説明

通信方法、通信システム、中継装置および端末装置

【課題】利用する帯域が異なる複数の端末同士が、複数の中継装置を介して接続されてグループ通信を行うときに、中継網の負荷を最小限にして、それぞれの受信端末が要求する帯域でデータを受信できるようにする。
【解決手段】各受信端末T2〜T6から送信端末T1宛に出された要求帯域を指定する帯域コマンドを中継する際、各中継装置C1〜C3は、配下の端末および中継装置が要求する帯域の最大値を記憶し、また送信端末T1は受信端末T2〜T6のうちの最大の帯域を記憶する。送信端末T6は、その記憶した帯域を送信帯域としてセットし、データを送信する。各中継装置C1〜C3は、データの中継に際して、データをバッファリングし、それぞれに指定された帯域で下位に中継することで、中継装置間のデータ中継の転送レートを最小限に抑えながら、受信端末T2〜T6が希望する帯域でデータを受信できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数の端末装置が複数の中継装置を介して相互に通信可能に接続された通信システムに関し、特に広帯域を要求する受信端末と狭帯域を要求する受信端末とが混在する通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワーク技術の発展によって、遠隔地の端末装置を幾つかの中継装置を介して広帯域のネットワークで接続し、会議資料などの大量のデータを送受信する会議システムなどの通信システムが各種提案ないし実用化されている。しかし、各端末装置のCPUパワーやアクセス網のネットワーク帯域の相違などにより、全ての端末装置が一定の帯域を使用できる保証はない。このため、広帯域を要求する受信端末と狭帯域を要求する受信端末とが混在する状況の下で、効率的に通信できる方法が望まれている。
【0003】
帯域の異なる受信端末が混在する通信システムにおいて、全受信端末が支障なくデータを受信できるようにする通信方法の一例は、送信端末が、全受信端末のうちの最低の帯域でデータを送信し、各中継装置がそのデータを中継して各受信端末へ届ける方法である(以下、この方法を第1の従来技術と言う)。
【0004】
帯域の異なる受信端末が混在する通信システムにおいて、全受信端末が支障なくデータを受信できるようにする通信方法の他の例は、送信端末が、各受信端末の帯域に合った送信帯域で別々にデータを送信し、各中継装置がそれらのデータを中継して各受信端末へ届ける方法である(以下、この方法を第2の従来技術と言う)。
【0005】
なお、第1の従来技術および第2の従来技術において、送信端末が所望の帯域でデータを送信することができるようにするために、資源予約プロトコル(RSVP:Resource Reservation Protocol)を使用する方法がある(例えば特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2000−106568号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した第1の従来技術では、広帯域を要求する受信端末は自身の能力に合った帯域でデータを受信することができない。また、第2の従来技術によれば、全ての受信端末にとって最適な帯域でデータの受信が行えるが、送信端末は複数の帯域へ別々に同じデータを送信する必要があるため負荷が増大する。また、中継装置間の帯域も、そこを通って中継される受信端末の帯域を合計した帯域が必要になり、ネットワークの負荷が増大する。
【0008】
本発明の目的は、広帯域を要求する受信端末と狭帯域を要求する受信端末とが混在する通信システムにおいて、送信端末およびネットワークの負荷の増大を抑えつつ、全ての受信端末にとって最適な帯域でデータの受信が行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の通信方法は、複数の端末装置が複数の中継装置を介して相互に通信可能に接続された通信システムにおける通信方法において、a)データ受信側の端末装置が、同一通信グループのデータ送信側の端末装置に対して、希望する送信帯域を指定した帯域コマンドを送信するステップと、b)前記中継装置が、前記帯域コマンドを中継する際、受信した帯域コマンドを自中継装置の転送帯域記憶装置に通信グループ毎に記憶するとともに、自中継装置に接続された端末装置および他の中継装置毎に、それらから受信した帯域コマンドの最大の送信帯域を通信グループ毎に計算して前記転送帯域記憶装置に記憶するステップと、c)前記帯域コマンドを受信したデータ送信側の端末装置が、受信した帯域コマンドを自端末装置の送信帯域記憶装置に通信グループ毎に記憶するとともに、受信した帯域コマンドの最大の送信帯域を通信グループ毎に計算して前記送信帯域記憶装置に記憶するステップと、d)前記データ送信側の端末装置が、同一通信グループのデータ受信側の端末装置へ送信するデータを一定長のデータに分割し、個々の分割データを前記送信帯域記憶装置に記憶された最大の送信帯域で送信するステップと、e)前記中継装置が、前記分割データを中継する際、受信した分割データを転送データ一時記憶装置にバッファリングし、自中継装置に接続された端末装置および他の中継装置毎に、自中継装置の転送帯域記憶装置に記憶された最大の送信帯域で転送データを中継するステップと、f)前記分割データを受信したデータ受信側の端末装置が、分割データから元のデータを合成するステップとを含むことを特徴とする。
【0010】
本発明の第2の通信方法は、第1の通信方法において、前記帯域コマンドは指定した送信帯域に関する優先度を含んでおり、前記ステップbおよび前記ステップcにおいては、帯域コマンドの最大の送信帯域に加えて最大の優先度を計算して記憶し、前記ステップdおよび前記ステップeにおいては、通信量が予め定められた量を超える場合に優先度のより低いデータの送信帯域を小さくする制御を行うことを特徴とする。
【0011】
本発明の第3の通信方法は、第1の通信方法において、データの受信側の端末装置が通信グループからログアウトした場合に、該ログアウトした端末装置から出ていた前記帯域コマンドを、前記中継装置の転送帯域記憶装置およびデータの送信側の端末装置の前記送信帯域記憶装置から削除し、前記中継装置およびデータの送信側の端末装置において、残りの帯域コマンドに基づいて最大の送信帯域を再計算することを特徴とする。
【0012】
本発明の第1の中継装置は、複数の端末装置が複数の中継装置を介して相互に通信可能に接続された通信システムにおける前記中継装置において、データ送信側の端末装置から送信されたデータをデータ受信側の端末装置へ中継するために端末装置および他の中継装置と通信するための通信手段と、転送帯域記憶装置と、転送データ一時記憶装置と、データ受信側の端末装置から同一通信グループのデータ送信側の端末装置宛に送信された送信帯域を指定した帯域コマンドを前記通信手段が中継したときに、該帯域コマンドを前記転送帯域記憶装置に通信グループ毎に記憶するとともに、自中継装置に接続された端末装置および他の中継装置毎に、それらから受信した帯域コマンドの最大の送信帯域を通信グループ毎に計算して前記転送帯域記憶装置に記憶する帯域集計手段と、データ送信側の端末装置から同一通信グループのデータ受信側の端末装置宛に送信されたデータを前記転送データ一時記憶装置にバッファリングし、自中継装置に接続された端末装置および他の中継装置毎に、前記転送帯域記憶装置に記憶された最大の送信帯域で転送データを中継する送信タイミング制御手段とを含むことを特徴とする。
【0013】
本発明の第2の中継装置は、第1の中継装置において、前記帯域コマンドは指定した送信帯域に関する優先度を含んでおり、前記帯域集計手段は、帯域コマンドの最大の送信帯域に加えて最大の優先度を計算して前記転送帯域記憶装置に記憶し、前記送信タイミング制御手段は、通信量が予め定められた量を超える場合に優先度のより低いデータの送信帯域を小さくする制御を行うことを特徴とする。
【0014】
本発明の第3の中継装置は、第1の中継装置において、データの受信側の端末装置が通信グループからログアウトした旨のログアウトコマンドを前記通信手段が中継したときに、前記帯域集計手段は、前記ログアウトした端末装置の前記帯域コマンドを前記転送帯域記憶装置から削除し、残りの帯域コマンドに基づいて最大の送信帯域を再計算することを特徴とする。
【0015】
本発明の第1の端末装置は、複数の端末装置が複数の中継装置を介して相互に通信可能に接続された通信システムにおける前記端末装置において、前記中継装置を通じて他の端末装置と通信するための通信手段と、送信帯域記憶装置と、自端末装置がデータ受信側の端末装置となる場合に、同一通信グループのデータ送信側の端末装置に対して希望する送信帯域を指定した帯域コマンドを送信し、自端末装置がデータ送信側の端末装置となる場合に、同一通信グループのデータ受信側の端末に対してデータを送信するアプリケーションと、自端末装置がデータ送信側の端末装置となる場合にデータ受信側の端末装置から受信した帯域コマンドを前記送信帯域記憶装置に通信グループ毎に記憶するとともに、受信した帯域コマンドの最大の送信帯域を通信グループ毎に計算して前記送信帯域記憶装置に記憶する調停手段と、前記アプリケーションから送信されたデータを一定長のデータに分割した分割データを生成する分割手段と、該分割手段で生成された分割データを前記送信帯域記憶装置に記憶された最大の送信帯域で前記通信手段により送信する送信タイミング指定手段と、前記通信手段で受信した分割データから元のデータを合成する合成手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の第2の端末装置は、第1の端末装置において、前記帯域コマンドは指定した送信帯域に関する優先度を含んでおり、前記調停手段は、帯域コマンドの最大の送信帯域に加えて最大の優先度を計算して前記送信帯域記憶装置に記憶し、前記送信タイミング制御手段は、通信量が予め定められた量を超える場合に優先度のより低いデータの送信帯域を小さくする制御を行うことを特徴とする。
【0017】
本発明の第3の端末装置は、データの受信側の端末装置が通信グループからログアウトした旨のログアウトコマンドを前記通信手段が中継したときに、前記調停手段は、前記ログアウトした端末装置の前記帯域コマンドを前記送信帯域記憶装置から削除し、残りの帯域コマンドに基づいて最大の送信帯域を再計算することを特徴とする。
【0018】
本発明の通信システムは、複数の端末装置が複数の中継装置を介して相互に通信可能に接続された通信システムにおいて、前記端末装置が、第1、第2または第3の端末装置であり、前記中継装置が、第1、第2または第3の中継装置であることを特徴とする。
【0019】
『作用』
ストリーム配信と異なりデータ系アプリケーションから送信されるデータはバースト性があるため、常にデータは流れない。このため、中継装置に転送データ一時記憶装置を持たせてバッファリングを行えば、送信データの帯域を中継装置で別の帯域に変換することができる。本発明はこの点に着目し、送信側の端末装置からは、受信側の端末装置が要求する帯域のうちの最大の帯域でデータを送信する。また、各中継装置は、受信した送信データの帯域を、下位の他の中継装置あるいは端末装置に適した帯域に変換して中継する。これによって本発明の目的を達成することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、広帯域を要求する受信端末と狭帯域を要求する受信端末とが混在する通信システムにおいて、送信端末およびネットワークの負荷の増大を抑えつつ、全ての受信端末にとって最適な帯域でデータの受信が行える。
【0021】
送信端末の負荷の増大が抑えられる理由は、送信側の端末装置は、受信側の複数の端末装置がそれぞれ異なる帯域を要求していても、その内の最大の帯域でデータを送信すれば良いからである。また、ネットワークの負荷の増大が抑えられる理由は、受信側の複数の端末装置がそれぞれ異なる帯域を要求していても、各中継装置は配下の受信端末のうちの最大の帯域だけを確保すれば良いからである。さらに、全ての受信端末にとって最適な帯域でデータの受信が行える理由は、各中継装置において、受信した送信データの帯域をデータ受信側の端末装置に適した帯域に変換して中継するためである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
図1を参照すると、本発明の通信システムの一例は、端末装置T1〜T6と中継装置C1〜C3とを含んで構成される。端末装置T1、T2およびT3は、回線L1、L2およびL3を通じて中継装置C1に接続されている。端末装置T4およびT5は、回線L4およびL5を通じて中継装置C3に接続され、端末装置T6は回線L6を通じて中継装置C2に接続されている。また、中継装置C1と中継装置C2とは中継線C12を通じて接続され、中継装置C2と中継装置C3とは中継線C23を通じて接続されている。
【0024】
端末装置T1〜T6が或る通信グループにログインしている場合、各端末装置T1〜T6から当該通信グループ宛に送信されたデータは、その通信グループにログインしている他の全ての端末装置へ届けられる。たとえば、端末装置T1から回線L1に送信されたデータは、まず中継装置C1で受信され、この中継装置C1から回線L2、L3を通じて端末装置T2、T3に送信されると同時に、中継線C12を通じて中継装置C2へ送信される。さらに中継装置C2は、受信したデータを回線L6を通じて端末T6へ送信するとともに、中継線C23を通じて中継装置C3へ送信する。さらに中継装置C3は、受信したデータを回線L4、L5を通じて端末装置T4、T5へ送信する。
【0025】
本実施の形態は、上述のようなグループ通信が行われる通信システムにおいて、データを受信する複数の端末装置がそれぞれ異なる帯域を要求する場合に、送信端末および中継装置間の中継線の負荷の増大を抑えつつ、全ての受信端末にとって最適な帯域でデータの受信が行えるようにする。以下では、説明の便宜上、端末装置T1をデータ送信側の端末装置、端末装置T2〜T6をデータ受信側の端末装置とするが、各端末装置T1〜T6は何れもデータ送信側の端末装置およびデータ受信側の端末装置の何れとしても動作し得るものである。
【0026】
次に端末装置T1〜T6および中継装置C1〜C3について詳細に説明する。
【0027】
図2を参照すると、端末装置T1〜T6として利用可能な端末装置100は、通信手段101、受信手段102、合成手段103、帯域受信手段104、調停手段105、アプリケーション106、分割手段107、帯域設定手段108、送信タイミング制御手段109、流量検出手段110および送信帯域記憶装置111を含んで構成される。
【0028】
通信手段101は、自端末装置100に接続された中継装置との間でデータの送受信を行う手段である。送受信されるデータは、図3に示すログインログアウトコマンドD10、帯域コマンドD20、分割データD30である。
【0029】
ログインログアウトコマンドD10は、端末装置がグループ通信に参加したり、参加していたグループ通信から脱退する際に使用され、通信グループを一意に判別するグループ識別子(GID)D11、当該ログインログアウトコマンドD10の送信元識別子(From)D12、当該ログインログアウトコマンドD10の送信先識別子(To)およびコマンド(ログインコマンドまたはログアウトコマンド)D14から構成される。
【0030】
帯域コマンドD20は、データの受信側となる端末からデータの送信側となる端末に対して、希望する送信帯域を通知する際に使用され、グループ識別子D21、送信元識別子D22、送信先識別子D23、コマンドD24、優先度D25および帯域D26を有する。優先度D25は数値であり、ここでは数値が大きいほど優先度がより高いものとする。実際の通信帯域を、帯域D26で指定した帯域よりも落としたくない場合には、より高い優先度を設定する。なお、帯域D26は予約帯域ではなく、実際の帯域を指定するものである。
【0031】
分割データD30は、送信側の端末から受信側の端末へ送信するテキストデータ、画像データなどを一定長のデータに分割して送受信する際に使用され、グループ識別子D31、送信元識別子D32、送信先識別子D33、コマンドD34、分割番号D35および分割データD36を有する。分割番号D35は、分割データD36が、一連の分割データの何番目のデータであるかを示す連続番号である。
【0032】
再び図2を参照すると、受信手段102は、端末装置が中継装置から受信したデータを通信手段101から受け取り、そのデータのコマンド種別の解析を行い、分割データD30であれば合成手段103へ伝達し、帯域コマンドD20およびログインログアウトコマンドD10であれば帯域受信手段104へ伝達する。
【0033】
帯域受信手段104は、受信手段102から帯域コマンドD20を受け取った場合、受信側端末の帯域情報を自端末で管理するために調停手段105へ伝達し、受信手段202からログインログアウトコマンドD10を受け取った場合、アプリケーション106へ伝達すると共に、ログアウトコマンドであればログアウトした受信側端末の帯域情報を自端末の管理上から削除するために調停手段105へも伝達する。
【0034】
合成手段103は、受信手段102から受け取った複数の分割データD30を内部のメモリにバッファリングし、個々の分割データD30中の分割番号D35の順番に分割データD36を連結することにより、分割前のデータを合成し、アプリケーション106へ伝達する。図3に、合成手段103からアプリケーション106へ通知されるデータD40のフォーマット例を示す。データD44が複数の分割データD36を合成したデータ、D41、D42、D43は個々の分割データD30に付加されていたグループ識別子D31、送信元識別子D32および送信先識別子D33である。
【0035】
調停手段105は、自端末装置100が送信側となる場合に、受信側の端末装置から受信した帯域コマンドD20およびログアウトコマンドD10に基づき、自端末装置から分割データD30を、どのような帯域および優先度で中継装置へ中継すべきであるかを計算し、送信帯域記憶装置111に計算結果を保存する。より具体的には、図4に示す処理を実行する。
【0036】
まず調停手段105は、受信したコマンドが帯域コマンドD20か、ログアウトコマンドD10かを判別し(ステップS101)、帯域コマンドD20であれば、そのグループ識別子D21に対応付けて当該帯域コマンドD20を送信帯域記憶装置111に記憶する(ステップS102)。そして、当該グループ識別子D21に対応付けて記憶されている全ての帯域帯域コマンドD20の最大値を計算する(ステップS104)。例えば、端末装置A、Bのそれぞれから、たとえば(帯域100、優先度3)、(帯域200、優先度5)の帯域コマンドD20を受信している場合、帯域200、優先度5を最大値とする。他方、受信したのがログアウトコマンドD10であれば(ステップS101)、送信帯域記憶装置111から当該ログアウトした端末装置が出した帯域コマンドを削除する(ステップS103)。そして、当該グループ識別子D21に対応付けて記憶されている全ての帯域帯域コマンドD20の最大値を再度計算する(ステップS104)。
【0037】
アプリケーション106は、端末装置100上で稼動する任意の応用プログラムである。アプリケーション106は、自端末装置100から他の端末装置のアプリケーションにデータを送信する場合、図3のデータD40に示すフォーマットのデータを分割手段107へ伝達する。またアプリケーション106は、他の端末装置のアプリケーションからデータを受信する場合、希望する送信帯域と優先度を設定した図3の帯域コマンドを、通信手段101を通じて送信側の端末装置へ通知する。さらにアプリケーション106は、通信グループへのログイン、ログアウトのコマンドD10を、通信手段101を通じて外部へ通知する。
【0038】
分割手段107は、アプリケーション106から送られてくるデータD40を複数の分割データD30に分割して、送信タイミング制御手段109に伝達する。より具体的には、データD40中のデータD44を一定長のデータに分割し、その各々のデータにデータD40中のグループ識別子D41、送信元識別子D42および送信先識別子D43と同一のグループ識別子D31、送信元識別子D32および送信先識別子D33を付与し、さらに分割データである旨のコマンドD34と分割番号D35を付与して、分割データD30を生成する。そして、分割番号D35の若いものから順に分割データD30を送信タイミング制御手段109へ出力する。
【0039】
帯域設定手段108は、調停手段105によって計算されて送信帯域記憶装置111に記憶されている最大の帯域および優先度を、送信タイミング制御手段109における送信帯域および優先度として設定する。なお、帯域設定手段108は、送信帯域記憶装置111に記憶されている最大の帯域が、自端末装置の最大送信帯域を超える場合には、自端末装置の最大送信帯域を送信タイミング制御手段109における送信帯域に設定する。
【0040】
流量検出手段110は、通信手段101から送信されるデータの流量を検出し、この検出した流量が予め定められた最大帯域を超えた場合に、帯域突破通知を送信タイミング制御手段109へ送出する。
【0041】
送信タイミング制御手段109は、分割手段107から受け取った分割データD30が帯域設定手段108により設定された送信帯域で通信手段101から送信されるように、個々の分割データD30の送信タイミングを制御する。この制御中に流量検出手段107から帯域突破通知を受信したときは、送信タイミングを拡大することにより、帯域突破通知が出ないように流量を抑える。このとき、優先度の異なる複数の送信データが存在する場合、より優先度の低いデータから順に送信タイミングを拡大していくことで、優先度の高いデータが指定された帯域で送信されるようにする。
【0042】
図5を参照すると、中継装置C1〜C3として利用可能な中継装置200は、通信手段201、受信手段202、通信グループ制御手段203、送信タイミング指定手段204、送信タイミング制御手段205、帯域集計手段206、流量検出手段207を含んで構成され、転送帯域記憶装置300および転送データ一時記憶装置400が接続されている。
【0043】
通信手段201は、自中継装置200に接続された他の中継装置および端末装置との間でデータの授受を行う。通信手段201は、他の中継装置および端末装置からログインログアウトコマンドD10および帯域コマンドD20を受信したときは、それを内部に取り込んで受信手段202へ伝達すると同時に、宛先に向けて再送信(中継)する。また、通信手段201は、他の中継装置および端末装置から分割データD30を受信したときは、それを内部に取り込んで受信手段202へ伝達し、その後に送信タイミング制御手段205から分割データD30が渡されて送信が指示されると、宛先に向けて再送信(中継)する。
【0044】
受信手段202は、他の中継装置および端末装置から受信したデータを通信手段201より受け取り、データのコマンド種別を解析し、分割データD30であれば転送データ一時記憶装置400に蓄積し、ログインにかかるコマンドD10であれば通信グループ制御手段203に伝達し、ログアウトにかかるコマンドD10であれば通信グループ制御手段203および帯域集計手段206に伝達し、帯域コマンドD20であれば帯域集計手段206に伝達する。
【0045】
通信グループ制御手段203は、ログインログアウトコマンドD10に基づき、各通信グループ毎に、その通信グループに属する端末装置から送信された分割データD30を自中継装置200で受信した場合に、自中継装置200に接続されるどの他の中継装置および端末装置へその分割データD30を中継すべきであるかを示す中継情報を管理し、送信タイミング指定手段204に対して分割データD30の中継先の指定を行う。
【0046】
帯域集計手段206は、帯域コマンドD20およびログアウトコマンドD10に基づき、各通信グループ毎に、その通信グループに属する端末装置から同じ宛先に送信された分割データD30を、どのような帯域および優先度で他の中継装置および端末装置へ中継すべきであるかを計算し、転送帯域記憶装置300に計算結果を保存する。より具体的には、図6に示す処理を実行する。
【0047】
まず帯域集計手段206は、受信したコマンドが帯域コマンドD20か、ログアウトコマンドD10かを判別し(ステップS201)、帯域コマンドD20であれば、そのグループ識別子D21および宛先に対応付けて当該帯域コマンドD20を転送帯域記憶装置300に記憶する(ステップS202)。次に、当該帯域コマンドD20を端末装置から直接受信したのか、他の中継装置を経由して受信したのかを判別し(ステップS204)、他の中継装置経由であれば、その中継装置経由の帯域コマンドの最大値を計算する(ステップS205)。例えば、或る中継装置経由で端末装置A、Bのそれぞれから、たとえば(帯域100、優先度3)、(帯域200、優先度5)の帯域コマンドD20を受信している場合、その中継装置経由の帯域コマンドの最大値として、帯域200、優先度5を計算する。次に、当該中継装置用に図3に示すようなフォーマットの帯域記憶D50が生成されていなければ新規に生成し、既に生成されていれば必要に応じて更新する(ステップS206)。このとき、グループ識別子D51には当該通信グループの識別子を設定し、送信元識別子D52には帯域コマンドD20の送信先識別子D23を設定し、送信先識別子D53には当該中継装置を設定し、優先度D54および帯域D55には、前記計算した最大値を設定する。
【0048】
また、今回の帯域コマンドD20を端末装置から直接に受信していれば(ステップS204でYES)、当該端末装置用に帯域記憶D50が生成されていなければ新規に生成し、既に生成されていれば必要に応じて更新する(ステップS207)。このとき、グループ識別子D51には当該通信グループの識別子を設定し、送信元識別子D52には帯域コマンドD20の送信先識別子D23を設定し、送信先識別子D53には当該端末装置を設定し、優先度D54および帯域D55には、今回受信した帯域コマンドD20の優先度D25および帯域D26を設定する。
【0049】
他方、受信したのがログアウトコマンドD10であれば(ステップS201)、転送帯域記憶装置300から当該ログアウトした端末装置から出されていた帯域コマンドを削除する(ステップS203)。そして、ステップS204以降の処理を実行する。これによって、ログアウトコマンドD10を端末装置から直接受信したのであれば(ステップS204でYES)、当該端末装置用の帯域記憶D50が転送帯域記憶装置300から削除される(ステップS207)。また、ログアウトコマンドD10を他の中継装置を経由して受信したのであれば(ステップS204でNO)、その中継装置経由の帯域コマンドの最大値を再計算する(ステップS205)。例えば、或る中継装置経由で端末装置A、Bのそれぞれから、たとえば(帯域100、優先度3)、(帯域200、優先度5)の帯域コマンドD20を受信している状況で、端末装置BのログアウトコマンドD10を受信すると、その中継装置経由の帯域コマンドの最大値は、帯域100、優先度3になる。次に、当該中継装置用の帯域記憶D50を必要に応じて更新あるいは削除する。
【0050】
送信タイミング指定手段204は、通信グループ制御手段203から指定された中継相手に対して、データの転送を行うように送信タイミング制御手段205を制御する。そのとき、転送帯域記憶装置300に格納された帯域記憶D50から、転送相手D53ごとに転送帯域D55と優先度D54を取り出し、送信タイミング制御手段205に伝達する。
【0051】
流量検出手段207は、通信手段201の通信の流量を回線ごとに検出し、予め定められた流量を越える場合には、送信タイミング制御手段205に対して、帯域突破通知を行う。
【0052】
送信タイミング制御手段205は、転送データ一時記憶装置400から読み出した分割データD30が、送信タイミング指定手段204により設定された送信帯域で通信手段201から中継先へ送信されるように、個々の分割データD30の送信タイミングを制御する。この制御中に流量検出手段207から或る回線に関して帯域突破通知を受け取ると、送信タイミングを拡大することにより、その回線に関して帯域突破通知がでないように流量を抑える。このとき、優先度の異なる複数の送信データが存在する場合、より優先度の低いデータから順に送信タイミングを拡大していくことで、優先度の高いデータが指定された帯域で送信されるようにする。
【0053】
次に本実施の形態の動作を説明する。状況として、図1に示した6台の端末装置T1〜T6が同じ通信グループgにログインしており、端末装置T1が送信側、残りの端末装置T2〜T6が受信側となってグループ通信する例を考える。
【0054】
まず、端末装置T2〜T6が端末装置T1に対して帯域コマンドD20を送信して帯域を設定する際の動作を説明する。各端末装置T2〜T6が帯域コマンドを送出する順序および指定する帯域とその優先度は以下の通りとする。帯域の単位はたとえばMbit/sであり、端末装置T1の最大送信帯域は400以上あるものとする。
(1)端末装置T2:帯域100、優先度1
(2)端末装置T3:帯域200、優先度2
(3)端末装置T4:帯域300、優先度3
(4)端末装置T5:帯域200、優先度2
(5)端末装置T6:帯域400、優先度4
【0055】
端末装置T2のアプリケーション106が、端末装置T1宛の帯域コマンドD20を通信手段101を通じて中継装置C1へ送信すると、中継装置C1の通信手段201はこれを受信して受信手段202を通じて帯域集計手段206に伝達すると同時に、端末装置T1へ中継する。中継装置C1の帯域集計手段206は、転送帯域記憶装置300に通信グループgに対応付けて端末装置T2の帯域コマンドD20を記憶し、端末装置T2用の帯域記憶D50を生成して転送帯域記憶装置300に記憶する。このとき端末装置T2用の帯域記憶D50の内容は図7に示すようになる。また、端末装置T1で受信された端末装置T2からの帯域コマンドD20は、通信手段101、受信手段102および帯域受信手段104を通じて調停手段105に伝達され、調停手段105は、この帯域コマンドD20を送信帯域記憶装置111に記憶するとともに、図7に示すように送信帯域の最大値を100、優先度を1と計算して送信帯域記憶装置111に記憶する。
【0056】
次に、端末装置T3のアプリケーション106が、端末装置T1宛の帯域コマンドD20を通信手段101を通じて中継装置C1へ送信すると、中継装置C1の通信手段201はこれを受信して受信手段202を通じて帯域集計手段206に伝達すると同時に、端末装置T1へ中継する。中継装置C1の帯域集計手段206は、転送帯域記憶装置300に通信グループgに対応付けて端末装置T3の帯域コマンドD20を記憶し、端末装置T3用の帯域記憶D50を生成して転送帯域記憶装置300に記憶する。このとき端末装置T3用の帯域記憶D50の内容は図8に示すようになる。また、端末装置T1で受信された端末装置T3からの帯域コマンドD20は、通信手段101、受信手段102および帯域受信手段104を通じて調停手段105に伝達され、調停手段105は、この帯域コマンドD20を送信帯域記憶装置111に記憶するとともに、図8に示すように送信帯域の最大値を200、優先度を2に更新する。
【0057】
次に、端末装置T4のアプリケーション106が、端末装置T1宛の帯域コマンドD20を通信手段101を通じて中継装置C3へ送信すると、中継装置C3の通信手段201はこれを受信して受信手段202を通じて帯域集計手段206に伝達すると同時に、中継装置C2へ中継する。中継装置C3の帯域集計手段206は、転送帯域記憶装置300に通信グループgに対応付けて端末装置T4の帯域コマンドD20を記憶し、端末装置T4用の帯域記憶D50を生成して転送帯域記憶装置300に記憶する。このとき端末装置T4用の帯域記憶D50の内容は図9に示すようになる。
【0058】
中継装置C2の通信手段201は、中継装置C3から送信された端末装置T4からの帯域コマンドD20を受信すると、受信手段202を通じて帯域集計手段206に伝達すると同時に、中継装置C1へ中継する。中継装置C2の帯域集計手段206は、転送帯域記憶装置300に通信グループgに対応付けて端末装置T4の帯域コマンドD20を記憶し、端末装置T4の帯域コマンドD20を中継装置C3から受信したので、中継装置C3用の帯域記憶D50を生成して転送帯域記憶装置300に記憶する。このとき中継装置C3用の帯域記憶D50の内容は図9に示すようになる。
【0059】
中継装置C1の通信手段201は、中継装置C2から送信された端末装置T4からの帯域コマンドD20を受信すると、受信手段202を通じて帯域集計手段206に伝達すると同時に、端末装置T1へ中継する。中継装置C1の帯域集計手段206は、転送帯域記憶装置300に通信グループgに対応付けて端末装置T4の帯域コマンドD20を記憶し、端末装置T4の帯域コマンドD20を中継装置C2から受信したので、中継装置C2用の帯域記憶D50を生成して転送帯域記憶装置300に記憶する。このとき中継装置C2用の帯域記憶D50の内容は図9に示すようになる。また、端末装置T1で受信された端末装置T4からの帯域コマンドD20は、通信手段101、受信手段102および帯域受信手段104を通じて調停手段105に伝達され、調停手段105は、この帯域コマンドD20を送信帯域記憶装置111に記憶するとともに、図9に示すように送信帯域の最大値を300、優先度を3に更新する。
【0060】
次に、端末装置T5のアプリケーション106が、端末装置T1宛の帯域コマンドD20を通信手段101を通じて中継装置C3へ送信すると、中継装置C3の通信手段201はこれを受信して受信手段202を通じて帯域集計手段206に伝達すると同時に、中継装置C2へ中継する。中継装置C3の帯域集計手段206は、転送帯域記憶装置300に通信グループgに対応付けて端末装置T4の帯域コマンドD20を記憶し、端末装置T5用の帯域記憶D50を生成して転送帯域記憶装置300に記憶する。このとき端末装置T5用の帯域記憶D50の内容は図10に示すようになる。
【0061】
中継装置C2の通信手段201は、中継装置C3から送信された端末装置T5からの帯域コマンドD20を受信すると、受信手段202を通じて帯域集計手段206に伝達すると同時に、中継装置C1へ中継する。中継装置C2の帯域集計手段206は、転送帯域記憶装置300に通信グループgに対応付けて端末装置T5の帯域コマンドD20を記憶する。また、中継装置C3から受信した端末装置T1宛の帯域コマンドは、端末装置T4からのものと今回の端末装置T5からのものとの2つになったので、その最大値を計算し、中継装置C3用の帯域記憶D50を更新する。この場合は実質的に値の変更はない。すなわち、中継装置C3用の帯域記憶D50の内容は図10に示すように、図9の場合と同じである。
【0062】
中継装置C1の通信手段201は、中継装置C2から送信された端末装置T5からの帯域コマンドD20を受信すると、受信手段202を通じて帯域集計手段206に伝達すると同時に、端末装置T1へ中継する。中継装置C1の帯域集計手段206は、転送帯域記憶装置300に通信グループgに対応付けて端末装置T5の帯域コマンドD20を記憶する。また、中継装置C2から受信した端末装置T1宛の帯域コマンドは、端末装置T4からのものと今回の端末装置T5からのものとの2つになったので、その最大値を計算し、中継装置C2用の帯域記憶D50を更新する。この場合は実質的に値の変更はない。すなわち、中継装置C2用の帯域記憶D50の内容は図10に示すように、図9の場合と同じである。
【0063】
また、端末装置T1で受信された端末装置T5からの帯域コマンドD20は、通信手段101、受信手段102および帯域受信手段104を通じて調停手段105に伝達され、調停手段105は、この帯域コマンドD20を送信帯域記憶装置111に記憶する。しかし、図10に示すように送信帯域の最大値300と優先度3は図9のままで更新されない。
【0064】
最後に、端末装置T6のアプリケーション106が、端末装置T1宛の帯域コマンドD20を通信手段101を通じて中継装置C2へ送信すると、中継装置C2の通信手段201はこれを受信して受信手段202を通じて帯域集計手段206に伝達すると同時に、中継装置C1へ中継する。中継装置C2の帯域集計手段206は、転送帯域記憶装置300に通信グループgに対応付けて端末装置T6の帯域コマンドD20を記憶し、端末装置T6用の帯域記憶D50を生成して転送帯域記憶装置300に記憶する。このとき端末装置T6用の帯域記憶D50の内容は図11に示すようになる。
【0065】
中継装置C1の通信手段201は、中継装置C2から送信された端末装置T6からの帯域コマンドD20を受信すると、受信手段202を通じて帯域集計手段206に伝達すると同時に、端末装置T1へ中継する。中継装置C1の帯域集計手段206は、転送帯域記憶装置300に通信グループgに対応付けて端末装置T6の帯域コマンドD20を記憶する。また、中継装置C3から受信した端末装置T1宛の帯域コマンドは、端末装置T4、T5からのものと今回の端末装置T6からのものとの3つになったので、その最大値を計算し、中継装置C3用の帯域記憶D50を更新する。この結果、中継装置C3用の帯域記憶D50の内容は図11に示すように、帯域が400、優先度が4に更新される。
【0066】
端末装置T1で受信された端末装置T6からの帯域コマンドD20は、通信手段101、受信手段102および帯域受信手段104を通じて調停手段105に伝達され、調停手段105は、この帯域コマンドD20を送信帯域記憶装置111に記憶する。また、図11に示すように、送信帯域の最大値を400、優先度を4に更新する。
【0067】
次に、端末T2〜T6の帯域コマンドD20がすべて処理された後に、端末装置T1から通信グループg宛にデータを送信した際の動作を説明する。
【0068】
端末装置T1のアプリケーション106が、データD40を分割手段107に伝達すると、分割手段107はそれを複数の分割データD30に分割し、送信タイミング制御手段109へ出力する。他方、帯域設定手段108は、送信帯域記憶装置111に記憶されている送信帯域400、優先度4を送信タイミング制御手段109に設定する。これにより、送信タイミング制御手段109は、分割手段107から出力される分割データD30の送信帯域が400に一致するように通信手段101における分割データD30の送信タイミングを制御する。このとき、流量検出手段110から帯域突破通知を受けた場合には、優先度の低い通信データから順に送信タイミングを拡大していく。
【0069】
端末装置T1から回線L1を通じて送信された分割データD30は、中継装置C1の通信手段201で受信され、受信手段202を通じて転送データ一時記憶装置400にバッファリングされていく。他方、通信グループgの中継先を管理している通信グループ制御手段203は、送信タイミング指定手段204に対して、端末装置T1から受信したデータは中継装置C2、端末装置T2、T3へ転送すべきことを指定する。送信タイミング指定手段204は、指定された各転送先ごとに、その転送先用の帯域記憶D50を転送帯域記憶装置300から読み出し、転送データ一時記憶装置400から読み出した分割データD30が転送帯域D50により設定された送信帯域で通信手段101から送信されるように、個々の分割データD30の送信タイミングを制御する。この制御中に流量検出手段207から帯域突破通知を受信したときは、送信タイミングを拡大することにより、帯域突破通知が出ないように流量を抑える。このとき、各回線毎に、優先度の異なる複数の送信データが存在する場合、より優先度の低いデータから順に送信タイミングを拡大していくことで、優先度の高いデータが指定された帯域で送信されるようにする。図11の場合、中継装置C1は、帯域400で受信した端末装置T1からの分割データD30を、端末装置T2には回線L2を通じて帯域100、優先度1で送信し、端末装置T3には回線L3を通じて帯域200、優先度2で送信し、中継装置C2には中継線C12を通じて帯域400、優先度4で送信する。
【0070】
ここで、帯域400で受信したデータを転送データ一時記憶装置400にバッファリングして、帯域100で端末装置T1に送信する場合、バッファ溢れが問題になるが、送信するデータが会議で使用するテキストデータなどであるデータ系アプリケーションの場合、常にデータが連続して送信されるのではなくバースト的にデータが流れるので、或る程度の容量の転送データ一時記憶装置400であればバッファ溢れは問題にはならない。
【0071】
端末装置T2は、中継装置C1から送信されてきた端末装置T1からの分割データD30を通信手段101で受信し、受信手段102を通じて合成手段103へ伝達する。合成手段103は、受信した分割データD30の分割データD36を分割番号D35の順番に合成してデータD40を生成し、アプリケーション106に渡す。端末装置T3も同様の動作を行う。
【0072】
他方、中継装置C2は、中継装置C1から送信されてきた端末装置T1からの分割データD30を通信手段201で受信し、受信手段202を通じて転送データ一時記憶装置400にバッファリングする。通信グループgの中継先を管理している通信グループ制御手段203は、送信タイミング指定手段204に対して、端末装置T1から受信した通信グループg宛のデータは中継装置C3、端末装置T6へ転送すべきことを指定している。送信タイミング指定手段204は、指定された各転送先ごとに、その転送先用の帯域記憶D50を転送帯域記憶装置300から読み出し、転送データ一時記憶装置400から読み出した分割データD30が転送帯域D50により設定された送信帯域で通信手段101から送信されるように、個々の分割データD30の送信タイミングを制御する。この制御中に流量検出手段207から帯域突破通知を受信したときは、送信タイミングを拡大することにより、帯域突破通知が出ないように流量を抑える。このとき、優先度の異なる複数の送信データが存在する場合、より優先度の低いデータから順に送信タイミングを拡大していくことで、優先度の高いデータが指定された帯域で送信されるようにする。図11の場合、中継装置C2は、帯域400で受信した端末装置T1からの分割データD30を、端末装置T6には回線L6を通じて帯域400、優先度4で送信し、中継装置C3には中継線C23を通じて帯域300、優先度3で送信する。
【0073】
端末装置T6は、中継装置C2から送信されてきた端末装置T1からの分割データD30を通信手段101で受信し、受信手段102を通じて合成手段103へ伝達する。合成手段103は、受信した分割データD30の分割データD36を分割番号D35の順番に合成してデータD40を生成し、アプリケーション106に渡す。
【0074】
中継装置C3は、中継装置C2から送信されてきた端末装置T1からの分割データD30を通信手段201で受信し、受信手段202を通じて転送データ一時記憶装置400にバッファリングする。通信グループgの中継先を管理している通信グループ制御手段203は、送信タイミング指定手段204に対して、端末装置T1から受信した通信グループg宛のデータは端末装置T4、T5へ転送すべきことを指定している。送信タイミング指定手段204は、指定された各転送先ごとに、その転送先用の帯域記憶D50を転送帯域記憶装置300から読み出し、転送データ一時記憶装置400から読み出した分割データD30が転送帯域D50により設定された送信帯域で通信手段101から送信されるように、個々の分割データD30の送信タイミングを制御する。この制御中に流量検出手段207から帯域突破通知を受信したときは、送信タイミングを拡大することにより、帯域突破通知が出ないように流量を抑える。このとき、優先度の異なる複数の送信データが存在する場合、より優先度の低いデータから順に送信タイミングを拡大していくことで、優先度の高いデータが指定された帯域で送信されるようにする。図11の場合、中継装置C2は、帯域300で受信した端末装置T1からの分割データD30を、端末装置T4には帯域300、優先度3で送信し、端末装置T5には帯域200、優先度2で送信する。
【0075】
端末装置T4は、中継装置C3から送信されてきた端末装置T1からの分割データD30を通信手段101で受信し、受信手段102を通じて合成手段103へ伝達する。合成手段103は、受信した分割データD30の分割データD36を分割番号D35の順番に合成してデータD40を生成し、アプリケーション106に渡す。端末装置T5も端末装置T4と同様の動作を行う。
【0076】
以上のようにして、端末装置T1から各端末装置T2〜T6へ、それらの端末装置T2〜T6の希望する送信帯域でデータが送信される。
【0077】
次に、端末装置T6がログアウトした場合の動作を説明する。
【0078】
端末装置T6のアプリケーション106が端末装置T1宛のログアウトコマンドD10を、通信手段101を通じて中継装置C2へ送信すると、中継装置C2の通信手段201は、そのログアウトコマンドD10を受信して受信手段202を通じて通信グループ制御手段203および帯域集計手段206へ伝達すると同時に、中継装置C1へ中継する。
【0079】
中継装置C2の通信グループ制御手段203は、端末装置T6のログアウトコマンドD10を受け取ると、端末装置T6を通信グループgに関し自中継装置C2の中継対象から除外する。また、帯域集計手段206は、端末装置T6のログアウトコマンドD10を受け取ると、転送帯域記憶装置300から端末装置T6が通信グループgに関して出していた帯域コマンドD20および端末装置T6用の帯域記憶D50を削除する。この結果、中継装置C2の転送帯域記憶装置300の内容は図12に示すように変化する。
【0080】
また中継装置C1の通信手段201は、端末装置T6のログアウトコマンドD10を中継装置C2から受信すると、そのログアウトコマンドD10を受信手段202を通じて通信グループ制御手段203および帯域集計手段206へ伝達すると同時に、端末装置T1へ中継する。
【0081】
中継装置C1の通信グループ制御手段203は、端末装置T6のログアウトコマンドD10を受け取ると、端末装置T6を通信グループgに関し自中継装置C1の中継対象から除外する。また、帯域集計手段206は、端末装置T6のログアウトコマンドD10を受け取ると、転送帯域記憶装置300から端末装置T6が通信グループgに関して出していた帯域コマンドD20を削除する。その結果、中継装置C2を通じて受信した帯域コマンドD20は、端末装置T4のものと端末装置T5のものとの2つになったので、その最大値を再計算する。その結果、帯域の最大値は300、優先度の最大値は3になるので、転送帯域記憶装置300に記憶されている中継装置C2用の帯域記憶D50を更新する。この結果、中継装置C1の転送帯域記憶装置300の内容は図12に示すように変化する。
【0082】
端末装置T1の通信手段101は、端末装置T6のログアウトコマンドD10を受信すると、それを受信手段102および帯域受信手段104を通じてアプリケーション106および調停手段105へ伝達する。アプリケーション106は、端末装置T6のログアウトコマンドD10を受信すると、端末装置T6が通信グループgからログアウトしたことを認識する。また調停手段105は、端末装置T6のログアウトコマンドD10を受信すると、送信帯域記憶装置111から端末装置T6が通信グループgに関して出していた帯域コマンドD20を削除する。そして、残っている帯域コマンドD20の最大値を再計算する。その結果、帯域の最大値は300、優先度の最大値は3になるので、送信帯域記憶装置300に記憶されている通信グループgの送信帯域の最大値を300、優先度を3に変更する。これにより、端末装置T1の送信帯域記憶装置111の内容は図12のように変化する。したがって、それ以降、端末装置T1から端末装置T2〜T5へは送信帯域300、優先度3で分割データD30が送信されることになる。
【0083】
次に、本実施の形態の効果について説明する。
【0084】
本実施の形態によれば、広帯域を要求する受信端末と狭帯域を要求する受信端末とが混在する通信システムにおいて、送信端末の負荷の増大を抑えることができる。その理由は、送信側の端末装置は、受信側の複数の端末装置がそれぞれ異なる帯域を要求していても、その内の最大の帯域でデータを送信すれば済むためである。
【0085】
また本実施の形態によれば、広帯域を要求する受信端末と狭帯域を要求する受信端末とが混在する通信システムにおいて、中継装置のネットワークの負荷の増大を抑えることができる。その理由は、各中継装置は自身の配下の複数の端末装置がそれぞれ異なる帯域を要求していても、そのうちの最大の帯域だけを上位の中継装置との間に確保すれば良いからである。この結果、要求帯域が異なる受信端末が複数存在していても、中継装置のネットワークにおいて最小限のデータ転送量でデータ転送をすることができる。
【0086】
また本実施の形態によれば、広帯域を要求する受信端末と狭帯域を要求する受信端末とが混在する通信システムにおいて、全ての受信端末にとって最適な帯域でデータの受信が行える。その理由は、中継装置が送信端末から送信されたデータを受信端末に中継する際、データの帯域をその受信端末の帯域に変換するためである。この結果、各受信端末は、能力の低い他の受信端末の影響を受けずに、それぞれの能力に合わせた最大品質をユーザに提供することができる。
【0087】
以上本発明の実施の形態について説明したが、本発明は以上の実施の形態にのみ限定されず、その他各種の付加変更が可能である。また、本発明の中継装置および端末装置は、その有する機能をハードウェア的に実現することは勿論、コンピュータとプログラムとで実現することができる。プログラムは、磁気ディスクや半導体メモリ等のコンピュータ可読記録媒体に記録されて提供され、コンピュータの立ち上げ時などにコンピュータに読み取られ、そのコンピュータの動作を制御することにより、そのコンピュータを前述した各実施の形態における中継装置および端末装置として機能させる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明によれば、資料共有やホワイトボード共有など、バースト的にデータ通信が行われるデータ系のアプリケーションにおいて、中継装置間のデータ転送効率が向上するので、アクセス網のネットワーク帯域やCPUパワーの違いにより、広帯域を要求する端末と狭帯域を要求する端末が混在していても、送信側のアプリケーションは相手ごとの帯域を意識することなく、同一帯域でデータを送信することで、効率よくデータ配信を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の通信システムのブロック図である。
【図2】本発明の端末装置のブロック図である。
【図3】本発明で使用するログインログアウトコマンド、帯域コマンド、分割データ等のフォーマットを示す図である。
【図4】本発明の端末装置における調停手段の処理例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の中継装置のブロック図である。
【図6】本発明の中継装置における帯域集計手段の処理例を示すフローチャートである。
【図7】端末装置T2から帯域コマンドが送信された際の通信システムの動作説明図である。
【図8】端末装置T3から帯域コマンドが送信された際の通信システムの動作説明図である。
【図9】端末装置T4から帯域コマンドが送信された際の通信システムの動作説明図である。
【図10】端末装置T5から帯域コマンドが送信された際の通信システムの動作説明図である。
【図11】端末装置T6から帯域コマンドが送信された際の通信システムの動作説明図である。
【図12】端末装置T6からログアウトコマンドが送信された際の通信システムの動作説明図である。
【符号の説明】
【0090】
T1〜T6…端末装置
C1〜C3…中継装置
L1〜L6…回線
C12、C23…中継線
100…端末装置
101…通信手段
102…受信手段
103…合成手段
104…帯域受信手段
105…調停手段
106…アプリケーション
107…分割手段
108…帯域設定手段
109…送信タイミング制御手段
110…流量検出手段
111…送信帯域記憶装置
200…中継装置
201…通信手段
202…受信手段
203…通信グループ制御手段
204…送信タイミング指定手段
205…送信タイミング制御手段
206…帯域集計手段
207…流量検出手段
300…転送帯域記憶装置
400…転送データ一時記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末装置が複数の中継装置を介して相互に通信可能に接続された通信システムにおける通信方法において、
a)データ受信側の端末装置が、同一通信グループのデータ送信側の端末装置に対して、希望する送信帯域を指定した帯域コマンドを送信するステップと、
b)前記中継装置が、前記帯域コマンドを中継する際、受信した帯域コマンドを自中継装置の転送帯域記憶装置に通信グループ毎に記憶するとともに、自中継装置に接続された端末装置および他の中継装置毎に、それらから受信した帯域コマンドの最大の送信帯域を通信グループ毎に計算して前記転送帯域記憶装置に記憶するステップと、
c)前記帯域コマンドを受信したデータ送信側の端末装置が、受信した帯域コマンドを自端末装置の送信帯域記憶装置に通信グループ毎に記憶するとともに、受信した帯域コマンドの最大の送信帯域を通信グループ毎に計算して前記送信帯域記憶装置に記憶するステップと、
d)前記データ送信側の端末装置が、同一通信グループのデータ受信側の端末装置へ送信するデータを一定長のデータに分割し、個々の分割データを前記送信帯域記憶装置に記憶された最大の送信帯域で送信するステップと、
e)前記中継装置が、前記分割データを中継する際、受信した分割データを転送データ一時記憶装置にバッファリングし、自中継装置に接続された端末装置および他の中継装置毎に、自中継装置の転送帯域記憶装置に記憶された最大の送信帯域で転送データを中継するステップと、
f)前記分割データを受信したデータ受信側の端末装置が、分割データから元のデータを合成するステップとを含むことを特徴とする通信方法。
【請求項2】
前記帯域コマンドは指定した送信帯域に関する優先度を含んでおり、前記ステップbおよび前記ステップcにおいては、帯域コマンドの最大の送信帯域に加えて最大の優先度を計算して記憶し、前記ステップdおよび前記ステップeにおいては、通信量が予め定められた量を超える場合に優先度のより低いデータの送信帯域を小さくする制御を行うことを特徴とする請求項1記載の通信方法。
【請求項3】
データの受信側の端末装置が通信グループからログアウトした場合に、該ログアウトした端末装置から出ていた前記帯域コマンドを、前記中継装置の転送帯域記憶装置およびデータの送信側の端末装置の前記送信帯域記憶装置から削除し、前記中継装置およびデータの送信側の端末装置において、残りの帯域コマンドに基づいて最大の送信帯域を再計算することを特徴とする請求項1記載の通信方法。
【請求項4】
複数の端末装置が複数の中継装置を介して相互に通信可能に接続された通信システムにおける前記中継装置において、
データ送信側の端末装置から送信されたデータをデータ受信側の端末装置へ中継するために端末装置および他の中継装置と通信するための通信手段と、
転送帯域記憶装置と、
転送データ一時記憶装置と、
データ受信側の端末装置から同一通信グループのデータ送信側の端末装置宛に送信された送信帯域を指定した帯域コマンドを前記通信手段が中継したときに、該帯域コマンドを前記転送帯域記憶装置に通信グループ毎に記憶するとともに、自中継装置に接続された端末装置および他の中継装置毎に、それらから受信した帯域コマンドの最大の送信帯域を通信グループ毎に計算して前記転送帯域記憶装置に記憶する帯域集計手段と、
データ送信側の端末装置から同一通信グループのデータ受信側の端末装置宛に送信されたデータを前記転送データ一時記憶装置にバッファリングし、自中継装置に接続された端末装置および他の中継装置毎に、前記転送帯域記憶装置に記憶された最大の送信帯域で転送データを中継する送信タイミング制御手段とを含むことを特徴とする中継装置。
【請求項5】
前記帯域コマンドは指定した送信帯域に関する優先度を含んでおり、前記帯域集計手段は、帯域コマンドの最大の送信帯域に加えて最大の優先度を計算して前記転送帯域記憶装置に記憶し、前記送信タイミング制御手段は、通信量が予め定められた量を超える場合に優先度のより低いデータの送信帯域を小さくする制御を行うことを特徴とする請求項4記載の中継装置。
【請求項6】
データの受信側の端末装置が通信グループからログアウトした旨のログアウトコマンドを前記通信手段が中継したときに、前記帯域集計手段は、前記ログアウトした端末装置の前記帯域コマンドを前記転送帯域記憶装置から削除し、残りの帯域コマンドに基づいて最大の送信帯域を再計算することを特徴とする請求項4記載の中継装置。
【請求項7】
複数の端末装置が複数の中継装置を介して相互に通信可能に接続された通信システムにおける前記端末装置において、
前記中継装置を通じて他の端末装置と通信するための通信手段と、
送信帯域記憶装置と、
自端末装置がデータ受信側の端末装置となる場合に、同一通信グループのデータ送信側の端末装置に対して希望する送信帯域を指定した帯域コマンドを送信し、自端末装置がデータ送信側の端末装置となる場合に、同一通信グループのデータ受信側の端末に対してデータを送信するアプリケーションと、
自端末装置がデータ送信側の端末装置となる場合にデータ受信側の端末装置から受信した帯域コマンドを前記送信帯域記憶装置に通信グループ毎に記憶するとともに、受信した帯域コマンドの最大の送信帯域を通信グループ毎に計算して前記送信帯域記憶装置に記憶する調停手段と、
前記アプリケーションから送信されたデータを一定長のデータに分割した分割データを生成する分割手段と、
該分割手段で生成された分割データを前記送信帯域記憶装置に記憶された最大の送信帯域で前記通信手段により送信する送信タイミング指定手段と、
前記通信手段で受信した分割データから元のデータを合成する合成手段とを備えることを特徴とする端末装置。
【請求項8】
前記帯域コマンドは指定した送信帯域に関する優先度を含んでおり、前記調停手段は、帯域コマンドの最大の送信帯域に加えて最大の優先度を計算して前記送信帯域記憶装置に記憶し、前記送信タイミング制御手段は、通信量が予め定められた量を超える場合に優先度のより低いデータの送信帯域を小さくする制御を行うことを特徴とする請求項7記載の端末装置。
【請求項9】
データの受信側の端末装置が通信グループからログアウトした旨のログアウトコマンドを前記通信手段が中継したときに、前記調停手段は、前記ログアウトした端末装置の前記帯域コマンドを前記送信帯域記憶装置から削除し、残りの帯域コマンドに基づいて最大の送信帯域を再計算することを特徴とする請求項7記載の端末装置。
【請求項10】
複数の端末装置が複数の中継装置を介して相互に通信可能に接続された通信システムにおいて、
前記端末装置が、請求項7〜9の何れか1項に記載された端末装置であり、
前記中継装置が、請求項4〜6の何れか1項に記載された中継装置であることを特徴とする通信システム。
【請求項11】
複数の端末装置が複数の中継装置を介して相互に通信可能に接続された通信システムにおける前記中継装置を構成するコンピュータであって、データ送信側の端末装置から送信されたデータをデータ受信側の端末装置へ中継するために端末装置および他の中継装置と通信するための通信手段と、転送帯域記憶装置と、転送データ一時記憶装置とを備えたコンピュータを、
データ受信側の端末装置から同一通信グループのデータ送信側の端末装置宛に送信された送信帯域を指定した帯域コマンドを前記通信手段が中継したときに、該帯域コマンドを前記転送帯域記憶装置に通信グループ毎に記憶するとともに、自中継装置に接続された端末装置および他の中継装置毎に、それらから受信した帯域コマンドの最大の送信帯域を通信グループ毎に計算して前記転送帯域記憶装置に記憶する帯域集計手段と、
データ送信側の端末装置から同一通信グループのデータ受信側の端末装置宛に送信されたデータを前記転送データ一時記憶装置にバッファリングし、自中継装置に接続された端末装置および他の中継装置毎に、前記転送帯域記憶装置に記憶された最大の送信帯域で転送データを中継する送信タイミング制御手段として機能させるためのプログラム。
【請求項12】
複数の端末装置が複数の中継装置を介して相互に通信可能に接続された通信システムにおける前記端末装置を構成するコンピュータであって、前記中継装置を通じて他の端末装置と通信するための通信手段と、送信帯域記憶装置と、自端末装置がデータ受信側の端末装置となる場合に、同一通信グループのデータ送信側の端末装置に対して希望する送信帯域を指定した帯域コマンドを送信し、自端末装置がデータ送信側の端末装置となる場合に、同一通信グループのデータ受信側の端末に対してデータを送信するアプリケーションとを備えたコンピュータを、
自端末装置がデータ送信側の端末装置となる場合にデータ受信側の端末装置から受信した帯域コマンドを前記送信帯域記憶装置に通信グループ毎に記憶するとともに、受信した帯域コマンドの最大の送信帯域を通信グループ毎に計算して前記送信帯域記憶装置に記憶する調停手段と、
前記アプリケーションから送信されたデータを一定長のデータに分割した分割データを生成する分割手段と、
該分割手段で生成された分割データを前記送信帯域記憶装置に記憶された最大の送信帯域で前記通信手段により送信する送信タイミング指定手段と、
前記通信手段で受信した分割データから元のデータを合成する合成手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−211709(P2008−211709A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−48489(P2007−48489)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】