説明

連続浸漬処理装置

【目的】鍛造金属素材(ワーク)等に潤滑層を塗付形成するに際して、ワークのタクト時間の短縮が可能となり、省エネルギー等につながる連続浸漬処理装置を提供すること。
【構成】ワークに薬液の浸漬処理を連続的に施すための連続浸漬処理装置。ワークWを循環移動させるエンドレスのワーク移動装置12を備え、該ワーク移動装置12の周囲のワーク搬出・搬入位置S1、S2を挟んで、湯洗装置52、浸漬装置48及び乾燥装置50を配する。ワーク移動装置12は、駆動チェーン装置14と、該駆動チェーン装置14に昇降自在に所定ピッチで取付けられたワーク保持部材16とを備えている。湯洗装置52は、湯洗槽64と一対の昇降部材62A、62Bとを備え、湯洗槽64の上方で、一方を湯洗開始位置に他方を湯洗終了位置にそれぞれ配して、両位置間をワークWの湯洗高さに保持して移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属素材(ワーク)に連続浸漬処理を施すために必要な一連の操作(処理)ステーションがワークをエンドレス移動装置の周囲に一体的に配置された新規な連続浸漬処理装置に関する。
【0002】
特に、冷間加工(鍛造、プレス、転造等)を施す前又は間に、金属素材(ワーク)の塗装(表面処理・潤滑層形成処理)を行うのに好適な連続浸漬処理装置に関する。
【0003】
ここでは、主として、冷間鍛造用の金属素材に潤滑層形成のために薬液の浸漬処理を施す場合を、例に採り説明する。
【0004】
また、本明細書で「湯洗」とは「水洗」の特別な場合、すなわち、「水(water)」として、「湯(hot water)」を使用する場合を意味する。
【背景技術】
【0005】
従来、冷間加工において、特に冷間鍛造用の金属素材に対する潤滑層の形成は、例えば、図1に示すような工程を経て行っていた(特許文献1段落0042表1参照)。
【0006】
しかし、上記方法においては、多くの(浸漬)処理が必要であり、工程ごとに余分な薬液を除去するために水洗(濯ぎ工程)が必要であるとともに、各工程間の搬送手段も必要であった。
【0007】
上記問題点を解決するために、1回又は2回で化成処理・浸漬・乾燥で潤滑層形成層を形成可能な薬剤(薬液)が最近、上市されている。
【0008】
そして、上記薬剤を使用してのワーク(金属)素材の潤滑剤層形成処理は、一般的に、下記のようなバレル方式(バレルめっきと同様の方式)で行うことが多い。
【0009】
筒状のワーク投入かご(バレル)にワークを投入する。該バレルを、薬液を投入した薬液槽内へ浸漬して所定時間回転させる。該バレルを薬液槽から引き上げて、熱風乾燥機内で同様に回転させ乾燥させる。その後、ワーク投入かごからワーク(製品)を取り出す。
【0010】
しかし、上記のような潤滑層形成処理の方法では、下記のような問題点があることが分かった。
【0011】
1)バレルの回転時に、ワーク相互が干渉してワークに打痕不良が発生し易い。
【0012】
2)バレル引き上げ時に、多量の薬液も随伴して、薬液消費量が大きくなり易い。
【0013】
3)浸漬工程(装置)と乾燥工程(装置)との間に特別な搬送手段を必要とした。
【0014】
4)ワークの形状が均一でない多品種少量品の対応は困難であった。
【0015】
また、本発明の特許性に影響を与えるものではないが、特許文献2には、処理装置において小型化・塗料(薬液)節約を目的とする下記概要の連続処理装置が記載されている(要約等参照)。
【0016】
「水平方向に張設された搬送ベルト下方に配置された浸漬塗装部を、搬送ベルトの走行方向と平行に移動可能に設置されたスライドベースと、前記スライドベースを搬送ベルトと同期させて平行に移動させる水平駆動手段と、前記スライドベース上に担持されるとともに上方が開放された塗料槽を搬送ベルトに向けて上下動方向に移動させる昇降ベースと、上昇する塗料槽の上方に設置され、上昇する塗料槽内における塗料液面の所定位置を顕出する液面センサー及び、前記スライドベースを初期位置に戻す戻し手段とにより構成したものである。」
本装置はワーク(被塗装体)をエンドレスベルトに取付けて連続的に搬送させて、所定位置にきたとき同期して塗料槽を移動させながら塗料槽を昇降させて塗付を行う装置であり、本発明の如く、ワークを間欠移動(ピッチ移動)させて静止時に、静止浸漬槽に対してワークを浸漬させて塗付する構成ではない。
【特許文献1】特開平8−100186号公報
【特許文献2】特開2000−279864号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明者は、上記にかんがみて、潤滑剤等の塗料(薬液)の消費量を削減でき、かつ、装置の小型化が容易である新規な構成の連続浸漬処理装置を提供することを目的(課題)として、下記構成の連続浸漬処理装置を先に提案した(特願2005-19822:出願時未公開)。
【0018】
「ワークに浸漬処理を連続的に施すための連続浸漬処理装置であって、
ワークを循環移動させるエンドレスのワーク移動手段を備え、該ワーク移動手段の周囲の一位置をワーク搬入・搬出位置とし、該ワーク搬入・搬出位置を挟んで、ワーク移動方向順に、ワーク脱着手段、浸漬手段及び乾燥手段が配され、
前記ワーク移動手段は、エンドレス駆動部材と、該エンドレス駆動部材に昇降自在に所定ピッチで取付けられたワーク保持部材とを備え、
前記浸漬手段は、浸漬槽と、該浸漬槽の上方に配され、ワーク保持部材を昇降させる浸漬用の昇降部材とを備えてなることを特徴とする。」
当該構成により、エンドレスのワーク移動手段の周囲に、ワーク保持部材が所定ピッチで昇降自在に取付けられているため、浸漬ステーション等のワークをセットオフさせて処理する必要がある部位(ステーション)でも搬送面の下方で浸漬槽等を配することで処理が可能となる。すなわち、同一平面位置で搬送と処理が可能であり、装置全体のコンパクト化及び一体化が容易となる。
【0019】
上記構成において、さらに、浸漬手段のワーク移動方向前側に水洗手段を備え、該水洗手段は、水洗槽と、該水洗槽の上方に配され、ワーク保持部材を昇降させる水洗用の昇降部材とを備え、水洗槽は浸漬槽を内設するとともに、温調手段を備えている構成としたものとすることができる。
【0020】
上記構成において、水洗槽を湯洗槽すれば、洗浄性が向上するとともに、さらに、浸漬槽内の薬液(潤滑層形成剤)を暖めることができ、浸漬塗膜のワーク付着性が向上する。更に、ワークが温められる(蓄熱する)ことにより、後工程の滴切り性、乾燥性も向上して、省エネルギー及び生産性向上に寄与する。
【0021】
他方、生産性向上の見地から、昨今、ワークのタクト時間(ワークを下降させて上昇させるまでの時間)を短くしたい(例えば、4秒未満)という要請が増大してきている。
【0022】
この場合、ワークの湯洗時間が短く、湯洗する場合の効果(前記浸漬塗膜のワーク付着性の向上、後工程の滴切り性・乾燥性の向上)が、殆ど期待できない。
【0023】
そこで、湯洗温度を上昇させることが考えられるが、短時間の湯洗では、ワークの深部までの昇温が困難であり、前記湯洗する場合の効果を確保し難いとともに、省エネルギーの見地からも望ましくない。
【0024】
上記にかんがみて、鍛造金属素材(ワーク)等に潤滑層を塗付形成するに際して、ワークのタクト時間の短縮が可能となり、生産性の向上及び省エネルギーにつながる連続浸漬処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明の連続浸漬処理装置は、上記課題を下記構成により解決するものである。
【0026】
ワークに浸漬処理を連続的に施すための連続浸漬処理装置であって、
ワークを循環移動させるエンドレスのワーク移動手段を備え、該ワーク移動手段の周囲の任意位置を、ワークの移動方向に連続してワーク搬出位置及びワーク搬入位置とし、該ワーク搬入位置と搬出位置との間に、ワーク移動方向順に、水洗手段(湯洗手段を含む。)、浸漬手段及び乾燥手段が配され、
前記ワーク移動手段は、エンドレス駆動部材と、該エンドレス駆動部材に昇降自在に所定ピッチで取付けられたワーク保持部材とを備えるとともに、所定周期でピッチ送り可能とされており、
前記水洗手段は、水洗槽と、該水洗槽の上方に配される一対の昇降部材とを備えてなり、
該一対の昇降部材の一方が水洗開始位置に配され、他方が水洗終了位置に配され、前記水洗開始位置と水洗終了位置との間を、前記ワークを水洗高さに保持して水平移動可能とされていることを特徴とする。
【0027】
本発明の連続浸漬処理装置は、ワークの搬出・搬入を別位置とすることにより、タクト時間(ピッチ送り時間)を短縮でき、更には上昇・下降を繰り返さないで複数ステーションに渡り浸漬(水洗)移動させる。このため、水洗を先願の方法で同じ複数ステーションを水洗する場合に比して、中間の下降・上昇・待機の時間も水洗が継続する。このため、水洗によるワーク加熱効果が先願の方法に比して、格段に向上し、結果的にタクト時間(ピッチ送り時間)を大幅短縮できる。
【0028】
上記構成の連続浸漬処理装置は、下記構成とすることができる。
【0029】
前記エンドレス駆動部材の上方にその外周軌跡に対応させて環状の案内レールが配され、他方、
前記ワーク保持部材は、前記エンドレス駆動部材に所定ピッチで一体移動可能に取付けられる上下方向にガイド孔を備えた案内ブロックに嵌合支持される上下動ロッドと、該上下動ロッドの下端に取付けられるワーク保持治具と、前記上下動ロッドの上端部に前記案内レールを滑走する滑走部材及び係合フックとを備えて、前記ワーク保持部材を循環走行可能とされ、また、
前記水洗開始・終了位置における案内レールの一部は、可倒滑走部材受け部とされるとともに、前記案内レールの下方で前記水洗開始・終了位置間に副案内レールが配され、また、
前記係合フックが係合し、前記昇降部材の昇降シリンダのピストンロッドと一体上下動する可倒フック受け部を設け、前記係合フックと前記可倒フック受け部を係合・解除させて前記上下動ロッドを上下動可能とされていることを特徴とする。
【0030】
また、上記構成において、前記水洗手段及び/又は前記浸漬手段の各ワーク停止位置にワークの下面に向く上向き噴流ノズルを配することが望ましい。ワークの下面に窪みがあるような場合、タクト時間が短くても水洗不良や薬液付着不良が発生し難い。
【0031】
前記乾燥手段の前に滴切り手段を配する場合、該滴切り手段としてエアカーテン発生手段を含むものとすることが望ましい。単独で又は他の滴切り手段と組み合わせることにより、滴切りの効率が上昇して、結果的にタクト時間を短縮できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の一実施形態である連続浸漬処理(潤滑層形成処理)装置について図例に基づいて説明する。
【0033】
ここでは水洗が湯洗である場合を例に採り説明するが、本発明の連続浸漬処理装置は、水洗の場合にも適用できる。
【0034】
図2はプラント装置をモデル的に示した展開平面流れ図であり、図3は図2の全体概略正面図(前面フードを取り外した状態)、図4は図3の側面概略部分断面図、図5は同じく概略平面図(ワーク取り外した状態の)、図6はワーク保持治具の斜視図、図7(A)・(B)は滴切り装置のエアノズル配置を示す立面図・平面図である。
【0035】
本実施形態の装置は、基本的には、ワークWに連続浸漬処理を施すために必要な一連の操作(処理)ユニットがエンドレスのワーク移動装置(ワーク移動手段)12の周囲に一体的に配置されたものである。
【0036】
ここでは、エンドレスのワーク移動手段による外周軌跡は長円状であるが、真円状や矩形状であってもよい。
【0037】
ワーク移動装置12は、駆動チェーン装置(エンドレス駆動部材)14と、該駆動チェーン装置14に昇降自在に所定ピッチで保持されたワーク保持部材16とで構成されている。
【0038】
具体的には、駆動チェーン装置14は、ダブルのチェーン15がダブルの駆動・従動スプロケット18、20間に張設されて、駆動スプロケット18が同期モータ22で駆動されるようになっている。ここで、駆動チェーン装置14は、所定高さ位置に上面が第一長円状の第一テーブル26aとされた第一架台26上に支持されている。すなわち、第一テーブル26aにおける長円の両端円弧の中心に駆動・従動スプロケット18、20の各回転軸が軸受け支持されている。そして、第一テーブル26aの駆動スプロケット18の上方には駆動モータ22が配されている。
【0039】
ここで、駆動モータ22を、第二テーブル28aの上面に配してあるのはメインテナンス性の見地からである。また、駆動モータ22としては、本実施形態では同期モータである。同期モータは、減速機構を有しないため、同期モータ22の出力軸と減速機23の入力軸とが第1カップリング24で接続され、減速機23の出力軸が第2カップリング24Aで接続されている。
【0040】
ここで、同期モータの代わりに減速機モータを使用してもよいが、同期モータの方がスムーズな加速・減速が可能となり、停止位置の精度が向上する。特に、タクト時間(ピッチ送り時間)が短い高速運転をして、搬入・搬出位置の精度が要求される場合に好適である。なお、サーボモータを使用してもよいが、数値制御が必要となり、高コストである。
【0041】
本実施形態では、第一架台26の第一テーブル26aの上に一対の角柱28bを介して上面が第一テーブル26aより若干大きな長円状の第二テーブル28aとされた第二架台28が形成されている。そして、第二テーブル28aの上面周囲部には環状の主案内レール30が形成されている。
【0042】
ワーク保持部材16は、駆動チェーン装置(エンドレス駆動部材)14に所定ピッチで一体移動可能に取付けられる上下方向に案内孔32aを備えた案内ブロック32に嵌合支持される上下動ロッド34と、該上下動ロッド34の下端に取付けられるワーク保持治具36と、上下動ロッド34の上端部に主案内レール30を滑走する滑走部材(ローラ)44とを備えて、ワーク保持部材16が循環走行可能とされている。
【0043】
図例ではワークの安定保持のために、チェーン15がダブルとされるとともに、上下動ロッド34は、2本で一組構成としてあるが、適宜、1本又は3本以上とすることも可能であり、ロッド断面は、円形、多角形等の正形ばかりでなく、扁平断面やその他異形断面であってもよい。
【0044】
なお、上記チェーン15における従動スプロケット20をばねによりチェーン15の張り方向に押し、チェーンの張りを自動調整可能としておくことが望ましい。
【0045】
また、案内ブロック32は、チェーン外面にブラケット40を介して取付けられ、該ブラケット40の下面には、安定走行のために、第一テーブル26aの外周面上を滑走する支持ローラ(滑走部)42が取付けられている。
【0046】
また、ワーク保持治具36は、上下動ロッド34の下端部に取付けられたL字形の吊り下げアーム38における水平部38aの先端に取付けられている。ここで水平部38aは、図例の如く、上端断面三角形状とされ、薬液が滴下しやすいようになっている。ワーク保持治具36は、図6に示す如く、液滴がスムーズに落下するように放射状に伸び先端に係合部が形成された複数本(図例では4本)の腕部からなる放射受け部36aと、穴明きワークの穴部に嵌合してワークを安定保持する先端円錐状のセット柱部36bとからなる。このとき、放射受け部36aの断面は、上記と水平部38aと同様、ワークを点接触可能な図例のような断面円形又は上記のような上端断面三角形状とすることが、滴切り性の見地から望ましい。このとき放射受け部36a及びセット柱部36bは、それぞれ各種大きさのものに取替え可能となっており、多品種少量ものの金属素材(ワーク)の表面処理に適応可能となっている。
【0047】
上下動ロッド34の上端には、断面L字形の車輪保持部材43を介して、係合ローラ(滑走部材)44が取付けられている。該係合ローラ44は、第二テーブル28aの外周面にそれぞれ水平に配された主案内レール30及び該主案内レール30の下方に湯洗開始位置と湯洗終了位置に亘り形成された副案内レール30Aを走行するものである。
【0048】
そして、上記該ワーク移動装置12の周囲の搬送方向に連続する二位置を、ワーク搬出ロボット58及びワーク搬入ロボット58Aをそれぞれワーク搬出位置(ワーク搬出ステーション)S1及びワーク搬入位置(ワーク搬入ステーション)S2とされている。
【0049】
ワーク搬出・搬入ステーションS1、S2を別ステーションとしたのは、同一位置では、移動装置の停止時間が、搬入・搬出動作の合計時間となるため、高速化(ピッチ送り時間:例えば4秒以下)の短縮化が困難となる。
【0050】
図例では、ワーク搬出位置(ステーション)S1およびワーク搬入位置(ステーション)S2が、駆動スプロケット18の配置側で、長手方向中心線L1を挟んで配されている(図2参照)。なお、ワーク搬出・搬入ステーションS1、S2は、長手方向中心線L1を挟んで配設する必要はなく、長手方向中心線の一方側、乃至、エンドレス駆動部材の駆動軌跡の長円における前側又は後側の中間位置でもよい。
【0051】
上記ワーク搬出・搬入位置S1、S2を挟んで、ワーク移動方向順に、浸漬装置(浸漬手段、浸漬ステーション)48及び乾燥装置(乾燥手段、乾燥ステーション)50が配されている。さらに、本実施形態では、浸漬装置48のワーク移動方向前側に湯洗装置(湯洗手段、湯洗ステーション)52を、浸漬装置48のワーク移動方向後側に滴切り装置(滴切り手段、滴切りステーション)54を備えている。
【0052】
以下、上記各装置について、詳細に説明をする。
【0053】
各ワーク搬出・搬入位置S1、S2に配されるワーク搬出・搬入ロボット58、58Aは、所定角度範囲を回動(旋回)可能な治具クランプ装置46を備えている。該治具クランプ装置46は、ワーク保持治具36の下面側中心の突出軸36cをクランプ・アンクランプするクランプ46aとクランプ46aを開閉するクランプシリンダ47とを備えたものである。なお、クランプシリンダ47は、ピストンロッド上昇時にアンクランプ、ピストンロッド下降時にアンクランプするようにクランプ46aと連結されている。
【0054】
ワーク搬出ロボット58の治具クランプ装置46は、ワーク搬出位置S1でワークを受け取り、右回転してワーク排出コンベヤ55の始端位置で受け渡した後、左回転してワーク搬出位置S1に戻ってワーク受け取り可能に待機する。
【0055】
また、ワーク搬入ロボット58Aの治具クランプ装置46は、ワーク搬入コンベヤ56の終端でワークを受け取り、右回転してワーク搬入位置S2でワークを受け渡した後、左回転してワーク搬入コンベヤ56の終端位置に搬出位置S1に戻ってワークの受け取り可能に待機する。
【0056】
なお、ここでワークの受け取り受け渡しを旋回手段介さずに、前後移手段等による他の方法でも勿論可能である。
【0057】
浸漬装置48は、浸漬槽60と、該浸漬槽60の上方に配され、ワーク保持部材16を昇降させる浸漬用の昇降部材62とを備えている。
【0058】
上記昇降部材62は、図例では、浸漬槽60の浸漬位置(1ステーション)に対応して主案内レール30の一部を構成する分離して上下動可能なローラ受け部68と、該ローラ受け部68を上下駆動する駆動手段(昇降シリンダ)63とを備えて構成されている。具体的には、該ローラ受け部68は、第二テーブル28aとは独立移動可能にT字形の連結部材70を一体化して取付ける。そして、該連結部材70に第二テーブル上28aに配された昇降シリンダ63のピストンロッド63aを結合させる。図例中74は、昇降シリンダの支持フレームである。
【0059】
また、浸漬槽60その手前に配される湯洗装置52は、本実施形態では、複数のステーション(図例では3ステーション)に亘りワークを浸漬可能な長さの湯洗槽64、一対の昇降部材62A、62B及び副案内レール30Aとを備えている。
【0060】
上記昇降部材62A・62Bは、湯洗槽64の湯洗開始ステーション・湯洗終了ステーションの上方に配され、また、副案内レール30Aは、主案内レール30の下方で、昇降部材62A、62B間に渡り配される。なお、副案内レール30Aの上方案内レール30Bは、湯洗をしない場合のスルー用として使用する。また、湯洗槽64は浸漬槽60を内設するとともに、温調手段66を備えている。
【0061】
上記湯洗用の昇降部材62A、62Bは、浸漬用の昇降部材と同様に昇降シリンダ63を備えている。そして、本実施形態では主案内レール30から副案内レール30Aに係合ローラ44を移し換える(架け替える)必要があるため、湯洗開始位置(ワーク下降位置)及び湯洗終了位置(ワーク上昇位置)で下記のような掛け換え機能を備えている(図8のモデル図参照)。なお、図8はモデル図であるため、他の図との寸法的・形状的整合性はない。
【0062】
ここで、係合ローラ44を車輪保持部材43の天井側には、外側に向って掛け換え用の係合フック43aが形成されている。
【0063】
主案内レール30の一部を構成するローラ受け部68A(68B)は、第1補助シリンダ69で水平な受け位置と受け解除位置の間を回動する可倒レール(可倒走行部材受け部)とされている。他方、昇降シリンダ63のピストンロッド63aには、前記係合フック43aが係合可能なフック受け部45が取り付けられている。該フック受け部45はやはりピストンロッド63aに取り付けられた第2補助シリンダ69Aで水平な受け位置と受け解除位置とを回動する可倒フックフック受け部とされている。
【0064】
上記機構による湯洗開始位置及び湯洗終了位置での架け替えは、次の如くである。
【0065】
まず、湯洗開始位置にワークがきたとき、まず、第1補助シリンダ69を作動させてローラ受け部68Aを倒す。すると、係合ローラ44はローラ受け部68との係合が解除され下方へ落下しようとするが、係合ローラ44に形成された係合フック43aと昇降シリンダ63側にある可倒フック受け部(水平の)45とが係合しているため係合ローラ44は、落下しない。
【0066】
この状態で昇降シリンダ63のピストンロッド63aを前進させ下方へ伸ばす。すると、上下動ロッド34が案内ブロック32で案内されながら下降する。このため、上下動ロッド34に吊り下げアーム38およびワーク保持治具36で保持されたワークWは湯洗可能位置まで下降するとともに、係合ローラ44が副案内レール30Aと係合する。
【0067】
その後、可倒フック受け部45を倒して、係合フック43aaとの係合を解除し、昇降シリンダ63のピストンロッド63aを後退させる。そして、可倒フック受け部45を、元の位置まで上昇させた後水平位置に戻す。こうして、次の車輪保持部材43の係合フック43aが係合可能に待機する。
【0068】
そして、この状態で同期モータ22の作動により駆動チェーン装置14でピッチ送りをすることにより、係合ローラ44は副案内レール30A上を走行する。同時に、次のワークを上下動ロッド34を介して保持した係合ローラ44が湯洗開始位置の可倒ローラ受け部(可倒滑走部材受け部)68Aに位置するとともに、係合フック43aが可倒フック受け部45に位置して係合する。
【0069】
そして、ワークWが湯洗終了位置に位置したとき、上記とは逆に、昇降シリンダ63Bのピストンロッド63aを縮めることにより、係合フック43aがフック受け部45に係合していることによる上下動ロッド34の作用でワークWが上昇し、係合ローラ44が主案内レール30に係合可能な高さ位置に来る。この状態で、第1補助シリンダ69を作動させてローラ受け部68Bを水平状態に戻せば、ローラ受け部68Bに係合ローラ44が係合して、ピッチ送りにより主案内レール30を走行可能となる。
【0070】
上記湯洗槽64は、温調手段であるシーズドヒータ(プラグヒータ)66(図例では2個)を備え、循環ポンプ76で水を循環可能とされている。なお、循環ポンプ76の吐出口・吸引口76a、76bと湯洗槽64の底部流入口68a・流出口68bとの接続配管は図例上省略してある。
【0071】
なお、上記において、図9に示す如く、湯洗効率向上の見地から、循環ポンプ76をワーク下方に配したマニホールドタイプの噴流ノズル(例えば、銅管)77と接続し、該噴流ノズル77から湯を循環噴流させるようにしてもよい。下面に窪みのあるワークの場合、抜気ができて効果的である。
【0072】
また、浸漬槽60は、プロペラ形攪拌機78を備えている。また、浸漬槽60の前面側には液補充樋80が取付けられ、底部にはドレンパイプ82が取付けられている。
【0073】
また、この浸漬においても、薬液が底部に窪みが有るような場合、薬液が付着しない場合があり、湯洗の場合と同様、図9のモデル図に示す如く、循環ポンプ76Aと接続した噴流ノズル(例えば銅管)77Aを用いて、ワークWの下方から薬液を循環噴流させることが望ましい。
【0074】
上記湯洗槽64・浸漬槽60には、水分蒸発や薬液の持ち出し等の理由で減少した水分乃至薬液を自動供給可能としておくことが望ましい(特に、図9の如く、ワークの背が高い場合)。すなわち、湯洗槽64や浸漬槽60の液面をレベルセンサー61、61Aで検知し、各給水配管に設けた電磁バルブ(図示せず)を制御することによって自動給水を行う。なお、図9では、薬液槽を2重構造60、60´として、内側の浸漬槽60´を、溢流管60aを備えたオーバフロータイプとして、薬液高さが一定以下とならないようになっている。
【0075】
なお、図9もモデル図であるため、図8の場合と同様、他の図との寸法的・形状的整合性はない。
【0076】
さらに、搬送・昇降機構部側から、湯洗槽64や浸漬槽60に向けて、複数の有圧換気扇(図示せず)を設け、湯洗槽64や浸漬槽60側へ送風することが望ましい。湯洗槽64や浸漬槽60から立昇る湯気が、搬送・昇降機構部に浸入することに起因する錆発生等の問題点を抑制することができる。
【0077】
上記滴切り装置54は、軸心に向う上下に配された複数のエアノズル86A、86B(図7A・B参照)が内設された滴切り槽84を備え、ワークWをエアノズル配設高さの範囲内で繰り返し短行程昇降可能とされている。
【0078】
ここで、エアノズル86Aは、ワークに対して上下・前後・左右の各方向から噴射可能に吐出口を備えている。このエアノズル86Aには、熱風発生機90から矩形断面のタンク式エア配管92を介してエア噴射可能とされている。
【0079】
なお、昇降部材62Cの構成は、前述の昇降部材62と同様である。
【0080】
また、本実施形態では、滴切り装置54が、湯洗装置52及び浸漬装置48のワーク移動方向後側に配されている。ワークに対してエア噴射可能に複数のエアノズル86AがワークWに対して周囲四方から噴射可能に配されて、滴切り(予備滴落)装置が付設されている。これらのエアノズル86Bも、前述の如く、熱風発生機90とタンク式エア配管92Aを介して接続されている。そして、ワーク及びエアノズル86Bを囲繞する防護フード88が配されている。
【0081】
乾燥装置(乾燥手段)50は、ワーク流れ方向に沿って配される複数対のエアノズル(エア噴射部材)86Bと、該エアの噴射部材86Bに沿って移動するワークとともにエア噴射部材86Bを覆う乾燥フード94とを備え、エア噴射部材は、熱風発生機とタンク式エア配管92Bを介して接続されている。また、乾燥フード94のワーク入口・出口側壁96は、ワーク通過可能な最小限の通過用開口96aを備えた構成である。
【0082】
なお、上記各エアノズル86は、銅パイプで形成し、エア噴出方向を調節可能としてある。
【0083】
また、本装置には、各種位置スイッチを含むセンサーが配されている。作用説明は当業者自明事項であり省略する。
【0084】
例えば、各ステーションでワークを昇降させる各昇降シリンダ63及びクランプシリンダ47には、ストロークを規制する位置スイッチ対95が取付けられ、また、各ステーションには、透過型センサー対96が配されている。なお、97は滴切りステーションにおける短行程規制中間近接センサーである。また、98はレベルセンサー(液位計)、99は温度センサー(測温計)である。
【0085】
次に、上記実施形態の使用態様について説明する。
【0086】
先ず、湯洗槽64に水を充填後、シーズドヒータ66をオンとするとともに、循環ポンプ76を運転状態として、湯洗槽64の温水又は湯(例えば30〜80℃)とする。また、浸漬槽60には潤滑層形成剤(薬液)を充填後、無段変速式攪拌機78を運転状態とする。そして、駆動チェーン装置14、熱風発生機90、各昇降部材62、62A、62B、62C用の昇降シリンダ(エアシリンダ)63及び治具クランプ装置46用のクランプシリンダ47を各シリンダ制御信号により作動可能としておく。
【0087】
先ず、ワーク搬出・搬入ロボット58により、ワークWを各ワーク搬出・搬入位置S1、S2に位置搬入させるとともに、ワーク移動装置12を駆動チェーン装置14で駆動させて、ワーク保持治具36を位置させる。この状態で、クランプ装置46のクランプシリンダ47を作動させてワーク保持治具36をクランプして安定化させ、続いて、ワーク搬出・搬入ロボット58のクランプ58aを解除する。すると、ワークWは、ワーク保持治具36上に自重落下する。このとき、ワーク保持治具36のセット柱部36bの上端外周、及び、放射受け部36aの先端爪部内側は、それぞれガイド斜面とされているため、ワークWはワーク保持治具36に略同心的に保持される。
【0088】
続いてクランプシリンダ47を作動させて、ワーク保持治具36のクランプを解除した後、ワーク移動装置12の駆動モータ(同期モータ)22を所定時間作動(例えば、1s)、所定時間停止(例えば、4s)させて、複数のワーク保持部材16を、各ステーション(湯洗・浸漬・滴切り)位置間で同期させて搬送し、それぞれのステーションで所定時間停止させる。
【0089】
このとき、各ステーション(湯洗開始位置及び湯洗終了位置を除く。)では、ワーク保持部材16の係合ローラ44は、各昇降部材62、62Cのローラ受け部68に位置する。この状態で、昇降部材のエアシリンダ(昇降シリンダ)63を作動させてピストンロッドを前進(下降)させると、ワーク保持部材16がその係合ローラ44のローラ受け部68による係合を介して懸下されながら下降する。そして、所定位置まで下降させて所定時間(例えば3〜4s)停止又は短行程往復移動させる。その後、再度、昇降部材62、62Cの昇降シリンダ63を作動させてピストンロッドを後退(上昇)させると、ワーク保持部材16が、上記同様、係合ローラ44のローラ受け部68との係合を介して懸下されながら上昇し、ローラ受け部68が主案内レール30の構成位置に復帰して、係合ローラ44が主案内レール30を走行可能となる。
【0090】
また、湯洗ステーションにおけける昇降の態様は、前述の如くである。
【0091】
ここで、湯洗ステーションでは、湯洗槽64の湯温は、30℃以上望ましくは50℃前後とすることが望ましい。洗浄効果が高くなるためである。また、ワークを浸漬する前に先立ち、湯洗しておくことにより、浸漬槽60内の薬液が温められて、ワークWへの均一な塗付が可能となり、乾燥効率も一段と向上する。なお、水として洗浄性の良好な純水を使用してもよい。
【0092】
湯洗する場合は、図9に示す如く、湯洗槽64内に、ヒータ(例えば投げ込みヒータ)66や測温計(測温抵抗体)67が配し、測温計67の温度信号がヒータ66の操作部に入力して温調可能としておく。
【0093】
また、滴切りは、周囲上下から中心部に向けて複数本のエアノズル86が配された中を上下に短行程上下動させることにより、滴切り性が良好となり、レベリング性の良好な潤滑層の形成が可能となる。
【0094】
こうして、各ステーションで、それぞれ、湯洗(湯洗)、浸漬及び滴切りを行う。
【0095】
なお、湯洗ステーションと浸漬ステーションとの間、浸漬ステーションと滴切りステーションとの各間で、湯洗後及び浸漬後のワークの、エアブローによる滴切り(滴落とし)が行われる。このステーション間の滴切りにより、さらに、レベリング性の良好な潤滑層の形成が可能となる。
【0096】
そして、これらのステーションを経た後、乾燥ステーションへワークは搬送されて焼き付け又は乾燥される。このとき、各乾燥用エアノズル86Bは、タンク式エア配管92Bを経てエアブローされるため、パイプ式配管に比して、圧損が小さく乾燥風量を確保し易い。
【0097】
このとき、熱風発生機90からの熱風温度は、滴切り及び乾燥(焼付け)エアノズル出口で20〜150℃、望ましくは、40〜120℃とする。ここで、エアブローの強度及び雰囲気温度の調節をしながら行うことが、前述の如く、塗膜のレベリング性(均一性)が確保し易くて望ましい。特に、冷間加工(鍛造、プレス、転造等)を施す場合は高度のレベリング性が要求されるためである。
【0098】
こうして、乾燥工程を経たワーク(処理済品)は、再び、搬出ステーションS1でワーク搬出ロボット58により搬出されワーク搬出コンベヤ55の始端に載せられ次の加工工程に搬送される。その後、搬入ステーションS2でワーク搬入ロボット58Aによりワーク(未処理品)が搬入されて、再度、各工程が繰り返される。
【0099】
上記実施形態では、1個又は複数個のワーク治具で保持して、自動搬入・搬出する場合を例にとって説明したが、本発明の連続浸漬処理装置は、カゴ(籠)Gに複数のワークWを入れ、図10に示す、上下動ロッド34の下端に保持して、本実施形態と同様に処理できる。この場合、作業者によるワークの搬出・搬入は、作業者による。
【0100】
なお図10における説明は、前述の実施形態における対応図符号を付して省略する。なお、図10(A)は、カゴGおけるワークWへ置き態様を示す。
【0101】
このカゴの場合は、フラット(スリット)ノズルからエアを噴出させてエアカーテンによる滴切りを上下から行うことが望ましい。均一で高速なエア噴射が可能であり、塗膜のレベリング性(均一性)を確保するためである。なお、エアカーテンによる滴切りは上記ワークを治具で保持する場合にも勿論適用できる。
【0102】
なお、滴切りは、上記エアカーテン単独でもよいが、複数のエアノズルによる方法に置換したり、組み合わせたりしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】従来の金属素材の潤滑層形成処理の一例を示す流れ図である。
【図2】プラント装置をモデル的に示した展開平面流れ図である。
【図3】図2の全体概略正面図(前面フードを取り外した状態)である。
【図4】図3の側面概略部分断面図である。
【図5】同じく概略平面図(ワーク取り外した状態の)である。
【図6】ワーク保持治具の斜視図である。
【図7】(A)・(B)は滴切り装置のエアノズル配置を示す立面図・平面図である。
【図8】本発明の湯洗装置において使用するワーク架け替え機構のモデル図である。
【図9】本発明の連続浸漬処理装置における湯洗・浸漬の別態様を示すモデル図である。
【図10】本発明の治具保持方式の連続浸漬処理装置をカゴ処理方式に変更した場合の側面概略断面図である。
【符号の説明】
【0104】
12 ワーク移動装置(ワーク移動手段)
14 駆動チェーン装置(エンドレス駆動部材)
16 ワーク保持部材
30 主案内レール
30A 副案内レール
32 案内ブロック
36 ワーク保持治具
44 係合ローラ
43a 架け替え用の係合フック
45 架け替え用の可倒フック受け部
48 浸漬装置
50 乾燥装置
52 滴切り装置
62、62A、62B、62C 昇降部材
63 昇降シリンダ
64 湯洗槽(湯洗槽)
68 可倒ローラ受け部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークに浸漬処理を連続的に施すための連続浸漬処理装置であって、
ワークを循環移動させるエンドレスのワーク移動手段を備え、該ワーク移動手段の周囲の任意位置を、ワークの移動方向に連続してワーク搬出位置及びワーク搬入位置とし、該ワーク搬入位置と搬出位置との間に、ワーク移動方向順に、水洗手段(湯洗手段を含む。)、浸漬手段及び乾燥手段が配され、
前記ワーク移動手段は、エンドレス駆動部材と、該エンドレス駆動部材に昇降自在に所定ピッチで取付けられたワーク保持部材とを備えるとともに、所定周期でピッチ送り可能とされており、
前記水洗手段は、水洗槽と、該水洗槽の上方に配される一対の昇降部材とを備えてなり、
該一対の昇降部材の一方が水洗開始位置に配され、他方が水洗終了位置に配され、前記水洗開始位置と水洗終了位置との間を、前記ワークを水洗高さに保持して水平移動可能とされていることを特徴とする連続浸漬処理装置。
【請求項2】
前記エンドレス駆動部材の上方にその外周軌跡に対応させて環状の案内レールを設け、他方、
前記ワーク保持部材は、前記エンドレス駆動部材に所定ピッチで一体移動可能に取付けられる上下方向にガイド孔を備えた案内ブロックに嵌合支持される上下動ロッドと、該上下動ロッドの下端に取付けられるワーク保持治具と、前記上下動ロッドの上端部に前記案内レールを滑走する滑走部材及び係合フックとを備えて、前記ワーク保持部材が循環走行可能とされ、また、
前記水洗開始・終了位置における案内レールの一部は、可倒滑走部材受け部とされるとともに、前記案内レールの下方で前記水洗開始・終了位置間に副案内レールが配され、また、
前記係合フックが係合し、前記昇降部材の昇降シリンダのピストンロッドと一体上下動する可倒フック受け部を設け、前記係合フックと前記可倒フック受け部を係合・解除させて前記上下動ロッドを上下動可能とされていることを特徴とする請求項1記載の連続浸漬処理装置。
【請求項3】
前記水洗手段及び/又は前記浸漬手段の各ワーク停止位置にワークの下面に向く噴流ノズルが配されていることを特徴とする請求項1又は2記載の連続浸漬処理装置。
【請求項4】
前記乾燥手段の前に滴切り手段が配され、該滴切り手段としてエアカーテン発生手段を含むことを特徴とする請求項1、2又は3記載の連続浸漬処理装置。
【請求項5】
前記水洗手段が湯洗手段であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の連続浸漬処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−36469(P2008−36469A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−210176(P2006−210176)
【出願日】平成18年8月1日(2006.8.1)
【出願人】(591032839)株式会社テトラ (4)
【出願人】(505033972)有限会社ハラシン工業 (4)
【Fターム(参考)】