説明

通信制御装置

【課題】
発信要求元の電話加入者端末を複数の電話網の中から接続すべき電話網に遅延無く接続可能とする通信制御装置を提供する。
【解決手段】
通信制御装置(10)は、電話加入者端末(11−i)からの発信要求信号と着信番号を公衆交換電話網(12)とIP電話網(13)の各々に転送すると共に、受信した着信番号と予め登録された番号情報とから接続すべき電話網を判定し、接続すべきでない電話網に対して網切断要求信号を送信するように制御する制御手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発信要求元の電話加入者端末を、複数の電話網の中から接続すべき電話網に接続させる通信制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ブロードバンド回線などによるインターネット利用が広く普及し、インターネットプロトコル(Internet Protocol、以下、IPと称する。)を利用したIP電話網が普及してきている。しかしながら、現状のIP電話網では、110番や119番等の特定の番号に対して発信することができない。従って、これらの特定の番号に関しては、既存の公衆交換電話網に振り分ける必要がある。これに関連して、例えば、特許文献1には、1台の電話機で公衆交換電話網とIP電話網の双方に対する発信制御又は着信制御を実行可能とする技術が記載されている。これは、発信制御装置が、電話加入者端末からダイヤル信号を受信すると、先頭のダイヤル番号若しくはダイヤル桁数に応じて、接続されている複数の電話網(公衆交換電話網、IP電話網)から発信すべき電話網を選択し発信するというものである。
【0003】
【特許文献1】特開2001−217929号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、電話加入者端末から送出される着信番号情報を一旦発信制御装置で受信し、その後、受信したダイヤル信号の「先頭のダイヤル番号」若しくは「ダイヤル桁数」を判定し、接続されている複数の電話網(公衆交換電話網、IP電話網)から発信すべき電話網を選択し発信を行うものである。従って、特許文献1に記載の技術では、公衆交換電話網又はIP電話網の何れの電話網に接続すべきかを、発信制御装置が判断する時間分のタイムロスが発生する。その結果、発信要求元の電話加入者端末と通話相手先とが通話可能となるまでの時間が長くなり、電話加入者に対して不快な思いをさせてしまう。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決すべく、発信要求元の電話加入者端末を、複数の電話網の中から接続すべき電話網に遅延無く接続可能とする通信制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明による通信制御装置は、電話加入者端末からの発信要求信号と着信番号を複数の電話網の各々に転送すると共に、受信した着信番号と予め登録された番号情報とから接続すべき電話網を判定し、接続すべきでない電話網に対して網切断要求信号を送信するように制御する制御手段を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、発信要求元の電話加入者端末を、複数の電話網の中から接続すべき電話網に遅延無く接続可能とする通信制御装置を提供することができる。又、電話加入者に対して不快な思いをさせることもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0009】
図1は、第1の実施形態による通信制御装置(10)の構成及びこれを用いた通信システム(1)の構成を示す図である。通信システム(1)は、通信制御装置(10)と、通信制御装置(10)に接続される複数の電話加入者端末(11−i)(i=1、2、・・・、n)、公衆交換電話網12及びIP電話網13とから構成されている。
【0010】
通信制御装置(10)は、電話加入者端末(11−i)と接続される複数の端末インタフェース部(100−i)(i=1、2、・・・、n)と、公衆交換電話網12と接続される公衆交換電話網インタフェース部(101)と、IP電話網(13)と接続されるIP電話網インタフェース部(102)と、これら複数のインタフェース部の各々と接続されるスイッチ(103)と、装置全体を統括的に制御する制御部(104)とを備えている。
【0011】
ここで、各端末インタフェース部(100−i)は、電話加入者端末(11−i)からの発信要求信号や着信番号を受信し、これをスイッチ(103)に送信する。又、各端末インタフェース部(100−i)は、着信番号を制御部(104)にも送信する。又、各端末インタフェース部(100−i)は、発信要求信号に応じて送信される公衆交換電話網(12)からのダイヤルトーン信号を公衆交換電話網インタフェース部(101)、スイッチ(103)を介して受信し、これを発信要求元の電話加入者端末(11−i)に送信する。
【0012】
スイッチ(103)は、制御部(104)の制御に基づいて、上記複数のインタフェース部の何れかのインタフェース部から受信した信号を任意のインタフェース部に出力する。
【0013】
公衆交換電話網インタフェース部(101)は、スイッチ(103)から送信された発信要求信号や着信番号を公衆交換電話網12に送信する。又、公衆交換電話網インタフェース部(101)は、公衆交換電話網(12)からのダイヤルトーン信号をスイッチ(103)に送信する。IP電話網インタフェース部(102)は、スイッチ(103)から送信された発信要求信号や着信番号をパケットの形にして(以下、パケット化と称する。)、IP電話網13に送信する。制御部(104)は、110番、119番等の番号情報が予め登録された情報管理テーブル(後述する)を備えている。制御部(104)は、電話加入者端末(11−i)からの着信番号と番号情報管理テーブル(200)の登録内容から、接続すべき電話網を判定する。制御部(104)は、接続すべきでない電話網に対しては、その電話網との接続を切断するように装置内のスイッチ(103)を制御すると共に、網切断要求信号を生成し、その電話網と接続されるインタフェース部に送信する。網切断要求信号を受信したインタフェース部は、これを接続先の電話網に送信する。
【0014】
詳細を後述するが、本発明による通信制御装置(10)は、電話加入者端末(11−i)からの発信要求信号と着信番号を公衆交換電話網(12)とIP電話網(13)の各々に転送すると共に、受信した着信番号と予め登録された番号情報とから接続すべき電話網を判定し、接続すべきでない電話網に対して網切断要求信号を送信するように制御する制御手段を備える。
【0015】
図2は、制御部(104)に備える番号情報管理テーブル(200)の構成を示す図である。番号情報管理テーブル(200)には、110番、119番等の公衆交換電話網へ発信する特定の着信番号情報が登録されている。通信制御装置(10)は、電話加入者端末(11−i)からの着信番号が番号情報管理テーブル(200)に登録されていれば、接続すべき電話網は公衆交換電話網(12)と判定し、IP電話網(13)に対して網切断要求信号を送信する。又、電話加入者端末からの着信番号が番号情報管理テーブル(200)に登録されていなければ、接続すべき電話網はIP電話網(13)と判定し、公衆交換電話網(12)に対して網切断要求信号を送信する。
【0016】
図3は、第1の実施形態による通信システム(1)全体の動作を示すシーケンス図である。まず、電話加入者が、電話加入者端末(11−i)の受話器を上げると(OFF−HOOK)、電話加入者端末(11−i)から発信要求信号が通信制御装置(10)に送信される(ステップS300)。
【0017】
通信制御装置(10)は、電話加入者端末(11−i)から発信要求信号を受信すると、この発信要求信号を公衆交換電話網(12)に終端せずに透過送信する(S301)。又、通信制御装置(10)は、受信した上記発信要求信号をパケット化して(S302)、IP電話網(13)へ送信する(S303)。
【0018】
公衆交換電話網(12)では、発信要求信号を受けてダイヤルトーン信号を送信する(S304)。ダイヤルトーン信号は、通信制御装置(10)を介して発信要求元の電話加入者端末(11−i)に送信される(S305)。
【0019】
次に、電話加入者が、ダイヤルトーン信号を受けて電話加入者端末(11−i)からダイヤル番号(例えば、110)を入力すると、電話加入者端末(11−i)からこの番号“110”が通信制御装置(10)に送信される(S306)。
【0020】
通信制御装置(10)は、電話加入者端末(11−i)から着信番号“110”を受信すると、着信番号“110”を公衆交換電話網(200)に終端せずに透過送信する(S307)。又、通信制御装置(10)は、受信した着信番号“110”をパケット化して(S308)、IP電話網(13)へ送信する(S309)。更に、通信制御装置(10)は、受信した着信番号“110”に基づいて着信番号情報管理テーブル(20)を検索し、着信番号“110”の着信番号情報管理テーブル(200)への登録の有無から、接続すべき電話網を判定する(S310)。本実施例では、着信番号“110”が着信番号情報管理テーブル(200)に登録されている(図2参照)ので、通信制御装置(10)は、公衆交換網(12)に接続すべきであると判断し、IP電話網(13)に対しては網切断要求信号を送信する(S311)。網切断要求信号を受信したIP電話網(13)では、着信番号を受信した後に、網切断要求があったと認識するのみであるため、何ら悪影響を及ぼされない。又、通信制御装置(10)は、IP電話網(13)への接続を切断するように装置内を制御する(S312)。以上の動作によって、発信要求元の電話加入者端末(11−i)と公衆交換電話網(12)とが通話状態に遷移する(S313)。
【0021】
図4と図5は、第1の実施形態による通信制御装置(10)の制御を示すフローチャートである。制御部(104)は、電話加入者端末(11−i)からの発信要求信号を端末インタフェース部(100−i)を介して受信すると(ステップS401)、端末インタフェース部(100−i)をIP電話網インタフェース部(101)と公衆交換電話網インタフェース部(102)の各々に接続するようにスイッチ(103)を制御する(S402)。
【0022】
スイッチ(103)は、発信要求信号を公衆交換電話網インタフェース部(101)とIP電話網インタフェース部(102)に送信する(S403)。
【0023】
公衆交換電話網インタフェース部(101)は、スイッチ(103)から送信された発信要求信号を公衆交換電話網(12)に終端せずに透過送信する(S404)。一方、IP電話網インタフェース部(102)は、スイッチ(103)から送信された発信要求信号をパケット化してIP電話網(13)に送信する(S405)。
【0024】
次に、公衆交換電話網(12)からのダイヤルトーン信号が、公衆交換電話網インタフェース部(101)、スイッチ(103)、端末インタフェース部(10−i)を介して発信要求元の電話加入者端末(11−i)に送信される(S406)。
【0025】
次に、端末インタフェース部(100−i)は、発信要求元の電話加入者端末(11−i)から着信番号を受信すると、この着信番号をスイッチ(103)と制御部(104)に送信する(S407)。スイッチ(103)は、着信番号を公衆交換電話網インタフェース部(101)とIP電話網インタフェース部(102)に送信する(S408)。
【0026】
公衆交換電話網インタフェース部(101)は、スイッチ(103)から送信された着信番号を公衆交換電話網(12)に終端せずに透過送信する(S409)。一方、IP電話網インタフェース部(102)は、スイッチ(103)から送信された着信番号をパケット化してIP電話網(13)に送信する(S410)。
【0027】
制御部(104)は、端末インタフェース部(100−i)から着信番号を受信すると、この着信番号に基づいて番号情報管理テーブル(200)を検索し、着信番号の番号情報管理テーブル(200)への登録の有無から、接続すべき電話網を判定する(S411)。制御部(104)は、着信番号が番号情報管理テーブル(200)に登録されていれば、接続すべき電話網は公衆交換電話網(12)であると判定し、IP電話網(13)に対して網切断要求信号をIP電話網インタフェース部(102)を介して送信する(S412)。又、制御部(104)は、端末インタフェース部(100−i)とIP電話網インタフェース部(102)との接続を切断するようにスイッチ(103)を制御する(S413)。
【0028】
又、S411の判定において、制御部(104)は、着信番号が番号情報管理テーブル(200)に登録されていなければ、接続すべき電話網はIP電話網(13)であると判定し、公衆交換電話網(12)に対しては網切断要求信号を公衆交換電話網インタフェース部(101)を介して送信する(S414)。又、制御部(104)は、端末インタフェース部(100−i)と公衆交換電話網インタフェース部(101)との接続を切断するようにスイッチ(103)を制御する(S415)。
【0029】
図6は、第2の実施形態による通信制御装置(60)の構成及びこれを用いた通信システム(6)の構成を示す図である。通信システム(6)は、通信制御装置(60)と、通信制御装置(60)に接続される複数の電話加入者端末(11−i)(i=1、2、・・・、n)、公衆交換電話網12及びIP電話網13とから構成されている。
【0030】
通信制御装置(60)は、公衆交換電話網と接続される公衆交換電話網インタフェース部(601)と、IP電話網(13)と接続されるIP電話網インタフェース部(602)と、電話加入者端末(11−i)からの発信要求信号を検出する発信要求検出部(603)と、電話加入者端末(11−i)からの着信番号を検出する着信番号検出部(604)と、網切断要求信号を出力する網切断要求信号出力部(605)と、複数のポートを有し、受信信号のスイッチングを行うスイッチ(606)と、発信要求検出部(603)と着信番号検出部(604)の出力に基づいてスイッチ(606)を制御する制御部(607)と、複数の電話加入者端末からの信号を多重してスイッチ(606)に出力し、又、スイッチ(606)からの信号を分離して各電話加入者端末に出力する多重分離部(608)とを備えている。制御部(607)は、図2に示す番号情報管理テーブル(200)を有し、電話加入者端末(11−i)からの着信番号と番号情報管理テーブル(200)の登録内容から、接続すべき電話網を判定する。
【0031】
詳細を後述するが、通信制御装置(60)は、電話加入者端末(11−i)からの発信要求信号と着信番号を公衆交換電話網(12)とIP電話網(13)の各々に透過転送すると共に、受信した着信番号と予め登録された番号情報とから接続すべき電話網を判定し、接続すべきでない電話網に対して網切断要求信号を送信するように制御する制御手段を備える。
【0032】
本実施例における通信システム(6)の動作は、通信システム(1)と同様であるので、第1の実施形態の説明で使用した図3を用いて説明する。尚、図3において、通信制御装置(10)を通信制御装置(60)に置き換えて説明する。
【0033】
まず、電話加入者が、電話加入者端末(11−i)の受話器を上げると(OFF−HOOK)、電話加入者端末(11−i)から発信要求信号が通信制御装置(10)に送信される(ステップS300)。
【0034】
通信制御装置(60)は、電話加入者端末(11−i)から発信要求信号を受信すると、この発信要求信号を公衆交換電話網(12)に終端せずに透過送信する(S301)。又、通信制御装置(60)は、受信した上記発信要求信号をパケット化して(S302)、IP電話網(13)へ送信する(S303)。
【0035】
公衆交換電話網(12)では、発信要求信号を受けてダイヤルトーン信号を送信する(S304)。ダイヤルトーン信号は、通信制御装置(60)を介して発信要求元の電話加入者端末(11−i)に送信される(S305)。
【0036】
次に、電話加入者が、ダイヤルトーン信号を受けて電話加入者端末(11−i)からダイヤル番号(例えば、110)を入力すると、電話加入者端末(11−i)から着信番号“110”が通信制御装置(60)へ送信される(S306)。
【0037】
通信制御装置(60)は、電話加入者端末(11−i)から着信番号“110”を受信すると、着信番号“110”を公衆交換電話網(200)に終端せずに透過送信する(S307)。又、通信制御装置(60)は、受信した着信番号“110”をパケット化して(S308)、IP電話網(13)へ送信する(S309)。更に、通信制御装置(60)は、受信した着信番号“110”に基づいて着信番号情報管理テーブル(20)を検索し、着信番号“110”の着信番号情報管理テーブル(200)への登録の有無から、接続すべき電話網を判定する(S310)。本実施例では、着信番号“110”が着信番号情報管理テーブル(200)に登録されている(図2参照)ので、通信制御装置(60)は、公衆交換網(12)に接続すべきであると判断し、IP電話網(13)に対しては網切断要求信号を送信する(S311)。又、通信制御装置(60)は、IP電話網(13)への接続を切断するように装置内を制御する(S312)。以上の動作によって、発信要求元の電話加入者端末(11−i)と公衆交換電話網(12)とが通話状態に遷移する(S313)。
【0038】
図7と図8は、第2の実施形態による通信制御装置(60)の制御を示すフローチャートである。
【0039】
発信要求検出部(603)は、電話加入者端末(11−i)からの発信要求信号を検出すると、その旨を制御部(607)に通知する(ステップS701)。
【0040】
制御部(607)は、発信要求検出部(603)からの通知を受けると、この発信要求信号が公衆交換電話網インタフェース部(601)とIP電話網インタフェース部(602)に送信されるようにスイッチ(606)を制御する(S702)。この制御により、発信要求信号が、公衆交換電話網インタフェース部(601)とIP電話網インタフェース部(602)に送信される(S703)。公衆交換電話網インタフェース部(601)は、スイッチ(606)から送信された発信要求信号を公衆交換電話網(12)に終端せずに透過送信する(S704)。一方、IP電話網インタフェース部(602)は、スイッチ(606)から送信された発信要求信号をパケット化してIP電話網(13)に送信する(S705)。
【0041】
次に、公衆交換電話網(12)からのダイヤルトーン信号が、公衆交換電話網インタフェース部(101)、スイッチ(606)、多重分離部(608)を介して発信要求元の電話加入者端末(11−i)に送信される(S706)。
【0042】
次に、スイッチ(606)は、発信要求元の電話加入者端末(11−i)からの着信番号を多重分離部(608)を介して受信すると、この着信番号を公衆交換電話網インタフェース部(601)とIP電話網インタフェース部(602)に送信する(S707)。
【0043】
公衆交換電話網インタフェース部(601)は、スイッチ(606)から送信された着信番号を公衆交換電話網(12)に終端せずに透過送信する(S708)。一方、IP電話網インタフェース部(602)は、スイッチ(103)から送信された着信番号をパケット化してIP電話網(13)に送信する(S709)。
【0044】
又、着信番号検出部(604)は、着信番号を検出すると、この着信番号を制御部(607)に通知する(S710)。制御部(607)は、この着信番号に基づいて番号情報管理テーブル(200)を検索し、着信番号の番号情報管理テーブル(200)への登録の有無から、接続すべき電話網を判定する(S711)。制御部(607)は、着信番号が番号情報管理テーブル(200)に登録されていれば、接続すべき電話網は公衆交換電話網(12)であると判定し、IP電話網(13)に対して網切断要求信号を送信するようにスイッチ(607)を制御する。このスイッチの制御により、網切断要求信号送信部(605)からの網切断要求信号がスイッチ(606)、IP電話網インタフェース部(602)を介してIP電話網(13)へ送信される(S712)。
【0045】
次に制御部(607)は、多重分離部(608)からの信号がIP電話網インタフェース部(602)に送信されないようにスイッチ(606)を制御する(S713)。
【0046】
又、S711の判定において、制御部(607)は、着信番号が番号情報管理テーブル(200)に登録されていなければ、接続すべき電話網はIP電話網(13)であると判定し、公衆交換電話網(12)に対して網切断要求信号を送信するようにスイッチ(607)を制御する。このスイッチの制御により、網切断要求信号送信部(605)からの網切断要求信号がスイッチ(606)、公衆交換電話網インタフェース部(601)を介して公衆交換電話網(12)へ送信される(S714)。
【0047】
次に、制御部(607)は、多重分離部(608)からの信号が公衆交換電話網インタフェース部(601)に送信されないようにスイッチ(607)を制御する(S715)。
【0048】
尚、第1の実施の形態では、制御部(104)が、網切断要求信号を公衆交換電話網インタフェース部(101)又はIP電話網インタフェース部(102)に送信するようにしたが、制御部(104)の指示を受けた電話網インタフェース部が網切断要求信号を生成するようにしても良い。
【0049】
又、図7に示すフローチャートにおいて、制御部(607)が、発信要求検出部(603)からの通知を受けて、発信要求信号が公衆交換電話網インタフェース部(601)とIP電話網インタフェース部(602)に送信されるようにスイッチ(606)を制御するようにしているが、公衆交換電話網インタフェース部(601)へは予め発信要求信号が送信されるようにパスをはっておき、御部部(607)が発信要求検出部(603)からの通知を受けた際、発信要求信号がIP電話網インタフェース部(602)に送信されるようにスイッチ(606)を制御するようにしても良い。
【0050】
又、第1、第2の実施形態では、制御部(607)において、電話加入者端末からの着信番号を全て受信し、その着信番号を元に公衆交換電話網(12)又はIP電話網(13)の何れの電話網に接続すべきかを判断するようにしたが、着信番号の一部(例えば、先頭部分)を受信した時点で、その一部の番号情報を元に公衆交換電話網(12)又はIP電話網(13)の何れの電話網に接続すべきかを判断するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、第1の実施形態による通信制御装置(10)の構成及びこれを用いた通信システム(1)の構成を示す図である。
【図2】図2は、制御部(104)に備える番号情報管理テーブル(200)の構成を示す図である。
【図3】図3は、第1の実施形態による通信システム(1)全体の動作を示すシーケンス図である。
【図4】図4は、第1の実施形態による通信制御装置(10)の制御を示すフローチャートである。
【図5】図5は、同じく、第1の実施形態による通信制御装置(10)の制御を示すフローチャートである。
【図6】図6は、第2の実施形態による通信制御装置(60)の構成及びこれを用いた通信システム(6)の構成を示す図である。
【図7】図7は、第2の実施形態による通信制御装置(60)の制御を示すフローチャートである。
【図8】図8は、同じく、第2の実施形態による通信制御装置(60)の制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0052】
1 通信システム
10 通信制御装置
11−i(i=1、2、・・・、n) 電話加入者端末
12 公衆交換電話網
13 IP電話網
100−i(i=1、2、・・・、n) 端末インタフェース部
101 公衆交換電話網インタフェース部
102 IP電話網インタフェース部
103 スイッチ
104 制御部
6 通信システム
60 通信制御装置
601 公衆交換電話網インタフェース部
602 IP電話網インタフェース部
603 発信要求信号検出部
604 着信番号検出部
605 網切断要求信号送信部
606 スイッチ
607 制御部
608 多重分離部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電話加入者端末を収容し、該加入者端末を複数の電話網の何れかに接続させる通信制御装置であって、
前記複数の端末の何れかから受信した番号情報を前記複数の電話網の各々に転送すると共に、前記番号情報と予め登録された番号情報とから接続すべき電話網を判定し、接続すべきでない電話網へ網切断要求信号を送信するように制御する制御手段を備えたことを特徴とする通信制御装置。
【請求項2】
複数の電話加入者端末を収容し、該加入者端末を第1の電話網又は第2の電話網の何れかに接続させる通信制御装置であって、
前記複数の端末の何れかから受信した番号情報を前記第1、第2の電話網の各々に転送すると共に、前記番号情報と予め登録された番号情報とから接続すべき電話網を判定し、接続すべきでない電話網へ網切断要求信号を送信するように制御する接続手段を備えたことを特徴とする通信制御装置。
【請求項3】
前記第1の電話網がインターネットプロトコル(IP)を使用する電話網であり、前記第2の電話網が公衆交換電話網であることを特徴とする請求項2に記載の通信制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記公衆交換電話網へは前記番号情報を透過送信し、前記IPを使用する電話網へは前記番号情報をパケットの形にして送信することを特徴とする請求項3に記載の通信制御装置。
【請求項5】
複数の電話加入者端末を収容し、該加入者端末を複数の電話網の何れかに接続させる通信制御装置であって、
前記複数の電話加入者端末と接続される複数の端末インタフェースと、
前記複数の電話網と接続される複数の網インタフェースと、
前記複数の端末インタフェースの何れかで受信した番号情報を前記複数の電話網の各々に転送すると共に、前記番号情報と予め登録された番号情報とから接続すべき電話網を判定し、接続すべきでない電話網へ網切断要求信号を送信するように制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする通信制御装置。
【請求項6】
複数の電話加入者端末を収容し、該加入者端末を第1の電話網又は第2の電話網の何れかの電話網に接続させる通信制御装置であって、
前記複数の電話加入者端末と接続される複数の端末インタフェースと、
前記第1、第2の電話網と接続される第1、第2の網インタフェースと、
前記複数の端末インタフェースの何れかで受信した前記番号情報を前記第1、第2の電話網の各々に転送すると共に、前記番号情報と予め登録された番号情報とから接続すべき電話網を判定し、接続すべきでない電話網へ網切断要求信号を送信するように制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする通信制御装置。
【請求項7】
前記第1の電話網がインターネットプロトコル(IP)を使用する電話網であり、前記第2の電話網が公衆交換電話網であることを特徴とする請求項6に記載の通信制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記公衆交換電話網へは前記番号情報を透過送信し、前記IPを使用する電話網へは前記番号情報をパケットの形にして送信することを特徴とする請求項7に記載の通信制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−157322(P2006−157322A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−343286(P2004−343286)
【出願日】平成16年11月29日(2004.11.29)
【出願人】(000153465)株式会社日立コミュニケーションテクノロジー (770)
【Fターム(参考)】