遊技用装置
【課題】計数部における計数に関する異常と、玉貸発券処理部における計数値の異常とを監視できるような、遊技用装置を提供する。
【解決手段】計数部の計数制御部31は、パチンコ玉の計数中において、計数に関する異常を判定する計数異常判定処理を行い、異常判定されたことに基づいて、異常がある旨の報知を行うための計数異常報知処理を行う。玉貸発券処理部の玉貸発券制御部22は、計数制御部31から計数値を示す動作指示応答を受信すると、該動作指示応答から特定される計数値に基づいて異常を判定する計数値異常判定処理を行い、異常判定されたことに基づいて、異常がある旨の報知を行うための計数値異常報知処理を行う。
【解決手段】計数部の計数制御部31は、パチンコ玉の計数中において、計数に関する異常を判定する計数異常判定処理を行い、異常判定されたことに基づいて、異常がある旨の報知を行うための計数異常報知処理を行う。玉貸発券処理部の玉貸発券制御部22は、計数制御部31から計数値を示す動作指示応答を受信すると、該動作指示応答から特定される計数値に基づいて異常を判定する計数値異常判定処理を行い、異常判定されたことに基づいて、異常がある旨の報知を行うための計数値異常報知処理を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に対応して設けられ、遊技媒体を受け入れて計数する計数手段を有する計数部と、対応する遊技機と通信することにより遊技媒体の貸与処理を行う貸与処理手段,及び前記計数手段により計数された遊技媒体数を景品交換又は他の遊技機での遊技に使用させるために確定させるための確定処理を行う確定処理手段を有する制御部と、を備え、計数部と制御部とが通信可能な遊技用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、特許文献1に示すように、対応する遊技機と通信することにより遊技媒体の貸与処理を行う台間機(いわゆるサンド)と、遊技媒体を受け入れて計数する各台計数機とが、遊技機に対応して各々別個に設けられている遊技用装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−229480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、遊技機に対応して設けられ、各台計数機能を有する遊技用装置を開発・生産するにあたり、各台計数機能付きの遊技用装置を所望する遊技場と所望しない遊技場のニーズに応えつつ、その開発・生産コストを抑えるために、いずれのニーズにも対応可能なものとして前記台間機を開発・生産し、該台間機と別個の各台計数機を組み合わせることにより遊技用装置を構成して、各台計数機能を持たせるようにすることがあった。
【0005】
このように構成した遊技用装置においては、各台計数機により計数された遊技媒体数を台間機に対して送信し、台間機が、該遊技媒体数を景品交換又は他の遊技機での遊技に使用させるために確定させるための確定処理(例えば遊技媒体を特定可能な記録媒体を発券する発券処理)を行うことが考えられる。この場合に、従来より遊技場で遊技島の端部等に設けられている計数機のように、計数に関する異常(不正)の有無を各台計数機で監視する機能を設けることが考えられるが、該監視の結果として正常であると判定されたとしても、各台計数機から遊技媒体数を台間機に対して送信する通信の際に不正が行われると、単に各台計数機で計数に関する異常を監視するだけでは対応できないという問題がある。
【0006】
本発明は、このような背景のもとになされたものであり、その目的は、計数部(前記各台計数機に相当)における計数に関する異常と、制御部(前記台間機に相当)における遊技媒体数の異常とを監視できるような、遊技用装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するために、次のような手段を採る。なお後述する発明を実施するための最良の形態の説明及び図面で使用した符号を参考のために括弧書きで付記するが、本発明の構成要素は該付記したものには限定されない。
【0008】
まず請求項1に係る発明は、
遊技機(パチンコ機10)に対応して設けられ、
遊技媒体(パチンコ玉)を受け入れて計数する計数手段(玉カウンタ35)を有する計数部(30)と、
前記対応する遊技機と通信することにより、遊技者が所有する遊技用価値の大きさ(プリペイド残額)に相当する遊技媒体を該遊技機から払い出して貸与するための貸与処理(S21aの玉貸処理)を行う貸与処理手段(玉貸発券制御部22)と、前記計数手段により計数された遊技媒体数を景品交換又は他の遊技機での遊技に使用させるために確定させるための確定処理(S26aのカード返却処理及びS26bの管理玉数更新処理)を行う確定処理手段(玉貸発券制御部22)とを有する制御部(玉貸発券処理部20)と、を備え、
前記計数部と前記制御部とが通信可能な遊技用装置(各台計数ユニット50)であって、
前記計数部は、
前記計数手段による計数に関する異常を判定する計数異常判定手段(計数制御部31)と、
前記計数手段により計数された遊技媒体数(計数値)を特定可能な計数情報(動作指示応答)を前記制御部に対して送信する計数情報送信手段(計数制御部31)と、をさらに有し、
前記制御部は、
前記計数情報送信手段から送信されてくる計数情報を受信する計数情報受信手段(玉貸発券制御部22)と、
該計数情報受信手段が受信した計数情報から特定される遊技媒体数に基づいて異常を判定する遊技媒体数異常判定手段(玉貸発券制御部22)と、をさらに有し、
前記遊技用装置は、
前記計数異常判定手段により異常判定されたことに基づいて、異常がある旨の報知を行うための計数異常報知処理(S302,S304,S354)を行う計数異常報知処理手段(計数制御部31)と、
前記遊技媒体数異常判定手段により異常判定されたことに基づいて、異常がある旨の報知を行うための遊技媒体数異常報知処理(S402)を行う遊技媒体数異常報知処理手段(玉貸発券制御部22)と、をさらに備えることを特徴とする遊技用装置である。
【0009】
また請求項2に係る発明は、
請求項1に記載した遊技用装置(各台計数ユニット50)であって、
前記遊技媒体数異常判定手段(玉貸発券制御部22)は、前記計数情報受信手段(玉貸発券制御部22)が受信した計数情報(動作指示応答)から特定される、予め定められた単位時間毎の遊技媒体数の増加量(変動量)が、予め定められた閾値を超えることを条件として、異常を判定することを特徴とする遊技用装置である。
【0010】
また請求項3に係る発明は、
請求項2に記載した遊技用装置(各台計数ユニット50)であって、
前記計数情報送信手段(計数制御部31)は、前記単位時間毎に前記計数手段(玉カウンタ35)により計数された遊技媒体数(計数値)を特定可能な前記計数情報(動作指示応答)を前記制御部(玉貸発券処理部20)に対して送信することを特徴とする遊技用装置である。
【0011】
また請求項4に係る発明は、
請求項1〜3のいずれか1つに記載した遊技用装置(各台計数ユニット50)であって、
前記計数部(30)は、
前記計数手段(玉カウンタ35)による計数を停止するための計数停止処理(S202)を行う計数停止処理手段(計数制御部31)と、
前記制御部との通信の異常を判定する通信異常判定手段(計数制御部31)と、をさらに有し、
前記計数停止処理手段は、前記通信異常判定手段により異常判定されたこと(S201)に基づいて、前記計数停止処理を行うことを特徴とする遊技用装置である。
【0012】
また請求項5に係る発明は、
請求項1〜4のいずれか1つに記載した遊技用装置(各台計数ユニット50)であって、
前記計数部(30)は、
前記計数手段(玉カウンタ35)により計数された遊技媒体数(計数値)を記憶する遊技媒体数記憶手段(計数制御部31)と、
前記計数情報送信手段(計数制御部31)による計数情報(動作指示応答)の送信、及び/又は、該計数情報の送信に伴って前記制御部と計数部とが行う処理が、正常に行われたか否か(S126)を判定する送信判定手段(計数制御部31)と、
該送信判定手段により正常に行われたと判定されたこと(S126)に基づいて、前記遊技媒体数記憶手段により記憶している遊技媒体数を消去するための遊技媒体数消去処理(S127)を行う遊技媒体数消去処理手段(計数制御部31)と、をさらに有することを特徴とする遊技用装置である。
【0013】
さらに請求項6に係る発明は、
請求項5に記載した遊技用装置(各台計数ユニット50)であって、
前記計数部(30)は、
前記計数手段(玉カウンタ35)による計数が途絶えてから予め定められた所定時間が経過したこと(S116)に基づいて、該計数手段による一連の計数が終了したと判定する計数終了判定手段(計数制御部31)をさらに有し、
前記遊技媒体数消去手段(計数制御部31)は、該計数終了判定手段により一連の計数が終了したと判定され、かつ前記送信判定手段(計数制御部31)により正常に行われたと判定されたこと(S126)に基づいて、前記遊技媒体数消去処理(S127)を行うことを特徴とする遊技用装置である。
【発明の効果】
【0014】
まず請求項1に係る遊技用装置によれば、計数部における計数に関する異常を監視できると共に、計数部から制御部に送信される計数情報から特定される遊技媒体数の該制御部における異常を監視できるので、前者の監視のみを行う場合に比べて、当該遊技用装置で行われる計数に伴う異常をより正確に監視できる。
【0015】
また請求項2に係る遊技用装置によれば、単位時間毎の遊技媒体数の増加量が閾値を超える場合に異常と判定して報知を行うので、不正が行われた可能性が高い場合に報知を行うことができる。
【0016】
また請求項3に係る遊技用装置によれば、制御部が、時間の計時を行わなくても、計数部から送信されてくる単位時間毎の遊技媒体数を特定可能な計数情報に基づいて、単位時間毎の遊技媒体数の増加量を特定できるので、該制御部における処理を簡略化できる。
【0017】
また請求項4に係る遊技用装置によれば、計数部と制御部との間における通信が正常であれば該計数部で計数が行われ、通信が異常であれば計数が停止されるので、通信異常の場合には、遊技者が獲得した遊技媒体を計数せずに残すことができて、遊技者に不利益が発生するのを防止できる。
【0018】
また請求項5に係る遊技用装置によれば、計数情報の送信及び/又は該計数情報の送信に伴って制御部と計数部とが行う処理が正常に行われたことを条件として、計数部が記憶している遊技媒体数が消去されることにより、計数部は遊技媒体数を常に記憶する必要が無くなるので、該計数部の記憶負担を軽減できる。
【0019】
さらに請求項6に係る遊技用装置によれば、一連の計数が終了したことをさらなる条件として、計数部が記憶している遊技媒体数が消去されることにより、計数部は一連の計数が終了する毎に遊技媒体数を記憶する必要が無くなるので、該計数部の記憶負担をさらに軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は本発明に係る遊技用装置である各台計数ユニットを含む遊技用システムの一例を表す機能ブロック図である。
【図2】図2は各台計数ユニットの一例を表す図であり、(a)は正面図,(b)は玉貸発券処理部の断面右側面図である。
【図3】図3は玉貸発券制御部のRAMが記憶しているカードテーブルの一例を表す図である。
【図4】図4は各台計数ユニットのディスプレイに表示されるメイン画面の一例を表す図である。
【図5】図5は計数部の一例を表す図であり、(a)は正面図,(b)は外部ユニットの断面正面図,(c)は内部ユニットの断面左側面図である。
【図6】図6は流入路及び玉カウンタの構造を示す平面図である。
【図7】図7は玉貸発券処理部の玉貸発券制御部が行う営業中処理の一例を表すフローチャートである。
【図8】図8は玉貸発券処理部の玉貸発券制御部及び計数部の計数制御部が行う計数処理の一例を表すフローチャートである。
【図9】図9は計数処理においてポーリングの中断を検知した場合の一例を表すフローチャートである。
【図10】図10は計数制御部が行う異常判定処理における各エラーの種類を表す図である。
【図11】図11は計数制御部が異常判定した場合の一例を表すフローチャートである。
【図12】図12は計数異常3を説明する図である。
【図13】図13は玉貸発券制御部が行う計数値異常判定処理における各エラーを説明する図である。
【図14】図14は玉貸発券制御部が異常判定した場合の一例を表すフローチャートである。
【図15】図15は本発明に係る遊技用装置の変形例1を表す図であり、(a)は正面図,(b)は持玉カードユニットの断面右側面図である。
【図16】図16は本発明に係る遊技用装置の変形例2を表す図であり、(a)は正面図,(b)は玉貸発券処理部の断面右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。以下においては、データベースを「DB」,リーダ/ライタを「R/W」,ステップSを「S」と略記する。
【0022】
本発明に係る遊技用装置(各台計数ユニット50)は、図1,図2に示すように、遊技機(パチンコ機10)に対応して設けられ、図5,図6に示すように、遊技媒体(パチンコ玉)を受け入れて計数する計数手段(玉カウンタ35)を有する計数部30と、対応する遊技機と通信することにより、遊技者が所有する遊技用価値の大きさ(プリペイド残額)に相当する遊技媒体を該遊技機から払い出して貸与するための貸与処理(玉貸処理)を行う貸与処理手段(玉貸発券制御部22),及び前記計数手段により計数された遊技媒体数(計数値)を景品交換又は他の遊技機での遊技に使用させるために確定させるための確定処理(発券処理)を行う確定処理手段(玉貸発券制御部22)を有する制御部(玉貸発券処理部20)とを備え、計数部と制御部とが通信可能なものである。
【0023】
そして遊技用装置である各台計数ユニット50において、計数部30は、図10〜図12に示すように、玉カウンタ35による計数に関する異常を判定し、図8に示すように、玉カウンタ35により計数された計数値を特定可能な計数情報(動作指示応答)を制御部である玉貸発券処理部20に対して送信し、玉貸発券処理部20は、図13〜図14に示すように、受信した動作指示応答から特定される計数値に基づいて異常を判定し、図11に示すように、計数部30により異常判定されたこと(S301)に基づいて計数異常報知処理(S304,S307,S354)を行い、図14に示すように、玉貸発券処理部20により異常判定されたこと(S401)に基づいて遊技媒体数異常報知処理(S402)を行うことを特徴とするものである。
【0024】
まず、図1〜図6を参照して、本発明の構成について説明する。本発明に係る遊技用装置である各台計数ユニット50を含む遊技用システム1は、図1に示すように、遊技場内において、複数の遊技島の各々に設けられる島コンピュータ63と、各遊技島に設けられる島コンピュータ63と通信可能であり、当該遊技島に配置される複数のパチンコ機10と、各遊技島に設けられる島コンピュータ63と通信可能であり、当該遊技島に配置される複数のパチンコ機10の各々に対応して設けられる各台計数ユニット50(玉貸発券処理部20+計数部30)と、全ての島コンピュータ63と通信可能な残額管理装置60,会員管理装置61,持玉管理装置62,及びホールコンピュータ70からなる。
【0025】
この遊技用装置及び遊技用システム1では、図2(b)に示すように、会員カード2及びビジターカード3が使用される。以下、会員カード2及びビジターカード3を区別しない場合には、両者を単に「カード」と総称する。これらカードは、長方形状を呈するプラスチック製の薄板における所定の部位に、不揮発性のEEPROMを備える非接触式のICチップを記録領域として備えている。なお、ここでいうカードには、円形状を呈するコインも含まれる。
【0026】
会員カード2は、遊技場において会員登録を行った遊技者(会員遊技者)に対して発行される記録媒体であり、該記録媒体を個々に識別可能な情報であるカードIDがICチップに予め記録されている。このカードIDは、会員遊技者を示す頭文字Mと、それに続く5桁のユニークな数字からなり、会員遊技者を個々に識別可能な情報でもある。またICチップには、プリペイド残額も記憶されているが、持玉数及び貯玉数は記憶されていない。この会員カード2が玉貸発券処理部20のカードR/W23で受け付けられると、ICチップに記録されているカードIDに対応付けて会員管理装置61で管理されている暗証番号(図示外)の認証がとれたことを条件として、図1に示すように、該カードIDに対応付けて残額管理装置60で管理されているプリペイド残額を使用した玉貸処理が可能となり、またカードIDに対応付けて会員管理装置61で管理されている貯玉数を使用した貯玉再プレイ処理が可能となり、さらにカードIDに対応付けて持玉管理装置62で管理されている持玉数を使用した持玉払出処理が可能となる。
【0027】
ビジターカード3は、遊技場において遊技者(ビジタ遊技者)に対して発行される記録媒体であり、該記録媒体を個々に識別可能な情報であるカードIDがICチップに予め記録されている。このカードIDは、ビジタ遊技者を示す頭文字Vと、それに続く5桁のユニークな数字からなる。またICチップには、プリペイド残額も記憶されているが、持玉数は記憶されていない。このビジターカード3が玉貸発券処理部20のカードR/W23で受け付けられると、図1に示すように、ICチップに記録されているカードIDに対応付けて残額管理装置60で管理されている残額を使用した玉貸処理が可能となり、またカードIDに対応付けて持玉管理装置62で管理されている持玉数を使用した持玉払出処理が可能となる。なおビジタ遊技者は、会員遊技者と異なり、貯玉をしたり貯玉再プレイをしたりすることはできない。
【0028】
ここで残額管理装置60,会員管理装置61,持玉管理装置62,及び島コンピュータ63について、図1を参照して説明する。残額管理装置60は、会員カード2又はビジターカード3のカードIDに対応付けて、遊技者が所有する遊技用価値であって、該遊技者が前払いしたプリペイド価値であるプリペイド残額を管理するものである。この残額管理装置60は、入金処理(図7のS04,S22)を行う玉貸発券処理部20からカードIDと該入金処理に供された入金額とを含む加算要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理しているプリペイド残額に該入金額を加算して、加算完了通知を返信し、また玉貸処理(図7のS21a)を行う玉貸発券処理部20からカードIDと該玉貸処理に使用された使用額とを含む減算要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理しているプリペイド残額から該使用額を減算して、減算完了通知を返信する。
【0029】
会員管理装置61は、会員カード2のカードIDに対応付けて、遊技者が所有する遊技用価値であって、該遊技者が遊技により獲得した獲得価値(賞球)を貯蓄してなる貯玉数を管理するものである。この貯玉数は、遊技者が獲得した当日のみならず、翌日以降も、景品交換やパチンコ機10での遊技に使用可能である。また会員管理装置61は、図示しないが、カードIDに対応付けて、会員登録の際に登録された当該会員遊技者の個人情報(氏名,郵便番号,住所,及び電話番号等)と暗証番号も管理している。この会員管理装置61は、会員カード2を受け付けて管理貯玉数取得処理(図7のS06)を行う玉貸発券処理部20から、カードIDと暗証番号とを含む貯玉数取得要求を受信すると、該受信した暗証番号が該受信したカードIDに対応付けて記憶している暗証番号と一致する(即ち認証がとれた)ことを条件として、該カードIDに対応付けて管理している貯玉数を含む貯玉数情報を玉貸発券処理部20に対して返信し、また管理玉数更新処理(図7のS26b)を行う玉貸発券処理部20から、カードIDと貯玉数とを含む貯玉数更新要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理している貯玉数を当該受信した貯玉数に更新する。また会員管理装置61は、景品交換処理を行うPOS端末(図示外)からカードIDと景品交換に使用された玉数とを含む景品交換要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理している貯玉数から景品交換に使用された玉数を減算し、また該POS端末からカードIDと貯玉する玉数とを含む貯玉要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理している貯玉数に貯玉する玉数を加算する。
【0030】
持玉管理装置62は、会員カード2又はビジターカード3のカードIDに対応付けて、遊技者が所有する遊技用価値であって、該遊技者が遊技により獲得した獲得価値(賞球)を計数してなる持玉数を管理するものである。この持玉数は、遊技者が獲得した当日のみ、景品交換やパチンコ機10での遊技に使用可能である。この持玉管理装置62は、会員カード2又はビジターカード3を受け付けて管理持玉数取得処理(図7のS07)を行う玉貸発券処理部20から、カードIDを含む持玉数取得要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理している持玉数を含む持玉数情報を玉貸発券処理部20に対して返信し、また管理玉数更新処理(図7のS26b)を行う玉貸発券処理部20から、カードIDと持玉数とを含む持玉数更新要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理している持玉数を当該受信した持玉数に更新する。また持玉管理装置62は、景品交換処理を行うPOS端末(図示外)からカードIDと景品交換に使用された玉数とを含む景品交換要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理している持玉数から景品交換に使用された玉数を減算する。
【0031】
なお持玉管理装置62は、当日の営業終了後において、会員カード2のカードID(即ち頭文字がMのカードID)に対応付けられている持玉数を消去すると共に、カードIDと該消去された持玉数とを含む振替要求を会員管理装置61に対して送信し、会員管理装置61は、該振替要求に含まれるカードIDに対応付けて管理している貯玉数に該振替要求に含まれる持玉数を加算更新する。即ち会員カード2のカードID対応付けられている持玉数は、当日の営業終了後に自動的に貯玉数に振り返られて、翌日以降も使用可能になる。また持玉管理装置62は、当日の営業終了後において、ビジターカード3のカードID(即ち頭文字がVのカードID)に対応付けられている持玉数を消去する。即ちビジターカード3のカードIDに対応付けられている持玉数は、当日の営業終了後に自動的に消去されて、無効になる。
【0032】
島コンピュータ63は、接続される(即ち当該島コンピュータ63が設けられる遊技島に配置される)各パチンコ機10及び各台計数ユニット50と、残額管理装置60,会員管理装置61,持玉管理装置62,及びホールコンピュータ70との間におけるデータ通信を中継する中継装置である。
【0033】
次にパチンコ機10について説明する。パチンコ機10は遊技機の一例であって、図1及び図2(a)に示すように、各台計数ユニット50に対応して(ここでは玉貸発券処理部20の右側に隣接して)設けられ、対応する各台計数ユニット50の玉貸発券処理部20と通信することにより、該玉貸発券処理部20が行う玉貸処理に応じて当該パチンコ機10からパチンコ玉を払い出して貸与する、いわゆるCR式のパチンコ機である。このパチンコ機10は、遊技場内に設けられた遊技島において該パチンコ機10の機種等に従って配置されており、ユニークな台番号により個々に識別される。
【0034】
このパチンコ機10は、図2(a)に示すように、その前面に遊技領域,上皿,下皿,及び発射ハンドル等を備えると共に、上皿に残度数表示器14,玉貸ボタン15,及びカード返却ボタン16を備え、図1に示すように、その内部に遊技制御基板11,払出制御基板12,及び玉払出装置13等を備えており、これらの各構成要素は図1に示すように接続されている。
【0035】
遊技制御基板11は、パチンコ機10における遊技状態を制御するものである。払出制御基板12は、玉貸発券処理部20の玉貸通信部21aと通信可能に接続されており、パチンコ機10と玉貸発券処理部20との間における通信を司るものである。これにより、玉貸処理(図7のS21a),持玉払出処理(同S24),及び貯玉再プレイ処理(S25)において、玉貸発券処理部20との間で信号のやり取りが行われる。また払出制御基板12は、玉払出装置13と接続され、該玉払出装置13を制御するものである。玉払出装置13は、玉貸処理,持玉払出処理,及び貯玉再プレイ処理においてパチンコ玉を払い出すと共に、遊技の結果として遊技者に付与されるパチンコ玉(いわゆる賞球)を払い出すものである。
【0036】
残度数表示器14は、対応する玉貸発券処理部20のカードR/W23にて受け付けたカード(会員カード2又はビジターカード3)に記録されているプリペイド残額(即ち図3に示すカードテーブルで記憶しているプリペイド残額)から特定される残度数を表示するための表示器であり、ここでは2桁の7セグメント表示器によって構成されている。この残度数表示器14では、該玉貸通信部21aから残度数を示す度数表示信号が入力されることによって、該残度数が表示される。この度数表示信号に含まれる残度数は、「プリペイド残額÷最小の単位有価価値(ここでは100円)」の式で演算された商である。この残度数表示器14で表示される残度数は、カードテーブルで記憶しているプリペイド残額が更新される毎に、更新して表示される。
【0037】
玉貸ボタン15は、対応する玉貸発券処理部20のカードR/W23にて受け付けたカード(会員カード2又はビジターカード3)に記録されているプリペイド残額を使用した玉貸処理を行うための玉貸操作を受け付けるボタンである。この玉貸ボタン15が操作されたことにより、玉貸通信部21aとの間に図示しない検出回路を介して設けられている貸出入力信号線を介して、該玉貸通信部21aに貸出入力信号が入力され、該検出回路が該貸出入力信号の入力を検出することによって、玉貸発券制御部22が玉貸ボタン15が操作された旨を認識して、玉貸処理(図7のS21a)を行う。
【0038】
カード返却ボタン16は、対応する玉貸発券処理部20のカードR/W23にて受け付けたカード(会員カード2又はビジターカード3)を返却するための返却操作を受け付けるボタンである。このカード返却ボタン16が操作されたことにより、玉貸通信部21aとの間に図示しない検出回路を介して設けられている返却入力信号線を介して、該玉貸通信部21aに返却入力信号が入力され、該検出回路が該返却入力信号の入力を検出することによって、玉貸発券制御部22がカード返却ボタン16が操作された旨を認識して、カードの返却(図7のS26a)を行う。
【0039】
上記の残度数表示器14,玉貸ボタン15,及びカード返却ボタン16は、図2(a)に示すように、パチンコ機10の前面(ここでは上皿)に設けられているが、図1に示すように、玉貸発券処理部20と接続されているので、遊技用装置を構成する該玉貸発券処理部20に属するものでもある。
【0040】
このパチンコ機10では、発射ハンドルが操作されると、上皿にあるパチンコ玉が遊技領域に打ち込まれて、遊技が行われる。そして遊技領域に打ち込まれた打込玉が始動入賞口に入賞すると、可変表示装置が変動を開始し、該可変表示装置に表示される図柄の表示結果が特定の態様になると、大当りが発生する。また打込玉が入賞口(始動入賞口,一般入賞口,又は大当りになると開放される大入賞口等)に入賞すると、払出制御基板12の制御により玉払出装置13から賞球が払い出され、該払い出された賞球は、まず上皿に導かれ、該上皿が満タンになると下皿に導かれる。そして下皿に導かれた賞球は、落下レバー(図示外)が操作されると、下皿から落下して、計数部30の玉載置部32に導かれる。なお打込玉は、図示しないが、当該パチンコ機10の背後に設けられたアウトタンクで収集されて打込玉カウンタでカウントされ、カウント後に遊技島に取り込まれる。
【0041】
次に各台計数ユニット50の玉貸発券処理部20について説明する。玉貸発券処理部20は遊技用装置を構成するものであって、図1及び図2(b)に示すように、遊技機であるパチンコ機10に対応して(ここではパチンコ機10の左側に隣接して)設けられ、縦長の箱型の形状を呈するものであり、図2(a)に示すように、その前面に多機能ランプ26,紙幣挿入口25a,突出部20a,及びカード挿入口23a等を備え、図2(b)に示すように、その内部に紙幣識別機25,玉貸通信部21a,場内通信部21b,玉貸発券制御部22,カードR/W23,及びカードストッカ23b等を備え、突出部20aの右側面(即ち遊技者に向く側)にタッチパネル式のディスプレイ24を備え、これらの各構成要素は図1に示すように接続されている。なお玉貸発券処理部20の下部には、前面に計数部30の外部ユニット30aが配置され、内部に計数部30の内部ユニット30bが配置されているが、これらについては後述する。この玉貸発券処理部20と計数部30とで、遊技用装置である各台計数ユニット50が構成され、該各台計数ユニット50は、対応するパチンコ機10の台番号により個々に識別される。
【0042】
玉貸通信部21aは、前述の如く、パチンコ機10の払出制御基板12と通信可能に接続されている。場内通信部21bは、図1に示すように、島コンピュータ63を介して残額管理装置60,会員管理装置61,持玉管理装置62,及びホールコンピュータ70と通信可能に接続されており、それらと玉貸発券処理部20(各台計数ユニット50)との間における通信を司るものである。
【0043】
玉貸発券制御部22は、CPU,RAM,ROM,EEPROM等を備えており、ROMに記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、玉貸発券処理部20に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。
【0044】
この玉貸発券制御部22のRAMは、図3に示すカードテーブルを記憶している。このカードテーブルでは、カードR/W23で受け付けたカード(会員カード2又はビジターカード3)から読み取ったカードIDと、当該カードIDに対応するプリペイド残額,持玉数,及び貯玉数(ただし貯玉数は、受け付けたのが会員カード2の場合のみ)とが記憶されて更新されるが、この記憶及び更新については、図7を参照して後述する。
【0045】
カードR/W23は、図2(b)に示すように、カード挿入口23aからカード(会員カード2又はビジターカード)の挿入を受け付けて、該カードのICチップからカードID及びプリペイド残額を読み取るものである。カードストッカ23bは、カードR/W23の後方に設けられ、所定枚数(例えば10枚)のビジターカード3を貯留するものである。このカードストッカ23bには、玉貸処理が行われてプリペイド残額が零になり、かつ持玉数が零であるビジターカード3が取り込まれて貯留される(図7のS21c)。またカードR/W23にてカードを受け付けていない状態で紙幣識別機25にて紙幣を受け付けた場合(図7のS01でYES)に、カードストッカ23bで貯留しているビジターカード3(以下、「ストックカード」とも称する。)のうちの1枚が、該カードストッカ23bからカードR/W23に対して搬送されて、カードR/W23にセットされ、カードR/W23は、該セットされたビジターカード3のICチップからカードID及びプリペイド残額(この場合には零)を読み取る(図7のS03)。
【0046】
タッチパネル式のディスプレイ24は、各種の情報を表示する表示デバイスであると共に、各種の情報の入力を受け付ける入力デバイスである。このディスプレイ24では、図4に示すメイン画面が表示される。このメイン画面では、図3のカードテーブルで記憶している持玉数が表示されると共に、該持玉数を使用した持玉払出処理を行うための払出操作を受け付ける「払出」ボタンが表示される。またカードテーブルで貯玉数を記憶している場合(即ちカードR/W23にて会員カードを受け付けている場合)には、該貯玉数が表示されると共に、該貯玉数を使用した貯玉再プレイ処理を行うための再プレイ操作を受け付ける「再プレイ」ボタンが表示される。またメイン画面で表示される持玉数や貯玉数は、カードテーブルで記憶している持玉数や貯玉数が更新される毎に、更新して表示される。
【0047】
紙幣識別機25は、図2(b)に示すように、紙幣挿入口25aから紙幣(1000円紙幣,2000円紙幣,5000円紙幣,又は10000円紙幣)の挿入を受け付けて、該紙幣を識別するものである。なお識別された紙幣は、紙幣識別機25の後方に設けられる紙幣通路25b内を搬送されて遊技島に取り込まれ、遊技島内に設けられる搬送路を経て遊技島の端部に設けられる金庫に回収される。
【0048】
多機能ランプ26は、様々な色で点灯及び/又は点滅して発光することにより、該発光態様に応じた報知を行うものであり、例えば図9のS204に示す通信異常報知,図11のS305やS355に示す計数異常報知,図14のS402に示す計数値異常報知等を行う。
【0049】
次に各台計数ユニット50の計数部30について説明する。計数部30は遊技用装置の一部を構成するものであって、遊技媒体であるパチンコ玉を受け入れて計数する計数手段である玉カウンタ35を有するものである。なお玉カウンタ35により計数されたパチンコ玉は、遊技島に取り込まれる。この計数部30は、図2(a)に示すように、玉貸発券処理部20の下部において前面に配置される外部ユニット30aと、図2(b)に示すように、玉貸発券処理部20の下部において内部に配置される内部ユニット30bとからなり、この計数部30と前記玉貸発券処理部20とで、遊技用装置である各台計数ユニット50が構成される。以下、計数部30の構造について、図5及び図6を参照して説明する。
【0050】
外部ユニット30aの内部には、図5(b)に示すように、パチンコ機10の下皿から落下されたパチンコ玉を受け入れて載置する玉載置部32と、該玉載置部32の下流側に設けられ、該玉載置部32上のパチンコ玉の玉カウンタ35への受入を可能又は不可能とするシャッタ33と、玉載置部32の下方に設けられる流出路40とが設けられている。ここでシャッタ33は、カードストッカ23bにストックカードが有ることを条件に開放され、該ストックカードが無くなると閉鎖される。またシャッタ33は、カードストッカ23bにストックカードが有っても、計数部30において計数が禁止されると閉鎖される。
【0051】
また外部ユニット30aの前面には、図5(a)に示すように、LED(発光ダイオード)41が設けられ、さらに外部ユニット30aの下面には、流出路40の下流側の端部において、該流出路40内を流下したパチンコ玉を受け止める受皿40が設けられている。
【0052】
また内部ユニット30bの内部には、図5(c)に示すように、玉載置部32の下流側の端部に連通する流入路34と、該流入路34の下流側の端部に設けられ、該流入路34内を流下するパチンコ玉を計数する玉カウンタ35と、流入路34の下方に設けられ、玉カウンタ35にて計数されたパチンコ玉の一部を貯留し、その下流側の端部が前記流出路40の上流側の端部に連通する玉貯留部36と、流入路34の下流側の端部に連通し、玉カウンタ35にて計数されたパチンコ玉のうち玉貯留部36に貯留される以外のパチンコ玉を遊技島内に流すための排出路37と、玉貯留部36の下流側の端部に設けられ、該玉貯留部36から払い出されるパチンコ玉を計数する払出カウンタ38とが設けられている。ここで玉貯留部36には、予め定められた払出単位(例えば25玉)に満たない数のパチンコ玉を計数部30から払出可能なように、当該払出単位未満の最大数(即ち24玉)のパチンコ玉が貯留される。
【0053】
そして図1に示すように、シャッタ33を駆動するソレノイド(図示外),玉カウンタ35に設けられる各計数センサ,払出カウンタ38に設けられる払出センサ,及びLED41は、計数部30の計数制御部31に接続されている。
【0054】
また計数部30の計数制御部31は、玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22と通信可能に接続されており、両者の間では所定間隔(例えば500msec間隔)でポーリングによる通信が行われる。具体的には、後述する図8等に示すように、まず玉貸発券制御部22から計数制御部31に対して、500msec間隔で、動作指示が送信され、該動作指示に応じて、計数制御部31から玉貸発券制御部22に対して、動作指示応答が返信される。この両者の間における通信については図8等を参照して後述する。
【0055】
ここで図6を参照して、流入路34及び玉カウンタ35の構造について説明する。流入路34は、平面視で並行する第1レーン341と第2レーン342からなる。玉カウンタ35は、第1レーン341の上流側に設けられる計数センサ351aと、第1レーン341の下流側に設けられる計数センサ351bと、第2レーン342の上流側に設けられる計数センサ352aと、第2レーン342の下流側に設けられる計数センサ352bからなる。以下においては、これら計数センサ351a,351b,352a,352bを、単に「計数センサ」と総称する場合がある。
【0056】
これら計数センサはフォトセンサであり、第1レーン341において、パチンコ玉が上流側の計数センサ351aを通過した後に下流側の計数センサ351bを通過すると、両計数センサ間の通過時間に応じたパルス幅の計数パルスが出力されて玉貸発券制御部22に入力され、該玉貸発券制御部22においてプラスカウントが行われて計数値が+1される。同様に第2レーン342において、パチンコ玉が上流側の計数センサ352aを通過した後に下流側の計数センサ352bを通過すると、両計数センサ間の通過時間に応じたパルス幅の計数パルスが出力されて玉貸発券制御部22に入力され、該玉貸発券制御部22においてプラスカウントが行われて計数値が+1される。
【0057】
なお故障等によりパチンコ玉が逆流し、第1レーン341において、パチンコ玉が下流側の計数センサ351bを通過した後に上流側の計数センサ351aを通過すると、両計数センサ間の通過時間に応じたパルス幅の計数パルスが出力されて玉貸発券制御部22に入力され、該玉貸発券制御部22においてマイナスカウントが行われて計数値が−1される。同様に第2レーン342において、パチンコ玉が下流側の計数センサ352bを通過した後に上流側の計数センサ352aを通過すると、両計数センサ間の通過時間に応じたパルス幅の計数パルスが出力されて玉貸発券制御部22に入力され、該玉貸発券制御部22においてマイナスカウントが行われて計数値が−1される。
【0058】
図5に戻り、計数部30におけるパチンコ玉の流れについて説明する。後述する図8に示す待機中(即ちシャッタ33が開放中)に、パチンコ機10の下皿からパチンコ玉が落下されると、該パチンコ玉が玉載置部32上を流下して、シャッタ33を通過し、流入路34内を流下して、玉カウンタ35により計数される。該玉カウンタ35により計数されたパチンコ玉は、玉貯留部36がパチンコ玉で満たされるまでは、図5(c)の矢印A方向に進んで玉貯留部36に貯留され、玉貯留部36がパチンコ玉で満たされた後は、矢印B方向に進み排出路37内を流下して、遊技島内に取り込まれる。なお玉カウンタ35による計数値は、計数制御部31で検知されて、玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22に対して送信されるように構成されているが、これについては図8等を参照して後述する。
【0059】
次にホールコンピュータ70について説明する。ホールコンピュータ70は、図1に示すように接続される通信部71,制御部72,ハードディスク73,ディスプレイ74,及び入力装置75等を有するコンピュータである。
【0060】
通信部71は、複数の島コンピュータ63の各々を介して、各島コンピュータ63の配下にある複数のパチンコ機10及び各台計数ユニット50(玉貸発券処理部20の場内通信部21b)の各々と通信可能に接続されている。制御部72は、CPU,RAM,ROM等を備えており、ROM及びハードディスク73に記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、ホールコンピュータ70に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。ハードディスク73は、各種の情報を記憶する記憶デバイスである。ディスプレイ74は、各種の情報を表示する表示デバイスであって、例えば液晶ディスプレイであり、入力装置75は、各種の情報の入力を受け付ける入力デバイスであって、例えばキーボードやマウスである。
【0061】
次に、図7〜図14を参照して、本発明に係る遊技用装置である各台計数ユニット50の作用について説明する。ここでは、まず図7を参照して、玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22が行う営業中処理について説明すると共に、次に図8〜図14を参照して、玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22及び計数部30の計数制御部31が行う処理について説明する。
【0062】
まず図7は、玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22が行う営業中処理の一例を表すフローチャートである。玉貸発券制御部22は、S01で紙幣識別機25による紙幣の受付,又はS02でカードR/W23によるカード(会員カード2又はビジターカード3)の受付を待機している。ここでS01とS02は、当該遊技用装置に対応するパチンコ機10で遊技をする遊技者により行われる。
【0063】
前記S01で紙幣の受付が有ると(YES)、紙幣識別機25は、該受け付けた紙幣を識別し、カードストッカ23bは、S03で、貯留しているビジターカード3のうちの1枚をカードR/W23に対して搬送し、カードR/W23は、搬送されたビジターカード3をセットしてICチップからカードID及びプリペイド残額(この場合には零)を読み取り、玉貸発券制御部22は、S04で入金処理を行う。
【0064】
この入金処理において、玉貸発券制御部22は、S03で読み取ったカードIDとS01で識別した紙幣額(即ち入金処理に供された入金額)とを含む加算要求を残額管理装置60に対して送信する。該加算要求を受信した残額管理装置60は、該加算要求に含まれるカードIDに対応付けて管理しているプリペイド残額(この場合には零)に該加算要求に含まれる入金額を加算して、加算完了通知を玉貸発券処理部20に対して返信する。そして該加算完了通知を受信した玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22は、カードテーブルで、S03で読み取ったカードIDに対応付けて、S01で識別した紙幣額をプリペイド残額に加算更新すると共に、残度数表示器14に残度数を表示し、かつカードR/W23により受付中のビジターカード3に該加算更新後のプリペイド残額を記録する処理を行い、入金処理を終了して、S11に進む。
【0065】
前記S02でカードの受付が有ると(YES)、カードR/W23は、該受け付けたカードのICチップからカードID及びプリペイド残額を読み取り、玉貸発券制御部22は、S05で、該読み取ったカードIDの頭文字(M又はV)に基づいて、受け付けたカードが会員カード2であるか否かを判定する。このS05で会員カード2である(YES)と判定された場合には、玉貸発券制御部22は、S06で貯玉数取得処理を行う。
【0066】
この貯玉数取得処理において、玉貸発券制御部22は、ディスプレイ24に暗証番号入力画面(図示外)を表示する処理を行い、暗証番号の入力が有ると、S02で読み取ったカードIDと該入力された暗証番号とを含む貯玉数取得要求を会員管理装置61に対して送信する。該貯玉数取得要求を受信した会員管理装置61は、該貯玉数取得要求に含まれる暗証番号が該貯玉数取得要求に含まれるカードIDに対応付けて記憶している暗証番号と一致するか否かを判定し、一致することを条件として、該カードIDに対応付けて管理している貯玉数を含む貯玉数情報を玉貸発券処理部20に対して返信する。そして該貯玉数情報を受信した玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22は、カードテーブルで、S02で読み取ったカードIDに対応付けて、該貯玉数情報に含まれる貯玉数を記憶すると共に、メイン画面で貯玉数を表示し、貯玉数取得処理を終了して、S07で持玉数取得処理を行う。
【0067】
この持玉数取得処理において、玉貸発券制御部22は、S02で読み取ったカードIDを含む持玉数取得要求を持玉管理装置62に対して送信する。該持玉数取得要求を受信した持玉管理装置62は、該持玉数取得要求に含まれるカードIDに対応付けて管理している持玉数を含む持玉数情報を玉貸発券処理部20に対して返信する。そして該持玉数情報を受信した玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22は、カードテーブルで、S02で読み取ったカードIDに対応付けて、該持玉数情報に含まれる持玉数を記憶すると共に、メイン画面で持玉数を表示し、持玉数取得処理を終了して、S08で残額確認処理を行う。
【0068】
この残額確認処理において、玉貸発券制御部22は、S02で読み取ったカードIDとプリペイド残額とを含む残額確認要求を残額管理装置60に対して送信する。該残額確認要求を受信した残額管理装置60は、該残額確認要求に含まれるプリペイド残額と該残額確認要求に含まれるカードIDに対応付けて管理しているプリペイド残額とが一致するか否かを判定し、一致することを条件として、該プリペイド残額を含む残額確認通知を玉貸発券処理部20に対して返信する。そして該残額確認通知を受信した玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22は、カードテーブルで、S02で読み取ったカードIDに対応付けて、該残額確認通知に含まれるプリペイド残額を記憶すると共に、残度数表示器14に残度数を表示し、残額確認処理を終了して、S11に進む。
【0069】
前記S05で会員カード2でない(NO)、即ちビジターカード3であると判定された場合には、玉貸発券制御部22は、前記S07の持玉数取得処理と、前記S08の残額確認処理とを行って、S11に進む。
【0070】
S04又はS08の処理が終了すると、玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22は、S11で玉貸ボタン15の操作の受付,S12で紙幣識別機25による紙幣の受付,S14でメイン画面に表示される払出ボタンの操作の受付,S15で会員カード2の受付中においてメイン画面に表示される再プレイボタンの操作の受付,又はS16でカード返却ボタン16の操作の受付を待機する。
【0071】
このS11で玉貸ボタン15の操作が有ると(YES)、玉貸発券制御部22は、S21aで玉貸処理を行う。この玉貸処理において、玉貸発券制御部22は、カードテーブルで記憶しているプリペイド残額が予め設定された玉貸設定額(例えば5度数=500円)以上であるか否かを判定し、プリペイド残額が玉貸設定額以上であれば、該玉貸設定額を使用額として特定し、プリペイド残額が玉貸設定額未満であれば、該プリペイド残額を使用額として特定して、該特定した使用額分のパチンコ玉の払出をパチンコ機10の払出制御基板12に対して指令し、カードIDと使用額とを含む減算要求を残額管理装置60に対して送信する。該減算要求を受信した残額管理装置60は、該減算要求に含まれるカードIDに対応付けて管理しているプリペイド残額から該減算要求に含まれる使用額を減算して、減算完了通知を玉貸発券処理部20に対して返信する。そして該減算完了通知を受信した玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22は、カードテーブルで、使用額をプリペイド残額から減算更新すると共に、残度数表示器14に残度数を表示し、かつカードR/W23により受付中のカードに該減算更新後のプリペイド残額を記録する処理を行い、玉貸処理を終了して、S21bに進む。
【0072】
このS21aの処理を行う玉貸発券制御部22は、対応するパチンコ機10と通信することにより、遊技者が所有する遊技用価値の大きさ(プリペイド残額)に相当するパチンコ玉を該パチンコ機10から払い出して貸与するための貸与処理(玉貸処理)を行う貸与処理手段として機能するものである。
【0073】
S21bで、玉貸発券制御部22は、ビジターカード3を受付中かつカードテーブルで記憶しているプリペイド残額及び持玉数が零であるか否かを判定し、NOならば前記S11に戻り、YESならばS21cで当該ビジターカード3をカードストッカ23bに取り込んで、S26bで管理玉数更新処理を行う。この管理玉数更新処理において、玉貸発券制御部22は、カードIDと持玉数(ここでは零)とを含む持玉数更新要求を持玉管理装置62に対して送信する処理を行って、管理玉数更新処理を終了する。なお持玉数更新要求を受信した持玉管理装置62は、該持玉数更新要求に含まれるカードIDに対応付けて管理している持玉数を該持玉数更新要求に含まれる持玉数に更新する。そしてS26bの処理が終了すると、S26cで、玉貸発券制御部22は、カードテーブルの記憶内容を消去して、営業中処理を終了する。
【0074】
前記S12で紙幣の受付が有ると(YES)、玉貸発券制御部22は、S22で前記S04と同様の入金処理を行って、S11に戻る。
【0075】
前記S14で払出ボタンの操作が有ると(YES)、玉貸発券制御部22及び計数部30は、S24で持玉払出処理を行う。この持玉払出処理において、玉貸発券制御部22は、カードテーブルで記憶している持玉数が予め設定された払出設定数(例えば5度数分の125玉)以上であるか否かを判定する。そして持玉数が払出設定数以上であれば、該払出設定数分のパチンコ玉の払出をパチンコ機10の払出制御基板12に対して指令し、該払出設定数をカードテーブルで記憶している持玉数から減算更新すると共に、メイン画面で持玉数を更新表示し、持玉払出処理を終了して、S11に戻る。
【0076】
一方、持玉数が払出設定数未満であれば、持玉数のうち前記払出単位(25玉)の整数倍のパチンコ玉の払出をパチンコ機10の払出制御基板12に対して指令する一方、持玉数のうち該払出単位未満のパチンコ玉を計数部30から払い出し、カードテーブルで記憶している持玉数を零に更新すると共に、メイン画面で持玉数を零に更新表示し、持玉払出処理を終了して、S11に戻る。具体的には、持玉数が124玉である場合には、25玉×4=100玉はパチンコ機10から払い出し、残りの24玉は計数部30から払い出す。この端数払出処理が行われると、玉貸発券制御部22の制御により払出カウンタ38が開放され、玉貯留部36に貯留されているパチンコ玉が払出カウンタ38を通過して払出センサ(図示外)により計数され、該払出センサによる計数値が払出数に達すると、払出カウンタ38が閉鎖される。払出カウンタ38を通過したパチンコ玉は、流出路39内を流下して、受皿40により受け止められ、遊技者は、該パチンコ玉をパチンコ機10の上皿に供給することにより遊技に使用できる。
【0077】
前記S15で会員カード2の受付中において再プレイボタンの操作が有ると(YES)、玉貸発券制御部22は、S25で貯玉再プレイ処理を行う。この貯玉再プレイ処理において、玉貸発券制御部22は、カードテーブルで記憶している貯玉数が予め設定された再プレイ設定数(例えば5度数分の125玉)+手数料玉数(例えば25玉)以上であるか否かを判定する。そして貯玉数が再プレイ設定数+手数料玉数以上であれば、該再プレイ設定数分のパチンコ玉の払出をパチンコ機10の払出制御基板12に対して指令し、該再プレイ設定数+手数料玉数をカードテーブルで記憶している貯玉数から減算更新すると共に、メイン画面で貯玉数を更新表示し、貯玉再プレイ処理を終了して、S11に戻る。なお貯玉数が再プレイ設定数+手数料玉数未満であれば、パチンコ玉の払出を行わずに貯玉再プレイ処理を終了して、S11に戻る。
【0078】
前記S16でカード返却ボタン16の操作が有ると(YES)、玉貸発券制御部22は、S26aで、カードR/W23にて受付中のカードを返却する処理を行って、S26bで管理玉数更新処理を行う。この管理玉数更新処理において、玉貸発券制御部22は、カードIDと持玉数とを含む持玉数更新要求を持玉管理装置62に対して送信すると共に、受付中のカードが会員カード2である場合にはカードIDと貯玉数とを含む貯玉数更新要求を会員管理装置61に対して送信する処理を行って、管理玉数更新処理を終了する。なお持玉数更新要求を受信した持玉管理装置62は、該持玉数更新要求に含まれるカードIDに対応付けて管理している持玉数を該持玉数更新要求に含まれる持玉数に更新する。また貯玉数更新要求を受信した会員管理装置61は、該貯玉数更新要求に含まれるカードIDに対応付けて管理している貯玉数を該貯玉数更新要求に含まれる貯玉数に更新する。このS26aにてカードを返却する処理と、S26bにおける管理玉数更新処理とが、持玉払出処理に使用されなかった持玉数や貯玉再プレイ処理に使用されなかった貯玉数を景品交換又は他のパチンコ機10での遊技に使用させるために確定させるための確定処理(つまり持玉数や貯玉数を、受付中のカードのカードIDに対応付けて、該カードを返却する処理)に相当する。そしてS26bの処理が終了すると、玉貸発券制御部22は、S26cで、カードテーブルの記憶内容を消去して、営業中処理を終了する。
【0079】
このS26a及びS26bの処理を行う玉貸発券制御部22は、玉カウンタ35により計数された遊技媒体数(持玉数)を景品交換又は他のパチンコ機10での遊技に使用させるために確定させるための確定処理を行う確定処理手段として機能するものである。
【0080】
次に図8〜図14を参照して、玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22及び計数部30の計数制御部31が行う処理について説明する。各台計数ユニット50では、図8に示すように、玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22と計数部30の計数制御部31とが通信を行うことにより、計数制御部31が、玉カウンタ35による計数値を記憶すると共に、該計数値を玉貸発券制御部22に対して送信し、玉貸発券制御部22が、該計数値を持玉数としてカードテーブルで記憶する。また図10〜図12に示すように、計数制御部31が、計数異常判定処理を行い、図13〜図14に示すように、玉貸発券制御部22が、計数値異常判定処理を行う。
【0081】
まず図8は、各台計数ユニット50が行う計数処理の一例を表すフローチャートである。なお、図示しないが、遊技場の営業開始前に、玉貸発券処理部20及び計数部30の電源がオンになると、玉貸発券制御部22から計数制御部31に接続機器確認指示が送信され、該接続機器確認指示を受信した計数制御部31から玉貸発券制御部22に接続機器確認応答が送信され、該接続機器確認応答を受信した玉貸発券制御部22から計数制御部31に起動指示が送信され、該起動指示を受信した計数制御部31から玉貸発券制御部22に起動指示応答が送信されて、図8の状態になる。また玉貸発券制御部22と計数制御部31は、共に計数通番を記憶している。この計数通番は、計数の待機中において同一であり、計数が開始されてから次の待機中になるまでの間において1つずれる(具体的には、計数制御部31の計数通番が+1されてずれる)番号である。さらに計数制御部31は、計数状態として、玉カウンタ35による計数が行われていなければ「計数中でない」と記憶し、玉カウンタ35による計数が行われていれば「計数中」と記憶し、一連の計数が終了すると「計数終了検知」と記憶する。
【0082】
図8において、玉貸発券制御部22は、S101で、カードR/W23によりカードを受け付けると(図7のS02,S03)、S102で、計数許可,及び計数吸上げ可(即ちカードテーブルで記憶している持玉数への計数値の加算可)を示す動作指示Aを、ポーリングにより計数制御部31に対して送信し、該動作指示Aを受信した計数制御部31は、計数状態として「計数中でない」と記憶しているので、S103で、エラーなし,及び計数中でない旨を示す動作指示応答Aを、玉貸発券制御部22に対して返信する。該動作指示応答Aを受信した玉貸発券制御部22は、S104で、指示なし,及び計数吸上げ可を示す動作指示Bを、ポーリングにより計数制御部31に対して送信し、該動作指示Bを受信した計数制御部31は、S105で、前記動作指示応答Aを、玉貸発券制御部22に対して返信する。そして玉貸発券制御部22と計数制御部31は、玉カウンタ35による計数が開始されるまで、S104〜S105を繰り返す。ここでS102〜S105の間が計数の待機中である。
【0083】
該計数の待機中において、S111で、玉カウンタ35による計数が開始されると、計数制御部31は、後述する計数異常判定処理にて異常と判定されない限り、該玉カウンタ35による計数値の計数開始からの累積値を記憶すると共に、S112で、記憶している計数通番を+1し、記憶している計数状態を「計数中」に更新し、計数開始日時をセットする。ここで計数通番が+1されることにより、計数中は、当該計数制御部31が記憶している計数通番と玉貸発券制御部22が記憶している計数通番とがずれた状態となる。次に計数制御部31は、S113で、前記動作指示Bを、ポーリングにより計数制御部31に対して送信し、該動作指示Bを受信した計数制御部31は、計数状態として「計数中」と記憶しているので、S114で、エラーなし,前記更新した計数通番,計数中である旨,計数値の計数開始からの累積値,及び前記セットした計数開始日時を示す動作指示応答Bを、玉貸発券制御部22に対して返信する。
【0084】
ここでS111の処理を行う計数制御部31は、玉カウンタ35により計数された遊技媒体数(計数値の累積値)を記憶する遊技媒体数記憶手段として機能するものである。またS114の処理を行う計数制御部31は、単位時間毎(500msec毎)に玉カウンタ35により計数された遊技媒体数(計数値の累積値)を特定可能な計数情報(動作指示応答)を玉貸発券処理部20に対して送信する計数情報送信手段として機能するものである。また該S114の動作指示応答を受信する玉貸発券制御部22は、計数情報送信手段から送信されてくる計数情報(動作指示応答)を受信する計数情報受信手段として機能するものである。
【0085】
前記動作指示応答Bを受信した玉貸発券制御部22は、後述する計数値異常判定処理にて異常と判定されない限り、S115で、該動作指示応答Bが示す計数値の累積値に基づいて、カードテーブルの持玉数を更新する。具体的には、今回受信した動作指示応答Bが示す計数値の累積値から、前回受信した動作指示応答Bが示す計数値の累積値を減算することにより、予め定められた単位時間(ここでは500msec)毎の計数値の増加量を特定し(図13を参照)、後述する計数値異常判定処理にて異常と判定されない限り、該特定した増加量をカードテーブルの持玉数に加算する。そして玉貸発券制御部22と計数制御部31は、玉カウンタ35による最終の計数から所定時間(例えば2秒間)が経過するまで、S113〜S115を繰り返す。なお所定時間は、任意に設定変更可能であり、例えば5秒間,10秒間等であっても良い。
【0086】
次に計数制御部31は、S116で、玉カウンタ35による最終の計数から所定時間(例えば2秒間)が経過したと判定した後に、S117で、玉貸発券制御部22からポーリングにより送信されてくる動作指示Bを受信すると、S118で、記憶している計数状態を「計数終了検知」に更新し、S119で、エラーなし,計数通番,計数終了検知した旨,及び計数値の累積値(即ち最終的な計数値)を示す動作指示応答Cを、玉貸発券制御部22に対して返信する。ここでS112〜S116の間が計数中であり、また後述する計数異常判定処理を行う期間である。
【0087】
ここでS116の処理を行う計数制御部31は、玉カウンタ35による計数が途絶えてから予め定められた所定時間が経過したことに基づいて、該玉カウンタ35による一連の計数が終了したと判定する計数終了判定手段として機能するものである。
【0088】
前記動作指示応答Cを受信した玉貸発券制御部22は、S120で、後述する計数値異常判定処理にて異常と判定されない限り、S120で、該動作指示応答Cが示す計数値の累積値に基づいて、カードテーブルの持玉数を更新する。具体的には、今回受信した動作指示応答Cが示す計数値の累積値(即ち最終的な計数値)から、前回受信した動作指示応答Bが示す計数値の累積値を減算することにより、予め定められた単位時間(ここでは500msec)毎の計数値の増加量を特定し(図13を参照)、後述する計数値異常判定処理にて異常と判定されない限り、該特定した増加量をカードテーブルの持玉数に加算する。ここでS115〜S120の間が、後述する計数値異常判定処理を行う期間である。
【0089】
そして玉貸発券制御部22は、S121で、前記動作指示応答Cが計数終了検知を示すことに基づいて、計数確定指示,及び計数吸上げ可を示す動作指示Cを、ポーリングにより計数制御部31に対して送信し、該動作指示Cを受信した計数制御部31は、S122で、該動作指示Cが計数確定指示を示すことに基づいて、記憶している計数状態を「計数中でない」に更新し、S123で、エラーなし,計数通番,計数中でない旨を示す動作指示応答Dを、玉貸発券制御部22に対して返信する。
【0090】
該動作指示応答Dを受信した玉貸発券制御部22は、S124で、該動作指示応答Dが計数中でない旨を示すことに基づいて、記憶している計数通番を+1する。ここで計数通番が+1されることにより、計数中は計数制御部31が記憶している計数通番と玉貸発券制御部22が記憶している計数通番とがずれた状態であったのが、一致することになる。そして玉貸発券制御部22は、計数通番を更新したことに基づいて、S125で、計数許可,該更新した計数通番,及び計数吸上げ可を示す動作指示Dを、ポーリングにより計数制御部31に対して送信する。なおS125の処理を行った後は、前記S104の処理を行う。
【0091】
該動作指示Dを受信した計数制御部31は、S126で、前記記憶している計数通番と該動作指示Dが示す計数通番とが一致することに基づいて、計数値を示す動作指示応答B,Cの送信及び該動作指示応答の送信に伴って玉貸発券処理部20と計数部30とが行うS112〜S124の処理が正常に行われたと判定して、S127で、前記記憶している計数値の累積値を消去する。なおS127では、後述する計数異常3のマイナスカウント値も消去するが、これについては図12を参照して後述する。
【0092】
ここでS126の処理を行う計数制御部31は、計数情報送信手段による計数情報(動作指示応答)の送信、及び/又は、該計数情報の送信に伴って玉貸発券処理部20と計数部30とが行う処理が、正常に行われたか否かを判定する送信判定手段として機能するものである。またS127の処理を行う計数制御部31は、前記計数終了判定手段により一連の計数が終了したと判定され、該送信判定手段により正常に行われたと判定されたことに基づいて、遊技媒体数記憶手段により記憶している遊技媒体数(計数値の累積値)を消去するための遊技媒体数消去処理を行う遊技媒体数消去処理手段として機能するものである。
【0093】
これによれば、動作指示応答の送信及び/又は該動作指示応答の送信に伴って玉貸発券処理部20と計数部30とが行う処理が正常に行われたことを条件として、計数部30が記憶している計数値の累積値が消去されることにより、計数部30は計数値を常に記憶する必要が無くなるので、該計数部30の記憶負担を軽減できる。また一連の計数が終了したことをさらなる条件として、計数部30が記憶している計数値の累積値が消去されることにより、計数部30は一連の計数が終了する毎に計数値を記憶する必要が無くなるので、該計数部30の記憶負担をさらに軽減できる。また一連の計数を計数通番で管理しているので、該計数通番に基づいて、計数日時や計数値を容易に確認することができる。
【0094】
なお、計数終了検知した旨を示す動作指示応答C(S119)の返信から計数確定指示を示す動作指示C(S121)の受信までの間に計数部30で計数が発生した場合には、計数制御部31は、S122及びS123の処理は行わずに、動作指示応答Bを玉貸発券制御部22に対して返信し、該動作指示応答Bを受信した玉貸発券制御部22は、S124の処理は行わずに、S115の処理を行う。
【0095】
また、玉貸発券制御部22が計数通番を更新中に計数部30で計数が発生した場合には、計数制御部31は、前記記憶している計数値を加算更新するが、前記記憶している計数通番は更新せず、玉貸発券制御部22からポーリングにより送信されてくる動作指示を受信すると、前記記憶している計数通番と該動作指示が示す計数通番とが一致する(即ち玉貸発券制御部22で計数通番の更新が行われた)ことを条件に、該記憶している計数通番を更新して、以後の計数は該更新した計数通番で行う一方、前記記憶している計数通番と該動作指示が示す計数通番とが一致しない(即ち玉貸発券制御部22で計数通番の更新が行われていない)ことを条件に、前記S112〜S124の処理は前記記憶している(即ち更新前の)計数通番で行う。
【0096】
次に図9は、計数処理においてポーリングの中断を検知した場合の一例を表すフローチャートである。前記図8で説明したS113〜S115の繰り返し中において、計数制御部31は、図9のS201に示すように、一定時間(例えば2秒間)経過してもS113の動作指示Bを受信しないと判定した場合には、S202で、シャッタ33を閉鎖して計数を停止すると共に、LED41を所定の態様で点滅して通信異常である旨を報知する。
【0097】
ここでS201の処理を行う計数制御部31は、玉貸発券処理部20との通信の異常を判定する通信異常判定手段として機能するものであり、S202の処理を行う計数制御部31は、該通信異常判定手段により異常判定されたことに基づいて、玉カウンタ35による計数を停止するための計数停止処理(ここではシャッタ33の閉鎖)を行う計数停止処理手段として機能するものである。
【0098】
これによれば、計数部30と玉貸発券処理部20との間における通信が正常であれば該計数部30で計数が行われ、通信が異常であれば計数が停止されるので、通信異常の場合には、遊技者が獲得したパチンコ玉を計数せずに残すことができて、遊技者に不利益(例えば計数しても動作指示応答が送信されないので計数値がカードテーブルの持玉数に加算されないという不利益や、計数しても計数値が誤った値になるという不利益等)が発生するのを防止できる。
【0099】
また計数部30と玉貸発券処理部20との間における通信に異常がある場合に計数を停止することができるので、オフラインを発生させて不正を行うという行為を防止できる。この場合において、オフラインが発生しても計数を停止せず、オンライン復帰後に、計数制御部31が記憶している計数値を玉貸発券制御部22に対して送信するように構成すると、該計数制御部31が記憶している計数値に対して不正が行われる余地があるので、遊技者にとっては不便であるが、計数を停止して、遊技者の手元にパチンコ玉が残るようにしたのである。
【0100】
なお玉貸発券制御部22も、S203で、動作指示Bに対応する動作指示応答Cを受信しないことに基づいて、S204で、多機能ランプ26を所定の態様で発光して通信異常である旨を報知する。
【0101】
次に図10は、計数制御部31が行う異常判定処理における各エラーの種類を表す図である。計数制御部31は、玉カウンタ35による計数に関する異常を判定する計数異常判定手段として機能するものであり、具体的には、前記計数中において、図10に示す計数異常1(速すぎ),計数異常1(遅すぎ),計数異常1(同一周期で継続),計数異常2,及び計数異常3の各エラーを検知する計数異常判定処理を行う。また計数制御部31は、図10に示す電波異常,片流れ異常,センサ異常(電源ON時),センサ異常(両レーン詰まり),及び玉払出異常の各エラーも検知する。以下、各エラーについて説明する。
【0102】
まず図10に示す「計数異常1(速すぎ)」は、玉カウンタ35が出力する計数パルスのパルス幅又はパルス間隔が異常に短い場合である。具体的には、まずパチンコ玉の質量及び大きさや、流入路34の傾斜及び摩擦により定まる、異常がない場合における計数値の最大値(パチンコ玉が間隔を空けずに連続して流れてくる場合であり、例えば1レーンあたり20玉/秒)に基づいて、異常がない場合における最短のパルス幅とパルス間隔を特定し、それよりも短いパルス幅とパルス間隔を判定値として予め設定する。そして計数中の玉カウンタ35から出力される計数パルス(プラスカウントのパルス)に基づいて、各計数パルスのパルス幅が前記判定値以下であるか否か,及び各計数パルスのパルス間隔が前記判定値以下であるか否かを判定し、パルス幅又はパルス間隔の少なくとも一方が判定値以下であれば、計数異常1(速すぎ)を検知する。このように、玉カウンタ35が出力する計数パルスのパルス幅又はパルス間隔が異常に短い場合には、不正が行われている可能性が高いため、当該異常を検知するものである。なおパルス幅及びパルス間隔の両方について判定をするのではなく、パルス幅又はパルス間隔のいずれか一方についてのみ判定をするものであっても良い。
【0103】
また図10に示す「計数異常1(遅すぎ)」は、玉カウンタ35が出力する計数パルスのパルス幅が異常に長い場合である。具体的には、まずパチンコ玉の質量及び大きさや、流入路34の傾斜及び摩擦により定まる、異常がない場合における計数値の最大値(パチンコ玉が間隔を空けずに連続して流れてくる場合であり、例えば1レーンあたり20玉/秒)に基づいて、異常がない場合における最短のパルス幅を特定し、それよりも長いパルス幅(例えば500msec/玉以上)を判定値として予め設定する。そして計数中の玉カウンタ35から出力される計数パルス(プラスカウントのパルス)に基づいて、各計数パルスのパルス幅が前記判定値以上であるか否かを判定し、パルス幅が判定値以上であれば、計数異常1(遅すぎ)を検知する。このように、玉カウンタ35が出力する計数パルスのパルス幅が異常に長い場合にも、不正が行われている可能性が高いため、当該異常を検知するものである。なおパルス間隔について判定をしないのは、異常がない場合であっても、パチンコ玉が間隔を空けて流れてくる場合があり、その場合にはパルス間隔が長くなるためである。
【0104】
また図10に示す「計数異常1(同一周期で継続)」は、玉カウンタ35が出力する計数パルスのパルス幅又はパルス間隔が同一周期で所定期間継続している場合である。具体的には、計数中の玉カウンタ35から出力される計数パルス(プラスカウントのパルス)に基づいて、各計数パルスのパルス幅が同一周期で所定期間(例えばX秒間,又はY回)継続しているか否か,及び各計数パルスのパルス間隔が同一周期で所定期間(例えばX秒間,又はY回)継続しているか否かを判定し、パルス幅又はパルス間隔の少なくとも一方が継続していれば、計数異常1(同一周期で継続)を検知する。流入路34を自然流下するパチンコ玉を計数する場合には、計数パルスのパルス幅やパルス間隔にバラツキが生ずるのが自然であるため、該計数パルスのパルス幅やパルス間隔が同一周期で所定期間継続するのは不自然であり、このような場合には不正(例えば外部から一定のパルス幅やパルス間隔計数パルスを送り込むような不正)が行われている可能性が高いため、当該異常を検知するものである。
【0105】
そして計数制御部31は、図11(a)に示すように、S301で、これら計数異常1(速すぎ),計数異常1(遅すぎ),又は計数異常1(同一周期で継続)を検知すると、S302で、シャッタ33を閉鎖して計数を停止すると共に、記憶している計数状態を「計数終了検知」に更新し、S303で、玉貸発券制御部22からポーリングにより送信されてくる動作指示Bを受信すると、S304で、計数異常1を検知した旨,計数通番,計数終了検知した旨,及び計数値の累積値(即ち最終的な計数値)を示す動作指示応答E1を、玉貸発券制御部22に対して返信する。
【0106】
該動作指示応答E1を受信した玉貸発券制御部22は、S305で、該動作指示応答E1が計数異常1を検知した旨を示すことに基づいて、多機能ランプ26を所定の態様で発光して計数異常1である旨を報知し、S306で、計数確定指示,計数吸上げ可,計数通番,及びLED点滅要求を示す動作指示C’を、ポーリングにより計数制御部31に対して送信し、該動作指示C’を受信した計数制御部31は、S307で、該動作指示C’がLED点滅要求を示すことに基づいて、LED41を所定の態様で点滅して計数異常1である旨を報知すると共に、記憶している計数状態を「計数中でない」に更新し、S308’で計数異常1を検知した旨,計数通番,計数中でない旨を示す動作指示応答D’を、玉貸発券制御部22に対して返信する。
【0107】
該動作指示応答D’を受信した玉貸発券制御部22は、S309で、該動作指示応答D’が計数中でない旨を示すことに基づいて、記憶している計数通番を+1する。ここで計数通番が+1されることにより、計数中は計数制御部31が記憶している計数通番と玉貸発券制御部22が記憶している計数通番とがずれた状態であったのが、一致することになる。そして玉貸発券制御部22は、計数通番を更新したことに基づいて、S310で、計数禁止,該更新した計数通番,及び計数吸上げ可を示す動作指示D’を、ポーリングにより計数制御部31に対して送信する。
【0108】
該動作指示D’を受信した計数制御部31は、S311で、前記記憶している計数通番と該動作指示D’が示す計数通番とが一致することに基づいて、計数値を示す動作指示応答E1の送信及び該動作指示応答の送信に伴って玉貸発券処理部20と計数部30とが行うS305〜S310の処理が正常に行われたと判定して、S311で、前記記憶している計数値の累積値を消去する。なおS311では、後述する計数異常3のマイナスカウント値も消去するが、これについては図12を参照して後述する。
【0109】
以上に説明したように、計数異常1が発生すると、計数は停止するが、図8のS118〜S127と略同様に、S302〜S311の計数確定シーケンスを行う。ここで計数確定シーケンスを行うのは、計数異常1を検知した後の計数値は無効とするが、計数異常1を検知する前の計数値は確定させて有効とすることにより、遊技者を保護するためである。
【0110】
ここでS304の処理を行う計数制御部31は、計数異常判定手段により異常判定されたことに基づいて、異常がある旨の報知を行うための計数異常報知処理を行う計数異常報知処理手段として機能するものであり、ここでは多機能ランプ26での報知及びLED41での報知を行うために、動作指示応答E1を返信するS304の処理を行う。
【0111】
次に図10に示す「計数異常2」は、シャッタ33の閉鎖中に玉カウンタ35の計数センサが計数玉を検知した場合である。シャッタ33が閉鎖中の場合には、本来であれば流入路34にパチンコ玉が流入することはなく、玉カウンタ35の計数センサが計数玉を検知した場合には、不正が行われている可能性が高いため、当該異常を検知するものである。
【0112】
計数制御部31は、図11(b)に示すように、計数禁止中=シャッタ33の閉鎖状態において、S351で、玉カウンタ35の計数センサによる計数が有ると、S352で、計数異常2を検知し、S353で、玉貸発券制御部22からポーリングにより送信されてくる、指示なしを示す一方で計数禁止中であるために計数吸上げ可を示さない動作指示B’を受信すると、S354で、計数異常2を検知した旨,計数通番,計数終了検知した旨,及び計数値の累積値を示す動作指示応答E2を、玉貸発券制御部22に対して返信する。
【0113】
該動作指示応答E2を受信した玉貸発券制御部22は、S355で、該動作指示応答E2が計数異常2を検知した旨を示すことに基づいて、多機能ランプ26を所定の態様で発光して計数異常2である旨を報知する。そして玉貸発券制御部22と計数制御部31は、玉カウンタ35による最終の計数から前記所定時間(例えば2秒間)が経過するまで、S353〜S355を繰り返す。
【0114】
そして計数制御部31は、S356で、玉カウンタ35による最終の計数から所定時間(例えば2秒間)が経過したと判定した後に、S357で、玉貸発券制御部22からポーリングにより送信されてくる動作指示B’を受信すると、S358で、計数異常2を検知した旨,計数通番,計数終了検知した旨,及び計数値の累積値(即ち最終的な計数値)を示す動作指示応答C’を、玉貸発券制御部22に対して返信する。
【0115】
以上に説明したように、計数異常2が発生しても、計数は停止しないが、計数禁止中のため、計数確定シーケンスは行わない。ここで計数確定シーケンスを行わないのは、計数値を管理する主体が玉貸発券制御部22であるため、玉貸発券制御部22において計数禁止中の場合には、計数値の吸上げ及び確定を行わないからである。
【0116】
ここでS354の処理を行う計数制御部31は、計数異常判定手段により異常判定されたことに基づいて、異常がある旨の報知を行うための計数異常報知処理を行う計数異常報知処理手段として機能するものであり、ここでは多機能ランプ26での報知を行うために、動作指示応答E2を返信するS354の処理を行う。
【0117】
次に図10に示す「計数異常3」は、玉カウンタ35が前記マイナスカウントを検知した場合である。流入路34を自然流下するパチンコ玉を計数する場合には、本来であればマイナスカウントが発生することはなく、該マイナスカウントを検知した場合には、故障等の可能性が高いため、当該異常を検知するものである。
【0118】
具体的には、図12(a)に示すように、原則として、マイナスカウントの発生回数が予め定めた閾値(例えば5回)に達すると、計数異常3を検知する。例えば図示のように計数パルスA〜Mが出力された場合には、計数パルスLが出力された時点でマイナスカウントの発生回数が閾値である5回に達するため、この時点で計数異常3を検知する。ただし図12(b)に示すように、計数パルスがプラスカウントから開始した場合には、マイナスカウントの発生回数が閾値に達しなくても、計数値がマイナスになった時点(図示の計数パルスGが出力された時点)で計数異常3を検知する。一方、図12(c)に示すように、計数パルスがマイナスカウントから開始した場合には、マイナスカウントの発生回数が閾値に達する前に、計数値がプラスになった時点(図示の計数パルスEが出力された時点)で、計数開始と判定するが、その後にマイナスカウントの発生回数が閾値達した場合には、原則通り計数異常3を検知する。
【0119】
そして計数制御部31が該計数異常3を検知すると、計数制御部31及び玉貸発券制御部22は、図11(a)で説明したのと同様の処理を行う。なお前記図8のS127及び図11(a)のS311で示すように、記憶している計数値の消去と共に、マイナスカウント値も消去され、次回の計数においては、マイナスカウント値は零からスタートする。
【0120】
次に図10に示す「電波異常」は、計数部30に設けられる電波センサ(図示外)が特定の周波数帯の電波を検知した場合である。また「片流れ異常」は、流入路34の第1レーン341又は第2レーン342のいずれか一方のレーンに設けられる計数センサで計数玉を検知するが、他方のレーンに設けられる計数センサでは計数玉を検知しない場合である。また「センサ異常(電源ON時)」は、玉貸発券処理部20及び計数部30の電源ON時に計数センサ又は払出センサの少なくとも一方で玉有りを検知した場合である。また「センサ異常(両レーン詰まり)」は、流入路34の第1レーン341又は第2レーン342の両方のレーンに設けられる計数センサが玉有りを検知した後、両方のレーンとも所定時間(例えば15秒間)玉有りを検知し続けた場合である。さらに「玉払出異常」は、前記端数払出処理において、玉貸発券制御部22が払出指示を出してから所定時間(例えば5秒間)以内に払出センサが払出玉を検知しない場合である。
【0121】
そして計数制御部31がこれら電波異常,片流れ異常,センサ異常(電源ON時),センサ異常(両レーン詰まり),又は玉払出異常の各エラーを検知すると、計数制御部31は、シャッタ33を閉鎖して計数を停止し、玉貸発券制御部22からポーリングにより送信されてくる動作指示を受信すると、各エラーを示す動作指示応答を玉貸発券制御部22に対して返信し、該動作指示応答を受信した玉貸発券制御部22は、多機能ランプ26を該動作指示応答が示す各エラーに応じた態様で発光して報知する。
【0122】
次に図13は、玉貸発券制御部22が行う計数値異常判定処理における各エラーを説明する図である。玉貸発券制御部22は、前記計数情報受信手段が受信した計数情報(動作指示応答)から特定される遊技媒体数(計数値)に基づいて異常を判定する遊技媒体数異常判定手段として機能するものであり、具体的には、計数値の累積値を示す動作指示応答B,Cの受信に基づいて、図13(a)に示す計数値異常A,及び図13(b)に示す計数値異常Bの各エラーを検知する計数値異常判定処理を行う。
【0123】
まず図13(a)に示す「計数値異常A」は、受信した動作指示応答B,Cから特定される、予め定められた単位時間(ここでは500msec)毎の計数値の変動量が、予め定められた閾値(例えば25玉以上)を超えた場合である。具体的には、まずパチンコ玉の質量及び大きさや、流入路34の傾斜及び摩擦により定まるパチンコ玉の最大流量(例えば2レーンで20玉/500msec)に基づいて、該最大流量よりも異常に多い流量(例えば2レーンで25玉以上/500msec)を閾値として予め設定する。そして本例では、単位時間毎に、当該単位時間毎の計数値の累積値を示す動作指示応答B,Cを受信するので、該動作指示応答を受信する毎に、今回受信した動作指示応答が示す計数値の累積値から、前回受信した動作指示応答が示す計数値の累積値を減算することにより、予め定められた単位時間(ここでは500msec)毎の計数値の変動量(増加量)を算出して、該算出した変動量が前記設定した閾値を超えるか否かを判定し、変動量が閾値を超えていれば、計数値異常Aを検知する。このように変動量が閾値を超えている場合には、不正が行われている可能性が高いため、当該異常を検知するものである。
【0124】
このように、単位時間毎の計数値の増加量が閾値を超える場合に異常と判定して報知を行うので、不正が行われた可能性が高い場合に報知を行うことができる。また玉貸発券処理部20が、時間の計時を行わなくても、計数部30から送信されてくる単位時間毎の計数値を特定可能な計数情報(動作指示応答)に基づいて、単位時間毎の計数値の増加量を特定できるので、該玉貸発券処理部20における処理を簡略化できる。
【0125】
また図13(b)に示す「計数値異常B」は、受信した動作指示応答B,Cから特定される、予め定められた単位時間(ここでは500msec)毎の計数値の変動量が、同一のまま予め定められた所定回数(例えば10回)継続の場合である。具体的には、前記計数値異常Aの場合と同様にして、予め定められた単位時間(ここでは500msec)毎の計数値の変動量(増加量)を算出して、該算出した変動量が同一のまま所定回数継続であるか否かを判定し、所定回数継続であれば、計数値異常Bを検知する。流入路34を自然流下するパチンコ玉を計数する場合には、単位時間毎の計数値の変動量にバラツキが生ずるのが自然であるため、該変動量が同一のまま所定回数継続するのは不自然であり、このような場合には不正(例えば計数制御部31と玉貸発券制御部22との間に設けたぶら下げ基板から、一定の計数値を示す動作指示応答を送信するような不正)が行われている可能性が高いため、当該異常を検知するものである。
【0126】
そして玉貸発券制御部22は、図14に示すように、S401で、これら計数値異常A,又は計数値異常Bを検知すると、S402で、多機能ランプ26を所定の態様で発光して計数値異常である旨を報知し、S403で、計数禁止,及び計数吸上げ不可を示す動作指示Fを、ポーリングにより計数制御部31に対して送信し、該動作指示Fを受信した計数制御部31は、S404で、前記動作指示応答Bを、玉貸発券制御部22に対して返信する。そして玉貸発券制御部22と計数制御部31は、玉カウンタ35による最終の計数から所定時間(例えば2秒間)が経過するまで、S403〜S404を繰り返す。
【0127】
ここでS402の処理を行う玉貸発券制御部22は、遊技媒体数異常判定手段により異常判定されたことに基づいて、異常がある旨の報知を行うための遊技媒体数異常報知処理(計数値異常報知処理)を行う遊技媒体数異常報知処理手段として機能するものである。
【0128】
次に計数制御部31は、S405で、玉カウンタ35による最終の計数から所定時間(例えば2秒間)が経過したと判定した後に、S406で、玉貸発券制御部22からポーリングにより送信されてくる動作指示Fを受信すると、S407で、記憶している計数状態を「計数終了検知」に更新し、S408で、前記動作指示応答Cを、玉貸発券制御部22に対して返信する。
【0129】
以上に説明したように、計数値異常が発生しても、計数は停止しないが、計数禁止中のため、玉貸発券制御部22は、計数値の吸上げは行わず、計数確定シーケンスも行わない。ここで計数確定シーケンスを行わないのは、玉貸発券処理部20が故障している可能性があるからであり、このように故障している玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22で計数値の吸上げ及び確定を行うのは適切でないからである。なお玉貸発券処理部20が故障している場合には、計数部30を別の故障していない玉貸発券処理部20と接続することにより、当該玉貸発券処理部20において計数部30が記憶している計数値を吸い上げて確定させることができる。
【0130】
以上に説明した本発明によれば、計数部30における計数に関する異常を監視できると共に、計数部30から玉貸発券処理部20に送信される計数情報(動作指示応答)から特定される遊技媒体数(計数値)の該玉貸発券処理部20における異常を監視できるので、前者の監視のみを行う場合に比べて、当該各台計数ユニット50で行われる計数に伴う異常をより正確に監視できる。特に計数制御部31による計数異常報知処理が行われないにも関わらず、玉貸発券制御部22による計数値異常報知処理が行われた場合には、計数部30と玉貸発券処理部20との間の通信における異常(例えば計数制御部31と玉貸発券制御部22との間に設けたぶら下げ基板から、一定の計数値を示す動作指示応答を送信するような不正)が発生したと特定することができる。
【0131】
次に、図15を参照して、本発明の変形例1について説明する。この変形例1では、パチンコ機10に対応して設けられる遊技用装置が、玉貸発券処理部20’と、前記計数部30と、持玉カードユニット50’とから構成されており、前記遊技用装置(即ち各台計数ユニット50=玉貸発券処理部20+計数部30)と比較して、確定処理の態様が異なる。ここで玉貸発券処理部20’は、前記玉貸発券処理部20と比較して、前記内部ユニット30bが配置されていない点のみが異なる。
【0132】
持玉カードユニット50’は、図15(a)に示すように、玉貸発券処理部20’のさらに左側に隣接して設けられ、縦長の箱型の形状を呈するものであり、その前面に発券ボタン51’,貯玉ボタン52’,持玉カード挿入口53a’等を備え、図15(b)に示すように、その内部に持玉カードR/W53’,持玉カードストッカ53b’を備え、発券ボタン51’,貯玉ボタン52’,及び持玉カードR/W53’は、玉貸発券処理部20’の玉貸発券制御部22と通信可能に接続されている。なお持玉カードユニット50’の下部には、前面に計数部30の外部ユニット30aが配置され、内部に計数部30の内部ユニット30bが配置されている。
【0133】
この変形例1の遊技用装置において、遊技者が台移動又は景品交換を希望する場合には、カードテーブルで持玉数が記憶されている状態で、発券ボタン51’が操作されると、持玉カード5を貯留している持玉カードストッカ53b’は、該貯留している持玉カード5のうちの1枚を持玉カードR/W53’に対して搬送し、持玉カードR/W53’は、搬送された持玉カード5のIDと持玉数とを対応付ける処理(ここでは持玉カード5に持玉数を記録する処理)を行い、該持玉カード5を持玉カード挿入口53a’から排出して発行する。この変形例1では、該持玉カード5の発行が、前記確定処理に相当する。
【0134】
このようにして発行された持玉カード5を、他のパチンコ機10に対応する持玉カードユニット50’の持玉カードR/W53’に挿入することにより、該持玉カード5のIDに対応付けられている持玉数を使用して前記持玉払出処理が可能となる。また該持玉数を使用してPOS端末にて景品交換が可能となる。なお玉貸発券処理部20’のカードR/W23にて受付中の会員カード2ビジターカード3は、カード返却ボタン16が操作されると返却される。
【0135】
つまり変形例1では、持玉数が会員カード2ビジターカード3のカードIDに対応付けて持玉管理装置62で管理されるのではなく、該持玉数が持玉カード5のIDに対応付けられる。なお持玉カード5のIDと持玉数との対応付けは、持玉カード5に持玉数を記録する例には限らず、持玉カード5に持玉数を記録せずに、持玉管理装置62において持玉カード5のIDと持玉数とを対応付けて管理するものであっても良い。即ち持玉カード5に持玉数を記録するか否かは、特に限定されない。
【0136】
また変形例1の遊技用装置において、会員遊技者が貯玉を希望する場合には、カードテーブルで持玉数が記憶されており、かつ玉貸発券処理部20’のカードR/W23にて会員カード2を受付中の状態で、貯玉ボタン52’が操作されると、該会員カード2のカードIDと貯玉する玉数とを含む貯玉要求を会員管理装置61に対して送信する。該貯玉要求を受信した会員管理装置61は、前述の如く、該貯玉要求に含まれるカードIDに対応付けて管理している貯玉数に該貯玉要求に含まれる貯玉する玉数を加算する。そして玉貸発券処理部20’のカードR/W23にて受付中の会員カード2は、カード返却ボタン16が操作されると返却される。この変形例1では、該会員カード2の返却も、前記確定処理に相当する。
【0137】
このようにして返却された会員カード2を、他のパチンコ機10に対応する玉貸発券処理部20’のカードR/W23に挿入することにより、該会員カード2のカードIDに対応付けて会員管理装置61で管理されている貯玉数を使用して前記貯玉再プレイ処理が可能となる。また該貯玉数を使用してPOS端末にて景品交換が可能となる。なお発券ボタン51’が操作された場合と異なり、持玉カード5は発行されない。
【0138】
次に、図16を参照して、本発明の変形例2について説明する。この変形例2では、パチンコ機10に対応して設けられる遊技用装置が、玉貸発券処理部20”と、前記計数部30とから構成されており、前記遊技用装置(即ち各台計数ユニット50=玉貸発券処理部20+計数部30)と比較して、確定処理の態様が異なる。ここで玉貸発券処理部20”は、前記玉貸発券処理部20と比較して、図16(a)に示すように、その前面に携帯電話近接部26aをさらに備え、図16(b)に示すように、その内部にICチップR/W26をさらに備え、該ICチップR/W26が玉貸発券制御部22と通信可能に接続されている点と、会員カード2及びビジターカード3が使用されず、カードR/W23はプリペイド残額を特定可能なプリペイドカード6を受け付ける点と、カードストッカ23bを備えていない点とが異なる。
【0139】
この変形例2の遊技用装置において、遊技者が台移動又は景品交換を希望する場合には、カードテーブルで持玉数が記憶されている状態で、ICチップを備える携帯電話7が携帯電話近接部26aに近接されて、ICチップR/W26により該携帯電話7のICチップから当該携帯電話7の識別情報(チップIDや電話番号等であり、以下「携帯ID」と称する。)が読み取られ、ディスプレイ24に表示される図示しない発行ボタンが操作されると、持玉数と携帯IDとを対応付けて記憶(当該携帯電話7のICチップで記憶,又は管理装置で記憶等)するための記憶処理を行う。この変形例2では、該記憶処理が、前記確定処理に相当する。
【0140】
最後に、本発明のその他の変形例について説明する。
【0141】
上記の実施形態では、図1に示すように、遊技機がパチンコ機10である例について説明したが、これに限らず、該遊技機は、スロットマシンでも良く、またゲーム機であっても良い。
【0142】
上記の実施形態では、図1に示すように、持玉管理装置62が持玉数を管理すると共に、会員管理装置61が貯玉数を管理する例について説明したが、これに限らず、1つの管理装置が持玉数及び貯玉数を管理するものであっても良い。
【0143】
上記の実施形態では、カード(会員カード2又はビジターカード3)に持玉数が記録されない例について説明したが、これに限らず、カードに持玉数が記録されるものであっても良く、また会員カード2には持玉数が記録されないがビジターカード3には持玉数が記録されるものや、ビジターカード3には持玉数が記録されないが会員カード2には持玉数が記録されるものであっても良い。
【0144】
上記の実施形態では、図7のS05で、受け付けたのが会員カード2であると判定された場合に、暗証番号の入力を受け付け、該入力された暗証番号の認証がとれたことを条件に、S06の管理貯玉数取得処理,S07の管理持玉数取得処理,及びS08の残額確認処理が行われて、貯玉数,持玉数,及びプリペイド残額が使用可能になる例について説明したが、これに限らず、例えば受け付けたのが会員カード2であると判定された場合であっても、暗証番号の入力を受け付けずに、S07の管理持玉数取得処理及びS08の残額確認処理を行って、持玉数及びプリペイド残額を使用可能とすると共に、S15で再プレイボタンの操作が有ると、暗証番号の入力を受け付け、該入力された暗証番号の認証がとれたことを条件に、管理貯玉数取得処理を行って、貯玉数を使用可能とするようにしても良い。即ち持玉数及びプリペイド残額の使用については暗証番号の入力が不要であり、貯玉数の使用についてのみ暗証番号の入力が必要なものであっても良い。
【0145】
上記の実施形態では、図7に示すように、S07の持玉数取得処理を行った後にS08の残額確認処理を行う例について説明したが、これに限らず、残額確認処理を行った後に持玉数取得処理を行っても良く、また持玉数取得処理と残額確認処理とを同時並行で行っても良い。
【0146】
上記の実施形態では、図7のS21aに示すように、遊技用価値を使用させるための使用処理が玉貸処理である例について説明したが、これに限らず、該使用処理は、遊技用価値をスロットマシンで使用させるためのメダル貸処理や、遊技用価値を得点に変換してゲーム機で使用させるための処理等であっても良い。
【0147】
上記の実施形態では、図7のS26bに示すように、カード返却ボタン16の操作が有ると管理玉数更新処理を行う例について説明したが、これに限らず、管理玉数の更新は計数処理,持玉払出処理,及び貯玉再プレイ処理毎に行っておき、カード返却ボタン16の操作が有ると管理玉数更新処理を行わずにカードを返却するものであっても良い。
【0148】
上記の実施形態では、図8のS114等に示すように、計数制御部31が、計数情報(動作指示応答)として、計数値の累積値を示す計数情報を単位時間毎に玉貸発券制御部22に対して送信する例について説明したが、これに限らず、計数制御部31が、計数時刻と計数値とを対応付けたログデータを記憶して、計数終了後に該ログデータを玉貸発券制御部22に対して送信し、玉貸発券制御部22が、該ログデータが示す計数時刻と計数値とに基づいて、単位時間毎の計数値を特定するものであっても良い。
【0149】
また計数制御部31が、玉カウンタ35から計数パルスが出力される毎に、計数値として1を示す動作指示応答を玉貸発券制御部22に対して送信し、玉貸発券制御部22が、該動作指示応答の受信時刻に基づいて、単位時間毎の計数値を特定する(即ち500msec以内における動作指示応答の受信数から計数値を特定する)ものであっても良い。
【0150】
即ち計数情報は、少なくとも玉カウンタ35により計数された計数値を特定可能な情報であれば良い。
【0151】
上記の実施形態では、図8のS114等に示すように、計数制御部31が、計数情報(動作指示応答)として、計数値の累積値を示す計数情報を単位時間毎に玉貸発券制御部22に対して送信する例について説明したが、これに限らず、図13(a’)(b’)に示すように、単位時間毎の計数値の変動量を示す計数情報を該単位時間毎に玉貸発券制御部22に対して送信するものであっても良い。この場合において、玉貸発券制御部22は、図13(a’)に示す計数値異常Aの判定においては、受信した変動量が設定した閾値を超えるか否かを判定し、変動量が閾値を超えていれば、計数値異常Aを検知し、また図13(b’)に示す計数値異常Bの判定においては、受信した変動量が同一のまま所定回数継続であるか否かを判定し、所定回数継続であれば、計数値異常Bを検知する。これによれば、玉貸発券制御部22において計数値の変動量を算出する処理が無くなるので、該玉貸発券制御部22の処理負荷を軽減できる。
【0152】
上記の実施形態では、図13(b)(b’)に示す計数値異常Bの判定において、計数値の変動量が同一のまま所定回数(10回)継続した場合に計数値異常Bを検知する例について説明したが、これに限らず、計数値の変動量が同一のまま所定期間(例えば5秒間)継続した場合に計数値異常Bを検知するものであっても良い。
【0153】
上記の実施形態では、図8のS127に示すように、S125の動作指示Dを受信したことに基づいて計数値の消去が行われる例について説明したが、これに限らず、S119で動作指示応答Cを送信した後に計数値の消去が行われるものであっても良い。即ち遊技媒体数消去処理は、計数情報(動作指示応答C)の送信が正常に行われたと判定されたことに基づいて行われても良い。
【0154】
上記の実施形態では、図8のS127に示すように、一連の計数が終了する毎に計数値の消去が行われる例について説明したが、これに限らず、一連の計数が終了しても直ちに計数値の消去を行わずに、任意のタイミングで消去を行うものであっても良い。さらに計数値の消去を行わずに、そのまま計数値の記憶を保持するものであっても良い。
【0155】
上記の実施形態では、図9のS202又は図11(a)のS302に示すように、計数停止処理が、シャッタ33の閉鎖である例について説明したが、これに限らず、例えばモータの駆動力により玉載置部32上のパチンコ玉が玉カウンタ35に送り込まれるように構成した場合には、該モータを停止する処理であっても良い。
【0156】
上記の実施形態では、図11(a)に示すように、計数制御部31が、計数異常報知処理として、S304の処理を行い、玉貸発券制御部22の多機能ランプ26で計数異常1が報知される例について説明したが、これに限らず、計数制御部31が、自らLED41を点滅する処理を行って計数異常1を報知するものであっても良く、また計数制御部31が、例えばホールコンピュータ70に対してエラー信号を出力することにより、該ホールコンピュータ70で計数異常1を報知するものであっても良い。
【0157】
上記の実施形態では、図11(a)に示すように、計数異常1を検知した場合であっても、S302〜S311の計数確定シーケンスを行うことにより、計数異常1を検知する前の計数値は確定させて有効とすることにより、遊技者を保護する例について説明したが、これに限らず、計数異常1を検知した場合には計数確定シーケンスを行わずに、計数異常1を検知する前の計数値も無効にするようにしても良い。
【0158】
上記の実施形態では、図14に示すように、玉貸発券制御部22が、遊技媒体数異常報知処理(計数値異常報知処理)として、S402の処理を行い、多機能ランプ26で計数値異常が報知される例について説明したが、これに限らず、玉貸発券制御部22が、エラー信号を計数制御部31に対して送信し、計数制御部31がLED41を点滅する処理を行って計数値異常を報知するものであっても良く、また玉貸発券制御部22が、例えばホールコンピュータ70に対してエラー信号を出力することにより、該ホールコンピュータ70で計数値異常を報知するものであっても良い。
【符号の説明】
【0159】
1…遊技用システム
10…パチンコ機
20…玉貸発券処理部
21a…玉貸通信部
21b…場内通信部
22…玉貸発券制御部
23…カードR/W
26…多機能ランプ
30…計数部
30a…外部ユニット
30b…内部ユニット
31…計数制御部
32…玉載置部
33…シャッタ
34…流入路
341…第1レーン
342…第2レーン
35…玉カウンタ
351a…(第1レーン上流)計数センサ
351b…(第1レーン下流)計数センサ
352a…(第2レーン上流)計数センサ
352b…(第2レーン下流)計数センサ
36…玉貯留部
37…排出路
38…払出カウンタ
39…流出路
40…受皿
41…LED
50…各台計数ユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に対応して設けられ、遊技媒体を受け入れて計数する計数手段を有する計数部と、対応する遊技機と通信することにより遊技媒体の貸与処理を行う貸与処理手段,及び前記計数手段により計数された遊技媒体数を景品交換又は他の遊技機での遊技に使用させるために確定させるための確定処理を行う確定処理手段を有する制御部と、を備え、計数部と制御部とが通信可能な遊技用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、特許文献1に示すように、対応する遊技機と通信することにより遊技媒体の貸与処理を行う台間機(いわゆるサンド)と、遊技媒体を受け入れて計数する各台計数機とが、遊技機に対応して各々別個に設けられている遊技用装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−229480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、遊技機に対応して設けられ、各台計数機能を有する遊技用装置を開発・生産するにあたり、各台計数機能付きの遊技用装置を所望する遊技場と所望しない遊技場のニーズに応えつつ、その開発・生産コストを抑えるために、いずれのニーズにも対応可能なものとして前記台間機を開発・生産し、該台間機と別個の各台計数機を組み合わせることにより遊技用装置を構成して、各台計数機能を持たせるようにすることがあった。
【0005】
このように構成した遊技用装置においては、各台計数機により計数された遊技媒体数を台間機に対して送信し、台間機が、該遊技媒体数を景品交換又は他の遊技機での遊技に使用させるために確定させるための確定処理(例えば遊技媒体を特定可能な記録媒体を発券する発券処理)を行うことが考えられる。この場合に、従来より遊技場で遊技島の端部等に設けられている計数機のように、計数に関する異常(不正)の有無を各台計数機で監視する機能を設けることが考えられるが、該監視の結果として正常であると判定されたとしても、各台計数機から遊技媒体数を台間機に対して送信する通信の際に不正が行われると、単に各台計数機で計数に関する異常を監視するだけでは対応できないという問題がある。
【0006】
本発明は、このような背景のもとになされたものであり、その目的は、計数部(前記各台計数機に相当)における計数に関する異常と、制御部(前記台間機に相当)における遊技媒体数の異常とを監視できるような、遊技用装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するために、次のような手段を採る。なお後述する発明を実施するための最良の形態の説明及び図面で使用した符号を参考のために括弧書きで付記するが、本発明の構成要素は該付記したものには限定されない。
【0008】
まず請求項1に係る発明は、
遊技機(パチンコ機10)に対応して設けられ、
遊技媒体(パチンコ玉)を受け入れて計数する計数手段(玉カウンタ35)を有する計数部(30)と、
前記対応する遊技機と通信することにより、遊技者が所有する遊技用価値の大きさ(プリペイド残額)に相当する遊技媒体を該遊技機から払い出して貸与するための貸与処理(S21aの玉貸処理)を行う貸与処理手段(玉貸発券制御部22)と、前記計数手段により計数された遊技媒体数を景品交換又は他の遊技機での遊技に使用させるために確定させるための確定処理(S26aのカード返却処理及びS26bの管理玉数更新処理)を行う確定処理手段(玉貸発券制御部22)とを有する制御部(玉貸発券処理部20)と、を備え、
前記計数部と前記制御部とが通信可能な遊技用装置(各台計数ユニット50)であって、
前記計数部は、
前記計数手段による計数に関する異常を判定する計数異常判定手段(計数制御部31)と、
前記計数手段により計数された遊技媒体数(計数値)を特定可能な計数情報(動作指示応答)を前記制御部に対して送信する計数情報送信手段(計数制御部31)と、をさらに有し、
前記制御部は、
前記計数情報送信手段から送信されてくる計数情報を受信する計数情報受信手段(玉貸発券制御部22)と、
該計数情報受信手段が受信した計数情報から特定される遊技媒体数に基づいて異常を判定する遊技媒体数異常判定手段(玉貸発券制御部22)と、をさらに有し、
前記遊技用装置は、
前記計数異常判定手段により異常判定されたことに基づいて、異常がある旨の報知を行うための計数異常報知処理(S302,S304,S354)を行う計数異常報知処理手段(計数制御部31)と、
前記遊技媒体数異常判定手段により異常判定されたことに基づいて、異常がある旨の報知を行うための遊技媒体数異常報知処理(S402)を行う遊技媒体数異常報知処理手段(玉貸発券制御部22)と、をさらに備えることを特徴とする遊技用装置である。
【0009】
また請求項2に係る発明は、
請求項1に記載した遊技用装置(各台計数ユニット50)であって、
前記遊技媒体数異常判定手段(玉貸発券制御部22)は、前記計数情報受信手段(玉貸発券制御部22)が受信した計数情報(動作指示応答)から特定される、予め定められた単位時間毎の遊技媒体数の増加量(変動量)が、予め定められた閾値を超えることを条件として、異常を判定することを特徴とする遊技用装置である。
【0010】
また請求項3に係る発明は、
請求項2に記載した遊技用装置(各台計数ユニット50)であって、
前記計数情報送信手段(計数制御部31)は、前記単位時間毎に前記計数手段(玉カウンタ35)により計数された遊技媒体数(計数値)を特定可能な前記計数情報(動作指示応答)を前記制御部(玉貸発券処理部20)に対して送信することを特徴とする遊技用装置である。
【0011】
また請求項4に係る発明は、
請求項1〜3のいずれか1つに記載した遊技用装置(各台計数ユニット50)であって、
前記計数部(30)は、
前記計数手段(玉カウンタ35)による計数を停止するための計数停止処理(S202)を行う計数停止処理手段(計数制御部31)と、
前記制御部との通信の異常を判定する通信異常判定手段(計数制御部31)と、をさらに有し、
前記計数停止処理手段は、前記通信異常判定手段により異常判定されたこと(S201)に基づいて、前記計数停止処理を行うことを特徴とする遊技用装置である。
【0012】
また請求項5に係る発明は、
請求項1〜4のいずれか1つに記載した遊技用装置(各台計数ユニット50)であって、
前記計数部(30)は、
前記計数手段(玉カウンタ35)により計数された遊技媒体数(計数値)を記憶する遊技媒体数記憶手段(計数制御部31)と、
前記計数情報送信手段(計数制御部31)による計数情報(動作指示応答)の送信、及び/又は、該計数情報の送信に伴って前記制御部と計数部とが行う処理が、正常に行われたか否か(S126)を判定する送信判定手段(計数制御部31)と、
該送信判定手段により正常に行われたと判定されたこと(S126)に基づいて、前記遊技媒体数記憶手段により記憶している遊技媒体数を消去するための遊技媒体数消去処理(S127)を行う遊技媒体数消去処理手段(計数制御部31)と、をさらに有することを特徴とする遊技用装置である。
【0013】
さらに請求項6に係る発明は、
請求項5に記載した遊技用装置(各台計数ユニット50)であって、
前記計数部(30)は、
前記計数手段(玉カウンタ35)による計数が途絶えてから予め定められた所定時間が経過したこと(S116)に基づいて、該計数手段による一連の計数が終了したと判定する計数終了判定手段(計数制御部31)をさらに有し、
前記遊技媒体数消去手段(計数制御部31)は、該計数終了判定手段により一連の計数が終了したと判定され、かつ前記送信判定手段(計数制御部31)により正常に行われたと判定されたこと(S126)に基づいて、前記遊技媒体数消去処理(S127)を行うことを特徴とする遊技用装置である。
【発明の効果】
【0014】
まず請求項1に係る遊技用装置によれば、計数部における計数に関する異常を監視できると共に、計数部から制御部に送信される計数情報から特定される遊技媒体数の該制御部における異常を監視できるので、前者の監視のみを行う場合に比べて、当該遊技用装置で行われる計数に伴う異常をより正確に監視できる。
【0015】
また請求項2に係る遊技用装置によれば、単位時間毎の遊技媒体数の増加量が閾値を超える場合に異常と判定して報知を行うので、不正が行われた可能性が高い場合に報知を行うことができる。
【0016】
また請求項3に係る遊技用装置によれば、制御部が、時間の計時を行わなくても、計数部から送信されてくる単位時間毎の遊技媒体数を特定可能な計数情報に基づいて、単位時間毎の遊技媒体数の増加量を特定できるので、該制御部における処理を簡略化できる。
【0017】
また請求項4に係る遊技用装置によれば、計数部と制御部との間における通信が正常であれば該計数部で計数が行われ、通信が異常であれば計数が停止されるので、通信異常の場合には、遊技者が獲得した遊技媒体を計数せずに残すことができて、遊技者に不利益が発生するのを防止できる。
【0018】
また請求項5に係る遊技用装置によれば、計数情報の送信及び/又は該計数情報の送信に伴って制御部と計数部とが行う処理が正常に行われたことを条件として、計数部が記憶している遊技媒体数が消去されることにより、計数部は遊技媒体数を常に記憶する必要が無くなるので、該計数部の記憶負担を軽減できる。
【0019】
さらに請求項6に係る遊技用装置によれば、一連の計数が終了したことをさらなる条件として、計数部が記憶している遊技媒体数が消去されることにより、計数部は一連の計数が終了する毎に遊技媒体数を記憶する必要が無くなるので、該計数部の記憶負担をさらに軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は本発明に係る遊技用装置である各台計数ユニットを含む遊技用システムの一例を表す機能ブロック図である。
【図2】図2は各台計数ユニットの一例を表す図であり、(a)は正面図,(b)は玉貸発券処理部の断面右側面図である。
【図3】図3は玉貸発券制御部のRAMが記憶しているカードテーブルの一例を表す図である。
【図4】図4は各台計数ユニットのディスプレイに表示されるメイン画面の一例を表す図である。
【図5】図5は計数部の一例を表す図であり、(a)は正面図,(b)は外部ユニットの断面正面図,(c)は内部ユニットの断面左側面図である。
【図6】図6は流入路及び玉カウンタの構造を示す平面図である。
【図7】図7は玉貸発券処理部の玉貸発券制御部が行う営業中処理の一例を表すフローチャートである。
【図8】図8は玉貸発券処理部の玉貸発券制御部及び計数部の計数制御部が行う計数処理の一例を表すフローチャートである。
【図9】図9は計数処理においてポーリングの中断を検知した場合の一例を表すフローチャートである。
【図10】図10は計数制御部が行う異常判定処理における各エラーの種類を表す図である。
【図11】図11は計数制御部が異常判定した場合の一例を表すフローチャートである。
【図12】図12は計数異常3を説明する図である。
【図13】図13は玉貸発券制御部が行う計数値異常判定処理における各エラーを説明する図である。
【図14】図14は玉貸発券制御部が異常判定した場合の一例を表すフローチャートである。
【図15】図15は本発明に係る遊技用装置の変形例1を表す図であり、(a)は正面図,(b)は持玉カードユニットの断面右側面図である。
【図16】図16は本発明に係る遊技用装置の変形例2を表す図であり、(a)は正面図,(b)は玉貸発券処理部の断面右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。以下においては、データベースを「DB」,リーダ/ライタを「R/W」,ステップSを「S」と略記する。
【0022】
本発明に係る遊技用装置(各台計数ユニット50)は、図1,図2に示すように、遊技機(パチンコ機10)に対応して設けられ、図5,図6に示すように、遊技媒体(パチンコ玉)を受け入れて計数する計数手段(玉カウンタ35)を有する計数部30と、対応する遊技機と通信することにより、遊技者が所有する遊技用価値の大きさ(プリペイド残額)に相当する遊技媒体を該遊技機から払い出して貸与するための貸与処理(玉貸処理)を行う貸与処理手段(玉貸発券制御部22),及び前記計数手段により計数された遊技媒体数(計数値)を景品交換又は他の遊技機での遊技に使用させるために確定させるための確定処理(発券処理)を行う確定処理手段(玉貸発券制御部22)を有する制御部(玉貸発券処理部20)とを備え、計数部と制御部とが通信可能なものである。
【0023】
そして遊技用装置である各台計数ユニット50において、計数部30は、図10〜図12に示すように、玉カウンタ35による計数に関する異常を判定し、図8に示すように、玉カウンタ35により計数された計数値を特定可能な計数情報(動作指示応答)を制御部である玉貸発券処理部20に対して送信し、玉貸発券処理部20は、図13〜図14に示すように、受信した動作指示応答から特定される計数値に基づいて異常を判定し、図11に示すように、計数部30により異常判定されたこと(S301)に基づいて計数異常報知処理(S304,S307,S354)を行い、図14に示すように、玉貸発券処理部20により異常判定されたこと(S401)に基づいて遊技媒体数異常報知処理(S402)を行うことを特徴とするものである。
【0024】
まず、図1〜図6を参照して、本発明の構成について説明する。本発明に係る遊技用装置である各台計数ユニット50を含む遊技用システム1は、図1に示すように、遊技場内において、複数の遊技島の各々に設けられる島コンピュータ63と、各遊技島に設けられる島コンピュータ63と通信可能であり、当該遊技島に配置される複数のパチンコ機10と、各遊技島に設けられる島コンピュータ63と通信可能であり、当該遊技島に配置される複数のパチンコ機10の各々に対応して設けられる各台計数ユニット50(玉貸発券処理部20+計数部30)と、全ての島コンピュータ63と通信可能な残額管理装置60,会員管理装置61,持玉管理装置62,及びホールコンピュータ70からなる。
【0025】
この遊技用装置及び遊技用システム1では、図2(b)に示すように、会員カード2及びビジターカード3が使用される。以下、会員カード2及びビジターカード3を区別しない場合には、両者を単に「カード」と総称する。これらカードは、長方形状を呈するプラスチック製の薄板における所定の部位に、不揮発性のEEPROMを備える非接触式のICチップを記録領域として備えている。なお、ここでいうカードには、円形状を呈するコインも含まれる。
【0026】
会員カード2は、遊技場において会員登録を行った遊技者(会員遊技者)に対して発行される記録媒体であり、該記録媒体を個々に識別可能な情報であるカードIDがICチップに予め記録されている。このカードIDは、会員遊技者を示す頭文字Mと、それに続く5桁のユニークな数字からなり、会員遊技者を個々に識別可能な情報でもある。またICチップには、プリペイド残額も記憶されているが、持玉数及び貯玉数は記憶されていない。この会員カード2が玉貸発券処理部20のカードR/W23で受け付けられると、ICチップに記録されているカードIDに対応付けて会員管理装置61で管理されている暗証番号(図示外)の認証がとれたことを条件として、図1に示すように、該カードIDに対応付けて残額管理装置60で管理されているプリペイド残額を使用した玉貸処理が可能となり、またカードIDに対応付けて会員管理装置61で管理されている貯玉数を使用した貯玉再プレイ処理が可能となり、さらにカードIDに対応付けて持玉管理装置62で管理されている持玉数を使用した持玉払出処理が可能となる。
【0027】
ビジターカード3は、遊技場において遊技者(ビジタ遊技者)に対して発行される記録媒体であり、該記録媒体を個々に識別可能な情報であるカードIDがICチップに予め記録されている。このカードIDは、ビジタ遊技者を示す頭文字Vと、それに続く5桁のユニークな数字からなる。またICチップには、プリペイド残額も記憶されているが、持玉数は記憶されていない。このビジターカード3が玉貸発券処理部20のカードR/W23で受け付けられると、図1に示すように、ICチップに記録されているカードIDに対応付けて残額管理装置60で管理されている残額を使用した玉貸処理が可能となり、またカードIDに対応付けて持玉管理装置62で管理されている持玉数を使用した持玉払出処理が可能となる。なおビジタ遊技者は、会員遊技者と異なり、貯玉をしたり貯玉再プレイをしたりすることはできない。
【0028】
ここで残額管理装置60,会員管理装置61,持玉管理装置62,及び島コンピュータ63について、図1を参照して説明する。残額管理装置60は、会員カード2又はビジターカード3のカードIDに対応付けて、遊技者が所有する遊技用価値であって、該遊技者が前払いしたプリペイド価値であるプリペイド残額を管理するものである。この残額管理装置60は、入金処理(図7のS04,S22)を行う玉貸発券処理部20からカードIDと該入金処理に供された入金額とを含む加算要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理しているプリペイド残額に該入金額を加算して、加算完了通知を返信し、また玉貸処理(図7のS21a)を行う玉貸発券処理部20からカードIDと該玉貸処理に使用された使用額とを含む減算要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理しているプリペイド残額から該使用額を減算して、減算完了通知を返信する。
【0029】
会員管理装置61は、会員カード2のカードIDに対応付けて、遊技者が所有する遊技用価値であって、該遊技者が遊技により獲得した獲得価値(賞球)を貯蓄してなる貯玉数を管理するものである。この貯玉数は、遊技者が獲得した当日のみならず、翌日以降も、景品交換やパチンコ機10での遊技に使用可能である。また会員管理装置61は、図示しないが、カードIDに対応付けて、会員登録の際に登録された当該会員遊技者の個人情報(氏名,郵便番号,住所,及び電話番号等)と暗証番号も管理している。この会員管理装置61は、会員カード2を受け付けて管理貯玉数取得処理(図7のS06)を行う玉貸発券処理部20から、カードIDと暗証番号とを含む貯玉数取得要求を受信すると、該受信した暗証番号が該受信したカードIDに対応付けて記憶している暗証番号と一致する(即ち認証がとれた)ことを条件として、該カードIDに対応付けて管理している貯玉数を含む貯玉数情報を玉貸発券処理部20に対して返信し、また管理玉数更新処理(図7のS26b)を行う玉貸発券処理部20から、カードIDと貯玉数とを含む貯玉数更新要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理している貯玉数を当該受信した貯玉数に更新する。また会員管理装置61は、景品交換処理を行うPOS端末(図示外)からカードIDと景品交換に使用された玉数とを含む景品交換要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理している貯玉数から景品交換に使用された玉数を減算し、また該POS端末からカードIDと貯玉する玉数とを含む貯玉要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理している貯玉数に貯玉する玉数を加算する。
【0030】
持玉管理装置62は、会員カード2又はビジターカード3のカードIDに対応付けて、遊技者が所有する遊技用価値であって、該遊技者が遊技により獲得した獲得価値(賞球)を計数してなる持玉数を管理するものである。この持玉数は、遊技者が獲得した当日のみ、景品交換やパチンコ機10での遊技に使用可能である。この持玉管理装置62は、会員カード2又はビジターカード3を受け付けて管理持玉数取得処理(図7のS07)を行う玉貸発券処理部20から、カードIDを含む持玉数取得要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理している持玉数を含む持玉数情報を玉貸発券処理部20に対して返信し、また管理玉数更新処理(図7のS26b)を行う玉貸発券処理部20から、カードIDと持玉数とを含む持玉数更新要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理している持玉数を当該受信した持玉数に更新する。また持玉管理装置62は、景品交換処理を行うPOS端末(図示外)からカードIDと景品交換に使用された玉数とを含む景品交換要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理している持玉数から景品交換に使用された玉数を減算する。
【0031】
なお持玉管理装置62は、当日の営業終了後において、会員カード2のカードID(即ち頭文字がMのカードID)に対応付けられている持玉数を消去すると共に、カードIDと該消去された持玉数とを含む振替要求を会員管理装置61に対して送信し、会員管理装置61は、該振替要求に含まれるカードIDに対応付けて管理している貯玉数に該振替要求に含まれる持玉数を加算更新する。即ち会員カード2のカードID対応付けられている持玉数は、当日の営業終了後に自動的に貯玉数に振り返られて、翌日以降も使用可能になる。また持玉管理装置62は、当日の営業終了後において、ビジターカード3のカードID(即ち頭文字がVのカードID)に対応付けられている持玉数を消去する。即ちビジターカード3のカードIDに対応付けられている持玉数は、当日の営業終了後に自動的に消去されて、無効になる。
【0032】
島コンピュータ63は、接続される(即ち当該島コンピュータ63が設けられる遊技島に配置される)各パチンコ機10及び各台計数ユニット50と、残額管理装置60,会員管理装置61,持玉管理装置62,及びホールコンピュータ70との間におけるデータ通信を中継する中継装置である。
【0033】
次にパチンコ機10について説明する。パチンコ機10は遊技機の一例であって、図1及び図2(a)に示すように、各台計数ユニット50に対応して(ここでは玉貸発券処理部20の右側に隣接して)設けられ、対応する各台計数ユニット50の玉貸発券処理部20と通信することにより、該玉貸発券処理部20が行う玉貸処理に応じて当該パチンコ機10からパチンコ玉を払い出して貸与する、いわゆるCR式のパチンコ機である。このパチンコ機10は、遊技場内に設けられた遊技島において該パチンコ機10の機種等に従って配置されており、ユニークな台番号により個々に識別される。
【0034】
このパチンコ機10は、図2(a)に示すように、その前面に遊技領域,上皿,下皿,及び発射ハンドル等を備えると共に、上皿に残度数表示器14,玉貸ボタン15,及びカード返却ボタン16を備え、図1に示すように、その内部に遊技制御基板11,払出制御基板12,及び玉払出装置13等を備えており、これらの各構成要素は図1に示すように接続されている。
【0035】
遊技制御基板11は、パチンコ機10における遊技状態を制御するものである。払出制御基板12は、玉貸発券処理部20の玉貸通信部21aと通信可能に接続されており、パチンコ機10と玉貸発券処理部20との間における通信を司るものである。これにより、玉貸処理(図7のS21a),持玉払出処理(同S24),及び貯玉再プレイ処理(S25)において、玉貸発券処理部20との間で信号のやり取りが行われる。また払出制御基板12は、玉払出装置13と接続され、該玉払出装置13を制御するものである。玉払出装置13は、玉貸処理,持玉払出処理,及び貯玉再プレイ処理においてパチンコ玉を払い出すと共に、遊技の結果として遊技者に付与されるパチンコ玉(いわゆる賞球)を払い出すものである。
【0036】
残度数表示器14は、対応する玉貸発券処理部20のカードR/W23にて受け付けたカード(会員カード2又はビジターカード3)に記録されているプリペイド残額(即ち図3に示すカードテーブルで記憶しているプリペイド残額)から特定される残度数を表示するための表示器であり、ここでは2桁の7セグメント表示器によって構成されている。この残度数表示器14では、該玉貸通信部21aから残度数を示す度数表示信号が入力されることによって、該残度数が表示される。この度数表示信号に含まれる残度数は、「プリペイド残額÷最小の単位有価価値(ここでは100円)」の式で演算された商である。この残度数表示器14で表示される残度数は、カードテーブルで記憶しているプリペイド残額が更新される毎に、更新して表示される。
【0037】
玉貸ボタン15は、対応する玉貸発券処理部20のカードR/W23にて受け付けたカード(会員カード2又はビジターカード3)に記録されているプリペイド残額を使用した玉貸処理を行うための玉貸操作を受け付けるボタンである。この玉貸ボタン15が操作されたことにより、玉貸通信部21aとの間に図示しない検出回路を介して設けられている貸出入力信号線を介して、該玉貸通信部21aに貸出入力信号が入力され、該検出回路が該貸出入力信号の入力を検出することによって、玉貸発券制御部22が玉貸ボタン15が操作された旨を認識して、玉貸処理(図7のS21a)を行う。
【0038】
カード返却ボタン16は、対応する玉貸発券処理部20のカードR/W23にて受け付けたカード(会員カード2又はビジターカード3)を返却するための返却操作を受け付けるボタンである。このカード返却ボタン16が操作されたことにより、玉貸通信部21aとの間に図示しない検出回路を介して設けられている返却入力信号線を介して、該玉貸通信部21aに返却入力信号が入力され、該検出回路が該返却入力信号の入力を検出することによって、玉貸発券制御部22がカード返却ボタン16が操作された旨を認識して、カードの返却(図7のS26a)を行う。
【0039】
上記の残度数表示器14,玉貸ボタン15,及びカード返却ボタン16は、図2(a)に示すように、パチンコ機10の前面(ここでは上皿)に設けられているが、図1に示すように、玉貸発券処理部20と接続されているので、遊技用装置を構成する該玉貸発券処理部20に属するものでもある。
【0040】
このパチンコ機10では、発射ハンドルが操作されると、上皿にあるパチンコ玉が遊技領域に打ち込まれて、遊技が行われる。そして遊技領域に打ち込まれた打込玉が始動入賞口に入賞すると、可変表示装置が変動を開始し、該可変表示装置に表示される図柄の表示結果が特定の態様になると、大当りが発生する。また打込玉が入賞口(始動入賞口,一般入賞口,又は大当りになると開放される大入賞口等)に入賞すると、払出制御基板12の制御により玉払出装置13から賞球が払い出され、該払い出された賞球は、まず上皿に導かれ、該上皿が満タンになると下皿に導かれる。そして下皿に導かれた賞球は、落下レバー(図示外)が操作されると、下皿から落下して、計数部30の玉載置部32に導かれる。なお打込玉は、図示しないが、当該パチンコ機10の背後に設けられたアウトタンクで収集されて打込玉カウンタでカウントされ、カウント後に遊技島に取り込まれる。
【0041】
次に各台計数ユニット50の玉貸発券処理部20について説明する。玉貸発券処理部20は遊技用装置を構成するものであって、図1及び図2(b)に示すように、遊技機であるパチンコ機10に対応して(ここではパチンコ機10の左側に隣接して)設けられ、縦長の箱型の形状を呈するものであり、図2(a)に示すように、その前面に多機能ランプ26,紙幣挿入口25a,突出部20a,及びカード挿入口23a等を備え、図2(b)に示すように、その内部に紙幣識別機25,玉貸通信部21a,場内通信部21b,玉貸発券制御部22,カードR/W23,及びカードストッカ23b等を備え、突出部20aの右側面(即ち遊技者に向く側)にタッチパネル式のディスプレイ24を備え、これらの各構成要素は図1に示すように接続されている。なお玉貸発券処理部20の下部には、前面に計数部30の外部ユニット30aが配置され、内部に計数部30の内部ユニット30bが配置されているが、これらについては後述する。この玉貸発券処理部20と計数部30とで、遊技用装置である各台計数ユニット50が構成され、該各台計数ユニット50は、対応するパチンコ機10の台番号により個々に識別される。
【0042】
玉貸通信部21aは、前述の如く、パチンコ機10の払出制御基板12と通信可能に接続されている。場内通信部21bは、図1に示すように、島コンピュータ63を介して残額管理装置60,会員管理装置61,持玉管理装置62,及びホールコンピュータ70と通信可能に接続されており、それらと玉貸発券処理部20(各台計数ユニット50)との間における通信を司るものである。
【0043】
玉貸発券制御部22は、CPU,RAM,ROM,EEPROM等を備えており、ROMに記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、玉貸発券処理部20に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。
【0044】
この玉貸発券制御部22のRAMは、図3に示すカードテーブルを記憶している。このカードテーブルでは、カードR/W23で受け付けたカード(会員カード2又はビジターカード3)から読み取ったカードIDと、当該カードIDに対応するプリペイド残額,持玉数,及び貯玉数(ただし貯玉数は、受け付けたのが会員カード2の場合のみ)とが記憶されて更新されるが、この記憶及び更新については、図7を参照して後述する。
【0045】
カードR/W23は、図2(b)に示すように、カード挿入口23aからカード(会員カード2又はビジターカード)の挿入を受け付けて、該カードのICチップからカードID及びプリペイド残額を読み取るものである。カードストッカ23bは、カードR/W23の後方に設けられ、所定枚数(例えば10枚)のビジターカード3を貯留するものである。このカードストッカ23bには、玉貸処理が行われてプリペイド残額が零になり、かつ持玉数が零であるビジターカード3が取り込まれて貯留される(図7のS21c)。またカードR/W23にてカードを受け付けていない状態で紙幣識別機25にて紙幣を受け付けた場合(図7のS01でYES)に、カードストッカ23bで貯留しているビジターカード3(以下、「ストックカード」とも称する。)のうちの1枚が、該カードストッカ23bからカードR/W23に対して搬送されて、カードR/W23にセットされ、カードR/W23は、該セットされたビジターカード3のICチップからカードID及びプリペイド残額(この場合には零)を読み取る(図7のS03)。
【0046】
タッチパネル式のディスプレイ24は、各種の情報を表示する表示デバイスであると共に、各種の情報の入力を受け付ける入力デバイスである。このディスプレイ24では、図4に示すメイン画面が表示される。このメイン画面では、図3のカードテーブルで記憶している持玉数が表示されると共に、該持玉数を使用した持玉払出処理を行うための払出操作を受け付ける「払出」ボタンが表示される。またカードテーブルで貯玉数を記憶している場合(即ちカードR/W23にて会員カードを受け付けている場合)には、該貯玉数が表示されると共に、該貯玉数を使用した貯玉再プレイ処理を行うための再プレイ操作を受け付ける「再プレイ」ボタンが表示される。またメイン画面で表示される持玉数や貯玉数は、カードテーブルで記憶している持玉数や貯玉数が更新される毎に、更新して表示される。
【0047】
紙幣識別機25は、図2(b)に示すように、紙幣挿入口25aから紙幣(1000円紙幣,2000円紙幣,5000円紙幣,又は10000円紙幣)の挿入を受け付けて、該紙幣を識別するものである。なお識別された紙幣は、紙幣識別機25の後方に設けられる紙幣通路25b内を搬送されて遊技島に取り込まれ、遊技島内に設けられる搬送路を経て遊技島の端部に設けられる金庫に回収される。
【0048】
多機能ランプ26は、様々な色で点灯及び/又は点滅して発光することにより、該発光態様に応じた報知を行うものであり、例えば図9のS204に示す通信異常報知,図11のS305やS355に示す計数異常報知,図14のS402に示す計数値異常報知等を行う。
【0049】
次に各台計数ユニット50の計数部30について説明する。計数部30は遊技用装置の一部を構成するものであって、遊技媒体であるパチンコ玉を受け入れて計数する計数手段である玉カウンタ35を有するものである。なお玉カウンタ35により計数されたパチンコ玉は、遊技島に取り込まれる。この計数部30は、図2(a)に示すように、玉貸発券処理部20の下部において前面に配置される外部ユニット30aと、図2(b)に示すように、玉貸発券処理部20の下部において内部に配置される内部ユニット30bとからなり、この計数部30と前記玉貸発券処理部20とで、遊技用装置である各台計数ユニット50が構成される。以下、計数部30の構造について、図5及び図6を参照して説明する。
【0050】
外部ユニット30aの内部には、図5(b)に示すように、パチンコ機10の下皿から落下されたパチンコ玉を受け入れて載置する玉載置部32と、該玉載置部32の下流側に設けられ、該玉載置部32上のパチンコ玉の玉カウンタ35への受入を可能又は不可能とするシャッタ33と、玉載置部32の下方に設けられる流出路40とが設けられている。ここでシャッタ33は、カードストッカ23bにストックカードが有ることを条件に開放され、該ストックカードが無くなると閉鎖される。またシャッタ33は、カードストッカ23bにストックカードが有っても、計数部30において計数が禁止されると閉鎖される。
【0051】
また外部ユニット30aの前面には、図5(a)に示すように、LED(発光ダイオード)41が設けられ、さらに外部ユニット30aの下面には、流出路40の下流側の端部において、該流出路40内を流下したパチンコ玉を受け止める受皿40が設けられている。
【0052】
また内部ユニット30bの内部には、図5(c)に示すように、玉載置部32の下流側の端部に連通する流入路34と、該流入路34の下流側の端部に設けられ、該流入路34内を流下するパチンコ玉を計数する玉カウンタ35と、流入路34の下方に設けられ、玉カウンタ35にて計数されたパチンコ玉の一部を貯留し、その下流側の端部が前記流出路40の上流側の端部に連通する玉貯留部36と、流入路34の下流側の端部に連通し、玉カウンタ35にて計数されたパチンコ玉のうち玉貯留部36に貯留される以外のパチンコ玉を遊技島内に流すための排出路37と、玉貯留部36の下流側の端部に設けられ、該玉貯留部36から払い出されるパチンコ玉を計数する払出カウンタ38とが設けられている。ここで玉貯留部36には、予め定められた払出単位(例えば25玉)に満たない数のパチンコ玉を計数部30から払出可能なように、当該払出単位未満の最大数(即ち24玉)のパチンコ玉が貯留される。
【0053】
そして図1に示すように、シャッタ33を駆動するソレノイド(図示外),玉カウンタ35に設けられる各計数センサ,払出カウンタ38に設けられる払出センサ,及びLED41は、計数部30の計数制御部31に接続されている。
【0054】
また計数部30の計数制御部31は、玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22と通信可能に接続されており、両者の間では所定間隔(例えば500msec間隔)でポーリングによる通信が行われる。具体的には、後述する図8等に示すように、まず玉貸発券制御部22から計数制御部31に対して、500msec間隔で、動作指示が送信され、該動作指示に応じて、計数制御部31から玉貸発券制御部22に対して、動作指示応答が返信される。この両者の間における通信については図8等を参照して後述する。
【0055】
ここで図6を参照して、流入路34及び玉カウンタ35の構造について説明する。流入路34は、平面視で並行する第1レーン341と第2レーン342からなる。玉カウンタ35は、第1レーン341の上流側に設けられる計数センサ351aと、第1レーン341の下流側に設けられる計数センサ351bと、第2レーン342の上流側に設けられる計数センサ352aと、第2レーン342の下流側に設けられる計数センサ352bからなる。以下においては、これら計数センサ351a,351b,352a,352bを、単に「計数センサ」と総称する場合がある。
【0056】
これら計数センサはフォトセンサであり、第1レーン341において、パチンコ玉が上流側の計数センサ351aを通過した後に下流側の計数センサ351bを通過すると、両計数センサ間の通過時間に応じたパルス幅の計数パルスが出力されて玉貸発券制御部22に入力され、該玉貸発券制御部22においてプラスカウントが行われて計数値が+1される。同様に第2レーン342において、パチンコ玉が上流側の計数センサ352aを通過した後に下流側の計数センサ352bを通過すると、両計数センサ間の通過時間に応じたパルス幅の計数パルスが出力されて玉貸発券制御部22に入力され、該玉貸発券制御部22においてプラスカウントが行われて計数値が+1される。
【0057】
なお故障等によりパチンコ玉が逆流し、第1レーン341において、パチンコ玉が下流側の計数センサ351bを通過した後に上流側の計数センサ351aを通過すると、両計数センサ間の通過時間に応じたパルス幅の計数パルスが出力されて玉貸発券制御部22に入力され、該玉貸発券制御部22においてマイナスカウントが行われて計数値が−1される。同様に第2レーン342において、パチンコ玉が下流側の計数センサ352bを通過した後に上流側の計数センサ352aを通過すると、両計数センサ間の通過時間に応じたパルス幅の計数パルスが出力されて玉貸発券制御部22に入力され、該玉貸発券制御部22においてマイナスカウントが行われて計数値が−1される。
【0058】
図5に戻り、計数部30におけるパチンコ玉の流れについて説明する。後述する図8に示す待機中(即ちシャッタ33が開放中)に、パチンコ機10の下皿からパチンコ玉が落下されると、該パチンコ玉が玉載置部32上を流下して、シャッタ33を通過し、流入路34内を流下して、玉カウンタ35により計数される。該玉カウンタ35により計数されたパチンコ玉は、玉貯留部36がパチンコ玉で満たされるまでは、図5(c)の矢印A方向に進んで玉貯留部36に貯留され、玉貯留部36がパチンコ玉で満たされた後は、矢印B方向に進み排出路37内を流下して、遊技島内に取り込まれる。なお玉カウンタ35による計数値は、計数制御部31で検知されて、玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22に対して送信されるように構成されているが、これについては図8等を参照して後述する。
【0059】
次にホールコンピュータ70について説明する。ホールコンピュータ70は、図1に示すように接続される通信部71,制御部72,ハードディスク73,ディスプレイ74,及び入力装置75等を有するコンピュータである。
【0060】
通信部71は、複数の島コンピュータ63の各々を介して、各島コンピュータ63の配下にある複数のパチンコ機10及び各台計数ユニット50(玉貸発券処理部20の場内通信部21b)の各々と通信可能に接続されている。制御部72は、CPU,RAM,ROM等を備えており、ROM及びハードディスク73に記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、ホールコンピュータ70に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。ハードディスク73は、各種の情報を記憶する記憶デバイスである。ディスプレイ74は、各種の情報を表示する表示デバイスであって、例えば液晶ディスプレイであり、入力装置75は、各種の情報の入力を受け付ける入力デバイスであって、例えばキーボードやマウスである。
【0061】
次に、図7〜図14を参照して、本発明に係る遊技用装置である各台計数ユニット50の作用について説明する。ここでは、まず図7を参照して、玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22が行う営業中処理について説明すると共に、次に図8〜図14を参照して、玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22及び計数部30の計数制御部31が行う処理について説明する。
【0062】
まず図7は、玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22が行う営業中処理の一例を表すフローチャートである。玉貸発券制御部22は、S01で紙幣識別機25による紙幣の受付,又はS02でカードR/W23によるカード(会員カード2又はビジターカード3)の受付を待機している。ここでS01とS02は、当該遊技用装置に対応するパチンコ機10で遊技をする遊技者により行われる。
【0063】
前記S01で紙幣の受付が有ると(YES)、紙幣識別機25は、該受け付けた紙幣を識別し、カードストッカ23bは、S03で、貯留しているビジターカード3のうちの1枚をカードR/W23に対して搬送し、カードR/W23は、搬送されたビジターカード3をセットしてICチップからカードID及びプリペイド残額(この場合には零)を読み取り、玉貸発券制御部22は、S04で入金処理を行う。
【0064】
この入金処理において、玉貸発券制御部22は、S03で読み取ったカードIDとS01で識別した紙幣額(即ち入金処理に供された入金額)とを含む加算要求を残額管理装置60に対して送信する。該加算要求を受信した残額管理装置60は、該加算要求に含まれるカードIDに対応付けて管理しているプリペイド残額(この場合には零)に該加算要求に含まれる入金額を加算して、加算完了通知を玉貸発券処理部20に対して返信する。そして該加算完了通知を受信した玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22は、カードテーブルで、S03で読み取ったカードIDに対応付けて、S01で識別した紙幣額をプリペイド残額に加算更新すると共に、残度数表示器14に残度数を表示し、かつカードR/W23により受付中のビジターカード3に該加算更新後のプリペイド残額を記録する処理を行い、入金処理を終了して、S11に進む。
【0065】
前記S02でカードの受付が有ると(YES)、カードR/W23は、該受け付けたカードのICチップからカードID及びプリペイド残額を読み取り、玉貸発券制御部22は、S05で、該読み取ったカードIDの頭文字(M又はV)に基づいて、受け付けたカードが会員カード2であるか否かを判定する。このS05で会員カード2である(YES)と判定された場合には、玉貸発券制御部22は、S06で貯玉数取得処理を行う。
【0066】
この貯玉数取得処理において、玉貸発券制御部22は、ディスプレイ24に暗証番号入力画面(図示外)を表示する処理を行い、暗証番号の入力が有ると、S02で読み取ったカードIDと該入力された暗証番号とを含む貯玉数取得要求を会員管理装置61に対して送信する。該貯玉数取得要求を受信した会員管理装置61は、該貯玉数取得要求に含まれる暗証番号が該貯玉数取得要求に含まれるカードIDに対応付けて記憶している暗証番号と一致するか否かを判定し、一致することを条件として、該カードIDに対応付けて管理している貯玉数を含む貯玉数情報を玉貸発券処理部20に対して返信する。そして該貯玉数情報を受信した玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22は、カードテーブルで、S02で読み取ったカードIDに対応付けて、該貯玉数情報に含まれる貯玉数を記憶すると共に、メイン画面で貯玉数を表示し、貯玉数取得処理を終了して、S07で持玉数取得処理を行う。
【0067】
この持玉数取得処理において、玉貸発券制御部22は、S02で読み取ったカードIDを含む持玉数取得要求を持玉管理装置62に対して送信する。該持玉数取得要求を受信した持玉管理装置62は、該持玉数取得要求に含まれるカードIDに対応付けて管理している持玉数を含む持玉数情報を玉貸発券処理部20に対して返信する。そして該持玉数情報を受信した玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22は、カードテーブルで、S02で読み取ったカードIDに対応付けて、該持玉数情報に含まれる持玉数を記憶すると共に、メイン画面で持玉数を表示し、持玉数取得処理を終了して、S08で残額確認処理を行う。
【0068】
この残額確認処理において、玉貸発券制御部22は、S02で読み取ったカードIDとプリペイド残額とを含む残額確認要求を残額管理装置60に対して送信する。該残額確認要求を受信した残額管理装置60は、該残額確認要求に含まれるプリペイド残額と該残額確認要求に含まれるカードIDに対応付けて管理しているプリペイド残額とが一致するか否かを判定し、一致することを条件として、該プリペイド残額を含む残額確認通知を玉貸発券処理部20に対して返信する。そして該残額確認通知を受信した玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22は、カードテーブルで、S02で読み取ったカードIDに対応付けて、該残額確認通知に含まれるプリペイド残額を記憶すると共に、残度数表示器14に残度数を表示し、残額確認処理を終了して、S11に進む。
【0069】
前記S05で会員カード2でない(NO)、即ちビジターカード3であると判定された場合には、玉貸発券制御部22は、前記S07の持玉数取得処理と、前記S08の残額確認処理とを行って、S11に進む。
【0070】
S04又はS08の処理が終了すると、玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22は、S11で玉貸ボタン15の操作の受付,S12で紙幣識別機25による紙幣の受付,S14でメイン画面に表示される払出ボタンの操作の受付,S15で会員カード2の受付中においてメイン画面に表示される再プレイボタンの操作の受付,又はS16でカード返却ボタン16の操作の受付を待機する。
【0071】
このS11で玉貸ボタン15の操作が有ると(YES)、玉貸発券制御部22は、S21aで玉貸処理を行う。この玉貸処理において、玉貸発券制御部22は、カードテーブルで記憶しているプリペイド残額が予め設定された玉貸設定額(例えば5度数=500円)以上であるか否かを判定し、プリペイド残額が玉貸設定額以上であれば、該玉貸設定額を使用額として特定し、プリペイド残額が玉貸設定額未満であれば、該プリペイド残額を使用額として特定して、該特定した使用額分のパチンコ玉の払出をパチンコ機10の払出制御基板12に対して指令し、カードIDと使用額とを含む減算要求を残額管理装置60に対して送信する。該減算要求を受信した残額管理装置60は、該減算要求に含まれるカードIDに対応付けて管理しているプリペイド残額から該減算要求に含まれる使用額を減算して、減算完了通知を玉貸発券処理部20に対して返信する。そして該減算完了通知を受信した玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22は、カードテーブルで、使用額をプリペイド残額から減算更新すると共に、残度数表示器14に残度数を表示し、かつカードR/W23により受付中のカードに該減算更新後のプリペイド残額を記録する処理を行い、玉貸処理を終了して、S21bに進む。
【0072】
このS21aの処理を行う玉貸発券制御部22は、対応するパチンコ機10と通信することにより、遊技者が所有する遊技用価値の大きさ(プリペイド残額)に相当するパチンコ玉を該パチンコ機10から払い出して貸与するための貸与処理(玉貸処理)を行う貸与処理手段として機能するものである。
【0073】
S21bで、玉貸発券制御部22は、ビジターカード3を受付中かつカードテーブルで記憶しているプリペイド残額及び持玉数が零であるか否かを判定し、NOならば前記S11に戻り、YESならばS21cで当該ビジターカード3をカードストッカ23bに取り込んで、S26bで管理玉数更新処理を行う。この管理玉数更新処理において、玉貸発券制御部22は、カードIDと持玉数(ここでは零)とを含む持玉数更新要求を持玉管理装置62に対して送信する処理を行って、管理玉数更新処理を終了する。なお持玉数更新要求を受信した持玉管理装置62は、該持玉数更新要求に含まれるカードIDに対応付けて管理している持玉数を該持玉数更新要求に含まれる持玉数に更新する。そしてS26bの処理が終了すると、S26cで、玉貸発券制御部22は、カードテーブルの記憶内容を消去して、営業中処理を終了する。
【0074】
前記S12で紙幣の受付が有ると(YES)、玉貸発券制御部22は、S22で前記S04と同様の入金処理を行って、S11に戻る。
【0075】
前記S14で払出ボタンの操作が有ると(YES)、玉貸発券制御部22及び計数部30は、S24で持玉払出処理を行う。この持玉払出処理において、玉貸発券制御部22は、カードテーブルで記憶している持玉数が予め設定された払出設定数(例えば5度数分の125玉)以上であるか否かを判定する。そして持玉数が払出設定数以上であれば、該払出設定数分のパチンコ玉の払出をパチンコ機10の払出制御基板12に対して指令し、該払出設定数をカードテーブルで記憶している持玉数から減算更新すると共に、メイン画面で持玉数を更新表示し、持玉払出処理を終了して、S11に戻る。
【0076】
一方、持玉数が払出設定数未満であれば、持玉数のうち前記払出単位(25玉)の整数倍のパチンコ玉の払出をパチンコ機10の払出制御基板12に対して指令する一方、持玉数のうち該払出単位未満のパチンコ玉を計数部30から払い出し、カードテーブルで記憶している持玉数を零に更新すると共に、メイン画面で持玉数を零に更新表示し、持玉払出処理を終了して、S11に戻る。具体的には、持玉数が124玉である場合には、25玉×4=100玉はパチンコ機10から払い出し、残りの24玉は計数部30から払い出す。この端数払出処理が行われると、玉貸発券制御部22の制御により払出カウンタ38が開放され、玉貯留部36に貯留されているパチンコ玉が払出カウンタ38を通過して払出センサ(図示外)により計数され、該払出センサによる計数値が払出数に達すると、払出カウンタ38が閉鎖される。払出カウンタ38を通過したパチンコ玉は、流出路39内を流下して、受皿40により受け止められ、遊技者は、該パチンコ玉をパチンコ機10の上皿に供給することにより遊技に使用できる。
【0077】
前記S15で会員カード2の受付中において再プレイボタンの操作が有ると(YES)、玉貸発券制御部22は、S25で貯玉再プレイ処理を行う。この貯玉再プレイ処理において、玉貸発券制御部22は、カードテーブルで記憶している貯玉数が予め設定された再プレイ設定数(例えば5度数分の125玉)+手数料玉数(例えば25玉)以上であるか否かを判定する。そして貯玉数が再プレイ設定数+手数料玉数以上であれば、該再プレイ設定数分のパチンコ玉の払出をパチンコ機10の払出制御基板12に対して指令し、該再プレイ設定数+手数料玉数をカードテーブルで記憶している貯玉数から減算更新すると共に、メイン画面で貯玉数を更新表示し、貯玉再プレイ処理を終了して、S11に戻る。なお貯玉数が再プレイ設定数+手数料玉数未満であれば、パチンコ玉の払出を行わずに貯玉再プレイ処理を終了して、S11に戻る。
【0078】
前記S16でカード返却ボタン16の操作が有ると(YES)、玉貸発券制御部22は、S26aで、カードR/W23にて受付中のカードを返却する処理を行って、S26bで管理玉数更新処理を行う。この管理玉数更新処理において、玉貸発券制御部22は、カードIDと持玉数とを含む持玉数更新要求を持玉管理装置62に対して送信すると共に、受付中のカードが会員カード2である場合にはカードIDと貯玉数とを含む貯玉数更新要求を会員管理装置61に対して送信する処理を行って、管理玉数更新処理を終了する。なお持玉数更新要求を受信した持玉管理装置62は、該持玉数更新要求に含まれるカードIDに対応付けて管理している持玉数を該持玉数更新要求に含まれる持玉数に更新する。また貯玉数更新要求を受信した会員管理装置61は、該貯玉数更新要求に含まれるカードIDに対応付けて管理している貯玉数を該貯玉数更新要求に含まれる貯玉数に更新する。このS26aにてカードを返却する処理と、S26bにおける管理玉数更新処理とが、持玉払出処理に使用されなかった持玉数や貯玉再プレイ処理に使用されなかった貯玉数を景品交換又は他のパチンコ機10での遊技に使用させるために確定させるための確定処理(つまり持玉数や貯玉数を、受付中のカードのカードIDに対応付けて、該カードを返却する処理)に相当する。そしてS26bの処理が終了すると、玉貸発券制御部22は、S26cで、カードテーブルの記憶内容を消去して、営業中処理を終了する。
【0079】
このS26a及びS26bの処理を行う玉貸発券制御部22は、玉カウンタ35により計数された遊技媒体数(持玉数)を景品交換又は他のパチンコ機10での遊技に使用させるために確定させるための確定処理を行う確定処理手段として機能するものである。
【0080】
次に図8〜図14を参照して、玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22及び計数部30の計数制御部31が行う処理について説明する。各台計数ユニット50では、図8に示すように、玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22と計数部30の計数制御部31とが通信を行うことにより、計数制御部31が、玉カウンタ35による計数値を記憶すると共に、該計数値を玉貸発券制御部22に対して送信し、玉貸発券制御部22が、該計数値を持玉数としてカードテーブルで記憶する。また図10〜図12に示すように、計数制御部31が、計数異常判定処理を行い、図13〜図14に示すように、玉貸発券制御部22が、計数値異常判定処理を行う。
【0081】
まず図8は、各台計数ユニット50が行う計数処理の一例を表すフローチャートである。なお、図示しないが、遊技場の営業開始前に、玉貸発券処理部20及び計数部30の電源がオンになると、玉貸発券制御部22から計数制御部31に接続機器確認指示が送信され、該接続機器確認指示を受信した計数制御部31から玉貸発券制御部22に接続機器確認応答が送信され、該接続機器確認応答を受信した玉貸発券制御部22から計数制御部31に起動指示が送信され、該起動指示を受信した計数制御部31から玉貸発券制御部22に起動指示応答が送信されて、図8の状態になる。また玉貸発券制御部22と計数制御部31は、共に計数通番を記憶している。この計数通番は、計数の待機中において同一であり、計数が開始されてから次の待機中になるまでの間において1つずれる(具体的には、計数制御部31の計数通番が+1されてずれる)番号である。さらに計数制御部31は、計数状態として、玉カウンタ35による計数が行われていなければ「計数中でない」と記憶し、玉カウンタ35による計数が行われていれば「計数中」と記憶し、一連の計数が終了すると「計数終了検知」と記憶する。
【0082】
図8において、玉貸発券制御部22は、S101で、カードR/W23によりカードを受け付けると(図7のS02,S03)、S102で、計数許可,及び計数吸上げ可(即ちカードテーブルで記憶している持玉数への計数値の加算可)を示す動作指示Aを、ポーリングにより計数制御部31に対して送信し、該動作指示Aを受信した計数制御部31は、計数状態として「計数中でない」と記憶しているので、S103で、エラーなし,及び計数中でない旨を示す動作指示応答Aを、玉貸発券制御部22に対して返信する。該動作指示応答Aを受信した玉貸発券制御部22は、S104で、指示なし,及び計数吸上げ可を示す動作指示Bを、ポーリングにより計数制御部31に対して送信し、該動作指示Bを受信した計数制御部31は、S105で、前記動作指示応答Aを、玉貸発券制御部22に対して返信する。そして玉貸発券制御部22と計数制御部31は、玉カウンタ35による計数が開始されるまで、S104〜S105を繰り返す。ここでS102〜S105の間が計数の待機中である。
【0083】
該計数の待機中において、S111で、玉カウンタ35による計数が開始されると、計数制御部31は、後述する計数異常判定処理にて異常と判定されない限り、該玉カウンタ35による計数値の計数開始からの累積値を記憶すると共に、S112で、記憶している計数通番を+1し、記憶している計数状態を「計数中」に更新し、計数開始日時をセットする。ここで計数通番が+1されることにより、計数中は、当該計数制御部31が記憶している計数通番と玉貸発券制御部22が記憶している計数通番とがずれた状態となる。次に計数制御部31は、S113で、前記動作指示Bを、ポーリングにより計数制御部31に対して送信し、該動作指示Bを受信した計数制御部31は、計数状態として「計数中」と記憶しているので、S114で、エラーなし,前記更新した計数通番,計数中である旨,計数値の計数開始からの累積値,及び前記セットした計数開始日時を示す動作指示応答Bを、玉貸発券制御部22に対して返信する。
【0084】
ここでS111の処理を行う計数制御部31は、玉カウンタ35により計数された遊技媒体数(計数値の累積値)を記憶する遊技媒体数記憶手段として機能するものである。またS114の処理を行う計数制御部31は、単位時間毎(500msec毎)に玉カウンタ35により計数された遊技媒体数(計数値の累積値)を特定可能な計数情報(動作指示応答)を玉貸発券処理部20に対して送信する計数情報送信手段として機能するものである。また該S114の動作指示応答を受信する玉貸発券制御部22は、計数情報送信手段から送信されてくる計数情報(動作指示応答)を受信する計数情報受信手段として機能するものである。
【0085】
前記動作指示応答Bを受信した玉貸発券制御部22は、後述する計数値異常判定処理にて異常と判定されない限り、S115で、該動作指示応答Bが示す計数値の累積値に基づいて、カードテーブルの持玉数を更新する。具体的には、今回受信した動作指示応答Bが示す計数値の累積値から、前回受信した動作指示応答Bが示す計数値の累積値を減算することにより、予め定められた単位時間(ここでは500msec)毎の計数値の増加量を特定し(図13を参照)、後述する計数値異常判定処理にて異常と判定されない限り、該特定した増加量をカードテーブルの持玉数に加算する。そして玉貸発券制御部22と計数制御部31は、玉カウンタ35による最終の計数から所定時間(例えば2秒間)が経過するまで、S113〜S115を繰り返す。なお所定時間は、任意に設定変更可能であり、例えば5秒間,10秒間等であっても良い。
【0086】
次に計数制御部31は、S116で、玉カウンタ35による最終の計数から所定時間(例えば2秒間)が経過したと判定した後に、S117で、玉貸発券制御部22からポーリングにより送信されてくる動作指示Bを受信すると、S118で、記憶している計数状態を「計数終了検知」に更新し、S119で、エラーなし,計数通番,計数終了検知した旨,及び計数値の累積値(即ち最終的な計数値)を示す動作指示応答Cを、玉貸発券制御部22に対して返信する。ここでS112〜S116の間が計数中であり、また後述する計数異常判定処理を行う期間である。
【0087】
ここでS116の処理を行う計数制御部31は、玉カウンタ35による計数が途絶えてから予め定められた所定時間が経過したことに基づいて、該玉カウンタ35による一連の計数が終了したと判定する計数終了判定手段として機能するものである。
【0088】
前記動作指示応答Cを受信した玉貸発券制御部22は、S120で、後述する計数値異常判定処理にて異常と判定されない限り、S120で、該動作指示応答Cが示す計数値の累積値に基づいて、カードテーブルの持玉数を更新する。具体的には、今回受信した動作指示応答Cが示す計数値の累積値(即ち最終的な計数値)から、前回受信した動作指示応答Bが示す計数値の累積値を減算することにより、予め定められた単位時間(ここでは500msec)毎の計数値の増加量を特定し(図13を参照)、後述する計数値異常判定処理にて異常と判定されない限り、該特定した増加量をカードテーブルの持玉数に加算する。ここでS115〜S120の間が、後述する計数値異常判定処理を行う期間である。
【0089】
そして玉貸発券制御部22は、S121で、前記動作指示応答Cが計数終了検知を示すことに基づいて、計数確定指示,及び計数吸上げ可を示す動作指示Cを、ポーリングにより計数制御部31に対して送信し、該動作指示Cを受信した計数制御部31は、S122で、該動作指示Cが計数確定指示を示すことに基づいて、記憶している計数状態を「計数中でない」に更新し、S123で、エラーなし,計数通番,計数中でない旨を示す動作指示応答Dを、玉貸発券制御部22に対して返信する。
【0090】
該動作指示応答Dを受信した玉貸発券制御部22は、S124で、該動作指示応答Dが計数中でない旨を示すことに基づいて、記憶している計数通番を+1する。ここで計数通番が+1されることにより、計数中は計数制御部31が記憶している計数通番と玉貸発券制御部22が記憶している計数通番とがずれた状態であったのが、一致することになる。そして玉貸発券制御部22は、計数通番を更新したことに基づいて、S125で、計数許可,該更新した計数通番,及び計数吸上げ可を示す動作指示Dを、ポーリングにより計数制御部31に対して送信する。なおS125の処理を行った後は、前記S104の処理を行う。
【0091】
該動作指示Dを受信した計数制御部31は、S126で、前記記憶している計数通番と該動作指示Dが示す計数通番とが一致することに基づいて、計数値を示す動作指示応答B,Cの送信及び該動作指示応答の送信に伴って玉貸発券処理部20と計数部30とが行うS112〜S124の処理が正常に行われたと判定して、S127で、前記記憶している計数値の累積値を消去する。なおS127では、後述する計数異常3のマイナスカウント値も消去するが、これについては図12を参照して後述する。
【0092】
ここでS126の処理を行う計数制御部31は、計数情報送信手段による計数情報(動作指示応答)の送信、及び/又は、該計数情報の送信に伴って玉貸発券処理部20と計数部30とが行う処理が、正常に行われたか否かを判定する送信判定手段として機能するものである。またS127の処理を行う計数制御部31は、前記計数終了判定手段により一連の計数が終了したと判定され、該送信判定手段により正常に行われたと判定されたことに基づいて、遊技媒体数記憶手段により記憶している遊技媒体数(計数値の累積値)を消去するための遊技媒体数消去処理を行う遊技媒体数消去処理手段として機能するものである。
【0093】
これによれば、動作指示応答の送信及び/又は該動作指示応答の送信に伴って玉貸発券処理部20と計数部30とが行う処理が正常に行われたことを条件として、計数部30が記憶している計数値の累積値が消去されることにより、計数部30は計数値を常に記憶する必要が無くなるので、該計数部30の記憶負担を軽減できる。また一連の計数が終了したことをさらなる条件として、計数部30が記憶している計数値の累積値が消去されることにより、計数部30は一連の計数が終了する毎に計数値を記憶する必要が無くなるので、該計数部30の記憶負担をさらに軽減できる。また一連の計数を計数通番で管理しているので、該計数通番に基づいて、計数日時や計数値を容易に確認することができる。
【0094】
なお、計数終了検知した旨を示す動作指示応答C(S119)の返信から計数確定指示を示す動作指示C(S121)の受信までの間に計数部30で計数が発生した場合には、計数制御部31は、S122及びS123の処理は行わずに、動作指示応答Bを玉貸発券制御部22に対して返信し、該動作指示応答Bを受信した玉貸発券制御部22は、S124の処理は行わずに、S115の処理を行う。
【0095】
また、玉貸発券制御部22が計数通番を更新中に計数部30で計数が発生した場合には、計数制御部31は、前記記憶している計数値を加算更新するが、前記記憶している計数通番は更新せず、玉貸発券制御部22からポーリングにより送信されてくる動作指示を受信すると、前記記憶している計数通番と該動作指示が示す計数通番とが一致する(即ち玉貸発券制御部22で計数通番の更新が行われた)ことを条件に、該記憶している計数通番を更新して、以後の計数は該更新した計数通番で行う一方、前記記憶している計数通番と該動作指示が示す計数通番とが一致しない(即ち玉貸発券制御部22で計数通番の更新が行われていない)ことを条件に、前記S112〜S124の処理は前記記憶している(即ち更新前の)計数通番で行う。
【0096】
次に図9は、計数処理においてポーリングの中断を検知した場合の一例を表すフローチャートである。前記図8で説明したS113〜S115の繰り返し中において、計数制御部31は、図9のS201に示すように、一定時間(例えば2秒間)経過してもS113の動作指示Bを受信しないと判定した場合には、S202で、シャッタ33を閉鎖して計数を停止すると共に、LED41を所定の態様で点滅して通信異常である旨を報知する。
【0097】
ここでS201の処理を行う計数制御部31は、玉貸発券処理部20との通信の異常を判定する通信異常判定手段として機能するものであり、S202の処理を行う計数制御部31は、該通信異常判定手段により異常判定されたことに基づいて、玉カウンタ35による計数を停止するための計数停止処理(ここではシャッタ33の閉鎖)を行う計数停止処理手段として機能するものである。
【0098】
これによれば、計数部30と玉貸発券処理部20との間における通信が正常であれば該計数部30で計数が行われ、通信が異常であれば計数が停止されるので、通信異常の場合には、遊技者が獲得したパチンコ玉を計数せずに残すことができて、遊技者に不利益(例えば計数しても動作指示応答が送信されないので計数値がカードテーブルの持玉数に加算されないという不利益や、計数しても計数値が誤った値になるという不利益等)が発生するのを防止できる。
【0099】
また計数部30と玉貸発券処理部20との間における通信に異常がある場合に計数を停止することができるので、オフラインを発生させて不正を行うという行為を防止できる。この場合において、オフラインが発生しても計数を停止せず、オンライン復帰後に、計数制御部31が記憶している計数値を玉貸発券制御部22に対して送信するように構成すると、該計数制御部31が記憶している計数値に対して不正が行われる余地があるので、遊技者にとっては不便であるが、計数を停止して、遊技者の手元にパチンコ玉が残るようにしたのである。
【0100】
なお玉貸発券制御部22も、S203で、動作指示Bに対応する動作指示応答Cを受信しないことに基づいて、S204で、多機能ランプ26を所定の態様で発光して通信異常である旨を報知する。
【0101】
次に図10は、計数制御部31が行う異常判定処理における各エラーの種類を表す図である。計数制御部31は、玉カウンタ35による計数に関する異常を判定する計数異常判定手段として機能するものであり、具体的には、前記計数中において、図10に示す計数異常1(速すぎ),計数異常1(遅すぎ),計数異常1(同一周期で継続),計数異常2,及び計数異常3の各エラーを検知する計数異常判定処理を行う。また計数制御部31は、図10に示す電波異常,片流れ異常,センサ異常(電源ON時),センサ異常(両レーン詰まり),及び玉払出異常の各エラーも検知する。以下、各エラーについて説明する。
【0102】
まず図10に示す「計数異常1(速すぎ)」は、玉カウンタ35が出力する計数パルスのパルス幅又はパルス間隔が異常に短い場合である。具体的には、まずパチンコ玉の質量及び大きさや、流入路34の傾斜及び摩擦により定まる、異常がない場合における計数値の最大値(パチンコ玉が間隔を空けずに連続して流れてくる場合であり、例えば1レーンあたり20玉/秒)に基づいて、異常がない場合における最短のパルス幅とパルス間隔を特定し、それよりも短いパルス幅とパルス間隔を判定値として予め設定する。そして計数中の玉カウンタ35から出力される計数パルス(プラスカウントのパルス)に基づいて、各計数パルスのパルス幅が前記判定値以下であるか否か,及び各計数パルスのパルス間隔が前記判定値以下であるか否かを判定し、パルス幅又はパルス間隔の少なくとも一方が判定値以下であれば、計数異常1(速すぎ)を検知する。このように、玉カウンタ35が出力する計数パルスのパルス幅又はパルス間隔が異常に短い場合には、不正が行われている可能性が高いため、当該異常を検知するものである。なおパルス幅及びパルス間隔の両方について判定をするのではなく、パルス幅又はパルス間隔のいずれか一方についてのみ判定をするものであっても良い。
【0103】
また図10に示す「計数異常1(遅すぎ)」は、玉カウンタ35が出力する計数パルスのパルス幅が異常に長い場合である。具体的には、まずパチンコ玉の質量及び大きさや、流入路34の傾斜及び摩擦により定まる、異常がない場合における計数値の最大値(パチンコ玉が間隔を空けずに連続して流れてくる場合であり、例えば1レーンあたり20玉/秒)に基づいて、異常がない場合における最短のパルス幅を特定し、それよりも長いパルス幅(例えば500msec/玉以上)を判定値として予め設定する。そして計数中の玉カウンタ35から出力される計数パルス(プラスカウントのパルス)に基づいて、各計数パルスのパルス幅が前記判定値以上であるか否かを判定し、パルス幅が判定値以上であれば、計数異常1(遅すぎ)を検知する。このように、玉カウンタ35が出力する計数パルスのパルス幅が異常に長い場合にも、不正が行われている可能性が高いため、当該異常を検知するものである。なおパルス間隔について判定をしないのは、異常がない場合であっても、パチンコ玉が間隔を空けて流れてくる場合があり、その場合にはパルス間隔が長くなるためである。
【0104】
また図10に示す「計数異常1(同一周期で継続)」は、玉カウンタ35が出力する計数パルスのパルス幅又はパルス間隔が同一周期で所定期間継続している場合である。具体的には、計数中の玉カウンタ35から出力される計数パルス(プラスカウントのパルス)に基づいて、各計数パルスのパルス幅が同一周期で所定期間(例えばX秒間,又はY回)継続しているか否か,及び各計数パルスのパルス間隔が同一周期で所定期間(例えばX秒間,又はY回)継続しているか否かを判定し、パルス幅又はパルス間隔の少なくとも一方が継続していれば、計数異常1(同一周期で継続)を検知する。流入路34を自然流下するパチンコ玉を計数する場合には、計数パルスのパルス幅やパルス間隔にバラツキが生ずるのが自然であるため、該計数パルスのパルス幅やパルス間隔が同一周期で所定期間継続するのは不自然であり、このような場合には不正(例えば外部から一定のパルス幅やパルス間隔計数パルスを送り込むような不正)が行われている可能性が高いため、当該異常を検知するものである。
【0105】
そして計数制御部31は、図11(a)に示すように、S301で、これら計数異常1(速すぎ),計数異常1(遅すぎ),又は計数異常1(同一周期で継続)を検知すると、S302で、シャッタ33を閉鎖して計数を停止すると共に、記憶している計数状態を「計数終了検知」に更新し、S303で、玉貸発券制御部22からポーリングにより送信されてくる動作指示Bを受信すると、S304で、計数異常1を検知した旨,計数通番,計数終了検知した旨,及び計数値の累積値(即ち最終的な計数値)を示す動作指示応答E1を、玉貸発券制御部22に対して返信する。
【0106】
該動作指示応答E1を受信した玉貸発券制御部22は、S305で、該動作指示応答E1が計数異常1を検知した旨を示すことに基づいて、多機能ランプ26を所定の態様で発光して計数異常1である旨を報知し、S306で、計数確定指示,計数吸上げ可,計数通番,及びLED点滅要求を示す動作指示C’を、ポーリングにより計数制御部31に対して送信し、該動作指示C’を受信した計数制御部31は、S307で、該動作指示C’がLED点滅要求を示すことに基づいて、LED41を所定の態様で点滅して計数異常1である旨を報知すると共に、記憶している計数状態を「計数中でない」に更新し、S308’で計数異常1を検知した旨,計数通番,計数中でない旨を示す動作指示応答D’を、玉貸発券制御部22に対して返信する。
【0107】
該動作指示応答D’を受信した玉貸発券制御部22は、S309で、該動作指示応答D’が計数中でない旨を示すことに基づいて、記憶している計数通番を+1する。ここで計数通番が+1されることにより、計数中は計数制御部31が記憶している計数通番と玉貸発券制御部22が記憶している計数通番とがずれた状態であったのが、一致することになる。そして玉貸発券制御部22は、計数通番を更新したことに基づいて、S310で、計数禁止,該更新した計数通番,及び計数吸上げ可を示す動作指示D’を、ポーリングにより計数制御部31に対して送信する。
【0108】
該動作指示D’を受信した計数制御部31は、S311で、前記記憶している計数通番と該動作指示D’が示す計数通番とが一致することに基づいて、計数値を示す動作指示応答E1の送信及び該動作指示応答の送信に伴って玉貸発券処理部20と計数部30とが行うS305〜S310の処理が正常に行われたと判定して、S311で、前記記憶している計数値の累積値を消去する。なおS311では、後述する計数異常3のマイナスカウント値も消去するが、これについては図12を参照して後述する。
【0109】
以上に説明したように、計数異常1が発生すると、計数は停止するが、図8のS118〜S127と略同様に、S302〜S311の計数確定シーケンスを行う。ここで計数確定シーケンスを行うのは、計数異常1を検知した後の計数値は無効とするが、計数異常1を検知する前の計数値は確定させて有効とすることにより、遊技者を保護するためである。
【0110】
ここでS304の処理を行う計数制御部31は、計数異常判定手段により異常判定されたことに基づいて、異常がある旨の報知を行うための計数異常報知処理を行う計数異常報知処理手段として機能するものであり、ここでは多機能ランプ26での報知及びLED41での報知を行うために、動作指示応答E1を返信するS304の処理を行う。
【0111】
次に図10に示す「計数異常2」は、シャッタ33の閉鎖中に玉カウンタ35の計数センサが計数玉を検知した場合である。シャッタ33が閉鎖中の場合には、本来であれば流入路34にパチンコ玉が流入することはなく、玉カウンタ35の計数センサが計数玉を検知した場合には、不正が行われている可能性が高いため、当該異常を検知するものである。
【0112】
計数制御部31は、図11(b)に示すように、計数禁止中=シャッタ33の閉鎖状態において、S351で、玉カウンタ35の計数センサによる計数が有ると、S352で、計数異常2を検知し、S353で、玉貸発券制御部22からポーリングにより送信されてくる、指示なしを示す一方で計数禁止中であるために計数吸上げ可を示さない動作指示B’を受信すると、S354で、計数異常2を検知した旨,計数通番,計数終了検知した旨,及び計数値の累積値を示す動作指示応答E2を、玉貸発券制御部22に対して返信する。
【0113】
該動作指示応答E2を受信した玉貸発券制御部22は、S355で、該動作指示応答E2が計数異常2を検知した旨を示すことに基づいて、多機能ランプ26を所定の態様で発光して計数異常2である旨を報知する。そして玉貸発券制御部22と計数制御部31は、玉カウンタ35による最終の計数から前記所定時間(例えば2秒間)が経過するまで、S353〜S355を繰り返す。
【0114】
そして計数制御部31は、S356で、玉カウンタ35による最終の計数から所定時間(例えば2秒間)が経過したと判定した後に、S357で、玉貸発券制御部22からポーリングにより送信されてくる動作指示B’を受信すると、S358で、計数異常2を検知した旨,計数通番,計数終了検知した旨,及び計数値の累積値(即ち最終的な計数値)を示す動作指示応答C’を、玉貸発券制御部22に対して返信する。
【0115】
以上に説明したように、計数異常2が発生しても、計数は停止しないが、計数禁止中のため、計数確定シーケンスは行わない。ここで計数確定シーケンスを行わないのは、計数値を管理する主体が玉貸発券制御部22であるため、玉貸発券制御部22において計数禁止中の場合には、計数値の吸上げ及び確定を行わないからである。
【0116】
ここでS354の処理を行う計数制御部31は、計数異常判定手段により異常判定されたことに基づいて、異常がある旨の報知を行うための計数異常報知処理を行う計数異常報知処理手段として機能するものであり、ここでは多機能ランプ26での報知を行うために、動作指示応答E2を返信するS354の処理を行う。
【0117】
次に図10に示す「計数異常3」は、玉カウンタ35が前記マイナスカウントを検知した場合である。流入路34を自然流下するパチンコ玉を計数する場合には、本来であればマイナスカウントが発生することはなく、該マイナスカウントを検知した場合には、故障等の可能性が高いため、当該異常を検知するものである。
【0118】
具体的には、図12(a)に示すように、原則として、マイナスカウントの発生回数が予め定めた閾値(例えば5回)に達すると、計数異常3を検知する。例えば図示のように計数パルスA〜Mが出力された場合には、計数パルスLが出力された時点でマイナスカウントの発生回数が閾値である5回に達するため、この時点で計数異常3を検知する。ただし図12(b)に示すように、計数パルスがプラスカウントから開始した場合には、マイナスカウントの発生回数が閾値に達しなくても、計数値がマイナスになった時点(図示の計数パルスGが出力された時点)で計数異常3を検知する。一方、図12(c)に示すように、計数パルスがマイナスカウントから開始した場合には、マイナスカウントの発生回数が閾値に達する前に、計数値がプラスになった時点(図示の計数パルスEが出力された時点)で、計数開始と判定するが、その後にマイナスカウントの発生回数が閾値達した場合には、原則通り計数異常3を検知する。
【0119】
そして計数制御部31が該計数異常3を検知すると、計数制御部31及び玉貸発券制御部22は、図11(a)で説明したのと同様の処理を行う。なお前記図8のS127及び図11(a)のS311で示すように、記憶している計数値の消去と共に、マイナスカウント値も消去され、次回の計数においては、マイナスカウント値は零からスタートする。
【0120】
次に図10に示す「電波異常」は、計数部30に設けられる電波センサ(図示外)が特定の周波数帯の電波を検知した場合である。また「片流れ異常」は、流入路34の第1レーン341又は第2レーン342のいずれか一方のレーンに設けられる計数センサで計数玉を検知するが、他方のレーンに設けられる計数センサでは計数玉を検知しない場合である。また「センサ異常(電源ON時)」は、玉貸発券処理部20及び計数部30の電源ON時に計数センサ又は払出センサの少なくとも一方で玉有りを検知した場合である。また「センサ異常(両レーン詰まり)」は、流入路34の第1レーン341又は第2レーン342の両方のレーンに設けられる計数センサが玉有りを検知した後、両方のレーンとも所定時間(例えば15秒間)玉有りを検知し続けた場合である。さらに「玉払出異常」は、前記端数払出処理において、玉貸発券制御部22が払出指示を出してから所定時間(例えば5秒間)以内に払出センサが払出玉を検知しない場合である。
【0121】
そして計数制御部31がこれら電波異常,片流れ異常,センサ異常(電源ON時),センサ異常(両レーン詰まり),又は玉払出異常の各エラーを検知すると、計数制御部31は、シャッタ33を閉鎖して計数を停止し、玉貸発券制御部22からポーリングにより送信されてくる動作指示を受信すると、各エラーを示す動作指示応答を玉貸発券制御部22に対して返信し、該動作指示応答を受信した玉貸発券制御部22は、多機能ランプ26を該動作指示応答が示す各エラーに応じた態様で発光して報知する。
【0122】
次に図13は、玉貸発券制御部22が行う計数値異常判定処理における各エラーを説明する図である。玉貸発券制御部22は、前記計数情報受信手段が受信した計数情報(動作指示応答)から特定される遊技媒体数(計数値)に基づいて異常を判定する遊技媒体数異常判定手段として機能するものであり、具体的には、計数値の累積値を示す動作指示応答B,Cの受信に基づいて、図13(a)に示す計数値異常A,及び図13(b)に示す計数値異常Bの各エラーを検知する計数値異常判定処理を行う。
【0123】
まず図13(a)に示す「計数値異常A」は、受信した動作指示応答B,Cから特定される、予め定められた単位時間(ここでは500msec)毎の計数値の変動量が、予め定められた閾値(例えば25玉以上)を超えた場合である。具体的には、まずパチンコ玉の質量及び大きさや、流入路34の傾斜及び摩擦により定まるパチンコ玉の最大流量(例えば2レーンで20玉/500msec)に基づいて、該最大流量よりも異常に多い流量(例えば2レーンで25玉以上/500msec)を閾値として予め設定する。そして本例では、単位時間毎に、当該単位時間毎の計数値の累積値を示す動作指示応答B,Cを受信するので、該動作指示応答を受信する毎に、今回受信した動作指示応答が示す計数値の累積値から、前回受信した動作指示応答が示す計数値の累積値を減算することにより、予め定められた単位時間(ここでは500msec)毎の計数値の変動量(増加量)を算出して、該算出した変動量が前記設定した閾値を超えるか否かを判定し、変動量が閾値を超えていれば、計数値異常Aを検知する。このように変動量が閾値を超えている場合には、不正が行われている可能性が高いため、当該異常を検知するものである。
【0124】
このように、単位時間毎の計数値の増加量が閾値を超える場合に異常と判定して報知を行うので、不正が行われた可能性が高い場合に報知を行うことができる。また玉貸発券処理部20が、時間の計時を行わなくても、計数部30から送信されてくる単位時間毎の計数値を特定可能な計数情報(動作指示応答)に基づいて、単位時間毎の計数値の増加量を特定できるので、該玉貸発券処理部20における処理を簡略化できる。
【0125】
また図13(b)に示す「計数値異常B」は、受信した動作指示応答B,Cから特定される、予め定められた単位時間(ここでは500msec)毎の計数値の変動量が、同一のまま予め定められた所定回数(例えば10回)継続の場合である。具体的には、前記計数値異常Aの場合と同様にして、予め定められた単位時間(ここでは500msec)毎の計数値の変動量(増加量)を算出して、該算出した変動量が同一のまま所定回数継続であるか否かを判定し、所定回数継続であれば、計数値異常Bを検知する。流入路34を自然流下するパチンコ玉を計数する場合には、単位時間毎の計数値の変動量にバラツキが生ずるのが自然であるため、該変動量が同一のまま所定回数継続するのは不自然であり、このような場合には不正(例えば計数制御部31と玉貸発券制御部22との間に設けたぶら下げ基板から、一定の計数値を示す動作指示応答を送信するような不正)が行われている可能性が高いため、当該異常を検知するものである。
【0126】
そして玉貸発券制御部22は、図14に示すように、S401で、これら計数値異常A,又は計数値異常Bを検知すると、S402で、多機能ランプ26を所定の態様で発光して計数値異常である旨を報知し、S403で、計数禁止,及び計数吸上げ不可を示す動作指示Fを、ポーリングにより計数制御部31に対して送信し、該動作指示Fを受信した計数制御部31は、S404で、前記動作指示応答Bを、玉貸発券制御部22に対して返信する。そして玉貸発券制御部22と計数制御部31は、玉カウンタ35による最終の計数から所定時間(例えば2秒間)が経過するまで、S403〜S404を繰り返す。
【0127】
ここでS402の処理を行う玉貸発券制御部22は、遊技媒体数異常判定手段により異常判定されたことに基づいて、異常がある旨の報知を行うための遊技媒体数異常報知処理(計数値異常報知処理)を行う遊技媒体数異常報知処理手段として機能するものである。
【0128】
次に計数制御部31は、S405で、玉カウンタ35による最終の計数から所定時間(例えば2秒間)が経過したと判定した後に、S406で、玉貸発券制御部22からポーリングにより送信されてくる動作指示Fを受信すると、S407で、記憶している計数状態を「計数終了検知」に更新し、S408で、前記動作指示応答Cを、玉貸発券制御部22に対して返信する。
【0129】
以上に説明したように、計数値異常が発生しても、計数は停止しないが、計数禁止中のため、玉貸発券制御部22は、計数値の吸上げは行わず、計数確定シーケンスも行わない。ここで計数確定シーケンスを行わないのは、玉貸発券処理部20が故障している可能性があるからであり、このように故障している玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22で計数値の吸上げ及び確定を行うのは適切でないからである。なお玉貸発券処理部20が故障している場合には、計数部30を別の故障していない玉貸発券処理部20と接続することにより、当該玉貸発券処理部20において計数部30が記憶している計数値を吸い上げて確定させることができる。
【0130】
以上に説明した本発明によれば、計数部30における計数に関する異常を監視できると共に、計数部30から玉貸発券処理部20に送信される計数情報(動作指示応答)から特定される遊技媒体数(計数値)の該玉貸発券処理部20における異常を監視できるので、前者の監視のみを行う場合に比べて、当該各台計数ユニット50で行われる計数に伴う異常をより正確に監視できる。特に計数制御部31による計数異常報知処理が行われないにも関わらず、玉貸発券制御部22による計数値異常報知処理が行われた場合には、計数部30と玉貸発券処理部20との間の通信における異常(例えば計数制御部31と玉貸発券制御部22との間に設けたぶら下げ基板から、一定の計数値を示す動作指示応答を送信するような不正)が発生したと特定することができる。
【0131】
次に、図15を参照して、本発明の変形例1について説明する。この変形例1では、パチンコ機10に対応して設けられる遊技用装置が、玉貸発券処理部20’と、前記計数部30と、持玉カードユニット50’とから構成されており、前記遊技用装置(即ち各台計数ユニット50=玉貸発券処理部20+計数部30)と比較して、確定処理の態様が異なる。ここで玉貸発券処理部20’は、前記玉貸発券処理部20と比較して、前記内部ユニット30bが配置されていない点のみが異なる。
【0132】
持玉カードユニット50’は、図15(a)に示すように、玉貸発券処理部20’のさらに左側に隣接して設けられ、縦長の箱型の形状を呈するものであり、その前面に発券ボタン51’,貯玉ボタン52’,持玉カード挿入口53a’等を備え、図15(b)に示すように、その内部に持玉カードR/W53’,持玉カードストッカ53b’を備え、発券ボタン51’,貯玉ボタン52’,及び持玉カードR/W53’は、玉貸発券処理部20’の玉貸発券制御部22と通信可能に接続されている。なお持玉カードユニット50’の下部には、前面に計数部30の外部ユニット30aが配置され、内部に計数部30の内部ユニット30bが配置されている。
【0133】
この変形例1の遊技用装置において、遊技者が台移動又は景品交換を希望する場合には、カードテーブルで持玉数が記憶されている状態で、発券ボタン51’が操作されると、持玉カード5を貯留している持玉カードストッカ53b’は、該貯留している持玉カード5のうちの1枚を持玉カードR/W53’に対して搬送し、持玉カードR/W53’は、搬送された持玉カード5のIDと持玉数とを対応付ける処理(ここでは持玉カード5に持玉数を記録する処理)を行い、該持玉カード5を持玉カード挿入口53a’から排出して発行する。この変形例1では、該持玉カード5の発行が、前記確定処理に相当する。
【0134】
このようにして発行された持玉カード5を、他のパチンコ機10に対応する持玉カードユニット50’の持玉カードR/W53’に挿入することにより、該持玉カード5のIDに対応付けられている持玉数を使用して前記持玉払出処理が可能となる。また該持玉数を使用してPOS端末にて景品交換が可能となる。なお玉貸発券処理部20’のカードR/W23にて受付中の会員カード2ビジターカード3は、カード返却ボタン16が操作されると返却される。
【0135】
つまり変形例1では、持玉数が会員カード2ビジターカード3のカードIDに対応付けて持玉管理装置62で管理されるのではなく、該持玉数が持玉カード5のIDに対応付けられる。なお持玉カード5のIDと持玉数との対応付けは、持玉カード5に持玉数を記録する例には限らず、持玉カード5に持玉数を記録せずに、持玉管理装置62において持玉カード5のIDと持玉数とを対応付けて管理するものであっても良い。即ち持玉カード5に持玉数を記録するか否かは、特に限定されない。
【0136】
また変形例1の遊技用装置において、会員遊技者が貯玉を希望する場合には、カードテーブルで持玉数が記憶されており、かつ玉貸発券処理部20’のカードR/W23にて会員カード2を受付中の状態で、貯玉ボタン52’が操作されると、該会員カード2のカードIDと貯玉する玉数とを含む貯玉要求を会員管理装置61に対して送信する。該貯玉要求を受信した会員管理装置61は、前述の如く、該貯玉要求に含まれるカードIDに対応付けて管理している貯玉数に該貯玉要求に含まれる貯玉する玉数を加算する。そして玉貸発券処理部20’のカードR/W23にて受付中の会員カード2は、カード返却ボタン16が操作されると返却される。この変形例1では、該会員カード2の返却も、前記確定処理に相当する。
【0137】
このようにして返却された会員カード2を、他のパチンコ機10に対応する玉貸発券処理部20’のカードR/W23に挿入することにより、該会員カード2のカードIDに対応付けて会員管理装置61で管理されている貯玉数を使用して前記貯玉再プレイ処理が可能となる。また該貯玉数を使用してPOS端末にて景品交換が可能となる。なお発券ボタン51’が操作された場合と異なり、持玉カード5は発行されない。
【0138】
次に、図16を参照して、本発明の変形例2について説明する。この変形例2では、パチンコ機10に対応して設けられる遊技用装置が、玉貸発券処理部20”と、前記計数部30とから構成されており、前記遊技用装置(即ち各台計数ユニット50=玉貸発券処理部20+計数部30)と比較して、確定処理の態様が異なる。ここで玉貸発券処理部20”は、前記玉貸発券処理部20と比較して、図16(a)に示すように、その前面に携帯電話近接部26aをさらに備え、図16(b)に示すように、その内部にICチップR/W26をさらに備え、該ICチップR/W26が玉貸発券制御部22と通信可能に接続されている点と、会員カード2及びビジターカード3が使用されず、カードR/W23はプリペイド残額を特定可能なプリペイドカード6を受け付ける点と、カードストッカ23bを備えていない点とが異なる。
【0139】
この変形例2の遊技用装置において、遊技者が台移動又は景品交換を希望する場合には、カードテーブルで持玉数が記憶されている状態で、ICチップを備える携帯電話7が携帯電話近接部26aに近接されて、ICチップR/W26により該携帯電話7のICチップから当該携帯電話7の識別情報(チップIDや電話番号等であり、以下「携帯ID」と称する。)が読み取られ、ディスプレイ24に表示される図示しない発行ボタンが操作されると、持玉数と携帯IDとを対応付けて記憶(当該携帯電話7のICチップで記憶,又は管理装置で記憶等)するための記憶処理を行う。この変形例2では、該記憶処理が、前記確定処理に相当する。
【0140】
最後に、本発明のその他の変形例について説明する。
【0141】
上記の実施形態では、図1に示すように、遊技機がパチンコ機10である例について説明したが、これに限らず、該遊技機は、スロットマシンでも良く、またゲーム機であっても良い。
【0142】
上記の実施形態では、図1に示すように、持玉管理装置62が持玉数を管理すると共に、会員管理装置61が貯玉数を管理する例について説明したが、これに限らず、1つの管理装置が持玉数及び貯玉数を管理するものであっても良い。
【0143】
上記の実施形態では、カード(会員カード2又はビジターカード3)に持玉数が記録されない例について説明したが、これに限らず、カードに持玉数が記録されるものであっても良く、また会員カード2には持玉数が記録されないがビジターカード3には持玉数が記録されるものや、ビジターカード3には持玉数が記録されないが会員カード2には持玉数が記録されるものであっても良い。
【0144】
上記の実施形態では、図7のS05で、受け付けたのが会員カード2であると判定された場合に、暗証番号の入力を受け付け、該入力された暗証番号の認証がとれたことを条件に、S06の管理貯玉数取得処理,S07の管理持玉数取得処理,及びS08の残額確認処理が行われて、貯玉数,持玉数,及びプリペイド残額が使用可能になる例について説明したが、これに限らず、例えば受け付けたのが会員カード2であると判定された場合であっても、暗証番号の入力を受け付けずに、S07の管理持玉数取得処理及びS08の残額確認処理を行って、持玉数及びプリペイド残額を使用可能とすると共に、S15で再プレイボタンの操作が有ると、暗証番号の入力を受け付け、該入力された暗証番号の認証がとれたことを条件に、管理貯玉数取得処理を行って、貯玉数を使用可能とするようにしても良い。即ち持玉数及びプリペイド残額の使用については暗証番号の入力が不要であり、貯玉数の使用についてのみ暗証番号の入力が必要なものであっても良い。
【0145】
上記の実施形態では、図7に示すように、S07の持玉数取得処理を行った後にS08の残額確認処理を行う例について説明したが、これに限らず、残額確認処理を行った後に持玉数取得処理を行っても良く、また持玉数取得処理と残額確認処理とを同時並行で行っても良い。
【0146】
上記の実施形態では、図7のS21aに示すように、遊技用価値を使用させるための使用処理が玉貸処理である例について説明したが、これに限らず、該使用処理は、遊技用価値をスロットマシンで使用させるためのメダル貸処理や、遊技用価値を得点に変換してゲーム機で使用させるための処理等であっても良い。
【0147】
上記の実施形態では、図7のS26bに示すように、カード返却ボタン16の操作が有ると管理玉数更新処理を行う例について説明したが、これに限らず、管理玉数の更新は計数処理,持玉払出処理,及び貯玉再プレイ処理毎に行っておき、カード返却ボタン16の操作が有ると管理玉数更新処理を行わずにカードを返却するものであっても良い。
【0148】
上記の実施形態では、図8のS114等に示すように、計数制御部31が、計数情報(動作指示応答)として、計数値の累積値を示す計数情報を単位時間毎に玉貸発券制御部22に対して送信する例について説明したが、これに限らず、計数制御部31が、計数時刻と計数値とを対応付けたログデータを記憶して、計数終了後に該ログデータを玉貸発券制御部22に対して送信し、玉貸発券制御部22が、該ログデータが示す計数時刻と計数値とに基づいて、単位時間毎の計数値を特定するものであっても良い。
【0149】
また計数制御部31が、玉カウンタ35から計数パルスが出力される毎に、計数値として1を示す動作指示応答を玉貸発券制御部22に対して送信し、玉貸発券制御部22が、該動作指示応答の受信時刻に基づいて、単位時間毎の計数値を特定する(即ち500msec以内における動作指示応答の受信数から計数値を特定する)ものであっても良い。
【0150】
即ち計数情報は、少なくとも玉カウンタ35により計数された計数値を特定可能な情報であれば良い。
【0151】
上記の実施形態では、図8のS114等に示すように、計数制御部31が、計数情報(動作指示応答)として、計数値の累積値を示す計数情報を単位時間毎に玉貸発券制御部22に対して送信する例について説明したが、これに限らず、図13(a’)(b’)に示すように、単位時間毎の計数値の変動量を示す計数情報を該単位時間毎に玉貸発券制御部22に対して送信するものであっても良い。この場合において、玉貸発券制御部22は、図13(a’)に示す計数値異常Aの判定においては、受信した変動量が設定した閾値を超えるか否かを判定し、変動量が閾値を超えていれば、計数値異常Aを検知し、また図13(b’)に示す計数値異常Bの判定においては、受信した変動量が同一のまま所定回数継続であるか否かを判定し、所定回数継続であれば、計数値異常Bを検知する。これによれば、玉貸発券制御部22において計数値の変動量を算出する処理が無くなるので、該玉貸発券制御部22の処理負荷を軽減できる。
【0152】
上記の実施形態では、図13(b)(b’)に示す計数値異常Bの判定において、計数値の変動量が同一のまま所定回数(10回)継続した場合に計数値異常Bを検知する例について説明したが、これに限らず、計数値の変動量が同一のまま所定期間(例えば5秒間)継続した場合に計数値異常Bを検知するものであっても良い。
【0153】
上記の実施形態では、図8のS127に示すように、S125の動作指示Dを受信したことに基づいて計数値の消去が行われる例について説明したが、これに限らず、S119で動作指示応答Cを送信した後に計数値の消去が行われるものであっても良い。即ち遊技媒体数消去処理は、計数情報(動作指示応答C)の送信が正常に行われたと判定されたことに基づいて行われても良い。
【0154】
上記の実施形態では、図8のS127に示すように、一連の計数が終了する毎に計数値の消去が行われる例について説明したが、これに限らず、一連の計数が終了しても直ちに計数値の消去を行わずに、任意のタイミングで消去を行うものであっても良い。さらに計数値の消去を行わずに、そのまま計数値の記憶を保持するものであっても良い。
【0155】
上記の実施形態では、図9のS202又は図11(a)のS302に示すように、計数停止処理が、シャッタ33の閉鎖である例について説明したが、これに限らず、例えばモータの駆動力により玉載置部32上のパチンコ玉が玉カウンタ35に送り込まれるように構成した場合には、該モータを停止する処理であっても良い。
【0156】
上記の実施形態では、図11(a)に示すように、計数制御部31が、計数異常報知処理として、S304の処理を行い、玉貸発券制御部22の多機能ランプ26で計数異常1が報知される例について説明したが、これに限らず、計数制御部31が、自らLED41を点滅する処理を行って計数異常1を報知するものであっても良く、また計数制御部31が、例えばホールコンピュータ70に対してエラー信号を出力することにより、該ホールコンピュータ70で計数異常1を報知するものであっても良い。
【0157】
上記の実施形態では、図11(a)に示すように、計数異常1を検知した場合であっても、S302〜S311の計数確定シーケンスを行うことにより、計数異常1を検知する前の計数値は確定させて有効とすることにより、遊技者を保護する例について説明したが、これに限らず、計数異常1を検知した場合には計数確定シーケンスを行わずに、計数異常1を検知する前の計数値も無効にするようにしても良い。
【0158】
上記の実施形態では、図14に示すように、玉貸発券制御部22が、遊技媒体数異常報知処理(計数値異常報知処理)として、S402の処理を行い、多機能ランプ26で計数値異常が報知される例について説明したが、これに限らず、玉貸発券制御部22が、エラー信号を計数制御部31に対して送信し、計数制御部31がLED41を点滅する処理を行って計数値異常を報知するものであっても良く、また玉貸発券制御部22が、例えばホールコンピュータ70に対してエラー信号を出力することにより、該ホールコンピュータ70で計数値異常を報知するものであっても良い。
【符号の説明】
【0159】
1…遊技用システム
10…パチンコ機
20…玉貸発券処理部
21a…玉貸通信部
21b…場内通信部
22…玉貸発券制御部
23…カードR/W
26…多機能ランプ
30…計数部
30a…外部ユニット
30b…内部ユニット
31…計数制御部
32…玉載置部
33…シャッタ
34…流入路
341…第1レーン
342…第2レーン
35…玉カウンタ
351a…(第1レーン上流)計数センサ
351b…(第1レーン下流)計数センサ
352a…(第2レーン上流)計数センサ
352b…(第2レーン下流)計数センサ
36…玉貯留部
37…排出路
38…払出カウンタ
39…流出路
40…受皿
41…LED
50…各台計数ユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機に対応して設けられ、
遊技媒体を受け入れて計数する計数手段を有する計数部と、
前記対応する遊技機と通信することにより、遊技者が所有する遊技用価値の大きさに相当する遊技媒体を該遊技機から払い出して貸与するための貸与処理を行う貸与処理手段と、前記計数手段により計数された遊技媒体数を景品交換又は他の遊技機での遊技に使用させるために確定させるための確定処理を行う確定処理手段とを有する制御部と、を備え、
前記計数部と前記制御部とが通信可能な遊技用装置であって、
前記計数部は、
前記計数手段による計数に関する異常を判定する計数異常判定手段と、
前記計数手段により計数された遊技媒体数を特定可能な計数情報を前記制御部に対して送信する計数情報送信手段と、をさらに有し、
前記制御部は、
前記計数情報送信手段から送信されてくる計数情報を受信する計数情報受信手段と、
該計数情報受信手段が受信した計数情報から特定される遊技媒体数に基づいて異常を判定する遊技媒体数異常判定手段と、をさらに有し、
前記遊技用装置は、
前記計数異常判定手段により異常判定されたことに基づいて、異常がある旨の報知を行うための計数異常報知処理を行う計数異常報知処理手段と、
前記遊技媒体数異常判定手段により異常判定されたことに基づいて、異常がある旨の報知を行うための遊技媒体数異常報知処理を行う遊技媒体数異常報知処理手段と、をさらに備えることを特徴とする遊技用装置。
【請求項2】
請求項1に記載した遊技用装置であって、
前記遊技媒体数異常判定手段は、前記計数情報受信手段が受信した計数情報から特定される、予め定められた単位時間毎の遊技媒体数の増加量が、予め定められた閾値を超えることを条件として、異常を判定することを特徴とする遊技用装置。
【請求項3】
請求項2に記載した遊技用装置であって、
前記計数情報送信手段は、前記単位時間毎に前記計数手段により計数された遊技媒体数を特定可能な前記計数情報を前記制御部に対して送信することを特徴とする遊技用装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載した遊技用装置であって、
前記計数部は、
前記計数手段による計数を停止するための計数停止処理を行う計数停止処理手段と、
前記制御部との通信の異常を判定する通信異常判定手段と、をさらに有し、
前記計数停止処理手段は、前記通信異常判定手段により異常判定されたことに基づいて、前記計数停止処理を行うことを特徴とする遊技用装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載した遊技用装置であって、
前記計数部は、
前記計数手段により計数された遊技媒体数を記憶する遊技媒体数記憶手段と、
前記計数情報送信手段による計数情報の送信、及び/又は、該計数情報の送信に伴って前記制御部と計数部とが行う処理が、正常に行われたか否かを判定する送信判定手段と、
該送信判定手段により正常に行われたと判定されたことに基づいて、前記遊技媒体数記憶手段により記憶している遊技媒体数を消去するための遊技媒体数消去処理を行う遊技媒体数消去処理手段と、をさらに有することを特徴とする遊技用装置。
【請求項6】
請求項5に記載した遊技用装置であって、
前記計数部は、
前記計数手段による計数が途絶えてから予め定められた所定時間が経過したことに基づいて、該計数手段による一連の計数が終了したと判定する計数終了判定手段をさらに有し、
前記遊技媒体数消去手段は、該計数終了判定手段により一連の計数が終了したと判定され、かつ前記送信判定手段により正常に行われたと判定されたことに基づいて、前記遊技媒体数消去処理を行うことを特徴とする遊技用装置。
【請求項1】
遊技機に対応して設けられ、
遊技媒体を受け入れて計数する計数手段を有する計数部と、
前記対応する遊技機と通信することにより、遊技者が所有する遊技用価値の大きさに相当する遊技媒体を該遊技機から払い出して貸与するための貸与処理を行う貸与処理手段と、前記計数手段により計数された遊技媒体数を景品交換又は他の遊技機での遊技に使用させるために確定させるための確定処理を行う確定処理手段とを有する制御部と、を備え、
前記計数部と前記制御部とが通信可能な遊技用装置であって、
前記計数部は、
前記計数手段による計数に関する異常を判定する計数異常判定手段と、
前記計数手段により計数された遊技媒体数を特定可能な計数情報を前記制御部に対して送信する計数情報送信手段と、をさらに有し、
前記制御部は、
前記計数情報送信手段から送信されてくる計数情報を受信する計数情報受信手段と、
該計数情報受信手段が受信した計数情報から特定される遊技媒体数に基づいて異常を判定する遊技媒体数異常判定手段と、をさらに有し、
前記遊技用装置は、
前記計数異常判定手段により異常判定されたことに基づいて、異常がある旨の報知を行うための計数異常報知処理を行う計数異常報知処理手段と、
前記遊技媒体数異常判定手段により異常判定されたことに基づいて、異常がある旨の報知を行うための遊技媒体数異常報知処理を行う遊技媒体数異常報知処理手段と、をさらに備えることを特徴とする遊技用装置。
【請求項2】
請求項1に記載した遊技用装置であって、
前記遊技媒体数異常判定手段は、前記計数情報受信手段が受信した計数情報から特定される、予め定められた単位時間毎の遊技媒体数の増加量が、予め定められた閾値を超えることを条件として、異常を判定することを特徴とする遊技用装置。
【請求項3】
請求項2に記載した遊技用装置であって、
前記計数情報送信手段は、前記単位時間毎に前記計数手段により計数された遊技媒体数を特定可能な前記計数情報を前記制御部に対して送信することを特徴とする遊技用装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載した遊技用装置であって、
前記計数部は、
前記計数手段による計数を停止するための計数停止処理を行う計数停止処理手段と、
前記制御部との通信の異常を判定する通信異常判定手段と、をさらに有し、
前記計数停止処理手段は、前記通信異常判定手段により異常判定されたことに基づいて、前記計数停止処理を行うことを特徴とする遊技用装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載した遊技用装置であって、
前記計数部は、
前記計数手段により計数された遊技媒体数を記憶する遊技媒体数記憶手段と、
前記計数情報送信手段による計数情報の送信、及び/又は、該計数情報の送信に伴って前記制御部と計数部とが行う処理が、正常に行われたか否かを判定する送信判定手段と、
該送信判定手段により正常に行われたと判定されたことに基づいて、前記遊技媒体数記憶手段により記憶している遊技媒体数を消去するための遊技媒体数消去処理を行う遊技媒体数消去処理手段と、をさらに有することを特徴とする遊技用装置。
【請求項6】
請求項5に記載した遊技用装置であって、
前記計数部は、
前記計数手段による計数が途絶えてから予め定められた所定時間が経過したことに基づいて、該計数手段による一連の計数が終了したと判定する計数終了判定手段をさらに有し、
前記遊技媒体数消去手段は、該計数終了判定手段により一連の計数が終了したと判定され、かつ前記送信判定手段により正常に行われたと判定されたことに基づいて、前記遊技媒体数消去処理を行うことを特徴とする遊技用装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−62271(P2011−62271A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−214040(P2009−214040)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【出願人】(591085972)日本ゲームカード株式会社 (144)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【出願人】(591085972)日本ゲームカード株式会社 (144)
【Fターム(参考)】
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