説明

運転支援システム

【課題】車線数,車両進行方向の如何を問わず、障害物の影響を受けることなく、安価なシステム構築で車両の位置および速度の検出を可能にする。
【解決手段】道路の交差点の中心近傍に、全方位へ無線信号を放射することにより通信エリア内にて特定の移動体と通信が可能な無線局10を配置する。移動体20〜24は、GPS衛星からのデータを受信することで該移動体の位置および速度を検出するGPS装置と、検出した位置および速度を随時記憶する記憶装置と、無線局と通信を行う無線装置とを備える。無線局が送出したビーコンに対する移動体の反応により当該移動体を発見すると、当該移動体から受信した移動体の位置および速度を通信エリア内に存する本サービス対象の他の移動体へ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信等を利用した運転支援システムに関し、特に路上において歩行者,自転車等の比較的低速に移動する移動体から自動車および自動二輪車等の比較的高速に移動する移動体を含む移動体相互間における衝突回避技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の技術として、特許文献1には、交差点へ進入する自動車の位置と速度をセンサ検出する路側装置を交差点の岐路の各々に設置し、交差点に進入する自動車を検出すると、他の岐路に設置された路側装置に、検出された自動車の位置および速度を送信し、これを更に他の自動車に知らせることで、交差点に進入する自動車が互いの位置と速度を取得する「路側装置、出合い頭衝突防止装置〜記録媒体」が記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、見通しの悪いカーブ付近に路側無線機を設置し、両方向からカーブに進入する自動車を検出し、見通しの悪い前方の道路状況を自動車に知らせる「電波方向探知装置を利用した走行支援システム」が記載されている。
【0004】
また、特許文献3には、歩道や車道を含む道路に設けられたタグ情報読取手段が、自動車に設置された情報タグ及び歩行者が携帯する情報タグを読み取り、読み取ったタグ情報は路側道路判断手段にて集計され、移動体の位置変化から移動速度と移動方向を算出することにより、低速高速移動体間の衝突危険度を予測し、危険予測された場合には移動体に危険を知らせる「情報タグ、路側無線送受信装置、車載無線送受信装置及び交通安全支援装置」が記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2001-143197号公報(第4頁−第6頁、図1)
【特許文献2】特開2004-280382号公報(第3頁、図1)
【特許文献3】特開2003-346297号公報(第4頁−第7頁、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来技術のいずれにおいても、片側走行車線が複数ある場合には、交差点に進入する車両がいずれの車線から進入するのか検出することができないという第1の問題点がある。
【0007】
また、上述した従来技術のいずれにおいても、交差点へ進入した車両が直進するのか、あるいは右折・左折のいずれの方向に進むのかを検出することができないという第2の問題点がある。
【0008】
更に、特許文献1記載の技術では、車両の速度検出に関して、交差点に進入する車両の位置(走行車線の識別は不可能)と速度を、路側装置に設けた車両センサを用いて車両との通信により検出するものであるが、特別なセンサを必要とし移動体相互間の衝突回避システムの構築に多大な費用を要する。また、一旦システムを路上に構築する際、その移設費用に加えて、障害物等から影響を受けないような設置場所を選定する必要がありメンテナンスの対応も非常に困難なことも考えられる。更には、車両センサの指向性や路側駐車車両および他の走行車両の影響により、交差点に進入する車両の検出が困難な場合が想定される。
【0009】
また、特許文献2記載の技術でも、路側無線機と電波探知装置等を備えなければならずシステム構築費用が高く、電波方向探知装置の指向性や路側駐車車両および他の走行車両の影響により、交差点に進入する車両の検出が困難な場合が想定される。
【0010】
また、特許文献3記載の技術では、タグ情報読取手段の通信領域を通過することでその位置や速度を検出しているため、タグ情報読取手段の設置間隔を予め測定するなどシステム構築に伴う煩雑な設置作業と、運用時の速度検出するための設置間隔に関するパラメータを保持する必要があるなど問題は多い。
【0011】
そこで、本発明の第1の目的は、片側走行車線が複数ある場合であっても、交差点に進入する車両がいずれの車線から進入するのか、交差点へ進入した車両がいずれの方向(直進、右折、左折)に進むのかを検出することができる運転支援システムを提供することにある。
【0012】
本発明の第2の目的は、安価なシステム構築を可能にし、システム構築後に設置変更が生じた場合であっても容易に対応できる運転支援システムを提供することにある。
【0013】
本発明の第3の目的は、他の駐車車両や走行車両および建物等の障害物の影響を受けることなく、車両の検出と位置および速度を検出することができる運転支援システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の運転支援システムは、道路の交差点の中心近傍に、全方位へ無線信号を放射することにより通信エリア内にて特定の移動体と通信が可能な無線局を配置することと、移動体は、GPS衛星からのデータを受信することで該移動体の位置および速度を検出するGPS装置と、検出した位置および速度を随時記憶する記憶装置と、無線局と通信を行う無線装置とを備えることと、無線局が送出したビーコンに対する移動体の反応により当該移動体を発見すると、当該移動体から受信した識別コードにより当該移動体のネットワーク参加の許否を決し、当該移動体から受信した移動体の位置および速度を通信エリア内に存する本サービス対象の他の移動体へ送信することを特徴とする。
【0015】
本発明の第2の運転支援システムは、交差点の中心近傍からみて移動体が進入する方向の道路のそれぞれに、全方位へ無線信号を放射することにより通信エリア内にて特定の移動体と通信が可能な副無線局を配置することと、交差点の中心近傍に、副無線局の通信ネットワークをまとめるコーディネータとしての主無線局を配置することと、移動体は、GPS衛星からのデータを受信することで該移動体の位置および速度を検出するGPS装置と、検出した位置および速度を随時記憶する記憶装置と、無線局と通信を行う無線装置とを備えることと、副無線局が送出したビーコンに対する移動体の反応により当該移動体を発見すると、当該移動体から受信した識別コードにより当該移動体のネットワーク参加の許否を決し、主無線局から無線局検索要求信号を受けると当該移動体から受信した移動体の位置および速度を自己のアドレス番号を付して主無線局へ返信することと、所定の周期で副無線局に無線局検索要求信号を送出し、副無線局から返信を受けると移動体の位置および速度を通エリア内の他の副無線局へ転送することとを特徴とする。
【0016】
なお、主無線局は、移動体が前記副無線局の複数の通信エリアに位置する場合は、移動体の移動予測に基づき、ネットワークへの参加を最初に許可した副無線局における移動体管理を止め、後にネットワークへの参加を許可した副無線局による管理を優先するように制御するようにしてもよい。
【0017】
また、ネットワークの負荷が全体として軽い場合には主無線局も移動体の検出からネットワーク参加許可の権限を有し、一方、ネットワーク内の移動体の交通量が増大し負荷が高くなると、上記の権限を一時的になくするようにしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、道路の交差点の中心近傍や、交差点の中心近傍からみて移動体が進入する方向の道路のそれぞれに、全方位へ無線信号を放射することにより通信エリア内にて特定の移動体と通信が可能な無線局を配置し、移動体がGPSにより得た自己の位置および速度を移動体との間の無線通信により採取することとしたため、車線が複数ある場合であっても、また見通しの悪い場所であっても、また移動体がいずれの方向からいずれの方向へ進行する場合であっても、障害物の影響を受けることなく、車両の検出と位置および速度を検出することができる。
【0019】
更に、無線局を設置すれば、移動体のGPS機能を利用するだけで足りるため、安価なシステム構築を可能にし、システム構築後に設置変更が生じた場合であっても容易に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0021】
[構成の説明]
図1は、本発明の運転支援システムの実施例1が適用される場面を示す。図1において、片側2レーンの1号線道路と片側1レーンの2号線道路が東西南北に直交し、交差点の中心近傍には無線局10が設けられている。無線局10は、道路埋め込み型であっても路上設置型のいずれでも無線通信可能であればよい。無線局10は、無線局10は全方位へ無線信号を放射することにより、通信エリア10A内にて特定の無線手段と通信が可能であるが、交差点の中央に設置されているため、東西南北いずれのルート上の移動体とも交信することが可能である。
【0022】
また、無線局10は、本サービスを受けることのできる移動体の識別コードが登録された識別テーブルを内蔵している。路上には4つの移動体20〜24が存在する。移動体20〜24は通信エリア10A内にて無線局10と通信が可能であって、通信エリア10A内に移動体が存在すると、無線局10の許可により無線ネットワークが形成される。
【0023】
図2は移動体20〜24それぞれの構成を示すブロック図である。移動体20〜24は全て同じ構成を採用するため、以下、移動体20を例にとって移動体を説明する。移動体20は、無線局10と通信を行う無線装置20aと、GPS衛星(図示せず)からのデータを受信することで移動体20の位置および速度を検出するGPS装置20bと、GPS装置20bにて検出した位置および速度を随時記憶する記憶装置20cを備える。
【0024】
なお、GPS装置20bによる移動体の位置および速度の検出については周知の技術のため本発明の説明上、省略するものとする。移動体の位置は走行レーンを識別できる精度で検出される。また、移動体は、自動車,自動二輪車およびこれらに相当する電動車等と歩行者が含まれる。歩行者の場合は、無線装置20,GPS装置20bおよび記憶装置20cを1セットにしたモジュールの携帯用装置を持ち歩くことになる。
【0025】
[動作の説明]
次に、この運転支援システムの動作について図3の動作フローチャートをも参照して説明する。図1に示すように、移動体20,21が通信エリア10A内に存在し、移動体22,24が通信エリア10Aに進入しようとしている状態にある。移動体23が通信エリア10Aに進入するには未だ距離がある。無線局10は、通信エリア10Aにおける移動体の検出を、例えばビーコンを送出し、それに対する移動体からの折返しの受信有無により検出する。
【0026】
先ず、無線局10がビーコンを送出すると、移動体20,21はビーコンを受信することにより自己の識別コードを送出する。無線局10は、ビーコンに反応することにより移動体を発見する(図3のステップS1)。そして、無線局10は、受信した識別コードが装置内の識別テーブルに登録されているかを検索し、マッチングのとれた識別コードの移動体のみにネットワーク参加を許可する(図3のステップS2)。ここでは、移動体20および21の参加が許可されたものとする。このようにして、移動体の識別によりネットワーク参加の可否を決定することで無線ネットワークの形成し、或いは無線ネットワークへの新たなノード追加を制御することができる。
【0027】
移動体20,21は、GPS装置20bが検出し記憶装置20cに記憶している自己の現在の位置および速度を読み出して無線局10に送信する(図3のステップS3)。無線局10は、複数(本例では2つ)の移動体からのデータ受信にあたっては、無線ネットワークに収容する移動体毎に受信タイミングを設けることで、受信時のデータ衝突を回避したデータの収集が可能である。このようにして、無線局10は無線ネットワークに参加した移動体からの位置および速度を収集する。
【0028】
無線局10は、移動体20,21から位置および速度を受信すると、これを他の本サービス対象である移動体21,20に転送する(図3のステップS4)。このときのデータの送信タイミングは、ステップS3におけるのと同様に送出のタイミングを違えるものとする。以上のステップS3およびS4では、移動体対応に受信タイミングおよび送信タイミングを設定しているため、例えば、自己の位置および速度に関するデータを無線局10に送出する際、他の移動体が受信するまでの位相差を考慮して補正したものを自己の位置および速度として送出する。
【0029】
移動体20では、受信した移動体21の位置および速度情報を自己のカーナビゲーションシステムにマップ上に移動体21の位置を表示させることで見通しの悪い交差点の右折方向の状況を運転者に知らせることができる。同様に移動体21において、移動体20の位置情報を運転者に知らせることができる。
【0030】
いま、時間の経過により移動体20が2号線道路から1号線道路上り走行レーン1aに左折する際に、移動体22が1号線道路上り走行レーン1aにあって、通信圏外から通信エリア10A内に進入してきたとする。移動体22は、無線局10に自己の位置および速度を送出する。すると、移動体20は、無線局10を介して移動体22の位置および速度情報を受信し(図3のステップS4)、左折予定の走行レーン1aの下り方面から上ってくる移動体22を検出し、表示画面越しに運転者に知らせる。なお、見通しの悪い路上の状況を運転者に知らせる手段としては、音による報知であっても構わないし、可視的な報知に音を加えることでより注意を促すようにしてもよい。
【0031】
通信エリア10Aに進入した移動体が通信エリア10A外に出た場合(図3のステップS5)、無線局10は、その移動体との通信を切断する(図3のステップS6)。これにより、多数の移動体が路上を移動する際に生じる無線ネットワークの負荷を軽減することができる。
【実施例2】
【0032】
本実施例は、無線ネットワークのデザインを変形し、実施例1にて構成した無線局10に4つの無線局11〜14を追加し、これら無線局10と無線局11〜14間の相互通信により無線ネットワーク網を拡張している。
【0033】
図4は、本発明の運転支援システムの実施例2が適用される場面を示す。ここでは、無線局10〜14からなる無線ネットワークが形成され、この無線ネットワークでは、交差点の中心近傍に配置された無線局10と、交差点の中心近傍からみて進入する4方向の道路のそれぞれに無線局11〜14が配置されている。そして、無線局10は、他の無線局11〜14の通信ネットワークをまとめるコーディネータとしての機能を有し、無線局11〜14の全てと通信が可能な通信カバレッジ(通信エリア)を有する。
【0034】
この通信カバレッジの状況は、無線局10の場合、通信エリア10Aに示され、無線局11〜14は通信エリア10A内に配置されている。無線局10の周囲に配置された無線局11〜14も、それぞれ通信エリア11A〜14Aを有し、個々の通信エリアに無線局10を内包する距離に配置され、無線局10との間で相互に通信可能である。
【0035】
無線ネットワークは、外(通信エリア10A〜14Aの外周の外側)から、この無線ネットワークに進入する移動体を検出するとともに、当該移動体から送信される移動体の位置および速度情報を受信し、無線局10を中継して他の無線局に無線装置20aによって相互に通信する。なお、無線局10は、無線局11〜14との間で周期的に相互に通信し、無線局11〜14にそれぞれの通信エリア11A〜14A内に存在する移動体を管理させることで通信の負荷分散をコントロールする。すなわち、無線局11〜14にて検出された移動体の位置および速度に関する情報を他の無線局に中継送信し、当該無線局から他の移動体に交差点付近の状況を知らせるのである。
【0036】
無線局11〜14は、自己の通信エリア11A〜14Aに進入する移動体を検出する機能と、移動体のネットワークへの許否を判断する機能と、検出した移動体情報を無線局10に送信する機能と、無線局10から受信した他の無線局にて検出された移動体情報を自己の通信エリア内の移動体に送信する機能と、通信圏外となった移動体をネットワークから外す機能を有する。すなわち、無線局11〜14は、実施例1の無線局10における図3のステップS4を除いた機能と、検出した移動体情報を無線局10に送信する機能を果たす。
【0037】
先ず、無線ネットワークを確立する手順について説明する。無線局10は、自己の周囲に存在する無線局を検索するために、所定の周期で無線局検索要求信号を送出する。この無線局検索要求信号は、無線局10〜14にて共通に定義されたフォーマットコードで構成される。そして、無線局10から送信された無線局検索要求信号は、無線局10の周辺に配置された無線局11〜14にて受信される。無線局11〜14それぞれは、ランダムタイミングで無線局10に向け、無線局検索要求信号への応答として自己のアドレス番号を付して無線局検索応答信号を返信する。ランダムタイミングの生成方法は、周知のため説明を省略する。かかる手順により、無線局10と無線局11〜14の間で1対n対応の無線ネットワークが形成される。
【0038】
各無線局11〜14における移動体を検出する手順と移動体の位置・速度情報の収集手順は実施例1におけるのと同様である。各無線局11〜14は、所定の周期で収集した移動体の位置・速度情報を一つのデータ若しくは複数に分割して無線局10に送信する。
【0039】
無線局11〜14から移動体の位置・速度情報を受信した無線局10は、それを自己の通信エリア内の移動体に向けて転送する。(他の)移動体の位置・速度情報を受信した移動体は、交差点に向かって進入する他の移動体や駐車する移動体の状況を取得し、自己の地図アプリケーションに移動体情報をマッピングすることで、移動体操作者に交差点の状況を知らせることになる。
【0040】
また、移動体が複数の通信エリアに位置する場合には、当該通信エリアをカバーする無線局11〜14の各々にてネットワーク参加を認めるようにしてもよいし、無線局10がコーディネータの機能を使用することで優先通信エリアを選択し、いずれか一の無線局にて管理されるように当該複数の無線局に対して指示するようにしてもよい。いずれか一の無線局にて管理されるようにするための手段としては、移動体の移動予測に基づき、ネットワークへの参加を最初に許可した無線局における移動体管理を止め、後にネットワークへの参加を許可した無線局による管理を優先するように制御することになる。
【0041】
更に、上記のように無線局10〜14の役割を定義し、無線ネットワークを運営することを基本としつつ、無線ネットワークの負荷状況に応じて、移動体の管理範囲を無線局10と無線局11〜14との間にて動的に変更してもよい。このような移動体の管理範囲を動的に変更する例として、無線ネットワークの負荷が全体として軽い場合には、無線局10も移動体の検出からネットワーク参加許可の権限を有することで無線ネットワーク内の移動体移動経路を更に詳細に収集するものとする。
【0042】
一方、無線ネットワーク内の移動体の交通量が増大し負荷が高くなると、移動体に対する参加可否の制御は無線局11〜14のみとし、無線局10の移動体に対する参加可否に関する権限機能を一時的になくすことで無線局10の負荷を軽減することができる。かかる動的変更は、無線局10が他の無線局から受信する移動体の交通量を監視し、一定の交通量を超えた場合に動的に制御を変更することとなる。
【0043】
更に、上記2つの実施例に移動体の制御情報を付加した情報を無線局に伝送するようにしてもよい。すなわち、移動体が自動車,自動二輪車およびこれに相当する移動体の場合に、自動車自身が計測する速度情報,ブレーキの踏み込み情報,方向指示器(ウインカー)等を含む移動体の運転者の意思を制御情報として随時保持し、或いは無線ネットワークに組み込まれたと認識されてから制御情報を保持するようにし、無線局にGPSデータとともに制御情報を送信する。他の移動体は、無線局を介して受信した交差点付近の移動体の状況に加え、より詳細な状態(例えば、方向指示器による右左折情報)を知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の運転支援システムの実施例1が適用される場面を示す図
【図2】本発明の運転支援システムのブロック図
【図3】本発明の運転支援システムの実施例1のフローチャート
【図4】本発明の運転支援システムの実施例2が適用される場面を示す
【符号の説明】
【0045】
10〜14 無線局
10A〜14A 通信エリア
20〜24 移動体
20a 無線装置
20b GPS装置
20c 記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路の交差点の中心近傍に、全方位へ無線信号を放射することにより通信エリア内にて特定の移動体と通信が可能な無線局を配置することと、
前記移動体は、GPS衛星からのデータを受信することで該移動体の位置および速度を検出するGPS装置と、前記検出した位置および速度を随時記憶する記憶装置と、前記無線局と通信を行う無線装置とを備えることと、
前記無線局が送出したビーコンに対する前記移動体の反応により当該移動体を発見すると、当該移動体から受信した識別コードにより当該移動体のネットワーク参加の許否を決し、当該移動体から受信した前記移動体の位置および速度を前記通信エリア内に存する本サービス対象の他の移動体へ送信することを特徴とする運転支援システム。
【請求項2】
交差点の中心近傍からみて移動体が進入する方向の道路のそれぞれに、全方位へ無線信号を放射することにより通信エリア内にて特定の移動体と通信が可能な副無線局を配置することと、
前記交差点の中心近傍に、前記副無線局の通信ネットワークをまとめるコーディネータとしての主無線局を配置することと、
前記移動体は、GPS衛星からのデータを受信することで該移動体の位置および速度を検出するGPS装置と、前記検出した位置および速度を随時記憶する記憶装置と、前記無線局と通信を行う無線装置とを備えることと、
前記副無線局が送出したビーコンに対する前記移動体の反応により当該移動体を発見すると、当該移動体から受信した識別コードにより当該移動体のネットワーク参加の許否を決し、前記主無線局から無線局検索要求信号を受けると当該移動体から受信した前記移動体の位置および速度を自己のアドレス番号を付して前記主無線局へ返信することと、
所定の周期で前記副無線局に前記無線局検索要求信号を送出し、前記副無線局から前記返信を受けると前記移動体の位置および速度を通エリア内の他の副無線局へ転送することとを特徴とする運転支援システム。
【請求項3】
前記主無線局は、前記移動体が前記副無線局の複数の通信エリアに位置する場合は、前記移動体の移動予測に基づき、前記ネットワークへの参加を最初に許可した副無線局における移動体管理を止め、後に前記ネットワークへの参加を許可した副無線局による管理を優先するように制御することを特徴とする請求項2記載の運転支援システム。
【請求項4】
前記ネットワークの負荷が全体として軽い場合には前記主無線局も前記移動体の検出からネットワーク参加許可の権限を有し、一方、前記ネットワーク内の前記移動体の交通量が増大し負荷が高くなると、前記権限を一時的になくすることを特徴とする請求項2または請求項3記載の運転支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−286994(P2007−286994A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−115134(P2006−115134)
【出願日】平成18年4月19日(2006.4.19)
【出願人】(303013763)NECエンジニアリング株式会社 (651)
【Fターム(参考)】