説明

遊技システム

【課題】複数の遊技者が同時に興奮することができる演出を行うことが可能な遊技機を提供すること。
【解決手段】遊技機と、撮影装置と、情報表示装置とを備え、遊技機は、撮影装置から出力される映像信号に基づく映像を表示する一方、遊技の状況又は結果の情報を示すデータを情報表示装置に出力することを特徴とする遊技システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、パチスロ遊技装置やスロットマシン等の遊技機を含む遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、パチスロ遊技装置(例えば、特許文献1参照)等の遊技機では、スピーカから発せられる音、筐体の周囲等に設けられた電飾ランプの表示態様、液晶表示装置等に表示される画像等によって様々な演出が表現されている。しかしながら、パチスロ遊技装置における演出は、パチスロ遊技装置ごとに独立して行われるため、遊技者は孤立した状況におかれ、複数の遊技者が同時に興奮するような規模の大きい盛り上がりは得られなかった。
【0003】
これに対して、従来、遊技機が設置された遊技店(所謂パチスロホール)においては、遊技機でボーナスゲーム等が発生すると、例えば、店内アナウンスで報知したり、店内のBGMを変化させたりというように、ボーナスゲームの興奮を更に高揚させるようなサービスを提供することが行われている。しかしながら、遊技者の意識を遊技機に向け続けさせなければならないことから、そのようなサービスとして視覚的な演出を行うことは困難であり、複数の遊技者が夫々遊技機を介して同時に興奮するような規模の大きい盛り上がりを与えることが困難であった。
【0004】
【特許文献1】特開2000−210413号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、従来の遊技機は、複数隣接して配置され、多くの遊技者が同時に遊技を行っているにも拘わらず、各遊技者は、夫々孤立して遊技を行っており、そのような点から、複数の遊技者が同時に興奮することができる演出が求められている。
【0006】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の遊技者が同時に興奮することができる演出を行うことが可能な遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0007】
以上のような目的を達成するために、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1) 遊技機と、
所定の被写体を撮影可能な位置に設置され、前記被写体を撮影して映像信号を出力する撮影装置と、
前記遊技機から出力されるデータを受信し、該データが示す情報を前記被写体に対して伝達可能な態様で表示する情報表示装置と
を備えた遊技システムであって、
前記遊技機は、
映像の表示が可能な表示手段と、
前記撮影装置から出力される映像信号に基づく映像を前記表示手段に表示する処理を行う表示制御手段と、
複数の識別情報の変動表示と停止表示と行う変動表示手段と、
複数種類の内部当籤役の中から選択される内部当籤役を決定する決定手段と、
少なくとも前記決定手段により決定された内部当籤役に基づいて、前記変動表示手段により複数の識別情報の変動表示を行った後に停止表示し、停止表示された識別情報の組合せに応じた遊技媒体の払い出しを行う遊技を実行する遊技実行手段と、
前記遊技の状況又は結果の情報を示すデータを出力する出力手段と
を備えたことを特徴とする遊技システム。
【0008】
(1)の発明によれば、遊技機から、遊技の状況又は結果の情報(例えば内部当籤役を示す情報)を示すデータが情報表示装置に出力される。情報表示装置は、遊技機から出力されるデータを受信し、そのデータが示す情報を、被写体(例えば女性)に対して伝達可能な態様(例えば、画像、音声等)で表示する。
【0009】
従って、被写体は、遊技の状況又は結果の情報を認識することができ、その情報に応じた言動を行うことができる。被写体が遊技の状況又は結果の情報に応じて行った言動は、撮影装置によって撮影される。撮影装置は、被写体を撮影して映像信号を遊技機に対して出力する。遊技機は、撮影装置から出力される映像信号に基づく映像を表示手段に表示する。その結果、遊技者は、表示手段を介して被写体が遊技の状況又は結果の情報に応じて行った言動を認識することができる。
【0010】
このように、(1)の発明によれば、遊技者に対して、表示手段を介して、被写体が遊技の状況又は結果の情報に応じて行った言動を伝達することができ、リアルタイムで被写体を生中継し、被写体により遊技の状況又は結果の情報を伝達する演出を行うことができる。従って、複数台の遊技機を備えることにより、複数の遊技者が同時に興奮することができる演出を行うことができる。
【0011】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(2) 上記(1)の遊技システムであって、
前記遊技の状況又は結果の情報は、前記決定手段により決定された内部当籤役を示す情報を含むことを特徴とする。
【0012】
(2)の発明によれば、遊技者に対して、表示手段を介して、被写体が内部当籤役を示す情報に応じて行った言動を伝達することができ、リアルタイムで被写体を生中継し、被写体により内部当籤役の報知演出を行うことができる。
【0013】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(3) 上記(1)又は(2)の遊技システムであって、
前記遊技機を複数台備え、
前記遊技の状況又は結果の情報は、当該遊技機を他の遊技機と識別するための識別情報を含むことを特徴とする。
【0014】
(3)の発明によれば、被写体は、情報表示装置を介して伝達される遊技の状況又は結果の情報が、どの遊技機における情報であるかを認識することができるため、被写体は、例えば、遊技の状況又は結果の情報の発信元の遊技機に対して、その情報に応じた言動を行うことができる。
従って、複数の遊技機に対して映像をリアルタイムで中継する場合に、特定の遊技者を対象とした映像の配信が可能となる。
【0015】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(4) 上記(3)の遊技システムであって、
前記撮影装置を複数台備え、更に、
複数台の前記撮像装置及び複数台の前記遊技機と通信可能に接続された制御装置を備えた遊技システムであり、
前記制御装置は、
複数台の前記撮像装置の夫々から映像信号を受信する信号受信手段と、
複数台の前記遊技機から前記遊技の状況又は結果の情報を示すデータを受信するデータ受信手段と、
前記遊技の状況又は結果の情報を示すデータに基づいて複数台の前記撮影装置から選択される1台の前記撮影装置から出力される映像信号を、当該遊技機に対して送信する信号送信手段と
を備えたことを特徴とする。
【0016】
(4)の発明によれば、制御装置は、各遊技機から遊技の状況又は結果の情報を示すデータを受信し、そのデータに基づいて、各遊技機に対して、どの撮影装置から出力される映像信号を供給するかを選択し、映像信号を送信する。
【0017】
このように、(4)の発明によれば、各遊技機に対して、その遊技機から受信した遊技の状況又は結果の情報に基づいて、どの撮影装置により撮影された映像信号を出力するかを決定する。従って、例えば、イベントとして所定期間において最も早くボーナスゲームに入賞した遊技機や、所定期間において所謂目押し操作の成功率が最も高い遊技機に対して、特定の撮影装置から出力される映像信号を供給する構成を採用することが可能となり、映像の配信にゲーム性を加え、付加的な面白さを加えることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(遊技システムの構成)
図1は、本発明の遊技システムの一例を模式的に示す図である。
本発明の遊技システム300は、複数台のパチスロ遊技装置1(1A〜1H)と、制御装置310と、情報表示装置320と、複数台の撮影装置330(330A〜330F)とを備えている。
【0019】
情報表示装置320と、複数台の撮影装置330(330A〜330F)とは、パチスロ遊技装置1(1A〜1H)が設置されている遊技場(所謂パチスロホール、図示せず)とは別の個室350に設置されている。情報表示装置320は、例えば、個室350の壁面に設置されている。1台の撮影装置330Aは、情報表示装置320の前方に設置されており、4台の撮影装置330B〜330Eは、個室350の天井の四隅に設置されており、1台の撮影装置330Fは、個室350の床面に設置されている。
【0020】
個室350には、被写体である女性340が存在しており、撮影装置330A〜330Fは、夫々異なるアングルで女性340を撮影可能な位置に設置されている。また、情報表示装置320は、女性340に対して情報を伝達可能な位置(女性340が画像を視認可能な位置)に設置されている。
【0021】
パチスロ遊技装置1A〜1Hは、配線301を介して、制御装置310に接続されており、制御装置310には、情報表示装置320、及び、撮影装置330A〜330Fが接続されている。
撮影装置330A〜330Fは、夫々女性340を撮影して得られる映像信号を制御装置310に送信する。
パチスロ遊技装置1A〜1Hは、夫々、制御装置310に対して、遊技情報を送信する。遊技情報には、内部当籤役又は入賞役を示す情報と、パチスロ遊技装置1を他のパチスロ遊技装置1と識別するための識別情報とが含まれる。
【0022】
制御装置310は、各パチスロ遊技装置1A〜1Hから受信した遊技情報に基づいて、パチスロ遊技装置1A〜1Hの夫々に対して、撮影装置330A〜330Fから供給される映像信号のうち、どの映像信号を送信するかを決定する処理を行う。そして、その決定結果に基づいて、各パチスロ遊技装置1A〜1Hに対して、撮影装置330A〜330Fから供給される映像信号の何れか1つを送信する。
【0023】
具体的に、遊技システム300において、制御装置310は、下記(A)〜(C)のように映像信号を送信する。
(A)制御装置310は、内部当籤役「ボーナスゲーム」(BB又はRB)を示す情報を制御装置310に送信したパチスロ遊技装置1に対して、入賞役「ボーナスゲーム」を示す情報をそのパチスロ遊技装置1から受信するまでの期間にわたって、撮影装置330Fからの映像信号を送信する。
(B)制御装置310は、入賞役「ボーナスゲーム」(BB又はRB)を示す情報を制御装置310に送信したパチスロ遊技装置1に対して、所定期間にわたって、撮影装置330Aからの映像信号を送信する。
(C)制御装置310は、上記(A)及び(B)以外のパチスロ遊技装置1に対しては、夫々、撮影装置330B〜330Eのうち、どの撮影装置330の映像信号を送信するかを、乱数値を用いた抽籤により決定し、決定結果に基づいて、各パチスロ遊技装置1に映像信号を送信する。
【0024】
従って、遊技システム300によれば、複数のパチスロ遊技装置1A〜1Hに、被写体である女性340の映像がリアルタイムで配信されるため、複数の遊技者が同時に興奮することができる演出を行うことができる。
【0025】
また、遊技者は、「ボーナスゲーム」に内部当籤するまでは、個室350の天井四隅に設置された撮影装置330B〜330Eからの映像しか見ることができず、「ボーナスゲーム」に内部当籤すると、個室350の床面に設置された撮影装置330Fからの女性340のローアングル映像を見ることができ、更に、「ボーナスゲーム」に入賞すると、個室350の壁面に設置された撮影装置330Aからの女性340の正面映像を見ることができる。従って、早く「ボーナスゲーム」に内部当籤、入賞することで、通常時には見ることができないアングルで、被写体である女性340を見ることができる。
【0026】
(パチスロ遊技装置1の機械的構成)
図2は、本発明の遊技システムを構成するパチスロ遊技装置を模式的に示す斜視図である。
図3は、ミニゲームを模式的に示す説明図である。
パチスロ遊技装置1は、複数の図柄の変動表示を入賞ライン上に停止して表示される図柄(識別情報)に基づいて特定の入賞態様が成立するように、遊技者の操作の検知により変動表示を停止可能に構成されている。
パチスロ遊技装置は、コインやメダル、遊技球等の他、遊技者に付与された、若しくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技するものであるが、以下の説明においては、遊技媒体としてメダルを用いて説明する。なお、本発明において、遊技媒体は、所謂クレジット(遊技価値)を含むものである。
【0027】
図2に示すように、パチスロ遊技装置1は、その全体を形成している筐体であるキャビネット2を有している。キャビネット2の正面には、液晶表示装置5が設置されている。液晶表示装置5は、後述する3個のリール3L・3C・3Rと同期する疑似リール4L・4C・4Rや、キャラクタ等による演出画像等を表示することができ、また、撮影装置330A〜330Fからの何れか1つから供給される映像信号に基づく映像を表示する。液晶表示装置5は、本発明の表示手段として機能する。尚、液晶表示装置5については後に詳述する。
【0028】
液晶表示装置5の下方には、斜め上方に開口したリール表示窓2aが形成されている。リール表示窓2aの奥には、変動表示手段としての3個のリール3L・3C・3Rが設けられている。3個のリール3L・3C・3Rは、それぞれその外周面に複数の図柄からなる図柄列が記されている。図柄列は、「00」〜「20」のコードナンバーが付された複数種類の図柄からなっている。具体的には、「赤7」、「青7」、「下チリ」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「Replay」及び「上チリ」の図柄からなっている。各リールは、定速回転(例えば80回転/分)で回転する。上記の図柄列中における「赤7」、「青7」は、特定の入賞態様を構成するものとして設定されている。ここで、特定の入賞態様とは、後述のBB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)のボーナスが成立する入賞態様を意味する。
【0029】
リール3L・3C・3Rの各図柄は、図3に示すように、キャビネット2の正面から縦方向に3つずつ、合計9つの図柄が視認できるようになっている。また、視認可能な9つの図柄の停止位置に対応して、5本の入賞ラインが設定されている。即ち、上下方向に3つ並ぶ図柄を水平に横切るトップライン8b、センターライン8c及びボトムライン8d、斜め方向に横切るクロスダウンライン8a、クロスアップライン8eが設けられている。これら各入賞ラインは、遊技者に視認可能に表示してもよいし、表示しなくてもよい。
【0030】
これらの入賞ラインは、後述の1−BETボタン11、最大BETボタン12を操作すること、或いはメダル投入口22にメダルを投入することにより、1枚賭け時は1本(センターライン8cのみ)、2枚賭け時(1−BETボタン11を2回操作(押圧)又は、メダルを2枚投入)は3本(センターライン8cに加え、センターライン8b、ボトムライン8d)、最大枚数(本実施例では3枚)賭け時は5本(2枚賭け時の3本に加え、クロスダウンライン8a、クロスアップライン8e)が有効化される。入賞ライン8a〜8eは、役の入賞の成否に関わる。具体的には、所定の役に対応する図柄組み合せを構成する図柄が何れかの有効化された入賞ラインに対応する所定の位置に並んで停止表示されることにより、所定の役の入賞が成立することとなる。以下の説明において、有効化された入賞ラインを有効ラインという場合がある。
【0031】
図2に示すように、リール表示窓2aの左側には、払出枚数及びクレジット数を表示する表示部17が設けられている。表示部17は、7セグメント表示器からなり、最大4桁の数値が表示される。そして、左側2桁部分には、貯留されているメダルの枚数(クレジット数)が表示され、右側2桁部分には、入賞成立時のメダルの払出枚数が表示される。
【0032】
表示部17の右側には、メダル投入ランプ18、1−BETランプ9a、2−BETランプ9b及び最大BETランプ9cが設けられている。メダル投入ランプ18は、メダルの投入が受け付け可能であるときに点滅する。1−BETランプ9a、2−BETランプ9b及び最大BETランプ9cは、一のゲーム(単位遊技)を行うために賭けられたメダルの数(以下、BET数ともいう)に応じて点灯する。尚、一のゲームは、全てのリールが停止したとき、又は、メダルの払い出しが行われる場合には、メダルが払い出されたときに終了する。
【0033】
また、表示部17の左側には、遊技開始表示ランプ19及びリプレイランプ20が設けられている。遊技開始表示ランプ19は、入賞ライン8a〜8eの少なくとも1本が有効化されたときに点灯する。リプレイランプ20は、後述の「リプレイ」に入賞したときに点灯する。即ち、リプレイランプ20が点灯している場合は、メダルを投入することなく、ゲームを開始できる。
【0034】
リール表示窓2a及び表示部17の下方には、水平面を有する台座部10が配置されている。台座部10の左側には、1−BETボタン11及び最大BETボタン12が設けられている。1−BETボタン11は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの1枚をゲームへの賭け枚数とし、2回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの2枚をゲームへの賭け枚数とする。最大BETボタン12は、1回のゲームに賭けることが可能な最大枚数(本実施例では、3枚)をゲームへの賭け枚数とする。このBETボタン11・12を操作することで、上述の入賞ライン8a〜8eが有効化されるようになっている。
【0035】
また、台座部10の前面部の左寄りには、遊技者が遊技で獲得したメダルのクレジット/払い出しを押し操作により切り替える貯留メダル精算ボタン14(以下、C/Pボタン14と言う)が設けられている。このC/Pボタン14の切り替えにより「払い出し」が選択された場合には、正面下部のメダル払出口15からメダルが払い出され、払い出されたメダルはメダル受部16に溜められる。一方、「クレジット」が選択された場合には、パチスロ遊技装置1が備えるメモリ(例えば、後述するRAM33等)にメダル数がクレジットとして記憶される。
【0036】
C/Pボタン14の右側には、遊技者の操作によりリール3L・3C・3Rを回転させるためのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。台座部10の前面部中央には、3個のリール3L・3R・3Cの回転をそれぞれ停止させるための3個の停止ボタン7L・7C・7Rが設けられている。台座部10の右側には、メダル投入口22が設けられている。
【0037】
台座部10の下方には、メダルを貯留するメダル受部16が配置されている。メダル受部16の略中央部には、メダル払出口15が配置されている。
【0038】
メダル受部16と台座部10との間には、腰部パネル23が設けられている。腰部パネル23には、所定の遊技タイトルの画像が形成されている。具体的には、サッカーのタイトルを遊技者に連想させる名称である『world soccer』の文字画像と背景画像とを備えた遊技タイトルの画像が形成されている。尚、ジャンルや遊技タイトルは、サッカーに限定されるものではなく、野球や食べ物、景色、祭り、漫画の主人公や物語等であってもよい。また、本実施形態においては、腰部パネル23に所定のタイトルの画像を表示しているが、キャビネット2の露出面に表示されていてもよい。
【0039】
また、キャビネット2の上方の左右には、スピーカ21L・21Rが設けられている。スピーカ21L・21Rの間には、LEDランプ29が設けられており、遊技状態に応じた演出に伴い、点滅等するようになっている。
【0040】
次に、液晶表示装置5の構造について説明する。液晶表示装置5は、保護ガラスと表示板とからなる正面パネル、透明液晶パネル、導光板、反射フィルム、所謂白色光源である蛍光ランプ、ランプホルダ、及び、透明液晶パネル駆動用のICを搭載したテーブルキャリアパッケージ(TCP)からなり、TCPは、透明液晶パネル54の端子部に接続したフレキシブル基板(図示せず)等により構成される。
【0041】
保護ガラス及び表示板は、透明な部材で構成されている。表示板の裏面側には、各種ランプ及び各種表示部を動作させる電気回路等が配置される(図示せず)。透明液晶パネルは、薄膜トランジスタ層が形成されたガラス板等の透明な基板と、これに対向する透明な基板との間隙部に液晶が封入されて形成されている。この透明液晶パネルの表示モードは、ノーマリーホワイトに設定されている。ノーマリーホワイトとは、液晶を駆動していない状態で白表示(表示面側に透過した光が外部より視認可能である)となる構成である。
【0042】
導光板は、蛍光ランプからの光を透明液晶パネルへ導き出す(透明液晶パネルを照明する)ためのものであり、透明液晶パネルの裏側に設けられ、例えば、2cm程度の厚さを有するアクリル系樹脂等の透明部材(導光機能を有する)で構成されている。
【0043】
反射フィルムは、例えば、白色のポリエステルフィルムやアルミ薄膜に銀蒸着膜を形成したものが用いられ、導光板に導入された光を導光板の正面側へ向けて反射させる。この反射フィルムは、反射領域及び非反射領域(透過領域)により構成されている。
【0044】
蛍光ランプは、導光板の上端部及び下端部に沿って配置され、両端はランプホルダにより支持されている。この蛍光ランプから照射される光は、反射フィルムの反射領域で反射して透明液晶パネルを照明する。
【0045】
パチスロ遊技装置1では、液晶表示装置5の一部の領域のみが、透明/非透明の状態に切り替わる領域であるが、本発明のパチスロ遊技装置において、液晶表示装置の表示画面は、その全領域が透明/非透明の状態に切り替わる領域であってもよい。この場合、パチスロ遊技装置1において、液晶表示装置5の全領域を透過状態又は非透過状態に切り替わる領域とする場合、反射フィルムを全て非反射領域とするか、反射フィルムを省略すればよい。
【0046】
(パチスロ遊技装置1の電気的構成:主制御回路71)
パチスロ遊技装置1は、図4に示すように、主基板に設けられた主制御回路71と、副基板に設けられた副制御回路72とで動作が制御されている。主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU31と、ROM32及びRAM33とを有している。
【0047】
CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器36及びサンプリング回路37とが接続されている。乱数発生器36は、一定の数値範囲に属する乱数を発生する。サンプリング回路37は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。そして、CPU31は、これらの乱数発生器36及びサンプリング回路37でサンプリングされた乱数及びROM32内に格納されている確率抽籤テーブルに基づいて、内部当籤役を決定するようになっている。
【0048】
尚、マイクロコンピュータ30内で、即ち、CPU31の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であり、或いは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
【0049】
上記のマイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各種ランプ(1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9c、メダル投入ランプ18、遊技開始表示ランプ19、リプレイランプ20)と、表示部17と、メダルを収納し、ホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払出す上述のホッパー(払出しのための駆動部を含む)40と、リール3L・3C・3Rを回転駆動するステッピングモータ49L・49C・49Rとがある。
【0050】
さらに、ステッピングモータ49L・49C・49Rを駆動制御するモータ駆動回路39、ホッパー40を駆動制御するホッパー駆動回路41、各種ランプを駆動制御するランプ駆動回路45、及び表示部17を駆動制御する表示部駆動回路48がI/Oポート38を介してCPU31の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU31から出力される駆動指令等の制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
【0051】
また、主制御回路71は、制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する入力信号発生装置に接続されている。主な入力信号発生装置としては、スタートスイッチ6S、1−BETスイッチ11S、最大BETスイッチ12S、C/Pスイッチ14S、リール停止信号回路46、リール位置検出回路47、払出完了信号回路44がある。これらもI/Oポート38を介してCPU31に接続されている。
【0052】
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出する。リール停止信号回路46は、各停止ボタン7L・7C・7Rの操作に応じて停止信号を発生する。リール位置検出回路47は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L・3C・3Rの位置を検出するための信号をCPU31へ供給する。払出完了信号回路44は、メダル検出部40Sの計数値(ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達した時、メダル払出完了を検知するための信号を発生する。
【0053】
また、主制御回路71のRAM33には、種々の情報が一時的に格納される。例えば、実行中の遊技状態や、投入されたメダルの枚数等、累積ポイント数が格納される。ここで、累積ポイント数は、遊技を遊技者とって有利に進めることを可能にするポイントの合計数であり、ボーナス遊技状態における単位遊技でチェリーに入賞したときに発生する1ポイントの合計数である。
【0054】
一方、主制御回路71のROM32には、スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数サンプリングの判定に用いられる確率抽籤テーブル、停止ボタンの操作に応じてリールの停止態様を決定するための停止テーブル群等の各種のデータテーブルや、副制御回路72へ送信するための各種制御指令(コマンド)等が格納されている。
【0055】
(パチスロ遊技装置1の電気的構成:副制御回路72)
図5は、副制御回路のブロック図である。
主制御回路71は、副制御回路72にコマンドや情報等を一方向に出力可能に接続されている。副制御回路72は、図5に示すように、主制御回路71からの制御指令(コマンド)に基づいて液晶表示装置5の表示制御及びスピーカ21L・21Rからの音の出力制御を行なう。この副制御回路72は、主制御回路71を構成する主基板とは別の副基板上に構成され、マイクロコンピュータ(以下『サブマイクロコンピュータ』という)73を主たる構成要素とし、液晶表示装置5の画像制御回路81と、スピーカ21L・21Rにより出音される音を制御する音源IC78と、増幅器としてのパワーアンプ79と、LEDランプ29を駆動するLED駆動回路77と、制御装置300に接続された通信部88とを備えている。
【0056】
通信部300は、制御装置300から送信された映像信号を副制御回路72に供給する一方、副制御回路72から送信された遊技情報を制御装置300に送信する。本実施形態において、遊技情報は、内部当籤役又は当籤役を示す情報と、識別情報とを含むものである。
【0057】
サブマイクロコンピュータ73は、主制御回路71から送信された制御指令に従って制御動作を行なうサブCPU74と、プログラムROM75と、ワークRAM76とを含む。尚、副制御回路72は、クロックパルス発生回路、分周器、乱数発生器及びサンプリング回路を備えていないが、サブCPU74の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成されている。この乱数サンプリングにより、CS、NS等を発生させるかどうかが決定される。プログラムROM75は、サブCPU74で実行するコマンド処理ルーチン等の制御プログラムと、複数の演出パターンデータと、内部当籤役の予告演出を行うか否かを決定する際に参照される確率テーブルとを記憶している。また、ワークRAM76は、上記制御プログラムをサブCPU74で実行するときの一時記憶装置として構成される。
【0058】
演出パターンデータは、演出を実行するためのデータであり、演出態様を規定するデータである。具体的に、演出パターンデータは、演出画像の種類、音(BGM、音声、効果音等)の種類及び再生タイミング、電飾の点滅パターン等を規定するものである。サブCPU74は、演出パターンデータに基づいて、画像制御回路81、音源IC78及びLED駆動回路77を制御する。
【0059】
本実施形態では、演出パターンデータが、画像、音及び電飾の全ての演出を実行するためのデータである場合について説明するが、本発明において、演出パターンデータによって制御される演出は、必ずしも、これらの全部である必要はなく、また他の演出(例えば、可動体)を含んでいてもよい。
【0060】
画像制御回路81は、画像制御IC82、画像制御ワークRAM83、画像ROM86、及びビデオRAM87で構成される。画像制御IC82は、サブマイクロコンピュータ73で設定されたパラメータに基づき、画像制御プログラムに従って液晶表示装置5での表示内容を決定する。画像制御ワークRAM83は、画像制御プログラムを画像制御IC82で実行するときの一時記憶装置(バッファ)として構成される。画像ROM86は、画像を形成するための画像データを格納する。画像データには、演出を表示するための画像データ及び選択要求画像を表示するための画像データを含む。ビデオRAM87は、画像制御IC82で画像を形成するときの一時記憶装置として構成される。
【0061】
画像制御回路81は、ビデオRAM87からの画像データと、制御装置300を介して撮影装置330から供給された映像信号に基づく画像データとを1画面の画像データに生成して、液晶表示装置5に出力する。
【0062】
また、プログラムROM75や画像ROM86には、ミニゲーム表示処理等の各種のプログラムが格納されている。ミニゲーム表示処理は、ボーナス遊技状態においてペナルティーキック合戦の映像をミニゲーム画面として中央液晶パネル5Bに表示する一方、ボーナス遊技状態以外の一般遊技状態等においてリール3L・3R・3Cを模擬したリール映像を中央液晶パネル5Bに表示するようになっている。さらに、プログラムROM75や画像ROM86には、ミニゲーム等において用いられるキャラクタ図柄や演出図柄等のデータが格納されている。尚、これらの図柄データは、プログラムROM75及び画像ROM86の何れかに格納されていれば良い。
【0063】
ここで、『ミニゲーム』は、パチスロ遊技装置1本来のリール3L・3R・3Cを用いたスロットゲーム(主ゲーム)とは異なる副ゲームのことであり、スロットゲームと並行して実行されたり、スロットゲームの停止期間中の一時期に実行される。例えば、本実施形態においては、ボーナス遊技状態におけるスロットゲームの実行中に実行されるペナルティーキック合戦のゲームがミニゲームである。そして、このミニゲームは、サッカーである遊技タイトルに関連付けられている。
【0064】
尚、ペナルティーキック合戦においては、自動で連続的にペナルティーキックが行われてもよいし、プレイヤがボールをキックする方向や強さを操作可能にされてもよい。即ち、操作ボタンの一種として、ボール速度とボール方向とを決定するためのボタンを備える。そして、プレイヤがボール方向を決定した後、低速から高速の範囲を上下動するバー表示に合わせて操作ボタンを操作することによって、ゴールへ向かうボール速度を決定してもよい。この場合は、プレイヤにミニゲームに参加するという興趣を与えることができる。
【0065】
(ミニゲーム画面)
図3に示すように、ミニゲームの実行時においては、液晶表示装置5にミニゲーム画面400が表示される。尚、ミニゲーム停止時においては、図2のビデオリール画面401が表示される。
【0066】
ミニゲーム画面400は、サッカーのペナルティーキック合戦の様子を示している。具体的には、ボールを蹴るキッカーと、ゴールを守るゴールキーパーとが初期画面として表示される。そして、所定の待機時間の経過後に、キッカーがボールを蹴り、ボールがゴールに入ると、『GOAL』の画像が表示され、累積ポイント数が表示される。これにより、プレイヤは自分が獲得したポイントを確認することができる。一方、ボールがゴールに入らない場合には、次のペナルティーキック合戦の初期画面に戻ることになる。尚、この場合、ポイントは発生しない。
【0067】
(遊技状態)
以上のように構成されたパチスロ遊技装置1には、『一般遊技状態』と『特別遊技状態』との2つの遊技状態がある。
『特別遊技状態』には、ボーナスゲームであるRB(レギュラーボーナス)が行われる『RB遊技状態』と、ボーナスゲームであるBB(ビッグボーナス)が行われる『BB遊技状態』と、リプレイの当籤確率が高い抽籤が行われるリプレイ高確率遊技が行われる『リプレイタイム』との3種類の遊技状態が存在する。
これらの遊技状態は、基本的に、内部当籤する可能性のある役の種類、再遊技に内部当籤する確率及び入賞成立を実現することが可能なボーナスの種別、内部当籤と入賞成立との関係により区別される。
【0068】
『一般遊技状態』は、基本的に、所謂「出球率」(遊技に賭けられた単位遊技価値に対して遊技者に付与される遊技価値)の期待値が「1」よりも小さい遊技状態であり、他の遊技状態と比べて遊技者にとって最も不利な遊技状態である。
【0069】
『BB遊技状態』は、『一般遊技状態』や『リプレイタイム』において、BBに内部当籤し、BBに入賞した場合に発生する(ボーナスゲームの開始条件)。BBの入賞は、『一般遊技状態』において「赤7−赤7−赤7」又は「青7−青7−青7」が有効ラインに沿って並ぶことにより成立する。『BB遊技状態』は、所定枚数のメダルの払い出しが完了すれば終了する(ボーナスゲームの解除条件)。
【0070】
『RB遊技状態』は、『一般遊技状態』よりも出玉率の期待値が高く、他の遊技状態と比べて遊技者にとって最も有利な遊技状態である。『RB遊技状態』は、『一般遊技状態』や『リプレイタイム』又は『BB遊技状態』においてRB(レギュラーボーナス)に入賞した場合に発生する(ボーナスゲームの開始条件)。RBの入賞は、一般遊技状態又はBB遊技状態において「赤7−赤7−青7」が有効ラインに沿って並ぶことにより成立する。本実施形態において、『RB遊技状態』は、所定枚数のメダルの払い出しが完了すれば終了する(ボーナスゲームの解除条件)。
なお、各遊技状態間の移行は、ボーナス図柄の組み合せが入賞ライン上に表示されたとき等により移行する。
【0071】
『リプレイタイム』は、『BB遊技状態』又は『RB遊技状態』の後に発生する遊技状態である(リプレイタイムの開始条件)。『リプレイタイム』は、メダルを投入しなくても次ゲームが行える再遊技に入賞する確率が『一般遊技状態』よりも高くなっている。即ち、『リプレイタイム』では、『一般遊技状態』よりもメダルを減らすことなく遊技が行える可能性が高くなっているため、少しずつメダルを増やしていくことが可能となる。また、『リプレイタイム』は、所定回数のリプレイ高確率遊技を実行するか、又は、リプレイ高確率遊技において「チェリーの小役」に入賞すると終了し、『一般遊技状態』に移行する(リプレイタイムの解除条件)。
【0072】
なお、『リプレイタイム』では、遊技者に、「チェリーの小役」に入賞しないようにナビゲートする報知演出が実行されてもよい。
【0073】
(図柄組み合せと払い出し枚数)
次に、遊技状態と入賞成立を示す図柄組み合せとメダルの払い出し枚数との関係について説明する。一般遊技状態においては、『BB』と、『RB』と『再遊技(リプレイ)』と『スイカの小役』と『ベルの小役』と『チェリーの小役』と『プラムの小役』とに入賞する可能性がある。『BB』は、「赤7−赤7−赤7」、又は、「青7−青7−青7」が有効ラインに沿って並ぶことにより成立する(BBの開始条件)。『RB』は、「赤7−赤7−青7」が有効ラインに沿って並ぶことにより成立する(RBの開始条件)。これらのメダルの払い出し枚数は「0枚」である。また、『再遊技(リプレイ)』は、「Replay−Replay−Replay」が並ぶことにより成立する。再遊技の入賞が成立すると、投入したメダルの枚数と同数のメダルが自動投入されるので、遊技者はメダルを消費することなく次回のゲームを行うことができる。また、スイカ、ベル、チェリー、プラムの小役の場合、それぞれ6枚、10枚、6枚、6枚のメダルが払い出される。
【0074】
BB遊技状態では、『RB』と『スイカの小役』と『ベルの小役』と『チェリーの小役』と『プラムの小役』とに入賞する可能性がある。また、RB遊技状態においては、『再遊技』、『スイカ』、『ベル』、『チェリー』、『プラム』の小役に入賞する可能性がある。スイカ、ベル、チェリー、プラムの小役の場合、それぞれ6枚、10枚、6枚、6枚のメダルが払い出される。
【0075】
(主制御回路71の動作)
上記の構成において、パチスロ遊技装置1の動作について説明する。
【0076】
先ず、電源が投入されると、パチスロ遊技装置1は、主制御回路71において図6のメインルーチン等を実行することにより遊技を行うと共に、副制御回路72において図12の演出実行処理等をそれぞれ独立して実行することにより液晶表示装置5の演出画像の表示等を実施可能な状態になる。
【0077】
(メインルーチン)
図6は、主制御回路71により実行されるメインルーチンを示すフローチャートである。
先ず、遊技開始時の初期化を実行した後(ステップS1)、遊技処理を実行する(ステップS2)。
【0078】
ここで、遊技処理について説明する。
図7は、主制御回路71により実行される遊技処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
遊技処理は、一般遊技状態、BB遊技状態、RB遊技状態及びリプレイタイムにおいて実行される。その時点の遊技状態がどの遊技であるかは、RAM33に格納されるフラグによって判定される。主制御回路71は、遊技状態の移行時等にフラグのセットを行い、その際に副制御回路72に対して遊技状態の変更を通知する信号を送信する。
図6のステップS2において呼び出されて実行される遊技処理は、一般遊技状態における遊技処理である。
【0079】
遊技処理においては、先ず、遊技終了時のRAM33の所定の記憶内容が消去される(ステップS20)。
次に、投入メダルセンサ22SやBETボタン11、12からの入力があるまで待機状態となる。そして、入力があると、メダル投入信号を副制御回路72に送信する(ステップS21)。この後、スタートレバー6の操作によりスタートスイッチ6Sがオンされたか否かを判定する(ステップS22)。スタートスイッチ6Sがオンされなければ(ステップS22:NO)、ステップS22を再実行し、スタートレバー6が操作されるまで待機する。一方、スタートスイッチ6Sがオンされると(ステップS22:YES)、リール回転処理に実行を移行し(ステップS23)、続いて抽籤用の乱数を抽出する(ステップS24)。
【0080】
そして、遊技状態監視処理を実行することによって、今回の遊技における遊技状態(一般遊技状態、BB遊技状態、RB遊技状態又はリプレイタイム)を確認しセットする(ステップS25)。即ち、今回の遊技の遊技状態を、一般遊技状態、BB遊技状態、RB遊技状態又はリプレイタイムの何れかにセットする。なお、図6のステップS2において呼び出されて遊技処理が行われている場合、遊技状態は、一般遊技状態である。
【0081】
今回の遊技の遊技状態が確認されると(ステップS25)、確率抽籤テーブル(図示せず)に基づく確率抽籤処理において遊技状態に対応した内部当籤役を抽籤し(ステップS26)、選択された内部当籤役の情報を副制御回路72に格納する。なお、本実施形態においては、小役、ボーナスの同時抽籤が可能であり、後述するリプレイタイムにおいては、リプレイ役の当籤確率が増大した値に設定される。
【0082】
内部当籤役を決定すると、停止テーブル群(図示せず)の選択処理を実行する(ステップS27)。そして、リール回転停止処理を実行し、何れかの停止ボタン7L、7C、7Rが操作されたタイミングで滑りコマ数分、リールを回転してから停止する(ステップS28)。この後、入賞判定(入賞検索)によりリール3L、3C、3Rの図柄の停止態様(識別情報の組合せ)に基づいて入賞役(入賞が成立した役)を識別する(ステップS29)。なお、本実施形態においては、ボーナスフラグの繰り越しはあるが、小役フラグの繰り越し及びボーナスフラグのストックは無いものとする。
【0083】
そして、遊技状態に応じてメダル(遊技媒体)のクレジット又は払出しを行う(ステップS30)。なお、本実施形態では、ボーナス入賞時に払い出しは無く、小役入賞時にのみ払出しが行われる。この後、本サブルーチンを終了する。図7に示すサブルーチンを実行するとき、主制御回路71は、遊技実行手段として機能する。
【0084】
図6のステップS2において呼び出された遊技処理を実行した場合、その後、図6に示すメインルーチンに処理を戻す。
次に、ボーナス(BB又はRB)に入賞したか否かを判断する(ステップS3)。すなわち、『赤7-赤7-赤7』、『青7-青7-青7』の識別情報の組合せで停止表示されたか否かを判断する。ステップS3において、ボーナスに入賞していないと判断した場合、ステップS2に処理を戻す。
【0085】
一方、ステップS3において、ボーナスに入賞したと判断した場合、そのボーナスがBBであるか否かを判断する(ステップS4)。
ステップS4においてボーナスがBBではないと判断した場合、入賞したボーナスはRBであるから、ボーナスゲーム(RB)処理(図9)を実行する(ステップS5)。ボーナスゲーム(RB)は、払出枚数が所定枚数以上になったときに終了する。
【0086】
ステップS4においてボーナスがBBであると判断した場合、入賞したボーナスはBBであるから、ボーナスゲーム(BB)処理(図8)を実行する(ステップS8)。ボーナスゲーム(BB)は、払出枚数が所定枚数を超えたときに終了する。なお、ボーナスゲーム(BB)中に、ボーナスゲーム(RB)に入賞したときには、ボーナスゲーム(RB)に移行する。
【0087】
ステップS5又はS9の処理を実行した場合、リプレイタイム処理(図10)を実行する(ステップS11)。リプレイタイムは、定められた回数のリプレイ高確率遊技が行われた場合、又は、それまでにボーナス(BB又はRB)若しくは特定の小役(本実施形態ではチェリー)に入賞した場合に終了する。ステップS11の処理を終了した後、ステップS2に処理を戻す。
【0088】
(ボーナスゲーム(BB)処理)
図8は、主制御回路71により実行されるボーナスゲーム(BB)処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0089】
先ず、遊技処理(図7)を実行する(ステップS40)。なお、ステップS40において呼び出されて実行される遊技処理では、遊技状態監視処理(ステップS25)において、今回の遊技状態をBB遊技状態にセットし、確率抽籤処理(ステップS26)において、BB遊技状態に応じた確率抽籤テーブルに基づく内部当籤役の抽籤を行う。また、メダルのクレジット又は払出(ステップS30)は、BB遊技状態に応じた払出数で行われる。
【0090】
次に、ボーナス(RB)に入賞したか否かを判断し(ステップS41)、ボーナス(RB)に入賞したと判断した場合、ボーナスゲーム(RB)処理を実行する(ステップS42)。
【0091】
ステップS41においてボーナス(RB)に入賞していないと判断した場合、又は、ステップS42の処理を実行した場合、ボーナスゲーム(BB)における払出枚数のチェック処理を行い(ステップS43)、ボーナスを終了するか否かを判断する(ステップS44)。本実施形態において、ボーナス(BB)を終了するか否かの判断は、ボーナスゲームにおける払出枚数が所定数以上であるか否かにより判断する。
【0092】
ステップS44において、ボーナスゲームを終了しないと判断した場合、ステップS40に処理を戻す一方、ボーナスゲームを終了すると判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0093】
(ボーナスゲーム(RB)処理)
図9は、主制御回路71により実行されるボーナスゲーム(RB)処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0094】
先ず、遊技処理(図7)を実行する(ステップS50)。なお、ステップS50において呼び出されて実行される遊技処理では、遊技状態監視処理(ステップS25)において、今回の遊技状態をRB遊技状態にセットし、確率抽籤処理(ステップS26)において、RB遊技状態に応じた確率抽籤テーブルに基づく内部当籤役の抽籤を行う。また、メダルのクレジット又は払出(ステップS30)は、RB遊技状態に応じた払出数で行われる。
【0095】
次に、ボーナスゲーム(RB)における払出枚数のチェック処理を行い(ステップS51)、ボーナスを終了するか否かを判断する(ステップS52)。本実施形態において、ボーナス(RB)を終了するか否かの判断は、ボーナスゲームにおける払出枚数が所定数以上であるか否かにより判断する。
【0096】
ステップS52において、ボーナスゲームを終了しないと判断した場合、ステップS50に処理を戻す一方、ボーナスゲームを終了すると判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0097】
(リプレイタイム処理)
図10は、主制御回路71により実行されるリプレイタイム処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0098】
先ず、リプレイ高確率遊技の回数(T)決定処理を実行する(ステップS60)。ステップS60における処理は、所定の数値範囲の中から1の乱数を抽出し、該数値範囲内の各値に対応付けて抽籤結果(T=50、100、150)が割り当てられた確率テーブル(図示せず)を参照することにより、抽籤結果としてのリプレイ高確率遊技の回数(T)を決定する処理である。決定されたリプレイ高確率遊技の回数(T)を示すデータは、RAM33に記憶される。
【0099】
次に、リプレイ高確率遊技の回数(T)を表示部17に表示する(ステップS61)。表示部17には、払出数及びクレジット数が表示されるが、ステップS61が行われてから所定期間が経過するまでは、リプレイ高確率遊技の回数(T)が表示される。
【0100】
続いて、遊技処理を実行する(ステップS62)。なお、ステップS62において呼び出されて実行される遊技処理では、遊技状態監視処理(ステップS25)において、今回の遊技状態をリプレイタイムにセットし、確率抽籤処理(ステップS26)において、リプレイタイムに応じた確率抽籤テーブル、即ち、リプレイの当籤確率が一般遊技状態に比べて高く設定され、且つ、BB及びRBの内部当籤役を含む確率抽籤テーブルに基づく内部当籤役の抽籤を行う。また、メダルのクレジット又は払出(ステップS30)は、リプレイタイムに応じた払出数で行われる。
【0101】
ステップS62における処理を実行した後、ボーナス(BB又はRB)に入賞したか否かを判断する(ステップS63)。ステップS63においてボーナスに入賞したと判断した場合、リプレイ高確率遊技の回数(T)をT=0にセットし(ステップS64)、図6のステップS4に処理を移す。これにより、リプレイタイムを終了し、その後、ボーナスゲーム(RB)処理(ステップS5)、又は、ボーナスゲーム(BB)処理(ステップS6)を実行する。
【0102】
ステップS63において、ボーナス(BB又はRB)に入賞していないと判断した場合、特定の小役(本実施形態ではチェリー)に入賞したか否かを判断する(ステップS65)。ステップS65において特定の小役に入賞したと判断した場合、リプレイ高確率遊技の回数(T)をT=0にセットする(ステップS66)。
【0103】
ステップS65において、特定の小役に入賞していないと判断した場合、リプレイ高確率遊技の回数(T)をT=T−1にセットする(ステップS67)。
ステップS66又はS67の処理を実行した場合、リプレイ高確率遊技の回数(T)がT=0であるか否かを判断し(ステップS68)、T=0ではないと判断した場合、ステップS61の処理を戻す一方、T=0であると判断した場合、本サブルーチンを終了する。
【0104】
(ミニゲーム処理)
また、パチスロ遊技装置1は、主制御回路71において、図11のミニゲーム処理を、上述したメインルーチンとは別に独立して実行している。ミニゲーム処理が実行されると、先ず、現在の遊技状態がボーナス遊技状態(BB遊技状態又はRB遊技状態)であるか否かが判定される(ステップA1)。ボーナス遊技状態ではない場合には(A1:NO)、本サブルーチンが終了し、ステップA1から再実行する。
【0105】
一方、ボーナス遊技状態である場合には(A1:YES)、続いてチェリーに入賞したか否かを判定する(ステップA2)。チェリーに入賞しなければ(A2:NO)、本サブルーチンを終了し、ステップA1から再実行する。チェリーに入賞した場合には(ステップA2:YES)、ポイント付与処理が実行され、ポイント値がRAM33に累積的に記憶されるとともに、ポイント信号が副制御回路72に出力される(ステップA3)。
そして、本サブルーチンを終了し、ステップA1から再実行する。
なお、ポイント信号が入力された副制御回路72においては、図3に示すように、ミニゲームであるペナルティーキック合戦の結果としてゴール画像が表示される。
【0106】
(副制御回路72の動作)
図12は、演出実行処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
このフローチャートは、遊技開始のタイミングで実行されるフローチャートである。
【0107】
先ず、副制御回路72は、主制御回路71から供給される内部当籤役に示す情報と、パチスロ遊技装置1の識別情報とを、通信部88を介して、制御装置310に送信する(ステップB1)。
【0108】
次に、副制御回路72は、ボーナス遊技状態である場合には(ステップB1:NO)、擬似リールのリール映像と、撮影装置330から供給される映像信号に基づく映像とを液晶表示装置5に表示する処理を行う(ステップB3)。この後、主制御回路71から入賞信号を受信するまで待機状態となり、入賞信号を受信すると、入賞役を示す情報と、パチスロ遊技装置1の識別情報とを、通信部88を介して、制御装置310に送信する(ステップB4)。さらに、当籤役に応じた演出画像と、撮影装置330から供給される映像信号に基づく映像とを液晶表示装置5に表示する処理を行う(ステップB5)。その後、本サブルーチンを終了する。
【0109】
一方、副制御回路72は、ボーナス遊技状態でない場合には(ステップB1:YES)、図3に示すように、ミニゲーム画面400の表示に切り替えた後、ペナルティーキック合戦の映像を表示する(ステップB6)。この後、主制御回路71から入賞信号を受信するまで待機状態となり、入賞信号を受信すると、入賞役を示す情報と、パチスロ遊技装置1の識別情報とを、通信部88を介して、制御装置310に送信する(ステップB7)。
【0110】
次に、副制御回路72は、入賞信号に基づいて、入賞役がチェリーであるか否かを判断する(ステップB8)。入賞役がチェリーであると判断した場合には(ステップB8:YES)、ゴール映像とともに、撮影装置330から供給される映像信号に基づく映像とを液晶表示装置5に表示する処理を行う(ステップB9)。一方、入賞役がチェリーでないと判断した場合には(ステップB8:NO)、ペナルティーキックを失敗した状態を示す映像を表示する(ステップB10)。ステップB9又はB10を実行した後、本サブルーチンを終了する。
【0111】
(制御装置)
図13は、制御装置の内部構成を示すブロック図である。
制御装置310は、CPU311と、ROM312と、RAM313とを備え、さらに、パチスロ遊技装置1A〜1Hと接続された通信用インターフェイス314と、情報表示装置320と接続された表示制御回路315と、撮影装置330A〜330Fと接続された映像信号受信回路316とを備えている。
【0112】
CPU311は、ROM312に記憶されたプログラム等を読み出して実行し、映像信号の振り分け等を行う。ROM312には、CPU311によって実行される乱数発生プログラムや、情報表示装置320に表示される各種の画像を示す画像データ、各パチスロ遊技装置1に映像信号を配信する撮影装置330を決定するために用いられる確率テーブル等を記憶する。確率テーブルでは、所定の数値範囲に属する乱数値ごとに、撮影装置330B〜330Eのうちの何れか1つが対応つけられている。RAM313は、パチスロ遊技装置1の識別情報ごとに、映像信号の配信元の撮影装置330の識別情報が対応つけられた対応テーブルを記憶する。CPU311は、各パチスロ遊技装置1から供給される情報に基づいて、対応テーブルにおけるパチスロ遊技装置1の識別情報と撮影装置330の識別情報との対応関係を更新する。CPU311は、対応テーブルに示された対応関係に基づいて、各パチスロ遊技装置1に対して、撮影装置330からの映像信号を送信する。
【0113】
図14は、制御装置側の処理を示すフローチャートである。
先ず、CPU311は、ROM312に記憶されている乱数発生プログラムを実行して乱数値を抽出し、ROM312に記憶された確率テーブルを参照し、各パチスロ遊技装置1に送信する映像信号を決定する(ステップD1)。CPU311は、決定結果に基づいて、RAM313に記憶された対応テーブルを更新する。
【0114】
次に、CPU311は、対応テーブルに基づいて、各パチスロ遊技装置1に対して、夫々、撮影装置330の何れか1つからの映像信号を送信する(ステップD2)。
【0115】
その後、CPU311は、パチスロ遊技装置1から内部当籤役「ボーナスゲーム」を示す情報を受信したか否かを判断する(ステップD3)。内部当籤役「ボーナスゲーム」を受信したと判断した場合には、送信元のパチスロ遊技装置1の識別情報と内部当籤役「ボーナスゲーム」を、画像データとして、情報表示装置320に送信する(ステップD4)。
【0116】
情報表示装置320は、制御装置310から送信された画像データに基づいて、送信元のパチスロ遊技装置1の識別情報とともに、そのパチスロ遊技装置1において内部当籤役「ボーナスゲーム」に当籤した旨を示す画像を表示する。その結果、被写体である女性340は、どのパチスロ遊技装置1において「ボーナスゲーム」が内部当籤したかを認識することができ、その内容に応じた言動を行うことができる。
【0117】
次に、CPU311は、送信元のパチスロ遊技装置1に対する映像信号を、床面の撮影装置330Fからの映像信号に決定する(ステップD5)。CPU311は、決定結果に基づいて、RAM313に記憶された対応テーブルを更新する。これにより、内部当籤役「ボーナスゲーム」に当籤したパチスロ遊技装置1の液晶表示装置5に、床面からのアングルの女性340が表示されるため、遊技者は、通常とは異なるアングルでの画像を楽しみながら遊技を行うことができる。
【0118】
ステップD3において、内部当籤役「ボーナスゲーム」を受信していないと判断した場合、又は、ステップD5の処理を実行した場合、CPU311は、パチスロ遊技装置1から入賞役「ボーナスゲーム」を示す情報を受信したか否かを判断する(ステップD6)。入賞役「ボーナスゲーム」を受信したと判断した場合には、送信元のパチスロ遊技装置1の識別情報と入賞役「ボーナスゲーム」を、画像データとして、情報表示装置320に送信する(ステップD7)。
【0119】
情報表示装置320は、制御装置310から送信された画像データに基づいて、送信元のパチスロ遊技装置1の識別情報とともに、そのパチスロ遊技装置1において「ボーナスゲーム」に入賞した旨を示す画像を表示する。その結果、女性340は、どのパチスロ遊技装置1において「ボーナスゲーム」に入賞したかを認識することができるため、その内容に応じた言動を行うことができる。
【0120】
次に、CPU311は、送信元のパチスロ遊技装置1に対する映像信号を、正面の撮影装置330Aからの映像信号に決定する(ステップD8)。CPU311は、決定結果に基づいて、RAM313に記憶された対応テーブルを更新する。これにより、「ボーナスゲーム」に入賞したパチスロ遊技装置1の液晶表示装置5に、正面からのアングルの女性340が表示されるため、遊技者は、通常とは異なるアングルでの画像を楽しみながら遊技を行うことができる。
【0121】
ステップD6において、入賞役「ボーナスゲーム」を受信していないと判断した場合、又は、ステップ8の処理を実行した場合、CPU311は、所定のタイミング(例えば、ステップD1又は前回のステップD9における処理を行ってから10分)であるか否かを判断する(ステップD9)。所定のタイミングであると判断した場合、CPU311は、ROM312に記憶されている乱数発生プログラムを実行して乱数値を抽出し、ROM312に記憶された確率テーブルを参照し、各パチスロ遊技装置1に送信する映像信号を決定する(ステップD10)。CPU311は、決定結果に基づいて、RAM313に記憶された対応テーブルを更新する。ステップD9において、所定のタイミングではないと判断した場合、又は、ステップD10の処理を実行した場合、本サブルーチンを終了する。
【0122】
以上、遊技システム300によれば、遊技者に対して、液晶表示装置5を介して、被写体が内部当籤役又は入賞役の情報に応じて行った言動を伝達することができ、リアルタイムで女性340を生中継し、女性340により内部当籤役又は入賞役の情報を伝達する演出を行うことができるため、複数の遊技者が同時に興奮することが可能な演出を行うことができる。
【0123】
本実施形態では、遊技の状況又は結果の情報が、内部当籤役を示す情報、又は、入賞役を示す情報である場合について説明したが、本発明は、この例に限定されるものではなく、例えば、目押し成功率、払い戻し率、払出枚数、差枚数等を挙げることができる。
【0124】
本発明におけるリプレイタイムの開始条件及び終了条件は、本実施形態に限定されるものではない。
リプレイタイムの開始条件又は終了条件としては、下記(A)〜(E)を挙げることができる。
(A)ボーナスゲームに内部当籤すること
(B)ボーナスゲームに入賞すること、
(C)ボーナスゲームが終了すること、
(D)一般遊技において特定の役(ボーナスゲームを除く)に入賞すること、又は、
(E)上記(C)若しくは(D)の後に所定数の遊技を行うこと。
リプレイタイムの開始条件としては、(C)及び(D)を挙げることができる。
リプレイタイムの終了条件としては、(A)、(B)、(C)及び(D)を挙げることができる。
【0125】
本実施形態では、ボーナスゲームが、一般遊技より遊技媒体の払出数の期待値が高く設定された遊技である場合について説明したが、本発明において、ボーナスゲームは、この例に限定されるものではなく、一般遊技より遊技者にとって有利な条件で行われる遊技であれば、特に限定されるものではない。そのようなボーナスゲームとしては、例えば、内部当籤役のナビゲートが行われる遊技等を挙げることができる。
【0126】
(本実施形態の変形例)
以上、本発明を好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の遊技機は、以下の構成を上述の実施の形態における構成に加えて、或いは重複、置き換えて備えていてもよい。
【0127】
また、本発明の遊技機は、以下の手段を少なくとも1つ備えていてもよい。
所定の遊技結果が表示された場合に遊技者に遊技価値を付与する遊技価値付与手段、
遊技開始指令信号に基づいて所定の役を内部当籤役として決定する内部当籤役決定手段、
内部当籤役に基づいて変動表示手段に入賞態様を表示させる停止制御手段、
演出表示手段に遊技に関連した演出態様を表示させる演出表示制御手段、
遊技結果表示手段に特定の遊技結果が表示される以前に、特定の遊技結果が表示される可能性があることを予告表示手段に予告態様を表示させる予告表示制御手段、
遊技結果表示手段に特定の遊技結果が表示される以前に、特定の遊技結果が表示されることを告知表示手段に告知態様を表示させる予告表示制御手段、
遊技結果表示手段の表示制御を行なう表示制御手段、
遊技結果表示手段又は変動表示手段の一部又は全部の可変表示を停止させる停止指令信号を出力する遊技者による操作が可能な位置に設けられた表示停止指令手段、
所定の単位遊技で内部当籤役決定手段が内部当籤役として決定した特定の役を次回の単位遊技にも内部当籤役として持ち越す内部当籤役持越手段と、内部当籤役決定手段が内部当籤役として決定した特定の役を蓄積して記憶する特定役蓄積手段、並びに、
特定役蓄積手段が蓄積して記憶している特定の役を内部当籤役とする蓄積特定役当籤手段。
【0128】
ここで、上記の『遊技結果表示手段』は、まとめると変動表示手段、演出表示手段、告知表示手段等を含んで構成されている。それらが、別体の表示装置であってもよいし、単一の表示装置に設けられた所定の表示部(スプライト、深度の異なる3Dオブジェクト)でもよい。また、重なって表示されてもよい。さらには、1又は複数の音、1又は複数の光、1又は複数の色、1又は複数の画像、1又は複数の臭い等、1又は複数の感触(振動、圧力)のうちの何れかの、複数又は全部により遊技者に報知を行うようになっていてもよい。
【0129】
『遊技価値付与手段』は、遊技価値(コイン)を付与(払出)するプログラム等、有利状態発生手段を含み、賞媒体の払出、磁気カードへの記録、ゲームの得点加算も含む。
【0130】
『表示制御手段』は、まとめると停止制御手段、演出表示制御手段、告知表示制御手段等を含んで構成されている。単一の基板に設けられていても、別体の複数の基板に設けられてもよいし、停止制御手段は内部当籤役決定手段と同一の基板に設けられてもよい。(別体でもよい。)さらには、演出表示制御手段及び告知表示制御手段は、内部当籤役決定手段と別体の基板に設けられてもよい。(別体でもよい。)
【0131】
『変動表示手段』は、静止画像・動画像等を表示するものであり、リールやディスクによる移動表示、複数種類の図柄を可変表示または停止表示する1又は複数の図柄表示部から構成されている。例えばパチスロ機やビデオスロットの図柄、パチンコの特図、音図、判定図柄等を表示する。また、遊技結果として、特定の入賞態様を表示すれば何でもよい。
【0132】
『表示停止指令手段』は、演出表示手段、変動表示手段、告知表示手段等のうちの1つ、複数、全ての可変表示を停止させる信号を出力してもよいし、1つ又は複数の表示部に対応して1つ設けられていてもよい(表示部は、図柄表示部等)。或いは、1つの表示部に対応して複数設けられていてもよい(表示部は、図柄表示部等)。
【0133】
『有利状態発生手段』は、複数の遊技単位の間、継続して遊技者に有利な状態が続くものであれば何でもよい。例えば発生判定、継続判定、途中終了判定、発生、継続、終了等を行うプログラム等である。また、『内部当籤役決定手段』は、内部当籤役抽籤手段、内部当籤役持越手段、特定役蓄積手段、蓄積特定役当籤手段等から構成されている。
【0134】
尚、本実施の形態において、『遊技機』は、パチンコ、パチスロ機、ビデオスロット等を含む。『遊技結果』は、入賞態様、外れ態様、演出態様、告知態様等を含む。『特定の入賞態様』は、特定の図柄の表示(『3』、『7』等)や特定の図柄の組合せの表示(『777』『776』等)、複数の図柄のうちに特定の図柄が含まれている(単チェリー、2連チェリー等)等を含む。
【0135】
『外れ態様』は、変動表示手段に表示される入賞態様以外の態様、演出態様、告知態様等を含む。『所定の遊技結果』は、入賞態様等を含む。『演出態様』は、客待ち中、遊技中、遊技間、入賞(前、中、後)、有利状態(前、中、後)等を盛り上げる態様、または、それらの遊技情報(遊技案内)の報知態様、その他の態様等を含み、『大当り』、『ボーナス』、『外れ』、有利状態の継続数等の文字も含む。
【0136】
『予告態様』は、所定の内部当籤役または特定の内部当籤役が決定されている可能性があることを遊技者に対して予告する態様や外れを予告する態様、また、その演出態様を含む。『外れ?』、『ベル?』、『大当り当籤?』、『ボーナス当籤?』、『遊技手順ナビゲート機能当籤?』等の文字も含む。『告知態様』は、所定の内部当籤役または特定の内部当籤役が決定されていることを遊技者に対して告知する態様や、所定の内部当籤役または特定の内部当籤役が決定されていないことを遊技者に対して告知する態様、また、その演出態様を含む。『大当り確定』、『ボーナス確定』、『外れ確定』、『ベル確定』、『遊技手順ナビゲート機能当籤?』等の文字も含む。
【0137】
『態様』は、1又は複数の図柄(動/静止)画像、1又は複数のキャラクタ(動/静止)画像、1又は複数の背景(動/静止)画像、1又は複数の吹出し(動/静止)画像、1又は複数の文字、1図形、1又は複数の可動物の所定の動作等、1又は複数のランプの点灯、点滅等、1又は複数のスピーカの音等を含む。『遊技情報』は、遊技コンセプト(背景)、遊技のルール、操作説明、リーチ目、チャンス目、役・リプレイの説明、有利状態(BB,RB,SB等)の説明、有利状態(BB,RB等)、確率、所定時点(ボーナス、BB,RB、所定操作等)からの経過ゲーム数等を含む。
【0138】
『遊技開始指令手段』は、スタートレバー、スピンボタン等のスイッチ、遊技媒体投入、図柄始動口(ゲート)等を含む。『表示停止指令手段』は、ボタン、レバー、プログラム(計時手段)等を含む。『図柄表示手段』は、CRT,LCD、プラズマディスプレイ、7セグメント表示器、ドットマトリックス、ランプ、LED、蛍光灯、EL、電子ペーパ、フレキシブルLED、フレキシブル液晶、液晶プロジェクタ、リール、ディスク、可動物等を含む。それらが複数設けられたもの、それらが組合せられたもの等を含む。
【0139】
『内部当籤役』は、複数の役から内部当籤役決定手段により内部当籤役として決定された1または複数の役を含む。『入賞役』は、内部当籤役に対応する入賞態様が表示された役を含む。『遊技価値』は、賞媒体(コイン、メダル、遊技球)の払出し、遊技結果記憶媒体(磁気カード等への所定の書き込み、リプレイ、得点の加算、有利状態の発生等を含む。『遊技媒体(賞媒体)』は、コイン、メダル、遊技球、貨幣、紙幣、磁気カード等を含む。
【0140】
また、パチスロ等における役は、次のうちの1または複数を適用してもよい。
外れ、
所定枚数の賞媒体を払出す小役、
内部当籤役決定手段が小役を内部当籤役と決定する確率を1単位遊技(1ゲーム)の間だけ高確率とするシングルボーナス、
内部当籤役決定手段が小役を内部当籤役と決定する確率を複数単位遊技の間だけ高確率とするレギュラーボーナス、
内部当籤役決定手段がレギュラーボーナスを内部当籤役に決定する確率を複数単位遊技の間だけ高確率とするビッグボーナス、
内部当籤役決定手段が決定した内部当籤役に関する情報を遊技者による表示停止指令手段の操作より以前に報知する内部当籤役ナビゲート機能、
停止パターン選択手段が選択した停止パターンに関する情報を遊技者による表示停止指令手段の操作より以前に報知する押順ナビゲート機能、並びに、
遊技者にとって有利となる遊技手順を報知する遊技手順ナビゲート機能。
【0141】
例えば、上述の内部当籤役ナビゲート機能は、左リール、中リール、右リールに対応する左、中、右リール停止ボタンを停止操作する以前に報知されるリール停止パターン(例えば、最初に左リールを停止し、次に中リールを停止、最後に右リールを停止するパターン、同様に左リール停止→右リール停止→中リール停止のパターン、中リール停止→右リール停止→左リール停止のパターン、中リール停止→左リール停止→右リール停止のパターン、右リール停止→左リール停止→中リール停止のパターン、右リール停止→中リール停止→左リール停止のパターンの6種類等)にしたがって、左、中、右リール停止ボタンを停止操作することで変動表示手段に所定の入賞態様が得られるリール停止ナビゲート機能等を含む。リール停止ナビゲート機能は全てのリール(リール以外で図柄を可変表示する画像表示手段も含まれる)の停止順序をナビゲートしなくても、所定回目(例えば、最初、2番目、3番目等)に停止させるリールを遊技者に報知するようなナビゲート機能も含む。また、所定回目に停止させるリールに所定の図柄が表示されている状態でリールを停止させた場合に変動表示手段に所定の入賞態様が得られるものも含む。遊技者による表示停止指令手段からの停止指令信号の出力から最小移動(又は略最小変動)で図柄を停止させる機能や、遊技媒体の投入無しで1単位遊技の遊技を開始できるリプレイも含む。
【0142】
また、1回の単位遊技は、例えば次のようなもののうち何れかを適用してもよい。遊技開始指令手段からの遊技開始指令信号の出力から遊技結果の表示まで。スタートレバーの操作から変動表示手段(所定の表示手段)に遊技結果が表示されるまで。スタートレバーの操作から所定の表示手段に特定の表示(例えば、特定の文字情報、特定のキャラクタ、特定の画像)が表示されるまで。ベットボタンが遊技者により操作されたこと、または遊技メダルが遊技者により投入されたこと、等により遊技開始指令信号を出力するように構成し、ベットボタンの操作または遊技メダルの投入から変動表示手段に遊技結果が表示されるまで。ベットボタンが遊技者により操作されたこと、または遊技メダルが遊技者により投入されたこと、等により遊技開始指令信号を出力するように構成し、ベットボタンの操作または遊技メダルの投入から所定の表示手段に特定の表示が表示されるまで。遊技開始指令信号を出力する図柄始動手段が遊技媒体(例えば遊技球)の入賞または通過を検出してから変動表示手段(所定の表示手段)に遊技結果が表示されるまで。遊技開始指令信号を出力する図柄始動手段が遊技媒体の入賞または通過を検出してから所定の表示手段に特定の表示(例えば、特定の文字情報、特定のキャラクタ、特定の画像)が表示されるまで。また、複数単位遊技は、連続的または間欠的な複数回の単位遊技を適用してもよい。
【0143】
本実施形態においては、本発明の遊技機がパチスロ遊技装置である場合について説明したが、本発明の遊技機としては、例えば、スロットマシン、パチンコ遊技装置等を挙げることができる。
【0144】
以上、本発明の実施例を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。尚、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】本発明の遊技システムの一例を模式的に示す図である。
【図2】本発明のパチスロ遊技装置を模式的に示す斜視図である。
【図3】ミニゲームを模式的に示す説明図である。
【図4】主制御回路のブロック図である。
【図5】副制御回路のブロック図である。
【図6】メインルーチンを示すフローチャートである。
【図7】遊技処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図8】ボーナスゲーム(BB)処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図9】ボーナスゲーム(RB)処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】リプレイタイム処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図11】ミニゲーム処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図12】演出実行処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図13】制御装置の内部構成を示すブロック図である。
【図14】制御装置により行われる映像信号配信制御処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0146】
1(1A〜1H) パチスロ遊技装置
2 キャビネット
3L・3C・3R リール
5 液晶表示装置
6 スタートレバー
71 主制御回路
72 副制御回路
300 遊技システム
301 配線
310 制御装置
320 情報表示装置
330(330A〜330F) 撮影装置
340 女性(被写体)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機と、
所定の被写体を撮影可能な位置に設置され、前記被写体を撮影して映像信号を出力する撮影装置と、
前記遊技機から出力されるデータを受信し、該データが示す情報を前記被写体に対して伝達可能な態様で表示する情報表示装置と
を備えた遊技システムであって、
前記遊技機は、
映像の表示が可能な表示手段と、
前記撮影装置から出力される映像信号に基づく映像を前記表示手段に表示する処理を行う表示制御手段と、
複数の識別情報の変動表示と停止表示と行う変動表示手段と、
複数種類の内部当籤役の中から選択される内部当籤役を決定する決定手段と、
少なくとも前記決定手段により決定された内部当籤役に基づいて、前記変動表示手段により複数の識別情報の変動表示を行った後に停止表示し、停止表示された識別情報の組合せに応じた遊技媒体の払い出しを行う遊技を実行する遊技実行手段と、
前記遊技の状況又は結果の情報を示すデータを出力する出力手段と
を備えたことを特徴とする遊技システム。
【請求項2】
前記遊技の状況又は結果の情報は、前記決定手段により決定された内部当籤役を示す情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項3】
前記遊技機を複数台備え、
前記遊技の状況又は結果の情報は、当該遊技機を他の遊技機と識別するための識別情報を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技システム。
【請求項4】
前記撮影装置を複数台備え、更に、
複数台の前記撮像装置及び複数台の前記遊技機と通信可能に接続された制御装置を備えた遊技システムであり、
前記制御装置は、
複数台の前記撮像装置の夫々から映像信号を受信する信号受信手段と、
複数台の前記遊技機から前記遊技の状況又は結果の情報を示すデータを受信するデータ受信手段と、
前記遊技の状況又は結果の情報を示すデータに基づいて複数台の前記撮影装置から選択される1台の前記撮影装置から出力される映像信号を、当該遊技機に対して送信する信号送信手段と
を備えたことを特徴とする請求項3に記載の遊技システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−55949(P2009−55949A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−223186(P2007−223186)
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】