGSN20Aとの間で、移動機10のユーザの契約情報を問い合わせるためのUSSD(Unstructured Supplementary Service Data)コードとAPN情報とを対応付けたデータを共有しておき、接続結果通知部204Aが、移動機10に変更後のAPN情報に対応するUSSDコードを送信することによって行うこともできる。この場合、接続先情報通知部202は、切断信号とUSSDコードとを移動機10に通知する。また、USSDコード以外にも、テキストメッセージ(SMS)を送信することもできる。また、接続先情報通知部202は、APN情報を移動機10に通知する際に、APN情報に優先順位を付加することもできる。この優先順位は、予め、APN情報毎に順位が対応付けられたリストとして保持していてもよく、他の記憶装置等から取得してもよい。また、接続先情報通知部202は、APN情報を移動機10に通知する際に、当該APN情報に対応付けられた残通信量も、移動機10へ通知することもできる。
【0046】
続いて、SGSN20のハードウェア構成を示す。図4は、SGSNのハードウェア構成を示す図である。図4に示すように、SGSN20は、CPU(Central Processing Unit)251、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)252及びROM(Read Only Memory)253、通信を行うための通信モジュール254、並びにハードディスク等の補助記憶装置255等のハードウェアを備えるコンピュータとして構成される。これらの構成要素が動作することにより、上記のSGSN20の各機能が発揮される。
【0047】
次に、移動機10の詳細について説明する。図5は、図1に示す移動機の詳細構成図である。図5に示すように移動機10は、通信接続部101、優先順位記憶部(優先順位記憶手段)102、接続先情報送信部(接続先情報送信手段)103、接続先情報取得部(接続先情報取得手段)104及び接続先情報選択部(接続先情報選択手段)105を含んで構成される。
【0048】
通信接続部101は、ネットワーク50と移動機10との間で行われるパケット通信を制御するものである。
【0049】
優先順位記憶部102は、複数のAPN情報と、各APN情報が示すAPNへ接続する際の優先順位とを対応付けて記憶する。この優先順位は、例えば、予め移動機10の加入者によって設定されていたり、所定条件に従って設定されていたりする。
【0050】
接続先情報送信部103は、通信の開始時に、通信を行う際に接続するAPNのAPN情報と、移動機10の加入者の識別情報とをSGSN20へ送信する。ここで送信されるAPN情報は、例えば、予め移動機10の加入者によって設定され、接続先情報送信部103が保持しているもの等がある。また、接続先情報送信部103は、接続先情報選択部105(詳しくは後述する)によってAPN情報が選択された場合には、選択されたAPN情報を保持し、次回、通信を行う際に、接続先情報選択部105によって選択されたAPN情報と、識別情報とをSGSN20へ送信する。
【0051】
接続先情報取得部104は、SGSN20の接続先情報通知部202から通知されたAPN情報を取得する。接続先情報通知部202から複数のAPN情報が通知された場合、接続先情報取得部104は通知された複数のAPN情報を取得する。
【0052】
接続先情報選択部105は、接続先情報取得部104によって取得されたAPN情報の中から、所定条件を満たすAPN情報を選択する。具体的には接続先情報選択部105は、優先順位記憶部102に記憶された優先順位に基づいて、接続先情報取得部104によって取得された複数のAPN情報の中で最も優先順位が高いAPN情報を選択する。また、接続先情報選択部105は、SGSN20の接続先情報通知部202によってAPN情報に優先順位が付加されている場合には、この優先順位についても考慮して、APN情報を選択することができる。また、接続先情報選択部105は、APN情報に残通信量が付加されている場合には、この残通信量についても考慮して、APN情報を選択したり、残通信量を表示画面等に表示したりすることもできる。なお、接続先情報選択部105がAPN情報を選択するのではなく、接続先情報選択部105が、移動機10の通信を起動したアプリケーションプログラムや、移動機10のユーザにAPN情報を選択させるようにしてもよい。例えば、アプリケーションプログラムは、移動機10の通信先に応じてAPN情報を選択したり、APN情報に付加された残通信量に基づいてAPN情報を選択したりすることができる。アプリケーションプログラムや移動機のユーザによってAPN情報が選択可能となることにより、APN情報を選択する際の利便性が向上する。
【0053】
続いて、移動機10のハードウェア構成を示す。移動機10は、図4に示すSGSN20のハードウェア構成と同様に、CPU、主記憶装置であるRAM及びROM、通信を行うための通信モジュール、並びにハードディスク等の補助記憶装置等のハードウェアを備えるコンピュータとして構成される。これらの構成要素が動作することにより、上記の移動機10の各機能が発揮される。
【0054】
次に、通信中に残通信量が無くなった場合に移動機10及びSGSN20で行われる処理の流れについて説明する。図6は、移動機及びSGSNで行われる処理の流れを示すシーケンス図である。移動機10は、通信接続の開始時に、通信接続の開始要求の信号をSGSN20へ送信する。このとき、移動機10の接続先情報送信部103は、通信接続の開始要求の信号に、識別情報及びAPN情報を含めてSGSN20へ送信する(ステップS101)。
【0055】
SGSN20の識別情報取得部211は、通信接続の開始要求を行った移動機10の接続要求の信号から、識別情報及びAPN情報を取得する(ステップS102)。そして、SGSN20の料金管理データ取得部212は、識別情報取得部211で取得された識別情報及びAPN情報に基づいて、料金管理データ記憶部213から残通信量を取得する(ステップS103)。
【0056】
SGSN20の通信接続部217は、移動機10をネットワーク50に接続する(ステップS104)。ここでは、残通信量が残っていたものとする。なお、残通信量が残っていない場合、通信接続部217は移動機10の通信を規制する。
【0057】
移動機10が通信接続状態となると、SGSN20の通信量計測部214は、移動機10が通信を開始してからの通信量を計測する(ステップS105)。そして、SGSN20の残通信量算出部215は、移動機10が通信可能な残通信量を算出する(ステップS106)。
【0058】
SGSN20の通信可否判断部216は、残通信量算出部215によって算出された残通信量に基づいて、移動機10の通信の継続可否を判断する(ステップS107)。通信の継続が可能である場合(ステップS107:YES)、通信の継続が不可となるまで、通信量計測部214による通信量の計測、及び残通信量算出部215による残通信量の算出を行う。
【0059】
通信の継続が不可である場合(ステップS107:NO)、SGSN20の接続先情報抽出部201は、料金管理データ記憶部213から、移動機10に対応付けられ、且つ残通信量が残っているAPN情報を抽出する(ステップS108)。
【0060】
SGSN20の接続先情報通知部202は、通信可否判断部216で抽出されたAPN情報と、切断信号とを移動機10に通知する(ステップS109)。移動機10の接続先情報取得部104は、SGSN20の接続先情報通知部202から通知されたAPN情報と、切断信号とを取得する(ステップS110)。これにより、移動機10とSGSN20との間の通信が切断される(ステップS111)。
【0061】
そして、移動機10の接続先情報選択部105は、接続先情報取得部104によって取得されたAPN情報の中から、優先順位の高いAPN情報を選択する(ステップS112)。移動機10の接続先情報送信部103は、接続先情報選択部105によって選択されたAPN情報を保持し、次回、通信を行う際に、接続先情報選択部105によって選択されたAPN情報をSGSN20へ送信する(ステップS113)。これ以降の処理は、上述のステップS102以降の処理と同じである。
【0062】
本実施形態は以上のように構成され、移動機10の通信中に、残通信量に基づいて移動機10の通信継続が不可であるものとしてSGSN20の通信可否判断部216によって判断された場合、残通信量が残っているAPNのAPN情報を接続先情報抽出部201が抽出し、抽出したAPN情報を移動機に通知する。移動機10の接続先情報取得部104は、残通信量が残っているAPN情報を取得する。そして、次回の通信開始時に、残通信量が残っているAPN情報をSGSN20へ送信して通信を行う。このように、移動機10側において残通信量の残っているAPN情報を把握し、残通信量が残っているAPN情報に基づいて通信を行うことができるので、より利便性の高い通信接続を行うことができる。
【0063】
また、移動機10が、複数のAPN情報の中から所定条件を満たすAPN情報に基づいて通信を行うことができるので、より好適なAPN情報に基づいた通信接続を行うことができる。
【0064】
また、移動機10の接続先情報選択部105は、予めAPN情報毎に対応付けられた優先順位に基づいて、複数のAPN情報の中から容易にAPN情報を選択することができる。
【0065】
なお、本実施形態において、例えば、移動機10がAPN情報に対応付けられた優先順位の情報を有していない場合、残通信量が無くなったときに、SGSN20側でAPN情報に優先順位を設定して、APN情報と共に優先順位についての情報も移動機10に通知してもよい。また、SGSN20側において、移動機10が利用可能なAPN情報を選択し、選択したAPN情報を移動機10に通知してもよい。
【0066】
[第二の実施形態]
第二の実施形態に係る通信システムの概略構成図は、図1に示す第一の実施形態に係る通信システムと同様である。図1に示すように、本実施形態に係る通信システム1Aは、GPRSを用いた通信システムであり、プリペイド式の移動機10、SGSN(通信制御装置)20A、GGSN30、サービス制御装置40、及びネットワーク50を含んで構成される。
【0067】
移動機10は、移動可能な通信端末であり、SGSN20A及びGGSN30を介して、通信先となるネットワーク50との通信を行う。また、移動機10は、プリペイド式の通信端末であり、予め支払った料金の範囲内でパケット通信を行うものである。また、移動機10は、通信の開始時に、SGSN20Aに対して、移動機10を利用する加入者の識別情報と、通信網に接続する際のAPN(接続先)を識別可能なAPN情報(接続先情報)とを送信する。
【0068】
SGSN20Aは、自身が管理する所定エリア内に在圏する移動機10と無線通信を行い、移動機10とGGSN30とを接続するものである。SGSN20Aは、通常、通信エリア内に複数存在している。またSGSN20Aは、サービス制御装置40から取得した料金管理データに基づいて、移動機10の通信の制御を行う。SGSN20Aにおける料金管理データに基づいた通信接続の開始処理について、詳しくは後述する。
【0069】
GGSN30及びサービス制御装置40は、第一の実施形態のGGSN30及びサービス制御装置40と同様の構成である。
【0070】
次に、SGSN20Aの詳細について説明する。図7は、第二の実施形態に係るSGSNの詳細構成図である。SGSN20Aは、通信制御部200A、接続先情報抽出部(接続先情報抽出手段)201A、問い合わせ部(問い合わせ手段)203A及び接続結果通知部(接続結果通知手段)204Aを含んで構成される。また、通信制御部200Aは、識別情報取得部(識別情報取得手段)211A、料金管理データ取得部(残通信量取得手段)212A、料金管理データ記憶部(残通信量記憶装置)213A、通信可否判断部(通信可否判断手段)216A及び通信接続部(通信接続手段)217Aを含んで構成される。
【0071】
識別情報取得部211Aは、通信接続の開始要求を行った移動機10の接続要求の信号から、移動機10の加入者の識別情報、及び通信接続の際に使用するAPN情報を取得する。
【0072】
料金管理データ取得部212Aは、移動機10が位置登録を行ったときに、サービス制御装置40が記憶する料金管理データから、移動機10の加入者の識別情報に対応付けられたAPN情報と、当該APN情報に対応付けられた残通信量とを取得する。また、料金管理データ取得部212Aは、所謂、ハンドオーバー時に、移動機10の移動元の所定エリアの通信を管理するSGSNから、移動機10の加入者の識別情報に対応付けられたAPN情報と、当該APN情報に対応付けられた残通信量とを取得する。取得されたこれらの情報は、移動機10の加入者の識別情報と、APN情報と、残通信量とを対応付けて料金管理データ記憶部213Aが記憶する。
【0073】
また、料金管理データ取得部212Aは、移動機10が通信接続の開始要求を行ったときに、料金管理データ記憶部213Aから、識別情報取得部211Aで取得された識別情報及びAPN情報に基づいて、識別情報及びAPN情報に対応する移動機10の残通信量を取得する。
【0074】
通信可否判断部216Aは、移動機10が通信接続の開始要求を行ったときに料金管理データ取得部212Aによって取得された残通信量に基づいて、移動機10の通信接続の可否を判断する。具体的には、通信可否判断部216Aは、残通信量が0の場合(所定値以下の場合であってもよい)に、通信接続が不可であるものとして判断する。
【0075】
通信接続部217Aは、通信可否判断部216Aによって通信接続が可能であるものと判断された場合、通信接続開始時に料金管理データ取得部212Aで抽出されたAPN情報に基づいて、移動機10の通信接続を行う。また、通信接続部217Aは、問い合わせ部203A(詳しくは後述する)による問い合わせ結果が、問い合わせを行ったAPNへ接続することを承諾する旨の内容であった場合に、問い合わせを行ったAPNへ接続する処理を行う。
【0076】
接続先情報抽出部201Aは、通信接続の開始時に通信可否判断部216Aによって通信接続が不可であるものと判断された場合、料金管理データ記憶部213Aから、移動機10に対応付けられ、且つ残通信量が残っているAPN情報を抽出する。なお、接続先情報抽出部201Aは、残通信量が残っているAPN情報が複数ある場合、例えば、予め保有する、APN毎に定められた優先度のデータに基づいて、優先度の最も高いAPN情報を抽出することができる。
【0077】
問い合わせ部203Aは、接続先情報抽出部201Aで抽出されたAPN情報が示すAPNへ接続してよいか否かを移動機10のユーザに問い合わせる。
【0078】
接続結果通知部204Aは、通信接続部217Aによって移動機10が接続されたAPNのAPN情報を、移動機10に通知する。この通知方法としては、予め移動機10とSGSN20Aとの間でUSSDコードとAPN情報とを対応付けたデータを共有しておき、接続結果通知部204Aが、移動機10に変更後のAPN情報に対応するUSSDコードを送信することによって行うことができる。また、テキストメッセージ(SMS)を送信することによって行うこともできる。
【0079】
なお、SGSN20Aは、第一の実施形態のSGSN20と同様に、CPU、主記憶装置であるRAM及びROM、通信を行うための通信モジュール、並びにハードディスク等の補助記憶装置等のハードウェアを備えるコンピュータとして構成される。これらの構成要素が動作することにより、上記のSGSN20Aの各機能が発揮される。
【0080】
次に、SGSN20Aにおいて行われる、移動機10の残通信量に基づいた通信接続の開始処理の流れについて説明する。図8は、SGSNで行われる通信接続の開始処理の流れを示すフローチャートである。移動機10から通信接続の要求があると、通信制御部200Aは通信接続処理を開始する(ステップS201)。
【0081】
そして、識別情報取得部211Aは、移動機10が送信した接続要求の信号から、移動機10の加入者の識別情報及びAPN情報を取得する(ステップS202)。
【0082】
料金管理データ取得部212Aは、識別情報取得部211Aで取得された識別情報及びAPN情報に対応付けられた残通信量を、料金管理データ記憶部213Aから取得する(ステップS203)。そして、通信可否判断部216Aは、料金管理データ取得部212Aによって取得された残通信量に残りがあるか否かを判断する(ステップS204)。残通信量が残っていない場合(ステップS204:NO)、接続先情報抽出部201Aは、残通信量が残っている他のAPN情報が、料金管理データ記憶部213Aに記憶されているか否かを判断する(ステップS205)。
【0083】
残通信量を含むAPN情報が、料金管理データ記憶部213Aに記憶されている場合(ステップS205:YES)、接続先情報抽出部201Aは、当該APN情報を料金管理データ記憶部213Aから抽出する(ステップS206)。
【0084】
問い合わせ部203Aは、移動機10を通信網に接続する際に接続するAPNを、接続先情報抽出部201Aで抽出されたAPN情報が示すAPNに、変更しても良いか否かの問い合わせを移動機10のユーザに対して行う(ステップS207)。そして、問い合わせ部203Aは、問い合わせに対する移動機10のユーザからの回答が、APNの変更を承諾するものであるか否かの判断を行う(ステップS208)
【0085】
問い合わせに対する回答が、APNの変更を承諾するものである場合(ステップS208:YES)、通信接続部217Aは、承諾されたAPNを示すAPN情報を、通信の接続要求の信号に含めてGGSN30に送信する(ステップS209)。接続結果通知部204Aは、接続するAPNを変更した旨を移動機10に通知する(ステップS210)。これにより、移動機10とネットワーク50との間での通信のセッションが確立し、SGSN20Aにおける通信接続の開始処理が終了する。
【0086】
また、通信の接続要求の信号から取得した識別情報及びAPN情報に基づいて取得した残通信量に残りがある場合(ステップS204:YES)、通信接続部217Aは、接続要求の信号から取得されたAPN情報を、通信の接続要求の信号に含めてGGSN30に送信する(ステップS211)。これにより、移動機10とネットワーク50との間での通信のセッションが確立し、SGSN20Aにおける通信接続の開始処理が終了する。
【0087】
また、残通信量が残っているAPN情報が、料金管理データ記憶部213Aに記憶されていない場合(ステップS205:NO)、及びAPNの変更可否の問い合わせに対する回答が、APNの変更を承諾しないものである場合(ステップS208:NO)、SGSN20Aは、移動機10の通信を規制する(ステップS212)。
【0088】
本実施形態は以上のように構成され、移動機10の通信開始時に、残通信量に基づいて移動機10の通信継続が不可であるものとしてSGSN20Aの通信可否判断部216Aによって判断された場合、残通信量が残っているAPNのAPN情報を接続先情報抽出部201Aが抽出し、抽出したAPN情報に基づいて移動機10の通信接続を行う。これにより、残通信量がない場合には、残通信量が残っているAPN情報に基づいて移動機10の通信の接続が行われるため、移動機10のユーザが残通信量が残っているAPN情報に基づいた通信接続に切り替える操作が不要となり、より利便性の高い通信接続を行うことができる。
【0089】
また、問い合わせ部203Aによる問い合わせ結果に基づいて通信接続を行うことにより、ユーザの意思を反映した通信接続を行うことができる。
【0090】
また、移動機10が接続されたAPNのAPN情報が移動機に通知されるため、移動機10のユーザは接続先のAPNを知ることができる。
【0091】
なお、第二の実施形態では、通信の接続開始時に取得した残通信量が0の場合に、残通信量に残りがないものとして判断したが、所定の残通信量以下の場合に、残通信量に残りがないものとして判断することもできる。この場合には、接続先情報抽出部201Aによって残通信量が残っているAPN情報が抽出され、当該APN情報への切り替えを移動機10のユーザに提示したにもかかわらず、切り替えを拒否されると、残通信量が所定量以下のAPN情報に基づいて、残通信量がなくなるまでの所定の時間だけ通信接続が行われる。
【0092】
[第三の実施形態]
第三の実施形態に係る通信システムの概略構成図は、図1に示す第一の実施形態に係る通信システムと同様である。図1に示すように、本実施形態に係る通信システム1Bは、GPRSを用いた通信システムであり、プリペイド式の移動機10B、SGSN(通信制御装置)20B、GGSN30、サービス制御装置40、及びネットワーク50を含んで構成される。
【0093】
移動機10Bは、移動可能な通信端末であり、SGSN20B及びGGSN30を介して、通信先となるネットワーク50との通信を行う。また、移動機10Bは、プリペイド式の通信端末であり、予め支払った料金の範囲内でパケット通信を行うものである。また、移動機10Bは、通信の開始時に、SGSN20Bに対して、移動機10Bを利用する加入者の識別情報と、通信網に接続する際のAPN(接続先)を識別可能なAPN情報(接続先情報)とを送信する。移動機10Bにおける処理の詳細について、詳しくは後述する。
【0094】
SGSN20Bは、自身が管理する所定エリア内に在圏する移動機10Bと無線通信を行い、移動機10BとGGSN30とを接続するものである。SGSN20Bは、通常、通信エリア内に複数存在している。またSGSN20Bは、サービス制御装置40から取得した料金管理データに基づいて、移動機10Bの通信の制御を行う。SGSN20Bにおける料金管理データに基づいた通信制御について、詳しくは後述する。
【0095】
GGSN30及びサービス制御装置40は、第一の実施形態のGGSN30及びサービス制御装置40と同様の構成である。
【0096】
次に、SGSN20Bの詳細について説明する。図9は、第三の実施形態に係るSGSNの詳細構成図である。図9に示すようにSGSN20Bは、通信制御部200B、接続先情報抽出部(接続先情報抽出手段)201、及び再接続情報通知部(再接続情報通知手段)205Bを含んで構成される。また、通信制御部200Bは、識別情報取得部(識別情報取得手段)211、料金管理データ取得部(残通信量取得手段)212、料金管理データ記憶部(残通信量記憶装置)213、通信量計測部(通信量計測手段)214、残通信量算出部(残通信量算出手段)215、通信可否判断部(通信可否判断手段)216及び通信接続部(通信制御装置側再接続手段)217Bを含んで構成される。
【0097】
なお、識別情報取得部211、料金管理データ取得部212、料金管理データ記憶部213、通信量計測部214、残通信量算出部215、通信可否判断部216は、第一の実施形態の通信制御部200内の各構成要素と同様の構成である。
【0098】
再接続情報通知部205Bは、接続先情報抽出部201で抽出されたAPN情報をGGSN30及び移動機10Bに通知する。なお、この通知は、具体的には、APN情報を含んだPDPデータを送信することによって行うことができる。PDPデータには、APN情報の他に、例えば、Qos情報やPDPのType情報(IP or PPP)等が含まれている。
【0099】
通信接続部217Bは、移動機10Bの通信接続を行うものであり、通信可否判断部216によって通信継続が可能であるものと判断された場合、通信接続を継続する。一方、通信接続部217Bは、通信可否判断部216によって通信の継続が不可であるものと判断された場合、通信を切断する。また、通信接続部217Bは、接続先情報抽出部201で抽出されたAPN情報に基づいて、移動機10Bの通信の制御を行う。
【0100】
なお、SGSN20Bは、第一の実施形態のSGSN20と同様に、CPU、主記憶装置であるRAM及びROM、通信を行うための通信モジュール、並びにハードディスク等の補助記憶装置等のハードウェアを備えるコンピュータとして構成される。これらの構成要素が動作することにより、上記のSGSN20Bの各機能が発揮される。
【0101】
次に、移動機10Bの詳細について説明する。図10は、第3の実施形態に係る移動機の詳細構成図である。図10に示すように移動機10Bは、通信接続部(移動機側再接続手段)101B及び接続先情報送信部103Bを含んで構成される。
【0102】
通信接続部101Bは、ネットワーク50と移動機10Bとの間で行われるパケット通信を制御するものである。また、通信接続部101Bは、SGSN20Bの再接続情報通知部205Bから通知されたAPN情報に基づいて通信接続を行う。
【0103】
接続先情報送信部103Bは、通信の開始時に、通信を行う際に接続するAPNのAPN情報と、移動機10Bの加入者の識別情報とをSGSN20Bへ送信する。ここで送信されるAPN情報は、例えば、予め移動機10Bの加入者等によって設定され、接続先情報送信部103Bが保持しているものとする。
【0104】
なお、移動機10Bは、第一の実施形態のSGSN20と同様に、CPU、主記憶装置であるRAM及びROM、通信を行うための通信モジュール、並びにハードディスク等の補助記憶装置等のハードウェアを備えるコンピュータとして構成される。これらの構成要素が動作することにより、上記の移動機10Bの各機能が発揮される。
【0105】
次に、通信中に残通信量が無くなった場合に移動機10B、SGSN20B及びGGSN30で行われる処理の流れについて説明する。図11は、移動機、SGSN及びGGSNで行われる処理の流れを示すシーケンス図である。移動機10Bは、通信接続の開始時に、通信接続の開始要求の信号をSGSN20Bへ送信する。このとき、移動機10Bの接続先情報送信部103Bは、通信接続の開始要求の信号に、識別情報及びAPN情報を含めてSGSN20Bへ送信する(ステップS301)。
【0106】
SGSN20Bの識別情報取得部211は、通信接続の開始要求を行った移動機10Bの接続要求の信号から、識別情報及びAPN情報を取得する(ステップS302)。そして、SGSN20Bの料金管理データ取得部212は、識別情報取得部211で取得された識別情報及びAPN情報に基づいて、料金管理データ記憶部213から残通信量を取得する(ステップS303)。
【0107】
SGSN20Bの通信接続部217Bは、移動機10Bを、GGSN30を介してネットワーク50に接続する(ステップS304)。ここでは、残通信量が残っていたものとする。なお、残通信量が残っていない場合、通信接続部217Bは移動機10Bの通信を規制する。
【0108】
移動機10Bが通信接続状態となると、SGSN20Bの通信量計測部214は、移動機10Bが通信を開始してからの通信量を計測する(ステップS305)。そして、SGSN20Bの残通信量算出部215は、移動機10Bが通信可能な残通信量を算出する(ステップS306)。
【0109】
SGSN20Bの通信可否判断部216は、残通信量算出部215によって算出された残通信量に基づいて、移動機10Bの通信の継続可否を判断する(ステップS307)。通信の継続が可能である場合(ステップS307:YES)、通信の継続が不可となるまで、通信量計測部214による通信量の計測、及び残通信量算出部215による残通信量の算出を行う。
【0110】
通信の継続が不可である場合(ステップS307:NO)、SGSN20Bの接続先情報抽出部201は、料金管理データ記憶部213から、移動機10Bに対応付けられ、且つ残通信量が残っているAPN情報を抽出する(ステップS308)。
【0111】
SGSN20Bの再接続情報通知部205Bは、接続先情報抽出部201で抽出されたAPN情報をGGSN30に通知する(ステップS309)。GGSN30は、SGSN20BからAPN情報を取得すると(ステップS310)、APN情報の取得が完了した旨をSGSN20Bに対して通知する(ステップS311)。
【0112】
SGSN20Bの再接続情報通知部205Bは、GGSN30から完了通知を取得すると、移動機10Bに対しても、接続先情報抽出部201で抽出されたAPN情報を通知する(ステップS312)。移動機10Bの通信接続部101Bは、SGSN20Bから通知されたAPN情報を取得すると(ステップS313)、通信接続の際に用いるAPN情報を、SGSN20Bから受信したAPN情報に更新し(ステップS314)、更新したAPN情報に基づいて通信接続を行う。
【0113】
そして、移動機10Bの通信接続部101Bは、SGSN20Bに対して、APN情報の更新が完了した旨をSGSN20Bに対して通知する(ステップS315)。SGSN20Bの再接続情報通知部205Bが、移動機10Bから通知された完了通知を取得すると、残通信量算出部215は、接続先情報抽出部201によって抽出されたAPN情報に対応付けられた残通信量と、通信量計測部214で計測された通信量とに基づいて、移動機10Bが通信可能な残通信量を算出する(ステップS316)。
【0114】
そして、再接続情報通知部205Bは、通信可否判断部216によって通信の継続が不可(ステップS307:NO)であるものとして判定された残通信量に対応付けられたAPN情報、即ち、旧APN情報を、料金管理データ記憶部213から削除する(ステップS317)。また、再接続情報通知部205Bは、GGSN30に対して、旧APN情報を削除する旨の通知を行う(ステップS318)。
【0115】
GGSN30は、SGSN20Bから旧APN情報を削除する旨の通知を取得すると、指示された旧APN情報を削除し(ステップS319)、削除の完了をSGSN20Bへ通知する(ステップS320)。GGSN30から送信された、削除の完了の通知は、SGSN20Bの再接続情報通知部205Bによって取得される(ステップS321)。これにより、残通信量が無くなったときに抽出された、残通信量が残っているAPN情報に基づいた通信接続処理が行われ、通信接続状態となる。
【0116】
本実施形態は以上のように構成され、移動機10Bの通信中に、残通信量に基づいて移動機10Bの通信継続が不可であるものとSGSN20Bの通信可否判断部216によって判断された場合、残通信量が残っているAPNのAPN情報をSGSN20Bの接続先情報抽出部201が抽出し、抽出したAPN情報に基づいて通信接続部217Bが移動機10Bの通信の制御を行う。このように、残通信量が無くなった場合には、セッションを切ることなく、残通信量が残っているAPN情報に基づいて通信の制御を行うことができるので、より利便性の高い通信接続を行うことができる。
【0117】
また、移動機10Bは、SGSN20Bから通知されたAPN情報に基づいて通信接続を行うことができる。
【0118】
移動機10Bは、残通信量がなくなったときに、通信接続が一瞬だけ切断された状態となるが、すぐに、残通信量が残っているAPN情報に基づいて通信接続が行われる。
【0119】
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。例えば、第一〜第三の実施形態において、接続先情報抽出部201,201Aは、料金管理データ記憶部213,213Aに記憶された料金管理データから、移動機10に対応付けられ、且つ残通信量が残っているAPN情報を抽出するものとしたが、サービス制御装置(残通信量記憶装置)40が記憶する料金管理データから直接抽出してもよい。
【0120】
また、移動機10,10Bをプリペイド式の移動機としたが、プリペイド式専用でなくてもよく、プリペイド式の通信を行うことができる移動機であればよい。
【0121】
上述した第一〜第三の実施形態は、主にGPRSによる通信システムを用いたものである。しかしながら、このような通信システムに限定するものではなく、パケットデータを通信することができる通信システムにおいては適宜適用可能であり、例えば、LTE(Long Term Evolution)などの新規な通信システムにおいても適用可能である。その際、GGSN30に相当するものは、P−GW(Packet Data Network Gateway)であり、SGSN20,20A,20Bに相当するものは、MME(Mobility Management Entity)若しくはS−GW(Serving Gateway)である。また、サービス制御装置40に相当するものは、HSS(加入者情報管理サーバ:Home Subscriber System)である。なお、サービス制御装置40としてPCRF(ポリシー制御装置:Policy and Charging Rule Function)を用いてもよい。
【符号の説明】
【0122】
1,1A,1B…通信システム、10,10A,10B…移動機、20,20A,20B…SGSN(通信制御装置)、101B…通信接続部(移動機側再接続手段)、102…優先順位記憶部(優先順位記憶手段)、103…接続先情報送信部(接続先情報送信手段)、104…接続先情報取得部(接続先情報取得手段)、105…接続先情報選択部(接続先情報選択手段)、201,201A…接続先情報抽出部(接続先情報抽出手段)、202…接続先情報通知手段)、203A…問い合わせ部(問い合わせ手段)、204A…接続結果通知部(接続結果通知手段)、205B…再接続情報通知部(再接続情報通知手段)、211,211A…識別情報取得部(識別情報取得手段)、212,212A…料金管理データ取得部(残通信量取得手段)、213,213A…料金管理データ記憶部(残通信量記憶装置)、214…通信量計測部(通信量計測手段)、215…残通信量算出部(残通信量算出手段)、216,216A…通信可否判断部(通信可否判断手段)、217A…通信接続部(通信接続手段)、217B…通信接続部(再接続情報通知手段)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動機の通信を制御する通信システム、この通信システムで用いられる通信制御装置及び移動機、移動機の通信を制御する通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、GPRS(General Packet Radio Service)を用いて移動機間でデータ通信を行う通信システムがある。このような通信システムにおいては、異なるネットワーク間を接続するGGSN(Gateway GPRS Support Node)や、GGSNの下位に配置された、複数のSGSN(Service GPRS Support Node)等が設けられており、移動機は、SGSN及びGGSNを介して接続先となるネットワークに接続している。また、予め通信の利用料金を支払い、支払った料金の範囲内で移動機の通信を可能とする、所謂、プリペイド式の移動機を用いた通信サービスがある。GPRSを用いた通信システムにプリペイド式の移動機を適用したものとして、例えば、特許文献1に記載されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−204323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、GPRSを用いた通信システムにおいて、プリペイド式の移動機の通信の制御を行う場合、移動機が通信網に接続する際のAPN(Access Point Name)毎に、移動機が通信可能な残通信量を管理することが考えられる。このAPN毎の残通信量の管理は、移動機以外の装置によって行われており、移動機のユーザ(移動機の加入者)がAPN毎の残通信量を知らないことがある。この場合、通信残量が残っているAPNがあるにもかかわらず、移動機のユーザがそのAPNを通じた通信を行うことができないなど、利便性に欠けるといった問題がある。
【0005】
そこで本発明は、より利便性の高い通信接続を行うことができる通信システム、通信制御装置、通信方法及び移動機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため本発明は、通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、接続先情報に基づいて移動機の通信を制御する通信制御装置と、接続先情報が示す接続先を通じて移動機が通信可能な残通信量を、移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報に対応付けて記憶する残通信量記憶装置とを含んで構成された通信システムであって、通信制御装置は、移動機から、識別情報及び接続先情報を取得する識別情報取得手段と、識別情報取得手段で取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、識別情報及び接続先情報に対応する移動機の残通信量を取得する残通信量取得手段と、移動機が通信を開始してからの通信量を計測する通信量計測手段と、残通信量取得手段で取得された残通信量と、通信量計測手段で計測された通信量とに基づいて、移動機が通信可能な残通信量を算出する残通信量算出手段と、残通信量算出手段によって算出された残通信量に基づいて、移動機の通信の継続可否を判断する通信可否判断手段と、通信可否判断手段によって移動機の通信の継続が不可であるものと判断された場合、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出手段と、接続先情報抽出手段で抽出された接続先情報を、移動機に通知する接続先情報通知手段とを備え、移動機は、接続先情報通知手段から通知された接続先情報を取得する接続先情報取得手段と、接続先情報取得手段によって取得された接続先情報を、通信網への通信接続の開始時に通信制御装置へ送信する接続先情報送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、接続先情報に基づいて移動機の通信を制御する通信制御装置であって、移動機から、移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報、及び接続先情報を取得する識別情報取得手段と、識別情報取得手段で取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、接続先情報が示す接続先を通じて移動機が通信可能な残通信量を取得する残通信量取得手段と、移動機が通信を開始してからの通信量を計測する通信量計測手段と、残通信量取得手段で取得された残通信量と、通信量計測手段で計測された通信量とに基づいて、移動機が通信可能な残通信量を算出する残通信量算出手段と、残通信量算出手段によって算出された残通信量に基づいて、移動機の通信の継続可否を判断する通信可否判断手段と、通信可否判断手段によって移動機の通信の継続が不可であるものと判断された場合、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出手段と、接続先情報抽出手段で抽出された接続先情報を、移動機に通知する接続先情報通知手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、接続先情報に基づいて移動機の通信を制御する通信制御装置と、接続先情報が示す接続先を通じて移動機が通信可能な残通信量を、移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報に対応付けて記憶する残通信量記憶装置とを含んで構成された通信システムで実行される通信方法であって、通信制御装置が、移動機から識別情報及び接続先情報を取得する識別情報取得ステップと、通信制御装置が、識別情報取得ステップで取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、識別情報及び接続先情報に対応する移動機の残通信量を取得する残通信量取得ステップと、通信制御装置が、移動機が通信を開始してからの通信量を計測する通信量計測ステップと、通信制御装置が、残通信量取得ステップで取得された残通信量と、通信量計測ステップで計測された通信量とに基づいて、移動機が通信可能な残通信量を算出する残通信量算出ステップと、通信制御装置が、残通信量算出ステップで算出された残通信量に基づいて、移動機の通信の継続可否を判断する通信可否判断ステップと、通信可否判断ステップにおいて移動機の通信の継続が不可であるものと判断された場合、通信制御装置が、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出ステップと、通信制御装置が、接続先情報抽出ステップで抽出された接続先情報を、移動機に通知する接続先情報通知ステップと、移動機が、接続先情報通知ステップにおいて通知された接続先情報を取得する接続先情報取得ステップと、移動機が、接続先情報取得ステップで取得された接続先情報を、通信網への通信接続の開始時に通信制御装置へ送信する接続先情報送信ステップと、を有することを特徴とする。
【0009】
これらの発明にあっては、移動機の通信中に、残通信量に基づいて移動機の通信継続が不可であるものと判断された場合、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出し、抽出した接続先情報を移動機に通知する。移動機は、残通信量が残っている接続先の情報を取得し、通信開始時に、残通信量が残っている接続先情報を通信制御装置へ送信して通信を行う。このように、移動機側において残通信量の残っている接続先情報を把握し、残通信量が残っている接続先情報に基づいて通信を行うことができるので、より利便性の高い通信接続を行うことができる。
【0010】
また、接続先情報抽出手段は、接続先情報を複数抽出し、接続先情報通知手段は、接続先情報抽出手段によって抽出された複数の接続先情報を、移動機に通知し、移動機は、接続先情報取得手段によって取得された複数の接続先情報の中から、所定条件を満たす接続先情報を選択する接続先情報選択手段を更に備え、接続先情報送信手段は、接続先情報選択手段によって選択された接続先情報を通信制御装置へ送信することが好ましい。この場合には、複数の接続先情報の中から所定条件を満たす接続先情報に基づいて通信を行うことができるので、より好適な接続先情報に基づいた通信接続を行うことができる。
【0011】
また、移動機は、複数の接続先情報と、各接続先情報が示す接続先へ接続する際の優先順位とを対応付けて記憶する優先順位記憶手段を更に備え、接続先情報選択手段は、優先順位記憶手段に記憶された優先順位に基づいて、接続先情報取得手段によって取得された複数の接続先情報の中で最も優先順位が高い接続先情報を選択することが好ましい。この場合には、予め接続先情報ごとに対応付けられた優先順位に基づいて、複数の接続先情報の中から容易に接続先情報を選択することができる。
【0012】
また、接続先情報通知手段は、接続先情報抽出手段によって抽出された複数の接続先情報に優先順位を付加して、移動機に通知し、接続先情報選択手段は、接続先情報に付加された優先順位に基づいて接続先情報を選択することが好ましい。この場合には、接続先情報選択手段は、接続先情報通知手段から通知された優先順に基づいて、接続先情報を選択することができる。
【0013】
また、接続先情報通知手段は、接続先情報抽出手段によって抽出された複数の接続先情報のぞれぞれに、各接続先情報に対応する残通信量を付加して、移動機に通知し、接続先情報選択手段は、接続先情報に付加された残通信量に基づいて接続先情報を選択することが好ましい。この場合には、接続先情報選択手段は、残通信量に基づいた接続先情報の選択が可能となる。
【0014】
また、接続先情報選択手段は、複数の接続先情報の中から接続先情報を選択する際に、移動機において通信を起動したアプリケーションプログラム又は移動機のユーザによって接続先情報を選択させることが好ましい。この場合には、通信を起動したアプリケーションプログラム又は移動機のユーザが接続先情報を選択することができるようになり、利便性が向上する。
【0015】
また、本発明は、通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、接続先情報に基づいて移動機の通信を制御する通信制御装置と、接続先情報が示す接続先を通じて移動機が通信可能な残通信量を、移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報に対応付けて記憶する残通信量記憶装置とを含んで構成された通信システムであって、通信制御装置は、通信接続の開始要求を行った移動機から、識別情報及び接続先情報を取得する識別情報取得手段と、識別情報取得手段で取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、識別情報及び接続先情報に対応する移動機の残通信量を取得する残通信量取得手段と、残通信量取得手段によって取得された残通信量に基づいて、移動機の通信接続の可否を判断する通信可否判断手段と、通信可否判断手段によって移動機の通信接続が不可であるものと判断された場合、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出手段と、接続先情報抽出手段で抽出された接続先情報に基づいて、移動機の通信接続を行う通信接続手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、接続先情報に基づいて移動機の通信を制御する通信制御装置であって、通信接続の開始要求を行った移動機から、移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報及び接続先情報を取得する識別情報取得手段と、識別情報取得手段で取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、接続先情報が示す接続先を通じて移動機が通信可能な残通信量を取得する残通信量取得手段と、残通信量取得手段によって取得された残通信量に基づいて、移動機の通信接続の可否を判断する通信可否判断手段と、通信可否判断手段によって移動機の通信接続が不可であるものと判断された場合、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出手段と、接続先情報抽出手段で抽出された接続先情報に基づいて、移動機の通信接続を行う通信接続手段と、を備えることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、接続先情報に基づいて移動機の通信を制御する通信制御装置と、接続先情報が示す接続先を通じて移動機が通信可能な残通信量を、移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報に対応付けて記憶する残通信量記憶装置とを含んで構成された通信システムで実行される通信方法であって、通信制御装置が、通信接続の開始要求を行った移動機から、識別情報及び接続先情報を取得する識別情報取得ステップと、通信制御装置が、識別情報取得ステップで取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、識別情報及び接続先情報に対応する移動機の残通信量を取得する残通信量取得ステップと、通信制御装置が、残通信量取得ステップで取得された残通信量に基づいて、移動機の通信接続の可否を判断する通信可否判断ステップと、通信可否判断ステップにおいて移動機の通信接続が不可であるものと判断された場合、通信制御装置が、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出ステップと、通信制御装置が、接続先情報抽出ステップで抽出された接続先情報に基づいて、移動機の通信接続を行う通信接続ステップと、を有することを特徴とする。
【0018】
これらの発明にあっては、移動機の通信開始時に、残通信量に基づいて移動機の通信継続が不可であるものと判断された場合、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出し、抽出した接続先情報に基づいて移動機の通信接続を行う。これにより、残通信量がない場合には、残通信量が残っている接続先情報に基づいて移動機の通信の接続が行われるため、移動機のユーザが残通信量が残っている接続先情報に基づいた通信接続に切り替える操作が不要となり、より利便性の高い通信接続を行うことができる。
【0019】
また、通信制御装置は、接続先情報抽出手段で抽出された接続先情報が示す接続先へ接続してよいか否かを移動機のユーザに問い合わせる問い合わせ手段を更に備え、通信接続手段は、問い合わせ手段による問い合わせ結果に基づいて、問い合わせを行った接続先へ移動機を接続することが好ましい。この場合には、問い合わせ結果に基づいて通信接続を行うことにより、ユーザの意思を反映した通信接続を行うことができる。
【0020】
また、通信制御装置は、通信接続手段によって移動機が接続された接続先を示す接続先情報を、移動機に通知する接続結果通知手段を更に備えることが好ましい。この場合には、移動機が接続された接続先情報が移動機に通知されるため、移動機のユーザは接続先を知ることができる。
【0021】
また、本発明は、通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、接続先情報に基づいて移動機の通信を制御する通信制御装置と、接続先情報が示す接続先を通じて移動機が通信可能な残通信量を、移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報に対応付けて記憶する残通信量記憶装置とを含んで構成された通信システムであって、通信制御装置は、移動機から、識別情報及び接続先情報を取得する識別情報取得手段と、識別情報取得手段で取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、識別情報及び接続先情報に対応する移動機の残通信量を取得する残通信量取得手段と、移動機が通信を開始してからの通信量を計測する通信量計測手段と、残通信量取得手段で取得された残通信量と、通信量計測手段で計測された通信量とに基づいて、移動機が通信可能な残通信量を算出する残通信量算出手段と、残通信量算出手段によって算出された残通信量に基づいて、移動機の通信の継続可否を判断する通信可否判断手段と、通信可否判断手段によって移動機の通信の継続が不可であるものと判断された場合、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出手段と、接続先情報抽出手段で抽出された接続先情報に基づいて、移動機の通信の制御を行う通信制御装置側再接続手段と、を備えることを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、接続先情報に基づいて移動機の通信を制御する通信制御装置であって、移動機から、移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報、及び接続先情報を取得する識別情報取得手段と、識別情報取得手段で取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、接続先情報が示す接続先を通じて移動機が通信可能な残通信量を取得する残通信量取得手段と、移動機が通信を開始してからの通信量を計測する通信量計測手段と、残通信量取得手段で取得された残通信量と、通信量計測手段で計測された通信量とに基づいて、移動機が通信可能な残通信量を算出する残通信量算出手段と、残通信量算出手段によって算出された残通信量に基づいて、移動機の通信の継続可否を判断する通信可否判断手段と、通信可否判断手段によって移動機の通信の継続が不可であるものと判断された場合、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出手段と、接続先情報抽出手段で抽出された接続先情報に基づいて、移動機の通信の制御を行う通信制御装置側再接続手段と、を備えることを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、接続先情報に基づいて移動機の通信を制御する通信制御装置と、接続先情報が示す接続先を通じて移動機が通信可能な残通信量を、移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報に対応付けて記憶する残通信量記憶装置とを含んで構成された通信システムで実行される通信方法であって、通信制御装置が、移動機から識別情報及び接続先情報を取得する識別情報取得ステップと、通信制御装置が、識別情報取得ステップで取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、識別情報及び接続先情報に対応する移動機の残通信量を取得する残通信量取得ステップと、通信制御装置が、移動機が通信を開始してからの通信量を計測する通信量計測ステップと、通信制御装置が、残通信量取得ステップで取得された残通信量と、通信量計測ステップで計測された通信量とに基づいて、移動機が通信可能な残通信量を算出する残通信量算出ステップと、通信制御装置が、残通信量算出ステップで算出された残通信量に基づいて、移動機の通信の継続可否を判断する通信可否判断ステップと、通信可否判断ステップで移動機の通信の継続が不可であるものと判断された場合、通信制御装置が、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出ステップと、通信制御装置が、接続先情報抽出ステップで抽出された接続先情報に基づいて、移動機の通信の制御を行う通信制御装置側再接続ステップと、を有することを特徴とする。
【0024】
これらの発明にあっては、移動機の通信中に、残通信量に基づいて移動機の通信継続が不可であるものと判断された場合、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出し、抽出した接続先情報に基づいて移動機の通信の制御を行う。このように、残通信量が無くなった場合には、残通信量が残っている接続先情報に基づいて通信の制御を行うことができるので、より利便性の高い通信接続を行うことができる。
【0025】
また、通信制御装置は、接続先情報抽出手段で抽出された接続先情報を移動機に通知する再接続情報通知手段を更に備え、移動機は、再接続情報通知手段から通知された接続先情報に基づいて通信接続を行う移動機側再接続手段を更に備えることが好ましい。この場合、移動機は、通信制御装置から通知された接続先情報に基づいて通信接続を行うことができる。
【0026】
また、本発明に係る移動機として、上述の通信システムで用いられる移動機とすることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、より利便性の高い通信接続を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第一〜第三の実施形態に係る通信システムの概略構成図である。
【図2】料金管理データの具体例を示す図である。
【図3】第一の実施形態に係るSGSNの詳細構成を示す図である。
【図4】第一の実施形態に係るSGSNのハードウェア構成を示す図である。
【図5】第一の実施形態に係る移動機の詳細構成を示す図である。
【図6】第一の実施形態に係る移動機及びSGSNで行われる処理の流れを示すシーケンス図である。
【図7】第二の実施形態に係るSGSNの詳細構成を示す図である。
【図8】第二の実施形態に係るSGSNで行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】第三の実施形態に係るSGSNの詳細構成を示す図である。
【図10】第三の実施形態に係る移動機の詳細構成を示す図である。
【図11】第三の実施形態に係る移動機、SGSN及びGGSNで行われる処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る通信システム、通信制御装置、通信方法及び移動機を適用した通信システムの好適な一実施形態について説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0030】
[第一の実施形態]
図1は、第一の実施形態に係る通信システムの概略構成図である。図1に示すように、通信システム1は、GPRSを用いた通信システムであり、プリペイド式の移動機10、SGSN(通信制御装置)20、GGSN30、サービス制御装置40、及びネットワーク50を含んで構成される。
【0031】
移動機10は、移動可能な通信端末であり、SGSN20及びGGSN30を介して、通信先となるネットワーク50との通信を行う。また、移動機10は、プリペイド式の通信端末であり、予め支払った料金の範囲内でパケット通信を行うものである。また、移動機10は、通信の開始時に、SGSN20に対して、移動機10を利用する加入者の識別情報(具体的には、SIMカードの識別情報)と、通信網に接続する際のAPN(接続先)を識別可能なAPN情報(接続先情報)とを送信する。移動機10における処理の詳細について、詳しくは後述する。
【0032】
SGSN20は、自身が管理する所定エリア内に在圏する移動機10と無線通信を行い、移動機10とGGSN30とを接続するものである。SGSN20は、通常、通信エリア内に複数存在している。またSGSN20は、サービス制御装置40から取得した料金管理データに基づいて、移動機10の通信の制御を行う。SGSN20における料金管理データに基づいた通信制御について、詳しくは後述する。
【0033】
GGSN30は、インターネット等の他のデータ通信網とのゲートウェイ機能を有するノードである。GGSN30は、通常、通信網内に複数存在している。
【0034】
サービス制御装置40は、移動機10に対してプリペイド式の通信接続サービスを提供するための料金管理データを記憶する。この料金管理データは、具体的には、移動機10を利用する加入者の識別情報と、移動機10を通信網に接続する際のAPNを識別可能なAPN情報と、当該APNを通じて通信接続可能な残通信量とが対応付けられている。ここで、図2に、料金管理データの具体例を示す。図2に示すように、料金管理データは、一の加入者識別情報に対して、複数のAPN情報及び残通信量が対応付けられている。例えば、識別情報「A001」の加入者に対しては、APN情報「APN_#1,APN_#2,APN_#3」と残通信量「10,0,20」とがそれぞれ対応付けられている。
【0035】
また、サービス制御装置40は、SGSN20から受信した残通信量に基づいて料金管理データを更新したり、移動機10のユーザから料金の支払いがあった等の場合に料金管理データの更新を行ったりする。なお、サービス制御装置40としては、HLR(Home Location Register)を用いることができる。
【0036】
次に、SGSN20の詳細について説明する。図3は、図1に示すSGSNの詳細構成図である。図3に示すようにSGSN20は、通信制御部200、接続先情報抽出部(接続先情報抽出手段)201、及び接続先情報通知部(接続先情報通知手段)202を含んで構成される。また、通信制御部200は、識別情報取得部(識別情報取得手段)211、料金管理データ取得部(残通信量取得手段)212、料金管理データ記憶部(残通信量記憶装置)213、通信量計測部(通信量計測手段)214、残通信量算出部(残通信量算出手段)215、通信可否判断部(通信可否判断手段)216及び通信接続部217を含んで構成される。
【0037】
識別情報取得部211は、通信接続の開始要求を行った移動機10の接続要求の信号から、移動機10の加入者の識別情報、及び通信接続の際に使用するAPNのAPN情報を取得する。
【0038】
料金管理データ取得部212は、移動機10が位置登録を行ったときに、サービス制御装置40が記憶する料金管理データの中から、移動機10の加入者の識別情報に対応付けられたAPN情報と、当該APN情報に対応付けられた残通信量とを取得する。また、料金管理データ取得部212は、所謂、ハンドオーバー時に、移動機10の移動元の所定エリアの通信を管理するSGSNから、移動機10の加入者の識別情報に対応付けられたAPN情報と、当該APN情報に対応付けられた残通信量とを取得する。取得されたこれらの情報は、移動機10の加入者の識別情報と、APN情報と、残通信量とを対応付けて料金管理データ記憶部213が記憶する。
【0039】
また、料金管理データ取得部212は、移動機10が通信接続の開始要求を行ったときに、料金管理データ記憶部213から、識別情報取得部211で取得された識別情報及びAPN情報に基づいて、識別情報及びAPN情報に対応する移動機10の残通信量を取得する。
【0040】
通信量計測部214は、移動機10が通信を開始してからの通信量を計測する。
【0041】
残通信量算出部215は、移動機10が通信接続の開始要求を行ったときに料金管理データ取得部212で取得された残通信量と、通信量計測部214で計測された通信量とに基づいて、移動機10が通信可能な残通信量を算出する。この残通信量は、通信可能な残通信時間、又は残データ量として表すことができる。
【0042】
通信可否判断部216は、残通信量算出部215によって算出された残通信量に基づいて、移動機10の通信の継続可否を判断する。具体的には、残通信量算出部215によって算出された残通信量が0になった場合(所定値以下になった場合でもよい)に、移動機10の通信の継続が不可であるものとして判断する。
【0043】
通信接続部217は、移動機10の通信接続を行うものであり、通信可否判断部216によって通信継続が可能であるものと判断された場合、通信接続を継続する。一方、通信接続部217は、通信可否判断部216によって通信の継続が不可であるものと判断された場合、通信を切断する。
【0044】
接続先情報抽出部201は、通信可否判断部216によって通信継続が不可であるものと判断された場合、料金管理データ記憶部213から、移動機10に対応付けられ、且つ残通信量が残っているAPN情報を抽出する。なお、接続先情報抽出部201は、残通信量が残っているAPN情報が複数ある場合、複数のAPN情報を全て抽出することができる。
【0045】
接続先情報通知部202は、接続先情報抽出部201で抽出されたAPN情報を、移動機10に通知する。この通知と共に、接続先情報通知部202は、通信の切断信号を移動機10に通知する。この通知方法として、例えば、切断信号(Deactivation信号)にAPN情報を含めて通知することができる。また、予め移動機10とSGSN20Aとの間で、移動機10のユーザの契約情報を問い合わせるためのUSSD(Unstructured Supplementary Service Data)コードとAPN情報とを対応付けたデータを共有しておき、接続結果通知部204Aが、移動機10に変更後のAPN情報に対応するUSSDコードを送信することによって行うこともできる。この場合、接続先情報通知部202は、切断信号とUSSDコードとを移動機10に通知する。また、USSDコード以外にも、テキストメッセージ(SMS)を送信することもできる。また、接続先情報通知部202は、APN情報を移動機10に通知する際に、APN情報に優先順位を付加することもできる。この優先順位は、予め、APN情報毎に順位が対応付けられたリストとして保持していてもよく、他の記憶装置等から取得してもよい。また、接続先情報通知部202は、APN情報を移動機10に通知する際に、当該APN情報に対応付けられた残通信量も、移動機10へ通知することもできる。
【0046】
続いて、SGSN20のハードウェア構成を示す。図4は、SGSNのハードウェア構成を示す図である。図4に示すように、SGSN20は、CPU(Central Processing Unit)251、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)252及びROM(Read Only Memory)253、通信を行うための通信モジュール254、並びにハードディスク等の補助記憶装置255等のハードウェアを備えるコンピュータとして構成される。これらの構成要素が動作することにより、上記のSGSN20の各機能が発揮される。
【0047】
次に、移動機10の詳細について説明する。図5は、図1に示す移動機の詳細構成図である。図5に示すように移動機10は、通信接続部101、優先順位記憶部(優先順位記憶手段)102、接続先情報送信部(接続先情報送信手段)103、接続先情報取得部(接続先情報取得手段)104及び接続先情報選択部(接続先情報選択手段)105を含んで構成される。
【0048】
通信接続部101は、ネットワーク50と移動機10との間で行われるパケット通信を制御するものである。
【0049】
優先順位記憶部102は、複数のAPN情報と、各APN情報が示すAPNへ接続する際の優先順位とを対応付けて記憶する。この優先順位は、例えば、予め移動機10の加入者によって設定されていたり、所定条件に従って設定されていたりする。
【0050】
接続先情報送信部103は、通信の開始時に、通信を行う際に接続するAPNのAPN情報と、移動機10の加入者の識別情報とをSGSN20へ送信する。ここで送信されるAPN情報は、例えば、予め移動機10の加入者によって設定され、接続先情報送信部103が保持しているもの等がある。また、接続先情報送信部103は、接続先情報選択部105(詳しくは後述する)によってAPN情報が選択された場合には、選択されたAPN情報を保持し、次回、通信を行う際に、接続先情報選択部105によって選択されたAPN情報と、識別情報とをSGSN20へ送信する。
【0051】
接続先情報取得部104は、SGSN20の接続先情報通知部202から通知されたAPN情報を取得する。接続先情報通知部202から複数のAPN情報が通知された場合、接続先情報取得部104は通知された複数のAPN情報を取得する。
【0052】
接続先情報選択部105は、接続先情報取得部104によって取得されたAPN情報の中から、所定条件を満たすAPN情報を選択する。具体的には接続先情報選択部105は、優先順位記憶部102に記憶された優先順位に基づいて、接続先情報取得部104によって取得された複数のAPN情報の中で最も優先順位が高いAPN情報を選択する。また、接続先情報選択部105は、SGSN20の接続先情報通知部202によってAPN情報に優先順位が付加されている場合には、この優先順位についても考慮して、APN情報を選択することができる。また、接続先情報選択部105は、APN情報に残通信量が付加されている場合には、この残通信量についても考慮して、APN情報を選択したり、残通信量を表示画面等に表示したりすることもできる。なお、接続先情報選択部105がAPN情報を選択するのではなく、接続先情報選択部105が、移動機10の通信を起動したアプリケーションプログラムや、移動機10のユーザにAPN情報を選択させるようにしてもよい。例えば、アプリケーションプログラムは、移動機10の通信先に応じてAPN情報を選択したり、APN情報に付加された残通信量に基づいてAPN情報を選択したりすることができる。アプリケーションプログラムや移動機のユーザによってAPN情報が選択可能となることにより、APN情報を選択する際の利便性が向上する。
【0053】
続いて、移動機10のハードウェア構成を示す。移動機10は、図4に示すSGSN20のハードウェア構成と同様に、CPU、主記憶装置であるRAM及びROM、通信を行うための通信モジュール、並びにハードディスク等の補助記憶装置等のハードウェアを備えるコンピュータとして構成される。これらの構成要素が動作することにより、上記の移動機10の各機能が発揮される。
【0054】
次に、通信中に残通信量が無くなった場合に移動機10及びSGSN20で行われる処理の流れについて説明する。図6は、移動機及びSGSNで行われる処理の流れを示すシーケンス図である。移動機10は、通信接続の開始時に、通信接続の開始要求の信号をSGSN20へ送信する。このとき、移動機10の接続先情報送信部103は、通信接続の開始要求の信号に、識別情報及びAPN情報を含めてSGSN20へ送信する(ステップS101)。
【0055】
SGSN20の識別情報取得部211は、通信接続の開始要求を行った移動機10の接続要求の信号から、識別情報及びAPN情報を取得する(ステップS102)。そして、SGSN20の料金管理データ取得部212は、識別情報取得部211で取得された識別情報及びAPN情報に基づいて、料金管理データ記憶部213から残通信量を取得する(ステップS103)。
【0056】
SGSN20の通信接続部217は、移動機10をネットワーク50に接続する(ステップS104)。ここでは、残通信量が残っていたものとする。なお、残通信量が残っていない場合、通信接続部217は移動機10の通信を規制する。
【0057】
移動機10が通信接続状態となると、SGSN20の通信量計測部214は、移動機10が通信を開始してからの通信量を計測する(ステップS105)。そして、SGSN20の残通信量算出部215は、移動機10が通信可能な残通信量を算出する(ステップS106)。
【0058】
SGSN20の通信可否判断部216は、残通信量算出部215によって算出された残通信量に基づいて、移動機10の通信の継続可否を判断する(ステップS107)。通信の継続が可能である場合(ステップS107:YES)、通信の継続が不可となるまで、通信量計測部214による通信量の計測、及び残通信量算出部215による残通信量の算出を行う。
【0059】
通信の継続が不可である場合(ステップS107:NO)、SGSN20の接続先情報抽出部201は、料金管理データ記憶部213から、移動機10に対応付けられ、且つ残通信量が残っているAPN情報を抽出する(ステップS108)。
【0060】
SGSN20の接続先情報通知部202は、通信可否判断部216で抽出されたAPN情報と、切断信号とを移動機10に通知する(ステップS109)。移動機10の接続先情報取得部104は、SGSN20の接続先情報通知部202から通知されたAPN情報と、切断信号とを取得する(ステップS110)。これにより、移動機10とSGSN20との間の通信が切断される(ステップS111)。
【0061】
そして、移動機10の接続先情報選択部105は、接続先情報取得部104によって取得されたAPN情報の中から、優先順位の高いAPN情報を選択する(ステップS112)。移動機10の接続先情報送信部103は、接続先情報選択部105によって選択されたAPN情報を保持し、次回、通信を行う際に、接続先情報選択部105によって選択されたAPN情報をSGSN20へ送信する(ステップS113)。これ以降の処理は、上述のステップS102以降の処理と同じである。
【0062】
本実施形態は以上のように構成され、移動機10の通信中に、残通信量に基づいて移動機10の通信継続が不可であるものとしてSGSN20の通信可否判断部216によって判断された場合、残通信量が残っているAPNのAPN情報を接続先情報抽出部201が抽出し、抽出したAPN情報を移動機に通知する。移動機10の接続先情報取得部104は、残通信量が残っているAPN情報を取得する。そして、次回の通信開始時に、残通信量が残っているAPN情報をSGSN20へ送信して通信を行う。このように、移動機10側において残通信量の残っているAPN情報を把握し、残通信量が残っているAPN情報に基づいて通信を行うことができるので、より利便性の高い通信接続を行うことができる。
【0063】
また、移動機10が、複数のAPN情報の中から所定条件を満たすAPN情報に基づいて通信を行うことができるので、より好適なAPN情報に基づいた通信接続を行うことができる。
【0064】
また、移動機10の接続先情報選択部105は、予めAPN情報毎に対応付けられた優先順位に基づいて、複数のAPN情報の中から容易にAPN情報を選択することができる。
【0065】
なお、本実施形態において、例えば、移動機10がAPN情報に対応付けられた優先順位の情報を有していない場合、残通信量が無くなったときに、SGSN20側でAPN情報に優先順位を設定して、APN情報と共に優先順位についての情報も移動機10に通知してもよい。また、SGSN20側において、移動機10が利用可能なAPN情報を選択し、選択したAPN情報を移動機10に通知してもよい。
【0066】
[第二の実施形態]
第二の実施形態に係る通信システムの概略構成図は、図1に示す第一の実施形態に係る通信システムと同様である。図1に示すように、本実施形態に係る通信システム1Aは、GPRSを用いた通信システムであり、プリペイド式の移動機10、SGSN(通信制御装置)20A、GGSN30、サービス制御装置40、及びネットワーク50を含んで構成される。
【0067】
移動機10は、移動可能な通信端末であり、SGSN20A及びGGSN30を介して、通信先となるネットワーク50との通信を行う。また、移動機10は、プリペイド式の通信端末であり、予め支払った料金の範囲内でパケット通信を行うものである。また、移動機10は、通信の開始時に、SGSN20Aに対して、移動機10を利用する加入者の識別情報と、通信網に接続する際のAPN(接続先)を識別可能なAPN情報(接続先情報)とを送信する。
【0068】
SGSN20Aは、自身が管理する所定エリア内に在圏する移動機10と無線通信を行い、移動機10とGGSN30とを接続するものである。SGSN20Aは、通常、通信エリア内に複数存在している。またSGSN20Aは、サービス制御装置40から取得した料金管理データに基づいて、移動機10の通信の制御を行う。SGSN20Aにおける料金管理データに基づいた通信接続の開始処理について、詳しくは後述する。
【0069】
GGSN30及びサービス制御装置40は、第一の実施形態のGGSN30及びサービス制御装置40と同様の構成である。
【0070】
次に、SGSN20Aの詳細について説明する。図7は、第二の実施形態に係るSGSNの詳細構成図である。SGSN20Aは、通信制御部200A、接続先情報抽出部(接続先情報抽出手段)201A、問い合わせ部(問い合わせ手段)203A及び接続結果通知部(接続結果通知手段)204Aを含んで構成される。また、通信制御部200Aは、識別情報取得部(識別情報取得手段)211A、料金管理データ取得部(残通信量取得手段)212A、料金管理データ記憶部(残通信量記憶装置)213A、通信可否判断部(通信可否判断手段)216A及び通信接続部(通信接続手段)217Aを含んで構成される。
【0071】
識別情報取得部211Aは、通信接続の開始要求を行った移動機10の接続要求の信号から、移動機10の加入者の識別情報、及び通信接続の際に使用するAPN情報を取得する。
【0072】
料金管理データ取得部212Aは、移動機10が位置登録を行ったときに、サービス制御装置40が記憶する料金管理データから、移動機10の加入者の識別情報に対応付けられたAPN情報と、当該APN情報に対応付けられた残通信量とを取得する。また、料金管理データ取得部212Aは、所謂、ハンドオーバー時に、移動機10の移動元の所定エリアの通信を管理するSGSNから、移動機10の加入者の識別情報に対応付けられたAPN情報と、当該APN情報に対応付けられた残通信量とを取得する。取得されたこれらの情報は、移動機10の加入者の識別情報と、APN情報と、残通信量とを対応付けて料金管理データ記憶部213Aが記憶する。
【0073】
また、料金管理データ取得部212Aは、移動機10が通信接続の開始要求を行ったときに、料金管理データ記憶部213Aから、識別情報取得部211Aで取得された識別情報及びAPN情報に基づいて、識別情報及びAPN情報に対応する移動機10の残通信量を取得する。
【0074】
通信可否判断部216Aは、移動機10が通信接続の開始要求を行ったときに料金管理データ取得部212Aによって取得された残通信量に基づいて、移動機10の通信接続の可否を判断する。具体的には、通信可否判断部216Aは、残通信量が0の場合(所定値以下の場合であってもよい)に、通信接続が不可であるものとして判断する。
【0075】
通信接続部217Aは、通信可否判断部216Aによって通信接続が可能であるものと判断された場合、通信接続開始時に料金管理データ取得部212Aで抽出されたAPN情報に基づいて、移動機10の通信接続を行う。また、通信接続部217Aは、問い合わせ部203A(詳しくは後述する)による問い合わせ結果が、問い合わせを行ったAPNへ接続することを承諾する旨の内容であった場合に、問い合わせを行ったAPNへ接続する処理を行う。
【0076】
接続先情報抽出部201Aは、通信接続の開始時に通信可否判断部216Aによって通信接続が不可であるものと判断された場合、料金管理データ記憶部213Aから、移動機10に対応付けられ、且つ残通信量が残っているAPN情報を抽出する。なお、接続先情報抽出部201Aは、残通信量が残っているAPN情報が複数ある場合、例えば、予め保有する、APN毎に定められた優先度のデータに基づいて、優先度の最も高いAPN情報を抽出することができる。
【0077】
問い合わせ部203Aは、接続先情報抽出部201Aで抽出されたAPN情報が示すAPNへ接続してよいか否かを移動機10のユーザに問い合わせる。
【0078】
接続結果通知部204Aは、通信接続部217Aによって移動機10が接続されたAPNのAPN情報を、移動機10に通知する。この通知方法としては、予め移動機10とSGSN20Aとの間でUSSDコードとAPN情報とを対応付けたデータを共有しておき、接続結果通知部204Aが、移動機10に変更後のAPN情報に対応するUSSDコードを送信することによって行うことができる。また、テキストメッセージ(SMS)を送信することによって行うこともできる。
【0079】
なお、SGSN20Aは、第一の実施形態のSGSN20と同様に、CPU、主記憶装置であるRAM及びROM、通信を行うための通信モジュール、並びにハードディスク等の補助記憶装置等のハードウェアを備えるコンピュータとして構成される。これらの構成要素が動作することにより、上記のSGSN20Aの各機能が発揮される。
【0080】
次に、SGSN20Aにおいて行われる、移動機10の残通信量に基づいた通信接続の開始処理の流れについて説明する。図8は、SGSNで行われる通信接続の開始処理の流れを示すフローチャートである。移動機10から通信接続の要求があると、通信制御部200Aは通信接続処理を開始する(ステップS201)。
【0081】
そして、識別情報取得部211Aは、移動機10が送信した接続要求の信号から、移動機10の加入者の識別情報及びAPN情報を取得する(ステップS202)。
【0082】
料金管理データ取得部212Aは、識別情報取得部211Aで取得された識別情報及びAPN情報に対応付けられた残通信量を、料金管理データ記憶部213Aから取得する(ステップS203)。そして、通信可否判断部216Aは、料金管理データ取得部212Aによって取得された残通信量に残りがあるか否かを判断する(ステップS204)。残通信量が残っていない場合(ステップS204:NO)、接続先情報抽出部201Aは、残通信量が残っている他のAPN情報が、料金管理データ記憶部213Aに記憶されているか否かを判断する(ステップS205)。
【0083】
残通信量を含むAPN情報が、料金管理データ記憶部213Aに記憶されている場合(ステップS205:YES)、接続先情報抽出部201Aは、当該APN情報を料金管理データ記憶部213Aから抽出する(ステップS206)。
【0084】
問い合わせ部203Aは、移動機10を通信網に接続する際に接続するAPNを、接続先情報抽出部201Aで抽出されたAPN情報が示すAPNに、変更しても良いか否かの問い合わせを移動機10のユーザに対して行う(ステップS207)。そして、問い合わせ部203Aは、問い合わせに対する移動機10のユーザからの回答が、APNの変更を承諾するものであるか否かの判断を行う(ステップS208)
【0085】
問い合わせに対する回答が、APNの変更を承諾するものである場合(ステップS208:YES)、通信接続部217Aは、承諾されたAPNを示すAPN情報を、通信の接続要求の信号に含めてGGSN30に送信する(ステップS209)。接続結果通知部204Aは、接続するAPNを変更した旨を移動機10に通知する(ステップS210)。これにより、移動機10とネットワーク50との間での通信のセッションが確立し、SGSN20Aにおける通信接続の開始処理が終了する。
【0086】
また、通信の接続要求の信号から取得した識別情報及びAPN情報に基づいて取得した残通信量に残りがある場合(ステップS204:YES)、通信接続部217Aは、接続要求の信号から取得されたAPN情報を、通信の接続要求の信号に含めてGGSN30に送信する(ステップS211)。これにより、移動機10とネットワーク50との間での通信のセッションが確立し、SGSN20Aにおける通信接続の開始処理が終了する。
【0087】
また、残通信量が残っているAPN情報が、料金管理データ記憶部213Aに記憶されていない場合(ステップS205:NO)、及びAPNの変更可否の問い合わせに対する回答が、APNの変更を承諾しないものである場合(ステップS208:NO)、SGSN20Aは、移動機10の通信を規制する(ステップS212)。
【0088】
本実施形態は以上のように構成され、移動機10の通信開始時に、残通信量に基づいて移動機10の通信継続が不可であるものとしてSGSN20Aの通信可否判断部216Aによって判断された場合、残通信量が残っているAPNのAPN情報を接続先情報抽出部201Aが抽出し、抽出したAPN情報に基づいて移動機10の通信接続を行う。これにより、残通信量がない場合には、残通信量が残っているAPN情報に基づいて移動機10の通信の接続が行われるため、移動機10のユーザが残通信量が残っているAPN情報に基づいた通信接続に切り替える操作が不要となり、より利便性の高い通信接続を行うことができる。
【0089】
また、問い合わせ部203Aによる問い合わせ結果に基づいて通信接続を行うことにより、ユーザの意思を反映した通信接続を行うことができる。
【0090】
また、移動機10が接続されたAPNのAPN情報が移動機に通知されるため、移動機10のユーザは接続先のAPNを知ることができる。
【0091】
なお、第二の実施形態では、通信の接続開始時に取得した残通信量が0の場合に、残通信量に残りがないものとして判断したが、所定の残通信量以下の場合に、残通信量に残りがないものとして判断することもできる。この場合には、接続先情報抽出部201Aによって残通信量が残っているAPN情報が抽出され、当該APN情報への切り替えを移動機10のユーザに提示したにもかかわらず、切り替えを拒否されると、残通信量が所定量以下のAPN情報に基づいて、残通信量がなくなるまでの所定の時間だけ通信接続が行われる。
【0092】
[第三の実施形態]
第三の実施形態に係る通信システムの概略構成図は、図1に示す第一の実施形態に係る通信システムと同様である。図1に示すように、本実施形態に係る通信システム1Bは、GPRSを用いた通信システムであり、プリペイド式の移動機10B、SGSN(通信制御装置)20B、GGSN30、サービス制御装置40、及びネットワーク50を含んで構成される。
【0093】
移動機10Bは、移動可能な通信端末であり、SGSN20B及びGGSN30を介して、通信先となるネットワーク50との通信を行う。また、移動機10Bは、プリペイド式の通信端末であり、予め支払った料金の範囲内でパケット通信を行うものである。また、移動機10Bは、通信の開始時に、SGSN20Bに対して、移動機10Bを利用する加入者の識別情報と、通信網に接続する際のAPN(接続先)を識別可能なAPN情報(接続先情報)とを送信する。移動機10Bにおける処理の詳細について、詳しくは後述する。
【0094】
SGSN20Bは、自身が管理する所定エリア内に在圏する移動機10Bと無線通信を行い、移動機10BとGGSN30とを接続するものである。SGSN20Bは、通常、通信エリア内に複数存在している。またSGSN20Bは、サービス制御装置40から取得した料金管理データに基づいて、移動機10Bの通信の制御を行う。SGSN20Bにおける料金管理データに基づいた通信制御について、詳しくは後述する。
【0095】
GGSN30及びサービス制御装置40は、第一の実施形態のGGSN30及びサービス制御装置40と同様の構成である。
【0096】
次に、SGSN20Bの詳細について説明する。図9は、第三の実施形態に係るSGSNの詳細構成図である。図9に示すようにSGSN20Bは、通信制御部200B、接続先情報抽出部(接続先情報抽出手段)201、及び再接続情報通知部(再接続情報通知手段)205Bを含んで構成される。また、通信制御部200Bは、識別情報取得部(識別情報取得手段)211、料金管理データ取得部(残通信量取得手段)212、料金管理データ記憶部(残通信量記憶装置)213、通信量計測部(通信量計測手段)214、残通信量算出部(残通信量算出手段)215、通信可否判断部(通信可否判断手段)216及び通信接続部(通信制御装置側再接続手段)217Bを含んで構成される。
【0097】
なお、識別情報取得部211、料金管理データ取得部212、料金管理データ記憶部213、通信量計測部214、残通信量算出部215、通信可否判断部216は、第一の実施形態の通信制御部200内の各構成要素と同様の構成である。
【0098】
再接続情報通知部205Bは、接続先情報抽出部201で抽出されたAPN情報をGGSN30及び移動機10Bに通知する。なお、この通知は、具体的には、APN情報を含んだPDPデータを送信することによって行うことができる。PDPデータには、APN情報の他に、例えば、Qos情報やPDPのType情報(IP or PPP)等が含まれている。
【0099】
通信接続部217Bは、移動機10Bの通信接続を行うものであり、通信可否判断部216によって通信継続が可能であるものと判断された場合、通信接続を継続する。一方、通信接続部217Bは、通信可否判断部216によって通信の継続が不可であるものと判断された場合、通信を切断する。また、通信接続部217Bは、接続先情報抽出部201で抽出されたAPN情報に基づいて、移動機10Bの通信の制御を行う。
【0100】
なお、SGSN20Bは、第一の実施形態のSGSN20と同様に、CPU、主記憶装置であるRAM及びROM、通信を行うための通信モジュール、並びにハードディスク等の補助記憶装置等のハードウェアを備えるコンピュータとして構成される。これらの構成要素が動作することにより、上記のSGSN20Bの各機能が発揮される。
【0101】
次に、移動機10Bの詳細について説明する。図10は、第3の実施形態に係る移動機の詳細構成図である。図10に示すように移動機10Bは、通信接続部(移動機側再接続手段)101B及び接続先情報送信部103Bを含んで構成される。
【0102】
通信接続部101Bは、ネットワーク50と移動機10Bとの間で行われるパケット通信を制御するものである。また、通信接続部101Bは、SGSN20Bの再接続情報通知部205Bから通知されたAPN情報に基づいて通信接続を行う。
【0103】
接続先情報送信部103Bは、通信の開始時に、通信を行う際に接続するAPNのAPN情報と、移動機10Bの加入者の識別情報とをSGSN20Bへ送信する。ここで送信されるAPN情報は、例えば、予め移動機10Bの加入者等によって設定され、接続先情報送信部103Bが保持しているものとする。
【0104】
なお、移動機10Bは、第一の実施形態のSGSN20と同様に、CPU、主記憶装置であるRAM及びROM、通信を行うための通信モジュール、並びにハードディスク等の補助記憶装置等のハードウェアを備えるコンピュータとして構成される。これらの構成要素が動作することにより、上記の移動機10Bの各機能が発揮される。
【0105】
次に、通信中に残通信量が無くなった場合に移動機10B、SGSN20B及びGGSN30で行われる処理の流れについて説明する。図11は、移動機、SGSN及びGGSNで行われる処理の流れを示すシーケンス図である。移動機10Bは、通信接続の開始時に、通信接続の開始要求の信号をSGSN20Bへ送信する。このとき、移動機10Bの接続先情報送信部103Bは、通信接続の開始要求の信号に、識別情報及びAPN情報を含めてSGSN20Bへ送信する(ステップS301)。
【0106】
SGSN20Bの識別情報取得部211は、通信接続の開始要求を行った移動機10Bの接続要求の信号から、識別情報及びAPN情報を取得する(ステップS302)。そして、SGSN20Bの料金管理データ取得部212は、識別情報取得部211で取得された識別情報及びAPN情報に基づいて、料金管理データ記憶部213から残通信量を取得する(ステップS303)。
【0107】
SGSN20Bの通信接続部217Bは、移動機10Bを、GGSN30を介してネットワーク50に接続する(ステップS304)。ここでは、残通信量が残っていたものとする。なお、残通信量が残っていない場合、通信接続部217Bは移動機10Bの通信を規制する。
【0108】
移動機10Bが通信接続状態となると、SGSN20Bの通信量計測部214は、移動機10Bが通信を開始してからの通信量を計測する(ステップS305)。そして、SGSN20Bの残通信量算出部215は、移動機10Bが通信可能な残通信量を算出する(ステップS306)。
【0109】
SGSN20Bの通信可否判断部216は、残通信量算出部215によって算出された残通信量に基づいて、移動機10Bの通信の継続可否を判断する(ステップS307)。通信の継続が可能である場合(ステップS307:YES)、通信の継続が不可となるまで、通信量計測部214による通信量の計測、及び残通信量算出部215による残通信量の算出を行う。
【0110】
通信の継続が不可である場合(ステップS307:NO)、SGSN20Bの接続先情報抽出部201は、料金管理データ記憶部213から、移動機10Bに対応付けられ、且つ残通信量が残っているAPN情報を抽出する(ステップS308)。
【0111】
SGSN20Bの再接続情報通知部205Bは、接続先情報抽出部201で抽出されたAPN情報をGGSN30に通知する(ステップS309)。GGSN30は、SGSN20BからAPN情報を取得すると(ステップS310)、APN情報の取得が完了した旨をSGSN20Bに対して通知する(ステップS311)。
【0112】
SGSN20Bの再接続情報通知部205Bは、GGSN30から完了通知を取得すると、移動機10Bに対しても、接続先情報抽出部201で抽出されたAPN情報を通知する(ステップS312)。移動機10Bの通信接続部101Bは、SGSN20Bから通知されたAPN情報を取得すると(ステップS313)、通信接続の際に用いるAPN情報を、SGSN20Bから受信したAPN情報に更新し(ステップS314)、更新したAPN情報に基づいて通信接続を行う。
【0113】
そして、移動機10Bの通信接続部101Bは、SGSN20Bに対して、APN情報の更新が完了した旨をSGSN20Bに対して通知する(ステップS315)。SGSN20Bの再接続情報通知部205Bが、移動機10Bから通知された完了通知を取得すると、残通信量算出部215は、接続先情報抽出部201によって抽出されたAPN情報に対応付けられた残通信量と、通信量計測部214で計測された通信量とに基づいて、移動機10Bが通信可能な残通信量を算出する(ステップS316)。
【0114】
そして、再接続情報通知部205Bは、通信可否判断部216によって通信の継続が不可(ステップS307:NO)であるものとして判定された残通信量に対応付けられたAPN情報、即ち、旧APN情報を、料金管理データ記憶部213から削除する(ステップS317)。また、再接続情報通知部205Bは、GGSN30に対して、旧APN情報を削除する旨の通知を行う(ステップS318)。
【0115】
GGSN30は、SGSN20Bから旧APN情報を削除する旨の通知を取得すると、指示された旧APN情報を削除し(ステップS319)、削除の完了をSGSN20Bへ通知する(ステップS320)。GGSN30から送信された、削除の完了の通知は、SGSN20Bの再接続情報通知部205Bによって取得される(ステップS321)。これにより、残通信量が無くなったときに抽出された、残通信量が残っているAPN情報に基づいた通信接続処理が行われ、通信接続状態となる。
【0116】
本実施形態は以上のように構成され、移動機10Bの通信中に、残通信量に基づいて移動機10Bの通信継続が不可であるものとSGSN20Bの通信可否判断部216によって判断された場合、残通信量が残っているAPNのAPN情報をSGSN20Bの接続先情報抽出部201が抽出し、抽出したAPN情報に基づいて通信接続部217Bが移動機10Bの通信の制御を行う。このように、残通信量が無くなった場合には、セッションを切ることなく、残通信量が残っているAPN情報に基づいて通信の制御を行うことができるので、より利便性の高い通信接続を行うことができる。
【0117】
また、移動機10Bは、SGSN20Bから通知されたAPN情報に基づいて通信接続を行うことができる。
【0118】
移動機10Bは、残通信量がなくなったときに、通信接続が一瞬だけ切断された状態となるが、すぐに、残通信量が残っているAPN情報に基づいて通信接続が行われる。
【0119】
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。例えば、第一〜第三の実施形態において、接続先情報抽出部201,201Aは、料金管理データ記憶部213,213Aに記憶された料金管理データから、移動機10に対応付けられ、且つ残通信量が残っているAPN情報を抽出するものとしたが、サービス制御装置(残通信量記憶装置)40が記憶する料金管理データから直接抽出してもよい。
【0120】
また、移動機10,10Bをプリペイド式の移動機としたが、プリペイド式専用でなくてもよく、プリペイド式の通信を行うことができる移動機であればよい。
【0121】
上述した第一〜第三の実施形態は、主にGPRSによる通信システムを用いたものである。しかしながら、このような通信システムに限定するものではなく、パケットデータを通信することができる通信システムにおいては適宜適用可能であり、例えば、LTE(Long Term Evolution)などの新規な通信システムにおいても適用可能である。その際、GGSN30に相当するものは、P−GW(Packet Data Network Gateway)であり、SGSN20,20A,20Bに相当するものは、MME(Mobility Management Entity)若しくはS−GW(Serving Gateway)である。また、サービス制御装置40に相当するものは、HSS(加入者情報管理サーバ:Home Subscriber System)である。なお、サービス制御装置40としてPCRF(ポリシー制御装置:Policy and Charging Rule Function)を用いてもよい。
【符号の説明】
【0122】
1,1A,1B…通信システム、10,10A,10B…移動機、20,20A,20B…SGSN(通信制御装置)、101B…通信接続部(移動機側再接続手段)、102…優先順位記憶部(優先順位記憶手段)、103…接続先情報送信部(接続先情報送信手段)、104…接続先情報取得部(接続先情報取得手段)、105…接続先情報選択部(接続先情報選択手段)、201,201A…接続先情報抽出部(接続先情報抽出手段)、202…接続先情報通知手段)、203A…問い合わせ部(問い合わせ手段)、204A…接続結果通知部(接続結果通知手段)、205B…再接続情報通知部(再接続情報通知手段)、211,211A…識別情報取得部(識別情報取得手段)、212,212A…料金管理データ取得部(残通信量取得手段)、213,213A…料金管理データ記憶部(残通信量記憶装置)、214…通信量計測部(通信量計測手段)、215…残通信量算出部(残通信量算出手段)、216,216A…通信可否判断部(通信可否判断手段)、217A…通信接続部(通信接続手段)、217B…通信接続部(再接続情報通知手段)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、前記接続先情報に基づいて前記移動機の通信を制御する通信制御装置と、接続先情報が示す接続先を通じて前記移動機が通信可能な残通信量を、前記移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報に対応付けて記憶する残通信量記憶装置とを含んで構成された通信システムであって、
前記通信制御装置は、
前記移動機から、前記識別情報及び接続先情報を取得する識別情報取得手段と、
前記識別情報取得手段で取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、識別情報及び接続先情報に対応する前記移動機の残通信量を取得する残通信量取得手段と、
前記移動機が通信を開始してからの通信量を計測する通信量計測手段と、
前記残通信量取得手段で取得された残通信量と、前記通信量計測手段で計測された通信量とに基づいて、前記移動機が通信可能な残通信量を算出する残通信量算出手段と、
前記残通信量算出手段によって算出された残通信量に基づいて、前記移動機の通信の継続可否を判断する通信可否判断手段と、
前記通信可否判断手段によって前記移動機の通信の継続が不可であるものと判断された場合、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出手段と、
前記接続先情報抽出手段で抽出された接続先情報を、前記移動機に通知する接続先情報通知手段とを備え、
前記移動機は、
前記接続先情報通知手段から通知された前記接続先情報を取得する接続先情報取得手段と、
前記接続先情報取得手段によって取得された接続先情報を、通信網への通信接続の開始時に前記通信制御装置へ送信する接続先情報送信手段と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記接続先情報抽出手段は、接続先情報を複数抽出し、
前記接続先情報通知手段は、前記接続先情報抽出手段によって抽出された複数の接続先情報を、前記移動機に通知し、
前記移動機は、
前記接続先情報取得手段によって取得された前記複数の接続先情報の中から、所定条件を満たす接続先情報を選択する接続先情報選択手段を更に備え、
前記接続先情報送信手段は、前記接続先情報選択手段によって選択された接続先情報を前記通信制御装置へ送信することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記移動機は、
複数の接続先情報と、各接続先情報が示す接続先へ接続する際の優先順位とを対応付けて記憶する優先順位記憶手段を更に備え、
前記接続先情報選択手段は、前記優先順位記憶手段に記憶された優先順位に基づいて、前記接続先情報取得手段によって取得された複数の接続先情報の中で最も優先順位が高い接続先情報を選択することを特徴とする請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記接続先情報通知手段は、前記接続先情報抽出手段によって抽出された複数の接続先情報に優先順位を付加して、前記移動機に通知し、
前記接続先情報選択手段は、前記接続先情報に付加された優先順位に基づいて接続先情報を選択することを特徴とする請求項2又は3に記載の通信システム。
【請求項5】
前記接続先情報通知手段は、前記接続先情報抽出手段によって抽出された複数の接続先情報のぞれぞれに、各接続先情報に対応する残通信量を付加して、前記移動機に通知し、
前記接続先情報選択手段は、前記接続先情報に付加された残通信量に基づいて接続先情報を選択することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項6】
前記接続先情報選択手段は、前記複数の接続先情報の中から接続先情報を選択する際に、移動機において通信を起動したアプリケーションプログラム又は移動機のユーザによって接続先情報を選択させることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項7】
通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、前記接続先情報に基づいて前記移動機の通信を制御する通信制御装置であって、
前記移動機から、前記移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報、及び接続先情報を取得する識別情報取得手段と、
前記識別情報取得手段で取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、接続先情報が示す接続先を通じて前記移動機が通信可能な残通信量を取得する残通信量取得手段と、
前記移動機が通信を開始してからの通信量を計測する通信量計測手段と、
前記残通信量取得手段で取得された残通信量と、前記通信量計測手段で計測された通信量とに基づいて、前記移動機が通信可能な残通信量を算出する残通信量算出手段と、
前記残通信量算出手段によって算出された残通信量に基づいて、前記移動機の通信の継続可否を判断する通信可否判断手段と、
前記通信可否判断手段によって前記移動機の通信の継続が不可であるものと判断された場合、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出手段と、
前記接続先情報抽出手段で抽出された接続先情報を、前記移動機に通知する接続先情報通知手段と、
を備えることを特徴とする通信制御装置。
【請求項8】
通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、前記接続先情報に基づいて前記移動機の通信を制御する通信制御装置と、接続先情報が示す接続先を通じて前記移動機が通信可能な残通信量を、前記移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報に対応付けて記憶する残通信量記憶装置とを含んで構成された通信システムで実行される通信方法であって、
前記通信制御装置が、前記移動機から前記識別情報及び接続先情報を取得する識別情報取得ステップと、
前記通信制御装置が、前記識別情報取得ステップで取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、識別情報及び接続先情報に対応する前記移動機の残通信量を取得する残通信量取得ステップと、
前記通信制御装置が、前記移動機が通信を開始してからの通信量を計測する通信量計測ステップと、
前記通信制御装置が、前記残通信量取得ステップで取得された残通信量と、前記通信量計測ステップで計測された通信量とに基づいて、前記移動機が通信可能な残通信量を算出する残通信量算出ステップと、
前記通信制御装置が、前記残通信量算出ステップで算出された残通信量に基づいて、前記移動機の通信の継続可否を判断する通信可否判断ステップと、
前記通信可否判断ステップにおいて前記移動機の通信の継続が不可であるものと判断された場合、前記通信制御装置が、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出ステップと、
前記通信制御装置が、前記接続先情報抽出ステップで抽出された接続先情報を、前記移動機に通知する接続先情報通知ステップと、
前記移動機が、前記接続先情報通知ステップにおいて通知された前記接続先情報を取得する接続先情報取得ステップと、
前記移動機が、前記接続先情報取得ステップで取得された接続先情報を、通信網への通信接続の開始時に前記通信制御装置へ送信する接続先情報送信ステップと、
を有することを特徴とする通信方法。
【請求項9】
通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、前記接続先情報に基づいて前記移動機の通信を制御する通信制御装置と、接続先情報が示す接続先を通じて前記移動機が通信可能な残通信量を、前記移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報に対応付けて記憶する残通信量記憶装置とを含んで構成された通信システムであって、
前記通信制御装置は、
通信接続の開始要求を行った前記移動機から、前記識別情報及び接続先情報を取得する識別情報取得手段と、
前記識別情報取得手段で取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、前記識別情報及び接続先情報に対応する前記移動機の残通信量を取得する残通信量取得手段と、
前記残通信量取得手段によって取得された残通信量に基づいて、前記移動機の通信接続の可否を判断する通信可否判断手段と、
前記通信可否判断手段によって前記移動機の通信接続が不可であるものと判断された場合、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出手段と、
前記接続先情報抽出手段で抽出された接続先情報に基づいて、前記移動機の通信接続を行う通信接続手段と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項10】
前記通信制御装置は、
前記接続先情報抽出手段で抽出された接続先情報が示す接続先へ接続してよいか否かを前記移動機のユーザに問い合わせる問い合わせ手段を更に備え、
前記通信接続手段は、前記問い合わせ手段による問い合わせ結果に基づいて、問い合わせを行った接続先へ前記移動機を接続することを特徴とする請求項9に記載の通信システム。
【請求項11】
前記通信制御装置は、
前記通信接続手段によって前記移動機が接続された接続先を示す接続先情報を、前記移動機に通知する接続結果通知手段を更に備えることを特徴とする請求項9又は10に記載の通信システム。
【請求項12】
通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、前記接続先情報に基づいて前記移動機の通信を制御する通信制御装置であって、
通信接続の開始要求を行った前記移動機から、前記移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報及び接続先情報を取得する識別情報取得手段と、
前記識別情報取得手段で取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、接続先情報が示す接続先を通じて前記移動機が通信可能な残通信量を取得する残通信量取得手段と、
前記残通信量取得手段によって取得された残通信量に基づいて、前記移動機の通信接続の可否を判断する通信可否判断手段と、
前記通信可否判断手段によって前記移動機の通信接続が不可であるものと判断された場合、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出手段と、
前記接続先情報抽出手段で抽出された接続先情報に基づいて、前記移動機の通信接続を行う通信接続手段と、
を備えることを特徴とする通信制御装置。
【請求項13】
通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、前記接続先情報に基づいて前記移動機の通信を制御する通信制御装置と、接続先情報が示す接続先を通じて前記移動機が通信可能な残通信量を、前記移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報に対応付けて記憶する残通信量記憶装置とを含んで構成された通信システムで実行される通信方法であって、
前記通信制御装置が、通信接続の開始要求を行った前記移動機から、前記識別情報及び接続先情報を取得する識別情報取得ステップと、
前記通信制御装置が、前記識別情報取得ステップで取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、前記識別情報及び接続先情報に対応する前記移動機の残通信量を取得する残通信量取得ステップと、
前記通信制御装置が、前記残通信量取得ステップで取得された残通信量に基づいて、前記移動機の通信接続の可否を判断する通信可否判断ステップと、
前記通信可否判断ステップにおいて前記移動機の通信接続が不可であるものと判断された場合、前記通信制御装置が、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出ステップと、
前記通信制御装置が、前記接続先情報抽出ステップで抽出された接続先情報に基づいて、前記移動機の通信接続を行う通信接続ステップと、
を有することを特徴とする通信方法。
【請求項14】
通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、前記接続先情報に基づいて前記移動機の通信を制御する通信制御装置と、接続先情報が示す接続先を通じて前記移動機が通信可能な残通信量を、前記移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報に対応付けて記憶する残通信量記憶装置とを含んで構成された通信システムであって、
前記通信制御装置は、
前記移動機から、前記識別情報及び接続先情報を取得する識別情報取得手段と、
前記識別情報取得手段で取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、識別情報及び接続先情報に対応する前記移動機の残通信量を取得する残通信量取得手段と、
前記移動機が通信を開始してからの通信量を計測する通信量計測手段と、
前記残通信量取得手段で取得された残通信量と、前記通信量計測手段で計測された通信量とに基づいて、前記移動機が通信可能な残通信量を算出する残通信量算出手段と、
前記残通信量算出手段によって算出された残通信量に基づいて、前記移動機の通信の継続可否を判断する通信可否判断手段と、
前記通信可否判断手段によって前記移動機の通信の継続が不可であるものと判断された場合、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出手段と、
前記接続先情報抽出手段で抽出された接続先情報に基づいて、前記移動機の通信の制御を行う通信制御装置側再接続手段と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項15】
前記通信制御装置は、前記接続先情報抽出手段で抽出された接続先情報を前記移動機に通知する再接続情報通知手段を更に備え、
前記移動機は、前記再接続情報通知手段から通知された接続先情報に基づいて通信接続を行う移動機側再接続手段を更に備えることを特徴とする請求項14に記載の通信システム。
【請求項16】
通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、前記接続先情報に基づいて前記移動機の通信を制御する通信制御装置であって、
前記移動機から、前記移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報、及び接続先情報を取得する識別情報取得手段と、
前記識別情報取得手段で取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、接続先情報が示す接続先を通じて前記移動機が通信可能な残通信量を取得する残通信量取得手段と、
前記移動機が通信を開始してからの通信量を計測する通信量計測手段と、
前記残通信量取得手段で取得された残通信量と、前記通信量計測手段で計測された通信量とに基づいて、前記移動機が通信可能な残通信量を算出する残通信量算出手段と、
前記残通信量算出手段によって算出された残通信量に基づいて、前記移動機の通信の継続可否を判断する通信可否判断手段と、
前記通信可否判断手段によって前記移動機の通信の継続が不可であるものと判断された場合、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出手段と、
前記接続先情報抽出手段で抽出された接続先情報に基づいて、前記移動機の通信の制御を行う通信制御装置側再接続手段と、
を備えることを特徴とする通信制御装置。
【請求項17】
通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、前記接続先情報に基づいて前記移動機の通信を制御する通信制御装置と、接続先情報が示す接続先を通じて前記移動機が通信可能な残通信量を、前記移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報に対応付けて記憶する残通信量記憶装置とを含んで構成された通信システムで実行される通信方法であって、
前記通信制御装置が、前記移動機から前記識別情報及び接続先情報を取得する識別情報取得ステップと、
前記通信制御装置が、前記識別情報取得ステップで取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、識別情報及び接続先情報に対応する前記移動機の残通信量を取得する残通信量取得ステップと、
前記通信制御装置が、前記移動機が通信を開始してからの通信量を計測する通信量計測ステップと、
前記通信制御装置が、前記残通信量取得ステップで取得された残通信量と、前記通信量計測ステップで計測された通信量とに基づいて、前記移動機が通信可能な残通信量を算出する残通信量算出ステップと、
前記通信制御装置が、前記残通信量算出ステップで算出された残通信量に基づいて、前記移動機の通信の継続可否を判断する通信可否判断ステップと、
前記通信可否判断ステップで前記移動機の通信の継続が不可であるものと判断された場合、前記通信制御装置が、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出ステップと、
前記通信制御装置が、前記接続先情報抽出ステップで抽出された接続先情報に基づいて、前記移動機の通信の制御を行う通信制御装置側再接続ステップと、
を有することを特徴とする通信方法。
【請求項18】
請求項1〜6,9〜11,14,15のいずれか一項に記載の通信システムで用いられることを特徴とする移動機。
【請求項1】
通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、前記接続先情報に基づいて前記移動機の通信を制御する通信制御装置と、接続先情報が示す接続先を通じて前記移動機が通信可能な残通信量を、前記移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報に対応付けて記憶する残通信量記憶装置とを含んで構成された通信システムであって、
前記通信制御装置は、
前記移動機から、前記識別情報及び接続先情報を取得する識別情報取得手段と、
前記識別情報取得手段で取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、識別情報及び接続先情報に対応する前記移動機の残通信量を取得する残通信量取得手段と、
前記移動機が通信を開始してからの通信量を計測する通信量計測手段と、
前記残通信量取得手段で取得された残通信量と、前記通信量計測手段で計測された通信量とに基づいて、前記移動機が通信可能な残通信量を算出する残通信量算出手段と、
前記残通信量算出手段によって算出された残通信量に基づいて、前記移動機の通信の継続可否を判断する通信可否判断手段と、
前記通信可否判断手段によって前記移動機の通信の継続が不可であるものと判断された場合、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出手段と、
前記接続先情報抽出手段で抽出された接続先情報を、前記移動機に通知する接続先情報通知手段とを備え、
前記移動機は、
前記接続先情報通知手段から通知された前記接続先情報を取得する接続先情報取得手段と、
前記接続先情報取得手段によって取得された接続先情報を、通信網への通信接続の開始時に前記通信制御装置へ送信する接続先情報送信手段と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記接続先情報抽出手段は、接続先情報を複数抽出し、
前記接続先情報通知手段は、前記接続先情報抽出手段によって抽出された複数の接続先情報を、前記移動機に通知し、
前記移動機は、
前記接続先情報取得手段によって取得された前記複数の接続先情報の中から、所定条件を満たす接続先情報を選択する接続先情報選択手段を更に備え、
前記接続先情報送信手段は、前記接続先情報選択手段によって選択された接続先情報を前記通信制御装置へ送信することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記移動機は、
複数の接続先情報と、各接続先情報が示す接続先へ接続する際の優先順位とを対応付けて記憶する優先順位記憶手段を更に備え、
前記接続先情報選択手段は、前記優先順位記憶手段に記憶された優先順位に基づいて、前記接続先情報取得手段によって取得された複数の接続先情報の中で最も優先順位が高い接続先情報を選択することを特徴とする請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記接続先情報通知手段は、前記接続先情報抽出手段によって抽出された複数の接続先情報に優先順位を付加して、前記移動機に通知し、
前記接続先情報選択手段は、前記接続先情報に付加された優先順位に基づいて接続先情報を選択することを特徴とする請求項2又は3に記載の通信システム。
【請求項5】
前記接続先情報通知手段は、前記接続先情報抽出手段によって抽出された複数の接続先情報のぞれぞれに、各接続先情報に対応する残通信量を付加して、前記移動機に通知し、
前記接続先情報選択手段は、前記接続先情報に付加された残通信量に基づいて接続先情報を選択することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項6】
前記接続先情報選択手段は、前記複数の接続先情報の中から接続先情報を選択する際に、移動機において通信を起動したアプリケーションプログラム又は移動機のユーザによって接続先情報を選択させることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項7】
通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、前記接続先情報に基づいて前記移動機の通信を制御する通信制御装置であって、
前記移動機から、前記移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報、及び接続先情報を取得する識別情報取得手段と、
前記識別情報取得手段で取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、接続先情報が示す接続先を通じて前記移動機が通信可能な残通信量を取得する残通信量取得手段と、
前記移動機が通信を開始してからの通信量を計測する通信量計測手段と、
前記残通信量取得手段で取得された残通信量と、前記通信量計測手段で計測された通信量とに基づいて、前記移動機が通信可能な残通信量を算出する残通信量算出手段と、
前記残通信量算出手段によって算出された残通信量に基づいて、前記移動機の通信の継続可否を判断する通信可否判断手段と、
前記通信可否判断手段によって前記移動機の通信の継続が不可であるものと判断された場合、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出手段と、
前記接続先情報抽出手段で抽出された接続先情報を、前記移動機に通知する接続先情報通知手段と、
を備えることを特徴とする通信制御装置。
【請求項8】
通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、前記接続先情報に基づいて前記移動機の通信を制御する通信制御装置と、接続先情報が示す接続先を通じて前記移動機が通信可能な残通信量を、前記移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報に対応付けて記憶する残通信量記憶装置とを含んで構成された通信システムで実行される通信方法であって、
前記通信制御装置が、前記移動機から前記識別情報及び接続先情報を取得する識別情報取得ステップと、
前記通信制御装置が、前記識別情報取得ステップで取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、識別情報及び接続先情報に対応する前記移動機の残通信量を取得する残通信量取得ステップと、
前記通信制御装置が、前記移動機が通信を開始してからの通信量を計測する通信量計測ステップと、
前記通信制御装置が、前記残通信量取得ステップで取得された残通信量と、前記通信量計測ステップで計測された通信量とに基づいて、前記移動機が通信可能な残通信量を算出する残通信量算出ステップと、
前記通信制御装置が、前記残通信量算出ステップで算出された残通信量に基づいて、前記移動機の通信の継続可否を判断する通信可否判断ステップと、
前記通信可否判断ステップにおいて前記移動機の通信の継続が不可であるものと判断された場合、前記通信制御装置が、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出ステップと、
前記通信制御装置が、前記接続先情報抽出ステップで抽出された接続先情報を、前記移動機に通知する接続先情報通知ステップと、
前記移動機が、前記接続先情報通知ステップにおいて通知された前記接続先情報を取得する接続先情報取得ステップと、
前記移動機が、前記接続先情報取得ステップで取得された接続先情報を、通信網への通信接続の開始時に前記通信制御装置へ送信する接続先情報送信ステップと、
を有することを特徴とする通信方法。
【請求項9】
通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、前記接続先情報に基づいて前記移動機の通信を制御する通信制御装置と、接続先情報が示す接続先を通じて前記移動機が通信可能な残通信量を、前記移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報に対応付けて記憶する残通信量記憶装置とを含んで構成された通信システムであって、
前記通信制御装置は、
通信接続の開始要求を行った前記移動機から、前記識別情報及び接続先情報を取得する識別情報取得手段と、
前記識別情報取得手段で取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、前記識別情報及び接続先情報に対応する前記移動機の残通信量を取得する残通信量取得手段と、
前記残通信量取得手段によって取得された残通信量に基づいて、前記移動機の通信接続の可否を判断する通信可否判断手段と、
前記通信可否判断手段によって前記移動機の通信接続が不可であるものと判断された場合、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出手段と、
前記接続先情報抽出手段で抽出された接続先情報に基づいて、前記移動機の通信接続を行う通信接続手段と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項10】
前記通信制御装置は、
前記接続先情報抽出手段で抽出された接続先情報が示す接続先へ接続してよいか否かを前記移動機のユーザに問い合わせる問い合わせ手段を更に備え、
前記通信接続手段は、前記問い合わせ手段による問い合わせ結果に基づいて、問い合わせを行った接続先へ前記移動機を接続することを特徴とする請求項9に記載の通信システム。
【請求項11】
前記通信制御装置は、
前記通信接続手段によって前記移動機が接続された接続先を示す接続先情報を、前記移動機に通知する接続結果通知手段を更に備えることを特徴とする請求項9又は10に記載の通信システム。
【請求項12】
通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、前記接続先情報に基づいて前記移動機の通信を制御する通信制御装置であって、
通信接続の開始要求を行った前記移動機から、前記移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報及び接続先情報を取得する識別情報取得手段と、
前記識別情報取得手段で取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、接続先情報が示す接続先を通じて前記移動機が通信可能な残通信量を取得する残通信量取得手段と、
前記残通信量取得手段によって取得された残通信量に基づいて、前記移動機の通信接続の可否を判断する通信可否判断手段と、
前記通信可否判断手段によって前記移動機の通信接続が不可であるものと判断された場合、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出手段と、
前記接続先情報抽出手段で抽出された接続先情報に基づいて、前記移動機の通信接続を行う通信接続手段と、
を備えることを特徴とする通信制御装置。
【請求項13】
通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、前記接続先情報に基づいて前記移動機の通信を制御する通信制御装置と、接続先情報が示す接続先を通じて前記移動機が通信可能な残通信量を、前記移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報に対応付けて記憶する残通信量記憶装置とを含んで構成された通信システムで実行される通信方法であって、
前記通信制御装置が、通信接続の開始要求を行った前記移動機から、前記識別情報及び接続先情報を取得する識別情報取得ステップと、
前記通信制御装置が、前記識別情報取得ステップで取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、前記識別情報及び接続先情報に対応する前記移動機の残通信量を取得する残通信量取得ステップと、
前記通信制御装置が、前記残通信量取得ステップで取得された残通信量に基づいて、前記移動機の通信接続の可否を判断する通信可否判断ステップと、
前記通信可否判断ステップにおいて前記移動機の通信接続が不可であるものと判断された場合、前記通信制御装置が、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出ステップと、
前記通信制御装置が、前記接続先情報抽出ステップで抽出された接続先情報に基づいて、前記移動機の通信接続を行う通信接続ステップと、
を有することを特徴とする通信方法。
【請求項14】
通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、前記接続先情報に基づいて前記移動機の通信を制御する通信制御装置と、接続先情報が示す接続先を通じて前記移動機が通信可能な残通信量を、前記移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報に対応付けて記憶する残通信量記憶装置とを含んで構成された通信システムであって、
前記通信制御装置は、
前記移動機から、前記識別情報及び接続先情報を取得する識別情報取得手段と、
前記識別情報取得手段で取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、識別情報及び接続先情報に対応する前記移動機の残通信量を取得する残通信量取得手段と、
前記移動機が通信を開始してからの通信量を計測する通信量計測手段と、
前記残通信量取得手段で取得された残通信量と、前記通信量計測手段で計測された通信量とに基づいて、前記移動機が通信可能な残通信量を算出する残通信量算出手段と、
前記残通信量算出手段によって算出された残通信量に基づいて、前記移動機の通信の継続可否を判断する通信可否判断手段と、
前記通信可否判断手段によって前記移動機の通信の継続が不可であるものと判断された場合、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出手段と、
前記接続先情報抽出手段で抽出された接続先情報に基づいて、前記移動機の通信の制御を行う通信制御装置側再接続手段と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項15】
前記通信制御装置は、前記接続先情報抽出手段で抽出された接続先情報を前記移動機に通知する再接続情報通知手段を更に備え、
前記移動機は、前記再接続情報通知手段から通知された接続先情報に基づいて通信接続を行う移動機側再接続手段を更に備えることを特徴とする請求項14に記載の通信システム。
【請求項16】
通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、前記接続先情報に基づいて前記移動機の通信を制御する通信制御装置であって、
前記移動機から、前記移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報、及び接続先情報を取得する識別情報取得手段と、
前記識別情報取得手段で取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、接続先情報が示す接続先を通じて前記移動機が通信可能な残通信量を取得する残通信量取得手段と、
前記移動機が通信を開始してからの通信量を計測する通信量計測手段と、
前記残通信量取得手段で取得された残通信量と、前記通信量計測手段で計測された通信量とに基づいて、前記移動機が通信可能な残通信量を算出する残通信量算出手段と、
前記残通信量算出手段によって算出された残通信量に基づいて、前記移動機の通信の継続可否を判断する通信可否判断手段と、
前記通信可否判断手段によって前記移動機の通信の継続が不可であるものと判断された場合、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出手段と、
前記接続先情報抽出手段で抽出された接続先情報に基づいて、前記移動機の通信の制御を行う通信制御装置側再接続手段と、
を備えることを特徴とする通信制御装置。
【請求項17】
通信網に接続する際の接続先を示す接続先情報を移動機から取得して、前記接続先情報に基づいて前記移動機の通信を制御する通信制御装置と、接続先情報が示す接続先を通じて前記移動機が通信可能な残通信量を、前記移動機を利用する加入者を識別可能な識別情報に対応付けて記憶する残通信量記憶装置とを含んで構成された通信システムで実行される通信方法であって、
前記通信制御装置が、前記移動機から前記識別情報及び接続先情報を取得する識別情報取得ステップと、
前記通信制御装置が、前記識別情報取得ステップで取得された識別情報及び接続先情報に基づいて、識別情報及び接続先情報に対応する前記移動機の残通信量を取得する残通信量取得ステップと、
前記通信制御装置が、前記移動機が通信を開始してからの通信量を計測する通信量計測ステップと、
前記通信制御装置が、前記残通信量取得ステップで取得された残通信量と、前記通信量計測ステップで計測された通信量とに基づいて、前記移動機が通信可能な残通信量を算出する残通信量算出ステップと、
前記通信制御装置が、前記残通信量算出ステップで算出された残通信量に基づいて、前記移動機の通信の継続可否を判断する通信可否判断ステップと、
前記通信可否判断ステップで前記移動機の通信の継続が不可であるものと判断された場合、前記通信制御装置が、残通信量が残っている接続先の接続先情報を抽出する接続先情報抽出ステップと、
前記通信制御装置が、前記接続先情報抽出ステップで抽出された接続先情報に基づいて、前記移動機の通信の制御を行う通信制御装置側再接続ステップと、
を有することを特徴とする通信方法。
【請求項18】
請求項1〜6,9〜11,14,15のいずれか一項に記載の通信システムで用いられることを特徴とする移動機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−138709(P2012−138709A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−288792(P2010−288792)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
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