説明

遊星歯車減速装置及び画像形成装置

【課題】遊星歯車減速機構に備えられた複数の遊星歯車への荷重不均等を緩和することにより、回転角速度変動及び振動を緩和することができ、歯車の長寿命化も達成できる遊星歯車減速装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】段付遊星歯車29を構成する第1遊星歯車部19と第2遊星歯車部20の少なくとも一方ははす歯歯車で構成される。はす歯歯車は、段付遊星歯車29が第1歯車11及び第2歯車13の両方と噛合うことによって生じるスラスト荷重が段付遊星歯車29の回転軸方向の1方向に生じるように構成される。段付遊星歯車29は、スラスト荷重に応じて回転軸方向に移動可能に支持され、キャリア23は、段付遊星歯車29の1つに生じるスラスト荷重を受けることにより他の段付遊星歯車に逆方向のスラスト荷重を伝達する伝達手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像担持体を駆動する駆動源の回転数を減速して像担持体に伝達する遊星歯車減速装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置の分野において、モータ等の駆動源より減速手段を経て回転力を伝達する機構としては、歯車輪列を用いたもの、ウォームギヤを用いたもの、ベルト減速機構を用いたものなどが一般的に利用されている。画像形成装置における回転体には、感光体、中間転写体等の像担持体、記録材を搬送する記録材搬送部材、定着ローラなどがあるが、これらは、一般に、数十から百数十rpmで回転する。一方、回転体に回転力を伝達する駆動源の回転数は、一般に数千rpmであり、回転体に必要な回転数を得るためには、1/10〜1/30程度の減速比をもつ減速手段が必要となる。
【0003】
また、近年では、インクジェット方式の画像形成装置だけでなく、電子写真方式の装置もパーソナルデスク上に設置する場合が増え、装置の小型化が要求されている。装置を小型化するためには、構成する部品を小型化するだけでなく、装置内の回転体駆動機構の小型化が必要である。
【0004】
装置内の回転体駆動機構の小型化のために駆動源を小型化する方法がある。小型の駆動源としては、一般的にDCモータを使用することが、低騒音、高効率の点で有利である。このDCモータを4000rpm程度の回転速度で定常運転し、減速手段で1/40程度に減速することで、高効率で、負荷トルクが小さい運転ができ、低出力の小型のモータを使用することができる。従って、減速手段は高減速比であることに加えて、減速手段自体の小型化が要求される。
【0005】
画像形成装置に用いられる減速手段としては、感光体へモータの回転をすべりなく減速するために歯車輪列の減速機を用いるのが一般的である。しかし、歯車輪列の減速機の小型化には以下の課題がある。高減速比のために多段の減速にすると、軸方向に大型化してしまう。一方、一段で減速比を大きくしようとすると、感光体軸に設けられる歯車は大型化してしまい、特にカラーの装置においては感光体の配置ピッチ内に収まらない問題が生じ、装置内の部品配置の検討に時間がかかってしまう。モータ軸に設けられる歯車はモータ軸に直接歯切りされる場合が多いが、この場合の歯数は12枚ほどが必要であり、モジュールを0.5とするとピッチ円直径は6mmとなる。一方、感光体軸の歯車は、一段で減速比を1/20とすると歯数は240枚となり、ピッチ円直径は120mmで、非常に大型化してしまう。感光体の配置間隔が120mm以下の場合には、この歯車を軸方向に互いにずらして配置しなければならない。
【0006】
このように一般的に用いられている歯車輪列の減速手段は、歯車の歯数比、つまり、歯車の大きさの比によって減速比が決定される。従って、小型化と高減速比との両方を達成することが非常に困難である。この課題に対し、遊星歯車を用いた減速装置の技術が提案されている(たとえば特許文献1参照)。この技術は、太陽歯車(sun gear)を中心として、複数の遊星歯車(planetary gear)が自転しつつ遊星キャリア(planetary carrier)により公転して減速を行うため、少ない段数で大きな減速比が得られること、比較的大きなトルクを伝達できること、入力軸と出力軸とを同軸上に配置できることなどの利点を有している。
【0007】
特許文献1においては、大きな減速比を得る場合でも、固定歯車と出力歯車の歯数が少ない遊星差動歯車減速装置が提案されている。この装置は、駆動対象に連結されている出力軸に固定された出力歯車と、その出力歯車よりも少ない歯数を有し、その出力歯車と同軸上に配置され、かつ、回転不能に固定された固定歯車とを備えている。また、この装置は、駆動源からの回転力により出力歯車及び固定歯車の外周を回転駆動される遊星歯車軸に回転自在に支持され、出力歯車及び固定歯車の双方に噛み合いながら遊星回転する遊星歯車を備えている。この遊星歯車における固定歯車に噛み合う固定歯車用噛合部分と出力歯車に噛み合う出力歯車用噛合部分の歯数は同一であり、出力歯車、固定歯車、遊星歯車の固定歯車用噛合部分及び遊星歯車の出力歯車用噛合部分のうち少なくとも1つが転位歯車で構成されている。
【0008】
上記遊星差動歯車減速装置では、固定歯車と出力歯車の歯数は互いに異なるため、これらの歯車を単一の遊星歯車にそのまま噛み合わせるだけではスムーズな回転駆動が実現できないところ、転位歯車を採用することでスムーズな回転駆動を可能にしている。そして、この装置により得られる減速比は、遊星歯車の歯数に関係なく、固定歯車と出力歯車の歯数の差に基づいて得られるので、従来と同じ減速比を得ようとするときには、従来よりも固定歯車と出力歯車の歯数が少なくても済む。例えば、モジュール0.5、歯数40の歯車でピッチ円直径は20mmの固定歯車と、モジュール0.5、歯数39の歯車でピッチ円直径は19.5mmの出力歯車を用いれば、直径20mm程度で減速比1/40の減速機が2段減速機程度の軸方向幅で実現できる。よって、装置の小型化を図ることが可能となる。
このように遊星差動歯車減速装置を用いることで、小型かつ高減速比をもつ減速手段となり画像形成装置全体の小型化が可能となる。
【0009】
遊星歯車機構の種類は多岐にわたり、以下の分類が用いられている(非特許文献1参照)。遊星歯車機構は、入力軸、出力軸、機構全体の運動を規制する固定軸(補助軸)の3本の基本軸からなり、これら基本軸は同軸上に配置される。基本軸となる太陽歯車(太陽外歯車、太陽内歯車を含む)の軸をK、キャリア軸をH、遊星歯車軸をVで表すと、遊星歯車機構は、2K−H型、3K型、K−H−V型および2個以上の2K−H型の連結による複合遊星歯車機構に分類される。上記特許文献1で提案された遊星差動歯車装置は2K−H型の不思議遊星歯車機構に関するものである。不思議遊星歯車機構とは、歯数の同じ遊星歯車に2つの歯数の異なる歯車が噛合い伝達する遊星歯車機構を言う。3K型は、2K−H型の不思議遊星歯車機構と同様に、遊星歯車に噛合う2つの歯車の歯数差で減速比が決定され、高減速比が得られる遊星差動歯車減速機構である(非特許文献2参照)。
【0010】
なお、画像形成装置では、装置の小型化とともに、回転体駆動速度安定性が要求される。すなわち、画像形成装置内の回転体、例えば、ドラム形状の感光体、転写ベルトを駆動搬送するローラ部材、転写材を搬送するローラ部材などは、高い回転精度(回転角速度の安定性)が要求される。これらの回転角速度の変動が感光体、中間転写体、転写材上の画像形成位置の誤差を発生させ、出力画像の劣化要因となるためである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記遊星差動歯車減速装置では、遊星歯車機構の各歯車の偏心、ピッチ誤差、取付位置誤差等があると、複数ある遊星歯車に均等に荷重がかからず、回転角速度の変動を生じてしまうおそれがある。例えば遊星歯車が2個の場合、上記誤差があると一方の遊星歯車が他方の遊星歯車に先行して噛合いはじめ、歯面に駆動トルクが加わり、他方の遊星歯車には全くトルクが加わっていない状態が発生する。回転が進むにつれ、逆に、他方の遊星歯車にだけにトルクが加わり、一方の遊星歯車に全くトルクが加わっていない状態が発生する。これらの状態が繰り返されることで、周期的な回転角速度の変動が発生する。しかも、遊星差動歯車減速装置は、回転角速度の変動が差動減速比分だけ増大された後、駆動対象に伝達されるため、歯車輪列に比べて駆動対象の回転角速度の変動の比率が大きくなる。
また、複数の遊星歯車への荷重が不均衡で、回転に伴って各遊星歯車への荷重が変動すると、振動が生じたり、歯車の寿命が短くなったりする問題がある。
【0012】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、遊星歯車減速機構に備えられた複数の遊星歯車への荷重不均等を緩和することにより、回転角速度変動及び振動を緩和することができ、歯車の長寿命化も達成できる遊星歯車減速装置及びこの遊星歯車減速装置を用いた画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、第1遊星歯車部と歯数又は歯形状が異なる第2遊星歯車部が連結又は一体に構成された遊星歯車と、前記第1遊星歯車部に噛合う第1歯車と、前記第2遊星歯車部に噛合う第2歯車と、駆動源からの駆動を前記遊星歯車に伝達する太陽歯車と、複数の前記遊星歯車を回動自在に支持すると共に、ケーシングに回動自在に支持されたキャリアと、を有する遊星歯車減速装置であって、前記第1遊星歯車部と前記第2遊星歯車部の少なくとも一方は、はす歯歯車で構成され、且つ該はす歯歯車は、前記遊星歯車が前記第1歯車及び前記第2歯車の両方と噛合うことによって生じるスラスト荷重が、前記遊星歯車の回転軸方向の1方向に生じるように構成され、前記遊星歯車は、前記スラスト荷重に応じて回転軸方向に移動可能に支持され、前記キャリアは、前記遊星歯車の1つに生じるスラスト荷重を受けることにより他の前記遊星歯車に逆方向のスラスト荷重を伝達する伝達手段を有することを特徴とするものである。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の遊星歯車減速装置において、前記伝達手段は、前記キャリアに支持された複数の前記遊星歯車の軸方向に対して接触する板状部材と、前記キャリアに支持された前記複数の遊星歯車軸から互いに略等距離にある中心部にて該平板部材を支持する支持部材と、を備えることを特徴とするものである。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項2に記載の遊星歯車減速装置において、前記支持部材は、前記板状部材の支点の位置を前記遊星歯車の軸方向において調整可能な調整手段を有することを特徴とするものである。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項2又は3に記載の遊星歯車減速装置において、前記板状部材と前記遊星歯車の軸方向端部との間に、前記遊星歯車の定格回転時における噛合い周期の振動を吸収する振動吸収部材を有することを特徴とするものである。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項1に記載の遊星歯車減速装置において、前記伝達手段は、前記複数の遊星歯車の軸方向端部にテーパー部材と、該テーパー部材の1つと接触することにより、他の該テーパ部材を押圧する押圧部材と、を備えたことを特徴とするものである。
【0018】
請求項6記載の発明は、請求項5に記載の遊星歯車減速装置において、前記押圧部材は、前記第1歯車または前記第2歯車に設けられ、且つ内周部が環状に形成され、該内周部において前記テーパー部材を押圧する第1押圧部を有ことを特徴とするものである。
【0019】
請求項7記載の発明は、請求項5または6に記載の遊星歯車減速装置において、前記押圧部材は、前記キャリア中央部に設けられ、且つ外周部が環状に形成され、該外周部において前記テーパー部材を押圧する第2押圧部を有することを特徴とするものである。
【0020】
請求項8記載の発明は、請求項5ないし7のいずれかに記載の遊星歯車減速装置において、前記テーパー部材及び前記押圧部材を、前記遊星歯車の軸方向両側に設けたことを特徴とするものである。
【0021】
請求項9記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の遊星歯車減速装置において、前記遊星歯車の回転軸上に、該遊星歯車を前記スラスト荷重が生じる方向と同じ方向へ付勢する付勢部材を有することを特徴とするものである。
【0022】
請求項10記載の発明は、請求項1ないし9のいずれかに記載の遊星歯車減速装置において、前記第1遊星歯車部と前記第2遊星歯車部はいずれもはす歯歯車で構成され、該第1遊星歯車部におけるはす歯のねじれ方向と該第2遊星歯車部におけるはす歯のねじれ方向が異なることを特徴とするものである。
【0023】
請求項11記載の発明は、請求項1ないし10のいずれかに記載の遊星歯車減速装置において、前記遊星歯車は、前記第1遊星歯車部と前記第2遊星歯車部との径が異なる段付歯車であることを特徴とするものである。
【0024】
請求項12記載の発明は、請求項1ないし11のいずれかに記載の遊星歯車減速装置を感光体ドラム駆動装置に用いたことを特徴とするものである。
【0025】
請求項13記載の発明は、請求項1ないし11のいずれかに記載の遊星歯車減速装置を転写ベルト駆動装置に用いたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、複数の遊星歯車のうち1つの遊星歯車に生じたスラスト荷重は他の遊星歯車に逆方向のスラスト荷重として伝達され、また、他の遊星歯車に生じたスラスト荷重はさらに他の遊星歯車に逆方向のスラスト荷重として伝達される。スラスト荷重は複数の遊星歯車において全て同じ方向に生じており、複数の遊星歯車で生じたスラスト荷重を全ての遊星歯車でほぼ均等に負荷配分することができるので、遊星歯車減速機構に備えられた複数の遊星歯車への荷重不均等を緩和し、回転角速度変動及び振動を緩和することができ、歯車の長寿命化も達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略正面図である。
【図2】図1に示した画像形成装置に備えられた感光体駆動装置の概略正面図である。
【図3】遊星歯車の基本構造の説明図であって、2K−H型に分類される遊星歯車機構の説明図である。
【図4】遊星歯車の基本構造の説明図であって、他の2K−H型に分類される遊星歯車機構の説明図である。
【図5】遊星歯車の基本構造の説明図であって、3K型に分類される遊星歯車機構の説明図である。
【図6】段付遊星歯車減速装置の概略断面図である。
【図7】図6に示した段付遊星歯車減速装置のキャリアの概略斜視図である。
【図8】段付遊星歯車にかかる軸直角方向の荷重を説明するための概略斜視図である。
【図9】段付遊星歯車にかかる軸方向(スラスト方向)の荷重を説明するための概略側面図である。
【図10】段付遊星歯車にかかる軸方向(スラスト方向)の荷重を説明するための概略側面図である。
【図11】比較例として段差のない遊星歯車にかかる軸方向(スラスト方向)の荷重を説明するための概略側面図である。
【図12】荷重等配機構を設けたキャリアの概略正面図である。
【図13】図12におけるキャリアを図中左側から見た側面図である。
【図14】変形例にかかる荷重等配機構設けたキャリアの概略正面図である。
【図15】荷重等配機構をキャリアの両側に設けた変形例にかかるキャリアを右側から見た側面図である。
【図16】他の変形例にかかる荷重等配機構設けたキャリアの概略正面図である。
【図17】他の変形例にかかる荷重等配機構をキャリアの両側に設けた構成のキャリアを右側から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を、画像形成装置である電子写真方式のカラー複写機(以下、「複写機」という。)に適用した一実施形態について説明する。なお、本実施形態における複写機は、いわゆるタンデム式の画像形成装置であって、乾式二成分現像剤を用いた乾式二成分現像方式を採用したものである。
【0029】
図1は、本実施形態に係る複写機における画像形成部全体の概略構成図である。この複写機は、図示しない画像読取部から画像情報である画像データを受け取って画像形成処理を行う。この複写機には、図に示すように、イエロー(以下、「Y」と省略する。)、マゼンタ(以下、「M」と省略する。)、シアン(以下、「C」と省略する。)、ブラック(以下、「Bk」と省略する。)の各色用の4個の回転体としての潜像担持体である感光体ドラム1Y,1M,1C,1Bkが並設されている。これら感光体ドラム1Y,1M,1C,1Bkは、駆動ローラを含む回転可能な複数のローラに支持された無端ベルト状の中間転写ベルト5に接触するように、そのベルト移動方向に沿って並んで配置されている。また、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Bkの周りには、それぞれ、帯電器2Y,2M,2C,2Bk、各色対応の現像装置9Y,9M,9C,9Bk、クリーニング装置4Y,4M,4C,4Bk、除電ランプ3Y,3M,3C,3Bk等の電子写真プロセス用部材がプロセス順に配設されている。
【0030】
本実施形態に係る複写機でフルカラー画像を形成する場合、まず、図2に示すように、後述する感光体駆動装置により、感光体ドラム1Yを図中矢印の方向に回転駆動しながら帯電器2Yで一様帯電した後、図示しない光書込装置からの光ビームLY を照射して感光体ドラム1Y上にY静電潜像を形成する。このY静電潜像は、現像装置9Yにより、現像剤中のYトナーにより現像される。現像時には、現像ローラと感光体ドラム1Yとの間に所定の現像バイアスが印加され、現像ローラ上のYトナーは、感光体ドラム1Y上のY静電潜像部分に静電吸着する。
【0031】
このように現像されて形成されたYトナー像は、感光体ドラム1Yの回転に伴い、感光体ドラム1Yと中間転写ベルト5とが接触する1次転写位置に搬送される。この1次転写位置において、中間転写ベルト5の裏面には、1次転写ローラ6Yにより所定のバイアス電圧が印加される。そして、このバイアス印加によって発生した1次転写電界により、感光体ドラム1Y上のYトナー像を中間転写ベルト5側に引き寄せ、中間転写ベルト5上に1次転写する。以下、同様にして、Mトナー像、Cトナー像、Bkトナー像も、中間転写ベルト5上のYトナー像に順次重ね合うように1次転写される。
【0032】
このように、中間転写ベルト5上に4色重なり合ったトナー像は、中間転写ベルト5の回転に伴い、2次転写ローラ7と対向する2次転写位置に搬送される。また、この2次転写位置には、図示しないレジストローラにより所定のタイミングで転写紙が搬送される。そして、この2次転写位置において、2次転写ローラ7により転写紙の裏面に所定のバイアス電圧が印加され、そのバイアス印加により発生した2次転写電界及び2次転写位置での当接圧により、中間転写ベルト5上のトナー像が転写紙上に一括して2次転写される。その後、トナー像が2次転写された転写紙は、定着ローラ対8により定着処理がなされた後に装置外に排出される。
【0033】
次に、本発明の特徴部分である、減速手段としての遊星差動歯車減速装置を備える駆動手段としての減速機構付き駆動装置である感光体駆動装置について説明する。尚、各感光体ドラム1Y,1M,1C,1Bkは、同一構成の感光体駆動装置により回転駆動されているので、以下、感光体ドラム1Yの感光体駆動装置10について説明する。
【0034】
図2は、本実施形態における感光ドラム1Yの軸方向一端部外方に設置される感光体駆動装置10の部分断面図である。この感光ドラム1Yの軸方向両端には、その感光体ドラム1Yの軸方向端部面を塞ぐように、円板状のドラムフランジ1aが固定されている。このドラムフランジ1aの円板は、感光体駆動装置10の固定内歯歯車11の固定支持部材12によって回転自在に支持されており、ドラムフランジ1aに固定されている出力内歯歯車13の回転力が伝達されるように構成されている。また、このドラムフランジ1aは、滑らかな回転が可能となるように、本実施形態の複写機の内部筺体を構成する側板100のモータ軸受100aと同軸となるように回転可能に軸受けされ、支持されている。また、感光体駆動装置10は、側板100に対して感光体ドラム側に位置し、その側板100に固定されている。また、同側板100には駆動モータ14も固定されている。感光ドラム軸方向にドラムフランジ1aは、固定された感光ドラム1Yと出力内歯車13と供に感光体駆動装置10から着脱可能となっている。また、感光体ドラム1Yの表面、又は、ドラムフランジ1aに固定されたNS極を等間隔に着磁してなる磁気リング15と回転を感光体駆動装置10の側面に固定されたMRセンサ16とを有しており、感光体ドラム1Yが感光体駆動装置10に装着されると速度検出機構が構成され、磁気リング15、すなわち感光体ドラム1Yの回転速度が検出され、検出結果はモータ駆動制御コントローラに送られ、一定回転速度に制御される。
なお、本実施形態の感光体駆動装置10は、感光体ドラムの他、転写ベルト5の駆動ローラ51においても同様に適用することができる。
【0035】
次に、図3、4及び5を用いて遊星歯車機構の基本構造について説明する。図中符号cはキャリア、sは太陽外歯歯車、fは固定内歯歯車、rは回転内歯歯車、pは遊星歯車をそれぞれ示す。
図3は、2K−H型の遊星歯車機構の一例を示す構成図である。図示の遊星歯車機構では、キャリアc1の回転軸が入力軸となっており、回転内歯歯車r1の回転軸が出力軸となっている。キャリアc1の回転により、回転駆動される第1遊星歯車p11は固定側の第1内歯歯車f1と噛合う。第1遊星歯車p11と一体に回転する第2の遊星歯車p12は、回転側の第2の内歯歯車r1と噛合う。第1及び第2の一体に回転する遊星歯車は2個以上あり、キャリアc1の回転中心回りに等角度間隔でキャリアc1により保持されている。ここで、固定側の第1内歯歯車f1の歯数は、回転側の第2の内歯歯車r1の歯数よりも多く構成されており、この歯数差が小さいほど大きな減速比が得られる。特に、第1遊星歯車p11と第2の遊星歯車p12の歯数を一致させ、固定側の第1内歯歯車f1と回転側の第2の内歯歯車r1の歯数差を2歯程度とする不思議遊星歯車機構とすることで、より大きな減速比が得られる。図3の内歯車を用いた構成の他に、固定側及び回転側の両方を外歯歯車で構成した実施形態もある(特許文献1参照)。
【0036】
図4は、2K−H型の遊星歯車機構の他の一例を示す構成図である。太陽外歯歯車s2の回転軸が入力軸となっており、キャリアc2の回転軸が出力軸となっている。太陽外歯歯車s2の回転により、第1遊星歯車p21は回転駆動され、一体に回転する第2の遊星歯車p22は固定内歯歯車f2に噛合う。第1及び第2の一体に回転する遊星歯車は2個以上あり、キャリアc2の回転中心回りに等角度間隔でキャリアc2により保持されている。遊星歯車の公転回転はキャリアc2の回転となり出力される。ここで、第1遊星歯車p21の歯数は、第2の遊星歯車p22の歯数よりも多く構成されており、この歯数差が大きいほど大きな減速比が得られる。
【0037】
図5は、3K型の遊星歯車機構の一例を示す構成図である。3K型の遊星歯車機構は、3本の基本軸のうち2本が内歯歯車で構成された機構をA型、2本が外歯歯車で構成された機構をB型とし、また、その2本の歯車において歯数の大小関係で1型、2型と分類し、合計で4種類に分類される(非特許文献2参照)。図5の例では、3K−A1型に分類される機構を示している。なお、本発明は上記4種類のいずれの3K型遊星歯車機構においても適用可能である。また、第1及び第2の遊星歯車の歯数が等しい不思議遊星歯車機構においても同様に適用が可能である。太陽歯車s3の回転軸が入力軸となっており、回転内歯歯車r3の回転軸が出力軸となっている。太陽歯車s3の回転により、噛合駆動される第1遊星歯車p31は固定側の第1内歯歯車f3と噛合う。第1遊星歯車p31と一体に回転する第2の遊星歯車p32は、回転側の第2の内歯歯車r3と噛合う。第1及び第2の一体に回転する遊星歯車は2個以上あり、キャリアc3の回転中心回りに等角度間隔でキャリアc3により保持されている。ここで、固定側の第1内歯歯車f3の歯数は、回転側の第2の内歯歯車r3の歯数よりも多く構成されており、この歯数差が小さいほど大きな減速比が得られる。
【0038】
本実施形態は、一体に回転する第1遊星歯車と第2遊星歯車を有する構成である。又は、同一歯数の第1遊星歯車と第2の遊星歯車に、歯数の異なる2つの内歯歯車又は2つの外歯歯車が噛合う構成である。つまり、軸方向において第1噛合い部と第2の噛合い部の段付構成を有する遊星歯車を用いた機構である。
【0039】
次に、3K型の遊星歯車減速機におけるキャリアの遊星歯車回転支持構造を図面にもとづいて説明する。
図6は、本発明の荷重等配装置がキャリアに適用された遊星歯車減速機の全体構成を示す断面図であり、図7は、図6中におけるキャリアの斜視図である。
【0040】
図6において、感光体駆動装置10は、駆動モータの駆動力を受けて回転する入力軸17、入力軸17に固定され入力軸17と共に回動する太陽歯車18、太陽歯車18に空隙を介して同軸状に配設された内歯歯車11、前記空隙に配設され太陽歯車18及び第1歯車としての固定内歯歯車11に噛合する第1遊星歯車部としての第1遊星歯車19、第1遊星歯車19と一体で回転する第2遊星歯車部としての第2遊星歯車20、第1遊星歯車19と第2遊星歯車20とを、軸受21を介して回転支持する連結ピン22、連結ピン22を固定支持すると共に太陽歯車18と同軸状に回転自在に支持されたキャリア23、キャリア23の回転中心と同軸状に配設され第2遊星歯車20と噛合する第2歯車としての回転内歯歯車13、固定内歯歯車11を固定するハウジング12、回転内歯歯車13の回転を感光体ドラム1へ伝達するドラムフランジ1a等を備えている。また、太陽歯車18、第1遊星歯車19、第2遊星歯車20、固定内歯歯車11、回転内歯歯車13は、はすば歯車によって形成されている。また、第1遊星歯車19と第2遊星歯車20とは一体で形成され段付遊星歯車29を構成する。
【0041】
入力軸17は、駆動モータ14と連結して固定されるか、モータ回転軸に直接太陽歯車18を歯切りして一体成形する。一体成形により、高い取付け精度と高い伝達剛性が期待できる。ハウジング12は図示しない筐体に固定さており、固定内歯歯車11は回転不能に固定される。一方、ドラムフランジ1aは図示しない筐体又は被駆動回転体によって回転支持される。一体成形された第1遊星歯車19と第2遊星歯車20とは、太陽歯車18の周方向に沿って複数備えられ、各々軸受21を介して連結ピン22によって回転自在に支持される。各々の連結ピン22の両端はキャリア23に支持されている。
【0042】
図7において、キャリア23は、右側板24と左側板25とが3つの支柱26で連結され、円筒状に形成されている。右側板24には太陽歯車18を収納するための開口穴24aと、遊星歯車19,20を回転自在に支持する連結ピン22を取り付けるための取付孔24bと、支柱26を連結するための連結孔(不図示)とが形成されている。また、左側板25には、連結ピン22を取り付けるための取付孔25aと、支柱26を連結するための連結孔25bとが形成されている。太陽歯車18の周方向に備える遊星歯車19,20の数は任意であり、本実施形態では3個の場合を示している。従って、右側板24と左側板25との取付孔24b、25aは周方向にそれぞれ3箇所づつ形成されている。また、上記支柱26は周方向の3箇所に設けられており、第1及び第2遊星歯車19,20を支持する連結ピン22の傾斜や、左右側板24,25間のねじれを防止し、振動や回転変動の発生、伝達効率の低下を防止している。
【0043】
図8は、図3及び図5で説明した遊星歯車機構(2K−H型、3K型)における段付遊星歯車として第1遊星歯車19及び第2遊星歯車20の歯にかかる軸直角方向(歯車回転方向)の荷重を示す概略斜視図である。図中の矢印A,Bがそれぞれの遊星歯車にかかる軸直角方向の荷重で、このように段付遊星歯車にはそれぞれ逆方向の荷重がかかることがわかる。このような荷重がかかるため段付遊星歯車は軸の傾斜(スキュー)が発生しやすく、本実施形態では、キャリア23に支柱26を設けスキューを防止している。
【0044】
本実施形態では、上述したように各歯車にはすば歯車を採用している。従って、遊星歯車には軸直角方向の荷重が発生すると同時にスラスト方向(軸方向)の荷重も発生する。図9は、図8に示す軸直角方向の荷重が発生し、段付遊星歯車の第1遊星歯車19と第2遊星歯車20とのはすばがそれぞれが逆のねじれ方向を有する場合のスラスト荷重を示す概略斜視図である。図中矢印Dが第1遊星歯車19にかかるスラスト荷重で、矢印Eが第2遊星歯車20にかかるスラスト荷重であり、これらのスラスト荷重は同方向となる。詳細は後述するが、本実施形態では、このスラスト荷重を利用した荷重等配機構を提案しているため、段付遊星歯車の各はすばのねじれ方向は逆方向とし、それぞれの歯面荷重により同方向のスラスト荷重が発生するよう構成することが望ましい。あるいは、段付遊星歯車の各はすばのねじれ方向を同方向とした場合は、それぞれの逆方向のスラスト荷重が相殺してゼロとならないよう、どちらか一方のスラスト荷重が大きくなるように方向に各々のねじれ角を調整し、スラスト荷重が発生するように構成することが望ましい。3K型の場合は太陽歯車の第1遊星歯車との噛合いによるスラスト荷重分も考慮する必要がある。
【0045】
図10は、図4で説明した遊星歯車機構(2K−H型)における段付遊星歯車として第1遊星歯車p21及び第2の遊星歯車p22の歯にかかる軸直角の荷重方向とスラスト荷重の方向の説明図である。また、図11は、比較例として、段付でない1段遊星歯車構成の軸直角の荷重方向とスラスト荷重の方向の説明図である。
図11において、内歯歯車fを回転不能に固定しキャリアcの回転を出力とした場合、矢印G,Hに示すように1段遊星歯車構成では軸直角荷重は同方向、同じ大きさで発生する。この時、遊星歯車sにかかるスラスト荷重は2箇所の噛合い部でそれぞれ逆方向となる。従って、それぞれスラスト荷重が相殺し、遊星歯車sはスラスト移動することは無い。
これに対して、図10に示す構成の段付遊星歯車機構では、第1遊星歯車p21と第2遊星歯車p22のはすばのねじれ方向が同じであった場合、軸直角荷重は同方向となる。しかし、太陽歯車sと内歯歯車fがそれぞれピッチ円の異なる遊星歯車に噛合っているため、軸直角荷重K,Lの大きさが異なる。従って、スラスト荷重は完全に相殺されず、遊星歯車sにスラスト移動する力が発生する。また、第1遊星歯車p21と第2遊星歯車p22のはすばのねじれ方向が逆であった場合、スラスト荷重の方向が同一方向となり、遊星歯車sのスラスト移動する力は大きくなる。
【0046】
このように、本実施形態では、はすば歯車の段付遊星歯車を利用した遊星歯車機構のため、遊星歯車にスラスト荷重が発生する。また、そのスラスト荷重の大きさや方向は段付遊星歯車の第1遊星歯車と第2遊星歯車とのねじれ方向とねじれ角の調整で任意に設定できるという優れた特徴を有している。
【0047】
本実施形態では、複数の遊星歯車に発生するスラスト荷重を互いに均等に配分する荷重等配機構を備えている。
図6において、段付遊星歯車29を回転自在に支持する左右の軸受21が連結ピン22上をガタなくスムーズにスラスト方向に移動可能なように、軸受21の内輪内径と連結ピン22の外径とが所定のはめあい寸法公差で形成されている。また、連結ピン22には平板部材としてのバランスプレート27がスラスト方向に移動可能に保持されており、このバランスプレート27はキャリア23の左側板25の中心部に設けられた半球状の支持部材28を支点にして揺動自在となっている。バランスプレート27は支持部材28が当接する側と反対側(図中右側)で、各段付遊星歯車29の軸受21の左端部と当接し、段付遊星歯車29のスラスト荷重を受ける。
【0048】
図12は、上記荷重等配機構を説明するための段付遊星歯車を備えたキャリアの正面図である。図13はキャリアを図12中左方向から見た側面図である。なお、図12では、動作説明の便宜上、3個の段付遊星歯車29,30,33のうち2個の段付遊星歯車29,30を表示するとともに、段付遊星歯車29については断面を表示している。
【0049】
上述したように荷重等配機構は、主にバランスプレート27と支持部材28とから構成されている。図13に示すように、バランスプレート27には3本の各連結ピン22が貫通する貫通孔27aが等角度間隔(図示の例は120度間隔)で3つ形成されており、これらの貫通孔27aに連結ピン22が貫通することで、バランスプレート27をスラスト方向に移動可能に保持する。支持部材28は、バランスプレート27に対して、各段付遊星歯車29,30,33から等距離の中心位置が支点となるように配設されている。なお、上記バランスプレート27の形状や貫通穴数は、段付遊星歯車数に応じて適宜変更させればよい。
【0050】
段付遊星歯車29の第1遊星歯車19及び第2遊星歯車20に前述したようにスラスト荷重D及びEが発生するとバランスプレート27の一端にはスラスト荷重Qが働く。バランスプレート27の中心部で支持部材28によって支持されているため、バランスプレート27の他端には反対方向のスラスト荷重Tが発生し、段付遊星歯車30のスラスト移動力として伝達される。バランスプレート27を介して、同様のスラスト荷重の伝達が各段付遊星歯車から発生するため、各段付遊星歯車のスラスト荷重が同じとなる状態が、バランスプレート27の平衡状態となる。各段付遊星歯車のスラスト荷重の大きさは、前述したように軸直角方向の荷重の大きさと相関があるため、スラスト荷重が各段付遊星歯車で一致した状態は、回転伝達のための軸直角方向の荷重も一致している。これによって、各段付遊星歯車の荷重等配が可能となり、振動や回転角速度変動を抑制するとともに、耐久性を向上させることができる。
【0051】
上記荷重等配機構に、より効果的に作用させるための部材を配設してもよい。図14は段付遊星歯車29,30を備えたキャリア23の概略正面図であり、支持部材28としてネジを用い、連結ピン22にワッシャ34と付勢部材35とを配設した構成を示している。
支持部材28として、先端部が半球状に加工されたネジを用い、キャリア23の左側板25の中心部にネジ孔25cを加工して、そのネジ孔25cに螺合させてもよい。ネジ締め量によって、図中横方向に支持部材28の支点突起部の位置を微調整できるので、段付遊星歯車29,30が移動可能な領域を調整し、第1遊星歯車19,31が回転内歯歯車13と接触するなどの不具合を防止することができる。ネジとしては、例えば、すりわり付き又は六角穴付きの丸先イモネジ(セットスクリュー)を用いることができる。この丸先イモネジを用いることにより、ネジ後端部のすりわり部又は六角穴部にマイナスドライバ又は六角レンチを係合して回転することで、ネジ締め量の調整を容易に行うことができる。また、ネジ部の一部に例えばナイロン(登録商標)が設けられた緩み止めのネジを用いることで、回転駆動中のネジの緩みによるネジ締め量の変動を防ぐことができる。
また、ワッシャ34は、バランスプレート27と段付遊星歯車29,30との間に挿入された状態で連結ピン22に保持されている。ワッシャ34は弾性材料、樹脂材料、炭素材料で製作されてものを用いている。これによって、定格回転時に歯の噛合い周期で発生するスラスト荷重の変動を吸収し、バランスプレート27の振動を防止することができる。ここで、「定格回転時」とは、所定の画像形成動作が行われるように感光体ドラム(転写ベルト)が予め決められた規定の回転速度で回転しているときをいう。感光体ドラムは、例えば1〜3Hzの既定回転速度で、画像形成中は一定速度に駆動される。
また、付勢部材23は、バランスプレート27と段付遊星歯車29,30とが当接する端部とは反対側の端部とキャリア10の右側板24との間に挿入された状態で連結ピン22に保持されている。付勢部材23は、バネやゴムなどの弾性部材で構成され、弱いスラスト力を段付遊星歯車29,30に与え、段付遊星歯車29,30をバランスプレート27に当接するするように付勢している。これによって、段付遊星歯車29,30の幅方向の製造誤差やキャリア23の製造誤差、バランスプレート27の経時変形などに応じて段付遊星歯車29,30をバランスプレート27に当接させて、荷重等配効果を発生、維持することができる。
【0052】
また、上記荷重等配機構を段付遊星歯車の両端部に設置してもよい。これにより、スラスト荷重の伝達剛性が上がり高い効果が得られる。図15はキャリア23を図12中右方向から見た側面図である。キャリア23の右側板24には太陽歯車18を収納するための開口穴24aを有しているので、上記構成のバランスプレート27を用いることができず、また支持部材28を右側板24の中央部に設けることもできない。このため、キャリアの右側板中央に開口穴を有しており、中央部に支点部材を配置できない場合で、かつ、段付遊星歯車が3個以上配設されている場合には、図示のように、板状部材として略三角形状のトライアングルプレート36を用いることことできる。トライアングルプレート36は3本の各連結ピン22が貫通する穴36aを有しており、周方向に隣り合う2個の段付遊星歯車軸間の中心に支持部材37が設置されている。本構成の荷重等配機構においても、その動作及び作用は上記と同様であり、1つの段付遊星歯車に働くスラスト力が他2つの段付遊星歯車それぞれに反対方向のスラスト力として伝達される。なお、上記トライアングルプレート36の形状や貫通穴数は、段付遊星歯車数に応じて適宜変更させればよい。
【0053】
図16は各段付遊星歯車に発生するスラスト荷重を利用した荷重等配機構の他の変形例を示す。図12で説明した荷重等配機構はバランスプレート27と支持部材28とを用いて構成されていたが、本変形例ではリング状テーパ部材38とテーパ部材39とを用いて構成されている。
押圧部材としてのリング状テーパ部材38は、内側にテーパ部が形成されたリング形状をしていて、回転内歯車13(図6参照)と結合又は一体に構成されている。また、テーパ部材39はリング状テーパ部材38と段付遊星歯車29,30との間に挿入された状態で、各段付遊星歯車29,30のスラスト荷重に応じてスラスト方向に移動可能となるように、連結ピン22に保持されている。このため、テーパ部材39は段付遊星歯車29,30のスラスト移動に応じてスラスト移動可能となっている。リング状テーパ部材38のテーパ部とテーパ部材39のテーパ部とは略同角度に形成されていて、これらの当接部では線接触してスムーズに荷重の伝達が行われる。
図中段付遊星歯車29に発生したスラスト荷重Uは、テーパー部材39からリング状テーパー部材38へ斜め上方の圧接力U1としてとして働く。この圧接力U1によって、リング状テーパー部材38及び回転内歯歯車13に働く図中上方向への荷重と、キャリア23がその反力で図中下方向へ働く荷重によって、段付遊星歯車30にはテーパー部材39を介して圧接力V1が作用してスラスト荷重Vが発生する。このようにリング状テーパー部材38とキャリア23を介して、同様のスラスト荷重の伝達が各段付遊星歯車から発生するため、各段付遊星歯車のスラスト荷重が同じとなる状態が平衡状態となる。これによって、各段付遊星歯車の荷重等配が可能となり、振動や回転角速度変動を抑制し、耐久性を向上させることができる。なお、テーパー部材39は段付遊星歯車と連結、又は一体構成としてもよい。一体構成とすることでテーパー部材が摩擦伝達による段付遊星歯車の回転伝達機能を有し、回転伝達力が向上する。特に歯の噛合い周期のトルク変動を補償する伝達力が発生し、回転変動や振動の抑制となる。
【0054】
上記図16で説明した構成の荷重等配機構に、より効果的に作用させるための部材を配設してもよい。図17は段付遊星歯車29,30を備えたキャリア23の概略正面図であり、テーパ付円板部材40と、段付遊星歯車29,30の図中右側端部にリング状テーパ部材と、テーパ部材42と、テーパ付円板43とを配設した構成を示している。
押圧部材としてのテーパ付円板40は、キャリア23の左側板25に回転自在に支持されている。上記図16で説明した構成の荷重等配機構では、リング状テーパー部材38とキャリア23を介してスラスト荷重が伝播していたのに対し、テーパ付円板40を設けることで、段付遊星歯車29で発生したスラスト荷重Uによる圧接力分力U2がテーパ部材39からテーパ付円板40に伝わり、さらにテーパ付円板40から圧接力分力V2としてテーパ部材39を介して段付遊星歯車30に伝播される。一方、段付遊星歯車29で発生したスラスト荷重Uによる圧接力分力U1はリング状テーパ部材38により圧接力分力V1としてテーパ部材39を介して段付遊星歯車30に伝播される。このように、リング状テーパー部材38とテーパ付円板40とを介してスラスト荷重が伝播するため、連結ピン22のたわみや段付遊星歯車の軸受部のガタに影響されず、よりダイレクトに他方の段付遊星歯車へスラスト荷重の働きを伝播させることが可能となる。
【0055】
また、同様の荷重等配機構を段付遊星歯車の両側に配置してもよい。図示の例では、段付遊星歯車29,30の図中右側端部(入力軸側)にリング状テーパ部材41と、テーパ部材42と、テーパ付円板43とを配設している。これによって、入力軸の回転方向で発生するスラスト荷重の方向の変化に対応でき、入力軸の正逆回転のどちらにも荷重等配効果が期待できる。なお、入力側のリング状テーパー部材41は、固定内歯歯車11またはケーシング12(図6参照)に回転不能に固定されており、テーパ付円板43の中央部には太陽歯車軸17が貫通するための穴が形成されている。
また、テーパ付円板43と右側板25との間に付勢部材を設けることで、上記付勢部材35を設けた構成と同様の効果が得られる。
【0056】
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0057】
また、本発明は、中間転写体上に順次、各色のトナー像を重ね合わせて転写し、重ね合わされたトナー像を一括して記録媒体に転写するいわゆる中間転写方式の画像形成装置にも適用可能である。本発明は、1つの感光体ドラム上に順次各色のトナー像を形成して各色トナー像を順次重ね合わせてカラー画像を得るいわゆる1ドラム方式の画像形成装置にも適用可能である。本発明は、モノクロのみの画像形成が可能な画像形成装置にも適用可能である。
【0058】
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0059】
以上、上記実施形態によれば、第1遊星歯車部としての第1遊星歯車と歯数又は歯形状が異なる第2遊星歯車部としての第2遊星歯車が連結又は一体に構成された遊星歯車としての複数の段付遊星歯車29,30,33を有する。また、第1遊星歯車に噛合う第1歯車としての固定内歯歯車11と、第2遊星歯車に噛合う第2歯車としての回転内歯歯車13と、駆動源としてのモータ14からの駆動を各段付遊星歯車に伝達する太陽歯車18と、各段付遊星歯車29,30,33を回動自在に支持すると共に、ケーシング12に回動自在に支持されたキャリア23とを更に有する。各段付遊星歯車において、第1遊星歯車と第2遊星歯車の少なくとも一方は、はす歯歯車で構成され、そのはす歯歯車は、段付遊星歯車が固定内歯歯車11及び回転内歯歯車13の両方と噛合うことによって生じるスラスト荷重が、段付遊星歯車の回転軸方向の1方向に生じるように構成され、各段付遊星歯車は、前記スラスト荷重に応じて回転軸方向に移動可能に支持され、キャリア23は、複数の段付遊星歯車29,30,33の1つに生じるスラスト荷重を受けることにより他の段付遊星歯車に逆方向のスラスト荷重を伝達する伝達手段を有している。この伝達手段によって、複数の段付遊星歯車29,30,33のうち1つの段付遊星歯車に生じたスラスト荷重は他の段付遊星歯車に逆方向のスラスト荷重として伝達され、また、上記他の段付遊星歯車に生じたスラスト荷重はさらに他の段付遊星歯車に逆方向のスラスト荷重として伝達される。スラスト荷重は複数の段付遊星歯車29,30,33において全て同じ方向に生じており、遊星歯車機構を構成する各歯車の偏心、ピッチ誤差、取付位置誤差等がある場合であっても、1回転する間に複数の段付遊星歯車29,30,33で生じたスラスト荷重を全ての段付遊星歯車29,30,33で均等に負荷配分することができるので、遊星歯車減速機構に備えられた複数の段付遊星歯車29,30,33への荷重不均等を緩和し、回転角速度変動及び振動を緩和することができ、歯車の長寿命化も達成できる。
【0060】
また、上記実施形態によれば、前記伝達手段は、キャリア23に支持された複数の段付遊星歯車29,30,33の軸方向に対して接触する板状部材としてのバランスプレート27と、キャリア23に支持された前記複数の遊星歯車軸としての連結ピン22から等距離にある中心部にてバランスプレート27を支持する支持部材28と、を備えているので、例えば1つの段付遊星歯車29に生じたバランスプレート27方向のスラスト荷重は他の段付遊星歯車30に反対方向のスラスト荷重として作用する。このように、複数の段付遊星歯車29,30,33に生じたスラスト荷重をバランスプレート27と支持部材28とにより各段付遊星歯車29,30,33に均等に配分することができるので、振動や回転角速度変動を抑制するとともに、耐久性を向上させることができる。
【0061】
また、上記実施形態によれば、支持部材28は、バランスプレート27の支点の位置を段付遊星歯車29,30,33の軸方向において調整可能な調整手段としてネジを有しているので、ネジ締め量によって、支持部材28の支点突起部の位置を微調整できるので、段付遊星歯車29,30,33が移動可能な領域を調整し、第1遊星歯車が回転内歯歯車13と接触するなどの不具合を防止することができる。
【0062】
また、上記実施形態によれば、バランスプレート27と段付遊星歯車29,30,33の軸方向端部との間に、段付遊星歯車29,30,33の定格回転時における噛合い周期の振動を吸収する振動吸収部材としてワッシャ34を有するので、歯の噛合い周期で発生するスラスト荷重の変動を吸収し、バランスプレート27の振動を防止することができる。
【0063】
また、上記実施形態によれば、前記伝達手段は、複数の段付遊星歯車29,30,33の軸方向端部にテーパ部材39と、テーパ部材39の1つと接触することにより、他のテーパ部材39を押圧する押圧部材と、を備えているので、段付遊星歯車29,30,33間でそれぞれに発生したスラスト荷重が良好に伝達される。
【0064】
また、上記実施形態によれば、前記押圧部材としてのリング状テーパ部材38は、前記第1歯車としての固定内歯車11又は第2歯車としての回転内歯車13に設けられ、且つ内周部が環状に形成され、該内周部においてテーパ部材39を押圧する第1押圧部を有するので、リング状テーパー部材38とキャリア23とを介して、各段付遊星歯車から発生したスラスト荷重が他の段付遊星歯車に伝達し、各段付遊星歯車間でスラスト荷重が平衡状態となる。
【0065】
また、上記実施形態によれば、前記押圧部材としてのテーパ付円板40は、キャリア23中央部に設けられ、且つ外周部が環状に形成され、該外周部において、テーパ部材39を押圧する第2押圧部を有するので、リング状テーパー部材38とテーパ付円板40とを介して、各段付遊星歯車から発生したスラスト荷重が他の段付遊星歯車に伝達し、各段付遊星歯車間でスラスト荷重が平衡状態となる。
【0066】
また、上記実施形態によれば、テーパ部材39及びリング状テーパ部材30、テーパ付円板40を、段付遊星歯車29,30,33の軸方向両側に設けたので、入力軸の回転方向で発生するスラスト荷重の方向の変化に対応でき、入力軸の正逆回転のどちらにもスラスト荷重を均等に配分できる。
【0067】
また、上記実施形態によれば、段付遊星歯車29,30,33の回転軸上に、段付遊星歯車29,30,33を前記スラスト荷重が生じる方向と同じ方向へ付勢する付勢部材35を設けたので、段付遊星歯車29,30,33の幅方向の製造誤差やキャリア23の製造誤差、バランスプレート27の経時変形などに応じて段付遊星歯車29,30,33をバランスプレート27に当接させて、スラスト荷重を均等に配分する効果を発生、維持することができる。
【0068】
また、上記実施形態によれば、第1遊星歯車と第2遊星歯車はいずれもはす歯歯車で構成され、第1遊星歯車におけるはす歯のねじれ方向と第2遊星歯車におけるはす歯のねじれ方向が異なるので、回転駆動により第1遊星歯車に発生するスラスト荷重の方向と第2遊星歯車に発生するスラスト荷重の方向とを一致させることができる。
【0069】
また、上記実施形態によれば、段付遊星歯車29,30,33は、第1遊星歯車と第2遊星歯車との径が異なる段付歯車であるので、径が同じである場合に比べ減速比を大きく設定することができる。
【0070】
また、上記実施形態によれば、前記遊星歯車減速装置を感光体ドラム駆動装置としての感光体駆動装置10に用いたので、感光体の回転角速度変動及び振動を緩和することができ、歯車の長寿命化も達成できる。
【0071】
また、上記実施形態によれば、前記遊星歯車減速装置を転写ベルト駆動装置に用いたので、転写ベルト5の回転駆動において回転角速度変動及び振動を緩和することができ、歯車の長寿命化も達成できる。
【符号の説明】
【0072】
1、1Y、1M、1C、1Bk 感光体
10 感光体駆動装置
14 駆動源
18 太陽歯車
19、31 第1遊星歯車
20、32 第2遊星歯車
23 キャリア
27 バランスプレート
28 支持部材
29、30、33 段付遊星歯車
36 トライアングルプレート
37 支持部材
38,41 リング状テーパ部材
39,42 テーパ部材
40,43 テーパ付円板
【先行技術文献】
【特許文献】
【0073】
【特許文献1】特開2004−232834号公報
【非特許文献】
【0074】
【非特許文献1】矢田恒二著、「歯車応用機構の設計(2)」、機械の研究、第49巻、第11号、1997年
【非特許文献2】矢田恒二著、「歯車応用機構の設計(26)」、機械の研究、第51巻、第11号、1999年

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1遊星歯車部と歯数又は歯形状が異なる第2遊星歯車部が連結又は一体に構成された遊星歯車と、
前記第1遊星歯車部に噛合う第1歯車と、
前記第2遊星歯車部に噛合う第2歯車と、
駆動源からの駆動を前記遊星歯車に伝達する太陽歯車と、
複数の前記遊星歯車を回動自在に支持すると共に、ケーシングに回動自在に支持されたキャリアと、を有する遊星歯車減速装置であって、
前記第1遊星歯車部と前記第2遊星歯車部の少なくとも一方は、はす歯歯車で構成され、且つ該はす歯歯車は、前記遊星歯車が前記第1歯車及び前記第2歯車の両方と噛合うことによって生じるスラスト荷重が、前記遊星歯車の回転軸方向の1方向に生じるように構成され、
前記遊星歯車は、前記スラスト荷重に応じて回転軸方向に移動可能に支持され、
前記キャリアは、前記遊星歯車の1つに生じるスラスト荷重を受けることにより他の前記遊星歯車に逆方向のスラスト荷重を伝達する伝達手段を有することを特徴とする遊星歯車減速装置。
【請求項2】
請求項1に記載の遊星歯車減速装置において、
前記伝達手段は、
前記キャリアに支持された複数の前記遊星歯車の軸方向に対して接触する板状部材と、
前記キャリアに支持された前記複数の遊星歯車軸から互いに略等距離にある中心部にて該平板部材を支持する支持部材と、を備えることを特徴とする遊星歯車減速装置。
【請求項3】
請求項2に記載の遊星歯車減速装置において、
前記支持部材は、前記板状部材の支点の位置を前記遊星歯車の軸方向において調整可能な調整手段を有することを特徴とする遊星歯車減速装置
【請求項4】
請求項2又は3に記載の遊星歯車減速装置において、
前記板状部材と前記遊星歯車の軸方向端部との間に、前記遊星歯車の定格回転時における噛合い周期の振動を吸収する振動吸収部材を有することを特徴とする遊星歯車減速装置。
【請求項5】
請求項1に記載の遊星歯車減速装置において、
前記伝達手段は、
前記複数の遊星歯車の軸方向端部にテーパー部材と、
該テーパー部材の1つと接触することにより、他の該テーパ部材を押圧する押圧部材と、を備えたことを特徴とする遊星歯車減速装置。
【請求項6】
請求項5に記載の遊星歯車減速装置において、
前記押圧部材は、前記第1歯車または前記第2歯車に設けられ、且つ内周部が環状に形成され、該内周部において前記テーパー部材を押圧する第1押圧部を有することを特徴とする遊星歯車減速装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載の遊星歯車減速装置において、
前記押圧部材は、前記キャリア中央部に設けられ、且つ外周部が環状に形成され、該外周部において前記テーパー部材を押圧する第2押圧部を有することを特徴とする遊星歯車減速装置。
【請求項8】
請求項5ないし7のいずれかに記載の遊星歯車減速装置において、
前記テーパー部材及び前記押圧部材を、前記遊星歯車の軸方向両側に設けたことを特徴とする遊星歯車減速装置
【請求項9】
請求項1ないし7のいずれかに記載の遊星歯車減速装置において、
前記遊星歯車の回転軸上に、該遊星歯車を前記スラスト荷重が生じる方向と同じ方向へ付勢する付勢部材を有することを特徴とする遊星歯車減速装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載の遊星歯車減速装置において、
前記第1遊星歯車部と前記第2遊星歯車部はいずれもはす歯歯車で構成され、該第1遊星歯車部におけるはす歯のねじれ方向と該第2遊星歯車部におけるはす歯のねじれ方向が異なることを特徴とする遊星歯車減速装置。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれかに記載の遊星歯車減速装置において、
前記遊星歯車は、前記第1遊星歯車部と前記第2遊星歯車部との径が異なる段付歯車であることを特徴とする遊星歯車減速装置。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれかに記載の遊星歯車減速装置を感光体ドラム駆動装置に用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項1ないし11のいずれかに記載の遊星歯車減速装置を転写ベルト駆動装置に用いたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−216535(P2010−216535A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−62519(P2009−62519)
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】