説明

運搬車輌

【課題】車台上に搭載する部品点数を可及的に減少させることができ,しかも,油圧ポンプを小型化することのできる運搬車輌の荷物容器傾動機構を提供する。
【解決手段】車台上に傾動可能に設けられた荷物容器3と,車輌走行用エンジンによって駆動される圧縮機30を搭載した運搬車輌1において,前記圧縮機30として,駆動ギヤ41,43と従動ギヤ42,44の組合せから成る増速歯車機構40を備えたスクリュ圧縮機を使用し,この増速歯車機構40の中間軸46の軸端に油圧ポンプ15の駆動軸16軸端を連結する。この油圧ポンプ15によって吐出される作動油により,荷物容器3を傾動させる油圧シリンダ11に作動油を供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は運搬車輌に関し,例えば粉体運搬車輌のように,粉体の排出に使用する圧縮空気を得るための圧縮機が搭載されていると共に,車台上に傾動可能に設けられた粉体タンク等の荷物容器と,この荷物容器を傾動させるための傾動機構を備えた運搬車輌に関する。
【背景技術】
【0002】
車台上に搭載された荷物容器からの荷物の取り出しを容易とするために,油圧シリンダによってこの荷物容器を傾動可能とする構成は,ダンプカーやトラック,ゴミ収集車等の各種の運搬車輌において広く採用されている。
【0003】
このような運搬車輌の一例として,図6に示す運搬車輌は,荷物容器としてセメントや穀粉等の粉体や未製粉の穀物等の粒状体等(本明細書において,これらを総称して「粉体」という)を収容するタンク3を備えた粉体運搬車輌1であり,この粉体運搬車輌1は,タンク3内より粉体を排出する際に車輌の後方側の端部において軸支された前記タンク3を,この軸支位置を支点として前方側を持ち上げて傾動させる油圧シリンダ11から成るアクチュエータや,この油圧シリンダ11に供給する作動油を貯留した作動油タンク(図示せず),この作動油タンク内の作動油を前記油圧シリンダ11に供給する油圧ポンプ(図示せず)等を,前記荷物容器3の傾動機構として搭載している。
【0004】
また,前述の粉体運搬車輌1における粉体の取り出しは,前述のようにタンク3を傾動させるのみならず,タンク3内に圧縮空気を導入してタンク3内の粉体を分散させると共に,エゼクタとして構成された粉体排出配管5内に駆動流として圧縮空気を供給し,この圧縮空気流に粉体を合流させてタンク3外に排出することが行われており,粉体運搬車輌1にはタンク3や粉体排出配管5に圧縮空気を供給するための圧縮機を搭載している。
【0005】
なお,このような粉体の取り出しに際しては,油分や水分を含まない圧縮空気を使用する必要があることから,前述の粉体輸送車輌1に搭載される圧縮機としては,圧縮作用空間に潤滑,冷却,密封のための潤滑油や冷却水の供給を行わない,所謂「オイルフリー」型のスクリュ圧縮機が使用されており,このオイルフリー型のスクリュ圧縮機ではオス,メス一対のスクリュロータが接触することなく僅かな間隔を介して回転することから,効率的な圧縮を行うためにケーシング内に形成されたギヤ室に増速歯車機構を収容し,駆動源からの回転駆動力を増速してロータ軸に入力することでスクリュロータを高速回転できるように構成されている。
【0006】
ところで,このような粉体運搬車輌1に搭載された油圧ポンプや圧縮機は,いずれも回転駆動力の入力によって動作するものであることから,従来のこの種の粉体運搬車輌1にあっては,図7に示すように一本の入力軸8aに入力された回転駆動力を二本の出力軸8b,8cに分岐して出力することができる動力伝達装置8を搭載し,この動力伝達装置8の入力軸8aをプロペラシャフト9等を介して運搬車輌1のパワーテークオフ軸(PTO軸)6に連結すると共に,前記動力伝達装置8の出力軸8b,8cのそれぞれにプロペラシャフト9等を連結して一方を圧縮機30の主軸45に,他方を油圧ポンプ15の駆動軸16に連結して,油圧シリンダ11を作動させる油圧や,タンク3内の粉体を排出する際に使用する圧縮空気を共に得ることができるように構成されている(特許文献1の「従来技術」欄)。
【0007】
なお,このように荷物容器であるタンク3の傾動を油圧により行う場合,粉体の排出に使用される圧縮空気を供給する圧縮空気の供給系の他に,タンク3を傾動するための油圧系統,例えばタンク3を昇降させる油圧シリンダ11,前記油圧シリンダ11に作動油を供給する油圧ポンプ15,PTO軸6の出力を圧縮機と前記油圧ポンプ15に分岐して出力する前述の動力伝達装置8やプロペラシャフト9,作動油を貯留する作動油タンク,作動油の流れを切り換えるための切換弁,及びこれらを連通する油圧配管が必要で,油圧系統を設けた分だけ構成が複雑となり,コスト高となると共に,油圧系統の搭載分,車重が増加して積載量が減少することに鑑み,タンク3の昇降についても圧縮機30より供給される空気圧によって行うようにして,油圧系統を省略することも提案されている。
【0008】
このような粉体運搬車輌1として,じゃばら状で略上下に伸縮可能なエアバッグを車台とタンク間に配置して,このエアバッグの圧縮状態(潰れた状態)においてタンクを車台に対して水平に保持し,エアバッグ内に圧縮空気が圧入された伸長状態においてタンクを傾斜できるように構成したものがある(特許文献1の請求項1,図1)。
【0009】
この発明の先行技術文献情報としては次のものがある。
【特許文献1】特開平8−244521号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上のようにエアバッグによってタンクを昇降可能とした特許文献1に記載の粉体運搬車輌にあっては,タンクの傾動についても圧縮空気によって行うようにしたことから,油圧系統を省略することができるものとなっている。
【0011】
しかし,粉粒体を流動化させるためにタンク3内に吹き込む圧縮空気の圧力は通常0.2MPa程度と比較的圧力が低く,この圧縮空気を利用して粉粒体を収納した状態のタンクを持ち上げる力を生じさせるためには,エアバックの径を大きくする必要があり,タンクを傾倒させる装置(エアバック)が大型化すると共に,エアバッグに対する圧縮空気の給排出に長時間が必要で,タンクの傾動動作が遅くなる。
【0012】
このエアバッグを小型化するために,圧縮機が吐出する圧縮空気の圧力を高圧化することも考えられるが,エアバッグに供給する圧縮空気の圧力に合わせて圧縮機の吐出圧力を増大すると,粉体の排出に際してタンク3内や粉体排出配管5内に吹き込む圧縮空気の圧力が不必要に高圧化し,粉体排出時における圧縮機の動力消費が著しく増加して経済的でない。
【0013】
一方,前掲の一般的な粉体運搬車輌1のように,油圧シリンダ11でタンク3を傾倒させる構成では,油圧ポンプの吐出圧を比較的容易に高圧化可能であることから,油圧シリンダ11の径を小さくすることはできるが,前述のように圧縮機以外に油圧ポンプをも設ける必要があることから,前掲の特許文献1に記載の発明で課題としているように油圧ポンプを車台に取り付ける場所や部品が必要であること,PTO軸からの出力を分岐して圧縮機と油圧ポンプのそれぞれにエンジンの出力を伝達するプロペラシャフト9や動力伝達装置8を設ける必要があり,これらが車台2上の比較的広いスペースを占めると共に,運搬車輌1の重量を増加する。
【0014】
更に,PTO軸6の回転速度は通常1000min-1程度であり比較的低速であることから,油圧シリンダ11の作動速度を速くするには大型大容量の油圧ポンプ15を設ける必要があり,油圧ポンプ15が車台上で占める空間が増大すると共に,重量が増大する。
【0015】
なお,以上で説明した従来技術の持つ課題は,粉体運搬車輌に特有の問題ではなく,車輌走行用のエンジンの出力によって駆動される圧縮機を備えた運搬車輌において,車台上に搭載された荷物容器を傾動させる傾動機構を有する運搬車輌に共通の問題である。
【0016】
そこで本発明は,上記従来技術における欠点を解消するためになされたものであり,エアバッグに比較して小型化が容易である油圧アクチュエータによって荷物容器の昇降を行うものでありながら,車台上に搭載する部品点数を可及的に減少させることができ,しかも,給油量,従って荷物容器の傾動速度を犠牲とすることなく油圧ポンプを小型化することのできる運搬車輌を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために,本発明の運搬車輌1は,車台2上に傾動可能に設けられたタンク等の荷物容器3と,前記荷物容器3を傾動させる傾動機構10と,車輌の走行用エンジンによって駆動される圧縮機30を搭載した運搬車輌1において,
前記圧縮機30を,該圧縮機30のギヤ室49に収容された駆動ギヤ(実施形態において駆動ギヤ41,中間駆動ギヤ43)及び従動ギヤ(実施形態において中間従動ギヤ42,最終従動ギヤ44)の組合せから成る増速歯車機構40によって主軸45に入力された回転駆動力が増速されて圧縮機本体31のスクリュロータ34,35のロータ軸(実施形態においてメスロータ35の吐出側ロータ軸35a)に入力されるスクリュ圧縮機と成すと共に,
前記荷物容器3の傾動機構10として作動油を貯留した作動油タンク12と,駆動軸16に対する回転駆動力の入力により前記作動油タンク12内の作動油を吸入吐出する油圧ポンプ15と,前記油圧ポンプ15からの作動油の供給により作動して前記荷物容器3を傾動させるアクチュエータとしての油圧シリンダ11を設け,前記油圧ポンプ15の前記駆動軸16の軸端部を,前記圧縮機30の増速歯車機構40を構成する従動ギヤ(実施形態において中間従動ギヤ42)の回転軸(中間軸46)の軸端部に連結したことを特徴とする(請求項1)。
【0018】
前記構成の運搬車輌1において,前記増速歯車機構40を,前記圧縮機30の主軸45に設けられた駆動ギヤ41と,前記駆動ギヤ41によって駆動される中間従動ギヤ42,前記中間従動ギヤ42又は前記中間従動ギヤ42と同軸に設けられた中間駆動ギヤ43によって駆動される,前記ロータ軸35aに設けられた最終従動ギヤ44の組合せによって形成し,
前記油圧ポンプ15の駆動軸16を,前記中間従動ギヤ42の回転軸(中間軸46)に連結するものとしても良い(請求項2)。
【0019】
更に,前記油圧ポンプ15の駆動軸16の軸端部と,前記従動ギヤ42の回転軸46の軸端部間を,前記油圧ポンプ15の駆動軸16の軸線方向への移動により着脱可能に例えばオルダム継手やスプラインによって連結することが好ましい(請求項3)。
【発明の効果】
【0020】
以上説明した本発明の構成により,本発明の運搬車輌1にあっては,荷物容器3の傾動機構10を構成する油圧ポンプ15に入力する回転駆動力を,圧縮機30に設けた増速歯車機構40を構成する従動ギヤの回転軸を介して行うものとしたことにより,運搬車輌のPTO軸6等を介して行われる回転駆動力の入力を,圧縮機30の主軸45に対してのみ行うものとすれば同時に油圧ポンプ15を駆動することができた。
【0021】
その結果,図7を参照して説明したようにPTO軸6の出力を圧縮機用と油圧ポンプ用とに分岐するための動力伝達装置8や,PTO軸6と前記動力伝達装置8,前記動力伝達装置8と圧縮機30,油圧ポンプ15間を連結するためのプロペラシャフト9を設ける必要がなく,これにより傾動機構10が車台上を占める面積を減少することができると共に,運搬車輌1の軽量化,部品点数の減少によるコスト減が可能となった。
【0022】
また,圧縮機30が吐出する0.2MPa程度の圧力に対し,油圧ポンプ15では20MPa程度の吐出圧力を容易に得ることができ,エアバッグによって荷物容器を傾動させる特許文献1に記載の構成に比較して油圧シリンダ11の径を単純に1/100程度にすることができた。
【0023】
また,前記油圧ポンプ15の駆動軸16を,増速歯車機構40を構成するいずれかの従動ギヤ42,44の回転軸46,35aに連結したことにより,1000min-1程度の回転数であるPTO軸6の出力を,増速して油圧ポンプ15に入力することができた。その結果,PTO軸6の回転をそのまま油圧ポンプ15に入力する場合(油圧ポンプを1000min-1で駆動する場合)に比較して,油圧ポンプ15のサイズや容量が同一の場合には,吐出油量の増加によって荷物容器3の傾動を比較的速い速度で行うことができ,一方,同程度の吐出量を維持する場合には,油圧ポンプ15を大幅に小型化することができた。
【0024】
圧縮機30の増速歯車機構40を,駆動ギヤ41,中間従動ギヤ42及び最終従動ギヤ44,又は駆動ギヤ41,中間従動ギヤ42,中間駆動ギヤ43及び最終従動ギヤ44の組合せによって2段階の増速を行うものとしたことにより,各ギヤの小径化により圧縮機30自体の小型化が可能であると共に,このうちの中間従動ギヤ42の回転軸46に油圧ポンプ15の駆動軸16を連結したことにより,各段階での増速比を適宜変更することで,油圧ポンプ15に入力される回転数を油圧ポンプ15の特性に合わせて適宜設計変更することが容易であった。
【0025】
従動ギヤ42,44の回転軸46,35aの端部と,油圧ポンプ15の駆動軸16の端部間の連結を,オルダム継ぎ手又はスプラインのように,油圧ポンプ15を駆動軸16の軸線方向に移動させることにより着脱可能に構成することにより,油圧モータ15の着脱が容易であり,傾動機構10のメンテナンス性に優れる粉体運搬車輌1を提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
次に,本発明の一実施形態につき添付図面を参照しながら以下説明する。
【0027】
なお,以下に示す実施形態にあっては,本発明の運搬車輌1の一例として粉体運搬車輌を例にとり説明するが,本発明の運搬車輌は,前述したように走行用エンジンによって駆動される圧縮機を搭載した各種の運搬車輌であって,荷物容器を油圧により傾動させる傾動機構を備えた各種の運搬車輌に広く適用できる。
【0028】
〔粉体運搬車輌の全体構造〕
本発明の運搬車輌の一例である粉体運搬車輌1の全体構造を図6を参照して説明すると,この粉体運搬車輌1は,車台2上に粉体を収容するための荷物容器であるタンク3を備えている。
【0029】
このタンク3には,タンク3内に対して粉体の収容等を行う際に開閉されるハッチ4が上部に設けられていると共に,内部に収容された粉体を排出するための粉体排出用配管5が,このタンク3の後端側における下部に設けられている。
【0030】
この粉体運搬車輌1のタンク3は,タンク3の後端側における底部において車台2上に傾動可能に軸支されており,タンク3の前端側に設けられた前記タンク3の傾動機構を構成する油圧シリンダ11に対して作動油を供給することで,図6中に破線で示すように傾動し,このようにタンク3を後端側を下向きとした傾斜させた状態で,タンク3内に圧縮空気を導入すると共に,エゼクタとして構成された粉体排出用配管5に駆動流としての圧縮空気を導入することで,この圧縮空気流と粉体とを合流させてタンク3外に排出することができるように構成されている。
【0031】
〔走行用エンジンと圧縮機及び油圧ポンプの連結〕
このように,タンク3や粉体排出用配管5に対する圧縮空気の導入を可能とするために,粉体運搬車輌1には圧縮機30が搭載されていると共に,前述の油圧シリンダ11と共にタンク3の傾動機構を構成する油圧ポンプ15及び作動油タンク12を設け,この油圧ポンプ15によって吐出された作動油を,前記油圧シリンダ11に供給することができるように構成されている。
【0032】
本発明の運搬車輌1において,前述の圧縮機30は図1に示すように運搬車輌1の走行用エンジンの出力を取り出すためのPTO軸6に圧縮機30の主軸45を例えばプロペラシャフト9等を介して連結して駆動可能に構成されていると共に,この圧縮機30に対してPTO軸6の回転駆動力を入力することにより,前記油圧ポンプ15を同時に駆動することができるように構成されている。
【0033】
〔圧縮機の構造〕
前述したように,タンク3内に収容された粉体を取り出す際に使用される圧縮空気を供給する本実施形態の圧縮機30では,タンク3や粉体排出用配管5内に導入される圧縮空気が油分や水分を含まないものであることが要求されることから,このような圧縮機30として圧縮作用空間内に潤滑油や冷却水を供給することなく圧縮を行う,オイルフリースクリュ圧縮機を使用している。
【0034】
このオイルフリースクリュ圧縮機は,図2及び図3に示すように主軸45に入力された回転駆動力を増速して圧縮機本体31に伝動する増速歯車機構40がギヤ室49内に収容されていると共に,この増速歯車機構40を介して入力された回転駆動力によって駆動される圧縮機本体31を備えている。
【0035】
図示の実施形態において,増速歯車機構40によって増速された回転駆動力が入力される圧縮機本体31は,圧縮機本体31のケーシング32に形成されたシリンダ33内に,オス,メス一対のスクリュロータ34,35を噛み合い回転可能に収容している。
【0036】
この圧縮機本体31のケーシング32内に形成されたシリンダ33は,吸入側端部を開口する一方,吐出側端部を端面33aによって閉塞されており,この端面33aを貫通して一対の軸孔を形成し,該軸孔内に形成された軸受33b,33cに,前記一対のスクリュロータ34,35の吐出側ロータ軸34a,35aを回転可能に軸支している。
【0037】
一方,開放端として形成された前記シリンダ33の吸入側端部は,軸孔が形成された端板36によって被蓋されており,この軸孔内に形成された軸受36a,36bにスクリュロータ34,35の吸入側ロータ軸34b,35bを回転可能に支承した状態で,前記端板36でシリンダ33の吸入側端部を被蓋するように構成されている。
【0038】
前記シリンダ33の端面33aを貫通して圧縮機本体31のケーシング32より突設された吐出側ロータ軸34a,35aは,圧縮機30のケーシングの一部を構成するギヤケース48内に形成されたギヤ室49に延在しており,このギヤ室49内においてスクリュロータ34,35の吐出側ロータ軸34a,35aのそれぞれに,相互に噛合して回転する1組のタイミングギヤ47が取り付けられており,このタイミングギヤ47により規制されたタイミングで回転することにより,オス,メス一対のスクリュロータ34,35が接触することなく所定の隙間を保った状態で回転することができるように構成されている。
【0039】
このようにして,シリンダ33の吐出側端面33aを貫通してギヤ室39内に突設された前記ロータ軸34a,35aのいずれか一方(図2の例においてメスロータ35のロータ軸35a)には,このギヤ室49内に収容された増速歯車機構40を構成する従動ギヤ(最終従動ギヤ44)が取り付けられ,後述する増速歯車機構40によって増速されたPTO軸6の回転駆動力が伝達されて,スクリュロータ34,35が噛み合い回転するように構成されている。
【0040】
なお,図3において符号37は,圧縮機本体31の吸入口(図示せず)に連通した吸入通路であり,この吸入通路37は,シリンダ33内において前記一対のスクリュロータ34,35の噛み合いによって形成される閉じ込み前の圧縮作用空間に連通しており,前記一対のスクリュロータ34,35が噛み合い状態で回転することにより,前記吸入通路37及び吸入口を介して吸入された空気が吸入されて圧縮されるように構成されている。
【0041】
また,図3中の符号38は吐出通路であり,前記一対のスクリュロータ34,35の噛み合い回転によって圧縮された空気がこの吐出通路38に吐出されると共に,吐出口(図示せず)を介してタンク3内や粉体排出用配管5に供給される。
【0042】
エンジンのPTO軸6からの回転駆動力を前述した圧縮機本体30のロータ軸34a,34bに伝達する増速歯車機構40は,PTO軸6に連結される前述の主軸45に取り付けられた駆動ギヤ41と,この駆動ギヤ41によって回転される少なくとも1つの従動ギヤ(例えば最終従動ギヤ44)の組合せによって構成されている。
【0043】
増速歯車機構40を収容するギヤ室49が形成されたケーシング(ギヤケース48)は,圧縮機本体31のケーシング32との接合側とは反対側の端部(図2及び図3において紙面右側)を主軸45を支承する軸受51aが形成された端部カバー51によって被蓋され,前記端部カバー51より突設された主軸45を回転することにより,圧縮機本体31のロータ軸34a,34bを増速回転することができるように構成されている。
【0044】
本実施形態の構成にあっては,増速歯車機構40として,主軸45に取り付けられた相対的に大径の駆動ギヤ41と,この駆動ギヤ41によって回転される,前記駆動ギヤ41に対して小径の中間従動ギヤ42,前記中間従動ギヤ42と共に中間軸46に固定され,前記中間従動ギヤ42の回転に伴って回転する中間駆動ギヤ43,及び,前記中間駆動ギヤ43に対して小径に形成され,中間駆動ギヤ43によって駆動される最終従動ギヤ44によって構成している。
【0045】
このように,本実施形態にあっては増速歯車機構40を前述した4枚のギヤ41〜44の組合せによって構成したことから,主軸45を介して入力された回転駆動力は,駆動ギヤ41から中間従動ギヤ42に伝動される際に増速されると共に,中間駆動ギヤ43から最終従動ギヤ44に伝達される際に更に増速される二段階の増速が行われるように構成されており,このような二段階の増速を採用したことにより,各段階の増速比を低く抑えて,使用する歯車の小型化と,圧縮機30全体の小型化を図っている。
【0046】
一例として,PTO軸6の回転速度は通常約1000min-1であり,本実施形態ではこれを第1段階の増速で中間軸46を約3000min-1に増速して回転し,第2段階の増速でロータ軸35aを約6000min-1に増速して回転するように構成している。
【0047】
因みに,主軸に入力された約1000min-1の回転を,1組のギヤによって1段で6000min-1に増速するには従動ギヤの径に対して駆動ギヤの径を6倍にする必要があるが,上記のように二段階の増速で6000min-1に増速する場合には,駆動ギヤ41の径は,中間従動ギヤ42に対して3倍,中間駆動ギヤ43は,最終従動ギヤ44に対して2倍程度で良く,このような二段階の増速は,圧縮機30の小型化にも貢献するものである。
【0048】
なお,図示の実施形態にあっては,このように増速歯車機構40を4枚のギヤの組合せによって形成するものとして説明したが,例えば増速比によっては1組の駆動ギヤと従動ギヤによって構成しても良く,又は中間従動ギヤ42と中間駆動ギヤ43とを共用とした3枚のギヤによって構成しても良く,更には4枚以上のギヤを組み合わせた構成としても良い。
【0049】
〔圧縮機に対する油圧ポンプの取り付け〕
粉体運搬車輌1の車台2上に搭載されたタンク3を傾動する前述の油圧シリンダ11に作動油を供給する前述の油圧ポンプ15は,駆動軸16に対する回転駆動力の入力によって吸入口より吸入した作動油を吐出口より吐出する,歯車ポンプやトロコイドポンプ等の各種の油圧ポンプ15を使用することができ,この油圧ポンプ15の駆動軸16を,前述した圧縮機30の増速歯車機構40を構成する従動ギヤ(中間従動ギヤ42,最終従動ギヤ44)のいずれかが取り付けられた回転軸(中間軸46又はロータ軸35a),本実施形態にあっては中間従動ギヤ42が取り付けられた中間軸46に連結することにより駆動されるように構成されている。
【0050】
本実施形態にあっては,前記ギヤケース48の端部を覆う端部カバー51に外向きに開放して前記中間軸46を支承する軸受51bを収容する軸受室52を形成し,この軸受室52を軸受カバー53によって覆うことで,前記軸受室52を被蓋している。
【0051】
この軸受カバー53には,前記油圧ポンプ15の駆動軸16を挿入するための軸孔54が形成されており,この軸孔54を介して機外より油圧ポンプ15の駆動軸16を挿入することで,油圧ポンプ15の駆動軸16を,前記中間軸46の軸端を収容した軸受室52内に挿入可能に構成すると共に,軸受室52内において,中間軸46の軸端と,油圧ポンプ15の駆動軸16の軸端が連結されるように構成されている。
【0052】
なお,この油圧ポンプ15は,前述した軸受カバー53に取り付け,前記軸受室52を軸受カバー53によって覆うことで,中間軸46の軸端と,油圧ポンプ15の駆動軸16の軸端とが軸受室52内において連結されるように構成しても良い。
【0053】
前記中間軸46の軸端と,油圧ポンプ15の駆動軸16の軸端の連結は,既知の各種継手によって行うことが可能であり,また,焼き嵌めなどによって固着することもできるが,好ましくはオルダム継手やスプラインによって両者を着脱可能に連結することにより,油圧ポンプ15を駆動軸16の軸線方向に移動させるのみで容易に着脱することができ,メンテナンス性に優れる。
【0054】
なお,図2及び図3を参照して説明した実施形態にあっては,油圧ポンプ15をギヤケース48の端部カバー51側に取り付けるものとして説明したが,図4に示すように増速歯車機構40を構成する各歯車41〜44の配置を変更して,端部カバー51側の軸端とは反対側の前記中間軸46の端部に前記油圧ポンプ15の駆動軸16を連結するように構成しても良い。
【0055】
〔荷物容器傾動機構〕
以上のように圧縮機30のギヤケース48に取り付けられ,中間軸46の回転に伴って駆動される油圧ポンプ15を備えた荷物容器(タンク)3の傾動機構10の構成例を図5に示す。なお,荷物容器の傾動機構10は,図5に示す構成に限定されず,各種の変更が可能である。
【0056】
図5に示す実施形態において荷物容器の傾動機構10は,前述の油圧ポンプ15に加え,油圧ポンプ15によって吸入される作動油を貯留する作動油タンク12と,前記油圧ポンプ15が吸入して吐出した作動油の供給を受けて作動する油圧シリンダ11から成るアクチュエータを備えると共に,作動油の流れを切り換える切換弁17,リリーフ弁18,オイルフィルタ19,逆止弁13及び各部材間を連通する管路21〜26によって構成されている。
【0057】
図示の例では,前述の切換弁17は4ポート3位置切換弁であり,P−T接続された中間位置を有すると共に,一方の切換位置(図中右側)においてポートP−Aが連通し,他方の切換位置(図中左側)において,ポートP−B,ポートA−Tが連通するように構成されている。
【0058】
油圧ポンプ15の吸入口は,オイルフィルタ19を介して作動油タンク12に連通し,油圧ポンプ15の駆動によって作動油タンク12内の作動油を吸込み可能に構成されていると共に,油圧ポンプ15の吐出側は,逆止弁13を介して前記切換弁17のポートPに接続されている。
【0059】
油圧シリンダ11の油出入口は,これを切換弁17のポートAに接続すると共に,油圧シリンダ11の油出入口と切換弁のポートA間の回路23を,リリーフ弁18を介して作動油タンク12に連通する回収回路24を設け,この回収回路24の前記リリーフ弁18と作動油タンク12間の位置に,前記切換弁17のポートB及びポートTを連通して,荷物容器傾動機構10とした。
【0060】
〔作用〕
以上の構成において,運搬車輌1の走行用エンジンの出力をPTO軸6を介して圧縮機30の主軸45に入力すると,増速歯車機構40によって主軸45の回転が増速されてロータ軸35aに伝達されてスクリュロータ34,35を回転する。
【0061】
このスクリュロータ34,35の回転により図示せざるエアフィルタを介して外気が吸入通路37を介して圧縮機本体31のシリンダ33内に流入し,スクリュロータ34,35の噛み合い回転によって圧縮された空気が,圧縮機本体31の吐出通路38から吐出され,車台2に搭載された荷物容器であるタンク3や,このタンク3に設けられた粉体排出用配管5に供給され,タンク3内の粉粒体はこの圧縮空気により流動化し,図示せざる排出バルブを開くことで,粉体排出配管5内に導入された圧縮空気と合流してタンク3外に排出される。
【0062】
このように,圧縮機30の主軸45に対する回転駆動力の入力が行われると,増速歯車機構40を構成する中間従動ギヤ42の回転軸である中間軸46の回転が,この中間軸46の軸端に連結された油圧ポンプ15の駆動軸16に入力され,油圧ポンプ15は,作動油タンク12内の油を吸入吐出する。
【0063】
この油圧ポンプ15の回転により,油圧ポンプ15が吐出した作動油は切替弁17に至るが,切替弁17が中間位置にあるときには作動油は回路26及び回収回路24を介して作動油タンク12に戻り油圧シリンダ11は作動せず,従ってタンク3も傾動しない。
【0064】
タンク3の傾動を開始するときには,切替弁17を一方の切換位置(図5中右側)に切り換えると,切換弁17に至った作動油は油圧シリンダ11に供給されて油圧シリンダ11を作動し,タンク3が傾動を開始する。
【0065】
油圧ポンプは,1000min-1程度の比較的低速で回転するPTO軸6からの回転駆動力によって回転するものの,圧縮機30の増速歯車機構40に設けられた駆動ギヤ41によって増速回転されている中間従動ギヤ42の回転軸(中間軸46)を介して駆動されているために,圧縮機の増速歯車機構40が,油圧ポンプ15の増速装置としても機能して,駆動ギヤ41と中間従動ギヤ42間のギヤ比に従った,増速された回転数,本実施形態にあっては3000min-1で駆動される。その結果,油圧ポンプ15として比較的小型のものを使用した場合であってもタンク3の傾動速度を比較的速い速度に維持することができる。
【0066】
この状態において,更に油圧シリンダ11のヘッド側に対する作動油の供給を継続すると,油圧シリンダ11が完全に伸長し,タンク3は最大の傾斜角で傾斜する。
【0067】
油圧シリンダ11の伸長が最大となった状態において更に油圧ポンプ15からの作動油の供給が継続すると,油圧シリンダ11の油出入口に連通した回路23内の圧力が上昇し,この圧力上昇を受けて回収回路24に設けたリリーフ弁18が開いて作動油が回収回路24を介して作動油タンク12に回収されて回路内の圧力上昇を抑え,油圧モータ15が破損等することが防止されている。
【0068】
なお,タンク3の傾動を所望の傾動位置において停止する場合には,切換弁17を中間位置に戻すと,油圧シリンダ11に対する作動油の供給が停止して油圧シリンダ11は伸長を停止すると共に,油圧シリンダ11内に供給された作動油は排出が規制されるためにタンク3を所望の中間位置にて停止させることができる。
【0069】
このようにタンク3の傾動を停止させた状態,従って油圧シリンダ11に対する作動油の供給が行われていない状態においても,圧縮機3からの圧縮空気をタンク3や粉体排出用配管5に導入している間は,圧縮機30の駆動に伴って油圧ポンプ15も駆動されることとなるが,切換弁17が中間位置にあるとき油圧ポンプ15からの作動油は回路26及び回収回路24を介して作動油タンク12内に回収されるために油圧ポンプ15は殆ど無負荷の状態で駆動することができる。
【0070】
タンク3内に収容された粉体の排出が完了した後,タンク3を車台2に対して水平の位置に戻す場合には,切換弁17を他方の切換位置(図5中左側)に切り換える。
【0071】
切換弁17をこの位置に切り換えることにより,油圧ポンプ15から切換弁17に供給された作動油は,回路25及び回収回路24を介して作動油タンク12に回収されると共に,油圧シリンダ11の油出入口に連通された回路23が切換弁17及び回路26を介して回収回路24に連通する。
【0072】
これにより,タンク3の荷重圧力を受けている油圧シリンダ11内の作動油は,回路23内を逆流して切換弁17及び回路26を通り回収回路24を介して作動油タンク12内に回収され,タンク3は徐々にその前端側を下降させ,やがて車台2に水平な原位置に復帰する。
【0073】
タンク3の下降移動中において,タンク3の前端側の下降を停止させる場合には,前記切換弁17を中間位置に切り換えることにより,任意の位置でタンク3の下降を停止することもできる。
【0074】
以上のように,本発明の荷物容器傾動機構10にあっては,圧縮機30の増速歯車機構40を構成するいずれかの従動ギヤ(実施形態では中間従動ギヤ46)の回転軸(中間軸46)に油圧ポンプ15の駆動軸16を結合したことにより,圧縮機30の増速歯車機構40に,PTO軸6の出力を油圧ポンプ15に伝達する動力伝達装置,更にはこれを増速して油圧ポンプ15に入力する増速装置としての機能をも持たせたことにより,図7を参照して説明したようにPTO軸6を分岐して油圧ポンプ15にエンジン出力を伝達するための動力伝達装置8や,この動力伝達装置8と油圧ポンプ15間を連結するためのプロペラシャフト9等を別途設ける必要がなく,しかも,油圧ポンプ15用の増速装置を別個に設けることなしに油圧ポンプ15の増速回転が可能であることから,油圧ポンプ15自体の大幅な小型化が可能であり,圧縮機30のギヤケースに一体的にポンプを取り付けることが可能となった。
【0075】
その結果,車台2に油圧ポンプ15を取り付けるスペースを別途確保する必要がなく,しかも,前述したプロペラシャフト9や動力伝達装置8等の付属部品の設置スペースが不要であると共に,車重の軽量化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】PTO軸に対する圧縮機及び油圧ポンプの取付状態を示す説明図(本願)。
【図2】油圧モータを取り付けた状態における圧縮機の平面断面図。
【図3】図2のIII−III線断面図。
【図4】油圧モータの取付位置の変更例を示す圧縮機の平面断面図。
【図5】荷物容器傾動機構の一実施形態を示す回路図。
【図6】荷物容器を傾動可能とした運搬車輌(粉体運搬車輌)の全体説明図。
【図7】PTO軸に対する圧縮機及び油圧ポンプの取付状態を示す説明図(従来)。
【符号の説明】
【0077】
1 運搬車輌(粉体運搬車輌)
2 車台
3 荷物容器(タンク)
4 ハッチ
5 粉体排出用配管
6 パワーテークオフ(PTO)軸
8 動力伝達装置
8a 入力軸
8b,8c 出力軸
9 プロペラシャフト
10 荷物容器の傾動機構
11 油圧シリンダ
12 作動油タンク
13 逆止弁
15 油圧ポンプ
16 駆動軸(油圧ポンプの)
17 切換弁
18 リリーフ弁
19 オイルフィルタ
21〜26 管路(回路)
30 圧縮機
31 圧縮機本体
32 ケーシング(圧縮機本体の)
33 シリンダ
33a 端面(シリンダの)
33b,33c 軸受
34 オスロータ
34a ロータ軸(オスロータの吐出側)
34b ロータ軸(オスロータの吸入側)
35 メスロータ
35a ロータ軸(メスロータの吐出側)
35b ロータ軸(メスロータの吸入側)
36 端板
36a,36b 軸受
37 吸入通路
38 吐出通路
40 増速歯車機構
41 駆動ギヤ
42 中間従動ギヤ
43 中間駆動ギヤ
44 最終従動ギヤ
45 主軸
46 中間軸
47 タイミングギヤ
48 ギヤケース
49 ギヤ室
51 端部カバー(ギヤケースの)
51a,51b 軸受
52 軸受室
53 軸受カバー
54 軸孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車台上に傾動可能に設けられた荷物容器と,前記荷物容器を傾動させる傾動機構と,車輌の走行用エンジンによって駆動される圧縮機を搭載した運搬車輌において,
前記圧縮機を,該圧縮機のギヤ室に収容された駆動ギヤ及び従動ギヤの組合せから成る増速歯車機構によって主軸に入力された回転駆動力が増速されて圧縮機本体のスクリュロータのロータ軸に入力されるスクリュ圧縮機と成すと共に,
前記荷物容器の傾動機構として作動油を貯留した作動油タンクと,駆動軸に対する回転駆動力の入力により前記作動油タンク内の作動油を吸入吐出する油圧ポンプと,前記油圧ポンプからの作動油の供給により作動して前記荷物容器を傾動させる油圧アクチュエータを設け,前記油圧ポンプの前記駆動軸の軸端部を,前記圧縮機の増速歯車機構を構成する従動ギヤの回転軸の軸端部に連結したことを特徴とする運搬車輌。
【請求項2】
前記増速歯車機構を,前記圧縮機の主軸に設けられた駆動ギヤと,前記駆動ギヤによって駆動される中間従動ギヤ,前記中間従動ギヤ又は前記中間従動ギヤと同軸に設けられた中間駆動ギヤによって駆動される,前記ロータ軸に設けられた最終従動ギヤの組合せによって形成し,
前記油圧ポンプの駆動軸を,前記中間従動ギヤの回転軸に連結したことを特徴とする請求項1記載の運搬車輌。
【請求項3】
前記油圧ポンプの駆動軸の軸端部と,前記従動ギヤの回転軸の軸端部間を,前記油圧ポンプの駆動軸の軸線方向への移動により着脱可能に連結したことを特徴とする請求項1又は2記載の運搬車輌。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−132238(P2009−132238A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−309209(P2007−309209)
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(000241795)北越工業株式会社 (86)
【Fターム(参考)】