説明

遊技台

【課題】部品点数の増大、コスト高、スペースの圧迫、制御負担の増大などを回避しつつ、可動部材の移動制御を正確に行うことができる遊技台を提供する。
【解決手段】遊技台は、可動体と、前記可動体を移動させる制御を少なくとも実行する移動制御手段と、を備えた遊技台であって、前記移動制御手段は、前記可動体をメカエンドに向かわせて移動させる制御を少なくとも実行可能なものとし、前記移動制御手段は、前記可動体と前記メカエンドとが当接された後も、前記制御を少なくとも実行可能なものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシンやパチンコ機などに代表される遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スロットマシンやパチンコ機等の遊技台の一つとして、遊技の興趣を増大させるために、図柄表示装置の前面に、動きのある演出装置を配置した遊技台が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような遊技台の中には、所定条件の成立に基づいて、演出装置を初期位置に移動させる初期化動作を行うものがある。これは、演出装置を移動させる場合に、制御部が把握している位置と実際の位置にズレが生じていることがあり、演出装置が目標位置を超えて他の部材に衝突してしまったり、モータの脱調により故障し可動不能になったりするおそれがあるためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−13628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の遊技台において上述の初期化動作を行うためには、少なくとも初期位置に演出装置を検出するためのセンサを設けた上で、センサの検出に基づいて演出装置の移動を制御する必要があった。そのため、センサが遊技台内部のスペースを圧迫し、遊技台に備える部材の増加によりコスト高になってしまう上に、常にセンサを監視して演出装置の位置を把握する必要があるため、制御負担が増大してしまうといった問題があった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点を解決するためになされたものであって、部品点数の増大、コスト高、スペースの圧迫、制御負担の増大などを回避しつつ、可動体の移動制御を正確に行うことができる遊技台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、可動体と、前記可動体を移動させる制御を少なくとも実行する移動制御手段と、を備えた遊技台であって、前記移動制御手段は、前記可動体をメカエンドに向かわせて移動させる制御を少なくとも実行可能なものとし、前記移動制御手段は、前記可動体と前記メカエンドとが当接された後も、前記制御を少なくとも実行可能なものである、ことを特徴とする遊技台である。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る遊技台によれば、部品点数の増大、コスト高、スペースの圧迫、制御負担の増大などを回避しつつ、可動体の移動制御を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】スロットマシンの外観斜視図を示したものである。
【図2】スロットマシンの制御部の回路ブロック図である。
【図3】(a)サイドランプを分解した状態を示す分解斜視図である。(b)サイドランプを組み立てた状態を示す斜視図である。
【図4】(a)可動演出ユニットのレンズ部が第1の位置(初期位置)にある場合の可動演出ユニットの側断面図である。(b)可動演出ユニットのレンズ部が第2の位置(中間位置)にある場合の可動演出ユニットの側断面図である。(c)可動演出ユニットのレンズ部が第3の位置(最終位置)にある場合の可動演出ユニットの側断面図である。
【図5】主制御部300における遊技の基本的制御を示すフローチャートである。
【図6】主制御部300のタイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】各種遊技処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】(a)副制御部400のCPUが実行するメイン処理のフローチャートである。(b)副制御部400のストローブ割込み処理の流れを示すフローチャートである。(c)副制御部400のタイマ割込み処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】状態更新処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】(a)副制御部500のCPUが実行するメイン処理のフローチャートである。(b)副制御部500のストローブ割込み処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】(a)演出装置制御処理の流れを示すフローチャートである。(b)副制御部500のタイマ割込み処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】演出装置駆動処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】(a)初期位置にある可動演出ユニットの側面図である。(b)初期位置とは異なる位置にある可動演出ユニットの側面図である。(c)、(d)初期位置設定動作中の可動演出ユニットの側面図である。
【図14】パチンコ機を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
【図15】パチンコ機の組み立て工程の一例を示した図である。
【図16】(a)振動センサを示した図である。(b)遊技者がパチンコ機の扉部材を叩いている様子を示した図である。(c)パチンコ機の制御部が実行する状態更新処理の流れを示したフローチャートである。
【図17】遊技者の操作回数を監視する状態更新処理の一例を示したフローチャートである。
【図18】遊技者がパチンコ機のチャンスボタンを乱暴に連打している様子を示した図である。
【図19】遊技者による球の発射回数を監視する状態更新処理の一例を示したフローチャートである。
【図20】他の例に係るパチンコ機の正面図である。
【図21】カジノマシンの外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて、本発明の実施例に係る遊技台(スロットマシン)について詳細に説明する。
【0010】
<全体構成>
まず、図1を用いて、本実施例に係るスロットマシン100の全体構成について説明する。なお、同図はスロットマシン100の外観斜視図を示したものである。
【0011】
このスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。また、図示はしないが、本体101には、前面扉102の開閉状態を検出することが可能な扉センサ319(図2参照)と、スロットマシン100の振動の有無を検出することが可能な振動センサ320(図2参照)を設けている。
【0012】
本体101の中央内部には、(図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112はステッピングモータ等の駆動手段により回転駆動される。
【0013】
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示手段として機能する。なお、このような表示手段としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0014】
各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
【0015】
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン114は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを入賞ラインとして有効としてもよい。
【0016】
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
【0017】
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
【0018】
メダル投入口134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口134から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
【0019】
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口134に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
【0020】
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応づけられている。以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
【0021】
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
【0022】
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
【0023】
音孔160はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の上部には演出装置190が配設されており、演出装置190の上部には音孔143が設けられている。演出装置190は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。また、前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ700は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである(サイドランプ700の詳細は後述する)。
【0024】
<制御部>
次に、スロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。図2は、スロットマシン100の制御部の回路ブロック図である。
【0025】
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う副制御部400と、副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する副制御部500と、によって構成されている。
【0026】
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、WDT(ウォッチドッグタイマ)を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器314が出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
【0027】
基本回路302は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
【0028】
また、主制御部300は、各種センサ318、扉センサ319、および振動センサ320に接続されたセンサ回路320を備えている。CPU304は、割り込み時間ごとに、センサ回路320を介して各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。例えば、センサ回路320がスタートレバー135センサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
【0029】
メダル受付センサは、メダル投入口134の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139は、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
【0030】
ベットボタン130センサ、およびベットボタン131センサは、メダル投入ボタン130、131のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
【0031】
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、および、リール112のインデックスセンサは、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
【0032】
CPU304は、割り込み時間ごとに、センサ回路320を介して扉センサ319から出力される信号を検出し、前面扉102が開状態であるか閉状態であるかを監視している。また、CPU304は、割り込み時間ごとに、振動センサ320から出力される信号を検出してスロットマシン100の振動の有無を監視している。
【0033】
主制御部300は、リール装置110乃至112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322と、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ336に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324と、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326と、各種ランプ338(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を備える。
【0034】
また、基本回路302には、情報出力回路334(外部集中端子板248)を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
【0035】
また、主制御部300は、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
【0036】
<副制御部400>
次に、スロットマシン100の副制御部400について説明する。副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えている。この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、副制御部400は、副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されたROM406を備えている。
【0037】
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0038】
また、副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このS−ROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
【0039】
また、副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)を設けている。また、CPU404は、出力インタフェースを介して副制御部500へ信号の送受信を行う。
【0040】
<副制御部500>
次に、スロットマシン100の副制御部500について説明する。副制御部500は、副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、副制御部500には、副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM506が設けられている。ROM506には遊技台に備えられた演出装置の移動制御に関する移動制御データ等が予め格納されている。
【0041】
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU504に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0042】
また、副制御部500には、各種演出装置(演出装置190、サイドランプ700など)を駆動するための駆動回路530を設けている。この駆動回路530は、CPU504からの命令に応じて各種演出装置に設けた駆動機構(例えば、可動演出ユニット704の駆動モータ710など)に駆動信号を出力する。
【0043】
また、副制御部500には、演出装置190に設置された演出装置センサ538から出力される信号を検出するためのセンサ回路532を備えている。CPU504は、割り込み時間ごとに、演出装置センサ538から出力される信号を検出して演出装置190の2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bの開閉状態を監視している。
【0044】
また、副制御部500には、VDP534(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)を設けており、このVDP534には、バスを介してVRAM536が接続されている。VDP534は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM536のワークエリアを使用して表示画像を生成し、液晶表示装置157に画像を表示する。
【0045】
<サイドランプ>
次に、サイドランプ700について詳細に説明する。図3(a)は、サイドランプ700を分解した状態を示す分解斜視図であり、同図(b)は、サイドランプ700を組み立てた状態を示す斜視図である。
【0046】
このサイドランプ700は、細長板状のベース部材702と、このベース部材702の長手方向に所定間隔を空けて設置された4つの可動演出ユニット704と、この4つの可動演出ユニット704を個々に仕切るための仕切り部材706と、4つの可動演出ユニット704全体を覆うようにして仕切り部材706に着脱可能に取付けられるカバー部材708によって構成されている。上記図1に示すように、本実施例では、サイドランプ700は、スロットマシン100の上部右側と上部左側にそれぞれ1つずつ設置される。
【0047】
ベース部材702には、4つの可動演出ユニット704が縦方向に所定の間隔を空けて設置される。なお、ベース部材702に設置される可動演出ユニット704の数・配置・大きさ・向きなどは、例示したものに限定されない。仕切り部材706は、内部空間を4つの空間に仕切るための3つの仕切り板706aを備えており、仕切り部材706をベース部材702に取付けたときに、4つの可動演出ユニット704が仕切り部材706内部の4つの空間にそれぞれ収容される。カバー部材708は、可動演出ユニット704がスロットマシン100の正面から視認可能な半透明の部材からなり、仕切り部材706の正面に取付ねじ710によって固定される。
【0048】
<可動演出ユニットの構成>
次に、可動演出ユニット704の構成について詳細に説明する。図4(a)は可動演出ユニット704のレンズ部716が第1の位置(初期位置)にある場合の可動演出ユニット704の側断面図であり、同図(b)は可動演出ユニット704のレンズ部716が第2の位置(中間位置)にある場合の可動演出ユニット704の側断面図であり、同図(c)は可動演出ユニット704のレンズ部716が第3の位置(最終位置)にある場合の可動演出ユニット704の側断面図である。
【0049】
この可動演出ユニット704は、ベース部材702に固定されたベース部709と、このベース部709に設置された駆動モータ(本実施例では、ステッピングモータ)710と、この駆動モータ710の駆動力を伝達するための動力伝達部712(712a〜712c)と、この動力伝達部712(712a〜712c)によって回転駆動される第1腕部714と、この第1腕部714の動力を第2腕部718に伝達するためのリンク部715と、このリンク部715に駆動される第2腕部718と、第1腕部714および第2腕部718の回転に伴って所定範囲内を移動するレンズ部716と、このレンズ部716に向けて光を出射する複数のLED720と、を有して構成されている。
【0050】
動力伝達部712は、駆動モータ710の駆動軸と噛合する第1歯車712aと、この第1歯車712aと同じ回転軸上に配置されて第1歯車712aと一体回転が可能な第2歯車712bと、この第2歯車712bと噛合する第3歯車712cによって構成されている。
【0051】
第1腕部714は、くの字形状の部材からなり、一端部がリンク部715に回転自在に連結され、他端部がレンズ部716の底面端部に回転自在に連結されている。また、第1腕部714は、動力伝達軸714aを介して第3歯車712cに連結されており、第3歯車712cの反時計回りの回転に伴ってリンク部715側の端部を基点として反時計回りに回動自在に構成されている。
【0052】
第2腕部718は、一端部近傍においてベース部709に回転自在に支持されたL字形状の部材からなり、一端部がリンク部715に回転自在に連結され、他端部がレンズ部716の底面中央部近傍に回転自在に連結されている。
【0053】
レンズ部716は、可動演出ユニット704内部に配設されたLED720から出射される光を、可動演出ユニット704外部に透過可能な透明部材(または半透明部材)からなり、ベース部材709、駆動モータ710、動力伝達部712(712a〜712c)、第1腕部714、リンク部715、第2腕部718、およびLED720などの移動機構を内部に収容可能な箱状の形状を有している。また、レンズ部716は、第1腕部714および第2腕部718に駆動されて、同図(a)に示す第1の位置(初期位置、収容位置)と、同図(c)に示す第3の位置(最終位置、非収容位置)との間を移動する。なお、隣接する可動演出ユニット704同士は、各々のレンズ部716を動作させた場合に、レンズ部716同士が干渉し合わないだけの距離を空けて配設されている。
【0054】
<可動演出ユニットの動作>
次に、可動演出ユニット704の動作について詳細に説明する。主制御部300は、所定の条件が成立した場合(例えば、特定の入賞役(例えば、ビッグボーナス)に内部当選した場合)に、副制御部400に対して可動演出ユニット704を駆動するための制御コマンドを送信し、この制御コマンドを受信した副制御部400は、副制御部500に同様の制御コマンドを送信する。この制御コマンドを受信した副制御部500は、上述の駆動回路530を介して駆動モータ710を駆動する。
【0055】
駆動モータ710が駆動されると、駆動モータ710の駆動軸が回転され、この駆動軸に噛合する第1歯車712aが回転駆動される。第1歯車712aが回転駆動されると、第1歯車712aの回転軸を介して第2歯車712bが回転駆動され、続いて、第2歯車712bと噛合する第3歯車712cが回転駆動される。第3歯車712cが回転駆動されると、動力伝達軸714aを介して第3歯車712cの動力が第1腕部714に伝達され、第1腕部714が回転駆動される。第1腕部714が回転駆動されると、第1腕部714の動力の一部がリンク部715を介して第2腕部718に伝達され、第2腕部718が回転駆動される。このようにして、第1腕部714および第2腕部718が反時計回りに回転駆動されると、これらに支持されたレンズ部716は、同図(a)に示す第1の位置(初期位置)から、同図(b)に示す第2の位置(中間位置)を経て、同図(c)に示す第3の位置(最終位置)まで、円弧状の軌道を描きながら移動される。
【0056】
一方、レンズ部716が同図(c)に示す第3の位置(最終位置)にある場合に駆動モータ710を逆方向に回転させ、第1腕部714および第2腕部718が時計周りに回転駆動されたときは、レンズ部716は、同図(c)に示す第3の位置(最終位置)から、同図(b)に示す第2の位置(中間位置)を経て、同図(a)に示す第1の位置(初期位置)まで、円弧状の軌道を描きながら移動される。
【0057】
<主制御部のメイン処理>
次に、主制御部300のメイン処理について説明する。図5は、主制御部300における遊技の基本的制御を示すフローチャートである。遊技の基本的制御は主制御部300のCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図の処理を実行する。また、各処理の実行によって得られた情報は副制御部400に送信する。
【0058】
以下、この処理について説明する。電源投入が行われると、まず、ステップS101で初期処理が実行される。ここでは各種の初期化処理が行われる。ステップS103ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればステップS105へ進む。
【0059】
ステップS105では投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。ステップS107では乱数発生回路316で発生させた乱数を取得する。ステップS109では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS107で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがONになる。ステップS111では内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。
【0060】
ステップS113では全リール110乃至112の回転を開始させる。ステップS115では、ストップボタン137乃至139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110乃至112の何れかをステップS111で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。全リール110乃至112が停止するとステップS117へ進む。
【0061】
ステップS117では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する図柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。
【0062】
ステップS119では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。ステップS121では遊技状態制御処理を行う。以上により1ゲームが終了し、以降はステップS103へ戻って上述のステップS103〜S121の処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
【0063】
<主制御部300タイマ割込処理>
次に、主制御部300のタイマ割込処理について説明する。図6は主制御部300のタイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【0064】
ステップS201では、主制御部CPU310の入力ポートのデータを取得し、チャタリングの除去等を行う。ステップS203では、各種遊技処理を行う。詳細は後述するが、この各種遊技処理では、各種センサ318、扉センサ319、および振動センサ320からの信号に基づいて、各種割込みステータスを取得し、このステータスに従った処理を行う(例えば、取得した各ストップボタン137乃至139の割込みステータスに基づいて、停止ボタン受付処理を行う)。
【0065】
ステップS205では、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関連するエラー処理を行う。ステップS207では、現在の遊技状態及び遊技進行状況に応じて、メダルセレクタ336(メダルセレクタ336内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ338等の状態を更新する。
【0066】
ステップS209では、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。ステップS211では、メダル投入信号やメダル払出信号などの遊技信号を情報出力回路334を介して外部に出力するための設定をする。ステップS213では、各種ランプ338、情報出力回路334等に対して出力ポートより制御信号を出力する。ステップS215では、各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。
【0067】
ステップS217では、副制御部400に対して各種コマンドを出力する。例えば、スタートレバー受付コマンド、演出抽選処理に伴う演出コマンド、リール110乃至112の回転を開始に伴う回転開始コマンド、ストップボタン137乃至139の操作の受け付けに伴う停止ボタン受付コマンド、リール110乃至112の停止処理に伴う停止位置情報コマンド、メダル払出処理に伴う払出枚数コマンド及び払出終了コマンド、後述する扉状態情報を含む扉状態情報コマンド等を副制御部400に対して送信する。
【0068】
ステップS219では、電圧監視回路330からの信号の検出があったか否かを判断する。そして信号検出があった場合にはステップS223に進み、信号検出が無かった場合にはステップS221に進む。
【0069】
ステップS223では、RAM308の所定エリア内に記憶された全ての値の合計値を算出し、算出した合計値が0となる補正値をチェックサムとして設定する等の電断時の処理を行う。ステップS221では、割り込み処理を終了する各種処理を行う。
【0070】
<各種遊技処理>
次に、上記主制御部300タイマ割り込み処理における各種遊技処理について詳細に説明する。図7は、各種遊技処理の流れを示すフローチャートである。
【0071】
ステップS301では、センサ回路320を介して扉センサ319が出力する信号の状態を取得する。
【0072】
ステップS302では、扉センサ319からの信号が所定の信号(例えば、ハイレベル信号)であるか否かを判定する。そして、扉センサ319から所定の信号(例えば、ハイレベル信号)を入力した場合には前面扉102が開放されていると判定し、ステップ303において、RAM308に設けた扉状態情報記憶領域に、前面扉102が開放されていることを示す扉状態情報(扉開放、開状態)を記憶する。一方、扉センサ319から所定の信号以外の信号(例えば、ローレベル信号)を入力した場合には前面扉102が閉鎖されていると判定し、ステップS304において、上述の扉状態情報記憶領域に、前面扉102が閉鎖されていることを示す扉状態情報(扉閉鎖、閉状態)を記憶する。ステップS305では、他の処理を行った後に処理を終了する。
【0073】
<副制御部400メイン処理>
次に、副制御部400の処理について説明する。図8(a)は、副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。
【0074】
ステップS401では、各種の初期設定を行う。この初期設定では、入出力ポートの初期設定や、RAM内の記憶領域の初期化処理等を行う。ステップS403では、後述するコマンド記憶領域に制御コマンドが格納されているか否かを判定し、格納されていない場合には、ステップS405に進み、格納されている場合には、制御コマンドを取得し、コマンド記憶領域の情報(コマンド記憶数、次コマンドの記憶有り情報等)を更新する。
【0075】
ステップS405では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS403で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
【0076】
ステップS407では、ステップS405で読み出した演出データの中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。ステップS409では、ステップS405で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
【0077】
ステップS411では、ステップS405で読み出した演出データの中に副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS403へ戻る。
【0078】
<副制御部400ストローブ割込み処理>
次に、副制御部400ストローブ割込み処理について説明する。図8(b)は、副制御部400のストローブ割込み処理の流れを示すフローチャートである。
【0079】
このストローブ割込み処理は、副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。ストローブ割込み処理のステップS501では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
【0080】
<副制御部400タイマ割込み処理>
次に、副制御部400のタイマ割込み処理について説明する。図8(c)は、副制御部400のタイマ割込み処理の流れを示すフローチャートである。
【0081】
副制御部400は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込みを発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込みを契機として、副制御部400タイマ割込み処理を実行する。ステップS601では、状態更新処理を行う。詳細は後述するが、この状態更新処理では、前面扉102の状態の取得や更新などを行う。次のステップS602では、汎用タイマの更新、副制御部500への制御コマンドの送信、演出用乱数値の更新処理等を行う。
【0082】
<状態更新処理>
次に、上記副制御部400タイマ割込み処理における状態更新処理について詳細に説明する。図9は、状態更新処理の流れを示すフローチャートである。
【0083】
ステップS701では、RAM408に設けた今回扉状態情報に記憶された扉状態情報を前回扉状態情報に退避した後に、主制御部300から受信した扉状態情報コマンドに含まれる最新の扉状態情報を今回扉状態情報に記憶する。
【0084】
ステップS702では、今回扉状態情報と前回扉状態情報を比較して、両者の情報が変化したか否かを判定し、該当する場合(扉状態情報が変化した場合)にはステップS703に進み、該当しない場合にはステップS705に進む。
【0085】
ステップS703では、今回扉状態情報が扉閉鎖(閉状態)であるか否かを判定し、該当する場合にはステップS704に進み、該当しない場合にはステップS705に進む。ステップS704では、演出装置制御コマンドの一つである初期位置設定動作制御コマンドを設定する。なお、この初期位置設定動作制御コマンドは、上記ステップS411において副制御部400から副制御部500に対して送信される。ステップS705では、その他の処理を行った後に、処理を終了する。
【0086】
<副制御部500メイン処理>
次に、副制御部500の処理について説明する。図10(a)は、副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。
【0087】
ステップS801では、各種の初期設定を行う。この初期設定では、入出力ポートの初期設定や、RAM内の記憶領域の初期化処理等を行う。ステップS803では、VSYNC信号カウンタを加算・更新してVSYNC信号カウンタが2であるか否かを判定し、該当する場合にはステップS805に進み、該当しない場合にはステップS803の処理を繰り返し実行する。ステップS805では、VSYNC信号カウンタをクリアする。
【0088】
ステップS807では、後述するコマンド記憶領域に制御コマンドが格納されているか否かを判定し、格納されていない場合には、ステップS809に進み、格納されている場合には、制御コマンドを取得し、コマンド記憶領域の情報(コマンド記憶数、次コマンドの記憶有り情報等)を更新する。
【0089】
ステップS809では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS807で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
【0090】
ステップS811では、演出装置制御処理を行う。詳細は後述するが、この演出装置制御処理では、ステップS809で読み出した演出データの中にサイドランプ700や演出装置190への命令がある場合には、この命令をサイドランプ700や演出装置190に出力する。
【0091】
ステップS813では、ステップS809で読み出した演出データの中に液晶表示装置157への命令がある場合には、この命令をVDP534などに出力し、ステップS803に戻る。
【0092】
<副制御部500ストローブ割込み処理>
次に、副制御部500ストローブ割込み処理について説明する。図10(b)は、副制御部500のストローブ割込み処理の流れを示すフローチャートである。
【0093】
このストローブ割込み処理は、副制御部500が、副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。ストローブ割込み処理のステップS901では、副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。なお、コマンド記憶領域に演出装置制御コマンドが記憶されている場合には、RAM508に設けた演出装置制御コマンド受信フラグをオンに設定する。
【0094】
<演出装置制御処理>
次に、演出装置制御処理について説明する。図11(a)は、演出装置制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0095】
ステップS1001では、演出装置制御コマンド受信フラグがオンかオフかを判定し、オンの場合にはステップS1002に進み、オフの場合には処理を終了する。
【0096】
ステップS1002では、演出装置制御コマンドが初期位置設定動作制御コマンドであるか否かを判定し、該当する場合にはステップS1003に進み、該当しない場合にはステップS1004に進む。
【0097】
ステップS1003では、ROM507の記憶領域から初期位置設定動作制御データを読み出し、ステップS1004では、ROM507の記憶領域から、その他の動作制御データを読み出した後に、ステップS1005に進む。ステップS1005では、ステップS1003またはS1004で読み出した動作制御データを、RAM508の記憶領域に記憶する。
【0098】
ステップS1006では、演出装置制御コマンド受信フラグをオフに設定する。ステップS1007では、RAM507に設けた演出装置制御中フラグをオンに設定して、処理を終了する。
【0099】
<副制御部500タイマ割込み処理>
次に、副制御部500のタイマ割込み処理について説明する。図11(b)は、副制御部500のタイマ割込み処理の流れを示すフローチャートである。
【0100】
副制御部500は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込みを発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込みを契機として、副制御部500タイマ割込み処理を実行する。
【0101】
ステップS1101では、演出装置制御中フラグがオンかオフかを判定し、オンの場合にはステップS1102に進み、オフの場合にはステップS1104に進む。ステップS1102では、上記ステップS1005でRAM508に記憶した動作制御データを読み出し、ステップS1103では、この動作制御データに基づいて演出装置駆動処理(詳細は後述)を行う。ステップS1104では、各種更新処理を行った後、処理を終了する。
【0102】
<演出装置駆動処理>
次に、上記副制御部500タイマ割込み処理における演出装置駆動処理について説明する。図12は、演出装置駆動処理の流れを示すフローチャートである。
【0103】
ステップS1201では、RAM508に設けているパルス出力タイミング管理カウンタを更新(例えば、1つ加算)する。ステップS1202では、ステップS1201で更新したパルス出力タイミング管理カウンタを参照し、可動演出ユニット704の駆動モータ710への(駆動)パルスの出力タイミングであるか否かを判定する。そして、パルスの出力タイミングである場合には、ステップS1203に進み、そうでない場合には処理を終了する。
【0104】
ステップS1203では、上記演出装置制御処理のステップS1005で設定した演出装置制御データを参照し、この演出装置制御データ(例えば、パルス数)にしたがって駆動モータ710にパルスを出力する。
【0105】
ステップS1204では、演出装置制御データを更新し、次回の演出装置駆動処理で使用する演出装置制御データを準備する。ステップS1205では、演出装置動作制御が終了したか否かを判定し、該当する場合にはステップS1206に進み、該当しない場合には処理を終了する。ステップS1206では、上述の演出装置制御中フラグをオフに設定した後に、処理を終了する。
【0106】
<可動演出ユニット704の初期位置設定動作>
次に、サイドランプ700の可動演出ユニット704の初期位置設定動作について説明する。図13(a)は初期位置にある可動演出ユニット704の側面図であり、同図(b)は初期位置とは異なる位置にある可動演出ユニット704の側面図であり、同図(c)および(d)は初期位置設定動作中の可動演出ユニット704の側面図である。なお、同図(a)〜(d)の横には、参考のために、可動演出ユニット704の初期位置、メカエンド位置、現在位置などの位置情報を図示している。
【0107】
同図(a)に示すように、可動演出ユニット704のレンズ部716の底部716aは、ベース部702に当接するメカエンド位置を基端として、同図に示す最大移動領域(この例では、駆動モータ710を88ステップ数だけ回転させた場合にレンズ部716が移動する距離)の範囲内を移動可能に構成されている。しかしながら、本実施例のスロットマシン100では、レンズ部702の移動制御の誤差を考慮して、通常時(初期位置設定動作時以外)は、可動演出ユニット704のレンズ部716の底部716aが、メカエンド位置から所定距離(この例では、駆動モータ710を4ステップ数だけ回転させた場合にレンズ部716が移動する距離)だけ離れた初期位置を基端として、同図に示す通常移動領域(駆動モータ710を80ステップ数だけ回転させた場合にレンズ部716が移動する距離)の範囲内を移動するように制御される。
【0108】
同図(b)は、例えば、スロットマシン100の前面扉102の開け閉めなどにより、可動演出ユニット704のレンズ部716が初期位置から現在位置までずれてしまった様子を示している。
【0109】
スロットマシン100の主制御部300は、上記各種遊技処理のステップS303またはS304において前面扉102の扉状態情報を扉開放(開状態)または扉閉鎖(閉状態)に設定し、上記主制御部300タイマ割込処理のステップS217において、設定した扉状態情報を含む扉状態情報コマンドを副制御部400に対して送信する。
【0110】
続いて、この扉状態情報コマンドを受信した副制御部400は、上記状態更新処理のステップS702およびS703において、前面扉102が開状態から閉状態になったか否かを判定し、閉状態になったと判定した場合に、ステップS704において、副制御部500に対して、演出装置制御コマンドの一つである初期位置設定動作制御コマンドを送信する。
【0111】
続いて、この初期位置設定動作制御コマンドを受信した副制御部500は、上記演出装置制御処理のステップS1003において、ROM506から初期位置設定動作制御データを読み出し、ステップS1005において、RAM508に初期位置設定動作制御データを記憶する。また、上記演出装置駆動処理のステップS1203において、パルスの出力タイミングに合わせて、演出装置制御データに記憶されたパルス数(この例では、レンズ部716をメカエンド位置の方向に移動させるために駆動モータ710を88ステップ分回転させるために必要なパルス数)を駆動モータ710に出力する。この結果、レンズ部716はメカエンド位置の方向に移動され、レンズ部716の底部716aがベース部材702に当接してレンズ部716の移動が規制されるが、その後も駆動モータ710は88ステップ分の回転が終了するまで空転する。
【0112】
続いて、副制御部500は、次回の演出装置駆動処理のステップS1203において、パルスの出力タイミングに合わせて、演出装置制御データに記憶されたパルス数(この例では、レンズ部716をメカエンド位置から初期位置の方向に移動させるために駆動モータ710を4ステップ分回転させるために必要なパルス数)を駆動モータ710に出力する。この結果、レンズ部716はメカエンド位置から初期位置の方向に移動され、レンズ部716の底部716aが初期位置まで移動される。
【0113】
以上説明したように、本実施例に係るスロットマシン100は、可動部材(例えば、レンズ部716)と、前記可動部材を少なくとも所定の移動範囲内(例えば、通常移動領域内)で移動させる移動制御手段(例えば、副制御部500)と、前記可動部材の移動を規制する移動規制部(例えば、ベース部材702)と、を備えた遊技台であって、前記遊技台の状態変化を検出可能な状態変化検出手段(例えば、扉センサ319、振動センサ320)をさらに備え、前記移動制御手段は、前記状態変化検出手段の検出結果に基づいて、前記可動部材を、前記所定の移動範囲を超える位置であって前記移動規制部によって移動が規制される位置(例えば、メカエンド位置)まで移動させた後に前記所定の移動範囲内(例えば、初期位置)に移動させる初期位置設定動作を行うことを特徴とする、遊技台である。
【0114】
本実施例に係るスロットマシン100によれば、可動部材の現在位置を把握することなく初期位置へと移動させることが可能となるため、可動部材の現在位置を検出するためのセンサを設ける必要がない。そのため、部品点数の増大、コスト高、スペースの圧迫などを回避しつつ、可動部材の移動制御を正確に行うことができる。また、センサによる検知に基づく制御負荷等が軽減される。
【0115】
また、前記状態変化検出手段は、前記遊技台の扉(例えば、前面扉102)の開閉を検出可能な扉開閉検出手段(例えば、扉センサ319)であり、前記移動制御手段は、前記扉開閉検出手段によって前記扉の閉鎖が検出された場合に前記初期位置設定動作を行ってもよい。
【0116】
遊技機の扉は非常に重く、また、通常は、板金とスプリングにより係止がされているため、扉の閉鎖時には遊技機全体に衝撃が加えられ、衝撃により遊技機に設けられた可動部材が予期せぬ位置に移動することがあるが、このような構成とすれば、扉の閉鎖を検知した場合に、制御負担なく可動部材を所定の位置に確実に移動させることが可能となる。また、遊技台の出荷検査などにおいて、扉を開けて遊技台の内部を検査した後に、扉を閉めたような場合に、可動部材を初期位置に移動させることができる。
【0117】
また、前記可動部材は、前記扉に配設され、前記可動部材の移動方向が、前記扉の開閉方向とほぼ同じ方向であってもよい。
【0118】
可動部材の移動方向が、扉を閉鎖した際に衝撃が加えられる方向と同一の場合、さらに可動部材が予期せぬ位置に移動する可能性が高くなるが、このような構成とすれば、可動部材を所定の位置に確実に移動させることが可能となる。
【0119】
また、前記状態変化検出手段は、前記遊技台の振動を検出可能な振動検出センサ(例えば、振動センサ320)であり、前記移動制御手段は、前記振動検出センサによって振動が検出された場合に前記初期位置設定動作を行ってもよい。
【0120】
このような構成とすれば、振動によって予期せぬ位置に移動してしまった可動部材を、所定の位置に確実に移動させることが可能となる。
【0121】
また、前記振動検出センサは、遊技の進行に伴って発生する振動(例えば、遊技者の遊技操作による振動、遊技媒体の動きによる振動、遊技媒体の払出による振動など)を検出可能に構成されていてもよい。
【0122】
このような構成とすれば、遊技媒体の払出などによる振動により予期せぬ位置に移動してしまった可動部材を、所定の位置に確実に移動させることが可能となる。
【0123】
また、前記状態変化検出手段は、遊技者が操作可能な遊技操作部(例えば、メダル投入ボタン)からなり、前記移動制御手段は、前記遊技操作部の操作に基づいて前記初期位置設定動作を行ってもよい。
【0124】
このような構成とすれば、例えば、遊技者が乱暴な遊技操作をしたことにより予期せぬ位置に移動してしまった可動部材を、所定の位置に確実に移動させることが可能となる。
【0125】
また、本実施形態に係るパチンコ機100は、可動体(例えば、可動演出ユニット704)と、前記可動体を移動させる制御を少なくとも実行する移動制御手段(例えば、制御部)と、を備えた遊技台であって、前記移動制御手段(例えば、制御部)は、前記可動体(例えば、可動演出ユニット704)をメカエンド(例えば、可動体が取り付けられるベース部)に向かわせて移動させる制御(例えば、初期位置設定動作制御、メカエンド位置の方向への移動)を少なくとも実行可能なものとし、前記移動制御手段は、前記可動体と前記メカエンドとが当接された後も、前記制御(例えば、初期位置設定動作制御、メカエンド位置の方向への移動)を少なくとも実行可能なものである、ことを特徴とする遊技台である。
【0126】
このような構成により、可動体の現在位置を把握することなく初期位置へと移動させることが可能となるため、可動体の現在位置を検出するためのセンサを設ける必要がない。そのため、部品点数の増大、コスト高、スペースの圧迫などを回避しつつ、可動体の移動制御を正確に行うことができる場合がある。また、センサによる検知に基づく制御負荷等が軽減される場合がある。
【0127】
また、複数の前記可動体(例えば、4つの可動演出ユニット704)を備え、前記移動制御手段(例えば、制御部)は、前記複数の可動体を移動させる前記制御を少なくとも実行可能である、ものとしてもよい。
【0128】
このような構成により、1つの可動体が初期位置からずれてしまった場合であっても、複数の可動体が一斉に初期位置まで移動するため、遊技者に、初期位置からずれた可動体の特定を困難にする(わかりにくくする)ことができる場合がある。
【0129】
また、前記複数の可動体(例えば、4つの可動演出ユニット704)は、少なくとも遊技台前後方向に移動可能に構成されている、ものとしてもよい。
【0130】
このような構成により、初期位置移動前の位置ずれがある場合において、遊技台の左右方向にずれた場合と比較して位置ずれ目立ちにくくすることができる場合がある。
【0131】
また、前記メカエンドは、前記可動体(例えば、可動演出ユニット704)が当接する際の衝撃を緩和する衝撃緩和手段を備えるものとしてもよい。
【0132】
このような構成により、可動体への負荷を低減することができる場合がある。
【0133】
また、本実施形態に係るスロットマシン100は、可動体(例えば、可動演出ユニット704)と、遊技演出の際に、通常移動範囲で前記可動体を移動させる移動制御手段(例えば、制御部)と、前記通常移動範囲の外に位置する前記可動体の移動範囲を規制する移動規制手段(例えば、メカエンド)と、を備えた遊技台であって、前記移動制御手段は、初期位置設定の際に、前記通常移動範囲の一端から他端までの移動距離を超える距離を移動させる第一の移動データ(例えば、駆動モータ710を88ステップ分回転させるために必要なパルス数)により、前記可動体を移動させる制御を実行可能であり、前記移動制御手段は、前記移動規制手段により前記可動体の移動が規制された後も、中断することなく前記制御を実行可能であり、前記移動制御手段は、前記制御を終了させた後、前記可動体を初期位置に移動させる第二の移動データ(例えば、メカエンド位置から初期位置に移動させるために駆動モータ710を回転させるために必要な4ステップ分のパルス数)により、前記可動体を前記初期位置に移動させる制御を実行可能であることを特徴とする、遊技台である。
【0134】
このような構成により、可動体の現在位置を把握することなく初期位置へと移動させることが可能となるため、可動体の現在位置を検出するためのセンサを設ける必要がない。そのため、部品点数の増大、コスト高、スペースの圧迫などを回避しつつ、可動体の移動制御を正確に行うことができる場合がある。また、センサによる検知に基づく制御負荷等が軽減される場合がある。
【0135】
また、開閉する扉(例えば、前面扉102)と、前記扉の開閉を検出可能な扉開閉検出手段(例えば、扉センサ319)と、を備え、前記移動制御手段(例えば、制御部)は、前記扉開閉検出手段によって前記扉の閉鎖が検出された場合に、前記可動体を前記初期位置に移動させるものとしてもよい。
【0136】
遊技機の扉は非常に重く、また、通常は、板金とスプリングにより係止がされているため、扉の閉鎖時には遊技機全体に衝撃が加えられ、衝撃により遊技機に設けられた可動部材が予期せぬ位置に移動することがあるが、このような構成とすれば、扉の閉鎖を検知した場合に、制御負担なく可動部材を所定の位置に確実に移動させることが可能となる場合がある。また、遊技台の出荷検査などにおいて、扉を開けて遊技台の内部を検査した後に、扉を閉めたような場合に、可動部材を初期位置に移動させることができる場合がある。
【0137】
このような構成とすれば、振動によって予期せぬ位置に移動してしまった可動部材を、所定の位置に確実に移動させることが可能となる。
【0138】
また、前記振動検出センサ(例えば、振動センサ320)は、遊技の進行に伴って発生する振動(例えば、遊技者の遊技操作による振動、遊技媒体の動きによる振動、遊技媒体の払出による振動など)を検出可能に構成されているものとしてもよい。
【0139】
このような構成とすれば、遊技媒体の払出などによる振動により予期せぬ位置に移動してしまった可動部材を、所定の位置に確実に移動させることが可能となる場合がある。
【0140】
また、前記状態変化検出手段(例えば、扉センサ319、振動センサ320)は、遊技者が操作可能な遊技操作部(例えば、メダル投入ボタン)からなり、前記移動制御手段(例えば、制御部)は、前記遊技操作部の操作に基づいて前記初期位置設定動作を行うものとしてもよい。
【0141】
このような構成とすれば、例えば、遊技者が乱暴な遊技操作をしたことにより予期せぬ位置に移動してしまった可動部材を、所定の位置に確実に移動させることが可能となる場合がある。
【0142】
なお、本発明に係る遊技台の構成は、上記実施例に係る遊技台の構成に限定されず、例えば、駆動モータ710はステッピングモータに限定されるものではない。また、副制御部500が初期位置設定動作の主たる制御を行う例を示したが、他の制御部が初期位置設定動作の主たる制御を行ってもよい。
【0143】
また、レンズ部716がベース部材702に当接する際の衝撃を緩和するための衝撃緩和手段をベース部材702に設けてもよい。また、レンズ部716がベース部材702に当接した後に駆動モータ710の駆動態様を変化させる(例えば、トルクを下げる、電流を下げる、など)ことによって衝撃を緩和するように構成してもよい。
【0144】
また、本発明は、複数種類の図柄が施された複数のリール(例えば、リール110〜112)と、前記複数のリールの回転を開始させるスタートスイッチ(例えば、スタートレバー135)と、前記複数のリールの各々に対応して設けられ、前記リールの回転を個別に停止させるストップスイッチ(例えば、ストップボタン137〜139)と、予め定められた複数種類の入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する内部抽選手段と、停止時の前記複数のリールにより表示された図柄の組合せが前記内部抽選手段により内部当選した入賞役の図柄組合せであるか否かにより前記入賞役への入賞を判定する判定手段と、を備えるスロットマシンに好適であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、遊技球(例えば、パチンコ玉)を遊技媒体としたスロットマシンやパチンコ機などにも適用可能である。
【0145】
図14はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。パチンコ機100は、ガラス製または樹脂製の透明板部材152および透明部材保持枠154からなる扉部材156の奥側にガラスを通して視認可能に配設した後述する遊技盤(盤面)102を備えている。また、図示はしないが、パチンコ機100の本体には、扉部材156の開閉状態を検出することが可能な扉センサと、パチンコ機100の振動の有無を検出することが可能な振動センサ160(詳細は後述)を設けている。
【0146】
扉部材156の下方には、発射モータ(図示省略)によって回動する発射杆138と、この発射杆138の先端部に取り付けて球を遊技盤(盤面)102に向けて打ち出す発射槌140と、この発射槌140によって打ち出す球を外レール(図示省略)に導くための発射レール142と、球を一時的に貯留すると共に、貯留している球を順次、発射レール142に供給するための貯留皿144と、遊技者による押下操作が可能であり、所定の時期にその操作を検出した場合に装飾図柄表示装置(図示省略)等による演出表示を変化させるためのチャンスボタン146を配設している。
【0147】
また、発射杆138および発射槌140の下方には、発射杆138を制御して遊技領域104に向けて球の発射強度の操作を行うための操作ハンドル148を配設していると共に、貯留皿144の下方には、貯留皿144に貯留できない溢れ球を貯留するための下皿150を設けている。また、扉部材156の最上部には、上述のサイドランプ700を横方向に1つ配設している。
【0148】
図15はパチンコ機100の組み立て工程の一例を示した図である。パチンコ機100の制御部は、上述の扉センサによって扉部材156の開閉状態を監視し、扉部材156が開状態から閉状態になった場合(例えば、作業者が扉部材156を開けてパチンコ機100の内部を検査した後に、扉部材156を閉じた場合)に、上述した可動演出ユニット704の初期位置設定動作を行い、可動演出ユニット704のレンズ部716を初期位置に移動させる。
【0149】
図16(a)は振動センサ160を示した図であり、同図(b)は遊技者がパチンコ機100の扉部材156を叩いている様子を示した図であり、同図(c)はパチンコ機100の制御部が実行する状態更新処理の流れを示したフローチャートである。
【0150】
同図(a)に示す振動センサ160は、ベース160cの一端側に固定された棒状の導体160bと、この導体160bの周囲を囲んでベース160cの他端側に固定されたスプリング160aを有して構成されている。振動センサ160は、振動によってスプリング160aが変形した場合に、導体160bの抵抗値が変化するように構成されており、導体160bの電圧(または電流)の変化を検出することによって振動センサ160の振動の有無を検出することが可能である。
【0151】
また、パチンコ機100の制御部は、同図(c)に示す状態更新処理のステップS1301において振動センサ160からの信号を定期的に監視し、振動の有無を判定する。そして、振動を検出していない場合には処理を終了するが、振動を検出した場合(例えば、同図(b)に示すように遊技者がパチンコ機100の扉部材156を叩いた結果、振動センサ160が振動有りの信号を出力した場合)には、ステップ1302において初期位置設定動作制御コマンドを他の制御部に送信する。そして、この制御コマンドを受信した他の制御部が、上述した可動演出ユニット704の初期位置設定動作を行い、可動演出ユニット704のレンズ部716を初期位置に移動させる。なお、ステップS1303では、その他の処理を行った後に処理を終了する。
【0152】
このパチンコ機100は、可動部材(例えば、レンズ部716)と、前記可動部材を少なくとも所定の移動範囲内(例えば、通常移動領域内)で移動させる移動制御手段(例えば、CPU)と、前記可動部材の移動を規制する移動規制部(例えば、ベース部材702)と、を備えた遊技台であって、前記遊技台の状態変化を検出可能な状態変化検出手段(例えば、扉センサ、振動センサ)をさらに備え、前記移動制御手段は、前記状態変化検出手段の検出結果に基づいて、前記可動部材を、前記所定の移動範囲を超える位置であって前記移動規制部によって移動が規制される位置(例えば、メカエンド位置)まで移動させた後に前記所定の移動範囲内(例えば、初期位置)に移動させる初期位置設定動作を行うことを特徴とする、遊技台である。
【0153】
また、本実施形態に係るパチンコ機100は、可動体(例えば、可動演出ユニット704)と、前記可動体を移動させる制御を少なくとも実行する移動制御手段(例えば、制御部)と、を備えた遊技台であって、前記移動制御手段(例えば、制御部)は、前記可動体(例えば、可動演出ユニット704)をメカエンド(例えば、可動体が取り付けられるベース部)に向かわせて移動させる制御(例えば、初期位置設定動作制御、メカエンド位置の方向への移動)を少なくとも実行可能なものとし、前記移動制御手段は、前記可動体と前記メカエンドとが当接された後も、前記制御(例えば、初期位置設定動作制御、メカエンド位置の方向への移動)を少なくとも実行可能なものである、ことを特徴とする遊技台である。
【0154】
また、パチンコ機100は、可動体(例えば、可動演出ユニット704)と、遊技演出の際に、通常移動範囲で前記可動体を移動させる移動制御手段(例えば、制御部)と、前記通常移動範囲の外に位置する前記可動体の移動範囲を規制する移動規制手段(例えば、メカエンド)と、を備えた遊技台であって、前記移動制御手段は、初期位置設定の際に、前記通常移動範囲の一端から他端までの移動距離を超える距離を移動させる第一の移動データ(例えば、駆動モータ710を88ステップ分回転させるために必要なパルス数)により、前記可動体を移動させる制御を実行可能であり、前記移動制御手段は、前記移動規制手段により前記可動体の移動が規制された後も、中断することなく前記制御を実行可能であり、前記移動制御手段は、前記制御を終了させた後、前記可動体を初期位置に移動させる第二の移動データ(例えば、メカエンド位置から初期位置に移動させるために駆動モータ710を回転させるために必要な4ステップ分のパルス数)により、前記可動体を前記初期位置に移動させる制御を実行可能であることを特徴とする、遊技台である。
【0155】
本実施例に係るパチンコ機100によれば、可動部材の現在位置を把握することなく初期位置へと移動させることが可能となるため、可動部材の現在位置を検出するためのセンサを設ける必要がない。そのため、部品点数の増大、コスト高、スペースの圧迫などを回避しつつ、可動部材の移動制御を正確に行うことができる場合がある。また、センサによる検知に基づく制御負荷等が軽減される場合がある。
【0156】
なお、パチンコ機100の状態更新処理は、図16(c)に示す例に限定されるものではなく、例えば、図17に示す状態更新処理を適用してもよい。なお、同図は、遊技者の操作回数を監視する状態更新処理の一例を示したフローチャートである。
【0157】
この状態更新処理のステップS1401では、操作部(例えば、チャンスボタン146)の操作を検出したか否かを検出し、該当しない場合には処理を終了するが、該当する場合にはステップS1402に進む。
【0158】
ステップS1402では、RAMに設けた操作回数カウンタが0であるか否かを判定し、0の場合にはステップS1403に進み、0でない場合にはステップS1405に進む。ステップS1403では、RAMに設けた操作回数カウンタタイマを初期化し、ステップ1404では、操作回数カウンタに1を加算する。ステップS1405では、操作回数カウンタに1を加算する。
【0159】
ステップS1406では、操作回数カウントタイマに1を加算し、ステップS1407では、操作回数カウントタイマが500であるか否かを判定し、該当する場合にはステップS1408に進み、該当しない場合にはステップS1410に進む。ステップS1408では、操作回数カウンタが5であるか否かを判定し、該当する場合にはステップS1409に進み、該当しない場合にはステップS1410に進む。
【0160】
ステップS1409では、初期位置設定動作制御コマンドを他の制御部に送信し、ステップS1410では、操作回数カウンタを初期化する。
【0161】
パチンコ機100の制御部は、同図に示す状態更新処理においてチャンスボタン146の操作回数を定期的に監視し、チャンスボタン146の操作回数を判定する。そして、チャンスボタン146の操作回数が所定回数未満である場合には処理を終了するが、チャンスボタン146の操作回数が所定回数以上となった場合(例えば、図18に示すように遊技者がパチンコ機100のチャンスボタン146を乱暴に連打した場合)には、ステップ1409において初期位置設定動作制御コマンドを他の制御部に送信する。そして、この制御コマンドを受信した他の制御部が、上述した可動演出ユニット704の初期位置設定動作を行い、可動演出ユニット704のレンズ部716を初期位置に移動させる。
【0162】
また、例えば、図19に示す状態更新処理を適用してもよい。なお、同図は、遊技者による球の発射回数を監視する状態更新処理の一例を示したフローチャートである。
【0163】
この状態更新処理のステップS1501では、球の発射の有無を検出し、発射が無い場合には処理を終了するが、発射がある場合にはステップS1502に進む。
【0164】
ステップS1502では、RAMに設けた発射操作回数カウンタが0であるか否かを判定し、0の場合にはステップS1503に進み、0でない場合にはステップS1505に進む。ステップS1503では、RAMに設けた発射回数カウンタタイマを初期化し、ステップ1504では、発射回数カウンタに1を加算する。ステップS1505では、発射回数カウンタに1を加算する。
【0165】
ステップS1506では、発射回数カウントタイマに1を加算し、ステップS1507では、発射回数カウントタイマが3001であるか否かを判定し、該当する場合にはステップS1508に進み、該当しない場合にはステップS1510に進む。ステップS1508では、発射回数カウンタが10であるか否かを判定し、該当する場合にはステップS1509に進み、該当しない場合にはステップS1510に進む。
【0166】
ステップS1509では、初期位置設定動作制御コマンドを他の制御部に送信し、ステップS1510では、発射操作回数カウンタを初期化する。
【0167】
パチンコ機100の制御部は、同図に示す状態更新処理において球の発射回数を定期的に監視し、球の発射回数を判定する。そして、球の発射回数が所定回数未満である場合には処理を終了するが、球の発射回数が所定回数以上となった場合には、ステップ1509において初期位置設定動作制御コマンドを他の制御部に送信する。そして、この制御コマンドを受信した他の制御部が、上述した可動演出ユニット704の初期位置設定動作を行い、可動演出ユニット704のレンズ部716を初期位置に移動させる。
【0168】
また、本発明に係る可動部材は、上述の可動演出ユニット704に限定されるものではなく、例えば、図20に示すパチンコ機300が備えるシャッター装置302に適用してもよい。このシャッター装置302は、水平方向に移動可能な2枚のシャッター部材302a、302bを備える。このようなシャッター部材302a、302bに対して、上述の初期位置設定動作を適用すれば、振動などによってシャッター部材302a、302bの位置が初期位置からずれてしまった場合でも、シャッター部材302a、302bを確実に初期位置まで移動させることができる。
【0169】
また、本発明をパチンコ機(2種、3種)、アレンジボール遊技機、じゃん球遊技機、スマートボール、および図21に示すようなカジノマシン等に適用しても、同様の効果を得ることができる。
【0170】
また、本発明の実施の形態に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。また、実施例に記載した複数の構成のうち、1つの構成に記載している内容を、他の構成に適用することでより遊技の幅を広げられる場合がある。
【産業上の利用可能性】
【0171】
本発明に係る遊技台は、スロットマシンやパチンコ等に代表される遊技台に適用することができる。
【符号の説明】
【0172】
100 スロットマシン
110、111、112 リール
135 スタートレバー
137、138、139 ストップボタン
157 液晶表示装置
300 主制御部
319 扉センサ
320 振動センサ
400、500 副制御部
700 サイドランプ
704 可動演出ユニット
710 駆動モータ
716 レンズ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動体と、
前記可動体を移動させる制御を少なくとも実行する移動制御手段と、
を備えた遊技台であって、
前記移動制御手段は、前記可動体をメカエンドに向かわせて移動させる制御を少なくとも実行可能なものとし、
前記移動制御手段は、前記可動体と前記メカエンドとが当接された後も、前記制御を少なくとも実行可能なものである、ことを特徴とする遊技台。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技台であって、
複数の前記可動体を備え、
前記移動制御手段は、前記複数の可動体を移動させる前記制御を少なくとも実行可能なものである、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項3】
請求項1または2に記載の遊技台であって、
前記複数の可動体は、少なくとも遊技台前後方向に移動可能なものである、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遊技台であって、
前記メカエンドは、前記可動体が当接する際の衝撃を緩和する衝撃緩和手段を備えるものである、
ことを特徴とする遊技台。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2013−56230(P2013−56230A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−282014(P2012−282014)
【出願日】平成24年12月26日(2012.12.26)
【分割の表示】特願2009−34681(P2009−34681)の分割
【原出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】