説明

遠隔検針システム

【課題】電力計測装置と子機とを一装置として扱うことを可能にしかつ個別にも扱えるようにし、さらに、電力計測装置と子機との間で結線作業を不要にしながらも通信の信頼性を確保できるようにした遠隔検針システムを提供する。
【解決手段】複数系統の電力線にそれぞれ接続された負荷での使用電力を監視する電力計測装置に子機2が付設され、通信路に電力線を含む通信路を通して電力線搬送通信により親機が子機2から電力計測装置4での計測データを取得する。親機は広域情報通信網を含む通信路を介して電力会社が管理するサーバに計測データを伝送する。子機2の器体と電力計測装置4の器体とはハウジング40に収納される。子機2の器体は取付ねじでハウジング40に固定され、電力計測装置4の器体も取付ねじでハウジング40に固定される。電力計測装置40は赤外線通信により計測データを子機2に伝送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として集合住宅やオフィスビル・商業ビルにおいて電力使用量を遠隔で検針する遠隔検針システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、集合住宅の各住戸やオフィスビル・商業ビルにおける各テナントが需要家である場合において、電力量計に付設した子機と集合住宅やオフィスビル・商業ビルの電気室などに配置された親機との間で電力線搬送通信による通信を行い、各需要家の電力量計で得られた検針データ(つまり、電力量計による検針データであって、ここでは消費電力量)を親機が子機から取得し、親機において検針データを集約する技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1によれば、親機は、電話網のような通信網を介して電力会社の集計装置に接続されており、集計装置からの検針要求に応じて子機から検針データを取得して集計装置に送信したり、あらかじめ定める周期毎に子機から検針データを取得して集計装置に送信したりすることで遠隔での検針を可能にしている。
【0003】
上述の技術では、親機と子機との間で電力線搬送通信による通信を行って親機が子機からの検針データを集約するから、各需要家に電力を供給している電力線を親機と子機との間の通信路として兼用することによって、省施工かつ省材料になっている。しかも、遠隔での検針を可能にするから、検針員が電力量計を目視して消費電力量を確認する場合に比較すると、省力化になる上に検針データの読み誤りも防止することができる。
【0004】
ところで、特許文献1に記載の技術では、需要家の入った建物内の幹線(引き込み線)に複数台の降圧トランス(変圧器)を接続することにより配電系統を複数に分岐し、降圧トランスの二次側の電力線(配電線)から需要家に電力を供給している。したがって、建物内の各階ごとなどに配電系統を分けることが可能になっている。
【0005】
いま、図9のように、配電系統を複数本の電力線Lbに分岐している場合に、親機1が子機2と通信するには、いずれかの1本の電力線Lbを親機1と接続し、他の電力線Lbと親機1との間では降圧トランスTrおよび幹線Ltを介して通信信号を授受することが考えられるが、通信信号が降圧トランスTrを通過すると大きく減衰するから、通信品質が劣化するという問題を生じる。
【0006】
そこで、特許文献1では、異なる電力線Lbの間に通信信号を通過させるカプラ3(変圧器間信号結合器)を接続する構成を採用している。カプラ3の一端は各電力線Lbに接続され、他端は1組の電力線Lbに接続される。したがって、当該電力線Lbに親機1を接続することにより、すべての電力線Lbとの間で比較的高い通信品質で通信信号の授受が可能になる。
【特許文献1】特開2006−180021号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1には、電力計測装置(積算電力量計)内に検針結果を電力線搬送通信する子機(子機側通信器)を内蔵させることが記載されているが、電力計測装置に電力線搬送通信のための子機を内蔵していると、電力計測装置と子機との一方が故障した場合、あるいは、電力計測装置と子機との一方の機能を高機能化しようとする場合などにおいて、電力計測装置の全体を交換することが必要になり、高コストになるという問題がある。
【0008】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、電力計測装置と子機とを一装置として扱うことを可能にしかつ個別にも扱えるようにし、さらに、電力計測装置と子機との間で結線作業を不要にしながらも通信の信頼性を確保できるようにした遠隔検針システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、幹線から複数に分岐させた系統ごとにそれぞれ幹線の電圧を降圧して二次側に接続された電力線を通して負荷に給電する複数個の降圧トランスと、各降圧トランスの二次側の電力線に接続され負荷での使用電力を監視する複数台の電力計測装置から計測データをそれぞれ取得する複数台の子機と、子機との間で電力線を含む通信路を通して電力線搬送通信による通信を行って子機から計測データを取得する親機と、親機との間で広域情報通信網を含む通信路を通して通信を行うことにより親機が取得した計測データを取得するサーバとを有し、子機と電力計測装置とは、個別の器体を有するとともに、器体の一面同士を互いに対向させた形で各器体を収納するハウジングに対して取付ねじにより固定され、さらに、赤外線通信により計測データを電力計測装置から子機に伝送する光通信インターフェイスを備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記降圧トランスの二次側は単相3線で配線され、前記子機は、中性線と電圧線とから受電し、かつ2本の電圧線を電力線搬送通信に用いることを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明において、前記子機は、前記電力計測装置から計測データを取得する前記光通信インターフェイスである第1の光通信インターフェイスとは別に、赤外線通信により他装置と通信する第2の光通信インターフェイスを前記器体において第1の光通信インターフェイスを設けた面と交差する一面に備え、第1の光通信インターフェイスと第2の光通信インターフェイスとは、第2の光通信インターフェイスを設けた面の長手方向において異なる端部側に振り分けて配置されることを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明では、請求項1〜3のいずれかの発明において、前記子機は、器体の一面に報知灯を備え、報知すべき異常の発生時にのみ報知灯を点灯させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明の構成によれば、電力計測装置から子機に計測データを引き渡すにあたって赤外線通信を行うから、電力計測装置と子機とそれぞれユニット化してハウジングに取り付けることにより、電力計測装置の計測データを親機に引き渡す通信機能を付与することができる。したがって、電力計測装置や子機の故障時や高機能化の際には、一方の器体を交換すればよく、メンテナンスや高機能化を容易に実施することができる。また、電力計測装置と子機との間で赤外線通信を行っており、電力計測装置と子器とは近接して配置されているから、電力計測位置と子機との位置がずれると計測データの伝送に関する信頼性が損なわれるおそれがあるが、取付ねじを用いてハウジングに器体を固定しているから、伝送の信頼性を確保できる。
【0014】
請求項2の発明の構成によれば、子機が単相3線のうちの中性線と一方の電圧線とから受電しているから、内部電源を得るために高電圧から降圧する場合に比較すると電力変換効率が高くなる。また、子機が単相3線のうちの両電圧線を電力線搬送通信に用いているから、電力線に対して子機を無極性で接続することができる上に、電力線搬送通信に用いる通信信号が子機に内蔵した電源回路の影響を受けて減衰することがなく、通信品質を維持しやすくなる。
【0015】
請求項3の発明の構成によれば、第1の光通信インターフェイスと第2の光通信インターフェイスとがともに赤外線通信を行うが、両光通信インターフェイスの距離を比較的大きくしているから、第1の光通信インターフェイスで用いる赤外線と第2の光通信インターフェイスで用いる赤外線との干渉を防止することができる。
【0016】
請求項4の発明の構成によれば、子機に設けた報知灯を報知すべき異常の発生時にのみ点灯させるから、報知灯を定常時に点灯させる場合のように近隣の住人に不安感を与えることがなく、しかも定常時には報知灯が消灯していることにより省電力になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(実施形態1)
本実施形態は、集合住宅やオフィスビル・商業ビルのように1つの建物内に複数台の電力計測装置が配置されている場合を想定している。この種の建物では、図4に示すように、商用電源が供給されている幹線(6600Vの中高圧線)Ltから分岐した複数系統の電力線(100V/200Vの低圧線)Lbが配線される。幹線Ltと各電力線Lbとの分岐点にはそれぞれ降圧トランスTrが設けられる。降圧トランスTrは、幹線Ltの電圧を100V/200V(単相3線で電圧線間が200V)に降圧するものであり、たとえば20〜200kVA程度の容量のものが用いられる。図4では降圧トランスTrの二次側の電力線Lbを2線で記載しているが、実際には降圧トランスTrの二次側は単相3線になる。図4に示す2線は電力線Lbのうち電圧極の線路を示している。
【0018】
本実施形態では、集合住宅において複数台の降圧トランスTrを設け、降圧トランスTrの二次側に接続した電力線Lbから分岐して各住戸に給電している場合を例として説明する。各住戸別に電気料金を課金するために各住戸には電力計測装置4が設けられる。電力計測装置4には、従来の積算電力計に代えて電子式電力量計を用いる。電力計測装置4は瞬時電力を計測し、瞬時電力を積算することによって時間帯別に電力量を計量する。したがって、たとえば昼間時間と夜間時間のように料金単価の異なる時間帯における使用電力量を個別に計量することができる。
【0019】
ところで、本発明は、各住戸における電力の使用量を遠隔で検針することを目的にしているから、電力計測装置4で計量した計量データを通信により伝送する必要がある。ここでは、電力計測装置4で得られる計測データを伝送する通信路の一部に電力線Lbを用いて電力線搬送通信(以下、「PLC」と略称する。PLC=Power Line Communication)による通信を行う。
【0020】
各住戸に設けた電力計測装置4の計測データは、たとえば建物を単位として親機1に集められる。親機1は、電力会社が管理するサーバ6との間でインターネットのような広域情報通信網NTを通して通信を行う。したがって、サーバ6では各住戸での電力の使用量を個別に取得することが可能になる。
【0021】
親機1を広域情報通信網NTに接続するために、親機1を含む構内情報通信網と広域情報通信網NTとの間に介在して親機1とサーバ6との間での通信を可能にする通信装置としてのモデム5を設けている。広域情報通信網NTは、光通信などによるブロードバンドの通信網であり、光通信を行う場合にはモデム5としてONU(Optical Network Unit)を用いる。モデム5には、構内情報通信網が接続されるLAN用の接続口51と、広域情報通信網NTに接続されるWAN用の接続口52(図3参照)とが設けられる。
【0022】
モデム5は後述するコンセント11を介して電力線Lbから電源が供給される。したがって、電力線Lbを用いて伝送される通信信号(たとえば、10〜450kHz)が減衰しないように、電力線Lbからモデム5への給電経路には通信信号に対する入力インピーダンスを高めるインピーダンスアッパ53(図5参照)が挿入される。インピーダンスアッパ53は、電源周波数を通過させ通信信号に用いる高周波は阻止するローパスフィルタであり、コンセント11またはモデム5に内蔵される。図5はモデム5に内蔵している場合を示しており、インピーダンスアッパ53を設けることにより、モデム5内の通信回路54への給電を行いながらも電力線Lbを用いて伝送される通信信号がモデム5に内蔵した電源回路55に吸収されることがなく、電力線Lbを伝送される通信信号の品質を維持することができる。
【0023】
各住戸に設けた電力計測装置4の計測データを親機1に伝送するために、各電力計測装置4には親機1との間で通信を行う子機2がそれぞれ付設される。子機2は電力計測装置4とは別個に設けることができるが、本実施形態では、後述するように、電力計測装置4の器体と子機2の器体20とを1個のハウジング40(図1参照)内に収納している。ハウジング40内には電力計測装置4と子機2との器体がそれぞれ1個ずつ収納される。また、親機1では各住戸別に電力の使用量を把握する必要があるから、各子機2には個別の識別情報(アドレスや需要家番号)が設定されており、親機1では識別情報により各子機2を識別する。
【0024】
子機2は各電力線Lbに接続されており、通常は1組(単相3線)の電力線Lbから複数の住戸に給電するから、1組の電力線Lbに複数台の子機2が接続されることになる。ここに、親機1が子機2から積算電力量を取得する際には、親機1が各子機2をポーリングすることにより各子機2が記憶している積算電力量を取得する。子機2が電力計測装置4から積算電力量を取得して記憶することについては後述する。
【0025】
本実施形態では、親機1において通信用の接続口を多数個設ける代わりに、図3に示すように、3個の接続口31,32(3個のうちの1個は図示していないがカプラ3の左端部に設けてある)を有したカプラ3を電力線Lbの系統数より1台だけ少なく設けている。カプラ3の1個の接続口は電力線Lbに接続され、残りの2個の接続口31,32は接続ケーブルLcを介して他のカプラ3に接続されるか親機1に接続される(以下では、電力線Lbに接続される接続口を充電側接続口と呼び、残りの2個の接続口31,32を信号側接続口と呼ぶ)。電力線Lbに接続する充電側接続口と2個の信号側接続口31,32との間では、電力の通過を阻止し電力線搬送通信に用いる通信信号のみを通過可能としてある。また、信号側接続口31,32の間は互いに直結してあり、両信号側接続口31,32の間での通信信号の伝送を可能にしている。
【0026】
したがって、カプラ3の充電側接続口を電力線Lbに接続するとともに、信号側接続口31,32を用いてカプラ3の間を接続すると、同じ電力線Lbの上で通信信号を伝送できるのはもちろんのこと、異なる電力線Lbの間でもカプラ3を介して通信信号の伝送が可能になる。つまり、いずれか1台のカプラ3を親機1に接続しておくことにより、親機1には1個の信号用の接続口13c(図6参照)を設けるだけで、カプラ3を接続したすべての電力線Lbに接続されている子機2との間で通信信号の授受が可能になる。
【0027】
親機1には信号用の接続口13cとは別に受電用の接続口13dも設けてある。受電用の接続口13dは、カプラ3を介さずにいずれか1組の電力線Lbに接続される。つまり、当該電力線Lbにはカプラ3は接続されない。受電用の接続口13dは、電力線Lbからの受電のために用いられるとともに、当該電力線Lbに接続された子機2との間で通信信号を授受するためにも用いられる。子機2は電力線Lbから受電する。
【0028】
本実施形態では、上述したように、子機2との間で通信信号を伝送するために親機1に2個の接続口13c,13dを設けてあり、受電用の接続口13dには電力線Lbを接続して親機1の内部において受電電力と通信信号とを分離しているのに対して、信号用の接続口13cには通信信号を分離する機能を有したカプラ3を接続することにより接続口13cを通して通信信号のみを授受する。したがって、カプラ3の両端に電源電圧が印加されることはなく、カプラ3の両端に電源電圧が印加される場合に比較すると、カプラ3の設計が容易になる。
【0029】
ところで、本実施形態では、各電力線Lbと各カプラ3との間にそれぞれ開閉器7を挿入してある。同様に、親機1における受電用の接続口13dと電力線Lbとの間にも開閉器7を挿入してある。各開閉器7は、単極あるいは2極のスイッチを用いることができるが、望ましくは2極のブレーカを用いる。開閉器7を各電力線Lbごとに設けていることによって、各住戸への給電を停止することなく親機1やカプラ3を個別に電力線Lbから切り離して保守や点検の作業を行うことが可能になる。
【0030】
また、開閉器7としてブレーカを用いることにより、親機1やカプラ3に異常電流が流れたときに異常電流の経路を遮断し、電源側に影響を及ぼさないようにすることができる。開閉器7にブレーカを用いる場合には、降圧トランスTrの容量をたとえば20kVAとすれば、遮断容量が1.5kA程度のものを用いる。
【0031】
上述したように、電力計測装置4は各住戸での電力の使用量を計測しており、子機2は各電力計測装置4から計測データ(積算電力量)を取得するから、子機2は建物内に分散して配置される。一方、親機1は各子機2が取得した計測データを集めるために、建物の1箇所に配置される。具体的には、親機1は、図3に示すように、カプラ3および開閉器(ブレーカを用いているから、以下ではブレーカと呼ぶ)7とともに収納ボックス8に収納され、この収納ボックス8が、建物において幹線Ltおよび降圧トランスTrを収納している電気室としてのEPS(Electric Pipe Shaft)Eに配置される。
【0032】
収納ボックス8は、金属製の筐体であって、施工状態では前面が縦長となるように配置される。収納ボックス8の中には後壁に沿って取付板8aが配置され、取付板8aには、親機1、カプラ3、ブレーカ7が取り付けられる。さらに、取付板8aには、モデム5が取り付けられるとともに、モデム5に給電するためのコンセント11が取り付けられる。親機1は収納ボックス8の上部に配置され、カプラ3、モデム5、ブレーカ7、コンセント11は収納ボックス8において親機1よりも下方に配置される。
【0033】
後述するように、親機1には常時は収納ボックス8の内部の接続線(たとえば、接続ケーブルLc)のみが接続され、モデム5やブレーカ7には内部の接続線以外に収納ボックス8の外部から引き込まれた接続線(たとえば、電力線Lb)が接続される。したがって、親機1と他装置とを分離して配置しておくことにより外部の接続線との接続が容易になる。
【0034】
また、収納ボックス8の中に外部の接続線を収めるスペースが不要であるから、収納ボックス8の小型化につながる。しかも、外部の接続線(電力線Lbおよび広域情報通信網NTへの接続線)が自重により垂下しても親機1に接触することがないから、親機1に接続線による荷重が作用することがない。さらに、親機1が収納ボックス8の下部に配置されていると、親機1のメンテナンス作業の際に収納ボックス8の外部から引き込まれる多数本の接続線に触れる可能性が高くなり作業性が低下するが、親機1が接続線と干渉しない上部に配置されていることにより、メンテナンス作業の作業性が向上し、作業の安全性も高まることになる。
【0035】
ところで、図示例では、複数個のブレーカ7を上下方向に配列するとともに、複数個のカプラ3を上下方向に配列している。各ブレーカ7には、たとえば、JIS C 8370に規定された協約寸法のものを用いることができる。各ブレーカ7は、電源側端子が左端となり負荷側端子が右端となるように配置され、上端2個のブレーカ7を除いてそれぞれカプラ3と左右方向に並設される。
【0036】
後述するように、各カプラ3は各ブレーカ7と一対一に接続されるから、ブレーカ7とカプラ3との上下方向の幅寸法は等しいことが望ましい。カプラ3とブレーカ7との上下方向の幅寸法が等しければ、カプラ3とブレーカ7とを接続する際に用いる接続線を直線状に配線することができる。しかも、各接続線は同長さでよいから、接続線の加工が容易である。なお、ブレーカ7を上下方向において密着させて配置している場合に、カプラ3の上下方向の幅寸法がブレーカ7の上下方向の幅寸法よりも小さい場合でも同様の接続が可能である。ただし、この場合には上下に隣接するカプラ3の間に隙間が形成される。
【0037】
当該2個のブレーカ7のうちの一方の負荷側端子は接続線を用いて親機1の受電用の接続口13dに接続され、他方の負荷側端子は接続線を用いてコンセント11に接続される。親機1における受電用の接続口13dにはブレーカ7を通して電力線Lbが接続されることになり、当該電力線Lbに接続された子機2との間で通信信号の授受が可能になる。ここに、両ブレーカ7は1台の降圧トランスTrに共通に接続することができる。
【0038】
上端2個のブレーカ7を除く各ブレーカ7の負荷側端子は、それぞれ上述した接続線を介してカプラ3の充電側接続口に一対一に接続される。したがって、各カプラ3はそれぞれ個別のブレーカ7を通して各電力線Lbに接続され、各電力線Lbに接続された子機2との間でブレーカ7を通して通信信号を伝送することが可能になる。
【0039】
ところで、カプラ3は、図7に示す形状のケース30を備える。ケース30の後部(図7(b)の下部)には左右にそれぞれ取付片33が延設され、各取付片33には上下方向(図7(a)の上下方向)に長い長孔状の取付孔34がそれぞれ貫設される。したがって、カプラ3は上下方向において位置調節が可能になっている。ケース30の前面(図7(b)の上面)は、左右両端部が中央部よりも後退しており、中央部の突台35の左右両側にそれぞれ肩部36a,36bを備える。
【0040】
突台35の左側面(肩部36aから立ち上がる側面)には充電側接続口である端子の電線挿入口(図示せず)が開口する。電線挿入口には、ブレーカ7の負荷側端子に一端が接続された接続線の他端が挿入される。また、ケース30の内部には電線挿入口から挿入された電線の保持と接続とを行う鎖錠ばねが収納されて端子を構成する。鎖錠ばねは板ばねであって、ばね力を用いて電線を鎖錠する。この種の端子は、速結端子として周知のものである。
【0041】
突台35の前面であって電線挿入口の近傍には解除釦37が配置されており、電線が鎖錠ばねにより鎖錠されている状態において解除釦37を押圧すると、鎖錠ばねが電線から離れる向きに撓んで電線の鎖錠状態が解除されるようになっている。
【0042】
図7における右側の肩部36bの前面には、それぞれ信号側接続口31,32としての2個のモジュラジャックが設けられる。信号側接続口31,32であるモジュラジャックの極数および芯数は問わないが、たとえば6極6芯のものを3極ずつ短絡させて用いる。このように接続することにより、多極のモジュラジャックを2極の接続口として用いることができる。両信号側接続口31,32はカプラ3の長手方向(図7の左右方向)の一直線上に並設される。したがって、2個の信号側接続口31,32が左右方向に並ぶように(充電側接続口と信号側接続口31,32とが左右方向に並ぶように)カプラ3を配置し、複数台のカプラ3を上下方向の一直線上に並べた状態では、モジュラジャックは左右2列で上下方向に並ぶことになる。
【0043】
ところで、1台のカプラ3に設けた2個の信号側接続口31,32の間は直接接続されており、1台のカプラ3における2個の信号側接続口31,32は電気的には区別がない。そこで、本実施形態では、上下に隣接する各一対のカプラ3の間では、上下に隣接した信号側接続口31,32の間を接続ケーブル(モジュラーケーブル)Lcで接続している。
【0044】
いま、上下に隣接するカプラ3の間を接続ケーブルLcで接続するものとし、上から奇数番目のカプラ3と偶数番目のカプラ3とを接続する接続ケーブルLcが右側の信号側接続口32の間を接続しているとすれば、上から偶数番目のカプラ3と奇数番目のカプラ3とを接続する接続ケーブルLcは左側の信号側接続口31の間を接続することになる。要するに、2列に並んだ信号側接続口31,32の間に接続ケーブルLcを千鳥状に配置することになる。
【0045】
上下に隣接するカプラ3の間を接続ケーブルLcで接続する場合に、たとえば、隣接する一対のカプラ3のうち下側のカプラ3における左側の信号側接続口31と上側のカプラ3における右側の信号側接続口32との間を接続ケーブルLcで接続する方法も考えられるが、上述した千鳥状の接続に比較すると接続ケーブルLcが長くなる。
【0046】
接続ケーブルLcは通信信号の伝送に用いるものであるから、伝送路は短いほうが通信品質の維持のために望ましく、しかも接続ケーブルLcが短いことにより材料の有効利用にも寄与する。さらには、接続ケーブルLcが千鳥状に配置されていることにより、接続の規則性を視認しやすく、誤配線があれば容易に発見することができ、結果的に施工性がよいという利点を有する。
【0047】
収納ボックス8の前面はカバー(図示せず)に覆われる。カバーはブレーカ7のハンドルを露出させる露出窓を有している。また、カプラ3とブレーカ7とを収納ボックス8内の取付板8aに取り付けた状態において、ブレーカ7の前面はカプラ3の前面よりも前方に位置し、カバーの後面とカプラ3の前面との間に隙間が形成されるようにしてある。つまり、カプラ3の肩部36bの高さ寸法は、信号側接続口31,32に接続ケーブルLcを接続したときに、カバーの後面とカプラ3との間の隙間を通して接続ケーブルLcが配線可能となるように設定してある。
【0048】
ところで、親機1は、図6に示す形状のケース10を備える。ケース10の後部(図6(b)の下部)には上下にそれぞれ固定片14が延設され、各固定片14には2個ずつの固定孔15a,15bが穿設される。上の固定片14に形成された固定孔15aは、上下方向に長い長孔状であって上端部における左右方向の幅寸法を下端部の幅寸法よりも小さく形成してある。固定孔15aの下端部における左右方向の幅寸法は、固定孔15aに挿通される固定ねじ(図示せず)の頭部の直径よりも小さくしてある。また、下の固定片14に形成された固定孔15bは丸孔状に形成される。
【0049】
したがって、親機1を収納ボックス8に取り付けるにあたっては、取付板8aに固定孔15aに挿通される固定ねじを緩く螺合させた状態で固定ねじの頭部を固定孔15aの下端部に通し、次に、親機1のケース10を下向きに移動させると、固定ねじの脚部を固定孔15aの上端部に挿通させた状態でケース10を取付板8aに仮保持させることができる。その後、ケース10の固定孔15bに固定ねじを通し、4本の固定ねじを締め付けると親機1が収納ボックス8に取り付けることができる。
【0050】
ケース10の前面(図6(c)の左面)は、上下両端部が中央部よりも後退しており、中央部の突台16の上下両側にそれぞれ肩部17a,17bを備える。突台16の上面は上側の肩部17aの前面から突台16の前面に向かって下り傾斜する傾斜面になっている。また、突台16の下面には他装置と接続するための複数個(図示例では4個)の接続口が設けられる。
【0051】
図6(b)に示すように、左端の接続口13aはEthernet(登録商標)用のRJ−45型のモジュラジャックであり、接続線を介してモデム5に接続される。左から2番目の接続口13bはシリアル通信に用いるDサブ型のコネクタであり、接続線を介してコンピュータなどの外部装置と接続することにより親機1のメンテナンスなどに用いる。
【0052】
右から2番目は上述した信号用の接続口13cであり、接続ケーブルLcを介して1台(上端)のカプラ3に接続され、カプラ3との間で通信信号を授受する。また、右端は上述した受電用の接続口13dであり、ケース10には接続口13dとなる速結端子の電線挿入口が開口する。この接続口13dは、接続線を介して1台(上端)のブレーカ7に接続される。したがって、ブレーカ7を通して電力線Lbから親機1への電力の供給がなされ、かつ電力線Lbに接続されている子機2との間で通信信号を授受する。
【0053】
上述のように親機1では、すべての接続口13a〜13dを突台16の下面に設けているから、接続口13a〜13dが下向きになり、接続口13a〜13dへの埃の付着を抑制することができる。接続口13bには常時は何も接続されていないが、異物の付着が抑制されることで接続の信頼性を維持することができる。また、接続口13a〜13dに異物が付着しないから各接続口13a〜13dの間が確実に分離される。
【0054】
以下では、子機2および電力計測装置4について説明する。子機2は、図1に示すように、電力計測装置4とともにハウジング40に収納される。ハウジング40は、子機2や電力計測装置4が装着する取付ベース41と、取付ベース41の前面を覆うガラス製の透明なカバー42とからなり、ハウジング40の内部空間は取付ベース41とカバー42とにより密閉される。取付ベース41の下部には端子台41aが設けられ、端子台41aの前面は蓋板43により覆われる。端子台41aには、電力線Lbが接続される端子(図1(a)の左側3個)と各住戸に給電する電源線を接続するための端子(図1(a)の右側3個)とが設けられる。
【0055】
取付ベース41の上部には、子機2と電力計測装置4と開閉装置9との3個のユニットを着脱自在に装着するソケット部41bが形成される。ソケット部41bには、各ユニットにそれぞれ突設された平板状の端子片(図示せず)が挿入される複数個の差込口44a,44bが形成される。各ユニットは略同寸法に形成されており、上下3段に配置される。下段が開閉装置9であり、中段は電力計測装置4であり、上段は子機2になる。また、以下に子機2について説明するように、各ユニットは、取付ベース41に対して取付ねじを用いて固定される。
【0056】
上述のように子機2と電力計測装置4と開閉装置9とをユニットとしてハウジング40に取り付けているから、いずれかのユニットが故障した場合や高機能化を必要とする場合には、当該器体のみを交換すればよく、メンテナンスや高機能化を容易に実施することができる。
【0057】
開閉装置9はリレーを内蔵し、子機2とはケーブル(図示せず)を介して接続され、子機2を通して親機1から指示を受けるか、または子機2自体から指示を受けることにより、電力線Lbと電源線との間の電路の開閉を行う。親機1から子機2への指示内容はサーバ6から親機1に通知される。したがって、サーバ6を管理する電力会社において各需要家(住戸)への給電の開始と停止とを管理することが可能になる。
【0058】
電力計測装置4は、電圧端子である差込口44aと電流端子である差込口44bとに接続され、電力線Lbの線間電圧と電力線Lbと電源線との通過電流を検出し、検出した電圧および電流から瞬時電力を算出する。さらに、電力計測装置4は、瞬時電力を積算して積算電力量を求めることができる電力量計測回路を備える。
【0059】
電力計測装置4の器体(図示せず)には、前面および上面には赤外線を伝送媒体とする光通信インターフェイス(図示せず)が設けられている。光通信インターフェイスは、電力計測装置4で計量した積算電力量を規定した一定時間(たとえば、1〜5分間)ごとに外部装置に通知するために設けられている。前面の光通信インターフェイスはメンテナンスなどに用い、上面の光通信インターフェイスは子機2に積算電力量を通知するために用いる。光通信インターフェイスは、電力計測装置4の正面から見て右寄りに設けられている。
【0060】
子機2の器体20の下面には、図2(c)に示すように、電力計測装置4に設けた光通信インターフェイスと対向する光通信インターフェイス25が設けられる。子機2では、光通信インターフェイス25を通して電力計測装置4から赤外線通信により積算電力量を受信し、積算電力量を時間帯別(たとえば、昼間電力と夜間電力との時間帯別)に記憶する。記憶した積算電力量は親機1に伝送される。親機1に伝送された各需要家(住戸)の積算電力量は、電力会社が管理するサーバ6に伝送される。したがって、電力会社では検針員による電力量計の確認を行うことなく需要家別の使用電力量を知ることができる。
【0061】
上述のように、子機2と電力計測装置4との間では、赤外線通信により計測データを引き渡しているから、子機2と電力計測装置4との間を接続するケーブルが不要であり省施工になる。
【0062】
子機2の器体20の前面には、異常の発生を報知するための報知灯23と、IrDAポートからなる光通信インターフェイス24とが設けられる。報知灯23は常時は点灯しておらず、子機2に規定された異常が発生したときにのみ点灯する。このように定常時には報知灯23を点灯させていないから、報知灯23による電力の消費を抑制することになる。また、ハウジング40は需要家が視認可能な場所に配置されるから、報知灯23が常時点灯していると需要家や隣家の住人に不安感を与えることがあるが、報知灯23は定常時には点灯しないから、このような不安感が生じるのを防止することになる。
【0063】
光通信インターフェイス24は、初期設定、メンテナンス、子機2に記憶されている積算電力量(検針データ)の確認、子機2の内部時計の時刻合わせ、子機2の識別情報の設定などに用いられる。すなわち、光通信インターフェイス24を備えていることにより、カバー42を外すことなく非接触で上述の作業を行うことが可能になっている。この目的のために光通信インターフェイス24に代えて電波を伝送媒体とするインターフェイスを用いることも可能である。
【0064】
本実施形態では、光通信インターフェイス24は、子機2の正面から見て左寄りに配置してあり、光通信インターフェイス25から離して配置してある。このように、光通信インターフェイス25と光通信インターフェイス24との距離を比較的大きくとっていることにより、光通信インターフェイス25において通信に用いている赤外線が、光通信インターフェイス24において用いる赤外線と干渉するのを防止することができる。
【0065】
ところで、子機2の器体20の左右両側面の後端にはそれぞれ取付片26が延設される。各取付片26には取付ねじ27が挿通されており、取付ねじ27は取付ベース41に設けた取付孔45に螺入される。したがって、子機2は取付ベース41に対して取付ねじ27により確実に固定される。取付ベース41に対する固定の構造は、他のユニット(電力計測装置4および開閉装置9)も同様である。
【0066】
各ユニットの器体(器体20など)を取付ねじ(取付ねじ27など)により取付ベース41に固定しているから、各器体がハウジング40に強固に固定され、子機2と電力計測装置4との位置ずれを防止することができる。電力計測装置4から子機2に計測データを引き渡すにあたっては、電力計測装置4の光通信インターフェイスと子機2の光通信インターフェイス25との位置がずれると、通信の信頼性が損なわれる可能性があるが、取付ねじにより器体をハウジング40に強固に固定するから、位置ずれを生じる可能性が低減され、計測データに関する通信の信頼性を確保できる。
【0067】
子機2の一方の側面(正面から見て左側面)にはモジュラジャックからなる接続口21が設けられている。この接続口21にはケーブル(図示せず)が接続され、上述したように、このケーブルにより子機2と開閉装置9とが接続され、子機2から開閉装置9に指示を与えることが可能になっている。
【0068】
子機2の後面には3枚の端子片22が突設されている。各端子片22は平板状であり、取付ベース41に形成された差込口44aに挿入される。電力線Lbは単相3線であり、子機2は3極の端子片22を備えている。子機2の内部電源は一方の電圧極と中性極とから供給されるが、子機2と親機1との間の通信路には両電圧極の線路を用いる。すなわち、電圧極−中性極により受電しているから、入力電圧と内部電源の電圧との差を比較的小さくすることができ、電圧極−電圧極で受電する場合よりも降圧の際の電力変換効率を高めることができる。
【0069】
両電圧極の線間電圧は200Vであり、需要家においては電源電圧が200Vである電気機器は少ないから、電圧極−中性極の線路を通信路に用いる場合に比較すると、電圧極−電圧極の線路を通信路に用いるほうが、電気機器により発生するノイズの影響が少なく、通信の信頼性を確保しやすくなる。また、電圧極−中性極の線路を通信路に用いると2本の電圧極のうちのどちらを用いるかを選択しなければならず、接続関係を誤ると親機1との通信が不能になる場合が生じるが、電圧極−電圧極の線路を通信路に用いることにより無極性で接続することができるから、誤接続の可能性を低減することができる。
【0070】
しかも、子機2には内部電源を得るための電源回路が設けられ、電源回路には一般にコンデンサが用いられているから、電力線搬送通信に用いる通信信号が電源回路により減衰する可能性があるが、電圧極−電圧極に通信信号を通し、電圧極−中性極から電源電圧を得ているから、電源回路による通信信号の減衰を防止することができ、通信の品質を維持することができる。
【0071】
(実施形態2)
実施形態1は、収納ボックス8に1台の親機1のみを収納した場合を例示したが、図8に示すように、複数台(図示例は2台)の親機1を収納ボックス8に収納することもできる。また、1個の収納ボックス8には最大で2台の親機1を収納可能としておき、3台以上の親機1を設ける場合に、建物内に複数個の収納ボックス8を配置するようにしてもよい。
【0072】
収納ボックス8に複数台の親機1を収納する場合には、収納ボックス8内にハブ12を併せて収納しておき、各親局1とモデム5とをハブ12に接続してもよい。つまり、ハブ12を介して親機1とモデム5とからなるLANを構築してもよい。このような構成を採用すれば、1台の親機1に接続可能な子機2の台数に制限があっても、親機1の台数を増やすことによって子機2の台数の制限を取り除くことができる。たとえば、1台の親機1で通信可能な子機2の最大台数を180台とすれば、3台の親機1により360台までの子機2と通信することが可能になる。言い換えると、360の需要家についてサーバ6を用いて遠隔検針が可能になる。他の構成および動作は実施形態1と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】実施形態1に用いるハウジングを示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図2】同上に用いる子器を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は下面図、(d)は左側面図である。
【図3】同上に用いる収納ボックスの正面図である。
【図4】同上のシステム構成を示すブロック図である。
【図5】同上に用いる通信装置を示す要部回路図である。
【図6】同上に用いる親機を示し、(a)は正面図、(b)は下面図、(c)は側面図である。
【図7】同上に用いるカプラを示し、(a)は正面図、(b)は下面図である。
【図8】実施形態2に用いる収納ボックスの正面図である。
【図9】従来のシステム構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0074】
1 親機
2 子機
3 カプラ
4 電力計測装置
5 モデム(通信装置)
6 サーバ
20 器体
23 報知灯
24 (第2の)光通信インターフェイス
25 光通信インターフェイス
27 取付ねじ
40 ハウジング
Lb 電力線
Lt 幹線
NT 広域情報通信網
Tr 降圧トランス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
幹線から複数に分岐させた系統ごとにそれぞれ幹線の電圧を降圧して二次側に接続された電力線を通して負荷に給電する複数個の降圧トランスと、各降圧トランスの二次側の電力線に接続され負荷での使用電力を監視する複数台の電力計測装置から計測データをそれぞれ取得する複数台の子機と、子機との間で電力線を含む通信路を通して電力線搬送通信による通信を行って子機から計測データを取得する親機と、親機との間で広域情報通信網を含む通信路を通して通信を行うことにより親機が取得した計測データを取得するサーバとを有し、子機と電力計測装置とは、個別の器体を有するとともに、器体の一面同士を互いに対向させた形で各器体を収納するハウジングに対して取付ねじにより固定され、さらに、赤外線通信により計測データを電力計測装置から子機に伝送する光通信インターフェイスを備えることを特徴とする遠隔検針システム。
【請求項2】
前記降圧トランスの二次側は単相3線で配線され、前記子機は、中性線と電圧線とから受電し、かつ2本の電圧線を電力線搬送通信に用いることを特徴とする請求項1記載の遠隔検針システム。
【請求項3】
前記子機は、前記電力計測装置から計測データを取得する前記光通信インターフェイスである第1の光通信インターフェイスとは別に、赤外線通信により他装置と通信する第2の光通信インターフェイスを前記器体において第1の光通信インターフェイスを設けた面と交差する一面に備え、第1の光通信インターフェイスと第2の光通信インターフェイスとは、第2の光通信インターフェイスを設けた面の長手方向において異なる端部側に振り分けて配置されることを特徴とする請求項1又は2記載の遠隔検針システム。
【請求項4】
前記子機は、器体の一面に報知灯を備え、報知すべき異常の発生時にのみ報知灯を点灯させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の遠隔検針システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−4346(P2010−4346A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−161739(P2008−161739)
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【出願人】(000156938)関西電力株式会社 (1,442)
【Fターム(参考)】