説明

遊技機及び遊技機システム

【課題】予め保存してある達成状態情報を設定してから遊技開始する場合と、このような設定操作をせずに遊技開始する場合とを遊技者が選択することができる遊技機、及び、この遊技機を有する遊技機システムを提供する。
【解決手段】遊技の制御を行うメイン制御基板100と、この遊技に対して演出を実行するサブ制御基板200を有するスロットマシン1は、達成状態情報を達成状態情報記憶手段331に記憶してから遊技を開始する第1遊技開始手段314と、達成状態情報の登録なしに遊技を開始する第2遊技開始手段315と、これらを選択するメニュー手段312と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部処理手段を用いて遊技者が行った遊技の履歴を管理する遊技機及び遊技機システムに関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシン等の遊技機は、遊技を行うことにより遊技媒体(例えば、遊技メダル)を増やすことが、この遊技を行う大きな目的である。そのため、ビッグボーナスやミドルボーナスと呼ばれる特別役に当選し、この特別役に対応する図柄を揃えて特別遊技(ボーナスゲーム)を行うことが遊技者の目標となる。しかしながら、このような特別遊技が行われる確率は低いため、遊技者の遊技に対する興味を維持させるために、遊技に対して各種演出が行われるように構成されている。このような演出の中には、実行される確率が非常に低いものがあり、遊技者にとっては、遊技を行った結果、多くの演出を体験することも大きな遊技目的となっている。そのため、近年の遊技機においては、遊技を行うことで発生する各種事象(例えば、実行される演出の種類や、所定の遊技状態の回数等)を遊技目的(ミッションと呼ばれる場合がある)として設定し、これらの遊技目的を達成することで、遊技レベルを判定したり、特典を付与したりする遊技機が開発されている。
【0003】
このような遊技機においては、一度の遊技で全ての遊技目的を達成することは難しいため、遊技を中断するときに、達成した遊技目的や、遊技レベルの情報(以下、「達成状態情報」と呼ぶ)を、遊技者が所有する携帯端末機を介して、ネットワークに接続された遊技機サーバに記憶させるように構成されている。そして、遊技を再開するときに、携帯端末機を介して遊技機サーバからこの情報を取り出し、遊技機に設定するように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−131985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、達成状態情報が増えると、遊技機に入力する情報量が多くなるため、遊技を開始するとき入力する情報量も多くなり、遊技開始時の入力操作が煩雑になってしまうという課題があった。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、達成状態情報を設定してから遊技を開始する場合と、このような設定操作をせずに遊技を開始する場合とを遊技者が選択することができる遊技機、及び、この遊技機を有する遊技機システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明に係る遊技機は、遊技の実行を制御するメイン制御手段と、前記遊技において発生する事象の少なくとも一部を遊技目的として設定し、当該遊技目的の達成状態を示す情報であって、前記遊技目的を達成したときに更新される達成状態情報を生成するとともに、当該達成状態情報を含む遊技情報を出力するサブ制御手段と、を有し、前記メイン制御手段は、前記遊技の制御に関する情報を前記サブ制御手段に送信するように構成され、前記サブ制御手段は、前記達成状態情報、及び、チェックコードを記憶する達成状態情報記憶手段と、前記遊技情報が入力される遊技情報入力手段と、前記遊技情報入力手段により入力された前記遊技情報に含まれる前記達成状態情報及び前記チェックコードを前記達成状態情報記憶手段に記憶する第1遊技開始手段と、前記チェックコードを発行し、当該チェックコードを含む前記遊技情報を出力するとともに、当該チェックコードを前記達成状態情報記憶手段に記憶する第2遊技開始手段と、前記遊技目的を達成する遊技を開始するときに、前記第1遊技開始手段及び前記第2遊技開始手段のいずれかを選択して実行する遊技選択手段と、前記メイン制御手段から送信される前記制御に関する情報に基づいて、前記達成状態情報記憶手段の前記達成状態情報を更新する達成状態情報更新手段と、前記遊技目的を達成する遊技を終了するときに、前記達成情報記憶手段に記憶されている前記達成状態情報及び前記チェックコードを含む前記遊技情報を出力する達成状態情報出力手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る遊技機を以上のように構成すると、遊技者は、保存されている達成状態情報を設定してから遊技目的を達成する遊技を開始する方法(第1遊技開始手段)と、達成状態情報を設定せずに、すぐに遊技目的を達成する遊技を開始する方法(第2遊技開始手段)と、を遊技選択手段により選択することができるので、前回の状態で遊技を開始したい遊技者の要求も、遊技目的を達成する遊技をすぐに始めたい遊技者の要求も満足することができる。
【0009】
また、このような本発明に係る遊技機において、前記第2遊技開始手段で発行される前記チェックコードは、乱数値であることが好ましい。
【0010】
また、このような本発明に係る遊技機において、前記第2遊技開始手段で発行される前記チェックコードは、当該遊技機の識別情報に基づいて生成される乱数値であることが好ましい。
【0011】
この遊技機で発行されるチェックコードを乱数にすると、簡単な処理で遊技機毎に異なるチェックコードを得ることができるので、このチェックコードを用いて、第2遊技開始手段により遊技を開始した遊技の達成状態情報を識別することができる。
【0012】
また、このような本発明に係る遊技機において、前記第2遊技開始手段は、前記遊技情報を2次元コードとして出力することが好ましい。
【0013】
本発明に係る遊技機から出力されるチェックコード(遊技情報)を、2次元コードに変換することにより、例えば遊技者の有する携帯端末機でこの情報を容易に読み取ることができるので、遊技者の読み取りに対する負担を軽減することができる。
【0014】
また、このような本発明に係る遊技機において、前記第1遊技開始手段は、文字列として表現された前記遊技情報を前記遊技情報入力手段から受け取り、当該文字列から前記達成状態情報及び前記チェックコードを取り出して前記達成状態情報記憶手段に記憶するように構成されることが好ましい。
【0015】
このような構成によると、チェックコード及び達成状態情報(遊技情報)を文字列としてこの遊技機に入力することができるので、入力操作が容易となり、遊技者の入力に対する負担を軽減することができる。
【0016】
また、このような本発明に係る遊技機において、前記達成状態情報出力手段は、前記遊技情報を2次元コードとして出力することが好ましい。
【0017】
第2遊技開始手段で出力されるチェックコードと同様に、本発明に係る遊技機から出力されるチェックコード及び達成状態情報(遊技情報)を、2次元コードに変換することにより、遊技者の読み取りに対する負担を軽減することができる。
【0018】
また、本発明に係る遊技機システムは、上述の遊技機のいずれかと、前記遊技機から出力された前記遊技情報を取得する遊技者所有装置と、前記遊技者所有装置との間で前記遊技情報を送受信する外部処理手段と、を有することを特徴とする。
【0019】
また、このような遊技機システムにおいて、前記外部処理手段は、前記達成状態情報及び前記チェックコードを記憶する遊技関連情報記憶手段と、前記チェックコードを生成し、前記遊技関連情報記憶手段に記憶するとともに、前記第1遊技開始手段に入力するための前記遊技情報であって、前記遊技関連情報記憶手段に記憶された前記達成状態情報及び前記チェックコードが含まれる前記遊技情報を生成して前記遊技者所有装置に送信する第1遊技開始記録手段と、前記第2遊技開始手段により出力され、前記遊技者所有装置により読み取られて送信された前記遊技情報から、前記チェックコードを取り出して前記遊技関連情報記憶手段に記憶する第2遊技開始記録手段と、前記達成状態情報出力手段により出力され、前記遊技者所有装置により読み取られて送信された前記遊技情報から前記達成状態情報を取り出して、前記遊技関連情報記憶手段に記憶されている前記達成状態情報を更新するとともに、前記遊技関連情報記憶手段に記憶されている前記チェックコードを消去する達成状態情報登録手段 と、を有することが好ましい。
【0020】
本発明に係る遊技機システムを以上のように構成すると、遊技機で達成された遊技目的の情報(達成状態情報)を、遊技者が有する遊技者所有装置(例えば、携帯端末機)を用いて外部処理手段(遊技機サーバ)に登録することができ、また、この遊技者所有装置を介して外部処理手段(遊技機サーバ)に登録されている達成状態情報を取り出して再度遊技機に設定することができるので、遊技者は、簡単な操作で達成状態情報の保管と取り出しを行うことができる。
【0021】
また、このような本発明に係る遊技機システムにおいて、前記第1遊技開始記録手段は、前記遊技関連情報記憶手段に前記チェックコードが記憶されているときは、前記遊技者所有装置に対して前記遊技情報を送信しないように構成されていることが好ましい。
【0022】
また、このような本発明に係る遊技機システムにおいて、前記第2遊技開始記録手段は、前記遊技関連情報記憶手段に前記チェックコードが記憶されているときは、前記遊技者所有装置から送信された前記遊技情報に含まれる前記チェックコードを前記遊技関連情報記憶手段に記憶しないように構成されていることが好ましい。
【0023】
また、このような本発明に係る遊技機システムにおいて、前記達成状態情報登録手段は、前記遊技者所有装置から送信された前記遊技情報に含まれる前記チェックコードと、前記遊技関連情報記憶手段に記憶されている前記チェックコードとを比較し、当該チェックコードが一致しないときは、前記遊技情報に含まれる前記達成状態情報を前記遊技関連情報記憶手段に記憶しないように構成されていることが好ましい。
【0024】
このように、遊技の開始時にチェックコードを生成して、外部処理手段(遊技機サーバ)に登録するときにこのチェックコードの登録の有無を確認し、さらに、遊技の終了時(達成状態情報の外部処理手段への登録時)に遊技機に記憶されているチェックコードと外部処理手段に記憶されているチェックコードとを比較することにより、所定の手順で遊技を開始した遊技者の達成状態情報のみを遊技機サーバに登録することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る遊技機及び遊技機システムを以上のように構成すると、遊技者は、過去の遊技において達成した達成状態情報を設定してから遊技を開始する場合と、このような設定操作をせずに遊技を開始する場合とを選択することができるので、遊技開始時に達成状態情報を設定するという手間は掛かるが、遊技目的を達成するという遊技に加えて、それまでに達成した遊技目的に応じた利益を得ることができる遊技と、遊技開始時に達成状態情報を設定しないため手間は省けるが、遊技目的を達成するという遊技だけを行う遊技とを選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】遊技機システムの全体構成を示す説明図である。
【図2】携帯端末機の処理の構成を示す説明図である。
【図3】遊技機サーバの処理の構成を示す説明図である。
【図4】スロットマシンの正面図である。
【図5】スロットマシンの制御の概略を示すブロック図である。
【図6】リール外周面の図柄配列の一例を示す平面図である。
【図7】役と図柄の組み合わせを示す説明図である。
【図8】スロットマシンにおける制御システムを示すブロック図である。
【図9】操作手段の操作とリールの作動のタイミングを示す説明図である。
【図10】最小遊技時間を説明するための説明図である。
【図11】ストップボタンの押し順と入賞との関係を示す説明図である。
【図12】スロットマシンの遊技状態の各々に対して設定された役抽選テーブルの当選確率を示す説明図である。
【図13】スロットマシンにおける遊技状態の遷移を示す説明図である。
【図14】遊技開始時に遊技者がベット操作及びスタートレバー操作をするまでの処理の流れを示す。
【図15】リールの回転から停止までの処理の流れを示す。
【図16】リール停止後の処理の流れを示す。
【図17】1回の遊技において、メイン制御基板からサブ制御基板の演出制御基板に送信される制御コマンドの流れの一例を示す。
【図18】遊技目的達成遊技を実行するための、演出制御基板における処理の構成を示す説明図である。
【図19】メニュー画面の一例を示す説明図である。
【図20】遊技関連情報記憶部に記憶されるデータのデータ構造を示す説明図である。
【図21】達成状態情報記憶手段に記憶されるデータのデータ構造を示す説明図である。
【図22】会員登録の流れを示すフローチャートである。
【図23】第1遊技開始手段によるパスワード入力から遊技機サーバへの達成状態情報の登録までの流れを示すフローチャートである。
【図24】第2遊技開始手段による遊技開始時の流れを示すフローチャートである。
【図25】パスワード発行手段における処理のフローチャートを示す。
【図26】達成状態情報登録手段における処理のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、図1〜図3を用いて本発明に係る遊技機システムの構成について説明する。ここで、図1は遊技機システム900の全体構成を示す説明図であり、図2は携帯端末機710の処理の構成を示す説明図であり、図3は遊技機サーバ810の処理の構成を示す説明図である。
【0028】
(遊技機システム900)
遊技機システム900は、図1に示すように、遊技機の一形態であるスロットマシン1と、遊技者所有装置である携帯端末機710を含む携帯端末システム700と、外部処理手段である遊技機サーバ810を含むサーバシステム800と、を有して構成されている。
【0029】
なお、本実施形態に係るスロットマシン1は、このスロットマシン1を用いて遊技を行うことで発生する各種事象(例えば、遊技の過程で発生する遊技状態、役の入賞、演出の実行等の各々)を遊技目的として設定し、遊技者がこれらの遊技目的を達成するという演出(以下、「遊技目的達成演出」、若しくは、「遊技目的達成遊技」と呼ぶ)を提供するものである。また、本実施形態に係る遊技機システム900は、この遊技目的達成演出においてスロットマシン1で更新される情報(達成状態情報)を、遊技者が所持する携帯端末機710を介して遊技機サーバ810で管理するためのシステムである。
【0030】
(携帯端末システム700)
携帯端末システム700は、携帯端末機710と、基地局720と、パケット網730と、センターサーバ740と、から構成される。ここで、携帯端末機710は、例えば、無線通信を利用して持ち運びが可能な電話機であり、基地局720によって構成されるパケット網730との間で無線通信を行うように構成されている。この携帯端末機710は、パケット網730を介して互いに音声データ、文字データ、画像データ等を送受信できる。特に、後述するように、携帯端末機710は、スロットマシン1の画像表示手段(画像表示装置41)に表示される2次元コードを読み取って、パケット網730を介してこの2次元コードに含まれる達成状態情報を遊技機サーバ810に送信することが可能である。また、携帯端末機710は、遊技機サーバ810によって生成されたパスワードを、パケット網730を介して受信することが可能である。なお、2次元コード及びパスワードについては、後述する。また、基地局720は、携帯端末機710と無線で接続するための拠点であり、パケット網730の末端に当たる装置である。この基地局720は、電柱やビルの屋上、専用の鉄塔などに設置されており、互いに有線または無線のネットワークで接続されてパケット網730を構成している。また、このパケット網730は、携帯端末機710を用いたデータ通信を行うときに、送受信するデータをパケットに一旦分割して、これらを個々に送受信する(以下、パケット通信と称する)ためのデータ通信網である。複数のパケットの各々は、パケット網上の空いている回線を通って伝送される。
【0031】
携帯端末機710は、パケット網730を介してパケット通信により、センターサーバ740にアクセスすることができる。このセンターサーバ740は、携帯端末機710からの要求に応じて、後述するネットワーク820に接続されている遊技機サーバ810と通信を行い、携帯端末機710からの要求に応じた種々の情報を遊技機サーバ810から取得し、取得した情報を要求元の携帯端末機710に受け渡す。これにより、携帯端末機710の操作者は、パケット網730やセンターサーバ740を介して、外出先等、その居場所に拘わらず、所望する情報を遊技機サーバ810から取得することができる。
【0032】
このようなセンターサーバ740には、携帯端末機710の各々に予め割り当ててある電話番号と、その携帯端末機710の所有者を識別するための加入者識別情報とを対応させたデータベース(図示せず)が予め記憶されている。そして、携帯端末機710からの要求に応じて、この携帯端末機710を遊技機サーバ810に接続するときには、まず、上述した携帯端末機710の電話番号が、携帯端末機710からセンターサーバ740に送信される。次いで、センターサーバ740は、送信された電話番号に基づいて、上述したデータベースを検索して、その携帯端末機710の加入者識別情報を得て、得られた加入者識別情報を遊技機サーバ810に送信する。このようにすることで、遊技機サーバ810は、携帯端末機710からアクセスされるときには、携帯端末機710の加入者識別情報を取得し、取得した携帯端末機710の加入者識別情報に基づいて、携帯端末機710からの要求に応じた処理を実行することができる。
【0033】
なお、携帯端末機710の操作者を特定するための情報は、上述した加入者識別情報や電話番号のほか、その操作者を特定し得る携帯端末機710の製造番号等の固有の識別情報であればよい。
【0034】
(サーバシステム800)
サーバシステム800は、遊技機サーバ810と、ネットワーク820と、から構成される。遊技機サーバ810は、スロットマシン1で表示された2次元コードに含まれる達成状態情報が携帯端末機710から送信されるとこの達成状態情報を所定の記憶手段に記憶させる。なお、達成状態情報については後述する。また、携帯端末機710から送信されたパスワード送信要求に応じてパスワードを生成し、生成したパスワードを携帯端末機710に送信する。さらに、遊技機サーバ810は、スロットマシン1における演出を設定するための条件が、携帯端末機710から送信されたときには、設定された条件に応じてパスワードを生成し、生成されたパスワードを携帯端末機710に送信する。なお、遊技機サーバ810で実行される各種の処理については後述する。また、遊技機サーバ810の詳細な構成についても後述する。
【0035】
(携帯端末機710の構成)
図2に示すように、携帯端末機710は、全体の制御を行う端末側制御部711、基地局720と無線通信を行い、データ通信や音声通話を行う無線通信部712、センターサーバ740と通信をしてこの携帯端末機710の認証や電話番号等の確認を行うための情報である加入者識別情報が記憶された加入者識別情報記憶部713、データ通信や音声通話時の情報が表示される表示部714、数字や文字を入力するための入力部715、音声を収集するマイク716、音声を出力するスピーカー717、及び、2次元コード等を撮像するための撮像部718を有して構成されている。さらに、端末側制御部711は、遊技者の入力部715の操作を受け付け、また、その結果を表示部714に出力するユーザインターフェース手段7111、撮像部718で取得された2次元コードの画像から情報(以降に説明するように、遊技機サーバ810にアクセスするための位置に関する情報)を生成するアクセス情報生成手段7112、無線通信部712によりパケット網730を介して遊技機サーバ810と通信を行うサーバアクセス手段7113、及び、マイク716及びスピーカー717を介して音声による通話を行う音声通信手段7114、を有して構成されている。
【0036】
(遊技機サーバ810の構成)
図3に示すように、遊技サーバ810は、携帯端末機710との間で送受信される情報の処理を行うサーバ側制御部811、ネットワーク820を介して携帯端末機710との間でデータ通信を行う通信部812、携帯端末機710を用いてアクセスする遊技者の情報を管理する会員情報記憶部813、遊技者(会員)毎の達成状態情報や演出の設定変更情報を記憶する遊技関連情報記憶部814、スロットマシン1における遊技の進行状況(遊技目的の達成状態)に応じて付与される特典(例えば、携帯端末機710の着信音や壁紙等)が記憶されている特典情報記憶部815を有して構成される。さらに、サーバ側制御部811は、携帯端末機710から要求された処理を実行する端末要求受付手段8111と、会員登録により会員に関する情報を会員情報記憶部813に記憶させる会員情報登録手段8112と、携帯端末機710が会員登録されたものであることを認証する会員認証手段8113と、後述する第2遊技開始手段315に対応して、スロットマシン1で発行されたチェックコードを受信して遊技関連情報記憶部814に記憶する第2遊技開始記録手段である遊技開始情報登録手段8114と、後述する第1遊技開始手段314に対応して、遊技関連情報記憶部814に記憶されている達成状態情報を取り出して携帯端末機710に送信する第1遊技開始記録手段であるパスワード発行手段8115と、携帯端末機710から送信された達成状態情報を遊技関連情報記憶部814に記憶する達成状態情報登録手段8116と、携帯端末機710から送信されたスロットマシン1で実行される演出の設定変更(カスタマイズ)を行うための情報(設定変更情報)を遊技関連情報記憶部814に記憶する演出設定変更手段8117と、遊技関連情報記憶部814に記憶されている達成状態情報に基づいて、遊技者(携帯端末機710)に対して特典情報記憶部815に記憶されている特典を付与する特典付与手段8118と、を有して構成される。
【0037】
(会員情報登録手段8112)
会員情報登録手段8112は、携帯端末機710を介して遊技者から要求される会員登録を行うものである。この会員情報登録手段8112は、携帯端末機710から会員登録要求があると、例えば、会員規約等が表示されたページを生成し、携帯端末機710に送信する。そして、遊技者が携帯端末機710を操作して会員規約に同意する応答があると、センターサーバ740から送信された加入者識別情報をキーとして会員情報記憶部813に会員に関する情報を記憶する。なお、以降の説明では、会員に関する情報は加入者識別情報だけが登録されている場合について説明するが、その他のサービスを提供するために、遊技者のニックネーム等を会員情報記憶部813に記憶することも可能である。
【0038】
(会員認証手段8113)
会員認証手段8113は、達成状態情報を遊技関連情報記憶部814に記憶する場合などに、会員の認証を行うものである。具体的には、センターサーバ740を介して送信される加入者識別情報と、会員情報記憶部813に記憶されている加入者識別情報とを比較し、一致すれば認証するように構成されている。このように構成することにより、登録された携帯端末機710以外からのアクセスを排除し、登録された遊技者を特定することができる。
【0039】
(遊技開始情報登録手段8114)
この遊技開始情報登録手段8114は、スロットマシン1において遊技者が第2遊技開始手段315を選択したとき、具体的には、パスワードによる達成状態情報の入力をしないで遊技目的達成遊技を行うときに、起動される処理であり、スロットマシン1で発行され、携帯端末機710を介して送信されたチェックコードを、遊技者を特定するための加入者識別情報をキーとして遊技関連情報記憶部814に記憶するように構成されている。なお、遊技開始情報登録手段8114は、遊技関連情報記憶素部814に、既にチェックコードが登録されているときは、チェックコードの登録は行わないように構成されている。
【0040】
(パスワード発行手段8115)
パスワード発行手段8115は、スロットマシン1において遊技者が第1遊技開始手段315を選択したとき、具体的には、パスワードによる達成状態情報の入力をした後に遊技目的達成遊技を行うときに、起動される処理であり、遊技関連情報記憶部814に記憶されている達成状態情報からスロットマシン1に設定するためのパスワード(文字列)を生成し、遊技者の携帯端末機710の表示部714に表示するものである。遊技者は、このパスワードをスロットマシン1に入力することにより、前回遊技を行ったときまでに達成した遊技目的を、これから遊技を行おうとするスロットマシン1に設定することができる。すなわち、前回中断した状態から遊技目的達成演出(遊技目的達成遊技)を実行することができる。
【0041】
具体的には、このパスワード発行手段8115は、携帯端末機710からパスワードの発行要求を受け付けると、遊技関連情報記憶部814から加入者識別情報をキーとして達成状態情報及び設定変更情報を取り出す。また、図示しない乱数発生手段から乱数を取り出し、チェックコードとする。このチェックコードは遊技関連情報記憶部814に加入者識別情報をキーとして記憶される。そして、チェックコード、達成状態情報及び設定変更情報を暗号化した後、所定の文字数(例えば、5文字や8文字)の文字列(パスワード)に変換し、このパスワードを含むページを生成して、携帯端末機710に送信する。携帯端末機710は、このページを表示部714に表示することにより、文字列のパスワードが表示部714に表示される。なお、遊技関連情報記憶部814に既にチェックコードが登録されているときは、パスワード発行手段8115はパスワードの発行を行わないように構成されている。
【0042】
(達成状態情報登録手段8116)
スロットマシン1において遊技を終了するときに、以降の遊技で現在の状態を継続したい場合には、そのスロットマシン1で達成した遊技目的の達成状態に関する情報、すなわち、達成状態情報を遊技機サーバ810に記憶させて保存しておくことができる。そのため、後述するように、スロットマシン1は、第1遊技開始手段314による遊技目的達成遊技の開始時(文字列によるパスワード入力時)にパスワードに含まれていたチェックコード、若しくは、第2遊技開始手段315による遊技目的達成遊技の開始時にこのスロットマシン1で発行したチェックコードと、このスロットマシン1で遊技を行うことにより更新された達成状態情報とを暗号化した後、2次元コード(例えば、QRコード(登録商標))を生成して画像表示装置41に表示するように構成されている。遊技者は、この2次元コードを携帯端末機710で読み取り、遊技機サーバ810にアクセスすることで達成状態情報をこの遊技機サーバ810に記憶させることができる。
【0043】
具体的には、達成状態情報登録手段8116は、携帯端末機710から送信された暗号化された情報を復号してチェックコード及び達成状態情報を取り出す。そして、復号されたチェックコードを、加入者識別情報をキーにして、遊技関連情報記憶部814に記憶されているチェックコード(前回のパスワードを生成するときに、生成されたチェックコード若しくはスロットマシン1で発行されたチェックコード)と比較し、一致すれば、携帯端末機710から送信された達成状態情報を、加入者識別情報をキーとして遊技関連情報記憶部814に記憶する(更新する)ように構成されている。このようにチェックコードを比較することにより、パスワードが発行されたときの達成状態情報を用いて更新された達成状態情報、若しくは、遊技開始情報登録手段8114により遊技の開始が登録されたスロットマシン1において記録された達成状態情報だけをこの遊技機サーバ810に登録することができる。
【0044】
(演出設定変更手段8117)
演出設定変更手段8117は、スロットマシン1で実行される演出の一部(例えば、特別遊技時に流れる音楽であるとか、映像の背景)を遊技者の意思により変更する(カスタマイズする)ための機能である。遊技者は、携帯端末機710により遊技機サーバ810にアクセスし、これらの設定を変更することができ、その結果は、遊技関連情報記憶部814に加入者識別情報をキーに設定変更情報として記憶される。この設定変更情報は、上述のパスワード発行時に、達成状態情報とともに、スロットマシン1に設定される。
【0045】
なお、この演出設定変更手段8117による演出の設定の変更は、遊技者がある程度の遊技レベルに達しないと実行できないように構成することや、遊技レベルに応じて変更できる演出の設定を変化させるように構成することができる。
【0046】
(特典付与手段8118)
特典付与手段8118は、遊技者の遊技目的の達成度合い、すなわち、遊技関連情報記憶部814に記憶されている達成状態情報に応じて、特典を遊技者に付与するものである。例えば、所定の特別遊技の実行を達成する毎に、その特別遊技で表示された画像を遊技者に付与したり、または、その特別遊技で流れた音楽を、携帯端末機710の着信音として付与したりするものである。この特典付与手段8118も、携帯端末機710からアクセスされる。
【0047】
(スロットマシン1の構成)
次に、図4〜図13を用いて本発明に係るスロットマシン1の構成について説明する。ここで、図4はスロットマシン1の正面図であり、図5はスロットマシン1の制御の概略を示すブロック図であり、図6はリール外周面の図柄配列の一例を示す平面図であり、図7は役と図柄の組み合わせを示す説明図であり、図8はこのスロットマシン1における制御システムを示すブロック図であり、図9は操作手段30の操作とリール21a〜21cの作動のタイミングを示す説明図であり、図10は最小遊技時間を説明するための説明図であり、図11はストップボタンの押し順と入賞との関係を示す説明図であり、図12は各遊技状態に対して設定された役抽選テーブルの当選確率を示す説明図であり、図13はこのスロットマシン1における遊技状態の遷移を示す説明図である。
【0048】
このスロットマシン1は、3個のリール21a〜21cに表示されている図柄を所定のライン上に揃えることにより、所定の枚数の遊技メダルを獲得する遊技を提供するものであり、図5に示すように、リール21a〜21cにより図柄を表示する図柄表示手段20と、遊技者の操作を受け付ける操作手段30と、遊技の制御を行うメイン制御基板100と、遊技に対する演出を行う演出手段40と、この演出手段40を制御するサブ制御基板200とから構成されている。
【0049】
(メイン制御基板100)
メイン制御基板100は、スロットマシン1における遊技の進行や演出等を含む全体を統括制御する手段であり、役の抽選を行う役抽選手段110、図柄表示手段20の駆動(回転及び停止)制御を行うリール制御手段120、図柄表示手段20が停止したときの図柄の判定を行う停止図柄判定手段130、入賞時の遊技メダルの払出し等を制御する払出し制御手段140、出玉率に関する設定値を設定する設定値設定手段150、役抽選手段110の抽選結果等を記憶するフラグ情報記憶手段160、役抽選手段110で特別役に当選したときに、後述する有効ライン上に対応する図柄の組み合わせが停止するまで(入賞するまで)当選した状態を保持する特別役持ち越し手段170、遊技の進行や状態を制御する遊技状態制御手段180、及び、サブ制御基板200に送信される制御情報(制御コマンド)のうち、後述するように演出制御基板300で生成される達成状態情報を生成するために必要な制御情報を蓄積する制御情報蓄積手段190を有して構成されている。このメイン制御基板100は、図8に示すように、演算等を行うメインCPU101と、役の抽選を行うための乱数発生器102と、メインCPU101が各種制御を行うときに、取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM103と、遊技の進行等に必要なプログラムを記憶しておくROM104と、サブ制御基板200と通信を行うI/F回路105と、を有しており、これらはバス106で接続されてデータの送受信が可能に構成されている。このメイン制御基板100において、メインCPU101は、ROM104に記録された遊技用制御プログラムをRAM103に展開して実行し、遊技の制御を行うように構成されている。
【0050】
このメイン制御基板100の出力側(図5中、右側)には、図柄表示手段20が電気的に接続されている。この図柄表示手段20は、円筒外周面に沿って多種の図柄が描かれた回転可能な3個のリール(左リール21a、中リール21b、右リール21c)、リール駆動手段(左リール駆動手段22a、中リール駆動手段22b、右リール駆動手段22c)、及び、リール位置検出手段(左リール位置検出手段23a、中リール位置検出手段23b、右リール位置検出手段23c)を有して構成されている。3個のリール21a〜21cは、左右方向に並列に設けられており、スロットマシン1の前扉3に形成されたリール表示窓11から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、これらのリール21a〜21cは、スロットマシン1のリール表示窓11からは、合計9個の図柄が見えるように配置されている。このリール21a〜21cの各々には、例えば、図6に示すように0番から20番までの21個の図柄が表示されており、番号が増加する順で変動表示される。なお、この図6において、赤7、青7、及び、特別図柄は、このスロットマシン1の後述する特別役に特に関係する図柄である。また、ブランクは役を構成しない図柄である。また、リール駆動手段22a〜22cは、ステッピングモータ等で構成され、リール21a〜21cの各々の回転中心部に連結され、その作動はメイン制御基板100のリール制御手段120により制御される。さらに、リール位置検出手段23a〜23cは、各々のリール21a〜21cの停止位置を検出し、有効ライン上に表示されている図柄を判定するためのものであり、このリール位置検出手段23a〜23cによる検出値はメイン制御基板100により読み出され停止図柄判定手段130に渡される。また、このメイン制御基板100の出力側には、遊技メダルを払出すホッパー装置50が接続されており、その動作は払出し制御手段140により制御される。
【0051】
また、メイン制御基板100の入力側(図5中、左側)には、操作手段30が電気的に接続されており、この操作手段30はベットボタン31(1ベットボタン31a及びMAXベットボタン31b)、スタートレバー32、及び、ストップボタン33(左ストップボタン33a、中ストップボタン33b、右ストップボタン33c)を有している。スタートレバー32は、図柄表示手段20として設けられたリール21a〜21cを始動させるときに操作するレバーであって、始動手段としての機能を有している。また、ストップボタン33(33a〜33c)は、回転しているリール21a〜21cの各々を停止させるときに遊技者が操作するボタンであって、停止手段としての機能を有している。また、ベットボタン31は、遊技者が貯留メダルを遊技に投入する(ベットする)ときに操作するスイッチであって、その操作によって図柄組合せラインが有効化される。なお、図4に示すメダル投入口51は、ベットボタン31と同様に、有効ラインを有効化するために遊技メダルを投入する部分であり、このメダル投入口51からの遊技メダルの投入は、ベットボタン31の操作に含まれるものである。なお、1回の遊技にベット可能な枚数を超えて遊技メダルが投入された場合には、所定の枚数の範囲内でこのスロットマシン1の内部(遊技媒体貯留手段141)に貯留されるように構成されている。また、精算ボタン34は、スロットマシン1の内部に貯留された遊技メダル及びベットされた遊技メダルを払い出すためのボタンである。
【0052】
(役抽選手段110)
役抽選手段110は、乱数値を発生させる乱数発生手段111と、この乱数発生手段111から乱数値を抽出する乱数抽出手段112と、複数の役の各々の当選確率が乱数値の取り得る範囲に対応して定義された役抽選テーブルを記憶する役抽選テーブル記憶手段114と、乱数抽出手段112により取得された乱数値及び役抽選テーブルにより役に当選したか否かを判定する乱数判定手段113と、を有して構成されている。ここで、役としては、図7に示すように、複数種類の特別役、複数種類の小役、及び、リプレイが設けられている。この役抽選手段110は、何らかの役に当選したときは、後述するフラグ情報記憶手段160に対して当選した役のフラグをオンにする。
【0053】
ここで、特別役とは、その役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に停止(入賞)すると、遊技メダルは払い出されないが、特別遊技状態(通常遊技以上に遊技メダルの獲得が期待できる、遊技者にとって有利となる特別遊技が実行される状態)に移行されるという役であり、BB(ビックボーナス)や、MB(ミドルボーナス)が設けられている。BBは、特別遊技の1つであるBB遊技(いわゆる、第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動する遊技)に移行させる役であり、MBは特別遊技の他の1つであるMB遊技(いわゆる、第二種特別役物に係る役物連続作動装置が作動する遊技)に移行させる役である。例えば、本実施形態に係るスロットマシン1においては、遊技メダルが3枚投入されて遊技が行われた場合には、図7に示す特別役1〜5の何れかに対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に停止(入賞)すると、BB遊技若しくはMB遊技に移行するように構成されている。なお、BB遊技は、一般遊技と所定小役が高確率で当選するボーナスゲームとを、遊技メダルの払出枚数が所定枚数(例えば、345枚)を超えるまで繰り返し行うことができる遊技である(若しくは、所定小役が高確率で当選するボーナスゲームを遊技メダルの払出枚数が所定枚数を超えるまで行う場合もある)。また、MB遊技は、全ての小役が、抽選が行われることなく当選した状態となり、遊技メダルの払出枚数が所定枚数(例えば、253枚)を超えるまで繰り返し行うことができる遊技である。なお、このMB遊技においては、後述するリール制御手段120は、ストップボタン33(33a〜33c)が押されたときから、少なくとも1つのリールが1コマ分以内で、リール21a〜21cの回転を停止させるよう定められている(本実施形態に係るスロットマシン1では、左リール21aが該当する)。
【0054】
また、小役とは、その図柄の組合せが有効ライン上に揃うと、予め定められた枚数の遊技メダルが払い出される役であり、小役の種類に応じて、その役に対応する図柄の組み合わせ及び払出される遊技メダルの枚数が異なるように設定されている。本実施形態に係るスロットマシン1においては、図7に示すように小役1〜小役3が設定されている。なお、小役3における「any」とは、任意の図柄を意味する。このスロットマシン1において、小役1の図柄が有効ライン上に揃うと、後述する通常遊技中に入賞したときは4枚の遊技メダルが払い出され、特別遊技中に入賞したときは8枚の遊技メダルが払い出される。また、小役2の図柄が有効ライン上に揃うと6枚の遊技メダルが払い出され、小役3の図柄が有効ライン上に揃うと2枚の遊技メダルが払い出される。さらに、リプレイとは、再遊技役であって、当該遊技で投入したメダル枚数を維持して再度遊技が行えるようにした役である。本実施形態に係るスロットマシン1においては、図4に示すようにリプレイ1〜リプレイ4が設定されている。
【0055】
(リール制御手段120)
リール制御手段120は、操作手段30のスタートレバー32及びストップボタン33が操作されたタイミングに応じて、リール21a〜21cの回転の開始及び停止の制御を行う。より具体的には、図9に示すように、リール制御手段120は、時刻t0においてスタートレバー32が操作されると、リール21a〜21cを回転させ、その後、時刻t1〜t3においてストップボタン33a〜33cが操作される毎に、後述する遊技状態制御手段180で管理されている遊技状態(例えば、通常遊技状態、特別遊技状態等)、役抽選手段110による抽選の結果、並びに、ストップボタン33(左ストップボタン33a、中ストップボタン33b、右ストップボタン33c)が操作されたタイミングに基づいて、当該操作がされたストップボタン33a〜33cに対応するリール21a〜21cの停止位置を決定すると共に、ステッピングモータの駆動を制御して、その決定した位置でリール21a〜21cの各々の回転を停止させる。
【0056】
ここで、スロットマシン1のリール表示窓11を含む部分には、図示しないが、図柄組合せラインが設けられている。この「図柄組合せライン」とは、リール21a〜21cの停止時における図柄の並びラインであって、図柄の組み合わせを形成させるラインである。本実施形態では、上述のようにリール表示窓11に表示される3×3の図柄に対して、水平方向の中段、上段及び下段にそれぞれ設けられたラインと、右下がり及び左下がりの斜め方向の各ラインの合計5本から構成されている。そして、各リール21a〜21cの上下に連続する3図柄は、それぞれ1以上の図柄組合せライン上に位置している。なお、この図柄組合せラインの構成は一例であって、本発明がこの構成に限定されることはない。
【0057】
さらに、5本の図柄組合せラインのうち、遊技者によって投入された遊技メダルの枚数に応じて、図柄組合せラインの中から、有効ラインと無効ラインとが設定される。「有効ライン」とは、本実施形態では、いずれかの役に対応する図柄の組み合わせがそのライン上に停止したときに、入賞と判定されその役に応じた利益が遊技者に付与されるラインである。一方、「無効ライン」とは、図柄組合せラインのうち、有効ラインとして設定されないラインであって、いずれかの役に対応する図柄の組み合わせがそのライン上に停止した場合であっても、その役に応じた利益の付与(遊技メダルの払い出し等)を行わないラインである。すなわち、無効ラインは、そもそも図柄の組み合わせの成立対象となっていないラインである。
【0058】
このリール制御手段120は、回転しているリール21a〜21cに対してストップボタン33a〜33cが押されると、その時点から所定の範囲内に対応するリール21a〜21cを停止するように構成されている。具体的には、ストップボタン33a〜33cの各々が押されると、対応するリール21a〜21cの回転を所定の時間Ts内で停止させるように構成されている。この時間Tsは、例えば0.19秒であって、これは、リール21a〜21cに表示されている図柄の4コマ分に相当する。すなわち、リール制御手段120は、ストップボタン33a〜33cが操作された時点で、その操作がされたストップボタン33a〜33cに対応するリール21a〜21cを、当該リールの有効ライン上に位置する図柄を含めて5図柄以内に停止させることができる。そのため、リール制御手段120は、役抽選手段110による抽選の結果、いずれの役にも当選していないときは、いずれかの役を構成する図柄が有効ライン上にあるときにストップボタン33a〜33cが押されたとしても、有効になっている図柄組合せライン(有効ライン)上にどの役の図柄の組み合わせも停止しないように、各リール21a〜21cの停止位置を定める。一方、何らかの役に当選している場合には、リール制御手段120は、上記所定の範囲内において、対応する図柄がある場合には有効になっている図柄組合せライン(有効ライン)上に当選した役の図柄の組み合わせが停止するように、各リール21a〜21cの停止位置を定める。
【0059】
また、リール制御手段120は、特別役に当選し、後述する特別役持ち越し手段170によりその特別役が持ち越されている遊技において、小役やリプレイに当選しているときは、これらの小役やリプレイを優先して有効ライン上に停止するようにリール21a〜21cの作動を制御するように構成されている。なお、このようなリール21a〜21cを停止させる際の制御は、リール制御用のテーブルを用いて行ってもよい。
【0060】
また、リール制御手段120は、前の遊技と次の遊技との間隔が所定の時間(最小遊技時間)T0以上になるようにリール21a〜21cの作動を制御するように構成されている。すなわち、図9に示すように、時刻t0においてスタートレバー32が操作されてリール21a〜21cが回転を開始したときから最小遊技時間T0が経過した後に次の遊技が開始されたとき(時刻t0から時間T0が経過した時刻t4よりも後の時刻t5において再びスタートレバー32が操作されたとき)は、そのスタートレバー32の操作に応じてリール21a〜21cの回転を開始させる(時刻t5にリール21a〜21cの回転を開始させる)。しかし、図10に示すように、最小遊技時間T0が経過する時刻t4より前の時刻t5′においてスタートレバー32が操作されたときは、リール制御手段120は、スタートレバー32が操作された時点(時刻t5′)ではリール21a〜21cの回転は開始させず、最小遊技時間T0が経過した時点(時刻t4)においてリール21a〜21cの回転を開始させる。なお、この最小遊技時間T0としては、例えば、4.1秒が設定される。
【0061】
ここで、上述した小役1は、6つの小役1A〜小役1Fから構成されている。この小役1A〜1Fは、その図柄の組合せはすべて共通であるが、3つのストップボタン33a〜33cの押し順により、図柄の組合せの停止位置が異なるように設定されている。図11(a)に示すように、例えば小役1A当選時には、リール制御手段120は、ストップボタン33の押し順が「左中右」であるときは、有効ライン上にベルの図柄が表示されるようにリール33の停止制御を行い(図11(a)の「○」印)、それ以外の押し順では、有効ライン上にベルの図柄が停止しないように制御を行う(図11(a)の「×」印)。小役1B〜小役1Fについても同様である。
【0062】
また、リプレイ2(2A〜2F)、リプレイ3(3A〜3F)及びリプレイ4(4A〜4F)も、それぞれの図柄の組合せは共通であるが、ストップボタン33の押し順により、図柄の組合せが有効ライン上に揃うか揃わないかが制御されるように構成されている。例えば、図11(b)に示すように、リプレイ2A当選時には、リール制御手段120は、ストップボタン33の押し順が、「左中右」であるときは、有効ライン上にリプレイ2の図柄の組合せが停止するように制御を行い(図11(a)の「○」印)、それ以外の押し順では、リプレイ2の図柄の組合せが有効ライン上に揃わないように制御を行う(図11(b)の「×」印)。
【0063】
また、図12には、後述する各遊技状態における役の当選確率も示している。ここで、特別役はBB及びMB毎の合算の当選確率を示している。また、各役に示される「−」は、その遊技状態では当該役の抽選は行われないことを示している。なお、MBが当選して入賞したときの特別遊技状態においては、役の抽選は行われず、全ての小役が当選した状態で遊技が行われる。さらに、どの役にも当選しない確率(いわゆる「ハズレ
」の場合の確率)は、特別役、小役及びリプレイ(再遊技役)の当選確率の合計を1から引いた確率である。
【0064】
また、この図12において、例えば「リプレイ1+リプレイ2A」は、「リプレイ1」と「リプレイ2A」が同時に当選するように構成されていることを示している。ここで、上述したように、リール制御手段120は、ストップボタン33a〜33cの各々が操作されると、対応するリール21a〜21cを、その操作がされたときに有効ライン上に位置する図柄を含めて5図柄以内に停止するように構成されている。図6に示すように、本実施形態に係るスロットマシン1では、リール21a〜21cの何れにおいても、リプレイの図柄は、互いの間隔が5コマ以内になるように配置されている。そのため、リール21a〜21cの各々がどのような回転位置にあったとしても、ストップボタン33a〜33cの操作がされると、リール制御手段120は、有効ライン上にリプレイの図柄を引き込むことができる。同様に、リール制御手段120は、リール21a〜21cのベルの図柄もストップボタン33a〜33cの操作タイミングに関わらず、有効ライン上に引き込むことができる。また、右リール21cのチェリーの図柄も同様である。そのため、これらの図柄で構成されたリプレイ1〜4が当選すると、リール制御手段120は、これらの図柄の組合せを有効ライン上に揃えるように制御する。なお、リール制御手段120は、押し順が設定されたリプレイの図柄の組合せを優先して有効ライン上に揃えるように制御を行う。すなわち、リール制御手段120は、「リプレイ1+リプレイ2A」が当選したときは、ストップボタン33a〜33cの押し順が「左右中」のときはリプレイ2Aの図柄の組合せが有効ライン上に揃うように制御を行い、それ以外の押し順の時はリプレイ1の図柄の組合せが有効ライン上に揃うように制御を行う。また、「リプレイ1+リプレイ3A+リプレイ4A」が当選したときは、リール制御手段120は、ストップボタン33a〜33cの押し順が「左中右」のときはリプレイ3Aの図柄の組合せが有効ライン上に揃うように制御を行い、「中左右」、「中右左」、「右左中」及び「右中左」のときはリプレイ4Aの図柄の組合せが有効ライン上に揃うように制御を行い、それ以外の押し順(「左右中」)のときはリプレイ1の図柄の組合せが有効ライン上に揃うように制御を行う。
【0065】
(停止図柄判定手段130)
停止図柄判定手段130は、リール21a〜21cの全てが停止したときに、上述の有効ライン上のいずれかに役の図柄の組み合わせが並んでいるか否かを判定し、並んでいるものがあれば当該遊技でその役が成立した(入賞した)と判定する。このとき、停止図柄判定手段130は、リール位置検出手段23a〜23cを用いて、例えばステッピングモータの停止時の角度やステップ数等を検知することにより、有効ライン上に位置する図柄を判定し、これに基づいて、役の成立(入賞)の有無を判定する。なお、リール21a〜21cを停止させる際の制御にテーブルを用いている場合には、リール21a〜21cが実際に停止してから停止図柄判定手段130が図柄の組み合わせを判定するのではなく、リール制御手段120によってテーブルを用いてリール21a〜21cの停止位置が定められた時に、有効ライン上に停止する図柄の組み合わせを判定するようにしてもよい。
【0066】
(払出し制御手段140)
払出し制御手段140は、停止図柄判定手段130による判定の結果、成立(入賞)している役(本実施形態に係るスロットマシンにおいては小役1〜3)に応じたメダルの払出しを行う。ここで、本実施形態に係るスロットマシン1においては、払出し制御手段140に設けられた遊技媒体貯留手段141により、内部に所定の枚数(例えば50枚)の遊技メダルを貯留することができる(以下、このスロットマシン1の内部に貯留されている遊技メダルを「クレジット」と呼ぶ)。メダル投入口51から最大のベット数(本実施の形態では3枚)以上の遊技メダルが投入されるか、若しくは、遊技メダルが払い出される役に入賞すると、払出し制御手段140は、その遊技メダルを遊技媒体貯留手段141に記憶(内部に貯留)する。なお、貯留されている遊技メダル(クレジット)の枚数が所定の枚数(上述の場合50枚)を超えると、払出し制御手段140は、超えた枚数の遊技メダルの払出しを、ホッパー装置50に行わせるように構成されている。また、払出し制御手段140は、精算ボタン34が操作されると、ベットされている遊技メダル及び貯留されている遊技メダル(クレジット)の払出しを、ホッパー装置50に行わせるように構成されている。このとき、ベットされている遊技メダル及び遊技媒体貯留手段141の貯留数は0になる。
【0067】
(設定値設定手段150)
設定値設定手段150は、図示しない設定スイッチの操作により、本実施形態に係るスロットマシン1における役の抽選や払い出しに関する設定等を行うものである。例えば、1〜6までの6段階の設定値を設定することができ、役抽選手段110は、当該設定値に応じて役の当選確率を変化させ、これにより、払い出される遊技メダルの出玉率(払出し率)を変化させるように構成されている。
【0068】
(フラグ情報記憶手段160)
フラグ情報記憶手段160は、役抽選手段110によって何らかの役に対するフラグがオンになった場合に、当選した役の種類及びそのフラグがオンになったことを記憶する。なお、後述のように、フラグ情報記憶手段160に記憶されている情報が消去されるタイミング(当選フラグがオフとなるタイミング)は、特別役とそれ以外の役とで異なっている。すなわち、特別役の場合、フラグ情報記憶手段160に記憶されている情報は、特別遊技の図柄が有効ライン上に揃ったことを条件として消去され、特別役の図柄が有効ライン上に揃わなければ次遊技以降まで持ち越されるのに対し、それ以外の役の場合には、その役に対する図柄が有効ライン上に揃うか否かに関わらず、当該遊技の終了の際に消去され、次遊技まで持ち越されることはない。
【0069】
(特別役持ち越し手段170)
特別役持ち越し手段170は、役抽選手段110により特別役に当選し、フラグ情報記憶手段160に、この特別役に対するフラグが立てられると、当選した特別役の図柄が有効ライン上に揃うまで、その当選役を持ち越し(フラグが立てられた状態を維持し)、特別役の図柄が有効ライン上に揃うと特別役の持ち越しを終了する(フラグが下げられる)。なお、その他の役は、当選した遊技で図柄を揃えるか揃えないかに関わらず、フラグは下げられる(次遊技に持ち越すことはできない)。
【0070】
(遊技状態制御手段180)
遊技状態制御手段180は、このスロットマシン1における遊技状態を制御するものであり、通常遊技制御手段181、特別遊技制御手段182、及び、再遊技確率変動遊技制御手段183を有して構成される。図13に示すように、このスロットマシン1の電源が投入されたときやリセットされたとき(「RAMクリア」とも呼ばれる)のような初期状態において、遊技状態制御手段180は、通常遊技制御手段181を実行し、このスロットマシン1は、通常遊技状態(非内部中)RT0になる。ここで、「非内部中」とは、電源投入やRAMクリア時のように特別役に当選していない状態のことを指す。
【0071】
そして、この通常遊技状態RT0において、役抽選手段110により小役1A〜1Fのいずれかに当選し、当選した役に対応する押し順以外の操作がされると、小役1A〜1Fの図柄の組合せが有効ライン上に揃わない状態、言い換えると、操作が一致しなかったときの図画の組合せ(これを「ベルこぼし目」と呼ぶ)が有効ライン上に揃うと、遊技状態制御手段180は、再遊技確率変動遊技制御手段183を起動し、このスロットマシン1は、第1再遊技確率変動遊技状態RT1になる。再遊技確率変動遊技とは、リプレイ(再遊技役)の当選確率が通常遊技状態RT0とは異なるように構成された遊技である。図11に示すように、本実施形態に係るスロットマシン1では、通常遊技状態RT0のときも、第1再遊技確率変更遊技状態RT1のときも、リプレイ(リプレイ1及びリプレイ1+リプレイ2A〜2F)の当選確率はほぼ同じである。
【0072】
このスロットマシン1においては、再遊技確率変動遊技制御手段183は、図13に示すように、リプレイの当選確率が異なる4つの遊技状態を有している。この図13に示すように、第1再遊技確率変動遊技状態RT1のときに、リプレイ2A〜2Fの図柄の組合せが有効ライン上に揃うと、再遊技確率変動遊技制御手段183は、遊技状態を第2再遊技確率変動遊技状態RT2に移行させる。また、第2再遊技確率変動遊技状態RT2のときに、リプレイ3A〜3Fの図柄の組合せが有効ライン上に揃うと、再遊技確率変動遊技制御手段183は、遊技状態を第3再遊技確率変動遊技状態RT3に移行させ、リプレイ4A〜4Fの図柄の組合せが有効ライン上に揃うと、第1再遊技確率変動状態RT1に移行させる。また、第2及び第3再遊技確率変動遊技状態RT2,RT3において、上述のベルこぼし目が有効ライン上に揃うと、再遊技確率変動遊技制御手段183は、遊技状態を第1再遊技確率変動遊技状態RT1に移行させる。なお、第2及び第3再遊技確率変動遊技状態RT2,RT3のように、リプレイ(再遊技役)の当選確率が通常遊技状態よりも高く設定されている遊技状態を「リプレイタイム(RT)」とも呼ぶ。
【0073】
一方、通常遊技状態RT0及び第1〜第3再遊技確率変動遊技状態RT1〜RT3において、役抽選手段110により特別役に当選すると、ボーナス内部中状態RT4に移行する。ここで、「内部中」とは、特別役に当選はしているが、有効ライン上にこの特別役に対応する図柄を揃えていない状態のことである。本実施形態に係るスロットマシン1の遊技状態制御手段180においては、再遊技確率変動遊技制御手段182が実行される。なお、ボーナス内部中状態RT4に移行すると、特別役持ち越し手段170により、当選した特別役の図柄が有効ライン上に揃うまで当選役が持ち越される(すなわち、ボーナス内部中状態RT4が継続される)。
【0074】
ボーナス内部中状態RT4において、有効ライン上に当選した特別役に対応する図柄を揃えると、遊技状態制御手段180は特別遊技制御手段182を実行し(作動させ)、このスロットマシン1は、特別遊技状態Bになる。特別遊技状態Bに移行すると、所定の終了条件を満たすまで通常遊技以上の遊技メダルの獲得を期待できる遊技者にとって有利な遊技(特別遊技)が実行される。ここで、所定の終了条件とは、例えば、その特別遊技状態において、遊技者に対して所定の枚数以上の遊技メダルが払い出された場合である。この特別遊技状態Bにおいて所定の終了条件が満たされると、特別遊技制御手段182の作動が終了し、通常遊技制御手段181が実行されて通常遊技状態RT0に移行する。
【0075】
なお、いずれの遊技状態においても、小役に当選して対応する図柄を有効ライン上に揃える(入賞する)と払出し制御手段140により所定の枚数の遊技メダルが払い出され(若しくは貯留され)、リプレイ(再遊技役)に当選して対応する図柄を有効ライン上に揃えると再遊技が実行されるように構成されている。また、以上の遊技状態の説明は一例であり、本発明がこの遊技状態の遷移に限定されることはない。
【0076】
(サブ制御基板200)
このようなスロットマシン1においては、遊技の結果に外部からの影響を加えることができないように、遊技を制御するメイン制御基板100とその遊技に対する演出を制御するサブ制御基板200とは分離して構成されている。そのため、メイン制御基板100は、サブ制御基板200で実行される演出を制御するために、上述の当選結果や遊技状態等の遊技に関する情報(制御状態)を含む制御コマンドをサブ制御基板200に送信するように構成されており、サブ制御基板200の演出制御基板300は、この制御コマンドを受信してその演出の態様を決定し、演出手段40を構成する画像表示装置41、各種演出用ランプ42、及び、放音部(スピーカー)43により映像、光及び音響効果を用いて演出を行うように構成されている。
【0077】
このサブ制御基板200において演出制御基板300と画像音響生成基板400は、図8に示すように、バス210に接続されている。演出制御基板300には、サブCPU310、乱数発生器320、RAM330、ROM340及びI/F回路350が設けられており、これらはバス210に接続されている。一方、画像音響生成基板400には、上述のバス210に接続された画像制御IC410及び音源IC440が設けられている。さらに、画像制御IC410には、ビデオRAM420及び画像ROM430と、画像表示装置41が接続されている。また、音源IC440には音源ROM450及びアンプ460が接続され、アンプ460には上部及び下部スピーカー43(43a,43b)が接続されている。また、バス210には、上述の各種演出用ランプ42(42a,42b)も接続されてその点灯・消灯動作が演出制御基板300により制御される。さらにバス210には、サブ制御基板200で実行される演出に対して遊技者からの指示を与えるためのサブ入力手段44が設けられている。このサブ入力手段44は、例えば、ボタンと、方向キーから構成されており、例えば、図4に示すように、ストップボタン33a〜33cの上方に配置されている。
【0078】
サブCPU310は、ROM340に記録された演出用制御プログラムをRAM330に展開して実行し、画像音響生成基板400に設けられた画像制御IC410及び音源IC440を制御して、画像表示装置41やスピーカー43(43a,43b)を用いて映像や音響効果による遊技の演出を行うように構成されている。なお、画像表示装置41に表示される映像は、画像制御IC410が、画像ROM430に記憶された画像情報をビデオRAM420に展開して実行することにより表示され、また、スピーカー43(43a,43b)から出力される音響効果(音楽、音声、効果音等)は、音源IC440が音源ROM450から取り出した音響情報から再生され、アンプ460を介してスピーカー43(43a,43b)から出力される。
【0079】
なお、このサブCPU310で実行される演出は、上述のように、メイン制御基板100から送信される制御コマンドを、サブCPU310がI/F回路350を介して受信し、この制御コマンドに応じて決定・制御されるが、この演出の態様(パターン)の一部は、演出制御基板300に設けられた乱数発生器320で発生された乱数値を用いて決定されるように構成されている。
【0080】
(メイン制御基板100での処理)
次に、図14〜図17を合わせて用いてメイン制御基板100で制御される各遊技における処理について説明する。ここで、図14は遊技開始時に遊技者がベット操作及びスタートレバー操作をするまでの処理の流れを示し、図15はリールの回転から停止までの処理の流れを示し、図16はリール停止後の処理の流れを示し、図17は、1回の遊技において、メイン制御基板100からサブ制御基板200の演出制御基板300に送信される制御コマンドの流れの一例を示している。なお、以降の説明において、メイン制御基板100のメインCPU101で実行される遊技用制御プログラムによる機能を「メイン制御手段」と呼ぶ。
【0081】
遊技が開始されると、メイン制御手段は、遊技状態制御手段180により、遊技状態を管理する(ステップS600)。すなわち、現在の遊技状態が特別遊技状態B若しくは再遊技確率変動遊技状態RT1で、前の遊技において特別遊技の終了条件若しくは再遊技確率変動遊技の終了条件を満たしていれば通常遊技状態RT0に移行し、現在の遊技状態が通常遊技状態RT0で、前の遊技において再遊技確率変動遊技状態RT1への移行条件を満たしていれば再遊技確率変動遊技状態RT1に移行する。そして、メイン制御手段は、遊技の実行が可能になると、現在の遊技状態及び遊技メダルの受付(ベット)が可能になったことを示す遊技状態コマンドC500をサブ制御基板200に送信する(ステップS601)。
【0082】
遊技の開始時には、遊技者は、メダル投入ロ51から遊技メダルを投入するか、若しくは、ベットボタン31(1ベットボタン31a又はMAXベットボタン31b)を操作して遊技者の望む遊技メダルの数のベットを行う。メイン制御手段は、このベット操作が行われることを監視し(ステップS602)、ベット操作が行われると、メダル投入口51から投入された遊技メダルの枚数か若しくはベットボタン31の操作によりベットされた遊技メダルの枚数等の情報を含むベット情報をベットコマンドC501としてサブ制御基板200に送信する(ステップS603)。なお、前の遊技でリプレイ(再遊技役)の図柄が有効ライン上に揃ったときは、遊技メダルが自動投入されたことを示すベットコマンドC501が送信される。
【0083】
さらに、メイン制御手段は、遊技者によりスタートレバー32が操作されたか否かを監視する(ステップS604)。そして、スタートレバー32が操作されると、役抽選手段110により役の抽選を行う(ステップS605)。この役抽選手段110による役の抽選が行われると、メイン制御手段は、スタートレバー32が操作された情報をスタートレバー受付コマンドC502としてサブ制御基板200に送信し(ステップS606)、また、例えば、スタートレバー32が操作されたときに、所定時間だけリール21a〜21cの少なくとも一部の回転開始を遅らせる制御(フリーズ制御)が行われる場合には、メイン制御手段はサブ制御基板200に対して待機演出コマンドC503を送信し(ステップS607)、さらに、役の抽選結果である当選情報を含み演出態様の決定を指示するための条件装置状態番号コマンドC504をサブ制御基板200に送信する(ステップS608)。
【0084】
続いて、メイン制御手段は、リール制御手段120により、リール駆動手段22a〜22cを駆動制御して、すべてのリール21a〜21cを回転させるように制御するが、まず、前の遊技の開始(リール21a〜21cの回転開始)から最小遊技時間が経過しているかを監視し(ステップS609)、最小遊技時間を経過しているときはこの最小遊技時間のカウントを0にセットして再度計時を開始する(ステップS610)とともに、全てのリール21a〜21cを回転させる(ステップS611)。なお、このステップS611においてリール制御手段120は、各リール21a〜21cの回転を開始させると、第1〜第3回胴回転開始コマンドC505〜C507をサブ制御基板200に送信する。ここで、3つのリール21a〜21cのうち、左リール21aの回転が開始すると第1回胴回転開始コマンドC505が送信され、中リール21bの回転が開始すると第2回胴回転開始コマンドC506が送信され、右リール21cの回転が開始されると第3回胴回転開始コマンドC507が送信される。そのため、第1〜第3回胴回転開始コマンドC505〜C507は、必ずしも図17に示される順番で送信されるわけではない。このようにして、リール21a〜21cがリール駆動手段22a〜22cによって回転されることで、リール21a〜21c上の図柄は、所定の速度でリール表示窓11内において上下方向に変動表示される。
【0085】
遊技者が、各ストップボタン33a〜33cを操作すると、そのときに発生する操作信号がメイン制御基板100に入力される。リール21a〜21cが変動表示されている状態で、メイン制御手段は、遊技者のストップボタン33a〜33cに対する停止操作によりこの操作信号が入力されるのを監視し(ステップS612)、この操作信号を受信すると、リール制御手段120により、役の抽選結果とストップボタン33a〜33cが操作されたときのリール21a〜21c上の図柄の位置(受付位置)により、一意の停止位置を決め、ストップボタン33a〜33cに対応するリール駆動手段22a〜22cを駆動制御することにより、そのリール駆動手段22a〜22cに係るリール21a〜21cの停止制御を行う(ステップS613)。ここで、回転する3つのリール21a〜21cに対する停止操作のうち、3つのストップボタン33a〜33cがどの順序で操作されたとしても、最初の操作を第1停止と呼び、次の操作を第2停止と呼び、最後の操作を第3停止と呼ぶ。また、メイン制御手段は、3つのストップボタン33a〜33cが遊技者により押されて、対応するリール21a〜21cの回転が停止される毎に、ストップボタン33a〜33cの操作情報として、第1停止受付コマンドC508及び回胴回転停止コマンドC509、第2停止受付コマンドC510及び回胴回転停止コマンドC511、並びに、第3停止受付コマンドC512及び回胴回転停止コマンドC513をサブ制御手段に送信する(ステップS614)。これらの制御コマンドのうち、第1〜第3停止受付コマンドC508,C510,C512は、ストップボタン33a〜33cの操作を受け付けたことを示すコマンドであり、また、(第1〜第3)回胴回転停止コマンドC509,C511,C513は、リール21a〜21cが停止したこと示すコマンドである。また、このストップボタン33a〜33cの操作情報には、中段に停止した図柄の情報(停止位置)や、ストップボタン33a〜33cが押されたときのリール21a〜21c各々の位置の情報であって、リール表示窓11の中段にある図柄に関する情報(図柄受付位置情報)も含まれる。このステップS612〜S614の処理は、全てのリール21a〜21cの回転が停止するまで繰り返される(ステップS615)。
【0086】
次に、メイン制御手段は、停止図柄判定手段130により、有効ライン上にいずれかの役(抽選により当選した役)に対応する図柄が停止したか否かを判定し(ステップS616)、リール21a〜21cに停止した図柄に応じた演出の開始を指示するための、表示されている図柄の組み合わせに関する情報を示す作動図柄表示コマンドC514をサブ制御基板200に送信する(ステップS617)。この作動図柄表示コマンドC514は、例えば、特別役や再遊技役の図柄が有効ライン上に揃った場合に、対応する演出の実行をサブ制御基板200に指示するためのコマンドであり、図柄に応じた演出が無い場合も送信される。また、メイン制御手段は、遊技メダルの払出しが開始されたことを示す情報をメダル払出開始コマンドC515としてサブ制御基板200に送信する(ステップS618)。このメダル払出開始コマンドC515には、払出されるメダルの枚数が設定されており、遊技メダルが払出される小役以外の図柄が有効ライン上に揃っているときは0枚が設定される。そして、以上の判定の結果、有効ライン上に特別役に対応する図柄(ボーナス図柄)が表示されていると判定したときは(ステップS619)、メイン制御手段は、遊技状態制御手段180により特別遊技制御手段182を実行し、特別遊技状態B(上述の場合、BB遊技若しくはMB遊技)に移行する(ステップS620)。また、有効ライン上にボーナス図柄が揃っていない場合に、小役1〜3に対応する図柄(小役図柄)が揃っている(入賞している)と判定したときは(ステップS621)、メイン制御手段は、払出し制御手段140により入賞した小役に対応する遊技メダルの払い出しを行い(ステップS622)、遊技メダルの払出しが終了するとメダル払出終了コマンドC516をサブ制御基板200に送信する(ステップS623)。さらに、有効ライン上に小役図柄が揃っていない場合に、有効ライン上にリプレイ(再遊技役)に対応する図柄(リプレイ図柄)が揃っていると判定したときは(ステップS624)、メイン制御手段は、再遊技を実行する制御を行う(ステップS625)。こうして、一回の遊技に対する処理が終了すると、メイン制御手段はその情報を作動終了コマンドC517としてサブ制御基板200に送信する(ステップS626)。
【0087】
なお、図17には図示していないが、このスロットマシン1においてエラーが発生したことをメイン制御基板100が検知すると、サブ制御基板200に対してエラー通知コマンドが送信される。例えば、前扉3が開放されたことを検知すると、その旨を通知する制御コマンドとしてエラー通知コマンドがサブ制御基板200に対して送信される。また、エラー状態から正常な状態に復帰したことを検知すると、その旨を通知する制御コマンドとしてエラー解除コマンドがサブ制御基板200に対して送信される。例えば、前扉3が閉じられるとその旨を通知するエラー解除コマンドが送信される。また、メイン制御基板100は、ホッパー装置50において、遊技メダルが詰まったり、払い出す遊技メダルが無いために、遊技メダルの払出しに所定の時間以上を要していることを検知すると、このホッパー装置50に異常がある旨を通知するエラー通知コマンドをサブ制御基板200に送信し、異常状態が解除されてエラー前の状態に戻ると、その旨を通知するエラー解除コマンドが送信される。また、遊技中に何らかの理由により電源が切断された場合には、再度電源が投入されたときに、その旨を通知するエラー解除コマンドがサブ制御基板200に対して送信される。
【0088】
(演出制御基板300による演出)
上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1において、サブ制御基板200を構成する演出制御基板300は、メイン制御基板100で制御されている遊技に応じて画像表示装置41、演出用ランプ42及びスピーカー43を用いて各種演出を実行するように構成されている。また、この演出制御基板300は、遊技の進行又はこの遊技に対応して行われる演出の実行状況に応じて、遊技中に発生する様々な事象(イベント)を、遊技者に対してこの遊技者が達成すべき遊技目的として与え、その達成状況を管理するように構成されている。さらに、この演出制御基板300は、遊技者の意思により、その演出の一部の設定が変更可能に(カスタマイズ可能に)構成されている。以下に、このように構成された演出制御基板300の構成について図18〜図21を用いて説明する。ここで、図18は遊技目的達成遊技を実行するための、演出制御基板300における処理の構成を示す説明図であり、図19はメニュー画面の一例を示す説明図であり、図20は遊技関連情報記憶部814に記憶されるデータのデータ構造を示す説明図であり、図21は達成状態情報記憶手段311に記憶されるデータのデータ構造を示す説明図である。
【0089】
(演出制御手段311)
図18に示すように、演出制御基板300のサブCPU310にはROM340から読み込まれたプログラムである演出制御手段(サブ制御手段)311が実行されている。また、RAM330には、達成状態情報を記憶する達成状態情報記憶手段331、演出の設定を変更するための設定変更情報を記憶する設定変更情報記憶手段332、演出を抽選で決めるための抽選テーブルが記憶された演出抽選テーブル記憶手段333、及び、演出のための演出パターンを記憶する演出パターン記憶手段334が設けられている。また、演出制御手段311は、さらに、メニュー手段312、会員登録案内手段313、第1遊技開始手段314、第2遊技開始手段315、達成状態情報更新手段316、達成状態情報出力手段317、演出決定手段318、及び、演出実行手段319から構成される。
【0090】
(メニュー手段312)
演出制御手段311は、遊技待機中、すなわち、一回の遊技が終了して次遊技の開始が可能になったときから(図17の遊技状態コマンドC500を受信したときから)、次の遊技が開始するまで(例えば、ベットコマンドC501を受信するまで)の間に、サブ入力手段44のボタンが操作されたことを検出すると、メニュー手段312により、画像表示装置41に図19に示すようなメニュー画面G1を表示させる。このメニュー画面G1には、複数の選択肢(例えば、「会員登録G1a」、「第1遊技開始G1b」、「第2遊技開始G1c」、「2次元コード発行G1d」、「データクリアG1e」、「終了G1f」)が表示されており、表示された時点では、例えば、最も上部に位置する選択肢が強調されて表示されている(色が他の選択肢と異なる場合や、枠の線が太く表示されている)。また、メニュー手段312は、このメニュー画面G1を画像表示装置41に表示している状態で、サブ入力手段44の方向キー(例えば、上下方向のキー)が操作されると、それに応じて選択肢の強調表示を移動させるように構成されている。さらにこの状態でサブ入力手段44のボタンが操作されると、強調されている選択肢に応じた処理が実行されるように構成されている。例えば、図19において、「終了G1f」が強調表示されているときにサブ入力手段44のボタンが操作されると、このメニュー画面G1が画像表示装置41から消去され、メニュー手段312が終了する。
【0091】
なお、演出制御手段311は、演出実行手段319により、複数の遊技に亘って連続して実行される演出(例えば、連続演出や復活演出)が実行されているとき、または、次遊技において実行される可能性があるときは、サブ入力手段44が操作されたとしても、メニュー手段312を起動しないように構成されている(すなわち、メニュー画面G1は表示されない)。また、本実施形態に係るスロットマシン1においては、前の遊技でリプレイ(再遊技役)の図柄が有効ライン上に揃うと、遊技メダルが自動投入されたことを示すベットコマンドC501が送信されるため、遊技待機中にはならず、サブ入力手段44のボタンが操作されたとしてもメニュー手段312は起動されない。また、サブ入力手段44は、演出制御手段311で実行される演出により利用される場合がある。例えば、所定の演出を実行中にサブ入力手段44が操作されると、その操作のタイミングや操作回数により演出の内容を変化させる場合である。そのため、演出制御手段311は、このようなサブ入力手段44を利用した演出が実行されているときも、サブ入力手段44が操作に対してメニュー手段312を起動しないように構成されている。
【0092】
(会員登録案内手段313)
メニュー画面G1が表示されているときに、「会員登録G1a」が選択されると、演出制御手段311は、会員登録案内手段313を実行する。この会員登録案内手段313は、携帯端末機710から遊技機サーバ810の会員情報登録手段8112にアクセスするためのネットワーク上の位置情報(以下、URL(Uniform Resource Locater)として説明する)を含む2次元コードを生成し、この2次元コードを画像表示装置41に表示するように構成されている。本実施形態に係る遊技機システム900においては、遊技者毎の達成状態情報を、携帯端末機710を介して遊技機サーバ810で管理するように構成されている。そのため、遊技者は、遊技機サーバ810に会員登録をする必要がある。会員登録を希望する遊技者は、画像表示装置41に表示されている2次元コードを携帯端末機710で読み込んで遊技機サーバ810にアクセスすることにより、達成状態情報を遊技機サーバ810で管理するための会員登録を行うことができる。
【0093】
ここで、遊技機サーバ810の遊技関連情報記憶部814で管理される情報について図20を用いて説明する。図20(a)は、遊技機サーバ810の遊技関連情報記憶部814で会員の遊技目的の達成状態に関する情報を管理するためのテーブル(状態管理テーブル8141)を示している。この状態管理テーブル8141は、会員(会員の有する携帯端末機710)を識別するための情報である加入者識別情報を記憶する加入者識別情報カラム8141a、遊技目的の達成状態に応じて設定される遊技者のレベル(遊技レベル)を記憶するレベルカラム8141b、遊技目的ごとに達成したか否かを記憶する達成状態情報カラム8141c、及び、設定変更情報を記憶する設定変更情報カラム8141dを有して構成されている。遊技機サーバ810の会員情報登録手段811は、会員登録を行うと、会員情報記憶部813への会員情報の記憶と同時に、状態管理テーブル8141に加入者識別情報をキーとして会員の遊技に関する情報を登録する。
【0094】
また、図20(b)は、スロットマシン1で遊技目的達成遊技が実行されていることを管理するテーブル(遊技管理テーブル8142)を示している。この遊技管理テーブル8142は、遊技を行っている会員(会員の有する携帯端末機710)の加入者識別情報を記憶する加入者識別情報カラム8142a、現在実行されている遊技目的達成遊技が第1遊技開始手段314により開始されたのか、第2の遊技開始手段315により開始されたのかを管理する遊技タイプカラム8142b、及び、チェックコードを管理するチェックコードカラム8142cから構成される。これらの情報は、遊技を開始するときに携帯端末機710からの要求により起動される遊技開始情報登録手段8114若しくはパスワード発行手段8115により設定され、遊技を終了するときに携帯端末機710からの要求により起動される達成状態情報登録手段8116によりクリアされる。具体的には、遊技者が第1遊技開始手段314を選択するときは、携帯端末機710からの要求によりパスワード発行手段8115が起動されるため、このパスワード発行手段8115により、遊技タイプカラム8142bに第1遊技開始手段を示す「1」が設定され、また、発行したチェックコードがチェックコードカラム8142cに設定される。一方、遊技者が第2遊技開始手段315を選択したときは、携帯端末機710からの要求により遊技開始情報登録手段8114が起動されるため、この遊技開始情報登録手段8114により、遊技タイプカラム8142bに第2遊技開始手段を示す「2」が設定され、また、後述する第2遊技開始手段315により発行されたチェックコードがチェックコードカラム8142cに設定される。
【0095】
また、図20(c)は、スロットマシン1の第2遊技開始手段315により発行されたチェックコードを管理するためのテーブル(チェックコード管理テーブル8143)を示している。このチェックコード管理テーブル8143は、スロットマシン1の第2遊技開始手段315で発行される範囲のチェックコードの全てが設定されたチェックコードカラム8143aと、それらのチェックコードのうち、どのチェックコードが遊技管理テーブル8142のチェックコードカラム8142cに設定されたのかを管理するフラグカラム8143bとから構成される。遊技開始情報登録手段8114は、遊技管理テーブル8142のチェックコードカラム8142cにチェックコードを登録するときに、チェックコード管理テーブル8143の対応するチェックコードのフラグカラム8143bに「1」を設定するように構成されている。このように、スロットマシン1の第2遊技開始手段315で発行されたチェックコードをチェックコード管理テーブル8143で管理することにより、使用されているチェックコードの確認を短時間で且つ簡単な処理で行うことができる。
【0096】
(第1遊技開始手段314)
上述のように、本実施形態に係る遊技機システム900では、遊技者毎の達成状態情報を遊技機サーバ810で管理している。そのため、遊技者が、過去にスロットマシン1で遊技を行った状態から遊技目的を達成する遊技を再開するためには、まず、遊技機サーバ810で管理されている達成状態情報を当該スロットマシン1に入力しなければならない。そのため、このスロットマシン1では、上述の会員登録後、若しくは、後述するように遊技機サーバ810に達成状態情報を登録した後に携帯端末機710から遊技機サーバ810に要求して表示されるパスワードを入力することで、達成状態情報を入力するように構成されている。
【0097】
メニュー画面G1が表示されているときに、「第1遊技開始G1b」が選択されると、演出制御手段311は第1遊技開始手段314を実行する。この第1遊技開始手段314は、まず、画像表示装置41にパスワードの入力画面を表示し、遊技者にパスワードの入力を促す。パスワードの入力方法としては、例えば、パスワードに使用される文字を画像表示装置41に表示し、サブ入力手段44のボタン及び方向キーで選択させて入力させる。そして、第1遊技開始手段314は、パスワードが入力されると、このパスワードを復号し、復号された情報を達成状態情報記憶手段331に記憶する。
【0098】
図21は達成状態情報記憶手段331に記憶されている達成状態情報の一例を示している。ここで、遊技タイプ331aは、遊技目的達成遊技のタイプ、すなわち、第1遊技開始手段314によりパスワードが入力されて遊技が開始されたのか、後述する第2遊技開始手段315によりパスワードの入力をせずに遊技が開始されたのかを識別するための情報が記憶される領域である。この図21では、第1遊技開始手段314により遊技目的達成遊技が開始されているので「1」が設定されている場合を示している(第2遊技開始手段315により遊技目的達成遊技が開始されたときは、たとえば「2」が設定される)。また、チェックコードカラム331bは、パスワードに含まれるチェックコードが記憶される領域であり、このチェックコードは遊技機サーバ810のパスワード発行手段8115により付与される。また、レベルカラム331cは、遊技者の現在の遊技レベルを示しており、遊技目的の達成状況に応じてレベルが上がるように構成されている。この遊技レベルは後述する達成状態情報更新手段316により更新される。さらに、達成状態カラム331dは、複数の遊技目的により構成されており、未達成の遊技目的は「0」が設定され、達成した遊技目的は「1」が設定される(すなわち、達成された場合に「1」がセットされるフラグである)。この達成状態カラム331dも達成状態情報更新手段316により更新される。なお、図21(a)は会員登録直後の状態を示しているため、レベルカラム331cには「1」が設定され、達成状態カラム331dの全ての遊技目的には「0」が設定されている。
【0099】
以上のように、遊技者によりスロットマシン1に対してパスワードが入力されることにより、遊技機サーバ810に記憶されている達成状態情報をこのスロットマシン1に設定した上で、遊技目的を達成するための遊技が開始するように構成されている。すなわち、前回行った遊技目的達成遊技を継続して行うことができる。
【0100】
なお、携帯端末機710を介して遊技機サーバ810の演出設定変更手段8117にアクセスすることにより、遊技者は演出の一部の設定を変更することが可能である(例えば、特別遊技時に流れる音楽を変更したり、画像の背景を変更したりすることができる)。この演出の設定変更情報も、上述のパスワードに含まれており、第1遊技開始手段314は、演出の設定変更情報が含まれている場合には、その情報を設定変更情報記憶手段332に設定するように構成されている。
【0101】
(第2遊技開始手段315)
第2遊技開始手段315は、遊技機サーバ810で発行されるパスワードをこのスロットマシン1で入力する操作を省略して遊技目的達成遊技を行うための処理である。メニュー画面G1が表示されているときに、「第2遊技開始G1c」が選択されると、演出制御手段311は第2遊技開始手段315を実行する。この第2遊技開始手段315は、まず、チェックコードを生成する。チェックコードの生成方法としては、例えば、内部で所定の範囲の乱数値を発生させてこの乱数値を取り出してチェックコードとする方法がある。そして、このチェックコードを暗号化し、この暗号化された情報を含む遊技機サーバ810の遊技開始情報登録手段8114を実行させるための位置情報(URL)を生成し、さらにこの位置情報(URL)の2次元コードを生成して画像表示装置41に表示させる。遊技者は、遊技者が所有する携帯端末機710の撮像部718によりこの2次元コードを読み取り、遊技機サーバ810にアクセスすることにより、第2遊技開始手段315により遊技目的達成遊技を開始した情報及び第2遊技開始手段315により発行されたチェックコードを遊技機サーバ810に登録することができる。また、第2遊技開始手段315は、達成状態情報記憶手段331の遊技タイプカラム331aに、第2遊技開始手段を示す「2」を設定し、チェックコードカラム331bに発行したチェックコードを設定する。
【0102】
なお、この第2遊技開始手段315において、乱数に基づいたチェックコードを発行するように構成した場合、他のスロットマシン1で同一のチェックコードが発行される可能性を低くするために、乱数値を発生するための基準となる値にスロットマシン1毎に割り当てられた固有の識別情報(例えば、製造番号若しくはこの製造番号の一部(数字の部分))を用いることが好ましい。
【0103】
(達成状態情報更新手段316)
第1遊技開始手段314により達成状態情報記憶手段331に達成状態情報が設定されるか、若しくは、第2遊技開始手段315によりチェックコードを含む2次元コードが画像表示装置41に表示されると、演出制御手段311は、達成状態情報更新手段316を実行する。この達成状態情報更新手段316は、メイン制御基板100から送信される制御コマンドを監視し、予め設定された複数の遊技目的のうち、達成された遊技目的があれば、達成状態情報記憶手段331におけるその遊技目的に対するカラムに「1」を設定する。例えば、リプレイタイム(再遊技確率変動遊技)の連続回数が所定の回数となったときに達成する遊技目的が設定されていた場合、達成状態情報更新手段316は、メイン制御基板100から送信される制御コマンドのうち、遊技状態コマンドC500を監視し、再遊技確率変動遊技が所定の回数連続して実行されたと判断すると、達成状態カラム331dの対応するカラムに「1」を設定する。また、フリーズ制御が行われることが遊技目的に設定されていた場合、達成状態情報更新手段316は、メイン制御基板100から送信される制御コマンドのうち、待機演出コマンドC503を監視して、この待機演出コマンドC503に対象となるフリーズ制御が設定されていたときに、達成状態カラム331dの対応するカラムに「1」を設定する。あるいは、遊技目的には、例えば、サブ制御基板200で所定の演出パターンが実行されることが設定されている場合があるため、達成状態情報更新手段316は、演出決定手段318で決定される演出パターンを監視し、所定の演出パターンが選択された場合にも、達成状態カラム331dの対応するカラムに「1」を設定する。
【0104】
また、この達成状態情報更新手段316は、遊技者が所定の遊技目的を達成したときや、この遊技者が所定回数の遊技を行った場合など、予め設定された状態をクリアした場合には、その遊技レベルを上げるように構成されており、予め設定された状態をクリアしたときは、達成状態情報記憶手段331のレベルカラム331cに設定されている値を増加させる(例えば、状態をクリアする毎に1ずつ増加させる)。例えば図21(b)は、遊技目的1及び2を達成し、遊技レベルが2になった状態を示している。
【0105】
なお、図21には、達成状態情報記憶手段331に遊技レベルと、遊技目的毎の達成を示すフラグを記憶するように構成した場合について説明したが、この達成状態情報記憶手段331には、このスロットマシン1における遊技に関する情報であれば上述の構成に限定されることはない。例えば、所定の小役(一例としては、有効ライン上にスイカの図柄が揃う小役2)の入賞回数を達成状態情報記憶手段331に記憶するように構成しておき、所定の小役が入賞する毎に達成状態情報記憶手段331の入賞回数をカウントし、その値が所定の回数になると(例えば、10回ずつ入賞するごとに)、遊技レベルを1ずつ増加させて行くように構成することができる。この入賞回数の情報も、後述する達成状態情報出力手段317により2次元コードに含めることで、遊技機サーバ810に保存する(登録する)ことができ、次回の遊技でも継続することができる。例えば、この入賞回数は、遊技目的達成演出の一部として、演出実行手段319により画像表示装置41に表示される。
【0106】
(達成状態情報出力手段317)
遊技者がスロットマシン1での遊技、特に、遊技目的達成遊技を終了するときは、このスロットマシン1の達成状態情報記憶手段331に記憶されている達成状態情報を遊技機サーバ810に記憶する(保存する)必要がある。画像表示装置41にメニュー画面G1が表示されているときに、「2次元コード発行G1d」が選択されると、演出制御手段311は達成状態情報出力手段317を実行する。この達成状態情報出力手段317は、達成状態情報記憶手段331に記憶されているチェックコード及び達成状態情報(レベル、及び、遊技目的毎の達成状態(1/0))を読み出して暗号化し、この暗号化された情報を含む遊技機サーバ810の達成状態情報登録手段8116を実行させるための位置情報(URL)を生成し、さらにこの位置情報(URL)の2次元コードを生成して画像表示装置41に表示させる。遊技者は、遊技者が所有する携帯端末機710の撮像部718によりこの2次元コードを読み取り、遊技機サーバ810にアクセスすることにより、現在の達成状態情報を遊技機サーバ810に登録することができる。
【0107】
なお、2次元コードを生成して画像表示装置41に表示した後に、メニュー画面G1で
「データクリアG1e」を選択すると、演出制御手段311は、達成状態情報記憶手段331に記憶されている達成状態情報と、設定変更情報記憶手段332に記憶されている設定変更情報をクリアするように構成されている。
【0108】
(演出決定手段318)
演出決定手段318は、乱数発生器320で発生した乱数(例えば、0〜255までの乱数)と、演出抽選テーブル記憶手段333に記憶された抽選テーブルを用いて演出パターンを決定する。なお、例えば、リール21a〜21cに所定の図柄が揃ったときに所定の演出パターンが実行されるような場合には、抽選を行わずに演出パターンが決定される。また、演出決定手段318は、設定変更情報記憶手段332に記憶されている設定変更情報に基づいて、選択された演出パターンを変更するように構成されている。
【0109】
(演出実行手段319)
演出実行手段319は、演出決定手段318で決定された演出パターンを演出パターン記憶手段334から読み出し、その演出パターンに応じて画像音響生成基板400を介して画像表示装置41や演出用ランプ42を作動させる演出を行う。
【0110】
(遊技機システム900の処理の流れ)
それでは、図22〜図24を用いて、本実施形態に係る遊技機システム900における処理の流れについて説明する。なお、図22は会員登録からパスワードの送信までの流れを示し、図23は第1遊技開始手段314によるパスワード入力から遊技機サーバ810への達成状態情報の登録までの流れを示し、図24は第2遊技開始手段315による遊技開始時の流れを示す。
【0111】
(会員登録時の処理)
まず、図22を用いて会員登録の流れについて説明する。遊技が実行されているスロットマシン1において(ステップS500)、所定のタイミングでサブ入力手段44が操作されると(ステップS501)、上述したように画像表示装置41にメニュー画面G1が表示される。このメニュー画面G1で「会員登録G1a」が選択されると、画像表示装置41に携帯端末機710により遊技機サーバ810の会員情報登録手段8112にアクセスするためのURLが含まれる2次元コードが生成され(ステップS502)、画像表示装置41に表示される(ステップS503)。
【0112】
遊技者は、携帯端末機710の撮像部718を用いてこの2次元コードを撮像して読み込むと(ステップS504)、アクセス情報生成手段7112によりこの2次元コードに含まれるURLが抽出され(ステップS505)、そのURLを用いて遊技機サーバ810に対してページ要求が送信される(ステップS506)。遊技機サーバ810の端末要求受付手段8111は、このページ要求を受信すると、会員情報登録手段8112により会員登録用のページを生成し(ステップS507)、携帯端末機710に送信する(ステップS508)。携帯端末機710はこのページを受信すると、表示部714に表示する(ステップS509)。携帯端末機710の表示部714に表示される会員登録用のページには、例えば、予め決められた会員規約が表示されており、遊技者はこの規約に承認するか否かを入力する。そして、この情報が再度遊技機サーバ810に送信される(ステップS510)。
【0113】
携帯端末機710から入力情報を受信した遊技機サーバ810の会員情報登録手段8112は(ステップS511)、遊技者が上記規約を承認しないことを入力したときは会員登録作業を中止して、一連の処理を終了し、上記規約を承認することを入力したときは、上記入力情報とともにセンターサーバ740から送信された加入者識別情報を会員情報記憶部813に記憶する(ステップS512)。そして、会員情報登録手段8112は、達成状態情報の初期値(図20(a)を参照)を生成し、加入者識別番号に対応付けて遊技関連情報記憶部814の状態管理テーブル8141に記憶する(ステップS513)。
【0114】
以上のようにして会員登録が完了すると、会員情報登録手段8112は会員登録が完了したことを示すページを生成し(ステップS514)、携帯端末機710に送信する(ステップS515)。そして、このページを受信した携帯端末機710は(ステップS516)、当該ページを表示部714に表示する(ステップS517)。
【0115】
(第1遊技開始手段314による遊技開始から遊技終了までの処理)
次に、図23を用いて、スロットマシン1において第1遊技開始手段314により、遊技目的を達成するための遊技を行うときの流れについて説明する。まず、遊技者は、携帯端末機710により遊技機サーバ810にアクセスしてパスワードを要求する(ステップS520)。遊技機サーバ810の端末要求受付手段8111は、携帯端末機710からパスワードの要求を受信すると(ステップS521)、まず、この情報を送信した携帯端末機710の加入者識別情報に基づいて会員認証手段8113により登録された携帯端末機710であるかを確認し、登録されている場合はパスワード発行手段8115を起動して、チェックコードを生成するとともに、遊技関連情報記憶部814から達成状態情報を読み出して暗号化してパスワードを生成する(ステップS522)。このとき、パスワード発行手段8115は、乱数発生手段を用いた乱数値によりチェックコードを生成し、遊技関連情報記憶部814の遊技管理テーブル8142(チェックコードカラム8142c)に記憶するとともに、パスワードを生成する際に達成状態情報に加える。同様に、パスワード発行手段8115は、遊技関連情報記憶部814の遊技管理テーブル8142(遊技タイプカラム8142b)に第1遊技開始手段314により遊技が開始されたことを示す「1」を設定する。そして、携帯端末機710でパスワードを表示するためのページを生成し(ステップS523)、携帯端末機710にこのページを送信する(ステップS524)。このページを受信した携帯端末機710は(ステップS525)、そのページを表示部714に表示することにより、パスワードを遊技者に表示する(ステップS526)。一方、会員認証手段8113により登録された携帯端末機710でないと判断されたときは、そのまま処理を終了する(携帯端末機710に、加入者識別コードが異なることを通知しても良い)。
【0116】
なお、ステップS522で、遊技関連情報記憶部814の遊技管理テーブル8142の遊技タイプカラム8142bに「2」が設定されており、且つ、チェックコードカラム8142cにチェックコードが記憶されているときは、第2遊技開始手段315により遊技が行われているため、パスワードの発行をせずそのまま処理を中止する(その旨を携帯端末機710に通知しても良い)。
【0117】
遊技者は、このようにして携帯端末機710により遊技機サーバ810にアクセスして取得したパスワードを、スロットマシン1のサブ入力手段44を用いてこのスロットマシン1に入力する(ステップS527)。このときも、サブ入力手段44を操作して画像表示装置41にメニュー画面G1を表示させ、「第1遊技開始G1b」を選択して行う。第1遊技開始手段314は、入力されたパスワードを復号してチェックコード、達成状態情報及び設定値変更情報を抽出し(ステップS528)、チェックコード及び達成状態情報を達成状態情報記憶手段331に記憶し(ステップS529)、また、設定値変更情報を設定値変更情報記憶手段332に記憶する(ステップS530)。そして、遊技者は、このスロットマシン1で遊技を行う(ステップS531)。
【0118】
一方、遊技を終了しようとする遊技者は、サブ入力手段44を操作して画像表示装置41にメニュー画面G1を表示させ、「2次元コード発行G1d」を選択する(ステップS532)。すると、達成状態情報出力手段317は達成状態情報記憶手段331からチェックコード及び達成状態情報(遊技レベル、及び、各遊技目的の達成状態)を取得し(ステップS533)、これらの情報を暗号化してから2次元コードを生成する(ステップS534)。そして、達成状態情報出力手段317はこの2次元コードを画像表示装置41に表示する(ステップS535)。
【0119】
遊技者は、携帯端末機710の撮像部718によりこの2次元コードを読み取ると(ステップS536)、アクセス情報生成手段7112は、上述の暗号化された達成状態情報を含み遊技機サーバ810の達成状態情報登録手段8116にアクセスするためのURLを抽出する(ステップS537)。そして、携帯端末機710のサーバアクセス手段7113は、このURLに基づいて暗号化された達成状態情報を遊技機サーバ810に送信する(ステップS538)。
【0120】
携帯端末機710から暗号化された達成状態情報を受信した遊技機サーバ810の端末要求受付手段8111は(ステップS539)、まず、この情報を送信した携帯端末機710の加入者識別情報に基づいて会員認証手段8113により登録された携帯端末機710であるかを確認し、登録されている場合は達成状態情報登録手段8116によりこの情報を復号してチェックコード及び達成状態情報を抽出する(ステップS540)。一方、会員認証手段8113により登録された携帯端末機710でないと判断されたときは、そのまま処理を終了する(携帯端末機710に、加入者識別コードが異なることを通知しても良い)。そして、達成状態情報登録手段8116は、復号されたチェックコードと、遊技関連情報記憶部814の遊技管理テーブル8142に記憶されているチェックコードとを比較し、一致した場合は、復号された達成状態情報に含まれる遊技レベル及び各遊技目的の達成状態を遊技関連情報記憶部814の状態管理テーブル8141に記憶するとともに、遊技管理テーブル8142の遊技タイプ及びチェックコードを消去する(ステップS541)。一方、チェックコードが一致しない場合は、そのまま処理を終了する(携帯端末機710にチェックコードが異なることを通知しても良い)。このとき、達成状態情報登録手段8116は、復号された達成状態情報に含まれる遊技レベルと、遊技関連情報記憶部814に記憶されている遊技レベルとを比較し、その値が大きく異なるときは、達成状態情報を登録せずに処理を終了するように構成しても良い。このようにして登録が完了すると、達成状態情報登録手段8116は、登録が完了したことを示すページを生成し(ステップS542),そのページを携帯端末機710に送信し(ステップS543)、携帯端末機710はこのページを受信すると(ステップS544)、そのページを表示部714に表示する(ステップS545)。
【0121】
なお、ステップS541においてチェックコードが一致しないと、遊技管理テーブル8142の記憶内容が維持され、この遊技者は遊技目的達成遊技を行うことができなくなってしまうため、この遊技管理テーブル8142の内容をクリアする手段を設けることが好ましい(例えば、携帯端末機710から遊技機サーバ810にアクセスしてこの遊技管理テーブル8142の内容をクリアする手段を設ける)。あるいは、所定の時刻になると遊技機サーバ810で遊技管理テーブル8142をクリアするようにしても良い。
【0122】
(第2遊技開始手段315による遊技開始時の処理)
次に、図24を用いて、スロットマシン1において第2遊技開始手段315により、遊技目的を達成するための遊技を行うときの流れに説明する。遊技が実行されているスロットマシン1において(ステップS550)、所定のタイミングでサブ入力手段44が操作されると(ステップS551)、画像表示装置41にメニュー画面G1が表示される。このメニュー画面G1で「第2遊技開始G1c」が選択されると、第2遊技開始手段315が起動される(ステップS552)。このステップS552において、第2遊技開始手段315は、上述の方法で(例えば乱数値を用いて)チェックコードを生成し、このチェックコードと第2遊技開始手段315により遊技が開始されたことを示す「2」を達成状態情報記憶手段331に記憶し、さらに、このチェックコードを暗号化し、暗号化されたチェックコードと携帯端末機710により遊技機サーバ810の遊技開始情報登録手段8114にアクセスするためのURLとが含まれる2次元コードを生成する。そして、第2遊技開始手段315は、このようにして生成した2次元コードを画像表示装置41に表示する(ステップS553)。
【0123】
遊技者は、携帯端末機710の撮像部718によりこの2次元コードを読み取ると(ステップS554)、アクセス情報生成手段7112は、上述の暗号化されたチェックコードを含み遊技機サーバ810の遊技開始情報登録手段8114にアクセスするためのURLを抽出する(ステップS555)。そして、携帯端末機710のサーバアクセス手段7113は、このURLに基づいて暗号化されたチェックコードを遊技機サーバ810に送信する(ステップS556)。
【0124】
携帯端末機710から暗号化されたチェックコードを受信した遊技機サーバ810の端末要求受付手段8111は(ステップS557)、まず、この情報を送信した携帯端末機710の加入者識別情報に基づいて会員認証手段8113により登録された携帯端末機710であるかを確認し、登録されている場合は遊技開始情報登録手段8114を起動し、この遊技開始情報登録手段8114によりこの情報を復号してチェックコードを抽出する(ステップS558)。一方、会員認証手段8113により登録された携帯端末機710でないと判断されたときは、そのまま処理を終了する(携帯端末機710に、加入者識別コードが異なることを通知しても良い)。そして、遊技開始情報登録手段8114は、遊技関連情報記憶部814のチェックコード管理テーブル8143に同一のチェックコードが登録されていない場合(対応するチェックコードのフラグに「1」が設定されていない場合)に、該当するチェックコードのフラグ(フラグカラム8143b)に「1」を設定するとともに、遊技管理テーブル8142に第2遊技開始手段315により遊技が開始されたことを示す「2」及び当該チェックコードを設定する(ステップS559)。なお、ステップS559において、チェックコード管理テーブル8143に同一のチェックコードが登録されている場合は(すなわち、携帯端末機710から受信した情報に含まれるチェックコードでチェックコード管理テーブル8143のチェックコードカラム8143aを検索し、対応するフラグカラム8143bに「1」が設定されているときは)、チェックコードの登録をせずそのまま処理を終了する(携帯端末機710に、同一のチェックコードが既に登録されていることを通知しても良い)。また、ステップS559において、遊技関連情報記憶部814の遊技管理テーブル8142の遊技タイプカラム8142bに「1」が設定されており、且つ、チェックコードカラム8142cにチェックコードが記憶されているときは、第1遊技開始手段314により遊技が行われているため、チェックコードの登録をせずそのまま処理を終了する(携帯端末機710に、その旨を通知しても良い)。
【0125】
このようにしてチェックコードの登録が完了すると、遊技開始情報登録手段8114は、登録が完了したことを示すページを生成し(ステップS560)、そのページを携帯端末機710に送信し(ステップS561)、携帯端末機710はこのページを受信すると(ステップS562)、そのページを表示部714に表示する(ステップS563)。
【0126】
なお、このようにして第2遊技開始手段315により遊技目的達成遊技を開始したときも、この遊技目的達成遊技を終了するときの処理は、第1遊技開始手段314の場合と同様である(図23のステップS531〜S545の処理)。
【0127】
また、第2遊技開始手段315で遊技目的達成遊技を行ったときは、スロットマシン1側で遊技レベルを判定することはできない。そのため、達成状態情報登録手段8116でスロットマシン1から送信された達成状態情報を遊技関連情報記憶部814に登録するときに遊技レベルを判定して更新するように構成することも可能である。例えば、特定の小役(例えば、有効ライン上にスイカの図柄が揃う小役2)の入賞回数により遊技レベルを上昇させる構成の場合、達成状態情報登録手段8116は、携帯端末機710から受け取った達成状態情報により遊技関連情報記憶部814の状態管理テーブル8141の値を更新するときに、小役2の入賞回数を遊技関連情報記憶部814に既に記憶されている値に加算して累積値を求め、その累積値に応じて、遊技レベルを増加させる(遊技関連情報記憶部814に記憶されている遊技レベルの値を増加させる)処理を行う。このように構成することにより、次回の遊技で、遊技者が第1遊技開始手段314により遊技を開始したときは、前回の遊技(第2遊技開始手段315により開始した遊技)の入賞回数も考慮された遊技レベルで遊技を再開することができる。
【0128】
また、遊技機サーバ810の達成状態情報登録手段8116は、携帯端末機710から受け取った達成状態情報により遊技関連情報記憶部814の状態管理テーブル8141の情報を更新した後に、遊技関連情報記憶部814のチェックコード管理テーブル8143のフラグ(フラグカラム8143b)を「0」に設定する処理を行っても良いし、第2遊技開始手段315による遊技が終了した後も、当該遊技で発行されたチェックコードのフラグを「1」のまま残しておいても良い。遊技終了後もフラグを「1」のまま残しておくと、他の遊技者の携帯端末機710で読み込まれたデータによりその遊技者の情報が更新されることを防ぐことができる。但し、このような構成の場合には、所定の時間間隔(例えば、一日に一回)、遊技関連情報記憶部814のチェックコード管理テーブル8143のフラグ(フラグカラム8143b)をクリアする(全て「0」に設定する)処理を遊技機サーバ810で行うことが必要である。
【0129】
また、全てのスロットマシン1で同じ方法によりチェックコードを生成すると、例えば乱数値の発生時にスロットマシン1の製造番号を用いていたとしても、異なるスロットマシン1で同一のチェックコードが発行される確率が高くなる。そのため、乱数値にスロットマシン1を識別する情報(識別情報)を加えてチェックコードとすることができる。この識別情報としては、スロットマシン1の種類を示すコード(製品コード)や、スロットマシン1そのものを示す上述の製造番号、または、これらの製品コードや製造番号の一部(例えば、下2桁の数字等)を用いることができる。但し、この場合、遊技機サーバ810の遊技関連情報記憶部814に記憶されるチェックコード管理テーブル8143は、乱数値に付加される識別情報毎にチェックコードを管理するように構成することが必要である。
【0130】
本実施形態に係る遊技機システム900を以上のように構成すると、遊技レベルや遊技目的の達成状況を遊技者が所持する携帯端末機710を介してスロットマシン1から取り出して遊技機サーバ810に記憶し(保存し)、また、この遊技機サーバ810から取り出して、遊技を行おうとするスロットマシン1に設定することができるので、長期間に亘って同一種類のスロットマシン1により遊技(特に、遊技目的を達成するための遊技)を行うことができる。また、遊技を中断しても、それまでクリアしている遊技目的の達成状況や遊技レベルは遊技機サーバ810に記憶されるため、異なる日時に異なる場所で、同一種類のスロットマシン1を用いて遊技の続きを行うことができる。
【0131】
このとき、本実施形態に係る遊技機システム900においては、遊技者は、遊技機サーバ810に記憶されている(保存されている)達成状態情報を取り出して、スロットマシン1に設定してから遊技目的を達成する遊技を開始する方法(第1遊技開始手段314)と、達成状態情報を設定せずに、すぐに遊技目的を達成する遊技を開始する方法(第2遊技開始手段315)と、を遊技選択手段であるメニュー手段312により選択することができるので、前回遊技を行った状態で遊技を再開したい遊技者の要求も、遊技目的を達成する遊技をすぐに始めたい遊技者の要求も満足することができる。すなわち、この遊技機システム900においては、遊技目的の達成状態により、演出の設定を変更できる特典が遊技者に提供されるが、この場合は、第1遊技開始手段314により遊技機サーバ810から送信されたパスワードを入力することにより、この特典を利用することができる。反対に、遊技開始時のように遊技目的を達成することを優先する場合には、第2遊技開始手段315によりすぐに遊技を開始することができる。
【0132】
また、本実施形態に係る遊技機システム900においては、遊技目的達成遊技の開始時にチェックコードを生成し、すでに遊技機サーバ810にチェックコードが設定しているか否かを確認し、また、遊技目的達成遊技の終了時(達成状態情報の遊技機サーバ810への登録時)にスロットマシン1に記憶されているチェックコードと遊技機サーバ810に記憶されているチェックコードとを比較するように構成しているため、所定の手順で遊技を開始した遊技者の達成状態情報のみを遊技機サーバ810に登録するよう構成することができる。また、本実施形態に係る遊技機システム900においては、スロットマシン1から携帯端末機710を介して遊技機サーバ810に送信される遊技情報(チェックコードや達成状態情報)は、2次元コードに変換して、スロットマシン1の画像表示装置41に表示されるため、遊技者は、携帯端末機710で容易に読み取ることができるので、遊技者の負担を軽減することができる。
【0133】
(第1の変形例)
上述のように、遊技機サーバ810に設けられた特典付与手段8117は、遊技者の遊技目的の達成度合い、すなわち、遊技関連情報記憶部814に記憶されている達成状態情報に応じて、特典を遊技者に付与するように構成されている。ここで、特典付与の一例として、遊技機サーバ810でパスワードを発行した日の遊技数(以下、「ゲーム数」とも呼ぶ)に応じて、この遊技機サーバ810で使用できる仮想のコインを付与する構成について説明する。
【0134】
本実施形態に係る遊技機システム900において、達成状態情報登録手段8115は、遊技機サーバ810でパスワードを発行した日に遊技されたゲーム数に応じて、銀のコイン又は金のコインを遊技者に付与するように構成されている。例えば、500ゲーム以上を行った場合には、銀のコインが1枚付与され、1000ゲーム以上を行った場合には、銀のコインが3枚付与される。また、2000ゲーム以上を行った場合には、金のコインが1枚付与される。このようにして付与された銀のコイン及び金のコインは、遊技者が携帯端末機710を用いて遊技機サーバ810の特典付与手段8117にアクセスすることで利用することができる。たとえば、遊技者は、これらのコインを用いて予め遊技機サーバ810の特典情報記憶部815に登録されている特典画像等のアイテムを抽選で取得することができる。このとき複数のアイテムには、当選確率の高い通常のアイテムと、当選確率の低いレアアイテムとがあり、銀のコインを用いた場合には、全てのアイテムの中から抽選が行われ(すなわち、レアアイテムの入手確率が低くなる)、金のコインを用いた場合には、レアアイテムの中から抽選が行われる(すなわち、必ずいずれかのレアアイテムを取得することができる)ように構成されている。
【0135】
また、この遊技機システム900においては、遊技機サーバ810に予め設定された特定の日(特定の日付、又は、曜日)であるときは、付与されるコインの倍率を変化させるように構成されている。例えば、通常の日は1倍であるが、特定の日には、付与されるコインが3倍になるように設定することができる(500ゲーム以上なら銀のコインが3枚付与され、1000ゲーム以上なら銀のコインが9枚付与され、2000ゲーム以上なら金のコインが3枚付与される)。
【0136】
それでは、上述のコインを付与する場合の具体的な処理について、図23に基づいて、図25及び図26を用いて説明する。ここで、図25は、パスワード発行手段8114における処理のフローチャートを示し、図26は、達成状態情報登録手段8115における処理のフローチャートを示している。
【0137】
まず、図25に示すように、図23のステップS522において、遊技機サーバ810のパスワード発行手段8114は、携帯端末機710からパスワードの発行要求を受け付けると(ステップS5221)、その遊技者の携帯端末機710の加入者識別情報をキーとして遊技関連情報記憶部814を検索し、当該遊技者の達成状態情報及び設定変更情報を取得する(ステップS5222)。また、図示しない乱数発生手段から乱数を取り出してチェックコードを生成し(ステップS5223)、このチェックコードを上述の加入者識別コードをキーとし遊技関連情報記憶部814に記憶する(ステップS5224)。そして、チェックコード、達成状態情報及び設定変更情報を暗号化した後、所定の文字数のパスワード(文字列)に変換し(ステップS5225)、また、現在の日時(遊技機サーバ810で管理されている時刻情報であって、パスワードを生成した日時)を加入者識別コードをキーとして遊技関連情報記憶部814に記憶し(ステップS5226)、ステップS523でこのパスワードを含むページを生成し、ステップS524でこのページを携帯端末機710に送信する。なお、このパスワードを取得した遊技者のスロットマシン1に対する操作は上述した通りである。また、図20に示す達成状態情報記憶手段331に記憶されている達成状態情報には、当該スロットマシン1にパスワードを登録してから2次元コードが発行されるまでに行われたゲーム数が含まれるものとする。
【0138】
一方、スロットマシン1で遊技目的達成遊技を行った遊技者が、この遊技を終了するときに携帯端末機710を用いてそれまでの達成状態情報を遊技機サーバ810に送信すると、図23のステップS541において、遊技機サーバ810の達成状態情報登録手段8115は、達成状態情報の登録処理の一環として、特典付与の処理を行う。具体的には図26に示すように、まず、加入者識別コードをキーとして遊技関連情報記憶部814から、前回パスワードを発行した日時を取り出し(ステップS5411)、現在の日付とパスワードを発行した日付が一致するかを判断し(ステップS5412)、日付が異なる場合には特典付与処理を終了する。一方、日付が一致する場合には、遊技機サーバ810に予め設定された特定の日であるか否かを判断し(ステップS5413)、特定の日である場合には付与されるコインの倍率を予め遊技機サーバ810に設定されている値Mに設定し(ステップS5414)、特定の日でない場合には倍率を1に設定する(ステップS5415)。そして、パスワードに含まれている達成状態情報から上述のゲーム数を取り出し(ステップS5416)、ゲーム数と倍率に応じたコインの種類及び枚数を、加入者識別コードをキーとして遊技関連情報記憶部814の銀又は金のコインの枚数に加算する(ステップS5417)。
【0139】
このようにして、遊技関連情報記憶部814に記憶されたコインの枚数は、上述のように、特典付与手段8117により利用することができ、アイテム取得に使われたコインの枚数は、遊技関連情報記憶部814から減算される。
【0140】
なお、上記の説明における銀又は金のコインの種類や付与される枚数は一例であり、これらの付与条件や枚数は変化させることができる。また、銀又は金のコインを付与するか否か(その枚数も含む)は、上述のように遊技機サーバ810の達成状態情報登録手段8115で判断するだけでなく、遊技目的達成の一部として、スロットマシン1の達成状態情報更新手段315で判断させることもできる(この場合、スロットマシン1から2次元コードとして出力される達成状態情報に付与されるコインの種類や枚数が設定されることになる)。
【0141】
(第2の変形例)
上述のように、本実施形態に係る遊技機システム900では、スロットマシン1において達成した遊技目的に応じて各種特典が付与される。これは、特典画像等のアイテムだけでなく、遊技機サーバ810の演出設定変更手段8116で設定することができる演出の一部(例えば、特別遊技時に流れる音楽とか画像を遊技者が自由にカスタマイズできる機能)が含まれる。また、上述の構成では、このような遊技目的の達成状態情報を、同一のスロットマシンだけでなく(過去に遊技を行い2次元コードを発行させたスロットマシンそのものだけでなく)、同じ種類のスロットマシン(同一の演出が行われるスロットマシンであって、以下、「同一の機種」と呼ぶ)で引き継ぐことができるが、他の演出が搭載されたスロットマシン(異なる演出が行われるスロットマシンであって、以下、「異なる機種」と呼ぶ)には引き継ぐことができない。しかしながら、例えば、主要なキャラクタが共通し、その演出内容を引き継ぐ機種(いわゆるシリーズもののスロットマシン)が新たに市場に投入された場合、遊技者は、一世代前の機種で達成した達成状態情報若しくは特典を次世代の機種にも引き継ぎたいという要求があり、また、このような情報を異なる世代間で引き継げるようにすることにより、新たな世代の機種に遊技者の興味を引きつけることができる。
【0142】
そこで、第2の変形例として、異なる機種の間で達成状態情報又は特典を引き継ぐことができるようにした構成について、図22に基づいて説明する。上述の図22において、遊技者の携帯端末機710から会員登録のための情報が送信されると、遊技機サーバ810の会員情報登録手段8112は、ステップS513で、機種に応じた達成状態情報の初期値を生成し、加入者識別番号に対応付けて遊技関連情報記憶部814に記憶する。このとき、会員情報登録手段8112は、現在登録しようとする機種に関連する機種(すなわち、上述のようにシリーズものの機種のうち、前世代の機種)の達成状態情報が遊技関連情報記憶部814に記憶されていないかを検索し、記憶されている場合にはその状態に応じて、達成状態情報の初期値を変化させる。具体的には、前世代の機種で所定の遊技目的が達成されている場合(例えば、10000ゲームを達成している等)、所定の遊技目的が達成された状態に設定したり、演出のカスタマイズを可能にしたりする。
【0143】
このように、他の機種の達成状態情報を引き継ぐことができるように構成することにより、前世代の機種で所定の遊技目的を達成していた遊技者は、新たな機種で遊技を始める際に、遊技目的達成遊技を有利な状態から開始することができる。また、本来であれば、ある程度の遊技目的達成遊技を行わないと変更できない演出の設定を、最初からカスタマイズ可能になる。
【0144】
(第3の変形例)
以上の説明では、スロットマシン1で行われた遊技目的達成遊技の結果(達成状態情報)を遊技機サーバ810で保持し、同一の機種で再度遊技を行うときに、この達成状態情報を携帯端末機710を用いて遊技機サーバ810から取り出して、スロットマシン1に設定するように構成された遊技機システム900について説明したが、遊技目的達成遊技の開始時、すなわち、遊技機サーバ810から携帯端末機710にパスワードを送信するときに、このパスワードに特定のフラグ情報を含ませ、このフラグ情報により、スロットマシン1の演出の動作を変化させるように構成することも可能である。つまり、スロットマシン1において、遊技に合わせて実行される演出のパターンの選択を、遊技機サーバ810から制御することができる。このような構成について、以下に説明する。
【0145】
まず、第3の変形例として、スロットマシン1における演出パターンの公開時期を制御する構成について説明する。上述のように、本実施形態に係るスロットマシン1では、演出制御基板300の演出決定手段318は、乱数発生器320で発生した乱数と、演出抽選テーブル記憶手段333に記憶された演出抽選テーブルを用いて演出パターンを決定するように構成されている。この演出決定手段318で決定される演出パターンは複数設けられており、これらの複数の演出パターンの中から抽選によりいずれかの演出パターンが選択される。
【0146】
ここで、選択される演出パターンが異なるように構成された複数の演出抽選テーブルを演出抽選テーブル記憶手段333に記憶させるとともに、演出決定手段318で演出パターンの抽選に用いられる演出抽選テーブルを選択するためのフラグを記憶させ、演出決定手段318はこのフラグにより演出抽選テーブルを選択する。例えば、10種類の演出パターンに対して、4つの演出抽選テーブルが設定されている場合、第1の演出抽選テーブルは、10種類のうち4種類の演出パターンが選択され、第2の演出抽選テーブルは、6種類の演出パターンが選択され、第3の演出抽選テーブルは8種類の演出パターンが選択され、第4の演出抽選テーブルは10種類の(全ての)演出パターンが選択されるように構成する。そして、フラグが0のときは(この場合を初期値とする)第1の演出抽選テーブルが選択され、1のときは第2の演出抽選テーブルが選択され、2のときは第3の演出抽選テーブルが選択され、3のときは第4の演出抽選テーブルが選択されるように構成する。
【0147】
そして、遊技機サーバ810には、上述のフラグの値(0〜3)を設定することができるようにし、パスワード発行手段814は、パスワードを生成するときに、遊技機サーバ810に設定されたフラグの値をこのパスワードに含めるように構成する。また、スロットマシン1のパスワード受付手段314は、入力されたパスワードに上述のフラグの値があるときは、演出抽選テーブル記憶手段333にそのフラグの値を設定する。
【0148】
本第3の変形例に係る遊技機システム900をこのように構成すると、遊技者によりスロットマシン1にパスワードが設定されると、そのパスワードが発行されたときに遊技機サーバ810に設定されていたフラグの値が演出抽選テーブル記憶手段333に設定されるため、演出決定手段318は、そのフラグに対応する演出パターン抽選テーブルを用いて演出の抽選を行うことになる。そのため、このスロットマシン1が市場に投入されてから、所定の期間をおいて(例えば数ヶ月おきに)、フラグの値を0から3に変えて行くと、その期間毎に、抽選で用いられる演出パターンが増えて行くことになる。上述の例では、最初は10種類の演出パターンのうち4つの演出パターンのいずれかが選択されるが、フラグの番号が増えていくたびに、2種類の演出パターンが追加されることになる。
【0149】
なお、遊技者によりパスワードが入力されて演出抽選テーブル記憶手段333にフラグの値が設定されると、次にパスワードが入力されてこのフラグの値が更新されるまで保持するように構成することにより、遊技目的達成遊技が遊技者により選択されるか否かに関わらず、遊技機サーバ810に設定したフラグの値に応じて実行される演出パターンを制御することができる。また、以上の説明では、複数種類の演出パターンのうち、フラグの値が上昇するにつれて実行される演出パターンの種類が増えるように構成した場合について示したが、複数の演出パターンを複数の組に分割し、フラグに応じて抽選に用いられる組を変えるように構成したり、これらを組み合わせて構成しても良い。
【0150】
(第4の変形例)
第3の変形例と同様に、本実施形態に係る遊技機システム900は、遊技機サーバ810に月を示すフラグ(1〜12)を設定しておき、パスワード発行手段814により、パスワードを生成するときに、遊技機サーバ810に設定された月を示すフラグをこのパスワードに含めるように構成し、また、スロットマシン1において、月ごとに異なる演出パターンを記憶しておき、演出決定手段318又は演出実行手段319がこの月に示すフラグを参照して演出パターンを選択又は実行するように構成することができる。これにより、例えば、特別遊技において実行される演出の背景画像を、月ごとに変化するスロットマシン1を提供することができる。このような構成とすると、スロットマシン1では、日付の管理を行う構成を設けなくても、遊技機サーバ810で日付を管理することにより、スロットマシン1の演出を月に応じて変化させることができる。
【0151】
なお、この第4の変形例に係るスロットマシン1は、月を示すフラグとして、「0」及び「13」を設定することができる。月を示すフラグに「0」が設定されているときは、月により変化する演出は実行されず、月の変化に影響されない演出だけが実行される。例えば、スロットマシン1が投入された時期が月末に近い時などに、この「0」を設定することにより、翌月に該当する1〜12の何れかの月を示すフラグをパスワードに含めることで、月による演出を実行することができる。また、月を示すフラグに「13」が設定されているときは、月ごとに設定された演出の全てが実行される。例えば、市場に投入してから12ヶ月以上が経過したときに、以降は、月により演出の変化をさせず、全ての演出が実行されるように構成することができる。
【0152】
また、遊技機サーバ810は、カレンダー機能を有し、月に示すフラグをこのカレンダー機能に基づいて自動的に変更するように構成しても良いし、手動で設定するように構成しても良い。
【0153】
(第5の変形例)
第5の変形例として、スロットマシン1が設定されている地域に応じて、演出を変更する構成について説明する。第3及び第4の変形例と同様に、スロットマシン1には、地域ごと(県ごとや東北地方や関東地方等のブロックごと)の演出パターンが格納されており、パスワードに含まれる地域のフラグを参照して演出決定手段318又は演出実行手段319が演出パターンをこれらの中から選択又は実行するように構成される。
【0154】
地域の判定は、例えば、携帯端末機710が有するGPS機能により緯度・経度等の位置情報を測定し、遊技機サーバ810に対してパスワードを要求するときにこの位置情報を含めて送信し、遊技機サーバ810はこの位置情報に基づいて選択した地域のフラグを含めてパスワードを生成し、携帯端末機710に送信する。あるいは、遊技機サーバ810が、携帯端末機710からパスワードの要求があったときに、センターサーバ740から携帯端末機710が接続している基地局720の情報を取得し、この情報から携帯端末機710がある位置を判定して地域のフラグを決定し、パスワードに含めるように構成することもできる。
【0155】
なお、このような構成によると、携帯端末機710が遊技機サーバ810に対してパスワードを要求したときに、この携帯端末機710がある位置に基づいて地域のフラグが決定されパスワードが送信される。上述のような構成の遊技機システム900においては、スロットマシン1で遊技目的達成遊技を実行する直前に携帯端末機710から遊技機サーバ810に対してパスワードの発行が要求されるため、スロットマシン1に対して、設置されている地域の情報を設定しなくても、その位置(地域)に応じて演出パターンを変化させることができる。また、遊技者は、旅行や出張のときに移動先で遊技機サーバ810からパスワードを取得しておき、後日、別の場所でスロットマシン1にこのパスワードを入力することにより、パスワードが発行された地域の演出を実行させて遊技を楽しむことができる。
【0156】
(第6の変形例)
上記の説明では、遊技者が遊技目的達成遊技を終了するときには、サブ入力手段44を操作して画像表示装置41にメニュー画面G1を表示させ、このメニュー画面G1において2次元コード発行G1dを選択することにより、達成状態情報記憶手段331に記憶されている達成状態情報から2次元コードを生成して表示させ、この2次元コードを遊技者が所有する携帯端末機710で読み取り遊技機サーバ810に登録していた。そして、メニュー画面G1においてデータクリアG1eを選択することにより、達成状態情報記憶手段331に記憶されている達成状態情報をクリアするように構成されていた。しかしながら、遊技者がこのデータクリアG1eの選択を忘れてスロットマシン1を離れると、他の遊技者が再度2次元コードを生成して現在記憶されている達成状態情報を取得してしまう可能性がある。また、他の遊技者が、それまで行われていた遊技者による遊技の達成状態情報を用いて遊技を行うことができてしまう可能性がある。これにより、遊技目的の達成状態により得られる特典等を他の遊技者が利用できてしまう場合がある。そのため、メニュー画面G1で2次元コード発行G1dが選択されて2次元コードを生成して画像表示装置41に表示したときに、達成状態情報出力手段317により達成状態情報記憶手段331に記憶されている達成状態情報をクリアするように構成することも可能である。これにより、一旦2次元コードが生成されて画像表示装置41に表示されると、達成情報記憶手段331の達成状態情報はクリアされるため、2次元コードを再度生成・表示させることができなくなるので、他の遊技者に達成状態情報を取得される可能性が少なくなりセキュリティが向上する。
【0157】
(第7の変形例)
上述したスロットマシン1では、1回の遊技が終了してから次の遊技が開始されるまでの間、所定の時間以上操作がされないと、演出制御基板300により画像表示装置41にデモ画面を表示して待機状態になるように構成されたものがある。そのため、このようなスロットマシン1においては、上述の操作により画像表示装置41に2次元コードが表示された後、所定の時間以上操作がされないときは、画像表示装置41に表示されている2次元コードを消去し、デモ画面を表示するように構成することができる。遊技者が2次元コードを画像表示装置41に表示したままこのスロットマシン1から離れた場合に、所定の時間の経過で画像表示装置41にデモ画面が表示されるので、他の遊技者に2次元コードを読み取られることを防止することができる。
【0158】
一方、このようなスロットマシン1は、2次元コードが画像表示装置41に表示されている間は、所定の時間以上操作がされない場合でも、デモ画面を表示しないように構成することも可能である。これにより、遊技者が、2次元コードを携帯端末機710で読み取る時間を十分確保することができるので、確実に2次元コードを読み取ることができる。
【0159】
(第8の変形例)
また、上述したスロットマシン1では、図13を用いて説明したメイン制御基板100の遊技状態のうち、所定の遊技状態のときに、演出制御基板300の演出によりART遊技を行うように構成されたものがある。ここで、ART遊技とは、AT遊技とRT遊技とが組み合わされたものであり、本実施形態ではメイン制御基板100での遊技状態が第2及び第3再遊技確率変動遊技状態RT2,RT3のときに行われる。AT遊技とは、上述した小役1A〜1Fのようにストップボタン33a〜33cの押し順を伴う役が当選したときに、その押し順を上述の画像表示装置41等を用いて遊技者に報知することにより(これを「アシスト演出」と呼ぶ)、遊技者に有利な遊技を提供するものである。また、RT遊技とは、遊技状態制御手段180により制御される再遊技確率変動遊技状態のうち、とくに、リプレイ(再遊技役)の当選確率が通常遊技状態よりも高く設定されている遊技状態(第2及び第3再遊技確率変動遊技状態RT2,RT3)において行われる遊技である。なお、AT遊技として、ストップボタン33a〜33cの押し順を報知するのではなく、当選した小役の種類を報知するように構成することも可能である。
【0160】
本実施形態に係るスロットマシン1に電源が投入されたときは、上述のように遊技状態は通常遊技状態RT0であり、小役1の押し順を報知しない限り、小役1A〜1Fが当選してこの小役1A〜1Fのこぼし目が有効ライン上に揃うと、第1再遊技確率変動遊技状態RT1に移行する。このスロットマシン1における通常の演出は、この第1再遊技確率変動遊技状態RT1で行われる。そして、所定の条件が揃うと(例えば、上述したいずれかのミッションを達成する等)、演出制御基板300で実行される演出制御手段311は、所定の遊技数の間、ART遊技を実行し、各遊技においてアシスト可能な役に当選するとアシスト演出を行う。ここで、アシストできる役とは、本実施形態に係るスロットマシン1では、小役1A〜1Fと、図13の遊技状態の遷移に示すように、第1再遊技確率変動遊技状態RT1から第2再遊技確率変動遊技状態RT2を経て第3再遊技確率変動遊技状態RT3に遊技状態を移行させる役である、リプレイ2A〜2F及びリプレイ3A〜3Fとである。
【0161】
なお、上述したように、ART遊技を実行する前の遊技状態は、第1再遊技確率変動遊技状態RT1である。また、ART遊技の実行を開始した時点での遊技状態も第1再遊技確率変動遊技状態RT1である。そのため、リプレイ2A〜2Fが当選したときに、演出制御手段311によりこのリプレイ2A〜2Fの押し順を報知することで、有効ライン上にリプレイ2A〜2Fの図柄の組合せが揃い、遊技状態が第2再遊技確率変動遊技状態RT2に移行し、さらに、この第2再遊技確率変動遊技状態RT2においてリプレイ3A〜3Fに当選したときに、演出制御手段311によりこのリプレイ3A〜3Fの押し順を報知することで、有効ライン上にリプレイ3A〜3Fの図柄の組合せが揃って遊技状態が第3再遊技確率変動遊技状態RT3に移行し、この第3再遊技確率変動遊技状態RT3でART遊技が実行される。なお、第3再遊技確率変動遊技状態RT3においてART遊技が実行されているときは、アシストできる役は小役1A〜1Fである。そのため、遊技者が押し順を報知されたのにも関わらずその押し順で操作をしないと、小役1(ベル)のこぼし目が有効ライン上に揃い第1再遊技確率変動遊技状態RT1に移行してしまうが、上述のアシストを繰り返すことにより、ART遊技においては、第3再遊技確率変動遊技状態RT3で遊技を行うことができる。ところで、ART遊技が実行されていない場合でも、第1再遊技確率変動遊技状態RT1において当選したリプレイ2A〜2Fの押し順で遊技者がストップボタン33を操作してしまうと、第2再遊技確率変動遊技状態RT2に移行してしまうが、この演出状態では(ART状態以外の状態では)、リプレイ3A〜3F及びリプレイ4A〜4Fの押し順は報知されない。図11(b)に示すように、6通りの押し順のうち4通りの押し順がリプレイ4Aに割り当てられているため、これらの押し順が操作されたときにリプレイ4A〜4Fの図柄の組合せが有効ライン上に揃い、第1再遊技確率変動遊技状態RT1に戻すことができる。もちろん、リプレイ4A〜4Fに当選したときにその押し順を遊技者に報知して、第1再遊技確率変動遊技状態RT1に戻すように構成することも可能である。また、小役1に当選したときも、当選した押し順で操作できないと、ベルのこぼし目が有効ライン上に揃い、第1再遊技確率変動遊技状態RT1に戻すことができる。さらに、ART遊技が実行されていないときに、偶然押し順が一致して第3再遊技確率変動遊技状態RT3に移行してしまった場合も同様である。このように、本実施形態に係るスロットマシン1では、ART遊技でないときに、メイン制御手段の遊技状態が、第2及び第3再遊技確率変動遊技状態RT2,RT3で継続して実行されることはない。
【0162】
このように、ART遊技中は、メイン制御手段100の遊技状態が、第2又は第3再遊技確率変動遊技状態RT2,RT3に移行するため、リプレイに当選する確率が高くなる。上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1においては、リプレイの図柄が有効ライン上に揃ったときは、遊技待機中とはならないためメニュー手段312を起動することができないように構成されている。そのため、ART遊技中においては、メニュー手段312を起動する機会が少なくなってしまう。さらに、上述したように、演出制御手段312により連続演出や復活演出が実行されているとき(または、次遊技においてこれらの演出が実行される可能性があるとき)も、遊技待機中であってもメニュー手段312は起動されないように構成されている。以上より、ART遊技中は、演出制御手段311において、連続演出や復活演出の発生頻度を他の遊技状態のときよりも下げる(若しくは実行しないようにする)ことにより、遊技者に対してメニュー手段312を起動する機会を増加させることができる。あるいは、演出制御手段311は、連続演出や復活演出中であっても、所定の時間以上このスロットマシン1に対する操作がされないときは、サブ入力手段44の操作を有効とし、メニュー手段312を起動するように構成しても良い。この場合、第7の変形例で説明したように、操作がされない時間が所定の時間以上になったときにデモ画面を画像表示装置41に表示し、このデモ画面が表示されている間、メニュー手段312を起動できるようにすることも可能である。
【0163】
なお、以上の変形例は、いずれか一つを上述のスロットマシン1に適用しても良いし、いくつかを組み合わせて適用しても良い。
【符号の説明】
【0164】
1 スロットマシン(遊技機)
30 操作手段
44 サブ入力手段(遊技情報入力手段)
100 メイン制御基板(メイン制御手段)
200 サブ制御基板
300 演出制御基板(サブ制御手段)
312 メニュー手段(遊技選択手段)
314 第1遊技開始手段
315 第2遊技開始手段
316 達成状態情報更新手段
317 達成状態情報出力手段
331 達成状態情報記憶手段
710 携帯端末機(遊技者所有装置)
810 遊技機サーバ(外部処理手段)
814 遊技関連情報記憶手段
8114 遊技開始情報登録手段(第2遊技開始記録手段)
8115 パスワード発行手段(第1遊技開始記録手段)
900 遊技機システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技の実行を制御するメイン制御手段と、
前記遊技において発生する事象の少なくとも一部を遊技目的として設定し、当該遊技目的の達成状態を示す情報であって、前記遊技目的を達成したときに更新される達成状態情報を生成するとともに、当該達成状態情報を含む遊技情報を出力するサブ制御手段と、を有し、
前記メイン制御手段は、前記遊技の制御に関する情報を前記サブ制御手段に送信するように構成され、
前記サブ制御手段は、
前記達成状態情報、及び、チェックコードを記憶する達成状態情報記憶手段と、
前記遊技情報が入力される遊技情報入力手段 と、
前記遊技情報入力手段により入力された前記遊技情報に含まれる前記達成状態情報及び前記チェックコードを前記達成状態情報記憶手段に記憶する第1遊技開始手段と、
前記チェックコードを発行し、当該チェックコードを含む前記遊技情報を出力するとともに、当該チェックコードを前記達成状態情報記憶手段に記憶する第2遊技開始手段と、
前記遊技目的を達成する遊技を開始するときに、前記第1遊技開始手段及び前記第2遊技開始手段のいずれかを選択して実行する遊技選択手段と、
前記メイン制御手段から送信される前記制御に関する情報に基づいて、前記達成状態情報記憶手段の前記達成状態情報を更新する達成状態情報更新手段と、
前記遊技目的を達成する遊技を終了するときに、前記達成情報記憶手段に記憶されている前記達成状態情報及び前記チェックコードを含む前記遊技情報を出力する達成状態情報出力手段と、を有することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記第2遊技開始手段で発行される前記チェックコードは、乱数値であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記第2遊技開始手段で発行される前記チェックコードは、当該遊技機の識別情報に基づいて生成される乱数値であることを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記第2遊技開始手段は、前記遊技情報を2次元コードとして出力することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記第1遊技開始手段は、文字列として表現された前記遊技情報を前記遊技情報入力手段から受け取り、当該文字列から前記達成状態情報及び前記チェックコードを取り出して前記達成状態情報記憶手段に記憶するように構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項6】
前記達成状態情報出力手段は、前記遊技情報を2次元コードとして出力することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の遊技機と、
前記遊技機から出力された前記遊技情報を取得する遊技者所有装置と、
前記遊技者所有装置との間で前記遊技情報を送受信する外部処理手段と、を有することを特徴とする遊技機システム。
【請求項8】
前記外部処理手段は、
前記達成状態情報及び前記チェックコードを記憶する遊技関連情報記憶手段と、
前記チェックコードを生成し、前記遊技関連情報記憶手段に記憶するとともに、前記第1遊技開始手段に入力するための前記遊技情報であって、前記遊技関連情報記憶手段に記憶された前記達成状態情報及び前記チェックコードが含まれる前記遊技情報を生成して前記遊技者所有装置に送信する第1遊技開始記録手段と、
前記第2遊技開始手段により出力され、前記遊技者所有装置により読み取られて送信された前記遊技情報から、前記チェックコードを取り出して前記遊技関連情報記憶手段に記憶する第2遊技開始記録手段と、
前記達成状態情報出力手段により出力され、前記遊技者所有装置により読み取られて送信された前記遊技情報から前記達成状態情報を取り出して、前記遊技関連情報記憶手段に記憶されている前記達成状態情報を更新するとともに、前記遊技関連情報記憶手段に記憶されている前記チェックコードを消去する達成状態情報登録手段と、を有することを特徴とする請求項7に記載の遊技機システム。
【請求項9】
前記第1遊技開始記録手段は、前記遊技関連情報記憶手段に前記チェックコードが記憶されているときは、前記遊技者所有装置に対して前記遊技情報を送信しないように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の遊技機システム。
【請求項10】
前記第2遊技開始記録手段は、前記遊技関連情報記憶手段に前記チェックコードが記憶されているときは、前記遊技者所有装置から送信された前記遊技情報に含まれる前記チェックコードを前記遊技関連情報記憶手段に記憶しないように構成されていることを特徴とする請求項8または9に記載の遊技機システム。
【請求項11】
前記達成状態情報登録手段は、前記遊技者所有装置から送信された前記遊技情報に含まれる前記チェックコードと、前記遊技関連情報記憶手段に記憶されている前記チェックコードとを比較し、当該チェックコードが一致しないときは、前記遊技情報に含まれる前記達成状態情報を前記遊技関連情報記憶手段に記憶しないように構成されていることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の遊技機システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2013−39341(P2013−39341A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255753(P2011−255753)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】