説明

遊技機及びその音量調整方法

【課題】従来技術にない演出音の調整機能を備えた遊技機及びその音量調整方法を提供する。
【解決手段】音信号出力装置201と複数の第1減衰器204a・204b・204c・204dと出力バス205と音出力装置212とを有している。音信号出力装置201は、BGM信号とゲーム効果音信号とを含む複数の音信号を並列に出力する。第1減衰器204a・204b・204c・204dは、音信号出力装置201から出力される複数の音信号の少なくともBGM信号を減衰する。出力バス205は、第1減衰器204a・204b・204c・204dで減衰されたBGM信号を含む全ての複数の音信号を入力可能にされ、音信号を伝送する。音出力装置212は、信号バスを伝送される音信号を音波に変換して拡声する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機及びその音量調整方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機は、プレーヤがコインや紙幣等の遊技媒体を遊技機の投入口に投入し、スタートボタンを押すと、筐体の正面に設けられたディスプレイにて複数のシンボルが変動表示され、その後、各シンボルは自動的に停止する。
【0003】
このような遊技機は、例えば、特許文献1に開示されているように、BGMやゲーム効果音等の各種の演出音が重畳された音信号を出力するサウンド回路と、音信号を音波に変換して拡声するスピーカとを有している。そして、スピーカから出力された演出音により遊技の演出が行われる。演出音の音量を調整する場合は、サウンド回路における音量調整器が操作されることによって、音信号の出力電圧が増減される。この結果、音信号に含まれるBGMやゲーム効果音等の全ての演出音の音量が音量調整器により同じレベルで調整される。
【0004】
【特許文献1】米国特許US7128650号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した従来技術にない演出音の調整機能を備えた遊技機及びその音量調整方法を提供することである。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0006】
本発明は、下記構成を備える遊技機であり、音信号出力装置と複数の減衰器と信号バスとスピーカとを有している。音信号出力装置は、複数の音信号を並列に出力する。減衰器は、音信号出力装置から出力される複数の音信号を夫々個別に減衰する。信号バスは、減衰器において減衰された複数の音信号を入力可能にされ、音信号を伝送する。スピーカは、信号バスを伝送される音信号を音波に変換して拡声する。
【0007】
上記の構成によれば、音信号出力装置から出力された複数の音信号が減衰器により夫々減衰される。各信号が減衰器で減衰された後、信号バスに入力される。この後、音信号がスピーカにより音波に変換して拡声される。
【0008】
本発明は、下記構成を備える遊技機であり、音信号出力装置と信号バスと減衰器と加算器とスピーカとを有している。音信号出力装置は、複数の音信号を並列に出力する。信号バスは、音信号出力装置から出力される複数の音信号の中から任意の音信号を入力可能にされ、音信号を伝送する。減衰器は、信号バスを伝送される音信号を減衰する。加算器は、減衰器により減衰された音信号と、音信号出力装置から出力される音信号とを加算する。スピーカは、加算器において加算された音信号を音波に変換して拡声する。
【0009】
上記の構成によれば、音信号出力装置から出力された複数の音信号の中から任意の音信号が信号バスに入力される。各信号バスにおいて伝送される音信号が減衰器によりそれぞれ減衰された後、減衰器により減衰された音信号と、音信号出力装置から出力される音信号とが加算器により加算される。この後、音信号がスピーカにより音波に変換して拡声される。
【0010】
本発明は、下記構成を備える遊技機であり、音信号出力装置と複数の減衰器と信号バスとスピーカとを有している。音信号出力装置は、BGM信号とゲーム効果音信号とを含む複数の音信号を並列に出力する。減衰器は、音信号出力装置から出力される複数の音信号の少なくともBGM信号を減衰する。信号バスは、減衰器で減衰されたBGM信号を含む全ての複数の音信号を入力可能にされ、音信号を伝送する。スピーカは、信号バスを伝送される音信号を音波に変換して拡声する。
【0011】
上記の構成によれば、音信号出力装置から出力されたBGM信号とゲーム効果音信号とを含む音信号の少なくともBGM信号が減衰器により減衰される。そして、減衰器により減衰された音信号を含む全ての複数の音信号が信号バスに入力された後、音信号がスピーカにより音波に変換して拡声される。
【0012】
本発明は、下記構成を備える遊技機であり、音信号出力装置と信号バスと減衰器と加算器とスピーカとを有している。音信号出力装置は、BGM信号とゲーム効果音信号とを含む複数の音信号を並列に出力する。信号バスは、音信号出力装置から出力される複数のBGM信号を入力可能にされ、BGM信号を伝送する。減衰器は、信号バスを伝送されるBGM信号を減衰する。加算器は、減衰器により減衰されたBGM信号と、音信号出力装置から出力されるゲーム効果音信号とを加算する。スピーカは、加算器において加算された音信号を音波に変換して拡声する。
【0013】
上記の構成によれば、音信号出力装置から出力されたBGM信号とゲーム効果音信号とを含む複数の音信号のBGM信号が信号バスに入力される。信号バスにおいて伝送されるBGM信号が減衰器によりそれぞれ減衰された後、減衰器により減衰されたBGM信号と、音信号出力装置から出力されるゲーム効果音信号とが加算器により加算される。この後、音信号がスピーカにより音波に変換して拡声される。
【0014】
また、本発明は、下記構成を備える遊技機の音量調整方法である。複数の音信号が夫々個別に減衰され、信号バスに対して、減衰した前記複数の音信号が入力可能にされる。信号バスを伝送される音信号が音波に変換されて拡声される。
【0015】
上記の構成によれば、複数の音信号が夫々個別に減衰された後、信号バスに対して、減衰した前記複数の音信号が入力可能にされる。その後、信号バスを伝送される音信号が音波に変換されて拡声される。
【0016】
また、本発明は、下記構成を備える遊技機の音量調整方法である。信号バスに対して、複数の音信号の中から任意の音信号を信号バスに対して入力可能にされる。信号バスにおいて伝送される音信号を減衰し、減衰された音信号と、減衰されない音信号とが加算される。加算された音信号を音波に変換されて拡声される。
【0017】
上記の構成によれば、信号バスに対して、複数の音信号の中から任意の音信号を信号バスに対して入力可能にされる。そして、信号バスにおいて伝送される音信号を減衰し、減衰された音信号と、減衰されない音信号とが加算される。その後、加算された音信号を音波に変換されて拡声される。
【0018】
また、本発明は、下記構成を備える遊技機の音量調整方法である。BGM信号とゲーム効果音信号とを含む複数の音信号の少なくともBGM信号が減衰され、信号バスに対して、減衰されたBGM信号を含む全ての複数の音信号が入力可能にされ、信号バスにおいて伝送される音信号が音波に変換されて拡声される。
【0019】
上記の構成によれば、BGM信号とゲーム効果音信号とを含む複数の音信号の少なくともBGM信号が減衰され、信号バスに対して、減衰されたBGM信号を含む全ての複数の音信号が入力可能にされる。その後、信号バスにおいて伝送される音信号が音波に変換されて拡声される。
【0020】
また、本発明は、下記構成を備える遊技機の音量調整方法である。信号バスに対して、BGM信号とゲーム効果音信号とを含む複数の音信号の中からBGM信号が入力可能にされる。信号バスにおいて伝送されるBGM信号が減衰され、減衰されたBGM信号と、減衰されないゲーム効果音信号とが加算される。加算された音信号が音波に変換されて拡声される。
【0021】
上記の構成によれば、信号バスに対して、BGM信号とゲーム効果音信号とを含む複数の音信号の中からBGM信号が入力可能にされる。信号バスにおいて伝送されるBGM信号が減衰され、減衰されたBGM信号と、減衰されないゲーム効果音信号とが加算される。その後、加算された音信号が音波に変換されて拡声される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(第1実施形態)
本発明に係る遊技機及びその音量調整方法の第1の実施形態を説明する。尚、本実施形態においては、遊技機の一例としてスロットマシンを用いて説明するが、これに限定されるものではない。
【0023】
(音量調整方法)
図1に示すように、スロットマシン10は、BGM信号とゲーム効果音信号とを含む複数の音信号の少なくともBGM信号を減衰する第1段階と、信号バスに対して、減衰されたBGM信号を含む全ての複数の音信号を入力可能にする第2段階と、信号バスにおいて伝送される音信号を音波に変換して拡声する第3段階とを備えた音量調整方法を実行する。
【0024】
これにより、音信号がBGM信号とゲーム効果音信号とを含むものである場合には、吹き出しで示されたゲーム効果音の音量を維持しながら、五線譜で示されたBGMの音量だけを低下させることができる。この結果、遊技に直接に関係しないBGMの音量だけが小さくされることによって、スロットマシン10から出力される全音量を低下させた使用形態が実現される。また、このような全音量を低下させた使用形態であっても、遊技に直接に関係するゲーム効果音についてはプレーヤに聴かせることができる。
【0025】
即ち、図1においては、BGMとゲーム効果音とが同時に出力される場合において、全体的な音量が低下された状態であっても、ゲーム効果音の『ORANGEがスキャッタシンボルになったよ』の音声については音量を維持することができる。
(音量調整の構成)
本実施例においては、上記の音量調整方法は、スロットマシン10単独の構成で実行される。スロットマシン10は、プレーヤや係員の操作によりホール内の環境等に応じた音量となるように、各音信号を所定のレベルに設定し、スピーカから音波を出力する機能を有している。
【0026】
スロットマシン10は、図2に示すように、メインCPU41と、メインCPU41に接続され、複数の音信号を並列に出力する音信号出力装置201と、複数の音信号の中から任意の音信号を選択的に音量調整する音量調整器211と、音量調整された音信号を重畳して音波に変換する音出力装置212とを有している。
【0027】
音信号出力装置201は、デジタル形式の音信号を並列に出力する本体PCB(Printed Circuit Board)60と、本体PCB60から出力された複数の音信号をアナログ形式に変換するD/Aコンバータ210とを有している。D/Aコンバータ210は、4つの出力端子210a・210b・210c・210dを有している。出力端子210a・210b・210c・210dは、D/Aコンバータ210内でアナログ形式に変換された音信号を並列に出力する。
【0028】
音信号出力装置201は、音量調整器211に複数の音信号を入力させるように接続されている。音量調整器211は、4つの第1伝送路202a・202b・202c・202dと、4つの第1減衰器204a・204b・204c・204dと、4つの第2伝送路203a・203b・203c・203dと、1つの出力バス205とを有している。また、図2の破線で示すように、音量調整器211は、第2減衰器209を有していても良い。本実施例では、音量調整器211が、第2減衰器209を有しているものとする。第1伝送路202、第1減衰器204、第2伝送路203の個数は、音信号の入力数や第1伝送路202の設置数に一致されている(本実施例では4つ)。また、各第1減衰器204は、入力端子207、及び、出力端子208を有している。尚、音信号の入力数や、第1伝送路202は4つに限定されることはない。
【0029】
第1伝送路202a〜202dの一方端は、D/Aコンバータ210の出力端子210a〜210dに夫々接続されている。また、第1伝送路202の他方端は、第1減衰器204の入力端子207に夫々接続されている。また、第1減衰器204の出力端子208には、第2伝送路203が接続されている。また、第2伝送路203a〜203cの他方端は、出力バス205に接続されている。また、204dの他方端は第2減衰器209の入力端子に接続されている。また、第2減衰器209の出力端子は、伝送路を介して、出力バス205に接続されている。また、出力バス205の他方端は後述の音量増幅器206に接続されている。
【0030】
これにより、D/Aコンバータ210から出力された音信号は、第1伝送路202を通過して各第1減衰器204に入力される。第1減衰器204a〜204cから出力された音信号は、第2伝送路203a〜203cを通過して、出力バス205に入力される。また、第1減衰器204dから出力された音信号は、第2伝送路203dを通過して、第2減衰器209に入力される。第2減衰器209からの出力信号は、出力バス205に入力される。出力バス205では、全ての音信号が重畳され、音量増幅器206に伝送される。
【0031】
第1減衰器204a〜204dは、音信号の出力を低減する可変抵抗器により構成されている。図2に示される抵抗R1・R2の大きさの比率を変更することにより、音信号の出力を減衰させることができる。入力信号に、R2/(R1+R2)を掛けたものが、減衰器により減衰された理論値となる。よって、抵抗R1の大きさが0のときは、入力信号は減衰されずに出力され、抵抗R2の大きさが、0のときは、入力信号は全て減衰され出力は0となる。
【0032】
第2減衰器209は、音信号の出力を低減する可変抵抗と、その可変抵抗の抵抗値を外部からの電気信号により変更する制御素子とを有する構成となる。本実施例では、制御素子と本体PCB60とが電気的に接続されており、本体PCB60からの電気信号が、第2減衰器209の抵抗値を変更する。尚、第1減衰器204、及び、第2減衰器209は、固定抵抗値を切り替えるものでも良いし、オペアンプにより構成されていてもよい。
【0033】
具体的に、第1減衰器204a〜204dの抵抗R1・R2は、図3に示す抵抗値の組み合わせとすることができる。即ち、信号バス202aを“channel master 1”、信号バス202bを“channel master 2”、信号バス202cを“channel master 3”、及び信号バス202dを“channel master4”とする。例えば、設定例1では、全ての第1減衰器204a・204b・204c・204dにおいて抵抗R1が0Ωに設定され、抵抗R2が256Ωに設定されると、入力信号は、全ての第1減衰器204において、減衰されずに出力される。また、例えば、設定例2では、第1減衰器204a〜204dの抵抗R1が、0Ω、64Ω、192Ω、256Ωに夫々設定され、抵抗R2が、256Ω、192Ω、64Ω、0Ωに夫々設定されると、第1減衰器204a〜204dから出力される出力信号は入力信号を夫々、0%、25%、75%、100%減衰したものとなる。また、例えば、設定例3では、第1減衰器204a〜204dの抵抗R1が、128Ω、0Ω、0Ω、0Ωに夫々設定され、抵抗R2が、128Ω、256Ω、256Ω、256Ωに夫々設定されると、第1減衰器204a〜204dから出力される出力信号は入力信号を夫々、50%、100%、100%、100%減衰したものとなる。尚、上述した数値は全て理論値である。
【0034】
スロットマシン10には、第1減衰器204a〜204dの夫々に対応した、ロータリスイッチ220a・220b・220c・220dが設けられている。係員、若しくプレーヤが、ロータリスイッチ220を操作することで、各減衰器204a〜204dの夫々の抵抗R1・R2の調整をすることができるようになっている。本実施例では、図1に示すように、BGM信号に対応する第1減衰器204dの抵抗R1・R2を調整するロータリスイッチ220dが、キャビネット11の外部側に設けられている。これにより、係員、若しくはプレーヤによるBGM音量の調整を可能にしている。また、図示しないが、ゲーム効果音信号に対応する第1減衰器204a〜204cの抵抗を調整するロータリスイッチ220a〜220cが、キャビネット11の内部側に設けられている。これにより、スロットマシン10が設置される環境に応じて、係員がゲーム効果音の音量の調整をすることが可能になっている。
【0035】
また、図2の破線で示すように、本体PCB60からの電気信号が、第2減衰器209の抵抗値を変更することで、BGM信号を減衰することを可能にしてもよい。例えば、特に重要なゲーム効果音を確実にプレーヤに報知したい場合、本体PCBが第2減衰器209を制御し、抵抗値を大きくすることでBGM音量を下げるようになっている。本実施例では、図1に示すように、『ORANGEがスキャッタシンボルになったよ』等のスキャッタシンボルを報知するゲーム効果音が出力される場合、本体PCBが第2減衰器209を制御し、抵抗値を大きくすることでBGM音量を下げるようになっている。
【0036】
上記のように構成された音量調整器211は、音出力装置212に接続されている。音出力装置212は、音量増幅器206とスピーカ29とを有している。出力バス205において、第1減衰器204a〜204dから出力された全ての音信号を加算(重畳)された後、この音信号を音量増幅器206に出力する。音量増幅器206は、入力された音信号を所定の増幅率で増幅する。音量増幅器206は、スピーカ29に接続されている。スピーカ29は、音信号を音波に変換して拡声する。
【0037】
(スロットマシン10)
次に、音量調整器211を備えたスロットマシン10について具体的に説明する。
【0038】
スロットマシン10は、複数のシンボル180の中からスキャッタ対象シンボル181を無作為に選ぶことにより決定する段階と、シンボル180をディスプレイに再配置する段階と、ペイラインL上に再配置されたシンボル180のコンビネーションにより決定される配当を付与する段階と、所定数以上のスキャッタ対象シンボル181が再配置された場合、このスキャッタ対象シンボル181をスキャッタシンボル182として設定し、スキャッタシンボル182に基づいて決定される配当の内容を報知すると共に、配当を付与する段階とを備えたプレイ方法を実行する。
【0039】
さらに、スロットマシン10は、シンボル180を配置する配置領域(表示窓151〜155)とは異なる部分に表示領域(スキャッタ対象シンボル表示部163)を設け、該表示領域にスキャッタ対象シンボル181を表示する段階と、所定数以上のスキャッタ対象シンボル181が再配置された場合、該スキャッタ対象シンボル181をスキャッタシンボル182として設定した旨を報知する段階とを備えたプレイ方法を実行する。
【0040】
ここで、『配置』とは、スキャッタシンボル182を含むシンボル180が外部のプレーヤに対して目視により確認可能な状態であることを意味する。即ち、図10においては、シンボル180が表示窓151〜155に表示された状態である。尚、シンボル180の配置を解除した後、再び配置することを『再配置』と称する。また、『ペイラインL』とは、シンボル180のコンビネーションを判定するためのものである。即ち、シンボル180がペイラインL上とペイラインL外とに再配置されたときに、ペイライン上に再配置されたシンボル180についてだけ、コンビネーションが判定される。そして、コンビネーションの判定の結果、ウィニングコンビネーションが成立していれば、このウイニングコンビネーションに基づいてコインが払い出される等の処理が行われる。
【0041】
また、『スキャッタシンボル182』とは、ペイラインLとは無関係に、配置だけを賞成立の条件とするシンボルである。即ち、スキャッタシンボル182が再配置されることで賞成立となり、ペイラインL上及びペイラインL外に再配置された全てのスキャッタシンボル182の数に応じてコインが払い出される等の処理が行われる。『スキャッタ対象シンボル181』とは、所定数以上が再配置されることを条件としてスキャッタシンボルとして機能するシンボルである。例えば、スキャッタ対象シンボルが『ベル』であって、再配置の個数(設定閾値)が“3”に設定されている場合においては、3個以上の『ベル』が再配置されていれば、スキャッタシンボルとして機能し、3未満の『ベル』が再配置されていれば、通常のシンボルとして機能する。また、『シンボル180』とは、スロットマシン10で使用される全てのシンボルのことであり、スキャッタシンボル182及びスキャッタ対象シンボル181を含む。ペイラインLやシンボル180、スキャッタシンボル182、ウイニングコンビネーション等の具体的な内容については、後述する。
【0042】
(表示部101)
上記のプレイ方法を実行するスロットマシン10は、図9に示すように、表示部101(ディスプレイ)とゲームコントローラ100とを有している。表示部101は、ペイラインLを有し、スキャッタシンボル182を含む複数のシンボル180を配置するように構成されている。また、表示部101は、シンボル180を配置する表示窓151〜155(配置領域101a)とは異なる部分にスキャッタ対象シンボル表示部163(表示領域101b)を設けるように構成されている。
【0043】
表示部101は、シンボル180をリールの回転により配置するリール装置で機械的に構成されていても良いし、画像表示されたビデオリールによりシンボル180を配置する電気的な構成にされていても良い。さらに、表示部101は、機械的な構成(リール)と電気的な構成(ビデオリール)とを組み合わせた構成にされていてもよい。電気的な構成としては、液晶表示装置やCRT(cathode-ray tube)装置、プラズマディスプレイ装置等を挙げることができる。表示部101の具体的な構成は、後述する。
【0044】
(ゲームコントローラ100)
ゲームコントローラ100は、複数のシンボル180の中からスキャッタ対象シンボル181を無作為に選ぶことにより決定する第1処理と、シンボル180をディスプレイに再配置する第2処理と、ペイラインL上に再配置されたシンボル180のコンビネーションにより決定される配当を付与する第3処理と、所定数以上のスキャッタ対象シンボル181が再配置された場合、該スキャッタ対象シンボル181をスキャッタシンボル182として設定し、該スキャッタシンボル182に基づいて決定される配当の内容を報知すると共に、配当を付与する第4処理とを実行するように構成されている。換言すれば、ゲームコントローラ100は、第1処理部と第2処理部と第3処理部と第4処理部とを有している。
【0045】
さらに、ゲームコントローラ100は、シンボル180を配置する配置領域101a(表示窓151〜155)とは異なる部分に表示領域101b(スキャッタ対象シンボル表示部163)を設け、表示領域101bにスキャッタ対象シンボル181を表示する第5処理と、所定数以上のスキャッタ対象シンボル181が再配置された場合、スキャッタ対象シンボル181をスキャッタシンボル182として設定した旨を報知する第6処理とを実行するように構成されている。換言すれば、ゲームコントローラ100は、上述の第1〜第4処理部に加えて、第5処理部と第6処理部とを有している。
【0046】
上記のゲームコントローラ100は、スキャッタ対象シンボル181を記憶するスキャッタ対象シンボル記憶部105と、スキャッタシンボル182を記憶するスキャッタシンボル記憶部106と、スキャッタシンボル182を含む全てのシンボルを記憶するシンボル記憶部108と、各記憶部105・106・108におけるシンボルを表示用のシンボルとして記憶する表示シンボル記憶部107とを有している。表示シンボル記憶部107は、表示制御部102によりアクセス可能にされている。表示制御部102は、複数のシンボル180を配置する配置領域101aと、スキャッタ対象シンボル181を表示する表示領域101bとを表示部101の異なる部分に設定する。また、表示制御部102は、ゲーム実行部110の制御に基づいて表示シンボル記憶部107のシンボル180を読み出し、配置領域101aにおいて複数のシンボル180を表示すると共に、表示領域101bにおいてスキャッタ対象シンボル181を表示する。具体的な表示状態については、後述する。
【0047】
また、ゲームコントローラ100は、ゲーム開始部109に接続されている。ゲーム開始部109は、プレーヤの操作によりゲーム開始信号を出力する機能を有している。ゲームコントローラ100は、ゲーム開始部109からのゲーム開始信号をトリガーとして、シンボルを再配置する単位ゲームを実行するゲーム実行部110と、単位ゲームにおいてペイライン上に再配置されたシンボルのコンビネーションにより決定される配当を決定するコンビネーション配当決定部111と、ペイライン上及びペイライン外に再配置されたスキャッタシンボルに基づいて決定される配当を決定するスキャッタシンボル配当決定部112と、コンビネーション配当決定部111及びスキャッタシンボル配当決定部112において判定された各配当を付与する配当付与部113とを有している。
【0048】
さらに、ゲームコントローラ100は、ゲーム開始部109からのゲーム開始信号の入力を契機として作動するシンボル決定部104を有している。シンボル決定部104は、複数のシンボル180の中からスキャッタ対象シンボル181を無作為に選ぶことにより決定する。シンボル決定部104は、スキャッタ対象シンボル181を再配置数判定部114とスキャッタ対象シンボル記憶部105とに出力する。再配置数判定部114は、所定数以上のスキャッタ対象シンボル181が再配置された場合、スキャッタ対象シンボル181をスキャッタシンボル182として設定する。即ち、再配置数判定部114は、スキャッタ対象シンボル記憶部105に記憶されたスキャッタ対象シンボル181をスキャッタシンボル記憶部106に転送させることによって、スキャッタシンボル182とする。
【0049】
さらに、ゲームコントローラ100は、報知部116と、報知部116に接続された報知内容記憶部117とを有している。報知内容記憶部117は、図8のスキャッタシンボル説明テーブルの格納形態でもって、スキャッタシンボル182に対応付けられたキャラクタデータと払出数データと説明データとを記憶している。報知部116は、報知内容記憶部117に記憶されたデータを読み出し可能にされている。そして、報知部116は、スキャッタシンボル182に基づいて決定される配当の内容に対応するデータを報知内容記憶部117から読み出し、表示制御部102に出力し、表示部101において図10のキャラクタ251及び説明画像252として表示することによって、配当の内容を画像を用いて報知する。さらに、報知部116は、配当の内容に対応する音声データを音量調整器211に出力することによって、配当の内容を音声により報知する。
【0050】
尚、ゲームコントローラ100の各ブロックは、ハードウエアにより形成されていてもよいし、必要に応じてソフトウエアにより形成されていてもよい。また、ゲームコントローラ100は、音声データの内容に応じて音量調整器211の設定状態を変更してもよい。この場合は、音声データの重要度に応じて音量を変更することが可能になる。
【0051】
(ゲームコントローラ100の動作)
上記の構成において、ゲームコントローラ100の動作を説明する。
プレーヤの操作によりゲーム開始部109からゲーム開始信号が出力されると、シンボル決定部104が処理を開始すると共に、ゲーム実行部110が単位ゲームを開始することによって、シンボル180の再配置が開始される(第2処理)。シンボル決定部104においては、シンボル記憶部108に記憶された複数のシンボル180の中からスキャッタ対象シンボル181を無作為に選ぶことにより決定する(第1処理)。そして、決定されたスキャッタ対象シンボル181が、スキャッタ対象シンボル記憶部105において記憶されると共に、再配置数判定部114における判定処理に使用される。
【0052】
スキャッタ対象シンボル記憶部105に記憶されたスキャッタ対象シンボル181は、表示シンボル記憶部107に出力された後、表示制御部102における画像処理に使用されることによって、表示部101の表示領域101bに表示される。即ち、ゲームコントローラ100は、シンボル180を配置する配置領域101aとは異なる部分に表示領域101bを設け、表示領域101bにスキャッタ対象シンボル181を表示する第5処理を実行する。これにより、プレーヤは、スキャッタ対象シンボル181が表示領域101bに配置領域101aから分離した状態で表示されるため、スキャッタ対象シンボル181であることを容易に認識することができる。
【0053】
また、単位ゲームの実行によりシンボル180が再配置されると、再配置数判定部114は、再配置されたシンボル180の中からスキャッタ対象シンボル181を特定し、スキャッタ対象シンボル181の再配置数を求める。そして、所定数以上のスキャッタ対象シンボル181が再配置された場合、このスキャッタ対象シンボル181をスキャッタシンボル182として設定する。即ち、スキャッタ対象シンボル記憶部105に記憶されたスキャッタ対象シンボル181をスキャッタシンボル記憶部106に転送する。これにより、スキャッタ対象シンボル181は、スキャッタシンボル182として機能することになる。また、スキャッタシンボル182が設定された場合には、内容報知部116において、スキャッタシンボル182に対応付けられたキャラクタデータと払出数データと説明データとが報知内容記憶部117から読み出された後、これらのデータが表示制御部102に出力される。そして、ペイラインL上及びペイラインL外に再配置されたスキャッタシンボル182に基づいて決定される配当の内容が報知されると共に、配当が付与される(第4処理)。さらに、上記のデータは、音量調整器211に出力され、スピーカ29から音声として出力される。
【0054】
また、スキャッタシンボル記憶部106にスキャッタシンボル182が記憶されると、スキャッタシンボル182は、表示制御部102における情報処理により表示部101に表示される。即ち、ゲームコントローラ100は、所定数以上のスキャッタ対象シンボル181が再配置された場合、このスキャッタ対象シンボル181をスキャッタシンボル182として設定した旨を報知する第6処理を実行する。これにより、プレーヤは、スキャッタ対象シンボル181からスキャッタシンボル182への表示に切り替えられるため、スキャッタシンボル182となる条件が成立したことを容易に認識することができると共に、スキャッタシンボル182の配当を受けることができる喜びを得ることができる。
【0055】
次に、ペイラインL上に再配置されたシンボル180のコンビネーションにより決定される配当が、スキャッタシンボル配当決定部112及び配当付与部113により付与される。これにより、ゲームコントローラ100は、シンボルを再配置することによって、ペイラインL上に再配置されたシンボル180のコンビネーションにより決定される配当を付与する第3処理を実行することになる。
【0056】
以上の動作から明らかなように、スロットマシン10は、複数のシンボル180の中からスキャッタ対象シンボル181を無作為に選ぶことにより決定し、シンボル180を表示部101に再配置し、ペイラインL上に再配置されたシンボル180のコンビネーションにより決定される配当を付与すると共に、所定数以上のスキャッタ対象シンボル181が再配置された場合、スキャッタ対象シンボル181をスキャッタシンボル182として設定し、スキャッタシンボル182に基づいて決定される配当を付与するプレイ方法を実現している。
【0057】
さらに、スロットマシン10は、スキャッタ対象シンボル181をスキャッタシンボル182として設定した旨を報知するプレイ方法を実現していると共に、シンボル180を配置する配置領域101aとは異なる部分に表示領域101bを設け、表示領域101bにスキャッタ対象シンボル181を表示するプレイ方法を実現している。
【0058】
(表示状態)
上記のスロットマシン10及びプレイ方法の動作過程における表示部101の表示状態の一例を具体的に説明する。尚、表示状態の説明は、図10に示すように、表示部101がビデオリール方式によりシンボルを配置する構成に基づいて行う。
【0059】
表示部101は、複数のシンボルを配置する配置領域として表示窓151〜155を有している。表示窓151〜155は、表示部101の中央部に配置されている。表示窓151〜155においては、複数のシンボル180からなるシンボル列がスクロール表示される。また、各表示窓151〜155は、上段151a、中段151b、下段151cに区分されている。各段151a・151b・151cには、シンボル180がそれぞれ停止(配置)される。例えば、図10においては、表示窓151の上段151aに“CHERRY”が停止され、表示窓151の中段151bに“ORANGE”が停止され、表示窓151の下段151cに“BELL”が停止される。これにより、表示窓151〜155は、5列のカラムと3行のロウとで構成されるシンボルマトリクスを表示する。尚、シンボルマトリクスは、5列3行に限定されない。
【0060】
また、表示部101は、スキャッタ対象シンボル181を表示する表示領域としてスキャッタ対象シンボル表示部163を有している。スキャッタ対象シンボル表示部163は、表示窓151〜155と重複しないように、表示部101の右上部に配置されている。尚、スキャッタ対象シンボル表示部163は、表示窓151〜155との重複を回避できることを条件として任意の位置に設けることができる。
【0061】
スキャッタ対象シンボル表示部163の下方には、選択対象窓165が設けられている。選択対象窓165は、スキャッタ対象シンボル181の候補となるシンボルが表示されている。従って、プレーヤは、選択対象窓165に表示された候補のシンボルの中から、スキャッタ対象シンボル181が無作為に選ばれてスキャッタ対象シンボル表示部163に表示されることを直感的に認識することができる。
【0062】
また、表示部101は、スキャッタシンボル表示部171を有している。スキャッタシンボル表示部171は、バスケット形状に形成されており、スキャッタシンボル182を収容物として表示する。スキャッタシンボル表示部171は、表示部101の左上コーナー部に設けられている。尚、スキャッタシンボル表示部171は、表示窓151〜155及びスキャッタ対象シンボル表示部163との重複を回避できることを条件として任意の位置に設けることができる。
【0063】
図10の表示状態は、スキャッタシンボル182が設定された状態を示している。即ち、スキャッタ対象シンボル表示部163に表示されていた『ORANGE』が、スキャッタシンボル182に移動して収容されるという一連の動作によって、スキャッタシンボル表示部171において、収容物として『ORANGE』が表示される。これにより、プレーヤは、スキャッタシンボル182が表示された状態を目視することによって、スキャッタシンボル182として設定されたことを直感的に認識することができる。
【0064】
さらに、図10の表示状態においては、スキャッタシンボル182に対応付けられたキャラクタ251が表示されると共に、スキャッタシンボル182に基づいて決定される配当の内容を示す説明画像252が表示される。説明画像252は、表示内容が時間の経過により変化するように設定されている。具体的には、最初に表示される説明画像252は、『ORANGEがスキャッタシンボルになった』という文字画像である。即ち、最初の説明画像252は、スキャッタシンボル182の種類を報知する。また、この画面への表示タイミングに合せて、『ORANGEがスキャッタシンボルになった』という音声が出力される。これにより、プレーヤは、説明画像252を目視することによって、『ORANGE』がスキャッタシンボル182になったことに気付くことができる。
【0065】
最初の説明画像252が表示されてから、3秒等の一定時間が経過すると、次の説明画像252に切り替えられる。次の説明画像252は、『ORANGEが3個あるから、6枚のコインだよ』という文字画像である。即ち、次の説明画像252は、配当の内容を報知する。これにより、プレーヤは、スキャッタシンボル182が設定された結果、どの程度の配当を得ることができるのかを、予め認識することができる。
【0066】
(シンボル、コンビネーション等)
表示部101の表示窓151〜155に表示されるシンボル180は、図5に示すように、22個のシンボルによりシンボル列を形成している。各シンボル列を構成するシンボルには、0〜21の何れかのコード番号が付与される。各シンボル列は、『JACKPOT 7』、『BLUE 7』、『BELL』、『CHERRY』、『STRAWBERRY』、『PLUM』、『ORANGE』、及び『APPLE』のシンボルが組み合わされて構成されている。
【0067】
シンボル列の内の3個の連続したシンボルは、各表示窓151〜155の上段151a、中段151b、下段151cのそれぞれに表示(配置)されることによって、表示窓151〜155において5列3行のシンボルマトリクスを構成している。シンボルマトリクスを構成するシンボルは、1−BETボタン26または最大BETボタン27が押され、その後、スピンボタン23が押されると、スクロールを開始する。スクロールが開始されると、所定時間経過後に、各シンボルのスクロールが停止する(再配置)。
【0068】
また、各シンボルについて、各種のウィニングコンビネーションが予め定められている。ウイニングコンビネーションは、ペイライン上Lで停止したシンボルのコンビネーションがプレーヤにとって有利な状態になるコンビネーションのことである。有利な状態とは、ウィニングコンビネーションに応じたコインが払い出される状態、コインの払出数がクレジットに加算される状態、ボーナスゲームが開始される状態等のことである。
【0069】
具体的には、ペイラインL上に「APPLE」のシンボルのコンビネーションが停止したときにボーナストリガーとなり、遊技状態がベーシックゲームからボーナスゲームへ移行する。また、ペイラインL上に『CHERRY』のシンボルが停止した場合には、1BET当たり20枚のコイン(遊技媒体)の払い出しが行われる。ペイラインL上に『PLUM』のシンボルが停止した場合には、1BET当たり5枚のコインの払い出しが行われる。
【0070】
尚、ボーナスゲームは、ベーシックゲームよりも有利な遊技状態である。本実施形態において、ボーナスゲームは、フリーゲームである。フリーゲームは、コインをBETすることなく所定回数にわたって遊技を行うことができるゲームである。ボーナスゲームは、プレーヤにとって有利な遊技状態、即ち、ベーシックゲームより有利であれば、特に限定されるものではなく、例えば、ベーシックゲームより多くの遊技媒体を獲得し得る状態、ベーシックゲームより高い確率で遊技媒体を獲得し得る状態、ベーシックゲームより遊技媒体の消費数が少なくなる状態等を挙げることができる。具体的には、フリーゲーム、セカンドゲーム等をボーナスゲームとして挙げることができる。
【0071】
(機械構成)
次に、以上のように構成されたスロットマシン10について、機械的及び電気的に具体的に構成した場合の一形態について説明する。
【0072】
スロットマシン10は、遊技施設内に設置される。スロットマシン10は、遊技媒体の使用により単位ゲームを実行する。遊技媒体は、コイン、紙幣またはこれらに相当する電子的な有価情報である。尚、本発明における遊技媒体は、特に限定されるものではなく、例えば、メダル、トークン、電子マネー、チケットであってもよい。チケットは、特に限定されるものではなく、例えば、後述のバーコード付きチケット等であってもよい。
【0073】
スロットマシン10は、キャビネット11と、キャビネット11の上側に設置されたトップボックス12と、キャビネット11の前面に設けられたメインドア13とを備えている。メインドア13には、下側画像表示パネル16が設けられている。下側画像表示パネル16は、各種の情報を表示する透明液晶パネルを備えている。下側画像表示パネル16は、ビデオリールを表示すると共に、遊技に関する各種の情報や演出画像等を表示する。即ち、下側画像表示パネル16は、5列3行の表示窓151〜155と、スキャッタ対象シンボル表示部163と、スキャッタシンボル表示部171とを表示すると共に、その他の演出画像を必要に応じて表示する。
【0074】
尚、本実施形態では、下側画像表示パネル16を用いて5列3行のシンボルを表示する場合を例に挙げているが、これに限定されるものではなく、周面にシンボルを有した機械的なリールを回転及び停止させることにより、表示窓15越しにシンボルを表示するようにしても良い。
【0075】
下側画像表示パネル16には、1本の有効化されたペイラインLが表示されている。ペイラインLは、表示窓151〜155の中段151bを水平に横切るように設定されている。尚、本実施形態において、ペイラインLは、表示窓151〜155の中段151bを横切るが、表示窓151〜155の他の段を横切ってもよい。例えば、ペイラインLは、表示窓151〜155の上段151a又は下段151cを横切ってもよい。また、ペイラインLは、表示窓151の下段151c、表示窓152の中段151b、表示窓153の上段151aを横切ってもよい。さらに、ペイラインLは、2本以上であってもよい。ペイラインLが2本以上の場合においては、全てのペイラインLが有効化されてもよいし、コインのBET数等の所定の条件に応じた数のペイラインLが有効化されてもよい。
【0076】
尚、下側画像表示パネル16には、クレジット数表示部及びペイアウト数表示部が表示されていてもよい。クレジット数表示部は、スロットマシン10がプレーヤに払い出し可能な合計枚数(以下、合計クレジット数とも称する)を表示する。ペイアウト数表示部は、ペイライン上に停止したシンボルのコンビネーションがウイニングコンビネーションであった場合に、払い出されるコインの枚数を表示する。
【0077】
下側画像表示パネル16の下方には、コントロールパネル20とコイン受入口21と紙幣識別器22とが設けられている。コントロールパネル20は、複数のボタン23〜27を備えている。これらのボタン23〜27は、プレーヤによる遊技進行に関係する指示を入力可能にしている。コイン受入口21は、コインをキャビネット11内に受け入可能にしている。
【0078】
コントロールパネル20は、スピンボタン23と、チェンジボタン24と、キャッシュアウトボタン25と、1−BETボタン26と、最大BETボタン27とを有している。スピンボタン23は、シンボルのスクロールを開始させる指示を入力するためのボタンである。チェンジボタン24は、遊技施設の係員に両替を要求する際に用いるボタンである。キャッシュアウトボタン25は、合計クレジット数分のコインをコイントレイ18に払い出す指示を入力するためのボタンである。
【0079】
1−BETボタン26は、合計クレジット数分のコインのうち、1枚のコインを遊技に賭けるという指示を入力するためのボタンである。最大BETボタン27は、合計クレジット数分のコインのうち、1回の遊技に賭けることが可能な最大枚数(例えば、50枚)のコインを遊技に賭けるという指示を入力するためのボタンである。
【0080】
紙幣識別器22は、紙幣が正規のものであるか否かを識別すると共に、正規の紙幣をキャビネット11内に受け入れる。なお、紙幣識別器22は、後述するバーコード付チケット39を読み取ることができる。紙幣識別器22は、バーコード付チケット39を読み取った場合、読み取った内容に関する読取信号をメインCPU41に出力する。
【0081】
メインドア13の下部前面、即ち、コントロールパネル20の下方には、ベリーガラス34が設けられている。ベリーガラス34は、スロットマシン10のキャラクタ等が描かれている。トップボックス12の前面には、上側画像表示パネル33が設けられている。上側画像表示パネル33は、液晶パネルを備えており、例えば、演出画像、遊技内容の紹介や遊技のルールの説明を表す画像を表示する。
【0082】
トップボックス12には、音声出力用のスピーカ29が設けられている。上側画像表示パネル33の下側には、チケットプリンタ35と、カードリーダ36と、データ表示器37と、キーパッド38とが設けられている。チケットプリンタ35は、クレジット数や日時、スロットマシン10の識別番号等のデータがコード化されたバーコードをチケットに印刷し、バーコード付チケット39として出力するものである。プレーヤは、バーコード付チケット39を用いて他の遊技機で遊技することや、バーコード付チケット39を遊技施設のキャッシャ等で紙幣等に交換することができる。
【0083】
カードリーダ36は、スマートカードからのデータの読み取り及びスマートカードへのデータの書き込みを行うものである。スマートカードは、プレーヤが所持するカードであり、例えば、プレーヤを識別するためのデータ、プレーヤが行った遊技の履歴に関するデータが記憶される。
【0084】
データ表示器37は、蛍光ディスプレイ等からなり、例えば、カードリーダ36が読み取ったデータや、プレーヤがキーパッド38により入力したデータを表示する。キーパッド38は、チケット発行等に関する指示やデータを入力する。
【0085】
(電気構成)
キャビネット11の内部には、図9のゲームコントローラ100や音量調整器211等を備えた制御ユニットが設けられている。図4に示すように、制御ユニットは、マザーボード40、本体PCB(Printed Circuit Board)60、ゲーミングボード50、サブCPU、ドアPCB80、各種のスイッチ、及びセンサ等の構成要素を備えている。
【0086】
ゲーミングボード50は、内部バスによって互い接続されたCPU(Central Processing Unit)51と、ROM55及びブートROM52と、メモリカード53に対応したカードスロット53Sと、GAL(Generic Array Logic)54に対応したICソケット54Sとを備えている。
【0087】
メモリカード53は、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを記憶する。ゲームプログラムには、停止シンボル決定プログラムが含まれている。停止シンボル決定プログラムは、ペイラインL上に停止するシンボル(シンボルに対応するコードナンバー)を決定するためのプログラムである。この停止シンボル決定プログラムには、複数種類のペイアウト率(例えば、80%、84%、88%)のそれぞれに対応したシンボル重み付けデータが含まれている。シンボル重み付けデータは、表示窓151〜155のそれぞれについて、各シンボルのコードナンバーと、所定の数値範囲(0〜256)に属する1または複数の乱数値との対応関係を示すデータである。
【0088】
ペイアウト率は、GAL54から出力されるペイアウト率設定用データに基づいて定められるものであり、このペイアウト率に対応したシンボル重み付けデータに基づいて停止シンボルが決定される。
【0089】
さらに、メモリカード53は、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムで用いられる各種のデータを記憶する。具体的には、図1の表示窓151〜155に表示されるシンボル180と乱数範囲との関係を示すデータが、図6のスキャッタ対象シンボル決定テーブルの形式で記憶されている。図6のデータテーブルのデータは、複数のシンボル180の中からスキャッタ対象シンボル181を無作為に選ぶ場合に使用される。さらに、設定閾値と乱数範囲との関係を示すデータが、図7の設定閾値決定テーブルの形式で記憶されている。図7のデータテーブルのデータは、スキャッタ対象シンボル181をスキャッタシンボル182として設定するか否かの設定閾値を、“2”〜“6”の中から無作為に選ぶ場合に使用される。各データテーブルの詳細については後述する。また、スキャッタシンボル182に基づいて決定される配当の内容を示すためのデータが、図9の報知内容テーブルの形式で記憶されている。尚、これらのデータは、ゲームプログラムの実行時において、マザーボード40のRAM43に転送される。
【0090】
また、カードスロット53Sは、メモリカード53の挿入、取り外しができるように構成され、IDEバスによってマザーボード40に接続されている。従って、カードスロット53Sからメモリカード53を取り外し、メモリカード53に別のゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを書き込み、そのメモリカード53をカードスロット53Sに挿入することにより、スロットマシン10で行われる遊技の種類や内容を変更することができる。
【0091】
ゲームプログラムには、遊技進行に係るプログラム、ボーナスゲームへ移行させるためのプログラムが含まれる。また、ゲームプログラムには、遊技中に出力される画像データや音データが含まれる。
【0092】
GAL54は、複数の入力ポートと出力ポートとを備えている。GAL54は、入力ポートにデータが入力されると、このデータに対応したデータを出力ポートから出力する。出力ポートから出力されたデータは、上述したペイアウト率設定用データである。
【0093】
ICソケット54Sは、GAL54を取り付け、取り外しできるように構成されている。ICソケット54Sは、PCIバスによってマザーボード40に接続されている。従って、ICソケット54SからGAL54が取り外され、GAL54に格納されたプログラムが書き換えられた後、そのGAL54がICソケット54Sに取り付けられるという作業によって、GAL54から出力されるペイアウト率設定用データの変更が可能になる。
【0094】
内部バスにより互いに接続されたCPU51、ROM55及びブートROM52は、PCIバスによりマザーボード40に接続されている。PCIバスは、マザーボード40とゲーミングボード50との間の信号伝達を行うと共に、マザーボード40からゲーミングボード50への電力供給を行う。ROM55には、国識別情報及び認証プログラムが記憶される。ブートROM52には、予備認証プログラム及びCPU51が予備認証プログラムを起動するためのプログラム(ブートコード)等が記憶されている。
【0095】
認証プログラムは、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを認証するためのプログラム(改竄チェックプログラム)である。認証プログラムは、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムが改竄されていないことの確認及び証明を行うためのプログラムである。即ち、認証プログラムは、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムの認証を行う手順に沿って記述されている。予備認証プログラムは、上述した認証プログラムを認証するためのプログラムである。予備認証プログラムは、認証処理の対象となる認証プログラムが改竄されていないことの証明、即ち、認証プログラムの認証を行う手順に沿って記述されている。
【0096】
マザーボード40は、メインCPU41(コントローラ)と、ROM(Read Only Memory)42と、RAM(Random Access Memory)43と、通信インターフェイス44とを備えている。
【0097】
メインCPU41は、スロットマシン10全体を制御するコントローラとしての機能を備える。特に、メインCPU41は、クレジットがBETされた後、スピンボタン23が押された際に、下側画像表示パネル16のシンボルをスクロールさせる指令信号を出力する制御、シンボルがスクロールされた後に、停止させるシンボルを決定する制御、決定したシンボルを表示窓151〜155で停止させる制御を行う。
【0098】
即ち、メインCPU41は、下側画像表示パネル16に表示される複数のシンボルをスクロールした後に、新たなシンボルマトリクスとして再配置するために、シンボルマトリクスへの配列シンボルを複数種類のシンボルの中から選択して決定し、スクロール状態からその決定されたシンボルで停止する配置制御を実行するための配置コントローラとしての機能を備える。
【0099】
また、メインCPU41は、複数のシンボル180の中からスキャッタ対象シンボル181を無作為に選ぶことにより決定する第1処理と、シンボル180をディスプレイに再配置する第2処理と、ペイラインL上に再配置されたシンボル180のコンビネーションにより決定される配当を付与する第3処理と、所定数以上のスキャッタ対象シンボル181が再配置された場合、該スキャッタ対象シンボル181をスキャッタシンボル182として設定し、該スキャッタシンボル182に基づいて決定される配当の内容を音声及び表示により報知すると共に、配当を付与する第4処理とを実行するゲームコントローラ100としての機能を備える。さらに、メインCPU41は、シンボル180を配置する配置領域(表示窓151〜155)とは異なる部分に表示領域(スキャッタ対象シンボル表示部163)を設け、該表示領域にスキャッタ対象シンボル181を表示する第5処理と、所定数以上のスキャッタ対象シンボル181が再配置された場合、該スキャッタ対象シンボル181をスキャッタシンボル182として設定した旨を報知する第6処理とを実行するゲームコントローラ100としての機能を備える。
【0100】
ROM42には、メインCPU41により実行されるBIOS(Basic Input/Output System)等のプログラムが記憶され、且つ、恒久的に用いるデータが記憶されている。メインCPU41によりBIOSが実行されると、各周辺装置の初期化処理が行われると共に、メモリカード53に記憶されているゲームプログラム及びゲームシステムプログラムのゲーミングボード50を介した読み取り処理が開始される。
【0101】
RAM43には、メインCPU41が処理を行う際に用いられるデータやプログラムが記憶される。例えば、RAM43には、図9のスキャッタ対象シンボル記憶部105、スキャッタシンボル記憶部106、シンボル記憶部108、及び表示シンボル記憶部107がデータ領域の形態でそれぞれ形成されている。そして、スキャッタ対象シンボル記憶部105のデータ領域には、スキャッタ対象シンボル181が格納される。スキャッタシンボル記憶部106のデータ領域には、スキャッタシンボル182が格納される。シンボル記憶部108のデータ領域には、シンボル180が図6のデータテーブルの形式で格納される。表示シンボル記憶部107のデータ領域には、シンボル180スキャッタ対象シンボル181とスキャッタシンボル182とが格納される。
【0102】
通信インターフェイス44は、通信回線を介して遊技施設内に設けられるホストコンピュータ等との間での通信を行うためのものである。また、マザーボード40には、本体PCB(Printed Circuit Board)60及びドアPCB80が、それぞれUSB(Universal Serial Bus)によって接続されている。更に、マザーボード40には、電源ユニット45が接続されている。電源ユニット45からマザーボード40に電力が供給されると、マザーボード40のメインCPU41が起動するとともに、PCIバスを介してゲーミングボード50に電力が供給されてCPU51が起動する。
【0103】
本体PCB60及びドアPCB80には、メインCPU41に入力される入力信号を発生させる機器や装置と、メインCPU41から出力される制御信号により動作が制御される機器や装置とが接続されている。メインCPU41は、メインCPU41に入力された入力信号に基づいて、RAM43に記憶されたゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを実行することにより、演算処理を行ってその結果をRAM43に記憶したり、各機器や装置に対する制御処理として各機器や装置に制御信号を送信する処理を行う。
【0104】
本体PCB60には、ランプ30と、サブCPUと、ホッパー66と、コイン検出部67と、グラフィックボード68と、D/Aコンバータ210と、音量調整器211と、紙幣識別器22と、チケットプリンタ35と、カードリーダ36と、キースイッチ38Sと、データ表示器37とが接続されている。D/Aコンバータ210は、音量調整器211及び音量増幅器206を介してスピーカ29に接続されている。
【0105】
ランプ30は、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて、点灯、消灯が制御される。サブCPUは、表示窓151〜155のシンボルをスクロールする制御を行うものであり、VDP(Video Display Processor)と接続されている。VDPは、画像データROMに記憶されているシンボルの画像データを読み出し、表示窓151〜155に表示するスクロール画像を生成し、このスクロール画像を下側画像表示パネル16に出力する。
【0106】
ホッパー66は、キャビネット11内に設置され、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて、所定数のコインをコイン払出口19からコイントレイ18に払い出す。コイン検出部67は、コイン払出口19の内部に設けられ、コイン払出口19から所定枚数のコインが払い出されたことを検出した場合には、メインCPU41に対して入力信号を出力する。
【0107】
グラフィックボード68は、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて、上側画像表示パネル33及び下側画像表示パネル16における画像表示を制御する。また、グラフィックボード68は、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて画像データを生成するVDPや、VDPによって生成される画像データを一時的に記憶するビデオRAM等を備えている。
【0108】
紙幣識別器22は、紙幣の画像を読み取り、正規の紙幣をキャビネット11内に受け入れる。また、紙幣識別器22は、正規の紙幣を受け入れたとき、その紙幣の額に基づいてメインCPU41に対して入力信号を出力する。メインCPU41は、該入力信号により伝達された紙幣の額に応じたクレジット数をRAM43に記憶する。
【0109】
チケットプリンタ35は、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて、RAM43に記憶されたクレジット数、日時やスロットマシン10の識別番号等のデータがコード化されたバーコードをチケットに印刷し、バーコード付チケット39として出力する。
【0110】
カードリーダ36は、スマートカードからのデータを読み取ってメインCPU41へ送信したり、メインCPU41からの制御信号に基づいてスマートカードへのデータの書き込みを行う。キースイッチ38Sは、キーパッド38に設けられ、プレーヤによりキーパッド38が操作されたとき、入力信号をメインCPU41へ出力する。データ表示器37は、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて、カードリーダ36が読み取ったデータや、プレーヤによりキーパッド38を介して入力されたデータを表示する。
【0111】
ドアPCB80には、コントロールパネル20と、リバータ21Sと、コインカウンタ21Cと、冷陰極管81とが接続されている。コントロールパネル20には、スピンボタン23に対応したスピンスイッチ23S、チェンジボタン24に対応したチェンジスイッチ24S、キャッシュアウトボタン25に対応したキャッシュアウトスイッチ25S、1−BETボタン26に対応した1−BETスイッチ26S、及び、最大BETボタン27に対応した最大BETスイッチ27Sが設けられている。各スイッチ23S〜27Sは、対応するボタン23〜27がプレーヤによって操作されたとき、メインCPU41に対して入力信号を出力する。
【0112】
コインカウンタ21Cは、コイン受入口21の内部に設けられていて、プレーヤによってコイン受入口21に投入されたコインが正規のものであるか否かを識別する。正規のコイン以外のものは、コイン払出口19から排出される。また、コインカウンタ21Cは、正規のコインを検出したときにメインCPU41に対して入力信号を出力する。
【0113】
コインカウンタ21Cは、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて動作するものであり、コインカウンタ21Cによって正規のコインとして認識されたコインを、スロットマシン10内に設置されたキャッシュボックス(図示せず)またはホッパー66に振り分ける。即ち、ホッパー66がコインで満たされている場合、正規のコインはリバータ21Sによってキャッシュボックスに振り分けられる。一方、ホッパー66がコインで満たされていない場合には、正規のコインはホッパー66に振り分けられる。冷陰極管81は、下側画像表示パネル16と、上側画像表示パネル33との背面側に設置されるバックライトとして機能するものであり、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて点灯する。
【0114】
(データテーブル)
次に、図7のスキャッタ対象シンボル決定テーブルについて説明する。このテーブルは、シンボル欄と乱数範囲欄とを有している。シンボル欄には、『BELL』、『CHERRY』、『ORANGE』、『STRAWBERRY』、及び『PLUM』からなる5種類のシンボルが記憶されている。乱数範囲欄には、“0〜50”、“51〜100”、“101〜150”、“151〜200”、及び“201〜255”からなる5種類の範囲データが記憶されている。シンボル欄と乱数範囲欄とは、各カラムが対応付けられている。これにより、スキャッタ対象シンボル決定テーブルは、“0〜255”の範囲で乱数値をランダムに選択し、選択した乱数値と範囲データとの関係からシンボルを無作為に選ぶことを可能にしている。具体的には、乱数値として“120”が選択された場合には、“101〜200”に対応する『STRAWBERRY』が選択されることになる。
【0115】
図7の設定閾値決定テーブルについて説明する。このテーブルは、設定閾値欄と乱数範囲欄とを有している。設定閾値欄には、『2』、『3』、『4』、『5』、及び『6』からなる5種類の設定閾値が記憶されている。乱数範囲欄には、“0〜50”、“51〜100”、“101〜150”、“151〜200”、及び“201〜255”からなる5種類の範囲データが記憶されている。設定閾値欄と乱数範囲欄とは、各カラムが対応付けられている。これにより、設定閾値決定テーブルは、“0〜255”の範囲で乱数値をランダムに選択し、選択した乱数値と範囲データとの関係から設定閾値を無作為に選ぶことを可能にしている。具体的には、乱数値として“72”が選択された場合には、“51〜100”に対応する『3』が選択されることになる。
【0116】
図9の報知内容テーブルについて説明する。このテーブルは、シンボル欄とキャラクタ欄と払出数欄と第1説明欄と第2説明欄とを有している。シンボル欄には、『BELL』、『CHERRY』、『ORANGE』、『STRAWBERRY』、及び『PLUM』からなる5種類のシンボルが記憶されている。キャラクタ欄には、キャラクタの種類データが記憶されている。具体的には、種類データが“1”の場合は、図10の女子のキャラクタ251を表示するデータが選択される。
【0117】
払出数欄には、1シンボル当たりの払出数のデータが格納されている。具体的には、『BELL』について1枚、『CHERRY』について5枚、『ORANGE』について2枚等のデータが格納されている。第1説明欄には、最初の説明画像252として表示されるデータが格納されている。具体的には、『“シンボル”がスキャッタシンボルになったよ』の画像データが格納されている。画像データ中の“シンボル”は、スキャッタシンボル182となったORANGE等のシンボル名が挿入される。
【0118】
また、第2説明欄には、次の説明画像252として表示されるデータが格納されている。具体的には、『“シンボル”が“再配置数”個あるから、“―”枚のコインだよ』の画像データが格納されている。画像データ中の“シンボル”は、スキャッタシンボル182となったORANGE等のシンボル名が挿入される。“再配置数”は、スキャッタシンボル182の個数が挿入される。“―”は、払い出しが行われるコインの枚数が挿入される。
【0119】
(音量調整)
次に、本実施例にかかるスロットマシン10において行われる音量調整について説明する。係員、若しくはプレーヤが、スロットマシン10に設けられたロータリスイッチ220a〜220dを操作することで、各channel masterに設けられた各第1減衰器204の可変抵抗が調整される。調整された第1減衰器204に対応するchannel masterを通過する信号が、可変抵抗の抵抗値に応じて減衰される。これにより、音量の調整を行うことができる。本実施例では、スロットマシン10の外部側に設けられたロータリスイッチ220dに対応するchannel master 4をBGM信号が通過する。プレーヤは、ロータリスイッチ220dを操作することで、自由にBGM音量を調整することができる。また、本実施例では、スロットマシン10の内部側に設けられたロータリスイッチ220a〜220cに対応するchannel master 1〜channel master 3を通過する信号をゲーム効果音とする。係員がゲーム効果音の調整が行うため、必ずプレーヤにゲーム効果音を報知する設定とすることができる。また、例えば、コインの払い出しに関係するゲーム効果音によって、重要度を高・中・低の3段階に分けるものとする。channel master 1に重要度の高い効果音を対応させる。また、channel master 2に重要度の中の効果音を対応させる。また、channel master 3に重要度の低い効果音を対応させる。これにより、channel master 2及びchannel master 3を通過する信号を減衰させることで、重要度の高いゲーム効果音を強調することができる。尚、ここで重要度をコインの払い出しに関係するゲーム効果音に応じて3段階に分けるものとしたが、分ける基準はこれに限定されるものではない。
【0120】
(処理動作)
次に、上記のように音量が調整されたスロットマシン10において行われる処理について説明する。メインCPU41がゲームプログラムを読み出して実行することによって、遊技が進行される。図11に示すように、遊技実行処理においては、コインがBETされたか否かが判定される(S10)。この処理において、1−BETボタン26が押されることによる1−BETスイッチ26Sからの入力信号を受信したか否かが判定されると共に、最大BETボタン27が押されることによる最大BETスイッチ27Sからの入力信号を受信したか否かが判定される。コインがBETされていない場合には(S10,NO)、S10が再実行されることによって、BETされるまで待機状態となる。
【0121】
一方、コインがBETされた場合には(S10,YES)、BETされたコインの枚数に応じて、RAM43に記憶されたクレジット数が減算される(S11)。なお、BETされるコインの枚数がRAM43に記憶されたクレジット数より多い場合には、クレジット数を減算する処理が行われることなしに、S11が再実行される。また、BETされるコインの枚数が、1回の遊技にBETすることが可能な上限値(本実施形態では50枚)を超える場合には、クレジット数を減算する処理が行われることなしに、S12が実行される。
【0122】
次に、スピンボタン23がONされたか否かが判定される(S12)。スピンボタン23がONされない場合には(S12,NO)、S10に処理が戻される。尚、スピンボタン23がONされなかった場合(例えば、スピンボタン23がONされずに遊技を終了する旨の指示が入力された場合)には、S11における減算結果がキャンセルされる。
【0123】
一方、スピンボタン23がONされた場合には(S12,YES)、シンボル決定処理が実行される(S13)。即ち、RAM43に記憶された停止シンボル決定プログラムが実行されることによって、15個の表示窓151〜155の各段に停止するシンボル180が決定される。これにより、ペイラインL上に停止するシンボルのコンビネーションが決定される。
【0124】
この後、表示窓151〜155のシンボル180がスクロール表示される(S14)。尚、このスクロール処理は、シンボル180が矢符方向にスクロールされた後、S13において決定されたシンボル180が表示窓151〜155に停止(再配置)されるものである。
【0125】
この後、スキャッタ対象シンボル決定処理が実行される(S15)。即ち、『BELL』、『CHERRY』、『STRAWBERRY』、『PLUM』、『ORANGE』、及び『APPLE』のシンボル180の中から、スキャッタ対象シンボル181が無作為に決定される。そして、決定されたスキャッタ対象シンボル181がスキャッタ対象シンボル表示部163に表示される。この後、図7の設定閾値決定テーブルが参照され、設定閾値が無作為に選択される。
【0126】
シンボル180のスクロールが停止されると、スキャッタ対象シンボル181の再配置数が取得される(S16)。この後、再配置数が設定閾値以上であるか否かが判定される(S17)。設定閾値以上である場合には(S17,YES)、スキャッタ対象シンボル181がスキャッタシンボル182に設定される。具体的には、スキャッタ対象シンボル181がスキャッタ対象シンボル表示部163からスキャッタシンボル表示部171に移動し、スキャッタシンボル表示部171内に収容されるという一連の動作が行われた後、スキャッタシンボル表示部171に収納物として収納された状態に表示される(S18)。
【0127】
この後、スキャッタシンボル表示部171とスキャッタ対象シンボル表示部163との間に、キャラクタ251が表示されると共に、キャラクタ251の会話内容を示す吹き出し枠が表示される。また、キャラクタ251の会話内容が音声として出力される。具体的には、吹き出し枠内に、『ORANGEがスキャッタシンボルになったよ』の最初の説明画像252が表示されると共に、スキャッタシンボルを報知する音声が出力される。この際、ロータリスイッチ220dによって、BGM音量が低下するように調整されていた場合には、BGMの音量だけが低下され、ゲーム効果音の音量については一定又は僅かに低下された状態であるため、ゲーム効果音であるキャラクタ251の会話内容についてはプレーヤに確実に聴かせることができる。また、スキャッタシンボルを報知する音声が出力される時、係員、若しくはプレーヤによって、BGM音量が低下するように調整されていない場合、本体PCB60が、音量調整器211における第2減衰器209を電気的に制御し、抵抗値を高くするようになっている。これにより、ゲーム効果音をプレーヤに確実に聴かせることができる。尚、キャラクタ251の会話内容の音声の出力が終了後、本体PCB60が、第2減衰器209を電気的に制御し、抵抗値は低い値に戻される。
【0128】
この後、3秒等の所定時間が経過した後に、『ORANGEが3個あるから、6枚のコインだよ』の次の説明画像252に切り替えられると共に、音声出力される。これにより、プレーヤは、『ORANGE』がスキャッタシンボル182として設定されたことを知ることになると共に、『ORANGE』がスキャッタシンボル182に設定されたことによる配当の具体的内容を知ることになる(S19)。
【0129】
この後、払出処理が実行される。即ち、ウィニングコンビネーションに基づくコインの払出枚数と、スキャッタシンボル182の表示数に基づくコインの払出枚数とが合算される。そして、払い出されるコインを貯留する場合には、所定数のクレジットが、RAM43に記憶されているクレジット数に加算される。一方、コインを払い出す場合には、ホッパー66に制御信号が送信されることによって、所定数のコインが払い出される。
【0130】
尚、図10の表示状態においては、ウィニングコンビネーションが成立していない。また、スキャッタシンボル182として『BELL』が設定されているため、表示窓151〜155に3個のスキャッタシンボル182(『BELL』)が表示されている。これにより、3個分のスキャッタシンボル182(『BELL』)に対応するコインの払出枚数となる(S20)。
【0131】
一方、再配置数が設定閾値以上でない場合には(S17,NO)、ペイラインL上に停止したシンボル180のコンビネーションがウィニングコンビネーションであるか否かが判定される(S23)。ウィニングコンビネーションでない場合には(S23,NO)、スキャッタシンボル182及びウィニングコンビネーションの何れでもないため、ハズレとして本ルーチンが終了される。
【0132】
一方、ウィニングコンビネーションである場合には(S23,YES)、上述のS20が実行される。この後、ウィニングコンビネーションとしてボーナストリガーが成立しているか否かが判定される。即ち、ペイラインL上に『APPLE』のコンビネーションが配置されているか否かが判定され(S21)、ボーナストリガーが成立していると判断された場合には(S21,YES)、ボーナスゲーム処理が実行される(S22)。一方、ボーナストリガーが成立していない場合には(S21,NO)、ハズレであるとして本ルーチンが終了される。
【0133】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る遊技機及びその音量調整方法の第2の実施形態を説明する。尚、本実施形態においては、遊技機の一例としてスロットマシンを用いて説明するが、これに限定されるものではない。また、第1の実施形態と同一の構成及び動作については、その説明を省略する。
【0134】
(音量調整方法)
図1に示すように、スロットマシン10は、信号バスに対して、BGM信号とゲーム効果音信号とを含む複数の音信号の中からBGM信号を入力可能にする第1段階と、信号バスにおいて伝送されるBGM信号を減衰する第2段階と、減衰されたBGM信号と、減衰されないゲーム効果音信号とを加算する第3段階と、加算された前記音信号を音波に変換して拡声する第4段階とを備えた音量調整方法を実行する。
【0135】
これにより、音信号がBGM信号とゲーム効果音信号とを含むものである場合には、吹き出しで示されたゲーム効果音の音量を維持しながら、五線譜で示されたBGMの音量だけを低下させることができる。この結果、遊技に直接に関係しないBGMの音量だけが小さくされることによって、スロットマシン10から出力される全音量を低下させた使用形態が実現される。また、このような全音量を低下させた使用形態であっても、遊技に直接に関係するゲーム効果音についてはプレーヤに聴かせることができる。
【0136】
即ち、図1においては、BGMとゲーム効果音とが同時に出力される場合において、全体的な音量が低下された状態であっても、ゲーム効果音の『ORANGEがスキャッタシンボルになったよ』の音声については音量を維持することができる。
【0137】
(音量調整の構成)
本実施例においては、上記の音量調整方法は、スロットマシン10単独の構成で実行される。スロットマシン10は、プレーヤや係員の操作によりホール内の環境等に応じた音量となるように、BGM信号を減衰させることで、BGMの音量を所定のレベルに設定し、スピーカから音波を出力する機能を有している。
【0138】
スロットマシン10は、図12に示すように、メインCPU41と、メインCPU41に接続され、複数の音信号を並列に出力する音信号出力装置201と、複数の音信号の中から任意の音信号を選択的に音量調整する音量調整器211と、音量調整された音信号を重畳して音波に変換する音出力装置212とを有している。
【0139】
音信号出力装置201は、デジタル形式の音信号を並列に出力する本体PCB60と、本体PCB60から出力された複数の音信号をアナログ形式に変換するD/Aコンバータ310とを有している。D/Aコンバータ310は、3つの出力端子310a・310b・310cを有している。出力端子310a・310b・310cは、D/Aコンバータ210内でアナログ形式に変換された音信号を並列に出力する。
【0140】
音信号出力装置201は、音量調整器211に複数の音信号を入力させるように接続されている。音量調整器211は、3つの第1伝送路302a・302b・302cと、入力バス213と、第1減衰器304とを有している。また、図12の破線で示すように、音量調整器211は、第2減衰器309を有していても良い。本実施例では、音量調整器211が、第2減衰器309を有しているものとする。第1伝送路302の個数は、音信号の入力数の設置数に一致されている(本実施例では3つ)。また、第1減衰器304は、入力端子307、及び、出力端子308を有している。尚、音信号の入力数や、第1伝送路302は3つに限定されることはない。
【0141】
第1伝送路302a〜302cの一方端は、D/Aコンバータ310の出力端子310a〜310cに夫々接続されている。また、第1伝送路302a及び302cの他方端は、入力バス313に接続されている。また、入力バス313の他方端は、第1減衰器304の入力端子307に接続されている。第1減衰器304の出力端子308は、伝送路を介して、第2減衰器309の入力端子に接続されている。
【0142】
上記のように構成された音量調整器211は、音出力装置212に接続されている。音出力装置212は、加算器305と音量増幅器206とスピーカ29とを有している。加算器305は、複数の入力端子と単数の出力端子とを有している。加算器305の入力端子には、伝送路302bの他方端が接続されている。また、加算器305の入力端子には、第2減衰器309の出力端子が、伝送路を介して、接続されている。一方、加算器305の出力端子は、伝送路を介して、音量増幅器206に接続されている。加算器305は、第1減衰器304から出力した音信号と、D/Aコンバータ310の出力端子310bから出力された音信号とを加算(重畳)した後、この音信号を音量増幅器206に出力する。音量増幅器206は、加算器305から入力された音信号を所定の増幅率で増幅する。音量増幅器206は、スピーカ29に接続されている。スピーカ29は、音信号を音波に変換して拡声する。
【0143】
減衰器304、及び、減衰器309は、第1の実施形態の減衰器204a〜204d、及び、減衰器209とそれぞれ同様のため説明を省略する。第1減衰器304の抵抗値の組み合わせとして、図13に例を挙げる。即ち、信号バス302aを“channel 1”、信号バス302bを“channel 2”、信号バス302cを“channel 3”とする。また、第1減衰器304が設けられている信号バスを“master”とする。つまり、“channel 1”と“channel 3”とを通過する信号を重畳したものが“master”を通過する信号となる。例えば、設定例1では、第1減衰器304が、抵抗R1が0Ω、抵抗R2が256Ωに夫々設定されている。これにより、加算器305において、減衰されない“master”の信号と、“channel 2”の信号とが加算される。また、例えば、設定例2では、第1減衰器304が、抵抗R1が128Ω、抵抗R2が128Ωに夫々設定されている。これにより、加算器305において、50%減衰された“master”の信号と、“channel 2”の信号とが加算される。また、例えば、設定例2では、第1減衰器304が、抵抗R1が192Ω、抵抗R2が64Ωに夫々設定されている。これにより、加算器205において、75%減衰された“master”の信号と、“channel 2”の信号とが加算される。尚、上述した数値は全て理論値である。
【0144】
スロットマシン10には、第1減衰器304に対応した、ロータリスイッチ220dが設けられている。係員、若しくはプレーヤが、ロータリスイッチ220を操作することで、各第1減衰器304の抵抗R1・R2を調整することができるようになっている。本実施例では、第1の実施形態と同様に、図1に示すように、BGM信号に対応する第1減衰器304の抵抗R1・R2を調整するロータリスイッチ220dが、キャビネット11の外部側に設けられている。これにより、係員、若しくはプレーヤによるBGM音量の調整を可能にしている。
【0145】
また、第1の実施形態と同様に、本体PCB60が第2減衰器309を制御することにより、電気的制御でBGM信号を減衰することを可能にしてもよい。本実施例では、図1に示すように、『ORANGEがスキャッタシンボルになったよ』等のスキャッタシンボルを報知するゲーム効果音が出力される場合、本体PCBが第2減衰器309を制御し、抵抗値を大きくすることでBGM音量を下げるようになっている。
【0146】
(音量調整)
次に、スロットマシン10において行われる音量調整について説明する。係員、若しくはプレーヤが、スロットマシン10に設けられたロータリスイッチ220dを操作することで、masterに設けられた第1減衰器304の可変抵抗(抵抗R1・R2)が調整された結果、masterを通過する信号が減衰される。これにより、音量の調整を行うことができる。例えば、masterをBGM信号が通過する場合、プレーヤは、自由にBGM音量を調整することができる。
【0147】
本実施例のスロットマシン10は、上記に記載されたものを除き、第1の実施形態と同様であるので、機械構成、電気構成、及び動作については、説明を省略する。
【0148】
(本実施の形態の概要)
以上のように、本実施の形態のスロットマシン10は、複数の音信号を並列に出力する音信号出力装置(音信号出力装置201等)と、音信号出力装置から出力される複数の音信号を夫々個別に減衰する複数の減衰器(第1減衰器204a・204b・204c・204d)と、減衰器において減衰された複数の音信号を入力可能にされ、音信号を伝送する信号バス(出力バス205等)と、信号バスを伝送される音信号を音波に変換して拡声するスピーカ(音出力装置212等)とを有する構成にされている。
【0149】
上記の構成によれば、音信号出力装置から出力された複数の音信号が減衰器により夫々減衰される。各信号が減衰器で減衰された後、信号バスに入力される。この後、音信号がスピーカにより音波に変換して拡声される。
【0150】
また、本実施の形態のスロットマシン10は、複数の音信号を並列に出力する音信号出力装置(音信号出力装置201等)と、音信号出力装置から出力される複数の音信号の中から任意の音信号を入力可能にされ、音信号を伝送する信号バス(入力バス313)と、信号バスを伝送される音信号を減衰する減衰器(第1減衰器304等)と、減衰器により減衰された音信号と、音信号出力装置から出力される音信号とを加算する加算器(加算器305)と、加算された音信号を音波に変換して拡声するスピーカ(音出力装置212等)とを有する構成にされている。
【0151】
上記の構成によれば、音信号出力装置から出力された複数の音信号の中から任意の音信号が信号バスに入力される。各信号バスにおいて伝送される音信号が減衰器によりそれぞれ減衰された後、減衰器により減衰された音信号と、音信号出力装置から出力される音信号とが加算器により加算される。この後、音信号がスピーカにより音波に変換して拡声される。
【0152】
また、本実施の形態のスロットマシン10は、BGM信号とゲーム効果音信号とを含む複数の音信号を並列に出力する音信号出力装置(音信号出力装置201等)と、音信号出力装置から出力される複数の音信号の少なくともBGM信号を減衰する複数の減衰器(第1減衰器204a・204b・204c・204d)と、減衰器で減衰されたBGM信号を含む全ての複数の音信号を入力可能にされ、音信号を伝送する信号バス(出力バス205等)と、信号バスを伝送される音信号を音波に変換して拡声するスピーカ(音出力装置212等)とを有する構成にされている。
【0153】
上記の構成によれば、音信号出力装置から出力されたBGM信号とゲーム効果音信号とを含む音信号の少なくともBGM信号が減衰器により減衰される。そして、減衰器により減衰された音信号を含む全ての複数の音信号が信号バスに入力された後、音信号がスピーカにより音波に変換して拡声される。
【0154】
また、本実施の形態のスロットマシン10は、BGM信号とゲーム効果音信号とを含む複数の音信号を並列に出力する音信号出力装置(音信号出力装置201等)と、音信号出力装置から出力される複数のBGM信号を入力可能にされ、BGM信号を伝送する信号バス(入力バス313)と、信号バスを伝送されるBGM信号を減衰する減衰器(第1減衰器304)と、減衰器により減衰されたBGM信号と、音信号出力装置から出力されるゲーム効果音信号とを加算する加算器(加算器305)と、加算された音信号を音波に変換して拡声するスピーカ(音出力装置212等)とを有する構成にされている。
【0155】
上記の構成によれば、音信号出力装置から出力されたBGM信号とゲーム効果音信号とを含む複数の音信号のBGM信号が信号バスに入力される。信号バスにおいて伝送されるBGM信号が減衰器によりそれぞれ減衰された後、減衰器により減衰されたBGM信号と、音信号出力装置から出力されるゲーム効果音信号とが加算器により加算される。この後、音信号がスピーカにより音波に変換して拡声される。
【0156】
また、本実施の形態のスロットマシン10の音量調整方法は、複数の音信号を夫々個別に減衰し、信号バス(出力バス205等)に対して、減衰した複数の音信号を入力可能にし、信号バスを伝送される音信号を音波に変換して拡声する。
【0157】
上記の構成によれば、複数の音信号が夫々個別に減衰された後、信号バスに対して、減衰した複数の音信号が入力可能にされる。その後、信号バスを伝送される音信号が音波に変換されて拡声される。
【0158】
また、本実施の形態のスロットマシン10の音量調整方法は、信号バスに対して、複数の音信号の中から任意の音信号を信号バス(入力バス313)に対して入力可能にし、信号バスにおいて伝送される音信号を減衰し、減衰された音信号と、減衰されない音信号とを加算し、加算された音信号を音波に変換して拡声する。
【0159】
上記の構成によれば、信号バスに対して、複数の音信号の中から任意の音信号を信号バスに対して入力可能にされる。そして、信号バスにおいて伝送される音信号を減衰し、減衰された音信号と、減衰されない音信号とが加算される。その後、加算された音信号を音波に変換されて拡声される。
【0160】
また、本実施の形態のスロットマシン10の音量調整方法は、BGM信号とゲーム効果音信号とを含む複数の音信号の少なくともBGM信号を減衰し、信号バス(出力バス205等)に対して、減衰されたBGM信号を含む全ての複数の音信号を入力可能にし、信号バスにおいて伝送される音信号を音波に変換して拡声する。
【0161】
上記の構成によれば、BGM信号とゲーム効果音信号とを含む複数の音信号の少なくともBGM信号が減衰され、信号バスに対して、減衰されたBGM信号を含む全ての複数の音信号が入力可能にされる。その後、信号バスにおいて伝送される音信号が音波に変換されて拡声される。
【0162】
また、本実施の形態のスロットマシン10の音量調整方法は、信号バスに対して、BGM信号とゲーム効果音信号とを含む複数の音信号の中からBGM信号を入力可能にし、信号バスにおいて伝送されるBGM信号を減衰し、減衰されたBGM信号と、減衰されないゲーム効果音信号とを加算し、加算された音信号を音波に変換して拡声する。
【0163】
上記の構成によれば、信号バスに対して、BGM信号とゲーム効果音信号とを含む複数の音信号の中からBGM信号が入力可能にされる。信号バス(入力バス313)において伝送されるBGM信号が減衰され、減衰されたBGM信号と、減衰されないゲーム効果音信号とが加算される。その後、加算された音信号が音波に変換されて拡声される。
【0164】
(本実施の形態の変形例)
尚、以上の詳細な説明では、本発明をより容易に理解できるように、特徴的部分を中心に説明したが、本発明は、以上の詳細な説明に記載する第1の実施形態及び第2の実施形態に限定されず、その他の実施形態にも適用することができ、その適用範囲は可能な限り広く解釈されるべきである。また、本明細書において用いた用語及び語法は、本発明を的確に説明するために用いたものであり、本発明の解釈を制限するために用いたものではない。また、当業者であれば、本明細書に記載された発明の概念から、本発明の概念に含まれる他の構成、システム、方法等を推考することは容易であると思われる。従って、請求の範囲の記載は、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で均等な構成を含むものであるとみなされるべきである。また、要約書の目的は、特許庁及び一般的な公共機関や、特許、法律用語又は専門用語に精通していない本技術分野に属する技術者等が本出願の技術的な内容及びその本質を簡易な調査で速やかに判断し得るようにするものである。従って、要約書は、請求の範囲の記載により評価されるべき発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、本発明の目的及び本発明の効果を充分に理解するために、すでに開示されている文献等を充分に参酌することが望まれる。
【0165】
以上の詳細な説明は、コンピュータ又はコンピュータネットワーク上で実行される処理を含むものである。以上の説明及び表現は、当業者が最も効率的に理解することを目的として記載している。本明細書では、1の結果を導き出すために用いられる各ステップや、所定の処理機能を備えたブロックは、自己矛盾がない処理として理解されるべきである。また、各ステップや各ブロックでは、電気的又は磁気的な信号の送受信、記録等が行われる。各ステップや各ブロックにおける処理では、このような信号を、ビット、値、シンボル、文字、用語、数字等で表現しているが、これらは単に説明上便利であるために用いたものであることに留意する必要がある。また、各ステップや各ブロックにおける処理は、人間の行動と共通する表現で記載される場合があるが、本明細書で説明する処理は、原則的に各種の装置により実行されるものである。また、各ステップや各ブロックのために要求されるその他の構成は、以上の説明から自明になるものである。
【図面の簡単な説明】
【0166】
【図1】遊技機の音量調整の状態を示す説明図。
【図2】第1の実施形態にかかる音量調整器の回路図である。
【図3】第1の実施形態にかかる音量調整器における抵抗値の設定関係を示す説明図である。
【図4】遊技機の制御回路を示すブロック図である。
【図5】シンボル及び各シンボルのコード番号を示す図である。
【図6】スキャッタ対象シンボル決定テーブルの説明図である。
【図7】設定閾値決定テーブルの説明図である。
【図8】スキャッタシンボル説明テーブルの説明図である。
【図9】遊技機のブロック図である。
【図10】表示画面の説明図である。
【図11】遊技実行処理のフローチャートである。
【図12】第2の実施形態にかかる音量調整器の回路図である。
【図13】第2の実施形態にかかる音量調整器における抵抗値の設定関係を示す説明図である。
【符号の説明】
【0167】
10 スロットマシン
29 スピーカ
41 メインCPU
60 本体PCB
201 音信号出力装置
204a・204b・204c・204d 第1減衰器
205 出力バス
206 音量増幅器
210 D/Aコンバータ
212 音出力装置
304 第1減衰器
305 加算器
313 入力バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記構成を備える遊技機であり、
複数の音信号を並列に出力する音信号出力装置と、
前記音信号出力装置から出力される前記複数の音信号を夫々個別に減衰する複数の減衰器と、
前記減衰器において減衰された前記複数の音信号を入力可能にされ、前記音信号を伝送する信号バスと、
前記信号バスを伝送される前記音信号を音波に変換して拡声するスピーカとを有する。
【請求項2】
下記構成を備える遊技機であり、
複数の音信号を並列に出力する音信号出力装置と、
前記音信号出力装置から出力される前記複数の音信号の中から任意の音信号を入力可能にされ、前記音信号を伝送する信号バスと、
前記信号バスを伝送される前記音信号を減衰する減衰器と、
前記減衰器により減衰された音信号と、前記音信号出力装置から出力される音信号とを加算する加算器と、
加算された前記音信号を音波に変換して拡声するスピーカとを有する。
【請求項3】
下記構成を備える遊技機であり、
BGM信号とゲーム効果音信号とを含む複数の音信号を並列に出力する音信号出力装置と、
前記音信号出力装置から出力される前記複数の音信号の少なくともBGM信号を減衰する複数の減衰器と、
前記減衰器で減衰されたBGM信号を含む全ての前記複数の音信号を入力可能にされ、前記音信号を伝送する信号バスと、
前記信号バスを伝送される前記音信号を音波に変換して拡声するスピーカとを有する。
【請求項4】
下記構成を備える遊技機であり、
BGM信号とゲーム効果音信号とを含む複数の音信号を並列に出力する音信号出力装置と、
前記音信号出力装置から出力される前記複数のBGM信号を入力可能にされ、前記BGM信号を伝送する信号バスと、
前記信号バスを伝送される前記BGM信号を減衰する減衰器と、
前記減衰器により減衰されたBGM信号と、前記音信号出力装置から出力されるゲーム効果音信号とを加算する加算器と、
加算された前記音信号を音波に変換して拡声するスピーカとを有する。
【請求項5】
下記構成を備える遊技機の音量調整方法であり、
複数の音信号を夫々個別に減衰し、
信号バスに対して、減衰した前記複数の音信号を入力可能にし、
前記信号バスを伝送される前記音信号を音波に変換して拡声する。
【請求項6】
下記構成を備える遊技機の音量調整方法であり、
信号バスに対して、複数の音信号の中から任意の音信号を信号バスに対して入力可能にし、
前記信号バスにおいて伝送される前記音信号を減衰し、
減衰された音信号と、減衰されない音信号とを加算し、
加算された前記音信号を音波に変換して拡声する。
【請求項7】
下記構成を備える遊技機の音量調整方法であり、
BGM信号とゲーム効果音信号とを含む複数の音信号の少なくともBGM信号を減衰し、
信号バスに対して、減衰された前記BGM信号を含む全ての前記複数の音信号を入力可能にし、
前記信号バスにおいて伝送される前記音信号を音波に変換して拡声する。
【請求項8】
下記構成を備える遊技機の音量調整方法であり、
信号バスに対して、BGM信号とゲーム効果音信号とを含む複数の音信号の中からBGM信号を入力可能にし、
前記信号バスにおいて伝送される前記BGM信号を減衰し、
減衰されたBGM信号と、減衰されないゲーム効果音信号とを加算し、
加算された前記音信号を音波に変換して拡声する。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−142546(P2008−142546A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−314357(P2007−314357)
【出願日】平成19年12月5日(2007.12.5)
【出願人】(507332387)アルゼゲーミングアメリカインク (176)
【Fターム(参考)】