説明

遅延信号生成回路、及び、遅延回路

【課題】入力された信号に所定の遅延時間を安定的に挿入し得る遅延信号生成回路及び遅延回路を提供する。
【解決手段】遅延信号生成回路は、供給される電源の電圧によって、その遅延時間が変化する、1又は複数の第1遅延回路と、前記第1遅延回路と同一の回路構成を有しており、供給される電源の電圧によって、その遅延時間が変化する第2遅延回路と、前記第1遅延回路と前記第2遅延回路に電源を供給する、制御電源回路とを有する、電源供給回路と、を備えるとともに、前記制御電源回路は、入力クロック信号と遅延クロック信号との間の位相差を検出し、前記位相差に基づいて、前記入力クロック信号と前記遅延クロック信号との間の位相差が解消されるように、前記第1遅延回路と前記第2遅延回路に供給する電源の電圧を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遅延信号生成回路、及び、遅延回路に関し、特に、入力された信号に所定の遅延時間を安定的に挿入し得る遅延信号生成回路、及び、遅延回路に関する。
【背景技術】
【0002】
電子回路の高速化に伴い、この電子回路で使用される各種の制御信号の高分解能化及び高精度化が要求されるようになっている。この制御信号は、実際に電子回路を使用する場合はもちろんのこと、テスター装置を用いて、電子回路を組み込んだ半導体装置を被試験デイバスとして動作テストを行う場合などにも、必要とされる。
【0003】
しかし、電子回路で必要とされている各種制御信号のタイミングの周期が、基準クロック信号よりも短い場合がある。このような場合に、例えば、特開平8−51346号公報(特許文献1)、特開平9−5408号公報(特許文献2)、及び、特開平10−93406号公報(特許文献3)では、複数の遅延バッファ回路が直列に接続された遅延回路に、基準クロック信号を入力し、任意の数の遅延バッファ回路を通過した後の出力を取り出すことにより、基準クロック信号から所望の時間だけ遅延した信号が得られるようにしている。
【0004】
図1は、特開平8−51346号公報(特許文献1)に開示されているタイミング信号生成回路の回路図を示している。遅延回路120は、直列に接続された複数の遅延バッファ回路1b、2b、3b…mbを備えており、入力端側にある遅延バッファ回路1bに、基準クロック信号CLKが入力される。また、m段の遅延バッファ回路の合計遅延時間が、基準クロック信号の1周期(1クロック)になるように、位相比較器140と帰還回路150とにより、制御される。
【0005】
すなわち、位相比較器140には、遅延回路120の最終出力である1周期遅延クロック信号と、基準クロック信号CLKそのものが入力される。これら1周期遅延クロック信号と基準クロック信号CLKとが、位相比較器140で比較され、その比較結果信号が帰還回路150に入力される。帰還回路150では、入力された比較結果信号に基づいて、遅延制御信号を生成し、各遅延バッファ回路1b、2b、3b…mbに入力する。遅延制御信号は、電圧信号により構成されており、遅延制御信号の電圧を上げると、各遅延バッファ回路1b、2b、3b…mbの遅延時間が短くなり、遅延制御信号の電圧を下げると、各遅延バッファ回路1b、2b、3b…mbの遅延時間が長くなる。これにより、1周期遅延クロック信号と基準クロック信号CLKとの位相差がゼロに近づくように制御され、製造バラツキや温度変化により、遅延バッファ回路1b、2b、3b…mbの遅延時間に変化が生じたとしても、これを修正することが可能になる。
【0006】
セレクタ回路130は、遅延バッファ回路1b、2b、3b…mbの個数と同数のAND回路1c、2c、3c…mcとOR回路dとを備えて構成されており、AND回路1c、2c、3c…mcのそれぞれに、遅延バッファ回路1b、2b、3b…mbの出力が入力される。また、同期型遅延回路110を介して、基準クロック信号CLKが、各AND回路1c、2c、3c…mcに入力されるとともに、遅延データをデコードしたデコード結果が、デコーダ160から各AND回路1c、2c、3c…mcに入力される。このデコード結果により、いずれか1つのAND回路が選択され、選択された遅延バッファ回路からの出力信号と、基準クロック信号CLKとに基づいて、基準クロック信号CLKの1周期分の時間よりも微小な時間だけ遅延した信号を得ることができるのである。
【0007】
しかし、この図1に示すタイミング信号生成回路では、各遅延回路120毎に、帰還回路150を設けて、遅延制御信号により、遅延回路120の遅延時間の制御をしなければならない。このため、複数の遅延回路を1つのICに組み込む場合、回路素子数が必然的に多くなり、回路面積が増大してしまう。
【0008】
特許文献1 特開平8−51346号公報
特許文献2 特開平9−5408号公報
特許文献3 特開平10−93406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、回路素子数の削減を図りつつ、入力された信号に所定の遅延時間を安定的に挿入し得る遅延信号生成回路、及び、遅延回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明に係る遅延信号生成回路は、
入力信号が入力され、前記入力信号を、所定の時間遅延させて、遅延出力信号として出力する、1又は複数の第1遅延回路であって、供給される電源の電圧によって、その遅延時間が変化する第1遅延回路と、
入力クロック信号が入力され、前記入力クロック信号を、所定の時間遅延させて、遅延クロック信号として出力する、第2遅延回路であって、前記第1遅延回路と同一の回路構成を有しており、供給される電源の電圧によって、その遅延時間が変化する第2遅延回路と、前記第1遅延回路と前記第2遅延回路に電源を供給する、制御電源回路とを有する、電源供給回路と、
を備えるとともに、
前記制御電源回路は、前記入力クロック信号と前記遅延クロック信号との間の位相差を検出し、前記位相差に基づいて、前記入力クロック信号と前記遅延クロック信号との間の位相差が解消されるように、前記第1遅延回路と前記第2遅延回路に供給する電源の電圧を制御する、
ことを特徴とする。
【0011】
この場合、前記第1遅延回路は、正論理で前記入力信号に基づいて前記遅延出力信号を出力する期間と、負論理で前記入力信号に基づいて前記遅延出力信号を出力する期間とが、所定の周期で切り替わるように構成されており、
前記第2遅延回路は、正論理で前記入力クロック信号に基づいて前記遅延クロック信号を出力する期間と、負論理で前記入力クロック信号に基づいて前記遅延クロック信号を出力する期間とが、所定の周期で切り替わるように構成されているようにしてもよい。
【0012】
また、前記第1遅延回路は、
前記正論理と前記負論理とを反転して切り替える、第1正負反転回路と、
前記第1正負反転回路を介して前記入力信号が入力され、前記入力信号に、1又は複数の遅延バッファ回路を用いて、前記遅延時間を挿入して、前記遅延出力信号を生成し、前記正負反転回路に出力する、第1遅延生成回路と、
を備えており、
前記第1正負反転回路は、
反転制御信号と前記入力信号とが入力され、
前記反転制御信号が第1論理レベルである場合には、前記入力信号の論理レベルを反転することなく前記第1遅延生成回路に出力し、前記第1遅延生成回路から入力された前記遅延出力信号の論理レベルを反転することなく出力するとともに、
前記反転制御信号が第2論理レベルである場合には、前記入力信号の論理レベルを反転して、前記第1遅延生成回路に出力し、前記第1遅延生成回路から入力された前記遅延出力信号の論理レベルを反転して出力する、
とともに、
前記第2遅延回路は、
前記正論理と前記負論理とを反転して切り替える、第2正負反転回路と、
前記第2正負反転回路を介して前記入力クロック信号が入力され、前記入力クロック信号に、1又は複数の遅延バッファ回路を用いて、前記遅延時間を挿入して、前記遅延クロック信号を生成し、前記第2正負反転回路に出力する、第2遅延生成回路と、
を備えており、
前記第2正負反転回路は、
前記反転制御信号と前記入力クロック信号とが入力され、
前記反転制御信号が第1論理レベルである場合には、前記入力クロック信号の論理レベルを反転することなく前記第2遅延生成回路に出力し、前記第2遅延生成回路から入力された前記遅延クロック信号の論理レベルを反転することなく出力するとともに、
前記反転制御信号が第2論理レベルである場合には、前記入力クロック信号の論理レベルを反転して、前記第2遅延生成回路に出力し、前記第2遅延生成回路から入力された前記遅延クロック信号の論理レベルを反転して出力するようにしてもよい。
【0013】
この場合、前記遅延バッファ回路は、入力された信号を反転して出力する第1インバータと第2インバータとを直列に接続して構成されているようにしてもよい。
【0014】
この場合、前記第1インバータと前記第2インバータは、それぞれ、MISトランジスタにより構成されているようにしてもよい。
【0015】
或いは、前記第1インバータと前記第2インバータは、それぞれ、PチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタとを直列に接続して構成されたCMOSインバータにより構成されているようにしてもよい。
【0016】
また、前記第1正負反転回路は、
前記反転制御信号と前記入力信号とが入力され、その排他的論理和を、前記第1遅延生成回路に出力する、第1論理回路と、
前記反転制御信号と前記遅延出力信号とが入力され、その排他的論理和を出力する、第2論理回路と、
を備えており、
前記第2正負反転回路は、
前記反転制御信号と前記入力クロック信号とが入力され、その排他的論理和を、前記第2遅延生成回路に出力する、第3論理回路と、
前記反転制御信号と前記遅延クロック信号とが入力され、その排他的論理和を出力する、第4論理回路と、
を備えるようにしてもよい。
【0017】
また、前記第1遅延回路に入力される前記入力信号は、被試験デバイスの試験を行うためのテスト信号であり、
前記第1遅延回路と前記第2遅延回路において、前記正論理と前記負論理とを切り替える前記所定の周期は、1又は複数の被試験デバイスに対して前記テスト信号を供給して1つの試験を行う試験期間を単位として定められるようにしてもよい。
【0018】
この場合、前記第1遅延回路と前記第2遅延回路においては、前記正論理と前記負論理とを、1試験期間毎に切り替えるようにしてもよい。
【0019】
本発明に係る遅延回路は、
所定の周期で第1の論理レベルと第2の論理レベルとが切り替わる反転制御信号と、前記第1の論理レベルと前記第2の論理レベルとにより形成された所定の波形の第1信号とが入力され、前記反転制御信号の論理レベルに基づいて、前記第1信号の論理レベルを反転することなく第2信号として出力するか、前記第1信号の論理レベルを反転して第2信号として出力するかを切り替えて出力する、第1切替回路と、
前記第1切替回路から出力された前記第2信号が入力され、前記第2信号に、所定の遅延時間を挿入して、第3信号として出力する、遅延生成回路と、
前記反転制御信号と、前記遅延生成回路から出力された前記第3信号とが入力され、前記反転制御信号の論理レベルに基づいて、前記第3信号の論理レベルを反転することなく第4信号として出力するか、前記第3信号の論理レベルを反転して第4信号として出力するかを切り替えて出力する、第2切替回路と、
を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】従来の遅延信号生成回路の一例であるタイミング信号生成回路の回路構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係るパッケージICの内部に設けられている回路構成の一部の一例を示す図である。
【図3】本実施形態に係る遅延信号生成回路の回路構成の一例を説明するための図である。
【図4】本実施形態に係る遅延信号生成回路で用いられている可変遅延回路の回路構成の一例を示す図である。
【図5】本実施形態に係る遅延バッファ回路の回路構成の一例を示す図であり、前段のCMOSインバータの閾値電圧が上昇する場合を説明する図である。
【図6】本実施形態に係る遅延バッファ回路の回路構成の一例を示す図であり、後段のCMOSインバータの閾値電圧が上昇する場合を説明する図である。
【図7】CMOSインバータの閾値電圧が適正に設定されている場合における、入力信号が複数のCMOSインバータを伝播する様子を説明する信号波形図である。
【図8】前段のCMOSインバータの閾値電圧が上昇した場合における、入力信号が複数のCMOSインバータを伝播する様子を説明する信号波形図である。
【図9】後段のCMOSインバータの閾値電圧が上昇した場合における、入力信号が複数のCMOSインバータを伝播する様子を説明する信号波形図である。
【図10】本実施形態に係る可変遅延回路の正負反転回路に入力される反転制御信号と遅延生成回路に入力されるテスト信号の波形の一例を示す図である。
【図11】従来の可変遅延回路の回路構成の一例を示す図である。
【図12】図12に示す従来の可変遅延回路に入力されるテスト信号の波形の一例を示す図である。
【図13】前段と後段のCMOSインバータの閾値電圧が上昇した場合における、入力信号が複数のCMOSインバータを伝播する様子を説明する信号波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図2は、本実施形態に係るパッケージIC200の内部に設けられている出力制御回路OTCTL1〜OTCTL8の回路構成の一部を示す図である。このパッケージIC200の出力制御回路OTCTL1〜OTCTL8には、各所に、可変遅延回路210が設けられている。この可変遅延回路210は、基準クロック信号CLKの1周期よりも短い遅延時間を生成するための回路である。また、この可変遅延回路210は、供給される電源の電圧に応じて、挿入される遅延時間に変化が生じる遅延回路である。
【0022】
図2の例では、半導体装置である被試験デバイスの試験を行う際に必要となるテスト信号TEST1A〜TEST8A、TEST1B〜TEST8Bが、各出力制御回路OTCTL1〜OTCTL8に入力されている。そして、この出力制御回路OTCTL1〜OTCTL8は、テスト信号TEST1B〜TEST8Bに、基準クロック信号CLKの1周期よりも短い遅延時間を挿入して、テスト信号TEST1'〜TEST8'として出力する。このような出力制御回路OTCTL1〜OTCTL8において、この可変遅延回路210が用いられている。
【0023】
テスト信号TEST1A〜TEST8Aは、各出力制御回路OTCTL1〜OTCTL8に設けられているドライバー回路DRV1〜DRV8のオン/オフを制御する信号である。すなわち、テスト信号TEST1A〜TEST8Aの論理レベルがハイレベルである場合には、ドライバー回路DRV1〜DRV8がオンとなり、各ドライバー回路DRV1〜DRV8は、入力端子に入力されたテスト信号TEST1B〜TEST8Bを、その出力端子から、テスト信号TEST1'〜TEST8'として、出力する。
【0024】
一方、テスト信号TEST1A〜TEST8Aの論理レベルがローレベルである場合には、ドライバー回路DRV1〜DRV8がオフとなり、各ドライバー回路DRV1〜DRV8は、テスト信号TEST1'〜TEST8'の出力は行わない。その代わりに、テスト信号TEST1'〜TEST8'は、図示しない被試験デバイスから出力されたテスト結果信号となり、比較回路COMP(H)、COMP(L)に入力される。なお、この場合、各ドライバー回路DRV1〜DRV8の出力端子は、ハイインピーダンスであるため、すべてのテスト信号TEST1'〜TEST8'が、比較回路COMP(H)、COMP(L)の入力端子に流れ込む。
【0025】
なお、この図2は、可変遅延回路210が用いられる回路構成の一例を示しているに過ぎず、実際には様々な処理回路で、この可変遅延回路210が用いられている。
【0026】
図3は、本実施形態に係る遅延信号生成回路300の回路構成の一例を示す図である。本実施形態においては、図3に示すように、パッケージIC200を、プリント基板上に載せて、電源制御ループ回路400や制御コンピュータユニット410、基準クロック信号生成ユニット450などの周辺回路を付加することにより、遅延信号生成回路300が構成されていてもよい。
【0027】
本実施形態に係るパッケージIC200内部においては、図2の回路構成に加えて、少なくとも、遅延位相比較回路420が設けられている。この遅延位相比較回路420と、パッケージIC200外部に設けられた電源制御ループ回路400と、制御コンピュータユニット410とにより、本実施形態に係る電源供給回路430が構成されている。この電源供給回路430により、パッケージIC200の電源供給端子に電源が供給されるとともに、その電源の電圧が制御される。
【0028】
電源供給回路430における遅延位相比較回路420は、可変遅延回路210と、インバータ440と、位相検出回路442と、チャージポンプ回路444とを、備えて構成されている。可変遅延回路210は、このパッケージIC200の他の部分に設けられている可変遅延回路210と同一の回路構成の回路である。なお、電源供給回路430以外の部分に設けられている可変遅延回路210の数は、任意であり、1又は複数の可変遅延回路210が、電源供給回路430の一部を構成する可変遅延回路210以外に設けられていればよい。
【0029】
この電源供給回路430における遅延位相比較回路420においては、可変遅延回路210と、インバータ440とに、基準クロック信号CLKが入力される。本実施形態においては、この基準クロック信号CLKは、例えば、5MHzのクロック信号であり、このパッケージIC200と同一のプリント基板上に設けられた基準クロック信号生成ユニット450で生成される。そして、この基準クロック信号生成ユニット450で生成された基準クロック信号CLKが、パッケージIC200のクロック供給端子に供給される。
【0030】
可変遅延回路210は、入力された基準クロック信号CLKを、この基準クロック信号CLKの半周期分遅延させるように設定されている。この例では、基準クロック信号CLKの周波数が5MHzであるので、1周期は200n秒である。したがって、この可変遅延回路210は、100n秒の遅延を基準クロック信号CLKに挿入して、クロック信号CLK1を出力する。一方、インバータ440は、入力された基準クロック信号CLKを反転して、クロック信号CLK2を出力する。このインバータ440で反転されたクロック信号CLK2と、可変遅延回路210で半周期分遅延したクロック信号CLK1は、位相検出回路442に入力される。
【0031】
位相検出回路442は、入力された2つのクロック信号CLK1、CLK2の位相を比較して、その位相差に応じて、制御信号をチャージポンプ回路444に出力する。ここで、可変遅延回路210では、基準クロック信号CLKに半周期分の遅延を挿入しており、インバータ440では、基準クロック信号CLKを反転している。したがって、クロック信号CLK1とクロック信号CLK2は、同一の位相になっているはずである。しかし、上述したように、ICの製造ばらつきや温度変化により、可変遅延回路210の遅延時間が変動してしまうことがある。可変遅延回路210の遅延時間が変動すると、クロック信号CLK1とクロック信号CLK2との間で、位相差が生じる。この位相差を、位相検出回路442で検出する。
【0032】
位相検出回路442は、検出した位相差に応じて、昇圧制御信号UPと降圧制御信号DOWNとのうちのいずれかの制御信号を、チャージポンプ回路444に出力する。例えば、位相検出回路442は、クロック信号CLK1の位相の方がクロック信号CLK2の位相より進んでいる場合には、降圧制御信号DOWNをハイレベルにして、昇圧制御信号UPをローレベルにする。これとは反対に、位相検出回路442は、クロック信号CLK1の位相の方がクロック信号CLK2の位相より遅れている場合には、昇圧制御信号UPをハイレベルにして、降圧制御信号DOWNをローレベルにする。
【0033】
チャージポンプ回路444は、この位相検出回路442から入力された制御信号に基づいて、電圧制御信号VLCNTを出力する。本実施形態においては、この電圧制御信号VLCNTは、0Vから1.8Vの間の電圧の信号である。チャージポンプ回路444は、位相検出回路442から降圧制御信号DOWNが入力されている場合には、電圧制御信号VLCNTの電圧をさらに下げるように制御を行い、位相検出回路442から昇圧制御信号UPが入力されている場合には、電圧制御信号VLCNTの電圧をさらに上げるように制御を行う。この電圧制御信号VLCNTは、パッケージIC200の制御出力端子から、パッケージIC200の外部に出力される。
【0034】
パッケージIC200から出力された電圧制御信号VLCNTは、上述した電源制御ループ回路400に入力される。この電源制御ループ回路400は、フィルタ回路460と、電源電圧供給回路470とを備えて、構成されている。
【0035】
フィルタ回路460は、電圧制御信号VLCNTのノイズを除去するための回路であり、電圧制御信号VLCNTのノイズの影響を無視できるような場合には、省くことも可能である。本実施形態においては、このフィルタ回路460は、抵抗462とキャパシタ464、466とを備えて構成されている。電圧制御信号VLCNTの信号配線とグランドとの間に、抵抗462とキャパシタ464とが直列に接続されている。また、これと並列に、キャパシタ466が接続されている。そして、このフィルタ回路460を介して、電圧制御信号VLCNTは、電源電圧供給回路470に入力されている。
【0036】
電源電圧供給回路470は、電源をパッケージIC200に供給する回路であるが、供給する電源の電圧は、入力された電圧制御信号VLCNTに応じて変化する。例えば、本実施形態においては、電圧制御信号VLCNTに基づいて、1.8V±10%の範囲で、パッケージIC200に供給される電源の電圧は変化をする。この電源電圧供給回路470から供給された電源は、パッケージIC200の電源供給端子に供給される。
【0037】
例えば、電源電圧供給回路470は、電圧制御信号VLCNTが0Vの場合には、1.8V×0.9=1.62Vの電源をパッケージIC200に供給し、電圧制御信号VLCNTが1.8Vの場合には、1.8V×1.1=1.98Vの電源をパッケージIC200に供給する。
【0038】
パッケージIC200の電源供給端子に供給された電源は、遅延位相比較回路420に設けられた可変遅延回路210に供給される。また、パッケージIC200において、遅延位相比較回路420以外の回路に設けられている他の遅延位相比較回路420にも供給される。本実施形態においては、例えば、図2のテスト信号TEST1'〜TEST8'を出力する出力制御回路OTCTL1〜OTCTL8において用いられている可変遅延回路210にも、この電源が供給される。従って、図2に示されている可変遅延回路210も、図3に示されている可変遅延回路210も、電源電圧供給回路470から供給された電源により、駆動されることとなる。
【0039】
以上のような電源供給回路430の構成により、図3における遅延位相比較回路420の可変遅延回路210は、クロック信号CLK1の位相がクロック信号CLK2の位相より進んでいる場合には、供給される電源電圧が次第に低くなるようにフィードバック制御され、クロック信号CLK1の位相がクロック信号CLK2の位相より遅れている場合には、供給される電源電圧が次第に高くなるようにフィードバック制御される。可変遅延回路210を構成する遅延バッファ回路DB(図4参照)は、供給される電源電圧が低くなるに従って、その遅延時間が長くなり、供給される電源電圧が高くなるに従って、その遅延時間が短くなる。このように、クロック信号CLK1とクロック信号CLK2との間の位相差が、解消されるように制御することにより、可変遅延回路210の遅延時間が、製造ばらつきや温度変化で変動したとしても、電源電圧を制御することにより修正することができるのである。
【0040】
これは、電源供給回路430に設けられている可変遅延回路210だけでなく、他の部分で用いられている可変遅延回路210も同様である。すなわち、1つのパッケージIC200内であれば、製造ばらつきや温度変化による可変遅延回路210の遅延時間の変動は、およそ同一傾向を示していると考えられる。したがって、電源供給回路430に設けられている可変遅延回路210を代表値とみなして制御することにより、他の部分で用いられている可変遅延回路210の遅延時間の変動も同様に制御できると考えられる。
【0041】
ただし、1つのパッケージIC200内においても、可変遅延回路210の遅延時間の変動が、必ずしも同一傾向を示さないことも想定される。特に、入力される信号の波形によって、可変遅延回路210の遅延時間にバラツキが生じたり、信号の波形が歪んだりしてしまう可能性もある。その理由を以下に詳細に説明する。
【0042】
図4は、パッケージIC200内に設けられてる可変遅延回路210の回路構成の一例を示す図である。上述したように、この可変遅延回路210の回路構成は、電源供給回路430に設けられている可変遅延回路210も、他の部分に設けられている可変遅延回路210も同一の回路構成である。
【0043】
この図4に示すように、本実施形態に係る可変遅延回路210は、遅延生成回路500と、正負反転回路510とを備えて、構成されている。
【0044】
正負反転回路510は、排他的論理和演算を行うEXOR回路512、514を備えて、構成されている。EXOR回路512の第1入力端子には、入力信号INSが入力されており、第2入力端子には、反転制御信号CNTが入力されている。電源供給回路430を構成する可変遅延回路210の場合には、入力信号INSとして、上述した基準クロック信号CLKが入力され、図2の出力制御回路OTCTL1〜OTCTL8を構成する可変遅延回路210の場合には、入力信号INSとして、上述したテスト信号TEST1A〜TEST8Aや、テスト信号TEST1B〜TEST8Bが入力される。
【0045】
反転制御信号CNTは、この可変遅延回路210を正論理で動作させるか、負論理で動作させるかを切り換えるための制御信号である。本実施形態においては、制御コンピュータユニット410が、この反転制御信号CNTを生成して、パッケージIC200の反転制御信号入力端子に供給し、各可変遅延回路210に供給される。
【0046】
具体的には、反転制御信号CNTの論理レベルがローレベルである0である場合(つまり正論理である場合)、EXOR回路512に入力された入力信号INSは、EXOR回路512の出力端子からそのままの論理レベルで出力される。一方、反転制御信号CNTの論理レベルがハイレベルである1である場合(つまり負論理である場合)、EXOR回路512に入力された入力信号INSは、論理レベルが反転して、EXOR回路512の出力端子から出力される。このEXOR回路512から出力された信号SG1は、遅延生成回路500に入力される。
【0047】
この遅延生成回路500は、遅延バッファ回路DBが1個だけ設けられた1段の遅延生成分岐回路と、遅延バッファ回路DBが2個直列に接続された2段の遅延生成分岐回路と、遅延バッファ回路DBが4個直列に接続された4段の遅延生成分岐回路と、遅延バッファ回路DBが8個直列に接続された8段の遅延生成分岐回路と、遅延バッファ回路DBが16個直列に接続された16段の遅延生成分岐回路と、遅延バッファ回路DBが32個直列に接続された32段の遅延生成分岐回路と、遅延バッファ回路DBが64個直列に接続された64段の遅延生成分岐回路と、遅延バッファ回路DBが128個直列に接続された128段の遅延生成分岐回路と、遅延バッファ回路DBが256個直列に接続された256段の遅延生成分岐回路とを備えて、構成されている。
【0048】
各遅延生成分岐回路の出力は、選択回路SELC0〜SELC8が設けられており、選択信号SE0〜SE8に基づいて、遅延生成分岐回路の出力、又は、この遅延生成分岐回路をバイパスした出力のいずれかが選択されて出力される。遅延生成分岐回路をバイパスした信号には、実質的な遅延は発生していない。このため、選択信号SE0〜SE8に基づいて、選択回路SELC0〜SELC8を適宜切り換えることにより、0段から511段の任意の段数の遅延を生成することができる。
【0049】
すなわち、正負反転回路510のEXOR回路512を介して、信号SG1が、この遅延生成回路500に入力される。信号SG1は、1段の遅延バッファ回路DBを介して、選択回路SELC0の第1入力端子に入力される。また、この信号SG1は、遅延バッファ回路DBを介さずに、直接、選択回路SELC0の第2入力端子に入力される。選択回路SELC0は、選択信号SE0に基づいて、第1入力端子からの入力か、第2入力端子からの入力かのいずれか一方を出力端子から出力する。
【0050】
選択回路SELC0の出力端子からの出力は、2段の遅延バッファ回路DBを介して、選択回路SELC1の第1入力端子に入力されるとともに、遅延バッファ回路DBを介さずに、直接、選択回路SELC1の第2入力端子に入力される。選択回路SELC1は、選択信号SE1に基づいて、第1入力端子からの入力か、第2入力端子からの入力かのいずれか一方を出力端子から出力する。
【0051】
このように、選択信号SE0〜SE8を用いて、選択回路SELC0〜SELC8の切り換えを行うことにより、任意の段数の遅延バッファ回路DBを構成することができる。例えば、遅延バッファ回路DBが5個分の遅延を生成する場合には、1段の遅延生成分岐回路と4段の遅延生成分岐回路とを用いることにより、5段分の遅延バッファ回路DBを形成することができる。
【0052】
この遅延生成回路500の最終的な出力である選択回路SELC8の出力端子からは、任意の遅延時間が挿入された信号SG2が出力され、これは、正負反転回路510に再び入力される。すなわち、遅延生成回路500から出力された信号SG2は、正負反転回路510のEXOR回路514の第1入力端子に入力される。一方、EXOR回路514の第2入力端子には、上述した反転制御信号CNTが入力される。
【0053】
このため、反転制御信号CNTの論理レベルがローレベルである0である場合(つまり正論理である場合)、EXOR回路514に入力された信号SG2は、EXOR回路514の出力端子からそのままの論理レベルで出力される。一方、反転制御信号CNTの論理レベルがハイレベルである1である場合(つまり負論理である場合)、EXOR回路514に入力された信号SG2は、論理レベルが反転して、EXOR回路514の出力端子から出力される。このEXOR回路514から出力された信号が、この可変遅延回路210の出力信号OUTSとなる。
【0054】
図5及び図6は、遅延バッファ回路DBにおける内部の回路構成の一例を示す図であり、これらの図では3個の遅延バッファ回路DBを直列に接続した回路図を例示している。これらの図に示すように、1つの遅延バッファ回路DBは、2つのCMOSインバータCMI1、CMI2により構成されている。前段に位置するCMOSインバータCMI1は、第1の電源電圧である電源VDDと、第2の電源電圧であるグランドとの間に、直列に接続されたPチャネルMOSトランジスタPM1とNチャネルMOSトランジスタNM1とを備えて構成されている。後段に位置するCMOSインバータCMI2は、第1の電源電圧である電源VDDと、第2の電源電圧であるグランドとの間に、直列に接続されたPチャネルMOSトランジスタPM2とNチャネルMOSトランジスタNM2とを備えて構成されている。この電源VDDが、上述した電源供給回路430から供給された電源である。
【0055】
前段のCMOSインバータCMI1におけるMOSトランジスタPM1、NM1のゲート端子には、この遅延バッファ回路DBへの入力信号が入力される。PチャネルMOSトランジスタPM1のドレイン端子と、NチャネルMOSトランジスタNM1のドレイン端子との間のノードは、後段のCMOSインバータCMI2におけるMOSトランジスタPM2、NM2のゲート端子に接続されている。これら、PチャネルMOSトランジスタPM2のドレイン端子と、NチャネルMOSトランジスタNM2のドレイン端子との間のノードから、この遅延バッファ回路DBの出力信号が出力される。
【0056】
図5及び図6の例は、ともに、3段の遅延バッファ回路DBを直列に接続した状態の内部回路図を例示しているが、その入力信号の論理レベルが異なっている。すなわち、図5では、遅延バッファ回路DBの外部から入力される入力信号が、ハイレベルの電源電圧VDDである。このため、各遅延バッファ回路DBにおける前段のCMOSインバータCMI1の入力がハイレベルであり、後段のCMOSインバータCMI2の入力がローレベルである。
【0057】
ここで、MOSトランジスタの一般的な特性として、ハイレベルの状態の入力信号が継続的に入力されると、その閾値電圧Vthが上昇してしまうという性質がある。このため、図5の例では、前段のCMOSインバータCMI1を構成するMOSトランジスタPM1、NM1の閾値電圧Vthが次第に高くなってしまう。一方、後段のCMOSインバータCMI2には、ローレベルの状態の入力信号が入力されるため、MOSトランジスタPM2、NM2の閾値電圧Vthは変化しない。
【0058】
これとは反対に、図6の例では、遅延バッファ回路DBの外部から入力される入力信号が、ローレベルの0Vである。このため、各遅延バッファ回路DBにおける前段のCMOSインバータCMI1の入力がローレベルであり、後段のCMOSインバータCMI2の入力がハイレベルである。このため、前段のCMOSインバータCMI1を構成するMOSトランジスタPM1、NM1の閾値電圧Vthは変化しないが、後段のCMOSインバータCMI2の閾値電圧Vthは次第に高くなってしまう。
【0059】
図2からも分かるように、パッケージIC200の回路内部には、一般的には、複数の可変遅延回路210が設けられている。可変遅延回路210に入力される入力信号の波形は、それぞれ、異なるため、可変遅延回路210毎に、CMOSインバータCMI1、CMI2に入力される信号の論理レベルは異なる。この結果、可変遅延回路210毎に、CMOSインバータCMI1、CMI2を構成するMOSトランジスタPM1、PM2、NM1、NM2の閾値電圧Vthの値が、次第にバラバラになってしまうことになる。
【0060】
図7は、CMOSインバータCMI1、CMI2を構成するMOSトランジスタPM1、PM2、NM1、NM2の閾値電圧Vthが適正に設定された状態における、入力信号が3個の遅延バッファ回路DB(つまり6個のCMOSインバータ)を伝播する際の信号波形の一例を示している。この図7におけるノードa〜ノードgは、図5及び図6のノードa〜ノードgに対応している。この図7から分かるように、ノードaに入力信号が入力されると、ノードb〜ノードgには、順次、この入力信号を反転し且つ遅延させた信号が出力される。ノードgに現れた入力信号の波形は、ノードaに現れた入力信号の波形より、3つの遅延バッファ回路DBによって生じる遅延時間分、遅れている。図7では、MOSトランジスタPM1、PM2、NM1、NM2の閾値電圧Vthが適正に設定されているので、入力信号がローレベルからハイレベルに切り替わる立ち上がりの部分の遅延時間と、ハイレベルからローレベルに切り替わる立ち下がりの部分の遅延時間は、同等になっている。
【0061】
一方、図8は、前段のCMOSインバータCMI1を構成するMOSトランジスタPM1、NM1の閾値電圧Vthが上昇した場合における、入力信号が3個の遅延バッファ回路DB(つまり6個のCMOSインバータ)を伝播する際の信号波形の一例を示しており、図7に対応する図である。この図8に示すように、ノードaに、入力信号が入力されると、ノードb〜ノードgに、順次、この入力信号を反転し且つ遅延させた信号が出力される。但し、ノードgに現れた入力信号の波形は、入力信号がローレベルからハイレベルに切り替わる立ち上がりの部分の遅延時間よりも、ハイレベルからローレベルに切り替わる立ち下がりの部分の遅延時間の方が、短くなっている。このため、ノードgにおける入力信号のハイレベルの時間が、ノードaにおける、もとの入力信号のハイレベルの時間よりも、短くなってしまっている。
【0062】
この図8と反対に、図9は、後段のCMOSインバータCMI2を構成するMOSトランジスタPM2、NM2の閾値電圧Vthが上昇した場合における、入力信号が3個の遅延バッファ回路DB(つまり6個のCMOSインバータ)を伝播する際の信号波形の一例を示している。この図9も、図7に対応している図であり、ノードaに、入力信号が入力されると、ノードb〜ノードgに、順次、この入力信号を反転し且つ遅延させた信号が出力される。但し、ノードgに現れた入力信号の波形は、入力信号がローレベルからハイレベルに切り替わる立ち上がりの部分の遅延時間よりも、ハイレベルからローレベルに切り替わる立ち下がりの部分の遅延時間の方が、長くなっている。このため、ノードgにおける入力信号のハイレベルの時間が、ノードaにおける、もとの入力信号のハイレベルの時間よりも、長くなってしまっている。
【0063】
これら図8及び図9から分かるように、前段のCMOSインバータCMI1を構成するMOSトランジスタPM1、NM1の閾値電圧Vthの上昇と、後段のCMOSインバータCMI2を構成するMOSトランジスタPM2、NM2の閾値電圧Vthの上昇が、不揃いになるのは好ましくない。
【0064】
そこで、本実施形態においては、図10に示すような反転制御信号CNTを可変遅延回路210に入力し、所定の周期で可変遅延回路210の正論理と負論理を切り換えるようにしている。この図10におけるTEST1B、TEST2B、TEST3Bは、それぞれ、図4の可変遅延回路210における遅延生成回路500に入力されるテスト信号の一例を示している。すなわち、テスト信号TEST1B、TEST2B、TEST3Bは、正負反転回路510におけるEXOR回路512の出力信号SG1の一例を示している。
【0065】
本実施形態に係る可変遅延回路210と対比するために、図11に、正負反転回路510が設けられていない可変遅延回路600を示す。この可変遅延回路600は、図4の遅延生成回路500を備えており、この遅延生成回路500に、入力信号として、テスト信号TEST1B、TEST2B、TEST3Bが入力され、出力信号として、所望の遅延が挿入されたテスト信号TEST1'、TEST2'、TEST3'が出力される。
【0066】
この図12に示すテスト信号の波形は、本実施形態に係る可変遅延回路210に入力されるテスト信号の波形でもある。すなわち、図12に示すテスト信号TEST1B、TEST2B、TEST3Bが、本実施形態に係る可変遅延回路210の入力信号INSとして入力されると、図10に示す波形のテスト信号TEST1B、TEST2B、TEST3Bが、EXOR回路512から出力されるのである。なお、図11の可変遅延回路600には、反転制御信号CNTは必要とされていないため、入力されない。
【0067】
これら図10及び図12において、試験期間T1、T2、T3は、テスト信号を供給して試験を行う単位を示している。例えば、1度に1つの被試験デバイスに対して試験を行う場合を想定すると、この1つの被試験デバイスに対して試験が開示され、終了するまでが、1つの試験期間となる。この間、様々な波形のテスト信号が被試験デバイスに供給される。1度に複数の被試験デバイスに対して同時に試験を行う場合を想定すると、試験期間T1、T2、T3は、複数の被試験デバイスに対して行う1つの試験期間を表している。換言すれば、被試験デバイスの試験を行うための一連のテスト信号の開始から終了までが、1つの試験期間となる。
【0068】
図10から分かるように、本実施形態に係る可変遅延回路210においては、反転制御信号CNTのハイレベルとローレベルとが、1試験期間毎に切り替わる。このため、図4の可変遅延回路210における遅延生成回路500は、試験期間毎に、正論理と負論理が交互に切り替わるようになる。上述したように、反転制御信号CNTは、制御コンピュータユニット410が生成するが、この制御コンピュータユニット410は、被試験デバイスに供給するテスト信号も生成する。このため、被試験デバイスにテスト信号を供給して試験を行うための試験期間が終了した時点で、制御コンピュータユニット410は、この反転制御信号CNTの論理レベルを反転して、次の被試験デバイスの試験を行う。
【0069】
例えば、この図10の例においては、試験期間T1では、反転制御信号CNTがローレベルである。このため、この反転制御信号CNTが入力された可変遅延回路210の遅延生成回路500は、正論理で動作する。続いて、試験期間T2では、反転制御信号CNTがハイレベルである。このため、この反転制御信号CNTが入力された可変遅延回路210の遅延生成回路500は、負論理で動作する。試験期間T3では、反転制御信号CNTがローレベルである。このため、この反転制御信号CNTが入力された可変遅延回路210の遅延生成回路500は、正論理で動作する。
【0070】
この結果、テスト信号TEST1B、TEST2B、TEST3Bが1試験期間毎に反転するので、数多くの被試験デバイスの試験を行うテスト工程全体でみると、テスト信号TEST1B、TEST2B、TEST3Bがハイレベル(電源電圧VDD)になる時間と、ローレベル(0V)になる時間とを、同一にすることができる。このため、遅延バッファ回路DBの前段に設けられているCMOSインバータCMI1を構成するMOSトランジスタPM1、NM1の閾値電圧Vthの上昇と、後段に設けられているCMOSインバータCMI2を構成するMOSトランジスタPM2、NM2の閾値電圧Vthの上昇を、均一にすることができる。
【0071】
図13は、遅延バッファ回路DBの前段に設けられているCMOSインバータCMI1を構成するMOSトランジスタPM1、NM1の閾値電圧Vthの上昇と、後段に設けられているCMOSインバータCMI2を構成するMOSトランジスタPM2、NM2の閾値電圧Vthの上昇とが、同一だった場合における、入力信号が3個の遅延バッファ回路DB(つまり6個のCMOSインバータ)を伝播する際の信号波形の一例を示す図であり、上述した図7乃至図9に対応する図である。この図13から分かるように、ノードaとノードbに現れた信号波形を見ると、前段のCMOSインバータCMI1を通過して、ハイレベルからローレベルに切り替わる立ち下がりでは、遅延時間が減少している。しかし、ノードbとノードcに現れた波形をみると、この立ち下がった波形が、後段のCMOSインバータCMI2を通過して、ローレベルからハイレベルに立ち上がる際には、遅延時間が増大している。これは、他の遅延バッファ回路DBの前段と後段のCMOSインバータCMI1、CMI2でも同様であり、遅延時間の増減は相殺されることを意味している。このため、ノードgに現れる信号波形は、立ち上がりの遅延時間と立ち下がりの遅延時間は実質的に等しくなり、ノードaに入力された信号波形に歪みを生じさせることなく、遅延時間を挿入することができる。
【0072】
一方、従来の図12の例においては、テスト信号TEST1B、TEST2B、TEST3Bが試験期間毎に反転しないため、入力される信号の波形によって、ハイレベル(電源電圧VDD)になる時間が長いCMOSインバータと、ローレベル(0V)になる時間が長いCMOSインバータとができてしまう。例えば、テスト信号TEST1Bが入力される可変遅延回路210では、ハイレベルのテスト信号TEST1Bが入力されている時間よりも、ローレベルのテスト信号TEST1Bが入力されている時間の方が長い。このため、遅延バッファ回路DBの前段に設けられているCMOSインバータCMI1を構成するMOSトランジスタPM1、NM1の閾値電圧Vthの上昇よりも、後段に設けられているCMOSインバータCMI2を構成するMOSトランジスタPM2、NM2の閾値電圧Vthの上昇の方が、大きくなってしまう。この結果、図9を用いて説明したように、ノードgに現れる信号波形は、ローレベルからハイレベルに切り替わる立ち上がりの遅延時間が、ハイレベルからローレベルに切り替わる立ち下がりの遅延時間よりも、小さくなり、信号波形のハイレベルの期間が長くなってしまう。
【0073】
また、例えば、テスト信号TEST2Bが入力される可変遅延回路210では、ローレベルのテスト信号TEST2Bが入力されている時間よりも、ハイレベルのテスト信号TEST2Bが入力されている時間の方が長い。このため、遅延バッファ回路DBの後段に設けられているCMOSインバータCMI2を構成するMOSトランジスタPM2、NM2の閾値電圧Vthの上昇よりも、前段に設けられているCMOSインバータCMI1を構成するMOSトランジスタPM1、NM1の閾値電圧Vthの上昇の方が、大きくなってしまう。この結果、図8を用いて説明したように、ノードgに現れる信号波形は、ローレベルからハイレベルに切り替わる立ち上がりの遅延時間が、ハイレベルからローレベルに切り替わる立ち下がりの遅延時間よりも、大きくなり、信号波形のハイレベルの期間が短くなってしまう。
【0074】
このテスト信号TEST1B〜TEST8Bと同じことが、テスト信号TEST1A〜TEST8Aにも言える。すなわち、図2に示したパッケージIC200内に設けられている各出力制御回路OTCTL1〜OTCTL8の可変遅延回路210においては、テスト信号TEST1A〜TEST8Aとテスト信号TEST1B〜TEST8Bが1試験期間毎に反転するので、数多くの被試験デバイスの試験を行うテスト工程全体でみると、テスト信号TEST1A〜TEST8A、TEST1B〜TEST8Bがハイレベル(電源電圧VDD)になる時間と、ローレベル(0V)になる時間とを、同一にすることができる。このため、遅延バッファ回路DBの前段に設けられているCMOSインバータCMI1を構成するMOSトランジスタPM1、NM1の閾値電圧Vthの上昇と、後段に設けられているCMOSインバータCMI2を構成するMOSトランジスタPM2、NM2の閾値電圧Vthの上昇を、このパッケージIC200内で、均一にすることができるのである。
【0075】
以上のように、本実施形態に係る遅延信号生成回路300によれば、パッケージIC200の内部に設けられた可変遅延回路210を用いて、電源供給回路430を構成し、この可変遅延回路210で生じる遅延が、予め定められた遅延時間となるように、このパッケージIC200に供給する電源電圧を制御することとした。このため、同じパッケージIC200内で、この電源電圧に基づいて動作する他の可変遅延回路210の遅延時間も、予め定められた遅延時間となるように制御することができる。
【0076】
したがって、このパッケージIC200内に設けられている可変遅延回路210の遅延時間に、製造バラツキや温度変化に起因する変動が生じたとしても、パッケージIC200に供給する電源電圧を調整することにより、これを吸収することができる。換言すれば、電源供給回路430に設けられた可変遅延回路210を、パッケージIC200内の他の可変遅延回路210を代表する回路であるととらえ、この代表の可変遅延回路210の遅延時間が、予め定められた遅延時間となるように電源の電圧を制御することにより、他の可変遅延回路210も同様に、予め定められた遅延時間に修正されると考えられるのである。
【0077】
さらに、本実施形態に係る遅延信号生成回路300によれば、パッケージIC200内に設けられた可変遅延回路210の遅延生成回路500を、反転制御信号CNTにより、所定の周期である1試験期間毎に、正論理と負論理を切り換えて、動作させるようにしたので、遅延生成回路500内に設けられた遅延バッファ回路DBを構成するMOSトランジスタの閾値電圧の上昇を、前段のCMOSインバータCMI1と後段のCMOSインバータCMI2とで揃えることができる。このため、可変遅延回路210の遅延生成回路500に入力された信号に変形を生じさせることなく、遅延時間を挿入することができる。
【0078】
また、電源供給回路430の一部を構成する可変遅延回路210と、同じパッケージIC200内の他の部分に設けられた可変遅延回路210におけるMOSトランジスタの閾値の上昇を均一なものとさせることができ、電源供給回路430による電源電圧の制御により、このパッケージIC200内に設けられた可変遅延回路210の遅延時間の制御を、より有効に働かせることができるようになる。
【0079】
なお、本発明は上記実施形態に限定されず種々に変形可能である。例えば、上述した実施形態においては、1試験期間毎に、反転制御信号CNTのハイレベルとローレベルとを切り換えて、1試験期間毎に、可変遅延回路210の正論理と負論理を反転させることとしたが、この切り替えの周期は、1試験期間に限られるものではない。例えば、2試験期間毎、4試験期間毎など、所定の周期で、反転制御信号CNTのハイレベルとローレベルとを切り換えて、可変遅延回路210の正論理と負論理を反転させてもよい。
【0080】
また、上述した実施形態では、可変遅延回路210に、正論理と負論理とを所定の周期で切り替えるための正負反転回路510を設けることとしたが、この正負反転回路510は省くことも可能である。例えば、1つのパッケージIC200内の可変遅延回路210における遅延バッファ回路DBを構成するMOSトランジスタの閾値の変動が同一傾向を示す場合や、そもそも無視できるような場合には、可変遅延回路210に正負反転回路510を設ける必要はない。
【0081】
また、上述した実施形態では、遅延バッファ回路DBをMOSトランジスタで構成する場合を例に説明したが、これは、MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタに限られるものではなく、例えば、MIS(Metal Insulator Semiconductor)トランジスタなどの電界効果型トランジスタで構成する場合であっても、本発明を提供することができる。さらには、製造バラツキや温度変化で遅延時間が変動するとともに、ハイレベル又はローレベルの状態が継続することにより閾値電圧が変化してしまうトランジスタで遅延バッファ回路DBを構成している場合には、本発明を適用することができる。
【0082】
また、上述した実施形態では、制御コンピュータユニット410が生成した反転制御信号CNTは、パッケージIC200に設けられた反転制御信号入力端子を介して、パッケージIC200に入力されるようにしたが、この反転制御信号CNTは、レジスタを介して、入力されるようにしてもよい。例えば、制御コンピュータユニット410は、反転制御信号を生成し、この生成した反転制御信号に相当する値を、パッケージIC200のレジスタに書き込み、このレジスタに書き込まれた値に応じて、パッケージIC200は、反転制御信号CNTを生成し、可変遅延回路210に供給するようにしてもよい。
【0083】
また、上述した実施形態では、電源供給回路430の遅延位相比較回路420は、基準クロック信号CLKの半周期分の遅延時間を可変遅延回路210で生成して、基準クロック信号CLKの位相と、可変遅延回路210で遅延されたクロック信号の位相とを比較したが、位相の比較手法はこれに限定されるものではない。例えば、遅延位相比較回路420は、基準クロック信号CLKの1周期分の遅延時間を可変遅延回路210で生成して、基準クロック信号CLKの位相と比較するようにしてもよい。
【0084】
また、上述した実施形態では、電源供給回路430以外の部分に設けられた可変遅延回路210に入力される入力信号が、テスト信号である場合を例に、本発明を説明したが、この可変遅延回路210に入力される入力信号は、テスト信号に限られるものではなく、クロック信号や制御信号など、様々な種類の信号が入力信号として入力される場合でも、本発明を適用することができる。
【0085】
また、上述した実施形態では、パッケージIC200で用いられている遅延回路が、遅延時間を変更できる可変遅延回路210である場合を例に本発明を説明したが、本発明で用いられる遅延回路は、必ずしも遅延時間を変更できる必要はない。すなわち、入力信号に対して、予め定められた所定の遅延時間を挿入して、遅延出力信号として出力する遅延回路であれば、本発明を適用することができる。
【0086】
また、上述した実施形態では、電源供給回路430を構成する回路のうち、フィルタ回路460と電源電圧供給回路470とをパッケージIC200の外部に設け、遅延位相比較回路420をパッケージIC200の内部に設けることとしたが、パッケージIC200の内部に設ける回路構成分と、パッケージIC200の外部に設ける回路構成部分とを、どのように切り分けるかは任意に変更可能である。
【符号の説明】
【0087】
200 パッケージIC
210 可変遅延回路
300 遅延信号生成回路
400 電源制御ループ回路
410 制御コンピュータユニット
420 遅延位相比較回路
430 電源供給回路
440 インバータ
450 基準クロック信号生成ユニット
460 フィルタ回路
470 電源電圧供給回路
500 遅延生成回路
510 正負反転回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号が入力され、前記入力信号を、所定の時間遅延させて、遅延出力信号として出力する、1又は複数の第1遅延回路であって、供給される電源の電圧によって、その遅延時間が変化する第1遅延回路と、
入力クロック信号が入力され、前記入力クロック信号を、所定の時間遅延させて、遅延クロック信号として出力する、第2遅延回路であって、前記第1遅延回路と同一の回路構成を有しており、供給される電源の電圧によって、その遅延時間が変化する第2遅延回路と、前記第1遅延回路と前記第2遅延回路に電源を供給する、制御電源回路とを有する、電源供給回路と、
を備えるとともに、
前記制御電源回路は、前記入力クロック信号と前記遅延クロック信号との間の位相差を検出し、前記位相差に基づいて、前記入力クロック信号と前記遅延クロック信号との間の位相差が解消されるように、前記第1遅延回路と前記第2遅延回路に供給する電源の電圧を制御する、
ことを特徴とする遅延信号生成回路。
【請求項2】
前記第1遅延回路は、正論理で前記入力信号に基づいて前記遅延出力信号を出力する期間と、負論理で前記入力信号に基づいて前記遅延出力信号を出力する期間とが、所定の周期で切り替わるように構成されており、
前記第2遅延回路は、正論理で前記入力クロック信号に基づいて前記遅延クロック信号を出力する期間と、負論理で前記入力クロック信号に基づいて前記遅延クロック信号を出力する期間とが、所定の周期で切り替わるように構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の遅延信号生成回路。
【請求項3】
前記第1遅延回路は、
前記正論理と前記負論理とを反転して切り替える、第1正負反転回路と、
前記第1正負反転回路を介して前記入力信号が入力され、前記入力信号に、1又は複数の遅延バッファ回路を用いて、前記遅延時間を挿入して、前記遅延出力信号を生成し、前記正負反転回路に出力する、第1遅延生成回路と、
を備えており、
前記第1正負反転回路は、
反転制御信号と前記入力信号とが入力され、
前記反転制御信号が第1論理レベルである場合には、前記入力信号の論理レベルを反転することなく前記第1遅延生成回路に出力し、前記第1遅延生成回路から入力された前記遅延出力信号の論理レベルを反転することなく出力するとともに、
前記反転制御信号が第2論理レベルである場合には、前記入力信号の論理レベルを反転して、前記第1遅延生成回路に出力し、前記第1遅延生成回路から入力された前記遅延出力信号の論理レベルを反転して出力する、
とともに、
前記第2遅延回路は、
前記正論理と前記負論理とを反転して切り替える、第2正負反転回路と、
前記第2正負反転回路を介して前記入力クロック信号が入力され、前記入力クロック信号に、1又は複数の遅延バッファ回路を用いて、前記遅延時間を挿入して、前記遅延クロック信号を生成し、前記第2正負反転回路に出力する、第2遅延生成回路と、
を備えており、
前記第2正負反転回路は、
前記反転制御信号と前記入力クロック信号とが入力され、
前記反転制御信号が第1論理レベルである場合には、前記入力クロック信号の論理レベルを反転することなく前記第2遅延生成回路に出力し、前記第2遅延生成回路から入力された前記遅延クロック信号の論理レベルを反転することなく出力するとともに、
前記反転制御信号が第2論理レベルである場合には、前記入力クロック信号の論理レベルを反転して、前記第2遅延生成回路に出力し、前記第2遅延生成回路から入力された前記遅延クロック信号の論理レベルを反転して出力する、
ことを特徴とする請求項2に記載の遅延信号生成回路。
【請求項4】
前記遅延バッファ回路は、入力された信号を反転して出力する第1インバータと第2インバータとを直列に接続して構成されている、ことを特徴とする請求項3に記載の遅延信号生成回路。
【請求項5】
前記第1インバータと前記第2インバータは、それぞれ、MISトランジスタにより構成されている、ことを特徴とする請求項4に記載の遅延信号生成回路。
【請求項6】
前記第1インバータと前記第2インバータは、それぞれ、PチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタとを直列に接続して構成されたCMOSインバータにより構成されている、ことを特徴とする請求項4に記載の遅延信号生成回路。
【請求項7】
前記第1正負反転回路は、
前記反転制御信号と前記入力信号とが入力され、その排他的論理和を、前記第1遅延生成回路に出力する、第1論理回路と、
前記反転制御信号と前記遅延出力信号とが入力され、その排他的論理和を出力する、第2論理回路と、
を備えており、
前記第2正負反転回路は、
前記反転制御信号と前記入力クロック信号とが入力され、その排他的論理和を、前記第2遅延生成回路に出力する、第3論理回路と、
前記反転制御信号と前記遅延クロック信号とが入力され、その排他的論理和を出力する、第4論理回路と、
を備える、
ことを特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれかに記載の遅延信号生成回路。
【請求項8】
前記第1遅延回路に入力される前記入力信号は、被試験デバイスの試験を行うためのテスト信号であり、
前記第1遅延回路と前記第2遅延回路において、前記正論理と前記負論理とを切り替える前記所定の周期は、1又は複数の被試験デバイスに対して前記テスト信号を供給して1つの試験を行う試験期間を単位として定められる、ことを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれかに記載の遅延信号生成回路。
【請求項9】
前記第1遅延回路と前記第2遅延回路においては、前記正論理と前記負論理とを、1試験期間毎に切り替える、ことを特徴とする請求項8に記載の遅延信号生成回路。
【請求項10】
所定の周期で第1の論理レベルと第2の論理レベルとが切り替わる反転制御信号と、前記第1の論理レベルと前記第2の論理レベルとにより形成された所定の波形の第1信号とが入力され、前記反転制御信号の論理レベルに基づいて、前記第1信号の論理レベルを反転することなく第2信号として出力するか、前記第1信号の論理レベルを反転して第2信号として出力するかを切り替えて出力する、第1切替回路と、
前記第1切替回路から出力された前記第2信号が入力され、前記第2信号に、所定の遅延時間を挿入して、第3信号として出力する、遅延生成回路と、
前記反転制御信号と、前記遅延生成回路から出力された前記第3信号とが入力され、前記反転制御信号の論理レベルに基づいて、前記第3信号の論理レベルを反転することなく第4信号として出力するか、前記第3信号の論理レベルを反転して第4信号として出力するかを切り替えて出力する、第2切替回路と、
を備えることを特徴とする遅延回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−288273(P2010−288273A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116550(P2010−116550)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【分割の表示】特願2009−142071(P2009−142071)の分割
【原出願日】平成21年6月15日(2009.6.15)
【出願人】(390005175)株式会社アドバンテスト (1,005)
【Fターム(参考)】