説明

選別装置

【課題】設置床面積の少ない選別装置を提供する。
【解決手段】選別装置は、予め定められた一定の基準に沿って区分けされた対象物(W)を該区分けに対応する複数のトレイ(51)のうちの対応するものに収容する選別装置において、略同一円周上にそれぞれ配置される、区分された上記対象物が搬入される入口部(IN)及び上記複数のトレイと、当該円の中心部に配置される、上記対象物を保持可能な保持部(43)が先端部に設けられたアーム(42)を回転軸部(41)の外周囲に複数有し、上記対象物を上記アームに保持した状態で回転可能な回転アーム部(40)と、を備え、上記回転アーム部全体の昇降動作によって上記入口部に搬入された対象物を上記アームに保持し、上記回転アーム部の回転によってアームに保持した対象物を上記入口部から当該対象物の区分けに対応するトレイまで搬送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め定められた一定の基準に沿って区分けされた対象物を各区分毎に用意された複数のトレイに分別して収容する選別装置に関し、特に、選別装置の外形を小型化することを可能とする選別装置の提供に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池パネルの組み立て完成後や、半導体装置を形成されたウエハ等は、その後にテスタで検査され、検査結果に応じてクラス分けされる(特許文献1,2)。クラス分けを自動的に行うため、検査結果に応じて太陽電池パネルなどの検査対象物を自動的に仕分ける選別装置が使用される。例えば、特許文献3に記載の選別装置では、ベルトコンベアの脇にトレイを複数配置して選別結果に基づいてクラス分けされた対象物をトレイに入れている。
【特許文献1】特開2004−95731号公報
【特許文献2】特開2007−225553号公報
【特許文献3】特開2008−62123号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ベルトコンベアの両脇に複数のトレイを配置する選別装置は、トレイ数が増えると設置スペースが増大する不具合がある。場合によっては、所定場所に入らず、トレイの設置数、すなわち、検査対象物のクラス分けが限定される。
【0004】
よって、本発明は設置床面積の少ない選別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明の一つの態様である選別装置は、予め定められた一定の基準に沿って区分けされた対象物を該区分けに対応する複数のトレイのうちの対応するものに収容する選別装置において、略同一円周上にそれぞれ配置される、区分された上記対象物が搬入される入口部及び上記複数のトレイと、当該円の中心部に配置される、上記対象物を保持可能な保持部が先端部に設けられたアームを回転軸部の外周囲に複数有し、上記対象物を上記アームに保持した状態で回転可能な回転アーム部と、を備え、上記回転アーム部全体の昇降動作によって上記入口部に搬入された対象物が上記アームに保持され、上記回転アーム部の回転によってアームに保持した対象物が上記入口部から当該対象物の区分けに対応するトレイまで搬送される、ことを特徴とする。
【0006】
かかる構成によれば、複数のトレイを環状に配置するので選別のスペースが比較的に少ない面積で済む利点がある(後述の比較例を参照)。また、複数のアームを有する回転アーム部の構造が比較的に簡単であり、制御対象となる動作も回転アーム部全体の昇降動作と回転アーム部の回転動作であり、比較的に簡単な制御で済む利点がある。
【0007】
また、本発明の他の一つの態様である選別装置は、予め定められた一定の基準に沿って区分けされた対象物を該区分けに対応する複数のトレイのうちの対応するものに収容する選別装置において、略同一円周上にそれぞれ配置される、区分された上記対象物が搬入される入口部及び上記複数のトレイと、当該円の中心部に配置される、上記対象物を保持可能な保持部が先端部に設けられたアームを回転軸部の外周囲に複数有し、上記対象物を上記アームに保持した状態で回転可能な回転アーム部と、を備え、上記アームの上下動作によって上記入口部に搬入された対象物が上記アームに保持され、上記回転アーム部の回転によってアームに保持した対象物が上記入口部から当該対象物の区分けに対応するトレイまで搬送される、ことを特徴とする。
【0008】
かかる構成とすることによって、各アームが入口部において上下動して対象物を保持するので上述した回転アーム部全体の昇降動作を不要とすることができ、回転アーム部全体の昇降動作に伴う対象物への振動付与を回避することが可能となる。また、下記のようにアームの段数を増やして回転アーム部の重量が増加した場合に、回転アーム部全体を昇降させなくて済む利点がある。
【0009】
上記入口部及び上記複数のトレイが上記回転軸部の延在方向に複数段に構成され、これに対応して上記回転アーム部の複数のアームが上記回転軸部の延在方向に複数段に構成される、ことが望ましい。それにより、軸方向(例えば、上下方向)にトレイを多段構成で配置することができ、同一の装置床面積でトレイ数を増やすことが可能となって好都合である。
【0010】
上記回転軸部は柱状体であり、上記複数のアームは該柱状体の中心軸と直交する平面上に該柱状体の側面から外方に向かって延在している、ことが望ましい。それにより、トレイ及びアームをそれぞれ複数段に構成することが容易となる。また、回転アーム部全体を昇降して対象物を保持する場合に、複数のアームを備える回転アーム部の構成が簡単になる利点がある。
【0011】
上記アームに設けられた保持部は、後述の負圧吸着の他、いわゆる搬送アームロボットの、把持(つかむ)機構、係止(ひっかける)機構、磁気吸着(電磁石吸引)機構などを用いることができる。アームはその延在方向に伸縮するものであっても良い。それにより、複数のトレイを二重環あるいは三重環状(複数環状)に配置することが可能となり、選別区分(クラス分け)の数を増大させることができる。
【0012】
上記保持部における上記対象物の保持が吸着によって行われる、ことが望ましい。吸着(例えば、エア吸収)によって対象体を保持することにより、対象物の保持及び保持開放を簡単な構成で行うことができる。
【0013】
上記対象物が、ウエハ、太陽電池パネルのいずれかを含むことが望ましい。シリコンウエハ、半導体装置を形成したウエハ、太陽電池セル、太陽電池パネル等は、製品の特性が一定の範囲に分布する傾向がある。そこで、製品を特性でクラス分けするために、選別装置を使用すると便利である。
【0014】
また、本発明の他の一態様である選別装置は、検査対象のワーク(対象物)に対して予め定められた検査を行う検査装置と、検査された上記ワークが搬入される入口部と、上記ワークを保持可能な保持部が先端部に設けられたアームを回転軸部の外周囲に複数有し、上記ワークを上記アームに保持した状態で回転可能な回転アーム部と、上記回転軸部の回りに環状に複数配置されたトレイを有する環状収納部と、上記検査の結果に基づいて上記アームタワー部に上記入り口部に搬入された検査済みのワークを上記アームに保持させて、上記複数のトレイのうち対応するトレイに搬送させる制御部と、を備える。
【0015】
かかる構成とすることによって、検査対象のワークを検査結果に対応したトレイに配分する選別装置を、複数のトレイを環状に配置し、複数のアームを備える回転アーム部を該環の中心に据えることによって選別装置を少ない床面積で設置することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施例においては、検査された対象物を区別(あるいは分類)する複数のトレイを環状に配置することにより、更に、(必要により)環状に配置された複数のトレイを上下に複数段に構成することによって、可及的に少ない設置面積で多数のトレイを使用することができるようにしている。
【0017】
そして、第1の実施例では、環状のトレイ配置に対応した複数のアーム全体を同時に昇降動作させてアーム端部に入り口部に搬送された対象物を保持する。次に、複数のアーム全体を回動して、対象物が搬送先のトレイ上に来たときに、保持を開放してトレイに収納する。また、第2の実施例では、複数のアームを個別的に昇降動作させてアーム端部に入り口部に搬送された対象物を保持する。次に、複数のアーム全体を回動して、対象物が搬送先のトレイ上に来たときに、保持を開放してトレイに収納する。
【0018】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0019】
(実施例1)
【0020】
図1乃至図5は、本発明の選別装置の第1の実施例を説明する説明図である。図1は、選別装置を説明する上面図である。図2は、図1のA−A’方向における断面で説明する説明図である。図3は、図1及び図2に示された回転アーム部を説明する上面図である。図4は、図2のB−B’方向における断面で下段トレイ部を説明する説明図である。図5は、選別装置の動作をシフトレジスタを使用して説明する説明図である。各図において、対応する部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0021】
図1乃至図3に示すように、選別装置1は架台10の上に構成される。架台10は図示しない鉄材による骨組みと、内部を覆うスカートカバーとなる鉄板等によって構成され、選別装置1を支持するベースとなっている。架台10には、制御装置70、電源部72、エアコンプレッサ(あるいは油圧)などの動力源73、配電盤(図示せず)等が設けられている。
【0022】
架台10の上部の作業面11には、大別して、搬送部20、昇降部30、回転アーム部40、環状収納部50、検査装置60等が設けられている。
【0023】
搬送部20は、図示しない外部から供給される、選別(あるいは区別)の対象となるワーク(対象物)Wを検査装置に搬送するベルトコンベア型の搬送装置21、ワークWを上段トレイ又は下段トレイに搬送する、昇降機能を有する搬送装置22、ワークWを下段トレイの入口部INに搬送する搬送装置23、ワークWを上段トレイの入口部INに搬送する搬送装置24によって構成される。搬送部20は、検査対象のワークWを検査装置60を経由して環状収納部50の上段トレイ及び下段トレイの各入口部INに搬送する。搬送部20の各搬送装置は、制御部70によって回転アーム部40の回転搬送の動作と同期(整合)するように調整される。
【0024】
昇降部30は、荷台31を昇降するシリンダ32、作業面11に設けられたスリーブ33に挿通して、荷台31の昇降を案内するガイドピン34等によって構成される。シリンダ32はコンプレッサ73から供給される圧縮空気によって動作する。圧縮空気の供給は制御部70による図示しないエアバルブの制御によって行われる。
【0025】
荷台31には、モータ35、ロータリエンコーダ36及び回転アーム部40が載置される。モータ35は、回転アーム部40の回転軸部41をその下端部から回転駆動する。ロータリエンコーダ36は回転軸部41の回転角度量(回転位置)を検出して制御部70に制御情報として送る。シリンダ32の動作によって荷台31が上下動すると、回転アーム部40全体が昇降する。
【0026】
回転アーム部40は、図3に示すように、円柱状の回転軸部41の側面に複数のアーム42を等間隔で備えている。実施例では、アーム42の数は一段について各段のトレイ数+1(入口部分)の数となっている。例えば、本実施例では12本のアーム(アーム42の角度30度)を備えている。なお、この数に限定されるものではない。各アーム42は回転軸部41の側面から外方に向かって伸びている。また、図2に示すようにアーム42は回転軸部41の軸方向(図では上下方向)において二段に構成されている。
【0027】
各アーム42の先端部にはワークWを4点の樹脂パッドを介してバキューム(負圧)で吸着する吸着パッド部43が保持部として設けられている。バキュームは図示しない経路を介して既述コンプレッサから供給される。ワークWの吸着及び開放は制御部70によって行われる。各アーム42は、環状の搬送路(上段搬送路、下段搬送路)を形成する。
【0028】
上記アームに設けられた保持部は、いわゆる搬送アームロボットの把持(つかむ)機構、係止(ひっかける)機構、磁気吸着(電磁石吸引)機構などを用いることができる。
【0029】
このように構成される回転アーム部40は、制御部70によって動作制御される。例えば、一つの制御態様では、制御部70は回転アーム部40を所定の回転角度(例えば、アーム数が12本の場合は30度)回転させる度に、回転アーム部40を降昇させる。すなわち、所定回転位置(例えば、0度位置)において、回転アーム部40全体が下降して環状収納部50の入口部INに搬送されたワークWをアーム先端部に吸着し、その後回転アーム部40全体が上昇する。次に、回転アーム部40は所定角度の回転と降昇を繰り返しながら回動して対応するトレイ51上にワークWを搬送する。回転アーム部40は対応するトレイ51上で降下して、ワークWをトレイの上にリリースし、上昇する。この各アーム42にワークWを連続的に保持する動作を使用した、目的トレイへの搬送動作については更に後述する。
【0030】
他の一つの制御態様としては、制御部70は、回転アーム部40を降下させて入口部INに搬送されたワークWを一つのアーム42の吸着パッド部43に吸着させた後、対応するトレイ上まで回転アーム部40を回動させ、降下させて当該アーム42からワークWをリリースする。この降下の際に、次のワークWを空きアーム42の吸着パッド部43に保持するようにする。これを繰り返してワークWの区分け搬送を行う。この場合には、各アーム42上のワークWの搬送間隔が空くが、1つのワークWの搬送における回転アーム部40の昇降の回数が減少する利点がある。
【0031】
なお、回転アーム部40を用いた区分けの搬送は上述した制御態様に限定されるものではない。
【0032】
環状収納部50は、本実施例では、上段トレイと下段トレイの二段トレイで構成される。下段トレイは、図4に示すように、円盤状(あるいは環状)のベース52上に複数のトレイ51(No.1〜11)及び入口部IN(搬送装置23のワークWの位置)が環状に等間隔で配置されており、回転軸部41の回転軸を中心とする円の略同一円周上に配置されている。上述したように、各トレイ及び入口部INの数は回転アーム部40のアーム42の数と同じ(本実施例では、12)になっている。各トレイ51は中央部が凹部となった枠体で構成されている。各トレイ51は、対象物であるワークWの種類・形状に応じた材質、形状となっている。ワークWとしては、例えば、シリコンウエハ、太陽電池のセル基板(太陽電池パネル)、電気回路基板、などが該当する。なお、食品などであっても良い。
【0033】
上段トレイは、図1に示すように、下段トレイと同様に、円盤状(あるいは環状)のベース53上に複数のトレイ51(No.12〜22)及び入口部IN(搬送装置24のワークWの位置)が環状に等間隔で配置されており、回転軸部41の回転軸を中心とする円の略同一円周上に配置されている。各トレイ及び入口部INの数は回転アーム部40のアーム42の数と同じ(本実施例では、12)になっている。環状のベース52及び53は、例えば、鉄板によって構成され、支持柱55によって架台に固定されている。
【0034】
各トレイには、検査されたワークを区別(クラス分け)して収納するために、識別のためのトレイ番号(No.1〜22)が割り当てられている。
【0035】
検査装置60は、ワークWが搬送装置21によって所定位置に運ばれると、ワークWに予め定められた計測やテスト等を行い、その結果に基づいてクラス分け(区別・選別)の処理を行う。なお、制御部70にテスト結果などを送り、制御部70でクラス分けを行っても良い。例えば、ワークが太陽電池パネルであるとき、検査装置60は疑似太陽光をワークWに照射し、太陽電池パネルの発電電圧や発電効率を測定する。この測定結果に基づいてワークWが該当するクラスのトレイに収納される。例えば、ワークWがシリコンウエハであるとき、検査装置60は半導体試験装置である。また、ワークWを重量で選別する場合には、検査装置60は電子秤である。
【0036】
次に、上述した一つの制御態様による選択装置1の動作について説明する。図5は、制御装置70内のCPUの制御プログラムに実現されている機能を擬似的に論理回路で示している。制御装置70は、例えば、市販のプログラマブルコントローラを利用することができる。
【0037】
検査装置(テスト装置)60は、ワークWの特性を測定してクラス分けを行い、収納すべきトレイ番号Sを決定し、制御部70に送る。制御部70は、このトレイ番号より、上段トレイか下段トレイかを判別し、搬送装置22乃至24を制御してワークを入口部INに搬送させる。搬送されたワークWの搬送先トレイ番号を当該番号Sに対応して上段のバッファレジスタ71又は下段のバッファレジスタ72にセットする。非選択のバッファレジスタには「0」をセットする。バッファレジスタ71には上段の複数のトレイ51の数に対応する段数(レジスタ数)を備えたシフトレジスタ73が接続されている。バッファレジスタ72には下段の複数のトレイ51の数に対応する段数を備えたシフトレジスタ74が接続されている。
【0038】
シフトレジスタ73の各出力は複数のデータ比較器75の一方の入力にそれぞれ供給される。複数のデータ比較器75の各他方入力にはそれぞれ上段の複数の各トレイ51のトレイ番号12〜22が供給されている。同様に、下段のシフトレジスタ74の各出力は複数のデータ比較器76の一方の入力にそれぞれ供給される。複数のデータ比較器76の各他方入力にはそれぞれ下段の複数の各トレイ51のトレイ番号1〜11が供給されている。
【0039】
制御部70は、モータ35を制御して、入口部INでワークWを吸着したアーム42を30度ずつ反時計方向に回転させる。この30度の回転に同期して各シフトレジスタにおけるデータシフト(次段へのトレイ番号の移動)が行われ、トレイ番号が右方に順次移動する。例えば、下段トレイのシフトレジスタ74をトレイ番号「4」がアーム42の回転に同期して移動し、シフトレジスタ74の第4段目に移動すると、データ比較器76がトレイ番号「4」と比較基準番号「4」との一致を検出し、検出信号D4を出力する。
【0040】
制御部70は、検出信号D4の発生に対応してトレイ番号4上にあるアーム42の吸引を停止してワークWを開放し、下段のトレイ4番上に落下させ、トレイに収容する。なお、同様に、12本のアーム42の番号(No.1〜12)をトレイ数に対応した段数のシフトレジスタを巡回させることによって任意の番号のトレイ上に現在位置しているアームの番号を知ることができる。なお、図5を参照して説明した制御動作は、制御プログラムによってソフトウェアで実行される。
【0041】
(実施例2)
【0042】
図6は、第2の実施例を示している。同図において図2と対応する部分には同一符号を付し、かかる部分の説明は省略する。
【0043】
この実施例では、各アーム42に関節(ピボット)構造45を設けて、各アーム42を個別的に上下動可能にしている。各アームは動力源46によって上下動する。動力源46としては、電動モータ、電磁アクチュエータ、空気圧や油圧を使用したシリンダ、等が使用される。各アーム42は制御部70によって制御される。各アーム42を個別的に上下動させることによってワークWの保持(吸着)を行う。また、ワークWの保持開放の際にアーム42の上下動を行うことによってワークWの落下量を減少することができる。この可動アーム機構によって回転アーム部40全体を上下動させる昇降部30は不要となっている。他の構成は実施例1と同様である。
【0044】
この実施例における利点は、回転アーム部40を上下動させないため、アーム42に保持しているワークWに回転アーム部40の昇降に伴う振動が加わらないことである。また、多段アーム構成などによって回転アーム部40の重量が増加した場合に上下動させる必要がなくなって具合がよい。
【0045】
(比較例)
【0046】
図7及び図8は、本発明の実施例の利点を説明するための比較例である。図7は比較例の平面図、図8は比較例の断面図である。図1及び図2と対応する部分には同一符号を付している。
【0047】
比較例では、検査されたワークWがベルトコンベアで直線状に搬送され、X−Y方向に移動するロボットLBによってワークWを該当する区分のトレイに搬送している。
【0048】
比較例のように同数(11個)のトレイ51を直線上に配置した場合には、選別装置全体の床面積が増大して広い部屋を必要とする。これに対して本願の各実施例では、各トレイ51を環状に配置しているため、また、上下方向に複数段のトレイ構造としているため、選別装置の設置面積を減少することができる。
【0049】
なお、実施例では、上下トレイ(第1段及び第2段トレイの二段構成)と二段に構成されたアーム42の例で説明しているが、これに限られない。トレイ及びアームはより多くの段数とすることができる。
【0050】
また、アーム42はその延在方向に伸縮するものであっても良い。それにより、複数のトレイを二重環あるいは三重環状(複数環状)に配置することが可能となり、選別区分(クラス分け)の数を増大させることができる。
【0051】
また、実施例では、シリンダの動作や吸引にエア圧を利用しているが、動力源として油圧を利用しても良い。
【0052】
また、実施例で説明したように、選別装置は種々の制御態様で動作させることができ、特定の制御態様に限定されるものではない。
【0053】
以上説明したように、本発明の実施例によれば、同じトレイ数でも相対的に設置面積が少なくて済む選別装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の第1の実施例を説明する平面図である。
【図2】本発明の第1の実施例を説明する断面図である。
【図3】回転アーム部を説明する平面図である。
【図4】下段トレイ部を説明する平面図である。
【図5】実施例の動作を説明する説明図である。
【図6】第2の実施例を説明する断面図である。
【図7】比較例を説明する平面図である。
【図8】比較例を説明する断面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 選別装置、20 搬送部、21〜24 搬送装置、30 昇降部、40 回転アーム部、41 回転軸部、50 環状収納部、51 トレイ、60 検査装置、IN 入口部、W ワーク(対象物)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた一定の基準に沿って区分けされた対象物を該区分けに対応する複数のトレイのうちの対応するものに収容する選別装置であって、
略同一円周上にそれぞれ配置される、区分された前記対象物が搬入される入口部及び前記複数のトレイと、
当該円の中心部に配置される、前記対象物を保持可能な保持部が先端部に設けられたアームを回転軸部の外周囲に複数有し、前記対象物を前記アームに保持した状態で回転可能な回転アーム部と、を備え、
前記回転アーム部全体の昇降動作によって前記入口部に搬入された対象物が前記アームに保持され、前記回転アーム部の回転によってアームに保持された対象物が前記入口部から当該対象物の区分けに対応するトレイまで搬送される、ことを特徴とする選別装置。
【請求項2】
予め定められた一定の基準に沿って区分けされた対象物を該区分けに対応する複数のトレイのうちの対応するものに収容する選別装置であって、
略同一円周上にそれぞれ配置される、区分された前記対象物が搬入される入口部及び前記複数のトレイと、
当該円の中心部に配置される、前記対象物を保持可能な保持部が先端部に設けられたアームを回転軸部の外周囲に複数有し、前記対象物を前記アームに保持した状態で回転可能な回転アーム部と、を備え、
前記アームの上下動作によって前記入口部に搬入された対象物が前記アームに保持され、前記回転アーム部の回転によってアームに保持した対象物が前記入口部から当該対象物の区分けに対応するトレイまで搬送される、ことを特徴とする選別装置。
【請求項3】
前記入口部及び前記複数のトレイが前記回転軸部の延在方向に複数段に構成され、これに対応して前記回転アーム部の複数のアームが前記回転軸部の延在方向に複数段に構成される、請求項1又は2に記載の選別装置。
【請求項4】
前記回転軸部は柱状体であり、前記複数のアームは該柱状体の中心軸と直交する平面上に該柱状体の側面から外方に向かって延在している、請求項1乃至3のいずれかに記載の選別装置。
【請求項5】
前記保持部における前記対象物の保持が吸着によって行われる、請求項1乃至4のいずれかに記載の選別装置。
【請求項6】
前記対象物が、ウエハ、太陽電池パネルのうち少なくともいずれかを含む、請求項1乃至5のいずれかに記載の選別装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−64024(P2010−64024A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−233738(P2008−233738)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(593039856)マイクロ・テック株式会社 (21)
【Fターム(参考)】