遊技情報表示装置
【課題】有用な遊技情報を表示する遊技情報表示装置を提供すること。
【解決手段】遊技情報表示装置1は、ゲームが実行された回数を計数する計数手段101と、ゲーム回数を遊技者に対して表示するゲーム回数表示手段151と、複数種類の特別状態それぞれについて、計数手段101により計数された只今ゲーム数を初期化する契機とするか否かを設定可能な設定手段106と、只今ゲーム数を初期化するゲーム回数初期化手段102と、設定手段106による設定内容を遊技者に対して表示可能な設定内容表示手段153と、少なくとも直前に発生した特別状態の種類を表示する特別状態種類表示手段155と、を備えている。
【解決手段】遊技情報表示装置1は、ゲームが実行された回数を計数する計数手段101と、ゲーム回数を遊技者に対して表示するゲーム回数表示手段151と、複数種類の特別状態それぞれについて、計数手段101により計数された只今ゲーム数を初期化する契機とするか否かを設定可能な設定手段106と、只今ゲーム数を初期化するゲーム回数初期化手段102と、設定手段106による設定内容を遊技者に対して表示可能な設定内容表示手段153と、少なくとも直前に発生した特別状態の種類を表示する特別状態種類表示手段155と、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシンに対応して設けられる遊技情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、多くの遊技店では、遊技者に対して各種の遊技情報を表示することが当たり前になっており、様々なタイプの遊技情報表示装置が導入されている(例えば、特許文献1参照。)。表示される遊技情報の1つとしては、ボーナス状態や大当たり状態等、直近の特別状態が終了してからのゲーム回数や図柄の変動回数や役物の作動回数等がある。このような遊技情報の表示があれば、直近の特別状態が終了してから現時点までの”はまり”の度合いを把握できる。この遊技情報は、遊技者が遊技台を選択する上での重要な判断基準の1つとなっている。
【0003】
一方、遊技機の中には、有利度合いの異なる複数種類の特別状態が設けられた機種がある。このような遊技機では、必ずしも全ての特別状態を契機として上記のゲーム回数等の遊技情報を初期化(ゼロリセット)する必要が無いという事情がある。このような事情から同一機種の遊技機であっても、上記の遊技情報を初期化する特別状態の種類が遊技店毎に異なっている可能性もある。
【0004】
しかしながら、前記従来の遊技情報表示装置では、次のような問題がある。すなわち、初期化契機に設定されている特別状態の種類を知らない遊技者にとっては、上記のような遊技情報が遊技台を選択する際の判断基準になり得ず、その情報価値が損なわれてしまっているという問題がある。遊技店側は新規顧客を誘い込みたいと考えている一方、遊技客の立場からすると、初めての遊技店や初めての機種については上記のように遊技台を選択する際の判断材料が十分でなく遊技を躊躇することもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−280709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、有用な遊技情報を表示する遊技情報表示装置を提供するための発明である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ゲームの実行に応じて複数種類の特別条件のうち何れかの特別条件が成立したときに、遊技者にとって有利な複数種類の特別状態のうち成立した特別条件に対応する特別状態を発生する遊技機に付設される遊技情報表示装置において、
前記ゲームが実行された回数をゲーム回数として計数する計数手段と、
この計数手段により計数されたゲーム回数を遊技者に対して表示するゲーム回数表示手段と、
前記複数種類の特別状態それぞれについて、前記計数手段により計数されたゲーム回数を初期化する契機とするか否かを設定可能な設定手段と、
この設定手段により初期化する契機とする旨の設定がなされた特別状態が発生したときに、前記計数手段により計数されたゲーム回数を初期化するゲーム回数初期化手段と、
前記設定手段により設定された内容を遊技者に対して表示可能な設定内容表示手段と、
少なくとも直前に発生した特別状態の種類を表示する特別状態種類表示手段と、を備えたことを特徴とする遊技情報表示装置にある。
【0008】
本発明の遊技情報表示装置が備える設定手段によれば、前記複数種類の特別状態それぞれについて、前記計数手段が計数したゲーム回数を初期化する契機とするか否かを設定可能である。前記ゲーム回数表示手段が表示する前記ゲーム回数は、初期化する契機として設定された特別状態が終了してからのゲームの実行回数となる。
【0009】
本発明の遊技情報表示装置では、前記設定手段による設定内容が前記設定内容表示手段により表示され、少なくとも直近の特別状態の種類が前記特別状態種類表示手段により表示される。この遊技情報表示装置が付設されていれば、各特別状態が前記ゲーム回数の初期化契機となっているのか否かを事前に把握できる。遊技台を選択するに当たっては、その時点の前記ゲーム回数に加えて、直近の特別状態の種類、及びその特別状態によって前記ゲーム回数がゼロリセットされているのか否かを確認した上で遊技台の良し悪しを判断できる。
【0010】
以上のように、本発明の遊技情報表示装置が表示する遊技情報は、遊技者が遊技台を選択する上で非常に有用な遊技情報である。
【0011】
本発明の遊技情報表示装置を組み合わせる遊技機としては、スロットマシンやパチンコ機等がある。スロットマシンとしては、メダルやコイン等の遊技媒体を遊技価値として使用するスロットマシンでも良いが、遊技媒体を使用しない、いわゆる完全クレジット式のスロットマシンであっても良い。さらに、遊技媒体を使用するスロットマシンの場合であれば、パチンコ玉を遊技媒体として使用するパロット(R)であっても良い。パチンコ機としては、遊技媒体であるパチンコ玉の払出を伴うパチンコ機であっても良いが、パチンコ玉の払い出しを伴わない、いわゆる封入式のパチンコ機であっても良い。
【0012】
本発明の好適な一態様の遊技情報表示装置は、前記複数種類の特別状態の何れかが発生したことに応じて、前回の特別状態が終了した時点から今回の特別状態が発生するまでの期間に実行されたゲーム回数を計数する補助計数手段が計数したゲーム回数を棒グラフで表示するグラフ表示手段を備え、
このグラフ表示手段は、今回の特別状態の種類が、前記設定手段により前記契機とする旨の設定がされているか否かに応じて異なる態様で前記棒グラフを表示することも良い。
【0013】
本発明の好適な一態様の遊技情報表示装置は、前記複数種類の特別状態の何れかが発生したことに応じて、前記計数手段が計数したゲーム回数を棒グラフで表示するグラフ表示手段を備え、
このグラフ表示手段は、今回の特別状態の種類が、前記設定手段により前記契機とする旨の設定がされているか否かに応じて異なる態様で前記棒グラフを表示することも良い。
【0014】
これらの場合には、ゲーム回数を棒グラフ形式で表示する際、対応する特別状態が前記計数手段における初期化契機であるか否かに応じて棒グラフの表示態様が異なってくる。各特別状態について、対応するゲーム回数、及びその特別状態で前記計数手段によるゲーム回数が初期化されたか否かを同時に把握できるようになるので、遊技者にとって非常に便利になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例における、遊技場管理システムの構成を示すブロック図。
【図2】実施例における、スロットマシンの外観を示す正面図。
【図3】実施例における、入賞ラインが設定された図柄表示窓の正面図。
【図4】実施例における、スロットマシンの役、入賞図柄、利益を示す説明図。
【図5】実施例における、リールの外周に配置された図柄の配列を展開して示す展開図。
【図6】実施例における、スロットマシンの電気的な構成を示すブロック図。
【図7】実施例における、AT発動時の通常状態画面を示す正面図。
【図8】実施例における、AT発動時のRT中画面を示す正面図。
【図9】実施例における、AT非発動時のRT中画面を示す正面図。
【図10】実施例における、リプレイ役が同時当選したときの第1停止リール毎の入賞振り分けを説明する説明図。
【図11】実施例における、遊技情報表示装置を示す正面図。
【図12】実施例における、遊技情報表示装置の電気的な構成を示すブロック図。
【図13】実施例における、第1データ画面を示す正面図。
【図14】実施例における、第2データ画面を示す正面図。
【図15】実施例における、設定画面を示す正面図。
【図16】実施例における、その他の第2データ画面を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例)
本例は、スロットマシン(遊技機)5に対応して設けられる遊技情報表示装置1に関する例である。この内容について、図1〜図16を用いて説明する。
【0017】
本例の遊技情報表示装置1(以下、表示装置1という。)は、貸出用のメダル(遊技価値をなす遊技媒体)を払い出す貸出装置38と共に各スロットマシン5に対応して個別に設けられている。遊技場では、表示装置1、貸出装置38、及びスロットマシン5の組合せが管理装置30により管理され、全体として遊技場管理システム3が形成されている。この遊技場管理システム3では、管理装置30のほか、中継端末としての機能を備えた表示装置1が通信ネットワーク300に接続されている。スロットマシン5及び貸出装置38は、表示装置1を介して通信可能な状態で管理装置30と接続されている。
【0018】
まず、本例のスロットマシン5について説明する。スロットマシン5は、図2のごとく外観的な構成を有している。スロットマシン5の前面部分は、略矩形状の図柄表示窓51を略中央に設けた前面枠体50によって形成されている。前面枠体50は、向かって左側に設けられた図示しないヒンジを介して回動可能な状態で台枠に固定されている。
【0019】
前面枠体50では、図柄表示窓51の上側に、液晶表示部638、左右一対のスピーカ57及び装飾ランプ部636が配置されている。図柄表示窓51の下側には、スロットマシン5の基部をなすベース部500が形成されている。図柄表示窓51の右側には、10枚役あるいはリプレイ役の入賞を補助する報知が行われるAT発動中に点灯するATランプ部550、メダルの付与数を表示する付与数表示部551、及びクレジット数を表示するクレジット表示部552が配置されている。
【0020】
ベース部500は、遊技者から奥まって位置する図柄表示窓51に相対して張り出すように形成されている。ベース部500は、図柄表示窓51に隣り合う上端部に棚面状の操作面54を有し、下端部にメダルの受け皿55を有し、操作面54の下側に隣接して操作パネル53を有している。
【0021】
操作面54には、クレジット機能によりクレジット(貯留)されたメダルを投入するためのベットボタン64と、クレジットされたメダルを払い出させるための精算ボタン65と、メダルを直接投入するためのメダル投入口630と、が配置されている。操作パネル53には、リール52の図柄変動を開始させるためのスタートレバー62、図柄変動を停止させるためのストップボタン61が配置されている。
【0022】
図柄表示窓51は、図3のごとく、図柄表示領域510L、C、Rを含む表示窓である。各図柄表示領域510L、C、Rは、いずれも3図柄分の図柄表示領域である。図柄表示窓51全体では、3行3列よりなる2次元マトリクス状に配置された9図柄分の図柄表示領域が形成されている。2次元マトリクス状に9個の図柄525が配置される図柄表示領域においては、入賞の対象となる入賞図柄の並び方向である入賞ライン511〜515が設定されている。
【0023】
各図柄表示領域510L、C、Rの裏側には、図2のごとく、リール52L、C、Rがそれぞれ配置されている。リール52L、C、Rは、円柱形状の外周面に略一定の間隔を空けて21個の図柄525が配置された回転式のリールである。リール52L、C、Rにそれぞれ個別に対応するストップボタン61として、左ストップボタン61L、中ストップボタン61C、右ストップボタン61Rが設けられている。
液晶表示部638は、液晶ディスプレイよりなる。液晶表示部638は、遊技を演出するための各種の演出画面等を表示可能である。
【0024】
前面枠体50の回動に応じて開放されるスロットマシン5の内部では、前面枠体50のATランプ部550に対応する位置に図示しないLED灯が配設されている。本例では、このLED灯の発光を検知可能なように前面枠体50の内側に光センサ18(図12を参照して後述する。)が取り付けられている。
【0025】
次に、本例のスロットマシン5の役、各リール52における図柄配列について説明する。
本例のスロットマシン5では、図4のごとく、15枚役A〜C、10枚役A・Bよりなる複数種類の小役のほか、ボーナス役(BB役、RB役)、リプレイ役A〜Eが設定されている。同図では、左列に各役の名称を、中列に各役に対応する図柄525の組合せである入賞図柄を、右列に入賞に応じて遊技者に付与される利益を示してある。利益としては、同図中「利益」欄の左側に示す非ボーナス状態(規定数3枚)下の利益と、右側に示すボーナス状態(規定数2枚)下の利益と、を示してある。
【0026】
本例では、リプレイ役の入賞確率が低く不利な低確RT状態への移行契機となる低確RT図柄としてリプレイ役Aの入賞図柄が設定されている。また、リプレイ役の入賞確率が高く遊技者にとって有利な高確RT状態への移行契機となる高確RT図柄としてリプレイ役Cの入賞図柄が設定されている。さらに、10枚役を取りこぼしたときに100%の確率で停止表示される10枚役こぼし図柄が、高確RT状態の終了契機となる高確RT終了図柄に設定されている。なお、本例では、通常状態下のリプレイ役、及び高確RT状態下の10枚役が、ATの報知対象役となっている。
【0027】
ここで、ATの報知対象役であるリプレイ役及び10枚役の入賞図柄を説明する。図4のごとく、リプレイ役Aの入賞図柄は、図柄「RP」のゾロ目である。リプレイ役Aの入賞図柄を元にして右リール52Rを図柄「黒オレンジ」に置換すればリプレイ役Bの入賞図柄となり、図柄「スイカ」に置換すればリプレイ役Cの入賞図柄となる。
【0028】
10枚役Aの入賞図柄は「黒オレンジ」のゾロ目である。10枚役Aの入賞図柄を元にして左リール52Lの図柄を「白オレンジ」に置換した組み合わせが10枚役Bの入賞図柄となっている。さらに、左リール52Lの図柄を「RP」に置換した組合せが10枚役こぼし図柄となっている。
【0029】
各リール52L、C、Rでは、図5のごとく図柄が配列されている。
左リール52L及び中リール52Cでは、リプレイ役A〜Cに共通する図柄「RP」の最大間隔が4図柄となっている。ここで、本例のスロットマシン5では、後述するごとくリール52が停止する際の引込範囲として4図柄分に相当する範囲が設定されている。また、前述するごとく図柄表示領域510L、510Cでは、上段中段下段の3図柄分に渡って入賞ラインが設定されている。したがって、左リール52L及び中リール52Cにおける「RP」は、停止操作のタイミングに関わらず必ず引込範囲内に存在し、入賞ライン上に停止表示される図柄となっている。
【0030】
右リール52Rでは、リプレイ役A〜Cにそれぞれ対応する図柄「RP」、「黒オレンジ」及び「スイカ」について、最大間隔がいずれも4図柄となっている。他のリール52L、Cにおける図柄「RP」と同様、右リール52Rにおける「RP」、「黒オレンジ」及び「スイカ」は、停止操作のタイミングに関わらず必ず引込範囲内に存在し、入賞ライン上に停止表示される図柄となっている。
【0031】
リプレイ役の図柄が上記のように配列された本例のスロットマシン5におけるリプレイ役A〜Cは、仮に単独当選したとすれば必ず入賞し、他のリプレイ役と同時当選した場合でもストップボタン61L、C、Rを所定の順番で停止操作すれば、必ず入賞するリプレイ役となっている。スロットマシン5では、リプレイ役Aを含む同時当選が発生したときに、リプレイ役Aを回避するためのストップボタンの操作態様である第1停止リールが存在している。なお、第1停止リールと入賞リプレイ役の種類との関係については、図10を参照して後述する。
【0032】
一方、10枚役に対応する図柄については、次のようになっている。中リール52C及び右リール52Rでは、10枚役A・Bに共通する図柄「黒オレンジ」の最大間隔が4図柄となっている。したがって、中リール52C及び右リール52Rにおける「黒オレンジ」は、停止操作のタイミングに関わらず必ず引込範囲内に存在し、入賞ライン上に停止表示される図柄となっている。
【0033】
左リール52Lでは、10枚役A・Bの一方に対応する特定の種類の図柄「オレンジ」の最大間隔が15図柄以上、10枚役A・Bの何れかに対応する任意の種類の図柄「オレンジ」の最大間隔が6図柄となっている。したがって、左リール52Lにおける「オレンジ」は、停止操作のタイミングによらず2種類のうちの何れかが必ず引込範囲内に存在することになる。一方、特定の種類の「オレンジ」については、停止操作のタイミングが合致しなければ停止表示させることができないようになっている。
【0034】
このように図柄が配列された10枚役A・Bについては、同時当選したときに何れかの10枚役を必ず入賞できる一方、単独当選したときにその種類が不明であるときの入賞確率は1/2となっている。そして、10枚役の入賞が取りこぼされたときには、必ず10枚役こぼし図柄(図4参照。)が停止表示されるようになっている。
【0035】
スロットマシン5の電気的な構成は、図6に示す通りである。スロットマシン5は、主制御部58を中心として電気的に構成されている。主制御部58に対しては、スタートレバー62、ストップボタン61、ベットボタン64、精算ボタン65、メダル投入口630(図2)から投入されたメダルを検知する投入メダル検知部63、リール52と共に図柄変動表示手段520を構成するリール駆動部521、リール52の回転位置を検知する基準位置検知部632、メダルを受け皿55に払い出すメダル払出部633、付与数表示部551やクレジット表示部552(図2)を含む各種表示部634、遊技者の有利度合いを表す設定値を設定するための設定値操作部68、各種の信号を出力する信号出力部635、遊技演出を制御する副制御部59等が電気的に接続されている。この副制御部59には、装飾ランプ部636、スピーカ57を制御する音声出力部637、液晶表示部638、ATランプ部550等が電気的に接続されている。
【0036】
リール駆動部521は、ステップ単位で制御可能なステッピングモータ(図示略)を含み、このステッピングモータの回転駆動力によりリール52を回転駆動する駆動部である。
基準位置検知部632は、各リール52L、C、Rについて基準位置片の通過を検知する毎に検知信号を出力する検知部である。
設定値操作部68は、設定キー680を利用して、ボーナス役及び小役の内部当選確率が異なる6段階の設定値を変更するための操作部である。
【0037】
主制御部58は、図6のごとく、CPU581と、メモリ手段であるROM583・RAM584と、入出力インターフェースとしてのI/O582と、内部当選役抽選用の乱数を抽出する乱数抽出部585と、乱数を発生する乱数発生部586と、を有している。主制御部58は、内部当選役を抽選する内部抽選手段71、内部当選役に対応する内部当選フラグを制御するフラグ制御手段710、リール52を制御する表示制御手段72、入賞図柄を判定する入賞判定手段73、入賞に応じて利益を付与する利益付与手段74、ボーナス状態を発生させるボーナス状態発生手段751、高確RT状態発生手段752、低確RT状態発生手段753としての各機能を実現する。
【0038】
副制御部59は、CPU591、ROM593・RAM594、及びI/O592等を備えている。副制御部59は、主制御部58から受信した制御信号に応じて液晶表示部638や音声出力部637等を制御する。副制御部59は、AT発動抽選及びAT継続抽選を実行するAT抽選手段76、ATを発動させるAT発動手段77としての機能を実現する。
【0039】
主制御部58のROM583は、内部当選役の抽選に用いる内部当選役抽選テーブル、リール52の停止制御に用いるリール制御テーブル等を記憶している。副制御部59のROM593は、AT抽選用のAT発動抽選テーブル及びAT継続抽選テーブル等を記憶している。
【0040】
内部当選役抽選テーブルは、所定範囲(0〜65535)の内部当選役抽選用の乱数のうち、各役の当選乱数の範囲が規定されたデータテーブルである。内部当選役抽選テーブルとしては、通常状態に適用されるテーブル、低確RT状態に適用されるテーブル、高確RT状態に適用されるテーブルのほか、ボーナス状態に適用されるテーブルがある。ボーナス状態を除く各遊技状態の内部当選役抽選テーブルは、設定値毎に用意されている。
【0041】
AT発動抽選テーブル及びAT継続抽選テーブルは、内部当選役抽選用の乱数を利用する抽選テーブルである。これらのAT抽選テーブルでは、内部当選役抽選用の乱数範囲(0〜65535)のうちの一部が当選乱数として設定されている。
【0042】
以上のような構成のスロットマシン5では、ベットボタン64の操作あるいはメダル投入口630へのメダル投入に応じて規定数のメダルがゲームに賭けられたときにゲームの開始が許可された状態となる。ゲームの開始が許可されるとスタートレバー62が操作可能な状態になる。
【0043】
ゲームの開始が許可された状態でスタートレバー62が操作されたとき、乱数抽出部585は、乱数発生部586が発生する乱数(0〜65535)の中から内部当選役抽選用の乱数を抽出する。主制御部58は、この内部当選役抽選用の乱数を、内部当選役抽選テーブルに規定された各役の当選乱数と照合することにより内部抽選を実行し、内部当選役を決定する。内部当選役が決定された場合には、その内部当選役に対応する内部当選フラグを成立させる。この内部抽選では、前記内部当選役抽選テーブルのうちの何れかが、遊技状態及び設定値に応じて選択的に利用される。
【0044】
ボーナス役以外の他の役の内部当選フラグについては、その内部当選フラグが初めて成立したゲームで入賞したか否かに関わらず次のゲームを開始するまでにオフ状態(ゼロ)にリセットされる。したがって、ボーナス役以外の各役が内部当選したゲームで入賞しなかった場合、全て取りこぼしとなる。一方、ボーナス役の内部当選フラグであるボーナス役フラグについては、内部当選フラグの成立状態が入賞するまで順次、次回のゲームに持ち越され、入賞に応じてオフ状態にリセットされる。
【0045】
低確RT状態下のゲームでは、副制御部59がAT発動抽選を実行する。AT発動抽選は、内部当選役抽選用の乱数を図示しないAT発動抽選テーブルに照合して実行される。また、AT発動中の通常状態下で高確RT図柄が停止表示されて高確RT状態への移行が決定されたゲームでは、副制御部59がAT継続抽選を実行する。AT継続抽選は、高確RT状態への移行契機となったリプレイ役Cの当選乱数を図示しないAT継続抽選テーブルに照合して実行される。このように本例では、内部当選役抽選用の乱数を利用して、AT発動抽選等のAT抽選を実行している。これに代えて、AT抽選について専用の抽選用乱数を適用することも良い。
【0046】
上記のようにゲームの開始が許可された状態でスタートレバー62が操作されたとき、主制御部58は、リール駆動部521を構成するステッピングモータに制御パルスを入力し、1パルス毎に1ステップずつステッピングモータを回転させることで、リール52の図柄変動を開始させる。主制御部58は、ステッピングモータの回転中、リール駆動部521に入力した制御パルス数、すなわちステッピングモータが回転したステップ数をカウントする。このステップ数のカウンタ値は、各リール52の基準位置片の検知信号の取り込み毎にゼロリセットされ、直近の検知信号の後に生じたステップ数となる。
【0047】
図柄変動中にストップボタン61が操作されたとき、主制御部58は対応するリール52の図柄変動を停止させる。主制御部58は、リール52を停止させるに当たって、規則(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則)等が定める所定の引込範囲内の図柄を入賞ライン上に停止させる、いわゆる引込制御を実行する。本例では、引込範囲として4図柄分に相当する範囲が設定されている。引込制御では、入賞ライン上に停止可能な停止位置が規定されたリール制御テーブルに対してストップボタン61が操作された時のステップ数が照合され、停止位置が決定される。引込範囲内に内部当選フラグに対応する図柄があれば、その図柄が停止位置として決定される。
【0048】
主制御部58は、リール52が停止した後、対応するステッピングモータ(リール駆動部521)のステップ数に基づいて入賞ライン511〜515上に停止した図柄525の種類を求める。全てのリール52が停止した後、3基のリール52L、C、Rを横断するように設定された入賞ライン511〜515(図3参照。)上に停止した図柄の組合せが所定の入賞図柄であるか否かに応じて入賞役を判定する。
【0049】
主制御部58は、入賞が発生したとき、入賞役に対応する数のメダルを付与する。例えば、15枚役が入賞役である場合には15枚のメダルを付与する(図4参照。)。但し、ボーナス状態では、全ての小役についてメダルの付与枚数が15枚となっている。
【0050】
主制御部58は、ボーナス役の入賞(特別条件)に応じてボーナス状態(特別状態)を発生させると共に、所定の終了条件の成立に応じてボーナス状態を終了させる。ボーナス状態としては、BB役の入賞に応じたBB状態(ビッグボーナス)と、RB役の入賞に応じたRB状態(レギュラーボーナス)がある。BB状態の終了条件は、付与したメダルが300枚を超過したことであり、RB状態の終了条件は、付与したメダルが100枚を超過したことである。
【0051】
主制御部58は、低確RT図柄であるリプレイ役Aの入賞図柄が通常状態下で停止表示されたときに低確RT状態を発生させる。この低確RT状態は、消化ゲーム数が64ゲームに達するか、あるいはBB役及びRB役の何れかが内部当選したときに終了する。
【0052】
主制御部58は、高確RT図柄であるリプレイ役Cの入賞図柄が通常状態下で停止表示されたときに高確RT状態を発生させる。この高確RT状態は、消化ゲーム数が20ゲームに達するか、高確RT終了図柄である10枚役こぼし図柄が停止表示されるか、あるいはBB役及びRB役の何れかが内部当選したときに終了する。
【0053】
副制御部59は、低確RT状態下のAT発動抽選に当選(特別条件)したとき、通常状態への復帰に応じてATを発動させる。その後、高確RT状態へ移行したときには、AT継続抽選を実行すると共に、その当否に関わらずそのままATを継続させる。高確RT状態の終了に応じて通常状態へ復帰したとき、AT継続抽選に当選していればさらにATを継続させ、ハズレであれば通常状態への移行と共にATを終了させる。一方、ATの発動後、通常状態から高確RT状態へ移行できずに低確RT状態へ転落した場合には、その時点でATを終了させる。
【0054】
なお、本例のスロットマシン5では、通常状態又は高確RT状態でATが発動したART状態(アシストリプレイタイム)が特別状態のひとつとなっている。このART状態下でBB役又はRB役に内部当選してART状態が終了した場合、対応するボーナス状態が終了するまでの間、ART状態が中断され、通常状態への復帰に応じて再度、ATが発動する。
【0055】
AT発動中には、何れかの役の入賞を補助するAT情報が報知される。通常状態下でリプレイ役が同時当選したときには、例えば、図7のごとく、リプレイ役A以外のリプレイ役を入賞させるためのAT情報が報知される。具体的には、入賞図柄が低確RT図柄であるリプレイ役Aの入賞を回避するための第1停止リールが報知される。このようなAT情報の報知が有れば、リプレイ役Aの入賞を回避でき、他のリプレイ役を入賞させることができる。
【0056】
また、高確RT状態では、10枚役A・Bが単独で内部当選したとき、図8のごとく、その10枚役の種類がAT情報として報知される。特に、高確RT状態では、単独で内部当選した10枚役を入賞させることにより、高確RT終了図柄である10枚役こぼし図柄を回避できる。なお、非ATの高確RT状態において10枚役A・Bが単独で内部当選したときには、図9のごとく、その種類を特定せずに10枚役が内部当選した旨のみが報知される。
【0057】
ここで、通常状態下でリプレイ役の同時当選パターンが発生したときの第1停止リールに応じた入賞リプレイ役の振り分けについて、図10を参照して説明する。
例えば、リプレイ役A・B・Cの同時当選パターンにおいて第1停止リールが左リール52L又は中リール52Cであった場合には、リプレイ役Aが入賞する。一方、第1停止リールが右リール52Rであった場合には、リプレイ役Cが入賞する。このとき、右リール52Rを第1停止リールとすべき旨のAT情報は、高確RT図柄であるリプレイ役Cの入賞図柄を停止表示させるための補助情報であると共に、低確RT図柄であるリプレイ役Aの入賞図柄を回避するための回避情報となる。
【0058】
本例のスロットマシン5が、信号出力部635(図6)を介して表示装置1に向けて外部出力する信号としては、少なくとも以下の各信号がある。
(1)セーフ信号:入賞に応じてメダルが1枚付与される毎に出力される信号。
(2)アウト信号:ゲームに使用されたメダル数分、ゲームの開始に応じて連続的に出力される信号。
(3)RB信号:RB状態の発生中に出力される信号。
(4)BB信号:BB状態の発生中に出力される信号。
【0059】
次に、表示装置1について説明する。表示装置1は、図1及び図11のごとく、スロットマシン5の上側のスペースに配設される横長の装置である。表示装置1の正面では、液晶ディスプレイよりなる情報表示部15を中心として、左右両側にランプ部165が配置されている。情報表示部15の右側にはデータ切換ボタン161、左側には呼出ボタン162が配置されている。なお、表示装置1は、スロットマシン5に対応して個別に設置されていれば良く、その設置場所は本例に限定されない。例えば、スロットマシン5の側方や前方であってもよい。
【0060】
情報表示部15は、対応するスロットマシン5の各種の遊技データを表示する表示手段としての機能を備えている。特に、本例の情報表示部15は、特別状態(BB状態、RB状態、ART状態)のうち初期化契機となる特別状態が終了してからのゲーム回数である只今ゲーム数を表示するゲーム回数表示手段151、只今ゲーム数の初期化に関する設定内容を表示する設定内容表示手段153、特別状態の発生履歴を表示する特別状態種類表示手段155、特別状態発生までに要したゲーム回数をグラフ表示するグラフ表示手段157としての機能を備えている。さらに、本例の情報表示部15は、只今ゲーム数を初期化する契機となる特別状態を設定するための設定画面23(図15を参照して後述する。)を表示可能である。
【0061】
ランプ部165は、遊技場のスタッフを呼び出すときに点灯する呼出ランプ165A、及びボーナス状態の発生中に点灯するボーナスランプ165Bにより構成されている。
データ切換ボタン161は、情報表示部15に表示させる遊技データを切り換えるための操作ボタンである。
【0062】
呼出ボタン162は、押し込まれた位置を保持しないラッチレスの押込み操作ボタンである。呼出ボタン162は、押込み操作毎にオン状態とオフ状態とが交互に切り換わる。オフ状態の呼出ボタン162が押込み操作されるとオン状態に切り換わり、オン状態の呼出ボタン162が押込み操作されるとオフ状態に切り換わる。呼出ボタン162がオフ状態からオン状態に切り換わったとき、遊技場の従業員等を呼び出すための呼出表示(呼出動作)が呼出ランプ165Aにより実行される。
【0063】
表示装置1の内部には、図12のごとく、各種の演算処理を実行するCPU11、ROM121・RAM122を含む記憶部12、各種信号あるいは情報の入出力を行うI/O13を含む制御部100が収容されている。
【0064】
表示装置1は、I/O13の外部端子である信号入力端子130等を介してスロットマシン5と接続されている。なお、信号入力端子130を介してスロットマシン5側から取り込む信号としては、上記のごとく、セーフ信号、アウト信号、BB信号、RB信号等がある。
【0065】
さらに、本例の表示装置1では、ATランプ部550の発光を検知するようにスロットマシン5の内部に取り付けられた光センサ18から延設された信号線180が信号入力端子130に電気的に接続されている。光センサ18は、ATランプ部550の発光を検知したとき、検知信号を出力する。
【0066】
記憶部12は、スロットマシン5の遊技データを記憶する遊技データ記憶手段104としての機能を備えている。記憶部12が記憶する遊技データとしては、以下の(1)〜(12)の各データがある。
【0067】
(1)第1B間ゲーム数の履歴:初期化契機として設定された特別状態の終了後、初期化契機の特別状態が新たに発生するまでに実行されたゲーム回数の履歴。なお、本例では、特別状態であるBB状態、RB状態、ART状態のうち、BB状態及びRB状態が初期化契機として設定されている。
(2)第2B間ゲーム数の履歴:前回の特別状態(BB状態、RB状態、ART状態)が終了してから新たな特別状態が発生するまでに実行されたゲーム回数の履歴。なお、全ての特別状態が初期化契機に設定された場合には、第2B間ゲーム数=第1B間ゲーム数となる。
(3)只今ゲーム数:直近の初期化契機となる特別状態が終了してから現時点までに実行されたゲーム回数。
(4)通常ゲーム数:直近の特別状態が終了してから現時点までに実行されたゲーム回数。なお、全ての特別状態が只今ゲーム数の初期化契機に設定された場合には、通常ゲーム数=只今ゲーム数となる。
(5)累計ゲーム数:非ボーナス状態下で実行された累計ゲーム数。
(6)本日BB回数:BB状態の発生回数。
(7)本日RB回数:RB状態の発生回数。
(8)本日ART回数:ART状態の発生回数。
(9)前日BB回数:前日のBB状態の発生回数。
(10)前日RB回数:前日のRB状態の発生回数。
(11)前日ART回数:前日のART状態の発生回数。
(12)差枚数の変動履歴:メダルの累計の投入枚数に対して、遊技者が獲得したメダル数に当たる差枚数(付与数−賭け数)の履歴データ。
【0068】
なお、上記(1)第1B間ゲーム数には、初期化契機の特別状態が発生する毎に、そのときの(3)只今ゲーム数が順次、格納される。上記(2)第2B間ゲーム数には、何れかの特別状態が発生する毎に、そのときの(4)通常ゲーム数が順次、格納される。
また、上記(9)〜(11)の前日の遊技データは、各営業日の営業終了時に上記(6)〜(8)の当日の遊技データにより更新される。
【0069】
制御部100は、図12のごとく、上記(3)只今ゲーム数を計数する計数手段101、上記(4)通常ゲーム数を計数する補助計数手段101S、初期化契機の特別状態の発生に応じて(3)只今ゲーム数を初期化するゲーム回数初期化手段102、上記(5)〜(8)、(12)の各遊技データを生成する遊技データ生成手段103、情報表示部15の表示を制御する表示制御手段105、(3)只今ゲーム数の初期化条件を設定する設定手段106、ATの発動を検知するAT検知手段107、ボーナス状態を判定するボーナス状態判定手段109としての機能を備えている。
【0070】
制御部100は、光センサ18の検知信号を入力したときに、スロットマシン5でATが発動したことを検知する。また、スロットマシン5が外部出力するBB信号又はRB信号を受信したとき、スロットマシン5でBB状態又はRB状態が発生したと判定する。
【0071】
制御部100は、以下に説明する方法で上記(3)〜(8)に対応する各遊技データを計数等するほか、上記(12)の遊技データを生成するために累計の差枚数を集計する。
(3)只今ゲーム数:直近の初期化契機の特別状態が終了したときに初期化されてゼロスタートで計数開始し、アウト信号を3回連続的に受信してゲームスタートを検知する毎に1ゲームずつ加算する。
(4)通常ゲーム数:直近の特別状態(BB状態、RB状態、ART状態)の終了に応じて通常状態に復帰したときにゼロスタートで計数開始し、ゲームスタートを検知する毎に1ゲームずつ加算する。
(5)累計ゲーム数:通常状態においてアウト信号を3回連続的に受信したときにゲームスタートを検知し、検知する毎に1ゲームずつ加算する。
(6)本日BB回数:BB状態が判定される毎に1回ずつ加算する。
(7)本日RB回数:RB状態が判定される毎に1回ずつ加算する。
(8)本日ART回数:AT発動が検知される毎に1回ずつ加算する。
(12)差枚数:セーフ信号を受信する毎に1回ずつ加算し、アウト信号を受信する毎に1回ずつ減算する。
【0072】
制御部100は、データ切換ボタン161の操作に応じて、情報表示部15が表示する遊技データを切り換える。情報表示部15による表示画面としては、差枚数グラフを含む第1データ画面21A、B間ゲーム数グラフを含む第2データ画面21Bがある。
【0073】
第1データ画面21Aは、図13のごとく、遊技データを表示するデータ表示エリア211とグラフ表示エリア212とが配置された画面である。データ表示エリア211には、只今ゲーム数及び累計ゲーム数を表示するゲーム数表示欄211A、本日及び前日のBB回数、RB回数、ART回数を表示する特別状態発生回数表示欄211Bが配置されている。グラフ表示エリア212には、投入枚数(横軸)に対する差枚数(縦軸)の変動を表す差枚数グラフが表示される。この差枚数グラフは、上記(12)の差枚数の変動履歴が展開された折れ線グラフである。
【0074】
第2データ画面21Bは、図14のごとく、第1データ画面21Aの差枚数グラフがB間ゲーム数グラフに置換された画面である。B間ゲーム数グラフは、上記(1)第1B間ゲーム数あるいは(2)第2B間ゲーム数の棒グラフである。B間ゲーム数グラフの最下段には、過去に発生した特別状態の種類が表示される。「B」はBB状態、「r」はRB状態、「A」はART状態を表している。直近の特別状態が最も左側に配置され、古くなるほど右側に配置される。
【0075】
B間ゲーム数グラフでは、上記(3)只今ゲーム数の初期化契機となる特別状態に対しては上記(1)の第1B間ゲーム数が表示され、初期化契機とはならない特別状態に対しては上記(2)の第2B間ゲーム数が表示される。さらに、初期化契機となる特別状態に対応する棒グラフが白抜きで表示される一方、初期化契機とならない特別状態に対応する棒グラフが塗り潰しで表示されている。遊技者は、B間ゲーム数グラフの表示に応じて、只今ゲーム数を初期化する契機となる特別状態の種類や、直近に発生した特別状態の種類などを一目瞭然に把握できる。なお、本例では、BB状態とRB状態が上記(3)只今ゲーム数の初期化契機となる特別状態として設定されている一方、ART状態については初期化契機とならない特別状態として設定されている。
【0076】
また、本例の表示装置1では、データ切換ボタン161及び呼出ボタン162を所定の手順で操作したときに、管理画面を表示させることができる。管理画面のひとつには、図15のごとく、上記(3)只今ゲーム数を初期化する契機となる特別状態を設定するための設定画面23がある。設定画面23には、初期化設定エリア232が配置され、そこには、BB状態、RB状態、ART状態に対応する棒グラフが3本表示されている。
【0077】
同図は、BB状態及びRB状態が上記(3)只今ゲーム数の初期化契機として設定された状態の設定画面23を示している。設定画面23の初期状態では、BB状態を表す「B」の記号が白黒反転表示され、設定操作が可能な状態である旨を表している。データ切換ボタン161を押込操作すれば、BB状態に対応する棒グラフの表示を塗り潰し表示に切り換えることができ、再度、データ切換ボタン161を押込操作すれば、白抜き表示に切り換えできる。BB状態に対応する棒グラフが白抜きの状態で呼出ボタン162を押込操作すれば上記(3)只今ゲーム数の初期化契機としてBB状態を設定でき、塗り潰し状態で呼出ボタン162を押込操作すれば初期化契機とはならない特別状態として設定できる。
【0078】
上記のように呼出ボタン162が押込操作されると、BB状態を(3)只今ゲーム数の初期化契機とするか否かが設定されると共に、設定対象が次のRB状態に変更される。RB状態が設定対象に選択された状態(図示略)では、「B」の記号が非反転表示に切り換わる一方、RB状態を表す「r」の記号が白黒反転表示に切り換わる。この状態では、上記のBB状態の場合と同様に、RB状態を(3)只今ゲーム数の初期化契機とするか否かを設定可能である。
【0079】
以上のように本例の表示装置1では、何れの特別状態が只今ゲーム数の初期化契機に設定されているか否かの設定内容が表示されると共に、直近の特別状態の種類が表示される。このような表示があれば、何れの特別状態が只今ゲーム数の初期化契機に設定されているのか、遊技者が把握できる。遊技台を選択する遊技者は、只今ゲーム数に加えて、直近の特別状態の種類、及びその特別状態によって只今ゲーム数がゼロリセットされているのか否かを確認した上で遊技機の良し悪しを判断できる。このように、本例の表示装置1が表示する遊技情報は、遊技者が遊技台を選択する上で非常に有用な遊技情報である。
【0080】
なお、本例の構成に代えて、以下のような構成を採用することもできる。
設定手段106による設定内容を表示するための専用画面を設け、遊技者の操作に応じてその専用画面を表示することも良い。専用画面としては、設定手段106の設定内容を把握できる画面であればどのような画面であっても良い。
只今ゲーム数の初期化契機となる特別状態を設定する操作を管理装置30側で実行し、管理装置30から表示装置1へ設定内容を送信するようにしても良い。
【0081】
本例では、特別状態の種類として、BB状態、RB状態、ART状態の3種類を例示したが、特別状態は、これらの遊技状態には限定されない。遊技者にとって有利な状態であればどのような特別状態であっても良い。
本例では、B間ゲーム数グラフの棒グラフの色(白抜きか塗り潰しか)によって初期化契機の特別状態であるか否かを表示するようにしたが、初期化契機の特別状態であるか否かを示す何らかのマークを棒グラフに付記することも良い。
【0082】
本例の表示装置1は、スロットマシン5が備えるATランプ部550の点灯に応じてATの発動を検知している。スロットマシン5がATの発動を表すAT信号を外部出力する場合であれば、表示装置1から光センサ18を省略することも可能である。
本例の表示装置1は、スロットマシン5とは別体で構成されているが、スロットマシンに組み込んで一体的に設けることも良い。
【0083】
第2データ画面21BのB間ゲーム数グラフについては、図16のごとく構成しても良い。このB間ゲーム数グラフにおいては、図14と同様、只今ゲーム数の初期化契機となるBB状態及びRB状態に対しては上記(1)第1B間ゲーム数が表示されている。一方、初期化契機ではないART状態に対しては、上記(1)第1B間ゲーム数が実線部分の最上部の位置によって表され、上記(2)第2B間ゲーム数が点線部分の最上部の位置により表されている。
【0084】
以上のごとく本発明の実施例を詳細に説明したが、これらの実施例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、実施例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して実施例を多様に変形あるいは変更した技術を包含している。
【符号の説明】
【0085】
1…遊技情報表示装置(表示装置)、101…計数手段、102…ゲーム回数初期化手段、103…遊技データ生成手段、104…遊技データ記憶手段、105…表示制御手段、106…設定手段、107…AT検知手段、109…ボーナス状態判定手段、15…情報表示部、151…ゲーム回数表示手段、153…設定内容表示手段、155…特別状態種類表示手段、157…グラフ表示手段、161…データ切換ボタン、162…呼出ボタン、165A…呼出ランプ、18…光センサ、21A…第1データ画面、21B…第2データ画面、23…設定画面、3…遊技場管理システム、30…管理装置、38…貸出装置、5…スロットマシン、520…図柄変動表示手段、550…ATランプ部、61…ストップボタン、62…スタートレバー
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシンに対応して設けられる遊技情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、多くの遊技店では、遊技者に対して各種の遊技情報を表示することが当たり前になっており、様々なタイプの遊技情報表示装置が導入されている(例えば、特許文献1参照。)。表示される遊技情報の1つとしては、ボーナス状態や大当たり状態等、直近の特別状態が終了してからのゲーム回数や図柄の変動回数や役物の作動回数等がある。このような遊技情報の表示があれば、直近の特別状態が終了してから現時点までの”はまり”の度合いを把握できる。この遊技情報は、遊技者が遊技台を選択する上での重要な判断基準の1つとなっている。
【0003】
一方、遊技機の中には、有利度合いの異なる複数種類の特別状態が設けられた機種がある。このような遊技機では、必ずしも全ての特別状態を契機として上記のゲーム回数等の遊技情報を初期化(ゼロリセット)する必要が無いという事情がある。このような事情から同一機種の遊技機であっても、上記の遊技情報を初期化する特別状態の種類が遊技店毎に異なっている可能性もある。
【0004】
しかしながら、前記従来の遊技情報表示装置では、次のような問題がある。すなわち、初期化契機に設定されている特別状態の種類を知らない遊技者にとっては、上記のような遊技情報が遊技台を選択する際の判断基準になり得ず、その情報価値が損なわれてしまっているという問題がある。遊技店側は新規顧客を誘い込みたいと考えている一方、遊技客の立場からすると、初めての遊技店や初めての機種については上記のように遊技台を選択する際の判断材料が十分でなく遊技を躊躇することもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−280709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、有用な遊技情報を表示する遊技情報表示装置を提供するための発明である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ゲームの実行に応じて複数種類の特別条件のうち何れかの特別条件が成立したときに、遊技者にとって有利な複数種類の特別状態のうち成立した特別条件に対応する特別状態を発生する遊技機に付設される遊技情報表示装置において、
前記ゲームが実行された回数をゲーム回数として計数する計数手段と、
この計数手段により計数されたゲーム回数を遊技者に対して表示するゲーム回数表示手段と、
前記複数種類の特別状態それぞれについて、前記計数手段により計数されたゲーム回数を初期化する契機とするか否かを設定可能な設定手段と、
この設定手段により初期化する契機とする旨の設定がなされた特別状態が発生したときに、前記計数手段により計数されたゲーム回数を初期化するゲーム回数初期化手段と、
前記設定手段により設定された内容を遊技者に対して表示可能な設定内容表示手段と、
少なくとも直前に発生した特別状態の種類を表示する特別状態種類表示手段と、を備えたことを特徴とする遊技情報表示装置にある。
【0008】
本発明の遊技情報表示装置が備える設定手段によれば、前記複数種類の特別状態それぞれについて、前記計数手段が計数したゲーム回数を初期化する契機とするか否かを設定可能である。前記ゲーム回数表示手段が表示する前記ゲーム回数は、初期化する契機として設定された特別状態が終了してからのゲームの実行回数となる。
【0009】
本発明の遊技情報表示装置では、前記設定手段による設定内容が前記設定内容表示手段により表示され、少なくとも直近の特別状態の種類が前記特別状態種類表示手段により表示される。この遊技情報表示装置が付設されていれば、各特別状態が前記ゲーム回数の初期化契機となっているのか否かを事前に把握できる。遊技台を選択するに当たっては、その時点の前記ゲーム回数に加えて、直近の特別状態の種類、及びその特別状態によって前記ゲーム回数がゼロリセットされているのか否かを確認した上で遊技台の良し悪しを判断できる。
【0010】
以上のように、本発明の遊技情報表示装置が表示する遊技情報は、遊技者が遊技台を選択する上で非常に有用な遊技情報である。
【0011】
本発明の遊技情報表示装置を組み合わせる遊技機としては、スロットマシンやパチンコ機等がある。スロットマシンとしては、メダルやコイン等の遊技媒体を遊技価値として使用するスロットマシンでも良いが、遊技媒体を使用しない、いわゆる完全クレジット式のスロットマシンであっても良い。さらに、遊技媒体を使用するスロットマシンの場合であれば、パチンコ玉を遊技媒体として使用するパロット(R)であっても良い。パチンコ機としては、遊技媒体であるパチンコ玉の払出を伴うパチンコ機であっても良いが、パチンコ玉の払い出しを伴わない、いわゆる封入式のパチンコ機であっても良い。
【0012】
本発明の好適な一態様の遊技情報表示装置は、前記複数種類の特別状態の何れかが発生したことに応じて、前回の特別状態が終了した時点から今回の特別状態が発生するまでの期間に実行されたゲーム回数を計数する補助計数手段が計数したゲーム回数を棒グラフで表示するグラフ表示手段を備え、
このグラフ表示手段は、今回の特別状態の種類が、前記設定手段により前記契機とする旨の設定がされているか否かに応じて異なる態様で前記棒グラフを表示することも良い。
【0013】
本発明の好適な一態様の遊技情報表示装置は、前記複数種類の特別状態の何れかが発生したことに応じて、前記計数手段が計数したゲーム回数を棒グラフで表示するグラフ表示手段を備え、
このグラフ表示手段は、今回の特別状態の種類が、前記設定手段により前記契機とする旨の設定がされているか否かに応じて異なる態様で前記棒グラフを表示することも良い。
【0014】
これらの場合には、ゲーム回数を棒グラフ形式で表示する際、対応する特別状態が前記計数手段における初期化契機であるか否かに応じて棒グラフの表示態様が異なってくる。各特別状態について、対応するゲーム回数、及びその特別状態で前記計数手段によるゲーム回数が初期化されたか否かを同時に把握できるようになるので、遊技者にとって非常に便利になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例における、遊技場管理システムの構成を示すブロック図。
【図2】実施例における、スロットマシンの外観を示す正面図。
【図3】実施例における、入賞ラインが設定された図柄表示窓の正面図。
【図4】実施例における、スロットマシンの役、入賞図柄、利益を示す説明図。
【図5】実施例における、リールの外周に配置された図柄の配列を展開して示す展開図。
【図6】実施例における、スロットマシンの電気的な構成を示すブロック図。
【図7】実施例における、AT発動時の通常状態画面を示す正面図。
【図8】実施例における、AT発動時のRT中画面を示す正面図。
【図9】実施例における、AT非発動時のRT中画面を示す正面図。
【図10】実施例における、リプレイ役が同時当選したときの第1停止リール毎の入賞振り分けを説明する説明図。
【図11】実施例における、遊技情報表示装置を示す正面図。
【図12】実施例における、遊技情報表示装置の電気的な構成を示すブロック図。
【図13】実施例における、第1データ画面を示す正面図。
【図14】実施例における、第2データ画面を示す正面図。
【図15】実施例における、設定画面を示す正面図。
【図16】実施例における、その他の第2データ画面を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例)
本例は、スロットマシン(遊技機)5に対応して設けられる遊技情報表示装置1に関する例である。この内容について、図1〜図16を用いて説明する。
【0017】
本例の遊技情報表示装置1(以下、表示装置1という。)は、貸出用のメダル(遊技価値をなす遊技媒体)を払い出す貸出装置38と共に各スロットマシン5に対応して個別に設けられている。遊技場では、表示装置1、貸出装置38、及びスロットマシン5の組合せが管理装置30により管理され、全体として遊技場管理システム3が形成されている。この遊技場管理システム3では、管理装置30のほか、中継端末としての機能を備えた表示装置1が通信ネットワーク300に接続されている。スロットマシン5及び貸出装置38は、表示装置1を介して通信可能な状態で管理装置30と接続されている。
【0018】
まず、本例のスロットマシン5について説明する。スロットマシン5は、図2のごとく外観的な構成を有している。スロットマシン5の前面部分は、略矩形状の図柄表示窓51を略中央に設けた前面枠体50によって形成されている。前面枠体50は、向かって左側に設けられた図示しないヒンジを介して回動可能な状態で台枠に固定されている。
【0019】
前面枠体50では、図柄表示窓51の上側に、液晶表示部638、左右一対のスピーカ57及び装飾ランプ部636が配置されている。図柄表示窓51の下側には、スロットマシン5の基部をなすベース部500が形成されている。図柄表示窓51の右側には、10枚役あるいはリプレイ役の入賞を補助する報知が行われるAT発動中に点灯するATランプ部550、メダルの付与数を表示する付与数表示部551、及びクレジット数を表示するクレジット表示部552が配置されている。
【0020】
ベース部500は、遊技者から奥まって位置する図柄表示窓51に相対して張り出すように形成されている。ベース部500は、図柄表示窓51に隣り合う上端部に棚面状の操作面54を有し、下端部にメダルの受け皿55を有し、操作面54の下側に隣接して操作パネル53を有している。
【0021】
操作面54には、クレジット機能によりクレジット(貯留)されたメダルを投入するためのベットボタン64と、クレジットされたメダルを払い出させるための精算ボタン65と、メダルを直接投入するためのメダル投入口630と、が配置されている。操作パネル53には、リール52の図柄変動を開始させるためのスタートレバー62、図柄変動を停止させるためのストップボタン61が配置されている。
【0022】
図柄表示窓51は、図3のごとく、図柄表示領域510L、C、Rを含む表示窓である。各図柄表示領域510L、C、Rは、いずれも3図柄分の図柄表示領域である。図柄表示窓51全体では、3行3列よりなる2次元マトリクス状に配置された9図柄分の図柄表示領域が形成されている。2次元マトリクス状に9個の図柄525が配置される図柄表示領域においては、入賞の対象となる入賞図柄の並び方向である入賞ライン511〜515が設定されている。
【0023】
各図柄表示領域510L、C、Rの裏側には、図2のごとく、リール52L、C、Rがそれぞれ配置されている。リール52L、C、Rは、円柱形状の外周面に略一定の間隔を空けて21個の図柄525が配置された回転式のリールである。リール52L、C、Rにそれぞれ個別に対応するストップボタン61として、左ストップボタン61L、中ストップボタン61C、右ストップボタン61Rが設けられている。
液晶表示部638は、液晶ディスプレイよりなる。液晶表示部638は、遊技を演出するための各種の演出画面等を表示可能である。
【0024】
前面枠体50の回動に応じて開放されるスロットマシン5の内部では、前面枠体50のATランプ部550に対応する位置に図示しないLED灯が配設されている。本例では、このLED灯の発光を検知可能なように前面枠体50の内側に光センサ18(図12を参照して後述する。)が取り付けられている。
【0025】
次に、本例のスロットマシン5の役、各リール52における図柄配列について説明する。
本例のスロットマシン5では、図4のごとく、15枚役A〜C、10枚役A・Bよりなる複数種類の小役のほか、ボーナス役(BB役、RB役)、リプレイ役A〜Eが設定されている。同図では、左列に各役の名称を、中列に各役に対応する図柄525の組合せである入賞図柄を、右列に入賞に応じて遊技者に付与される利益を示してある。利益としては、同図中「利益」欄の左側に示す非ボーナス状態(規定数3枚)下の利益と、右側に示すボーナス状態(規定数2枚)下の利益と、を示してある。
【0026】
本例では、リプレイ役の入賞確率が低く不利な低確RT状態への移行契機となる低確RT図柄としてリプレイ役Aの入賞図柄が設定されている。また、リプレイ役の入賞確率が高く遊技者にとって有利な高確RT状態への移行契機となる高確RT図柄としてリプレイ役Cの入賞図柄が設定されている。さらに、10枚役を取りこぼしたときに100%の確率で停止表示される10枚役こぼし図柄が、高確RT状態の終了契機となる高確RT終了図柄に設定されている。なお、本例では、通常状態下のリプレイ役、及び高確RT状態下の10枚役が、ATの報知対象役となっている。
【0027】
ここで、ATの報知対象役であるリプレイ役及び10枚役の入賞図柄を説明する。図4のごとく、リプレイ役Aの入賞図柄は、図柄「RP」のゾロ目である。リプレイ役Aの入賞図柄を元にして右リール52Rを図柄「黒オレンジ」に置換すればリプレイ役Bの入賞図柄となり、図柄「スイカ」に置換すればリプレイ役Cの入賞図柄となる。
【0028】
10枚役Aの入賞図柄は「黒オレンジ」のゾロ目である。10枚役Aの入賞図柄を元にして左リール52Lの図柄を「白オレンジ」に置換した組み合わせが10枚役Bの入賞図柄となっている。さらに、左リール52Lの図柄を「RP」に置換した組合せが10枚役こぼし図柄となっている。
【0029】
各リール52L、C、Rでは、図5のごとく図柄が配列されている。
左リール52L及び中リール52Cでは、リプレイ役A〜Cに共通する図柄「RP」の最大間隔が4図柄となっている。ここで、本例のスロットマシン5では、後述するごとくリール52が停止する際の引込範囲として4図柄分に相当する範囲が設定されている。また、前述するごとく図柄表示領域510L、510Cでは、上段中段下段の3図柄分に渡って入賞ラインが設定されている。したがって、左リール52L及び中リール52Cにおける「RP」は、停止操作のタイミングに関わらず必ず引込範囲内に存在し、入賞ライン上に停止表示される図柄となっている。
【0030】
右リール52Rでは、リプレイ役A〜Cにそれぞれ対応する図柄「RP」、「黒オレンジ」及び「スイカ」について、最大間隔がいずれも4図柄となっている。他のリール52L、Cにおける図柄「RP」と同様、右リール52Rにおける「RP」、「黒オレンジ」及び「スイカ」は、停止操作のタイミングに関わらず必ず引込範囲内に存在し、入賞ライン上に停止表示される図柄となっている。
【0031】
リプレイ役の図柄が上記のように配列された本例のスロットマシン5におけるリプレイ役A〜Cは、仮に単独当選したとすれば必ず入賞し、他のリプレイ役と同時当選した場合でもストップボタン61L、C、Rを所定の順番で停止操作すれば、必ず入賞するリプレイ役となっている。スロットマシン5では、リプレイ役Aを含む同時当選が発生したときに、リプレイ役Aを回避するためのストップボタンの操作態様である第1停止リールが存在している。なお、第1停止リールと入賞リプレイ役の種類との関係については、図10を参照して後述する。
【0032】
一方、10枚役に対応する図柄については、次のようになっている。中リール52C及び右リール52Rでは、10枚役A・Bに共通する図柄「黒オレンジ」の最大間隔が4図柄となっている。したがって、中リール52C及び右リール52Rにおける「黒オレンジ」は、停止操作のタイミングに関わらず必ず引込範囲内に存在し、入賞ライン上に停止表示される図柄となっている。
【0033】
左リール52Lでは、10枚役A・Bの一方に対応する特定の種類の図柄「オレンジ」の最大間隔が15図柄以上、10枚役A・Bの何れかに対応する任意の種類の図柄「オレンジ」の最大間隔が6図柄となっている。したがって、左リール52Lにおける「オレンジ」は、停止操作のタイミングによらず2種類のうちの何れかが必ず引込範囲内に存在することになる。一方、特定の種類の「オレンジ」については、停止操作のタイミングが合致しなければ停止表示させることができないようになっている。
【0034】
このように図柄が配列された10枚役A・Bについては、同時当選したときに何れかの10枚役を必ず入賞できる一方、単独当選したときにその種類が不明であるときの入賞確率は1/2となっている。そして、10枚役の入賞が取りこぼされたときには、必ず10枚役こぼし図柄(図4参照。)が停止表示されるようになっている。
【0035】
スロットマシン5の電気的な構成は、図6に示す通りである。スロットマシン5は、主制御部58を中心として電気的に構成されている。主制御部58に対しては、スタートレバー62、ストップボタン61、ベットボタン64、精算ボタン65、メダル投入口630(図2)から投入されたメダルを検知する投入メダル検知部63、リール52と共に図柄変動表示手段520を構成するリール駆動部521、リール52の回転位置を検知する基準位置検知部632、メダルを受け皿55に払い出すメダル払出部633、付与数表示部551やクレジット表示部552(図2)を含む各種表示部634、遊技者の有利度合いを表す設定値を設定するための設定値操作部68、各種の信号を出力する信号出力部635、遊技演出を制御する副制御部59等が電気的に接続されている。この副制御部59には、装飾ランプ部636、スピーカ57を制御する音声出力部637、液晶表示部638、ATランプ部550等が電気的に接続されている。
【0036】
リール駆動部521は、ステップ単位で制御可能なステッピングモータ(図示略)を含み、このステッピングモータの回転駆動力によりリール52を回転駆動する駆動部である。
基準位置検知部632は、各リール52L、C、Rについて基準位置片の通過を検知する毎に検知信号を出力する検知部である。
設定値操作部68は、設定キー680を利用して、ボーナス役及び小役の内部当選確率が異なる6段階の設定値を変更するための操作部である。
【0037】
主制御部58は、図6のごとく、CPU581と、メモリ手段であるROM583・RAM584と、入出力インターフェースとしてのI/O582と、内部当選役抽選用の乱数を抽出する乱数抽出部585と、乱数を発生する乱数発生部586と、を有している。主制御部58は、内部当選役を抽選する内部抽選手段71、内部当選役に対応する内部当選フラグを制御するフラグ制御手段710、リール52を制御する表示制御手段72、入賞図柄を判定する入賞判定手段73、入賞に応じて利益を付与する利益付与手段74、ボーナス状態を発生させるボーナス状態発生手段751、高確RT状態発生手段752、低確RT状態発生手段753としての各機能を実現する。
【0038】
副制御部59は、CPU591、ROM593・RAM594、及びI/O592等を備えている。副制御部59は、主制御部58から受信した制御信号に応じて液晶表示部638や音声出力部637等を制御する。副制御部59は、AT発動抽選及びAT継続抽選を実行するAT抽選手段76、ATを発動させるAT発動手段77としての機能を実現する。
【0039】
主制御部58のROM583は、内部当選役の抽選に用いる内部当選役抽選テーブル、リール52の停止制御に用いるリール制御テーブル等を記憶している。副制御部59のROM593は、AT抽選用のAT発動抽選テーブル及びAT継続抽選テーブル等を記憶している。
【0040】
内部当選役抽選テーブルは、所定範囲(0〜65535)の内部当選役抽選用の乱数のうち、各役の当選乱数の範囲が規定されたデータテーブルである。内部当選役抽選テーブルとしては、通常状態に適用されるテーブル、低確RT状態に適用されるテーブル、高確RT状態に適用されるテーブルのほか、ボーナス状態に適用されるテーブルがある。ボーナス状態を除く各遊技状態の内部当選役抽選テーブルは、設定値毎に用意されている。
【0041】
AT発動抽選テーブル及びAT継続抽選テーブルは、内部当選役抽選用の乱数を利用する抽選テーブルである。これらのAT抽選テーブルでは、内部当選役抽選用の乱数範囲(0〜65535)のうちの一部が当選乱数として設定されている。
【0042】
以上のような構成のスロットマシン5では、ベットボタン64の操作あるいはメダル投入口630へのメダル投入に応じて規定数のメダルがゲームに賭けられたときにゲームの開始が許可された状態となる。ゲームの開始が許可されるとスタートレバー62が操作可能な状態になる。
【0043】
ゲームの開始が許可された状態でスタートレバー62が操作されたとき、乱数抽出部585は、乱数発生部586が発生する乱数(0〜65535)の中から内部当選役抽選用の乱数を抽出する。主制御部58は、この内部当選役抽選用の乱数を、内部当選役抽選テーブルに規定された各役の当選乱数と照合することにより内部抽選を実行し、内部当選役を決定する。内部当選役が決定された場合には、その内部当選役に対応する内部当選フラグを成立させる。この内部抽選では、前記内部当選役抽選テーブルのうちの何れかが、遊技状態及び設定値に応じて選択的に利用される。
【0044】
ボーナス役以外の他の役の内部当選フラグについては、その内部当選フラグが初めて成立したゲームで入賞したか否かに関わらず次のゲームを開始するまでにオフ状態(ゼロ)にリセットされる。したがって、ボーナス役以外の各役が内部当選したゲームで入賞しなかった場合、全て取りこぼしとなる。一方、ボーナス役の内部当選フラグであるボーナス役フラグについては、内部当選フラグの成立状態が入賞するまで順次、次回のゲームに持ち越され、入賞に応じてオフ状態にリセットされる。
【0045】
低確RT状態下のゲームでは、副制御部59がAT発動抽選を実行する。AT発動抽選は、内部当選役抽選用の乱数を図示しないAT発動抽選テーブルに照合して実行される。また、AT発動中の通常状態下で高確RT図柄が停止表示されて高確RT状態への移行が決定されたゲームでは、副制御部59がAT継続抽選を実行する。AT継続抽選は、高確RT状態への移行契機となったリプレイ役Cの当選乱数を図示しないAT継続抽選テーブルに照合して実行される。このように本例では、内部当選役抽選用の乱数を利用して、AT発動抽選等のAT抽選を実行している。これに代えて、AT抽選について専用の抽選用乱数を適用することも良い。
【0046】
上記のようにゲームの開始が許可された状態でスタートレバー62が操作されたとき、主制御部58は、リール駆動部521を構成するステッピングモータに制御パルスを入力し、1パルス毎に1ステップずつステッピングモータを回転させることで、リール52の図柄変動を開始させる。主制御部58は、ステッピングモータの回転中、リール駆動部521に入力した制御パルス数、すなわちステッピングモータが回転したステップ数をカウントする。このステップ数のカウンタ値は、各リール52の基準位置片の検知信号の取り込み毎にゼロリセットされ、直近の検知信号の後に生じたステップ数となる。
【0047】
図柄変動中にストップボタン61が操作されたとき、主制御部58は対応するリール52の図柄変動を停止させる。主制御部58は、リール52を停止させるに当たって、規則(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則)等が定める所定の引込範囲内の図柄を入賞ライン上に停止させる、いわゆる引込制御を実行する。本例では、引込範囲として4図柄分に相当する範囲が設定されている。引込制御では、入賞ライン上に停止可能な停止位置が規定されたリール制御テーブルに対してストップボタン61が操作された時のステップ数が照合され、停止位置が決定される。引込範囲内に内部当選フラグに対応する図柄があれば、その図柄が停止位置として決定される。
【0048】
主制御部58は、リール52が停止した後、対応するステッピングモータ(リール駆動部521)のステップ数に基づいて入賞ライン511〜515上に停止した図柄525の種類を求める。全てのリール52が停止した後、3基のリール52L、C、Rを横断するように設定された入賞ライン511〜515(図3参照。)上に停止した図柄の組合せが所定の入賞図柄であるか否かに応じて入賞役を判定する。
【0049】
主制御部58は、入賞が発生したとき、入賞役に対応する数のメダルを付与する。例えば、15枚役が入賞役である場合には15枚のメダルを付与する(図4参照。)。但し、ボーナス状態では、全ての小役についてメダルの付与枚数が15枚となっている。
【0050】
主制御部58は、ボーナス役の入賞(特別条件)に応じてボーナス状態(特別状態)を発生させると共に、所定の終了条件の成立に応じてボーナス状態を終了させる。ボーナス状態としては、BB役の入賞に応じたBB状態(ビッグボーナス)と、RB役の入賞に応じたRB状態(レギュラーボーナス)がある。BB状態の終了条件は、付与したメダルが300枚を超過したことであり、RB状態の終了条件は、付与したメダルが100枚を超過したことである。
【0051】
主制御部58は、低確RT図柄であるリプレイ役Aの入賞図柄が通常状態下で停止表示されたときに低確RT状態を発生させる。この低確RT状態は、消化ゲーム数が64ゲームに達するか、あるいはBB役及びRB役の何れかが内部当選したときに終了する。
【0052】
主制御部58は、高確RT図柄であるリプレイ役Cの入賞図柄が通常状態下で停止表示されたときに高確RT状態を発生させる。この高確RT状態は、消化ゲーム数が20ゲームに達するか、高確RT終了図柄である10枚役こぼし図柄が停止表示されるか、あるいはBB役及びRB役の何れかが内部当選したときに終了する。
【0053】
副制御部59は、低確RT状態下のAT発動抽選に当選(特別条件)したとき、通常状態への復帰に応じてATを発動させる。その後、高確RT状態へ移行したときには、AT継続抽選を実行すると共に、その当否に関わらずそのままATを継続させる。高確RT状態の終了に応じて通常状態へ復帰したとき、AT継続抽選に当選していればさらにATを継続させ、ハズレであれば通常状態への移行と共にATを終了させる。一方、ATの発動後、通常状態から高確RT状態へ移行できずに低確RT状態へ転落した場合には、その時点でATを終了させる。
【0054】
なお、本例のスロットマシン5では、通常状態又は高確RT状態でATが発動したART状態(アシストリプレイタイム)が特別状態のひとつとなっている。このART状態下でBB役又はRB役に内部当選してART状態が終了した場合、対応するボーナス状態が終了するまでの間、ART状態が中断され、通常状態への復帰に応じて再度、ATが発動する。
【0055】
AT発動中には、何れかの役の入賞を補助するAT情報が報知される。通常状態下でリプレイ役が同時当選したときには、例えば、図7のごとく、リプレイ役A以外のリプレイ役を入賞させるためのAT情報が報知される。具体的には、入賞図柄が低確RT図柄であるリプレイ役Aの入賞を回避するための第1停止リールが報知される。このようなAT情報の報知が有れば、リプレイ役Aの入賞を回避でき、他のリプレイ役を入賞させることができる。
【0056】
また、高確RT状態では、10枚役A・Bが単独で内部当選したとき、図8のごとく、その10枚役の種類がAT情報として報知される。特に、高確RT状態では、単独で内部当選した10枚役を入賞させることにより、高確RT終了図柄である10枚役こぼし図柄を回避できる。なお、非ATの高確RT状態において10枚役A・Bが単独で内部当選したときには、図9のごとく、その種類を特定せずに10枚役が内部当選した旨のみが報知される。
【0057】
ここで、通常状態下でリプレイ役の同時当選パターンが発生したときの第1停止リールに応じた入賞リプレイ役の振り分けについて、図10を参照して説明する。
例えば、リプレイ役A・B・Cの同時当選パターンにおいて第1停止リールが左リール52L又は中リール52Cであった場合には、リプレイ役Aが入賞する。一方、第1停止リールが右リール52Rであった場合には、リプレイ役Cが入賞する。このとき、右リール52Rを第1停止リールとすべき旨のAT情報は、高確RT図柄であるリプレイ役Cの入賞図柄を停止表示させるための補助情報であると共に、低確RT図柄であるリプレイ役Aの入賞図柄を回避するための回避情報となる。
【0058】
本例のスロットマシン5が、信号出力部635(図6)を介して表示装置1に向けて外部出力する信号としては、少なくとも以下の各信号がある。
(1)セーフ信号:入賞に応じてメダルが1枚付与される毎に出力される信号。
(2)アウト信号:ゲームに使用されたメダル数分、ゲームの開始に応じて連続的に出力される信号。
(3)RB信号:RB状態の発生中に出力される信号。
(4)BB信号:BB状態の発生中に出力される信号。
【0059】
次に、表示装置1について説明する。表示装置1は、図1及び図11のごとく、スロットマシン5の上側のスペースに配設される横長の装置である。表示装置1の正面では、液晶ディスプレイよりなる情報表示部15を中心として、左右両側にランプ部165が配置されている。情報表示部15の右側にはデータ切換ボタン161、左側には呼出ボタン162が配置されている。なお、表示装置1は、スロットマシン5に対応して個別に設置されていれば良く、その設置場所は本例に限定されない。例えば、スロットマシン5の側方や前方であってもよい。
【0060】
情報表示部15は、対応するスロットマシン5の各種の遊技データを表示する表示手段としての機能を備えている。特に、本例の情報表示部15は、特別状態(BB状態、RB状態、ART状態)のうち初期化契機となる特別状態が終了してからのゲーム回数である只今ゲーム数を表示するゲーム回数表示手段151、只今ゲーム数の初期化に関する設定内容を表示する設定内容表示手段153、特別状態の発生履歴を表示する特別状態種類表示手段155、特別状態発生までに要したゲーム回数をグラフ表示するグラフ表示手段157としての機能を備えている。さらに、本例の情報表示部15は、只今ゲーム数を初期化する契機となる特別状態を設定するための設定画面23(図15を参照して後述する。)を表示可能である。
【0061】
ランプ部165は、遊技場のスタッフを呼び出すときに点灯する呼出ランプ165A、及びボーナス状態の発生中に点灯するボーナスランプ165Bにより構成されている。
データ切換ボタン161は、情報表示部15に表示させる遊技データを切り換えるための操作ボタンである。
【0062】
呼出ボタン162は、押し込まれた位置を保持しないラッチレスの押込み操作ボタンである。呼出ボタン162は、押込み操作毎にオン状態とオフ状態とが交互に切り換わる。オフ状態の呼出ボタン162が押込み操作されるとオン状態に切り換わり、オン状態の呼出ボタン162が押込み操作されるとオフ状態に切り換わる。呼出ボタン162がオフ状態からオン状態に切り換わったとき、遊技場の従業員等を呼び出すための呼出表示(呼出動作)が呼出ランプ165Aにより実行される。
【0063】
表示装置1の内部には、図12のごとく、各種の演算処理を実行するCPU11、ROM121・RAM122を含む記憶部12、各種信号あるいは情報の入出力を行うI/O13を含む制御部100が収容されている。
【0064】
表示装置1は、I/O13の外部端子である信号入力端子130等を介してスロットマシン5と接続されている。なお、信号入力端子130を介してスロットマシン5側から取り込む信号としては、上記のごとく、セーフ信号、アウト信号、BB信号、RB信号等がある。
【0065】
さらに、本例の表示装置1では、ATランプ部550の発光を検知するようにスロットマシン5の内部に取り付けられた光センサ18から延設された信号線180が信号入力端子130に電気的に接続されている。光センサ18は、ATランプ部550の発光を検知したとき、検知信号を出力する。
【0066】
記憶部12は、スロットマシン5の遊技データを記憶する遊技データ記憶手段104としての機能を備えている。記憶部12が記憶する遊技データとしては、以下の(1)〜(12)の各データがある。
【0067】
(1)第1B間ゲーム数の履歴:初期化契機として設定された特別状態の終了後、初期化契機の特別状態が新たに発生するまでに実行されたゲーム回数の履歴。なお、本例では、特別状態であるBB状態、RB状態、ART状態のうち、BB状態及びRB状態が初期化契機として設定されている。
(2)第2B間ゲーム数の履歴:前回の特別状態(BB状態、RB状態、ART状態)が終了してから新たな特別状態が発生するまでに実行されたゲーム回数の履歴。なお、全ての特別状態が初期化契機に設定された場合には、第2B間ゲーム数=第1B間ゲーム数となる。
(3)只今ゲーム数:直近の初期化契機となる特別状態が終了してから現時点までに実行されたゲーム回数。
(4)通常ゲーム数:直近の特別状態が終了してから現時点までに実行されたゲーム回数。なお、全ての特別状態が只今ゲーム数の初期化契機に設定された場合には、通常ゲーム数=只今ゲーム数となる。
(5)累計ゲーム数:非ボーナス状態下で実行された累計ゲーム数。
(6)本日BB回数:BB状態の発生回数。
(7)本日RB回数:RB状態の発生回数。
(8)本日ART回数:ART状態の発生回数。
(9)前日BB回数:前日のBB状態の発生回数。
(10)前日RB回数:前日のRB状態の発生回数。
(11)前日ART回数:前日のART状態の発生回数。
(12)差枚数の変動履歴:メダルの累計の投入枚数に対して、遊技者が獲得したメダル数に当たる差枚数(付与数−賭け数)の履歴データ。
【0068】
なお、上記(1)第1B間ゲーム数には、初期化契機の特別状態が発生する毎に、そのときの(3)只今ゲーム数が順次、格納される。上記(2)第2B間ゲーム数には、何れかの特別状態が発生する毎に、そのときの(4)通常ゲーム数が順次、格納される。
また、上記(9)〜(11)の前日の遊技データは、各営業日の営業終了時に上記(6)〜(8)の当日の遊技データにより更新される。
【0069】
制御部100は、図12のごとく、上記(3)只今ゲーム数を計数する計数手段101、上記(4)通常ゲーム数を計数する補助計数手段101S、初期化契機の特別状態の発生に応じて(3)只今ゲーム数を初期化するゲーム回数初期化手段102、上記(5)〜(8)、(12)の各遊技データを生成する遊技データ生成手段103、情報表示部15の表示を制御する表示制御手段105、(3)只今ゲーム数の初期化条件を設定する設定手段106、ATの発動を検知するAT検知手段107、ボーナス状態を判定するボーナス状態判定手段109としての機能を備えている。
【0070】
制御部100は、光センサ18の検知信号を入力したときに、スロットマシン5でATが発動したことを検知する。また、スロットマシン5が外部出力するBB信号又はRB信号を受信したとき、スロットマシン5でBB状態又はRB状態が発生したと判定する。
【0071】
制御部100は、以下に説明する方法で上記(3)〜(8)に対応する各遊技データを計数等するほか、上記(12)の遊技データを生成するために累計の差枚数を集計する。
(3)只今ゲーム数:直近の初期化契機の特別状態が終了したときに初期化されてゼロスタートで計数開始し、アウト信号を3回連続的に受信してゲームスタートを検知する毎に1ゲームずつ加算する。
(4)通常ゲーム数:直近の特別状態(BB状態、RB状態、ART状態)の終了に応じて通常状態に復帰したときにゼロスタートで計数開始し、ゲームスタートを検知する毎に1ゲームずつ加算する。
(5)累計ゲーム数:通常状態においてアウト信号を3回連続的に受信したときにゲームスタートを検知し、検知する毎に1ゲームずつ加算する。
(6)本日BB回数:BB状態が判定される毎に1回ずつ加算する。
(7)本日RB回数:RB状態が判定される毎に1回ずつ加算する。
(8)本日ART回数:AT発動が検知される毎に1回ずつ加算する。
(12)差枚数:セーフ信号を受信する毎に1回ずつ加算し、アウト信号を受信する毎に1回ずつ減算する。
【0072】
制御部100は、データ切換ボタン161の操作に応じて、情報表示部15が表示する遊技データを切り換える。情報表示部15による表示画面としては、差枚数グラフを含む第1データ画面21A、B間ゲーム数グラフを含む第2データ画面21Bがある。
【0073】
第1データ画面21Aは、図13のごとく、遊技データを表示するデータ表示エリア211とグラフ表示エリア212とが配置された画面である。データ表示エリア211には、只今ゲーム数及び累計ゲーム数を表示するゲーム数表示欄211A、本日及び前日のBB回数、RB回数、ART回数を表示する特別状態発生回数表示欄211Bが配置されている。グラフ表示エリア212には、投入枚数(横軸)に対する差枚数(縦軸)の変動を表す差枚数グラフが表示される。この差枚数グラフは、上記(12)の差枚数の変動履歴が展開された折れ線グラフである。
【0074】
第2データ画面21Bは、図14のごとく、第1データ画面21Aの差枚数グラフがB間ゲーム数グラフに置換された画面である。B間ゲーム数グラフは、上記(1)第1B間ゲーム数あるいは(2)第2B間ゲーム数の棒グラフである。B間ゲーム数グラフの最下段には、過去に発生した特別状態の種類が表示される。「B」はBB状態、「r」はRB状態、「A」はART状態を表している。直近の特別状態が最も左側に配置され、古くなるほど右側に配置される。
【0075】
B間ゲーム数グラフでは、上記(3)只今ゲーム数の初期化契機となる特別状態に対しては上記(1)の第1B間ゲーム数が表示され、初期化契機とはならない特別状態に対しては上記(2)の第2B間ゲーム数が表示される。さらに、初期化契機となる特別状態に対応する棒グラフが白抜きで表示される一方、初期化契機とならない特別状態に対応する棒グラフが塗り潰しで表示されている。遊技者は、B間ゲーム数グラフの表示に応じて、只今ゲーム数を初期化する契機となる特別状態の種類や、直近に発生した特別状態の種類などを一目瞭然に把握できる。なお、本例では、BB状態とRB状態が上記(3)只今ゲーム数の初期化契機となる特別状態として設定されている一方、ART状態については初期化契機とならない特別状態として設定されている。
【0076】
また、本例の表示装置1では、データ切換ボタン161及び呼出ボタン162を所定の手順で操作したときに、管理画面を表示させることができる。管理画面のひとつには、図15のごとく、上記(3)只今ゲーム数を初期化する契機となる特別状態を設定するための設定画面23がある。設定画面23には、初期化設定エリア232が配置され、そこには、BB状態、RB状態、ART状態に対応する棒グラフが3本表示されている。
【0077】
同図は、BB状態及びRB状態が上記(3)只今ゲーム数の初期化契機として設定された状態の設定画面23を示している。設定画面23の初期状態では、BB状態を表す「B」の記号が白黒反転表示され、設定操作が可能な状態である旨を表している。データ切換ボタン161を押込操作すれば、BB状態に対応する棒グラフの表示を塗り潰し表示に切り換えることができ、再度、データ切換ボタン161を押込操作すれば、白抜き表示に切り換えできる。BB状態に対応する棒グラフが白抜きの状態で呼出ボタン162を押込操作すれば上記(3)只今ゲーム数の初期化契機としてBB状態を設定でき、塗り潰し状態で呼出ボタン162を押込操作すれば初期化契機とはならない特別状態として設定できる。
【0078】
上記のように呼出ボタン162が押込操作されると、BB状態を(3)只今ゲーム数の初期化契機とするか否かが設定されると共に、設定対象が次のRB状態に変更される。RB状態が設定対象に選択された状態(図示略)では、「B」の記号が非反転表示に切り換わる一方、RB状態を表す「r」の記号が白黒反転表示に切り換わる。この状態では、上記のBB状態の場合と同様に、RB状態を(3)只今ゲーム数の初期化契機とするか否かを設定可能である。
【0079】
以上のように本例の表示装置1では、何れの特別状態が只今ゲーム数の初期化契機に設定されているか否かの設定内容が表示されると共に、直近の特別状態の種類が表示される。このような表示があれば、何れの特別状態が只今ゲーム数の初期化契機に設定されているのか、遊技者が把握できる。遊技台を選択する遊技者は、只今ゲーム数に加えて、直近の特別状態の種類、及びその特別状態によって只今ゲーム数がゼロリセットされているのか否かを確認した上で遊技機の良し悪しを判断できる。このように、本例の表示装置1が表示する遊技情報は、遊技者が遊技台を選択する上で非常に有用な遊技情報である。
【0080】
なお、本例の構成に代えて、以下のような構成を採用することもできる。
設定手段106による設定内容を表示するための専用画面を設け、遊技者の操作に応じてその専用画面を表示することも良い。専用画面としては、設定手段106の設定内容を把握できる画面であればどのような画面であっても良い。
只今ゲーム数の初期化契機となる特別状態を設定する操作を管理装置30側で実行し、管理装置30から表示装置1へ設定内容を送信するようにしても良い。
【0081】
本例では、特別状態の種類として、BB状態、RB状態、ART状態の3種類を例示したが、特別状態は、これらの遊技状態には限定されない。遊技者にとって有利な状態であればどのような特別状態であっても良い。
本例では、B間ゲーム数グラフの棒グラフの色(白抜きか塗り潰しか)によって初期化契機の特別状態であるか否かを表示するようにしたが、初期化契機の特別状態であるか否かを示す何らかのマークを棒グラフに付記することも良い。
【0082】
本例の表示装置1は、スロットマシン5が備えるATランプ部550の点灯に応じてATの発動を検知している。スロットマシン5がATの発動を表すAT信号を外部出力する場合であれば、表示装置1から光センサ18を省略することも可能である。
本例の表示装置1は、スロットマシン5とは別体で構成されているが、スロットマシンに組み込んで一体的に設けることも良い。
【0083】
第2データ画面21BのB間ゲーム数グラフについては、図16のごとく構成しても良い。このB間ゲーム数グラフにおいては、図14と同様、只今ゲーム数の初期化契機となるBB状態及びRB状態に対しては上記(1)第1B間ゲーム数が表示されている。一方、初期化契機ではないART状態に対しては、上記(1)第1B間ゲーム数が実線部分の最上部の位置によって表され、上記(2)第2B間ゲーム数が点線部分の最上部の位置により表されている。
【0084】
以上のごとく本発明の実施例を詳細に説明したが、これらの実施例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、実施例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して実施例を多様に変形あるいは変更した技術を包含している。
【符号の説明】
【0085】
1…遊技情報表示装置(表示装置)、101…計数手段、102…ゲーム回数初期化手段、103…遊技データ生成手段、104…遊技データ記憶手段、105…表示制御手段、106…設定手段、107…AT検知手段、109…ボーナス状態判定手段、15…情報表示部、151…ゲーム回数表示手段、153…設定内容表示手段、155…特別状態種類表示手段、157…グラフ表示手段、161…データ切換ボタン、162…呼出ボタン、165A…呼出ランプ、18…光センサ、21A…第1データ画面、21B…第2データ画面、23…設定画面、3…遊技場管理システム、30…管理装置、38…貸出装置、5…スロットマシン、520…図柄変動表示手段、550…ATランプ部、61…ストップボタン、62…スタートレバー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームの実行に応じて複数種類の特別条件のうち何れかの特別条件が成立したときに、遊技者にとって有利な複数種類の特別状態のうち成立した特別条件に対応する特別状態を発生する遊技機に付設される遊技情報表示装置において、
前記ゲームが実行された回数をゲーム回数として計数する計数手段と、
この計数手段により計数されたゲーム回数を遊技者に対して表示するゲーム回数表示手段と、
前記複数種類の特別状態それぞれについて、前記計数手段により計数されたゲーム回数を初期化する契機とするか否かを設定可能な設定手段と、
この設定手段により初期化する契機とする旨の設定がなされた特別状態が発生したときに、前記計数手段により計数されたゲーム回数を初期化するゲーム回数初期化手段と、
前記設定手段により設定された内容を遊技者に対して表示可能な設定内容表示手段と、
少なくとも直前に発生した特別状態の種類を表示する特別状態種類表示手段と、を備えたことを特徴とする遊技情報表示装置。
【請求項2】
前記複数種類の特別状態の何れかが発生したことに応じて、前回の特別状態が終了した時点から今回の特別状態が発生するまでの期間に実行されたゲーム回数を計数する補助計数手段が計数したゲーム回数を棒グラフで表示するグラフ表示手段を備え、
このグラフ表示手段は、今回の特別状態の種類が、前記設定手段により前記契機とする旨の設定がされているか否かに応じて異なる態様で前記棒グラフを表示することを特徴とする請求項1に記載の遊技情報表示装置。
【請求項3】
前記複数種類の特別状態の何れかが発生したことに応じて、前記計数手段が計数したゲーム回数を棒グラフで表示するグラフ表示手段を備え、
このグラフ表示手段は、今回の特別状態の種類が、前記設定手段により前記契機とする旨の設定がされているか否かに応じて異なる態様で前記棒グラフを表示することを特徴とする請求項1に記載の遊技情報表示装置。
【請求項1】
ゲームの実行に応じて複数種類の特別条件のうち何れかの特別条件が成立したときに、遊技者にとって有利な複数種類の特別状態のうち成立した特別条件に対応する特別状態を発生する遊技機に付設される遊技情報表示装置において、
前記ゲームが実行された回数をゲーム回数として計数する計数手段と、
この計数手段により計数されたゲーム回数を遊技者に対して表示するゲーム回数表示手段と、
前記複数種類の特別状態それぞれについて、前記計数手段により計数されたゲーム回数を初期化する契機とするか否かを設定可能な設定手段と、
この設定手段により初期化する契機とする旨の設定がなされた特別状態が発生したときに、前記計数手段により計数されたゲーム回数を初期化するゲーム回数初期化手段と、
前記設定手段により設定された内容を遊技者に対して表示可能な設定内容表示手段と、
少なくとも直前に発生した特別状態の種類を表示する特別状態種類表示手段と、を備えたことを特徴とする遊技情報表示装置。
【請求項2】
前記複数種類の特別状態の何れかが発生したことに応じて、前回の特別状態が終了した時点から今回の特別状態が発生するまでの期間に実行されたゲーム回数を計数する補助計数手段が計数したゲーム回数を棒グラフで表示するグラフ表示手段を備え、
このグラフ表示手段は、今回の特別状態の種類が、前記設定手段により前記契機とする旨の設定がされているか否かに応じて異なる態様で前記棒グラフを表示することを特徴とする請求項1に記載の遊技情報表示装置。
【請求項3】
前記複数種類の特別状態の何れかが発生したことに応じて、前記計数手段が計数したゲーム回数を棒グラフで表示するグラフ表示手段を備え、
このグラフ表示手段は、今回の特別状態の種類が、前記設定手段により前記契機とする旨の設定がされているか否かに応じて異なる態様で前記棒グラフを表示することを特徴とする請求項1に記載の遊技情報表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−27501(P2013−27501A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164953(P2011−164953)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】
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