説明

選択的アンドローゲン受容体モジュレーターとして有用な、二環式イミダゾール又はチアジアゾール複素環

本発明は新二環式複素環、それらを含有する製薬学的組成物並びにアンドローゲン受容体により調節される障害及び状態の処置におけるそれらの使用を対象とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新二環式複素環、それらを含有する製薬学的組成物及び1種又は複数の性ステロイドホルモン受容体により仲介される障害の処置におけるそれらの使用及びそれらの調製法を対象とする。本発明の化合物は選択的アンドローゲン受容体モジュレーターである。
【背景技術】
【0002】
アンドローゲンは、筋肉及び骨格塊、生殖系の成熟、二次性徴の発達並びに男性の繁殖力の維持を制御する動物のアナボリックステロイドホルモンである。女性においてはテストステロンは大部分の標的組織中でエストローゲンに転化されるが、アンドローゲン自体が正常の女性の生理において、例えば脳内で役割を果たすことができる。血清中に認められる主要なアンドローゲンはテストステロンであり、そしてこれは精巣及び下垂体のような組織中で有効な化合物である。前立腺及び皮膚中で、テストステロンは5α−還元酵素の作用によりジヒドロテストステロン(DHT)に転化される。DHTはそれがアンドローゲン受容体により強力に結合するために、テストステロンより強力なアンドローゲンである。
【0003】
すべてのステロイドホルモンのように、アンドローゲンは標的組織の細胞内の特定の受容体、この場合はアンドローゲン受容体に結合する。これは核の受容体の転写因子族の1員である。受容体に対するアンドローゲンの結合がそれを活性化し、標的遺伝子に隣接するDNA結合サイトにそれを結合させる。そこから、それは共活性化タンパク質及び塩基性転写因子と相互作用して、遺伝子の発現を制御する。従って、その受容体を介して、アンドローゲンは細胞内の遺伝子発現に変化を誘発する。これらの変化は最終的には、標的組織の生理学において明らかな、細胞の代謝活動、分化又は増殖に影響を有する。
【0004】
アンドローゲン受容体の機能のモジュレーターはしばらくの間臨床的に使用されたが、ステロイド(非特許文献1、2)及び非ステロイド(非特許文献3)化合物は双方とも、女性化乳房、乳房柔軟化及び肝毒性を包含するそれらの薬理学的因子に関連した重大な欠点を有する(非特許文献1、2及び3参照)。更に、クマリンを使用する抗凝固治療を受けている患者において薬剤−薬剤相互作用が認められた。最後に、アニリン感受性をもつ患者は非ステロイド抗アンドローゲンの代謝物により影響を受け易い可能性がある。
【0005】
アンドローゲン受容体の非ステロイドアゴニスト及びアンタゴニストは種々の障害及び疾患の処置に有用である。更に具体的には、アンドローゲン受容体のアンタゴニストは前立腺癌、良性前立腺肥大、女性の多毛症、脱毛症、拒食症、乳癌及びにきびの処置に使用することができる。アンドローゲン受容体のアゴニストは男性避妊、男性行動の促進、並びに癌、AIDS、悪液質及び他の障害の処置に使用することができる。
【0006】
それにも拘わらず、アンドローゲン受容体の小分子の非ステロイドのアンタゴニストの需要が存在する。我々はここで、アンドローゲン受容体モジュレーターとしての新規の一連の二環式複素環を説明する。
【非特許文献1】Basaria,S.,Wahlstrom,J.T.,Dobs,A.S.,J.Clin Endocrinol Metab(2001),86,pp5108−5117
【非特許文献2】Shahidi,N.T.,Clin Therapeutics,(2001),23,pp1355−1390
【非特許文献3】Newling,D.W.,Br.J.Urol.,1996,77(6),pp.776−784
【発明の開示】
【0007】
発明の要約
本発明は、式(I)
【0008】
【化1】

【0009】
の化合物又は製薬学的に許容されうるその塩を対象とし、
式中、
は水素、カルボキシ、アルキル、ハロゲン化C1−4アルキル、ヒドロキシ置換C1−4アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、−C(O)−アルキル、−C(O)−(ハロゲン化C1−4アルキル)、−C(O)O−C1−4アルキル、−C(O)O−アリール、−C1−4アルキル−及びS(O)0−2−C1−4アルキルよりなる群から選択され、
ここでアリール又はヘテロアリールは、単独でも又は置換基の一部としても、場合により、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロゲン化C1−4アルキル、ハロゲン化C1−4アルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、−NR−C(O)−C1−4アルキル、−C(O)O−C1−4アルキル及びNR−C(O)−(ハロゲン化C1−4アルキル)よりなる群から独立して選択される1個又は複数の置換基で置換されてもよく、ここでRはそれぞれ水素又はC1−4アルキルである、
はC1−4アルキル及びハロゲン化C1−4アルキルよりなる群から選択され、
Xは−C(O)−、−C(S)−、−C(O)−C(O)−及び−S(O)1−2−よりなる結合群から選択され、
Yは−C(O)−、−C(O)−C(O)−、−S(O)1−2−又はN原子よりなる結合群から選択され、
ZはC、N又はOよりなる群から選択され、但しZがOである時は、Rは不在であることとする、
AはO及びSよりなる群から選択され、
は不在であるか、又は、水素、ハロゲン、C1−4アルキル、ハロゲン化C1−4アルキル、シアノ、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4アルキル)アミノ、−O−C1−4アルキル、−S(O)0−2−C1−4アルキル、−NR−C(O)−C1−4アルキル、ベンジル、−O−フェニル、−C(O)−フェニル及び−S(O)0−2−フェニルよりなる群から選択され、ここでRは水素又はC1−4アルキルである、
は不在であるか、又は、水素、ハロゲンC1−4アルキル、ハロゲン化C1−4アルキル、シアノ、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4アルキル)アミノ、−O−C1−4アルキル、−S(O)0−2−C1−4アルキル、−NR−C(O)−C1−4アルキル、ベンジル、−O−フェニル、−C(O)−フェニル及び−S(
O)0−2−フェニルよりなる群から選択され、ここでRは水素及びC1−4アルキルよりなる群から選択される。
【0010】
本発明を例示するものは、製薬学的に許容されうる担体及び本明細書に記載のいずれかの化合物を含んでなる製薬学的組成物である。本発明の実例は、本明細書に記載のいずれかの化合物及び製薬学的に許容されうる担体を混合する方法により製造される製薬学的組成物である。本発明を具体的に表すものは、本明細書に記載のいずれかの化合物及び製薬学的に許容されうる担体を混合する方法を含んでなる、製薬学的組成物を製造する方法である。
【0011】
本発明を具体的に表すものは、治療的に有効量の本明細書に記載のいずれかの化合物又は製薬学的組成物を被験体に投与する方法を含んでなる、その投与を要する被験体におけるアンドローゲン受容体により調節される障害及び状態を処置する方法である。
【0012】
本発明の一例は、有効量の、本明細書に記載のいずれかの化合物又は製薬学的組成物を被験体に投与する方法を含んでなる、投与を要する被験体における、前立腺癌、良性前立腺肥大、多毛症よりなる群から選択されるアンドローゲン受容体調節障害を処置するため又は男性避妊のための方法である。
【0013】
本発明のもう1つの例は、投与を要する被験体における、(a)前立腺癌、(b)良性前立腺肥大、(c)多毛症、(d)脱毛症、(e)拒食症、(f)乳癌、(g)にきび、(h)AIDS、(i)悪液質を処置するため、(j)男性の避妊のため、又は(k)男性行動促進のための医薬の調製における本明細書に記載のいずれかの化合物の使用である。
【0014】
発明の詳細な説明
本発明は、前立腺癌、良性前立腺肥大(BPH)、多毛症、脱毛症、拒食症、乳癌、にきび、AIDS、悪液質の処置のため、男性避妊としてそして/又は男性行動促進剤としての選択的アンドローゲン受容体モジュレーターとして有用な、式(I)
【0015】
【化2】

【0016】
[式中、R、R、R、R、X、Y、Z及びAは本明細書に定義のとおりである]の化合物を対象とする。
【0017】
本発明の1つの態様において、Rは水素、カルボキシ、−C1−4アルキル−、ハロゲン化C1−4アルキル、ヒドロキシ置換C1−4アルキル、アリール、ヘテロアリール、−C(O)−アルキル、−C(O)−(ハロゲン化C1−4アルキル)及び−C(O)O−C1−4アルキル、−C(O)O−アリール、−C1−4アルキル−及びS(O)0−2−C1−4アルキルよりなる群から選択され、
ここで、アリール又はヘテロアリールは、単独でも又は置換基の一部としてでも、場合により、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロゲン化C1−4アルキル、シアノ、ニトロ、−C(O)O−C1−4アルキルよりなる群から独立して選択される1個又は複数の置換基で置換されてもよい。
【0018】
好ましくは、Rは水素、メチル、トリフルオロメチル、4−メチル−カルボニル−アミノ−フェニル、4−(トリフルオロメチル−カルボニル−アミノ)−フェニル及びエトキシ−カルボニルよりなる群から選択される。好ましくは、Rはトリフルオロメチル及び4−メチル−カルボニル−アミノフェニルよりなる群から選択され、より好ましくは、Rはトリフルオロメチルである。
【0019】
本発明の1つの態様において、RはC1−2アルキル及びハロゲン化C1−2アルキルよりなる群から選択される。更により好ましくは、Rはメチルである。
【0020】
本発明の1つの態様において、Xは−C(O)−、−C(O)−C(O)−及び−S(O)1−2−よりなる結合群から選択される。より好ましくは、Xは−C(O)−である。
【0021】
本発明の1つの態様において、Yは−C(O)−、−C(O)−C(O)−及び−S(O)1−2−よりなる結合群から選択される。本発明の1つの態様において、Yは−C(O)−又は−C(O)−C(O)−であり、ここでYはZと単結合を形成する。YがZと二重結合を形成する時は、Yは好ましくはN原子である。
【0022】
好ましくは、ZはO又はNであり、ここで、Yが−C(O)−又は−C(O)−C(O)−である時は、ZはYと単結合を形成する。もう1つの好ましい態様において、ZはCであり、ここで、YがNである時は、ZはYと二重結合を形成する。
【0023】
本発明の1つの態様において、好ましくはAはOである。
【0024】
本発明の1つの態様において、Rは不在であるか、又は、水素、ハロゲン、ハロゲン化C1−4アルキル、シアノ、ニトロ、ベンジル、−O−C1−4アルキル−、−O−フェニル、−C(O)−フェニル、−S(O)0−2−C1−4アルキル及び−S(O)0−2−フェニルよりなる群から選択される。本発明のもう1つの態様において、Rは不在であるか、又は、ハロゲン、シアノ、ニトロ及び−S(O)0−2−C1−4アルキルよりなる群から選択される。好ましくはRは不在であるか、又は、クロロ、ブロモ、シアノ、ニトロ及び−SO−メチルよりなる群から選択される。より好ましくは、Rはクロロ、ブロモ、シアノ及びニトロよりなる群から選択される。より好ましくは、Rはシアノである。
【0025】
本発明の1つの態様において、Rは不在であるか、又は、水素、ハロゲン、ハロゲン化C1−4アルキル、シアノ、ニトロ、ベンジル、−O−フェニル、−C(O)−フェニル、−S(O)0−2−C1−4アルキル及び−S(O)0−2−フェニルよりなる群から選択される。本発明のもう1つの態様において、Rは不在であるか、又は、水素、ハロゲン、ハロゲン化C1−4アルキル及びシアノよりなる群から選択される。好ましくは、Rは不在であるか、又は、水素、クロロ、トリフルオロメチル及びシアノよりなる群から選択される。より好ましくは、Rはトリフルオロメチルである。
【0026】
本発明の更なる態様は、本明細書で定義された1個又は複数の変数(すなわちR、R、R、R、X、Y、Z及びA)に対して選択される置換基が本明細書に定義されたとおりの完全なリストから選択されるいずれの個々の置換基又は置換基のいずれのサブセ
ットでもあるように独立して選択されるものを包含する。
【0027】
本発明の代表的化合物は下記の表1〜2に記載されるようなものである。別記されない限り、リスト化合物にステレオジェン中心が存在する場合は、化合物は立体構造物の混合物として調製された。ステレオジェン中心が存在する場合は、S及びR表示は、中心の正確な立体構造が決定されたことを示すことが意図される。rac表示は、中心の立体構造がラセミ混合物であることを示すことが意図される。
【0028】
【表1】

【0029】
【表2】

【0030】
本明細書で使用される「ハロゲン」は塩素、臭素、フッ素及びヨウ素を意味することとする。
【0031】
本明細書で使用される「アルキル」は、単独で使用されようと、又は置換基の一部として使用されようと、直鎖及び分枝鎖を包含する。例えば、アルキル基はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル等を包含する。別記されない限り、アルキルとともに使用される時の「低級」は、1〜4個の炭素原子の炭素鎖組成物を意味する。
【0032】
本明細書で使用される用語「ハロゲン化C1−4アルキル」は、別記されない限り、そのアルキル鎖が1個又は複数の、好ましくは1〜5個の、より好ましくは1〜3個のハロゲン原子で置換された、そしてそのハロゲン原子がクロロ、ブロモ、フルオロ又はヨードから、好ましくはクロロ又はフルオロから、より好ましくはフルオロから独立して選択される、1〜4個の炭素原子を含んでなるあらゆる直鎖又は分枝アルキル鎖を意味することとする。適切な例は、限定せずに、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル、等を包含する。
【0033】
本明細書で使用される「アルコキシ」は、別記されない限り、前記の直鎖又は分枝鎖アルキル基の酸素エーテル基を意味することとする。例えば、メトキシ、エトキシ、n−プ
ロポキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ヘキシルオキシ等を包含する。
【0034】
本明細書で使用される「アリール」は、別記されない限り、フェニル、ナフチル、等のような未置換炭素環式芳香族基を表すこととする。
【0035】
本明細書で使用される用語「シクロアルキル」は、別記されない限り、あらゆる安定な3〜8員の単環式、飽和環系、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルを意味することとする。
【0036】
本明細書で使用される「ヘテロアリール」は、別記されない限り、場合によりO、N及びSよりなる群から独立して選択される1〜3個の更なるヘテロ原子を含有してもよい、O、N及びSよりなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有するあらゆる5又は6員の単環式芳香族環構造物、あるいは、場合によりO、N及びSよりなる群から独立して選択される1〜4個の更なるヘテロ原子を含有してもよい、O、N及びSよりなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する9又は10員の二環式芳香族環構造物を意味することとする。ヘテロアリール基は生成物が安定な構造物であるような環のあらゆるヘテロ原子又は炭素原子に結合させることができる。
【0037】
適切なヘテロアリール基の例は、限定せずに、ピロリル、フリル、チエニル、オキサゾリル、イミダゾリル、プラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラニル、フラザニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリニル、インダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、プリニル、キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、イソチアゾリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノオキサリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、等を包含する。
【0038】
本明細書で使用される用語「ヘテロシクロアルキル」は、場合によりO、N及びSよりなる群から独立して選択される1〜3個の更なるヘテロ原子を含有してもよい、O、N及びSよりなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有するあらゆる5〜7員の単環式、飽和又は一部不飽和環構造物、あるいは、場合によりO、N及びSよりなる群から独立して選択される1〜4個の更なるヘテロ原子を含有してもよい、O、N及びSよりなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する9〜10員の飽和又は一部不飽和又は一部芳香族の二環式環系を意味することとする。ヘテロシクロアルキル基は、生成物が安定な構造物であるような環のあらゆるヘテロ原子又は炭素原子に結合されることができる。
【0039】
適当なヘテロシクロアルキル基の例は、限定せずに、ピロリニル、ピロリジニル、ジオキサラニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ジオキサニル、モルホリニル、ジチアニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、トリチアニル、インドリニル、クロメニル、3,4−メチレンジオキシフェニル、2,3−ジヒドロベンゾフリル、等を包含する。
【0040】
本明細書で使用される記号「*」はステレオジェン中心の存在を表すこととする。
【0041】
特定の基(例えば、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール)が「置換されている」時は、その基は、置換基のリストから独立して選択される、1個又は複数の置換基、好ましくは1〜5個の置換基、より好ましくは、1〜3個の置換基、もっとも好ましくは、1〜2個の置換基をもつことができる。
【0042】
置換基に関連する用語「独立して」は、1個を超えるこのような置換基が可能な時に、
このような置換基は相互から同一でも又は異なってもよいことを意味する。
【0043】
より簡潔な説明を提供するために、本明細書に与えられる幾つかの量的表現は用語「約」で修飾されない。用語「約」が明白に使用されようと又はされまいと、本明細書に与えられる量はそれぞれ、実際に与えられる値を表すことを意味し、更に、このような与えられる値に対する実験的及び/又は測定的条件による概算を包含する当該技術分野の技術に基づいて当然推察されると考えられるこのような与えられる値に対する概算を表すことを意味すると理解される。
【0044】
本明細書で使用される用語「非プロトン溶媒」は、別記されない限り、プロトンを生成しないあらゆる溶媒を意味することとする。適切な例は、限定せずに、DMF、ジオキサン、THF、アセトニトリル、ピリジン、ジクロロエタン、ジクロロメタン、MTBE、トルエン、等を包含する。
【0045】
本明細書で使用される用語「離脱基」は、別記されない限り、置換(substitution)又は置き換え(displacement)反応期間中に外れる帯電又は非帯電原子又は基を意味することとする。適切な例は、限定せずに、Br、Cl、I、メシラート、トシラート、等を包含する。
【0046】
本明細書で使用される用語「窒素保護基」は、別記されない限り、窒素原子が反応に参加することを保護するために窒素原子に結合させることができ、そして反応後に容易に外すことができる基を意味することとする。適切な窒素保護基は、限定せずに、カルバメート−式−C(O)O−Rの基(ここでRは例えばメチル、エチル、t−ブチル、ベンジル、フェニルエチル、CH=CH−CH−、等である);アミド−式−C(O)−R’の基(ここでR’は例えば、メチル、フェニル、トリフルオロメチル、等である);N−スルホニル誘導体−式−SO−R”の基(ここでR”は例えばトリル、フェニル、トリフルオロメチル、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−イル−、2,3,6−トリメチル−4−メトキシベンゼン、等である)を包含する。その他の適切な窒素保護基はT.W.Greene & P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,1991のような教科書中に見いだすことができる。
【0047】
本明細書全体で使用される標準命名法に基づくと、指定側鎖の末端部分が最初に記載され、次に結合点に向かって隣接官能基が記載される。従って、例えば「フェニルC−CアルキルアミノカルボニルC−Cアルキル」置換基は、式
【0048】
【化3】

【0049】
の基を表す。
【0050】
明細書、特にスキーム及び実施例中に使用される略語は以下である:
Ac = アセチル(すなわち−C(O)CH
AcOH = 酢酸
CDI = 1’1−カルボニルジイミダゾール
DCM = ジクロロメタン
DIPEA又はDIEA = ジイソプロピルエチルアミン
DMA = N,N−ジメチルアセトアミド
DMF = N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO = ジメチルスルホキシド
EtN = トリエチルアミン
EtO = ジエチルエーテル
EtOAc = 酢酸エチル
MeOH = メタノール
Ms = メチルスルホン酸
PTSA又はpTSA = p−トルエンスルホン酸
TEA = トリエチルアミン
TFA = トリフルオロ酢酸
TFAA = トリフルオロ酢酸無水物
THF = テトラヒドロフラン
Ts = トシル(−SO−(p−トルエン))
【0051】
本明細書で使用される用語「被験体」は、処置、観察又は実験の対象であった動物、好ましくは哺乳動物、もっとも好ましくはヒトを表す。
【0052】
本明細書で使用される用語「治療的有効量」は、処置されている疾患又は障害の症状の緩和を包含する、研究者、獣医、医学博士又は他の臨床家により追求されている、組織系、動物又はヒトにおける生物学的又は医学的反応を誘発する有効化合物又は医薬の量を意味する。
【0053】
本明細書で使用される用語「組成物」は、特定の量の特定の成分を含んでなる生成物並びに、特定の量の特定の成分の組み合わせ物から直接に又は間接に生成されるあらゆる生成物を包含することが意図される。
【0054】
本発明に従う化合物が少なくとも1個のキラル中心を有する場合、それらはそれに従ってエナンチオマーとして存在することができる。化合物が2個以上のキラル中心をもつ場合は、それらは更に、ジアステレオマーとして存在することができる。すべてのこのような異性体及びそれらの混合物が本発明の範囲内に包含されることが理解できる。更に、化合物の幾つかの結晶形態は多形体として存在することができ、それら自体本発明に包含されることが意図される。更に、幾つかの化合物は水(すなわち水和物)又は一般的有機溶媒と溶媒和を形成することができ、そしてこのような溶媒和は本発明の範囲内に包含されることが意図される。
【0055】
本発明はその範囲内に本発明の化合物のプロドラッグを包含する。このようなプロドラッグは概括的に、必要な化合物にインビボで容易に転化できる化合物の官能誘導体であろう。従って、本発明の処置法において、用語「投与する方法」は、特に開示された化合物又は、特に開示されていないかも知れないが、患者に投与後にインビボで特定の化合物に転化する化合物による、説明された種々の障害の処置を包含することとする。適切なプロドラッグ誘導体の選択及び調製の従来の方法は、例えば、“Design of Prodrugs”,ed.H.Bundgaard,Elsevier,1985に記載されている。
【0056】
医薬中への使用のための、本発明の化合物の塩は、無毒の「製薬学的に許容されうる塩」を表す。しかし、他の塩は本発明に従う化合物又は製薬学的に許容されうるそれらの塩の調製において有用であることができる。化合物の適切な、製薬学的に許容されうる塩は、例えば塩酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、炭酸又はリン酸のような製薬学的に許容されうる酸の溶液と化合物の溶液を混合する方法により形成することができる酸付加塩を包含する。更に、本発明の化合物が酸性部分を担持する場合は、適切な製薬学的に許容されうるそれらの塩はアルカリ金属塩(例えばナトリウム又はカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウム又はマグネシウム塩)及び適切な有機リガンドとともに形成される塩(例えば第四級アンモニウム塩)を包含することができる。従って、代表的な製薬学的に許容されうる塩は以下を包含する:
アセテート、ベンゼンスルホネート、ベンゾエート、ビカルボネート、ビスルフェート、ビタルトレート、ボレート、ブロミド、カルシウムエデテート、カムシラート、カルボネート、クロリド、クラブラネート、シトレート、ジヒドロクロリド、エデテート、エジシレート、エストレート、エシラート、フマレート、グルセプテート、グルコネート、グルタメート、グリコリルアルサニレート、ヘキシルレソルシネート、ヒドラバミン、ヒドロブロミド、ヒドロクロリド、ヒドロキシナフトエート、ヨージド、イソチオネート、ラクテート、ラクトビオネート、ラウレート、マレート、マレエート、マンデレート、メシラート、メチルブロミド、メチルナイトレート、メチルスルフェート、ムケート、ナプシレート、ナイトレート、N−メチルグルカミンアンモニウム塩、オレエート、パモエート(エンボネート)、パルミテート、パントテネート、ホスフェート/ジホスフェート、ポリガラクツロネート、サリチレート、ステアレート、スルフェート、サブアセテート、スクシネート、タンネート、タルトレート、テオクレート、トシラート、トリエチオヂド及びバレレート。
【0057】
製薬学的に許容されうる塩の調製に使用することができる代表的酸又は塩基は以下を包含する:
酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アシル化アミノ酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、(+)−カンファー酸、カンファースルホン酸、(+)−(1S)−カンファー−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、D−グルコロン酸、L−グルタミン酸、α−オキソ−グルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩化水素酸、(+)−L−乳酸、(±)−DL−乳酸、ラクトビオニック酸、マレイン酸、(−)−L−リンゴ酸、マロン酸、(±)−DL−マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロチン酸、蓚酸、パルミトリン酸、パモエ酸、リン酸、L−ピログルタミン酸、サリチル酸、4−アミノ−サリチル酸、セバシン酸(sebaic acid)、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)−L−酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸及びウンデシレン酸を包含する酸;並びに、アンモニア、L−アルギニン、ベネサミン、ベンザチン、水酸化カルシウム、コリン、デアノール、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−(ジエチルアミノ)−エタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−グルカミン、ヒドラバミン、1H−イミダゾール、L−リシン、水酸化マグネシウム、4−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、ピペラジン、水酸化カリウム、1−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリジン、第二級アミン、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロメサミン及び水酸化亜鉛を包含する塩基。
【0058】
ZがCであり、そしてYがNである式(I)の化合物はスキーム1に概説される方法に従って調製することができる。
【0059】
【化4】

【0060】
それに従うと、PRD2391により調製された化合物の、適当に置換された式(II)の化合物を、約0℃の温度〜50℃の範囲の温度で、好ましくは約0℃〜室温の範囲の温度で、DCM、THF又はエーテル、等のような有機溶媒中で、CDI、トリホスゲン、オキシルクロリド、チオニルクロリド、等のような求電子物質と反応させると、対応する式(I)の化合物を生成する。X=SOである適当に置換された式(I)の化合物を、約0℃の温度〜50℃の範囲の温度で、好ましくは約0℃〜室温の範囲の温度で、水とのAcCN又はTHF、等のような混合溶媒中で、RuCl、InCl、等のような触媒の存在下で、NaIO、NaClO、等のような酸化剤と反応させると、X=SOである式(I)の対応する化合物を生成する。
【0061】
ZがO又はNであり、そしてYがC(O)である式(Ib)の化合物は、スキーム2に概説される方法に従って調製することができる。
【0062】
【化5】

【0063】
それに従うと、既知の化合物の式(III)の適当に置換された化合物を、約50℃の温度〜120℃の範囲の温度で、好ましくは約80℃〜100℃の範囲の温度で、THF、ジオキサン、等のような有機溶媒中で既知の化合物の式(IV)の適当に置換されたアミノ酸と反応させると、式(V)の対応する化合物を生成する。
【0064】
式(V)の化合物を、約室温〜約還流温度の範囲の温度、好ましくは約60〜約80℃の範囲の温度で、THF、ジオキサン、トルエン等のような有機溶媒中でHCl、HSO、pTSA、等のような酸と反応させると、式(VI)の対応する化合物を生成する。
【0065】
式(VI)の化合物を更に、約0℃〜50℃の範囲の温度、好ましくは0℃の温度で、THF、DCM、等のような有機溶媒中で、TEA、DIPEA、等のような塩基の存在下で、CDI、トリホスゲン、等のような求電子物質と式(VI)の化合物を処理することにより、ZがOである式(Ib)の対応する化合物に転化させると、ZがOである式(I)の対応する化合物を生成する。
【0066】
それに従うと、式(VI)の化合物を更に、約0℃〜50℃の範囲の温度で、THF、塩化メチレン、ジオキサン、等のような有機溶媒中での、TsCl、MsCl、等との処理により求電子物質に転化させると、対応する中間体を生成し、それを更に約80℃〜120℃の範囲の温度で、DMF、DMSO、等のような有機溶媒中で、NaN、TsN、等のようなアミノ剤で置き換えると、式(VII)の対応する化合物を生成する。
【0067】
式(VII)の化合物を更に、約室温〜80℃の範囲の温度で、THF、MeOH、等のような有機溶媒中で、PhP/HO、Pd/C上H、等のような還元剤と反応させると式(VIII)の対応する化合物を生成する。
【0068】
式(VIII)の化合物を更に、約0℃〜50℃の範囲の温度、好ましくは0℃の温度で、THF、DCM、等のような有機溶媒中で、TEA、DIPEA、等のような塩基の存在下で、CDI、トリホスゲン、等のような求電子物質で式(VIII)の化合物を処理することにより、ZがNであり、RがHである式(I)の対応する化合物に転化させて、ZがNであり、RがHである式(Ib)の対応する化合物を生成する。ZがNであり、RがHである式(I)の化合物を更に、約室温〜80℃の範囲の温度、好ましくは室温の温度で、THF、ジオキサン、等のような有機溶媒中で、NaH、t−BuOK、等のような塩基の存在下で、MeI、EtI、等のような求電子物質で処理すると、ZがNであり、RがC1−4アルキルである式(I)の対応する化合物を生成する。
【0069】
本発明に従う化合物の調製法が立体異性体の混合物を生じる場合は、これらの異性体は分取クロマトグラフィーのような従来の方法により分離することができる。化合物はラセミ形態で調製するか、又は個々のエナンチオマーをエナンチオ特異的合成又は分割のいずれかにより調製することができる。化合物は例えば、(−)−ジ−p−トルオイル−D−酒石酸及び/又は(+)−ジ−p−トルオイル−L−酒石酸のような光学活性酸との塩形成によるジアステレオマー対の形成、次に分別結晶化及び遊離塩基の再生のような標準的方法によりそれらの成分のエナンチオマーに分割することができる。化合物はまた、ジアステレオマーエステル又はアミドの形成、次にクロマトグラフィー分離及びキラル補助剤の除去により分割することができる。あるいはまた、化合物はキラルHPLCカラムを使用して分割することができる。
【0070】
本発明の化合物のいずれかの調製法中、関連するいずれかの分子上の感受性又は反応性の基を保護することが必要そして/又は望ましいかも知れない。これはProtective Groups in Organic Chemistry,ed.J.F.W.McOmie,Plenum Press,1973;及びT.W.Greene & P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,1991.に記載されたような従来の保護基により達成することができる。保護基は当該技術分野から知られた方法
を使用して、都合のよいその後の段階で外すことができる。
【0071】
本発明は更に、製薬学的に許容されうる担体とともに1種又は複数の式(I)の化合物を含有する製薬学的組成物を含んでなる。有効成分として本明細書に記載の1種又は複数の本発明の化合物を含有する製薬学的組成物は、従来の製薬学的配合法に従って製薬学的担体と1種又は複数の化合物を密接に混合することにより調製することができる。担体は投与の所望経路(例えば、経口、非経口)に応じて広範な形態を採ることができる。従って、懸濁物、エリキシル及び液剤のような液体経口調製物に適する担体及び添加剤は、水、グリコール、油、アルコール、香り付け剤、保存剤、安定剤、着色剤、等を包含し、散剤、カプセル及び錠剤のような固形経口調製物に適する担体及び添加剤は、デンプン、糖、希釈剤、顆粒化剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等を包含する。固形経口調製物はまた、糖のような物質でコートするか、又は吸収の主要部位を調節するように腸溶コートすることができる。非経口投与のための担体は通常は、滅菌水よりなり、そして溶解度又は保存性を増加するために他の成分を添加することができる。注射用懸濁物又は液剤はまた、適当な添加剤と一緒に水性担体を利用して調製することができる。
【0072】
本発明の製薬学的組成物を調製するためには、有効成分としての1種又は複数の本発明の化合物を従来の製薬学的配合法に従って製薬学的担体と密接に混合し、その担体は投与、例えば、経口又は筋肉内のような非経口、に所望される調製形態に応じて広範な形態を採ることができる。経口投与剤形の組成物を調製する際には、あらゆる通常の製薬学的媒質を使用することができる。従って、例えば懸濁物、エリキシル及び液剤のような液体経口調製物に適する担体及び添加剤は、水、グリコール、油、アルコール、香り付け剤、保存剤、着色剤、等を包含し、例えば散剤、カプセル、カプレット、ゲルカプ及び錠剤のような固形経口調製物に適する担体及び添加剤は、デンプン、糖、希釈剤、顆粒化剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等を包含する。それらの投与の容易性のために錠剤及びカプセルがもっとも有利な経口投与単位剤形を表し、その場合には固形製薬学的担体が明らかに使用される。所望される場合は、錠剤は糖でコートするか、又は標準的方法により腸溶コートすることができる。例えば溶解度を補助し又は保存性のためのような目的のための他の成分を包含することはできるが、非経口剤のための担体は通常、滅菌水を含んでなるであろう。注射用懸濁物もまた調製することができ、その場合は適当な液体担体、懸濁剤等を使用することができる。本明細書における製薬学的組成物は投与単位、例えば錠剤、カプセル、散剤、注射、茶サジ等につき、前記の有効量を送達するのに必要な有効成分の量を含有するであろう。本明細書の製薬学的組成物は、単位投与単位、例えば錠剤、カプセル、散剤、注射、座薬、茶サジ等当たり、約50〜100mgを含有するであろう、そして約0.5〜5.0mg/kg/日、好ましくは1.0〜3.0mg/kg/日の用量で投与することができる。しかし、用量は、患者の需要、処置されている状態の重篤度及び使用されている化合物に応じて多様であることができる。毎日の投与又は周期後投与のいずれの使用をも利用することができる。
【0073】
これらの組成物は好ましくは、経口、非経口、鼻孔内、舌下又は直腸内投与のため、又は吸入又は吹き込みによる投与のために、錠剤、ピル、カプセル、散剤、顆粒、滅菌非経口液剤又は懸濁液、計量エアゾール又は液体スプレー、滴剤、アンプル、自動注入装置又は座薬のような単位剤形にある。あるいはまた、組成物は毎週1回又は毎月1回の投与に適した剤形で提供することができ、例えばデカノエート塩のような有効化合物の不溶性塩は筋肉内注射のためのデポー調製物を提供するようにさせることができる。錠剤のような固形組成物を調製するためには、主要な有効成分を製薬学的担体、例えば、コーンスターチ、ラクトース、蔗糖、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム又はガムのような従来の打錠成分、及び他の製薬学的希釈剤、例えば水と混合すると、本発明の化合物又は製薬学的に許容されうるその塩の均一な混合物を含有する固形の前調合組成物を形成する。これらの調合前組成物が均一であると言及さ
れる時は、組成物が錠剤、ピル及びカプセルのように均等に有効な剤形に容易に準分割することができるように、有効成分が組成物全体に均一に分散されていることを意味する。次に、この固形の前調合組成物を、0.1〜約500mgの本発明の有効成分を含有する前記のタイプの単位剤形に準分割する。新組成物の錠剤又はピルはコートするかあるいは、持続作用の利点を与える剤形を提供するように配合することができる。例えば、錠剤又はピルは内部投与成分及び外部投与成分を含んでなることができ、ここで後者は前者上の封入物の形態にある。2成分は、胃内部での崩壊に抵抗する役割をもち、内部成分を十二指腸内にそのまま通過させるか又は放出を遅らせる腸溶層により分離することができる。種々の物質をこのような腸溶層又はコーティングのために使用することができ、このような物質はセラック、セチルアルコール及び酢酸セルロースのような物質を含む多数のポリマー酸を包含する。
【0074】
本発明の新組成物が経口又は注射による投与のために取り入れることができる液体剤形は、水溶液、適当にフレーバーを付けたシロップ、水性又は油性懸濁物及び、綿実油、ゴマ油、ココナツ油又は落花生油のような食用油を含むフレーバー付きエマルション並びにエリキシル及び同様な製薬学的ベヒクルを包含する。水性懸濁液に適切な分散又は懸濁剤は、トラガカント、アカシア、アルギネート、デキストラン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニル−ピロリドン又はゼラチンのような合成及び天然ガムを包含する。
【0075】
本発明に記載される、1種又は複数のアンドローゲン受容体により仲介される障害を処置する方法はまた、本明細書に定義されるいずれかの化合物及び製薬学的に許容されうる担体を含んでなる製薬学的組成物を使用して実施することができる。製薬学的組成物は約0.1mg〜500mg、好ましくは約50〜100mg間の化合物を含有することができ、そして選択される投与法に適したどんな剤形にも製剤することができる。担体は、限定せずに、結合剤、懸濁剤、滑沢剤、フレーバー付与剤、甘味剤、保存剤、染料及びコーティングを包含する、必要なそして不活性な製薬学的賦形剤を包含する。経口投与に適した組成物はピル、錠剤、カプレット、カプセル(それぞれ即時放出、時限放出及び持続放出調合物を包含する)、顆粒及び散剤のような固形剤形、並びに液剤、シロップ、エリキシル、エマルション及び懸濁物のような液体剤形を包含する。非経口投与に有用な剤形は滅菌溶液、エマルション及び懸濁物を包含する。
【0076】
本発明の化合物は有利には1日量を1回で投与することができるか又は、総1日量を1日に2、3又は4回の分割用量で投与することができる。更に、本発明の化合物は適当な鼻腔内ベヒクルの局所使用により鼻腔内剤形で、又は当業者に周知の経皮的皮膚パッチにより投与することができる。経皮送達系の剤形で投与するための用量投与はもちろん、投与計画期間にわたり、間欠的でなく連続的であろう。
【0077】
例えば、錠剤又はカプセルの剤形の経口投与のためには、有効薬剤成分を、エタノール、グリセロール、水等のような経口の、無毒の、製薬学的に許容されうる不活性担体と組み合わせることができる。更に、所望される時又は必要な時は、適当な結合剤、滑沢剤、崩壊剤及び着色剤も混合物中に取り入れることができる。適当な結合剤は、限定せずに、デンプン、ゼラチン、ブドウ糖又はベータ−ラクトースのような天然の糖、コーン甘味剤、アカシア、トラガカントのような天然及び合成ガム、又はオレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム等を包含する。崩壊剤は、限定せずに、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガム等を包含する。
【0078】
液体は適当にフレーバーを付けた懸濁剤又は、合成及び天然ガム、例えばトラガカント、アカシア、メチルセルロース等のような分散剤に形成される。非経口投与のためには、
滅菌懸濁物及び液剤が望ましい。静脈内投与が望まれる時は、一般に適当な保存剤を含有する等張調製物が使用される。
【0079】
本発明の化合物はまた、小型単層ベシクル、大型単層ベシクル及び多層ベシクルのようなリポソーム送達系の剤形で投与することができる。リポソームはコレステロール、ステアリルアミン又はホスファチジルコリンのような種々のリン脂質から形成することができる。
【0080】
本発明の化合物はまた、化合物分子が結合される個々の担体としてのモノクローナル抗体の使用により送達することができる。本発明の化合物はまた、標識化可能な薬剤の担体として可溶性ポリマーと結合させることもできる。このようなポリマーは、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシ−エチルアスパルトアミドフェノール又は、パルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシドポリリシンを包含することができる。更に本発明の化合物は、薬剤の制御放出を達成するのに有用な生分解ポリマーのクラス、例えばポリ乳酸、ポリエプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルソエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート及び、ヒドロゲルの架橋又は両親媒性ブロックコポリマーに結合することができる。
【0081】
本発明の化合物は、1種又は複数のアンドローゲン受容体により仲介される障害の処置が要求される時はいつでも、いずれかの前記の組成物中にそして当該技術分野で確立された投与計画に従って投与することができる。
【0082】
製品の1日用量は、1日に成人一人当たり0.01〜1,000mgの広範囲にわたることができる。経口投与のための組成物は、処置されている患者に対する用量の症状による調整のためには、好ましくは0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、100、150、200、250及び500ミリグラムの有効成分を含有する錠剤の剤形で提供される。薬剤の有効量は通常、1日に約0.01mg/kg〜約300mg/kg体重の投与レベルで供給される。好ましくはその範囲は約0.5〜約5.0mg/kg体重/日、もっとも好ましくは約1.0〜約3.0mg/kg体重/日である。化合物は1日1〜4回の計画で投与することができる。
【0083】
投与される最適用量は当業者により容易に決定することができ、使用される特定の化合物、投与法、調製物の強度、投与法及び疾患状態の進行とともに異なるであろう。更に、患者の年齢、体重、食餌及び投与時間を包含する、処置されている特定の患者に関わる因子が用量調節の必要をもたらすであろう。
【0084】
以下の実施例は本発明の理解を補助するために示され、後に続く請求項に示される本発明をどんな方法においても限定することは意図されず、またそう考えてはならない。
【0085】
以下の実施例において、幾つかの合成生成物を残渣として単離されたものとしてリストに記載されるかも知れない。用語「残渣(residue)」は、生成物が単離された物理的状態を限定するものではなく、例えば固体、油、発泡体、ガム、シロップ、等を包含することができることは、当業者により理解されるであろう。
【実施例1】
【0086】
4−(3a−メチル−4,6−ジオキソ−3a,4−ジヒドロ−3H−イミダゾ[1,5−b]ピラゾル−5−イル)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル、化合物4
【0087】
【化6】

【0088】
その全体が引用により本明細書に編入されている、2005年10月25日出願の同時係属出願第11/258,448号明細書に開示された、3−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラゾール−3−カルボン酸(4−シアノ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド(1.65ミリモル、488mg)(5mLのDCM中)をTEA(4.13ミリモル、580μL)、次にCDI(2.0ミリモル、325mg)とともに0℃で処理した。反応物を室温に緩徐に暖め、溶液が白濁するまで、更に6時間撹拌した。沈殿物をシーライトのパッドを通して濾取し、シーライトをエーテルで洗浄した。濾液を濃縮すると無色の油としての粗生成物を与え、次にそれを、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製すると、白色固体としての主題化合物(378mg,収率70%)を与えた。
【0089】
H NMR(CDCl)δ 8.10(s,1H),7.95(m,2H),7.41(s,1H),3.38(abq,J=13.5Hz,1H),2.95(abq,J=13.5Hz,1H),1.65(s,3H).MS(m/z):MH 323,MNa 345。
【実施例2】
【0090】
5−(4−シアノ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3a−メチル−4,6−ジオキソ−3a,4,5,6−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[1,5−b]ピラゾール−2−カルボン酸エチルエステル、化合物5
【0091】
【化7】

【0092】
実施例1の方法に従い、出発物質として同時係属出願第11/258,448号明細書に開示された5−(4−シアノ−3−トリフルオロメチル−フェニルカルバモイル)−5−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチルエステルを使用すると、白色固体として主題化合物を生成した。
【0093】
H NMR(CDCl)δ 8.05(s,1H),7.95(m,2H),4.38(m,2H),3.65(abq,J=14.0Hz,1H),3.20(abq,J=14.0Hz,1H),1.72(s,3H),1.38(t,J=8.0Hz,3H)。
【実施例3】
【0094】
3a−メチル−5−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−4,6−ジオキソ−3a,4,5,6−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[1,5−b]ピラゾール−2−カルボン酸エチルエステル、化合物6
【0095】
【化8】

【0096】
実施例1の方法に従い、出発物質として同時係属出願第11/258,448号明細書に開示の5−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニルカルバモイル)−5−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチルエステルを使用すると、白色固体としての主題化合物を生成した。
【0097】
H NMR(CDCl)δ 8.10(s,1H),8.05(d,J=8.5Hz,1H),7.95(d,J=8.5Hz,1H),4.45(m,2H),3.66(abq,J=13.0Hz,1H),3.20(abq,J=13.0Hz,1H),1.74(s,3H),1.41(t,J=9.0Hz,3H).MS(m/z):MH 415,MNa 437。
【実施例4】
【0098】
N−{4−[5−(4−シアノ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3a−メチル−4,6−ジオキソ−3a,4,5,6−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[1,5−b]ピラゾル−2−イル]−フェニル}−アセトアミド、化合物7
【0099】
【化9】

【0100】
実施例1の方法に従い、出発物質として同時係属出願第11/258,448号明細書に開示された5−(4−アセチルアミノ−フェニル)−3−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラゾール−3−カルボン酸(4−シアノ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドを使用すると、白色固体としての主題化合物を生成した。
【0101】
H NMR(CDCl)δ 8.08(s,br,1H),7.95(s,2H),7.71(d,J=8.0Hz,2H0,7.70(m,1H),7.62(d,J=8.0Hz,2H),3.72(abq,J=12.5Hz,1H),3.21(abq,J=12.5Hz,1H),2.21(s,3H),1/74(s,3H).MS(m/z):MH,456。
【実施例5】
【0102】
4−(3a−メチル−4,6−ジオキソ−2−トリフルオロメチル−3a,4−ジヒドロ−3H−イミダゾ[1,5−b]ピラゾル−5−イル)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル、化合物1
【0103】
【化10】

【0104】
実施例1の方法に従い、出発物質として同時係属出願第11/258,448号明細書に開示された3−メチル−5−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラゾール−3−カルボン酸(4−シアノ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドを使用すると、白色固体としての主題化合物を生成した。
【0105】
H NMR(CDCl)δ 8.05(s,1H),8.01(d,J=8.3Hz,1H),7.98(d,J=8.5Hz,1H),3.62(abq,J=12.8Hz,1H),3.22(abq,J=12.8Hz,1H),1.78(s,3H).MS(m/z):MH 423,MNa 445。
【実施例6】
【0106】
(S)−4−(3a−メチル−4,6−ジオキソ−2−トリフルオロメチル−3a,4−ジヒドロ−3H−イミダゾ[1,5−b]ピラゾル−5−イル)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル、化合物3
【0107】
【化11】

【0108】
実施例1の方法に従い、出発物質として同時係属出願第11/258,448号明細書に開示された(S)−3−メチル−5−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラゾール−3−カルボン酸(4−シアノ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドを使用すると、白色固体としての主題化合物を生成した。NMR及びデータは実施例5のものと同様である。
【実施例7】
【0109】
(R)−4−(3a−メチル−4,6−ジオキソ−2−トリフルオロメチル−3a,4−ジヒドロ−3H−イミダゾ[1,5−b]ピラゾル−5−イル)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル、化合物2
【0110】
【化12】

【0111】
実施例1の方法に従い、出発物質として同時係属出願第11/258,448号明細書に開示された(R)−3−メチル−5−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラゾール−3−カルボン酸(4−シアノ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドを使用すると、白色固体としての主題化合物を生成した。NMR及びデータは実施例5のものと同様である。
【実施例8】
【0112】
(S)−4−(3a−メチル−1,3−ジオキソ−5−トリフルオロメチル−3a,4−ジヒドロ−3H−1l4−チア−2,6,6a−トリアザ−ペンタレン−2−イル)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル、化合物10
【0113】
【化13】

【0114】
同時係属出願第11/258,448号明細書に開示された(S)−3−メチル−5−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラゾール−3−カルボン酸(4−シアノ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド(208mg、0.571ミリモル)を、TEA(2.85ミリモル、401μL)、次にSOCl(0.629mmL,50μL)(5mLのDCM中)とともに0℃で処理した。反応物を緩徐に室温に暖め、更に2時間撹拌した。溶媒を濃縮すると褐色の油としての粗生成物を与えた。粗生成物を酢酸エチルと水間で分配した。有機層を飽和NaHCO、生理食塩水で洗浄し、無水NaSO,上で乾燥し、濾過し、濃縮し、次に溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製すると、白色固体としての主題化合物(250mg、収率51%)を与えた。
主要ジアステレオマー
H NMR(CDCl)δ 8.08(s,1H),7.91(d,J=7.6Hz,1H),7.80(d,J=7.5Hz,1H),4.05(m,2H),1.55(s,3H).MS(m/z):MH 443。
【実施例9】
【0115】
4−(3a−メチル−1,1,3−トリオキソ−5−トリフルオロメチル−3a,4−ジヒドロ−3H−1l6−チア−2,6,6a−トリアザ−ペンタレン−2−イル)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル、化合物11
【0116】
【化14】

【0117】
実施例8からの(S)−4−(3a−メチル−1,3−ジオキソ−5−トリフルオロメチル−3a,4−ジヒドロ−3H−1l4−チア−2,6,6a−トリアザ−ペンタレン−2−イル)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(100mg、0.244ミリモル)(2mLのMeCN及び2mLの水中)をRuCl.X HO(0.0024ミリモル、2mg)及びNaIO4(0.268ミリモル、57mg)とともに室温で処理した。反応物を2時間撹拌した。次に反応物を酢酸エチルと水間で分配した。有機層を1NのNa、飽和NaHCO、生理食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮し、次に、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製すると、白色固体としての主題化合物(72mg、収率65%)を与えた。
【0118】
H NMR(CDCl)δ 7.98(d,J=7.5Hz,1H),7.95(s,1H),7.78(d,J=7.5Hz,1H),3.68(abq,J=13.5Hz,1H),3.21(abq,J=13.5Hz,1H),2.01(s,3H).MS(m/z):MNa 481。
【実施例10】
【0119】
5−(4−シアノ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3a−メチル−4,6,7−トリオキソ−3,3a,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−カルボン酸エチルエステル、化合物8
【0120】
【化15】

【0121】
同時係属出願第11/258,448号明細書に開示された5−(4−シアノ−3−トリフルオロメチル−フェニルカルバモイル)−5−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチルエステル(221mg、0.60ミリモル)をTEA(2.85ミリモル、401μL)、次に(COCl)(10.0mmL、1.2g)(6mLのDCM中)とともに0℃で処理した。反応物を緩徐に室温に暖め、更に2時間撹拌した。溶媒を濃縮すると黄色の油としての粗生成物を与えた。粗生成物を酢酸エチルと水間で分配した。有機層を飽和NaHCO、生理食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮し、次に、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製すると、白色固体としての主題化合物(81mg、収率32%)を与えた。
【0122】
H NMR(CDCl)δ 8.06(s,1H),8.00(d,J=7.5Hz,1H),7.90(d,J=8.0Hz,1H),4.40(m,2H),3.64(abq,J=12.5Hz,1H),3.20(abq,J=12.5Hz,1H),1.75(s,3H),1.40(t,J=8.5Hz,3H).MS(m/z):MNa 443。
【実施例11】
【0123】
(S)−4−(3a−メチル−4,6,7−トリオキソ−2−トリフルオロメチル−3a,4,6,7−テトラヒドロ−3H−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−5−イル)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
【0124】
【化16】

【0125】
実施例10の方法に従い、出発物質として同時係属出願第11/258,448号明細書に開示された(S)−3−メチル−5−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラゾール−3−カルボン酸(4−シアノ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドを使用すると、白色固体としての主題化合物を生成した。
【0126】
H NMR(CDCl)δ 8.05(s,1H),7.95(d,J=8.5Hz,1H),7.70(d,J=8.5Hz,1H),3.65(abq,J=10.5Hz,1H),3.15(abq,J=10.5Hz,1H),1.79(s,3H).MS(m/z):MH 419。
【実施例12】
【0127】
3−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−5−ヒドロキシメチル−5−メチル−イミダゾリジン−2,4−ジオン
【0128】
【化17】

【0129】
1−クロロ−4−イソシアナト−2−トリフルオロメチル−ベンゼン(4.40g、20ミリモル)及び2−アミノ−3−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオン酸(2.38g、20ミリモル)(100mLのジオキサン中)を80℃で6時間加熱した。反応物を室温に冷却し、濃HCl(〜2mL)を添加し、反応混合物を4時間還流加熱した。溶媒を除去し、残渣を酢酸エチルと水間で分配した。有機層を飽和NaHCO、生理食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮し、次に、溶媒として酢酸エチルを使用する再結晶を実施すると、白色固体としての主題化合物(2.65g、収率41%)を与えた。
【0130】
H NMR(MeOD)δ 7.92(s,1H),7.73(s,2H),3.85(abq,J=10.5Hz,1H),3.59(abq,J=10.5Hz,1H),1.38(s,3H).MS(m/z):MH 323。
【実施例13】
【0131】
5−ヒドロキシメチル−5−メチル−3−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−イミダゾリジン−2,4−ジオン
【0132】
【化18】

【0133】
実施例12の方法に従い、出発物質として文献から知られる2−アミノ−3−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオン酸及び4−イソシアナト−1−ニトロ−2−トリフルオロメチル−ベンゼンを使用すると、黄色の固体としての主題化合物を生成した。
【0134】
MS(m/z):MH 334;MH332。
【実施例14】
【0135】
メタンスルホン酸1−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−4−メチル−2,5−ジオキソ−イミダゾリジン−4−イルメチルエステル
【0136】
【化19】

【0137】
実施例10からの3−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−5−ヒドロキシメチル−5−メチル−イミダゾリジン−2,4−ジオン(1.01g、3.14ミリモル)(10mLのDCM中)をTEA(0.66mL、4.70ミリモル)、次にMsCl(360mg、3.14ミリモル)とともに0℃で処理した。反応物を緩徐に室温に暖め、更に2時間撹拌した。粗生成物をDCMと水間で分配した。有機層を飽和NaHCO、生理食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮し、次に、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製すると、白色固体として主題化合物(1.05g、収率85%)を与えた。
H NMR(CDCl)δ 7.82(s,1H),7.61(s,2H),4.42(q,J=8.5Hz,2H),3.04(s,3H),1.55(s,3H).MS(m/z):MNa 423。
【実施例15】
【0138】
メタンスルホン酸4−メチル−1−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−2,5−ジオキソ−イミダゾリジン−4−イルメチルエステル
【0139】
【化20】

【0140】
実施例14の方法に従い、出発物質として5−ヒドロキシメチル−5−メチル−3−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−イミダゾリジン−2,4−ジオンを使用すると、黄色の固体として主題化合物を生成した。
MS(m/z):MH 412;MH410。
【実施例16】
【0141】
5−アジドメチル−3−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−5−メチル−イミダゾリジン−2,4−ジオン
【0142】
【化21】

【0143】
実施例11からのメタンスルホン酸1−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−4−メチル−2,5−ジオキソ−イミダゾリジン−4−イルメチルエステル(1.0g、2.5ミリモル)、NaN(1.6g、25ミリモル)及びKI(40mg、0.25ミリモル)(8mLのDMF中)を100℃で10時間加熱した。粗生成物をエーテル及び水間で分配した。有機層を水、生理食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮し、次に、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製すると、無色の油としての主題化合物を与えた(566mg、収率65%)。
【0144】
H NMR(CDCl)δ 7.82(s,1H),7.64(s,2H),7.44(s,1H),3.72(abq,J=9.5Hz,1H),3.52(abq,J=9.5Hz,1H),1.52(s,3H).MS(m/z):MH 348。
【実施例17】
【0145】
5−アジドメチル−5−メチル−3−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−イミダゾリジン−2,4−ジオン
【0146】
【化22】

【0147】
実施例16の方法に従い、出発物質としてメタンスルホン酸4−メチル−1−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−2,5−ジオキソ−イミダゾリジン−4−イルメチルエステルを使用すると、黄色の固体として主題化合物を生成した。
【0148】
MS(m/z):MH 359;MH357。
【実施例18】
【0149】
5−アミノメチル−3−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−5−メチル−イミダゾリジン−2,4−ジオン
【0150】
【化23】

【0151】
5−アジドメチル−3−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−5−メチル−イミダゾリジン−2,4−ジオン(500mg、1.45ミリモル)、PhP(380mg、1.45ミリモル)(5mLのTHF及び1mLの水中)を4時間還流加熱した。固体をシーライトのパッドをとおして濾取した。シーライトを酢酸エチルで洗浄した。合わせた濾液を濃縮すると無色の油を与え、それを更に精製せずに使用した。
【0152】
MS(m/z):MH 322,MNa 345,MH320。
【実施例19】
【0153】
5−アミノメチル−5−メチル−3−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−イミダゾリジン−2,4−ジオン
【0154】
【化24】

【0155】
実施例18の方法に従い、出発物質として5−アジドメチル−5−メチル−3−(4−
ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−イミダゾリジン−2,4−ジオンを使用すると、黄色の油として主題化合物を生成した。
【0156】
MS(m/z):MH 333,MNa 355,MH331。
【実施例20】
【0157】
6−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−7a−メチル−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−c]オキサゾール−3,5,7−トリオン、化合物12
【0158】
【化25】

【0159】
実施例10からの3−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−5−ヒドロキシメチル−5−メチル−イミダゾリジン−2,4−ジオン(250mg、0.77ミリモル)(5mLのDCM中)をTEA(2.30ミリモル、325μL)、次にトリホスゲン(0.92ミリモル、240mg)とともに0℃で処理した。反応物を緩徐に室温に暖め、溶液が白濁するまで更に6時間撹拌した。沈殿物をシーライトのパッドを通して濾取し、シーライトをエーテルで洗浄した。濾液を濃縮すると無色の油としての粗生成物を与え、次にそれを、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製すると、白色固体として主題化合物(134mg、収率75%)を与えた。
【0160】
H NMR(MeOD)δ 7.83(s,1H),7.65(m,2H),4.76(abq,J=9.0Hz,1H),4.41(abq,J=9.0Hz,1H),1.83(s,3H).MS(m/z):MH 349,MNa 371。
【実施例21】
【0161】
2−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−7a−メチル−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−c]イミダゾール−1,3,5−トリオン、化合物13
【0162】
【化26】

【0163】
実施例14の方法に従い、出発物質として実施例13からの5−アミノメチル−3−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−5−メチル−イミダゾリジン−2,4−ジオンを使用すると、白色固体として主題化合物を生成した。
【0164】
H NMR(CDCl)δ 7.78(s,1H),7.55(m,2H),6.48(s,1H),3.92(abq,J=9.2Hz,1H),3.41(abq,J=9.4Hz,1H),1.72(s,3H).MS(m/z):MH 348。
【実施例22】
【0165】
4−(7a−メチル−3,5,7−トリオキソ−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−c]オキサゾル−6−イル)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル、化合物14
【0166】
【化27】

【0167】
実施例14からの6−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−7a−メチル−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−c]オキサゾール−3,5,7−トリオン JNJ
39019734(512mg、1.47ミリモル)、CuCN(670mg、7.35ミリモル)(4mLのDMF中)をマイクロウエーブ反応容器中で250℃で30分間加熱した。反応物を冷却後、混合物をシーライトのパッドをとおして濾過した。シーライトを酢酸エチルで洗浄した。合わせた有機層を酢酸エチルと水間で分配した。有機層を生理食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮すると、粗物質を与え、次にそれをヘプタン及び酢酸エチル(5:1〜1:1の比率)を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、白色固体としての主題化合物(176mg、35%)を与えた。
【0168】
H NMR(MeOD)δ 7.90(s,1H),7.66(d,J=8.5Hz,1H),7.48(d,J=8.0Hz,1H),4.51(abq,J=10.5Hz,1H),4.28(abq,J=10.5Hz,1H),1.82(s,3H).MS(m/z):MH 340。
【実施例23】
【0169】
4−(7a−メチル−1,3,5−トリオキソ−テトラヒドロ−イミダゾ[1,5−c]イミダゾル−2−イル)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
【0170】
【化28】

【0171】
実施例22の方法に従い、出発物質として2−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル
−フェニル)−7a−メチル−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−c]イミダゾール−1,3,5−トリオンを使用すると、白色固体としての主題化合物を生成した。
H NMR(MeOD)δ 7.80(s,1H),7.62(d,J=8.0Hz,1H),7.50(d,J=8.0Hz,1H),4.38(abq,J=12.0Hz,1H),4.12(abq,J=12.0Hz,1H),1.82(s,3H).MS(m/z):MH 339。
【実施例24】
【0172】
7a−メチル−6−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−c]オキサゾール−3,5,7−トリオン
【0173】
【化29】

【0174】
実施例20の方法に従い、出発物質として5−ヒドロキシメチル−5−メチル−3−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−イミダゾリジン−2,4−ジオンを使用すると、黄色の固体としての主題化合物を生成した。
H NMR(MeOD)δ 7.95(s,1H),7.77(d,J=9.5Hz,1H),7.60(d,J=9.5Hz,1H),4.25(abq,J=11.0Hz,1H),4.00(abq,J=11.0Hz,1H),1.75(s,3H).MS(m/z):MH 360。
【実施例25】
【0175】
7a−メチル−2−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−c]イミダゾール−1,3,5−トリオン
【0176】
【化30】

【0177】
実施例20の方法に従い、出発物質として5−アミノメチル−5−メチル−3−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−イミダゾリジン−2,4−ジオンを使用すると、黄色の固体として主題化合物を生成した。
MS(m/z):MH 359,NH357。
【実施例26】
【0178】
2−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−6,7a−ジメチル−ジヒ
ドロ−イミダゾ[1,5−c]イミダゾール−1,3,5−トリオン
【0179】
【化31】

【0180】
0℃の4−(7a−メチル−1,3,5−トリオキソ−テトラヒドロ−イミダゾ[1,5−c]イミダゾル−2−イル)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(250mg、0.69ミリモル)(5mLのDMF中)をNaH(60%、40mg、0.83ミリモル)、次にMeI(50μL、0.72ミリモル)で処理した。反応物を30分間にわたり徐々に室温に暖めた。次に反応混合物を酢酸エチルと水間に分配した。有機層を水、生理食塩水で洗浄し、無水NaSO,上で乾燥し、濾過し、濃縮した。次に粗物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製すると、白色固体としての主題化合物を与えた。
【0181】
H NMR(CDCl)δ 7.85(s,1H),7.62(d,J=7.5Hz,1H),7.40(d,J=7.5Hz,1H),3.80(s,3H),3.55(abq,J=10.5Hz,1H),3.28(abq,J=10.5Hz,1H),1.80(s,3H).MS(m/z):MH 362。
【実施例27】
【0182】
4−(6,7a−ジメチル−1,3,5−トリオキソ−テトラヒドロ−イミダゾ[1,5−c]イミダゾル−2−イル)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
【0183】
【化32】

【0184】
実施例26の方法に従い、出発物質として2−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−6,7a−ジメチル−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−c]イミダゾール−1,3,5−トリオンを使用すると、黄色の固体としての主題化合物を与えた。
MS(m/z):MH 353,MH351。
【実施例28】
【0185】
腹側(ventral)前立腺及び肛門挙筋重量インビボアッセイ
未成熟(約50g)の去勢雄Sprague Dawleyラット(Charles River)を試験化合物(通常0.3mLの容量を40mg/kgで経口投与、30%シクロデキストリン又は0.5%メチルセルロースベヒクル中)及びテストステロンプロ
ピオネート(0.1mLの容量を2mg/kgで頸部首筋に皮下注射投与、ゴマ油中)で5日間1日1回処置した。6日目に、ラットを二酸化炭素中での窒息により安楽死させた。腹側前立腺及び肛門挙筋を切除し、それらの湿式重量を測定した。
【0186】
試験化合物の活性を、ベヒクル処置した対照群をゼロパーセントと設定し、そしてテストステロン単独処置した対照群を100%と設定して、組織重量の刺激パーセントとして決定した。化合物が30mg/kgで肛門挙筋又は腹側前立腺の30%以上の刺激をもたらした場合にレベル1のアゴニスト活性と表示した。化合物が30mg/kgで肛門挙筋又は腹側前立腺の5%以上〜30%未満の刺激をもたらした場合にレベル2のアゴニスト活性と表示した。
【0187】
本発明の代表的化合物を、説明された方法に従って試験し、その結果は以下の表3に記載される。表3中に「不活性」と記載の化合物に対し、当業者は、前記化合物が前立腺及び/又は精嚢重量に対する効果を示したか又は示さなかったに拘わらず、むしろ前記に規定された特定の基準を充たさなかったために、本表に「不活性」と記載されたことを認めるであろう。
【0188】
【表3】

【実施例29】
【0189】
腹側前立腺及び精嚢重量のインビボアッセイ
未成熟(約50g)の去勢雄Sprague Dawleyラット(Charles River)を試験化合物(通常、0.3mLの容量を40mg/kgで経口投与、30%シクロデキストリン又は0.5%メチルセルロースベヒクル中)及びテストステロンプロピオネート(0.1mLの容量を、2mg/kgで頸部首筋に皮下注射投与、ゴマ油中)で5日間毎日1回処置した。6日目に、ラットを二酸化炭素中での窒息により安楽死させた。腹側前立腺及び精嚢を切除し、それらの湿式重量を測定した。試験化合物の活性を、ベヒクル処置した対照群をゼロパーセントと指定し、そしてテストステロン単独処置した対照群を100%と設定して、テストステロン−刺激組織重量の抑制パーセントとして決定した。
【0190】
化合物が30mg/kgで腹側前立腺又は精嚢の30%以上の抑制をもたらした場合にレベル1のアンタゴニスト活性と表示した。化合物が30mg/kgで腹側前立腺又は精嚢の5%以上〜30%未満の抑制をもたらした場合に、レベル2のアンタゴニスト活性と表示した。
【0191】
本発明の代表的化合物を説明された方法に従って試験し、その結果は以下の表4に記載される。表4中に「不活性」と記載の化合物に対し、当業者は、前記化合物が前立腺及び/又は精嚢重量に対する効果を示したか又は示さなかったに拘わらず、前記に規定された特定の基準を充たさなかったために、「不活性」と本表に記載されたことを認めるであろう。
【0192】
【表4】

【実施例30】
【0193】
経口組成物の特定の態様として、実施例6におけるように調製された100mgの化合物を十分に微細に粉砕されたラクトースとともに調合すると、サイズOのハードゲルカプセルを充填するための580〜590mgの総量を提供した。
【0194】
具体化の目的のために提供された実施例を伴う以上の明細は、本発明の原理を教示するが、本発明の実施は、以下の請求項及びそれらの同等物の範囲内に入るすべての通常の変更物、翻案物及び/又は修飾物を包含することが理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

の化合物又は製薬学的に許容されうるその塩であって、
式中、
は水素、カルボキシ、アルキル、ハロゲン化C1−4アルキル、ヒドロキシ置換C1−4アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、−C(O)−アルキル、−C(O)−(ハロゲン化C1−4アルキル)、−C(O)O−C1−4アルキル、−C(O)O−アリール、−C1−4アルキル−及びS(O)0−2−C1−4アルキルよりなる群から選択され、
ここでアリール又はヘテロアリールは、単独でも又は置換基の一部としても、場合により、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロゲン化C1−4アルキル、ハロゲン化C1−4アルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、−NR−C(O)−C1−4アルキル、−C(O)O−C1−4アルキル及びNR−C(O)−(ハロゲン化C1−4アルキル)よりなる群から独立して選択される1個又は複数の置換基で置換されてもよく、ここでRはそれぞれ水素又はC1−4アルキルである、
はC1−4アルキル及びハロゲン化C1−4アルキルよりなる群から選択され、
Xは−C(O)−、−C(S)−、−C(O)−C(O)−及び−S(O)1−2−よりなる結合群から選択され、
Yは−C(O)−、−C(O)−C(O)−、−S(O)1−2−又はN原子よりなる結合群から選択され、
ZはC、N又はOよりなる群から選択され、但しZがOである時は、Rは不在であることとする、
AはO又はSであり、
は不在であるか、又は、水素、ハロゲン、C1−4アルキル、ハロゲン化C1−4アルキル、シアノ、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4アルキル)アミノ、−O−C1−4アルキル、−S(O)0−2−C1−4アルキル、−NR−C(O)−C1−4アルキル、ベンジル、−O−フェニル、−C(O)−フェニル及び−S(O)0−2−フェニルよりなる群から選択され、ここでRは水素又はC1−4アルキルである、
は不在であるか、又は、水素、ハロゲン、C1−4アルキル、ハロゲン化C1−4アルキル、シアノ、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4アルキル)アミノ、−O−C1−4アルキル、−S(O)0−2−C1−4アルキル、−NR−C(O)−C1−4アルキル、ベンジル、−O−フェニル、−C(O)−フェニル及び−S(O)0−2−フェニルよりなる群から選択され、ここでRは水素及びC1−4アルキルから選択される。
【請求項2】
請求項1における化合物又は製薬学的に許容されうるその塩であって、
式中、
が水素、カルボキシ、アルキル、ハロゲン化C1−4アルキル、ヒドロキシ置換C1−4アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、−C(O)−アルキル、−C(O)−(ハロゲン化C1−4アルキル)、−C(O)O−C1−4アルキル、−C(O)O−アリール、−C1−4アルキル−及びS(O)0−2−C1−4アルキルよりなる群から選択され、
ここでアリール又はヘテロアリールは、単独でも又は置換基の一部としてでも、場合により、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロゲン化C1−4アルキル、ハロゲン化C1−4アルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、−NR−C(O)−C1−4アルキル及びNR−C(O)−(ハロゲン化C1−4アルキル)よりなる群から独立して選択される1個又は複数の置換基で置換されてもよく、ここでRはそれぞれ水素及びC1−4アルキルよりなる群から選択される、
がC1−4アルキル及びハロゲン化C1−4アルキルよりなる群から選択され、
Xが−C(O)−、−C(S)−、−C(O)−C(O)−及び−S(O)1−2−よりなる結合群から選択され、
Yが−C(O)−、−C(O)−C(O)−、−S(O)1−2−及びNよりなる結合群から選択され、
ZがC、N又はOから選択され、但しZがOである時は、Rは不在であることとする、
AがO又はSであり、
が不在であるか、又は、水素、ハロゲン、C1−4アルキル、ハロゲン化C1−4アルキル、シアノ、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4アルキル)アミノ、−O−C1−4アルキル、−S(O)0−2−C1−4アルキル、−NR−C(O)−C1−4アルキル、ベンジル、−O−フェニル、−C(O)−フェニル及び−S(O)0−2−フェニルよりなる群から選択され、ここでRは水素又はC1−4アルキルである、
が不在であるか、又は、水素、ハロゲン、C1−4アルキル、ハロゲン化C1−4アルキル、シアノ、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4アルキル)アミノ、−O−C1−4アルキル、−S(O)0−2−C1−4アルキル、−NR−C(O)−C1−4アルキル、ベンジル、−O−フェニル、−C(O)−フェニル及び−S(O)0−2−フェニルよりなる群から選択され、ここでRは水素又はC1−4アルキルである。
【請求項3】
請求項2における化合物又は製薬学的に許容されうるその塩であって、
式中、
が水素、カルボキシ、アルキル、ハロゲン化C1−4アルキル、ヒドロキシ置換C1−4アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、−C(O)−アルキル、−C(O)−(ハロゲン化C1−4アルキル)、−C(O)O−C1−4アルキル、−C(O)O−アリール、−C1−4アルキル−及びS(O)0−2−C1−4アルキルよりなる群から選択され、
ここでアリール又はヘテロアリールは、単独でも又は置換基の一部としてでも、場合により、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロゲン化C1−4アルキル、ハロゲン化C1−4アルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、−NR−C(O)−C1−4アルキル及びNR−C(O)−(ハロゲン化C1−4アルキル)よりなる群から独立して選択される1個又は複数の置換基で置換されてもよく、ここでRはそれぞれ水素又はC1−4アルキルである、
がC1−4アルキル又はハロゲン化C1−4アルキルであり、
Xが−C(O)−、−C(S)−、−C(O)−C(O)−及び−S(O)1−2−よりなる結合群から選択され、
Yが−C(O)−、−C(O)−C(O)−、−S(O)1−2−及びNよりなる結合
群から選択され、
ZがC、N又はOであり、但しZがOである時は、Rは不在であることとする、
AがO又はSから選択され、
が不在であるか、又は、水素、ハロゲン、C1−4アルキル、ハロゲン化C1−4アルキル、シアノ、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4アルキル)アミノ、−O−C1−4アルキル、−S(O)0−2−C1−4アルキル、−NR−C(O)−C1−4アルキル、ベンジル、−O−フェニル、−C(O)−フェニル及び−S(O)0−2−フェニルよりなる群から選択され、ここでRは水素又はC1−4アルキルである、
が不在であるか、又は、水素、ハロゲン、C1−4アルキル、ハロゲン化C1−4アルキル、シアノ、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4アルキル)アミノ、−O−C1−4アルキル、−S(O)0−2−C1−4アルキル、−NR−C(O)−C1−4アルキル、ベンジル、−O−フェニル、−C(O)−フェニル及び−S(O)0−2−フェニルよりなる群から選択され、ここでRは水素又はC1−4アルキルである。
【請求項4】
請求項3における化合物又は製薬学的に許容されうるその塩であって、
式中、
がトリフルオロメチル、4−アミノカルボニルフェニルよりなる群から選択され、
がメチルであり、
XがC(O)又はSOであり、
YがN又はC(O)であり、
ZがC又はOであり、但しZがOである時は、Rは不在であることとする、
AがOであり、
がシアノ及びニトロよりなる群から選択され、
がトリフルオロメチルである。
【請求項5】
(S)−4−(3a−メチル−1,3−ジオキソ−5−トリフルオロメチル−3a,4−ジヒドロ−3H−1l4−チア−2,6,6a−トリアザ−ペンタレン−2−イル)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル、
(R)−4−(3a−メチル−1,3−ジオキソ−5−トリフルオロメチル−3a,4−ジヒドロ−3H−1l4−チア−2,6,6a−トリアザ−ペンタレン−2−イル)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル、
6−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−7a−メチル−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−c]オキサゾール−3,5,7−トリオン、
4−(3a−メチル−1,1,3−トリオキソ−5−トリフルオロメチル−3a,4−ジヒドロ−3H−1l6−チア−2,6,6a−トリアザ−ペンタレン−2−イル)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
よりなる群から選択される請求項4における化合物及び製薬学的に許容されうるその塩。
【請求項6】
製薬学的に許容されうる担体及び請求項1の化合物を含んでなる製薬学的組成物。
【請求項7】
治療的に有効量の請求項1の化合物を被験体に投与する方法を含んでなる、投与を要する被験体におけるアンドローゲン受容体により仲介される障害を処置する方法。
【請求項8】
アンドローゲン受容体により仲介される障害が前立腺癌、良性前立腺肥大(BPH)、多毛症、脱毛症、拒食症、乳癌、にきび、AIDS及び悪液質よりなる群から選択される、請求項7における方法。
【請求項9】
アンドローゲン受容体により仲介される障害が男性避妊又は男性行動である、請求項8における方法。
【請求項10】
治療的有効量の請求項1の化合物を被験体に投与する方法を含んでなる、投与を要する被験体における、前立腺癌、良性前立腺肥大(BPH)、多毛症、脱毛症、拒食症、乳癌、にきび、AIDS、悪液質、男性避妊及び男性行動よりなる群から選択される状態を処置する方法。

【公表番号】特表2009−526078(P2009−526078A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554461(P2008−554461)
【出願日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際出願番号】PCT/US2007/061438
【国際公開番号】WO2007/095423
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】