通信装置
【課題】 通信装置が記憶蓄積する音楽情報を相手装置との音声通信の雰囲気を良好にするために有効活用できる通信装置を提供すること。
【解決手段】 マイクにより収集した音声情報を相手装置に送出する一方、当該相手装置からの音声情報を受信・可聴出力することにより音声通信を行う音声通信制御手段と、予め記憶した音楽情報を読み出して再生する音楽情報再生手段と、前記音声通信制御手段により音声通信が行われている最中に前記音楽情報再生手段により再生される音楽情報を前記相手装置に送出する音声情報と共に前記相手装置に送出するように制御する音楽再生制御手段とを備えたことを特徴とする。
【解決手段】 マイクにより収集した音声情報を相手装置に送出する一方、当該相手装置からの音声情報を受信・可聴出力することにより音声通信を行う音声通信制御手段と、予め記憶した音楽情報を読み出して再生する音楽情報再生手段と、前記音声通信制御手段により音声通信が行われている最中に前記音楽情報再生手段により再生される音楽情報を前記相手装置に送出する音声情報と共に前記相手装置に送出するように制御する音楽再生制御手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声情報を相手装置とやりとりして音声通信を行う通信装置に関し、特に、音楽情報の再生機能を備えた通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の音声通信を行う通信装置、例えば携帯電話では、いわゆる着メロや着歌データを再生(演奏)する機能を備えているが、着メロや着歌の演奏の長さはせいぜい30秒程度で、その程度の長さでも、携帯電話の着信時の着信音として使用するには十分であった。
【0003】
しかしながら、最近では携帯電話のような通信装置においてもサイズの大きなフル楽曲の音楽情報のデータを利用できるようになりつつあり、そのフル楽曲のデータのその他の使用方法がいろいろ模索されている。
【0004】
通常の使い方としては、音声通信をしていないときに、単に音楽情報のデータを再生して楽しむことが考えられるが、そのような用途では、通信装置のユーザ自身しか、当該通信装置が記憶蓄積する音楽情報のデータを利用した楽しみを得ることができないため、通信装置が記憶蓄積している音楽情報が十分に活用されているとはいえず、通信装置のユーザ以外の他人に当該音楽情報を聞かせることも出来ないという問題がある。
【0005】
また、通常、通話(音声通信)中は人が話している時以外は無音状態であるため、その場の雰囲気が無機質になりがちという問題もある。
【0006】
一方、本願発明に関連する公知技術としては、特許文献1を挙げることかできる。
【特許文献1】特開2003−304336号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1に記載の技術は、通信端末間の通話データの中継において、当該通話データに別データを同士再生可能付加するものであり、携帯電話のような通信装置自身が記憶蓄積する音楽情報の有効活用についての技術ではない。
【0008】
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、通信装置が記憶蓄積する音楽情報を相手装置との音声通信の雰囲気を良好にするために有効活用できる通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の通信装置は、マイクにより収集した音声情報を相手装置に送出する一方、当該相手装置からの音声情報を受信・可聴出力することにより音声通信を行う音声通信制御手段と、予め記憶した音楽情報を読み出して再生する音楽情報再生手段と、前記音声通信制御手段により音声通信が行われている最中に前記音楽情報再生手段により再生される音楽情報を前記相手装置に送出する音声情報と共に前記相手装置に送出するように制御する音楽再生制御手段とを備えたことを特徴とする。つまり、相手装置との通話(音声通信)中に、自装置で再生した音楽情報を通話に係る音声情報と共に相手装置側に聞かせることができる。
【0010】
請求項2に記載の通信装置は、請求項1に記載の通信装置において、通信相手装置を識別するための情報である相手先識別情報に前記音楽情報を対応付けて記憶する電話帳手段を備え、前記音声通信制御手段は、前記電話帳手段に記憶されたいずれかの相手先識別情報が指定されるとその指定された相手先識別情報に基づき対応する相手装置に発呼して音声通信を開始する一方、前記音楽情報再生手段は、前記音声通信制御手段により音声通信が行われている最中に前記相手装置に送出する音声情報と共に送出する音楽情報として、前記電話帳手段において前記指定された相手先識別情報に対応して記憶されている音楽情報を選択して再生するものであることを特徴とする。つまり、発呼する相手先が指定されると、その指定された相手先に対応する、当該相手先に最適な音楽情報が再生される。
【0011】
請求項3に記載の通信装置は、請求項1または2のいずれかに記載の通信装置において、前記音楽情報は、1以上の音楽情報とそれらの音楽情報の再生条件の設定情報とから構成されるプレイリストの音楽情報である一方、前記音楽情報再生手段は、再生対象のプレイリストが含む1以上の音楽情報を対応して設定された再生条件で再生するものであることを特徴とする。つまり、相手装置に送出する音楽情報を複数曲の組み合わせとすることができ、また各曲に最適な再生条件で再生できる。
【0012】
請求項4に記載の通信装置は、請求項3に記載の通信装置において、複数の音楽情報から任意の音楽情報を選択して前記プレイリストを作成するプレイリスト作成手段を備えたことを特徴とする。つまり、好みの設定のプレイリストをユーザに作成させることができる。
【0013】
請求項5に記載の通信装置は、請求項4に記載の通信装置において、前記プレイリスト作成手段は、前記プレイリストに識別情報を付加することを特徴とする。つまり、作成した各プレイリストの識別が容易化できる。
【0014】
請求項6に記載の通信装置は、請求項4または5のいずれかに記載の通信装置において、前記プレイリスト作成手段により作成した1以上のプレイリストから、前記音楽情報再生手段によって再生するプレイリストを選択するプレイリスト選択手段を備えたことを特徴とする。つまり、前記音楽情報再生手段が再生すべきプレイリストを特定することができる。
【0015】
請求項7に記載の通信装置は、請求項1ないし6のいずれかに記載の通信装置において、前記音楽情報を他装置から自装置にダウンロードして記憶する音楽情報ダウンロード手段を備えたことを特徴とする。つまり、自装置において使用する音楽情報を外部から取り入れることができる。
【0016】
請求項8に記載の通信装置は、請求項1ないし7のいずれかに記載の通信装置において、前記音楽情報再生手段により再生され、前記相手装置に送出される音声情報と共に前記相手装置に送出される音楽情報の音量を調節する音量調節手段を備えたことを特徴とする。つまり、相手装置に送出する音声情報の疎通に支障のないレベルに音楽情報の音量を設定することができる。
【0017】
請求項9に記載の通信装置は、請求項1ないし8のいずれかに記載の通信装置において、前記音楽情報再生手段により再生され、前記相手装置に送出される音声情報と共に前記相手装置に送出される音楽情報の音質を調節する音質調整手段を備えたことを特徴とする。つまり、相手装置に送出する音楽情報を最適な音質ら調節できる。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る発明によれば、自装置に記憶されている音楽情報を相手装置側の通話相手に聞かせることができるため、通話の雰囲気を盛り上げるBGM(バックグランドミュージック)として自装置が記憶している音楽情報を利用することが可能となる効果が得られる。
【0019】
請求項2に係る発明によれば、通話相手先に応じて異なった音楽情報を送出することが可能となる効果が得られる。
【0020】
請求項3に係る発明によれば、前記プレイリストにより、あらかじめ選択したお好みの音楽情報をお好みの再生条件で再生することが可能となる効果が得られる。
【0021】
請求項4に係る発明によれば、プレイリストを作成することにより、あらかじめ選択したお好みの音楽情報を再生することが可能となる効果が得られる。
【0022】
請求項5に係る発明によれば、作成したプレイリストを容易に識別できる名称文字列等を識別情報として付加することができるため、実際に再生してみなくてもプレイリストを構成する音楽情報の内容の概要を知ることが可能となる効果が得られる。
【0023】
請求項6に係る発明によれば、状況に応じた好みのプレイリストを再生することが可能となる効果が得られる。
【0024】
請求項7に係る発明によれば、再生候補となり得る音楽情報を簡単に追加することが可能となる効果が得られる。
【0025】
請求項8に係る発明によれば、相手装置に送出する自装置からの音声情報と共に相手装置に送出される音楽情報の音量を調節でき、また、好みの音量に設定できるため、通話の妨げにならないように音量を設定することが可能となる効果が得られる。
【0026】
請求項9に係る発明によれば、相手装置に送出する自装置からの音声情報と共に相手装置に送出される音楽情報の温室を調節でるため、好みの音質で音楽情報を再生することが可能となる効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0028】
図1に、本発明を実施するための最良の形態に係る通信装置としての携帯電話1のブロック構成について示す。
【0029】
同図において、CPU2(中央処理装置)は装置全体を制御するものであり、その実行プログラムはROM(リード・オンリー・メモリ)3に記憶され、CPU2はその実行プログラムをROM3から読み出し、その実行プログラムに含まれる命令を逐次解釈して装置全体の制御を行うものである。
【0030】
ROM3はFROM等の書き換え可能な半導体メモリであってよい。RAM(ランダム・アクセス・メモリ)4はその制御に必要なワークエリアが形成されるともに、保存パラメータやそのほか制御に必要ないろいろなパラメータや管理情報等を記憶するものである。
【0031】
操作入力・表示部5は各種の操作キーと操作ガイダンス等を表示する表示器からなり、オペレータが装置を操作するためのものである。通話部6は、音声を出力するスピーカ部6bや音声を入力するマイク部6cや通話回路6aから構成される。
【0032】
通話回路6aはマイク部6cから入力された音声信号を通信手段に送出し、通信手段から入力された音声信号をスピーカ部6b等に出力するものである。また音声信号を増幅したりあるいは減衰することにより音量を調整したり、音声信号の周波数特性を変化させることにより音質を良くしたりする回路も、通話回路6aに、含まれているのが一般的である。またマイク部6cからスピーカ部6bへの音の回り込みを制御するいわゆる側音制御も通話回路6aで行うのが一般的である。
【0033】
大容量記憶手段7は、音楽情報ファイル(MIDI、MP3、AAC、WAV、AIFF等の形式がある)等のサイズの比較的大きなデータや各種設定ファイルなどを記憶するためのものであり、比較的大容量の記憶領域が必要なため、ハードディスク等のメディアが適用されるが、最近では大容量の半導体メモリも普及しているため、それを適用してもよい。ハードディスクを使用する場合には、振動や衝撃による音とびを防ぐために、一度半導体メモリに音楽情報を転送してから、半導体メモリに記憶された音楽情報を、音楽情報再生手段13(後述)によって再生するようにする、スキッププロテクション手段を備えるようにしてもよい。もちろん、振動・衝撃に対応したハードディスクを使用する場合にはこの限りではない。また、この大容量記憶手段7は、例えばPC(パーソナルコンピュータ)の外部記憶装置としても使用することができる。このとき、お互いのデータを守るために、音楽情報ファイル等の携帯電話1の動作のためのデータと、PCにとっての外部記憶装置として記憶するデータとを別々の記憶領域に記憶するようにしてもよい。この場合には、PCとのI/FとしてFireWire、USB等の汎用のインターフェースを自装置(携帯電話1)に備えることができる。
【0034】
撮影手段8は撮影対象物を画像データに変換するものであり、具体的には撮像素子であるCCD等が使用される。CCDは被写体からの光信号を受光素子で受光し、それをアナログの電気信号に変換して出力するものである。画像処理手段9はCCD(撮影手段8)が出力するアナログ電気信号を受信し、それをA/D変換することによりデジタル画像データを得るものである。画像処理手段9は、さらにそのデジタル画像データに対して画像処理(密度変換、フィルタリング、最適化処理、拡大縮小、圧縮伸張等)を行う。画像処理された画像データはメモリ手段としてのRAM4に記憶される。
【0035】
画像表示手段10は、画像処理手段9によって画像処理された画像データを、液晶画面(プラズマディスプレイパネルやCRT等であってもよい)の画像表示手段に表示するものである。なお、画像表示手段10としては、操作入力・表示部5の「表示部」を使用することもできる。TV受信手段11は、TV用アンテナ、検波部、チューナ部から構成されるもので、TV放送用電波を受信し、TV画像信号を出力する。TV画像信号は画像処理回路9に入力され、所定の画像処理を行ったあと、フレームメモリ12に蓄積され、フレームメモリ12に蓄積された画像データは画像表示手段10に出力され、TV画像が表示される。フレームメモリ12に蓄積された画像データを所定の記憶媒体に保存することにより、TV画像を撮影手段8で取得した画情報と同様に取り扱うことが出来る。
【0036】
音楽情報再生手段13は、MIDI,MP3,AAC、WAV等の形式の音楽情報ファイルが含むそれらの形式で符号化された音楽データを復号して元の音楽データに再生するものである。その再生された音楽データは、アナログ信号に変換して自装置のスピーカ部6b等から可聴出力することもでき、後述するように、マイク部6cで集音された音声情報と併せて相手装置に送出して、相手装置側で音声情報と共に可聴出力させて相手先ユーザに聞かせるようにすることもできる。
【0037】
音楽情報ダウンロード手段は、音楽情報ファイルを記憶している外部媒体、具体的には、無線通信手段18、無線I/F手段17、外部I/F手段15、メモリカードI/F手段16等を介してアクセス可能な、サーバ装置(が内蔵する記憶装置)、記憶装置、各種メモリカード等から、音楽情報ファイルを受信し大容量記憶部7等に転送して記憶・蓄積するためのものである。
【0038】
外部I/F手段15は、ケーブルなどの有線を使用してPC等の外部機器に接続して、データ等の送受信を行うものである。メモリカードI/F手段16は、ICカード、メモリカード、メモリユニット等、記憶媒体を搭載した装置と接続して、データの送受信を行うものである。無線I/F手段17は、無線を使用してデータの送受信を行うものであり、ブルートゥース、赤外線通信、無線LAN通信などがある。
【0039】
無線通信手段18は網側の基地局との間で、音声信号を無線で送受信する。なお、本発明を実施するための最良の形態では、本発明に係る通信装置を、基地局との間で無線を使用して通話(音声通信)を行う携帯電話1に適用しているが、本発明に係る通信装置は、有線で交換局と通信を行う固定電話装置に対しても適用可能なものである。
【0040】
なお、言うまでもないが、本発明に係る通信装置としての携帯電話1は、上記した構成をすべて備えている必要はなく、発明の実施に必要な構成を最低限備えていればよいものである。
【0041】
図2に、図1の携帯電話1の通話部6を構成する通話回路6aの内部構成のうちの、音楽情報再生手段13からの音楽情報を、相手装置に送出するマイク部6cからの音声情報と合成するための構成について示す。
【0042】
同図において、マイク部6cから入力される音声情報は増幅器60に入力され、CPU2からの音量設定に応じた増幅率で増幅された上で、ミキサー(加算アンプ)64に入力される。
【0043】
一方、音楽情報再生手段13により大容量記憶部7から読み出され復号・伸張された音楽情報は、D/A変換器61に入力されアナログ信号に変換されてイコライザ62に入力される。イコライザ62においては、CPU2からの音質設定に応じた信号処理が行われ、イコライザ62から出力される信号は、音量調整器(増幅器)63に入力される。音量調整器63では、CPU2からの音量設定に応じた増幅率で増幅された上で、ミキサー(加算アンプ)64に入力される。
【0044】
ミキサー64から出力される、マイク部6cからの通話に係る音声情報に加算された音楽情報は、相手装置に送出する音信号となる。つまり、音楽情報が、音声情報と共に、相手装置に送出される。その場合、音楽情報は、CPU2からの設定に応じた音質・音量に調整されて送出される。なお、音量調整器63は音量調節手段に相当するものである。また、イコライザ62は音質調整手段に相当するものである。
【0045】
なお、相手装置との音声情報のやりとりがデジタル信号でやりとりされる場合、音楽情報の音質・音量の調整はデジタルフィルタ回路により行うようにすることができ、マイク部6cからの音声情報との合成もデジタル的な加算により行うことができる。要するに、本発明は、相手装置とやりとりされる音声情報及びその音声情報と併せて相手装置に送出される音楽情報がアナログ信号であるかまたはデジタル信号であるか、また、その信号、データ形式によって限定されるものではない。
【0046】
また、図2において、音量調整は、ミキサー64の後に行うことにして、通話に係る音声情報と、音楽情報とを合成後に行うようにしてもよいが、図2に示すように、音量調整を別々に行うほうが、通話の音声信号と音楽信号の音量の比を変えることができるという利点がある(イコライザ62についての同様)。
【0047】
図3に、図1の携帯電話1の大容量記憶手段7の記憶内容について示す。
【0048】
同図において、音楽情報記憶用フォルダ(ディレクトリ)7aは、1以上の音楽情報、つまり、1曲分の音楽情報ファイルの1以上の集まりを内容とするものである。
【0049】
フォルダ7aが含む各音楽情報ファイルは、フォルダ7a内において各ファイルを相互に識別するための「ファイル名(曲名)」、作成日時、ファイルサイズなどの「付加情報」、及び、「音楽データ本体」により構成されている。
【0050】
また、大容量記憶手段7には、プレイリスト設定ファイル7b及び電話帳情報設定ファイルが記憶される(共に詳細後述)。
【0051】
また、大容量記憶手段7の記憶領域7dには、音楽再生開始条件設定フラグFsが予め設定・記憶されている。フラグFsは、値「0」が「自動再生」、つまり、相手装置との通話(音声通信)時に、再生した音楽情報を併せて相手装置に送出する動作を自動的に起動することを示し、値「1」が「手動再生」、つまり、相手装置との通話(音声通信)時に、再生した音楽情報を併せて相手装置に送出する動作を、ユーザにより指示操作があって初めて起動することを示している(詳細後述)。
【0052】
また、大容量記憶手段7の記憶領域7eには、対未登録・非通知相手音楽情報再生条件設定フラグFmが予め設定・記憶されている。フラグFmは、値「0」が「再生しない」、つまり、電話帳情報設定ファイルを参照した間接指定ではなく、相手先電話番号をテンキーで直接入力したような、電話帳に未登録な(普段あまり通話相手となることのない)相手先への発呼に係る通話(音声通信)、または、着呼のときに自装置(相手装置)の宛先識別情報(電話番号など)を通知してこないような、普段あまり通話相手となることのない相手装置からの着呼に係る通話(音声通信)時には、音楽情報の再生して音声情報と共に相手装置に送出する動作を行わないことを示し、値「1」は、そのような相手先については、「標準設定で再生」することを示している(詳細後述)。
【0053】
図4に、プレイスリスト設定ファイル4bの具体的な構成について示す。
【0054】
同図において、ファイル4bは、「プレイリスト識別番号」により特定される各プレイリストのそれぞれに1対1に対応した、「プレイリスト名称文字列(プレイリスト識別情報)」、「再生順設定フラグFp」、「連続再生設定フラグFr」と、各プレイスとのそれぞれに1以上対応つけられた、「曲名(ファイル名)」と、各プレイスリストに設定された1以上の「曲名(ファイル名)」のそれぞれについて個別に設定される、「音量設定」、「音質設定」、「テンポ設定」、及び、「再生回数」の各フィールドにより構成されている。
【0055】
ここで、プレイリスト識別番号「0」により特定されるプレイリストは、識別番号「1」以降のものと同一構成ではあるが、特別なプレイリストであり、携帯電話1において標準として設定されたプレイリストであり、図3の記憶領域7eのフラグFmの値「1」の「標準設定で再生」の「標準設定」に対応するものである。
【0056】
「プレイスリスト名称文字列(識別情報)」は、各プレイリスト識別番号により特定される各プレイスリストに付された、各プレイスリストの特徴がユーザにとって分かりやすいように付された文字列である。
【0057】
「再生順設定フラグFp」は、値「0」が、対応して設定された1以上の曲(音楽情報ファイル)を登録された順番に、例えば、登録された曲が3曲なら、1番目の曲、2番目の曲、3番目の曲というように、「順番に再生」すべきであることを示すものである。値「1」は、例えば、登録された曲が3曲なら、2番目の曲、1番目の曲、3番目の曲というように、「シャッフルして再生(ランダム再生)」すべきであることを示すものである。
【0058】
「連続再生設定フラグFr」は、値「0」が、対応して設定された1以上の曲(音楽情報ファイル)を、「再生順設定フラグFp」の設定の通りに1巡再生完了したなら再生を終了するべきであることを示し、値「1」は、対応して設定された1以上の曲(音楽情報ファイル)を、「再生順設定フラグFp」の設定の通りに1巡再生完了した後も再生を終了することなく繰り返し再生を行うべきであることを示している。
【0059】
1以上の「曲名(ファイル名)」は、図3の音楽情報記憶用フォルダ7aに記憶された1以上の音楽情報ファイルのうちの1つを特定するものである。
【0060】
また、各「曲名(ファイル名)」に対応した「音量設定」は、対応する曲を再生する際に、図2の音量調整器63に設定すべき音量設定値であり、値1ないし値5の範囲を取り得るもので、値1が音量(増幅率)最低であり、値5が音量(増幅率)最高であることを示している。
【0061】
また、各「曲名(ファイル名)」に対応した「音質設定」は、対応する曲を再生する際に、図2のイコライザ62に設定すべき音質設定値であり、値0が高音、中音、低音すべてが「普通」となる設定であり、値1が低音を「重視(強調)」する設定であり、値2が中音を「重視(強調)」する設定であり、値3が高及び低音を「重視(強調)」する設定である。
【0062】
また、各「曲名(ファイル名)」に対応した「テンポ設定」は、対応する曲を音楽情報再生手段13が復号・伸張して再生する際の再生速度を規定するものであり、値0が「標準」と比較して「遅い」、値1が「標準」、値2が「標準」と比較して「早い」設定である。
【0063】
このように、各プレイリストを構成する各曲ごとに再生条件をきめ細かく設定できるため、各曲に最適な再生条件で再生が可能となる。
【0064】
なお、各曲ごとの再生条件を音楽情報記憶用フォルダ7aに記憶された各音楽情報ファイルについて個別に設定することも考えられるが、その場合、結果的にプレイリストに登録されることのない曲についても無駄に設定してしまう場合が有り得る。
【0065】
また、各「曲名(ファイル名)」に対応した「再生回数」は、対応する曲が再生されるごとにインクリメント(1だけ加算)されるものであり、各曲の累計再生回数を記憶するためのフィールドである。
【0066】
なお、「音量設定」、「音質設定」、「テンポ設定」及び「再生回数」は、各「曲名」ごとにではなく、各プレイリスト単位に設定するようにして、設定の簡素化を図るようにしてもよい。プレイリストは類似の曲調の音楽情報ファイルにより構成されることが多いため、効果が「曲名」ごとの場合と比較して大きく損なわれることはない。
【0067】
図5に、電話帳情報設定ファイル7cの具体的な構成について示す。
【0068】
同図において、ファイル7cは、「宛先識別情報(電話番号)」、「相手先名称文字列」、「プレイリスト識別番号」、「再生順設定フラグFp」、「音量設定」の各フィールドの対応付けにより構成されるレコードの集合として構成されている。
【0069】
「宛先識別情報(電話番号)」は、通信相手先の装置に、回線事業者から割り当てられた電話番号などである。「宛先識別情報」は回線事業者が端末に割り当てる宛先識別情報の形態によっては、アルファベットや記号を含む場合もある。
【0070】
携帯電話1は、相手装置の「宛先識別情報(電話番号)」を回線側に通知することで、所望の相手装置に発呼して通話(音声通信)でき、また、着呼してきた相手装置から、当該相手装置の「宛先識別情報(電話番号)」の通知を受けることができる(相手装置側で「非通知」に設定されていない場合)。
【0071】
「相手先名称文字列」は、対応する「宛先識別情報(電話番号)」をユーザが識別しやすいように付された文字列である。「プレイリスト識別番号」は、「宛先識別情報(電話番号)」により特定される相手装置について設定されたプレイリストを示すものであり、図4のプレイリスト設定ファイル7bにおける「プレイリスト識別番号」に対応するものである。
【0072】
「再生順設定フラグFp」は、図4のファイル7bにおけるものと同一定義のものである。ただし、値「−1」は、当該フラグFpが積極的には設定されておらず、対応して設定された「プレイリスト識別番号」に対応して図4のファイル7bにおいて設定されているフラグFpの設定に従うべきであることを示している。
【0073】
「音量設定」についてもフラグFpと同様で、図4のファイル7bにおけるものと同一定義のものである。ただし、値「−1」は、当該「音量設定」が積極的には設定されておらず、対応して設定された「プレイリスト識別番号」に対応して図4のファイル7bにおいて設定されている各「曲名」にそれぞれ対応した「音量設定」に従うべきであることを示している。
【0074】
それにより、「再生順設定」及び「音量設定」について、電話帳情報設定ファイル7cでの各相手先装置に対応した設定を基本的に優先させ、電話帳情報設定ファイル7cにおいて明示的な設定がなされていない場合のみ、プレイリスト設定ファイル7bにおける設定で適用されるため、音楽情報の再生に係る設定を、相手装置別または/及びプレイリスト(に対応して設定された「曲名」)別にきめ細かく設定することが可能となる。
【0075】
なお、図4のファイル7bにおける「音質設定」や「テンポ設定」についても、「音量設定」等と同様に、電話帳情報設定ファイル7cとプレイスリスト設定ファイルとの2段階で設定するようにしてもよいのはいうまでもない。
【0076】
図6に、携帯電話1が相手装置に発呼して音声通信を行う場合に適用される、発信側携帯電話と網側の基地局との発信接続と切断シーケンスについて示す。
【0077】
発信側の端末はオフフックおよびダイアルの後に、基地局へ呼設定信号「SETUP」、発信無線状態報告信号を送信し(フェーズF0)、基地局側から呼設定受付信号「CALL PROC」を受信する(フェーズF1)。基地局は認証手順を行った後(フェーズF2)、無線チャネル指定信号を送信する(フェーズF3)。発信側の端末は指定されたチャネルを捕捉し、無線回線の設定を行う。次に基地局から呼出信号「ALERT」を受信し(フェーズF4)、呼出音(RBT)を自端末の受話器に送出する。着信側の応答があると、基地局から発信側の端末装置へ応答信号「CONN」が送信され(フェーズF5)、ここから課金が開始されるとともに、通話が始まる(フェーズF6)。通信が終わって、発信側の端末装置から切断信号「DISC」が基地局へ送信されると(フェーズF7)、基地局は解放信号「REL」を発信側の端末装置へ送信し(フェーズF8)、ここで課金が終了する。続いて、発信側の端末装置は基地局へ解放完了信号「REL COMP」を送信し(フェーズF9)、基地局から無線チャネル切断信号を受信する(フェーズF10)。最後に発信側の端末装置は通信に使用した無線チャネルを開放し無線回線の切断を行う(フェーズF11)。
【0078】
図7に、携帯電話1が相手装置からの着呼に応答して音声通信を行う場合に適用される、着信側形態電話と網側の基地局との着信接続と切断シーケンスについて示す。
【0079】
着信側の端末装置は、基地局からの呼出信号を受信すると(フェーズF20)、着信無線状態報告信号を送信し、自動的に応答のための信号を基地局へ送信する(フェーズF21)。そして、所定の認証手順での認証の後(フェーズF22)、基地局は無線チャネル指定信号を着信側の端末装置へ送信し、無線回線の設定を行う(フェーズF23)。無線回線の設定後、基地局から着信側の端末装置へ、呼設定信号「SETUP」が送信され(フェーズF24)、着信側の端末装置は着信音(RGT)を生成した後、基地局へ呼出信号「ALERT」を送信する(フェーズF25)。着信側の端末装置のオフフックにより応答信号「CONN」が基地局へ送信され(フェーズF26)、基地局が着信側の端末装置に応答確認信号「CONN ACK」を送信する(フェーズF27)。そして、通信(通話)が開始され(フェーズF28)、課金が始まる。通信が終わって、着信側の端末装置から切断信号「DISC」が基地局へ送信されると(フェーズF29)、基地局は解放信号「REL」を着信側の端末装置へ送信し(フェーズF30)、ここで課金が終了する。続いて、着信側の端末装置は基地局へ解放完了信号「REL COMP」を送信し(フェーズF31)、基地局から無線チャネル切断信号を受信する(フェーズF32)。最後に着信側の端末装置は通信に使用した無線チャネルを開放し無線回線の切断を行う(フェーズF33)。
【0080】
図8に、携帯電話1が音楽情報ダウンロード手段14による音楽情報ファイルをサーバから受信するような場合に適用できる、携帯電話等の端末が網側の基地局を介してデータをダウンロードする場合のPull型シーケンスについて示す。
【0081】
最初に端末側は基地局に対して通信登録要求信号を送出する(フェーズF40)。基地局側は認証を要求するために通信認証要求信号を端末側へ送信する(フェーズF41)。端末側は、通信認証応答信号を基地局へ送信し(フェーズF42)、基地局側は認証が成立すれば、通信登録応答信号を端末側へ送信する(フェーズF43)。端末側は、回線接続を要求するために、仮想回線接続要求信号を基地局側へ送信し(フェーズF44)、基地局は、仮想回線接続応答信号を端末側へ送信することにより(フェーズF45)、以後、通信回線が仮想的に確保される。そして、端末側はHTTPプロトコルを使用して、データを要求するGet信号を基地局側へ送信する(フェーズF46)。基地局側は、その応答信号として、Ack信号を端末側へ送信する(フェーズF47)。基地局は要求されたデータを含むResponse信号を端末側へ送信する(フェーズF48)。端末側はResponse信号の応答信号としてAck信号を基地局側へ送信する(フェーズF49)。以下、必要なだけフェーズF46ないしF49が繰り返され、端末側でのデータ取得が行われる。
【0082】
図9に、携帯電話1が音楽情報ダウンロード手段14による音楽情報ファイルをサーバから受信するような場合に適用できる、網側の基地局から携帯電話等の端末に着信通知してデータを送信するPush型シーケンスについて示す。
【0083】
まず、基地局から端末側へ呼び出し信号を送信する(フェーズF60)。次に、端末側は基地局に対して通信登録要求信号を送出する(フェーズF61)。基地局側は認証を要求するために通信認証要求信号を端末側へ送信する(フェーズF62)。端末側は、通信認証応答信号を基地局へ送信し(フェーズF63)、基地局側は認証が成立すれば、通信登録応答信号を端末側へ送信する(フェーズF64)。基地局は、回線接続を要求するために、仮想回線接続要求信号を端末側へ送信し(フェーズF65)、端末側は、仮想回線接続応答信号を基地局側へ送信することにより(フェーズF66)、通信回線が仮想的に確保される。基地局は着信通知信号を端末側へ送信し(フェーズF67)、端末側はその応答として、Ack信号を基地局側へ送信する(フェーズF68。端末側はデータを要求するために、Get信号を基地局側へ送信する(フェーズF69)。基地局側はその応答信号として、Ack信号を端末側へ送信する(フェーズF70)。基地局は要求されたデータを含むResponse信号を端末側へ送信する(フェーズF71)。端末側はResponse信号の応答信号としてAck信号を基地局側へ送信する(フェーズF72)。以下、必要なだけフェーズF69ないしF72が繰り返され、端末側でのデータ取得が行われる。
【0084】
また、それらのプロトコル中に、自装置または相手装置の端末識別情報(電話番号、端末番号、ID番号、機番、移動機番号、メールアドレス、URL、URI等)やサービス識別情報(電話番号、メールアドレス、URL、通話、電子メール、インターネットアクセス、データ送信、データ受信、データダウンロード等)を含ませることができる。さらに、自装置または相手装置の端末識別情報やサービス識別情報を、それぞれについて複数持ち(自装置の記憶手段に記憶する)、それらを選択して使用することにより、特定のサービスを特定の端末識別情報で使用することや、選択した端末識別情報に課金するなどの多彩なサービスを享受することができる。
【0085】
図10に、図1の携帯電話1におけるプレイリスト作成処理手順について示す。なお、このプレイリスト作成処理手順は、プレイリスト作成手段に相当するものである。
【0086】
同図において、先ず、音楽情報を操作入力・表示部5の表示部にリスト表示する(処理S101)。つまり、図3の音楽情報記憶用フォルダに記憶された1以上の音楽情報ファイルの「ファイル名(曲名)」を表示部にリスト表示する。
【0087】
そして、その表示したリストから特定の音楽情報を選択指定する操作がなされるか、または、リストからの選択そのものを終了させりる操作があるかを監視する(判断S102のNo、判断S103のNoのループ)。
【0088】
そして、リストからの選択操作があると(判断S102のYes)、その選択された1曲の音楽情報(ファイル)について、音楽情報属性設定操作処理を行い(処理S104)、判断S102に戻る。
【0089】
処理S104で設定操作される音楽情報の属性とは、図4のプレイリスト設定ファイル7bの「音量設定」、「音質設定」及び「テンポ設定」の各属性である。
【0090】
処理S104により、1つのプレイリストに1以上の音楽情報が登録される。
【0091】
そして、判断S103において、プレイリストへ登録する音楽情報の選択自体を終了する操作がなされると(判断S103のYes)、
プレイリスト属性設定操作処理を行う(処理S105)
【0092】
処理S104で設定操作されるプレイリストの属性とは、図4のプレイリスト設定ファイル7bの「プレイリスト名称文字列」、「再生順設定フラグFp」及び「連続再生設定フラグFr」の各属性である。
【0093】
処理S105と処理S104とにより、1つのプレイリストに1以上の音楽情報が登録されると共に、当該プレイリストの属性、及び、当該プレイリストに登録された1以上の音楽情報のそれぞれについての属性が登録され、作成されると、処理S106により、その作成された新たなプレイリストが、図4のプレイリス設定ファイル7bの空いている「プレイリスト識別番号」と対応付けられて登録される。
【0094】
以上の手順により、音楽情報記憶用フォルダ7aに記憶された1以上の音楽情報ファイルに基づいて、好みのプレイリストを作成することができる。なお、作成済みのプレイリストの内容変更、削除も操作入力・表示部5を介して行うことができるのはいうまでもない。
【0095】
また、図5の電話帳情報設定ファイル7cの設定内容も同様に、新規作成、設定内容の変更、及び、削除を、操作入力・表示部5を介して行うことができる。
【0096】
それにより、携帯電話1のユーザは、音楽情報ファイルを音楽情報記憶用フォルダ7aに記憶・蓄積した上で、その蓄積した1以上の音楽情報について所望のプレイリストを作成し、その作成したプレイリストを、図5に示すように、電話帳情報設定ファイル7cにおいて、各相手装置(に対応した相手先識別情報)に対応付けて設定することができる。
【0097】
以上説明したように、プレイリスト設定ファイル7b及び電話帳情報設定ファイル7cの内容を設定した上で、図1の携帯電話1は、発呼または着呼に係る通話(音声通信)を図11及び図12の制御処理手順により制御する。なお、発呼における具体的な通信シーケンスとしては、図6に示したシーケンスが適用され、着呼(着信)については、図7に示したシーケンスが適用される。また、図11及び図12の音声通信制御処理は、音声通信制御手段に相当するものである。
【0098】
つまり、発呼のための宛先指定操作(テンキーによる宛先電話番号の直接入力、または、電話帳情報設定ファイル7cを参照した間接的な入力との2通りがある)があるか、または、着呼があるかを監視している(判断S201のNo、判断S202のNoのループ)。
【0099】
そして、宛先指定操作があると(判断S201のYes)、続いて発呼指示操作があるまで待ち(判断S203のNoのループ)の発呼指示操作があると(判断S203のYes)、発呼して指定された宛先にダイヤルするのに先だって、フラグFmodeに今回の音声通信が「発呼モード」に係るものであることを示す値「0」を設定する(処理S204)。そのフラグFmodeの値はRAM4に記憶され、後述する音楽再生制御処理において必要に応じて参照される。
【0100】
そして、判断S201における宛先指定形態を判断し(判断S205)、テンキーによる電話番号の直接入力による「直接指定」の形態であった場合には、フラグFdial(RAM4に記憶される)に「直接指定」を示す値「0」を設定した上で(処理S206)、処理S201で直接指定された相手先識別情報により特定される相手装置に発呼して通話(音声通信)を開始する(処理S209)。
【0101】
判断S205において、判断S201における宛先指定形態が電話帳情報設定ファイル7cを参照した間接指定、つまり、電話帳情報設定ファイル7cの「相手先名称文字列」のフィールドをリスト表示してそのうちの選択指定されたものに対応する「相手先識別情報(電話番号)」が間接的に選択指定される形態であった場合には、フラグFdial(RAM4に記憶される)に「間接指定」を示す値「1」を設定すると共に(処理S207)、指定された相手先識別情報を文字列変数Nother(RAM4に記憶される)として記憶した上で、処理S201で間接指定された相手先識別情報により特定される相手装置に発呼して通話(音声通信)を開始する(処理S209)。処理S209の後は、図12の処理S215に移行する。
【0102】
判断S202において、着呼があると(判断S202のYes)、その着呼に応答した上で、相手装置との通話(音声通信)を開始するのに先だって、フラグFmodeに今回の音声通信が「着呼モード」に係るものであることを示す値「1」を設定する(処理S210)。そのフラグFmodeの値はRAM4に記憶され、後述する音楽再生制御処理において必要に応じて参照される。
【0103】
そして、着呼時に相手装置から相手先識別情報(電話番号)が通知されたかを判断し(判断S211)、非通知の場合には(判断S211)、文字列変数Nother(RAM4に記憶される)に、「通知なし」との文字列を設定した上で、着呼した相手装置との通話(音声通信)を開始する(処理S214)。処理S214の後は、図12の処理S215に以降する。
【0104】
判断S211において、通知された場合には(判断S211のYes)、文字列変数Nother(RAM4に記憶される)に、通知された相手先識別情報の文字列を設定した上で、着呼した相手装置との通話(音声通信)を開始する(処理S214)。処理S214の後は、図12の処理S215に以降する。
【0105】
図12の処理S215においては、音楽再生制御処理(後述)を起動する。それにより、以後は、音声通信制御処理と、音楽再生制御処理とが並行して実行されることになる。
【0106】
処理S215で音楽再生制御処理を起動した後は、音楽再生を私有利用する指示操作が操作入力・表示部5を介してなされるか、または、通話(音声通信)自体が終了するまで待ち(判断S216のNo、判断S217のNoのループ)、通話が終了した場合には(判断S217のYes)、フラグFend(RAM4に記憶される)に、音楽再生を終了すべきであることを示す値「1」を設定した上で、図11の判断S201に戻る。
【0107】
判断S216において、再生終了指示操作があった場合には(判断S216のYes)、フラグFend(RAM4に記憶される)に、音楽再生を終了すべきであることを示す値「1」を設定して、判断S217に移行する。
【0108】
発呼または着呼に係る通話の開始時に、処理S215により起動される音楽再生制御処理の具体的な処理手順は、図13ないし図15に示す手順である。なお、この音楽再生制御処理は、音楽再生制御手段に相当するものである。また、この音楽再生制御処理は、プレイリスト選択手段に相当する手順を含む。
【0109】
先ず、図13において、音楽再生開始条件設定フラグFsの値が0(自動再生)が否(手動再生)かを判断し(判断S301)、手動再生である場合には(判断S301のYes)、音声情報と併せた音楽情報の再生おび相手装置への送出を即座に開始するのではなく、音楽情報選択操作がなされるのを待つ(判断S302のNoのループ)。
【0110】
その場合の音楽情報選択操作とは、具体的には、図3の音楽情報記憶用フォルダ7aに記憶された1以上の音楽情報からの1以上の音楽情報の選択操作であってよいし、図4のプレイリスト設定ファイル7bからのプレイリストの選択操作による間接的な選択操作であってもよい。
【0111】
判断S302において、選択操作があると(判断S302のYes)、選択された1以上の音楽情報の順次の再生を開始する(処理S303)。そして、選択された全ての音楽情報についての再生が完了するか、フラグFendの値が1に変化するまで、音楽情報の再生を継続し(判断S304のNo、判断S305のNoのループ)、全ての音楽情報の再生が完了した場合には(判断S304のYes)、音楽情報の再生を終了する。
【0112】
また、フラグFend、つまり、本音楽再生制御処理と並行して実行中の、図11及び図12の音声通信制御処理手順中の処理S218または処理S219により設定されるフラグFendの値が「1」になった場合、つまり、ユーザによる再生終了指示操作があった場合、又は、通話が終了した場合には、フラグFendの値を「0」にリセットした上で(処理S306)、音楽情報の再生を終了する。
【0113】
なお、その場合の「音楽情報の再生」とは、音楽情報再生手段13が大容量記憶手段7から必要な音楽情報ファイルを構成する音楽データ本体を順次読み出して復号・伸張すると共に、図2に示した通話回路6a内の、マイク部6cからの音声情報に、音楽情報を合成して相手装置に送出するための回路群のうちのD/A変換器61に出力する処理である。
【0114】
これにより、通話が開始されても、ユーザからの指示がないかぎり、音楽情報の再生、及び、相手装置への送出を行わない「手動再生」の場合には、ユーザからの指示があって始めて音楽情報の再生、及び、相手装置への送出を行うように制御することができる。
【0115】
なお、判断S302ないし処理S306の、「手動再生」による手順では、再生する音楽情報の選択をも手動で行うようにしたが、後述する、判断S301がYesの場合に行われる、「自動再生」に係る手順を適用して、音楽情報の選択については自動で行うようにしてもいのはいうまでもない。その場合、ユーザが音楽情報を相手装置側のユーザに聞かしたいときだけ聞かせることができるようになるが、音楽情報の選択操作自体は省けるため、操作の省力化が図れる利点がある。
【0116】
また、また、発呼時に指定する相手先の電話番号の前に、音楽情報の自動再生を指示する所定の番号をつけてダイヤルした場合には、通話開始と共に自動的に音楽情報を送出するようにしてもよい。また、単に相手先の電話番号が指定された場合には通話開始と同時に音楽情報の送出を開始するようにする一方、音楽情報の再生を禁止する別の所定の番号をつけてダイヤルした場合には、通話中の音楽情報を送出を行わないようにするように構成することも考えられる。また、処理S302で選択した音楽情報の再生順も操作入力に応じて設定できるようにしてもよい。
【0117】
さて、判断S301において、「自動再生」の設定である場合には(判断S301のYes)、図14の判断S107に移行する。
【0118】
図14の判断S107においては、図11の処理S204または処理S210により値が設定されるフラグFmodeの値が0(発呼モード)か否(着呼モード)かを判断する。
【0119】
そして、発呼モードの場合には(判断S307のYes)、判断S308移行の手順を実行し、着呼モードの場合には(判断S307のNo)、図15の判断S318移行の手順を実行する。
【0120】
発呼モードにおいては、先ず、図11の処理S206またはS207で設定されるフラグFdialの値が0(直接指定)か否(間接指定)かを判断し(判断S308)、直接指定である場合には(判断S308のYes)、更に、図3の記憶領域7eに予め設定されている、フラグFmの値が0(再生しない)か否(標準設定で再生)かを判断する(判断S309)。
【0121】
そして、「再生しない」の場合には(判断S309のYes)、音楽情報の再生を開始することなく処理を終了する。「標準設定で再生」の場合には(判断S309のNo)、図4のプレイリスト設定ファイル7bの「プレイリスト識別番号」が「0」の標準設定のプレイリストに基づいた音楽再生処理を行う(処理S310)。
【0122】
なお、処理S310の音楽再生処理は、音楽情報再生手段13が大容量記憶手段7から、対象のプレイリスト(この場合標準設定のもの)に登録された1以上の音楽情報ファイルをそれぞれ構成する音楽データ本体を順次読み出して復号・伸張すると共に、図2に示した通話回路6a内の、マイク部6cからの音声情報に、音楽情報を合成して相手装置に送出するための回路群のうちのD/A変換器61に出力する処理である。また、その音楽再生処理では、対象のプレイリストに登録され1以上の音楽情報について、「再生順設定フラグFp」及び「連続再生設定フラグFr」の設定に基づいた順番で音楽情報ファイルが再生されると共に、各音楽情報に対応して設定された「音量設定」が各音楽情報の再生時に図2の音量調整器63に設定され、また、各音楽情報に対応して設定された「音質設定」が各音楽情報の再生時に図2のイコライザ62に設定され、また、各音楽情報に対応して設定された「テンポ設定」が音楽情報再生手段13における各音楽情報の再生速度に反映される。
【0123】
処理S310の音楽再生処理は、そのプレイリストの設定に基づく再生が完了するか、図12の処理S218またはS219で値1に設定されるフラグFendの値が1に変化するまで行われ(判断S311のNo、判断S312のNoのループ)、再生が完了すると(判断S311のYes)、再生処理を終了する。また、フラグFendの値が1に変化した場合も(判断S312のYes)、フラグFendの値を0にリセットした上で(処理S313)、処理を終了する。
【0124】
これにより、テンキーによる電話番号の直接入力により指定された相手先への発呼に係る通話中には、標準設定のプレイリストに登録された音楽情報が、対応して設定された条件で、相手先装置に送出され、相手先装置側の通話相手のユーザに対して、自装置からの音声情報と併せて音楽情報を聞かせることができる。
【0125】
なお、直接指定された相手先に対しては、電話帳に未登録の相手先であるとして、標準設定のプレイリストを適用するようにしたが、電話帳と照合して、対応する相手先識別情報(電話帳)が登録されている場合には、対応するプレイリストを適用するようにし、登録されていない場合に限り標準のプレイリストを適用するようにしてもよい。その場合、相手先にいっそう適合するプレイリストを自動的に選択することができる。
【0126】
また、判断再生途中で、通話が終了したり再生中止が指示されて音楽情報の再生が中断した場合に、次回の通話時にその中止したところ(曲の途中)から演奏を開始するようにする途中開始手段を設けたり、曲の途中から開始しないで、その曲(音楽情報)の最初から演奏を開始する最初開始手段を設けるようにしてよい。その場合、再生済み及び未再生の音楽情報を特定するために、各音楽情報に他対応して再生済みか否かのフラグを設定して、そのフラグを参照して途中からの再生を行うようにする。音楽情報の途中から再生する場合には、音楽情報の最初から再生済みの位置までの経過時間を計測・記憶しておき、再生再開の際に参照するようにする。
【0127】
また、再生中に中断した音楽情報の次に再生すべき音楽情報(「順番に再生」なら次に登録されている曲、「シャッフルして再生」なら、次にランダム選択される音楽情報)から演奏を開始するネクスト手段を備えていてもよい。
【0128】
判断S308において、電話帳による間接指定である場合には(判断S308のNo)、図11の処理S208で、発呼に係る相手先識別情報が記憶されている、文字列変数Notherに、図5の電話帳情報設定ファイル7cにおいて対応するプレイリストに基づいた音楽再生処理を行う(処理S314)。
【0129】
処理S314の音楽再生処理は、そのプレイリストの設定に基づく再生が完了するか、図12の処理S218またはS219で値1に設定されるフラグFendの値が1に変化するまで行われ(判断S315のNo、判断S316のNoのループ)、再生が完了すると(判断S315のYes)、再生処理を終了する。また、フラグFendの値が1に変化した場合も(判断S316のYes)、フラグFendの値を0にリセットした上で(処理S317)、処理を終了する。
【0130】
これにより、電話帳を参照して間接的に指定された相手先への発呼に係る通話中には、指定された相手先に対応して電話帳情報設定ファイル7cに設定されているプレイリストに登録された音楽情報が、対応して設定された条件で、相手先装置に送出され、相手先装置側の通話相手のユーザに対して、自装置からの音声情報と併せて、当該相手先装置のユーザに対して聞かせるために携帯電話1のユーザが最適に設定した音楽情報を聞かせることができる。
【0131】
なお、直接指定された相手先に対しては、電話帳に未登録の相手先であるとして、標準設定のプレイリストを適用するようにしたが、電話帳と照合して、対応する相手先識別情報(電話帳)が登録されている場合には、対応するプレイリストを適用するようにし、登録されていない場合に限り標準のプレイリストを適用するようにしてもよい。その場合、相手先にいっそう適合するプレイリストを自動的に選択することができる。
【0132】
判断S307がNo(着呼モード)の場合に行われる図15の処理手順においては、先ず、図11の処理S212または処理S213で設定される文字列変数Notherの内容が「通知なし」であるか否(通知された相手先識別情報)かを判断する。
【0133】
そして「通知なし」の場合には(判断S319のYes)、更に、図3の記憶領域7eに予め設定されている、フラグFmの値が0(再生しない)か否(標準設定で再生)かを判断する(判断S319)。
【0134】
そして、「再生しない」の場合には(判断S319のYes)、音楽情報の再生を開始することなく処理を終了する。「標準設定で再生」の場合には(判断S319のNo)、図4のプレイリスト設定ファイル7bの「プレイリスト識別番号」が「0」の標準設定のプレイリストに基づいた音楽再生処理を行う(処理S310)。
【0135】
処理S320の音楽再生処理は、そのプレイリストの設定に基づく再生が完了するか、図12の処理S218またはS219で値1に設定されるフラグFendの値が1に変化するまで行われ(判断S321のNo、判断S322のNoのループ)、再生が完了すると(判断S321のYes)、再生処理を終了する。また、フラグFendの値が1に変化した場合も(判断S322のYes)、フラグFendの値を0にリセットした上で(処理S323)、処理を終了する。
【0136】
これにより、相手先識別情報の通知がない、電話帳に登録されている相手先と違って素姓不明な相手先からの着呼に係る通話中には、標準設定のプレイリストに登録された音楽情報が、対応して設定された条件で、相手先装置に送出され、相手先装置側の通話相手のユーザに対して、自装置からの音声情報と併せて音楽情報を聞かせることができる。
【0137】
判断S318において、着呼時に相手先識別情報の通知があった場合には(判断S318のNo)、図11の処理S208で、発呼に係る相手先識別情報が記憶されている、文字列変数Notherに、図5の電話帳情報設定ファイル7cにおいて対応するプレイリストに基づいた音楽再生処理を行う(処理S324)。
【0138】
処理S324の音楽再生処理は、そのプレイリストの設定に基づく再生が完了するか、図12の処理S218またはS219で値1に設定されるフラグFendの値が1に変化するまで行われ(判断S325のNo、判断S326のNoのループ)、再生が完了すると(判断S325のYes)、再生処理を終了する。また、フラグFendの値が1に変化した場合も(判断S326のYes)、フラグFendの値を0にリセットした上で(処理S327)、処理を終了する。
【0139】
これにより、通知してきた相手先識別情報が電話帳に登録されている相手先からの着呼に係る通話中には、当該相手先に対応して電話帳情報設定ファイル7cに設定されているプレイリストに登録された音楽情報が、対応して設定された条件で、相手先装置に送出され、相手先装置側の通話相手のユーザに対して、自装置からの音声情報と併せて、当該相手先装置のユーザに対して聞かせるために携帯電話1のユーザが最適に設定した音楽情報を聞かせることができる。
【0140】
なお、通知された相手先識別情報が電話帳に登録されていない場合もあり得るが、その場合は、非通知の相手先からの場合、つまり、判断S318がYesの場合と同様に、判断S319ないし処理S323の手順を適用するようにしてもよい。それにより、電話帳に未登録の相手先からの着呼に係る通話においても標準設定のプレイスリストを適用できる。
【0141】
また、発呼時に直接指定された相手先、着呼時に相手先識別情報を通知してこない相手先、着呼時に相手先識別情報を通知してきてもその相手先識別情報が電話帳に登録されていない相手先の各相手先について、個別にプレイリストを予め設定しておき適用するようにすることも考えられる。
【0142】
また、以上の説明では、プレイリスト設定ファイル7bをマイク部6cにより集音される音声情報と併せて通話中に相手装置に送出する音楽情報の登録・参照に使用していたが、通話中でない待機時に、携帯電話1のユーザがスピーカ部6bや図示しないイヤホンにより音楽を聴いて楽しむためにプレイリスト設定ファイル7bを利用してもよいのはいうまでもない。
【0143】
具体的には、プレイリスト設定ファイル7bの登録内容をリスト表示して所望のプレイリストを選択すると、選択されたプレイリストに登録されている1以上の音楽情報が対応して設定された条件で再生されるようにする使い方も可能である。
【0144】
ただし、通常、音楽を聴く場合と通話時にBGMとして使用する場合とでは、例えば再生音量、音質、シャッフルプレイをするかどうかなどの再生条件(再生条件)が相異するため、その使用の仕方に合った再生条件を設定することもできる。つまり、プレイリスト設定ファイル7bを構成する各プレイリストについて、通話時のBGM用と待機時の音楽鑑賞用との2種類の再生条件を設定しておき、通話時にはBGM用の再生条件が、待機時には音楽鑑賞用の再生条件が有効になるようにしてもよい。また、基本的にプレイリスト設定ファイル7bについては、待機的の音楽鑑賞に最適なように設定しておき、通話時における再生条件は、図5の電話帳情報設定ファイル7cにおいて設定しておくようにすることも考えられる。
【0145】
また、受信メールに添付された音楽情報や、ダウンロードした音楽情報を、図3の音楽情報記憶用フォルダに記憶すると共に、新たにプレイリストに登録することもできる。また、プレイリスト設定ファイル7bを相手装置に送信したり(メールに添付したり、FTP,HTTPプロトコルで直接送信等)、既成のプレイリスト設定ファイルを、プレイリスト提供業者のサーバからダウンロードすると共に、対応して設定された音楽情報も同時にダウンロードして音楽情報記憶用フォルダ7aに記憶するようにしてもよい。また、対応して設定された音楽情報のダウンロードは、その音楽情報が必要になったとき、つまり、電話帳情報設定ファイル7cにおいて所定の相手先と対応付けられて新規にプレイリストが登録されたときに、当該新規に登録されたプレイリストに登録された音楽情報のみをサーバにアクセスしてその都度ダウンロードするようにして、結果的に再生されることのない、音楽情報のダウンロードを省くようにすることもできる。
【0146】
また、通話時における音楽情報の再生条件として、曜日、月、日付け、時間帯、季節毎に、複数のプレイリストから選択し設定しておき、演奏するプレイリストを曜日、月、日付け、時間帯、季節毎に変えるようにする、プログラムプレイ手段を備えるようにしてもよい。このような演奏条件(再生条件)は、電話帳情報設定ファイル7cにおいて各相手先ごとに設定してもよいし、あるいは、別の設定手段(例えばBGM再生専用の設定手段)を設けるようにしてもよい。
【0147】
また、プレイリスト設定ファイル7bに設定されたプレイリスト(に対応する音楽情報)または、音楽情報記憶用フォルダ7aに記憶されてるい音楽情報の1つまたは複数を、着呼に応答することができない場合の保留音として使用することも出来る。すなわち、着信があり、ユーザにより保留の操作が行われた場合に、相手先と接続して、音楽情報を再生するものである。その場合、保留音用として、プレイリスト設定ファイル7bの「プレイリスト識別番号」、または、音楽情報ファイルを予め設定・記憶しておき、保留音を相手装置に送出するときには、設定された音楽情報を再生送出するようにする。
【0148】
また、プレイリスト設定ファイル7bにおいて各音楽情報についての「音質設定」は、あらかじめ各周波数における強弱を設定したプリセットイコライザを複数用意することにより、ユーザがマニュアルで各周波数の強弱の設定を行う手間を省くことが出来る。
【0149】
また、各音楽情報毎に再生した時の音量が相違する(音楽情報の元になる音楽データソースの違いによって異なる)ため、再生音量を一定に保つ再生音自動均一手段を備えてもよい。
【0150】
また、音楽情報をメールに添付して送信したり、直接相手装置に送信する(FTP、HTTPプロトコルを使用する)ことも出来る。
【0151】
携帯電話1が記憶・蓄積する音楽情報ファイルが増えてくると、そのデータ量が多くなり、バックアップ等のメンテナンスが必要になる。そこでPC等の外部装置と、外部I/F手段15等を介して接続して、音楽情報ファイルや電話帳情報設定ファイル7cのメンテナンスを行うこともできる。
【0152】
つまり、携帯電話1に記憶されている音楽情報ファイル、プレイリスト設定ファイル7b、電話帳情報設定ファイル7c等はPC側にも保存されており、PCと携帯電話1が接続されたときに、PC側のサーバソフトと携帯電話1側のクライアントソフトの間で交信が開始され、ファイルの更新記録や作成日時等のデータシンク情報に基づいて、お互いのデータを最新のデータに更新する。
【0153】
具体的には、携帯電話1側で新しいプレイリストを作成してプレイリスト設定ファイル73bに登録した場合、その新規登録されたプレイリストはPC側へ転送される。なお、その場合、作成したプレイリストに登録された音楽情報ファイルは、図3の音楽情報記憶用フォルダ7aに記憶されているとは限らない。つまり、音楽情報記憶用フォルダ7aには、プレイリストに登録可能な曲(ファイル)名のリストを登録した登録可能音楽情報リストファイルが記憶されていて、そのリストに登録された1以上の曲名がプレイリスト新規登録の際にリスト表示される。それは、プレイリストに結果的に登録されることない音楽情報ファイルのために大容量記憶手段7の記憶容量が圧迫されることを防ぐためである。
【0154】
一方、PC側はそのプレイリストを保存し、そのプレイリストに含まれている音楽情報ファイルが、携帯電話1側に保存(あるいはダウンロード)されているかどうかを、携帯電話1側に問合せて確認する。もし、保存されていなければ、PC側に保存されているその音楽情報ファイルを携帯電話1側に転送する。携帯電話1側は、PCから受信(ダウンロード)した音楽情報ファイルを図3の音楽情報記憶用フォルダ7aに記憶する。それにより、プレイリスト登録時点では自装置に記憶していない音楽情報ファイルをプレイリストの選択に応じて再生することができるようになり、携帯電話1が記憶する音楽情報ファイルやその関連情報をメンテナンスすることができる。
【0155】
また、携帯電話1が記憶する音楽情報ファイルを、相手装置に送出する音声情報と併せて送出するBGMとして使用するだけでなく、着信音などの報知音に使用したい場合も考えられる。報知音は通常の音楽の演奏に比べて、その特質(再生時間が短い、スピーカで聞く等)のために、通常のプレイリストの設定で音楽情報を再生する(通常は長時間再生、イヤホンで聞く)と不具合(プレイリストの曲が最後まで聴けない、再生音量の設定が合わない等)がある。
【0156】
そこで、音楽情報ファイルを編集(データの変換、曲長さの編集等)することにより通話時に演奏するBGM、保留音や、着信音、目覚まし音、操作音等の報知音として使用するようにすることが考えられる。また、プレイリスト(の対応して登録された1以上の音楽情報ファイル)を報知音用に使用することもできる。例えば、報知音用として所定のプレイリストを設定しておく。この場合、報知音用として使用するときの再生条件(再生の順序、再生音量、再生音質、途中開始機能、最初開始機能、ネクスト機能とシャッフルの設定、プログラムプレイ機能等)を、通常の音楽を聴く場合の設定や通話時に再生するBGMの場合の設定とは別に、設定できるようにしておくとよい。もちろん、報知音毎に再生条件を設定するようにしてもよい。
【0157】
ここまでは音楽情報を例に説明してきたが、音楽情報の代わりに、例えばPCM録音された音声データ、録音データ、音声合成データ、ラジオの録音データ、TV放送の音声録音データ、本類の朗読音声データ等の音データ(音情報)または他の公知な音データを使用してもよい。
【0158】
さて、現在の携帯電話のおいては、着信音(着うた、着メロ、着ボイス等)のデータは、電話を受ける側のメモリにあらかじめ記憶しておく必要があり、電話をかける側(発呼側装置)は、電話を受ける側(被呼側装置)の着信音の種類を決定することは出来なかったが、その不具合を解決することは可能である。
【0159】
つまり、発呼側装置は、あらかじめ記憶手段等に記憶して用意してある着信音データ(着うた、着メロ、着ボイスのデータの他に音楽情報データでもよい、また複数のデータであってもよい)と自局の電話番号などの端末識別情報を呼制御信号であるSetup信号(図6のフェーズF0参照)にのせて送信する。Setup信号を受信した被呼側装置は、Setup信号に含まれている発呼側装置の端末識別情報を検査し、その検査結果に基づいて、発信側からの着信音データを自装置で再生してもよいと判断した場合(自装置のメモリに発呼側装置の端末識別情報が記憶されている場合等)には、Setup信号に含まれている着信音データを、自装置の着信音として再生(鳴動)する。このとき、着信音を再生するために、受信した着信音データをメモリに記憶させてもよい。また、発呼側装置の端末識別情報もメモリに記憶させてもよい。メモリに記憶した着信音データと端末識別情報を、被呼側装置の電話帳に登録することにより、次回、同じ発呼側装置から着呼があった場合、電話帳に記憶されている着信音データを、着信音として鳴動するようにすることができる。このとき、受信したSetup信号に含まれている着信音データと、電話帳に記憶している着信音データが同じ場合には、どちらか一方の着信音データを使用すればよい。一方、受信したSetup信号に着信音データが含まれていない場合には、電話帳に記憶している着信音データを鳴動させればよい。また、受信したSetup信号に、電話帳に記憶されている着信音データと異なる着信音データが含まれている場合には、Setup信号に含まれている着信音データを使用する。どちらのデータを使用するか等の設定は、あらかじめ被呼側装置で設定してもよい。このようにすることにより、発呼側が被呼側の着信音の鳴動を直接制御することが出来る。
【0160】
現在、複数の自端末識別情報を備えている通信端末装置がある。しかし、例えば通信端末装置として、携帯電話であって、自端末識別情報として自端末装置の電話番号を考えた場合、複数の自端末装置の電話番号を備えてはいるが、その特徴を十分に生かしたアプリケーションは皆無に等しい。しかし、複数の自端末識別情報を備えた通信端末装置の使い勝手を向上させること可能である。
【0161】
具体的には、複数の自端末識別情報を持つ通信端末装置において、自端末識別情報毎に、図5の電話帳情報設定ファイル7cのごとき電話帳手段、発信履歴手段(発信(発呼)した通信に関連する各種情報を通信毎に記憶する)、着信履歴手段(着信(着呼)した通信に関連する各種情報を通信毎に記憶する)、通話または通信料金情報手段(1通話分(1通信分)の料金情報や積算通話料金(積算通信料金)等の通話料金あるいは通信料金に関する情報)、装置の機能設定手段(着信音の種類、着信音量等の音に関する設定、待ち受け画面、照明等の表示画面に関する設定等のように装置に関する各設定)のような自端末識別情報に関係する諸機能(通信情報手段)を備える。そして、複数の自端末識別情報のうち、使用する自端末識別情報が選択された場合には、それ以降、選択された端末識別情報に対応した電話帳手段、発信履歴手段、着信履歴手段、通話または通信料金情報手段、装置の機能設定手段を使用する。
【0162】
一例として、電話帳の場合を説明する。自端末の電話番号として複数の電話番号(電話番号Aと電話番号B)を備えている電話装置であって、例えば、電話番号Aは会社用(公用)の電話番号として使用している場合には、電話帳Aには会社の仕事関係(得意先など)の電話番号やメールアドレス等の情報が記憶されている。電話番号Bはプライベートで使用する電話番号として使用し、電話帳Bにはプライベートの電話番号やメールアドレス等の情報が記憶されている。例えば現在、仕事中であり、電話番号Aが使用されている場合、あるいは電話番号Aの使用として設定されている場合(仕事モードに設定されている)において、使用者が電話帳機能を選択した場合は、電話番号Aに対応した電話帳Aが選択され使用することが出来る。次にプライベートで使用する場合には、電話番号Bを選択して、電話機をプライベートモードに設定する。このとき、使用者が電話帳機能を選択すると、電話帳Bが選択され使用することができる。その場合、仕事モードとプライベートモードの切替は、自装置の電話番号を選択してもよいし、仕事モードとプライベートモードのモード切替で設定してもよい。
【0163】
図16に、図1の携帯電話1において、図5の電話帳情報設定ファイル7cとして、「プライベート」用の「電話帳A」と、「仕事」用の「電話帳B」のそれぞれに総統する電話帳情報情報設定ファイルを予め大容量記憶部7に記憶しておく前提で行う、参照電話帳設定処理手順について示す。
【0164】
同図において、モードの、「プライベート」から「仕事」へ、または、「仕事」から「プライベート」への設定変更があるかを監視する(処理S401、判断S402のNoのループ)。
【0165】
そして、設定変更があると(判断S402のYes)、その設定変更が、「仕事」から「プライベート」であるか否(「プライベート」から「仕事」へ)かを判断する(判断S403)。
【0166】
「プライベート」モードに変更された場合には(判断S403のYes)、参照電話帳設定フラグFtel(RAM4に記憶される)に電話帳Aを参照すべきことを示す値0を設定する(処理S404)。
【0167】
「仕事」モードに変更された場合には(判断S403のNo)、参照電話帳設定フラグFtel(RAM4に記憶される)に電話帳Bを参照すべきことを示す値1を設定する(処理S405)。
【0168】
そして、携帯電話1が電話帳情報設定ファイルを参照すべきときには、参照電話帳設定フラグFtelの値を参照した対応する電話帳情報設定ファイルを参照するようにする。
【0169】
それにより、「プライベート」用、「仕事」用のそれぞれの電話帳情報設定ファイルのそれぞれに、「プライベート」用、「仕事」用の相手先及びその相手先に対応したプレイリストやそのプレイリストに登録された音楽情報の再生条件を設定して使い分けることができる。
【0170】
また、携帯電話を内線端末としても使用できるサービスである、いわゆる、モバイルセントレックスの場合であって、例えば電話番号Aが外線用電話番号で、電話番号Bが内線用電話番号の場合には、使用する電話番号として、使用者が手動で選択してもよいが、自通信端末装置が会社内にあるかどうかを検出して、会社内であることが検出されると、自動的に電話番号Bを選択してもよい。自通信端末装置が会社内にあるかどうかの検出は、自通信端末装置が会社内に設置された無線基地局あるいは無線中継局の無線エリアに入っているかどうか(通信端末装置と基地局で通信が可能かどうか、あるいは位置検出がされているかどうか)で判断する。
【0171】
また、自装置が備える自端末識別情報が増えた場合に、それに対応した電話帳手段、発信履歴手段、着信履歴手段、通話または通信料金情報手段、装置の機能設定手段が必要とするデータ量が増えるため、バックアップ手段が必要になる。そこで、無線基地局側に用意されたデータ蓄積装置に、自装置に記憶されているデータをバックアップすることが考えられる。
【0172】
つまり、無線基地局側と自装置の間で所定の通信プロトコルを使用して通信路を確保し、自装置のデータを無線基地局側に送信することにより、データ蓄積装置にデータをバックアップする。自装置は必要なときにバックアップデータをダウンロードする。
【0173】
また、使用できる自端末識別情報が少ない場合はいいが、それが多くなると、主に数字や記号等で構成される自端末識別情報が何の情報であるかを憶えておくことが困難となる問題がある。
【0174】
そこで、おのおのの自端末識別情報に、名称を設定或いは設定の後に変更できると、使い勝手がより向上する。例えば、自端末識別情報が電話番号である場合、数字そのものを扱うよりは、名称を付して扱うほうが利点がある場合がある。例えば電話番号Aに「仕事」、電話番号Cに「プライベート」、電話番号Bに「内線」等の名称を設定することできる。このようにして、電話番号そのものではなく、その名称を選択することにより、より確実に装置の操作をすることが出来る。
【0175】
さて、図1の携帯電話1において、TV受信手段11により受信させるテレビ放送の表示を開始する時刻をタイマー設定した場合、設定した時間になっても気が付かない場合があると、TV放送を見逃してしまうという問題がある。そこで、その課題を解決する一実施例として、タイマー設定した時間になった場合には、ユーザに知らせるための報知手段(鳴動手段の鳴動(報知音)、表示手段に表示を)による報知を行うとともに、受信開始したTV放送の映像を、大容量記憶部7等のメモリ手段に蓄積(録画手段)することが考えられる。
【0176】
また、携帯電話でTV放送をリアルタイムに視聴するだけでなく、TV放送を録画した録画データ(録画放送映像、録画映像)を再生して視聴することも将来可能となる。一方、携帯電話は画面が小さく、またバッテリーも長時間は持たないという特殊事情により、長時間の録画データの視聴には向かない。そのため、録画した放送において、特に視聴したい放送や見たい番組、場面などを検索することが重要となり、その検索の方法が将来の課題として認識されている。
【0177】
そこでその課題を解決するための発明の一実施例を次に説明する。
【0178】
録画データは、携帯電話1のTV受信手段11によって直接TV放送を受信し、その映像データをメモリ手段(本体内蔵のメモリあるいはハードディスク、外付けのICカードメモリあるいはハードディスク等)に記憶する。このとき、放送局が送るTV放送データはすでに圧縮されたデータ(例えばMPEG等)であって、それをそのままメモリ手段に記憶してもよいし、あるいは別の圧縮方式に変換してからメモリ手段に記憶してもよい。さらに、映像データ(番組)の内容情報に関するメタデータ(番組名、放送時刻、放送チャンネル、キーワード、出演者名、放送局名などの番組の内容に関する情報)を無線通信手段18を使用して受信し(データ受信、電子メール等)、メモリ手段に記憶しておく。映像データを再生するときに、このメタデータを使用して、見たい番組や場面にアクセスし再生する。メモリ手段に記憶された映像データは映像データ再生手段としての画像処理手段9により、再生伸張され、画像表示手段10に表示される。また、あらかじめ放送データが記憶された外付けのICカードメモリやハードディスクから映像データを再生してもよい。またメタデータはユーザが、操作入力・表示部5等の入力手段を利用して作成してもよい。
【0179】
TV放送の番組表データは、無線通信手段18を使用して受信する。このとき、例えば人工衛星を使用したGPS手段を使用して、現在地の位置データを取得して、番組表データを管理しているサーバ装置に送信し、サーバ装置は、受信した位置データに基づいて、その位置で受信できるTV放送の番組表データを送信する。番組表を受信した携帯電話は、番組表データをタイマー予約あるいはタイマー録画用のアプリケーション(アプリケーションとTV受信手段11は所定のプロトコル(例えばGコード)を使用して交信することが出来る)で使用する。アプリケーションが起動されると、番組表を表示装置に表示し、タイマー予約あるいはタイマー録画する放送番組を選択して決定する。その後、タイマー予約あるいはタイマー録画の時刻になれば、アプリケーションからTV受信手段10にコマンドを送信され、TV放送を受信したり、TV放送の録画を開始するものである。また、メタデータ(番組名、放送時刻、放送チャンネル、キーワード、出演者名、放送局名などの番組の内容に関する情報)をキーワードとして使用し、そのキーワードに合致した放送番組あるいは放送場面を録画することも考えられる。また、FM/AMラジオ放送の場合にも、扱うデータがTV放送の映像データから、ラジオ放送の音声データ或いは音声信号に代わるだけであり、前述したTV放送の実施例が応用できる。
【0180】
図17にオールIP(インターネットプロトコル)化された通信装置としての携帯電話1aのブロック構成について示す。同図において、図1に示した携帯電話1と同一構成については同一符号を付している。
【0181】
基地局用無線I/F手段32は携帯電話1aと基地局との間で無線交信を行うインターフェースである。LAN用無線I/F手段31は、携帯電話1aとLAN用無線基地局との間で無線交信を行うインターフェースである。従来においては、基地局用無線I/F手段32は、専用のプロトコルが使用されていたが、基地局側から通信相手装置の間にインターネット網やIP網を使用するケースが増えている。さらに、LAN用のプロトコルはもともとIPが使用されていることから、基地局用無線I/F手段32もIP化することができると、部品の共通利用によりコストダウンが見込める。そこで本実施例のように、基地局用無線I/F手段32とLAN用無線I/F手段32にIP手段30を共通使用する。
【0182】
IP手段30は、音声に使用するVoIP手段と、データ通信に使用するデータ用IP手段の2種類のIP手段を含む。VoIP手段は通話回路から送られてきたアナログの音声信号をデジタルデータに変換し、さらに必要であれば符号化圧縮する。次に音声信号データを送信用のIPパケットに埋め込み、順次基地局用無線I/F手段32あるいはLAN用無線I/F手段31に送り出す。また基地局用無線I/F手段32あるいはLAN用無線I/F手段31から入力される受信用のIPパケットから音声信号データを取り出し、必要であれば復号伸張し、さらにデジタルの音声信号データをアナログの音声信号に変換し、通話回路6aに送出する。データ用IP手段の場合は、VoIP手段の通話回路の代わりに、例えばメモリ手段と入出力を行ってもよいし、専用のデータ処理手段を備えてもよい。
【0183】
またIP手段30は呼制御を行うための制御用IPパケットを組立て、順次基地局用無線I/F手段32あるいはLAN用無線I/F手段31に送り出す。さらに基地局用無線I/F手段32あるいはLAN用無線I/F手段31から入力される受信した制御用IPパケットを分解する。このような制御用IPパケットの送出、受信はIP手段30とは独立した別の手段で構成してもよい。IP手段30の動作制御はCPU2によるソフトウェア的なものであってもよいし、専用のLSIによるハードウェアロジック的なものであってよい。
【0184】
図18に、図17のオールIP化された携帯電話1における、発呼装置と着呼装置との間で行われるSIPによる通信シーケンス例について示す。
【0185】
同図において、発呼側から「INVITE」というリクエストメッセージを送出する(フェーズF101)。「INVITE」はセッションの起動信号であり、それには発呼側が受信可能なセッションの属性がSDP(制御情報記述)で示されている。具体的には発呼側の受信条件(コーデック、ポート番号等)と送信条件を提示するものである。
【0186】
着呼側はフェーズF101で、「INVITE」を受信すると、呼び出し状態になったことを通知するために「180 RINGING」を発呼側へ送信する(フェーズF102)。この180 RINGINGで着呼側の受信条件(コーデック、ポート番号等)と送信条件を提示してもよいが、通常は次の200 OKで提示する。
【0187】
また、着呼側は、通話可能状態になったことを通知するために「200 OK」を発呼側へ送信する(フェーズF103)。その「200 OK」には、着呼側が受信可能なセッションの属性がSDPで示されている。また、着呼側は、その「200 OK」で着呼側の受信条件(コーデック、ポート番号等)と送信条件を提示する。
【0188】
次に発呼側が「ACK」を着呼側へ送信し(フェーズF104)、これにより通信に利用可能な属性が発呼側と着呼側とで相互にネゴシエーションされる。本実施の形態では、便宜上ここまでを接続フェーズと定義している。
【0189】
次にRTPパケットによるメディア(音声、画像、動画等)の転送が開始される(フェーズF105)。本実施の形態ではこのメディアの転送期間中を便宜上、データ送受信フェーズと定義している。
【0190】
通信を終了するときには止める側(この場合着呼側)が、「BYE」信号を送信することにより通信終了を要求し(フェーズF106)、それを受信した側(この場合発呼側)は、その応答である「200 OK」信号を送信して通信を終了する(フェーズF107)。本実施の形態ではこのフェーズを便宜上、切断フェーズと定義している。なお、切断フェーズは、着呼装置からに限らず発呼装置から起動される場合もある。
【0191】
以上の一連の説明に置いて、本発明に係る通信装置の実施例として携帯電話、IP電話を挙げたが、通信装置としてはその他に移動無線機、無線LANを使用したIP電話、IP通信端末装置、一般加入者電話機、通信機能付コンピュータ、携帯電話、PHS、PDA等の通信機能を備えた通信端末装置があり、それぞれの通信端末装置が使用できる通信プロトコルを使用して実施可能である。ぞれぞれの通信端末装置の構成は公知であるため、ブロック図による図示は省略するが、本発明の特徴に係る各手段は携帯電話1における場合と同様に、それら各通信機能を備えた端末装置においても備えることができるものである。
【0192】
また、以上説明した本発明を実施するための最良の形態において記載があって、特にブロック図に図示していない「〜手段」は、専用ハードウェアで構成されているか、あるいはCPU,ROM,RAMと若干のハードウェアで構成されているものである。
【0193】
また、以上説明した本発明を実施するための最良の形態及びその構成要素は、本発明の特徴を備えている限り適宜組み合わせ可能であることはいうまでもない。また、多数の発明が本明細書に記載されているため、そのすべての組み合わせの説明とその効果を記載することは事実上不可能であるが、その組み合わせの具体的な実施と効果については当業者が想定できるものは、本明細書に記載されているものとみなすことができるのは言うまでもないことである。また、本発明において複数の要素(構成)を持つ場合には、その要素の数は本実施例に記載している要素の数には限定されるものではない。また、実施例中に記述した発明はJAVA等のようにCPUあるいはOSに依存しないプログラム言語で作成してもよいものである。
【図面の簡単な説明】
【0194】
【図1】本発明を実施するための最良の形態に係る通信装置としての携帯電話のブロック構成について示す図である。
【図2】図1の携帯電話の通話回路の内部構成の一部について示す図である。
【図3】図1の携帯電話の大容量記憶手段の記憶内容について示す図である。
【図4】プレイスリスト設定ファイルの具体的な構成について示す図である。
【図5】電話帳情報設定ファイルの具体的な構成について示す図である。
【図6】発信側携帯電話と網側の基地局との発信接続と切断シーケンスについて示す図である。
【図7】着信側形態電話と網側の基地局との着信接続と切断シーケンスについて示す図である。
【図8】携帯電話等の端末が網側の基地局を介してデータをダウンロードする場合のPull型シーケンスについて示す図である。
【図9】網側の基地局から携帯電話等の端末に着信通知してデータを送信するPush型シーケンスについて示す図である。
【図10】図1の携帯電話におけるプレイリスト作成処理手順について示すフローチャートである。
【図11】図1の携帯電話における音声通信制御処理手順について示すフローチャートである。
【図12】図11と共に、図1の携帯電話における音声通信制御処理手順について示すフローチャートである。
【図13】図11及び図12の音声通信制御処理手順から起動される音楽再生制御処理手順について示すフローチャートである。
【図14】図13と共に、図11及び図12の音声通信制御処理手順から起動される音楽再生制御処理手順について示すフローチャートである。
【図15】図13及び図14と共に、図11及び図12の音声通信制御処理手順から起動される音楽再生制御処理手順について示すフローチャートである。
【図16】図1の携帯電話における参照電話帳設定処理手順について示すフローチャートである。
【図17】全IP化された携帯電話の構成について示す図である。
【図18】図17の携帯電話における、発呼装置と着呼装置との間で行われるSIPによる通信シーケンス例について示す図である。
【符号の説明】
【0195】
1 携帯電話
2 CPU
3 ROM
4 RAM(メモリ手段)
5 操作入力・表示部
6 通話部
6a 通話回路
6b スピーカ部
6c マイク部
7 大容量記憶部
8 撮影手段(CCD)
9 画像処理手段
10 画像表示手段
11 TV受信手段
12 フレームメモリ(ビットマップメモリ)
13 音楽情報再生手段
14 音楽情報ダウンロード手段
15 外部I/F手段
16 メモリカードI/F手段
17 無線I/F手段
18 無線通信手段
20 システムバス
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声情報を相手装置とやりとりして音声通信を行う通信装置に関し、特に、音楽情報の再生機能を備えた通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の音声通信を行う通信装置、例えば携帯電話では、いわゆる着メロや着歌データを再生(演奏)する機能を備えているが、着メロや着歌の演奏の長さはせいぜい30秒程度で、その程度の長さでも、携帯電話の着信時の着信音として使用するには十分であった。
【0003】
しかしながら、最近では携帯電話のような通信装置においてもサイズの大きなフル楽曲の音楽情報のデータを利用できるようになりつつあり、そのフル楽曲のデータのその他の使用方法がいろいろ模索されている。
【0004】
通常の使い方としては、音声通信をしていないときに、単に音楽情報のデータを再生して楽しむことが考えられるが、そのような用途では、通信装置のユーザ自身しか、当該通信装置が記憶蓄積する音楽情報のデータを利用した楽しみを得ることができないため、通信装置が記憶蓄積している音楽情報が十分に活用されているとはいえず、通信装置のユーザ以外の他人に当該音楽情報を聞かせることも出来ないという問題がある。
【0005】
また、通常、通話(音声通信)中は人が話している時以外は無音状態であるため、その場の雰囲気が無機質になりがちという問題もある。
【0006】
一方、本願発明に関連する公知技術としては、特許文献1を挙げることかできる。
【特許文献1】特開2003−304336号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1に記載の技術は、通信端末間の通話データの中継において、当該通話データに別データを同士再生可能付加するものであり、携帯電話のような通信装置自身が記憶蓄積する音楽情報の有効活用についての技術ではない。
【0008】
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、通信装置が記憶蓄積する音楽情報を相手装置との音声通信の雰囲気を良好にするために有効活用できる通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の通信装置は、マイクにより収集した音声情報を相手装置に送出する一方、当該相手装置からの音声情報を受信・可聴出力することにより音声通信を行う音声通信制御手段と、予め記憶した音楽情報を読み出して再生する音楽情報再生手段と、前記音声通信制御手段により音声通信が行われている最中に前記音楽情報再生手段により再生される音楽情報を前記相手装置に送出する音声情報と共に前記相手装置に送出するように制御する音楽再生制御手段とを備えたことを特徴とする。つまり、相手装置との通話(音声通信)中に、自装置で再生した音楽情報を通話に係る音声情報と共に相手装置側に聞かせることができる。
【0010】
請求項2に記載の通信装置は、請求項1に記載の通信装置において、通信相手装置を識別するための情報である相手先識別情報に前記音楽情報を対応付けて記憶する電話帳手段を備え、前記音声通信制御手段は、前記電話帳手段に記憶されたいずれかの相手先識別情報が指定されるとその指定された相手先識別情報に基づき対応する相手装置に発呼して音声通信を開始する一方、前記音楽情報再生手段は、前記音声通信制御手段により音声通信が行われている最中に前記相手装置に送出する音声情報と共に送出する音楽情報として、前記電話帳手段において前記指定された相手先識別情報に対応して記憶されている音楽情報を選択して再生するものであることを特徴とする。つまり、発呼する相手先が指定されると、その指定された相手先に対応する、当該相手先に最適な音楽情報が再生される。
【0011】
請求項3に記載の通信装置は、請求項1または2のいずれかに記載の通信装置において、前記音楽情報は、1以上の音楽情報とそれらの音楽情報の再生条件の設定情報とから構成されるプレイリストの音楽情報である一方、前記音楽情報再生手段は、再生対象のプレイリストが含む1以上の音楽情報を対応して設定された再生条件で再生するものであることを特徴とする。つまり、相手装置に送出する音楽情報を複数曲の組み合わせとすることができ、また各曲に最適な再生条件で再生できる。
【0012】
請求項4に記載の通信装置は、請求項3に記載の通信装置において、複数の音楽情報から任意の音楽情報を選択して前記プレイリストを作成するプレイリスト作成手段を備えたことを特徴とする。つまり、好みの設定のプレイリストをユーザに作成させることができる。
【0013】
請求項5に記載の通信装置は、請求項4に記載の通信装置において、前記プレイリスト作成手段は、前記プレイリストに識別情報を付加することを特徴とする。つまり、作成した各プレイリストの識別が容易化できる。
【0014】
請求項6に記載の通信装置は、請求項4または5のいずれかに記載の通信装置において、前記プレイリスト作成手段により作成した1以上のプレイリストから、前記音楽情報再生手段によって再生するプレイリストを選択するプレイリスト選択手段を備えたことを特徴とする。つまり、前記音楽情報再生手段が再生すべきプレイリストを特定することができる。
【0015】
請求項7に記載の通信装置は、請求項1ないし6のいずれかに記載の通信装置において、前記音楽情報を他装置から自装置にダウンロードして記憶する音楽情報ダウンロード手段を備えたことを特徴とする。つまり、自装置において使用する音楽情報を外部から取り入れることができる。
【0016】
請求項8に記載の通信装置は、請求項1ないし7のいずれかに記載の通信装置において、前記音楽情報再生手段により再生され、前記相手装置に送出される音声情報と共に前記相手装置に送出される音楽情報の音量を調節する音量調節手段を備えたことを特徴とする。つまり、相手装置に送出する音声情報の疎通に支障のないレベルに音楽情報の音量を設定することができる。
【0017】
請求項9に記載の通信装置は、請求項1ないし8のいずれかに記載の通信装置において、前記音楽情報再生手段により再生され、前記相手装置に送出される音声情報と共に前記相手装置に送出される音楽情報の音質を調節する音質調整手段を備えたことを特徴とする。つまり、相手装置に送出する音楽情報を最適な音質ら調節できる。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る発明によれば、自装置に記憶されている音楽情報を相手装置側の通話相手に聞かせることができるため、通話の雰囲気を盛り上げるBGM(バックグランドミュージック)として自装置が記憶している音楽情報を利用することが可能となる効果が得られる。
【0019】
請求項2に係る発明によれば、通話相手先に応じて異なった音楽情報を送出することが可能となる効果が得られる。
【0020】
請求項3に係る発明によれば、前記プレイリストにより、あらかじめ選択したお好みの音楽情報をお好みの再生条件で再生することが可能となる効果が得られる。
【0021】
請求項4に係る発明によれば、プレイリストを作成することにより、あらかじめ選択したお好みの音楽情報を再生することが可能となる効果が得られる。
【0022】
請求項5に係る発明によれば、作成したプレイリストを容易に識別できる名称文字列等を識別情報として付加することができるため、実際に再生してみなくてもプレイリストを構成する音楽情報の内容の概要を知ることが可能となる効果が得られる。
【0023】
請求項6に係る発明によれば、状況に応じた好みのプレイリストを再生することが可能となる効果が得られる。
【0024】
請求項7に係る発明によれば、再生候補となり得る音楽情報を簡単に追加することが可能となる効果が得られる。
【0025】
請求項8に係る発明によれば、相手装置に送出する自装置からの音声情報と共に相手装置に送出される音楽情報の音量を調節でき、また、好みの音量に設定できるため、通話の妨げにならないように音量を設定することが可能となる効果が得られる。
【0026】
請求項9に係る発明によれば、相手装置に送出する自装置からの音声情報と共に相手装置に送出される音楽情報の温室を調節でるため、好みの音質で音楽情報を再生することが可能となる効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0028】
図1に、本発明を実施するための最良の形態に係る通信装置としての携帯電話1のブロック構成について示す。
【0029】
同図において、CPU2(中央処理装置)は装置全体を制御するものであり、その実行プログラムはROM(リード・オンリー・メモリ)3に記憶され、CPU2はその実行プログラムをROM3から読み出し、その実行プログラムに含まれる命令を逐次解釈して装置全体の制御を行うものである。
【0030】
ROM3はFROM等の書き換え可能な半導体メモリであってよい。RAM(ランダム・アクセス・メモリ)4はその制御に必要なワークエリアが形成されるともに、保存パラメータやそのほか制御に必要ないろいろなパラメータや管理情報等を記憶するものである。
【0031】
操作入力・表示部5は各種の操作キーと操作ガイダンス等を表示する表示器からなり、オペレータが装置を操作するためのものである。通話部6は、音声を出力するスピーカ部6bや音声を入力するマイク部6cや通話回路6aから構成される。
【0032】
通話回路6aはマイク部6cから入力された音声信号を通信手段に送出し、通信手段から入力された音声信号をスピーカ部6b等に出力するものである。また音声信号を増幅したりあるいは減衰することにより音量を調整したり、音声信号の周波数特性を変化させることにより音質を良くしたりする回路も、通話回路6aに、含まれているのが一般的である。またマイク部6cからスピーカ部6bへの音の回り込みを制御するいわゆる側音制御も通話回路6aで行うのが一般的である。
【0033】
大容量記憶手段7は、音楽情報ファイル(MIDI、MP3、AAC、WAV、AIFF等の形式がある)等のサイズの比較的大きなデータや各種設定ファイルなどを記憶するためのものであり、比較的大容量の記憶領域が必要なため、ハードディスク等のメディアが適用されるが、最近では大容量の半導体メモリも普及しているため、それを適用してもよい。ハードディスクを使用する場合には、振動や衝撃による音とびを防ぐために、一度半導体メモリに音楽情報を転送してから、半導体メモリに記憶された音楽情報を、音楽情報再生手段13(後述)によって再生するようにする、スキッププロテクション手段を備えるようにしてもよい。もちろん、振動・衝撃に対応したハードディスクを使用する場合にはこの限りではない。また、この大容量記憶手段7は、例えばPC(パーソナルコンピュータ)の外部記憶装置としても使用することができる。このとき、お互いのデータを守るために、音楽情報ファイル等の携帯電話1の動作のためのデータと、PCにとっての外部記憶装置として記憶するデータとを別々の記憶領域に記憶するようにしてもよい。この場合には、PCとのI/FとしてFireWire、USB等の汎用のインターフェースを自装置(携帯電話1)に備えることができる。
【0034】
撮影手段8は撮影対象物を画像データに変換するものであり、具体的には撮像素子であるCCD等が使用される。CCDは被写体からの光信号を受光素子で受光し、それをアナログの電気信号に変換して出力するものである。画像処理手段9はCCD(撮影手段8)が出力するアナログ電気信号を受信し、それをA/D変換することによりデジタル画像データを得るものである。画像処理手段9は、さらにそのデジタル画像データに対して画像処理(密度変換、フィルタリング、最適化処理、拡大縮小、圧縮伸張等)を行う。画像処理された画像データはメモリ手段としてのRAM4に記憶される。
【0035】
画像表示手段10は、画像処理手段9によって画像処理された画像データを、液晶画面(プラズマディスプレイパネルやCRT等であってもよい)の画像表示手段に表示するものである。なお、画像表示手段10としては、操作入力・表示部5の「表示部」を使用することもできる。TV受信手段11は、TV用アンテナ、検波部、チューナ部から構成されるもので、TV放送用電波を受信し、TV画像信号を出力する。TV画像信号は画像処理回路9に入力され、所定の画像処理を行ったあと、フレームメモリ12に蓄積され、フレームメモリ12に蓄積された画像データは画像表示手段10に出力され、TV画像が表示される。フレームメモリ12に蓄積された画像データを所定の記憶媒体に保存することにより、TV画像を撮影手段8で取得した画情報と同様に取り扱うことが出来る。
【0036】
音楽情報再生手段13は、MIDI,MP3,AAC、WAV等の形式の音楽情報ファイルが含むそれらの形式で符号化された音楽データを復号して元の音楽データに再生するものである。その再生された音楽データは、アナログ信号に変換して自装置のスピーカ部6b等から可聴出力することもでき、後述するように、マイク部6cで集音された音声情報と併せて相手装置に送出して、相手装置側で音声情報と共に可聴出力させて相手先ユーザに聞かせるようにすることもできる。
【0037】
音楽情報ダウンロード手段は、音楽情報ファイルを記憶している外部媒体、具体的には、無線通信手段18、無線I/F手段17、外部I/F手段15、メモリカードI/F手段16等を介してアクセス可能な、サーバ装置(が内蔵する記憶装置)、記憶装置、各種メモリカード等から、音楽情報ファイルを受信し大容量記憶部7等に転送して記憶・蓄積するためのものである。
【0038】
外部I/F手段15は、ケーブルなどの有線を使用してPC等の外部機器に接続して、データ等の送受信を行うものである。メモリカードI/F手段16は、ICカード、メモリカード、メモリユニット等、記憶媒体を搭載した装置と接続して、データの送受信を行うものである。無線I/F手段17は、無線を使用してデータの送受信を行うものであり、ブルートゥース、赤外線通信、無線LAN通信などがある。
【0039】
無線通信手段18は網側の基地局との間で、音声信号を無線で送受信する。なお、本発明を実施するための最良の形態では、本発明に係る通信装置を、基地局との間で無線を使用して通話(音声通信)を行う携帯電話1に適用しているが、本発明に係る通信装置は、有線で交換局と通信を行う固定電話装置に対しても適用可能なものである。
【0040】
なお、言うまでもないが、本発明に係る通信装置としての携帯電話1は、上記した構成をすべて備えている必要はなく、発明の実施に必要な構成を最低限備えていればよいものである。
【0041】
図2に、図1の携帯電話1の通話部6を構成する通話回路6aの内部構成のうちの、音楽情報再生手段13からの音楽情報を、相手装置に送出するマイク部6cからの音声情報と合成するための構成について示す。
【0042】
同図において、マイク部6cから入力される音声情報は増幅器60に入力され、CPU2からの音量設定に応じた増幅率で増幅された上で、ミキサー(加算アンプ)64に入力される。
【0043】
一方、音楽情報再生手段13により大容量記憶部7から読み出され復号・伸張された音楽情報は、D/A変換器61に入力されアナログ信号に変換されてイコライザ62に入力される。イコライザ62においては、CPU2からの音質設定に応じた信号処理が行われ、イコライザ62から出力される信号は、音量調整器(増幅器)63に入力される。音量調整器63では、CPU2からの音量設定に応じた増幅率で増幅された上で、ミキサー(加算アンプ)64に入力される。
【0044】
ミキサー64から出力される、マイク部6cからの通話に係る音声情報に加算された音楽情報は、相手装置に送出する音信号となる。つまり、音楽情報が、音声情報と共に、相手装置に送出される。その場合、音楽情報は、CPU2からの設定に応じた音質・音量に調整されて送出される。なお、音量調整器63は音量調節手段に相当するものである。また、イコライザ62は音質調整手段に相当するものである。
【0045】
なお、相手装置との音声情報のやりとりがデジタル信号でやりとりされる場合、音楽情報の音質・音量の調整はデジタルフィルタ回路により行うようにすることができ、マイク部6cからの音声情報との合成もデジタル的な加算により行うことができる。要するに、本発明は、相手装置とやりとりされる音声情報及びその音声情報と併せて相手装置に送出される音楽情報がアナログ信号であるかまたはデジタル信号であるか、また、その信号、データ形式によって限定されるものではない。
【0046】
また、図2において、音量調整は、ミキサー64の後に行うことにして、通話に係る音声情報と、音楽情報とを合成後に行うようにしてもよいが、図2に示すように、音量調整を別々に行うほうが、通話の音声信号と音楽信号の音量の比を変えることができるという利点がある(イコライザ62についての同様)。
【0047】
図3に、図1の携帯電話1の大容量記憶手段7の記憶内容について示す。
【0048】
同図において、音楽情報記憶用フォルダ(ディレクトリ)7aは、1以上の音楽情報、つまり、1曲分の音楽情報ファイルの1以上の集まりを内容とするものである。
【0049】
フォルダ7aが含む各音楽情報ファイルは、フォルダ7a内において各ファイルを相互に識別するための「ファイル名(曲名)」、作成日時、ファイルサイズなどの「付加情報」、及び、「音楽データ本体」により構成されている。
【0050】
また、大容量記憶手段7には、プレイリスト設定ファイル7b及び電話帳情報設定ファイルが記憶される(共に詳細後述)。
【0051】
また、大容量記憶手段7の記憶領域7dには、音楽再生開始条件設定フラグFsが予め設定・記憶されている。フラグFsは、値「0」が「自動再生」、つまり、相手装置との通話(音声通信)時に、再生した音楽情報を併せて相手装置に送出する動作を自動的に起動することを示し、値「1」が「手動再生」、つまり、相手装置との通話(音声通信)時に、再生した音楽情報を併せて相手装置に送出する動作を、ユーザにより指示操作があって初めて起動することを示している(詳細後述)。
【0052】
また、大容量記憶手段7の記憶領域7eには、対未登録・非通知相手音楽情報再生条件設定フラグFmが予め設定・記憶されている。フラグFmは、値「0」が「再生しない」、つまり、電話帳情報設定ファイルを参照した間接指定ではなく、相手先電話番号をテンキーで直接入力したような、電話帳に未登録な(普段あまり通話相手となることのない)相手先への発呼に係る通話(音声通信)、または、着呼のときに自装置(相手装置)の宛先識別情報(電話番号など)を通知してこないような、普段あまり通話相手となることのない相手装置からの着呼に係る通話(音声通信)時には、音楽情報の再生して音声情報と共に相手装置に送出する動作を行わないことを示し、値「1」は、そのような相手先については、「標準設定で再生」することを示している(詳細後述)。
【0053】
図4に、プレイスリスト設定ファイル4bの具体的な構成について示す。
【0054】
同図において、ファイル4bは、「プレイリスト識別番号」により特定される各プレイリストのそれぞれに1対1に対応した、「プレイリスト名称文字列(プレイリスト識別情報)」、「再生順設定フラグFp」、「連続再生設定フラグFr」と、各プレイスとのそれぞれに1以上対応つけられた、「曲名(ファイル名)」と、各プレイスリストに設定された1以上の「曲名(ファイル名)」のそれぞれについて個別に設定される、「音量設定」、「音質設定」、「テンポ設定」、及び、「再生回数」の各フィールドにより構成されている。
【0055】
ここで、プレイリスト識別番号「0」により特定されるプレイリストは、識別番号「1」以降のものと同一構成ではあるが、特別なプレイリストであり、携帯電話1において標準として設定されたプレイリストであり、図3の記憶領域7eのフラグFmの値「1」の「標準設定で再生」の「標準設定」に対応するものである。
【0056】
「プレイスリスト名称文字列(識別情報)」は、各プレイリスト識別番号により特定される各プレイスリストに付された、各プレイスリストの特徴がユーザにとって分かりやすいように付された文字列である。
【0057】
「再生順設定フラグFp」は、値「0」が、対応して設定された1以上の曲(音楽情報ファイル)を登録された順番に、例えば、登録された曲が3曲なら、1番目の曲、2番目の曲、3番目の曲というように、「順番に再生」すべきであることを示すものである。値「1」は、例えば、登録された曲が3曲なら、2番目の曲、1番目の曲、3番目の曲というように、「シャッフルして再生(ランダム再生)」すべきであることを示すものである。
【0058】
「連続再生設定フラグFr」は、値「0」が、対応して設定された1以上の曲(音楽情報ファイル)を、「再生順設定フラグFp」の設定の通りに1巡再生完了したなら再生を終了するべきであることを示し、値「1」は、対応して設定された1以上の曲(音楽情報ファイル)を、「再生順設定フラグFp」の設定の通りに1巡再生完了した後も再生を終了することなく繰り返し再生を行うべきであることを示している。
【0059】
1以上の「曲名(ファイル名)」は、図3の音楽情報記憶用フォルダ7aに記憶された1以上の音楽情報ファイルのうちの1つを特定するものである。
【0060】
また、各「曲名(ファイル名)」に対応した「音量設定」は、対応する曲を再生する際に、図2の音量調整器63に設定すべき音量設定値であり、値1ないし値5の範囲を取り得るもので、値1が音量(増幅率)最低であり、値5が音量(増幅率)最高であることを示している。
【0061】
また、各「曲名(ファイル名)」に対応した「音質設定」は、対応する曲を再生する際に、図2のイコライザ62に設定すべき音質設定値であり、値0が高音、中音、低音すべてが「普通」となる設定であり、値1が低音を「重視(強調)」する設定であり、値2が中音を「重視(強調)」する設定であり、値3が高及び低音を「重視(強調)」する設定である。
【0062】
また、各「曲名(ファイル名)」に対応した「テンポ設定」は、対応する曲を音楽情報再生手段13が復号・伸張して再生する際の再生速度を規定するものであり、値0が「標準」と比較して「遅い」、値1が「標準」、値2が「標準」と比較して「早い」設定である。
【0063】
このように、各プレイリストを構成する各曲ごとに再生条件をきめ細かく設定できるため、各曲に最適な再生条件で再生が可能となる。
【0064】
なお、各曲ごとの再生条件を音楽情報記憶用フォルダ7aに記憶された各音楽情報ファイルについて個別に設定することも考えられるが、その場合、結果的にプレイリストに登録されることのない曲についても無駄に設定してしまう場合が有り得る。
【0065】
また、各「曲名(ファイル名)」に対応した「再生回数」は、対応する曲が再生されるごとにインクリメント(1だけ加算)されるものであり、各曲の累計再生回数を記憶するためのフィールドである。
【0066】
なお、「音量設定」、「音質設定」、「テンポ設定」及び「再生回数」は、各「曲名」ごとにではなく、各プレイリスト単位に設定するようにして、設定の簡素化を図るようにしてもよい。プレイリストは類似の曲調の音楽情報ファイルにより構成されることが多いため、効果が「曲名」ごとの場合と比較して大きく損なわれることはない。
【0067】
図5に、電話帳情報設定ファイル7cの具体的な構成について示す。
【0068】
同図において、ファイル7cは、「宛先識別情報(電話番号)」、「相手先名称文字列」、「プレイリスト識別番号」、「再生順設定フラグFp」、「音量設定」の各フィールドの対応付けにより構成されるレコードの集合として構成されている。
【0069】
「宛先識別情報(電話番号)」は、通信相手先の装置に、回線事業者から割り当てられた電話番号などである。「宛先識別情報」は回線事業者が端末に割り当てる宛先識別情報の形態によっては、アルファベットや記号を含む場合もある。
【0070】
携帯電話1は、相手装置の「宛先識別情報(電話番号)」を回線側に通知することで、所望の相手装置に発呼して通話(音声通信)でき、また、着呼してきた相手装置から、当該相手装置の「宛先識別情報(電話番号)」の通知を受けることができる(相手装置側で「非通知」に設定されていない場合)。
【0071】
「相手先名称文字列」は、対応する「宛先識別情報(電話番号)」をユーザが識別しやすいように付された文字列である。「プレイリスト識別番号」は、「宛先識別情報(電話番号)」により特定される相手装置について設定されたプレイリストを示すものであり、図4のプレイリスト設定ファイル7bにおける「プレイリスト識別番号」に対応するものである。
【0072】
「再生順設定フラグFp」は、図4のファイル7bにおけるものと同一定義のものである。ただし、値「−1」は、当該フラグFpが積極的には設定されておらず、対応して設定された「プレイリスト識別番号」に対応して図4のファイル7bにおいて設定されているフラグFpの設定に従うべきであることを示している。
【0073】
「音量設定」についてもフラグFpと同様で、図4のファイル7bにおけるものと同一定義のものである。ただし、値「−1」は、当該「音量設定」が積極的には設定されておらず、対応して設定された「プレイリスト識別番号」に対応して図4のファイル7bにおいて設定されている各「曲名」にそれぞれ対応した「音量設定」に従うべきであることを示している。
【0074】
それにより、「再生順設定」及び「音量設定」について、電話帳情報設定ファイル7cでの各相手先装置に対応した設定を基本的に優先させ、電話帳情報設定ファイル7cにおいて明示的な設定がなされていない場合のみ、プレイリスト設定ファイル7bにおける設定で適用されるため、音楽情報の再生に係る設定を、相手装置別または/及びプレイリスト(に対応して設定された「曲名」)別にきめ細かく設定することが可能となる。
【0075】
なお、図4のファイル7bにおける「音質設定」や「テンポ設定」についても、「音量設定」等と同様に、電話帳情報設定ファイル7cとプレイスリスト設定ファイルとの2段階で設定するようにしてもよいのはいうまでもない。
【0076】
図6に、携帯電話1が相手装置に発呼して音声通信を行う場合に適用される、発信側携帯電話と網側の基地局との発信接続と切断シーケンスについて示す。
【0077】
発信側の端末はオフフックおよびダイアルの後に、基地局へ呼設定信号「SETUP」、発信無線状態報告信号を送信し(フェーズF0)、基地局側から呼設定受付信号「CALL PROC」を受信する(フェーズF1)。基地局は認証手順を行った後(フェーズF2)、無線チャネル指定信号を送信する(フェーズF3)。発信側の端末は指定されたチャネルを捕捉し、無線回線の設定を行う。次に基地局から呼出信号「ALERT」を受信し(フェーズF4)、呼出音(RBT)を自端末の受話器に送出する。着信側の応答があると、基地局から発信側の端末装置へ応答信号「CONN」が送信され(フェーズF5)、ここから課金が開始されるとともに、通話が始まる(フェーズF6)。通信が終わって、発信側の端末装置から切断信号「DISC」が基地局へ送信されると(フェーズF7)、基地局は解放信号「REL」を発信側の端末装置へ送信し(フェーズF8)、ここで課金が終了する。続いて、発信側の端末装置は基地局へ解放完了信号「REL COMP」を送信し(フェーズF9)、基地局から無線チャネル切断信号を受信する(フェーズF10)。最後に発信側の端末装置は通信に使用した無線チャネルを開放し無線回線の切断を行う(フェーズF11)。
【0078】
図7に、携帯電話1が相手装置からの着呼に応答して音声通信を行う場合に適用される、着信側形態電話と網側の基地局との着信接続と切断シーケンスについて示す。
【0079】
着信側の端末装置は、基地局からの呼出信号を受信すると(フェーズF20)、着信無線状態報告信号を送信し、自動的に応答のための信号を基地局へ送信する(フェーズF21)。そして、所定の認証手順での認証の後(フェーズF22)、基地局は無線チャネル指定信号を着信側の端末装置へ送信し、無線回線の設定を行う(フェーズF23)。無線回線の設定後、基地局から着信側の端末装置へ、呼設定信号「SETUP」が送信され(フェーズF24)、着信側の端末装置は着信音(RGT)を生成した後、基地局へ呼出信号「ALERT」を送信する(フェーズF25)。着信側の端末装置のオフフックにより応答信号「CONN」が基地局へ送信され(フェーズF26)、基地局が着信側の端末装置に応答確認信号「CONN ACK」を送信する(フェーズF27)。そして、通信(通話)が開始され(フェーズF28)、課金が始まる。通信が終わって、着信側の端末装置から切断信号「DISC」が基地局へ送信されると(フェーズF29)、基地局は解放信号「REL」を着信側の端末装置へ送信し(フェーズF30)、ここで課金が終了する。続いて、着信側の端末装置は基地局へ解放完了信号「REL COMP」を送信し(フェーズF31)、基地局から無線チャネル切断信号を受信する(フェーズF32)。最後に着信側の端末装置は通信に使用した無線チャネルを開放し無線回線の切断を行う(フェーズF33)。
【0080】
図8に、携帯電話1が音楽情報ダウンロード手段14による音楽情報ファイルをサーバから受信するような場合に適用できる、携帯電話等の端末が網側の基地局を介してデータをダウンロードする場合のPull型シーケンスについて示す。
【0081】
最初に端末側は基地局に対して通信登録要求信号を送出する(フェーズF40)。基地局側は認証を要求するために通信認証要求信号を端末側へ送信する(フェーズF41)。端末側は、通信認証応答信号を基地局へ送信し(フェーズF42)、基地局側は認証が成立すれば、通信登録応答信号を端末側へ送信する(フェーズF43)。端末側は、回線接続を要求するために、仮想回線接続要求信号を基地局側へ送信し(フェーズF44)、基地局は、仮想回線接続応答信号を端末側へ送信することにより(フェーズF45)、以後、通信回線が仮想的に確保される。そして、端末側はHTTPプロトコルを使用して、データを要求するGet信号を基地局側へ送信する(フェーズF46)。基地局側は、その応答信号として、Ack信号を端末側へ送信する(フェーズF47)。基地局は要求されたデータを含むResponse信号を端末側へ送信する(フェーズF48)。端末側はResponse信号の応答信号としてAck信号を基地局側へ送信する(フェーズF49)。以下、必要なだけフェーズF46ないしF49が繰り返され、端末側でのデータ取得が行われる。
【0082】
図9に、携帯電話1が音楽情報ダウンロード手段14による音楽情報ファイルをサーバから受信するような場合に適用できる、網側の基地局から携帯電話等の端末に着信通知してデータを送信するPush型シーケンスについて示す。
【0083】
まず、基地局から端末側へ呼び出し信号を送信する(フェーズF60)。次に、端末側は基地局に対して通信登録要求信号を送出する(フェーズF61)。基地局側は認証を要求するために通信認証要求信号を端末側へ送信する(フェーズF62)。端末側は、通信認証応答信号を基地局へ送信し(フェーズF63)、基地局側は認証が成立すれば、通信登録応答信号を端末側へ送信する(フェーズF64)。基地局は、回線接続を要求するために、仮想回線接続要求信号を端末側へ送信し(フェーズF65)、端末側は、仮想回線接続応答信号を基地局側へ送信することにより(フェーズF66)、通信回線が仮想的に確保される。基地局は着信通知信号を端末側へ送信し(フェーズF67)、端末側はその応答として、Ack信号を基地局側へ送信する(フェーズF68。端末側はデータを要求するために、Get信号を基地局側へ送信する(フェーズF69)。基地局側はその応答信号として、Ack信号を端末側へ送信する(フェーズF70)。基地局は要求されたデータを含むResponse信号を端末側へ送信する(フェーズF71)。端末側はResponse信号の応答信号としてAck信号を基地局側へ送信する(フェーズF72)。以下、必要なだけフェーズF69ないしF72が繰り返され、端末側でのデータ取得が行われる。
【0084】
また、それらのプロトコル中に、自装置または相手装置の端末識別情報(電話番号、端末番号、ID番号、機番、移動機番号、メールアドレス、URL、URI等)やサービス識別情報(電話番号、メールアドレス、URL、通話、電子メール、インターネットアクセス、データ送信、データ受信、データダウンロード等)を含ませることができる。さらに、自装置または相手装置の端末識別情報やサービス識別情報を、それぞれについて複数持ち(自装置の記憶手段に記憶する)、それらを選択して使用することにより、特定のサービスを特定の端末識別情報で使用することや、選択した端末識別情報に課金するなどの多彩なサービスを享受することができる。
【0085】
図10に、図1の携帯電話1におけるプレイリスト作成処理手順について示す。なお、このプレイリスト作成処理手順は、プレイリスト作成手段に相当するものである。
【0086】
同図において、先ず、音楽情報を操作入力・表示部5の表示部にリスト表示する(処理S101)。つまり、図3の音楽情報記憶用フォルダに記憶された1以上の音楽情報ファイルの「ファイル名(曲名)」を表示部にリスト表示する。
【0087】
そして、その表示したリストから特定の音楽情報を選択指定する操作がなされるか、または、リストからの選択そのものを終了させりる操作があるかを監視する(判断S102のNo、判断S103のNoのループ)。
【0088】
そして、リストからの選択操作があると(判断S102のYes)、その選択された1曲の音楽情報(ファイル)について、音楽情報属性設定操作処理を行い(処理S104)、判断S102に戻る。
【0089】
処理S104で設定操作される音楽情報の属性とは、図4のプレイリスト設定ファイル7bの「音量設定」、「音質設定」及び「テンポ設定」の各属性である。
【0090】
処理S104により、1つのプレイリストに1以上の音楽情報が登録される。
【0091】
そして、判断S103において、プレイリストへ登録する音楽情報の選択自体を終了する操作がなされると(判断S103のYes)、
プレイリスト属性設定操作処理を行う(処理S105)
【0092】
処理S104で設定操作されるプレイリストの属性とは、図4のプレイリスト設定ファイル7bの「プレイリスト名称文字列」、「再生順設定フラグFp」及び「連続再生設定フラグFr」の各属性である。
【0093】
処理S105と処理S104とにより、1つのプレイリストに1以上の音楽情報が登録されると共に、当該プレイリストの属性、及び、当該プレイリストに登録された1以上の音楽情報のそれぞれについての属性が登録され、作成されると、処理S106により、その作成された新たなプレイリストが、図4のプレイリス設定ファイル7bの空いている「プレイリスト識別番号」と対応付けられて登録される。
【0094】
以上の手順により、音楽情報記憶用フォルダ7aに記憶された1以上の音楽情報ファイルに基づいて、好みのプレイリストを作成することができる。なお、作成済みのプレイリストの内容変更、削除も操作入力・表示部5を介して行うことができるのはいうまでもない。
【0095】
また、図5の電話帳情報設定ファイル7cの設定内容も同様に、新規作成、設定内容の変更、及び、削除を、操作入力・表示部5を介して行うことができる。
【0096】
それにより、携帯電話1のユーザは、音楽情報ファイルを音楽情報記憶用フォルダ7aに記憶・蓄積した上で、その蓄積した1以上の音楽情報について所望のプレイリストを作成し、その作成したプレイリストを、図5に示すように、電話帳情報設定ファイル7cにおいて、各相手装置(に対応した相手先識別情報)に対応付けて設定することができる。
【0097】
以上説明したように、プレイリスト設定ファイル7b及び電話帳情報設定ファイル7cの内容を設定した上で、図1の携帯電話1は、発呼または着呼に係る通話(音声通信)を図11及び図12の制御処理手順により制御する。なお、発呼における具体的な通信シーケンスとしては、図6に示したシーケンスが適用され、着呼(着信)については、図7に示したシーケンスが適用される。また、図11及び図12の音声通信制御処理は、音声通信制御手段に相当するものである。
【0098】
つまり、発呼のための宛先指定操作(テンキーによる宛先電話番号の直接入力、または、電話帳情報設定ファイル7cを参照した間接的な入力との2通りがある)があるか、または、着呼があるかを監視している(判断S201のNo、判断S202のNoのループ)。
【0099】
そして、宛先指定操作があると(判断S201のYes)、続いて発呼指示操作があるまで待ち(判断S203のNoのループ)の発呼指示操作があると(判断S203のYes)、発呼して指定された宛先にダイヤルするのに先だって、フラグFmodeに今回の音声通信が「発呼モード」に係るものであることを示す値「0」を設定する(処理S204)。そのフラグFmodeの値はRAM4に記憶され、後述する音楽再生制御処理において必要に応じて参照される。
【0100】
そして、判断S201における宛先指定形態を判断し(判断S205)、テンキーによる電話番号の直接入力による「直接指定」の形態であった場合には、フラグFdial(RAM4に記憶される)に「直接指定」を示す値「0」を設定した上で(処理S206)、処理S201で直接指定された相手先識別情報により特定される相手装置に発呼して通話(音声通信)を開始する(処理S209)。
【0101】
判断S205において、判断S201における宛先指定形態が電話帳情報設定ファイル7cを参照した間接指定、つまり、電話帳情報設定ファイル7cの「相手先名称文字列」のフィールドをリスト表示してそのうちの選択指定されたものに対応する「相手先識別情報(電話番号)」が間接的に選択指定される形態であった場合には、フラグFdial(RAM4に記憶される)に「間接指定」を示す値「1」を設定すると共に(処理S207)、指定された相手先識別情報を文字列変数Nother(RAM4に記憶される)として記憶した上で、処理S201で間接指定された相手先識別情報により特定される相手装置に発呼して通話(音声通信)を開始する(処理S209)。処理S209の後は、図12の処理S215に移行する。
【0102】
判断S202において、着呼があると(判断S202のYes)、その着呼に応答した上で、相手装置との通話(音声通信)を開始するのに先だって、フラグFmodeに今回の音声通信が「着呼モード」に係るものであることを示す値「1」を設定する(処理S210)。そのフラグFmodeの値はRAM4に記憶され、後述する音楽再生制御処理において必要に応じて参照される。
【0103】
そして、着呼時に相手装置から相手先識別情報(電話番号)が通知されたかを判断し(判断S211)、非通知の場合には(判断S211)、文字列変数Nother(RAM4に記憶される)に、「通知なし」との文字列を設定した上で、着呼した相手装置との通話(音声通信)を開始する(処理S214)。処理S214の後は、図12の処理S215に以降する。
【0104】
判断S211において、通知された場合には(判断S211のYes)、文字列変数Nother(RAM4に記憶される)に、通知された相手先識別情報の文字列を設定した上で、着呼した相手装置との通話(音声通信)を開始する(処理S214)。処理S214の後は、図12の処理S215に以降する。
【0105】
図12の処理S215においては、音楽再生制御処理(後述)を起動する。それにより、以後は、音声通信制御処理と、音楽再生制御処理とが並行して実行されることになる。
【0106】
処理S215で音楽再生制御処理を起動した後は、音楽再生を私有利用する指示操作が操作入力・表示部5を介してなされるか、または、通話(音声通信)自体が終了するまで待ち(判断S216のNo、判断S217のNoのループ)、通話が終了した場合には(判断S217のYes)、フラグFend(RAM4に記憶される)に、音楽再生を終了すべきであることを示す値「1」を設定した上で、図11の判断S201に戻る。
【0107】
判断S216において、再生終了指示操作があった場合には(判断S216のYes)、フラグFend(RAM4に記憶される)に、音楽再生を終了すべきであることを示す値「1」を設定して、判断S217に移行する。
【0108】
発呼または着呼に係る通話の開始時に、処理S215により起動される音楽再生制御処理の具体的な処理手順は、図13ないし図15に示す手順である。なお、この音楽再生制御処理は、音楽再生制御手段に相当するものである。また、この音楽再生制御処理は、プレイリスト選択手段に相当する手順を含む。
【0109】
先ず、図13において、音楽再生開始条件設定フラグFsの値が0(自動再生)が否(手動再生)かを判断し(判断S301)、手動再生である場合には(判断S301のYes)、音声情報と併せた音楽情報の再生おび相手装置への送出を即座に開始するのではなく、音楽情報選択操作がなされるのを待つ(判断S302のNoのループ)。
【0110】
その場合の音楽情報選択操作とは、具体的には、図3の音楽情報記憶用フォルダ7aに記憶された1以上の音楽情報からの1以上の音楽情報の選択操作であってよいし、図4のプレイリスト設定ファイル7bからのプレイリストの選択操作による間接的な選択操作であってもよい。
【0111】
判断S302において、選択操作があると(判断S302のYes)、選択された1以上の音楽情報の順次の再生を開始する(処理S303)。そして、選択された全ての音楽情報についての再生が完了するか、フラグFendの値が1に変化するまで、音楽情報の再生を継続し(判断S304のNo、判断S305のNoのループ)、全ての音楽情報の再生が完了した場合には(判断S304のYes)、音楽情報の再生を終了する。
【0112】
また、フラグFend、つまり、本音楽再生制御処理と並行して実行中の、図11及び図12の音声通信制御処理手順中の処理S218または処理S219により設定されるフラグFendの値が「1」になった場合、つまり、ユーザによる再生終了指示操作があった場合、又は、通話が終了した場合には、フラグFendの値を「0」にリセットした上で(処理S306)、音楽情報の再生を終了する。
【0113】
なお、その場合の「音楽情報の再生」とは、音楽情報再生手段13が大容量記憶手段7から必要な音楽情報ファイルを構成する音楽データ本体を順次読み出して復号・伸張すると共に、図2に示した通話回路6a内の、マイク部6cからの音声情報に、音楽情報を合成して相手装置に送出するための回路群のうちのD/A変換器61に出力する処理である。
【0114】
これにより、通話が開始されても、ユーザからの指示がないかぎり、音楽情報の再生、及び、相手装置への送出を行わない「手動再生」の場合には、ユーザからの指示があって始めて音楽情報の再生、及び、相手装置への送出を行うように制御することができる。
【0115】
なお、判断S302ないし処理S306の、「手動再生」による手順では、再生する音楽情報の選択をも手動で行うようにしたが、後述する、判断S301がYesの場合に行われる、「自動再生」に係る手順を適用して、音楽情報の選択については自動で行うようにしてもいのはいうまでもない。その場合、ユーザが音楽情報を相手装置側のユーザに聞かしたいときだけ聞かせることができるようになるが、音楽情報の選択操作自体は省けるため、操作の省力化が図れる利点がある。
【0116】
また、また、発呼時に指定する相手先の電話番号の前に、音楽情報の自動再生を指示する所定の番号をつけてダイヤルした場合には、通話開始と共に自動的に音楽情報を送出するようにしてもよい。また、単に相手先の電話番号が指定された場合には通話開始と同時に音楽情報の送出を開始するようにする一方、音楽情報の再生を禁止する別の所定の番号をつけてダイヤルした場合には、通話中の音楽情報を送出を行わないようにするように構成することも考えられる。また、処理S302で選択した音楽情報の再生順も操作入力に応じて設定できるようにしてもよい。
【0117】
さて、判断S301において、「自動再生」の設定である場合には(判断S301のYes)、図14の判断S107に移行する。
【0118】
図14の判断S107においては、図11の処理S204または処理S210により値が設定されるフラグFmodeの値が0(発呼モード)か否(着呼モード)かを判断する。
【0119】
そして、発呼モードの場合には(判断S307のYes)、判断S308移行の手順を実行し、着呼モードの場合には(判断S307のNo)、図15の判断S318移行の手順を実行する。
【0120】
発呼モードにおいては、先ず、図11の処理S206またはS207で設定されるフラグFdialの値が0(直接指定)か否(間接指定)かを判断し(判断S308)、直接指定である場合には(判断S308のYes)、更に、図3の記憶領域7eに予め設定されている、フラグFmの値が0(再生しない)か否(標準設定で再生)かを判断する(判断S309)。
【0121】
そして、「再生しない」の場合には(判断S309のYes)、音楽情報の再生を開始することなく処理を終了する。「標準設定で再生」の場合には(判断S309のNo)、図4のプレイリスト設定ファイル7bの「プレイリスト識別番号」が「0」の標準設定のプレイリストに基づいた音楽再生処理を行う(処理S310)。
【0122】
なお、処理S310の音楽再生処理は、音楽情報再生手段13が大容量記憶手段7から、対象のプレイリスト(この場合標準設定のもの)に登録された1以上の音楽情報ファイルをそれぞれ構成する音楽データ本体を順次読み出して復号・伸張すると共に、図2に示した通話回路6a内の、マイク部6cからの音声情報に、音楽情報を合成して相手装置に送出するための回路群のうちのD/A変換器61に出力する処理である。また、その音楽再生処理では、対象のプレイリストに登録され1以上の音楽情報について、「再生順設定フラグFp」及び「連続再生設定フラグFr」の設定に基づいた順番で音楽情報ファイルが再生されると共に、各音楽情報に対応して設定された「音量設定」が各音楽情報の再生時に図2の音量調整器63に設定され、また、各音楽情報に対応して設定された「音質設定」が各音楽情報の再生時に図2のイコライザ62に設定され、また、各音楽情報に対応して設定された「テンポ設定」が音楽情報再生手段13における各音楽情報の再生速度に反映される。
【0123】
処理S310の音楽再生処理は、そのプレイリストの設定に基づく再生が完了するか、図12の処理S218またはS219で値1に設定されるフラグFendの値が1に変化するまで行われ(判断S311のNo、判断S312のNoのループ)、再生が完了すると(判断S311のYes)、再生処理を終了する。また、フラグFendの値が1に変化した場合も(判断S312のYes)、フラグFendの値を0にリセットした上で(処理S313)、処理を終了する。
【0124】
これにより、テンキーによる電話番号の直接入力により指定された相手先への発呼に係る通話中には、標準設定のプレイリストに登録された音楽情報が、対応して設定された条件で、相手先装置に送出され、相手先装置側の通話相手のユーザに対して、自装置からの音声情報と併せて音楽情報を聞かせることができる。
【0125】
なお、直接指定された相手先に対しては、電話帳に未登録の相手先であるとして、標準設定のプレイリストを適用するようにしたが、電話帳と照合して、対応する相手先識別情報(電話帳)が登録されている場合には、対応するプレイリストを適用するようにし、登録されていない場合に限り標準のプレイリストを適用するようにしてもよい。その場合、相手先にいっそう適合するプレイリストを自動的に選択することができる。
【0126】
また、判断再生途中で、通話が終了したり再生中止が指示されて音楽情報の再生が中断した場合に、次回の通話時にその中止したところ(曲の途中)から演奏を開始するようにする途中開始手段を設けたり、曲の途中から開始しないで、その曲(音楽情報)の最初から演奏を開始する最初開始手段を設けるようにしてよい。その場合、再生済み及び未再生の音楽情報を特定するために、各音楽情報に他対応して再生済みか否かのフラグを設定して、そのフラグを参照して途中からの再生を行うようにする。音楽情報の途中から再生する場合には、音楽情報の最初から再生済みの位置までの経過時間を計測・記憶しておき、再生再開の際に参照するようにする。
【0127】
また、再生中に中断した音楽情報の次に再生すべき音楽情報(「順番に再生」なら次に登録されている曲、「シャッフルして再生」なら、次にランダム選択される音楽情報)から演奏を開始するネクスト手段を備えていてもよい。
【0128】
判断S308において、電話帳による間接指定である場合には(判断S308のNo)、図11の処理S208で、発呼に係る相手先識別情報が記憶されている、文字列変数Notherに、図5の電話帳情報設定ファイル7cにおいて対応するプレイリストに基づいた音楽再生処理を行う(処理S314)。
【0129】
処理S314の音楽再生処理は、そのプレイリストの設定に基づく再生が完了するか、図12の処理S218またはS219で値1に設定されるフラグFendの値が1に変化するまで行われ(判断S315のNo、判断S316のNoのループ)、再生が完了すると(判断S315のYes)、再生処理を終了する。また、フラグFendの値が1に変化した場合も(判断S316のYes)、フラグFendの値を0にリセットした上で(処理S317)、処理を終了する。
【0130】
これにより、電話帳を参照して間接的に指定された相手先への発呼に係る通話中には、指定された相手先に対応して電話帳情報設定ファイル7cに設定されているプレイリストに登録された音楽情報が、対応して設定された条件で、相手先装置に送出され、相手先装置側の通話相手のユーザに対して、自装置からの音声情報と併せて、当該相手先装置のユーザに対して聞かせるために携帯電話1のユーザが最適に設定した音楽情報を聞かせることができる。
【0131】
なお、直接指定された相手先に対しては、電話帳に未登録の相手先であるとして、標準設定のプレイリストを適用するようにしたが、電話帳と照合して、対応する相手先識別情報(電話帳)が登録されている場合には、対応するプレイリストを適用するようにし、登録されていない場合に限り標準のプレイリストを適用するようにしてもよい。その場合、相手先にいっそう適合するプレイリストを自動的に選択することができる。
【0132】
判断S307がNo(着呼モード)の場合に行われる図15の処理手順においては、先ず、図11の処理S212または処理S213で設定される文字列変数Notherの内容が「通知なし」であるか否(通知された相手先識別情報)かを判断する。
【0133】
そして「通知なし」の場合には(判断S319のYes)、更に、図3の記憶領域7eに予め設定されている、フラグFmの値が0(再生しない)か否(標準設定で再生)かを判断する(判断S319)。
【0134】
そして、「再生しない」の場合には(判断S319のYes)、音楽情報の再生を開始することなく処理を終了する。「標準設定で再生」の場合には(判断S319のNo)、図4のプレイリスト設定ファイル7bの「プレイリスト識別番号」が「0」の標準設定のプレイリストに基づいた音楽再生処理を行う(処理S310)。
【0135】
処理S320の音楽再生処理は、そのプレイリストの設定に基づく再生が完了するか、図12の処理S218またはS219で値1に設定されるフラグFendの値が1に変化するまで行われ(判断S321のNo、判断S322のNoのループ)、再生が完了すると(判断S321のYes)、再生処理を終了する。また、フラグFendの値が1に変化した場合も(判断S322のYes)、フラグFendの値を0にリセットした上で(処理S323)、処理を終了する。
【0136】
これにより、相手先識別情報の通知がない、電話帳に登録されている相手先と違って素姓不明な相手先からの着呼に係る通話中には、標準設定のプレイリストに登録された音楽情報が、対応して設定された条件で、相手先装置に送出され、相手先装置側の通話相手のユーザに対して、自装置からの音声情報と併せて音楽情報を聞かせることができる。
【0137】
判断S318において、着呼時に相手先識別情報の通知があった場合には(判断S318のNo)、図11の処理S208で、発呼に係る相手先識別情報が記憶されている、文字列変数Notherに、図5の電話帳情報設定ファイル7cにおいて対応するプレイリストに基づいた音楽再生処理を行う(処理S324)。
【0138】
処理S324の音楽再生処理は、そのプレイリストの設定に基づく再生が完了するか、図12の処理S218またはS219で値1に設定されるフラグFendの値が1に変化するまで行われ(判断S325のNo、判断S326のNoのループ)、再生が完了すると(判断S325のYes)、再生処理を終了する。また、フラグFendの値が1に変化した場合も(判断S326のYes)、フラグFendの値を0にリセットした上で(処理S327)、処理を終了する。
【0139】
これにより、通知してきた相手先識別情報が電話帳に登録されている相手先からの着呼に係る通話中には、当該相手先に対応して電話帳情報設定ファイル7cに設定されているプレイリストに登録された音楽情報が、対応して設定された条件で、相手先装置に送出され、相手先装置側の通話相手のユーザに対して、自装置からの音声情報と併せて、当該相手先装置のユーザに対して聞かせるために携帯電話1のユーザが最適に設定した音楽情報を聞かせることができる。
【0140】
なお、通知された相手先識別情報が電話帳に登録されていない場合もあり得るが、その場合は、非通知の相手先からの場合、つまり、判断S318がYesの場合と同様に、判断S319ないし処理S323の手順を適用するようにしてもよい。それにより、電話帳に未登録の相手先からの着呼に係る通話においても標準設定のプレイスリストを適用できる。
【0141】
また、発呼時に直接指定された相手先、着呼時に相手先識別情報を通知してこない相手先、着呼時に相手先識別情報を通知してきてもその相手先識別情報が電話帳に登録されていない相手先の各相手先について、個別にプレイリストを予め設定しておき適用するようにすることも考えられる。
【0142】
また、以上の説明では、プレイリスト設定ファイル7bをマイク部6cにより集音される音声情報と併せて通話中に相手装置に送出する音楽情報の登録・参照に使用していたが、通話中でない待機時に、携帯電話1のユーザがスピーカ部6bや図示しないイヤホンにより音楽を聴いて楽しむためにプレイリスト設定ファイル7bを利用してもよいのはいうまでもない。
【0143】
具体的には、プレイリスト設定ファイル7bの登録内容をリスト表示して所望のプレイリストを選択すると、選択されたプレイリストに登録されている1以上の音楽情報が対応して設定された条件で再生されるようにする使い方も可能である。
【0144】
ただし、通常、音楽を聴く場合と通話時にBGMとして使用する場合とでは、例えば再生音量、音質、シャッフルプレイをするかどうかなどの再生条件(再生条件)が相異するため、その使用の仕方に合った再生条件を設定することもできる。つまり、プレイリスト設定ファイル7bを構成する各プレイリストについて、通話時のBGM用と待機時の音楽鑑賞用との2種類の再生条件を設定しておき、通話時にはBGM用の再生条件が、待機時には音楽鑑賞用の再生条件が有効になるようにしてもよい。また、基本的にプレイリスト設定ファイル7bについては、待機的の音楽鑑賞に最適なように設定しておき、通話時における再生条件は、図5の電話帳情報設定ファイル7cにおいて設定しておくようにすることも考えられる。
【0145】
また、受信メールに添付された音楽情報や、ダウンロードした音楽情報を、図3の音楽情報記憶用フォルダに記憶すると共に、新たにプレイリストに登録することもできる。また、プレイリスト設定ファイル7bを相手装置に送信したり(メールに添付したり、FTP,HTTPプロトコルで直接送信等)、既成のプレイリスト設定ファイルを、プレイリスト提供業者のサーバからダウンロードすると共に、対応して設定された音楽情報も同時にダウンロードして音楽情報記憶用フォルダ7aに記憶するようにしてもよい。また、対応して設定された音楽情報のダウンロードは、その音楽情報が必要になったとき、つまり、電話帳情報設定ファイル7cにおいて所定の相手先と対応付けられて新規にプレイリストが登録されたときに、当該新規に登録されたプレイリストに登録された音楽情報のみをサーバにアクセスしてその都度ダウンロードするようにして、結果的に再生されることのない、音楽情報のダウンロードを省くようにすることもできる。
【0146】
また、通話時における音楽情報の再生条件として、曜日、月、日付け、時間帯、季節毎に、複数のプレイリストから選択し設定しておき、演奏するプレイリストを曜日、月、日付け、時間帯、季節毎に変えるようにする、プログラムプレイ手段を備えるようにしてもよい。このような演奏条件(再生条件)は、電話帳情報設定ファイル7cにおいて各相手先ごとに設定してもよいし、あるいは、別の設定手段(例えばBGM再生専用の設定手段)を設けるようにしてもよい。
【0147】
また、プレイリスト設定ファイル7bに設定されたプレイリスト(に対応する音楽情報)または、音楽情報記憶用フォルダ7aに記憶されてるい音楽情報の1つまたは複数を、着呼に応答することができない場合の保留音として使用することも出来る。すなわち、着信があり、ユーザにより保留の操作が行われた場合に、相手先と接続して、音楽情報を再生するものである。その場合、保留音用として、プレイリスト設定ファイル7bの「プレイリスト識別番号」、または、音楽情報ファイルを予め設定・記憶しておき、保留音を相手装置に送出するときには、設定された音楽情報を再生送出するようにする。
【0148】
また、プレイリスト設定ファイル7bにおいて各音楽情報についての「音質設定」は、あらかじめ各周波数における強弱を設定したプリセットイコライザを複数用意することにより、ユーザがマニュアルで各周波数の強弱の設定を行う手間を省くことが出来る。
【0149】
また、各音楽情報毎に再生した時の音量が相違する(音楽情報の元になる音楽データソースの違いによって異なる)ため、再生音量を一定に保つ再生音自動均一手段を備えてもよい。
【0150】
また、音楽情報をメールに添付して送信したり、直接相手装置に送信する(FTP、HTTPプロトコルを使用する)ことも出来る。
【0151】
携帯電話1が記憶・蓄積する音楽情報ファイルが増えてくると、そのデータ量が多くなり、バックアップ等のメンテナンスが必要になる。そこでPC等の外部装置と、外部I/F手段15等を介して接続して、音楽情報ファイルや電話帳情報設定ファイル7cのメンテナンスを行うこともできる。
【0152】
つまり、携帯電話1に記憶されている音楽情報ファイル、プレイリスト設定ファイル7b、電話帳情報設定ファイル7c等はPC側にも保存されており、PCと携帯電話1が接続されたときに、PC側のサーバソフトと携帯電話1側のクライアントソフトの間で交信が開始され、ファイルの更新記録や作成日時等のデータシンク情報に基づいて、お互いのデータを最新のデータに更新する。
【0153】
具体的には、携帯電話1側で新しいプレイリストを作成してプレイリスト設定ファイル73bに登録した場合、その新規登録されたプレイリストはPC側へ転送される。なお、その場合、作成したプレイリストに登録された音楽情報ファイルは、図3の音楽情報記憶用フォルダ7aに記憶されているとは限らない。つまり、音楽情報記憶用フォルダ7aには、プレイリストに登録可能な曲(ファイル)名のリストを登録した登録可能音楽情報リストファイルが記憶されていて、そのリストに登録された1以上の曲名がプレイリスト新規登録の際にリスト表示される。それは、プレイリストに結果的に登録されることない音楽情報ファイルのために大容量記憶手段7の記憶容量が圧迫されることを防ぐためである。
【0154】
一方、PC側はそのプレイリストを保存し、そのプレイリストに含まれている音楽情報ファイルが、携帯電話1側に保存(あるいはダウンロード)されているかどうかを、携帯電話1側に問合せて確認する。もし、保存されていなければ、PC側に保存されているその音楽情報ファイルを携帯電話1側に転送する。携帯電話1側は、PCから受信(ダウンロード)した音楽情報ファイルを図3の音楽情報記憶用フォルダ7aに記憶する。それにより、プレイリスト登録時点では自装置に記憶していない音楽情報ファイルをプレイリストの選択に応じて再生することができるようになり、携帯電話1が記憶する音楽情報ファイルやその関連情報をメンテナンスすることができる。
【0155】
また、携帯電話1が記憶する音楽情報ファイルを、相手装置に送出する音声情報と併せて送出するBGMとして使用するだけでなく、着信音などの報知音に使用したい場合も考えられる。報知音は通常の音楽の演奏に比べて、その特質(再生時間が短い、スピーカで聞く等)のために、通常のプレイリストの設定で音楽情報を再生する(通常は長時間再生、イヤホンで聞く)と不具合(プレイリストの曲が最後まで聴けない、再生音量の設定が合わない等)がある。
【0156】
そこで、音楽情報ファイルを編集(データの変換、曲長さの編集等)することにより通話時に演奏するBGM、保留音や、着信音、目覚まし音、操作音等の報知音として使用するようにすることが考えられる。また、プレイリスト(の対応して登録された1以上の音楽情報ファイル)を報知音用に使用することもできる。例えば、報知音用として所定のプレイリストを設定しておく。この場合、報知音用として使用するときの再生条件(再生の順序、再生音量、再生音質、途中開始機能、最初開始機能、ネクスト機能とシャッフルの設定、プログラムプレイ機能等)を、通常の音楽を聴く場合の設定や通話時に再生するBGMの場合の設定とは別に、設定できるようにしておくとよい。もちろん、報知音毎に再生条件を設定するようにしてもよい。
【0157】
ここまでは音楽情報を例に説明してきたが、音楽情報の代わりに、例えばPCM録音された音声データ、録音データ、音声合成データ、ラジオの録音データ、TV放送の音声録音データ、本類の朗読音声データ等の音データ(音情報)または他の公知な音データを使用してもよい。
【0158】
さて、現在の携帯電話のおいては、着信音(着うた、着メロ、着ボイス等)のデータは、電話を受ける側のメモリにあらかじめ記憶しておく必要があり、電話をかける側(発呼側装置)は、電話を受ける側(被呼側装置)の着信音の種類を決定することは出来なかったが、その不具合を解決することは可能である。
【0159】
つまり、発呼側装置は、あらかじめ記憶手段等に記憶して用意してある着信音データ(着うた、着メロ、着ボイスのデータの他に音楽情報データでもよい、また複数のデータであってもよい)と自局の電話番号などの端末識別情報を呼制御信号であるSetup信号(図6のフェーズF0参照)にのせて送信する。Setup信号を受信した被呼側装置は、Setup信号に含まれている発呼側装置の端末識別情報を検査し、その検査結果に基づいて、発信側からの着信音データを自装置で再生してもよいと判断した場合(自装置のメモリに発呼側装置の端末識別情報が記憶されている場合等)には、Setup信号に含まれている着信音データを、自装置の着信音として再生(鳴動)する。このとき、着信音を再生するために、受信した着信音データをメモリに記憶させてもよい。また、発呼側装置の端末識別情報もメモリに記憶させてもよい。メモリに記憶した着信音データと端末識別情報を、被呼側装置の電話帳に登録することにより、次回、同じ発呼側装置から着呼があった場合、電話帳に記憶されている着信音データを、着信音として鳴動するようにすることができる。このとき、受信したSetup信号に含まれている着信音データと、電話帳に記憶している着信音データが同じ場合には、どちらか一方の着信音データを使用すればよい。一方、受信したSetup信号に着信音データが含まれていない場合には、電話帳に記憶している着信音データを鳴動させればよい。また、受信したSetup信号に、電話帳に記憶されている着信音データと異なる着信音データが含まれている場合には、Setup信号に含まれている着信音データを使用する。どちらのデータを使用するか等の設定は、あらかじめ被呼側装置で設定してもよい。このようにすることにより、発呼側が被呼側の着信音の鳴動を直接制御することが出来る。
【0160】
現在、複数の自端末識別情報を備えている通信端末装置がある。しかし、例えば通信端末装置として、携帯電話であって、自端末識別情報として自端末装置の電話番号を考えた場合、複数の自端末装置の電話番号を備えてはいるが、その特徴を十分に生かしたアプリケーションは皆無に等しい。しかし、複数の自端末識別情報を備えた通信端末装置の使い勝手を向上させること可能である。
【0161】
具体的には、複数の自端末識別情報を持つ通信端末装置において、自端末識別情報毎に、図5の電話帳情報設定ファイル7cのごとき電話帳手段、発信履歴手段(発信(発呼)した通信に関連する各種情報を通信毎に記憶する)、着信履歴手段(着信(着呼)した通信に関連する各種情報を通信毎に記憶する)、通話または通信料金情報手段(1通話分(1通信分)の料金情報や積算通話料金(積算通信料金)等の通話料金あるいは通信料金に関する情報)、装置の機能設定手段(着信音の種類、着信音量等の音に関する設定、待ち受け画面、照明等の表示画面に関する設定等のように装置に関する各設定)のような自端末識別情報に関係する諸機能(通信情報手段)を備える。そして、複数の自端末識別情報のうち、使用する自端末識別情報が選択された場合には、それ以降、選択された端末識別情報に対応した電話帳手段、発信履歴手段、着信履歴手段、通話または通信料金情報手段、装置の機能設定手段を使用する。
【0162】
一例として、電話帳の場合を説明する。自端末の電話番号として複数の電話番号(電話番号Aと電話番号B)を備えている電話装置であって、例えば、電話番号Aは会社用(公用)の電話番号として使用している場合には、電話帳Aには会社の仕事関係(得意先など)の電話番号やメールアドレス等の情報が記憶されている。電話番号Bはプライベートで使用する電話番号として使用し、電話帳Bにはプライベートの電話番号やメールアドレス等の情報が記憶されている。例えば現在、仕事中であり、電話番号Aが使用されている場合、あるいは電話番号Aの使用として設定されている場合(仕事モードに設定されている)において、使用者が電話帳機能を選択した場合は、電話番号Aに対応した電話帳Aが選択され使用することが出来る。次にプライベートで使用する場合には、電話番号Bを選択して、電話機をプライベートモードに設定する。このとき、使用者が電話帳機能を選択すると、電話帳Bが選択され使用することができる。その場合、仕事モードとプライベートモードの切替は、自装置の電話番号を選択してもよいし、仕事モードとプライベートモードのモード切替で設定してもよい。
【0163】
図16に、図1の携帯電話1において、図5の電話帳情報設定ファイル7cとして、「プライベート」用の「電話帳A」と、「仕事」用の「電話帳B」のそれぞれに総統する電話帳情報情報設定ファイルを予め大容量記憶部7に記憶しておく前提で行う、参照電話帳設定処理手順について示す。
【0164】
同図において、モードの、「プライベート」から「仕事」へ、または、「仕事」から「プライベート」への設定変更があるかを監視する(処理S401、判断S402のNoのループ)。
【0165】
そして、設定変更があると(判断S402のYes)、その設定変更が、「仕事」から「プライベート」であるか否(「プライベート」から「仕事」へ)かを判断する(判断S403)。
【0166】
「プライベート」モードに変更された場合には(判断S403のYes)、参照電話帳設定フラグFtel(RAM4に記憶される)に電話帳Aを参照すべきことを示す値0を設定する(処理S404)。
【0167】
「仕事」モードに変更された場合には(判断S403のNo)、参照電話帳設定フラグFtel(RAM4に記憶される)に電話帳Bを参照すべきことを示す値1を設定する(処理S405)。
【0168】
そして、携帯電話1が電話帳情報設定ファイルを参照すべきときには、参照電話帳設定フラグFtelの値を参照した対応する電話帳情報設定ファイルを参照するようにする。
【0169】
それにより、「プライベート」用、「仕事」用のそれぞれの電話帳情報設定ファイルのそれぞれに、「プライベート」用、「仕事」用の相手先及びその相手先に対応したプレイリストやそのプレイリストに登録された音楽情報の再生条件を設定して使い分けることができる。
【0170】
また、携帯電話を内線端末としても使用できるサービスである、いわゆる、モバイルセントレックスの場合であって、例えば電話番号Aが外線用電話番号で、電話番号Bが内線用電話番号の場合には、使用する電話番号として、使用者が手動で選択してもよいが、自通信端末装置が会社内にあるかどうかを検出して、会社内であることが検出されると、自動的に電話番号Bを選択してもよい。自通信端末装置が会社内にあるかどうかの検出は、自通信端末装置が会社内に設置された無線基地局あるいは無線中継局の無線エリアに入っているかどうか(通信端末装置と基地局で通信が可能かどうか、あるいは位置検出がされているかどうか)で判断する。
【0171】
また、自装置が備える自端末識別情報が増えた場合に、それに対応した電話帳手段、発信履歴手段、着信履歴手段、通話または通信料金情報手段、装置の機能設定手段が必要とするデータ量が増えるため、バックアップ手段が必要になる。そこで、無線基地局側に用意されたデータ蓄積装置に、自装置に記憶されているデータをバックアップすることが考えられる。
【0172】
つまり、無線基地局側と自装置の間で所定の通信プロトコルを使用して通信路を確保し、自装置のデータを無線基地局側に送信することにより、データ蓄積装置にデータをバックアップする。自装置は必要なときにバックアップデータをダウンロードする。
【0173】
また、使用できる自端末識別情報が少ない場合はいいが、それが多くなると、主に数字や記号等で構成される自端末識別情報が何の情報であるかを憶えておくことが困難となる問題がある。
【0174】
そこで、おのおのの自端末識別情報に、名称を設定或いは設定の後に変更できると、使い勝手がより向上する。例えば、自端末識別情報が電話番号である場合、数字そのものを扱うよりは、名称を付して扱うほうが利点がある場合がある。例えば電話番号Aに「仕事」、電話番号Cに「プライベート」、電話番号Bに「内線」等の名称を設定することできる。このようにして、電話番号そのものではなく、その名称を選択することにより、より確実に装置の操作をすることが出来る。
【0175】
さて、図1の携帯電話1において、TV受信手段11により受信させるテレビ放送の表示を開始する時刻をタイマー設定した場合、設定した時間になっても気が付かない場合があると、TV放送を見逃してしまうという問題がある。そこで、その課題を解決する一実施例として、タイマー設定した時間になった場合には、ユーザに知らせるための報知手段(鳴動手段の鳴動(報知音)、表示手段に表示を)による報知を行うとともに、受信開始したTV放送の映像を、大容量記憶部7等のメモリ手段に蓄積(録画手段)することが考えられる。
【0176】
また、携帯電話でTV放送をリアルタイムに視聴するだけでなく、TV放送を録画した録画データ(録画放送映像、録画映像)を再生して視聴することも将来可能となる。一方、携帯電話は画面が小さく、またバッテリーも長時間は持たないという特殊事情により、長時間の録画データの視聴には向かない。そのため、録画した放送において、特に視聴したい放送や見たい番組、場面などを検索することが重要となり、その検索の方法が将来の課題として認識されている。
【0177】
そこでその課題を解決するための発明の一実施例を次に説明する。
【0178】
録画データは、携帯電話1のTV受信手段11によって直接TV放送を受信し、その映像データをメモリ手段(本体内蔵のメモリあるいはハードディスク、外付けのICカードメモリあるいはハードディスク等)に記憶する。このとき、放送局が送るTV放送データはすでに圧縮されたデータ(例えばMPEG等)であって、それをそのままメモリ手段に記憶してもよいし、あるいは別の圧縮方式に変換してからメモリ手段に記憶してもよい。さらに、映像データ(番組)の内容情報に関するメタデータ(番組名、放送時刻、放送チャンネル、キーワード、出演者名、放送局名などの番組の内容に関する情報)を無線通信手段18を使用して受信し(データ受信、電子メール等)、メモリ手段に記憶しておく。映像データを再生するときに、このメタデータを使用して、見たい番組や場面にアクセスし再生する。メモリ手段に記憶された映像データは映像データ再生手段としての画像処理手段9により、再生伸張され、画像表示手段10に表示される。また、あらかじめ放送データが記憶された外付けのICカードメモリやハードディスクから映像データを再生してもよい。またメタデータはユーザが、操作入力・表示部5等の入力手段を利用して作成してもよい。
【0179】
TV放送の番組表データは、無線通信手段18を使用して受信する。このとき、例えば人工衛星を使用したGPS手段を使用して、現在地の位置データを取得して、番組表データを管理しているサーバ装置に送信し、サーバ装置は、受信した位置データに基づいて、その位置で受信できるTV放送の番組表データを送信する。番組表を受信した携帯電話は、番組表データをタイマー予約あるいはタイマー録画用のアプリケーション(アプリケーションとTV受信手段11は所定のプロトコル(例えばGコード)を使用して交信することが出来る)で使用する。アプリケーションが起動されると、番組表を表示装置に表示し、タイマー予約あるいはタイマー録画する放送番組を選択して決定する。その後、タイマー予約あるいはタイマー録画の時刻になれば、アプリケーションからTV受信手段10にコマンドを送信され、TV放送を受信したり、TV放送の録画を開始するものである。また、メタデータ(番組名、放送時刻、放送チャンネル、キーワード、出演者名、放送局名などの番組の内容に関する情報)をキーワードとして使用し、そのキーワードに合致した放送番組あるいは放送場面を録画することも考えられる。また、FM/AMラジオ放送の場合にも、扱うデータがTV放送の映像データから、ラジオ放送の音声データ或いは音声信号に代わるだけであり、前述したTV放送の実施例が応用できる。
【0180】
図17にオールIP(インターネットプロトコル)化された通信装置としての携帯電話1aのブロック構成について示す。同図において、図1に示した携帯電話1と同一構成については同一符号を付している。
【0181】
基地局用無線I/F手段32は携帯電話1aと基地局との間で無線交信を行うインターフェースである。LAN用無線I/F手段31は、携帯電話1aとLAN用無線基地局との間で無線交信を行うインターフェースである。従来においては、基地局用無線I/F手段32は、専用のプロトコルが使用されていたが、基地局側から通信相手装置の間にインターネット網やIP網を使用するケースが増えている。さらに、LAN用のプロトコルはもともとIPが使用されていることから、基地局用無線I/F手段32もIP化することができると、部品の共通利用によりコストダウンが見込める。そこで本実施例のように、基地局用無線I/F手段32とLAN用無線I/F手段32にIP手段30を共通使用する。
【0182】
IP手段30は、音声に使用するVoIP手段と、データ通信に使用するデータ用IP手段の2種類のIP手段を含む。VoIP手段は通話回路から送られてきたアナログの音声信号をデジタルデータに変換し、さらに必要であれば符号化圧縮する。次に音声信号データを送信用のIPパケットに埋め込み、順次基地局用無線I/F手段32あるいはLAN用無線I/F手段31に送り出す。また基地局用無線I/F手段32あるいはLAN用無線I/F手段31から入力される受信用のIPパケットから音声信号データを取り出し、必要であれば復号伸張し、さらにデジタルの音声信号データをアナログの音声信号に変換し、通話回路6aに送出する。データ用IP手段の場合は、VoIP手段の通話回路の代わりに、例えばメモリ手段と入出力を行ってもよいし、専用のデータ処理手段を備えてもよい。
【0183】
またIP手段30は呼制御を行うための制御用IPパケットを組立て、順次基地局用無線I/F手段32あるいはLAN用無線I/F手段31に送り出す。さらに基地局用無線I/F手段32あるいはLAN用無線I/F手段31から入力される受信した制御用IPパケットを分解する。このような制御用IPパケットの送出、受信はIP手段30とは独立した別の手段で構成してもよい。IP手段30の動作制御はCPU2によるソフトウェア的なものであってもよいし、専用のLSIによるハードウェアロジック的なものであってよい。
【0184】
図18に、図17のオールIP化された携帯電話1における、発呼装置と着呼装置との間で行われるSIPによる通信シーケンス例について示す。
【0185】
同図において、発呼側から「INVITE」というリクエストメッセージを送出する(フェーズF101)。「INVITE」はセッションの起動信号であり、それには発呼側が受信可能なセッションの属性がSDP(制御情報記述)で示されている。具体的には発呼側の受信条件(コーデック、ポート番号等)と送信条件を提示するものである。
【0186】
着呼側はフェーズF101で、「INVITE」を受信すると、呼び出し状態になったことを通知するために「180 RINGING」を発呼側へ送信する(フェーズF102)。この180 RINGINGで着呼側の受信条件(コーデック、ポート番号等)と送信条件を提示してもよいが、通常は次の200 OKで提示する。
【0187】
また、着呼側は、通話可能状態になったことを通知するために「200 OK」を発呼側へ送信する(フェーズF103)。その「200 OK」には、着呼側が受信可能なセッションの属性がSDPで示されている。また、着呼側は、その「200 OK」で着呼側の受信条件(コーデック、ポート番号等)と送信条件を提示する。
【0188】
次に発呼側が「ACK」を着呼側へ送信し(フェーズF104)、これにより通信に利用可能な属性が発呼側と着呼側とで相互にネゴシエーションされる。本実施の形態では、便宜上ここまでを接続フェーズと定義している。
【0189】
次にRTPパケットによるメディア(音声、画像、動画等)の転送が開始される(フェーズF105)。本実施の形態ではこのメディアの転送期間中を便宜上、データ送受信フェーズと定義している。
【0190】
通信を終了するときには止める側(この場合着呼側)が、「BYE」信号を送信することにより通信終了を要求し(フェーズF106)、それを受信した側(この場合発呼側)は、その応答である「200 OK」信号を送信して通信を終了する(フェーズF107)。本実施の形態ではこのフェーズを便宜上、切断フェーズと定義している。なお、切断フェーズは、着呼装置からに限らず発呼装置から起動される場合もある。
【0191】
以上の一連の説明に置いて、本発明に係る通信装置の実施例として携帯電話、IP電話を挙げたが、通信装置としてはその他に移動無線機、無線LANを使用したIP電話、IP通信端末装置、一般加入者電話機、通信機能付コンピュータ、携帯電話、PHS、PDA等の通信機能を備えた通信端末装置があり、それぞれの通信端末装置が使用できる通信プロトコルを使用して実施可能である。ぞれぞれの通信端末装置の構成は公知であるため、ブロック図による図示は省略するが、本発明の特徴に係る各手段は携帯電話1における場合と同様に、それら各通信機能を備えた端末装置においても備えることができるものである。
【0192】
また、以上説明した本発明を実施するための最良の形態において記載があって、特にブロック図に図示していない「〜手段」は、専用ハードウェアで構成されているか、あるいはCPU,ROM,RAMと若干のハードウェアで構成されているものである。
【0193】
また、以上説明した本発明を実施するための最良の形態及びその構成要素は、本発明の特徴を備えている限り適宜組み合わせ可能であることはいうまでもない。また、多数の発明が本明細書に記載されているため、そのすべての組み合わせの説明とその効果を記載することは事実上不可能であるが、その組み合わせの具体的な実施と効果については当業者が想定できるものは、本明細書に記載されているものとみなすことができるのは言うまでもないことである。また、本発明において複数の要素(構成)を持つ場合には、その要素の数は本実施例に記載している要素の数には限定されるものではない。また、実施例中に記述した発明はJAVA等のようにCPUあるいはOSに依存しないプログラム言語で作成してもよいものである。
【図面の簡単な説明】
【0194】
【図1】本発明を実施するための最良の形態に係る通信装置としての携帯電話のブロック構成について示す図である。
【図2】図1の携帯電話の通話回路の内部構成の一部について示す図である。
【図3】図1の携帯電話の大容量記憶手段の記憶内容について示す図である。
【図4】プレイスリスト設定ファイルの具体的な構成について示す図である。
【図5】電話帳情報設定ファイルの具体的な構成について示す図である。
【図6】発信側携帯電話と網側の基地局との発信接続と切断シーケンスについて示す図である。
【図7】着信側形態電話と網側の基地局との着信接続と切断シーケンスについて示す図である。
【図8】携帯電話等の端末が網側の基地局を介してデータをダウンロードする場合のPull型シーケンスについて示す図である。
【図9】網側の基地局から携帯電話等の端末に着信通知してデータを送信するPush型シーケンスについて示す図である。
【図10】図1の携帯電話におけるプレイリスト作成処理手順について示すフローチャートである。
【図11】図1の携帯電話における音声通信制御処理手順について示すフローチャートである。
【図12】図11と共に、図1の携帯電話における音声通信制御処理手順について示すフローチャートである。
【図13】図11及び図12の音声通信制御処理手順から起動される音楽再生制御処理手順について示すフローチャートである。
【図14】図13と共に、図11及び図12の音声通信制御処理手順から起動される音楽再生制御処理手順について示すフローチャートである。
【図15】図13及び図14と共に、図11及び図12の音声通信制御処理手順から起動される音楽再生制御処理手順について示すフローチャートである。
【図16】図1の携帯電話における参照電話帳設定処理手順について示すフローチャートである。
【図17】全IP化された携帯電話の構成について示す図である。
【図18】図17の携帯電話における、発呼装置と着呼装置との間で行われるSIPによる通信シーケンス例について示す図である。
【符号の説明】
【0195】
1 携帯電話
2 CPU
3 ROM
4 RAM(メモリ手段)
5 操作入力・表示部
6 通話部
6a 通話回路
6b スピーカ部
6c マイク部
7 大容量記憶部
8 撮影手段(CCD)
9 画像処理手段
10 画像表示手段
11 TV受信手段
12 フレームメモリ(ビットマップメモリ)
13 音楽情報再生手段
14 音楽情報ダウンロード手段
15 外部I/F手段
16 メモリカードI/F手段
17 無線I/F手段
18 無線通信手段
20 システムバス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクにより収集した音声情報を相手装置に送出する一方、当該相手装置からの音声情報を受信・可聴出力することにより音声通信を行う音声通信制御手段と、
予め記憶した音楽情報を読み出して再生する音楽情報再生手段と、
前記音声通信制御手段により音声通信が行われている最中に前記音楽情報再生手段により再生される音楽情報を前記相手装置に送出する音声情報と共に前記相手装置に送出するように制御する音楽再生制御手段と
を備えたことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
通信相手装置を識別するための情報である相手先識別情報に前記音楽情報を対応付けて記憶する電話帳手段を備え、
前記音声通信制御手段は、前記電話帳手段に記憶されたいずれかの相手先識別情報が指定されるとその指定された相手先識別情報に基づき対応する相手装置に発呼して音声通信を開始する一方、
前記音楽情報再生手段は、前記音声通信制御手段により音声通信が行われている最中に前記相手装置に送出する音声情報と共に送出する音楽情報として、前記電話帳手段において前記指定された相手先識別情報に対応して記憶されている音楽情報を選択して再生するものであることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記音楽情報は、1以上の音楽情報とそれらの音楽情報の再生条件の設定情報とから構成されるプレイリストの音楽情報である一方、
前記音楽情報再生手段は、再生対象のプレイリストが含む1以上の音楽情報を対応して設定された再生条件で再生するものであることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の通信装置。
【請求項4】
複数の音楽情報から任意の音楽情報を選択して前記プレイリストを作成するプレイリスト作成手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記プレイリスト作成手段は、前記プレイリストに識別情報を付加することを特徴とする請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記プレイリスト作成手段により作成した1以上のプレイリストから、前記音楽情報再生手段によって再生するプレイリストを選択するプレイリスト選択手段を備えたことを特徴とする請求項4または5のいずれかに記載の通信装置。
【請求項7】
前記音楽情報を他装置から自装置にダウンロードして記憶する音楽情報ダウンロード手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の通信装置。
【請求項8】
前記音楽情報再生手段により再生され、前記相手装置に送出される音声情報と共に前記相手装置に送出される音楽情報の音量を調節する音量調節手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の通信装置。
【請求項9】
前記音楽情報再生手段により再生され、前記相手装置に送出される音声情報と共に前記相手装置に送出される音楽情報の音質を調節する音質調整手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の通信装置。
【請求項1】
マイクにより収集した音声情報を相手装置に送出する一方、当該相手装置からの音声情報を受信・可聴出力することにより音声通信を行う音声通信制御手段と、
予め記憶した音楽情報を読み出して再生する音楽情報再生手段と、
前記音声通信制御手段により音声通信が行われている最中に前記音楽情報再生手段により再生される音楽情報を前記相手装置に送出する音声情報と共に前記相手装置に送出するように制御する音楽再生制御手段と
を備えたことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
通信相手装置を識別するための情報である相手先識別情報に前記音楽情報を対応付けて記憶する電話帳手段を備え、
前記音声通信制御手段は、前記電話帳手段に記憶されたいずれかの相手先識別情報が指定されるとその指定された相手先識別情報に基づき対応する相手装置に発呼して音声通信を開始する一方、
前記音楽情報再生手段は、前記音声通信制御手段により音声通信が行われている最中に前記相手装置に送出する音声情報と共に送出する音楽情報として、前記電話帳手段において前記指定された相手先識別情報に対応して記憶されている音楽情報を選択して再生するものであることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記音楽情報は、1以上の音楽情報とそれらの音楽情報の再生条件の設定情報とから構成されるプレイリストの音楽情報である一方、
前記音楽情報再生手段は、再生対象のプレイリストが含む1以上の音楽情報を対応して設定された再生条件で再生するものであることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の通信装置。
【請求項4】
複数の音楽情報から任意の音楽情報を選択して前記プレイリストを作成するプレイリスト作成手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記プレイリスト作成手段は、前記プレイリストに識別情報を付加することを特徴とする請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記プレイリスト作成手段により作成した1以上のプレイリストから、前記音楽情報再生手段によって再生するプレイリストを選択するプレイリスト選択手段を備えたことを特徴とする請求項4または5のいずれかに記載の通信装置。
【請求項7】
前記音楽情報を他装置から自装置にダウンロードして記憶する音楽情報ダウンロード手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の通信装置。
【請求項8】
前記音楽情報再生手段により再生され、前記相手装置に送出される音声情報と共に前記相手装置に送出される音楽情報の音量を調節する音量調節手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の通信装置。
【請求項9】
前記音楽情報再生手段により再生され、前記相手装置に送出される音声情報と共に前記相手装置に送出される音楽情報の音質を調節する音質調整手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の通信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−166441(P2006−166441A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−346576(P2005−346576)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【分割の表示】特願2004−321607(P2004−321607)の分割
【原出願日】平成16年11月5日(2004.11.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【分割の表示】特願2004−321607(P2004−321607)の分割
【原出願日】平成16年11月5日(2004.11.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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