遊技機
【課題】デカ玉を用いた不正行為を防止できる遊技機を提供すること。
【解決手段】遊技球が入賞可能な入賞口41と、前記入賞口41に入賞した遊技球の通路である遊技球通路43と、前記遊技球通路43に設けられ、遊技球が通過可能な通過口45aを有し、前記通過口45aを通過する遊技球を検知する入賞センサ45と、を備える遊技機1であって、前記遊技球通路43のうち、前記入賞センサ45よりも上流側に、正常な遊技球は通過させるが、所定の大きさ以上の遊技球の通過を禁止する不正防止部47を備えることを特徴とする遊技機1。
【解決手段】遊技球が入賞可能な入賞口41と、前記入賞口41に入賞した遊技球の通路である遊技球通路43と、前記遊技球通路43に設けられ、遊技球が通過可能な通過口45aを有し、前記通過口45aを通過する遊技球を検知する入賞センサ45と、を備える遊技機1であって、前記遊技球通路43のうち、前記入賞センサ45よりも上流側に、正常な遊技球は通過させるが、所定の大きさ以上の遊技球の通過を禁止する不正防止部47を備えることを特徴とする遊技機1。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、遊技機は、遊技球が入賞可能な入賞口と、入賞口に入賞した遊技球の通路である遊技球通路と、遊技球通路に設けられ、入賞した遊技球を検知する入賞センサを備えている。入賞センサは、遊技球が通過可能な通過口を有し、その通過口を通過する遊技球を検知する。入賞センサが遊技球を検知すると、所定数の賞球が払い出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−174866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、上記のような遊技機に対し、以下のような不正行為が行われている。まず、通常の遊技球よりも直径が大きい遊技球(以下、デカ玉とする)を磁石で誘導し、入賞口へ入れる。このとき、デカ玉は通常の遊技球よりも直径が大きいため、入賞センサの通過口を通過できず、入賞センサに引っかかった状態となる。この状態で、デカ玉に向けて電磁波を照射する。すると、入賞センサに引っかかったデカ玉がアンテナの役割を果たし、電磁波が入賞センサに強力に作用する。入賞センサは、電磁波の影響で遊技球が通過口を通過したと誤認識してしまい、賞球が払い出されてしまう。
【0005】
本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、デカ玉を用いた不正行為を防止できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遊技機は、遊技球が入賞可能な入賞口と、前記入賞口に入賞した遊技球の通路である遊技球通路と、前記遊技球通路に設けられ、遊技球が通過可能な通過口を有し、前記通過口を通過する遊技球を検知する入賞センサと、を備える遊技機であって、前記遊技球通路のうち、前記入賞センサよりも上流側に、正常な遊技球は通過させるが、所定の大きさ以上の遊技球の通過を禁止する不正防止部を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の遊技機は、遊技球通路のうち、入賞センサよりも上流側に、正常な遊技球は通過させるが、所定の大きさ以上の遊技球(いわゆるデカ玉)の通過を禁止する不正防止部を備える。そのため、入賞センサの通過口で詰まるようなデカ玉を入賞口へ入賞させると、そのデカ玉は、入賞センサの通過口へ到達する前に、不正防止部で止められ、入賞センサに到達しない。その結果、デカ玉を利用した不正行為(入賞センサに引っかかったデカ玉に電磁波を照射し、入賞センサの誤認識を生じさせる)を防止できる。
【0008】
不正防止部としては、通常の遊技球は通過させ、デカ玉を止められるものであれば特に限定されないが、例えば、通常の遊技球は通過させるが、デカ玉は引っかかる大きさの通過孔を有する部材が挙げられる。この通過孔の内径は、例えば、入賞センサの通過口の内径以下とすることが好ましい。こうすることにより、入賞センサの通過口に詰まるデカ玉を、確実に不正防止部で止めることができる。通過孔としては、例えば、遊技球通路の下流にゆくほど内径が小さくなるテーパー状の形状を有するものが挙げられる。テーパー状とすることにより、遊技球の流れがスムーズになる。通過孔の断面形状は特に限定されないが、例えば、円形であることが好ましい。円形である場合、球面の一部を削り取った遊技球(不正の目的で加工された遊技球)の通過を防止できる。また、不正防止部は、例えば、遊技球通路の内部に単一、又は複数の突起を設けたものであってもよい。
【0009】
不正防止部は、遊技球通路の一部(遊技球通路と一体化されたもの)であってもよいし、遊技球通路に、別の部材を取り付けたものであってもよい。別の部材である場合、例えば、遊技球通路の一部を切り欠き、そこに不正防止部を取り付けることができる。また、遊技球通路の内部に、不正防止部を挿入することもできる。また、遊技球通路の一部である場合、遊技球通路の一部の内径を小さくしたり、遊技球通路の内面に突起を形成したものを用いることができる。
【0010】
不正防止部の位置は特に限定されないが、例えば、入賞口の入口に備えることができる。この場合、不正防止部で止まっているデカ玉を入賞口から視認することができる。また、遊技球通路が湾曲部を有し、不正防止部は、その湾曲部に設けることができる。通常、湾曲部では遊技球の流れが悪くなり易いが、湾曲部に不正防止部を設け、その部分での遊技球通路の幅を適正化することで、遊技球の流れをよくすることができる。
【0011】
遊技球通路のうち、不正防止部が設けられた部分、又は、不正防止部よりも上流側の部分は、遊技球通路の残りの部分から取り外し可能であることが好ましい。こうすることにより、不正防止部で止められたデカ玉を容易に取り出すことができる。
【0012】
本発明の遊技機は、不正防止部により通過を禁止された遊技球が遊技機の外部から視認できるように、遊技機における所定の部分が透明な部材から成ることが好ましい。こうすることにより、不正防止部により通過を禁止された遊技球を外部から容易に視認することができる。
【0013】
本発明の遊技機は、不正防止部により通過を禁止された遊技球を検出する検出手段を備えることが好ましい。こうすることにより、デカ玉が使用されたことを容易に知ることができる。
【0014】
前記上流側とは、遊技球の流れにおける上流側を意味する。例えば、遊技球通路が高低差を有し、高い方から低い方に遊技球が流れる場合、高い方が上流側となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】遊技機1の正面図である。
【図2】遊技盤7のうち、入賞口41付近を背面側から見た図である。
【図3】(a)は入賞センサ45の平面図であり、(b)は不正防止部材47の平面図である。
【図4】遊技盤7のうち、入賞口41付近を背面側から見た図である。
【図5】遊技盤7のうち、入賞口41付近を背面側から見た図である。
【図6】遊技盤7のうち、入賞口41付近を背面側から見た図である。
【図7】遊技盤7のうち、入賞口41付近を背面側から見た図である。
【図8】遊技球通路43のうち、突起49が形成された付近の斜視図である。
【図9】(a)は、遊技球通路43のうち、突起49が形成された付近を上方から見た図であり、(b)は、遊技球通路43のうち、突起49が形成された付近の側断面図である。
【図10】(a)は、不正防止部材51の斜視図であり、(b)は、不正防止部材51を遊技球通路43に取り付けた状態を表す斜視図であり、 (c)は、不正防止部材51を取り外したときの遊技球通路43を表す斜視図である。
【図11】(a)は、不正防止部材65の一部を遊技球通路43から取り外した状態を表す斜視図であり、図11(b)は、不正防止部材65を完全に遊技球通路43に取り付けた状態を表す斜視図である。
【図12】(a)は、不正防止部材51の斜視図であり、(b)は、不正防止部材51を遊技球通路43に取り付けた状態を表す斜視図であり、 (c)は、不正防止部材51を遊技球通路43から取り外した状態を表す斜視図である。
【図13】(a)は、不正防止部材82を表す斜視図であり、(b)は、不正防止部材82の一部を遊技球通路43から取り外した状態を表す斜視図であり、(c)は、不正防止部材82の全体を取り外したときの遊技球通路43を表す斜視図であり、(d)は、不正防止部材65を完全に遊技球通路43に取り付けた状態を表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
1.遊技機1の全体構成
遊技機1の全体構成を図1に基づいて説明する。図1は、遊技機1の正面図である。 遊技機1は、図示しない遊技場に来場した遊技者にパチンコ遊技を提供するものであって、図示しない遊技島に取り付けられる外枠3と、外枠3に開閉可能に取り付けられた内枠5と、内枠5に取り付けられ、遊技者に対面して配置された遊技盤7と、遊技者が遊技行為を行うために遊技盤7上に遊技球を発射するためのハンドル9と、遊技盤7における遊技行為の結果として提供される賞品、ここでは遊技球(賞品として払い出される遊技球を賞品球と言う。)を貯留する上受け皿11と、上受け皿11から排出される遊技球を受ける下受け皿13を備えている。
【0017】
遊技者に対面する遊技盤7は、遊技者から見える位置に、遊技者に興趣のある図柄を提供する図柄表示装置21と、電動チューリップ19とを備える。電動チューリップ19は、第1の始動口17と、第2の始動口18とを備えている。第1の始動口17、第2の始動口18に遊技球が入賞すると、特別図柄遊技用の特別図柄始動信号が出力され、特別図柄遊技が行われる。遊技盤7は、特別図柄遊技の結果を表示する第1特別図柄表示装置31及び第2特別図柄表示装置32を備える。
【0018】
また、遊技盤7は、大入賞口25と、大入賞口25を開放できる特別電動役物24とを備える。大入賞口25が開放されると入賞が可能になり、その入賞により賞品球が提供される。また、遊技盤7は、遊技球が通過すると、普通図柄遊技用の普通図柄始動信号を出力する機能を有する普通図柄始動ゲート35と、普通図柄遊技の結果を表示する普通図柄表示装置37と、普通図柄遊技の保留数を表示する普通図柄記憶表示装置39とを備えている。上述した普通図柄記憶表示装置39は4個のランプを備え、その4個のランプのうち、保留数に対応する数のランプだけが点灯するように構成されている。また、遊技盤7には、変動時間短縮機能(以降、時短と称す)が作動中(即ち、時短状態)かを表示する時短表示LED42が設置されている。
【0019】
また、遊技盤7は、遊技球が入賞可能な一対の入賞口41、41を備えている。この入賞口41、41にはそれぞれ、遊技球の通路である遊技球通路43、43が接続している。なお、入賞口41及び遊技球通路43の構成については、後述する。遊技球が入賞口41に入賞し、後述する入賞センサ45で検出されると、所定数の遊技球が払い出される。
【0020】
また、遊技機1は、遊技機1の上記各構成を制御し、後述する処理を実行する主制御基板及び図柄制御基板(ともに図示略)等を備えている。
また、遊技盤7は、透明な部材から成る窓部44を備えている。この窓部44は、遊技盤7の一部を切り取り、そこに透明な素材(例えば透明樹脂、透明なガラス)から成る板を取り付けたものである。窓部44は、遊技機1の正面側から、後述する不正防止部材47が視認可能となる位置に設けられている。
【0021】
2.入賞口41及び遊技球通路43の周囲の構成
入賞口41及び遊技球通路43の周囲の構成を図2及び図3に基づいて説明する。図2は、遊技盤7のうち、入賞口41付近を背面側から見た図であり、図3(a)は後述する入賞センサ45の平面図であり、図3(b)は後述する不正防止部材47の平面図である。
【0022】
図2に示すように、入賞口41には、遊技盤7の裏側に設けられた遊技球通路43が接続している。遊技球通路43は、断面が円形である中空の筒である。入賞口41に入賞した遊技球は、遊技球通路43を通り、下方の図示しないアウト口に送られる。遊技球通路43は、湾曲部43a、43bにおいてそれぞれ湾曲し、クランク状の形状を有している。遊技球通路43のうち、湾曲部43bよりも下流(下側)の部分は、ほぼ鉛直に配置されている。
【0023】
遊技球通路43のうち、湾曲部43bよりも下流の部分には、入賞センサ45が取り付けられている。入賞センサ45は、図3(a)に示すように、大きさが正常な遊技球が通過可能な、断面が円形の通過口45aを備えており、その通過口45aの中心と遊技球通路43の中心とが同心となるように、遊技球通路43に取り付けられている。よって、正常な大きさの遊技球は、遊技球通路43の上流側から、通過口45aを通過し、遊技球通路43の下流側へと流れる。入賞センサ45は、周知の機構により、通過口45aを通過する遊技球を検知することができる。なお、入賞センサ45で遊技球を検知したときの信号は、図示しない主制御基板に送られる。信号を受信した主制御基板は、図示しない賞球払出基板を用いて、所定数の賞球を払い出す。
【0024】
また、遊技球通路43のうち、湾曲部43bと入賞センサ45との間には、不正防止部材47が取り付けられている。不正防止部材47は、断面が円形の通過孔47aを備えた板状の部材である。不正防止部材47は、通過孔47aの中心と遊技球通路43の中心とが同心となるように、遊技球通路43に取り付けられている。通過孔47aの内径は、正常な大きさの遊技球は通過させることができる大きさであるが、通過口45aの大きさよりは小さい。なお、通過孔47aの内径は、通過口45aの内径と同一であってもよい。
【0025】
3.遊技機1が奏する効果
遊技機1は、遊技球通路43において、入賞センサ45よりも上流側に、不正防止部材47を備えている。この不正防止部材47の通過孔47aにおける内径は、入賞センサ45の通過口45aにおける内径より小さいので、通過口45aで詰まるような、通常の遊技球よりも直径が大きい遊技球(デカ玉)を入賞口41へ入賞させると、そのデカ玉は、入賞センサ45の通過口45aへ到達する前に、不正防止部材47の通過孔47aで引っかかる。その結果、デカ玉が入賞センサ45に到達しないので、デカ玉を利用した不正行為(入賞センサ45に引っかかったデカ玉に電磁波を照射し、入賞センサ45の誤認識を生じさせる)を防止できる。
【0026】
なお、通過孔47aの内径が通過口45aの内径と同一であっても、上記の効果を奏することができる。
(第2の実施形態)
遊技機1は、図4に示すようなものであってもよい。図4は、遊技盤7のうち、入賞口41付近を背面側から見た図である。なお、以下では、前記第1の実施形態と同様の部分は、記載を省略乃至簡略化する。
【0027】
遊技球通路43のうち、湾曲部43bと入賞センサ45との間の部分である不正防止部43cは、下流にゆくほど内径が徐々に小さくなるテーパー状の形状を有する。不正防止部43cの最も下流側の部分(すなわち入賞センサ45の直前)における内径は、通過口45aの内径と同一である。なお、不正防止部43cの最も下流側の部分における内径は、正常な大きさの遊技球は通過させることができる大きさであって、通過口45aの内径よりも小さくてもよい。
【0028】
不正防止部43cの断面形状は、いずれの断面で見ても円形である。なお、不正防止部43cの断面形状は、後述する効果を奏することができれば、必ずしも円形でなくてもよい。
【0029】
不正防止部43cの内径は、上述したように、下流にゆくほど徐々に小さくなり、入賞センサ45の直前では、通過口45aの内径と同一になるので、デカ玉を入賞口41へ入賞させると、そのデカ玉は、入賞センサ45の通過口45aへ到達する前に、不正防止部43cのどこかで引っかかる。その結果、デカ玉が入賞センサ45に到達しないので、デカ玉を利用した不正行為(入賞センサ45に引っかかったデカ玉に電磁波を照射し、入賞センサ45の誤認識を生じさせる)を防止できる。
【0030】
また、不正防止部43cの形状がテーパー状であることにより、遊技球通路43における遊技球の流れが一層スムーズになる。
なお、上記の効果は、不正防止部43cの最も下流側の部分における内径が、正常な大きさの遊技球は通過させることができる大きさであり、且つ通過口45aの内径よりも小さい場合でも奏することができる。
(第3の実施形態)
遊技機1は、図5に示すようなものであってもよい。図5は、遊技盤7のうち、入賞口41付近を背面側から見た図である。なお、以下では、前記第1の実施形態と同様の部分は、記載を省略乃至簡略化する。
【0031】
遊技球通路43は、湾曲部43bと入賞センサ45との間において、内径がその周囲に比べて局所的に小さくなっている不正防止部43dを備えている。不正防止部43dの内径は、正常な大きさの遊技球は通過させることができる大きさであるが、通過口45aよりは小さい。なお、不正防止部43dの断面形状は円形であり、遊技球通路43と一体に形成されている。
【0032】
本実施形態の遊技機1は、遊技球通路43において、入賞センサ45よりも上流側に、不正防止部43dを備えている。この不正防止部43dの内径は、入賞センサ45の通過口45aにおける内径より小さいので、デカ玉を入賞口41へ入賞させると、そのデカ玉は、入賞センサ45の通過口45aへ到達する前に、不正防止部43dで引っかかる。その結果、デカ玉が入賞センサ45に到達しないので、デカ玉を利用した不正行為(入賞センサ45に引っかかったデカ玉に電磁波を照射し、入賞センサ45の誤認識を生じさせる)を防止できる。
(第4の実施形態)
遊技機1は、図6に示すようなものであってもよい。図6は、遊技盤7のうち、入賞口41付近を背面側から見た図である。なお、以下では、前記第1の実施形態と同様の部分は、記載を省略乃至簡略化する。
【0033】
遊技球通路43は、湾曲部(不正防止部)43aにおいて、内径d1がその周囲より小さくなっている。内径d1は、正常な大きさの遊技球は通過させることができる大きさであるが、通過口45aよりは小さい。なお、湾曲部43aにおける断面形状は円形である。
【0034】
本実施形態の遊技機1では、遊技球通路43において、入賞センサ45よりも上流側である湾曲部43aの内径d1が、入賞センサ45の通過口45aにおける内径より小さいので、デカ玉を入賞口41へ入賞させると、そのデカ玉は、入賞センサ45の通過口45aへ到達する前に、湾曲部43aで引っかかる。その結果、デカ玉が入賞センサ45に到達しないので、デカ玉を利用した不正行為(入賞センサ45に引っかかったデカ玉に電磁波を照射し、入賞センサ45の誤認識を生じさせる)を防止できる。
(第5の実施形態)
遊技機1は、図7〜図9に示すようなものであってもよい。図7は、遊技盤7のうち、入賞口41付近を背面側から見た図である。図8は、遊技球通路43のうち、後述する突起49が形成された付近の斜視図である。図9(a)は、遊技球通路43のうち、後述する突起49が形成された付近を上方から見た図であり、図9(b)は、遊技球通路43のうち、後述する突起49が形成された付近の側断面図である。なお、以下では、前記第1の実施形態と同様の部分は、記載を省略乃至簡略化する。
【0035】
遊技球通路43の内壁には、湾曲部43aと入賞口41との間において、内側に突出する複数の突起49が形成されている。突起49は、遊技球通路43と一体に形成されている。突起49は、遊技球通路43の内壁上の鉛直線L1に沿って配列されているとともに、その鉛直線L1と対向する、遊技球通路43の内壁上の鉛直線L2に沿っても配列されている(図8参照)。また、鉛直線L1に沿った突起49と、鉛直線L2に沿った突起49とは、上下方向における位置が交互に並ぶように配置されている。すなわち、鉛直線L2に沿った突起49の上下方向における位置は、鉛直線L1に沿った突起49同士の間となる。
【0036】
複数の突起49の高さは、正常な大きさの遊技球は通過させることができるが、複数の突起49が形成された部分における遊技球通路43の内径が実質的に、通過口45aより小さくなる(通過口45aを通過できる最大限度の遊技球を通過させない)ように設定されている。
【0037】
本実施形態の遊技機1は、遊技球通路43において、入賞センサ45よりも上流側に、複数の突起49が形成されている部分(不正防止部)を備えている。この部分における実質的な内径は、入賞センサ45の通過口45aにおける内径より小さいので、デカ玉を入賞口41へ入賞させると、そのデカ玉は、入賞センサ45の通過口45aへ到達する前に、複数の突起49が形成されている部分で引っかかる。その結果、デカ玉が入賞センサ45に到達しないので、デカ玉を利用した不正行為(入賞センサ45に引っかかったデカ玉に電磁波を照射し、入賞センサ45の誤認識を生じさせる)を防止できる。
【0038】
また、複数の突起49があるため、遊技球が落下する速度を減少させることができる。そのため、複数の突起49が形成されている部分をデカ玉が勢いで通過してしまうことを防止できる。
(第6の実施形態)
遊技機1は、図10に示すようなものであってもよい。図10(a)は、後述する不正防止部材51の斜視図であり、図10(b)は、不正防止部材51を遊技球通路43に取り付けた状態を表す斜視図であり、図10(c)は、不正防止部材51を取り外したときの遊技球通路43を表す斜視図である。なお、以下では、前記第1の実施形態と同様の部分は、記載を省略乃至簡略化する。
【0039】
遊技球通路43のうち、湾曲部43bと入賞センサ45との間の部分には、図10(c)に示すように、所定の長さにわたって遊技球通路43が切り欠かれた切欠部53が形成されている。この切欠部53には、通常の状態では、図10(a)、(b)に示す不正防止部材51が挿入されている。不正防止部材51は、基板55と、基板55の一方の面に重ねて立設された3枚の板状部材である横板57、59、61から構成される。横板57、59、61には、それらを貫通する、断面が円形の通過孔63が形成されている。通過孔63の内径は、正常な大きさの遊技球は通過させることができる大きさであるが、入賞センサ45の通過口45aよりは小さい。
【0040】
不正防止部材51を遊技球通路43に取り付けるときは、図10(b)に示すように、横板57、59、61を切欠部53に挿入する。このとき、不正防止部材51の通過孔63と、遊技球通路43とが同心となるようにする。不正防止部材51は、横板57、59、61を切欠部53に挿入した状態で、基板55を遊技機1内部の図示しない支持板にねじ止めすることで固定される。
【0041】
本実施形態の遊技機1は、遊技球通路43において、入賞センサ45よりも上流側に、不正防止部材51を備えている。不正防止部材51の通過孔63における内径は、入賞センサ45の通過口45aにおける内径より小さいので、デカ玉を入賞口41へ入賞させると、そのデカ玉は、入賞センサ45の通過口45aへ到達する前に、不正防止部材51の通過孔63で引っかかる。その結果、デカ玉が入賞センサ45に到達しないので、デカ玉を利用した不正行為(入賞センサ45に引っかかったデカ玉に電磁波を照射し、入賞センサ45の誤認識を生じさせる)を防止できる。
【0042】
また、不正防止部材51は、基板55におけるネジ止めを外し、横板57、59、61を切欠部53から引き抜けば、遊技球通路43から取り外すことができる。不正防止部材51の通過孔63にデカ玉が引っかかったときは、上記のように不正防止部材51を遊技球通路43から取り外せば、遊技球通路43の切欠部53からデカ玉を取り出すことができる。
(第7の実施形態)
遊技機1は、図11に示すようなものであってもよい。図11(a)は、後述する不正防止部材65の一部を遊技球通路43から取り外した状態を表す斜視図であり、図11(b)は、不正防止部材65の全体を遊技球通路43に取り付けた状態を表す斜視図である。なお、以下では、前記第1の実施形態と同様の部分は、記載を省略乃至簡略化する。
【0043】
遊技球通路43のうち、湾曲部43bと入賞センサ45との間の部分には、図11(a)に示すように、遊技球通路43が切り欠かれた切欠部67が形成されている。この切欠部67は、その上下方向における中央では全周にわたって切りかかれており、その上下の部分では、一方の半周のみにおいて切り欠かれている。
【0044】
切欠部67には、不正防止部材65が取り付けられる。不正防止部材65は、基板69と、基板69の一方の面に、所定の間隔を空けて平行に立設された横板71、73と、遊技球通路43に取り付けられた横板75とから構成される。横板75は、それを上下に貫通する通過孔77を備えており、その通過孔77と遊技球通路43とが同心となるように、切欠部67の中央部(全周にわたって切りかかれている部分)に挿入されている。また、横板71、73の先端にはそれぞれ、半円状の切欠71a、73aが形成されている。
【0045】
不正防止部材65は、横板71、73の間に横板75を差し込み、また、横板71、73の先端部分を、切欠部67のうち、半周だけ切り欠かれている部分に挿入する。すると、横板71、73の半円状の切欠71a、73aと、切欠部67において半周だけ残っている部分とが合わさって、断面が円形の通過孔79、79(一方は切欠71aにより形成されるものであり、他方は切欠73aにより形成されるもの)が形成される。よって、遊技球通路43内を流れる遊技球は、通過孔77及び通過孔79を通過することになる。通過孔77、79の内径は、いずれも、正常な大きさの遊技球は通過させることができる大きさであるが、入賞センサ45の通過口45aよりは小さい。
【0046】
不正防止部材65のうち、横板75を除く部分は、横板71、73を切欠部67に挿入した状態で、基板69を遊技機1内部の図示しない支持板にねじ止めすることで固定される。
【0047】
本実施形態の遊技機1は、遊技球通路43において、入賞センサ45よりも上流側に、不正防止部材65を備えている。不正防止部材65の通過孔77、79における内径は、入賞センサ45の通過口45aにおける内径より小さいので、デカ玉を入賞口41へ入賞させると、そのデカ玉は、入賞センサ45の通過口45aへ到達する前に、不正防止部材65の通過孔77、79で引っかかる。その結果、デカ玉が入賞センサ45に到達しないので、デカ玉を利用した不正行為(入賞センサ45に引っかかったデカ玉に電磁波を照射し、入賞センサ45の誤認識を生じさせる)を防止できる。
【0048】
また、不正防止部材65は、基板69におけるネジ止めを外し、横板71、73を切欠部67から引き抜けば、遊技球通路43から取り外すことができる。不正防止部材65の通過孔77、79にデカ玉が引っかかったときは、上記のように不正防止部材65を遊技球通路43から取り外せば、遊技球通路43の切欠部67からデカ玉を取り出すことができる。
(第8の実施形態)
遊技機1は、図12に示すようなものであってもよい。図12(a)は、後述する不正防止部材51の斜視図であり、図12(b)は、不正防止部材51を遊技球通路43に取り付けた状態を表す斜視図であり、図12(c)は、不正防止部材51を遊技球通路43から取り外した状態を表す斜視図である。
【0049】
本実施形態の遊技機1は、基本的には前記第6の実施形態と同様であるが、不正防止部材51がスライド動作を行う点で相違する。以下では、この相違点を中心に説明し、前記第6の実施形態と同様の部分の説明は省略乃至簡略化する。
【0050】
不正防止部材51の基板55は、遊技機1内部の図示しない支持板に固定された、一対のレール部材81に、スライド可能に保持されている。不正防止部材51をレール部材81における一方の側にスライドさせると、図12(b)に示すように、不正防止部材51の横板57、59、61が遊技球通路43切欠部53に挿入される。このとき、不正防止部材51の通過孔63と、遊技球通路43とが同心となる。この状態が、不正防止部材51が遊技球通路43に取り付けられた状態である。なお、通過孔63の内径は、正常な大きさの遊技球は通過させることができる大きさであるが、入賞センサ45の通過口45aよりは小さい。
【0051】
一方、不正防止部材51をレール部材81における反対側にスライドさせると、図12(c)に示すように、不正防止部材51は遊技球通路43から取り外された状態となる。
本実施形態の遊技機1は、遊技球通路43において、入賞センサ45よりも上流側に、不正防止部材51を備えている。不正防止部材51の通過孔63における内径は、入賞センサ45の通過口45aにおける内径より小さいので、デカ玉を入賞口41へ入賞させると、そのデカ玉は、入賞センサ45の通過口45aへ到達する前に、不正防止部材51の通過孔63で引っかかる。その結果、デカ玉が入賞センサ45に到達しないので、デカ玉を利用した不正行為(入賞センサ45に引っかかったデカ玉に電磁波を照射し、入賞センサ45の誤認識を生じさせる)を防止できる。
【0052】
また、不正防止部材51は、レール部材81に沿ってスライドさせるだけで、遊技球通路43から取り外すことができる。不正防止部材51の通過孔63にデカ玉が引っかかったときは、上記のように不正防止部材51を遊技球通路43から取り外せば、遊技球通路43の切欠部53からデカ玉を取り出すことができる。
(第9の実施形態)
遊技機1は、図13に示すようなものであってもよい。図13(a)は、後述する不正防止部材82を表す斜視図であり、図13(b)は、不正防止部材82の一部を遊技球通路43から取り外した状態を表す斜視図であり、図13(c)は、不正防止部材82の全体を取り外したときの遊技球通路43を表す斜視図であり、図13(d)は、不正防止部材82を完全に遊技球通路43に取り付けた状態を表す斜視図である。なお、以下では、前記第1の実施形態と同様の部分は、記載を省略乃至簡略化する。
【0053】
遊技球通路43のうち、湾曲部43bと入賞センサ45との間の部分は、図13(c)に示すように、遊技球通路43が切り欠かれた切欠部67が形成されている。この切欠部67は、その上下方向における中央では全周にわたって切りかかれており、その上下の部分では、一方の半周のみにおいて切り欠かれている。
【0054】
切欠部67には、不正防止部材82が取り付けられる。不正防止部材82は、基板85と、基板85の一方の面に、所定の間隔を空けて立設された横板87、89と、遊技球通路43に取り付けられた横板91とから構成される。横板91は、それを上下に貫通する通過孔93を備えており、その通過孔93と遊技球通路43とが同心となるように、切欠部67の中央部(全周にわたって切りかかれている部分)に挿入されている。また、横板87、89における一方の側面にはそれぞれ、半円状の切欠87a、89aが形成されている。
【0055】
基板85は、遊技機1内部の図示しない支持板に固定された、一対のレール部材83に、スライド可能に保持されている。不正防止部材82をレール部材83における一方の側にスライドさせると、図13(d)に示すように、横板87、89が切欠部67のうち、半周だけ切り欠かれている部分に挿入され、また、横板87、89の間に横板91が挿入される。すると、横板87、89の半円状の切欠87a、89aと、切欠部67において半周だけ残っている部分とが合わさって、断面が円形の通過孔95、95が形成される。よって、遊技球通路43内を流れる遊技球は、通過孔93及び通過孔95を通過することになる。通過孔93、95の内径は、いずれも、正常な大きさの遊技球は通過させることができる大きさであるが、入賞センサ45の通過口45aよりは小さい。
【0056】
一方、不正防止部材82をレール部材83における反対側にスライドさせると、図13(b)に示すように、不正防止部材82のうち、横板91を除く部分は、遊技球通路43から取り外された状態となる。
【0057】
本実施形態の遊技機1は、遊技球通路43において、入賞センサ45よりも上流側に、不正防止部材82を備えている。不正防止部材82の通過孔93、95における内径は、入賞センサ45の通過口45aにおける内径より小さいので、デカ玉を入賞口41へ入賞させると、そのデカ玉は、入賞センサ45の通過口45aへ到達する前に、不正防止部材82の通過孔93、95で引っかかる。その結果、デカ玉が入賞センサ45に到達しないので、デカ玉を利用した不正行為(入賞センサ45に引っかかったデカ玉に電磁波を照射し、入賞センサ45の誤認識を生じさせる)を防止できる。
【0058】
また、不正防止部材82は、レール部材83に沿ってスライドさせるだけで、遊技球通路43から取り外すことができる。不正防止部材82の通過孔93、95にデカ玉が引っかかったときは、上記のように不正防止部材82を遊技球通路43から取り外せば、遊技球通路43の切欠部67からデカ玉を取り出すことができる。
【0059】
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
例えば、前記各実施の形態の遊技機1は、不正防止部材に引っかかったデカ玉を検出するセンサと、デカ玉の検出を報知する手段(例えば、ランプ等の視覚による報知手段、音声による報知手段等)を備えていてもよい。
【0060】
また、前記各実施の形態において、不正防止部材は、それに引っかかった遊技球を検出するセンサの機能を備えていてもよい。
また、前記各実施の形態の遊技機1において、不正防止部材(不正防止部)は入賞口41の入口付近に設けられていてもよい。
【0061】
また、前記第8、第9の実施の形態において、不正防止部材51、82における基板55、85の一端を、遊技機1内部の図示しない支持板に、回動軸を介して回動可能に取り付けてもよい。この場合、不正防止部材51、82は、回動における一方の側に移動すると、遊技球通路43に取り付けられた状態となり、回動における反対側に移動すると、遊技球通路43から取り外された状態となる。
【0062】
また、前記各実施の形態において、遊技球通路43のうち、不正防止部材(不正防止部)よりも上流側の部分に、遊技球通路43を開放できる機構(例えば、遊技球通路43を構成する壁の一部を取り外せる機構、スライドさせてずらせる機構、扉のように開くことができる機構等)を設けることができる。こうすることにより、遊技球通路43を開放させた状態で、不正防止部材(不正防止部)で止められたデカ玉を容易に取り出すことができる。
【符号の説明】
【0063】
1・・・遊技機、3・・・外枠、5・・・内枠、7・・・遊技盤、9・・・ハンドル、
11・・・上受け皿、13・・・下受け皿、17・・・第1の始動口、
18・・・第2の始動口、19・・・電動チューリップ、24・・・特別電動役物、
25・・・大入賞口、31・・・第1特別図柄表示装置、32・・・第2特別図柄表示装置、
35・・・普通図柄始動ゲート、37・・・普通図柄表示装置、
39・・・普通図柄記憶表示装置、41・・・入賞口、42・・・時短表示LED、
43・・・遊技球通路、43a、43b・・・湾曲部、43c、43d・・・不正防止部、
44・・・窓部、45・・・入賞センサ、45a・・・通過口、
47、51、65、82・・・不正防止部材、47a・・・通過孔、49・・・突起、
53・・・切欠部、55・・・基板、57、59、61・・・横板、63・・・通過孔、
67・・・切欠部、69・・・基板、71、73、75・・・横板、
71a、87a・・・切欠、77、79・・・通過孔、81、83・・・レール部材、
85・・・基板、87、89、91・・・横板、93、95・・・通過孔
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、遊技機は、遊技球が入賞可能な入賞口と、入賞口に入賞した遊技球の通路である遊技球通路と、遊技球通路に設けられ、入賞した遊技球を検知する入賞センサを備えている。入賞センサは、遊技球が通過可能な通過口を有し、その通過口を通過する遊技球を検知する。入賞センサが遊技球を検知すると、所定数の賞球が払い出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−174866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、上記のような遊技機に対し、以下のような不正行為が行われている。まず、通常の遊技球よりも直径が大きい遊技球(以下、デカ玉とする)を磁石で誘導し、入賞口へ入れる。このとき、デカ玉は通常の遊技球よりも直径が大きいため、入賞センサの通過口を通過できず、入賞センサに引っかかった状態となる。この状態で、デカ玉に向けて電磁波を照射する。すると、入賞センサに引っかかったデカ玉がアンテナの役割を果たし、電磁波が入賞センサに強力に作用する。入賞センサは、電磁波の影響で遊技球が通過口を通過したと誤認識してしまい、賞球が払い出されてしまう。
【0005】
本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、デカ玉を用いた不正行為を防止できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遊技機は、遊技球が入賞可能な入賞口と、前記入賞口に入賞した遊技球の通路である遊技球通路と、前記遊技球通路に設けられ、遊技球が通過可能な通過口を有し、前記通過口を通過する遊技球を検知する入賞センサと、を備える遊技機であって、前記遊技球通路のうち、前記入賞センサよりも上流側に、正常な遊技球は通過させるが、所定の大きさ以上の遊技球の通過を禁止する不正防止部を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の遊技機は、遊技球通路のうち、入賞センサよりも上流側に、正常な遊技球は通過させるが、所定の大きさ以上の遊技球(いわゆるデカ玉)の通過を禁止する不正防止部を備える。そのため、入賞センサの通過口で詰まるようなデカ玉を入賞口へ入賞させると、そのデカ玉は、入賞センサの通過口へ到達する前に、不正防止部で止められ、入賞センサに到達しない。その結果、デカ玉を利用した不正行為(入賞センサに引っかかったデカ玉に電磁波を照射し、入賞センサの誤認識を生じさせる)を防止できる。
【0008】
不正防止部としては、通常の遊技球は通過させ、デカ玉を止められるものであれば特に限定されないが、例えば、通常の遊技球は通過させるが、デカ玉は引っかかる大きさの通過孔を有する部材が挙げられる。この通過孔の内径は、例えば、入賞センサの通過口の内径以下とすることが好ましい。こうすることにより、入賞センサの通過口に詰まるデカ玉を、確実に不正防止部で止めることができる。通過孔としては、例えば、遊技球通路の下流にゆくほど内径が小さくなるテーパー状の形状を有するものが挙げられる。テーパー状とすることにより、遊技球の流れがスムーズになる。通過孔の断面形状は特に限定されないが、例えば、円形であることが好ましい。円形である場合、球面の一部を削り取った遊技球(不正の目的で加工された遊技球)の通過を防止できる。また、不正防止部は、例えば、遊技球通路の内部に単一、又は複数の突起を設けたものであってもよい。
【0009】
不正防止部は、遊技球通路の一部(遊技球通路と一体化されたもの)であってもよいし、遊技球通路に、別の部材を取り付けたものであってもよい。別の部材である場合、例えば、遊技球通路の一部を切り欠き、そこに不正防止部を取り付けることができる。また、遊技球通路の内部に、不正防止部を挿入することもできる。また、遊技球通路の一部である場合、遊技球通路の一部の内径を小さくしたり、遊技球通路の内面に突起を形成したものを用いることができる。
【0010】
不正防止部の位置は特に限定されないが、例えば、入賞口の入口に備えることができる。この場合、不正防止部で止まっているデカ玉を入賞口から視認することができる。また、遊技球通路が湾曲部を有し、不正防止部は、その湾曲部に設けることができる。通常、湾曲部では遊技球の流れが悪くなり易いが、湾曲部に不正防止部を設け、その部分での遊技球通路の幅を適正化することで、遊技球の流れをよくすることができる。
【0011】
遊技球通路のうち、不正防止部が設けられた部分、又は、不正防止部よりも上流側の部分は、遊技球通路の残りの部分から取り外し可能であることが好ましい。こうすることにより、不正防止部で止められたデカ玉を容易に取り出すことができる。
【0012】
本発明の遊技機は、不正防止部により通過を禁止された遊技球が遊技機の外部から視認できるように、遊技機における所定の部分が透明な部材から成ることが好ましい。こうすることにより、不正防止部により通過を禁止された遊技球を外部から容易に視認することができる。
【0013】
本発明の遊技機は、不正防止部により通過を禁止された遊技球を検出する検出手段を備えることが好ましい。こうすることにより、デカ玉が使用されたことを容易に知ることができる。
【0014】
前記上流側とは、遊技球の流れにおける上流側を意味する。例えば、遊技球通路が高低差を有し、高い方から低い方に遊技球が流れる場合、高い方が上流側となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】遊技機1の正面図である。
【図2】遊技盤7のうち、入賞口41付近を背面側から見た図である。
【図3】(a)は入賞センサ45の平面図であり、(b)は不正防止部材47の平面図である。
【図4】遊技盤7のうち、入賞口41付近を背面側から見た図である。
【図5】遊技盤7のうち、入賞口41付近を背面側から見た図である。
【図6】遊技盤7のうち、入賞口41付近を背面側から見た図である。
【図7】遊技盤7のうち、入賞口41付近を背面側から見た図である。
【図8】遊技球通路43のうち、突起49が形成された付近の斜視図である。
【図9】(a)は、遊技球通路43のうち、突起49が形成された付近を上方から見た図であり、(b)は、遊技球通路43のうち、突起49が形成された付近の側断面図である。
【図10】(a)は、不正防止部材51の斜視図であり、(b)は、不正防止部材51を遊技球通路43に取り付けた状態を表す斜視図であり、 (c)は、不正防止部材51を取り外したときの遊技球通路43を表す斜視図である。
【図11】(a)は、不正防止部材65の一部を遊技球通路43から取り外した状態を表す斜視図であり、図11(b)は、不正防止部材65を完全に遊技球通路43に取り付けた状態を表す斜視図である。
【図12】(a)は、不正防止部材51の斜視図であり、(b)は、不正防止部材51を遊技球通路43に取り付けた状態を表す斜視図であり、 (c)は、不正防止部材51を遊技球通路43から取り外した状態を表す斜視図である。
【図13】(a)は、不正防止部材82を表す斜視図であり、(b)は、不正防止部材82の一部を遊技球通路43から取り外した状態を表す斜視図であり、(c)は、不正防止部材82の全体を取り外したときの遊技球通路43を表す斜視図であり、(d)は、不正防止部材65を完全に遊技球通路43に取り付けた状態を表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
1.遊技機1の全体構成
遊技機1の全体構成を図1に基づいて説明する。図1は、遊技機1の正面図である。 遊技機1は、図示しない遊技場に来場した遊技者にパチンコ遊技を提供するものであって、図示しない遊技島に取り付けられる外枠3と、外枠3に開閉可能に取り付けられた内枠5と、内枠5に取り付けられ、遊技者に対面して配置された遊技盤7と、遊技者が遊技行為を行うために遊技盤7上に遊技球を発射するためのハンドル9と、遊技盤7における遊技行為の結果として提供される賞品、ここでは遊技球(賞品として払い出される遊技球を賞品球と言う。)を貯留する上受け皿11と、上受け皿11から排出される遊技球を受ける下受け皿13を備えている。
【0017】
遊技者に対面する遊技盤7は、遊技者から見える位置に、遊技者に興趣のある図柄を提供する図柄表示装置21と、電動チューリップ19とを備える。電動チューリップ19は、第1の始動口17と、第2の始動口18とを備えている。第1の始動口17、第2の始動口18に遊技球が入賞すると、特別図柄遊技用の特別図柄始動信号が出力され、特別図柄遊技が行われる。遊技盤7は、特別図柄遊技の結果を表示する第1特別図柄表示装置31及び第2特別図柄表示装置32を備える。
【0018】
また、遊技盤7は、大入賞口25と、大入賞口25を開放できる特別電動役物24とを備える。大入賞口25が開放されると入賞が可能になり、その入賞により賞品球が提供される。また、遊技盤7は、遊技球が通過すると、普通図柄遊技用の普通図柄始動信号を出力する機能を有する普通図柄始動ゲート35と、普通図柄遊技の結果を表示する普通図柄表示装置37と、普通図柄遊技の保留数を表示する普通図柄記憶表示装置39とを備えている。上述した普通図柄記憶表示装置39は4個のランプを備え、その4個のランプのうち、保留数に対応する数のランプだけが点灯するように構成されている。また、遊技盤7には、変動時間短縮機能(以降、時短と称す)が作動中(即ち、時短状態)かを表示する時短表示LED42が設置されている。
【0019】
また、遊技盤7は、遊技球が入賞可能な一対の入賞口41、41を備えている。この入賞口41、41にはそれぞれ、遊技球の通路である遊技球通路43、43が接続している。なお、入賞口41及び遊技球通路43の構成については、後述する。遊技球が入賞口41に入賞し、後述する入賞センサ45で検出されると、所定数の遊技球が払い出される。
【0020】
また、遊技機1は、遊技機1の上記各構成を制御し、後述する処理を実行する主制御基板及び図柄制御基板(ともに図示略)等を備えている。
また、遊技盤7は、透明な部材から成る窓部44を備えている。この窓部44は、遊技盤7の一部を切り取り、そこに透明な素材(例えば透明樹脂、透明なガラス)から成る板を取り付けたものである。窓部44は、遊技機1の正面側から、後述する不正防止部材47が視認可能となる位置に設けられている。
【0021】
2.入賞口41及び遊技球通路43の周囲の構成
入賞口41及び遊技球通路43の周囲の構成を図2及び図3に基づいて説明する。図2は、遊技盤7のうち、入賞口41付近を背面側から見た図であり、図3(a)は後述する入賞センサ45の平面図であり、図3(b)は後述する不正防止部材47の平面図である。
【0022】
図2に示すように、入賞口41には、遊技盤7の裏側に設けられた遊技球通路43が接続している。遊技球通路43は、断面が円形である中空の筒である。入賞口41に入賞した遊技球は、遊技球通路43を通り、下方の図示しないアウト口に送られる。遊技球通路43は、湾曲部43a、43bにおいてそれぞれ湾曲し、クランク状の形状を有している。遊技球通路43のうち、湾曲部43bよりも下流(下側)の部分は、ほぼ鉛直に配置されている。
【0023】
遊技球通路43のうち、湾曲部43bよりも下流の部分には、入賞センサ45が取り付けられている。入賞センサ45は、図3(a)に示すように、大きさが正常な遊技球が通過可能な、断面が円形の通過口45aを備えており、その通過口45aの中心と遊技球通路43の中心とが同心となるように、遊技球通路43に取り付けられている。よって、正常な大きさの遊技球は、遊技球通路43の上流側から、通過口45aを通過し、遊技球通路43の下流側へと流れる。入賞センサ45は、周知の機構により、通過口45aを通過する遊技球を検知することができる。なお、入賞センサ45で遊技球を検知したときの信号は、図示しない主制御基板に送られる。信号を受信した主制御基板は、図示しない賞球払出基板を用いて、所定数の賞球を払い出す。
【0024】
また、遊技球通路43のうち、湾曲部43bと入賞センサ45との間には、不正防止部材47が取り付けられている。不正防止部材47は、断面が円形の通過孔47aを備えた板状の部材である。不正防止部材47は、通過孔47aの中心と遊技球通路43の中心とが同心となるように、遊技球通路43に取り付けられている。通過孔47aの内径は、正常な大きさの遊技球は通過させることができる大きさであるが、通過口45aの大きさよりは小さい。なお、通過孔47aの内径は、通過口45aの内径と同一であってもよい。
【0025】
3.遊技機1が奏する効果
遊技機1は、遊技球通路43において、入賞センサ45よりも上流側に、不正防止部材47を備えている。この不正防止部材47の通過孔47aにおける内径は、入賞センサ45の通過口45aにおける内径より小さいので、通過口45aで詰まるような、通常の遊技球よりも直径が大きい遊技球(デカ玉)を入賞口41へ入賞させると、そのデカ玉は、入賞センサ45の通過口45aへ到達する前に、不正防止部材47の通過孔47aで引っかかる。その結果、デカ玉が入賞センサ45に到達しないので、デカ玉を利用した不正行為(入賞センサ45に引っかかったデカ玉に電磁波を照射し、入賞センサ45の誤認識を生じさせる)を防止できる。
【0026】
なお、通過孔47aの内径が通過口45aの内径と同一であっても、上記の効果を奏することができる。
(第2の実施形態)
遊技機1は、図4に示すようなものであってもよい。図4は、遊技盤7のうち、入賞口41付近を背面側から見た図である。なお、以下では、前記第1の実施形態と同様の部分は、記載を省略乃至簡略化する。
【0027】
遊技球通路43のうち、湾曲部43bと入賞センサ45との間の部分である不正防止部43cは、下流にゆくほど内径が徐々に小さくなるテーパー状の形状を有する。不正防止部43cの最も下流側の部分(すなわち入賞センサ45の直前)における内径は、通過口45aの内径と同一である。なお、不正防止部43cの最も下流側の部分における内径は、正常な大きさの遊技球は通過させることができる大きさであって、通過口45aの内径よりも小さくてもよい。
【0028】
不正防止部43cの断面形状は、いずれの断面で見ても円形である。なお、不正防止部43cの断面形状は、後述する効果を奏することができれば、必ずしも円形でなくてもよい。
【0029】
不正防止部43cの内径は、上述したように、下流にゆくほど徐々に小さくなり、入賞センサ45の直前では、通過口45aの内径と同一になるので、デカ玉を入賞口41へ入賞させると、そのデカ玉は、入賞センサ45の通過口45aへ到達する前に、不正防止部43cのどこかで引っかかる。その結果、デカ玉が入賞センサ45に到達しないので、デカ玉を利用した不正行為(入賞センサ45に引っかかったデカ玉に電磁波を照射し、入賞センサ45の誤認識を生じさせる)を防止できる。
【0030】
また、不正防止部43cの形状がテーパー状であることにより、遊技球通路43における遊技球の流れが一層スムーズになる。
なお、上記の効果は、不正防止部43cの最も下流側の部分における内径が、正常な大きさの遊技球は通過させることができる大きさであり、且つ通過口45aの内径よりも小さい場合でも奏することができる。
(第3の実施形態)
遊技機1は、図5に示すようなものであってもよい。図5は、遊技盤7のうち、入賞口41付近を背面側から見た図である。なお、以下では、前記第1の実施形態と同様の部分は、記載を省略乃至簡略化する。
【0031】
遊技球通路43は、湾曲部43bと入賞センサ45との間において、内径がその周囲に比べて局所的に小さくなっている不正防止部43dを備えている。不正防止部43dの内径は、正常な大きさの遊技球は通過させることができる大きさであるが、通過口45aよりは小さい。なお、不正防止部43dの断面形状は円形であり、遊技球通路43と一体に形成されている。
【0032】
本実施形態の遊技機1は、遊技球通路43において、入賞センサ45よりも上流側に、不正防止部43dを備えている。この不正防止部43dの内径は、入賞センサ45の通過口45aにおける内径より小さいので、デカ玉を入賞口41へ入賞させると、そのデカ玉は、入賞センサ45の通過口45aへ到達する前に、不正防止部43dで引っかかる。その結果、デカ玉が入賞センサ45に到達しないので、デカ玉を利用した不正行為(入賞センサ45に引っかかったデカ玉に電磁波を照射し、入賞センサ45の誤認識を生じさせる)を防止できる。
(第4の実施形態)
遊技機1は、図6に示すようなものであってもよい。図6は、遊技盤7のうち、入賞口41付近を背面側から見た図である。なお、以下では、前記第1の実施形態と同様の部分は、記載を省略乃至簡略化する。
【0033】
遊技球通路43は、湾曲部(不正防止部)43aにおいて、内径d1がその周囲より小さくなっている。内径d1は、正常な大きさの遊技球は通過させることができる大きさであるが、通過口45aよりは小さい。なお、湾曲部43aにおける断面形状は円形である。
【0034】
本実施形態の遊技機1では、遊技球通路43において、入賞センサ45よりも上流側である湾曲部43aの内径d1が、入賞センサ45の通過口45aにおける内径より小さいので、デカ玉を入賞口41へ入賞させると、そのデカ玉は、入賞センサ45の通過口45aへ到達する前に、湾曲部43aで引っかかる。その結果、デカ玉が入賞センサ45に到達しないので、デカ玉を利用した不正行為(入賞センサ45に引っかかったデカ玉に電磁波を照射し、入賞センサ45の誤認識を生じさせる)を防止できる。
(第5の実施形態)
遊技機1は、図7〜図9に示すようなものであってもよい。図7は、遊技盤7のうち、入賞口41付近を背面側から見た図である。図8は、遊技球通路43のうち、後述する突起49が形成された付近の斜視図である。図9(a)は、遊技球通路43のうち、後述する突起49が形成された付近を上方から見た図であり、図9(b)は、遊技球通路43のうち、後述する突起49が形成された付近の側断面図である。なお、以下では、前記第1の実施形態と同様の部分は、記載を省略乃至簡略化する。
【0035】
遊技球通路43の内壁には、湾曲部43aと入賞口41との間において、内側に突出する複数の突起49が形成されている。突起49は、遊技球通路43と一体に形成されている。突起49は、遊技球通路43の内壁上の鉛直線L1に沿って配列されているとともに、その鉛直線L1と対向する、遊技球通路43の内壁上の鉛直線L2に沿っても配列されている(図8参照)。また、鉛直線L1に沿った突起49と、鉛直線L2に沿った突起49とは、上下方向における位置が交互に並ぶように配置されている。すなわち、鉛直線L2に沿った突起49の上下方向における位置は、鉛直線L1に沿った突起49同士の間となる。
【0036】
複数の突起49の高さは、正常な大きさの遊技球は通過させることができるが、複数の突起49が形成された部分における遊技球通路43の内径が実質的に、通過口45aより小さくなる(通過口45aを通過できる最大限度の遊技球を通過させない)ように設定されている。
【0037】
本実施形態の遊技機1は、遊技球通路43において、入賞センサ45よりも上流側に、複数の突起49が形成されている部分(不正防止部)を備えている。この部分における実質的な内径は、入賞センサ45の通過口45aにおける内径より小さいので、デカ玉を入賞口41へ入賞させると、そのデカ玉は、入賞センサ45の通過口45aへ到達する前に、複数の突起49が形成されている部分で引っかかる。その結果、デカ玉が入賞センサ45に到達しないので、デカ玉を利用した不正行為(入賞センサ45に引っかかったデカ玉に電磁波を照射し、入賞センサ45の誤認識を生じさせる)を防止できる。
【0038】
また、複数の突起49があるため、遊技球が落下する速度を減少させることができる。そのため、複数の突起49が形成されている部分をデカ玉が勢いで通過してしまうことを防止できる。
(第6の実施形態)
遊技機1は、図10に示すようなものであってもよい。図10(a)は、後述する不正防止部材51の斜視図であり、図10(b)は、不正防止部材51を遊技球通路43に取り付けた状態を表す斜視図であり、図10(c)は、不正防止部材51を取り外したときの遊技球通路43を表す斜視図である。なお、以下では、前記第1の実施形態と同様の部分は、記載を省略乃至簡略化する。
【0039】
遊技球通路43のうち、湾曲部43bと入賞センサ45との間の部分には、図10(c)に示すように、所定の長さにわたって遊技球通路43が切り欠かれた切欠部53が形成されている。この切欠部53には、通常の状態では、図10(a)、(b)に示す不正防止部材51が挿入されている。不正防止部材51は、基板55と、基板55の一方の面に重ねて立設された3枚の板状部材である横板57、59、61から構成される。横板57、59、61には、それらを貫通する、断面が円形の通過孔63が形成されている。通過孔63の内径は、正常な大きさの遊技球は通過させることができる大きさであるが、入賞センサ45の通過口45aよりは小さい。
【0040】
不正防止部材51を遊技球通路43に取り付けるときは、図10(b)に示すように、横板57、59、61を切欠部53に挿入する。このとき、不正防止部材51の通過孔63と、遊技球通路43とが同心となるようにする。不正防止部材51は、横板57、59、61を切欠部53に挿入した状態で、基板55を遊技機1内部の図示しない支持板にねじ止めすることで固定される。
【0041】
本実施形態の遊技機1は、遊技球通路43において、入賞センサ45よりも上流側に、不正防止部材51を備えている。不正防止部材51の通過孔63における内径は、入賞センサ45の通過口45aにおける内径より小さいので、デカ玉を入賞口41へ入賞させると、そのデカ玉は、入賞センサ45の通過口45aへ到達する前に、不正防止部材51の通過孔63で引っかかる。その結果、デカ玉が入賞センサ45に到達しないので、デカ玉を利用した不正行為(入賞センサ45に引っかかったデカ玉に電磁波を照射し、入賞センサ45の誤認識を生じさせる)を防止できる。
【0042】
また、不正防止部材51は、基板55におけるネジ止めを外し、横板57、59、61を切欠部53から引き抜けば、遊技球通路43から取り外すことができる。不正防止部材51の通過孔63にデカ玉が引っかかったときは、上記のように不正防止部材51を遊技球通路43から取り外せば、遊技球通路43の切欠部53からデカ玉を取り出すことができる。
(第7の実施形態)
遊技機1は、図11に示すようなものであってもよい。図11(a)は、後述する不正防止部材65の一部を遊技球通路43から取り外した状態を表す斜視図であり、図11(b)は、不正防止部材65の全体を遊技球通路43に取り付けた状態を表す斜視図である。なお、以下では、前記第1の実施形態と同様の部分は、記載を省略乃至簡略化する。
【0043】
遊技球通路43のうち、湾曲部43bと入賞センサ45との間の部分には、図11(a)に示すように、遊技球通路43が切り欠かれた切欠部67が形成されている。この切欠部67は、その上下方向における中央では全周にわたって切りかかれており、その上下の部分では、一方の半周のみにおいて切り欠かれている。
【0044】
切欠部67には、不正防止部材65が取り付けられる。不正防止部材65は、基板69と、基板69の一方の面に、所定の間隔を空けて平行に立設された横板71、73と、遊技球通路43に取り付けられた横板75とから構成される。横板75は、それを上下に貫通する通過孔77を備えており、その通過孔77と遊技球通路43とが同心となるように、切欠部67の中央部(全周にわたって切りかかれている部分)に挿入されている。また、横板71、73の先端にはそれぞれ、半円状の切欠71a、73aが形成されている。
【0045】
不正防止部材65は、横板71、73の間に横板75を差し込み、また、横板71、73の先端部分を、切欠部67のうち、半周だけ切り欠かれている部分に挿入する。すると、横板71、73の半円状の切欠71a、73aと、切欠部67において半周だけ残っている部分とが合わさって、断面が円形の通過孔79、79(一方は切欠71aにより形成されるものであり、他方は切欠73aにより形成されるもの)が形成される。よって、遊技球通路43内を流れる遊技球は、通過孔77及び通過孔79を通過することになる。通過孔77、79の内径は、いずれも、正常な大きさの遊技球は通過させることができる大きさであるが、入賞センサ45の通過口45aよりは小さい。
【0046】
不正防止部材65のうち、横板75を除く部分は、横板71、73を切欠部67に挿入した状態で、基板69を遊技機1内部の図示しない支持板にねじ止めすることで固定される。
【0047】
本実施形態の遊技機1は、遊技球通路43において、入賞センサ45よりも上流側に、不正防止部材65を備えている。不正防止部材65の通過孔77、79における内径は、入賞センサ45の通過口45aにおける内径より小さいので、デカ玉を入賞口41へ入賞させると、そのデカ玉は、入賞センサ45の通過口45aへ到達する前に、不正防止部材65の通過孔77、79で引っかかる。その結果、デカ玉が入賞センサ45に到達しないので、デカ玉を利用した不正行為(入賞センサ45に引っかかったデカ玉に電磁波を照射し、入賞センサ45の誤認識を生じさせる)を防止できる。
【0048】
また、不正防止部材65は、基板69におけるネジ止めを外し、横板71、73を切欠部67から引き抜けば、遊技球通路43から取り外すことができる。不正防止部材65の通過孔77、79にデカ玉が引っかかったときは、上記のように不正防止部材65を遊技球通路43から取り外せば、遊技球通路43の切欠部67からデカ玉を取り出すことができる。
(第8の実施形態)
遊技機1は、図12に示すようなものであってもよい。図12(a)は、後述する不正防止部材51の斜視図であり、図12(b)は、不正防止部材51を遊技球通路43に取り付けた状態を表す斜視図であり、図12(c)は、不正防止部材51を遊技球通路43から取り外した状態を表す斜視図である。
【0049】
本実施形態の遊技機1は、基本的には前記第6の実施形態と同様であるが、不正防止部材51がスライド動作を行う点で相違する。以下では、この相違点を中心に説明し、前記第6の実施形態と同様の部分の説明は省略乃至簡略化する。
【0050】
不正防止部材51の基板55は、遊技機1内部の図示しない支持板に固定された、一対のレール部材81に、スライド可能に保持されている。不正防止部材51をレール部材81における一方の側にスライドさせると、図12(b)に示すように、不正防止部材51の横板57、59、61が遊技球通路43切欠部53に挿入される。このとき、不正防止部材51の通過孔63と、遊技球通路43とが同心となる。この状態が、不正防止部材51が遊技球通路43に取り付けられた状態である。なお、通過孔63の内径は、正常な大きさの遊技球は通過させることができる大きさであるが、入賞センサ45の通過口45aよりは小さい。
【0051】
一方、不正防止部材51をレール部材81における反対側にスライドさせると、図12(c)に示すように、不正防止部材51は遊技球通路43から取り外された状態となる。
本実施形態の遊技機1は、遊技球通路43において、入賞センサ45よりも上流側に、不正防止部材51を備えている。不正防止部材51の通過孔63における内径は、入賞センサ45の通過口45aにおける内径より小さいので、デカ玉を入賞口41へ入賞させると、そのデカ玉は、入賞センサ45の通過口45aへ到達する前に、不正防止部材51の通過孔63で引っかかる。その結果、デカ玉が入賞センサ45に到達しないので、デカ玉を利用した不正行為(入賞センサ45に引っかかったデカ玉に電磁波を照射し、入賞センサ45の誤認識を生じさせる)を防止できる。
【0052】
また、不正防止部材51は、レール部材81に沿ってスライドさせるだけで、遊技球通路43から取り外すことができる。不正防止部材51の通過孔63にデカ玉が引っかかったときは、上記のように不正防止部材51を遊技球通路43から取り外せば、遊技球通路43の切欠部53からデカ玉を取り出すことができる。
(第9の実施形態)
遊技機1は、図13に示すようなものであってもよい。図13(a)は、後述する不正防止部材82を表す斜視図であり、図13(b)は、不正防止部材82の一部を遊技球通路43から取り外した状態を表す斜視図であり、図13(c)は、不正防止部材82の全体を取り外したときの遊技球通路43を表す斜視図であり、図13(d)は、不正防止部材82を完全に遊技球通路43に取り付けた状態を表す斜視図である。なお、以下では、前記第1の実施形態と同様の部分は、記載を省略乃至簡略化する。
【0053】
遊技球通路43のうち、湾曲部43bと入賞センサ45との間の部分は、図13(c)に示すように、遊技球通路43が切り欠かれた切欠部67が形成されている。この切欠部67は、その上下方向における中央では全周にわたって切りかかれており、その上下の部分では、一方の半周のみにおいて切り欠かれている。
【0054】
切欠部67には、不正防止部材82が取り付けられる。不正防止部材82は、基板85と、基板85の一方の面に、所定の間隔を空けて立設された横板87、89と、遊技球通路43に取り付けられた横板91とから構成される。横板91は、それを上下に貫通する通過孔93を備えており、その通過孔93と遊技球通路43とが同心となるように、切欠部67の中央部(全周にわたって切りかかれている部分)に挿入されている。また、横板87、89における一方の側面にはそれぞれ、半円状の切欠87a、89aが形成されている。
【0055】
基板85は、遊技機1内部の図示しない支持板に固定された、一対のレール部材83に、スライド可能に保持されている。不正防止部材82をレール部材83における一方の側にスライドさせると、図13(d)に示すように、横板87、89が切欠部67のうち、半周だけ切り欠かれている部分に挿入され、また、横板87、89の間に横板91が挿入される。すると、横板87、89の半円状の切欠87a、89aと、切欠部67において半周だけ残っている部分とが合わさって、断面が円形の通過孔95、95が形成される。よって、遊技球通路43内を流れる遊技球は、通過孔93及び通過孔95を通過することになる。通過孔93、95の内径は、いずれも、正常な大きさの遊技球は通過させることができる大きさであるが、入賞センサ45の通過口45aよりは小さい。
【0056】
一方、不正防止部材82をレール部材83における反対側にスライドさせると、図13(b)に示すように、不正防止部材82のうち、横板91を除く部分は、遊技球通路43から取り外された状態となる。
【0057】
本実施形態の遊技機1は、遊技球通路43において、入賞センサ45よりも上流側に、不正防止部材82を備えている。不正防止部材82の通過孔93、95における内径は、入賞センサ45の通過口45aにおける内径より小さいので、デカ玉を入賞口41へ入賞させると、そのデカ玉は、入賞センサ45の通過口45aへ到達する前に、不正防止部材82の通過孔93、95で引っかかる。その結果、デカ玉が入賞センサ45に到達しないので、デカ玉を利用した不正行為(入賞センサ45に引っかかったデカ玉に電磁波を照射し、入賞センサ45の誤認識を生じさせる)を防止できる。
【0058】
また、不正防止部材82は、レール部材83に沿ってスライドさせるだけで、遊技球通路43から取り外すことができる。不正防止部材82の通過孔93、95にデカ玉が引っかかったときは、上記のように不正防止部材82を遊技球通路43から取り外せば、遊技球通路43の切欠部67からデカ玉を取り出すことができる。
【0059】
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
例えば、前記各実施の形態の遊技機1は、不正防止部材に引っかかったデカ玉を検出するセンサと、デカ玉の検出を報知する手段(例えば、ランプ等の視覚による報知手段、音声による報知手段等)を備えていてもよい。
【0060】
また、前記各実施の形態において、不正防止部材は、それに引っかかった遊技球を検出するセンサの機能を備えていてもよい。
また、前記各実施の形態の遊技機1において、不正防止部材(不正防止部)は入賞口41の入口付近に設けられていてもよい。
【0061】
また、前記第8、第9の実施の形態において、不正防止部材51、82における基板55、85の一端を、遊技機1内部の図示しない支持板に、回動軸を介して回動可能に取り付けてもよい。この場合、不正防止部材51、82は、回動における一方の側に移動すると、遊技球通路43に取り付けられた状態となり、回動における反対側に移動すると、遊技球通路43から取り外された状態となる。
【0062】
また、前記各実施の形態において、遊技球通路43のうち、不正防止部材(不正防止部)よりも上流側の部分に、遊技球通路43を開放できる機構(例えば、遊技球通路43を構成する壁の一部を取り外せる機構、スライドさせてずらせる機構、扉のように開くことができる機構等)を設けることができる。こうすることにより、遊技球通路43を開放させた状態で、不正防止部材(不正防止部)で止められたデカ玉を容易に取り出すことができる。
【符号の説明】
【0063】
1・・・遊技機、3・・・外枠、5・・・内枠、7・・・遊技盤、9・・・ハンドル、
11・・・上受け皿、13・・・下受け皿、17・・・第1の始動口、
18・・・第2の始動口、19・・・電動チューリップ、24・・・特別電動役物、
25・・・大入賞口、31・・・第1特別図柄表示装置、32・・・第2特別図柄表示装置、
35・・・普通図柄始動ゲート、37・・・普通図柄表示装置、
39・・・普通図柄記憶表示装置、41・・・入賞口、42・・・時短表示LED、
43・・・遊技球通路、43a、43b・・・湾曲部、43c、43d・・・不正防止部、
44・・・窓部、45・・・入賞センサ、45a・・・通過口、
47、51、65、82・・・不正防止部材、47a・・・通過孔、49・・・突起、
53・・・切欠部、55・・・基板、57、59、61・・・横板、63・・・通過孔、
67・・・切欠部、69・・・基板、71、73、75・・・横板、
71a、87a・・・切欠、77、79・・・通過孔、81、83・・・レール部材、
85・・・基板、87、89、91・・・横板、93、95・・・通過孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が入賞可能な入賞口と、
前記入賞口に入賞した遊技球の通路である遊技球通路と、
前記遊技球通路に設けられ、遊技球が通過可能な通過口を有し、前記通過口を通過する遊技球を検知する入賞センサと、
を備える遊技機であって、
前記遊技球通路のうち、前記入賞センサよりも上流側に、正常な遊技球は通過させるが、所定の大きさ以上の遊技球の通過を禁止する不正防止部を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記不正防止部は、内径の大きさが前記通過口の内径以下である遊技球の通過孔を有することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記通過孔は、下流にゆくほど内径が小さくなるテーパー状の形状を有することを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記通過孔の断面形状は円形であることを特徴とする請求項2又は3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記不正防止部は、前記入賞口の入口に備えられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項6】
前記遊技球通路は湾曲部を有し、
前記不正防止部は、前記湾曲部に設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項7】
前記遊技球通路のうち、前記不正防止部が設けられた部分、又は、前記不正防止部よりも上流側の部分は、前記遊技球通路の残りの部分から取り外し可能であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項8】
前記不正防止部により通過を禁止された遊技球が遊技機の外部から視認できるように、前記遊技機における所定の部分が透明な部材から成ることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項9】
前記不正防止部により通過を禁止された遊技球を検出する検出手段を備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項1】
遊技球が入賞可能な入賞口と、
前記入賞口に入賞した遊技球の通路である遊技球通路と、
前記遊技球通路に設けられ、遊技球が通過可能な通過口を有し、前記通過口を通過する遊技球を検知する入賞センサと、
を備える遊技機であって、
前記遊技球通路のうち、前記入賞センサよりも上流側に、正常な遊技球は通過させるが、所定の大きさ以上の遊技球の通過を禁止する不正防止部を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記不正防止部は、内径の大きさが前記通過口の内径以下である遊技球の通過孔を有することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記通過孔は、下流にゆくほど内径が小さくなるテーパー状の形状を有することを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記通過孔の断面形状は円形であることを特徴とする請求項2又は3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記不正防止部は、前記入賞口の入口に備えられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項6】
前記遊技球通路は湾曲部を有し、
前記不正防止部は、前記湾曲部に設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項7】
前記遊技球通路のうち、前記不正防止部が設けられた部分、又は、前記不正防止部よりも上流側の部分は、前記遊技球通路の残りの部分から取り外し可能であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項8】
前記不正防止部により通過を禁止された遊技球が遊技機の外部から視認できるように、前記遊技機における所定の部分が透明な部材から成ることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項9】
前記不正防止部により通過を禁止された遊技球を検出する検出手段を備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−100877(P2012−100877A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252098(P2010−252098)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(000150051)株式会社竹屋 (389)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(000150051)株式会社竹屋 (389)
【Fターム(参考)】
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