説明

通信装置、通信プログラム、通信方法

【課題】状況に適したゲートウェイを利用する通信装置、通信プログラム、通信方法を提供する。
【解決手段】送信と受信とを行う送受信部と、経路に関する第1情報を記憶する第1情報記憶部と、第1情報の中から、送信パケットが経由すべきゲートウェイを指定する第2情報を記憶する第2情報記憶部と、受信パケットに基づいて、ゲートウェイに関するレイヤ2の情報を含む第3情報を検出する検出部と、第3情報に基づいて、第2情報の変更の条件である第1条件が成立するか否かの判定を行う判定部と、第1条件が成立すると判定された場合、第2情報において指定されたゲートウェイを変更する変更部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークとの通信を行う通信装置、通信プログラム、通信方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の通信システムの構成の一例について説明する。図11は、従来の通信システムの構成の一例を示すブロック図である。この通信システムは、ネットワーク11、サーバ12z、ルータ13a,13b,13c,13d、端末14zを有する。サーバ12z、ルータ13c,13dは、それぞれネットワーク11に接続されている。ルータ13aは、ルータ13c及び端末14zに接続されている。ルータ13bは、ルータ13d及び端末14zに接続されている。
【0003】
ルータ13a,13bは、それぞれ端末14zに対するゲートウェイGW1,GW2である。この通信システムは、IPv6(Internet Protocol Version 6)を用いる。また、この通信システムは、2台のゲートウェイGW1,GW2を有することにより冗長構成を実現している。
【0004】
また、端末14zの1つのポート(ネットワークインタフェース)にGW1,GW2の両方が接続されている。
【0005】
GW1,GW2は、RA(Router Advertisement)としてそれぞれRA1,RA2を定期送信する。RA1は、プレフィックス(Prefix)情報P1,デフォルトルータ(Default Router)情報DR1,GW1のMAC(Media Access Control)アドレスMAC1、ルータライフタイム(ゲートウェイ有効期間)等を含む。同様に、RA2は、プレフィックス情報P2,デフォルトルータ情報DR2,GW2のMACアドレスMAC2、ルータライフタイム等を含む。ゲートウェイ有効期間は、例えば30分である。
【0006】
端末14zは、GW1,GW2からそれぞれRA1、RA2を受信する。ここで、端末14zが、最初にRA1を受信し、次にRA2を受信したとする。このとき、端末14zは、L3(Layer 3、IP層)経路制御において、RA1の送信元であるGW1を優先ゲートウェイとし、RA2の送信元であるGW2を非優先ゲートウェイとして設定する。また、優先度が設定されている場合、端末14zは、他のゲートウェイより優先度の高いゲートウェイを優先ゲートウェイとして設定する。
【0007】
また、端末14zは、L3経路制御のためのL3経路情報を格納する。図12は、従来のL3経路情報の一例を示す表である。このL3経路情報は、デフォルトルータリスト、プレフィックスリスト、ルーティングテーブルを有する。
【0008】
デフォルトルータリストは、受信したRAの送信元のゲートウェイであるRA送信元ゲートウェイ毎のエントリを有するリストである。また、デフォルトルータリストの各エントリは、項目として、RA送信元ゲートウェイのゲートウェイアドレス、RA送信元ゲートウェイの有効期間であるゲートウェイ有効期間を有する。
【0009】
プレフィックスリストは、RAから得られるプレフィックス毎のエントリを有するリストである。また、プレフィックスリストの各エントリは、項目として、プレフィックス、RA送信元ゲートウェイのゲートウェイアドレス、そのプレフィックスの有効期間であるプレフィックス有効期間を有する。
【0010】
ルーティングテーブルは、RA送信元ゲートウェイのうち、選択されたデフォルトルートのゲートウェイ(優先ゲートウェイ)のゲートウェイアドレスを示す。
【0011】
その後、以下に示す経路切り替え要因F1,F2が発生すると、端末14zは、経路切り替えにより優先ゲートウェイをGW2に切り替える。
【0012】
F1:インタフェースのダウン
F2:P1,DR1,P2,DR2のタイムアウト(更新されずにルータライフタイムが経過した場合)
【0013】
なお、従来技術として、LAN内の端末のデフォルトルータを高速に且つパケットロスを抑えて他のルータ装置へ切り替えるルーティング制御方法や、異種無線アクセス網を含む網間のハンドオーバを高速に行うハンドオーバ方法がある(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−336726号公報
【特許文献2】特開2005−311702号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上述の優先ゲートウェイは、端末14zに早く到着したRAを送信したゲートウェイであり、回線状況に関係無く選択されたものである。
【0015】
また、上述の経路切り替え要因F1,F2の発生時、端末14zとサーバ12zの間の通信が不達状態になった後に経路の切り替えが行われるため、通信中断が発生する。
【0016】
また、GW1が停止して(RA1を送信しなくなって)も、F2が発生する(P1がタイムアウトする)までに時間がかかるため、優先ゲートウェイの切り替えまでに時間がかかる。
【0017】
非優先ゲートウェイからのP2は端末14zに経路として割り当てられていないため、GW2から端末14zへの疎通が行えない。
【0018】
サーバ12zは、端末14zに割り当てられたアドレスがどのゲートウェイが払い出したアドレスかを判断することが出来ず、疎通不可なアドレスも管理することになるため、端末管理が適切に行えない。
【0019】
DNS(Domain Name System)サーバ等、ネットワークの保守に用いる各種サーバと経路切り替えとの連携が行えない。例えば、DNSサーバは、ドメインと疎通可能な端末のIPアドレスとが正しく結びつけられないため、適切な端末管理が行えない。
【0020】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、状況に適したゲートウェイを利用する通信装置、通信プログラム、通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上述した課題を解決するため、本発明の一態様は、ネットワークとの通信を行うことができる通信装置であって、ネットワークへのパケットの送信とネットワークからのパケットの受信とを行う送受信部と、送受信部とネットワークとの間の経路に関する第1情報を記憶する第1情報記憶部と、第1情報記憶部における第1情報の中から、送受信部からネットワークへの送信パケットが経由すべきゲートウェイを指定する第2情報を記憶する第2情報記憶部と、送受信部への受信パケットに基づいて、該受信パケットに示されたゲートウェイに関するレイヤ2の情報を含む第3情報を検出する検出部と、検出部により検出された第3情報に基づいて、第2情報の変更の条件である第1条件が成立するか否かの判定を行う判定部と、判定部により第1条件が成立すると判定された場合、第2情報記憶部に記憶された第2情報において指定されたゲートウェイを変更する変更部とを有する。
【0022】
また、本発明の一態様は、第1情報記憶部における第1情報と第2情報記憶部における第2情報とに基づいて、送受信部からネットワークへの送信パケットの経路に、第2情報に指定されたゲートウェイを設定する設定部を有する。
【0023】
また、本発明の一態様は、ネットワークとの通信を行うことができる通信装置の制御を通信装置のコンピュータに実行させる通信プログラムであって、通信装置とネットワークとの間の経路に関する第1情報を通信装置の第1情報記憶部に記憶させ、第1情報記憶部における第1情報の中から、通信装置からネットワークへの送信パケットが経由すべきゲートウェイを指定する第2情報を通信装置の第2情報記憶部に記憶させ、通信装置への受信パケットに基づいて、該受信パケットに示されたゲートウェイに関するレイヤ2の情報を含む第3情報を検出し、検出された第3情報に基づいて、第2情報の変更の条件である第1条件が成立するか否かの判定を行い、第1条件が成立すると判定された場合、第2情報記憶部に記憶された第2情報において指定されたゲートウェイを変更することをコンピュータに実行させる。
【0024】
また、本発明の一態様は、ネットワークとの通信を行うことができる通信装置の制御を行う通信方法であって、通信装置とネットワークとの間の経路に関する第1情報を通信装置の第1情報記憶部に記憶させ、第1情報記憶部における第1情報の中から、通信装置からネットワークへの送信パケットが経由すべきゲートウェイを指定する第2情報を通信装置の第2情報記憶部に記憶させ、通信装置への受信パケットに基づいて、該受信パケットに示されたゲートウェイに関するレイヤ2の情報を含む第3情報を検出し、検出された第3情報に基づいて、第2情報の変更の条件である第1条件が成立するか否かの判定を行い、第1条件が成立すると判定された場合、第2情報記憶部に記憶された第2情報において指定されたゲートウェイを変更することを行う。
【発明の効果】
【0025】
開示の通信装置、通信プログラム、通信方法によれば、状況に適したゲートウェイを利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0027】
本発明の通信システムの構成について以下に説明する。
【0028】
図1は、本発明に係る通信システムの構成の一例を示すブロック図である。この図において、図11と同一符号は図11に示された対象と同一又は相当物を示しており、ここでの説明を省略する。図11の通信システムと比較すると、図1の通信システムは、サーバ12zの代わりにサーバ12xを有し、端末14zの代わりに端末14x(通信装置)を有する。ルータ13a,13bは、それぞれ端末14xに対するゲートウェイGW1,GW2である。この通信システムは、IPv6を用いる。また、この通信システムは、2台のゲートウェイGW1,GW2を有することにより冗長構成を実現している。
【0029】
端末14xのハードウェア構成について以下に説明する。
【0030】
端末14xは、ネットワークに接続することができるコンピュータである。図2は、本発明に係る端末14xのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。端末14xのハードウェアは、CPU51、記憶部52、ネットワークインタフェース53(送受信部)を有する。CPU51は、記憶部52に格納された通信プログラムを実行する。なお、端末14xは、サーバ、ルータ、スイッチ等、IPルーティングを行う他のネットワーク通信機器であっても良い。
【0031】
ネットワークインタフェース53は、有線ポートであっても良いし、無線ポートであっても良い。また、端末14xの1つのポート(ネットワークインタフェース53)にGW1,GW2の両方が接続されている。
【0032】
端末14xのソフトウェア(通信プログラム)構成について以下に説明する。
【0033】
図3は、本発明に係る端末14xのソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。端末14xのソフトウェアは、L2(Layer 2、MAC層)処理部22(検出部及び判定部)、L3処理部23(変更部及び設定部)、経路情報記憶部24(第1情報記憶部及び第2情報記憶部)、監視情報記憶部25を有する。L3処理部23は、L3経路制御部31、RA要求処理部32、RA受信処理部33、サーバ連携処理部34を有する。L2処理部22は、L2通信制御部41、L2監視処理部42を有する。
【0034】
L2通信制御部41は、L2におけるパケットの送受信の制御であるL2通信制御処理を行う。L2監視処理部42は、L2におけるパケットの送受信を監視するL2監視処理を行い、L2監視処理結果をL3処理部23へ送信する。L2監視処理結果は、例えば、ゲートウェイの情報を登録するゲートウェイ登録指示、優先ゲートウェイを切り替える(変更する)ゲートウェイ切り替え指示、登録済みのゲートウェイの情報を削除するゲートウェイ削除指示である。また、L2監視処理結果は、ゲートウェイのMACアドレスを含む。
【0035】
L3経路制御部31は、L3における経路の制御である第1L3経路制御処理、L2監視処理結果に基づく経路の制御である第2L3経路制御処理を行う。RA要求処理部32は、L3経路制御部31からの指示に基づいてRAを要求するRA要求処理を行う。RA受信処理部33は、RA受信時の処理であるRA受信処理を行う。サーバ連携処理部34は、サーバ12xと連携するための処理であるサーバ連携処理を行う。第1L3経路制御処理、第2L3経路制御処理、RA要求処理、RA受信処理、サーバ連携処理は、互いに非同期で実行される。
【0036】
経路情報記憶部24は、第1L3経路制御処理及び第2L3経路制御処理のための経路情報を格納する。監視情報記憶部25は、L2監視処理に関する監視情報(第3情報)を格納する。
【0037】
経路情報記憶部24により保存される経路情報について以下に説明する。
【0038】
図4は、本発明に係る経路情報の一例を示す表である。経路情報は、デフォルトルータリスト、プレフィックスリスト、ルーティングテーブル、アドレス管理テーブルを有する。第1情報は、デフォルトルータリスト、プレフィックスリスト、アドレス管理テーブルに対応する。第2情報は、ルーティングテーブルに対応する。
【0039】
デフォルトルータリストは、項目として、上述したゲートウェイアドレス(IPアドレス)、ゲートウェイ有効期間に加え、RA送信元ゲートウェイのMACアドレスを有する。プレフィックスリストは、項目として、上述したプレフィックス、RA送信元ゲートウェイのゲートウェイアドレス、プレフィックス有効期間に加え、RA送信元ゲートウェイのMACアドレスを有する。ルーティングテーブルは、上述の優先ゲートウェイのゲートウェイアドレスを示す。
【0040】
アドレス管理テーブルは、RA送信元ゲートウェイ毎のMACアドレス及びIPアドレスの対応付けを示すテーブルである。このアドレス管理テーブルは、項目として、RA送信元ゲートウェイのMACアドレス、RA送信元ゲートウェイのゲートウェイアドレス、RA送信元ゲートウェイが広報するグローバルアドレスを有する。
【0041】
デフォルトルータリスト、プレフィックスリスト、ルーティングテーブル、アドレス管理テーブルは、ゲートウェイアドレスにより関連付けられる。ゲートウェイアドレスの代わりに他の識別子を用いて、関連付けを行っても良い。
【0042】
L3経路制御部31は、第1L3経路制御処理と並行して第2L3経路制御処理を行う。第1L3経路制御処理において、L3経路制御部31は、端末14xからネットワーク11への送信パケットに、経路として優先ゲートウェイを設定する。また、第1L3経路制御処理において、L3経路制御部31は、上述の経路切り替え要因F1、F2による優先ゲートウェイの切り替えを行う。
【0043】
L3経路制御部31による第2L3経路制御処理について以下に説明する。
【0044】
図5は、本発明に係る第2L3経路制御処理の一例を示すフローチャートである。L2処理部22がL2監視処理結果としてゲートウェイ切り替え指示をL3経路制御部31へ送信すると、第2L3経路制御処理が開始される。ゲートウェイ切り替え指示は、新たな優先ゲートウェイにすべきゲートウェイのMACアドレスである優先MACアドレスを含む。まず、L3経路制御部31は、ゲートウェイ切り替え指示から優先MACアドレスを取得する(S11)。
【0045】
次に、L3経路制御部31は、優先MACアドレスがデフォルトルータリストに登録済みであるか否かの判定を行う(S12)。
【0046】
優先MACアドレスがデフォルトルータリストに登録済みである場合(S12,Y)、L3経路制御部31は、優先MACアドレスに対応するゲートウェイをルーティングテーブル及びアドレス管理テーブルにおける優先ゲートウェイに設定し(S13)、このフローは処理S14へ移行する。この処理S13は、変更部が第2情報において指定されたゲートウェイを変更する処理に対応する。優先MACアドレスがデフォルトルータリストに登録済みでない場合(S12,N)、このフローは処理S14へ移行する。
【0047】
次に、L3経路制御部31は、優先MACアドレスがプレフィックスリストに登録済みであるか否かの判定を行う(S14)。
【0048】
優先MACアドレスがプレフィックスリストに登録済みである場合(S14,Y)、L3経路制御部31は、優先MACアドレスに対応するゲートウェイのグローバルアドレスをアドレス管理テーブルにおける優先ゲートウェイに設定し(S14)、このフローは処理S15へ移行する。優先MACアドレスがプレフィックスリストに登録済みでない場合(S14,N)、このフローは処理S16へ移行する。
【0049】
次に、L3経路制御部31は、優先MACアドレスに対応するゲートウェイの情報をアドレス管理テーブルに設定する(S16)。
【0050】
次に、L3経路制御部31は、優先MACアドレスがアドレス管理テーブルに未登録であるか否かの判定を行う(S17)。
【0051】
優先MACアドレスがアドレス管理テーブルに未登録である場合(S17,Y)、L3経路制御部31は、L3経路制御処理と非同期のRA要求処理をRA要求処理部32に開始させ(S18)、このフローは終了する。優先MACアドレスがアドレス管理テーブルに登録済みである場合(S17,N)、このフローは終了する。
【0052】
上述の第2L3経路制御処理によれば、L2監視処理結果に基づいて優先ゲートウェイを切り替えることにより、状況の変化に対して第1L3経路制御処理より素早く対応することができる。
【0053】
RA要求処理部32によるRA要求処理について以下に説明する。
【0054】
図6は、本発明に係るRA要求処理の一例を示すフローチャートである。上述の処理S17によりRA要求処理が開始される。まず、RA要求処理部32は、優先MACアドレスがアドレス管理テーブルに未登録であるか否かの判定を行う(S21)。
【0055】
優先MACアドレスがアドレス管理テーブルに未登録である場合(S21,Y)、RA要求処理部32は、所定の送信時間間隔の経過後に、RAを要求するためのRS(Router Solicitation)を送信し(S22)、処理S21へ戻る。ここで、送信時間間隔は、例えば4秒である。優先MACアドレスがアドレス管理テーブルに登録済みである場合(S21,N)、このフローは終了する。
【0056】
上述のRA要求処理によれば、新たに優先ゲートウェイとすべきゲートウェイからRAを受信していない場合、そのゲートウェイにRAを要求することができる。
【0057】
RA受信処理部33によるRA受信処理について以下に説明する。
【0058】
図7は、本発明に係るRA受信処理の一例を示すフローチャートである。L2通信制御部41がRAを受信すると、RA受信処理が開始される。まず、RA受信処理部33は、L2通信制御部41からRAを取得する(S31)。次に、RA受信処理部33は、デフォルトルータリストに、RA送信元ゲートウェイのエントリを追加する(S32)。ここで、RA受信処理部33は、RAから得られるMACアドレスもデフォルトルータリストに含める。
【0059】
次に、RA受信処理部33は、プレフィックスリストに、RA送信元ゲートウェイのエントリを追加し(S33)、このフローは終了する。ここで、RA受信処理部33は、RAから得られるMACアドレスもプレフィックスリストに含める。
【0060】
上述のRA受信処理によれば、L3処理部23は、ゲートウェイとそのMACアドレスとを対応付けて管理することができる。
【0061】
サーバ連携処理部34によるサーバ連携処理について以下に説明する。
【0062】
図8は、本発明に係るサーバ連携処理の一例を示すフローチャートである。L3経路制御部31が経路情報の更新(上述のゲートウェイ登録指示、ゲートウェイ切り替え指示、ゲートウェイ削除指示による更新を含む)を行うと、サーバ連携処理が開始される。まず、サーバ連携処理部34は、経路情報記憶部24から経路情報を取得して、ゲートウェイ更新通知を生成する(S61)。ゲートウェイ更新通知は、経路情報において更新されたゲートウェイのIPアドレス、MACアドレス、優先ゲートウェイであるか否かの情報を含む。ここで、MACアドレスの代わりにゲートウェイを識別できる情報を用いても良い。次に、サーバ連携処理部34は、ゲートウェイ更新通知をサーバ12xへ送信する(S62)、このフローを終了する。
【0063】
上述のサーバ連携処理によれば、サーバ12xは、端末14xからのゲートウェイ更新通知に基づいて端末及びその端末への経路を管理する端末管理処理を行うことができる。
【0064】
サーバ12xによる端末管理処理の一例について以下に説明する。
【0065】
サーバ12xは、端末及びゲートウェイを管理する端末管理テーブルを有する。サーバ12xは、受信したゲートウェイ更新通知を元に端末管理テーブルを更新する。サーバ12xは、端末14xへパケットを送信する際、まず端末管理テーブルに登録されている優先ゲートウェイ経由でパケットを送信する。その後、サーバ12xは、優先ゲートウェイ経由で端末14xへのパケットの送信が失敗した場合、端末管理テーブルに登録されている非優先ゲートウェイ経由で端末14xへパケットを送信する。
【0066】
L2処理部32によるL2監視処理について以下に説明する。
【0067】
図9は、本発明に係るL2監視処理の一例を示すフローチャートである。端末14が起動されると、L2通信制御部41は、回線アップを行い、パケットの受信を開始する(S41)。以後、L2監視処理部42は、パケットの受信により、そのパケットのゲートウェイのL2以下のレイヤの情報である監視情報を検出して、監視情報記憶部25へ格納する。
【0068】
次に、L2通信制御部41は、回線ダウンの指示があったか否かの判断を行う(S42)。回線ダウンの指示があった場合(S42,Y)、L2通信制御部41は、回線ダウンを行い(S43)、このフローは終了する。回線ダウンの指示がない場合(S42,N)、このフローは処理S44へ移行する。
【0069】
次に、L2監視処理部42は、RAを受信したか否かの判定を行う(S44)。L2監視処理部42がRAを受信した場合(S44,Y)、L2監視処理部42は、ゲートウェイ登録指示をL3処理部23へ送信し、このフローは処理S51へ移行する。ゲートウェイ登録指示は、RA送信元ゲートウェイのMACアドレスを含む。L2監視処理部42がRAを受信していない場合(S44,N)、このフローは処理S51へ移行する。
【0070】
次に、L2監視処理部42は、時刻が定期監視時刻になったか否かの判定を行う(S51)。ここで、定期監視時刻は、所定の監視時間間隔毎に設定される。監視時間間隔は、上述のゲートウェイ有効期間より十分短く、例えば10分である。
【0071】
時刻が定期監視時刻になっていない場合(S51,N)、このフローは処理S42へ戻る。
【0072】
時刻が定期監視時刻になった場合(S51,Y)、L2監視処理部42は、監視情報を取得する(S52)。
【0073】
次に、L2監視処理部42は、ゲートウェイ削除条件(第2条件)が成立するか否かの判定を行う(S53)。
【0074】
ゲートウェイ削除条件が成立しない場合(S53,N)、このフローは処理S55へ移行する。
【0075】
ゲートウェイ削除条件が成立する場合(S53,Y)、L2監視処理部42は、ゲートウェイ削除指示をL3処理部23へ送信し(S54)、このフローは処理S55へ移行する。
【0076】
次に、L2監視処理部42は、ゲートウェイ切り替え条件(第1条件)が成立するか否かの判定を行う(S55)。
【0077】
ゲートウェイ切り替え条件が成立しない場合(S55,N)、このフローは処理S42へ戻る。
【0078】
ゲートウェイ切り替え条件が成立する場合(S55,Y)、L2監視処理部42は、ゲートウェイ切り替え指示をL3処理部23へ送信し(S56)、このフローは処理S42へ戻る。
【0079】
ネットワークインタフェース53が有線ポートである場合の監視情報、ゲートウェイ削除条件、ゲートウェイ切り替え条件について以下に説明する。
【0080】
監視情報は、パケット非受信時間、パケット受信流量(受信パケット量)、パケット受信エラー量(受信エラーパケット量)、規定パケット受信、優先ゲートウェイMACアドレス、非優先ゲートウェイMACアドレスを含む。なお、監視情報のうち幾つかの情報が、省かれても良い。
【0081】
パケット非受信時間は、送信元MACアドレス毎に計測されるものであり、その送信元MACアドレスからパケットを受信していない時間である。パケット非受信時間に対するゲートウェイ削除条件であるパケット非受信時間条件は、パケット非受信時間が所定の解放(expire)時間(時間閾値)を上回ることである。ここで、解放時間は、ゲートウェイ有効時間と同等であり、例えば30分である。
【0082】
パケット非受信時間条件が成立した場合は、当該ゲートウェイの経路上で障害が発生した場合と考えられる。
【0083】
パケット非受信時間条件が成立した場合、L2監視処理部42は、パケット非受信時間条件が成立したゲートウェイの監視情報を削除する。
【0084】
更に、優先ゲートウェイのゲートウェイ削除条件が成立した場合、ゲートウェイ切り替え条件が成立する。この場合、L2監視処理部42は、非優先ゲートウェイの中で最も優先度の高いものを新たな優先ゲートウェイに切り替えるように指示するゲートウェイ切り替え指示をL3処理部23へ送信する。
【0085】
パケット非受信時間条件によれば、あるゲートウェイからのパケットを受信することが無くなった場合にそのゲートウェイを利用しないようにすることができる。
【0086】
パケット受信流量は、送信元MACアドレス毎に計測されるものであり、監視時間間隔における受信パケット数である。パケット受信流量に対するゲートウェイ切り替え条件であるパケット受信流量条件は、パケット受信流量が所定のパケット受信流量上限値を上回ること、パケット受信流量が所定のパケット受信流量下限値を下回ることである。
【0087】
パケット受信流量がパケット受信流量上限値を上回った場合は、当該ゲートウェイの経路における回線品質の劣化によりエラーパケットが発生した場合や当該ゲートウェイの経路を介して攻撃を受けている場合と考えられる。パケット受信流量がパケット受信流量下限値を下回った場合は、当該ゲートウェイの経路上で障害が発生した場合と考えられる。
【0088】
パケット受信エラー量は、送信元MACアドレス毎に計測されるものであり、監視時間間隔における受信パケットのエラー率である。L2通信制御部41は、受信パケット内のFCS(Frame Check Sequence)等の誤り検出符号を用いて受信パケットのエラーをチェックする。パケット受信流量に対するゲートウェイ切り替え条件であるパケット受信エラー量条件は、パケット受信エラー量が所定のパケット受信エラー量上限値を上回ることである。なお、パケット受信エラー量は、監視時間間隔における受信パケットのエラーパケット数であっても良い。
【0089】
パケット受信エラー量がパケット受信流量上限値を上回った場合は、当該ゲートウェイの経路上で障害が発生した場合と考えられる。
【0090】
パケット受信流量条件またはパケット受信エラー量条件が成立した場合、L2監視処理部42は、非優先ゲートウェイの中で最も優先度の高いものを新たな優先ゲートウェイに切り替えるように指示するゲートウェイ切り替え指示をL3処理部23へ送信する。
【0091】
パケット受信流量条件またはパケット受信エラー量条件によれば、優先ゲートウェイの経路の回線品質が悪化した場合に優先ゲートウェイを切り替えることができる。
【0092】
規定パケット受信は、規定パケットの受信の状態である。規定パケットは、優先ゲートウェイ以外からのマルチキャストパケットまたは優先ゲートウェイ以外からのユニキャストパケットである。優先ゲートウェイ以外からのマルチキャストパケットは、NS(Neighbor Solicitation、アドレス解決要求)である。ここでのNSパケットは、例えば、サーバ12xが端末14xと疎通を取りたいときに送信するパケットであり、端末14xのIPアドレスと経由するゲートウェイ(この場合は非優先ゲートウェイ)が指定されたパケットである。優先ゲートウェイ以外からのユニキャストパケットは、サーバ12xがアドレス解決済みの端末14xへ非優先ゲートウェイ経由で送信されるパケットである。
【0093】
規定パケット受信条件が成立した場合は、サーバ12xが優先ゲートウェイ経由の疎通が取れないことにより、非優先ゲートウェイ経由の疎通を要求する場合と考えられる。
【0094】
規定パケット受信条件が成立した場合、L2監視処理部42は、規定パケットを中継した非優先ゲートウェイを新たな優先ゲートウェイに切り替えるように指示するゲートウェイ切り替え指示をL3処理部23へ送信する。NSパケット受信によるゲートウェイ切り替え指示を受けたL3処理部23は、優先ゲートウェイを切り替えた後、NSパケットの応答を送信する。
【0095】
規定パケット受信条件によれば、サーバ12xが上述の端末管理処理により、非優先ゲートウェイ経由で端末14xへパケットを送信した場合、そのゲートウェイを優先ゲートウェイに切り替えることができる。
【0096】
ネットワークインタフェース53が無線ポートである場合の監視情報及びゲートウェイ切り替え条件について以下に説明する。
【0097】
ネットワークインタフェース53が無線ポートである場合の監視情報は、有線ポートである場合の監視情報に加え、受信電波強度を含む。
【0098】
受信電波強度は、ネットワークインタフェース53から取得されるものであり、送信元MACアドレス毎に格納される。受信電波強度に対するゲートウェイ切り替え条件である受信電波強度条件は、非優先ゲートウェイの受信電波強度が優先ゲートウェイの受信電波強度より高くなったことである。なお、受信電波強度条件は、(非優先ゲートウェイの受信電波強度−優先ゲートウェイの受信電波強度)が所定のマージンを超えたことであっても良い。
【0099】
受信電波強度条件が成立した場合は、当該非優先ゲートウェイ経由の回線品質が優先ゲートウェイ経由の回線品質より高くなった場合と考えられる。
【0100】
受信電波強度条件が成立した場合、L2監視処理部42は、受信電波強度条件が成立した非優先ゲートウェイを新たな優先ゲートウェイに切り替えるように指示するゲートウェイ切り替え指示をL3処理部23へ送信する。
【0101】
受信電波強度条件によれば、端末14xの移動等により無線回線品質が変化する場合であっても、無線回線品質の高い経路を利用することができる。
【0102】
なお、L2監視処理部42は、経路情報記憶部24に格納された経路情報を参照して、監視情報のうち優先ゲートウェイMACアドレス、非優先ゲートウェイMACアドレス等を取得しても良い。
【0103】
上述のL2監視処理によれば、L2の情報に基づく経路の切り替えは、L3の情報に基づく経路の切り替えよりも、回線状況の変化に早く対応することができる。
【0104】
本実施の形態によれば、L2の情報に基づいてゲートウェイを切り替えることにより、回線状況に応じて経路制御を行うことができる。これにより、端末14xとサーバ12xの間が不達状態になる前に、回線状況が安定している経路へ素早く切り替えることができ、通信中断の発生を防止することができる。また、ゲートウェイが停止した場合であっても、第1L3経路制御処理の判断までの時間より第2L3経路制御処理の判断までの時間が短い。
【0105】
また、サーバ12xは、非優先ゲートウェイ経由で端末14xに対して疎通が行えるようになる。また、GW1とサーバ12xの間が不通の状態になった場合のようにL2回線が認識できない場合でも、端末14xはGW2からのパケット着をトリガとしてGW2に切り替えができるため、第1L3経路制御処理よりも切り替えが早くなる。また、サーバ12xは、端末管理テーブルを元にして、端末に割り当てられたアドレスを知ることができる。また、端末14xが、保守に用いる各種サーバ(DNS等)との連携を行うことができる。例えば、DNSサーバは、ドメインと疎通可能な端末IPアドレスとが正しく結びつけられることにより、適切な端末管理が行えるようになる。
【0106】
なお、本発明は以下に示すようなコンピュータシステムにおいて適用可能である。図10は、本発明が適用されるコンピュータシステムの一例を示す図である。この図に示すコンピュータシステム900は、CPUやディスクドライブ等を内蔵した本体部901、本体部901からの指示により画像を表示するディスプレイ902、コンピュータシステム900に種々の情報を入力するためのキーボード903、ディスプレイ902の表示画面902a上の任意の位置を指定するマウス904及び外部のデータベース等にアクセスして他のコンピュータシステムに記憶されているプログラム等をダウンロードする通信装置905を有する。通信装置905は、ネットワーク通信カード、モデムなどが考えられる。
【0107】
上述したような、通信装置を構成するコンピュータシステムにおいて上述した各ステップを実行させるプログラムを、通信プログラムとして提供することができる。このプログラムは、コンピュータシステムにより読取り可能な記録媒体に記憶させることによって、通信装置を構成するコンピュータシステムに実行させることが可能となる。上述した各ステップを実行するプログラムは、ディスク910等の可搬型記録媒体に格納されるか、通信装置905により他のコンピュータシステムの記録媒体906からダウンロードされる。また、コンピュータシステム900に少なくとも通信機能を持たせる通信プログラムは、コンピュータシステム900に入力されてコンパイルされる。このプログラムは、コンピュータシステム900を通信機能を有する通信システムとして動作させる。また、このプログラムは、例えばディスク910等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されていても良い。ここで、コンピュータシステム900により読取り可能な記録媒体としては、ROMやRAM等のコンピュータに内部実装される内部記憶装置、ディスク910やフレキシブルディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカード等の可搬型記憶媒体や、コンピュータプログラムを保持するデータベース、或いは、他のコンピュータシステム並びにそのデータベースや、通信装置905のような通信手段を介して接続されるコンピュータシステムでアクセス可能な各種記録媒体を含む。
【0108】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施の形態は、あらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、何ら拘束されない。更に、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、全て本発明の範囲内のものである。
【0109】
以上の実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
ネットワークとの通信を行うことができる通信装置であって、
前記ネットワークへのパケットの送信と前記ネットワークからのパケットの受信とを行う送受信部と、
前記送受信部と前記ネットワークとの間の経路に関する第1情報を記憶する第1情報記憶部と、
前記第1情報記憶部における前記第1情報の中から、前記送受信部から前記ネットワークへの送信パケットが経由すべきゲートウェイを指定する第2情報を記憶する第2情報記憶部と、
前記送受信部への受信パケットに基づいて、該受信パケットに示されたゲートウェイに関するレイヤ2の情報を含む第3情報を検出する検出部と、
前記検出部により検出された前記第3情報に基づいて、前記第2情報の変更の条件である第1条件が成立するか否かの判定を行う判定部と、
前記判定部により前記第1条件が成立すると判定された場合、前記第2情報記憶部に記憶された前記第2情報において指定されたゲートウェイを変更する変更部と、
を備える通信装置。
(付記2)
前記第1情報記憶部における前記第1情報と前記第2情報記憶部における前記第2情報とに基づいて、前記送受信部から前記ネットワークへの送信パケットの経路に、前記第2情報に指定されたゲートウェイを設定する設定部と、
付記1に記載の通信装置。
(付記3)
前記第3情報は、該第3情報の対象のゲートウェイからの受信パケット量、該ゲートウェイからの受信エラーパケット量の少なくともいずれかの測定値を含む、
付記1に記載の通信装置。
(付記4)
前記第1条件は、前記第2情報に指定されたゲートウェイの前記第3情報における測定値が所定の範囲外になった場合である、
付記3に記載の通信装置。
(付記5)
前記第3情報は、前記第2情報に指定されたゲートウェイ以外のゲートウェイからのパケットの受信の状態を含む、
付記1に記載の通信装置。
(付記6)
前記第1条件は、前記第2情報に指定されたゲートウェイ以外のゲートウェイからのパケットの受信が発生した場合である、
付記5に記載の通信装置。
(付記7)
前記送受信部は、前記ネットワークへのパケットの無線送信と前記ネットワークからのパケットの無線受信とを行い、
前記第3情報は、該第3情報の対象とするゲートウェイからの受信パケットの受信電波強度を含む、
付記1に記載の通信装置。
(付記8)
前記判定部は、前記第2情報に指定されたゲートウェイの第3情報における受信電波強度である第1受信電波強度と、該ゲートウェイと異なるゲートウェイの第3情報における受信電波強度である第2受信電波強度との比較を行い、
前記第1条件は、(第2受信電波強度−第1受信電波強度)が所定のマージンを超えた場合である、
付記7に記載の通信装置。
(付記9)
前記判定部は、あるゲートウェイの第3情報に基づいて、該ゲートウェイの第1情報の削除の条件である第2条件が成立するか否かの判定を行い、
前記第1条件は、前記第1情報に指定されたゲートウェイの第2条件が成立した場合である、
付記1に記載の通信装置。
(付記10)
前記第3情報は、該第3情報の対象のゲートウェイからのパケットを受信していない時間を含み、
前記第2条件は、該時間が所定の時間閾値を超えた場合である、
付記9に記載の通信装置。
(付記11)
前記変更部は、変更後の前記第2情報に指定されたゲートウェイが前記第1情報記憶部における前記第1情報に存在しない場合、該ゲートウェイの第1情報の要求を該ゲートウェイへ送信する、
付記1に記載の通信装置。
(付記12)
前記設定部は、前記第1情報及び前記第2情報の少なくともいずれかの更新が行われた場合、該更新の通知を前記ネットワーク上の所定の管理装置へ送信する、
付記2に記載の通信装置。
(付記13)
前記第1情報は、ゲートウェイに関するレイヤ3の情報とMACアドレスとを含む、
付記1に記載の通信装置。
(付記14)
前記第2情報は、ゲートウェイの識別子を含む、
付記1に記載の通信装置。
(付記15)
前記検出部は、定期的に前記第2情報を検出する、
付記1に記載の通信装置。
(付記16)
ネットワークとの通信を行うことができる通信装置の制御を前記通信装置のコンピュータに実行させる通信プログラムであって、
前記通信装置と前記ネットワークとの間の経路に関する第1情報を前記通信装置の第1情報記憶部に記憶させ、
前記第1情報記憶部における前記第1情報の中から、前記通信装置から前記ネットワークへの送信パケットが経由すべきゲートウェイを指定する第2情報を前記通信装置の第2情報記憶部に記憶させ、
前記通信装置への受信パケットに基づいて、該受信パケットに示されたゲートウェイに関するレイヤ2の情報を含む第3情報を検出し、
検出された前記第3情報に基づいて、前記第2情報の変更の条件である第1条件が成立するか否かの判定を行い、
前記第1条件が成立すると判定された場合、前記第2情報記憶部に記憶された前記第2情報において指定されたゲートウェイを変更する
ことを前記コンピュータに実行させる通信プログラム。
(付記17)
前記第1情報記憶部における前記第1情報と前記第2情報記憶部における前記第2情報とに基づいて、前記通信装置から前記ネットワークへの送信パケットの経路に、前記第2情報に指定されたゲートウェイを設定する、
付記16に記載の通信プログラム。
(付記18)
前記第3情報は、該第3情報の対象のゲートウェイからの受信パケット量、該ゲートウェイからの受信エラーパケット量の少なくともいずれかの測定値を含む、
付記16に記載の通信プログラム。
(付記19)
前記第1条件は、前記第2情報に指定されたゲートウェイの前記第3情報における測定値が所定の範囲外になった場合である、
付記18に記載の通信プログラム。
(付記20)
ネットワークとの通信を行うことができる通信装置の制御を行う通信方法であって、
前記通信装置と前記ネットワークとの間の経路に関する第1情報を前記通信装置の第1情報記憶部に記憶させ、
前記第1情報記憶部における前記第1情報の中から、前記通信装置から前記ネットワークへの送信パケットが経由すべきゲートウェイを指定する第2情報を前記通信装置の第2情報記憶部に記憶させ、
前記通信装置への受信パケットに基づいて、該受信パケットに示されたゲートウェイに関するレイヤ2の情報を含む第3情報を検出し、
検出された前記第3情報に基づいて、前記第2情報の変更の条件である第1条件が成立するか否かの判定を行い、
前記第1条件が成立すると判定された場合、前記第2情報記憶部に記憶された前記第2情報において指定されたゲートウェイを変更する
ことを行う通信方法。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明に係るネットワークの構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る端末14xのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る端末14xのソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る経路情報の一例を示す表である。
【図5】本発明に係る第2L3経路制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係るRA要求処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明に係るRA受信処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明に係るサーバ連携処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明に係るL2監視処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】本発明が適用されるコンピュータシステムの一例を示す図である。
【図11】従来のネットワークの構成の一例を示すブロック図である。
【図12】従来のL3経路情報の一例を示す表である。
【符号の説明】
【0111】
11 ネットワーク、12x サーバ、13a,13b,13c,13d ルータ、14x 端末、22 L2処理部、23 L3処理部、24 経路情報記憶部、25 監視情報記憶部、31 L3経路制御部、32 RA要求処理部、33 RA受信処理部、34 サーバ連携処理部、41 L2通信制御部、42 L2監視処理部、51 CPU、52 記憶部、53 ネットワークインタフェース。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークとの通信を行うことができる通信装置であって、
前記ネットワークへのパケットの送信と前記ネットワークからのパケットの受信とを行う送受信部と、
前記送受信部と前記ネットワークとの間の経路に関する第1情報を記憶する第1情報記憶部と、
前記第1情報記憶部における前記第1情報の中から、前記送受信部から前記ネットワークへの送信パケットが経由すべきゲートウェイを指定する第2情報を記憶する第2情報記憶部と、
前記送受信部への受信パケットに基づいて、該受信パケットに示されたゲートウェイに関するレイヤ2の情報を含む第3情報を検出する検出部と、
前記検出部により検出された前記第3情報に基づいて、前記第2情報の変更の条件である第1条件が成立するか否かの判定を行う判定部と、
前記判定部により前記第1条件が成立すると判定された場合、前記第2情報記憶部に記憶された前記第2情報において指定されたゲートウェイを変更する変更部と、
を備える通信装置。
【請求項2】
更に、
前記第1情報記憶部における前記第1情報と前記第2情報記憶部における前記第2情報とに基づいて、前記送受信部から前記ネットワークへの送信パケットの経路に、前記第2情報に指定されたゲートウェイを設定する設定部と、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記第3情報は、該第3情報の対象のゲートウェイからの受信パケット量、該ゲートウェイからの受信エラーパケット量の少なくともいずれかの測定値を含む、
請求項1または請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記第3情報は、前記第2情報に指定されたゲートウェイ以外のゲートウェイからのパケットの受信の状態を含む、
付記1に記載の通信装置。
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の通信装置。
【請求項5】
前記送受信部は、前記ネットワークへのパケットの無線送信と前記ネットワークからのパケットの無線受信とを行い、
前記第3情報は、該第3情報の対象とするゲートウェイからの受信パケットの受信電波強度を含む、
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の通信装置。
【請求項6】
前記判定部は、あるゲートウェイの第3情報に基づいて、該ゲートウェイの第1情報の削除の条件である第2条件が成立するか否かの判定を行い、
前記第1条件は、前記第1情報に指定されたゲートウェイの第2条件が成立した場合である、
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の通信装置。
【請求項7】
ネットワークとの通信を行うことができる通信装置の制御を前記通信装置のコンピュータに実行させる通信プログラムであって、
前記通信装置と前記ネットワークとの間の経路に関する第1情報を前記通信装置の第1情報記憶部に記憶させ、
前記第1情報記憶部における前記第1情報の中から、前記通信装置から前記ネットワークへの送信パケットが経由すべきゲートウェイを指定する第2情報を前記通信装置の第2情報記憶部に記憶させ、
前記通信装置への受信パケットに基づいて、該受信パケットに示されたゲートウェイに関するレイヤ2の情報を含む第3情報を検出し、
検出された前記第3情報に基づいて、前記第2情報の変更の条件である第1条件が成立するか否かの判定を行い、
前記第1条件が成立すると判定された場合、前記第2情報記憶部に記憶された前記第2情報において指定されたゲートウェイを変更する、
ことを前記コンピュータに実行させる通信プログラム。
【請求項8】
ネットワークとの通信を行うことができる通信装置の制御を行う通信方法であって、
前記通信装置と前記ネットワークとの間の経路に関する第1情報を前記通信装置の第1情報記憶部に記憶させ、
前記第1情報記憶部における前記第1情報の中から、前記通信装置から前記ネットワークへの送信パケットが経由すべきゲートウェイを指定する第2情報を前記通信装置の第2情報記憶部に記憶させ、
前記通信装置への受信パケットに基づいて、該受信パケットに示されたゲートウェイに関するレイヤ2の情報を含む第3情報を検出し、
検出された前記第3情報に基づいて、前記第2情報の変更の条件である第1条件が成立するか否かの判定を行い、
前記第1条件が成立すると判定された場合、前記第2情報記憶部に記憶された前記第2情報において指定されたゲートウェイを変更する、
ことを行う通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−98555(P2010−98555A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−268128(P2008−268128)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】