説明

運転支援装置、運転支援方法及びプログラム

【課題】追い越し後の状況を考慮した安全な追い越し走行を支援することが可能となる運転支援装置、運転支援方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】CPU41は、方向指示スイッチ51から点灯指示信号が入力された際には、追い越しのための車線変更を行った後、更に、自車両が現在走行している走行車線上へ復帰する必要がある場合には、誘導経路上における自車前方の次の進路変更地点に基づいて復帰必要地点を設定する。また、CPU41は、現在の自車位置から追い越し走行後、自車両が進入可能な車両間スペースに復帰する復帰地点を算出し、この復帰地点が復帰必要地点よりも手前でない場合には、追い越し走行後、当該進路変更地点において進路変更を安全に行うことができないと判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の運転を支援する運転支援装置、運転支援方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両の運転を支援する技術に関して種々提案されている。
例えば、前方車両が急激な減速による緊急停車の状況が発生した場合、前方車両の推定速度と車間距離と自車両の速度とを用いて前方車両に追突するまでの時間を推定すると共に、前方車両に対して通行可能な位置まで横方向に移動するのに要す時間を推定し、これら両推定時間から前方車両の適切な追い越し走行を支援する車両誘導装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−92795号公報(段落(0012)〜(0072)、図1〜図9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記した特許文献1に記載された車両誘導装置では、前方車両を安全に追い越し可能であるが、追い越し後の状況については何ら考慮されていない。追い越し後の状況として、再度元の車線に復帰しなければならない状況、例えば、誘導経路上の自車両前方に進路変更地点があり、その地点での進路変更のために再度元の車線に復帰する必要がある状況があり、安全な追い越し走行の支援を行うためには、このような状況を考慮する必要がある。
【0004】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、追い越し後の状況を考慮した安全な追い越し走行を支援することが可能となる運転支援装置、運転支援方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため請求項1に係る運転支援装置は、自車両及び自車両周辺の他車両のそれぞれの車両位置情報と速度情報を取得する車両情報取得手段(13)と、前記車両位置情報に基づいて自車両の走行車線上において自車両前方の他車両間に自車両が進入可能な車両間スペースがあるか否かを判定するスペース判定手段(13)と、自車両前方の他車両間に自車両が進入可能な車両間スペースがあると判定された場合には、前記車両位置情報と前記速度情報とに基づいて、自車両が該車両間スペースに進入する地点を前記走行車線上に復帰する復帰地点として算出する復帰地点算出手段(13)と、前記復帰地点が、自車両前方の復帰必要地点より手前であるか否かを判定する地点判定手段(13)と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に係る運転支援装置は、請求項1に記載の運転支援装置(1)において、地図情報を記憶する地図情報記憶手段(25)と、前記地図情報に基づいて目的地までの経路を探索する経路探索手段(13)と、方向指示器の点灯指示を入力する点灯指示入力手段(51)と、前記点灯指示が入力されたとき、入力された点灯指示方向に対応する車線変更を行った後、前記経路上において前記自車両の前方所定距離以内にある進路変更地点での進路変更のために前記走行車線上へ復帰する必要があるか否かを判定する復帰判定手段(13)と、前記走行車線上へ復帰する必要があると判定された場合には、前記進路変更地点の手前に前記復帰必要地点を設定する復帰必要地点設定手段(13)と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に係る運転支援方法は、自車両及び自車両周辺の他車両のそれぞれの車両位置情報と速度情報を取得する車両情報取得工程と、前記車両情報取得工程で取得した車両位置情報に基づいて自車両の走行車線上において自車両前方の他車両間に自車両が進入可能な車両間スペースがあるか否かを判定するスペース判定工程と、前記スペース判定工程で自車両前方の他車両間に自車両が進入可能な車両間スペースがあると判定された場合には、前記車両情報取得工程で取得した車両位置情報と速度情報とに基づいて、自車両が該車両間スペースに進入する地点を前記走行車線上に復帰する復帰地点として算出する復帰地点算出工程と、前記復帰地点算出工程で算出した復帰地点が、自車両前方の復帰必要地点より手前であるか否かを判定する地点判定工程と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
更に、請求項4に係るプログラムは、コンピュータに、自車両及び自車両周辺の他車両のそれぞれの車両位置情報と速度情報を取得する車両情報取得工程と、前記車両情報取得工程で取得した車両位置情報に基づいて自車両の走行車線上において自車両前方の他車両間に自車両が進入可能な車両間スペースがあるか否かを判定するスペース判定工程と、前記スペース判定工程で自車両前方の他車両間に自車両が進入可能な車両間スペースがあると判定された場合には、前記車両情報取得工程で取得した車両位置情報と速度情報とに基づいて、自車両が該車両間スペースに進入する地点を前記走行車線上に復帰する復帰地点として算出する復帰地点算出工程と、前記復帰地点算出工程で算出した復帰地点が、自車両前方の復帰必要地点より手前であるか否かを判定する地点判定工程と、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
前記構成を有する請求項1に係る運転支援装置では、追い越し後の自車両の走行車線上において、復帰地点が復帰必要地点より手前であるか否かを判定するため、追い越し後の状況を考慮した安全な追い越し走行を支援することが可能となる。
【0010】
また、請求項2に係る運転支援装置では、入力された点灯指示方向に対応する車線変更を行った後、経路上において自車両の前方所定距離以内にある進路変更地点での進路変更のために元の走行車線上へ復帰する必要があると判定された場合には、進路変更地点の手前に復帰必要地点を設定する。これにより、進路変更のために再度元の車線に復帰する必要がある状況で確実に追い越し走行の支援を行うことができると共に、前方の復帰必要地点を正確に設定することができる。
【0011】
また、請求項3に係る運転支援方法では、追い越し後の自車両の走行車線上において、復帰地点が復帰必要地点より手前であるか否かを判定するため、追い越し後の状況を考慮した安全な追い越し走行を支援することが可能となる。
【0012】
更に、請求項4に係るプログラムでは、コンピュータは当該プログラムを読み込むことによって、追い越し後の自車両の走行車線上において、復帰地点が復帰必要地点より手前であるか否かを判定するため、追い越し後の状況を考慮した安全な追い越し走行を支援することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係る運転支援装置、運転支援方法及びプログラムをナビゲーション装置について具体化した一実施例に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例】
【0014】
[ナビゲーション装置の概略構成]
先ず、本実施例に係るナビゲーション装置の概略構成について図1に基づいて説明する。図1は本実施例に係るナビゲーション装置1を示したブロック図である。
図1に示すように、本実施例に係るナビゲーション装置1は、自車の現在位置を検出する現在地検出処理部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーション制御部13と、操作者からの操作を受け付ける操作部14と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内等に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、不図示の道路交通情報センタや地図情報配信センタ等の情報センタや周辺の他車両に搭載された当該ナビゲーション装置1との間で携帯電話網等を介して相互に通信を行う通信装置17とから構成されている。
【0015】
また、ナビゲーション制御部13には自車の走行速度を検出する車速センサ21が接続されている。また、ナビゲーション制御部13には、他車両に左方向への操舵を知らせる左方向指示器(不図示)と右方向への操舵を知らせる右方向指示器(不図示)のそれぞれの点灯を指示する点灯指示信号と消灯を指示する消灯指示信号とを入力可能な方向指示スイッチ51が接続されている。従って、運転者は、この方向指示スイッチ51を操作することによって、不図示の左方向指示器又は右方向指示器のいずれかを選択して点灯又は消灯することができる。
【0016】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について説明すると、現在地検出処理部11は、GPS31、方位センサ32、距離センサ33等からなり、現在の自車の位置、方位、走行距離等を検出することが可能となっている。
【0017】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記憶された地図情報データベース(地図情報DB)25及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。
【0018】
また、地図情報DB25には、ナビゲーション装置1の走行案内や経路探索に使用されるナビ地図情報26が格納されている。ここで、ナビ地図情報26は、経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、各新設道路を特定するための新設道路情報、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、道路(リンク)に関するリンクデータ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOI(Pointof Interest)に関する店舗データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。また、店舗データとしては、各地域のホテル、病院、ガソリンスタンド、駐車場、駅、空港、フェリー乗り場等のPOIに関するデータがPOIを特定するIDとともに記憶されている。
また、地図情報DB25の内容は、不図示の地図情報配信センタから通信装置17を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0019】
ここで、特に地図表示データとしては、約10km×10kmで区画された2次メッシュをベースに4分割(長さ1/2)、16分割(1/4)、64分割(1/8)されたユニットで構成されており、各ユニットのデータ量が略同レベルになるように、各地のユニットが設定されている。最も小さい64分割サイズのユニットは、約1.25km四方の大きさである。また、約10km×10kmで区画された各2次メッシュ(以下、「メッシュ」という。)には、各メッシュを識別するメッシュIDがそれぞれ付されている。
【0020】
また、リンクデータとしては、道路を構成する各リンクに関してリンクを識別するリンクID、リンクの属する道路の幅員、勾配、カント、バンク、路面の状態、道路の車線数、車線数の減少する箇所、幅員の狭くなる箇所、踏切り等を表すデータが、コーナに関して、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口及び出口等を表すデータが、道路属性に関して、降坂路、登坂路等を表すデータが、道路種別に関して、国道、県道、細街路等の一般道のほか、高速自動車国道、都市高速道路、一般有料道路、有料橋等の有料道路を表すデータ及び制限速度がそれぞれ記録される。更に、有料道路に関して、有料道路の入口及び出口の取付道(ランプウェイ)、料金所(インターチェンジ)等に関するデータが記録される。
【0021】
また、図1に示すように、ナビゲーション装置1を構成するナビゲーション制御部13は、ナビゲーション装置1の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、後述の自車両前方の進路変更地点で安全に進路変更を行うことが可能となる追い越し案内処理のプログラム(図2参照)等が記憶されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ45等を備えている。
【0022】
更に、前記ナビゲーション制御部13には、操作部14、液晶ディスプレイ15、スピーカ16、通信装置17の各周辺装置(アクチュエータ)が電気的に接続されている。
【0023】
この操作部14は、走行開始時の現在地を修正し、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際や施設に関する情報の検索を行う場合等に操作され、各種のキーや複数の操作スイッチから構成される。そして、ナビゲーション制御部13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。更に、液晶ディスプレイ15の前面部には、タッチパネルが設けられ、画面に表示されたボタンや地図上を押下することによって各種指示コマンドを入力することが可能に構成されている。
【0024】
また、液晶ディスプレイ15には、現在走行中の地図情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までの推奨経路、推奨経路に沿った案内情報、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。
【0025】
また、スピーカ16は、ナビゲーション制御部13からの指示に基づいて、推奨経路に沿った走行を案内する音声ガイダンス等を出力する。ここで、案内される音声ガイダンスとしては、例えば、「200m先、○○交差点を右方向です。」や「無理な割込になります。」等がある。
【0026】
また、通信装置17は、地図情報配信センタと通信を行う携帯電話網等による通信手段であり、地図情報配信センタとの間で最もバージョンの新しい更新地図情報等の送受信を行う。また、通信装置17は地図情報配信センタに加えて、道路交通情報センタ等から送信された渋滞情報やサービスエリアの混雑状況等の各情報から成る交通情報を受信する。また、通信装置17は、周辺の他車両から携帯電話網を介して各他車両の現在位置、車速、車長、進行方向等の車両情報を取得する。
【0027】
次に、上記のように構成されたナビゲーション装置1のCPU41が実行する処理であって、自車両前方の進路変更地点で安全に進路変更を行うことが可能となる「追い越し案内処理」について図2乃至図6に基づいて説明する。
【0028】
図2は本実施例に係るナビゲーション装置1のCPU41が実行する処理であって、自車両前方の進路変更地点で安全に進路変更を行うことが可能となる追い越し案内処理を示すメインフローチャートである。ここで、追い越し案内処理は、既に操作部14により目的地が入力され、ナビゲーション制御部13により目的地までの誘導経路が探索され、誘導経路に沿った案内が行われているときに、実行される処理である。
尚、図2にフローチャートで示されるプログラムはナビゲーション装置1のナビゲーション制御部13が備えているROM43に記憶されており、CPU41により所定時間毎に(例えば、約10ミリ秒毎乃至100ミリ秒毎である。)実行される。
【0029】
図2に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、CPU41は、方向指示スイッチ51を介して左方向指示器又は右方向指示器の点灯指示信号が入力されたか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、方向指示スイッチ51を介して左方向指示器又は右方向指示器の点灯指示信号が入力されていない場合には(S11:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。
【0030】
一方、方向指示スイッチ51を介して左方向指示器又は右方向指示器の点灯指示信号が入力された場合には(S11:NO)、CPU41は、S12の処理に移行する。S12において、CPU41は、現在地検出処理部11を介して自車位置を検出してRAM42に記憶すると共に、誘導経路上における自車前方の次の右折地点又は左折地点、即ち、次の進路変更地点の座標位置をナビ地図情報26から読み出してRAM42に記憶する。そして、CPU41は、自車位置から誘導経路上における自車前方の次の進路変更地点までの距離が所定距離以内(例えば、約2km以内である。)か否かを判定する判定処理を実行する。
【0031】
そして、自車位置から誘導経路上における自車前方の次の進路変更地点までの距離が所定距離より遠い場合には(S12:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。
一方、自車位置から誘導経路上における自車前方の次の進路変更地点までの距離が所定距離以内の場合には(S11:YES)、CPU41は、S13の処理に移行する。S13において、CPU41は、ナビ地図情報26から現在走行しているリンクに関するリンクデータをナビ地図情報26から読み出し、現在走行中の道路は車線変更が可能か否かを判定する判定処理を実行する。
【0032】
そして、現在走行中の道路は車線変更ができないと判定した場合には(S13:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。
例えば、現在走行している車線が追い越し禁止車線や、現在走行している道路が一車線の道路の場合には、CPU41は、現在走行中の道路は車線変更ができないと判定する。つまり、CPU41は、方向指示スイッチ51を介して入力された点灯指示信号は、自車前方の次の進路変更地点への進路変更を他車に知らせる点灯指示、又は、誘導経路外への進路変更を他車に知らせる点灯指示であると判定する。
【0033】
一方、現在走行中の道路は車線変更が可能であると判定した場合には(S13:YES)、CPU41は、S14の処理に移行する。
例えば、現在走行している道路が、片側1車線の追い越し可能道路や片側2車線以上の道路の場合には、CPU41は、現在走行中の道路は車線変更が可能であると判定する。つまり、CPU41は、方向指示スイッチ51を介して入力された点灯指示信号は、追い越しを行うための車線変更を他車に知らせる点灯指示であると判定する。
【0034】
S14において、CPU41は、方向指示スイッチ51を介して入力された点灯指示の方向に対応する車線変更を行った後、誘導経路上において自車両の前方所定距離以内にある進路変更地点での進路変更のために、自車両が現在走行している走行車線上へ復帰する必要があるか否かを判定する判定処理を実行する。例えば、自車両が現在走行している道路上において最も左側の車線に存在する状況で、追い越しのため方向指示スイッチ51を介して右方向の点灯指示が入力されたとき、自車両の前方所定距離以内に左折地点があり、その左折地点で左折を行うことができる車線が、自車両が現在走行している最も左側の車線である場合に、自車両が現在走行している走行車線上へ復帰する必要があると判定する。
【0035】
そして、追い越しのための車線変更を行った後、更に、自車両が現在走行している走行車線上へ復帰する必要がない場合には(S14:NO)、CPU41は、追い越し後、誘導経路上の次の進路変更地点で安全に進路変更をすることが可能なため、当該処理を終了する。
【0036】
一方、追い越しのための車線変更を行った後、更に、自車両が現在走行している走行車線上へ復帰する必要がある場合には(S14:YES)、CPU41は、S15の処理に移行する。
S15において、CPU41は、進路変更地点に基づいて、復帰必要地点を設定し、この復帰必要地点の座標位置をRAM42に記憶する。例えば、CPU41は、進路変更地点から所定距離(例えば、500m)手前の地点に、進路変更地点での進路変更のために自車両が現在走行している走行車線上へ復帰している必要がある復帰必要地点として設定し、この復帰必要地点の座標位置をRAM42に記憶する。この所定距離は、自車両が走行している道路の道路種別や制限速度によって決定してもよい。例えば、高速道路の場合には、700m、一般道路の場合には、300mとすることができる。
その後、S16において、CPU41は、「復帰地点算出処理」のサブ処理を実行後、S17の処理に移行する。
【0037】
ここで、上記S16で、CPU41が実行する「復帰地点算出処理」のサブ処理について図3及び図4に基づいて説明する。図3は図2の「復帰地点算出処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。図4は方向指示スイッチから点灯信号が入力された時の自車周辺の一例を示す平面図である。
【0038】
図3に示すように、先ず、S111において、CPU41は、通信装置17を介して、自車周辺(例えば、半径約1km以内の範囲である。)を走行する他車両から各他車両の位置(例えば、緯度と経度である。)、車速、車長等の車両情報を車車間通信により取得して、RAM42に記憶する。また、CPU41は、現在地検出処理部11を介して自車位置を取得してRAM42に記憶すると共に、車速センサ21を介して現在の車速を取得してRAM42に記憶する。
【0039】
そして、S112において、CPU41は、自車周辺の各他車両の位置及び車長を再度RAM42から読み出し、自車前方で、且つ、自車走行車線上の各車両間スペースの車間距離を算出して、RAM42に記憶する。尚、各他車両の位置は、各車両の車長方向中央位置であるとして、車両間スペースの車間距離を算出する。
【0040】
例えば、図4に示すように、自車両2に搭載されたナビゲーション装置1のCPU41は、通信装置17を介して、前方を走行する各他車両51、52、53からそれぞれの位置、車速、車長等の車両情報を車車間通信により取得して、RAM42に記憶する。
そして、CPU41は、各他車両51、52、53の位置及び車長をRAM42から読み出し、自車前方の他車両51と他車両52との間の車両間スペース61と、他車両52と他車両53との間の車両間スペース62との車間距離を算出して、RAM42に記憶する。
【0041】
続いて、図3に示すように、S113において、CPU41は、自車前方の各車両間スペースの車間距離を順次RAM42から読み出し、追い越し後、自車両が進入可能な車両間スペースがあるか否かを判定する判定処理を実行する。
【0042】
具体的には、CPU41は、自車両が走行している道路の制限速度をナビ地図情報26のリンクデータから取得し、制限速度に対応する必要車間距離を読み出して、RAM42に記憶する。ここで、ROM43には制限速度毎に必要車間距離が予め記憶されている。例えば、制限速度が、時速40kmでは80m、時速60kmでは120m、時速80kmでは160mとして必要車間距離が記憶されている。
【0043】
そして、CPU41は、自車前方の各車両間スペースの車間距離を順次読み出し、当該必要車間距離以上の車間距離であれば、追い越し後、自車両が進入可能な車両間スペースであると判定する。
【0044】
そして、自車前方に、追い越し後、自車両が進入可能な車両間スペースが無いと判定した場合には(S113:NO)、CPU41は、RAM42から復帰地点フラグを読み出し、この復帰地点フラグを「OFF」に設定して再度RAM42に記憶後、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、S17の処理に移行する。
尚、ナビゲーション装置1の起動時には、復帰地点フラグは、「OFF」に設定されてRAM42に記憶されている。
【0045】
一方、自車前方に、追い越し後、自車両が進入可能な車両間スペースがあると判定した場合には(S113:NO)、CPU41は、RAM42から復帰地点フラグを読み出し、この復帰地点フラグを「ON」に設定して再度RAM42に記憶後、S114の処理に移行する。
S114において、CPU41は、自車前方の自車両が進入可能な車両間スペースのうち最も近い車両間スペースを選択して、当該車両間スペースを構成する前後の他車両のそれぞれの車速をRAM42から読み出す。
【0046】
続いて、S115において、CPU41は、当該車両間スペースを構成する進行方向前側の他車両の車速が、当該車両間スペースを構成する進行方向後側の他車両の車速よりも速いか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、当該車両間スペースを構成する進行方向前側の他車両の車速が、当該車両間スペースを構成する進行方向後側の他車両の車速よりも遅い場合には(S115:NO)、CPU41は、S116の処理に移行する。
【0047】
S116において、CPU41は、自車前方の自車両が進入可能な車両間スペースのうち次に近い車両間スペースを選択して、当該車両間スペースを構成する前後の他車両のそれぞれの車速をRAM42から読み出した後、再度S115以降の処理を実行する。
一方、当該車両間スペースを構成する進行方向前側の他車両の車速が、当該車両間スペースを構成する進行方向後側の他車両の車速よりも速い場合には(S115:YES)、CPU41は、S117の処理に移行する。
【0048】
例えば、図4に示すように、自車両2の前方の車両間スペース61は、必要車間距離未満で、その前方の車両間スペース62は、必要車間距離以上である場合には、CPU41は、車両間スペース62を構成する前後の各他車両52、53のそれぞれの車速をRAM42から読み出す。そして、他車両53の車速が、他車両52の車速よりも速い場合には(S115:YES)、CPU41は、S117の処理に移行する。
【0049】
S117において、CPU41は、自車周辺の各他車両の位置及び車長を再度RAM42から読み出し、自車前方で、当該車両間スペース後端までの隣接車線に、自車両よりも車速の遅い他車両が走行しているか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、自車前方で、当該車両間スペース後端までの隣接車線に、自車両よりも車速の遅い他車両が走行している場合には(S117:YES)、CPU41は、RAM42から復帰地点フラグを読み出し、この復帰地点フラグを「OFF」に設定して再度RAM42に記憶後、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、S17の処理に移行する。
【0050】
一方、自車前方で、当該車両間スペース後端までの隣接車線に、自車両よりも車速の遅い他車両が走行していない場合には(S117:NO)、CPU41は、S118の処理に移行する。
S118において、CPU41は、RAM42から当該車両間スペースを構成する前後の他車両の位置と自車位置を取得し、取得した他車両の位置と自車位置とから、自車両から当該車両間スペース中心までの距離を算出して、RAM42に記憶する。
【0051】
そして、S119において、CPU41は、自車両が走行している道路の制限速度をナビ地図情報26のリンクデータから取得すると共に、当該車両間スペースを構成する前後の他車両の車速と自車両の現在の車速とをRAM42から読み出す。そして、制限速度と自車両の現在の車速の平均車速(以下、「平均車速A」という。)を算出すると共に、この前後の他車両の平均車速(以下、「平均車速B」という。)を算出し、平均車速Aの平均車速Bに対する相対速度を算出して、それぞれの算出値をRAM42に記憶する。ここで、平均車速A、つまり、制限速度と自車両の現在の車速の平均車速を算出するのは、実際には、追い越し時には現在の車速から制限速度まで加速して、追い越し後、制限速度から減速して現在の走行車線上へ復帰することを考慮するためである。
【0052】
続いて、CPU41は、平均車速Aの平均車速Bに対する相対速度と、自車両から当該車両間スペース中心までの距離をRAM42から読み出し、自車両から当該車両間スペース中心までの距離を、平均車速Aの平均車速Bに対する相対速度で除算して、当該車両間スペース中心に進入するまでの所要時間を算出する。
【0053】
そして、図4に示すように、CPU41は、平均車速AをRAM42から読み出し、平均車速Aに、この算出した所要時間を乗算した値を算出して、追い越し必要距離63としてRAM42に記憶する。上記と同様に、ここで平均車速A、つまり、制限速度と自車両の現在の車速の平均車速を算出するのは、実際には、追い越し時には現在の車速から制限速度まで加速して、追い越し後、制限速度から減速して現在の走行車線上へ復帰することを考慮するためである。
【0054】
また、CPU41は、ナビ地図情報26のリンクデータを読み出し、この追い越し必要距離63とリンクデータから、現在走行している車線71に再度、復帰する地点の座標位置を特定し、復帰地点65としてRAM42に記憶後、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、S17の処理に移行する。
【0055】
続いて、図2に示すように、S17において、CPU41は、RAM42から復帰地点フラグを読み出し「ON」に設定されているか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、復帰地点フラグが「OFF」に設定されている場合には(S17:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。
一方、復帰地点フラグが「ON」に設定されている場合には(S17:YES)、CPU41は、S18の処理に移行する。
【0056】
S18において、CPU41は、上記S15でRAM42に記憶した復帰必要地点とS16でRAM42に記憶した復帰地点との各座標位置を読み出し、この復帰地点が自車前方の復帰必要地点よりも手前か否かを判定する判定処理を実行する。
そして、復帰地点が自車前方の復帰必要地点よりも手前の場合には(S18:YES)、次の進路変更地点で安全に進路変更を行うことが可能であるため、CPU41は、当該処理を終了する。
【0057】
例えば、図5に示すように、CPU41は、自車両2の各他車両55、56間の車両間スペースに復帰する復帰地点66と復帰必要地点75との座標位置をRAM42から読み出す。そして、当該復帰地点66が復帰必要地点75よりも手前の場合には(S18:YES)、他車両55を追い越し後、当該左折地点82で安全に左折することが可能であるため、CPU41は、当該処理を終了する。
【0058】
一方、復帰地点が自車前方の復帰必要地点よりも手前でない、つまり、復帰地点が自車前方の復帰必要地点よりも更に前方の地点になる場合には(S18:NO)、CPU41は、S19の処理に移行する。
S19において、CPU41は、誘導経路上における自車前方の次の進路変更地点、つまり、次の右折地点又は左折地点で進路変更を安全にできない旨を運転者に報知後、当該処理を終了する。
【0059】
例えば、図6に示すように、CPU41は、自車両2の各他車両55、56間の車両間スペースに復帰する復帰地点67と復帰必要地点75との座標位置をRAM42から読み出す。そして、当該復帰地点67が復帰必要地点75よりも更に前方の地点になる場合には(S18:NO)、CPU41は、液晶ディスプレイ15に表示されている誘導経路81上の次の左折地点82に赤い丸印を点滅表示する。また、同時に、CPU41は、スピーカ16を介して「車線変更を控えて下さい。○○m先の交差点で左折できない可能性があります。」等と音声案内して、当該追い越し後、次の左折地点で安全に左折できない旨を報知後、当該処理を終了する。
【0060】
以上詳細に説明した通り、本実施例に係るナビゲーション装置1では、CPU41は、方向指示スイッチ51から点灯指示信号が入力された際には、追い越しのための車線変更を行った後、更に、自車両が現在走行している走行車線上へ復帰する必要がある場合には、誘導経路上における自車前方の次の進路変更地点に基づいて復帰必要地点を設定する。これにより、CPU41は、追い越し走行後、進路変更のために再度元の車線に復帰する必要がある状況において、自車前方の復帰必要地点を正確に設定することができる。
【0061】
また、CPU41は、現在の自車位置から追い越し走行後、自車両が進入可能な車両間スペースに復帰する復帰地点を算出し、この復帰地点が復帰必要地点よりも手前でない場合には、追い越し走行後、当該進路変更地点において進路変更を安全に行うことができないと判定して、追い越し走行後、自車前方の次の進路変更地点で進路変更を安全にできない旨を運転者に報知する。これにより、CPU41は、追い越し走行後、進路変更のために再度、現在走行している走行車線上へ復帰する必要がある状況を考慮して、安全な追い越し走行を支援することができる。
【0062】
また、CPU41は、復帰地点が復帰必要地点よりも手前の位置でない場合に、当該進路変更地点において進路変更を安全に行うことができないと判定するため、危険な追い越し運転であるか否かを正確に判定することが可能となる。
また、CPU41は、方向指示スイッチ51から入力された点灯指示信号による点灯指示の方向が、進路変更地点において再度、進路変更が必要な方向の場合に、自車両前方の進路変更地点において進路変更を安全に行うことができるか否かを判定するため、危険な追い越し運転であるか否かを更に正確に判定することが可能となる。
【0063】
更に、CPU41は、自車両前方の自車両が進入可能な車両間スペースの前方側の他車両の速度が該車両間スペースの後方側の他車両の速度よりも遅い場合には、自車両が進入できない車両間スペースであると判定するため、自車両が該車両間スペースに進入する復帰地点をより正確に算出することが可能となる。
【0064】
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
【0065】
(A)上記S115の処理において、CPU41は、自車前方の自車両が進入可能な車両間スペースが複数ある場合には、当該車両間スペースを構成する進行方向前側の他車両の車速が、当該車両間スペースを構成する進行方向後側の他車両の車速よりも速く、且つ、各他車両間の速度差が最も大きいか否かを判定するようにしてもよい。そして、自車前方の自車両が進入可能な車両間スペースが複数ある場合には、当該車両間スペースを構成する進行方向前側の他車両の車速が、当該車両間スペースを構成する進行方向後側の他車両の車速よりも速く、且つ、各他車両間の速度差が最も大きい場合に(S115:YES)、CPU41は、S117の処理に移行するようにしてもよい。
【0066】
これにより、当該車両間スペースの前後の他車両間の速度差が最も大きいため、CPU41は、自車前方において、自車両が進入可能な複数の車両間スペースの中から今後スペースが拡大していくと考えられる最も安全に進入可能な車両間スペースを選択して、復帰地点を算出することが可能となる。
【0067】
(B)また、上記実施例では、CPU41は、車車間通信によって自車周辺の他車両の位置、車速等を取得したが、車車間通信に加えて、自車両の前後端部に設けたミリ波レーダやカメラによって、自車周辺の他車両の位置、相対速度、車間距離等を取得するようにしてもよい。これにより、CPU41は、自車周辺の他車両の更に高精度な位置、車速、車間距離等を取得することが可能となる。
【0068】
(C)また、上記実施例では、CPU41は、追い越し案内処理を、既に操作部14により目的地が入力され、ナビゲーション制御部13により目的地までの誘導経路が探索され、誘導経路に沿った案内が行われているときに、実行するようにしたが、目的地が入力されておらず、誘導経路に沿った案内が行われていない場合には、以下のように上記実施例におけるS12、S14、S15、S19を変形した追い越し案内処理を実行するようにしてもよい。
【0069】
例えば、上記S12において、CPU41は、自車位置から誘導経路上における自車前方の次の進路変更地点までの距離が所定距離以内(例えば、約2km以内である。)か否かを判定する判定処理に替えて、自車両が現在走行している道路の前方所定距離以内(例えば、約2km以内である。)に車線減少地点が存在するか否かを判定する判定処理を行う。そして、自車前方の所定距離以内に車線減少地点が存在しない場合には(S12:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。一方、自車前方の所定距離以内に車線減少地点が存在する場合には(S12:YES)、CPU41は、S13の処理に移行する。
【0070】
また、上記S14において、CPU41は、方向指示スイッチ51を介して入力された点灯指示の方向に対応する車線変更を行った後、誘導経路上において自車両の前方所定距離以内にある進路変更地点での進路変更のために自車両が現在走行している走行車線上へ復帰する必要があるか否かを判定する判定処理に替えて、方向指示スイッチ51を介して入力された点灯指示の方向に対応する車線変更を行った後、自車両の前方所定距離以内にある車線減少地点において車線減少のために自車両が現在走行している走行車線上へ復帰する必要があるか否かを判定する判定処理を行う。
【0071】
そして、自車両の前方所定距離以内にある車線減少地点において車線減少のために自車両が現在走行している走行車線上へ復帰する必要がない場合には(S14:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。一方、自車両の前方所定距離以内にある車線減少地点において車線減少のために自車両が現在走行している走行車線上へ復帰する必要がある場合には(S14:YES)、CPU41は、S15の処理に移行する。
【0072】
また、上記S15において、CPU41は、進路変更地点に基づく復帰必要地点の設定処理に替えて、車線減少地点に基づく復帰必要地点の設定処理を行う。例えば、CPU41は、車線減少地点から所定距離(例えば、500m)手前の地点に、車線減少のために自車両が現在の走行車線上に復帰している必要がある復帰必要地点を設定する。この所定距離は、上記実施例と同様に、自車両が走行している道路の道路種別や制限速度をナビ地図情報26のリンクデータから取得し、取得した道路種別や制限速度によって決定してもよい。例えば、高速道路の場合には、700m、一般道路の場合には300mとすることができる。
【0073】
また、上記S19において、CPU41は、誘導経路上における自車前方の次の進路変更地点で進路変更を安全にできない旨を運転者に報知する報知処理に替えて、自車前方の車線減少地点の存在と、車線減少のため追い越しを控える旨を運転者に報知する報知処理を行う。
これにより、誘導経路に沿った案内が行われていないときでも、自車前方に車線減少地点が存在する場合には、車線減少の影響を考慮した安全な追い越し走行を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本実施例に係るナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図2】ナビゲーション装置のCPUが実行する処理であって、自車両前方の進路変更地点で安全に進路変更を行うことが可能となる追い越し案内処理を示すメインフローチャートである。
【図3】図2の「復帰地点算出処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。
【図4】方向指示スイッチから点灯信号が入力された時の自車周辺の一例を示す説明図である。
【図5】復帰地点が誘導経路上における自車前方の次の進路変更地点よりも手前になる一例を示す説明図である。
【図6】復帰地点が誘導経路上における自車前方の次の進路変更地点よりも前方になる一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0075】
1 ナビゲーション装置
2 自車両
11 現在地検出処理部
12 データ記録部
13 ナビゲーション制御部
14 操作部
15 液晶ディスプレイ(LCD)
16 スピーカ
17 通信装置
25 地図情報DB
26 ナビ地図情報
41 CPU
42 RAM
43 ROM
51〜56 他車両
61、62 車両間スペース
63 追い越し必要距離
65〜67 復帰地点
71 車線
75 復帰必要地点
81 誘導経路
82 左折地点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両及び自車両周辺の他車両のそれぞれの車両位置情報と速度情報を取得する車両情報取得手段と、
前記車両位置情報に基づいて自車両の走行車線上において自車両前方の他車両間に自車両が進入可能な車両間スペースがあるか否かを判定するスペース判定手段と、
自車両前方の他車両間に自車両が進入可能な車両間スペースがあると判定された場合には、前記車両位置情報と前記速度情報とに基づいて、自車両が該車両間スペースに進入する地点を前記走行車線上に復帰する復帰地点として算出する復帰地点算出手段と、
前記復帰地点が、自車両前方の復帰必要地点より手前であるか否かを判定する地点判定手段と、
を備えたことを特徴とする運転支援装置。
【請求項2】
地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
前記地図情報に基づいて目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
方向指示器の点灯指示を入力する点灯指示入力手段と、
前記点灯指示が入力されたとき、入力された点灯指示方向に対応する車線変更を行った後、前記経路上において前記自車両の前方所定距離以内にある進路変更地点での進路変更のために前記走行車線上へ復帰する必要があるか否かを判定する復帰判定手段と、
前記走行車線上へ復帰する必要があると判定された場合には、前記進路変更地点の手前に前記復帰必要地点を設定する復帰必要地点設定手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項3】
自車両及び自車両周辺の他車両のそれぞれの車両位置情報と速度情報を取得する車両情報取得工程と、
前記車両情報取得工程で取得した車両位置情報に基づいて自車両の走行車線上において自車両前方の他車両間に自車両が進入可能な車両間スペースがあるか否かを判定するスペース判定工程と、
前記スペース判定工程で自車両前方の他車両間に自車両が進入可能な車両間スペースがあると判定された場合には、前記車両情報取得工程で取得した車両位置情報と速度情報とに基づいて、自車両が該車両間スペースに進入する地点を前記走行車線上に復帰する復帰地点として算出する復帰地点算出工程と、
前記復帰地点算出工程で算出した復帰地点が、自車両前方の復帰必要地点より手前であるか否かを判定する地点判定工程と、
を備えたことを特徴とする運転支援方法。
【請求項4】
コンピュータに、
自車両及び自車両周辺の他車両のそれぞれの車両位置情報と速度情報を取得する車両情報取得工程と、
前記車両情報取得工程で取得した車両位置情報に基づいて自車両の走行車線上において自車両前方の他車両間に自車両が進入可能な車両間スペースがあるか否かを判定するスペース判定工程と、
前記スペース判定工程で自車両前方の他車両間に自車両が進入可能な車両間スペースがあると判定された場合には、前記車両情報取得工程で取得した車両位置情報と速度情報とに基づいて、自車両が該車両間スペースに進入する地点を前記走行車線上に復帰する復帰地点として算出する復帰地点算出工程と、
前記復帰地点算出工程で算出した復帰地点が、自車両前方の復帰必要地点より手前であるか否かを判定する地点判定工程と、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−301132(P2009−301132A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−152077(P2008−152077)
【出願日】平成20年6月10日(2008.6.10)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】