説明

遊技機及び遊技機個体情報集計システム

【課題】 サブ制御部に対する不正改造を確実に発見することができるとともに、遊技機で発生したエラー情報を漏れなく集計できる遊技機と、遊技機個体情報集計システムを提供する。
【解決手段】 ゲームの進行を管理するメイン制御部と、メイン制御部から入力される制御信号に基づいて表示器8を駆動制御することにより、ゲームの進行に係る演出制御を行うサブ制御部と、を備えるスロットマシン1であって、サブ制御部は、一又は二以上の情報からなる当該スロットマシン1に係る個体情報を一の2次元コードに変換する2次元コード変換手段と、2次元コード変換手段により変換される個体情報を記憶する個体情報記憶手段と、を備え、個体情報記憶手段は、サブ制御部を特定可能なサブID情報を記憶し、表示器8は、変換された2次元コード81を表示する構成としてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次元コードを表示可能な遊技機と、2次元コードに基づいて遊技機の情報を集計する集計システムに関し、特に、当該遊技機限りの個体情報を2次元コード化する遊技機と、この個体情報を遊技機別に集計する遊技機個体情報集計システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技場に設置されたスロットマシンやパチンコ機などの遊技機を個別に管理する個別管理システムが提案されている。
例えば、特許文献1に提案された個別管理システムでは、遊技機の各種動作を制御するための制御用チップ(CPU、ROM、RAMなどが一体化されたICチップ)に記録されたID情報を用いて、これに遊技機のメーカー、遊技機の機種情報(スロットマシン、パチンコ機などの機類、機種名など)、設置されている遊技場名等の各種情報を関連付けることにより、遊技機を個別に管理できるようになっている。
【0003】
この個別管理システムでは、管理システムに上記の各種情報とID情報とが予め登録されており、所定の通信端末からID情報をキーとして管理システムに問い合わせることにより、当該ID情報に関連付けられた遊技機の情報をネットワーク回線を介して取得できるようになっている。
また、管理システムは、遊技場から遊技機の大当り回数などの稼動情報を受信し、所定の設定値と比較することにより、遊技場における不正行為を監視できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−201246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、遊技機は、通常、前述の制御用チップの搭載されたメイン制御部と、演出用チップ(CPU、VDP、ROM、RAMなどのICチップ)の搭載されたサブ制御部とを備え、メイン制御部がゲームの進行管理を行い、サブ制御部がメイン制御部から入力される制御信号に基づいて所定の表示手段等を駆動制御しながら、ゲームの進行に係る所定の演出制御を行うように構成されている。
近年では、サブ制御部がメイン制御部から入力される制御信号に基づいて遊技者に所定の操作を促すナビゲーション演出を行うことで、遊技機の出玉率を左右するように構成されたサブ制御部を有する遊技機がある(例えば、ART遊技状態における停止ボタンの押し順をナビゲーションするスロットマシンなど)。
【0006】
このようなナビゲーション演出を行うか否かは、サブ制御部おける演出用チップ(ROM)に記録された制御プログラムに基づいて決定されることから、常にナビゲーション演出を行うように演出用チップ(ROM等)に不正な改造を施す不正行為が増加している。
このようなことから、制御用チップのみならず、演出用チップにもID情報を記録して個別に管理する技術が望まれていた。
【0007】
また、遊技機を製造する遊技機メーカーでは、サブ制御部(演出用チップ)に対する不正行為のみならず、遊技機に関する様々なエラー情報を集計して、遊技場に設置した状態にある遊技機の実態を把握したいという要求がある。
例えば、遊技機に関するエラー情報には、遊技媒体を遊技機に投入したにもかかわらず遊技媒体が途中で詰まる投入詰まり、遊技媒体を遊技機外部に払い出そうとしているにもかかわらず遊技媒体が途中で詰まる払出詰まり、遊技媒体の過小又は過大払い出しに係る払出エラーなどがあり、これらの各種エラーは、通常、遊技場の店員等によりその場で処理されて解消されることから、遊技機メーカーでは発生したエラーの種別、これらの発生頻度等を詳細に把握することできない。
【0008】
その結果、遊技機メーカーは、遊技場の管理者等から間接的にエラー情報を聴取するに過ぎず、発生したエラーの種別、これらの発生頻度等の詳細なエラー情報を取得することができないことから、後継機等に対して不具合の改善を的確に行なうことができなかった。
【0009】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、サブ制御部を個別に管理するために演出用チップにもID情報を記録するとともに、このID情報と所定のエラー情報を当該遊技機限りの個体情報として遊技者又は遊技場の関係者等が携行する通信端末から遊技機メーカーの管理する管理サーバーに送信させるために、サブ制御部の駆動制御する表示手段にこれらの情報を2次元コード化して表示させる遊技機と、通信端末と所定の通信回線を介して接続され、受信した個体情報を集計管理する管理サーバーを備える遊技機個体情報集計システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の遊技機は、ゲームの進行を管理するメイン制御部と、前記メイン制御部から入力される制御信号に基づいて所定の表示手段を駆動制御することにより、ゲームの進行に係る所定の演出制御を行うサブ制御部と、を備える遊技機であって、前記サブ制御部は、一又は二以上の情報からなる当該遊技機に係る個体情報を一の2次元コードに変換する2次元コード変換手段と、前記2次元コード変換手段により変換される個体情報を記憶する個体情報記憶手段と、を備え、前記個体情報記憶手段は、前記サブ制御部を特定可能なサブID情報を記憶し、前記表示手段は、前記2次元コード変換手段により変換された2次元コードを表示する構成としてある。
【0011】
本発明の遊技機個体情報集計システムは、ゲームの進行を管理するメイン制御部と、前記メイン制御部から入力される制御信号に基づいて所定の表示手段を駆動制御することにより、ゲームの進行に係る所定の演出制御を行うサブ制御部と、を備える遊技機と、遊技者又は遊技場の管理者が所持する通信端末であって、前記表示手段に表示される2次元コードから前記遊技機に係る個体情報を読み取るとともに、読み取った個体情報を、所定の通信回線を介して、送信可能な通信端末と、前記通信回線を介して、前記通信端末からの前記個体情報を受信するとともに前記個体情報を集計する管理サーバーと、を備える遊技機個体情報集計システムであって、前記遊技機を本発明の遊技機としてある。
【発明の効果】
【0012】
本発明の遊技機と遊技機個体情報集計システムによれば、サブ制御部に対する不正改造を確実に発見することができるとともに、遊技機で発生したエラー情報を漏れなく集計できるので、後継機等に対して不具合の改善策を的確に施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る遊技機の外観を示す概略正面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る遊技機の内部構成を示す概略斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る遊技機の制御構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る遊技機が集計した個体情報を示す図表である。
【図5】本発明の一実施形態に係る遊技機個体情報集計システムの概略構成を示す構成図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る管理サーバーが集計する個体情報を示す図表である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る遊技機と、遊技機個体情報集計システムの好ましい実施形態について、各図を参照して説明する。
【0015】
[遊技機]
ゲームの進行を管理するメイン制御部と、メイン制御部から入力される制御信号に基づいて所定の表示手段を駆動制御することにより、ゲームの進行に係る所定の演出制御を行うサブ制御部と、を備える遊技機には、スロットマシン、パチンコ機など様々な種類があるが、本実施形態では、本発明をスロットマシンに適用した場合について説明する。
【0016】
本実施形態のスロットマシン1は、複数のリールを回転させることによって遊技媒体であるメダルを獲得できる回胴式遊技機として構成されているうえに、サブ制御部は、一又は二以上の情報からなる当該スロットマシン1に係る個体情報を一の2次元コードに変換する2次元コード変換手段と、2次元コード変換手段により変換される個体情報を記憶する個体情報記憶手段と、を備え、個体情報記憶手段は、サブ制御部を特定可能なサブID情報を記憶し、表示手段は、2次元コード変換手段により変換された2次元コードを表示するように構成されている。
以下、本実施形態に係るスロットマシン1について図1〜図4を参照しながら詳述する。
【0017】
これらの図に示すように、本実施形態のスロットマシン1は、回動可能に軸支された複数のリール41a,41b,41cが内蔵され、正面側が開口した筐体1bと、筐体1bの正面側を開閉可能に覆う前扉1aとで構成され、内部には、マイクロコンピュータ等で構成されたメイン制御部10、メイン制御部10からの指令により、表示器8,スピーカ9,LED等のランプ類を制御するサブ制御部20、及び必要な機械,装置等が収納されている。
【0018】
前扉1aは、図2に示すように、スロットマシン1の筐体1bにヒンジ等を介して開閉可能に取り付けられる扉体で、この前扉1aに遊技操作に係る複数の操作手段が設けられて、スロットマシン1の正面部を構成している。
【0019】
操作手段としては、メダルが投入されるメダル投入口2と、装置内部にクレジットとして貯留されたメダルをゲームに投じるベットボタン2aと、各リール41a,41b,41cの回転を始動させるスタートレバー3と、回転している各リール41a,41b,41cを停止させる3つの停止ボタン5a,5b,5cなどが設けられている。
さらに、前扉1aには、各リール41a,41b,41cに表示された図柄を視認可能とする表示窓6が、各操作手段の上側に設けられている。また、前扉1a上部には、液晶TVなどの表示手段からなる表示器8と、効果音、音声等が出力されるスピーカ9が設けられている。
【0020】
筐体1bの中央には、リール41a,41b,41cと、各リール41a,41b,41cを回転させる図示しないモータ及び回転位置を検出するセンサ等を備えるドラムユニット4が設けられる。
また、筐体1bの下部には、メダルの貯留・払出しを行うメダル払出装置7が設けられる。メダル払出装置7には、メダルを貯留するホッパー7aが設けられ、メダル投入口2より投入されたメダルは、メダルセレクタ2bにより検出されるとともに、ホッパー7aに誘導されるようになっている。
【0021】
メイン制御部10は、メインCPU、メインROM、メインRAMなどが一体化された制御用チップの搭載されたメイン基板、これを収容する基板ケース等から構成され、上記の各操作手段からの信号やメダルセレクタ2bからの信号に基づき、ドラムユニット4、メダル払出装置7などの各装置を制御することで、以下のようなスロットマシン遊技を進行させる。
【0022】
具体的には、遊技者によりメダル投入口2からメダルが投入されると、メダルがメダルセレクタ2bにより検出され、検出信号がメイン制御部10に入力される。また、ベットボタン2aが操作された場合は、その操作信号がメイン制御部10に入力される。メイン制御部10は、これらの信号の入力の有無からゲーム可能なメダル数を監視するとともに、スタートレバー3の操作を監視する。
ゲーム可能なメダル数となったときに、スタートレバー3が操作されると、メイン制御部10は、ドラムユニット4を駆動して、各リール41a,41b,41cを回転させる制御を行う。
【0023】
さらに、メイン制御部10は、スタートレバー3が操作されたときに、ボーナス役、小役、再遊技役、ハズレの複数の抽選対象の中から今回ゲームの当選対象を抽選する内部抽選を行い、各停止ボタン5a,5b,5cが押下操作されたタイミングに基づき、抽選結果に応じた図柄の組合せで停止するよう、回転している各リール41a,41b,41cの停止制御を行う。
【0024】
また、メイン制御部10は、各リール41a,41b,41cに停止表示される図柄の組合せを判定し、所定の図柄の組合せのときには、メダル払出装置7に対して所定数のメダルを払い出す制御を行い、メダルをメダル払出口7bから払い出す。
【0025】
また、スロットマシン1では、上述したようなスロットマシン遊技において、メイン制御部10が所定の遊技タイミング(例えば、スタートレバー操作、停止ボタン操作、ボーナスゲーム開始、ボーナス役当選)において所定の制御信号をサブ制御部20に出力することで、サブ制御部20が、この制御信号に従い、予め記憶した演出プログラムに基づき、表示器8、スピーカ9等を制御して、所定の遊技演出を行うようになっている。
【0026】
メイン制御部10からサブ制御部20に出力される制御信号には、例えば、スタートレバー操作、停止ボタン操作、ボーナスゲーム開始などの遊技の進行を示す制御信号の他に、内部抽選の結果当選した抽選対象を示す当選対象信号(例えば、当選したボーナス役の種類[ビッグボーナス、レギュラーボーナス]、当選した小役の種類、再遊技役、ハズレなど)、遊技機のエラー状態を示すエラー信号などがある。
【0027】
エラー信号は、スロットマシン1の機能的な不具合に起因するエラー信号と、スロットマシンに対する不正行為に起因するエラー信号があり、不具合に起因するエラー信号には、メダルセレクタ2bにおいてメダルの検出時間が所定時間以上となった場合に検出される投入メダル詰まりエラー、メダル払出装置7においてメダルが貯留されているにもかかわらず払い出されない払出メダル詰まりエラー、メダル払出装置7が所定数より過剰又は過小のメダルを払い出す払出エラーなどがある。
また、不正行為に起因するエラー信号には、メダルセレクタ2bに擬似メダルを検出させてクレジット数を増加させるクレジットゴトエラー、営業時間内における設定確率の変更を示す設定変更ゴトエラーなどがある。
さらに、制御用チップに記憶されたID情報を示すメインID情報信号が、メイン制御部10からサブ制御部20に出力される(例えば、スロットマシン1の電源投入時に出力)。
【0028】
[サブ制御部]
サブ制御部20は、メイン制御部10と同様にコンピュータとして構成され、表示制御部20aと音制御部20bとを制御することで、所定の映像演出及び音響演出を行う演出制御の他に、本発明の特徴となっている、記憶する一又は二以上の個体情報を一の2次元コードに変換して表示器8に表示させる制御を行うようになっている。
以下、サブ制御部20について詳細に説明する。
【0029】
サブ制御部20は、サブCPU、サブROM、サブRAMなどの演出用チップの搭載されたサブ基板、これを収容する基板ケース等から構成され、サブCPUがサブROMに記憶されたプログラムを実行処理することで、表示制御部20aと音制御部20bとを制御して、表示器8に所定の画像を表示させるとともに、スピーカ9から所定の音データを出力させる。
【0030】
表示制御部20aは、例えば、画像制御用のプロセッサ(VDPなど)、VRAM、画像データを記憶した画像ROMなどから構成され、サブCPUからの指示に従い、背景、文字等のキャラクタなどの画像データを表示器8に表示する。
【0031】
音制御部20bは、例えば、PCM音源、効果音及び音声などの音データを記憶した音声ROM、アンプなどから構成され、サブCPUからの指示に従い、音データを再生してスピーカ9から出力する。
【0032】
このような構成からなるサブ制御部20は、メイン制御部10からの制御信号にもとづいて以下のように動作する。
具体的には、サブCPUは、メイン制御部10からの制御信号にもとづいてスロットマシン1のそのときの状態を判定し、その状態に応じた演出を行うように表示制御部20aと音制御部20bとに指示し、この指示を受けた表示制御部20aと音制御部20bが、この指示に従った画像データ、音データを出力するようになっている。
【0033】
例えば、メイン制御部10から遊技の進行を示す制御信号としてボーナス遊技の開始を示す制御信号を受信したときには、サブCPUは、表示制御部20aと音制御部20bとにボーナス遊技開始の演出を行うように指示し、表示制御部20aは表示器8を制御してボーナス開始の画像を表示させるとともに、音制御部20bはスピーカ9から所定のファンファーレ音を出力させる。
また、遊技機のエラー状態を示す制御信号として投入メダル詰まりエラーを受信したときには、サブCPUは、表示制御部20aと音制御部20bとに投入メダル詰まりエラーに係る演出を行うように指示し、表示制御部20aは表示器8を制御して「投入メダルが詰まりました。店員をお呼びください。」などのメッセージ画像を表示させるとともに、音制御部20bはスピーカ9から所定の警報音を出力させる。
【0034】
また、サブ制御部20は、以上のようなスロットマシン1の状態に応じた遊技演出を行う他に、サブROM、サブRAMなどの記憶手段に記憶した個体情報を、2次元コードに変換して表示器8に表示させる。
【0035】
サブROM、サブRAMなどの記憶手段は、本発明に係る個体情報記憶手段の一例であり、演出用チップ(例えば、サブROM)のID情報を示すサブID情報を記憶するとともに、メイン制御部10から入力されるメインID情報を記憶する。
また、メイン制御部10から入力されるエラー信号又は当該サブ制御部20が自ら生成するエラー信号に基づいて集計されたエラー情報を記憶する。
ここで、サブRAMに記憶されているID情報及びエラー情報を、図4に示す。
【0036】
図4に示すように、サブRAMには、サブID情報(例えば、サブROMのID)と、メインID情報(制御用チップのID情報)と、エラー情報とが当該スロットマシン1限りの個体情報として記憶されている。
エラー情報としては、エラーの種類とエラーの発生日と発生回数が、最大100日分記憶されるようになっている。
このような個体情報の集計は、サブCPUがサブROMに記憶された制御プログラムを実行することにより行われ、逐次サブRAMに記憶されるようになっている。
【0037】
具体的には、サブCPUは、メイン制御部10から入力される制御信号を監視し、メインID情報信号が入力されると、サブRAMの所定記憶領域に、メインID情報を格納するとともに、各種エラー信号が入力されると、サブRAMのエラー信号の種類別に設けられた記憶領域に、入力された日(時)を発生日(時間を含む概念、以下同じ)として格納するとともに、発生日の格納ごとに発生回数をプラス1更新して格納する(エラー情報集計手段)。なお、発生日はサブ制御部20内において更新されるタイマ等に基づいて取得される。
【0038】
また、サブCPUは、サブROMに記憶されたサブID情報をロードし、サブRAMの所定記憶領域に、サブID情報を格納する。
さらに、サブ制御部20には、サブ基板を収容する基板ケースの開封を検出する開封センサを備えており、サブCPUは、開封センサを監視し、開封センサのオン(開封)を検出すると、これが自ら生成するエラー信号となり、サブRAMの所定記憶領域に、そのオン検出日を発生日として格納するとともに、発生日の格納ごとに発生回数をプラス1更新して格納する。これにより、サブ制御部開封エラーが集計される。
また、サブCPUは、サブROMに予め記憶された遊技機メーカーの運営するWebサイトの接続情報(例えば、URL)をロードし、サブRAMの所定記憶領域に、その接続情報を格納する。
【0039】
また、サブCPUは、メイン制御部10からサブ制御部20に入力される、遊技の終了を示す制御信号に基づいて、その入力タイミングまでの遊技履歴情報をサブRAMの所定記憶領域に格納する。
遊技履歴情報とは、例えば、ゲーム回数、ボーナス回数など累計値を示す遊技データや、サブ制御部20で行われるストーリー性のある演出の進捗情報(ストーリーの進行度を示す情報)などの、当該遊技者に係る遊技履歴を示す情報である。
【0040】
このような遊技履歴情報は、例えば、ゲーム回数、ボーナス回数ならば、メイン制御部10からサブ制御部20に入力される、スタートレバー操作、ボーナスゲーム開始を示す制御信号のそれぞれの入力回数を累計することで、求めることができる。
また、演出の進捗情報ならば、サブ制御部20が自ら管理する、ストーリーの進行度を示すタイマ値(ストーリーの始まりからの時間値)、ストーリーの区切りを示す章数などから求めることができる。
遊技履歴情報は、遊技の終了を示す制御信号である、例えば、精算ボタンなどの遊技者により操作される遊技の終了に係る操作手段の操作に伴ってメイン制御部10からサブ制御部20に入力される制御信号の入力タイミングで、サブRAMの所定記憶領域に格納される。
【0041】
さらに、サブCPUは、メイン制御部10から入力される制御信号に基づいて、所定の遊技データをエラー発生前後における所定ゲーム回数に亘って集計し、これをエラー情報の一部としてサブRAMの所定記憶領域に格納する。
【0042】
所定の遊技データには、例えば、エラーの発生前後のそれぞれ300ゲーム間における、平均出玉率(ボーナス遊技中の獲得メダル数を除いた、いわゆる通常ベース)、ボーナス回数など遊技データがある。
【0043】
平均出玉率は、メイン制御部10からサブ制御部20に入力される、スタートレバー操作を示す制御信号と、内部抽選の結果当選した抽選対象を示す当選対象信号のうちの小役当選を示す制御信号とから、算出することができる。
例えば、出玉率は投入メダル数に対する払出メダル数の割合を示す数値であることから、投入メダル数は、ゲーム開始可能となるメダル数が常に一定のメダル数(例えば、3枚)であれば、スタートレバー操作を示す制御信号の入力数に、ゲーム開始可能となるメダル数を乗じることで算出される。
また、小役当選により払出されるメダル数は予め定められていることから、払出メダル数は、小役当選を示す制御信号の入力数に、払出されるメダル数を乗じることで算出される。
そうすると、平均出玉率は、エラーの発生前後において、所定ゲーム回数分の投入メダル数の累計値に対する所定ゲーム回数分の払出メダル数の累計値の割合を算出することで求めることができる。
【0044】
また、ボーナス回数は、エラーの発生前後において、それぞれ所定ゲーム回数の間に発生したボーナスゲームの発生回数を累計することで求めることができる。
【0045】
なお、エラーの発生後における所定ゲーム回数の間の、平均出玉率とボーナス回数は、エラー発生を契機として、所定ゲーム回数の間の、平均出玉率とボーナス回数とを算出することで求めることができ、エラーの発生前における所定ゲーム回数の間の、平均出玉率とボーナス回数は、エラー発生の有無にかかわらず、所定ゲーム回数の間の平均出玉率とボーナス回数とを常に算出しておき、エラーの発生時おいて、そのときまでの平均出玉率とボーナス回数とを、エラーの発生前における平均出玉率とボーナス回数として確定することで、求めることができる。
【0046】
このように、遊技データは、エラーの発生前後における遊技履歴を示す情報となっていることから、エラー発生前後での遊技データの差異を比較することができ、発生したエラーが不正行為に起因するものか否かを判断するための材料となる。
これは、所定のエラーが発生し、その前後において、所定ゲーム回数の間の平均出玉率やボーナス回数を比較したとき、エラー発生前よりもエラー発生後の方が、平均出玉率が高く、またはボーナス回数が多い場合には、発生したエラーが不正行為に起因するものと判断することができるからである。
【0047】
例えば、サブ制御部開封エラーが発生し、その前後において、所定ゲーム回数の間の平均出玉率を比較したとき、エラー発生前よりもエラー発生後の方が、平均出玉率が高い場合には、発生したエラーが不正行為に起因するもの判断することができる。これは、例えば、スロットマシン1の一遊技状態であるART遊技状態において、サブ制御部20が小役に当選したときに所定の確率をもって停止ボタン5の押し順をナビゲーションする演出機能を有するとき、サブ制御部20の基板ケースを開封して、ナビゲーションする確率の高く設定されたサブROMへの不正な差し替えが想定されるからである。
【0048】
また、所定のエラーが発生し、その前後において、所定ゲーム回数の間の平均出玉率やボーナス回数を比較したときに、エラー発生前とエラー発生後の、平均出玉率やボーナス回数が変わらない場合には、発生したエラーが不正行為に起因する可能性が高い種類のものであっても(例えば、サブ制御部開封エラー、設定変更ゴトエラー)、単にメンテナンスのために発生したエラーであると判断することもできる。
このように、発生したエラーの種類を考慮しながら、その前後に亘る遊技データを比較することにより、発生したエラーの信憑性を確認することができる
【0049】
このように求められたエラーの発生前後における遊技データ(例えば、平均出玉率、ボーナス回数)は、サブRAMのエラー信号の種類別に設けられた記憶領域に、前述した発生日とともに、格納される。
すなわち、エラーの発生前後における遊技データは、エラー情報の一部として、発生したエラーの種類と関連付けられて記憶される。
【0050】
さらに、サブCPUは、図1に示すように、サブRAMに格納された個体情報(ID情報、エラー情報[エラーの発生前後における遊技データを含む]、接続情報、遊技履歴情報)が所定の規約に基づいて2次元コード化された2次元コード81を表示器8に表示させる。
具体的には、サブCPUは、サブROMに記憶された変換プログラムを実行することにより、サブRAMに格納された一又は二以上の個体情報を一の2次元コードに変換して表示器8に表示させる。例えば、本実施形態では、個体情報を2次元コード化したものとしてQRコード(登録商標)を表示する。
これにより、例えば、遊技者や遊技場の管理者等が自ら所持する通信端末(例えば、デジタルスチルカメラ付き携帯電話)を用いて2次元コード81の画像を撮像するとともに、2次元コード81を文字情報に変換することにより、当該スロットマシン1の個体情報を通信端末に読み込むことができる。
また、この個体情報には接続情報も含まれていることから、個体情報をその接続情報の示すWebサイトに直ちに送信することができ、個体情報の送信を促進させることができる。
【0051】
スロットマシン1を以上のように構成することにより、遊技者や遊技場の管理者等により、2次元コード化された個体情報が通信端末を介して遊技機メーカーの運営する専用のWebサイトに送信されることになり、Webサイトを管理する管理サーバーは個体情報を集計管理することができる。
そして、この管理サーバーに、メインID情報、遊技機の機類(スロットマシン、パチンコ機の区分)、機種名、設置遊技場名などの情報をサブID情報ごとに関連付けて予め登録することにより、通信端末から受信したサブID情報を検索キーとして、受信した個体情報と、予め登録されたメインID情報、遊技機の機類、機種名、設置遊技場名などの個体情報とを照合することができる。
これにより、例えば、受信したサブID情報が予め登録された個体情報のリストに掲載されていないときや、受信したサブID情報に係るメインID情報と、予め登録されたサブID情報に係るメインID情報とが異なるときなどの、受信した個体情報と、予め登録されたサブID情報及びメインID情報との間に食い違いが生じているときは、サブ制御部20に対して何らかの不正改造があったものと判定できるとともに、スロットマシン1で発生したエラー情報を漏れなく集計できるので、後継機等に対して不具合の改善策を的確に施すことができる。
【0052】
また、通信端末が地球の所定軌道上を周回する複数のGPS衛星からGPS信号を受信可能な携帯電話である場合には、このGPS信号にもとづき携帯電話の正確な位置情報(緯度経度情報)を求めることができるので、この位置情報を、2次元コード81から取得した個体情報とともに、Webサイトに送信することもできる。
これにより、管理サーバーに設置遊技場の位置情報(緯度経度情報)を予め登録しておくことにより、予め登録された設置遊技場の位置情報と、受信した位置情報との間に食い違いが生じているときは、サブ制御部20が正規な設置場所と異なる設置場所に不正に移動されているものと判定できる。
このような2次元コード81の運用形態は、以下のような遊技機個体情報集計システムを構築することにより実現できる。
【0053】
[遊技機個体情報集計システム]
本実施形態に係る遊技機個体情報集計システム100は、スロットマシン1の表示器8に表示された2次元コード81を効果的に運用するためのシステムの一例であり、図5に示すように、本発明に係るスロットマシン1と、遊技機別の個体情報を専用のWebサイト(以下、専用サイトという)を介して集計管理する管理サーバー110と、遊技者又は遊技場の関係者(以下、遊技者等という)が所持する通信端末であって表示器8に表示された2次元コード81から取得した個体情報を専用サイトに送信する携帯電話120と、専用サイトと提携する外部サイトを管理する外部サーバー130と、携帯電話会社の運営サーバー140と、から構成されている。
【0054】
管理サーバー110と運営サーバー140とは、所定の通信回線を介して接続されており、運営サーバー140は、携帯電話会社が運営する非図示の基地局からなる移動通信網を介して携帯電話120と通信可能に接続されている。
また、管理サーバー110は、外部サーバー130とも、所定の通信回線を介して接続されている。
なお、この「所定の通信回線」は、従来公知の任意好適な公衆回線、商業回線又は専用回線であって、双方向又は一方向のデータ通信を可能とするものであり、例えば、インターネット回線網,イントラネット網,LAN,WAN,アナログ電話網,ディジタル電話網等が該当し、本実施形態においてはインターネット回線網を用いるものとする。
【0055】
このようなシステム構成により、管理サーバー110は、携帯電話120から送信される個体情報(エラー情報を含む)の集計、予め登録された遊技機別の個体情報との照合、エラー情報の解析、個体情報送信への見返りとしての遊技者等への特典の付与など種々の処理を行うことができる。
【0056】
具体的には、管理サーバー110は、遊技機メーカーが運営する専用サイトを管理するWebサーバーであり、専用サイトは、例えば、トップページ、会員登録ページ、個体情報送信アプリケーションのダウンロードページ、ポイントサービスのページ等からなり、各ページに掲載された情報がWebブラウザ等を介して閲覧できるようになっている。
【0057】
また、管理サーバー110は、ROM、RAM、HDDなどの記憶手段を備え、この記憶手段に、例えば、図6に示すように、サブID情報、メインID情報、設置遊技場名、設置遊技場の位置情報(緯度経度情報)、遊技機の機類(スロットマシン、パチンコ機の区分)、機種名などの個体情報が予め関連付けられて登録されている。
これにより、管理サーバー110は、サブID情報を検索キーとして、遊技者等の所持する携帯電話120から送信される個体情報や位置情報との照合を行うことができる。
【0058】
例えば、管理サーバー110は、受信したサブID情報が予め登録された個体情報のリストに掲載されていないときや、受信したサブID情報に係るメインID情報と、予め登録されたサブID情報に係るメインID情報とが異なるときなどの、受信した個体情報と、予め登録された個体情報との間に食い違いが生じているときは、スロットマシン1のサブ制御部20に対して何らかの不正改造があったものと判定することができる。
【0059】
また、管理サーバー110は、予め登録された設置遊技場の位置情報と、受信した位置情報との間に食い違いが生じているときは、サブ制御部20が正規な設置場所と異なる設置場所に不正に移動されたものと判定できる。
【0060】
また、管理サーバー110は、図6に示すように、携帯電話120から送信されるエラー情報をその記憶手段に蓄積して記憶することができる。
これにより、蓄積したエラー情報を、設置遊技場ごとや機種名ごとに分類することにより、エラー情報を解析することができ、例えば、クレジットゴトエラー、設定変更ゴトエラー、サブ制御部開封エラーなどの不正行為に起因するエラーが多発している遊技場を抽出したり、投入メダル詰まりエラー、払出メダル詰まりエラー、払出エラーなどの機能的な不具合に起因するエラーが多発する機種名の遊技機(スロットマシン1)を抽出したりすることができる。
このとき、エラーの発生日も蓄積して記憶されているため、どの種類のエラーが、何日(何時間)に発生し、合計何回発生しているのかが分かることから、所定の期間(例えば、1カ月単位など)における、エラーの種類ごとの発生頻度を、管理サーバー110に算出させることもできる。
【0061】
また、携帯電話120から送信されるエラー情報には、エラーの発生前後に亘る遊技データも含まれることから、エラーの発生前後における遊技データをそれぞれ比較することにより、発生したエラーの信憑性を解析することができる。
例えば、受信したエラー情報から特定されるエラーの種類が機能的な不具合に起因するエラーであっても、不正行為に起因するエラーであると判断することができ(エラー発生前よりもエラー発生後の方が、平均出玉率が高く、またはボーナス回数が多い場合など)、また、受信したエラー情報から特定されるエラーの種類が不正行為に起因するエラーであっても、不正行為がなかったものと判断することができ(エラー発生前とエラー発生後で、平均出玉率とボーナス回数が変わらない場合など)、発生したエラーを解析するとき、その信憑性を確認することができる。
なお、このような判断は、例えば、エラーの発生前後における遊技データのそれぞれの数値が所定値以上離れている場合、不正行為があったものと判定するという処理を、管理サーバー110に実行させることで、自動化することもできる。
【0062】
このような解析結果に基づいて、抽出した遊技場に対して不正行為の実態を報告するサービス等の提供、エラーが多発する遊技機の後継機等に対して改善策の施行などを行うことができる。
【0063】
また、管理サーバー110は、個体情報を携帯電話120を介して送信した見返りとして、予め会員登録した遊技者等に対して特典を付与することができる。
例えば、遊技者等が携帯電話120等を介して必要項目を入力することにより無料で会員登録することができる会員登録ページを専用サイトに開設するとともに、管理サーバー110が会員ごとのポイントを専用サイトを介して閲覧可能に記憶することにより、携帯電話120からの個体情報の送信ごとに一定の有価ポイントを遊技者等に対して付与することができる。
そして、遊技者等は、貯めたポイントに応じて、専用サイトから所定の景品(例えば、着メロ(登録商標)など)をダウンロードすることができる。また、貯めたポイントを遊技場に隣接する飲食店のサービス券など交換できるようにするなど、地域の商店等と連携を通して地域振興に役立てることもできる。
【0064】
また、この専用サイトで貯めたポイントを外部サーバー130に振り替えることにより、遊技者等は多彩なポイントサービスを享受することもできる。
例えば、外部サーバー130が、遊技機メーカーと提携するポイントサービス会社の運営するWebサイト(外部サイト)のサイト管理サーバーである場合には、専用サイトのポイントサービスとは異なる他のポイントサービスとして、貯めたポイントを各種の商品・サービスの購入等に割り当てるサービスを享受することもできる。
【0065】
このように、個体情報を携帯電話120を介して送信した見返りとして、予め会員登録した遊技者等に対して有価ポイント等の特典を付与することにより、遊技者等に個体情報を送信しようとするインセンティブが働くことから、管理サーバー110はより多くの個体情報を受信することができ、これにより集計する個体情報の母数が増加することから、情報の信頼度を高めることができる。
【0066】
また、管理サーバー110は、会員ごとのポイントと同様に、個体情報に含まれる遊技履歴情報を、専用サイトを介して閲覧可能(又は携帯電話120を介してダウンロード可能)に記憶することもできる。
これにより、遊技者等は、例えば、前回の遊技におけるゲーム回数や、ボーナス回数を、携帯電話120を介して管理サーバー110から取得することにより、自分の遊技履歴を確認することができる。
また、ストーリー性のある演出の進捗情報を、携帯電話120を介して管理サーバー110から取得するとともに、この進捗情報をスロットマシン1に入力することで、前回のストーリーから今回のスロットマシン遊技を再開することができる。
【0067】
これは、例えば、スロットマシン1に所定の文字入力手段(例えば、表示器8に表示されるソフトキーボードと、これを操作可能なコントロールキーなど)を設けるとともに、この文字入力手段を介して管理サーバー110から取得した進捗情報をサブRAMに入力することにより、サブCPUがこの入力された進捗情報に基づいて表示制御部20aと音制御部20bとを制御することで、前回のストーリーからの演出を再開させることで実現される。
【0068】
また、専用サイトには、会員登録の有無にかかわらず、2次元コード81からの個体情報の読み取りによって起動される、読み取った個体情報を自動的に管理サーバー110に送信する自動送信アプリケーションをダウンロード可能なページが開設されている。
これにより、遊技者等が専用サイトからこのアプリケーションをダウンロードして携帯電話120にインストールすることにより、携帯電話120は、2次元コード81の撮像ごとに、このアプリケーション(撮像により変換された個体情報を指定するURLに自動送信するプログラム)を起動し、2次元コード81から読み取った個体情報を自動的に管理サーバー110に送信することができる。
その結果、管理サーバー110は、携帯電話120による2次元コード81の撮像から遅滞なく個体情報を集計することができる。
【0069】
以上、本発明の実施形態に係る遊技機個体情報集計システム100によれば、サブ制御部20に対する不正改造を確実に発見することができるとともに、スロットマシン1で発生したエラー情報を漏れなく集計できるので、後継機等に対して不具合の改善策を的確に施すことができる。
【0070】
以上、本発明の遊技機と遊技機個体情報集計システムの好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機と遊技機個体情報集計システムは上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
【0071】
例えば、遊技機(スロットマシン1)において、2次元コード81(QRコード(登録商標))を表示器8に表示させるタイミングは、任意のタイミング又は特定のタイミングとすることができる。
特定のタイミングとしては、例えば、会員登録した遊技者等のみしか知らない特殊な操作をスロットマシン1の操作手段に対して行うことで(例えば、確率設定用の設定キーをオンしながら、ベットボタンを押下するなど)、表示するように構成することもできる。
また、遊技者等が所定数以上のメダルを投入したタイミング以降において、2次元コードを表示することもできる。これにより、遊技機の稼動率を向上させることができる。
【0072】
また、個体情報であることを意識させることなく、遊技者等に個体情報を送信させることもできる。
例えば、読み取った個体情報を、管理サーバー110が解読可能であって遊技者等が解読不能に暗号化するとともに、2次元コード(QRコード(登録商標))に含まれる情報を専用サイトに送信することの見返りとして、遊技者等が遊技機に関する情報(現在の設定確率情報、機種情報など)を専用サイトからダウンロード可能とすることにより、遊技者等に意識させることなく、個体情報を送信させることもできる。
【0073】
また、反対に、2次元コードから取得した個体情報と、管理サーバー110が管理する予め登録された個体情報とを、遊技者等に自ら照合させることもできる。
すなわち、管理サーバー110が管理する予め登録された個体情報を専用サイトを介して閲覧可能にすることにより、遊技者等が2次元コードから取得した個体情報と予め登録された個体情報とを照合することもできる。これにより、特に遊技場の関係者がこのような照合を行うことで、サブ制御部に対する不正改造を早期に発見することができる。
【0074】
また、スロットマシン1において集計したエラー情報等の個体情報は、本実施形態では、サブRAMに記憶されるようにしたが、専用の不揮発性ROM等を設け、これに蓄積して記憶させることもできる。
【0075】
サブID情報とエラー情報をまとめて一の2次元コードに変換したが、別々の2次元コードに変換して、それぞれの2次元コードを個別に表示器8に表示させるとともに、個別に管理サーバー110に送信させることもできる。
また、この場合、エラー情報に係る2次元コードにメインID情報を含ませることもできる。
【0076】
また、本実施形態では、通信端末を携帯電話120としたが、小型のパーソナルコンピュータやスマートフォンなど、2次元コード読取機能やGPS受信機能を有する他の通信端末を用いることもできる。
【0077】
また、専用サイトや外部サイト等には、SNSなどの機能を有するWebページを設け、会員同士でポイントやメッセージ等の交換ができるようにしてもよい。このようにすると会員同士のつながりをもたせることができ、より付加価値の高い遊技機個体情報集計システムを実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、メイン制御部とともにサブ制御部を備える、スロットマシン、パチンコ機などの遊技機に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 スロットマシン(遊技機)
10 メイン制御部
20 サブ制御部(2次元コード変換手段、個体情報記憶手段、エラー情報集計手段)
8 表示器
81 2次元コード
100 遊技機個体情報集計システム
110 管理サーバー
120 携帯電話(通信端末)
130 外部サーバー
140 運営サーバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームの進行を管理するメイン制御部と、前記メイン制御部から入力される制御信号に基づいて所定の表示手段を駆動制御することにより、ゲームの進行に係る所定の演出制御を行うサブ制御部と、を備える遊技機であって、
前記サブ制御部は、
一又は二以上の情報からなる当該遊技機に係る個体情報を2次元コードに変換する2次元コード変換手段と、
前記2次元コード変換手段により変換される個体情報を記憶する個体情報記憶手段と、を備え、
前記個体情報記憶手段は、前記サブ制御部を特定可能なサブID情報を記憶し、
前記表示手段は、前記2次元コード変換手段により変換された2次元コードを表示する
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記個体情報記憶手段は、前記メイン制御部を特定可能なメインID情報を記憶する
ことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記サブ制御部は、
前記メイン制御部から入力される制御信号又は当該サブ制御部が自ら生成するエラー信号に基づいて、当該遊技機で発生したエラー情報を集計するエラー情報集計手段を備え、
前記個体情報記憶手段は、
前記エラー情報集計手段により集計された、エラーの種類と発生日をエラーごとに記憶するとともに発生回数の累計値をエラーの種類ごとに記憶する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。
【請求項4】
前記エラー情報集計手段は、前記メイン制御部から入力される制御信号に基づいて、所定の遊技データをエラー発生前後における所定ゲーム回数に亘って集計し、
前記個体情報記憶手段は、エラーの種類ごとに前記遊技データを記憶する
ことを特徴とする請求項3記載の遊技機。
【請求項5】
前記個体情報記憶手段は、遊技者又は遊技場の管理者の所持する所定の通信端末と通信可能に接続される所定の管理サーバーの接続情報を記憶する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項6】
前記個体情報記憶手段は、前記メイン制御部から入力される制御信号又は当該サブ制御部が自ら管理する演出の進捗情報に基づいて求められる遊技履歴情報を記憶する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項7】
ゲームの進行を管理するメイン制御部と、前記メイン制御部から入力される制御信号に基づいて所定の表示手段を駆動制御することにより、ゲームの進行に係る所定の演出制御を行うサブ制御部と、を備える遊技機と、
遊技者又は遊技場の管理者が所持する通信端末であって、前記表示手段に表示される2次元コードから前記遊技機に係る個体情報を読み取るとともに、読み取った個体情報を、所定の通信回線を介して、送信可能な通信端末と、
前記通信回線を介して、前記通信端末からの前記個体情報を受信するとともに前記個体情報を集計する管理サーバーと、を備える遊技機個体情報集計システムであって、
前記遊技機が、請求項1〜6のいずれか一項に記載の遊技機である
ことを特徴とする遊技機個体情報集計システム。
【請求項8】
前記通信端末は、
前記個体情報の読み取りによって起動される、読み取った個体情報を自動的に前記管理サーバーに送信する個体情報自動送信手段を備える
ことを特徴とする請求項7記載の遊技機個体情報集計システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−85784(P2013−85784A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230366(P2011−230366)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】